上述のような従来の採光装置では、次のような問題がある。例えば大規模なオフィスビル等におけるシステム天井(所謂、グリッドシステム天井)では、照明器具の設置台数が非常に多くなる(例えば、数千〜数万台程度)。これに伴って、照明器具にて消費される電力量が大幅に増加し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が大幅に増加してしまう。このため、システム天井に設置された既存の照明器具を採光装置に置き換えることによって、二酸化炭素の排出量の大幅な削減が期待できる。しかしながら、このようなシステム天井では、断面略逆T字状の支持バー(所謂、Tバー)を格子状に組み合わせることにより、天井パネルを支持するための支持フレームが構成されており、その構造の特殊性から、導光手段の出射側端部及び照射手段を支持フレームに取り付けることが難しい。このため、上述のようなシステム天井に対して採光装置を容易に設置することができないという問題がある。
また、上述した採光装置とともに、屋内の空気を換気するための換気装置を屋内に設置することがある。この換気装置は、例えば、屋内と屋外とを相互に連通する換気用ダクトと、換気用ダクトの吸気側端部に配設された換気用ファンと、を備えている。しかしながら、採光装置の照射手段及び導光手段の出射側端部と、換気装置の換気用ファンとをそれぞれ別個に屋内の天井パネルに設置しなければならず、その設置作業が煩雑になるという問題がある。
また、上述した採光装置では、導光手段の出射側端部と照射手段との間には固定用部材が介在され、この固定用部材をネジ止めにより天井パネルに取り付けることにより、導光手段の出射側端部及び照射手段がそれぞれ天井パネルに固定される。しかしながら、このような固定構造では、天井パネルが例えばベニヤ板等のようにネジ止め用の下地を有するタイプのものである場合には、固定用部材をネジ止めにより天井パネルに固定することができるが、天井パネルが例えばプラスターボード等のようにネジ止め用の下地を有さないタイプのものである場合には、固定用部材をネジ止めにより天井パネルに固定することができない。このため、採光装置の設置作業を容易に行うことができないという問題がある。
本発明の目的は、容易に設置作業を行うことができる採光装置を提供することである。
本発明の請求項1に記載の採光装置では、複数の格子状枠部を形成する支持フレーム及び前記複数の格子状枠部の各々に配設される複数の天井パネルから構成され、前記格子状枠部の内周部には径方向内方に突出して前記天井パネルの外周部を支持するための支持用受け部が設けられたシステム天井に設置される採光装置であって、
太陽からの光を導入するための採光手段と、前記採光手段からの光をその内面で反射させながら所定方向へ導くための筒状の導光手段と、前記導光手段により導かれた光を屋内に照射するための照射手段と、を備え、
前記照射手段に関連して筒状の固定用部材が設けられ、前記固定用部材の一端部には前記導光手段の出射側端部が取り付けられ、その他端部には前記照射手段が取り付けられ、前記固定用部材の外側面には径方向外方に突出する支持用突部が設けられ、前記固定用部材の前記支持用突部は、前記格子状枠部の前記支持用受け部に支持され、これにより前記固定用部材は前記支持フレームの前記格子状枠部に装着されることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の採光装置では、前記固定用部材の内部には屋内を照明するための照明手段が配設され、前記照明手段は、光源と、前記光源を支持するための支持パネルと、を有し、前記支持パネルは、前記固定用部材の内部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の採光装置では、前記固定用部材は断面略矩形状に構成され、前記照明手段の前記支持パネルは、前記固定用部材の内部における四隅の各々に着脱自在に取り付けられ、前記照明手段の前記光源は、その光軸が前記照射手段の略中央部を向くようにして傾斜して配設されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の採光装置では、前記固定用部材の他端部には、屋内を照明するための照明手段が設けられ、前記照明手段は、前記照射手段の外周部に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の採光装置では、前記導光手段と前記固定用部材との間には筒状のアダプタ部材が介在されており、前記アダプタ部材の一端部には前記導光手段の出射側端部が取り付けられ、その他端部には前記固定用部材の一端部が取り付けられ、前記アダプタ部材の一端部の外径は、その他端部の外径よりも小さく構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の採光装置では、太陽からの光を導入するための採光手段と、前記採光手段からの光をその内面で反射させながら所定方向へ導くための筒状の導光手段と、前記導光手段により導かれた光を屋内に照射するための照射手段と、屋内の空気を屋外に排出するための換気手段と、を備え、
前記換気手段は、屋内と屋外とを相互に連通する換気用ダクトを有し、前記導光手段及び前記換気手段に関連して固定用プレートが設けられ、前記固定用プレートは屋内の天井パネルに配設され、前記固定用プレートには、前記導光手段の出射側端部に連通される導光用開口部及び前記換気用ダクトの吸気側端部に連通される換気用開口部が設けられ、前記照射手段は、前記固定用プレートの前記導光用開口部を覆うようにして装着されることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の採光装置では、前記導光手段の出射側端部と前記照射手段との間には固定用リングが介在され、前記固定用リングにはネジ受け部が設けられ、前記ネジ受け部の上端部には切り欠き部が設けられ、前記ネジ受け部にはネジ部材が移動自在且つ回転自在に挿通され、前記ネジ部材には、その径方向外方に延びる固定用ナット部材が螺着されており、
