JP2012111870A - 光学フィルム用粘着剤層、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム用粘着剤層、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水分散型粘着剤組成物から形成された光学フィルム用粘着剤層であって、光学特性を満足でき、かつ加熱条件下および加湿条件下における耐久性を満足することができる光学フィルム用粘着剤層を提供すること。
【解決手段】水分散型粘着剤組成物から形成される光学フィルム用粘着剤層であって、前記水分散型粘着剤組成物は、総モノマー単位に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステル60〜99.9重量%およびカルボキシル基含有モノマー0.1〜10重量%をモノマー単位として含有する水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)およびアルカリ珪酸塩(B)を含有する水分散液であり、かつ、前記粘着剤層は、厚さが23μmの場合のヘイズ値が1%以下であることを特徴とする光学フィルム用粘着剤層。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム用粘着剤層に関する。また本発明は、当該粘着剤層が光学フィルムに設けられている粘着型光学フィルムに関する。また、本発明は、前記粘着型光学フィルムを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置および前面板などの画像表示装置と共に使用される部材、に関する。前記光学フィルムとしては、偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルムや、反射防止フィルム等の表面処理フィルム、さらにはこれらが積層されているものを用いることができる。
液晶表示装置および有機EL表示装置等は、その画像形成方式から、例えば、液晶表示装置では、液晶セルの両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光板が貼着されている。また液晶パネルおよび有機ELパネル等の表示パネルには偏光板の他に、ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学素子が用いられるようになってきている。また液晶表示装置や有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置を保護したり、高級感を付与したり、デザインを差別化するために前面板が使用されている。これら液晶表示装置および有機EL表示装置等の画像表示装置や前面板などの画像表示装置と共に使用される部材には、例えば、着色防止としての位相差板、液晶ディスプレイの視野角を改善するための視野角拡大フィルム、さらにはディスプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィルム、表面の耐擦傷性を付与するために用いられるハードコートフィルム、画像表示装置に対する写り込みを防止するためのアンチグレア処理フィルム、アンチリフレクティブフィルム、ローリフレクティブフィルムなどの反射防止フィルム等の表面処理フィルムが用いられている。これらのフィルムは総称して光学フィルムと呼ばれる。
前記光学フィルムを液晶セルおよび有機ELパネル等の表示パネル、または前面板に貼着する際には、通常、粘着剤が使用される。また、光学フィルムと液晶セルおよび有機ELパネル等の表示パネル、または前面板、または光学フィルム間の接着は、通常、光の損失を低減するため、それぞれの材料は粘着剤を用いて密着されている。このような場合に、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要としないこと等のメリットを有することから、光学フィルムの片側に予め粘着剤層として設けられた粘着型光学フィルムが一般的に用いられる。
前記粘着型光学フィルムに用いる光学フィルムは、加熱や加湿の条件下で収縮、膨張しやすいため、前記粘着型光学フィルムを、液晶セルおよび有機ELパネル等の表示パネル、または前面板に貼り合せた後には、浮きや剥がれが生じやすい。そのため、前記粘着剤層には、加熱および加湿等に対する耐久性(接着信頼性)が求められる。
上記粘着型光学フィルムの粘着剤層の形成に用いる粘着剤としては、有機溶剤型粘着剤が主に使用されてきた。近年では、地球環境負荷の低減、作業安定性の向上の観点から有機溶剤を使用しない無溶剤型粘着剤の開発が盛んになされている。無溶剤型粘着剤としては、例えば、分散媒として水を用いて、水中に粘着剤ポリマー成分を分散させた水分散型粘着剤組成物が知られている。しかしながら、水分散型粘着剤組成物には一般に乳化剤、分散剤など界面活性剤を水溶性の分散安定化成分として含むため、水分散型粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、前記水溶性成分の影響により、加熱条件下(例えば、80℃)で発泡しやすく、また加湿条件下(例えば、60℃,90%R.H.)で剥がれ等が発生しやすく耐久性に問題があった。また、水分散型粘着剤組成物により形成された粘着剤層は、エマルション粒子等により形成されているため、その層構造として粒子界面が存在しており加湿耐久性を満足することができない。
通常、粘着剤層が高い耐久性を発現するためには、i)被着体への高い密着性、ii)剥離に抵抗する高い凝集力が要求される。これらの要求性能は、例えば、ベースポリマーを架橋する方法により得られる。しかし、高い凝集力を得るために架橋度を高めると粘着剤の分子流動性(長時間領域)が低下し、加湿条件下での耐久性が失われやすく、前記密着性と凝集力のバランスをとることが困難であった。また、架橋剤の添加量を低減することにより、加湿条件下での耐久性を満足することができるが、この場合には、粘着剤の凝集力の低下により、加熱条件下での耐久性を満足することができなかった。
前記耐久性を向上させるため、光学フィルムの分野でいくつかの提案がなされている。例えば、液晶パネルのガラス基板に対する加熱、加湿条件下における密着性を向上できる光学フィルム用の水分散型粘着剤組成物として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともにリン酸基含有モノマーを用いたアクリル系ポリマーのエマルションを用いることが提案されている(特許文献1)。一方、水分散型アクリル系粘着剤と、無機粒子との複合化により粘着剤の耐久性を向上させる方法が知られている(特許文献2乃至7)。
特開2007−186661号公報 特公平2−38153号公報 特許第3123779号公報 特開2002−241725号公報 特表2009−529090号公報 特表2009−529089号公報 特開2002−348546号公報
しかし、特許文献1の水分散型粘着剤組成物では、加熱時に発泡が認められる場合があり、さらなる耐久性の向上が求められている。
特許文献2では、シリカ、酸化アンチモン、アルミナ及びカーボンブラックからなる群より選ばれた1種又は2種以上の無機粒子の微粉末を添加してなる水分散型アクリル粘着剤が提案されている。特許文献2では、無機粒子の添加により粘着力と凝集力の両立が可能になる。しかし、特許文献2に記載の水分散型アクリル粘着剤では、光学フィルム用途へ適合した耐久性を満足しているとはいえなかった。特許文献3では、粘着付与樹脂、界面活性剤、有機溶剤を含有する均一溶解液を加熱保温し、撹拌条件下で、連続的にコロイダルシリカ及び水性エマルションを投与して成る、耐熱性を有する感圧エマルションの製造方法が提案されている。しかし、特許文献3で用いられているコロイダルシリカはその粒子径が5〜50μmと大きいため、前記感圧エマルションから得られる粘着剤層は透明性が十分でなく、光学用途に特性に適用し難い。特許文献4では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、且つシラン系単量体を含む共重合体混合物を共重合して得られる重合体100重量部に対し、シラン系単量体と結合しうる無機微粒子を1〜50重量部添加してなる水分散型粘着剤組成物が提案されている。しかし、特許文献4の水分散型粘着剤組成物は、光学用途には適用し難い。以上のように、特許文献2乃至4の水分散型アクリル系粘着剤は、耐久性が十分でなかったり、分散不良などの要因で透明度などの光学特性が十分でなかったりして光学フィルム用途には適用困難であった。
