図1はパチンコ機10の斜視図である。図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部21とを有する。
外枠11は、板材12〜15を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を構成する板材12〜15は、左右の板材12,13がアルミなどの金属製となっており、上下の板材14,15が木製となっている。パチンコ機10は、外枠11の上下の板材14,15を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
上記のように左右の板材12,13を金属製とするとともに上下の板材14,15を木製とすることで、島設備への固定を可能としつつ外枠11の補強を行うことができる。なお、外枠11の構成は上記のものに限定されることはなく、全ての板材12〜15を木製としてもよく、全ての板材12〜15を金属製としてもよい。また、板材12〜15の全部又は一部を合成樹脂製としてもよい。
また、パチンコ機10が外枠11を備える構成としたが、パチンコ機10は外枠11を備えずに遊技機主部21のみを備える構成としてもよい。
外枠11の左側の板材12には、その上下の各端部に支持金具17,18が取り付けられている。これら支持金具17,18に支持させるようにして、図2及び図3に示すように、遊技機主部21が外枠11に対して回動可能に取り付けられている。
遊技機主部21は、遊技機ベースユニット(本体枠又は内枠)22と、その遊技機ベースユニット22の前方に配置される遊技機前面ユニット(前面扉又は前枠)23と、遊技機ベースユニット22の後方に配置される裏パックユニット24とを備えている。遊技機主部21のうち遊技機ベースユニット22が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として遊技機ベースユニット22が前方へ回動可能(開閉可能)とされている。
遊技機前面ユニット23には、手前側へ膨出した第1膨出部95が窓パネル部91の下方に設けられており、その第1膨出部95内側には、上方に開口した上皿95aが設けられている。上皿95aは、第1払出口231より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら下流側(本実施の形態では右側)へ導くための球受皿である。
第1膨出部95には、上皿95aの下流側に上皿球抜きスイッチ232が設けられるとともに、上皿95aの前方に貸球操作部233が配設されている。上皿球抜きスイッチ232は、上皿95aに貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。
貸球操作部233には、球貸しボタン234と、返却ボタン235とが設けられている。球貸しボタン234は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン235は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
また、第1膨出部95の前面側中央部には、球貸しボタン234と返却ボタン235との間に、遊技者により操作可能なプッシュ式の演出スイッチ236が設けられている。演出スイッチ236には図示しないランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で演出スイッチ2
36を操作された場合、後述する図柄表示装置71の表示モードが変更されるようになっている。
遊技機前面ユニット23の下部位置には、手前側へ膨出した第2膨出部96が設けられており、その第2膨出部96内側には、上方に開口した下皿96aが設けられている。下皿96aは、第2払出口237より払い出された遊技球を一旦貯留するための球受皿である。下皿96aには、例えば下皿球抜きスイッチ233を操作された場合、上皿95aに貯留された遊技球が第2払出口237より排出されるようになっている。
第2膨出部96前面側には、下皿96aに貯留された遊技球を下方に排出するための上球抜きスイッチ238が設けられている。また、第2膨出部96の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル84が設けられている。遊技球発射ハンドル84は、板材12の背面側に設けられた遊技球発射機構80(図5参照)に連結されており、上皿95aに貯留された遊技球は、遊技者が遊技球発射ハンドル84を回転させることにより、遊技盤61に形成された遊技領域に向けて発射される。
遊技機ベースユニット22は、図2及び図3に示すように、外枠11の開口全体を覆う大きさを有しており、その背面側であって回動先端側には施錠装置31が取り付けられている。施錠装置31は長尺状の連動杆32を備えており、当該連動杆32には上下一対の鉤金具33が設けられている。外枠11に対して遊技機ベースユニット22を閉鎖した際には、鉤金具33が外枠11の右側の板材13に設けられた受け金具34に係止され、施錠装置31により施錠状態とされるようになっている。また、遊技機ベースユニット22にはシリンダ錠35が設けられており、シリンダ錠35の操作によって連動杆32を上方向又は下方向のうち予め定められた方向に移動させると、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の施錠状態が解除される。
遊技機ベースユニット22には、図2に示すように、遊技機前面ユニット23が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、遊技機ベースユニット22には、図3に示すように、裏パックユニット24が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端(開閉基端)側とし右側を回動先端(開閉先端)側として後方へ回動可能(開閉可能)とされている。
次に、遊技機ベースユニット22、遊技機前面ユニット23及び裏パックユニット24のそれぞれについて詳細に説明する。
<遊技機ベースユニット22>
先ず、遊技機ベースユニット22の構成について詳細に説明する。図5は遊技機ベースユニット22の正面図である。図6は遊技機ベースユニット22に搭載された遊技盤61の正面図である。図7は遊技機ベースユニット22の背面図である。なお、図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
遊技機ベースユニット22は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔51が形成されている。樹脂ベース41にはその後方から遊技盤61が着脱可能に取り付けられている。詳細には、樹脂ベース41の裏面には、図7に示すように、複数(本実施の形態では4箇所)の固定金具52〜55が設けられており、これら固定金具52〜55によって遊技盤61は後方へ脱落しないように固定されている。固定金具52〜55は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。
遊技盤61は合板よりなり、遊技盤61の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔51を通じて遊技機ベースユニット22の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤61の構成を図6に基づいて説明する。遊技盤61には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口62,可変入賞装置63,上作動口64,下作動口65,スルーゲート66及び可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。このうち、可変入賞装置63、上作動口64、下作動口65及び可変表示ユニット67は、遊技盤61の左右方向の中央において上下方向に並べて設けられており、上から可変表示ユニット67、上作動口64、下作動口65及び可変入賞装置63の順となっている。また、一般入賞口62は、遊技盤61の下部において、左側に2個及び右側に2個の合計4個設けられている。ちなみに、遊技盤61の左側は遊技機前面ユニット23の回動基端側に相当し、遊技盤61の右側は遊技機前面ユニット23の回動先端側に相当する。
一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64及び下作動口65に遊技球が入球すると、それが検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。具体的には、一般入賞口62に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として10個の遊技球が払い出され、可変入賞装置63に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として15個の遊技球が払い出され、上作動口64に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として3個の遊技球が払い出され、下作動口65に一の遊技球が入球すると単位遊技球数として4個の遊技球が払い出される。
その他に、遊技盤61の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤61には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘69が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット67には、いずれかの作動口64,65への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置71が設けられている。また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置71を囲むようにしてセンターフレーム72が配設されている。センターフレーム72の上部には、第1特定ランプ部73及び第2特定ランプ部74が設けられている。また、センターフレーム72の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部75,76が設けられている。下側の保留ランプ部75は、図柄表示装置71及び第1特定ランプ部73に対応しており、遊技球が作動口64,65を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部75の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部76は、第2特定ランプ部74に対応しており、遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部76の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置71は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置71には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。なお、図柄表示装置71は、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第1特定ランプ部73では、作動口64への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部74では、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとして所定の
順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口65に付随する電動役物65aが所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、下作動口65は、開閉手段としての電動役物65aが開放状態の場合に入球が可能となり、閉鎖状態の場合に入球が不可となる。なお、これに限定されることはなく、電動役物65aが開放状態の場合に入球し易くなり、閉鎖状態の場合に入球しがたくなる構成としてもよい。
可変入賞装置63は、開閉手段としての開閉扉63aが通常は遊技球が入球できない又は入球しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置63の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置63が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤61には、内レール部77と外レール部78とが取り付けられており、これら内レール部77と外レール部78とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。ちなみに、図5に示すように、樹脂ベース41の窓孔51の右上部には返しゴム79が設けられており、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム79に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。この場合、返しゴム79はその遊技球が当たる面が遊技領域の中央側に向けて傾斜させて形成されているため、遊技領域の中央に向けた遊技球の跳ね返しが良好に行われるようになっている。
遊技球発射機構80は、図5に示すように、樹脂ベース41における窓孔51の下方に取り付けられている。遊技球発射機構80は、電磁式のソレノイド81と、発射レール82と、球送り機構83とからなり、ソレノイド81への電気的な信号の入力により当該ソレノイド81の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構83によって発射レール82上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。ソレノイド81への電気的な信号の入力は、遊技機前面ユニット23の下部に設けられた遊技球発射ハンドル84(図1等参照)が操作されることに基づいて発生する。
樹脂ベース41の前面における回動基端側にはその上端部及び下端部に支持金具42,43が取り付けられており、これら支持金具42,43に対して遊技機前面ユニット23が支持されていることで当該遊技機前面ユニット23が遊技機ベースユニット22に対して前方に回動可能となっている。また、樹脂ベース41の前面における回動先端側には、遊技機前面ユニット23の背面に設けられた鉤金具44(図2参照)を挿入するための挿入孔45が上下方向に離間させて複数設けられている。遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態では、遊技機前面ユニット23の鉤金具44が挿入孔45内に入り込み、当該鉤金具44は上述した施錠装置31に係止される。これにより、遊技機ベースユニット22に対して遊技機前面ユニット23が施錠された状態となる。この施錠状態はシリンダ錠35の操作によって施錠装置31の連動杆32を、外枠11に対する遊技機ベースユニット22の解錠を行う場合とは反対側に移動させることで解除される。
<遊技機前面ユニット23>
ここで、遊技機前面ユニット23の構成について説明する。図8は遊技機前面ユニット23の背面図である。
遊技機前面ユニット23は遊技機ベースユニット22の前面側全体を覆うようにして設けられている。遊技機前面ユニット23には、図1に示すように、上記遊技領域のほぼ全
域を前方から視認することができるようにした略楕円形状の窓パネル部91が設けられている。窓パネル部91の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓パネル部91の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部92が設けられている。環状電飾部92では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部92の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部93が設けられている。また、窓パネル部91の左上方及び右上方には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部94が設けられている。
遊技機前面ユニット23における窓パネル部91の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部95と下側膨出部96とが上下に並設されている。上側膨出部95内側には上方に開口した上皿95aが設けられており、下側膨出部96内側には同じく上方に開口した下皿96aが設けられている。上皿95aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿96aは、上皿95a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。なお、下側膨出部96の右方には、上述した遊技球発射ハンドル84が設けられている。
遊技機前面ユニット23の背面における回動基端側(図8の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸97,98が設けられている。これら突起軸97,98は遊技機ベースユニット22に対する組付機構を構成する。また、遊技機前面ユニット23の背面における回動先端側(図8の左側)には、上述した鉤金具44が上下方向に複数並設されている。
また、遊技機前面ユニット23の背面には、図8に示すように、前面側通路ユニット271が取り付けられている。前面側通路ユニット271は、合成樹脂により成形されており、上皿95aに通じる前扉側上皿通路と、下皿96aに通じる前扉側下皿通路とが形成されている。前面側通路ユニット271の詳細については後に説明する。
<遊技機ベースユニット22の背面構成>
次に、遊技機ベースユニット22の背面構成について図7を用いて詳細に説明する。
樹脂ベース41の背面における回動先端側には既に説明した施錠装置31が設けられている。また、樹脂ベース41の中央には上記のとおり遊技盤61が取り付けられている。
遊技盤61の中央に配置された可変表示ユニット67には、図3及び図7に示すように、センターフレーム72を後方から覆う合成樹脂製のフレームカバー100が後方に突出させて設けられており、フレームカバー100に対して後側から上述した図柄表示装置71が取り付けられているとともに、その図柄表示装置71を駆動するための表示制御装置101が取り付けられている。これら図柄表示装置71及び表示制御装置101は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置71が前、表示制御装置101が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット102が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット102は、音声ランプ制御装置103と、取付台104とを具備する構成となっており、取付台104上に音声ランプ制御装置103が装着されている。
音声ランプ制御装置103は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
遊技盤61の背面であって可変表示ユニット67の下方には、主制御装置ユニット105が搭載されている。主制御装置ユニット105は、合成樹脂製の取付台106を有し、取付台106に主制御装置107が搭載されている。主制御装置107は、遊技の主たる
制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス108に収容されて構成されている。なお、当該基板ボックス108には、当該基板ボックスの開放痕跡手段としてカシメ構造や図示しない封印シールが設けられているとともに、取付台106に対する主制御装置107の離脱痕跡手段としてカシメ構造が設けられている。
遊技盤61の背面における主制御装置ユニット105により覆われた領域には、図示しない集合板ユニットが設けられている。集合板ユニットには、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知センサなどが設けられている。遊技球回収機構にて回収された遊技球は後述する排出通路を介してパチンコ機10外部に排出される。また、入賞検知センサは主制御装置107と電気的に接続されており、遊技球の入賞を検知した場合の検知信号は主制御装置107にて入力される。
樹脂ベース41の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具111,112,113が取り付けられている。軸受け金具111〜113は上下に離間させて3個設けられている。なお、軸受け金具111〜113の数は任意であり、2個であってもよく、4個以上であってもよい。これら軸受け金具111〜113に対して軸支させて遊技機ベースユニット22には裏パックユニット24が取り付けられている。裏パックユニット24により、図5に示すように、可変表示ユニット67の全部及び主制御装置ユニット105の一部が後方から覆われており、裏パックユニット24を開放させない限り可変表示ユニット67及び主制御装置ユニット105を樹脂ベース41から取り外すことができないようになっている。
樹脂ベース41の背面には、図3及び図7に示すように、裏パックユニット24を遊技機ベースユニット22に固定するための固定金具115が設けられている。固定金具115は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。また、図7に示すように、樹脂ベース41の背面には締結孔部116が形成されており、当該締結孔部116に対して裏パックユニット24に設けられた締結具117(図9参照)を締結させることによっても裏パックユニット24が遊技機ベースユニット22に固定される。
<裏パックユニット24>
次に、裏パックユニット24の構成について詳細に説明する。図9は裏パックユニット24の正面図である。図10は裏パックユニット24の分解斜視図である。
裏パックユニット24は、当該裏パックユニット24の上部及び中央部分を構成する第1裏パックユニット121と、当該第1裏パックユニット121に連続させて設けられ裏パックユニット24の下部を構成する第2裏パックユニット141とを備えている。第1裏パックユニット121にはその下部に開口部122が形成されており、第2裏パックユニット141の上部は当該開口部122の下縁部分を構成している。
第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141には、図9に示すように、それぞれ軸金具123,139が設けられており、それら軸金具123,139はそれぞれ個別に軸受け金具111〜113に支持されている。これにより、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とは、遊技機ベースユニット22に対してそれぞれ個別に回動可能となっている。
ここで、上記のとおり、第2裏パックユニット141はその上部が第1裏パックユニット121の開口部122の下縁部分を構成しており、当該下縁部分において、第1裏パックユニット121がパチンコ機10前方となるようにして第1裏パックユニット121と
第2裏パックユニット141とが前後に重なっている。したがって、第1裏パックユニット121を遊技機ベースユニット22に対して閉鎖した状態で第2裏パックユニット141を開放させることはできるが、第2裏パックユニット141を閉鎖した状態で第1裏パックユニット121を開放させることはできない。なお、これに限定されることはなく、開閉の関係が第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とで逆であってもよく、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが相互に干渉することなく開閉可能な構成であってもよい。さらには、第1裏パックユニット121と第2裏パックユニット141とが一体化され個別に開閉できない構成としてもよい。
次に、第1裏パックユニット121の構成について詳細に説明する。
第1裏パックユニット121は、裏パック124を備えており、当該裏パック124に対して、払出機構部125が取り付けられている。裏パック124は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部125などが取り付けられるベース部126と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部127とを有する。保護カバー部127は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部126には、その右上部に外部端子板131が設けられている。外部端子板131には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部126には上述した第1裏パックユニット121の軸金具123が設けられている。
ベース部126には、保護カバー部127を迂回するようにして払出機構部125が配設されている。払出機構部125は、タンク132と、タンクレール133と、上下通路ユニット134とを備えている。タンク132は上方に開放されており、裏パック124の最上部に設けられている。タンク132には遊技ホールの島設備から遊技球が逐次補給される。タンクレール133は、タンク132の下方において当該タンク132に連結されており、下流側に向けて緩やかに傾斜している。当該タンクレール133の下流部に連結させて上下通路ユニット134が設けられている。上下通路ユニット134は上下方向に延びており、その途中位置に払出装置135が設けられている。また、上下通路ユニット134の下流側には、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部が設けられており、前面側通路部は上皿95a及び下皿96aに連通されている。
つまり、タンク132と、上皿95a及び下皿96aの受け皿との間には、タンクレール133、上下通路ユニット134、球受け部、裏パック側通路部、本体側通路部及び前面側通路部からなる誘導通路部が設けられており、タンク132に貯留されている遊技球は当該誘導通路部を通じて上皿95a又は下皿96aに払い出される。なお、上下通路ユニット134の構成、及びそれよりも下流側の構成については後に詳細に説明する。
払出機構部125には、裏パック基板136が設置されている。裏パック基板136には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ137の切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
次に、第2裏パックユニット141の構成について詳細に説明する。
第2裏パックユニット141は、排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とを備えている。排出通路盤142は第2裏パックユニット141の前側を構成し、制御装置集合ユニット143は第2裏パックユニット141の後側を構成している。そして、これら排出通路盤142と制御装置集合ユニット143とが前後に組み付けられて第2裏パッ
クユニット141が構成されている。
排出通路盤142は、制御装置集合ユニット143と対向する面に後方に開放された排出通路144が形成されており、当該排出通路144の開放部は制御装置集合ユニット143によって塞がれている。排出通路144は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した各種入賞口等から排出通路144に導出された遊技球は当該排出通路144を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット143は、横長形状をなす取付台145を有し、取付台145に払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とが搭載されている。これら払出制御装置146と電源及び発射制御装置147とは、払出制御装置146がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置146は、基板ボックス148内に払出装置135を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置146から払出装置135への払出指令の信号は上述した裏パック基板136により中継される。また、払出制御装置146には状態復帰スイッチ148aが設けられている。例えば、払出装置135における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ148aが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置147は、基板ボックス149内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置147にはRAM消去スイッチ149aが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ149aを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<上下通路ユニット134>