前記固定用ナット部材の所定部位が前記切り欠き部に収容されると、前記固定用ナット部材の前記固定用リングに対する回転が拘束され、この回転拘束状態で前記ネジ部材を前記固定用ナット部材に対して所定方向に回転させることにより、前記固定用リングと前記固定用ナット部材との間に前記固定用プレートが挟持されることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載の採光装置では、太陽からの光を導入するための採光手段と、前記採光手段からの光をその内面で反射させながら所定方向へ導くための筒状の導光手段と、前記導光手段により導かれた光を屋内に照射するための照射手段と、を備え、
前記導光手段の出射側端部と前記照射手段との間には固定用リングが介在され、前記固定用リングにはネジ受け部が設けられ、前記ネジ受け部の上端部には切り欠き部が設けられ、前記ネジ受け部にはネジ部材が移動自在且つ回転自在に挿通され、前記ネジ部材には、その径方向外方に延びる固定用ナット部材が螺着されており、
前記固定用ナット部材の所定部位が前記切り欠き部に収容されると、前記固定用ナット部材の前記固定用リングに対する回転が拘束され、この回転拘束状態で前記ネジ部材を前記固定用ナット部材に対して所定方向に回転させることにより、前記固定用リングと前記固定用ナット部材との間に屋内の天井パネルが挟持されることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に記載の採光装置では、前記ネジ受け部の上端部において前記切り欠き部の片側の部位には、前記固定用ナット部材の前記所定部位を逃がすための逃げ用切り欠き部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に記載の採光装置では、前記固定用リングは前記導光手段の出射側端部の外周部に取り付けられ、また、前記導光手段に関連して、前記導光手段の出射側端部における開口部を覆うための結露防止用カバー部材が設けられ、前記結露防止用カバー部材の外周部は、前記固定用リングと前記導光手段の出射側端部との間に配設され、前記結露防止用カバー部材の外周部と前記固定用リング又は前記導光手段の出射側端部との間にはシール部材が介在されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の採光装置によれば、固定用部材の一端部には導光手段の出射側端部が取り付けられ、その他端部には照射手段が取り付けられている。固定用部材の外側面には径方向外方に突出する支持用突部が設けられ、この支持用突部は、支持フレームの格子状枠部に設けられた支持用受け部に支持される。この格子状枠部の支持用受け部は、システム天井の天井パネルの外周部を支持するためのものであり、このような支持用受け部を利用して、固定用部材を支持フレームの格子状枠部に装着することができる。これにより、導光手段の出射側端部及び照射手段をシステム天井の支持フレームに容易に設置することができ、採光装置の設置作業を容易に行うことができる。
また、本発明の請求項2に記載の採光装置によれば、固定用部材の内部には屋内を照明するための照明手段が配設されているので、例えば夜間のように太陽からの光が十分に得られない場合であっても、照明手段の光源からの光によって屋内を照明することができる。また、照明手段の支持パネルは固定用部材の内部に着脱自在に取り付けられるので、例えば用途等に応じて光源の種類を変更したい場合には、光源(例えばLEDランプ)が支持された支持パネルを固定用部材の内部から取り外した後に、異なる種類の光源(例えば蛍光ランプ)が支持された支持パネルを固定用部材の内部に取り付けることができる。
また、本発明の請求項3に記載の採光装置によれば、照明手段の支持パネルは、固定用部材の内部における四隅の各々に着脱自在に取り付けられているので、導光手段の出射側端部から照射手段に導かれる太陽光が照明手段により遮られるのを抑制することができ、太陽光を効率良く屋内に照射することができる。また、照明手段の光源は、その光軸が照射手段の略中央部を向くようにして傾斜して配設されているので、光源からの光を屋内に向けて効率良く照射することができる。
また、本発明の請求項4に記載の採光装置によれば、固定用部材の他端部には屋内を照明するための照明手段が設けられているので、例えば夜間のように太陽からの光が十分に得られない場合であっても、照明手段からの光によって屋内を照明することができる。また、この照明手段は、照射手段の外周部に配設されているので、導光手段の出射側端部から照射手段に導かれる太陽光が照明手段により遮られるのを抑制することができ、太陽光を効率良く屋内に照射することができる。
また、本発明の請求項5に記載の採光装置によれば、導光手段と固定用部材との間には筒状のアダプタ部材が介在され、アダプタ部材の一端部の外径は、その他端部の外径よりも小さく構成されている。これにより、導光手段の外径が固定用部材の一端部の外径よりも小さい場合には、導光手段の外径に対応するアダプタ部材を用いることによって、導光手段の出射側端部をアダプタ部材を介して固定用部材の一端部に取り付けることができる。