また特許文献5、6では、アクリル系ポリマーとシリカナノ粒子を含む感圧性接着剤が提案されている。特許文献7では、表面に水酸基を有する微粒子を含有するアクリル系透明粘着フィルムが提案されている。しかし、特許文献5乃至8のように、光学特性の低下を抑えるために、微粒子としてその性状を制御したものを用いたとしても、光学用途における耐久性を十分に満足できるものではなかった。
本発明は、水分散型粘着剤組成物から形成された光学フィルム用粘着剤層であって、光学特性を満足でき、かつ加熱条件下および加湿条件下における耐久性を満足することができる光学フィルム用粘着剤層を提供することを目的とする。
また、本発明は、光学フィルムの少なくとも片側に、前記光学フィルム用粘着剤層が積層されている粘着型光学フィルムを提供することを目的にする。さらに本発明は、前記粘着型光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記の光学フィルム用粘着剤層等により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、水分散型粘着剤組成物から形成された光学フィルム用粘着剤層であって、
前記水分散型粘着剤組成物は、総モノマー単位に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステル60〜99.9重量%およびカルボキシル基含有モノマー0.1〜10重量%をモノマー単位として含有する水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)およびアルカリ珪酸塩(B)を含有する水分散液であり、かつ、前記粘着剤層は、厚さが23μmの場合のヘイズ値が1%以下であることを特徴とする光学フィルム用粘着剤層、に関する。
上記光学フィルム用粘着剤層において、前記アルカリ珪酸塩(B)が、珪酸リチウム、珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記光学フィルム用粘着剤層において、前記アルカリ珪酸塩(B)の含有量が、固形分重量比で、(メタ)アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。
上記光学フィルム用粘着剤層において、前記粘着剤層は、厚さが23μmの場合のヘイズ値が1%以下であることが好ましい。
上記光学フィルム用粘着剤層において、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、モノマー単位として、さらに、リン酸基含有モノマーを含有することが好ましい。前記リン酸基含有モノマーの割合は、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の0.1〜20重量%であることが好ましい。
上記光学フィルム用粘着剤層において、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、モノマー単位として、さらに、アルコキシシリル基含有モノマーを含有することが好ましい。前記アルコキシシリル基含有モノマーの割合は、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の0.001〜1重量%であることが好ましい。
上記光学フィルム用粘着剤層において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル60〜99.9重量%に係るモノマー単位が、アクリル酸アルキルエステル60〜99.8重量%およびメタクリル酸アルキルエステル0.1〜39.9重量%に係るモノマー単位であることが好ましい。また、アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数が3〜9のアクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸アルキルエステルが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよびメタクリル酸シクロヘキシルから選ばれるいずれか少なくとも1つであることが好ましい。
また本発明は、光学フィルムの少なくとも片側に、前記光学フィルム用粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着型光学フィルム、に関する。
また本発明は、前記粘着型光学フィルムを少なくとも1枚用いていることを特徴とする画像表示装置、に関する。
本発明の光学フィルム用粘着剤層を形成する水分散型粘着剤組成物は、水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)をベースポリマーとして含有し、かつアルカリ珪酸塩(B)を含有しており、これらの複合化により、高い凝集力が得られる。アルカリ珪酸塩(B)は、分散相に係る水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)に対して、連続相である水相に均一に存在することができ、水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)に単に微粒子を混合した場合と比較して、少量の配合によっても粘着剤層の強度を向上させて、凝集力を向上させることができるのではないかと推定される。そして、アルカリ珪酸塩(B)を含有する水分散型粘着剤組成物から乾燥工程を経て粘着剤層が形成される際には、アルカリ珪酸塩(B)が(メタ)アクリル系共重合体(A)の粒子間を補強するように固化されることにより、耐久性を向上させるために必要なバルク物性の強靱化がなされていると考えられる。そのため、水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)には、これら分子間に架橋結合が特に必要でなく、架橋構造を有することなく凝集力が得られるため、分子流動性(長時間領域)の低下が少なく、高い密着性を維持したまま、高い凝集力を付与することができる。このように、本発明の光学フィルム用粘着剤層は、密着性と凝集力のバランスの良く、耐熱性および耐湿性に係る耐久性(接着信頼性)が得られる。また同時に、アルカリ珪酸塩(B)はシラン系化合物であることから、ガラス被着体への耐久性の向上効果が得られる。
さらに、水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)のモノマー単位として、リン酸基含有モノマーやアルコキシシリル基含有モノマーを含有する場合には、さらに優れた耐久性が得られる。
また、アルカリ珪酸塩(B)は、水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)に配合した場合にも粘着剤層に均一に存在するため透明性が良好であり、粘着剤層のヘイズ値は厚さが23μmの場合において1%以下であり、光学特性に影響を及ぼすこともない。
本発明の光学フィルム用粘着剤層を形成する水分散型粘着剤組成物は、水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)と、アルカリ珪酸塩(B)とを含有する水分散液である。以下、水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)は、単に、(メタ)アクリル系共重合体(A)という。
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主たるモノマー単位として含有する。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、乳化重合の反応性の観点から水に対する溶解度が一定の範囲のものが好ましく、また、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とすることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル等のアルキル基の炭素数が3〜9の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、総モノマー単位の60〜99.9重量%含有するのが好ましく、さらには70〜99.5重量%、さらには80〜99重量%、さらには80〜97重量%、さらには80〜95重量%であるのが好ましい。