次に、上下通路ユニット134の構成について詳細に説明する。図11は上下通路ユニット134の斜視図である。図12及び図13は上下通路ユニット134の分解斜視図である。図14は上下通路ユニット134に形成された通路の一部の構成を説明するための説明図である。
上下通路ユニット134は、図11に示すように、上側ユニット161と、払出装置135と、下側ユニット162とを備えている。これら上側ユニット161、払出装置135及び下側ユニット162が上下通路ユニット134として一体化されていることにより、上皿95a及び下皿96aへ通じる誘導通路部の一部が形成されている。また、上側ユニット161及び下側ユニット162により、タンク132に貯留されている遊技球を島設備に排出するための排出通路部が形成されている。これら上側ユニット161、払出装置135及び下側ユニット162について詳細に説明する。
上側ユニット161は、図12及び図13に示すように、ポリカーボネートなどといった透明性を有する合成樹脂により形成された一対のハウジング部材171,172を備えている。各ハウジング部材171,172には、それぞれ通路壁が一体形成されている。これらハウジング部材171,172は両者の間に、ハウジング部材171,172と同様に透明性を有する合成樹脂により形成された仕切板173を挟んだ状態で前後に組み付けられている。これにより、図14に示すように、パチンコ機10後側のハウジング部材171と仕切板173により第1ケースレール部174が形成されているとともに、パチ
ンコ機10前側のハウジング部材172と仕切板173により第2ケースレール部175が形成されている。
なお、一対のハウジング部材171,172に対しては、両者を前後に挟むようにして外側カバー176が取り付けられているとともに、パチンコ機10の搬送時等においてコンセントプラグを保持するための保持部材177が取り付けられている。
第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175は前後に並設されており、上下方向の途中位置に湾曲部を有するように蛇行させて形成されている。第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175は、共に上記誘導通路部の一部を構成している。
上側ユニット161には、図14に示すように、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の他に、上側排出通路部178が形成されている。上側排出通路部178は、一対のハウジング部材171,172間において仕切板173により仕切られていない領域に形成されており、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175よりもパチンコ機10外側に位置している。上側排出通路部178は、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の両方に対してそれらの途中位置から分岐させて設けられている。
ここで、上側排出通路部178の入口部分には、切換片181が設けられている。切換片181は、前後方向を回動軸として、両ハウジング部材171,172に対して回動可能に支持されている。切換片181は、両ハウジング部材171,172の間に内蔵されている。また、切換片181よりもパチンコ機10外側には切換操作片182が設けられている。当該切換操作片182も切換片181と同様に、前後方向を回動軸として、両ハウジング部材171,172に対して回動可能に支持されている。
切換操作片182は、両ハウジング部材171,172内に位置する押圧部183と、両ハウジング部材171,172外に位置するレバー部184とを有している。切換操作片182は、レバー部184を操作して回動させることで、押圧部183が切換片181を押圧する押圧位置と、当該押圧を解除する押圧解除位置とに切換配置可能となっている。
切換操作片182を、図14の実線で示すように、押圧位置に配置した場合には、上記のとおり切換操作片182の押圧部183により切換片181が押圧され、当該切換片181は第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の通路壁の一部を構成する。また、この通路壁を構成する位置では、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175は湾曲しており、切換片181は上記通路壁における底部側を構成している。ちなみに、押圧部183により押圧されて切換片181が第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の通路壁を構成している状態が、払出誘導状態に相当する。切換片181が払出誘導状態である場合には、切換片181よりも上流側の遊技球は、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175をそのまま流下していく。
一方、切換操作片182を、図14の二点鎖線で示すように、押圧解除位置に配置した場合には、押圧部183による切換片181の押圧状態が解除される。これにより、切換片181は自重により回動し、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の通路壁を構成しない状態となる。ちなみに、押圧部183による押圧が解除されて切換片181が第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の通路壁を構成していない状態が、排出誘導状態に相当する。切換片181が排出誘導状態である場合には、切換片181よりも上流側の遊技球は、上側排出通路部178側に流れていく。切換操作片182は通常、切換片181が払出誘導状態となる位置に配置されており、パチンコ機
10内部の遊技球を抜き出す場合に、切換片181が排出誘導状態となるように切換配置される。
上側ユニット161は、タンク132の球無状態を検知するための球無検知センサ186を備えている。球無検知センサ186は、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175における切換片181よりも上流側において遊技球を検知するように設けられており、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175のそれぞれに対応させて検知部187a,187bを備えている。なお、本パチンコ機10では、球無検知センサ186として、検知部187a,187bに設けられた突出片が遊技球に押圧されていない場合に球無検知信号を出力するセンサが用いられているが、どのようなセンサを用いるかは任意である。球無検知センサ186の検知結果は払出制御装置146に出力され、払出制御装置146では球無検知センサ186の検知結果に基づいて球無状態か否かの特定を行う。
次に、払出装置135について説明する。図15は払出装置135の分解斜視図である。なお、当該払出装置135の説明では、図12〜図14を適宜参照する。
払出装置135は、図12及び図13に示すように、下側ユニット162の上部に組み付けられている。払出装置135は、複数の部材が組み合わされてなるハウジング191を備えており、ハウジング191内には遊技球通路192が形成されている。遊技球通路192は、誘導通路部の一部を構成している。
遊技球通路192は、一対の入口側通路部193a,193bと、単一の出口側通路部194とを備えている。入口側通路部193a,193bは前後に並設されており、いずれもハウジング191の上面にて開放されている。これら入口側通路部193a,193bのうち、一方が第1ケースレール部174と連通しており、他方が第2ケースレール部175と連通している。入口側通路部193a,193bは、その最下流部にて出口側通路部194に合流している。出口側通路部194は、ハウジング191の下面にて開放されている。
払出装置135には、入口側通路部193a,193bから出口側通路部194へ流れる遊技球を入口側通路部193a,193b側にて一旦停止させるための球止め手段として、回転体195が設けられている。回転体195は、図15に示すように、各入口側通路部193a,193bに対応させて一対の球誘導板196,197を備えており、各球誘導板196,197が対応する入口側通路部193a,193bの下流部に収容されるようにして回転体195が配置されている。回転体195はその中心が払出モータ198の出力軸198aに固定されている。
払出モータ198は、ステッピングモータにより構成されており、出力軸198aは所定方向に回転駆動される。これにより、回転体195は、その所定方向に回転し、それに伴って各球誘導板196,197が各入口側通路部193a,193b内にて回転する。出力軸198aは、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、360パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。なお、払出モータ198はハウジング191内に収容されている。
各球誘導板196,197の周縁には、180°間隔で2箇所に、凹部196a,197aが形成されている。但し、一対の入口側通路部193a,193b間では、凹部196a,197aの位置が相互に90°ずらして形成されている。回転体195が回転していない場合には、一対の入口側通路部193a,193bの両方において遊技球の流下が一旦停止される。また、回転体195が回転している場合には、凹部196a,197a
上に入り込んだ遊技球のみが出口側通路部194に導出される。
出口側通路部194には、図15に示すように、略平板状をした払出検知センサ199が設置されている。払出検知センサ199は、周知の磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、貫通孔を遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して出力する。この払出検知センサ199により、払出装置135を介して払い出された遊技球の数が確認できるようになっている。
次に、下側ユニット162について説明する。
下側ユニット162は、図12に示すように、一対のハウジング部材201,202を備えており、両ハウジング部材201,202が前後に組み付けられて、上下方向に延びる払出通路部203が内部に形成されている。払出通路部203は、誘導通路部の一部を構成している。払出通路部203は払出装置135の出口側通路部194に連通されており、払出装置135から払い出された遊技球は払出通路部203を通過する。払出通路部203の下流側には仕切壁204が形成されており、払出通路部203は下流側にて2列に分岐している。これら2列の通路のうち、一方により遊技球が上皿95aへ誘導され、他方により遊技球が下皿96aへ誘導される。この誘導の様子については、後に説明する。
下側ユニット162には、払出通路部203以外にも下側排出通路部205が形成されている。下側排出通路部205は上下方向に延びており、払出通路部203よりもパチンコ機10外側に位置している。また、払出通路部203よりも上方に延長させて形成されており、上側ユニット161の上側排出通路部178に連通している。これにより、上側排出通路部178へ誘導された遊技球は、下側排出通路部205を通過することとなる。
下側ユニット162には、既に説明した裏パック基板136が搭載されている。ここで、裏パック基板136には、図12に示すように、球抜きボタン206が設けられている。本パチンコ機10では、上記のとおり球無検知センサ186が設けられており、球無検知センサ186にて球無状態が検知されている状況では払出装置135の払出動作が停止される。この場合に、球抜きボタン206が操作されることにより、上記動作停止状態が解除され、払出装置135の払出動作が可能となる。
以上のとおり、上下通路ユニット134には、上側ユニット161の第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175と、払出装置135の遊技球通路192と、下側ユニット162の払出通路部203とが設けられている。そして、タンクレール133から流下してきた遊技球は基本的に、これら通路部174,175,192,203を通じて上皿95a又は下皿96aに向けて誘導される。また、上下通路ユニット134には、上側ユニット161の上側排出通路部178と、下側ユニット162の下側排出通路部205とが設けられている。そして、切換操作片182を操作して切換片181を排出誘導状態とすることにより、切換片181よりも上流側にある遊技球が、これら上側排出通路部178及び下側排出通路部205を通じてパチンコ機10外の島設備に向けて誘導される。
<残存遊技球数について>
ここで、上記のとおり切換片181を排出誘導状態とすることで遊技球が排出通路部178,205側へ誘導されることとなるが、全ての遊技球を排出することはできない。つまり、切換片181は、既に説明したように上側排出通路部178の入口部分に設置されており、この位置は第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の途中位置となっている。また、払出装置135において回転体195により遊技球が一旦停止される位置は、遊技球通路192の途中位置となっている。したがって、切換片181を排出
誘導状態としたとしても、切換片181の直下流側から回転体195の位置にはある程度の遊技球が残ることとなる。
この場合に、本パチンコ機10では、上記残存遊技球数が特徴的な数となっている。そこで、当該残存遊技球数について、図16及び図17を用いて説明する。図16及び図17は、残存遊技球数を説明するための説明図である。
既に説明したように、第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175は上下方向の途中位置にて湾曲部を有するように蛇行させて形成されているが、切換片181よりも下流側の通路形状が第1ケースレール部174と第2ケースレール部175とで異なっている。
詳細には、第1ケースレール部174における切換片181の下流側の第1待機領域211は、その下流部に横向きU字状に形成されたU字領域212を備えており、第1待機領域211における最上流部からU字領域212に至る領域は一定角度に傾斜させて直線的に形成されている。
一方、第2ケースレール部175における切換片181の下流側の第2待機領域213は、第1待機領域211と同様に、その下流部に横向きU字状に形成されたU字領域214を備えている。但し、第2待機領域213における最上流部からU字領域214に至る領域は上下方向に延びる上下領域215と左右方向に延びる左右領域216とから構成されており、U字領域214に至る領域までの通路長は第2ケースレール部175の方が長くなっている。なお、当該部分以外においては、第1ケースレール部174と第2ケースレール部175とで通路形状は同一となっている。また、払出装置135における一対の入口側通路部193a,193bの入口から球誘導板196,197(回転体195)までの通路長も同一となっている。
ちなみに、第1待機領域211と第2待機領域213との通路形状が異なっており、さらにはハウジング部材171,172及び仕切板173が透明性を有していることにより、第1ケースレール部174と第2ケースレール部175とが前後に並設された構成において、パチンコ機10背面側から第1ケースレール部174及び第2ケースレール部175の両方について遊技球の有無の確認を行うことができる。
上記のように第1ケースレール部174の第1待機領域211と第2ケースレール部175の第2待機領域213とが、相互に通路長が異なるように形成されていることにより、第1ケースレール部174において切換片181から回転体195までの位置に残存する残存遊技球数は、第2ケースレール部175において切換片181から回転体195までの位置に残存する残存遊技球数よりも遊技球1個分少ない数となる。具体的には、第1ケースレール部174における上記残存遊技球数は14個であるのに対して、第2ケースレール部175における上記残存遊技球数は15個である。なお、図16及び図17に示すように、第1ケースレール部174における上記残存遊技球数及び第2ケースレール部175における上記残存遊技球数は、回転体195の回転位置に関係なく一定となっている。
上記のとおり本パチンコ機10では、切換片181を排出誘導状態とした場合に、切換片181から回転体195までの位置に残る残存遊技球数は14個と15個との和で、29個である。この数は、素数であり、遊技領域に設けられた入賞口に一の遊技球が入球した場合に払い出されることとなる単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しない数となっている。また、単位遊技球数のうち最大単位遊技球数である15個よりも大きい数となっている。
つまり、遊技領域には入賞口として、一般入賞口62、可変入賞装置63、上作動口64及び下作動口65が設けられている。このうち、一般入賞口62に一の遊技球が入球した場合に払い出される単位遊技球数は10個であり、可変入賞装置63に一の遊技球が入球した場合に払い出される単位遊技球数は15個であり、上作動口64に一の遊技球が入球した場合に払い出される単位遊技球数は3個であり、下作動口65に一の遊技球が入球した場合に払い出される単位遊技球数は4個である。そうすると、29個は、いずれの単位遊技球数の整数倍とも一致しない。
ここで、本パチンコ機10における上記残存遊技球の抜き出し方法は以下のとおりである。上記残存遊技球を抜き出す場合、先ず遊技機前面ユニット23を開放状態とし、遊技領域をパチンコ機10前方に露出させる。その後、遊技領域に設けられた入賞口に複数の遊技球を手入れで入球させる。入賞口に複数の遊技球を入球させることで、その入球結果が主制御装置107にて特定される。主制御装置107は入賞口への入球を特定することで、後述するように、払出制御装置146に賞球コマンドを出力する。払出制御装置146では、その賞球コマンドに対応した賞球数の情報を記憶し、本来なら、その記憶した情報に対応した賞球数の遊技球が払い出されるように払出装置135を駆動制御する。但し、この状態では、球無検知センサ186にて球無状態が検知されているため、上記駆動制御は開始されず、払出装置135の払出動作は開始されない。この場合に、球抜きボタン206を操作することで、球無状態であっても上記駆動制御が開始され、払出装置135の払出動作が開始される。これにより、上記残存遊技球が上皿95a又は下皿96aに排出されることとなる。
なお、球抜きボタン206を操作することで、入賞口への遊技球の入球に関わらず払出装置135を動作させる構成も考えられるが、この場合、球抜きボタン206が不正に操作された場合には不正に遊技球が払い出されることとなってしまうため、本パチンコ機10における上記構成とすることが好ましい。
上記のように残存遊技球の抜き出しが行われる構成において残存遊技球数は29個であるため、いずれか一の入賞口に複数の遊技球を手入れで入球させて全ての残存遊技球を排出させようとすると、その際に払出制御装置146に記憶される賞球数は上記残存遊技球数を超えることとなる。つまり、一般入賞口62を用いる場合、全ての残存遊技球を排出させるためには3個の遊技球を入球させる必要があり、賞球数は29個より1個多い30個となる。また、可変入賞装置63を用いる場合、全ての残存遊技球を排出させるためには2個の遊技球を入球させる必要があり、賞球数は29個より1個多い30個となる。また、上作動口64を用いる場合、全ての残存遊技球を排出させるためには10個の遊技球を入球させる必要があり、賞球数は29個より1個多い30個となる。また、下作動口65を用いる場合、全ての残存遊技球を排出させるためには8個の遊技球を入球させる必要があり、賞球数は29個より3個多い32個となる。これら残存遊技球数を超えた賞球数は払出制御装置146に記憶保持されることとなる。この場合に、後述するように払出制御装置146には電源及び発射制御装置147からバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10の電源が遮断されたとしても、上記残存遊技球数を超えた賞球数の情報は記憶保持される。
以上説明したような遊技球の抜き出しは、例えば、パチンコ機10を中古で流通させる場合に行われる。遊技球には遊技ホール毎に固有の模様などが付されており、中古での流通に際してパチンコ機10内の遊技球を全て抜き出すことで、遊技ホール間で異なる遊技球が混ざらないようにすることができる。その一方、パチンコ機10を中古で流通する場合、その流通過程で払出制御装置146などが不正な制御装置に交換されてしまうことが懸念される。この場合、流通先の遊技ホールが多大な不利益を被ってしまうおそれがあり
好ましくない。また、これを抑制すべく、払出制御装置146の不正交換を防止するために複雑な構成を付加すると、パチンコ機10のコストが高くなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では上記のとおり、残存遊技球数が29個となっており、いずれか一の入賞口に複数の遊技球を手入れで入球させて当該残存遊技球を全て排出させようとすると、自ずと払出制御装置146に賞球数の情報が残ることとなる。そして、この賞球数の情報は、バックアップ電力が供給されることにより、パチンコ機10の電源が遮断されたとしても記憶保持される。これにより、パチンコ機10を中古で流通させる場合、流通先にて払出制御装置146に上記賞球数の情報が記憶保持されていることを確認することで、流通過程において払出制御装置146の不正交換が行われたか否かを確認することができる。この確認としては、例えば、島設備にパチンコ機10を設置し、タンク132に遊技球を補充した後に電源を立ち上げた場合に、遊技球が上皿95aに排出されるか否かを確認することで行うことができる。
特に、本パチンコ機10では、残存遊技球数が29個に設定されているため、いずれか一の入賞口に対して上記手入れでの遊技球の入球動作を行うことで、確実に払出制御装置146に賞球数の情報が残ることとなる。よって、流通過程において払出制御装置146の不正交換が行われたか否かの確認作業を確実に行うことができる。
また、実際に上記球抜き動作を行う場合、その作業効率を考えて、単位遊技球数が最も多い可変入賞装置63を用いることが考えられる。この場合、可変入賞装置63に遊技球を2個入球させることで、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個となり、上記残存遊技球数を超えることとなる。また、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個の場合には、残存遊技球の排出後に残る賞球数は1個となる。そうすると、パチンコ機10を中古品で流通させた場合、払出制御装置146に記憶保持される賞球数の情報は1個となる。これにより、流通先でパチンコ機10の電源を立ち上げた場合に払い出される遊技球の数は1個となり、流通先での遊技ホールにおいて不正の有無の確認後における片付け作業に際してはその1個の遊技球を取り出すだけで済む。よって、当該片付け作業の作業効率を向上させることができる。つまり、本構成によれば、球抜き作業の作業効率及び片付け作業の作業効率の両方を向上させることができる。
なお、最大単位遊技球数に対応した入賞口を用いた場合に払出制御装置146に記憶される賞球数の情報は、「残存遊技球数+1」に限定されることはなく、残存遊技球数に対する最大単位遊技球数の商の余りが最小単位遊技球数未満としてもよい。つまり、本パチンコ機10では、最小単位遊技球数が3個であるため、最大単位遊技球数に対応した入賞口を用いた場合に払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が、「残存遊技球数+2」となるようにしてもよい。但し、この場合、残存遊技球数又は最大単位遊技球数を上記のものとは異なる数とする必要がある。
また、実際に上記球抜き動作を行う場合、その作業効率を考えて、手入れでの入球作業を最も行い易い入賞口を用いることが考えられる。本パチンコ機10では、当該入賞口は、遊技盤61において遊技機前面ユニット23の回動先端側に位置する一般入賞口62である。この場合、一般入賞口62に遊技球を3個入球させることで、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個となり、上記残存遊技球数を超えることとなる。また、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個の場合には、残存遊技球数の排出後に残る賞球数は1個となる。そうすると、パチンコ機10を中古品で流通させた場合、払出制御装置146に記憶保持される賞球数の情報は1個となる。これにより、流通先でパチンコ機10の電源を立ち上げた場合に払い出される遊技球の数は1個となり、流通先での遊技ホールにおいて不正の有無の確認後における片付け作業に際してはその1個の遊技球を取り出すだけで済む。よって、当該片付け作業の作業効率を向上させることがで
きる。つまり、本構成によれば、球抜き作業の作業効率及び片付け作業の作業効率の両方を向上させることができる。
なお、入球作業を行い易い入賞口を用いた場合に払出制御装置146に記憶される賞球数の情報は、「残存遊技球数+1」に限定されることはなく、残存遊技球数に対する当該入賞口の単位遊技球数の商の余りが最小単位遊技球数未満としてもよい。つまり、本パチンコ機10では、最小単位遊技球数が3個であるため、上記入賞口を用いた場合に払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が、「残存遊技球数+2」となるようにしてもよい。但し、この場合、残存遊技球数又は一般入賞口62の単位遊技球数を上記のものとは異なる数とする必要がある。
一方、残存遊技球数の29個は、例えば、一般入賞口62の単位遊技球数と、可変入賞装置63の単位遊技球数と、下作動口65の単位遊技球数との和と一致する数である。したがって、例えば、遊技ホールにおけるメンテナンス時や、製造メーカからの出荷時といった、中古品を流通させる必要がない場合には、一般入賞口62、可変入賞装置63及び下作動口65のそれぞれに1個ずつ遊技球を入球させることで、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報は上記残存遊技球数と一致し、当該賞球数の情報が払出制御装置146に残らないようにすることができる。
また、残存遊技球数の29個は、一般入賞口62の単位遊技球数の2倍と、上作動口64の単位遊技球数の3倍との和と一致する数である。これら一般入賞口62及び上作動口64は、遊技球の入球を不可又は難しくする開閉手段が設けられていない入賞口であり、手入れでの入球作業に際して開閉手段の開放操作等を要しない。よって、賞球数の情報が払出制御装置146に残らないようにしながら残存遊技球の抜き出しを行う場合に、その作業効率を向上させることができる。
また、一般入賞口62の一部は、上記のとおり、遊技盤61において遊技機前面ユニット23の回動先端側に配置されている。また、下作動口65は、遊技盤61において左右方向の中央側に配置されている。この点、手入れでの入球作業に際して、これら一般入賞口62及び下作動口65に遊技球を入球させることで、賞球数の情報が払出制御装置146に残らないようにしながら残存遊技球の抜き出しを行う場合に、その作業効率を飛躍的に向上させることができる。
<上下通路ユニット134よりも下流側の通路構成>
次に、上下通路ユニット134よりも下流側の通路構成について説明する。図18は遊技球の通路構成を説明するための説明図である。なお、図18においては、便宜上、遊技機ベースユニット22側及び裏パックユニット24側の通路構成について断面で示す。