また、本発明の請求項6に記載の採光装置によれば、屋内の天井パネルに配設される固定用プレートには導光用開口部及び換気用開口部が設けられており、導光手段の出射側端部が導光用開口部に連通されるとともに、換気用ダクトの吸気側端部が換気用開口部に連通される。これにより、導光手段の出射側端部及び換気用ダクトの吸気側端部をそれぞれ1つの固定用プレートに接続すればよいので、その設置作業を容易に行うことができる。
また、本発明の請求項7に記載の採光装置によれば、固定用リングのネジ受け部の上端部には切り欠き部が設けられ、ネジ受け部に移動自在且つ回転自在に挿通されたネジ部材には、その径方向外方に延びる固定用ナット部材が螺着されている。採光装置の設置作業時において、導光手段を固定用プレートの導光用開口部に下方より挿入する際に、ネジ部材を回転させて固定用ナット部材を導光手段の外側面に沿わせるようにすることにより、固定用ナット部材の先端部が固定用プレートの下面にぶつかることがなく、導光手段をスムーズに挿入することができる。また、固定用ナット部材の所定部位がネジ受け部の切り欠き部に収容されると、固定用ナット部材の固定用リングに対する回転が拘束され、この回転拘束状態でネジ部材を固定用ナット部材に対して所定方向(締付方向)に回転させることにより、固定用ナット部材が切り欠き部に沿ってネジ受け部に対して移動され、固定用リングと固定用ナット部材との間に固定用プレートが挟持される。これにより、導光手段の出射側端部を固定用プレートの導光用開口部により容易に接続することができる。
また、本発明の請求項8に記載の採光装置によれば、固定用リングのネジ受け部の上端部には切り欠き部が設けられ、ネジ受け部に移動自在且つ回転自在に挿通されたネジ部材には、その径方向外方に延びる固定用ナット部材が螺着されている。採光装置の設置作業時において、導光手段を天井パネルに設けられた天井貫通孔に下方より挿入する際に、ネジ部材を回転させて固定用ナット部材を導光手段の外側面に沿わせるようにすることにより、固定用ナット部材の先端部が天井パネルの下面にぶつかることがなく、導光手段をスムーズに挿入することができる。また、固定用ナット部材の所定部位がネジ受け部の切り欠き部に収容されると、固定用ナット部材の固定用リングに対する回転が拘束され、この回転拘束状態でネジ部材を固定用ナット部材に対して所定方向(締付方向)に回転させることにより、固定用ナット部材が切り欠き部に沿ってネジ受け部に対して移動され、固定用リングと固定用ナット部材との間に天井パネルが挟持される。これにより、導光手段の出射側端部を天井パネルの天井貫通孔により容易に接続することができる。
また、本発明の請求項9に記載の採光装置によれば、ネジ受け部の上端部において切り欠き部の片側の部位には、固定用ナット部材の所定部位を逃がすための逃げ用切り欠き部が設けられている。上述のように固定用ナット部材を導光手段の外側面に沿わせると、固定用ナット部材の上記所定部位は、ネジ受け部の逃げ用切り欠き部に逃がされる。この状態からネジ部材を上記所定方向(締付方向)に回転させると、固定用ナット部材がネジ部材と一体に上記所定方向に回転され、固定用ナット部材の上記所定部位が切り欠き部の一側部に接触される。このように接触されることにより、固定用ナット部材の固定用リングに対する上記所定方向への回転が阻止される。このように回転が阻止された状態でネジ部材を上記所定方向に更に回転させると、固定用ナット部材が切り欠き部に沿ってネジ受け部に対して移動する。従って、固定用ナット部材を導光手段の外側面に沿わせた状態からネジ部材を上記所定方向に回転させることにより、固定用ナット部材を回転許容状態から回転拘束状態へとスムーズに保持させることができる。
また、本発明の請求項10に記載の採光装置によれば、導光手段の出射側端部における開口部を覆うための結露防止用カバー部材が設けられ、結露防止用カバー部材の外周部と固定用リング又は導光手段の出射側端部との間にはシール部材が介在されている。これにより、導光手段の内部が屋内と密封されるようになるので、屋内の水蒸気を含んだ暖かい空気が導光手段の内部に侵入するのを防止することができる。これにより、例えば冬季において導光手段の表面温度が露点温度よりも低下した場合であっても、導光手段の内部において結露が発生するのを防止することができる。また、虫や塵埃などが、導光手段の出射側端部における開口部を通して屋内に侵入するのを防止することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う採光装置の各種実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1及び図2を参照して、第1の実施形態の採光装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による採光装置を示す断面図であり、図2は、図1の固定用部材及び導光手段の出射側端部を示す分解斜視図である。
図1を参照して、図示の採光装置2は、建物4(例えばオフィスビル等)の屋根6に設けられて太陽からの光を導入するための採光手段8と、採光手段8からの光をその内面で反射させながら所定方向に導くための筒状の導光手段10と、導光手段10により導かれた光を建物4の内部(屋内)に照射するための照射手段12と、を備えている。
採光手段8は、取付部材14及びドーム部材16を備えている。取付部材14は、建物4の屋根6に取り付けられるベース部18と、ベース部18から上方に延びる円筒状の支持部20と、を有している。この取付部材14は、例えばガルバニウムやアルミニウム、銅等の金属又は繊維強化プラスチック(FRP)等から形成されている。ドーム部材16は略半球面状に構成され、例えば透明のアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂又は透明のガラス等から形成されている。このドーム部材16は、複数の取付ネジ22により支持部20の開口部を覆うようにして取り付けられる。また、ドーム部材16の内面には、円弧状に湾曲された集光反射板24が配設されている。集光反射板24の凹面側は、太陽からの光を採光するための反射面として機能される。
