JP2012108968A - 記録ヘッドの製造方法、記録ヘッド及び情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1クラッド24aを形成する第1クラッド形成工程と、第1クラッド24a上にコア23の母材を形成するコア形成工程と、コア23の母材における下端面23b上に散乱体27の母材を形成する散乱体形成工程と、コア23の母材、及び散乱体27の母材をパターニングして、コア23及び散乱体27を同一工程で一括してパターニングして、コア23及び散乱体27を形成するパターニング工程と、散乱体27のみをエッチングして、散乱体27の外形形状を調整する調整工程と、第1クラッド24aとの間でコア23を挟み込むように、第2クラッド24bを形成する第2クラッド形成工程と、を有していることを特徴とする。
【選択図】図17
Description
特に、近接場光を利用する場合には、従来の光学系において限界とされていた光の波長以下となる領域における光学情報を扱うことが可能となる。よって、従来の光情報記録再生装置等を超える記録ビットの高密度化を図ることができる。
特許文献1に記載の記録ヘッドは、主磁極及び補助磁極を有する記録素子と、照射されたレーザ光から近接場光を発生させる近接場光発生素子と、を主に備えている。
また、近接場光発生素子は、レーザ光を反射させながら伝播させるコア、及びコアに密着してコアを封止するクラッドを有する光束伝播素子と、コアにおけるレーザ光の出射側端面に配置されコアよりも屈折率が低い低屈折率部と、低屈折率部における出射側端面に配置されレーザ光から近接場光を発生させる散乱体と、を備えている。
これにより、保磁力が一時的に低下した磁気記録層に各種の情報を記録することができる。つまり、近接場光の熱アシストと磁場との協働により、ディスクへの記録を行うことができる。
ここで、コアや散乱体は非常に微細なパターンであるため、それぞれの位置合わせが難しいという問題がある。この場合、特に、レーザ光の伝播方向に直交する方向(コアの出射側端面上)におけるコアと散乱体との相対位置の位置合わせが難しい。そして、散乱体とコアとが位置ずれした場合には、コアを伝播してきたレーザ光が散乱体に入射せずにコアから漏れてしまい、近接場光の発生効率が低下するという問題がある。
本発明に係る記録ヘッドの製造方法は、先端側が一定方向に回転する磁気記録媒体側に向けて配設され、基端側から入射された光束を前記先端側に向けて伝播させる光束伝播素子と、前記光束伝播素子の先端面上に配置され、前記光束から前記磁気記録媒体側に近接場光を発生させる散乱体と、を有し、前記磁気記録媒体を前記近接場光によって加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えて磁化反転を生じさせ情報を記録させる記録ヘッドの製造方法であって、前記光束伝播素子は、前記光束を反射させながら前記先端側へ導くコアと、前記コアを挟み込むように封止する第1クラッド及び第2クラッドと、を有し、前記第1クラッドを形成する第1クラッド形成工程と、前記第1クラッド上に前記コアの母材を形成するコア形成工程と、前記コアの母材における前記先端面上に前記散乱体の母材を形成する散乱体形成工程と、前記コアの母材、及び前記散乱体の母材をパターニングして、前記コア及び前記散乱体を形成するパターニング工程と、少なくとも前記散乱体をエッチングして、前記散乱体の外形形状を調整する調整工程と、前記第1クラッドとの間で前記コアを挟み込むように、前記第2クラッドを形成する第2クラッド形成工程と、を有していることを特徴としている。
これにより、コアの先端側まで伝播した光束を散乱体に向けて効果的に入射させることができるので、近接場光の発生効率を向上させることができる。
この構成によれば、パターニング工程において、コアの母材と散乱体の母材とを一括してパターニングすることで、光束の伝播方向に直交する方向でのコアと散乱体との相対位置をより精度良く位置決めできる。
この構成によれば、コアと散乱体との光束の伝播方向に直交する方向での相対位置を保持した状態で、散乱体を所望の外形状に形成することができる。これにより、散乱体に向けてより効率的に光束を入射させることができる。
この構成によれば、散乱体を覆うように犠牲層を形成することで、後のパターニング工程において散乱体を保護することができる。そのため、散乱体が基端側から先端側に沿う光束の伝播方向に沿ってパターニングされるのを防止できる。これにより、散乱体の前記伝播方向における長さ(厚さ)を確保できる。
この構成によれば、犠牲層とコアの母材とを同一材料で形成することで、パターニング工程において犠牲層とコアの母材とを同じ速度でパターニングすることができる。
この構成によれば、散乱体近傍の材料中に発生する分極の大きさを小さくすることができ、その結果、散乱体中に発生する近接場光強度を大きくすることができる。