裏パックユニット24において、上下通路ユニット134の下流側には球受け部252が設けられており、上下通路ユニット134を通過した遊技球は球受け部252に導入される。球受け部252は、上下通路ユニット134を通過した遊技球を上皿95a側若しくは下皿96a側、又は第2裏パックユニット141の排出通路144に導く機能を有する。
球受け部252の構成を、図19に示す球受け部252周辺の縦断面図を参照しながら説明する。球受け部252は上方及び前方に開放しており、その内部が2つの仕切壁253a,253bによって仕切られることで3つの開口部255a,255b,255cが左右方向に並設されている。
これら開口部255a,255b,255cのうち、パチンコ機10内側の開口部255aは、払出通路部203における仕切壁204により仕切られた2列の通路のうち、パ
チンコ機10内側の通路の下方に位置しているとともに、上皿95aへ続く上皿通路に通じている。また、中央の開口部255bは、払出通路部203における仕切壁204により仕切られた2列の通路のうち、パチンコ機10外側の通路の下方に位置しているとともに、下皿96aへ続く下皿通路に通じている。また、外側の開口部255cは、下側排出通路部205の下方に位置しているとともに、第2裏パックユニット141の排出通路144に通じている。
上皿通路は、裏パックユニット24に設けられた裏パック側上皿通路部258と、遊技機ベースユニット22に設けられた本体側上皿通路部262と、遊技機前面ユニット23に設けられた前面側上皿通路部272とから構成されている。同様に、下皿通路は、裏パックユニット24に設けられた裏パック側下皿通路部259と、遊技機ベースユニット22に設けられた本体側下皿通路部263と、遊技機前面ユニット23に設けられた前面側下皿通路部273とから構成されている。
これら各通路部258,259,262,263,272,273について詳細に説明する。
<裏パック側通路部258,259>
裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259は、裏パックユニット24の回動基端側においてベース部126を前後方向に貫通するようにして設けられた裏パック側通路ユニット257に形成されている(図18参照)。裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259は通路壁によって区画され左右方向に並設されている。また、裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259は、それぞれ前後方向に延びており、下流側に向けて下り傾斜となっている。以上の構成において裏パック側上皿通路部258及び裏パック側下皿通路部259に導入された遊技球は、底部258a,259a上を転がった後に本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263のそれぞれに排出される。
<本体側通路部262,263>
本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263は、遊技機ベースユニット22の回動基端側において樹脂ベース41を前後方向に貫通するようにして設けられた本体側通路ユニット261に形成されている。
本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263は、仕切用通路壁264によって区画されて左右方向に並設されており、それぞれ球出口262a,263aが下方を向くようにして形成されている。詳細には、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の上流側は下流側に向けて下り傾斜となっており、その下流側では若干下方に延出させて球出口262a,263aが形成されている。以上の構成において本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263に導入された遊技球は、底部262b,263b上を転がり球出口262a,263aを介して前面側上皿通路部272及び前面側下皿通路部273のそれぞれに排出される。
<前面側通路部272,273>
前面側上皿通路部272及び前面側下皿通路部273は、遊技機前面ユニット23の背面に設けられた前面側通路ユニット271に形成されている。ここで、前面側通路ユニット271について図20〜図22を用いて説明する。図20は前面側通路ユニット271の斜視図である。図21は前面側通路ユニット271の分解斜視図である。図22は前面側通路ユニット271の正面図である。
前面側通路ユニット271は、図21に示すように一対のベース板274a,274bを有している。これらベース板274a,274bはポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂材料により形成されており、それぞれ溝部や開口部が形成されている。両ベース板274a,274bがネジ固定されていることで、前面側上皿通路部2
72を構成する受口部275が形成されているとともに、少なくとも前面側下皿通路部273を構成する通路形成部276が形成されている。なお、前面側通路ユニット271は受口部275及び通路形成部276の他に板状部271aを有している。この前面側通路ユニット271は、前面側上皿通路部272の出口272aが上皿95aの球入口と前後に重なり、前面側下皿通路部273の出口273aが下皿96aの球入口と前後に重なるようにして、遊技機前面ユニット23の背面に対してパチンコ機10後方からネジ固定されている。
前面側通路ユニット271の受口部275及び通路形成部276について説明する。受口部275が形成された位置は前面側通路ユニット271において上側隅部であり、遊技機前面ユニット23との関係では当該遊技機前面ユニット23の回動基端側となっている。また、受口部275は、通路形成部276よりもパチンコ機10の後方に突出しており、さらには遊技機前面ユニット23の回動軸よりもパチンコ機10の後方にある。そして、遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態において、受口部275は遊技機ベースユニット22の前側端部よりも後側に入り込んでいる。
但し、受口部275は遊技機ベースユニット22の後側端部よりも前側にあり、遊技機ベースユニット22(樹脂ベース41)には受口部275と対峙する位置に、当該受口部275の突出側をカバーするカバー部としての収容凹部292bが形成されている(図23参照)。よって、遊技機前面ユニット23を閉鎖した状態において受口部275は遊技機ベースユニット22を前後方向に貫通していない。
受口部275は図20等に示すように上方に開放されており、その左右方向の略中央には底部から上方に起立した仕切壁277が一体形成されている。この仕切壁277に仕切られることで、受口部275には2つの開口部278,279が左右方向に並設されている。かかる構成において、受口部275におけるパチンコ機10内側の側壁はパチンコ機10後側などに比べ背が高くなっており、当該側壁には庇部275aが形成されている。この庇部275aが形成されていることにより、上記2つの開口部278,279のうちパチンコ機10内側の開口部278はパチンコ機10外側の開口部279よりも幅寸法(左右方向寸法)が小さくなっている。
パチンコ機10内側の開口部278は、本体側上皿通路部262の球出口262aと上下に対峙しており、図22等に示すように、前面側上皿通路部272の球入口となっている。また、パチンコ機10外側の開口部279は、本体側下皿通路部263の球出口263aと上下に対峙しており、通路形成部276に形成される前面側下皿通路部273の球入口となっている。この場合に、上記のとおり、受口部275は遊技機ベースユニット22の前側端部よりも後側に入り込んでいるため、前面側上皿通路部272と本体側上皿通路部262との境界部分、及び前面側下皿通路部273と本体側下皿通路部263との境界部分は、その一部が遊技機ベースユニット22の前側端部よりも後側に入り込んでいる(図18等参照)。
内側開口部278と上皿95aの球入口196とは前後に並んでおり、前面側上皿通路部272はそれら内側開口部278と球入口196とを繋ぐように前後方向に延びている。外側開口部279と下皿96aの球入口とは左右方向及び上下方向にずれた位置関係となっている。つまり、外側開口部279が遊技機前面ユニット23の回動基端側にあり、下皿96aの球入口は遊技機前面ユニット23の左右方向の中央付近にある。また、外側開口部279に対して下皿96aの球入口は下方にある。これら外側開口部279と下皿96aの球入口とを繋ぐように、前面側下皿通路部273が形成されている。
次に、上皿95a及び下皿96aへの遊技球の流れについて説明する。
図19に示すように払出装置135からは球受け部252における内側の開口部255aに向けて遊技球が払い出される。よって、払出装置135から払い出された遊技球は各上皿通路部258,262,272によって構成される上皿通路を通って上皿95aに排出される。
但し、払出装置135から多数の遊技球が払い出され上皿95aが満杯状態となり、さらにその後も遊技球の払い出しが継続されると、上皿通路にて遊技球が連なり、図19に示すように、球受け部252における内側の開口部255aの全体に遊技球が充たされるとともに、上下通路ユニット134の払出通路部203における仕切壁204の先端の位置まで遊技球が充たされることとなる。かかる状態において払出装置135から払い出された遊技球は払出通路部203の仕切壁204を乗り越え中央の開口部255b内に入る。そして、この遊技球は各下皿通路部259,263,273によって構成される下皿通路を通って下皿96aに排出される。
<シャッタ機構291>
次に、シャッタ機構291について説明する。図23はシャッタ機構291の分解斜視図である。図24はシャッタ機構291の動きを説明するための説明図である。
本実施の形態では上述したように遊技機前面ユニット23に対して前面側通路ユニット271が設けられている。また、遊技機前面ユニット23には上述したように窓パネル部91が設けられており、例えば遊技領域にて球詰まり等が発生しそれを解消するために遊技機前面ユニット23を開放すると、それに合わせて前面側通路ユニット271が前方に移動し、遊技機前面ユニット23側の各通路部272,273と遊技機ベースユニット22側の各通路部262,263とが離間される。そして、この遊技機前面ユニット23の開放操作が、上皿95aや下皿96aが満杯状態であり本体側上皿通路部262や本体側下皿通路部263にて遊技球が待機されている状態において行われると、その待機されている遊技球が前面側上皿通路部272や前面側下皿通路部273にて受けられなくなり散乱してしまうおそれがある。これに対して、この遊技球の散乱を防止するためにシャッタ機構291が設けられている。
シャッタ機構291は遊技機ベースユニット22の前面側に設けられている。詳細には、樹脂ベース41における本体側通路ユニット261の下方には取付部292が形成されており、この取付部292に対してシャッタ機構291が取り付けられている。シャッタ機構291は、シャッタ部材293と、コイルバネ294と、ストッパ295とから構成されている。
シャッタ部材293は合成樹脂により略板状に形成されている。シャッタ部材293の下端には左右方向に貫通させて軸孔293aが形成されており、取付部292にはこの軸孔293aと同一軸線上に軸孔を有する支軸部292aが形成されている。シャッタ部材293の軸孔293a及び支軸部292aに支軸ピン296が挿通固定されていることにより、シャッタ部材293は取付部292に対して下端を軸線として前後方向に回動可能に支持されている。
シャッタ部材293の上端には、一方の端部(本実施の形態では、左側の端部)から側方に延出させて延出部297が形成されており、当該延出部297の前方となるようにしてストッパ295が設けられている。ストッパ295は合成樹脂材料により成形されており、取付部292にネジ固定されている。また、ストッパ295には、シャッタ用ストッパ295aと当該シャッタ用ストッパ295aよりも下方にあり前方に張り出したバネ用ストッパ295bとが形成されている。
ストッパ295と延出部297との間にはコイルバネ294が設けられている。コイルバネ294は、一端がバネ用ストッパ295bに固定され他端が延出部297の下端に固定されており、伸張状態で設けられている。したがって、シャッタ部材293には前方へ向けた付勢力が常に作用しており、シャッタ部材293の自然状態では延出部297がシャッタ用ストッパ295aに当接した位置にある。この当接した位置では、シャッタ部材293の上端部298が本体側通路ユニット261の下方にある。
シャッタ部材293の上端部298は、その上面が所定の曲率で、外方に凸であって前後方向に円弧状となっている。この円弧の仮想中心は、軸孔293aとなっている。また、シャッタ部材293は、その前後方向寸法が本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aの前後方向寸法と略同一となっており、さらに左右方向寸法が本体側通路ユニット261の左右方向寸法と略同一となっている。そして、上端部298は、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aの略全体と対峙している。つまり、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の球出口262a,263aがシャッタ部材293によって閉鎖されている。この位置がシャッタ部材293の閉鎖位置(阻止位置)である。
上端部298には前方に突出させて前方段部298bが一体形成されている。この前方段部298bは、閉鎖位置に移動する際に、本体側上皿通路部262と前面側上皿通路部272との境界部分や、本体側下皿通路部263と前面側下皿通路部273との境界部分にある遊技球を受口部275側に押し込む機能を有する。
上端部298には、その左右方向の途中位置に前後方向に延びる溝部298aが形成されている。この溝部298aの位置は、受口部275における仕切壁277の位置に対応している。つまり、上端部298において溝部298aよりもパチンコ機10内側の領域は上皿通路用の阻止領域となっており、溝部298aよりもパチンコ機10外側の領域は下皿通路用の阻止領域となっている。この溝部298aには、シャッタ部材293が閉鎖位置にある場合に、本体側通路ユニット261における各通路部262,263を仕切る仕切用通路壁264の下端部分264aが入り込む。
取付部292におけるシャッタ部材293の後方には、後方へ凹んだ収容凹部292bが形成されている。また、シャッタ部材293はその前側端面が、遊技機前面ユニット23を閉鎖した際に前面側通路ユニット271の受口部275と当接する位置にあり、上述したとおり遊技機前面ユニット23を閉鎖した際には受口部275は本体側通路ユニット261の下方に配置される。したがって、遊技機前面ユニット23が閉鎖されている状態においては、受口部275の後方端部がシャッタ部材293の前側端面に当接しシャッタ部材293に対して上記付勢力に抗する力が作用することで、当該シャッタ部材293は後方に回動し収容凹部292bに収容されている。この位置がシャッタ部材293の開放位置(阻止解除位置)である。
遊技機前面ユニット23の開放操作に対するシャッタ部材293の動きについて説明すると、図24(a)に示すように、遊技機前面ユニット23が閉鎖されている状態ではシャッタ部材293は開放位置にあり、本体側上皿通路部262と前面側上皿通路部272とが連通し、本体側下皿通路部263と前面側下皿通路部273とが連通している。
また、遊技機前面ユニット23を開放することで、図24(b)に示すようにシャッタ部材293は閉鎖位置に移動する。これにより、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263の各球出口262a,263aが閉鎖され、本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263に遊技球が待機されている状態において遊技機前面ユニット23が開放されたとしても、その待機されている遊技球が散乱しないようになっている。その後
、遊技機前面ユニット23を閉鎖すると、図24(a)の状態に戻る。
この場合に、上記のとおり本体側上皿通路部262及び本体側下皿通路部263は、それぞれ球出口262a,263aに向けて下り傾斜となっている。よって、遊技機ベースユニット22側の各通路部262,263に待機されている遊技球の重量負荷は、その一部が遊技機ベースユニット22側の各通路部262,263の底部262b,263bにて受けられる。つまり、それら待機されている遊技球のシャッタ部材293に対する重量負荷が低減されている。よって、シャッタ部材293の開閉動作の円滑化が図られている。
<上皿と下皿の形状>
図25は上側膨出部で覆われた上皿と下側膨出部で覆われた下皿とを示す平面図である。図26は上側膨出部で覆われた上皿と下側膨出部で覆われた下皿とを示す正面図である。図27は図25と図26におけるA−A線拡大断面図である。図28は図25と図26におけるB−B線拡大断面図である。
上述したように、上側膨出部95内側には上方に開口した上皿95aが設けられ、下側膨出部96内側には同じく上方に開口した下皿96aが設けられている。図示例の上皿95aは、払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構80側へ導くための機能を有する。この上皿95aは、どの程度の遊技球が残っているのかどうかを遊技者が容易に視認できるように底が浅く形成されている。上皿95aの底が深い、貯留部95bの周縁95dが浅いと遊技球がまだ充分にあると勘違いして打ち続けた際に、大入賞に当たりが出たときに上皿95aに遊技球がなくて慌てることがあった。一方、底が深い上皿95a、即ち貯留部95bの周縁95dが高い上皿95aは、その貯留部95bから遊技者が手で遊技球を取り出すことが困難なこともあった。このような理由から、上皿95aの貯留部95bの周縁95dは浅く形成されている。
このように貯留部95bの周縁95dを浅くした上皿95aでは、払出装置135より勢いよく払出される遊技球が上皿95aから外部へ飛び出しやすい。そこで、遊技球の飛び出しを防止するために、上皿95aの貯留部95bの縁には反し部95eが形成されている(図27参照)。この返し部95eにより、遊技者が貯留部95bから手で遊技球を取り出すことを阻害することなく、飛び出しを防止できる。
しかし、底が浅い上皿95aでは、払出装置135又は球貸機から勢いよく出され遊技球が跳ね上がり、反し部95eを越えて上皿95aから跳び出し易い。球貸機の投入管の吐出口から多数の遊技球が落下し、合成樹脂製の上皿95aの表面に当たった遊技球が跳ね上がり、この上皿95aから跳び出す可能性が高くなる。
また、遊技中に大当たりが発生して、短時間に大量の賞球が払出される場合、上皿95aには勢いよく払い出された遊技球が、合成樹脂製の上皿95aの上面に当たり、その反発力により、この上皿95aから跳び出す可能性も高くなる。
<上皿の防振構造(1枚構成)>
図29は上皿と防振構造とを示す分解斜視図である。
そこで、本発明の遊技機10の上皿95aに防振構造を設けた。図示例の防振構造は、受け皿としての上皿95aに防振板901を取り付けた構造のものである。この防振構造は、上皿95aの材質とは異なる軟質の材料からなる防振板901と、上皿95aの下面においてこの防振板901を着脱自在に支持し得るように形成した支持構造903とから成る。このように上皿95aの材質と異なる防振板901は、上皿95aを構成する合成樹脂製の板材が振動するとき、その振れをこの防振板901が吸収できる。
また、防振板901は、上皿95aとは異なる振動を生じるものであれば良く、上皿95aと同一の材質であっても、上皿95aの厚みと異なる厚みとしたり、支持位置を変更するなどして固有振動数を異なるものとしても良い。
図30は振動吸収用リブを形成した防振板を示す拡大正面図である。
支持板904の下面には、この支持板904の平面形状を保持するための補強用リブ905を複数本形成した。防振板901には、これらの補強用リブ905以外に、その下面に複数本の振動吸収用リブ907を形成した。このように振動吸収用リブ907を形成した防振板901でも、上皿95aが振動する振れを、文字通りこの振動吸収用リブ907が吸収することができる。
また、リブ907は、遊技機10の前後方向に延びて形成され、上皿95aの遊技球の整列する方向(左右方向)に交差(直交)する方向に延びて形成されている。この方向にリブ907が形成されることで上皿95aの振動を吸収しやすく、上皿95aの手前側に遊技者が手を乗せたり、ボタン操作をしたりする場合に対しての強度を確保することができる。
なお、リブ907が上皿95aの下面裏側に直接形成された場合には、上皿95aの表面に樹脂成形時の熱収縮による凹み(ひけ)が生じ易く、この凹みに遊技球が引っかかって遊技球が停留する可能性が高くなる。本実施例においては上皿95aとは別に成形される部品である防振板901にリブ907が設けられているので、かかる問題を未然に防止することができる。
<上皿の防振構造(2枚構成)>
図31は上皿と防振構造とを示す分解斜視図である。図32は防振構造を構成する防振板を示す拡大斜視図である。
防振板901は1枚構成のものに限定されず、2枚構成にしたものでもよい。この防振構造901は、上皿95aの貯留部95bの下面と略同大同形状の剛性を有する支持板904に、この支持板904と略同大同形状になる弾力性を有するシート状の弾力材902を貼り付けたものである。図示例では、平面視で略五角形状に形成したものを示している。これは上皿95aの貯留部95bの下面形状に合わせるためである(図25参照)。
支持板904は、後述する弾力材902を支持すると共にこの弾力材902が吸収する振動(振幅)を減衰する機能を有する。そこで、この支持板904は剛性を有する合成樹脂板が好ましい。但し、剛性を有する素材であれば、合成樹脂に限定されず、金属又は木材でも代用することができる。特に、寒冷地のような昼間と夜間との温度差が大きい地域では木材製が好ましい。
支持板904の剛性は、弾力材902と比べて弾性率の高い材料であっても良いし、材料は弾力材902と同一であって板厚を異ならせ、リブを追加したものであっても良い。
2枚構成の支持板904の下面にも、この支持板904の平面形状を保持するための補強用リブ905を複数本形成した。図示例の補強用リブ905は後述する支持構造903とねじボス95cの位置と干渉しないように、遊技機前面ユニット23を構成する板面に対して垂直方向に形成した。しかし、これらの支持構造903と、ねじボス95cとの位置関係が異なればこの垂直方向に形成したものに限定されず、遊技機前面ユニット23の板面に対して傾斜した方向又はこの板面と平行に形成することも可能である。
また、補強用リブ905の寸法は、原則として支持板904の横幅、縦幅と略同じ長さ
にすることが好ましい。しかし、図32に示すように、一部の補強用リブ905を支持板904の外周から大きく突出させた構造にすることも可能である(図示面の左端の支持板904)。このように構成すると、この防振板901が持ちやすくなり、遊技機10の組立作業性の効率が向上する。また、部品としての防振板901を保管する際にも取り扱いが容易になる。
弾力材902は、遊技球の上皿95aの貯留部95bへの落下又は賞球払出により、上皿95aから伝播する振動を吸収する部分であり、ゴム製のシート材又は合成樹脂製のシート材を用いた。この弾力材902は、例えば支持板904に接着剤で略全面に貼り付ける。
防振板901について、支持板904に弾力材902を貼り付ける手段はこのような接着剤に限定されない。例えば、上面に複数の孔を開けた支持板904に、各孔に嵌合する突起を複数形成した弾力材902を重ねたものでもよい(図示していない)。これらの複数の孔と突起が嵌合して位置決めの機能を果たす。
また、支持板904上面に「梨地」状の凹凸面を形成し、この凹凸面上に弾力材902を単純に重ねたものでもよい(図示していない)。このような構成でも位置決めの機能を果たす。
支持板904と弾力材902を、上皿95aの貯留部95bの下面と略同大同形状に形成したのは、この部分が平面であり、かつ合成樹脂製の上皿95aの表面に当たった遊技球が跳ね上がる部分だからである。
防振板901の形状、即ち支持板904、弾力材902の形状は、必ずしも上皿95aの貯留部95bの下面と同大同形状に形成する必要はない。上皿95aの貯留部95bの平面部分と密着又は接触することにより、その振動(振幅)を減衰することができる範囲であれば、このような形状に限定されない。但し、遊技機10の内部の空間の制約とデザイン性から、防振板901の形状は、上皿95aの貯留部95bの下面と同大同形状にすることが望ましい。
また、図31、図32に示すように、支持板904上面の周囲には、位置決め用縁906を立ち上げるように形成することが望ましい。この位置決め用縁906は、弾力材902の厚みより低い高さにする必要がある。防振板901の弾力材902を、上皿95a下面に密着又は接触させるためである。位置決め用縁906を支持板904上面に形成することで、その上面に張り付ける弾力材902の位置決めが容易になり、迅速に張り付け作業を行うことができる。
なお、図示例の位置決め用縁906は、支持板904上面の全周に設けていない。上皿95aを取り付ける遊技機前面ユニット23を構成する板面に弾力材902の端縁902aが接触するようにして、球貸機からの遊技球、払い出された賞球による上皿95aの貯留部95bの振動を効率よく減衰するためである。また、必ずしも弾力材902を支持板904に接着する必要はない。接着剤が無くても位置決め用縁906によって支持板904に対する弾力材902の相対位置が定められ、位置決め用縁906が設けられていない側への移動は上皿95aと一体に成形された樹脂部分によって阻止される。
このように遊技機10の上皿95aに防振構造を設けることにより、この上皿95aの振幅を減衰させて、遊技球が跳ね上がり、この上皿95aからの跳び出しを防止できる。同じく、賞球が行きよい勢い良く出されるときにも、上皿95aの振動を抑制して、遊技球が跳ね上がり、この上皿95aからの跳び出しを防止できる。
<上皿の防振構造(接着)>
なお、上述した防振板901は、その弾力材902を上皿95aの下面に接着剤等を用いて直接貼り付けることも可能である。このときの防振板901も、上皿95aの貯留部95bの下面と略同大同形状になる弾力材902を直接貼り付けた構造のものを用いる。
このように弾力材902を上皿95aの下面に直接貼り付けた構造であっても、多数の遊技球が上皿95aに落下して当たったときに発生する振動を防振板901の弾力材902が吸収する。そこで、この上皿95aの振幅を減衰させて、遊技球が跳ね上がり、この上皿95aから跳び出すことを防止できる。
但し、遊技機10は常に常温の雰囲気に曝されているわけではない。例えば、寒冷地においては、遊技機10が設置されるホール内では昼間は常温にあるが、夜間に暖房が切られたホール内は氷点下になる。このように1日で大きな温度差があるときは、合成樹脂製の上皿95aの下面に貼り付けられた弾力材902が熱膨張の差により、その周囲から剥離するおそれがある。したがって、この弾力材902を上皿95aの下面に直接貼り付けた構造は温度差が小さい地域における遊技機10に向いている。
図33は上皿と防振構造とを示す正面図である。図34は図33のC−C線の拡大断面図である。
防振板901は、上皿95aの下面において支持構造903により着脱自在に取り付ける。上皿95aを、遊技機前面ユニット23を構成する板面に取り付けるねじボス95cの長手方向に、この上皿95aの下面と平行に突出するように隙間を有する構造903を形成した。この支持構造903により、防振板901を、上皿95aの下面において着脱自在に支持することができる。
上述したように、上皿95aの形状が貯留部95bの周囲の周縁には、図34の断面図に示すように、出口272a近くの周縁には返し部95eが形成されている。この返し部95eは、勢いよく払い出され賞球が上皿95aから跳び出すことを防止するためである。本実施例の上皿95aは全体が浅く形成されている。これは遊技者が上皿95a内に貯留されている遊技球の有無を容易に確認できるからである。その反面賞球が上皿95aから跳び出すくなる傾向にある。
更に、上皿95aの貯留部95bは、その周囲より浅く周縁95dが形成されている。これは上皿95aに貯留されている遊技球を、遊技者が直接手指で握るように取り出しやすくする部分になるからである。これは払い出し球の供給量を目で確認したいときに、上皿95a内の賞球の量を減らしたいことがある。しかし、このように上皿95aの周縁95dに浅い部分があるとこの部分から遊技球が跳び出しやすい。そこで、このような浅い周縁95dを有する上皿95aに本発明の防振板901を設けることに重要な意義を有する。
