JP2012119484A - 荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の温度変化による描画精度の低下を抑制することのできる荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法を提供する。
【解決手段】電子ビーム描画装置は、マスク基板2を載置するステージ3を内蔵する描画室1と、ステージ3に載置されるマスク基板2に電子ビーム54を照射するビーム照射手段10と、マスク基板2の伸縮量を測定するレーザ干渉計と、伸縮量を補正量として電子ビーム54の照射位置にフィードバックする補正処理部31aとを有する。マスク基板2の伸縮量は、そのX軸方向およびY軸方向の少なくとも一方について、端面のそれぞれを2点ずつ測定することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化に伴って、LSI(Large Scale Integration)のパターンは、より微細化および複雑化する傾向にある。このため電子ビームを用いてフォトマスクにパターンを描画する、電子ビームリソグラフィ技術の開発が進められている。
電子ビームリソグラフィ技術は、本質的に優れた解像度を有している。また、焦点深度を大きく確保することができるので、高い段差上でも寸法変動を抑制できるという利点も有している。このため、DRAMを代表とする最先端デバイスの開発に適用されている他、一部ASICの生産にも用いられている。さらに、ウェハにLSIパターンを転写する際の原版となるマスクまたはレチクルの製造現場においても、電子ビームリソグラフィ技術が広く一般に使われている。
電子ビーム描画装置は、試料を載置するステージを内蔵する描画室と、ステージに載置した試料に電子ビームを照射するビーム照射手段と、描画室に隣接する位置に配置されたロボット室と、ロボット室に収納された搬送ロボットとを備える。搬送ロボットは、ロボットアームと、ロボットアームの先端に取り付けたエンドエフェクタとを有し、試料をエンドエフェクタに載置した状態でステージに搬送する。また、ロボット室の周囲には、試料に対し位置決めなどの所定の処理を施す処理室が配置されており、搬送ロボットにより処理室に試料を搬入し、処理室での処理後に、搬送ロボットにより試料を処理室から搬出してステージに搬送するようにしている。
ステージに搬送される前の試料の温度と、描画室の温度とが異なる場合、試料の温度は描画室への搬送後に変化する。すると、これに伴って試料が伸縮し、描画精度に影響を及ぼすため、試料の温度が所定温度になった状態で描画を開始する必要がある。描画室の温度は所定温度に維持されており、試料をステージに搬送して載置した後、ある程度時間(ソーキング時間)が経つと、試料の温度は描画室の温度に等しい所定温度になる。しかしながら、試料をステージに搬送してからソーキング時間の経過を待って描画を開始したのでは、スループットが低下する。
そこで、従来、ロボット室および処理室の温度を所定温度に維持する恒温手段を設け、処理室での処理中に試料の温度を所定温度にして、試料をステージに搬送した後、直ちに描画を開始するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、ソーキング時間がロスタイムにならず、スループットが向上するとされる。
特開2007−178682号公報
しかしながら、搬送ロボットのエンドエフェクタの温度は、ロボットの駆動源からロボットアームを介して伝わる熱により、ロボット室の温度(所定温度)に比べて若干高くなる。このため、処理室からステージに試料を搬送する際に、エンドエフェクタからの熱伝導で試料の温度が所定温度よりも若干高くなってしまう。LSIなどの微細パターンの描画では、こうした若干の温度上昇でも描画精度に悪影響を及ぼすことになるが、従来法においては、エンドエフェクタからの伝熱による試料の温度上昇を考慮していないという問題があった。
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、試料の温度変化による描画精度の低下を抑制することのできる荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法を提供することをその課題としている。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、試料を載置するステージを内蔵する描画室と、
ステージに載置される試料に荷電粒子ビームを照射するビーム照射手段と、
試料の伸縮量を測定する手段と、
伸縮量を補正量として荷電粒子ビームの照射位置にフィードバックする手段とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置に関する。
本発明の第1の態様において、試料の伸縮量を測定する手段は、レーザ干渉計を用いて構成されることが好ましい。
本発明の第1の態様において、試料の伸縮量を測定する手段は、試料のX軸方向およびY軸方向の少なくとも一方について、端面のそれぞれを2点ずつ測定するものであることが好ましい。