導光手段10は、複数の筒状部材26を上下に連結することにより構成され、建物4の屋根6と屋内のシステム天井28(後述する)との間の空間30に配設されている。筒状部材26は、その一端側の外径が他端側の外径よりも幾分小さいテーパ状に形成されている。筒状部材26の一端部は、その上側に隣接する筒状部材26の他端部に所定長さだけ挿入され、上側の筒状部材26の他端部と下側の筒状部材26の一端部との継ぎ目には例えばアルミニウムテープ等が貼着されており、これにより両者が相互に連結される。最も上側に配設された筒状部材26の一端部(即ち、導光手段10の入射側端部32)は、建物4の屋根6に設けられた貫通孔34を通して外部に延び、支持部20の開口部に取り付けられている。また、最も下側に配設された筒状部材26の下端部(即ち、導光手段10の出射側端部36)は、固定用部材38(後述する)の一端部に取り付けられている。筒状部材26の内面には反射面40が形成され、この反射面40は、例えばアルミニウムフィルム等の反射材を貼着する、あるいはアルミニウムの蒸着等により構成されている。なお、本実施形態では、筒状部材26の直径は約600mmに構成されている。
照射手段12は、矩形状且つプレート状の拡散カバー部材42から構成されている。この拡散カバー部材42は、例えば半透明のアクリルやプラスチック等の合成樹脂又は半透明のガラス等から形成されている。この拡散カバー部材42は、固定用部材38を介して屋内のシステム天井28に配設されている。
ここで、図2をも参照して、システム天井28及び固定用部材38の各構成について説明する。このシステム天井28(所謂、グリッドシステム天井)では、複数の格子状枠部44を形成する支持フレーム46が天井スラブ(図示せず)より吊りボルト48を介して吊り下げられ、各格子状枠部44には矩形状の天井パネル50が装着されている。支持フレーム46は、断面略逆T字状の複数の支持バー51(所謂、Tバー)を格子状に配設することによって構成されている。支持バー51の下端部には、水平方向に且つ両側に突出する支持用受け部52が設けられている。これにより、格子状枠部44の内周部には、その全周に渡って支持用受け部52が設けられている。支持用受け部52は径方向内方に突出して設けられ、この支持用受け部52には天井パネル50の外周部が支持される(図1参照)。なお、格子状枠部44の寸法は、例えば縦600mm×横600mmに構成されている。
固定用部材38は断面略矩形状の筒状に構成され、その寸法は、格子状枠部44の寸法に対応して縦600mm×横600mmに構成されている。この固定用部材38は、例えばアルミニウム等の金属から形成されている。固定用部材38の一端部には円形状の開口部54が設けられ、この開口部54には、上方に幾分突出する円筒状の固定部56が設けられている。固定部56の直径は、筒状部材26の直径に対応した大きさ(即ち、約600mm)に構成されている。この固定部56には、最も下側に配設された筒状部材26の下端部が取り付けられ、両者の継ぎ目には例えばアルミニウムテープ等が貼着されている。また、固定用部材38の他端部には矩形状の開口部58が設けられ、この開口部58には拡散カバー部材42が装着されている。固定用部材38の外側面には、その全周に渡って径方向外方に幾分突出する支持用突部60が設けられている。この支持用突部60は、格子状枠部44の支持用受け部52に支持され、これにより固定用部材38が格子状枠部44に装着される。また、固定用部材38の内面には反射面62が形成され、この反射面62は、例えばアルミニウムフィルム等の反射材を貼着する、あるいはアルミニウムの蒸着等により構成されている。
固定用部材38の内部における一端部側の四隅にはそれぞれ照明手段64が配設されている。この照明手段64は、支持パネル66と、支持パネル66に支持されたソケット68と、ソケット68に着脱自在に装着された電球型のLEDランプ70(光源を構成する)と、を有している。支持パネル66は略逆三角形状に形成され、固定用部材38の内部における四隅の各々に着脱自在に取り付けられている。各LEDランプ70は、その光軸が拡散カバー部材42の略中央部を向くようにして、水平方向に対して下方に傾斜して配設されている。また、固定用部材38の外側面には、LEDランプ70を点灯制御するためのコントローラ(図示せず)が取り付けられている。コントローラから延びる電力ケーブル(図示せず)は、固定用部材38に設けられた開口部(図示せず)を通してその内部に導かれ、LEDランプ70の端子部(図示せず)に電気的に接続される。コントローラには、屋内配線(図示せず)を介して商用電力が供給される。コントローラから各LEDランプ70に点灯電流が供給されることによって、各LEDランプ70が点灯される。
本実施形態の採光装置2によって、次のようにして屋内が照明される。ドーム部材16を通して導入された太陽からの光は、日の出や日の入りのように太陽高度の低いときにはドーム部材16内に設けられた集光反射板24の凹面側で反射されて筒状部材26の内部へと導かれ、また日中のように太陽高度の高いときには支持部20の開口部より筒状部材26の内部へと導かれる。このように導かれた光は、各筒状部材26の内面に形成された反射面40を乱反射しながら所定方向(即ち、照射手段12が配設された方向)へと導かれ、最も下側に配設された筒状部材26の他端部から出射される。更にこの光は、固定用部材38の内面に形成された反射面62を乱反射した後に、拡散カバー部材42を通して屋内に拡散照射される。