この構成によれば、第1パターニング工程でパターニングしたコア及び散乱体の母材に対して第2パターニングを施すことで、コア及び散乱体の母材の角部が選択的にエッチングされて斜面が形成される。そして、この状態でさらにエッチングを続けると、斜面が底面に対して一定の角度を保ちながらエッチングされる。これにより、伝播方向から見て任意の幅や高さにコア及び散乱体を形成することができる。
この構成によれば、上記本発明の記録ヘッドの製造方法を用いることで、コアと散乱体との伝播方向に直交する方向での相対位置を所望の位置関係に設定できる。これにより、コアを伝播してきた光束を効果的に散乱体に入射させることができ、近接場光の発生効率を向上できる。
この構成によれば、上記本発明の記録ヘッドを備えているので、上述した熱揺らぎ現象等の影響を抑制して、安定した記録を行うことができる。よって、記録ヘッド自体の書き込みの信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
本発明に係る情報記録再生装置によれば、上述した熱揺らぎ現象等の影響を抑制して、安定した記録を行うことができる。よって、書き込みの信頼性が高く、高密度記録化に対応することができ、高品質化を図ることができる。
なお、本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層d2を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、近接場光Rと記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式によりディスクDに記録再生を行う装置である(図5参照)。
(情報記録再生装置)
図1は情報記録再生装置の構成図である。
本実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、キャリッジ11と、キャリッジ11の先端側に支持されたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)12と、ヘッドジンバルアセンブリ12をディスク面D1(ディスクDの表面)に平行なXY方向に向けてスキャン移動させるアクチュエータ5と、ディスクDを所定の方向に向けて回転させるスピンドルモータ6と、情報に応じて変調した電流をヘッドジンバルアセンブリ12の記録再生ヘッド(記録ヘッド)2に対して供給する制御部8と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
基部15は、直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10まわりを回動可能に支持されている。つまり、基部15はピボット軸10を介してアクチュエータ5に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ11の回転中心となっている。
ヘッドジンバルアセンブリ12は、後述する近接場光発生素子(光束伝播素子)26を有する近接場光ヘッドである記録再生ヘッド2を支持するものである。
図2〜図5に示すように、本実施形態のヘッドジンバルアセンブリ12は、上述した記録再生ヘッド2をディスクDから浮上させる機能を有しており、記録再生ヘッド2と、金属性材料により薄い板状に形成され、ディスク面D1に平行なXY方向に移動可能なサスペンション3と、記録再生ヘッド2を、ディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態、すなわち2軸を中心として捻れることができるようにサスペンション3の下面に固定させるジンバル手段16と、を備えている。
図2〜図4に示すように、上述したサスペンション3は、上面視略四角状に形成されたベースプレート51と、ベースプレート51の先端側にヒンジ板52を介して連結された平面視略三角状のロードビーム53と、で構成されている。
ベースプレート51の下面には、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のヒンジ板52が配置されている。このヒンジ板52は、ベースプレート51の下面の全面に亘って形成された平板状の板材であり、その先端部分はベースプレート51の先端からベースプレート51の長手方向に沿って延出する延出部52aとして形成されている。この延出部52aは、ヒンジ板52の幅方向両端部から2本延出しており、その先端部分にロードビーム53が連結されている。
これにより、サスペンション3は、ベースプレート51とロードビーム53との間を中心に屈曲して、ディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓み易くなっている。