本発明の第2の態様は、荷電粒子ビームの光路上に配置された偏向器を用いて荷電粒子ビームの照射位置を制御し、試料に所定のパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法であって、
試料の伸縮量を測定する工程と、
伸縮量に応じた荷電粒子ビームの照射位置の補正量を算出する工程と、
補正量を用いて補正した照射位置に荷電粒子ビームで前記パターンを描画する描画工程とを有することを特徴とするものである。
本発明の第2の態様は、伸縮量を所定の閾値と比較する比較工程をさらに有し、
補正量を算出する工程は、伸縮量が閾値より大きい場合に行われることが好ましい。
本発明によれば、試料の温度変化による描画精度の低下を抑制することのできる荷電粒子ビーム描画装置および荷電粒子ビーム描画方法が提供される。
本実施の形態における電子ビーム描画装置の構成図である。 本実施の形態の電子ビームによる描画方法の説明図である。 ヘテロダイン干渉計の構成を説明する図である。 ステージ近傍の構成を示す図である。
図1は、本実施の形態における電子ビーム描画装置の構成図である。
図1において、電子ビーム描画装置の描画室1内には、試料であるマスク基板2が設置されたステージ3が設けられている。ステージ3は、ステージ駆動回路4によりX方向とY方向に駆動される。ステージ3の移動位置は、レーザ測長計などを用いた位置回路5により測定される。
描画室1の上方には、ビーム照射手段10が設置されている。ビーム照射手段10は、電子銃6、各種レンズ7、8、9、11、12、ブランキング用偏向器13、成形偏向器14、ビーム走査用の主偏向器15、ビーム走査用の副偏向器16、および、2個のビーム成形用アパーチャ17、18などから構成されている。
図2は、電子ビームによる描画方法の説明図である。この図に示すように、マスク基板2上に描画されるパターン51は、短冊状のフレーム領域52に分割されている。電子ビーム54による描画は、ステージ3が一方向(例えば、X方向)に連続移動しながら、フレーム領域52毎に行われる。フレーム領域52は、さらに副偏向領域53に分割されており、電子ビーム54は、副偏向領域53内の必要な部分のみを描画する。尚、フレーム領域52は、主偏向器15の偏向幅で決まる短冊状の描画領域であり、副偏向領域53は、副偏向器16の偏向幅で決まる単位描画領域である。
副偏向領域53内での電子ビーム54の位置決めは、副偏向器16で行われる。副偏向領域53の位置制御は、主偏向器15によってなされる。すなわち、主偏向器15によって、副偏向領域53の位置決めがされ、副偏向器16によって、副偏向領域53内でのビーム位置が決められる。さらに、成形偏向器14とビーム成形用アパーチャ17、18によって、電子ビーム54の形状と寸法が決められる。そして、ステージ3を一方向に連続移動させながら、副偏向領域53内を描画し、1つの副偏向領域53の描画が終了したら、次の副偏向領域53を描画する。フレーム領域52内の全ての副偏向領域53の描画が終了したら、ステージ3を連続移動させる方向と直交する方向(例えば、Y方向)にステップ移動させる。その後、同様の処理を繰り返して、フレーム領域52を順次描画して行く。
本実施の形態では、マスク基板2の伸縮量を測定し、その結果を補正量として描画にフィードバックすることを特徴とする。マスク基板2の伸縮量は、レーザ干渉計を用いて測定することができる。
レーザ干渉計は、例えば、ヘテロダイン干渉計とすることができる。図3を用いて、ヘテロダイン干渉計の構成を説明する。
光源310には、ゼーマン効果を利用した2周波レーザを用いることができる。ビームスプリッタ320、330は、所定の偏光成分を通過させて、他の偏光成分を反射する光学素子である。ここでは、ビームスプリッタ320を透過した光(f、f)を測定光とし、ビームスプリッタ320で反射した光(f−f)を参照光として分離している。また、ビームスプリッタ330で反射した光(f)は、コーナーキューブ340によって再びビームスプリッタ330に戻される。同様に、ビームスプリッタ330を透過した光(f)も、コーナーキューブ350によってビームスプリッタ330に戻される。検出器360では、これらの反射光のビート信号が検出される。
ここで、周波数がわずかに異なる光(f、f)の電場は、それぞれ次式で表される。但し、αとαは光の振幅を、φとφは光の位相を表す。
上記2つの光を重ね合わせると、検出される光の強度Iは次式のようになる。但し、f(=f−f)は光ビート周波数であり、Δ(=φ−φ)は2つの光の位相差である。
このように、周波数がわずかに異なる二光波を干渉させて、周波数(f−f)の光のビート信号を観測する。ここで、ビート信号の位相は、それぞれの光の光路差に比例しており、λ/1000程度の精度で測定できる。したがって、ヘテロダイン干渉を利用すれば、高精度での長さ測定が可能になる。
図4は、本実施の形態におけるステージ周辺の模式図である。図4において、レーザ101は、波長の異なる2種類のレーザ光(L、L)を出射する。
レーザ101から出射した光は、第1のビームスプリッタ102によって分離され、一方は第2のスプリッタ103に入射する。そして、第2のスプリッタ103でさらに2方向に分離される。第2のビームスプリッタ103を直進した光は、第3のビームスプリッタ104でさらに2方向に分離される。