また、返し部95eは、貯留部95bの左側部分であって上皿95aを平面視した状態で遊技機前側に最も突出している位置より左側全域にわたって設けられる。詳しくは、上皿95aの貯留部95bのうち、ほぼ平面状の底面(図25の貯留部95bの引き出し線のうち一番内側の線で囲われた領域)のうち遊技機前側に最も突出している位置の左側全域に設けられる。この範囲内には、上皿95aの内面のうち払出装置135によって上皿95aに排出される排出口に対しての遊技機正面側が含まれ、払出装置135から勢い良く遊技球が払い出されても外側へ飛び出すことが防止される。
返し部95eが設けられていない上皿95aの右側部分は、上皿95aの底面から縁に
向かって次第に立ち上がる傾斜面が形成されている。また、上皿95aの中央部分は、上皿95aが遊技者側すなわち遊技機手前側に最も突出した領域であって、図26に示すように、遊技機正面視で上皿95aの周縁95dが最も浅く(低く)形成されている。遊技者は、手前側に突出した縁の低い部分を利用して上皿95aの遊技球の残量を容易に視認でき、しかも傾斜面を利用して遊技球を容易に取り出すことができる。
返し部95eは、貯留部95bの底面に対して遊技球の直径より高く、直径の2倍よりは低い高さに形成される。この高さは、必ずしも遊技球の直径分より高い必要はないが、遊技球の直径の少なくとも3/4程度の高さがあることが、遊技球の跳ね出しを防止する上で好ましい。また、この高さは、貯留部95bの左側部分が高く、貯留部95bの右側へ行くにつれて次第に低くなる部位を設けて形成され、上皿95aの平面視において次第に遊技機前側に突出した形状に形成されている。上皿95aへの遊技球の排出口は上皿95aの左側部分に設けられ、球貸機からの上皿95aへの遊技球の貸し出しについても上皿95aの左側部分に対して行われ易い。この上皿95aへの遊技球の排出口から上下に複数重なって遊技球が排出されたり、球貸機から上皿95aへ落下した遊技球同士が衝突して上皿95aの前側に跳び出しそうになったとしても、上皿95aの左側部分であって返し部95eの高さが高い位置に遊技球が衝突し易く、この高さが高い分遊技球の跳ね出しは生じにくい。一旦、返し部95eに衝突した遊技球は次第に高さの低い右側へと案内されつつ勢いが弱められるため、中央部分は上皿95aの周縁95dが低く形成されても遊技球の跳ね出しは生じにくい。
図35は防振板を取り付けた上皿を、遊技機前面ユニットの板面に取り付け、この上皿を上側膨出部で覆う状態を示す分解斜視図である。
上述したように、防振構造(防振板901)を備えた上皿95aは、これを覆うように上側膨出部95を取り付ける。この上側膨出部95の形状に応じて、防振板901の形状、支持板904の補強用リブ905の寸法が決められる。本発明の防振構造(防振板901)は、上側膨出部95により被覆されるので、その形状の自由度が高い。
なお、防振板901は、必ずしも上皿95aの貯留部95bの下面と同じ大きさ、同じ形状とする必要はない。上皿95aの内面に遊技球が衝突して跳ねる可能性がある部位の裏面側に配置されていれば良く、下面より小さい形状であっても良いし、逆に下面に加えて側面まで延びる形状であっても良い。例えば、本実施例において返し部95eが形成される部位の裏面側に防振板を配置しても良い。この場合には、返し部95eの効果と併せて更なる跳ねの防止が期待できる。
<遊技球発射ハンドルの概略構造>
図36は遊技球発射ハンドル84を示す正面図である。図37は回転操作体8401を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。図38はハンドル基部8402を示す正面図である。図39は遊技球発射ハンドル84を示す分解平面図である。
遊技球発射ハンドル84は、パチンコ遊技機において、遊技球を発射させる初速度を調節する装置である。遊技球発射ハンドル84は、操作体の一例である回転操作体8401と、ハンドル基部8402と、前カバー8403とを備えている。本実施例において、前カバー8403側を、遊技球発射ハンドル84の前面側とする。更に停止手段の一例である停止スイッチ8404を備えている。
回転操作体8401は、図39に示すように、ハンドル基部8402の前面側を覆うように、ハンドル基部8402に取り付けられる。ハンドル基部8402は、底板部8405と、支持部8406とから形成されている。前カバー8403は、略半球形状に形成されており、回転操作体8401の前面側に嵌め込むように取り付けられる。
<回転操作体の構造>
回転操作体8401は、図36と図37(a)、(b)に示すように、3つの指掛け部8407a、8407b、8407cを備える。図示例の左側の指掛け部8407aには親指を掛け、上側の指掛け部8407bには人差し指または中指を掛け、右側の指掛け部8407cには中指または薬指を掛けるように構成されている。遊技者は、各指掛け部8407a、8407b、8407cに指を掛けて、図中の矢視線に示すように、右回りに回転操作する。回転操作体8401の回転操作に応じて、遊技球が発射される。遊技者が各指掛け部8407a、8407b、8407cにどの指を掛けるかは遊技者の自由である。
回転操作体8401は、図37(a)の正面図に示すように、回転主軸8408を中心点として湾曲するように形成した円弧形状の円弧孔部8409a、8409bと、嵌合孔8410a,8410bと、バネ止め部8411と、バネ配置部8412と、バネ支持部8413とを備える。嵌合孔8410a,8410bおよび回転主軸8408は、円形状に貫通孔が形成されている。嵌合孔8410a,8410bは、後述する主動ギヤ8416を固定するねじのねじボスとして機能する部分である。円弧孔部8409a、8409bは、外周縁に沿って円弧形状に貫通するように形成されている。円弧孔部8409a、8409bは、後述するねじボス8422を貫通させる隙間部分である。バネ止め部8411およびバネ支持部8413は、外周縁8414よりは低く突起するように形成されている。
回転主軸8408は、図37(b)に示すように、背面側に停止スイッチ8404が設けられている。この停止スイッチ8404の配線は、中空に形成された回転主軸8408から引き出すようになっている。回転主軸8408は、その先端に位置決め突起8415を具備している。更に、回転操作体8401と接合する部分であって回転主軸8408の周囲に主動ギヤ8416が形成されている。
回転操作体8401には、回転主軸8408がその中心を貫通するように形成され、先端側(ハンドル基部8402側)と後端側(前カバー8403)の両方に突出する形状を有している。回転主軸8408の先端側は、ハンドル基部8402に回転自在に組み付けられる。また、回転主軸8408の後端側は、前カバー8403に回転自在に組み付けられ、遊技球発射ハンドル84を構成するハンドル基部8402と前カバー8403に挟まれて回転操作体8401のみが回転する構成になる。
<ハンドル基部の構造>
ハンドル基部8402は、図38、39に示すように、前述した主動ギヤ8416と噛合する従動ギヤ8417と、付勢バネ8418と、回転検出スイッチ8419とタッチスイッチ8420とを備えている。回転検出スイッチ8419は、図38に示すように、回転操作体8401が初期位置に戻ったときに、ON・OFFの状態に切り替わるスイッチが内蔵された装置である。回転検出スイッチ8419の操作は、略へ形状の部材8419aを、その一端を回転中心点8419bとして、このへ形状部材8419aの略中央に形成した突起8419cを、回転操作体8401の主動ギヤ8416に隣接して形成された舌片8416a(図37(b)、図39参照)に当て、矢視線で示す方向に動かすことにより端子8419dを可動させて操作する。なお、この回転検出スイッチ8419は必ずしも設ける必要はない。
更に、ハンドル基部8402は、図38に示すように、中心位置に軸受け部8421を、周囲に複数のねじボス8422をそれぞれ備えている。
従動ギヤ8417は、回転操作体8401の主動ギヤ8416と、予め定められた位置で噛み合うように回転軸に取り付けられている。付勢バネ8418は、一端がバネ支持軸
8423に掛けられ、他端が付勢ギヤ8418に掛けられている。従動ギヤ8417には、その歯部より周囲へ大きく突出したストッパ8417aが形成され、このストッパ8417aが他の部材に当たり、付勢バネ8418で従動ギヤ8417が所定の位置で止まり、その戻される範囲が規制される。
ハンドル基部8402の内側は、中空状に形成されている。可変抵抗器8424は、図39に示すように、この中空状に形成された空間の内部に設置され、従動ギヤ8417の回転軸と接続されている。可変抵抗器8424は、従動ギヤ8417が回転されることによって回転される回転軸の回転角度に応じて、内部に設置された抵抗器の抵抗値を変化させる。可変抵抗器8424の抵抗値が変化することにより、遊技球が発射される際の遊技球の初速度(遊技球の発射初速度)が調整される。
図40は回転主軸8408と軸受け部8421を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は軸受け部8421の拡大図、(c)は回転主軸8408の拡大図である。
本発明の回転操作体8401の回転主軸8408には位置決め突起8415を具備し、ハンドル基部8402の軸受け部8421にはその長手方向に溝8425が形成されている。回転操作体8401をハンドル基部8402に組み付けるときには、この回転主軸8408の位置決め突起8415を、軸受け部8421の溝8425に通さなければ、回転操作体8401をハンドル基部8402に組み付けることができない。
この回転主軸8408は、軸受け部8421の後端から位置決め突起8415が飛び出し開放されると、回転主軸8408は軸受け部8421内で自由に回転し、回転操作体8401を回転させることができる。
これは、ハンドル基部8402に対して回転操作体8401を常に正しい位置関係に配置しなければ、組み付けることができないことを意味する。即ち、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bに貫通する、ハンドル基部8402の3か所のねじボス8422の場所が特定される。このように回転操作体8401を正しい位置関係でハンドル基部8402に組み付けることができ、回転操作体8401の主動ギヤ8416(回転主軸8408)をハンドル基部8402の従動ギヤ8417に円滑に噛合させることができる。遊技球発射ハンドル84の組み付け作業の迅速性を向上させる。
<タッチスイッチの構成>
図41はタッチスイッチ8420の回路図である。
回転操作体8401は、導電性を有する樹脂めっき又は金属製の素材で製造されたものであり、遊技者の手が接触していることを検知するタッチスイッチ8420の一部である。タッチスイッチ8420は、回転操作体8401に遊技者の手が接触していることを検知しているときのみ、遊技球発射機構80における遊技球の発射が可能になる。タッチスイッチ8420は、遊技者が、回転操作体8401に触れているか否かを検出し、触れていないと検出された場合には、回転操作体8401が回転操作されていても遊技球の発射を停止する。
遊技球発射機構80の制御に関連する部分の電気的構成は、図41に示すように、遊技球発射機構80における発射動作の駆動源となる電磁式のソレノイド81の電源、すなわち電源及び発射制御装置147との間には、回転操作体8401、タッチスイッチ8420及び停止スイッチ8404が直列に接続されている。なお、遊技球発射機構80における発射動作の駆動源は、この電磁式のソレノイド81に限定されず、打球発射用モータを用いることも可能である(図示していない)。
<停止スイッチの概略構造>
図42は停止スイッチ8404を示す拡大説明図であり、(a)は押圧する前の状態、(b)は押圧した状態である。
遊技盤61の画面には、例えば4個並列した保留ランプ75が設けられている。この保留ランプ75は「保留球」を表示するランプで、数字が回転中にスタートチャッカーに遊技球が入った場合に1つずつ増えていく。保留球がある時に数字が回転し終わると保留球の保留ランプ75が1つ消えてその保留ランプ75の分の回転が始まる。遊技機では保留ランプ75が4個点灯しているときに遊技球が入っても賞球はあるが、4つ以上保留はされない。保留ランプ75が4個点灯している時に打つと、いわゆる遊技球の無駄打ちになる。例えば、長いリーチになったときは尚更のことである。
そこで、従来は遊技球発射ハンドルの近くに停止スイッチが設けられている。この停止スイッチを作動させている間は、遊技球の発射が一時停止するので初速度の速さを変えることなく遊技球の発射を停止することができる。勿論、この停止スイッチは保留球が溜まったとき以外に、何らかの理由で遊技球の発射を一時停止させたいときにも利用する。
本発明の停止スイッチ8404は、遊技者が握る回転操作体8401自体に設けられている。停止スイッチ8404は、図42と図37(b)に示すように、ボタン部8426が回転操作体8401の外側に突出するよう取り付けられている。図示例では、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427に、ボタン部8426に連続した棒状の操作棒8428が摺動自在に取り付けられている。操作棒8428の先端にはコイルばね8429が取り付けられ、常時外周方向に付勢されるようになっている。また操作棒8428の先端に具備した端子8430に配線が接続されている。この端子8430は、回転操作体8401側に通電しているときに、タッチスイッチ8419に通電し、遊技球発射機構80における遊技球の発射が可能になる。
本発明の停止スイッチ8404は、ボタン部8426を指で押圧すると、操作棒8428の先端の端子8430が回転操作体8401の電気的接点から離間し、タッチスイッチ8419に通電しなくなり、遊技球発射機構80における遊技球の発射が停止する。遊技者は、停止スイッチ8404を軽く押さえると、回転操作体8401を回転操作した状態で遊技球の発射を任意に停止することができる。
本発明の停止スイッチ8404は、図36、図37(a)に示すように、このボタン部8426が指掛け部8407aから指1本の間隔(SS)を空けて配置してある。回転操作体8401を握っている際に、力が入りすぎて親指等がこのボタン部8426を不用意に押すことを防止するためである。
本発明の停止スイッチ8404は、回転操作体8401に組み込まれた構造になり、遊技者がこの回転操作体8401に手指を掛け、停止スイッチ8404が回転操作体8401と共に回転している。そこで、親指の位置を変えることなく停止スイッチ8404の押圧操作が可能になるので遊技球を容易に一時停止させることができる。回転操作体8401の回転角度の微調整を維持でき、再度遊技球を発射させるときにも同じ初速度で再開することができ、遊技球の一時停止による遊技の興味が削がれることを防止できる。
また、停止スイッチ8404は、回転操作体8401の周囲から回転主軸8408に向けて押圧操作して、タッチスイッチ8420の通電状態を解除する構造になり、人間工学的に手の指が握る方向に押圧操作するので、無理なく親指を動かすことが可能になる。即ち、回転操作体8401を握っている他の人差し指、中指、薬指、小指に無理な力が加わらないので、回転操作体8401の回転角度の微調整を維持することができる。更に、指先の加圧による疲労感を低減できる。
<停止スイッチの他の構造(クランク形状)>
図43はクランク状に曲折した形態の停止スイッチ8404の実施例を示し、(a)は回転操作体8401の背面図、(b)は停止スイッチ8404の拡大図である。
停止手段である停止スイッチ8404の構造は、上述した図37に示したような、ボタン部8426が操作体である回転操作体8401の周囲外に突出するよう取り付けられ、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427に、ボタン部8426に連続した棒状の操作棒8428が、摺動自在に取り付けられた構成に限定されない。ボタン部8426の押圧に応じて操作棒8428の先端に具備した電気部品が離接することで、遊技球の発射を任意に停止することができる構造であれば、次に説明するように種々の構成に可変できる。
図43(a)、(b)に示す実施例は、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427内において、クランク状に曲折した操作棒8431が、支点部8432で揺動自在に取り付けられたものである。操作棒8431の先端には、ピン8433が取り付けられ、このピン8433の周囲にはコイルばね8429が取り付けられ、常時所定方向に付勢されている。このピン8433の先端には、端子8430が設けられ、この端子8430に配線が接続されている。この端子8430は、他の端子8434に接し、回転操作体8401側に通電しているときに、タッチスイッチ8419に通電し、遊技球発射機構80における遊技球の発射を可能にしている。
この図43に示す実施例の停止スイッチ8404は、ボタン部8435とクランク状に曲折した操作棒8431とが支点部8432で揺動自在になるように、回転操作体8401に取り付けられたものである。そこで、ボタン部8435と操作棒8431先端との中間にある支点部8432の位置を可変することで、操作棒8431先端の触れ幅を容易に調整することができ、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの形状又は回転操作体8401周囲の形状に応じて容易に可変し得る。遊技球発射ハンドル84全体のデザイン的設計の自由度を高めることができる。
この停止スイッチ8404は、図示する矢印のようにボタン部8435を指で押圧すると、操作棒8431の先端の端子8430が回転操作体8401の電気的接点である他の端子8434から離間し、タッチスイッチ8419に通電しなくなり、遊技球発射機構80における遊技球の発射が停止する。遊技者は、停止スイッチ8404を軽く押さえるだけで、遊技球の発射を停止させることができる。回転操作体8401を回転操作した状態、即ち回転操作体8401の回転角度を維持した状態で、遊技球の発射を任意に停止することができる。
<停止スイッチの他の構造(弓形状)>
図44は弓状に形成した形態の停止スイッチ8404の実施例を示す拡大図である。
図44に示す実施例の停止スイッチ8404は、停止スイッチ8404全体を弓状に形成したものである。この弓状に形成した形態の停止スイッチ8404は、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427の隙間が狭いときに適した形状である。弓状の停止スイッチ8404の曲折状態は、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427の形状に応じて変更することができる。
但し、ボタン部8435と操作棒8431先端との曲折角度が直線状に近い状態になると、ボタン部8435を押圧したときに、停止スイッチ8404が図44に示すような傾斜状態になりづらい。即ち、端子8430の電気的接点の動作不良になりやすく、遊技球の発射を停止することが困難になる。そこで、一定の曲折角度は必要になる。
これら停止スイッチ8404の形状は、クランク状に曲折するか、弓状に形成するかは、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427の形状に応じて最適な形状のものを採用し、取り付ける。そのために、停止スイッチ8404の形状は、図37に示す棒状、図43に示すクランク形状、又はこの図44に示す弓形状の形態に限定されない。
<停止スイッチの他の構造(スライド式)>
図45はボタン部8435が回転操作体8401の円周方向へスライドする形態の停止スイッチ8404の実施例を示し、(a)は回転操作体8401の背面図、(b)は停止スイッチの拡大図である。
図45に示す実施例の停止スイッチ8404は、支点部8436を操作棒8431の先端に設けた変形例である。図45に示す実施例の停止スイッチ8404は、上述した構成と異なり、ボタン部8435を回転操作体8401の周囲から押圧するものでなく、回転操作体8401の円周の周囲方向にスライド動作させるものである。
この実施例の停止スイッチ8404は、ボタン部8435を指で押圧することにより、電気的接点である他の端子8430から離間し、タッチスイッチ8419に通電しなくなる。図45に示す実施例の停止スイッチ8404では、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427内で揺動できる操作棒8431の支点部8436を設け、この操作棒8431の他端にボタン部8435を接続したものである。このボタン部8435は、支点部8436を中心にして回動するが、回転操作体8401の周縁においてはスライド動作することになる。
なお、図45に示す実施例では、回転操作体8401において、指掛け部8407aから離れる方向へボタン部8435を押圧すると回転操作体8401の電気的接点である他の端子8430から離間し、タッチスイッチ8419に通電しなくなり、遊技球発射機構80における遊技球の発射が停止するようになっている。逆に、指掛け部8407aに近づける方向へボタン部8435を押圧することで、回転操作体8401の電気的接点を操作する構成にすることも可能である(図示していない)。この動作の向きは遊技球発射ハンドル84や回転操作体8401の形態に応じて適宜選択することができる。
<停止スイッチの他の構造(軸方向に可動)>
図46は停止スイッチ8404を遊技球発射ハンドル84の軸方向に可動させる状態の停止スイッチ8404の実施例を示し、(a)は回転操作体8401の平面図、(b)は停止スイッチ8404の拡大図である。
図36から図45までに示した停止スイッチ8404の構成は、回転操作体8401の平面方向へ動作させるものである。図46に示す実施例の停止スイッチ8404は、停止スイッチ8404を遊技球発射ハンドル84の軸方向に可動させるものである。これにより、遊技球発射ハンドル84のデザイン形状に応じて、停止スイッチ8404のボタン部8426、8435の形状に応じてその動作方向を適宜選択できるようになる。
図46に示す実施例の停止スイッチ8404は、細い操作棒8436が、支点部8437で揺動自在に、回転操作体8401の円弧孔部8409a、8409bの間に形成された空間8427に、取り付けられたものである。しかも、支点部8437を中心に操作棒8436が遊技球発射ハンドル84の軸方向にシーソーのように可動する。操作棒8431の一端にボタン部8438が、操作棒8436の他端にピン8433とコイルばね8429がそれぞれ取り付けられている。
図46に示す実施例の停止スイッチ8404は、操作棒8436の先端に取り付けられ
たピン8433の周囲にコイルばね8429が取り付けられ、常時所定方向に付勢されている。またピン8433の先端には、端子8430が設けられ、この端子8430に配線が接続されている。この端子8430は、他の端子8434に接することにより、回転操作体8401側に通電しているときに、タッチスイッチ8419に通電し、遊技球発射機構80における遊技球の発射が可能になる。
この停止スイッチ8404は、図46(b)に示すように、ボタン部8438を指で遊技球発射ハンドル84の軸方向へ押圧すると、操作棒8436の先端の端子8430が回転操作体8401の電気的接点である他の端子8434から離間し、タッチスイッチ8419に通電しなくなり、遊技球発射機構80における遊技球の発射を停止する。
図47は停止スイッチ8404を遊技球発射ハンドル84の軸方向に可動させる状態の停止スイッチ8404の実施例を示し、(a)は回転操作体8401の平面図、(b)は停止スイッチ8404の拡大図である。
図47に示す実施例の停止スイッチ8404は、図46に示した停止スイッチ8404とは異なり、遊技球発射ハンドル84の軸方向で手前側に引き寄せるように動作させるものである。その他の電気接点等の構成は、図46に示したものと同様なので説明を省略する。
このような図46と図47に示す実施例の停止スイッチ8404についても、この動作の向きは遊技球発射ハンドル84や回転操作体8401の形態に応じて適宜選択することができる。例えば、停止スイッチ8404のボタン部8438の押圧方向が、遊技球発射ハンドル84の軸方向へ押圧する方向であるために、指掛け部8407aの内部に設けても、遊技球発射ハンドル84のハンドル操作に影響を及ぼすことがない。
<前カバーに停止スイッチを設けた構造>
図48は停止スイッチ8404を、前カバー8403に設けた実施例であり、前カバー8403の表面の一部を押圧する形態を示す前カバー8403の平面図である。図49は
前カバーに設けた形態の停止スイッチを示し、(a)は図48のX−X線断面図、(b)は停止スイッチ部品の正面図である。図50は前カバー8403に設けた停止スイッチ8404であり、軸方向へ押圧する形態の実施例を示す前カバー8403の拡大断面図である。
この実施例では、停止スイッチ8404を前カバー8403に取り付けた。図48に示すように、前カバー8403の一部に略円形状のスイッチ穴8439を開け、このスイッチ穴8439の内側から出没自在に円形状のスイッチ体8440を取り付けた。このスイッチ体8440は、舌片形状の本体部8441の一端にヒンジ部8442を、他端に円形になるボタン部8443を形成したものである。スイッチ体8440は、前カバー8403の球面状の一部をなすように、本体部8441とボタン部8443も球面状に形成することが望ましい。なお、ボタン部8443とスイッチ穴8439の形状は、円形状に限定されず、楕円形やその他の6角形、8角形等の多角形状に形成したものでよい。但し、スイッチ穴8439からボタン部8443が円滑に出没し得る形状が望ましい。
このスイッチ体8440には、上述したように、本体部8441の先端(ヒンジ部8442と反対位置)には、電気的な接点となる端子8430が設けられ、ヒンジ部8442に設けられたピン8433と、このピン8433の周囲のコイルばね8429で常時所定方向に付勢されるようになっている。また本体部8441の先端の端子8430は前カバー8403に設けられた電気的な他の接点となる他の端子8434と接し、回転操作体8401側に通電しているときに、タッチスイッチ8419に通電し、遊技球発射機構80における遊技球の発射が可能になる。
この停止スイッチ8404は、ボタン部8443を指で押圧すると、ヒンジ部8442を支点にしてスイッチ体8440の先端の端子8430が前カバー8403又は回転操作体8401の電気的接点である他の端子8434から離間し、タッチスイッチ8419に通電しなくなり、遊技球発射機構80における遊技球の発射が停止する。遊技者は、前カバー8403の停止スイッチ8404(ボタン部8443)を軽く押さえると、回転操作体8401を回転操作した状態で遊技球の発射を任意に停止することができる。
図51は前カバー8403に停止スイッチ8404を設けた形態であり、ボタン部8443に滑り止めのギャザーを形成した実施例を示す前カバー8403の平面図である。
図51は前カバー8403に停止スイッチ8404を設けた形態では、前カバー8403の一部にボタン部8443が形成され、その表面が面一の場合に、そのボタン部8443の位置を確認することが困難になることがある、そこで、ボタン部8443にギャザーを形成することで、容易に停止スイッチ8404の位置を探り当てることができ、遊技球を確実に一時停止することができる。なお、ギャザーの形成に代えて複数の凹み又は突起を形成した形状にすることも可能である(図示していない)。
図52は前カバー8403に停止スイッチ8404を設けた他の形態を示す拡大図である。
同様に、前カバー8403の中でボタン部8443の位置を探しやすいように、ボタン部8443を前カバー8403のスイッチ穴8439から大きく飛び出すように形成することも可能である。図52に示す実施例は、前カバー8403の周囲、即ち前カバー8403の中心に近い位置(L1)より、回転操作体8401側に近い位置(L2)を分厚く形成する。これにより遊技者は、親指を前カバー8403の中心位置から周囲へ滑らすように力を入れるだけで、停止スイッチ8404の操作が可能になる。
<停止スイッチと第2演出ボタンとを設けた構造>
図53は回転操作体8401に操作手段を2箇所に取り付けた構成を示す正面図である。
この実施例は、操作体の一例である回転操作体8401に、遊技機における操作又は制御をするための操作手段を2個設けた構成を示す。例えば、回転操作体8401に、上述したような停止スイッチ8404と、遊技機における操作又は制御をする他の操作手段とを設けた。図53に示すように、他の操作手段としては、第2演出ボタン8501がある。ここで第2演出ボタン8501と表現したが、上述した本来の演出ボタン236とは別箇に設けたために、この表現を用いた。以下同様に回転操作体8401に設けた操作手段は「第二」と表現する。