また、例えば夜間のように太陽からの光が十分に得られない場合には、コントローラを作動させることによって各LEDランプ70を点灯させればよい。これにより、各LEDランプ70からの光は、拡散カバー部材42を通して屋内に拡散照射され、屋内が照明される。なお、本実施形態では、屋内を照明するための照明手段64の光源を電球型のLEDランプ70から構成したが、例えば電球型の蛍光ランプ等から構成してもよい。あるいは、照明手段64を交換可能なユニットとすることにより、LEDランプ70が支持された支持パネル66を固定用部材38の内部から取り外し、例えば蛍光ランプが支持された支持パネルを固定用部材38の内部に取り付けることができる。これにより、照明手段64の光源の種類を用途等に応じて適宜変更することができる。このような照明手段64の交換作業は、例えば拡散カバー部材42を固定用部材38の他端部から取り外すことにより、屋内側から容易に行うことができる。
なお、拡散カバー部材42の固定用部材38に対する装着機構は、例えば図3に示すような形態のものから構成することができる。図3において、拡散カバー部材42’は、矩形状の拡散板59と、拡散板59の外周部に取り付けられた枠部材61と、を有している。枠部材61の相互に対向する両側部における上面にはそれぞれ、固定用金具63が設けられている。各固定用金具63は、略V字状に延びる一対のスプリング部材65を有し、これら一対のスプリング部材65は、相互に離隔する方向に弾性的に偏倚されている。また、固定用部材38’の開口部58’には、径方向外方に延びる矩形状の装着用枠部67が設けられ、この装着用枠部67には、一対の固定用金具63に対応して一対の固定用孔69が設けられている。拡散カバー部材42’を固定用部材38’の開口部58’に装着する際には、一対のスプリング部材65をその弾性偏倚力に抗して相互に近接させた状態で、装着用枠部67の固定用孔69に下方より挿通させる。このように挿通させると、一対のスプリング部材65が相互に離隔する方向に弾性的に偏倚され、一対のスプリング部材65が固定用孔69の上側に引っ掛かるようになる。このようにして、拡散カバー部材42’が固定用部材38’の開口部58’に装着される。また、一対のスプリング部材65の弾性偏倚力によって、拡散カバー部材42’の枠部材61が固定用部材38’の装着用枠部67に押圧され、両者が相互に密着される。これにより、虫が拡散カバー部材42’の枠部材61と固定用部材38’の装着用枠部67との間を通して屋内に侵入するのを防止することができる。
[第2の実施形態]
次に、図4〜図6を参照して、第2の実施形態の採光装置について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態による採光装置の一部を示す断面図であり、図5は、図4の固定用部材及びアダプタ部材を示す分解斜視図であり、図6は、図4の照射手段を屋内側より見上げた状態を示す図である。なお、以下に示す各実施形態において、上記第1の実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4及び図5において、本実施形態の採光装置2Aでは、支持用突部60Aは、固定用部材38Aの対向する一対の側部の各外側面に2つずつ設けられている。また、導光手段10Aの出射側端部36Aと固定用部材38Aとの間には、断面円形状のアダプタ部材72が介在されている。このアダプタ部材72の一端部における開口部74の直径D1は、その他端部における開口部76の直径D2よりも小さく構成されている。本実施形態では、筒状部材26Aの直径は約350mmに構成され、上記第1の実施形態の筒状部材26の直径よりも小さく構成されている。アダプタ部材72の一端部における開口部74の直径D1は、本実施形態の筒状部材26Aの直径に対応した大きさに構成されている。アダプタ部材72の一端部には、最も下側に配設された筒状部材26Aの他端部が取り付けられ、その他端部には、固定用部材38Aの固定部56が取り付けられている。
このように、筒状部材26Aの直径が固定用部材38Aの固定部56の直径よりも小さい場合には、筒状部材26Aの直径に対応するアダプタ部材72を固定用部材38Aの固定部56に取り付けることによって、筒状部材26Aの他端部をアダプタ部材72を介して固定用部材38Aの固定部56に取り付けることができる。例えば、筒状部材26Aの直径が約350mmであるときには、この直径に対応するアダプタ部材72を固定用部材38Aの固定部56に取り付ければよく、また、筒状部材26Aの直径が約250mmであるときには、この直径に対応する別のアダプタ部材を固定用部材38Aの固定部56に取り付ければよい。
また、固定用部材38Aの他端部には、屋内を照明するための照明手段78が配設されている。この照明手段78は、ロの字状に形成され且つ下面が開口されたケーシング80と、ケーシング80の内部に支持された取付基板82と、取付基板82の片面に実装されたチップ型の複数のLED84と、を有している(図4及び図6参照)。ケーシング80は、複数のLED84が屋内側を向くようにして、固定用部材38Aの他端部における外周部にその全周に渡って配設されている。また、取付基板82の片面には、屋内の照度を検知するための照度センサ(図示せず)が設けられている。拡散カバー部材42は、この照明手段78を覆うようにして固定用部材38Aの他端部に取り付けられている。これにより、照明手段78は、拡散カバー部材42の外周部にその全周に渡って配設されるようになる。上記第1の実施形態と同様に、固定用部材38Aの外側面には、各LED84を点灯制御するためのコントローラ(図示せず)が取り付けられている。このコントローラは、照度センサの検知照度が所定値よりも低下すると作動され、照度センサの検知照度が上記所定値を超えると作動停止される。