なお、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸アルキルエステルを主成分とすることが好ましく、なかでも、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等のアルキル基の炭素数が3〜9のアクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらアクリル酸アルキルエステルは、総モノマー単位の60〜99.8重量%含有するのが好ましく、さらには70〜99.5重量%、さらには80〜99重量%、さらには80〜97重量%、さらには80〜95重量%であるのが好ましい。
一方、耐久性向上の観点から、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸アルキルエステルとともに、メタクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましい。これらのなかでも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル等が好ましい。メタアクリル酸アルキルエステルは、総モノマー単位の0.1〜39.9重量%であるのが好ましく、さらには0.1〜30重量%、さらには1〜20重量%、さらには1〜15重量%、さらには1〜10重量%であるのが好ましい。
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)には、粘着剤の接着性向上と水分散液の安定性付与のために、共重合モノマーとして、カルボキシル基含有モノマーをモノマー単位として含有する。カルボキシル基含有モノマーとしては、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基、ビニル基等のラジカル重合性の不飽和二重結合を有するものを例示でき、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどが挙げられる。カルボキシル基含有モノマーは、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の0.1〜10重量%含有するのが好ましく、さらには0.5〜7重量%、さらには1〜5重量%であるのが好ましい。
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)には、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびカルボキシル基含有モノマーに加えて、水分散液の安定化、粘着剤層の光学フィルム等の基材に対する密着性の向上、さらには、被着体に対する初期接着性の向上などを目的として、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合に係る重合性の官能基を有する、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。
また、共重合モノマーとしては、リン酸基含有モノマーが挙げられる。リン酸基含有モノマーは、ガラスへの密着性を向上させる効果がある。
リン酸基含有モノマーとしては、例えば、下記一般式(1):

(一般式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、mは2以上の整数を示し、M1およびM2は、それぞれ独立に、水素原子またはカチオンを示す。)で表されるリン酸基またはその塩を示す。)で表されるリン酸基含有モノマーが挙げられる。
なお、一般式(1)中、mは、2以上、好ましくは、4以上、通常40以下であり、mは、オキシアルキレン基の重合度を表す。また、ポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられ、これらポリオキシアルキレン基は、これらのランダム、ブロックまたはグラフトユニットなどであってもよい。また、リン酸基の塩に係る、カチオンは、特に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、例えば、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、例えば、4級アミン類などの有機カチオンなどが挙げられる。
リン酸基含有モノマーの割合は、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の0.1〜20重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では、リン酸基含有モノマーを用いる効果(線状気泡発生の抑制)を十分には得られず、一方、20重量%を超えると、重合安定性、粘着特性の点で好ましくない。
また前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、共重合モノマー単位として、アルコキシシリル基含有モノマーを含有することが好ましい。アルコキシシリル基含有モノマーは、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を1個以上有し、かつ、アルコキシシリル基を有する、シランカップリング剤系不飽和モノマーである。アルコキシシリル基含有モノマーは、アルカリ珪酸塩(B)との親和性を向上し、または結合を形成し、またガラスへの密着性を向上するうえで好ましい。
前記アルコキシシリル基含有モノマーとしてはアルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートモノマーや、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーなどが含まれる。アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−トリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−トリブトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリアルコキシシラン;例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル−メチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−メチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジイソプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−エチルジブトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−プロピルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル−アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル−ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。また、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシランなどのビニルトリアルコキシシランの他、これらに対応するビニルアルキルジアルコキシシランや、ビニルジアルキルアルコキシシラン、例えば、ビニルメチルトリメトキシシラン、ビニルメチルトリエトキシシラン、β−ビニルエチルトリメトキシシラン、β−ビニルエチルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ビニルプロピルトリブトキシシランなどのビニルアルキルトリアルコキシシランの他、これらに対応する(ビニルアルキル)アルキルジアルコキシシランや、(ビニルアルキル)ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
アルコキシシリル基含有モノマーの割合は、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の0.001〜1重量%であることが好ましく、さらには0.01〜0.5重量%、さらには0.03〜0.1重量%であるのが好ましい。0.001重量%未満では、アルコキシシリル基含有モノマーを用いる効果(アルカリ珪酸塩(B)の親和性を向上または結合を形成し、ガラスへの密着性の向上による耐久性の向上)が十分には得られず、一方、1重量%を超えると、粘着剤層の架橋度が高くなりすぎて、経時での粘着剤層の割れなどが発生したり、(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造時にゲル化などの不具合が発生したりするおそれがある。