この第2演出ボタン8501は、遊技機における演出効果を制御するボタンである。第2演出ボタン8501は上述したように、第1膨出部95の前面側中央部に設けられている演出ボタン236と同じ機能を有する。この第2演出ボタン8501が操作された場合、図柄表示装置71の表示モードが変更されるようになっている。通常は、回転操作体8401を操作していない左手で、この演出ボタン236を操作する。この実施例では、この第2演出ボタン8501を回転操作体8401にも取り付けることにより、右手でも操作することができる。何れのボタンを押すことで、図柄表示装置71の表示モードを変更することができる。
この第2演出ボタン8501は、本来の演出ボタン236と共に、図58に示すように、音声ランプ制御装置103に指示を出すように構成した。この音声ランプ制御装置10
3は、主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示する。図58の図示上の左側の演出ボタン236は、第1膨出部95に設けられたボタンである。右側の演出ボタン(第2演出ボタン8501)は、回転操作体8401に設けられたボタンである。
このように遊技中に使用頻度の高い演出ボタン(第2演出ボタン8501)と停止スイッチ8401を、回転操作体8401に組み込んだ。更に、図53に示すように、回転操作体8401の親指を掛ける指掛け部8407aの左側に、親指が位置する隙間SSを空けて、第2演出ボタン8501を、この第2演出ボタン8501に隣接して停止スイッチ8404をそれぞれ設けた。
このような構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、回転操作体8401を操作している右手のみで種々の遊技の操作又は制御を円滑に行うことができる。特に、遊技者がこの回転操作体8401に手指を掛け、これを回転させている状態でも、第2演出ボタン8501と停止スイッチ8404が回転操作体8401と共に回転しているので、親指の位置を大きく変えることなく第2演出ボタン8501と停止スイッチ8404の操作を行うことができ、遊技機における操作又は制御を円滑に行うことができる。そこで、回転操作体8401の微調整を維持でき、再度遊技球を発射させるときにも同じ初速度で再開することができ、遊技球の一時停止による遊技の興味が削がれることを防止できる。
図54は回転操作体8401に操作手段を2箇所に取り付けた他の構成を示す正面図である。
この第2演出ボタン8501は、回転操作体8401の親指を掛ける指掛け部8407aの左側に取り付けた。従来から停止スイッチ8404は、右手の親指で操作しているので、遊技者も馴れているからである。勿論、この位置以外に図54に示すように、操作体8401の人差し指、中指または薬指を掛ける位置8407b,8407cに第2演出ボタン8501を設けることも可能である。特に、人差し指の位置8407bが望ましい。
なお、回転操作体8401に設けた第2演出ボタン8501は、上述したタッチスイッチ8420の入切作動させる構成にすることが望ましいが、他の構成により入切作動させることも勿論可能である。例えば、駆動ギヤと従動ギヤによる手段、又はワイヤー駆動よる手段等がある(図示していない)。
なお、操作手段である停止スイッチ8404に置き換えて、第2演出ボタン8501のみを回転操作体8401に設けた構成にすることも可能である。このときも第1膨出部95に設けられた第2演出ボタン8501とは別箇に回転操作体8401に設け、何れの演出ボタン236,8501も操作できるようになっている。また、必ずしもボタンとする必要はなく、複数の方向への操作が可能なレバー、トラックボール、タッチパッドなどによる演出操作手段としてもよい。
<停止スイッチと他の操作手段とを設けた構造>
図55は回転操作体8401に操作手段を2箇所に取り付けた他の構成を示す正面図である。図56は回転操作体8401に操作手段を3箇所に取り付けた他の構成を示す正面図である。
本実施例では、他の操作手段としては、演出ボタン8501以外に、遊技に関する操作又は制御する種々のものを組み込むことができる。例えば、上皿95aに貯留した遊技球を下流側に落下させる第2上皿球抜きスイッチ8502を回転操作体8401に設けることができる。このときも、上皿95a自体に設けられた上皿球抜きスイッチ232の他に第2上皿球抜きスイッチ8502を回転操作体8401に設ける。
同じく、下皿96aに貯留した遊技球を外部に排出させる第2下皿球抜きスイッチ8503を回転操作体8401に設けることができる。
このような構成では、第2下皿球抜きスイッチ8503が遊技球の発射位置を調整する回転操作体8401に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、回転操作体8401を操作している右手のみで上皿95a又は下皿96aに貯留した遊技球を容易に下流に落下させることができる。
更に、本発明では、操作手段としては、第2演出ボタン8501、第2上皿球抜きスイッチ8502、第2下皿球抜きスイッチ8503の他に種々の操作手段を設けることができる。例えば、操作手段として、遊技球を補充する際に差し込んだCRカードを返却するための第2カード返却ボタン8504を回転操作体8401に組み込むことも可能である。この場合も、本来のカード返却ボタン235とは別個に第2カード返却ボタン8504を設ける。機能は本来のカード返却ボタン235と同じである。
操作手段として、上皿95aに遊技球を補充する第2球貸しボタン8505を回転操作体8401に組み込むことも可能である。この場合も、本来の球貸しボタン234とは別個に第2球貸しボタン8505を設ける。機能は本来の球貸しボタン234と同じである。
このように、第2カード返却ボタン8504、第2球貸しボタン8505が回転操作体8401に組み込まれた構造になるので、遊技中に左手を使用している際にも、回転操作体8401を操作している右手のみで遊技球を補充する際に差し込んだCRカードを返却でき、または上皿95aに遊技球を補充することができる。
また、操作手段として、遊技機の外部に信号を出力する端子のON/OFFを切り換え、この信号をホール側が受信して、ホールの店員を遊技者が呼び出す第2呼び出しボタン8506を回転操作体8401に組み込むことも可能である。この場合も、本来の呼び出しボタン(図示していない)とは別個に第2呼び出しボタン8506を設ける。機能は本来の呼び出しボタンと同じである。第2呼び出しボタン8506が遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、回転操作体8401を操作している右手のみでホールの店員を呼び出すことができる。
操作手段は、図56に示すように、3箇所設けることも可能である。このときは、使用頻度の高いボタン類を親指の指掛け部8407aの左側に取り付けることが望ましい。取り付けるボタンの種類は、機種に応じて決定される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図57のブロック図に基づいて説明する。図58はパチンコ機の電気的構成を示す他のブロック図である。図57と図58では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置107に設けられた主制御基板311には、主制御回路312と停電監視回路313とが内蔵されている。主制御回路312には、CPU321が搭載されている。CPU321には、当該CPU321により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(不揮発性記憶手段)322と、そのROM322内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(揮発性記憶手段)323と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM323は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置14
7に設けられた電源及び発射制御基板331からバックアップ電力(データ記憶保持用電力)が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU321には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路312の入力側には、主制御基板311に設けられた停電監視回路313、払出制御装置146に設けられた払出制御基板332及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路313には電源及び発射制御基板331が接続されており、主制御回路312には停電監視回路313を介して電力が供給される。
ちなみに、主制御回路312の入力側に接続されるスイッチ群としては、入賞検知センサ325〜328がある。入賞検知センサ325〜328としては、一般入賞口62に入球した遊技球を検知する一般入賞口センサ325と、可変入賞装置63に入球した遊技球を検知するカウントセンサ326と、上作動口64に入球した遊技球を検知する上作動口センサ327と、下作動口65に入球した遊技球を検知する下作動口センサ328とがある。なお、一般入賞口センサ325は、一般入賞口62に対して1対1で対応させて設けられている。これら入賞検知センサ325〜328からの検知結果に基づいて、主制御回路312のCPU321において、各種入賞口62〜65への遊技球の入球の有無が特定される。
一方、主制御回路312の出力側には、停電監視回路313、払出制御基板332及び中継端子板333が接続されている。払出制御基板332には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板333を介して主制御回路312から音声ランプ制御装置103に設けられた音声ランプ制御基板334に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路313は、主制御回路312と電源及び発射制御基板331とを中継し、また電源及び発射制御基板331から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板332は、払出装置135により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM(不揮発性記憶手段)342と、ワークメモリ等として使用されるRAM(揮発性記憶手段)343とを備えている。
払出制御基板332のRAM343は、主制御回路312のRAM323と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板331からバックアップ電力(データ記憶保持用電力)が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板332のCPU341には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板332の入力側には、主制御回路312、電源及び発射制御基板331、及び裏パック基板136が接続されている。ちなみに、裏パック基板136を通じて、球無検知センサ186の検知結果及び球抜きボタン206の操作の有無が払出制御基板332に入力される。また、払出制御基板332の出力側には、主制御回路312及び裏パック基板136が接続されている。
電源及び発射制御基板331は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路312や払出制御基板332等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル84の操作にしたがって遊技球発射機構80の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構80は所定
の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板331には、バックアップ電源部331aが設けられている。バックアップ電源部331aはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、バックアップ電源部331aから放電され主制御回路312のRAM323及び払出制御基板332のRAM343に対してバックアップ電力が供給される。よって、かかる状況であっても、バックアップ電源部331aからバックアップ電力が供給されている間は、各RAM323,343に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。図58に示す構成では、この電源及び発射制御基板331に、上述したタッチセンサ8420により入切り操作できるようになる。
ちなみに、バックアップ電源部331aの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に各RAM323,343に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、バックアップ電源部331aは、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
音声ランプ制御基板334は、各電飾部175〜177、スピーカ部178、エラー表示部179及び表示制御装置101を制御するものである。演算装置であるCPU351は、そのCPU351により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM352と、ワークメモリ等として使用されるRAM353とを備えている。
音声ランプ制御基板334のCPU351にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板334の入力側には中継端子板333に中継されて主制御回路312が接続されており、主制御回路312から出力される各種コマンドに基づいて、各電飾部175〜177、スピーカ部178、エラー表示部179及び表示制御装置101を制御する。表示制御装置101は、音声ランプ制御基板334から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置71を制御する。
音声ランプ制御装置103には、図58に示すように、本来の演出ボタン236と共に第2演出ボタン8501を接続し、音声ランプ制御装置103に指示を出すように構成することができる。この音声ランプ制御装置103は、主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示する。左側の演出ボタン236は、第1膨出部95に設けられたボタンである。右側の演出ボタン(第2演出ボタン8501)は、回転操作体8401に設けられたボタンである。
次に、主制御回路312のCPU321により実行される各制御処理を図59〜図62のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU321の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図59は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断
されると、停電信号が停電監視回路313からCPU321のNMI端子に出力され、CPU321は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM323に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図60のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、各種スイッチや払出制御基板332などからの信号読み込み処理を実行する。ここで、信号読み込み処理では、一般入賞口センサ325、カウントセンサ326、上作動口センサ327及び下作動口センサ328から遊技球を検知している旨の検知結果を入力しているか否かを特定し、その特定結果に基づいて賞球コマンドのセットを行う処理を実行する。具体的には、一般入賞口センサ325の検知結果に基づいて一般入賞口62への遊技球の入球を特定した場合には10個賞球コマンドをセットする。また、カウントセンサ326の検知結果に基づいて可変入賞装置63への遊技球の入球を特定した場合には15個賞球コマンドをセットする。また、上作動口センサ327の検知結果に基づいて上作動口64への遊技球の入球を特定した場合には3個賞球コマンドをセットする。また、下作動口センサ328の検知結果に基づいて下作動口65への遊技球の入球を特定した場合には4個賞球コマンドをセットする。ここで、セットされた賞球コマンドは、後述する外部出力処理にて払出制御基板332に出力される。
その後、ステップS202では、始動入賞処理を実行する。始動入賞処理では、上作動口センサ327及び下作動口センサ328から入力した検知結果に基づいて、遊技球が上作動口64又は下作動口65に入球したか否かを判定する。そして、遊技球が上作動口64又は下作動口65に入球している場合には、第1特定ランプ部73及び図柄表示装置71の作動保留球数が上限値未満であることを条件として、その入球に対して大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値のRAM323への格納処理を実行する。当該カウンタ値が大当たりの発生に対応した値である場合には、その入球に対応した遊技回において大当たりが発生することとなる。つまり、始動入賞処理において、大当たりといった特別遊技状態への移行抽選機能(移行判定手段)が果たされる。
始動入賞処理の後、CPU321は本タイマ割込み処理を一旦終了する。なお、タイマ割込み処理において、大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値を更新する処理なども実行するようにしてもよい。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図61のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS301では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板332等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS302では、RAM323のアクセスを許可する。
その後、ステップS303では、電源及び発射制御装置147に設けたRAM消去スイッチ149aがオンされているか否かを判定し、続くステップS304ではRAM323の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS305ではRAM判定値を算出し、続くステップS306では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM323の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM323の所定のエリアに書き込まれたキーワードが
正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ149aを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ149aが押されていれば、ステップS309〜S311の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS309〜S311の処理に移行する。
ステップS309では、従側の制御基板となる払出制御基板332等を初期化するために、払出初期化コマンド等を出力する。続くステップS310ではRAM323の使用領域を0にクリアし、ステップS311ではRAM323の初期化処理を実行する。その後、ステップS312にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ149aが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS307に進む。ステップS307では、停電フラグ格納バッファに格納されている停電フラグをクリアし、ステップS308にて従側の制御基板を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS312にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図62のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。
通常処理において、ステップS401では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。具体的には、上述した信号読み込み処理にてセットされた賞球コマンドを払出制御基板332に対して出力する。また、図柄表示装置71による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を音声ランプ制御基板334に出力する。
続くステップS402では、第1特定ランプ部73に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部73に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。そして、第1特定ランプ制御処理では、始動入賞処理にて格納されたカウンタ値に基づいて大当たりを発生させると判定した場合、遊技状態を大当たり状態に移行させる。つまり、第1特定ランプ制御処理において、特別遊技状態への移行機能(移行手段)が果たされる。なお、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置71による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS403にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置63の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、上述した大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。つまり、大入賞口開閉処理において、特別遊技状態の進行機能(進行手段)が果たされる。
その後、ステップS404では、第2特定ランプ部74に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ制御処理では、ゲー
ト保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部74における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。そして、下作動口65に付随する電動役物65aを所定時間開放する場合には、第2特定ランプ部74において所定の色の停止表示が行われる。
ステップS404の後は、ステップS405にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板331の発射制御部から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構80のソレノイド81を励磁する。これにより、発射レール82上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS406では、RAM323内に設けられた停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、ステップS406に戻り、所定時間が経過している場合には、ステップS401に戻る。
一方、ステップ406にて、停電フラグが格納されている場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS408以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS408では、タイマ割込み処理の発生を禁止する。続くステップS409では、電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板に対して出力する。そして、ステップS410にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS411にてRAM323のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板331のバックアップ電源部331aからバックアップ電力が供給されるため、電源遮断前にRAM323に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、払出制御基板332のCPU341により実行される各制御処理を図63〜図66のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU341の処理としては大別して、主制御回路312のCPU321からのコマンドの入力により起動される入力時割込み処理と、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめに入力時割込み処理を説明し、その後、メイン処理、タイマ割込み処理の順で説明する。
入力時割込み処理は、主制御回路312のCPU321からコマンドを入力した場合に後述する他の処理を中断して実行される。入力時割込み処理では、図63のフローチャートに示すように、ステップS501にて主制御回路312のCPU321からのコマンドをRAM343のコマンド格納バッファに記憶し、その後、ステップS502にてRAM343に設けられたコマンド入力フラグ格納バッファにコマンド入力フラグを格納し、本処理を終了する。
次に、払出制御基板332のCPU341に実行されるメイン処理を、図64のフローチャートを用いて説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS601では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、割込みモードを設定する。そして、ステップS602に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS603で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS604では、RAM343の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS605ではRAM判定値を算出し、続くステップS606では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM343の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM343の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
停電フラグが格納されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合はRAM343の初期化処理(ステップS611〜S613)に移行する。つまり、ステップS611ではRAM343の全領域を0にクリアし、続くステップS612ではRAM343の初期化処理を実行する。また、ステップS613ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。
一方、停電フラグが格納されており、さらにRAM判定値(チェックサム値等)が正常である場合は、復電時の処理(停電による電源遮断後の復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS607にて停電フラグをクリアすると共に、ステップS608にて賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS609ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。なお、RAM判定値は、例えばRAM343の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。
ステップS609又はステップS613の処理の後は、ステップS610にて割込みを許可し、ステップS614にてRAM343の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定し、停電フラグが格納されていなければ、停電フラグが格納されるまで待機する。