第3のビームスプリッタ104で反射された光は、参照光として第1のインターフェロメータ105に入射する。第1のインターフェロメータ105は、内部に半透鏡を有していて、この半透鏡によって入射した光を異なる2つの経路に分ける。第1のインターフェロメータ105によって分離された参照光の一方は、第1のリファレンスミラー106に入射する。そして、第1のリファレンスミラー106によって反射された光は、第1の再びインターフェロメータ105に戻る。
第3のビームスプリッタ104を透過した光は、測定光として第2のインターフェロメータ107に入射する。そして、第2のインターフェロメータ107によって分離された測定光の一方は、マスク基板2に入射する。そして、マスク基板2によって反射された光は、再び第2のインターフェロメータ107に戻る。
第2のビームスプリッタ103で反射した光は、さらに第1のミラー108で進行方向を曲げられて第4のビームスプリッタ109に入射する。そして、第4のビームスプリッタ109で、参照光と測定光に分けられる。
第4のビームスプリッタ109で反射された光は、参照光として第3のインターフェロメータ110に入射する。第3のインターフェロメータ110によって分離された参照光の一方は、第1のリファレンスミラー106に入射する。そして、第1のリファレンスミラー106によって反射された光は、再び第3のインターフェロメータ110に戻る。
第4のビームスプリッタ109を透過した光は、測定光として第4のインターフェロメータ111に入射する。そして、第4のインターフェロメータ111によって分離された測定光の一方は、マスク基板2に入射する。そして、マスク基板2によって反射された光は、再び第4のインターフェロメータ111に戻る。
一方、レーザ101から出射し、第1のビームスプリッタ102によって反射された光は、さらに第2のミラー112によって進行方向を曲げられて第5のビームスプリッタ113に入射する。そして、第5のビームスプリッタ113で2方向に分離される。第5のビームスプリッタ113を直進した光は、第6のビームスプリッタ114でさらに2方向に分離される。
第6のビームスプリッタ114で反射された光は、参照光として第5のインターフェロメータ115に入射する。第5のインターフェロメータ115によって分離された参照光の一方は、第2のリファレンスミラー116に入射する。そして、第2のリファレンスミラー116によって反射された光は、再び第5のインターフェロメータ115に戻る。
第6のビームスプリッタ114を透過した光は、測定光として第6のインターフェロメータ117に入射する。そして、第6のインターフェロメータ117によって分離された測定光の一方は、マスク基板2に入射する。そして、マスク基板2によって反射された光は、再び第6のインターフェロメータ117に戻る。
第5のビームスプリッタ113で反射した光は、さらに第3のミラー118で進行方向を曲げられて第7のビームスプリッタ119に入射する。そして、第7のビームスプリッタ119で、参照光と測定光に分けられる。
第7のビームスプリッタ119で反射された光は、参照光として第7のインターフェロメータ120に入射する。第7のインターフェロメータ120によって分離された参照光の一方は、第2のリファレンスミラー116に入射する。そして、第2のリファレンスミラー116によって反射された光は、再び第7のインターフェロメータ120に戻る。
第7のビームスプリッタ119を透過した光は、測定光として第8のインターフェロメータ121に入射する。そして、第8のインターフェロメータ121によって分離された測定光の一方は、マスク基板2に入射する。そして、マスク基板2によって反射された光は、再び第8のインターフェロメータ121に戻る。
第1のインターフェロメータ105と第3のインターフェロメータ110からの出力値を基準とし、第2のインターフェロメータ107と第4のインターフェロメータ111からの出力値と比較する。同様に、第5のインターフェロメータ115と第7のインターフェロメータ120からの出力値を基準とし、第6のインターフェロメータ117と第8のインターフェロメータ121からの出力値と比較する。これにより、マスク基板2のX方向の伸縮量を測定することができる。かかる測定は、所定時間毎に行うことができる。例えば、電子ビームのドリフト量の測定と同時に行うことができる。
また、図4におけるレーザ干渉計を90度回転させた位置に配置することによって、マスク基板2のY方向の伸縮量についても同様に測定することができる。
本実施の形態においては、X軸方向およびY軸方向の少なくとも一方について、端面のそれぞれを2点ずつ測定することが好ましく、両軸方向について端面のそれぞれを2点ずつ測定することがより好ましい。図4の例のように、マスク基板2のX方向について4点、すなわち、X方向の各端面をそれぞれ2点ずつ測定し、Y方向についても同様に4点測定すれば、上述したマスク基板2の伸縮量に加えて、歪み量や回転量を測定することが可能である。