前記アルコキシシリル基含有モノマー、リン酸基含有モノマー以外の共重合モノマーの具体例としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;例えば、スチレンやα−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)-メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの窒素原子含有モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有モノマー;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどの官能性モノマー;例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;例えば、ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;例えば、塩化ビニルなどのハロゲン原子含有モノマー;その他、例えば、N−ビニルピロリドン、N−(1−メチルビニル)ピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリンなどのビニル基含有複素環化合物や、N−ビニルカルボン酸アミド類などが挙げられる。
また、共重合性モノマーとして、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;例えば、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマーが挙げられる。
また、共重合性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;その他、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルや、フッ素(メタ)アクリレートなどの複素環や、ハロゲン原子を含有するアクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。
さらに、共重合性モノマーとして、水分散型粘着剤組成物のゲル分率の調整などのために、前記アルコキシシリル基含有モノマー以外の、多官能性モノマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上有する化合物などが挙げられる。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物;ダイアセトンアクリルアミド;(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル等の反応性の異なる不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。また、多官能性モノマーとしては、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどの骨格にモノマー成分と同様の官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上付加したポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどを用いることもできる。
前記アルコキシシリル基含有モノマー、リン酸基含有モノマー以外の共重合性モノマーが単官能モノマーの場合にはその割合は、水分散液の粘度が高くなりすぎず、また水分散液の安定性の点から、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の20重量%以下であることが好ましく、さらには10重量%以下、さらには5重量%以下であるのが好ましい。共重合性モノマーが多官能モノマーの場合にはその割合は、水分散液の安定性の点から、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の5重量%以下であることが好ましく、さらには3重量%以下、さらには1重量%以下であるのが好ましい。
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有するモノマー成分を界面活性剤およびラジカル重合開始剤の存在下に水中で重合することにより、これらを含有する水分散液として得られる。前記重合の形態としては、乳化重合または懸濁重合、分散重合が挙げられ、乳化重合の場合にはポリマーエマルションが、懸濁重合の場合にはポリマーサスペンジョン、分散重合の場合にはポリマーディスパージョンが得られる。前記粘着剤の種類に応じて粘着性のポリマーの種類や重合手段が選択される。また、界面活性剤は、乳化重合の場合には乳化剤が、懸濁重合の場合には分散剤が、各重合形態に応じて適宜に選択される。
本発明の水分散型粘着剤組成物に用いられる、前記アクリル系共重合体(A)を含有する水分散液としては、乳化重合により得られたポリマーエマルションが好ましい。即ち、本発明の水分散型粘着剤組成物はエマルション型粘着剤が好ましい。
前記モノマー成分の乳化重合は、常法により、モノマー成分を水に乳化させた後に、乳化重合することにより行う。これにより(メタ)アクリル系共重合体(A)をベースポリマーとして含有する水分散液(ポリマーエマルション)を調製する。乳化重合では、例えば、上記したモノマー成分とともに、界面活性剤(乳化剤)、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤などが適宜配合される。より具体的には、例えば、一括仕込み法(一括重合法)、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法などの公知の乳化重合法を採用することができる。なお、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法では、連続滴下または分割滴下が適宜選択される。これらの方法は適宜に組み合わせることができる。反応条件などは、適宜選択されるが、重合温度は、例えば、40〜95℃程度であるのが好ましく、重合時間は30分間〜24時間程度であるのが好ましい。
乳化重合に用いられる界面活性剤(乳化剤)は、特に制限されず、乳化重合に通常使用される各種の界面活性剤が用いられる。界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が用いられる。アニオン系界面活性剤の具体例としては、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩類;ポリオエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類;ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物等を例示することができる。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等を例示することができる。
また、上記非反応性界面活性剤の他に、界面活性剤としては、エチレン性不飽和二重結合に係るラジカル重合性官能基を有する反応性界面活性剤を用いることができる。反応性界面活性剤としては、前記アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤に、プロペニル基やアリルエーテル基などのラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入されたラジカル重合性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、適宜、単独または併用して用いられる。これらの界面活性剤の中でも、ラジカル重合性官能基を有したラジカル重合性界面活性剤は、水分散液の安定性、粘着剤層の耐久性の観点から、好ましく使用される。
アニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、旭電化工業株式会社製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王株式会社製ラテムルPD−104等);スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2等);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンH−2855A、H−3855B、H−3855C、H−3856、HS−05、HS−10、HS−20、HS−30、BC−05、BC−10、BC−20、旭電化工業株式会社製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30等);リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL,旭電化工業株式会社製アデカリアソープPP−70等)が挙げられる。ノニオン系反応性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、旭電化工業株式会社製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450等);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、旭電化工業株式会社製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40等);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114等)が挙げられる。
前記界面活性剤の配合割合は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有するモノマー成分100重量部に対して、0.3〜5重量部であるのが好ましい。界面活性剤の配合割合により粘着特性、さらには重合安定性、機械的安定性などの向上を図ることができる。前記界面活性剤の配合割合は、0.3〜4重量部がより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される公知のラジカル重合開始剤が用いられる。例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾ系開始剤;例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤;例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤;例えば、フェニル置換エタンなどの置換エタン系開始剤;例えば、芳香族カルボニル化合物などのカルボニル系開始剤などが挙げられる。これら重合開始剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、乳化重合を行なうに際して、所望により重合開始剤とともに還元剤を併用するレドックス系開始剤とすることができる。これにより、乳化重合速度を促進したり、低温において乳化重合をおこなったりすることが容易になる。このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラートなどの金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸案トリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物;塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素などを例示できる。
また、ラジカル重合開始剤の配合割合は、適宜選択されるが、モノマー成分100重量部に対して、例えば、0.02〜1重量部程度であり、好ましくは0.02〜0.5重量部、より好ましくは0.08〜0.3重量部である。0.02重量部未満であると、ラジカル重合開始剤としての効果が低下する場合があり、1重量部を超えると、水分散液(ポリマーエマルション)に係る(メタ)アクリル系共重合体(A)の分子量が低下し、水分散型粘着剤組成物の耐久性が低下する場合がある。なお、レドックス系開始剤の場合には、還元剤は、モノマー成分の合計量100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲で用いるのが好ましい。
連鎖移動剤は、必要により、(メタ)アクリル系共重合体(A)の分子量を調節するものであって、乳化重合に通常使用される連鎖移動剤が用いられる。例えば、1−ドデカンチオール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルへキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノール、メルカプトプロピオン酸エステル類などのメルカプタン類などが挙げられる。これら連鎖移動剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、連鎖移動剤の配合割合は、モノマー成分100重量部に対して、例えば、0.001〜0.3重量部である。
このような乳化重合によって、(メタ)アクリル系共重合体(A)を水分散液(エマルション)として調製することができる。このような(メタ)アクリル系共重合体(A)は、その平均粒子径が、例えば、0.05〜3μm、好ましくは、0.05〜1μmに調整される。平均粒子径が0.05μmより小さいと、水分散型粘着剤組成物の粘度が上昇する場合があり、1μmより大きいと、粒子間の融着性が低下して凝集力が低下する場合がある。
また、前記水分散液の分散安定性を保つために、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)がモノマー単位として含有するカルボキシル基含有モノマーは、当該カルボキシル基含有モノマー等を中和することが好ましい。中和は、例えば、アンモニア、水酸化アルカリ金属等により行なうことができる。
本発明の(メタ)アクリル系共重合体(A)は、通常、重量平均分子量は100万以上のものが好ましい。特に重量平均分子量で100万〜400万のものが耐熱性、耐湿性の点で好ましい。重量平均分子量が100万未満であると耐熱性、耐湿性が低下し好ましくない。また乳化重合で得られる粘着剤はその重合機構より分子量が非常に高分子量になるので好ましい。ただし、乳化重合で得られる粘着剤は一般にはゲル分が多くGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定できないので分子量に関する実測定での裏付けは難しいことが多い。
アルカリ珪酸塩(B)としては、アルカリ金属(即ち、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)の酸化物と、二酸化珪素とを含有する塩を用いることができる。アルカリ珪酸塩(B)の具体例としては、例えば、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムなどが挙げられる。
珪酸リチウムは、リチウム酸化物と二酸化珪素を含有する塩であって、
下記一般式(2):Li0・nSiO (2)
(式中、n1は0を超過する整数を示す。)で表わされる。珪酸リチウムは、リチウム酸化物と二酸化珪素とのモル比(すなわち、上記一般式(2)におけるn1の値)によって分類され、例えば、オルト珪酸リチウム(LiSiO(LiO・0.5SiO:n1=0.5))、メタ珪酸リチウム(LiSiO(LiO・SiO:n1=1))、オルトニ珪酸六リチウム(LiSi(LiO・2/3SiO:n1=2/3))などが挙げられる。
また、上記以外にも、珪酸リチウムとして、例えば、LiSi16(LiO・3.5SiO:n=3.5)、LiSi20(Li20・4.5SiO:n1=4.5)、LiSi1532(Li20・7.5SiO:n=7.5)などが挙げられる。また、珪酸リチウムは、例えば、その水和物(LiO・nSiO・xO)であってもよく、このような場合において、結晶水の含有割合(上記式中x)は、特に限定されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。このような珪酸リチウムの水和物としては、例えば、メタ珪酸リチウム水和物(LiSiO・HO(LiO・SiO・HO:n=1、x=1))などが挙げられる。