一方、停電フラグが格納されている場合には、停電が発生したことになるので、停電時処理としてステップS615移行の処理を実行する。停電時処理では、先ずステップS615にて各割込み処理の発生を禁止する。その後、ステップS616にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS617にてRAM343のアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板331からRAM343のデータ記憶保持用電力が供給されるため、電源遮断前にRAM343に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
ここで、本メイン処理では、ステップS601〜ステップS613の通常時における一連の処理の終了後に、停電フラグが格納されているか否か(電源遮断が発生したか否か)を判定しているので、各処理の途中の状態で停電時処理が実行されることがない。これにより、電源遮断発生時においてRAM343に記憶するデータ量を極力少なくすることができ、さらには電源遮断前の状態に復帰する場合には、処理の途中から開始する必要はなく、払出制御基板332の処理の負担を軽減することができる。
次に、払出制御基板332のCPU341により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図65のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS701では、主制御回路312のCPU321から入力したコマンドの判定を行うコマンド判定処理を実行する。このコマンド判定処理では、図66に示すように、ステップS801にて、RAM343のコマンド入力フラグ格納バッファにコマンド入力フラグが格納されているか否かを判定する。コマンド入力フラグが格納されていない
場合は、新たなコマンドが主制御回路312のCPU321から出力されていないので、そのまま本処理を終了する。一方、コマンド入力フラグが格納されていた場合は、ステップS802にてコマンド読出し処理を実行する。コマンド読出し処理では、入力したコマンドをRAM343のコマンドバッファから読出し、さらにコマンド入力フラグをクリアする。
その後、読み出されたコマンドの種類を、ステップS803、ステップS805、ステップS810及びステップS811の各処理にて判定し、各コマンドに対応した処理を実行する。つまり、ステップS803では、停電コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS804にてRAM343の停電フラグ格納バッファに停電フラグを格納して、本処理を終了する。
ステップS805では、払出初期化コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、電源投入時に主制御回路312のCPU321からRAM343の初期化が指示されていることになるので、ステップS806〜ステップS809の処理を実行した後に本処理を終了する。ステップS806では、RAM343に設けられた払出許可フラグ格納バッファに払出許可フラグが格納されているか否かを判定し、当該フラグが格納されていない場合は、ステップS807にてRAM343の作業領域を0にクリアし、さらにステップS808にてRAM343の初期値を設定する。その後、ステップS809にて払出許可フラグを格納することで、賞球の払出が許可される。
なお、ステップS806において払出許可フラグが格納されている場合は、ステップS807及びステップS808の処理を行うことなく本処理を終了する。かかる構成とすることにより、RAM消去スイッチ149aが押されていないにも関わらずノイズなどの原因で払出初期化コマンドの入力を認識したとしても、その際に残っている賞球が遊技者に払い出されることなく消去されることを防止できる。
ステップS810では、復電コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、払出制御基板332が停電による電源遮断の前の状態に復帰するので、ステップS809にて払出許可フラグを格納した後に本処理を終了する。かかる構成とすることにより、電源遮断前に賞球が残っていた場合に当該賞球を即座に払い出すことができる。
ステップS811では、賞球コマンドである否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS812にて賞球コマンドに対応した賞球個数を総賞球個数に加算した後に、ステップS809にて払出許可フラグを格納し本処理を終了する。
タイマ割込み処理(図65)の説明に戻り、コマンド判定処理を実行した後は、ステップS702にて払出許可フラグが格納されているか否かを判定する。払出許可フラグが格納されていない場合は、そのまま本処理を終了する。一方、払出許可フラグが格納されている場合は、ステップS703にて状態復帰スイッチ148aをチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
また、ステップS704では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、球無検知センサ186の検知結果によりタンク132の球無状態を判定し、球無状態であると判定した場合には球無状態の設定を実行し、球無状態でなくなった場合には球無状態の設定を解除する。
本パチンコ機10では、払出制御装置146のRAM343に期間計測手段としてカウンタエリアが設けられており、球無検知センサ186から球無状態である旨の検知結果を入力している場合、カウンタエリアにてその入力継続期間が計測される。そして、入力継
続期間が1secに達した時点で払出装置135の払出速度をそれまでよりも遅い低速周期に変更する。例えば、通常周期は60msecに1個の遊技球を払い出す周期であり、低速周期は1.2secに1個の遊技球を払い出す周期である。また、低速周期で遊技球の払出を実行している状況であって、上記入力継続期間が10secに達した場合には払出装置135が停止されるとともにその状態が維持されるように規制される。ステップS704では、上記入力継続期間が1secに達した時点で、RAM343に低速設定フラグを格納するとともに、上記入力継続期間が10secに達した時点で、賞球の払出不可状態の設定を行う。なお、期間計測手段としてカウンタエリアに代えて、リアルタイマを設けてもよい。
また、払出装置135の払出速度が低速周期である状況及び遊技球の払出が停止されている状況において球無状態である旨の検知結果が途切れることで、これら球無状態の設定が解除される。これにより、上記低速状態及び上記賞球の払出不許可状態が解除される。
ここで、球無状態となったことに基づいて払出装置135の払出動作を停止させることで、球無状態であるにも関わらず、払出装置135が払出動作を続けてしまうことが防止される。
また、払出装置135の払出動作を停止させる前段階で払出速度を低速周期に変更させたことにより、以下の効果が得られる。つまり、大当たり状態などのように多数の遊技球が短時間で払い出される場合、タンク132から上下通路ユニット134側への遊技球の流入が遅れることがある。この場合に、払出速度を低速周期に変更させない構成を想定すると、球無検知センサ186よりも下流側にある遊技球の払出が即座に完了してしまい、実際には大当たり状態に対する賞球数の情報が未だ残っているにも関わらず、遊技球の払出が停止されてしまう。そうすると、遊技者は大当たり状態における遊技球の払出が完了したと勘違いし、パチンコ機10から離れてしまう可能性がある。これに対して、上記のように払出速度を低速周期に変更させることで、上記状況となった場合には球無検知センサ186よりも下流側にある遊技球がゆっくりと払い出され、その間にタンク132から上下通路ユニット134側へ遊技球が流入する可能性が高まる。よって、上記のような不都合が発生する可能性が低減される。
ちなみに、遊技球の払出を通常周期である60msecで1sec継続した場合、16個の遊技球が払い出される。また、遊技球の払出を低速周期である1.2secで9sec継続した場合、7個の遊技球が払い出される。つまり、球無検知センサ186にて球無状態であることが検知されてから払出装置135の払出動作が停止されるまでの間に23個の遊技球が払い出されることとなる。これに対して、既に説明したように、残存遊技球数が29個であり、球無検知センサ186と払出装置135との間には少なくとも29個の遊技球が存在することとなる。したがって、球無状態となり払出装置135が停止したとしても、球無検知センサ186と払出装置135との間には遊技球が存在することとなる。
例えば、球無状態となり払出装置135が停止した場合に、球無検知センサ186と払出装置135との間に遊技球が存在しない構成を想定すると、払出装置135が停止した後にタンク132から払出装置135へ流入してくる遊技球は、タンク132の位置から払出装置135の回転体195までの距離分加速されながら流下し、その勢いのまま回転体195に衝突することとなる。そうすると回転体195の破損などが懸念される。これに対して、本パチンコ機10では球無検知センサ186と払出装置135との間に遊技球が存在するため、上記のような回転体195の破損の発生が抑制される。
タイマ割込み処理(図65)の説明に戻り、ステップS704の後は、ステップS70
5にて、報知する状態の有無を判定し、報知する状態が有る場合には払出制御装置242に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS706〜S709では、賞球払出の処理を実行する。先ずステップS706では、球抜きボタン206が操作されているか否かを判定する。球抜きボタン206が操作されていない場合には、ステップS707にて賞球の払出不可状態であるか否かを判定する。賞球の払出不可状態である場合にはRAM343に賞球数の情報が記憶されているか否かに関係なく、賞球払出の処理を終了する。この場合、図示は省略するが、払出モータ198の駆動制御が行われている場合にはその駆動制御を停止させ遊技球の払出を停止させる。
球抜きボタン206が操作されておりステップS706にて肯定判定をした場合又は賞球の払出不許可状態ではなくステップS707にて否定判定をした場合には、ステップS708にてRAM343に賞球数の情報が記憶されているか否かを判定する。賞球数の情報が記憶されている場合には、ステップS709に進み、賞球制御処理を開始する。
賞球制御処理では、払出装置135を駆動制御の開始又は払出速度の設定を実行する。賞球数の情報が記憶されていない場合には、賞球の払出処理を終了する。この場合、図示は省略するが、払出モータ198の駆動制御が行われている場合にはその駆動制御を停止させ遊技球の払出を停止させる。
賞球の払出処理を終了した後は、ステップS710〜S712の貸球払出の処理に移行する。貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つ貸球払出要求を入力していれば(ステップS710がNO、S711がYES)、ステップS712に進み、貸球制御処理を開始する。貸球制御処理では、払出装置135を駆動制御し、貸球払出要求に対応した数の遊技球を払い出す。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を入力していなければ(ステップS710がYES又はS711がNO)、ステップS713に進む。
ステップS713では、球詰まり状態であることを条件にタンク132に設けられたバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
パチンコ機10からの遊技球の抜き出しは、例えば、パチンコ機10を中古で流通させる場合に行われる。遊技球には遊技ホール毎に固有の模様などが付されており、中古での流通に際してパチンコ機10内の遊技球を全て抜き出すことで、遊技ホール間で異なる遊技球が混ざらないようにすることができる。その一方、パチンコ機10を中古で流通する場合、その流通過程で払出制御装置146などが不正な制御装置に交換されてしまうことが懸念される。この場合、流通先の遊技ホールが多大な不利益を被ってしまうおそれがあり好ましくない。また、これを抑制すべく、払出制御装置146の不正交換を防止するために複雑な構成を付加すると、パチンコ機10のコストが高くなってしまう。
これに対して、上下通路ユニット134の切換片181を排出誘導状態としても、切換片181から払出装置135の回転体195までの位置に残存することとなる残存遊技球数を29個とした。この29個は、入賞口62〜65の一の入球に対して払出を行うべき遊技球の数として予め設定された単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しない数として設定されている。これにより、任意の一の入賞口を選択し、その選択した入賞口に複数の遊技球を手入れで入球させて当該残存遊技球を全て排出させようとすると、自ずと払出制
御装置146に賞球数の情報が残ることとなる。そして、この賞球数の情報は、バックアップ電力が供給されることにより、パチンコ機10の電源が遮断されたとしても記憶保持される。これにより、パチンコ機10を中古で流通させる場合、流通先にて払出制御装置146に上記賞球数の情報が記憶保持されていることを確認することで、流通過程において払出制御装置146の不正交換が行われたか否かを確認することができる。この確認としては、例えば、島設備にパチンコ機10を設置し、タンク132に遊技球を補充した後に電源を立ち上げた場合に、遊技球が上皿95aに排出されるか否かを確認することで行うことができる。
特に、本パチンコ機10では、残存遊技球数が29個に設定されているため、いずれか一の入賞口に対して上記手入れでの遊技球の入球動作を行うことで、確実に払出制御装置146に賞球数の情報が残ることとなる。よって、流通過程において払出制御装置146の不正交換が行われたか否かの確認作業を確実に行うことができる。
ちなみに、残存遊技球数は最大単位遊技球数よりも大きい数であって素数となっている。これにより、パチンコ機10の設計変更として、各単位遊技球数の遊技球数を変更する場合に、2以上であって残存遊技球数の範囲内であれば、任意の数を選択することができ、当該設計変更を容易に行うことができる。
また、実際に上記球抜き動作を行う場合、その作業効率を考えて、単位遊技球数が最も多い可変入賞装置63を用いることが考えられる。この場合、可変入賞装置63に遊技球を2個入球させることで、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個となり、上記残存遊技球数を超えることとなる。また、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個の場合には、残存遊技球の排出後に残る賞球数は1個となる。そうすると、パチンコ機10を中古品で流通させた場合、払出制御装置146に記憶保持される賞球数の情報は1個となる。これにより、流通先でパチンコ機10の電源を立ち上げた場合に払い出される遊技球の数は1個となり、流通先の遊技ホールにおいて不正の有無の確認後における片付け作業に際してはその1個の遊技球を取り出すだけで済む。よって、当該片付け作業の作業効率を向上させることができる。つまり、本構成によれば、球抜き作業の作業効率及び片付け作業の作業効率の両方を向上させることができる。
また、実際に上記球抜き動作を行う場合、その作業効率を考えて、手入れでの入球作業を最も行い易い入賞口を用いることが考えられる。本パチンコ機10では、当該入賞口は、遊技盤61において遊技機前面ユニット23の回動先端側に位置する一般入賞口62が考えられる。この場合、一般入賞口62に遊技球を3個入球させることで、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個となり、上記残存遊技球数を超えることとなる。また、払出制御装置146に記憶される賞球数の情報が30個の場合には、残存遊技球数の排出後に残る賞球数は1個となる。そうすると、パチンコ機10を中古品で流通させた場合、払出制御装置146に記憶保持される賞球数の情報は1個となる。これにより、流通先でパチンコ機10の電源を立ち上げた場合に払い出される遊技球の数は1個となり、流通先での遊技ホールにおいて不正の有無の確認後における片付け作業に際してはその1個の遊技球を取り出すだけで済む。よって、当該片付け作業の作業効率を向上させることができる。つまり、本構成によれば、球抜き作業の作業効率及び片付け作業の作業効率の両方を向上させることができる。
一方、残存遊技球数の29個は、例えば、一般入賞口62の単位遊技球数と、可変入賞装置63の単位遊技球数と、下作動口65の単位遊技球数との和と一致する数である。したがって、例えば、遊技ホールにおけるメンテナンス時や、製造メーカからの出荷時といった、中古品を流通させる必要がない場合には、一般入賞口62、可変入賞装置63及び下作動口65のそれぞれに1個ずつ遊技球を入球させることで、払出制御装置146に記
憶される賞球数の情報は上記残存遊技球数と一致し、当該賞球数の情報が払出制御装置146に残らないようにすることができる。
また、残存遊技球数の29個は、一般入賞口62の単位遊技球数の2倍と、上作動口64の単位遊技球数の3倍との和と一致する数である。これら一般入賞口62及び上作動口64は、遊技球の入球を不可又は難しくする開閉手段が設けられていない入賞口であり、手入れでの入球作業に際して開閉手段の開放操作等を要しない。よって、賞球数の情報が払出制御装置146に残らないようにしながら残存遊技球の抜き出しを行う場合に、その作業効率を向上させることができる。
また、一般入賞口62の一部は、上記のとおり、遊技盤61において遊技機前面ユニット23の回動先端側に配置されている。また、下作動口65は、遊技盤61において左右方向の中央側に配置されている。この点、手入れでの入球作業に際して、これら一般入賞口62及び下作動口65に遊技球を入球させることで、賞球数の情報が払出制御装置146に残らないようにしながら残存遊技球の抜き出しを行う場合に、その作業効率を飛躍的に向上させることができる。
また、パチンコ機10が中古で流通する場合以外にも、遊技ホールなどにおいて、払出装置135や上側ユニット161が、不正な部品を取り付けた不正用ユニットに交換されてしまうことが想定される。そして、その発見が行われないと、遊技ホールが多大な不利益を被ってしまうおそれがあり好ましくない。この場合に、不正用ユニットに交換されて上記残存遊技球数が変化した場合には、その残存遊技球数が単位遊技球数の整数倍と一致する可能性が生じる。
当該事情において、本パチンコ機10では、残存遊技球数の排出に際して、払出制御装置146に記憶されている賞球数の情報に対応した数の遊技球を払い出すように、払出装置135の回転体195を回転動作させることにより行われる。この場合に、上記のとおり残存遊技球数はいずれの単位遊技球数の整数倍とも一致しないため、残存遊技球の排出に際しては残存遊技球数よりも多い数に対応した賞球数の情報が記憶され、残存遊技球が全て排出された後も回転体195の回転動作が継続されることとなる。これに対して、不正用ユニットに交換されて残存遊技球数が単位遊技球数の整数倍と一致した場合には、残存遊技球数が全て排出されたタイミングで、回転体195の回転動作が停止されることとなる。したがって、遊技ホールの管理者等にとっては、残存遊技球数が全て排出されたタイミングで回転体195の回転動作が停止するか否かを確認することで、上記不正用ユニットの交換が行われているか否かを確認することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、残存遊技球数が29個となるように、上下通路ユニット134において切換片181から払出装置135の回転体195までの通路長を設定したが、残存遊技球数は29個に限定されることはなく、単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しない数であれば具体的な数は任意である。例えば、上記実施の形態における単位遊技球数の設定において、残存遊技球数を17個、19個、23個等としてもよい。
(2)入賞口62〜65に対する単位遊技球数の設定は、上記実施の形態のものに限定されることはなく、任意である。但し、単位遊技球数の設定を変更した場合には、それら単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しないように残存遊技球数を変更する必要がある。ちなみに、可変入賞装置63に対する単位遊技球数を15個に代えて、14個としてもよい。当該構成であっても、残存遊技球数を29個とすることで、上記実施の形態と同様
の効果を得ることができる。
(3)上記実施の形態では、単位遊技球数が異なる入賞口の種類を4種類としたが、これに限定されることはなく、1種類、2種類、3種類又は5種類以上であってもよい。この場合であっても、残存遊技球数を単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しないようにすることで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(4)上記実施の形態では、上下通路ユニット134において上側ユニット161には第1ケースレール部174と第2ケースレール部175との2列のケースレール部を形成したが、ケースレール部が1列のみ形成された構成としてもよく、3列以上のケースレール部が形成された構成としてもよい。当該構成であっても、残存遊技球数を単位遊技球数のいずれの整数倍とも一致しないようにすることで、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(5)大当たり状態でない状況において、可変入賞装置63へ遊技球を入球させたとしても、その入球が無効化されるパチンコ機に対して本発明を適用してもよい。この場合、残存遊技球数を、可変入賞装置63の単位遊技球数の整数倍と一致する構成としてもよい。
(6)上記実施の形態では、主制御基板311のRAM323及び払出制御基板332のRAM343の両方にバックアップ電力が供給される構成としたが、これに代えて、主制御基板311のRAM323のみにバックアップ電力が供給される構成としてもよい。但し、本構成においては、パチンコ機10の電源が遮断される場合に、その時点で払出制御基板332のRAM343に記憶されている賞球数情報を主制御基板311に出力し、その賞球数情報を主制御基板311のRAM323にて記憶保持する構成としてもよい。
(7)上記実施の形態において、払出制御基板332のRAM343に賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、払い出すべき遊技球が払出装置135の回転体195よりも上流側に存在しない場合には、予め定められた球不足報知を実行するようにしてもよい。具体的には、球無状態であるか否かに関係なく、RAM343に賞球数の情報が記憶されている状況において回転体195を回転させた後に、所定期間に亘って払出検知センサ199にて遊技球を検知しない場合に上記球不足報知を実行する構成が考えられる。この球不足報知としては、例えば、パチンコ機10の前面のランプ部を発光させる構成や払出制御装置146に設置された7セグメントの表示器で所定の表示を行う構成が考えられる。これにより、中古品の流通先などにおいては、タンク132への遊技球の補充を行わない状況であっても、不正行為の有無の確認を行うことができる。
また、パチンコ機10の前面のランプ部にて報知を行う構成においては、電源立ち上げ時においてRAM343に賞球数の情報が記憶されている場合に、上記報知を行う構成としてもよい。この場合、複数台の中古品が納入された遊技ホールにおいては、それらを島設備に取り付け各パチンコ機の電源を投入した場合に、前面のランプ部が点灯するか否かを確認するだけで、流通過程での不正行為の有無を容易に確認することができる。
(8)上記実施の形態では、球無検知センサ186にて遊技球の球無状態が検知された場合、払出装置135の払出速度を低速周期に変更した後に払出動作を停止させるようにしたが、これに代えて、低速周期に変更させない構成としてもよい。また、低速周期が2段階以上設定された構成としてもよい。
また、低速周期への変更を行う場合であっても、低速周期に変更させるまでの期間及び払出動作を停止させるまでの期間は上記実施の形態のものに限定されることはなく、任意
である。但し、残存遊技球数との関係において、払出動作を停止させた時点で球無検知センサ186と払出装置135の回転体195との間に遊技球が残っているように、上記各期間を設定することが好ましい。
また、払出装置135の通常周期及び低速周期は上記実施の形態のものに限定されることはなく、任意である。但し、残存遊技球数との関係において、払出動作を停止させた時点で球無検知センサ186と払出装置135の回転体195との間に遊技球が残っているように、上記各周期を設定することが好ましい。
(9)上記実施の形態では、球抜きボタン206を裏パック基板136に設けたが、これに代えて、主制御装置107や払出制御装置146等に設けてもよい。また、音声ランプ制御装置103などのように、裏パックユニット24により覆われた領域に設けてもよい。また、球抜きボタン206を不具備とし、当該球抜きボタン206の機能を他のスイッチに兼用させてもよい。例えば、状態復帰スイッチ148やRAM消去スイッチ149aにその機能を兼用させてもよい。さらには、球抜きボタン206を不具備とし、所定の球抜き開始操作(解除操作)が行われた場合に、球無状態が特定されている場合であっても残存遊技球の排出が行われる構成としてもよい。例えば、所定の球検知センサ(例えば、スルーゲート66に設けられた球検知センサ)に通常の遊技では検知しないような期間に亘って遊技球を検知させることを、上記球抜き開始操作としてもよい。
(10)上記実施の形態では、残存遊技球数を、球無検知センサ186にて球無状態が検知され、払出装置135の払出動作が停止されるまでに払い出される遊技球の数よりも多い数に設定したが、これに代えて、少ない数に設定してもよい。但し、球無検知センサ186から切換片181までに待機可能な遊技球数と残存遊技球数との和の数を、払出装置135の払出動作が停止されるまでに払い出される遊技球の数よりも多い数となるように設定することが好ましい。当該構成とすることにより、上記実施の形態と同様に、球無状態において払出装置135の払出動作が停止された場合に、回転体195よりも上流側に遊技球が残るようにすることができる。
(11)球無検知センサ186を、払出装置135よりも上流側であって切換片181よりも下流側に設置してもよい。当該構成であっても、球無検知センサ186から回転体195までに待機可能な遊技球の数を、払出装置135の払出動作が停止されるまでに払い出される遊技球の数よりも多い数となるように設定することが好ましい。これにより、上記実施の形態と同様に、球無状態において払出装置135の払出動作が停止された場合に、回転体195よりも上流側に遊技球が残るようにすることができる。
(12)上記実施の形態では、図柄表示装置71を備えたパチンコ機10に対して本発明を適用したが、それ以外のタイプのパチンコ機に適用してもよい。例えば、遊技球転動部や有利口などが設けられた入賞役物装置を備えたパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、受け皿として上皿95a及び下皿96aが設けられているのではなく、単一の受け皿が設けられたパチンコ機にも、本発明を適用できる。
(13)本発明は、受け皿に防振構造を付加することで、遊技機の球貸しの際、賞球払出しの際に、この受け皿における遊技球等の「球跳ね」を抑制し、受け皿から遊技球の跳び出しを低減できる構造であれば、上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
(14)上記実施の形態では、回転操作体8401を用いて抵抗値を調整することにより遊技球の発射初速度を変化させる例を示しているが、例えば回転操作に応じて発射力を
調整するためのばねの伸び量を変化させる方式でもよい。
(15)上記実施の形態では、停止スイッチ8404を回転操作体8401に取り付けた例を示しているが、例えば前カバー8403のような他の部材に支持させるように構成したものでもよい。また回転操作体8401をハンドル基部8402に取り付けた例を示しているが、例えば前カバー8403のような他の部材に取り付けるように構成したものでもよい。
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
遊技機A1.