これにより、例えば夜間のように太陽からの光が十分に得られない場合には、照度センサの検知照度が上記所定値よりも低下することによってコントローラが作動され、各LED84が点灯される。各LED84からの光は、拡散カバー部材42を通して屋内に拡散照射され、屋内が照明される。
[第3の実施形態]
次に、図7を参照して、第3の実施形態の採光装置について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態による採光装置の照射手段を屋内側より見上げた状態を示す図である。
本実施形態の採光装置2Bでは、上記第2の実施形態と同様に、固定用部材38の他端部には、屋内を照明するための照明手段78Bが配設されている。この照明手段78Bは、横長に形成され且つ下面が開口されたケーシング80Bと、ケーシング80Bの内部に支持された取付基板82Bと、取付基板82Bの片面に実装されたチップ型の複数のLED84と、を有している。ケーシング80Bは、複数のLED84が屋内側を向くようにして、固定用部材38の他端部における外周部の両側に配設されている。これにより、照明手段78Bは、拡散カバー部材42の外周部の両側に配設されるようになる。従って、本実施形態においても、上記第2の実施形態と同様の作用効果が達成される。
[第4の実施形態]
次に、図8〜図11を参照して、第4の実施形態の採光装置について説明する。図8は、本発明の第4の実施形態による採光装置の一部を示す断面図であり、図9は、図8の固定用プレート及びその周辺の構成を示す分解斜視図であり、図10は、図8の固定用プレートを屋内側より見上げた状態を示す図であり、図11(a)は、固定用ナット部材の固定用リングに対する回転が許容された状態を示す斜視図であり、図11(b)は、固定用ナット部材の固定用リングに対する回転が拘束された状態を示す斜視図である。
本実施形態の採光装置2Cでは、屋内の空気を外部に排出するための換気手段86が設けられている。この換気手段86は、屋内と屋外とを連通する蛇腹状の換気用ダクト88と、換気用ダクト88の所定部位に配設された換気用ファン90と、を有している。換気用ダクト88は、建物の屋根(図示せず)と天井パネル92との間の空間30に配設されている。換気用ダクト88の排気側端部(図示せず)は、例えば建物の屋根に設けられた排気口(図示せず)に接続され、その吸気側端部94は、固定用プレート96(後述する)の換気用接続部98に接続されている。換気用ファン90は、建物の屋根と天井パネル92との間の空間30に配設された柱部材(図示せず)に固定支持されている。
次に、上述した固定用プレート96の構成について説明する。固定用プレート96は長円形状に形成され、その外周部には複数の挿通孔100が設けられている。取付ネジ102を挿通孔100を通して天井パネル92の下面に螺着することにより、固定用プレート96が天井パネル92の下面に取り付けられる。この固定用プレート92が取り付けられる天井パネル92の部位には、長円形状の天井貫通孔104が設けられている。固定用プレート96には、円形状の導光用開口部106及び略弓状の換気用開口部108が間隔を置いて設けられている。固定用プレート96の上面には、導光用開口部106から上方に幾分突出する円筒状の導光用接続部110と、換気用開口部108から上方にテーパ状に延びる換気用接続部98とが設けられている。この換気用接続部98には、換気用ダクト88の吸気側端部94が接続されている。また、固定用プレート96の換気用開口部108には、複数の吸気口112を有する吸気カバー部材114が装着されている。
また、導光手段10Cの出射側端部36Cは、固定用リング116を介して固定用プレート96の導光用接続部110に接続されている。この固定用リング116は、円形状のリング部118と、リング部118の内周部から上方に延びる円筒状の取付部120と、を有している。取付部120の内周面には、複数の突起部122が周方向に間隔を置いて設けられている。これら複数の突起部122に対応して、最も下側に配設された筒状部材26Cの他端部には、複数の取付孔124が周方向に間隔を置いて設けられている。取付部120の突起部122が筒状部材26Cの取付孔124に挿入されることによって、固定用リング116が筒状部材26Cの他端部における外周部に取り付けられる。
取付部120の外周面には、複数のネジ受け部126が周方向に間隔を置いて設けられている。ネジ受け部126は略円筒状に形成され、その内部には上下に延びて固定用リング116を貫通する貫通孔128が形成されている(図11参照)。ネジ受け部126の上端部(即ち、貫通孔128の上端部)には、その上端から下方に延びる切り欠き部130が設けられている。ネジ受け部126の貫通孔128には、ネジ部材132が上下動自在且つ回転自在に挿通されている。ネジ部材132の頭部134は、貫通孔128を通してリング部118の下方に突出されている。また、ネジ部材132の先端部には、その径方向外方に延びる固定用ナット部材136が螺着されている。固定用ナット部材136は例えば合成樹脂等から形成され、その基端部には、ネジ部材132が螺着されるネジ孔138が設けられている。