さらに、珪酸リチウムは、例えば、珪酸リチウム水溶液として用いることもできる。このような場合において、水溶液の固形分濃度は、例えば、1〜50重量%、好ましくは、2〜40重量%である。なお、珪酸リチウムは、リチウム酸化物と二酸化珪素とのモル比(即ち、上記一般式(2)におけるnの値)によって、その水溶性が異なり、例えば、上記一般式(2)において、nが2〜5である珪酸リチウムは水に可溶であり、一方、nが6〜10である珪酸リチウムは、水に不溶である。
また、このような珪酸リチウムとしては、一般の市販品を用いることができ、例えば、リチウムシリケート35(珪酸リチウム水溶液、SiO/LiO(モル比)=3.5,日産化学工業社製)、リチウムシリケート45(珪酸リチウム水溶液、SiO/LiO(モル比)=4.5,日産化学工業社製)、リチウムシリケート75(珪酸リチウム水溶液、SiO/LiO(モル比)=7.5,日産化学工業社製)などが挙げられる。
珪酸ナトリウムは、ナトリウム酸化物と二酸化珪素とを含有する塩であって、
下記一般式(3):NaO・nSiO (3)
(式中、nは、Oを超過する整数を示す。)で表わされる。このような珪酸ナトリウムとしては、ナトリウム酸化物と二酸化珪素とのモル比(すなわち、上記一般式(3)におけるnの値)によって分類され、例えば、オルト珪酸ナトリウム(NaSiO(NaO・0.5SiO:n=0.5))、メタ珪酸ナトリウム(NaSiO(NaO・SiO:n=1))などが挙げられる。
また、上記以外にも、珪酸ナトリウムとして、例えば、珪酸ナトリウム1号(NaSi(NaO・2SiO:n2=2))、珪酸ナトリウム2号(NaSi12(Na20・2.5SiO:n2=2.5))、珪酸ナトリウム3号(NaSi(NaO・3SiO:n=3))、珪酸ナトリウム4号(NaSi(Na0・4SiO:n=4))などが挙げられる。
また、珪酸ナトリウムは、例えば、その水和物(Na0・nSiO・xO)であってもよく、このような場合において、結晶水の含有割合(上記式中x2)は、特に限定されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。さらに、珪酸ナトリウムは、例えば、珪酸ナトリウム水溶液として用いることもでき、このような場合において、水溶液の固形分濃度は、例えば、1〜50重量%、好ましくは、2〜40重量%である。
また、このような珪酸ナトリウムとしては、一般の市販品を用いることができ、例えば、珪酸ソーダ1号(珪酸ナトリウム1号水溶液,SiO/NaO(モル比)=1.3〜2.2,ADEKA社製,富士化学社製)、珪酸ソーダ2号(珪酸ナトリウム2号水溶液,SiO/NaO(モル比)=2.2〜2.6,ADEKA社製,富士化学社製)、珪酸ソーダ3号(珪酸ナトリウム3号水溶液、SiO/NaO(モル比)=2.8〜3.4,ADEKA社製,富士化学社製)などが挙げられる。
珪酸カリウムは、カリウム酸化物と二酸化珪素とを含有する塩であって、
下記一般式(4):KO・nSiO (4)
(式中、nは、0を超過する整数を示す。)で表わされる。このような珪酸カリウムとしては、カリウム酸化物と二酸化珪素とのモル比(すなわち、上記一般式(4)におけるnの値)によって分類され、例えば、メタ珪酸カリウム(KSiO(KO・SiO:n=1))などが挙げられる。
また、上記以外にも、珪酸カリウムとして、例えば、珪酸カリウム1号(KSi(KO・2SiO:n=2))、珪酸カリウム2号(KSi16(KO・3.5SiO:n=3.5))などが挙げられる。また、珪酸カリウムは、例えば、その水和物(KO・nSiO・xO)であってもよく、このような場合において、結晶水の含有割合(上記式中x)は、特に限定されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。このような珪酸カリウムの水和物としては、例えば、二珪酸水素カリウム(KSi・HO(KO・4SiO・HO:n=4、x=1)、別名:四珪酸カリウム)などが挙げられる。
さらに、珪酸カリウムは、例えば、珪酸カリウム水溶液として用いることもでき、このような場合において、水溶液の固形分濃度は、例えば、1〜50重量%、好ましくは、2〜40重量%である。また、このような珪酸カリウムとしては、一般の市販品を用いることができ、例えば、1号珪酸カリ(1号珪酸カリウム水溶液、SiO/K0(モル比)=1.8〜2.2、富士化学社製)、2号珪酸カリ(2号珪酸カリウム水溶液、SiO/KO(モル比)=3.4〜3.7、富士化学社製)などが挙げられる。
これらアルカリ珪酸塩は、単独使用または2種類以上併用することができる。アルカリ珪酸塩として、珪酸リチウムが好ましい。なお、このようなアルカリ珪酸塩には、必要に応じて、例えば、鉄などの金属原子などを含有させることもできる。
アルカリ珪酸塩(B)の配合量は、固形分重量比で、(メタ)アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、さらには0.5〜9重量部が好ましく、さらには1〜8.5重量部が好ましく、さらには2〜5重量部が好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリル系共重合体(A)の固形分重量は、調製された(メタ)アクリル系共重合体(A)に係る水分散液から求められる値を基準とする。50重量部を超えると粘着剤層として弾性率が高くなりすぎ充分な粘着力を発現しにくくなる。また1重量部未満では、耐久性を十分に向上させることができない。アルカリ珪酸塩(B)の配合量を10重量部以下とすることで、粘着剤層の過剰な高弾性率化を防ぎ、かつ透明性の高い粘着剤層としての機能を維持することができる。また0.1重量部以上とすることで、加熱、加湿条件下で耐久性を満足することができる。なお、アルカリ珪酸塩(B)の配合量は、10重量部を超えて用いることができるが、20重量部を超える場合には、アルカリ珪酸塩(B)が配合された水分散型粘着剤組成物には液粘度の大幅な低下が起こり、塗工による粘着剤層の形成が困難になる場合があるため、アルカリ珪酸塩(B)の配合量は20重量部以下とするのが好ましい。
本発明の粘着剤層を形成する水分散型粘着剤組成物は、例えば、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)に係る水分散液、およびアルカリ珪酸塩(B)を混合することにより水分散液として得ることができる。
なお、本発明の水分散型粘着剤組成物は、上記成分を含有するが、これら各成分の固形分重量の合計は、水分散型粘着剤組成物に係る水分散液の固形分重量の80重量%以上、さらには90重量%以上、さらには95重量%以上になるように、さらには100%になるように用いるのが好ましい。即ち、水分散型粘着剤組成物に係る水分散液には、上記成分の他に、他の成分を用いることができる。他の成分の割合は10重量%以下の割合で用いるのが粘着剤層のヘイズの悪化を抑制する点から好ましい。
また、前記他の成分としては、必要に応じて、架橋剤を含有することができる。なお、架橋剤によって、粘着剤層に凝集力を付与できるものの、架橋剤を用いると、密着性が悪くなり加湿剥がれが生じやすくなる傾向があり、本発明では、架橋剤は特に必要ではない。
さらには、本発明の水分散型粘着剤組成物は、必要に応じて、粘度調整剤、剥離調整剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤(顔料、染料など)、pH調整剤(酸または塩基)、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を、また本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などとしても良い。これら添加剤もエマルションとして配合することができる。
本発明の光学フィルム用粘着剤層は、上記水分散型粘着剤組成物により形成される。粘着剤層の形成は、支持基材(光学フィルムまたは離型フィルム)に上記水分散型粘着剤組成物を塗布した後、乾燥することより形成することができる。
本発明の粘着剤型光学フィルムは、光学フィルム片面または両面に前記粘着剤層を積層したものである。本発明の粘着型光学フィルムは、前記水分散型粘着剤組成物を、光学フィルムまたは離型フィルムに塗布し、乾燥することにより形成される。粘着剤層を離型フィルムに形成した場合には、当該粘着剤層は光学フィルムに貼り合せて転写する。
上記水分散型粘着剤組成物の塗布工程には、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
また、前記塗布工程では、形成される粘着剤層が所定の厚み(乾燥後厚み)になるようにその塗布量が制御される。粘着剤層の厚み(乾燥後厚み)は、通常、1〜100μm程度、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μmの範囲に設定される。