パチンコ機は、その内部に遊技球を貯留するための貯留タンクを備えている。貯留タンクに貯留されている遊技球は、誘導通路部を通じて、遊技機前面部の受け皿へ誘導される。また、誘導通路部の途中位置には払出装置が設けられており、誘導通路部により誘導される遊技球は払出装置内にて一旦停止される。例えば、払出装置には回転体などの球止め手段が内蔵されており、誘導通路部により誘導される遊技球は球止め手段により一旦停止される。払出装置は制御装置と電気的に接続されている。そして、遊技領域に設けられた入賞口へ遊技球が入賞したことに基づいて制御装置に賞球数情報が記憶され、球止め手段が払出動作を実行するように制御装置により払出装置が駆動制御されることで、一旦停止されていた遊技球は受け皿に払い出される。
このような遊技球を受け皿に払い出すことに関する技術について、例えば特許文献1の特開2007−167431号公報「遊技機」に示すように、遊技球の払い出しを行う払出装置と、遊技球を貯留する受け皿と、前記払出装置からの遊技球を前記受け皿に払い出す払出通路と、払出通路の途中位置にて同払出通路を流下する遊技球を検知するように設けられ、遊技球を検知している間はその旨の検知信号を出力する検知手段とを備え、検知手段から前記検知信号が継続して出力されている期間が予め設定された第1期間以上となった場合に前記受け皿が満杯状態となっていると判定すると共に、その判定結果に応じて遊技球の払い出しを制限する満杯状態処理を実行する遊技機において、前記検知信号が継続して出力されている期間が前記第1期間よりも短い第2期間以上となったか否かを判定する期間経過判定手段と、同期間経過判定手段により前記第2期間以上となったと判定された場合に、前記払出装置における遊技球の払出周期を、それまでの周期よりも遅い周期に変更する周期変更手段とを備えた遊技機が提案されている。
特開2007−167431号公報 このとき賞球として払い出される遊技球は、機体前面下部の上皿(上受け皿)に貯留し、発射装置へ供給するとともに、この上皿の貯留許容量を超えて払い出された遊技球を下皿(下受け皿)へ導き、この下皿に貯留するよう構成されたものが従来から知られている。
遊技機の上皿は、皿本体底部一側に、貯留した遊技球を一列に整列させて送り出す溝状の遊技球供給案内部が形成されている。遊技球はその遊技球供給案内部の先端から整流器に送り込まれ、整流器により球流れが整えられ、一個ずつ発射装置に供給される。
しかし、遊技機の左に位置するサンドと称される球貸機に、カード、紙幣、コインを投入し、球貸しボタンを押すことにより遊技球を出すことができる。このとき球貸機の投入管の吐出口から多数の遊技球が落下し、合成樹脂製の上皿の表面に当たった遊技球が跳ね上がり、この上皿から跳び出すことがある。このいわゆる「球跳ね」が起きると、遊技ホールに球が散逸するという問題を有していた。
また、大当たりが発生して、短時間に大量の賞球払出が行われる場合、上受け皿には勢
いよく払い出され遊技球が、合成樹脂製の上皿(上受け皿)の上面に当たり、その反発力により、この上皿から跳び出すことがある。
本発明は、かかる問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、受け皿に防振構造を付加することで、遊技機の球貸しの際、賞球払出しの際に、この受け皿における遊技球等の「球跳ね」を抑制し、受け皿から遊技球の跳び出しを低減できる遊技機を提供することにある。
遊技機A1は、遊技球又はコインを貯留するために、前面に受け皿が設けられた遊技機であって、
前記受け皿の貯留部の下面に配置する補強板に、弾力材を貼り付けた防振板と、
前記受け皿の下面に形成した、前記防振板を着脱自在に支持し得る支持構造と、から成り、
前記防振板は、その弾力材の上表面が前記受け皿の貯留部の下面に密着するように取り付けた、ことを特徴とする遊技機。
遊技機A2は、前記防振板は、前記受け皿の貯留部の下面と略同形状の剛性を有する補強板に、該補強板と略同大同形状になる、ゴム又は合成樹脂製の弾力性を有するシート状の弾力材を貼り付けた、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A3は、前記支持構造は、前記防振板の周縁の板厚と同じ隙間を有する部材を前記受け皿の下面に形成したものである、ことを特徴とする遊技機A1の遊技機。
遊技機A4は、前記支持構造は、前記受け皿の下面かつ該受け皿を遊技機前面ユニットに取り付けるねじボスが形成された取付部に、該受け皿の下面と平行に突出するように隙間を有する部材を形成したものである、ことを特徴とする遊技機A3の遊技機。
遊技機A5は、遊技球又はコインを貯留するために、前面に受け皿が設けられた遊技機であって、
前記受け皿の貯留部の下面と略同形状の剛性を有する補強板に、該補強板と略同大同形状になる、ゴム又は合成樹脂製の弾力性を有するシート状の弾力材を貼り付けた防振板を、該受け皿の下面に接着した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機A6は、前記防振板の補強板の下面に、補強用リブを形成した、ことを特徴とする遊技機A1、A2又はA5の遊技機。
遊技機A7は、前記受け皿はパチンコ機の上皿である、ことを特徴とする遊技機A1、A2又はA5の遊技機。
遊技機A8は、前記受け皿はパチンコ機の下皿である、ことを特徴とする遊技機A1、A2又はA5の遊技機。
このような構成の遊技機A1〜A8では、球貸機の投入管の吐出口から多数の遊技球等が、合成樹脂製の受け皿(貯留部)に落下して当たったときに、この受け皿を構成する合成樹脂製の板材が振動するとき、その加振力により受け皿が振動しても、その振れを防振板の弾力材が吸収する。これにより受け皿の振幅を減衰させて、遊技球等が跳ね上がり、この受け皿から跳び出すことを防止する。賞球等が勢い良く出されるときにも、受け皿の振動を抑制して、遊技球が跳ね上がり、この受け皿から跳び出すことを防止する。
弾力性を有するシート状の弾力材を貼り付けた防振板が、受け皿の貯留部の下面に接着
したものではなく、密着するように配置した構造であるため、受け皿が振動するときその加振力を吸収しやすく、受け皿の振幅を迅速に減衰することができる。そこで、遊技球等の跳ね上がりを確実に防止することができる。
なお、1日で大きな温度差がない地域では、合成樹脂製の受け皿の下面に貼り付けられた防振板の弾力材が熱膨張の差により、受け皿の下面又は補強板の周囲から剥離するおそれがないので、防振板の弾力材を受け皿の下面に直接貼り付けた構造でも、受け皿の振幅を減衰させて、遊技球が跳ね上がり、この受け皿から跳び出すことを防止する。
遊技機B1.
パチンコ機は、その内部に遊技球を貯留するための貯留タンクを備えている。貯留タンクに貯留されている遊技球は、誘導通路部を通じて、遊技機前面部の受け皿へ誘導される。また、誘導通路部の途中位置には払出装置が設けられており、誘導通路部により誘導される遊技球は払出装置内にて一旦停止される。例えば、払出装置には回転体などの球止め手段が内蔵されており、誘導通路部により誘導される遊技球は球止め手段により一旦停止される。払出装置は制御装置と電気的に接続されている。そして、遊技領域に設けられた入賞口へ遊技球が入賞したことに基づいて制御装置に賞球数情報が記憶され、球止め手段が払出動作を実行するように制御装置により払出装置が駆動制御されることで、一旦停止されていた遊技球は受け皿に払い出される。
このような遊技球を受け皿に払い出すことに関する技術について、例えば特許文献1の特開2007−167431号公報「遊技機」が提案されている。
特開2007−167431号公報 しかし、遊技機の左に位置するサンドと称される球貸機に、カード、紙幣、硬貨を投入し、球貸しボタンを押すことにより遊技球を出し、受け皿に遊技球を補充することができる。このとき球貸機の投入管の吐出口から多数の遊技球が落下し、合成樹脂製の受け皿の表面に当たった遊技球が跳ね上がり、この受け皿から跳び出すことがある。
また、遊技中に大当たりが発生して、短時間に大量の賞球が払出される場合、受け皿には勢いよく払い出され遊技球が、合成樹脂製の受け皿の上面に当たり、その反発力により、この受け皿から跳び出すことがある。
このようないわゆる「球跳ね」が起きると、遊技ホールに遊技球が散逸するという問題を有していた。
同様に、スロットマシンについても、受け皿の形状に応じて勢いよく払出されるコインがこの受け皿から跳び出すこともある。
本発明は、かかる問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、例えば、受け皿に防振構造を付加することで、遊技機の球貸しの際、賞球払出しの際に、この受け皿における遊技球、コイン等の「球跳ね」を抑制し、受け皿から遊技球、コイン等の跳び出しを低減できる遊技機を提供することにある。
遊技機B1は、遊技球又はコインを貯留するために、前面に受け皿が設けられた遊技機であって、
前記受け皿の貯留部の下面に、前記遊技球又はコインによる該受け皿の振動を減衰する防振板を設けた、ことを特徴とする遊技機。
1枚構成の防振板は、受け皿の材質とは異なる軟質の材料からなるもの、又は防振板の下面に複数本の振動吸収用リブを形成したものであっても良い。
2枚構成の防振板は、受け皿の貯留部の下面に配置する剛性を有する支持板上に、該受け皿の振動を減衰する弾力性を有し、該支持板と略同大同形状になるシート状のゴム又は合成樹脂製の弾力材を設けたもの、前記支持板に前記弾力材を接着剤で貼り付けたもの、上面に複数の孔を開けた前記支持板に、各孔に嵌合する突起を複数形成した前記弾力材を重ねたもの、又は上面に凹凸面を形成した前記支持板に、該凹凸面上に前記弾力材を重ねたものであっても良い。
前記受け皿は、パチンコ機、パチンコ遊技機とスロットマシンが融合したもの(パロット)の受け皿であっても良く、上皿又は下皿であっても良いし、スロットのコインの受け皿であっても良い。
遊技機B1における貯留部の下面とは、受け皿の貯留部を形成する内面でなく、貯留部の裏面としても良い。また、貯留部の下面に設けるとは、下面に直接防振板を取り付けるものに限らず、貯留部の下面下側であって受け皿への遊技球の衝突時に受け皿に接触し得る位置に配置されるとしても良い。
遊技機B2は、前記防振板は、前記受け皿の材質とは異なる軟質の材料からなるものである、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B3は、前記防振板は、その下面に複数本の振動吸収用リブを形成したものである、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B4は、前記防振板は、前記受け皿の貯留部の下面に配置する剛性を有する支持板上に、該受け皿の振動を減衰する弾力性を有し、該支持板と略同大同形状になるシート状のゴム又は合成樹脂製の弾力材を設けたものである、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B5は、前記防振板は、前記支持板に前記弾力材を接着剤で貼り付けたものである、ことを特徴とする遊技機B4の遊技機。
遊技機B6は、前記防振板は、上面に複数の孔を開けた前記支持板に、各孔に嵌合する突起を複数形成した前記弾力材を重ねたものである、ことを特徴とする遊技機B4の遊技機。
遊技機B7は、前記防振板は、上面に凹凸面を形成した前記支持板に、該凹凸面上に前記弾力材を重ねたものである、ことを特徴とする遊技機B4の遊技機。
遊技機B8は、前記受け皿の貯留部の下面に、前記防振板を着脱自在に支持し得る支持構造を設けた、ことを特徴とする遊技機B1の遊技機。
遊技機B9は、前記支持構造は、前記防振板の周縁の板厚と同じ隙間を有する部材を前記受け皿の下面に形成したものである、ことを特徴とする遊技機B8の遊技機。
遊技機B10は、前記支持構造は、前記受け皿の下面かつ該受け皿を遊技機前面ユニットに取り付けるねじボスが形成された取付部に、該受け皿の下面と平行に突出するように隙間を有する部材を形成したものである、ことを特徴とする遊技機B8の遊技機。
遊技機B11は、前記防振板は、前記受け皿の周縁が他の領域より低く形成された領域の下面位置に設けた、ことを特徴とする遊技機B1,B2,B3,B4,B5,B6又は
B7の遊技機。
遊技機B12は、前記防振板は、前記受け皿の貯留部における、球貸機の投入管の吐出口の直下の領域の下面位置に設けた、ことを特徴とする遊技機B1,B2,B3,B4,B5,B6又はB7の遊技機。
遊技機B13は、前記受け皿はパチンコ機の上皿である、ことを特徴とする遊技機B1又はB8の遊技機。
遊技機B14は、前記受け皿はパチンコ機の下皿である、ことを特徴とする遊技機B1又はB8の遊技機。
このような構成の遊技機B1〜B14では、球貸機の投入管の吐出口から多数の遊技球が、合成樹脂製の受け皿(貯留部)に落下して当たり、この受け皿を構成する合成樹脂製の板材が振動するとき、その振れを防振板自体、防振板のリブ又は防振板の弾力材が吸収することができる。これにより受け皿の振幅を減衰させて、遊技球又はコインが跳ね上がり、この受け皿から跳び出すことを防止する。
遊技機から賞球又はコインが勢い良く出されるときにも、受け皿の振動を抑制して、遊技球又はコインが跳ね上がり、この受け皿から跳び出すことを防止する。
支持板と弾力材の2枚構成の防振板では、弾力材についてその厚み、材質を異なるものに容易に交換できる。防振板は受け皿の貯留部の下面に着脱自在に取り付けできるものでは、球貸機の投入管の吐出口と受け皿の貯留部までの距離(高さ)に応じて、防振板の構造を可変することができる。例えば、吐出口と貯留部までの距離が長いと、受け皿が受ける衝撃が大きくなり、受け皿が大きく振動することがあり、それに応じて厚い弾力材を用いる。
防振板が、受け皿の貯留部の下面に接着したものではなく、密着するように配置した構造でも、受け皿の振動の吸収量を調節することができる。遊技機の機種、例えば遊技球又はコインの落下高さ、受け皿周囲の縁の高さ、返しの形状に応じて振動の減衰能を調節することができる。これにより、遊技球又はコインの跳ね上がりをそれぞれの遊技機の機種に応じて低減することができる。
遊技機C1.