ネジ部材132をネジ受け部126に対して上方に移動させると、固定用ナット部材136の基端部がネジ受け部126の切り欠き部130の外部に配設される(図11(a)参照)。これにより、固定用ナット部材136の固定用リング116に対する回転が許容される回転許容状態となる。また、ネジ部材132をネジ受け部126に対して下方に移動させると、固定用ナット部材136の基端部がネジ受け部126の切り欠き部130に収容される(図11(b)参照)。これにより、固定用ナット部材136の固定用リング116に対する回転が拘束される回転拘束状態となる。この回転拘束状態では、固定用ナット部材136の先端部は、固定用リング116の径方向外方に向けて延びるようになる。
後述するようにして、固定用リング116のリング部118と固定用ナット部材136の先端部との間に固定用プレート96及び天井パネル92が挟持されることにより、導光手段10Cの出射側端部36Cが固定用プレート96の導光用接続部110に接続されている。また、固定用リング116のリング部118には、固定用プレート96の導光用開口部106を覆うようにして略半球状の拡散カバー部材42Cが装着されている。
次に、上述した固定用プレート96に導光手段10Cの出射側端部36C及び換気用ダクト88の吸気側端部94をそれぞれ接続する方法について説明する。まず、ホールソー等を用いて天井パネル92の所定部位に長円形状の天井貫通孔104を穿設し、この天井貫通孔104と導光用開口部106及び換気用開口部108とが連通されるようにして、固定用プレート96を天井パネル92の下面に取付ネジ102により取り付ける。その後、換気用ダクト88の吸気側端部94を換気用接続部98に接続し、吸気カバー部材114を換気用開口部108に装着する。
また、筒状部材26Cをその一端部側から導光用開口部106に下方より挿入する。このとき、回転許容状態にてネジ部材132を図11(a)の矢印Pで示す方向に回転させ、固定用ナット部材136を筒状部材26Cの外側面に沿わせるようにする。これにより、筒状部材26Cを導光用開口部106に挿入する際に、固定用ナット部材136の先端部が固定用プレート96の下面にぶつかることがなく、筒状部材26Cをスムーズに挿入することができる。その後、ネジ部材132を図11(a)の矢印Qで示す方向に回転させた後にネジ受け部126に対して下方に移動させ、固定用ナット部材136の基端部をネジ受け部126の切り欠き部130に収容させる。この回転拘束状態でネジ部材126を締付方向(図11(b)の矢印Rで示す方向)に回転させると、ネジ部材126が固定用ナット部材136のネジ孔138に螺着されながらネジ受け部126に対して上方に移動し、これに伴って固定用ナット部材136が切り欠き部130に沿ってネジ受け部126に対して下方に移動する。これにより、固定用ナット部材136の先端部が固定用リング116の導光用接続部110の上端部を下方に押圧し、固定用リング116のリング部118と固定用ナット部材136の先端部との間に固定用プレート96が挟持され(図8参照)、導光手段10Cの出射側端部36Cが固定用プレート96の導光用接続部110に接続される。その後、固定用リング116のリング部118に拡散カバー部材42Cを装着する。
本実施形態の採光装置2Cでは、次のようにして換気手段86による屋内の換気が行われる。換気用ファン90が作動すると、屋内の空気は、吸気カバー部材114の吸気口112を通して換気用接続部98の内部に流入される。この流入された空気は、換気用ダクト88内を流れて排気口より外部に排出される。従って、本実施形態の採光装置2Cでは、太陽光を利用して屋内を照明することができるとともに、屋内の空気を外部に排出して換気することができる。
なお、本実施形態の固定用プレート96は、例えばシステム天井の天井パネルや、システム天井以外の一般の天井の天井パネル等に取り付けることができる。また、本実施形態では、換気用ファン90を柱部材に固定支持するように構成したが、例えば天井パネル92の上面(裏面)に固定支持するように構成してもよい。また、本実施形態の換気用ダクト88は、建物の屋根から天井パネル92まで延びる1本のダクトから構成したが、例えば天井パネル92の複数箇所に固定用プレート96が取り付けられる場合には、換気用ダクト88の排気側を1本の排気側端部から構成し、その吸気側を複数本に分岐された吸気側端部から構成してもよい。かかる場合には、分岐された各吸気側端部はそれぞれ、対応する固定用プレート96の換気用接続部98に接続される。また、換気用ファン90は、例えば複数本の吸気側端部の合流部に配設される。
[第5の実施形態]
次に、図12及び図13を参照して、第5の実施形態の採光装置について説明する。図12は、本発明の第5の実施形態による採光装置の一部を示す断面図であり、図13は、図12の導光手段の出射側端部及び照射手段を示す分解斜視図である。
本実施形態の採光装置2Dでは、導光手段10Cの出射側端部36Cに固定用リング116が取り付けられ、この固定用リング116は、上記第4の実施形態と同様に構成されている。この固定用リング116によって、導光手段10Cの出射側端部36Cを次のようにして天井パネル92に固定することができる。まず、ホールソー等を用いて天井パネル92の所定部位に円形状の天井貫通孔104Dを穿設し、筒状部材26Cをその一端部側から天井貫通孔104Dに下方より挿入する。このとき、回転許容状態にてネジ部材132を所定方向に回転させ、固定用ナット部材136を筒状部材26Cの外側面に沿わせるようにする。これにより、筒状部材26Cを天井貫通孔104に挿入する際に、固定用ナット部材136の先端部が天井パネル92の下面にぶつかることがなく、筒状部材26Cをスムーズに挿入することができる。