次いで、粘着剤層の形成にあたっては、塗布された水分散型粘着剤組成物に対して乾燥が施される。乾燥温度は、通常、80〜170℃程度、好ましくは80〜160℃であり、乾燥時間0.5〜30分間程度、好ましくは1〜10分間である。
また、本発明の光学フィルム用粘着剤層は、粘着剤層の厚さが23μmの場合のヘイズ値が1%以下であり、光学フィルム用粘着剤層に要求される透明性を満足することができる。前記ヘイズ値は0〜0.8%であることが好ましく、さらには0〜0.5%であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルム用粘着剤層は、100%モジュラスの応力が0.25N/mm2以上であることが好ましい。前記応力を満足することは耐久性を満足するうえで好ましい。前記応力は、0.3N/mm2以上であるのが好ましい。一方、前記応力が大きくなりすぎると、粘着特性が低下し、耐久性が低下することから、前記応力は2N/mm2以下であるのが好ましく、さらには1.5N/mm2以下であるのが好ましい。
離型フィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などを挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
前記離型フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。前記離型フィルムには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記離型フィルムの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで離型フィルムで粘着剤層を保護してもよい。なお、上記の剥離フィルムは、そのまま粘着型光学フィルムのセパレータとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
また、光学フィルムの表面に、粘着剤層との間の密着性を向上させるために、アンカー層を形成したり、コロナ処理、プラズマ処理などの各種易接着処理を施した後に粘着剤層を形成することができる。また、粘着剤層の表面には易接着処理をおこなってもよい。
上記アンカー層の形成材としては、好ましくは、ポリウレタン、ポリエステル、分子中にアミノ基を含むポリマー類、オキサゾリニル基を含むポリマー類から選ばれるアンカー剤が用いられ、特に好ましくは、分子中にアミノ基を含んだポリマー類、オキサゾリニル基を含むポリマー類である。分子中にアミノ基を含むポリマー類、オキサゾリニル基を含むポリマー類は、分子中のアミノ基、オキサゾリニル基が粘着剤中のカルボキシル基等と反応またはイオン性相互作用などの相互作用を示すため、良好な密着性が確保される。
分子中にアミノ基を含むポリマー類としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリジン、ジメチルアミノエチルアクリレート等の含アミノ基含有モノマーの重合体などを挙げることができる。
光学フィルムとしては、液晶表示装置等の画像表示装置の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されない。例えば、光学フィルムとしては偏光板が挙げられる。偏光板は偏光子の片面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
また光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルム、表面処理フィルム等の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものが挙げられる。これらは単独で光学フィルムとして用いることができる他、前記偏光板に、実用に際して積層して、1層または2層以上用いることができる。
表面処理フィルムは、前面板に貼り合せても設けられる。表面処理フィルムとしては、表面の耐擦傷性を付与するために用いられるハードコートフィルム、画像表示装置に対する写り込みを防止するためのアンチグレア処理フィルム、アンチリフレクティブフィルム、ローリフレクティブフィルムなどの反射防止フィルム等が挙げられる。前面板は、液晶表示装置や有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置を保護したり、高級感を付与したり、デザインにより差別化したりするために、前記画像表示装置の表面に貼り合せて設けられる。また前面板は、3D−TVにおけるλ/4板の支持体として用いられる。例えば、液晶表示装置では、視認側の偏光板の上側に設けられる。本発明の粘着剤層を用いた場合には、前面板として、ガラス基材の他に、ポリカーボネート基材、ポリメチルメタクリレート基材等のプラスチック基材においてもガラス基材と同様の効果を発揮する。
偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
本発明の粘着型光学フィルムは液晶表示装置等の各種画像表示装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル等の表示パネルと粘着型光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による粘着型光学フィルムを用いる点を除いて特に限定は無く、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型、VA型、IPS型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に粘着型光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による光学フィルムは液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置:OLED)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。
実施例1
(モノマーエマルションの調製)
容器に、アクリル酸ブチル880部、アクリル酸50部、メタクリル酸シクロへキシル50部、モノ[ポリ(プロピレンオキシド)メタクリレート]リン酸エステル(ローディア日華(株)製:商品名「SipomerPAM−200)20部および3−メタクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製,KBM−503)0.3部を加えて混合して、モノマー混合物を調製した。次いで、上記割合で調製したモノマー混合物688部に対して、反応性界面活性剤であるアクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)26.5部およびイオン交換水346部を加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、5分間、6000(rpm)で攪拌し強制乳化して、モノマーエマルションを調製した。
(水分散液の調製)
冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートおよび攪拌羽根を備えた反応容器に、上記で調製したモノマーエマルション75部およびイオン交換水219部を仕込み、次いで、反応容器を十分窒素置換した後、過硫酸アンモニウム0.116部を添加して、撹拌しながら65℃で1時間重合した。次いで、残りのモノマーエマルション675部を、反応容器を60℃に保ったまま、これに3時間かけて滴下し、その後、3時間重合して、固形分濃度40%の(メタ)アクリル系共重合体のエマルション粒子を含有する水分散液を得た。次いで、この水分散液を室温まで冷却した後、これに、濃度10%のアンモニア水を添加してpHを8にし、かつ、固形分46%に調整した水分散液を得た。
(水分散型粘着剤組成物の調製)
上記で得られた(メタ)アクリル系重合体を含有する水分散液(固形分濃度46%)の100部(固形分換算)に、珪酸リチウム(リチウムシリケート45,固形分濃度7%,日産化学工業社製)を3部(固形分換算)混合して、水分散型粘着剤組成物を得た。
(粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成)