上記のようにして測定されたマスク基板2の伸縮量は、図1の位置回路5を通じて制御計算機19に送られる。そして、制御計算機19において、上記伸縮量の測定結果を補正量として描画にフィードバックするか否かの判定が行われる。具体的には、伸縮量の測定結果を所定の閾値と比較し、閾値以下である場合には測定を続ける。一方、伸縮量の測定結果が所定の閾値より大きくなった場合には、下記で述べるようにして描画にフィードバックする。
マスクパターンの設計データ(CADデータ)は、電子ビーム描画装置に入力可能な形式のレイアウトデータに変換された後、さらに描画データに変換される。描画データは、記憶媒体である磁気ディスクに記録された後、入力部20から制御計算機19によって読み出され、フレーム領域52毎にパターンメモリ21に一時的に格納される。
パターンメモリ21に格納されたフレーム領域52毎のパターンデータ、すなわち、描画位置や描画図形データなどで構成されるフレーム情報は、描画データ補正部31で補正される。
描画データ補正部31では、補正処理部31aにおいて、マスク基板2の伸縮量に応じた照射位置の補正が行われる。
上記補正は、上述した制御計算機19における判定で伸縮量の測定値が閾値より大きくなった場合に行われる。具体的には、制御計算機19で伸縮量に応じた補正が必要と判定された場合に、制御計算機19から補正処理部31aに所定の信号が送られて、マスク基板2の伸縮量に応じた位置補正量が算出される。次いで、この補正量に基づき、照射位置取得部31bにおいて照射位置が決定される。
例えば、マスク基板2上での描画指定位置(x、y)に対して、最小自乗法を用いて算出した補正係数を考慮した描画位置を(x′、y′)とすると、x′とy′はそれぞれ次式によって表わされる。
尚、マスク基板2の伸縮量に応じた照射位置の補正が必要であるか否かの判定は、制御計算機19ではなく、描画データ補正部31、例えば補正処理部31aで行うこともできる。
また、補正処理部31aでは、公知の方法により、近接効果補正、ローディング効果補正およびかぶり効果補正を考慮した補正量も算出される。次いで、これらの補正量に基づいて、照射量取得部31cで実際の照射位置における電子ビームの照射量が算出される。
描画データ補正部31で決定された照射位置と照射量のデータは、データ解析部であるパターンデータデコーダ22と描画データデコーダ23に送られる。次いで、これらを介して、副偏向領域偏向量算出部28、ブランキング回路24、ビーム成形器ドライバ25、副偏向器ドライバ26、主偏向器ドライバ27に送られる。
また、制御計算機19には、偏向制御部30が接続している。偏向制御部30は、セトリング時間決定部29に接続し、セトリング時間決定部29は、副偏向領域偏向量算出部28に接続し、副偏向領域偏向量算出部28は、パターンデータデコーダ22に接続している。また、偏向制御部30は、ブランキング回路24と、ビーム成形器ドライバ25と、副偏向器ドライバ26と、主偏向器ドライバ27とに接続している。また、偏向制御部30はステージ3にも接続しており、これによってステージ3の移動速度が制御される。
パターンデータデコーダ22からの情報は、ブランキング回路24とビーム成形器ドライバ25に送られる。具体的には、パターンデータデコーダ22で描画データに基づいてブランキングデータが作成され、ブランキング回路24に送られる。また、描画データに基づいて所望とするビーム寸法データも作成されて、副偏向領域偏向量算出部28とビーム成形器ドライバ25に送られる。そして、ビーム成形器ドライバ25から、ビーム照射手段10の成形偏向器14に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54の形状と寸法が制御される。
副偏向領域偏向量算出部28は、パターンデータデコーダ22で作成したビーム形状データから、副偏向領域53における、1ショット毎の電子ビームの偏向量(移動距離)を算出する。算出された情報は、セトリング時間決定部29に送られ、副偏向による移動距離に対応したセトリング時間が決定される。
セトリング時間決定部29で決定されたセトリング時間は、偏向制御部30へ送られた後、パターンの描画のタイミングを計りながら、偏向制御部30より、ブランキング回路24、ビーム成形器ドライバ25、副偏向器ドライバ26、主偏向器ドライバ27のいずれかに適宜送られる。
描画データデコーダ23では、描画データに基づいて副偏向領域53の位置決めデータが作成され、このデータは、副偏向器ドライバ26と主偏向器ドライバ27に送られる。そして、主偏向器ドライバ27から、ビーム照射手段10の主偏向器15に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54が所定の主偏向位置に偏向走査される。また、副偏向器ドライバ26から、副偏向器16に所定の副偏向信号が印加されて、副偏向領域53内での描画が行われる。この描画は、具体的には、設定されたセトリング時間が経過した後、電子ビーム54を繰り返し照射することによって行われる。