そして、ネジ部材132を上記所定方向と反対方向に回転させた後にネジ受け部126に対して下方に移動させ、固定用ナット部材136の基端部をネジ受け部132の切り欠き部130に収容させる。この回転拘束状態でネジ部材132を締付方向に回転させると、ネジ部材126が固定用ナット部材136のネジ孔138に螺着されながらネジ受け部126に対して上方に移動し、これに伴って固定用ナット部材136が切り欠き部130に沿ってネジ受け部126に対して下方に移動する。これにより、固定用ナット部材136の先端部が天井パネル92の上面を下方に押圧し、固定用リング116のリング部118と固定用ナット部材136の先端部との間に天井パネル92が挟持され(図12参照)、導光手段10Cの出射側端部36Cが天井パネル92に固定される。その後、固定用リング116のリング部118に拡散カバー部材42Cを装着する。
[第6の実施形態]
次に、図14及び図15を参照して、第6の実施形態の採光装置について説明する。図14は、本発明の第6の実施形態による採光装置の一部を示す断面図であり、図15(a)は、固定用ナット部材の固定用リングに対する回転が許容された状態を示す斜視図であり、図15(b)は、固定用ナット部材の固定用リングに対する回転が拘束された状態を示す斜視図である。
本実施形態の採光装置2Eでは、導光手段10Cの出射側端部36Cにおける開口部を覆うための結露防止用カバー部材140が設けられている(図14参照)。結露防止用カバー部材140は略円盤状に形成され、その直径は、導光手段10Cの筒状部材26Cの直径に対応した大きさに構成されている。この結露防止用カバー部材140は、例えば透明のアクリル等から形成される。結露防止用カバー部材140の外周部には円筒状の装着部142が設けられ、装着部142の外周面には、その全周に渡ってシール部材144が貼着されている。このシール部材144は例えば弾性変形可能なゴム材等から形成される。結露防止用カバー部材140は、導光手段10Cの出射側端部36Cにおける開口部を覆うようにして取り付けられ、その装着部142は、固定用リング116Eの取付部120Eと導光手段10Cの出射側端部36Cとの間の隙間に配設される。これにより、結露防止用カバー部材140の装着部142と固定用リング116Eの取付部120Eとの間にシール部材144が介在されるようになる。なお、シール部材144を装着部142の内周面の全周に渡って貼着し、結露防止用カバー部材140の装着部142と導光手段10Cの出射側端部36Cとの間にシール部材144が介在されるように構成してもよい。
また、固定用リング116Eの取付部120Eの内周面には、その全周に渡ってシール部材148が貼着されている。このシール部材148は例えば弾性変形可能なゴム材等から形成され、固定用リング116Eの取付部120Eと導光手段10Cの出射側端部36Cとの間に介在されている。なお、このシール部材148は省略するようにしてもよい。
このように構成することにより、導光手段10Cの内部が屋内と密封されるようになるので、屋内の水蒸気を含んだ暖かい空気が導光手段10Cの内部に侵入することがなく、導光手段10Cの内部において結露が発生するのを防止することができる。また、虫や塵埃などが、導光手段10Cの出射側端部36Cにおける開口部を通して屋内に侵入するのを防止することができる。
また、固定用リング116Eのネジ受け部126Eの上端部の一部(即ち、切り欠き部130Eの片側の部位)には、固定用ナット部材136Eの基端部を逃がすための逃げ用切り欠き部146が形成されている(図15参照)。これにより、切り欠き部130Eの片側におけるネジ受け部126Eの上端部は、切り欠き部130Eの他側におけるネジ受け部126Eの上端部よりも低く構成されている。
ネジ部材132をネジ受け部126Eに対して上方に移動させると、固定用ナット部材136Eの基端部は、ネジ受け部126Eの切り欠き部130Eの外部に配設される(図15(a)参照)。これにより、固定用ナット部材136Eの固定用リング116Eに対する回転が許容される回転許容状態となる。固定用ナット部材136Eを筒状部材26Cの外側面に沿わせると、固定用ナット部材136Eの基端部は、ネジ受け部126Eの逃げ用切り欠き部146に逃がされる。この状態からネジ部材132を締付方向に回転させると、固定用ナット部材136Eがネジ部材132と一体に上記締付方向に回転され、図15(a)において二点鎖線で示すように、固定用ナット部材136Eの基端部が切り欠き部130Eの一側部に接触される。このように接触されると、固定用ナット部材136Eの固定用リング116Eに対する上記締付方向への回転が阻止される。この状態でネジ部材132を上記締付方向に更に回転させると、ネジ部材126が固定用ナット部材136Eのネジ孔138に螺着されながらネジ受け部126Eに対して上方に移動し、これに伴って固定用ナット部材136Eが切り欠き部130Eに沿ってネジ受け部126Eに対して下方に移動する。これにより、固定用ナット部材136Eの固定用リング116Eに対する回転が拘束される回転拘束状態となる(図15(b)参照)。
従って、固定用ナット部材136Eを筒状部材26Cの外側面に沿わせた状態からネジ部材132を上記締付方向に回転させることにより、固定用ナット部材136Eを回転許容状態から回転拘束状態へとスムーズに保持させることができる。
以上、本発明に従う採光装置の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
例えば、上記第1〜第3の実施形態では、屋内を照明するための照明手段64,78,78Bを設けるように構成したが、この照明手段64,78,78Bを省略するように構成してもよい。