上記水分散型粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが23μmとなるように、離型フィルム(三菱化学ポリエステル(株)製,ダイアホイルMRF−38,ポリエチレンテレフタレート基材)上にダイコーターにより塗布した後、120℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成した。当該粘着剤層を偏光板と貼り合せて、粘着型偏光板を作成した。
なお、偏光板としては、粘着剤層を貼り合せる側に、予めアンカーコート処理を施したものを用いた。アンカーコート処理は、オキサゾリン基含有アクリル系ポリマー(エポクロスWS−700,(株)日本触媒製)を水とイソプロピルアルコールとの混合溶媒(容量比で3:1)にて固形分濃度が0.5%になるように希釈した溶液を調整し、この溶液を偏光板の片面に乾燥後の厚みが20〜30nmになるように塗布、乾燥させることにより作成した。
実施例2〜8および比較例1〜3
(水分散型粘着剤組成物の調製)
実施例1において、アルカリ珪酸塩(B)の種類および配合量、添加剤(増粘剤,架橋剤)の配合量を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして水分散型粘着剤組成物を得た。なお、各成分の配合量は、(メタ)アクリル系共重合体(A)100重量部(固形分換算)に対する、固形分換算した重量である。
(粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成)
上記水分散型粘着剤組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
上記実施例および比較例で得られた粘着型偏光板について以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[ヘイズ]
各例で得られた、離型フィルムに設けた厚さ23μmの粘着剤層を、スライドガラス板(マイクロスライドガラス,マツナミガラス製,厚さ1.3mm)上に貼着させたものについて、ヘイズメーター(HM−150型,(株)村上色彩技術研究所社製)にてヘイズ値を測定した。なお、ヘイズ測定の際は、離形フィルムを剥離して測定した。
[引張試験(SS)]
各例で得られた、離型フィルムに設けた厚さ23μmの粘着剤層を、気泡が入らないように巻き込んで30mm×50mmの円柱状にしたものを測定用サンプルとした。このサンプルを、テンシロン型引張試験機を使用し、チャック間を10mm、引張速度50mm/minの条件で測定した荷重−伸び曲線より、伸び100%モジュラス時の応力(N/mm)を求めた。
[耐久性]
各実施例および各比較例の粘着型偏光板を、15インチサイズの大きさに切断し、これを、厚さ0.7mmの無アルカリガラス板(コーニング#1737,コーニング(株)製)に貼着し、50℃、0.5MPaのオートクレーブ中に15分間処理を行なった。その後、80℃(加熱条件)または60℃、90%R.H.(湿熱条件)の環境気下にそれぞれ500時間処理してから、室温条件(23℃,55%R.H.)に取り出した後に、処理された粘着型偏光板と無アルカリガラスの間の剥がれの度合いを目視で確認し、下記基準で評価した。
5:剥がれの発生なし。
4:粘着型偏光板の端部から0.5mm以内の箇所に剥がれが発生している。
3:粘着型偏光板の端部から1.0mm以内の箇所に剥がれが発生している。
2:粘着型偏光板の端部から3.0mm以内の箇所に剥がれが発生している。
1:粘着型偏光板の端部から3.0mm以上の箇所に剥がれが発生している。
表1中、アルカリ珪酸塩(B)は、*1:珪酸リチウム(リチウムシリケート45,固形分濃度7%,日産化学工業社製)、*2:珪酸リチウム(リチウムシリケート35,固形分濃度7%,日産化学工業社製)、*3:珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ3号,固形分濃度7%,ADEKA社製)、を示す。
添加剤のうち、増粘剤(粘度調整剤):SNシックナー640(サンノプコ社製)、架橋剤:カルボジイミド系化合物(日清紡社製,カルボジライトV−04,固形分40%)を示す。なお、増粘剤は、本発明の課題(光学特性、耐久性)に影響を及ぼすものではない。
比較例1、2の耐久性における「発泡」は、粘着剤層に発泡が見られることを示す。
表1より明らかなように、本発明に係る実施例は光学特性および耐久性の両者を満足することができる。一方、アルカリ珪酸塩(B)を含有していない比較例1、2では耐久性試験において加湿条件下での評価は良好であるが、加熱条件下では発泡が観察されており、加熱条件下および加湿条件下での耐久性の両立ができていない。比較例3では架橋剤を含有するため粘着剤層の凝集力の向上により加熱条件下での耐久性は改善されたが、加湿条件下では剥がれが観察されており、加熱条件下および加湿条件下での耐久性の両立ができていない。

Claims (12)

  1. 水分散型粘着剤組成物から形成された光学フィルム用粘着剤層であって、
    前記水分散型粘着剤組成物は、総モノマー単位に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステル60〜99.9重量%およびカルボキシル基含有モノマー0.1〜10重量%をモノマー単位として含有する水分散型の(メタ)アクリル系共重合体(A)およびアルカリ珪酸塩(B)を含有する水分散液であり、
    かつ、前記粘着剤層は、厚さが23μmの場合のヘイズ値が1%以下であることを特徴とする光学フィルム用粘着剤層。
  2. 前記アルカリ珪酸塩(B)が、珪酸リチウム、珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム用粘着剤層。
  3. 前記アルカリ珪酸塩(B)の含有量が、固形分重量比で、(メタ)アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム用粘着剤層。
  4. 前記粘着剤層は、100%モジュラスの応力が0.25N/mm2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着型光学フィルム。
  5. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、モノマー単位として、さらに、リン酸基含有モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム用粘着剤層。
  6. 前記リン酸基含有モノマーの割合が、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項5記載の光学フィルム用粘着剤層。
  7. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、モノマー単位として、さらに、アルコキシシリル基含有モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム用粘着剤層。
  8. 前記アルコキシシリル基含有モノマーの割合が、(メタ)アクリル系共重合体(A)の総モノマー単位の0.001〜1重量%であることを特徴とする請求項7記載の光学フィルム用粘着剤層。
  9. (メタ)アクリル酸アルキルエステル60〜99.9重量%に係るモノマー単位が、アクリル酸アルキルエステル60〜99.8重量%およびメタクリル酸アルキルエステル0.1〜39.9重量%に係るモノマー単位であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学フィルム用粘着剤層。
  10. アクリル酸アルキルエステルが、炭素数が3〜9のアクリル酸アルキルエステルであり、メタクリル酸アルキルエステルが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよびメタクリル酸シクロヘキシルから選ばれるいずれか少なくとも1つであることを特徴とする請求項9記載の光学フィルム用粘着剤層。
  11. 光学フィルムの少なくとも片側に、請求項1〜10のいずれかに記載の光学フィルム用粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着型光学フィルム。
  12. 請求項11記載の粘着型光学フィルムを少なくとも1枚用いていることを特徴とする画像表示装置。
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