以上述べたように、本実施の形態では、マスク基板の伸縮量を測定し、その測定結果を補正量として描画にフィードバックする。したがって、ステージに搬送される前のマスク基板の温度と、描画室の温度とが異なり、描画室への搬送後にマスク基板の温度が変化してマスク基板が伸縮しても、それによる描画精度への影響を最小限にすることができる。よって、本実施の形態によれば、ソーキング時間の経過を待たずに描画を開始できるので、スループットの向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、描画中に電子ビームのエネルギーにより、マスク基板の温度が変化しても、それによる描画精度の低下を抑制することもできる。
さらに、本実施の形態によれば、描画室の温度をある程度広いマージンで調整することも可能である。それによりマスク基板の伸縮量が大きくなっても、伸縮量に応じた補正量が描画にフィードバックされるので、描画精度の低下は抑制される。例えば、±0.01℃の精度で描画室の温度管理が行われている場合、描画精度に対する要求が高まりさらに高精度での温度管理が必要となっても、描画室を所定の温度に維持する恒温手段を変えずに描画精度を高めることが可能である。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では電子ビームを用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、イオンビームなどの他の荷電粒子ビームを用いた場合にも適用可能である。
1 描画室
2 マスク基板
3 ステージ
4 ステージ駆動回路
5 位置回路
6 電子銃
7、8、9、11、12 各種レンズ
10 ビーム照射手段
13 ブランキング用偏向器
14 成形偏向器
15 主偏向器
16 副偏向器
17 第1のアパーチャ
18 第2のアパーチャ
19 制御計算機
20 入力部
21 パターンメモリ
22 パターンデータデコーダ
23 描画データデコーダ
24 ブランキング回路
25 ビーム成形器ドライバ
26 副偏向器ドライバ
27 主偏向器ドライバ
28 副偏向領域偏向量算出部
29 セトリング時間決定部
30 偏向制御部
31 描画データ補正部
31a 補正処理部
31b 照射位置取得部
31c 照射量取得部
51 描画されるパターン
52 フレーム領域
53 副偏向領域
54 電子ビーム
310 光源
320、330 ビームスプリッタ
340、350 コーナーキューブ
360 検出器
101 レーザ
102 第1のビームスプリッタ
103 第2のスプリッタ
104 第3のビームスプリッタ
105 第1のインターフェロメータ
106 第1のリファレンスミラー
107 第2のインターフェロメータ
108 第1のミラー
109 第4のビームスプリッタ
110 第3のインターフェロメータ
111 第1のリファレンスミラー
112 第2のミラー
113 第5のビームスプリッタ
114 第6のビームスプリッタ
115 第5のインターフェロメータ
116 第2のリファレンスミラー
117 第6のインターフェロメータ
118 第3のミラー
119 第7のビームスプリッタ
120 第7のインターフェロメータ
121 第8のインターフェロメータ

Claims (5)

  1. 試料を載置するステージを内蔵する描画室と、
    前記ステージに載置される試料に荷電粒子ビームを照射するビーム照射手段と、
    前記試料の伸縮量を測定する手段と、
    前記伸縮量を補正量として前記荷電粒子ビームの照射位置にフィードバックする手段とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記試料の伸縮量を測定する手段は、レーザ干渉計を用いて構成されることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記試料の伸縮量を測定する手段は、前記試料のX軸方向およびY軸方向の少なくとも一方について、端面のそれぞれを2点ずつ測定するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 荷電粒子ビームの光路上に配置された偏向器を用いて前記荷電粒子ビームの照射位置を制御し、試料に所定のパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法であって、
    前記試料の伸縮量を測定する工程と、
    前記伸縮量に応じた前記荷電粒子ビームの照射位置の補正量を算出する工程と、
    前記補正量を用いて補正した照射位置に前記荷電粒子ビームで前記パターンを描画する描画工程とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 前記伸縮量を所定の閾値と比較する比較工程をさらに有し、
    前記補正量を算出する工程は、前記伸縮量が前記閾値より大きい場合に行われることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10699877B2 (en) 2018-05-16 2020-06-30 Nuflare Technology, Inc. Charged-particle beam writing apparatus and charged-particle beam writing method

Cited By (1)

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