パチンコ遊技機の遊技球発射ハンドルは、可変抵抗器を用いて遊技球の発射初速度を電気的に制御する器具である。遊技球発射ハンドルは、主に回転操作体とこの回転操作体の回転に応じて回転する主動ギヤと、主動ギヤと噛合する従動ギヤとから構成される。従動ギヤは、可変抵抗器に接続された回転軸に設けられており、従動ギヤの回転角度に応じて、可変抵抗器の抵抗値が調整され、遊技球の発射初速度が可変される。
また、遊技球発射ハンドルの傍には、停止スイッチを備えている。この停止スイッチは、遊技者がこれを指で押圧することにより、遊技球の発射を一時的に停止する。
このような停止スイッチに関する技術について、例えば特許文献1の特開2009−131608号公報「遊技機の打球操作ハンドル」が提案されている。
特開2009−131608号公報 しかし、特許文献1の「遊技機の打球操作ハンドル」では、停止スイッチがハンドル基部に組み込まれた構造である。この停止スイッチは、回転操作体を握った際に、この回転操作体の親指の位置近くに設けられている。回転操作体を回転させている状態で停止スイッチを押圧すると、親指を伸ばす必要があるため、回転操作体の回転角度の微調整を維持することができないという問題を有していた。
また、遊技機の機種によっては、停止スイッチが手の親指側でなく回転操作体の右側、右下に配置されたものもある。このように配置された停止スイッチ(停止ボタン)は、遊技球の台側に向けて押圧する構造のものが多かった。そこで、人間工学的に右手で持っている回転操作体を握る操作を解除しなければ、これらの停止スイッチ(停止ボタン)を各指先で押圧する動作が困難になりやすかった。回転操作体を元の位置に戻してから操作する必要があり、遊技球の発射を一時的に停止することの意味を阻害するという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、回転操作体の回転角度に関係なく、指で停止スイッチを押圧でき、かつ手指の回転操作体を握る動作を変化させることがなく、回転操作体の回転角度の微調整を維持したままで遊技球の発射を容易に一時停止させることができる遊技機を提供することにある。
遊技機C1は、パチンコ遊技機の遊技球の発射初速度を可変する回転型の遊技球発射ハンドルを備えた遊技機であって、
遊技球の発射初速度を回転角度に応じて調整するために、回転自在に成る回転操作体と、前記回転操作体に取り付けられた、遊技球の発射を一時停止させる停止スイッチと、を備えた、ことを特徴とする遊技機。
遊技機C1では、停止スイッチが回転操作体に組み込まれた構造になり、遊技者がこの回転操作体に手指を掛け、これを回転させている状態でも、停止スイッチが回転操作体と共に回転しているので、親指の位置を変えることなく停止スイッチの押圧操作で容易に遊技球を一時停止させることができる。そこで、回転操作体の回転角度の微調整を維持でき、再度遊技球を発射させるときにも同じ初速度で再開することができ、遊技球の一時停止による遊技の興味が削がれることを防止できる。
遊技機C2は、前記停止スイッチは、前記回転操作体に形成した主に親指をかける指掛け部の左位置にボタン部を設け、該ボタン部を押圧することで停止操作するように構成したものである、ことを特徴とする遊技機C1の遊技機。
遊技機C2では、停止スイッチが回転操作体の周囲から回転主軸に向けて押圧操作することにより、タッチスイッチの通電状態を解除する構造になり、人間工学的に手の指が握る方向に押圧操作するので、無理なく親指に動かすことができる。
遊技機C3は、前記停止スイッチは、タッチスイッチの入切作動させる構成のものである、ことを特徴とする遊技機C1又はC2の遊技機。
遊技機C3では、停止スイッチにタッチスイッチを用いることで部品を省略することが可能になる。
遊技機C4は、前記停止スイッチは、前記回転操作体の周囲から回転主軸に向けて押圧自在に成る棒状部材からなり、この棒状部材の一端にボタン部を設け、このボタン部が回転操作体の周縁から露出し、他端に導電性の部材を具備し、それが弾性部材で常時前記ハンドル基部側に通電させた状態にあり、
前記ボタン部を回転操作体の中心点方向に押圧すると、棒状部材先端の導電性部材が離間して、タッチスイッチの通電状態を解除する構成である、ことを特徴とする遊技機C3
の遊技機。
遊技機C4では、停止スイッチが回転操作体の周囲から回転主軸に向けて押圧操作することにより、タッチスイッチの通電状態を解除する構造になり、無理なく親指に動かすことができるだけでなく、回転操作体を握っている他の人差し指、中指、薬指、小指に無理な力が加わらないので、回転操作体の回転角度の微調整を維持することができる。更に、指先の加圧による疲労感を低減できる。
遊技機C5は、パチンコ遊技機の遊技球の発射初速度を、可変抵抗器の抵抗値を調整することにより可変する回転型の遊技球発射ハンドルを備えた遊技機であって、
先端に位置決め突起を具備した回転主軸と、該回転主軸と連動する主動ギヤを形成すると共に、遊技者の手指をかける複数の指掛け部を形成した略円盤状の回転操作体と、
前記回転操作体の回転主軸が挿抜かつ回動自在に差し込まれる軸受け部と、該軸受け部の周囲に回転角度に応じて可変抵抗器の抵抗値を可変する回転軸と、該回転軸に設けられた、前記主動ギヤと噛合する従動ギヤとから成るハンドル基部と、を備え、
前記回転主軸を軸受け部の先端から差し込む際に、該軸受け部の長手方向に形成された溝に、前記回転主軸をその位置決め突起から差し込むことにより、前記回転操作体について該ハンドル基部に対する相対的位置関係を維持した状態で、ハンドル基部に組み付け、
前記回転主軸が軸受け部の後端から位置決め突起が飛び出し開放されると、該回転主軸は軸受け部内で自由に回転し、回転操作体を回転させることができるように構成した、ことを特徴とする遊技機。
遊技機C5では、この回転主軸の位置決め突起を、軸受け部の溝に通さなければ、回転操作体の回転主軸をハンドル基部(軸受け部)に組み付けることができない。これは、ハンドル基部に対して回転操作体を常に正しい位置関係に配置しなければ、組み付けることができないことを意味する。このように回転操作体を正しい位置関係でハンドル基部に組み付けでき、回転操作体の主動ギヤ(回転主軸)をハンドル基部の従動ギヤに円滑に噛合させることができる。遊技球発射ハンドルの組み付け作業の迅速性を向上させる。
遊技機C6は、前記回転操作体に、前記回転主軸を中心点として湾曲するように形成した円弧状の円弧透孔と、
前記ハンドル基部に設けられた、前記円弧透孔から突出する程度の長さを有する、前カバーを止める複数のねじボスと、を備え、
前記回転操作体は、前記ねじボスが突出した状態の円弧透孔の範囲内で回転することにより、該回転操作体の回転角度が規制されるように構成した、ことを特徴とする遊技機C5の遊技機。
遊技機C6では、回転操作体の所定の回転角度を保持した状態で、この回転操作体をハンドル基部に組み付けることができる。
遊技機D1
パチンコ遊技機の遊技球発射ハンドルは、可変抵抗器を用いて遊技球の発射初速度を電気的に制御する器具である。遊技球発射ハンドルは、主に回転操作体とこの回転操作体の回転に応じて回転する主動ギヤと、主動ギヤと噛合する従動ギヤとから構成される。従動ギヤは、可変抵抗器に接続された回転軸に設けられており、従動ギヤの回転角度に応じて、可変抵抗器の抵抗値が調整され、遊技球の発射初速度が可変される。
また、遊技球発射ハンドルの傍には、停止スイッチを備えている。この停止スイッチは、遊技者がこれを指で押圧することにより、遊技球の発射を一時的に停止する。
このような停止スイッチに関する技術について、例えば特許文献1の特開2009−131608号公報「遊技機の打球操作ハンドル」が提案されている。
特開2009−131608号公報 しかし、特許文献1の「遊技機の打球操作ハンドル」では、停止スイッチがハンドル基部に組み込まれた構造である。発射装置の制御と停止スイッチの電気的な配線などの電気部品が、この打球操作ハンドル内において複雑になりやすいという問題を有していた、 本発明は、かかる問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、打球操作ハンドル内における発射装置の制御と停止スイッチの電気的な配線などの電気部品が複雑にならない遊技機を提供することにある。
遊技機D1は、遊技球の発射位置を可変する発射装置を備えた遊技機であって、
操作量に応じて遊技球の発射位置を調整するために、操作可能に取り付けられた操作体と、
遊技球の発射を一時停止させる停止手段と、を備え、
前記停止手段は、タッチスイッチの入切作動させる構成のものである、ことを特徴とする遊技機。
遊技機D1では、停止手段が遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、タッチスイッチの構造にしたことで、電気部品が減少して構造が簡略化された。
遊技機D2は、前記操作体が、遊技球の発射初速度を回転角度に応じて調整するために、遊技球発射ハンドルにおいて回転自在に成る部材から成り、回転操作体のような操作体に停止手段が設けられていることを特徴とする遊技機D1の遊技機。
この停止スイッチは、回転操作体を握った際に、この回転操作体の親指の位置近くに設けられている。回転操作体を回転させている状態で停止スイッチを押圧すると、親指を伸ばす必要があるため、回転操作体の回転角度の微調整を維持することができないという問題を有していた。
また、遊技機の機種によっては、停止スイッチが手の親指側でなく回転操作体の右側、右下に配置されたものもある。このように配置された停止スイッチ(停止ボタン)は、遊技球の台側に向けて押圧する構造のものが多かった。そこで、人間工学的に右手で持っている回転操作体を握る操作を解除しなければ、これらの停止スイッチ(停止ボタン)を各指先で押圧する動作が困難になりやすかった。回転操作体を元の位置に戻してから操作する必要があり、遊技球の発射を一時的に停止することの意味を阻害するという問題を有していた。
そこで、発射位置の調整動作状況に関係なく、指で停止手段を操作でき、かつ手指の調整動作を変化させることがなく、発射位置の微調整を維持したままで遊技球の発射を容易に一時停止させることができるようにした。
遊技機D2では、停止手段が遊技球の発射位置を調整する操作体又は前カバーに組み込まれた構造になり、遊技者がこの操作体に手指を掛け、これを調整している状態でも、停止手段が操作体と共に移動しているので、親指の位置を変えることなく停止手段の押圧操作で容易に遊技球を一時停止させることができる。そこで、操作体の微調整を維持でき、再度遊技球を発射させるときにも同じ初速度で再開しやすく、遊技球の一時停止による遊技の興味が削がれることを低減できる。
特に、回転操作体のような操作体に停止手段が設けられていると、この回転操作体の周囲から回転主軸に向けて押圧操作することにより、タッチスイッチの通電状態を解除する
構造になり、人間工学的に手の指が握る方向に押圧操作するので、無理なく親指に動かすことができる。
遊技機D3は、前記停止手段は、クランク状に曲折した操作棒の一端にボタン部を、他端に前記タッチスイッチの入切作動させる端子をそれぞれ具備し、
前記操作体に形成された空間内において、該操作棒が支点部で揺動自在に取り付けられたものであり、
前記ボタン部を押圧すると、操作棒が支点部で揺動し、前記端子の導電性部材が離間して、前記タッチスイッチの通電状態を解除する構成である、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D3では、停止スイッチがクランク状に曲折した操作棒からなり、支点部で揺動自在になるので、ボタン部と操作棒先端との中間にある支点部の位置を可変することで、操作棒先端の触れ幅を容易に調整することができる。これにより、回転操作体周囲の形状に応じて停止スイッチの形状を容易に可変することができ、遊技球発射ハンドル全体のデザイン的設計の自由度を高めることができる。
遊技機D4は、前記停止手段は、弓状に成る操作棒の一端にボタン部を、他端に前記タッチスイッチの入切作動させる端子をそれぞれ具備し、
前記操作体に形成された空間内において、該操作棒が支点部で揺動自在に取り付けられたものであり、
前記ボタン部を押圧すると、操作棒が支点部で揺動し、前記端子の導電性部材が離間して、前記タッチスイッチの通電状態を解除する構成である、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D4でも、支点部の位置を可変することで、回転操作体周囲の形状に応じて停止スイッチの形状を容易に可変することができ、遊技球発射ハンドル全体のデザイン的設計の自由度を高めることができる。
遊技機D5は、前記停止手段は、前記タッチスイッチの入切作動させる端子を具備した操作棒の一端にボタン部を、他端に支点部をそれぞれ具備し、
前記操作体に形成された空間内において、該操作棒が支点部で回動自在に取り付けられたものであり、
前記ボタン部を前記操作体の周囲方向へスライドすると、操作棒が支点部で回動し、前記端子の導電性部材が離間して、前記タッチスイッチの通電状態を解除する構成である、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D5では、ボタン部を回転操作体の周囲から押圧するものでなく、回転操作体の円周の周囲方向にスライド動作させることで、遊技球発射機構における遊技球の発射を停止する。
遊技機D6は、前記停止手段は、前記タッチスイッチの入切作動させる端子を具備した操作棒の一端にボタン部を、他端に支点部をそれぞれ具備し、
前記操作体に形成された空間内において、該操作棒が支点部で遊技球発射ハンドルの軸方向に揺動自在に取り付けられたものであり、
前記ボタン部を前記遊技球発射ハンドルの軸方向に押圧すると、操作棒が支点部で揺動し、前記端子の導電性部材が離間して、前記タッチスイッチの通電状態を解除する構成である、ことを特徴とする遊技機D1の遊技機。
遊技機D6では、ボタン部を指で遊技球発射ハンドルの軸方向へ押圧すると、操作棒の
先端の端子が回転操作体の電気的接点である他の端子から離間し、タッチスイッチに通電しなくなり、遊技球発射機構における遊技球の発射を停止する。
遊技機D7は、遊技球の発射位置を可変する発射装置を備えた遊技機であって、
操作量に応じて遊技球の発射位置を調整するために、操作可能に取り付けられた操作体と、
前記操作体と連接する前カバーに設けた、遊技球の発射を一時停止させる停止手段と、を備え、
前記停止手段は、タッチスイッチの入切作動させる構成のものである、ことを特徴とする遊技機。
遊技機D7でも、停止手段が遊技球発射ハンドルの前カバーに組み込まれた構造になり、遊技者がこの遊技球発射ハンドル(操作体)に手指を掛け、これを調整している状態でも、操作体の位置を変えることなく前カバーにある停止手段の押圧操作で容易に遊技球を一時停止させることができる。
遊技機D8は、前記停止手段は、前カバーの一部に開けたスイッチ穴の内側から出没自在になるスイッチ体と、
前記スイッチ体に、前記タッチスイッチの入切作動させる端子を具備したものであり、
前記スイッチ体を前カバーの内側に押圧すると、該スイッチ体の端子の導電性部材が離間して、前記タッチスイッチの通電状態を解除する構成である、ことを特徴とする遊技機D7の遊技機。
遊技機D8では、前カバーの一部であるボタン部を指で押圧すると、ヒンジ部を支点にしてスイッチ体の先端の端子が前カバー又は回転操作体の電気的接点である他の端子から離間し、タッチスイッチに通電しなくなり、遊技球発射機構における遊技球の発射が停止する。
遊技機E1.
パチンコ遊技機の遊技球発射ハンドルは、可変抵抗器を用いて遊技球の発射初速度を電気的に制御する器具である。遊技球発射ハンドルは、例えば回転操作体とこの回転操作体の回転に応じて回転する主動ギヤと、主動ギヤと噛合する従動ギヤとから構成される。従動ギヤは、可変抵抗器に接続された回転軸に設けられており、従動ギヤの回転角度に応じて、可変抵抗器の抵抗値が調整され、遊技球の発射初速度が可変される。
また、遊技球発射ハンドルの傍には、停止スイッチが備えられている。この停止スイッチは、遊技者がこれを指で押圧することにより、遊技球の発射を一時的に停止することができる。
このような停止スイッチに関する技術について、例えば特許文献1の特開2009−131608号公報「遊技機の打球操作ハンドル」が提案されている。
更に、遊技機には、この停止スイッチ以外に遊技機の操作又は制御する種々のスイッチ、ボタン類が備えられている。例えば、遊技球を貯留する上皿、下皿に球抜きスイッチが設けられている。この上皿の前方に貸球操作部が配設されている。球抜きスイッチは、上皿に貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。
貸球操作部には、球貸しボタンと、返却ボタンとが設けられている。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。
返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部は、カード等の残額情報を表示するものである。
また、遊技機には、遊技者により操作可能なプッシュ式の演出スイッチが設けられている。演出スイッチにはランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で演出効果スイッチを操作された場合、図柄表示装置の表示モードが変更されるようになっている。
特開2009−131608号公報 しかし、特許文献1の「遊技機の打球操作ハンドル」では、停止スイッチがハンドル基部に組み込まれた構造である。発射装置の制御と停止スイッチの電気的な配線が、この打球操作ハンドル内において複雑になりやすいという問題を有していた、 また、遊技者は、上述したように右手で遊技球発射ハンドルの回転操作体を握り、その回転角度を調節して遊技球の発射初速度を調節している。遊技者は遊技中に飲食する際には、主に左手で食物やコップを持ちながら行うことが多い。このような飲食中には、演出ボタンを操作したいとき、球が上皿と下皿では貯留しきれなくなったとき、逆に大当たりの際に上皿に球がなくなって球貸しボタンを操作して球を補給したいときがある。このようなときに、左手を使えないときがあり、直ぐには操作しにくいという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点等を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、遊技機の遊技中に左手を自由に使えるように、遊技の操作又は制御する種々のスイッチ、ボタン等の操作手段を球の発射位置を調整する操作体に組み込んだ遊技機を提供することにある。
遊技機E1は、遊技球の発射位置を可変する発射装置を備えた遊技機であって、
操作量に応じて遊技球の発射位置を調整するために、操作可能に取り付けられた操作体と、
該操作体に設けられた、発射に関する操作とは別の遊技機における操作又は制御をするための操作手段と、を備えた、ことを特徴とする遊技機。
遊技機E1では、操作手段が操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、通常は主に左手で行う操作又は制御について、操作体を操作している右手のみで種々の遊技の操作又は制御を円滑に行うことができる。特に、遊技者がこの操作体に手指を掛け、これを回転させている状態でも、操作手段が操作体と共に回転しているので、親指の位置を変えることなく操作手段の操作で遊技機における操作又は制御を円滑に行うことができる。
遊技機2Eは、前記操作体に、前記操作手段を複数設けた、ことを特徴とする遊技機E1の遊技機。
遊技機E2では、複数の操作手段が遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、操作体を操作している右手のみで更に種々の遊技の操作又は制御を円滑に行うことができる。
遊技機E3は、前記操作手段は、タッチスイッチの入切作動させる構成のものである、ことを特徴とする遊技機E1又は2の遊技機。
遊技機E3では、操作手段が遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、タッチスイッチの構造にしたことで、電気部品が減少して構造を簡略化することが
できる。
遊技機E4は、前記操作手段は、遊技機における演出効果を制御する第2演出ボタンである、ことを特徴とする遊技機E1又はE3の遊技機。
遊技機E4では、第2演出ボタンが遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、操作体を操作している右手のみで演出ボタンの操作を円滑に行うことができる。なお、第2演出ボタンとせずに、操作体にのみに演出ボタンを設けることも可能である。また、必ずしもボタンとする必要はなく、複数の方向への操作が可能なレバー、トラックボール、タッチパッドなどによる演出操作手段としてもよい。
遊技機E5は、前記操作体に、前記操作手段として遊技球の発射を一時停止させる停止スイッチと、遊技機における操作又は制御をする他の操作手段とをそれぞれ設けた、ことを特徴とする遊技機E2又はE3の遊技機。
遊技機E5では、停止スイッチと他の操作手段が遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、操作体を操作している右手のみで遊技球の発射を一時停止させることができ、更にその他の操作、制御も円滑に行うことができる。
特に、遊技者がこの操作体に手指を掛け、これを回転させている状態でも、停止スイッチ(操作手段)が操作体と共に回転しているので、親指の位置を変えることなく停止スイッチの操作で遊技機における操作又は制御を円滑に行うことができる。そこで、操作体の微調整を維持でき、再度遊技球を発射させるときにも同じ初速度で再開することができ、遊技球の一時停止による遊技の興味が削がれることを防止できる。
遊技機E6は、前記操作体に、前記停止スイッチと、前記他の操作手段として遊技機における演出効果を制御する第2演出ボタンとをそれぞれ設けた、ことを特徴とする遊技機E5の遊技機。
遊技機E6では、停止スイッチ以外に第2演出ボタンが遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、操作体を操作している右手のみで遊技球の発射を一時停止させることができ、さらに第2演出ボタンの操作も円滑に行うことができる。
遊技機E7は、前記操作体は、略円形状の回転体からなり、該回転体の周囲に親指を掛ける指掛け部、人差し指または中指を掛ける指掛け部、中指または薬指を掛ける指掛け部をこの順番で隣接し、かつ隙間を空けて備えた回転操作体であり、
前記回転操作体の親指を掛ける指掛け部の左側に、親指が位置する隙間を空けて、前記第2演出ボタンを、該第2演出ボタンに隣接して前記停止スイッチをそれぞれ設けた、ことを特徴とする遊技機E6の遊技機。
遊技機E7では、回転操作体の親指を掛ける指掛け部の左側に、親指が位置する隙間を空けているので、親指を安定した状態で回転操作体に掛けとめることができる。また、遊技機における演出効果を制御する第2演出ボタンと、停止スイッチもこの親指で容易に操作できる範囲内にそれぞれ取り付けられているので、遊技者がこの操作体に手指を掛け、これを調整している状態でも、第2演出ボタンと停止スイッチとが回転操作体と共に移動しているので、親指の位置を変えることなく両者を容易に操作することができる。
これら遊技機E5、E6、E7のようには、操作体に操作手段として停止スイッチを設けた構成では、遊技者がこの操作体に手指を掛け、これを回転させている状態でも、この停止スイッチが操作体と共に回転しているので、親指の位置を変えることなく停止スイッチの操作で遊技機における操作又は制御を円滑に行うことができる。そこで、操作体の微調整を維持でき、再度遊技球を発射させるときにも同じ初速度で再開することができ、遊技球の一時停止による遊技の興味が削がれることを防止できる。
遊技機E8は、前記操作手段は、上皿に貯留した遊技球を下流側に落下させる第2上皿球抜きスイッチである、ことを特徴とする遊技機E1、E2、E3又はE5の遊技機。
遊技機E9は、前記操作手段は、下皿に貯留した遊技球を外部に排出させる第2下皿球抜きスイッチである、ことを特徴とする遊技機E1、E2、E3又はE5の遊技機。
遊技機E8、遊技機E9では、第2上皿球抜きスイッチ、第2下皿球抜きスイッチが遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、操作体を操作している右手のみで上皿又は下皿に貯留した遊技球を容易に下流に落下させることができる。
遊技機E10は、前記操作手段は、遊技球を補充する際に差し込んだCRカードを返却するための第2カード返却ボタンである、ことを特徴とする遊技機E1、E2、E3又はE5の遊技機。
遊技機E11は、前記操作手段は、上皿に遊技球を補充する第2球貸しボタンである、ことを特徴とする遊技機E1、E2、E3又はE5の遊技機。
遊技機E10、遊技機E11では、第2カード返却ボタン、第2球貸しボタンが遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、操作体を操作している右手のみで遊技球を補充する際に差し込んだCRカードを返却でき、または上皿に遊技球を補充することができる。
遊技機E12は、前記操作手段は、遊技機の外部に信号を出力する端子のON/OFFを切り換え、この信号をホール側が受信して、ホールの店員を遊技者が呼び出す第2呼び出しボタンである、ことを特徴とする遊技機E1、E2、E3又はE5の遊技機。
遊技機E12では、第2呼び出しボタンが遊技球の発射位置を調整する操作体に組み込まれた構造になり、遊技中に左手を使用している際にも、操作体を操作している右手のみでホールの店員を呼び出すことができる。
遊技機10、A1〜A8、B1〜B14、C1〜C6、D1〜D8、E1〜E12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機10、A1〜A8、B1〜B14、C1〜C6、D1〜D8、E1〜E12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中
でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機10、A1〜A8、B1〜B14、C1〜C6、D1〜D8、E1〜E12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。