このフレクシャ54は、ステンレス等の金属材料により形成されたシート状のものであり、シート状に形成されることで厚さ方向に撓み変形可能に構成されている。また、このフレクシャ54は、ロードビーム53の先端側に固定され、外形が上面視略五角形状に形成されたジンバル17と、ジンバル17より幅狭に形成され、ジンバル17の基端からサスペンション3上に沿って延在する支持体18とで構成されている。
つまり、このパッド部17bは、連結部17aによってジンバル17の先端側から基端側に向けて張出し形成されており、その周囲に切欠部59を備えている。
つまり、突起部19は、ジンバル17のパッド部17bを介して、記録再生ヘッド2を支持するとともに、ディスク面D1に向けて(Z方向に向けて)記録再生ヘッド2に荷重を付与するようになっている。
なお、これら突起部19とパッド部17bを有するジンバル17とが、ジンバル手段16を構成している。
図6は記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図である。
記録再生ヘッド2は、ディスクDとサスペンション3との間に配置された状態で、サスペンション3の下面に後述するジンバル17を挟んで支持されている。
具体的に、記録再生ヘッド2は、図5,図6に示すように、レーザ光Lから生成した近接場光Rを利用して回転するディスクDに各種の情報を記録再生するヘッドである。記録再生ヘッド2は、ディスク面D1から所定距離Hだけ浮上した状態でディスクDに対向配置されたスライダ20と、ディスクDに情報を記録する記録素子21と、ディスクDに記録されている情報を再生する再生素子22と、レーザ光Lを集光しながら伝播するとともに、近接場光Rに生成した後に外部に発する近接場光発生素子26と、近接場光発生素子26に向けてレーザ光Lを出射するレーザ光源29と、を備えている。
なお、ディスクDの回転に伴って生じる空気流は、スライダ20の流入端側(サスペンション3のX方向基端側)から流入した後、ABS20cに沿って流れ、スライダ20の流出端側(サスペンション3のX方向先端側)から抜けている。
以下、スライダ20の流入端側(リーディングエッジ側)、つまり図5におけるX方向右側を「後方」とし、スライダ20の流出端側(トレイリングエッジ側)、つまり図5におけるX方向左側を「前方」とする。また、記録再生ヘッド2に対してディスク面D1側、つまり図5におけるZ方向下側を「下方」とし、その反対側、つまり図5におけるZ方向上側を「上方」とする。
また、ゲルマニウムをドープした石英でコア23を形成し、石英(SiO2)でクラッド24を形成する組み合わせも考えられる。この場合には、レーザ光Lの波長が400nmのときに、コア23の屈折率が1.47より大きくなり、クラッド24の屈折率が1.47となるのでやはり好ましい組み合わせである。
特に、コア23とクラッド24との屈折率差が大きいほど、コア23内にレーザ光Lを閉じ込める力が大きくなるので、コア23に酸化タンタル(Ta2O5:波長が550nmのときに屈折率が2.16)を用い、クラッド24に石英やアルミナ(Al2O3)等を用いて、両者の屈折率差を大きくすることがより好ましい。また、赤外領域のレーザ光Lを利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコン(Si:屈折率が約4)でコア23を形成することも有効である。
図6,図7に示すように、低屈折率部25は、コア23の下端面23bに密着して設けられている。低屈折率部25は、コア23よりも屈折率の低い材料からなり、本実施形態ではクラッド24と同一材料により構成されている。なお、低屈折率部25の厚さ(Z方向における厚さ)は、コア23が散乱体27に接しないように、散乱体27の厚さよりも厚く形成するのが好ましい。一方で、低屈折率部25が厚過ぎると、コア23から伝播したレーザ光Lが散乱体27に到達する前に拡散してしまうので、低屈折率部25の厚さは低屈折率部25を伝播するレーザ光Lの波長よりも小さくするのが好ましい。
つまり、スライダ20の前端面20dから前方に向かって、主磁極33、磁気回路32及びコイル34、補助磁極31の順で並べて配置されている。
基板d1としては、例えば、アルミ基板やガラス基板等である。軟磁性層d3は、高透磁率層である。中間層d4は、垂直記録層d2の結晶制御層である。垂直記録層d2は、垂直異方性磁性層となっており、例えばCoCrPt系合金が使用される。保護層d5は、垂直記録層d2を保護するためのもので、例えばDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜が使用される。潤滑層d6は、例えば、フッ素系の液体潤滑材が使用される。
制御部8とターミナル基板55とは、可撓性を有するフラットケーブル4により電気的に接続されている一方、ターミナル基板55と記録再生ヘッド2とは、電気配線56により接続されている。この電気配線56は、各キャリッジ11毎に設けられた記録再生ヘッド2に対応して3組設けられており、フラットケーブル4を介して制御部8から出力された信号に情報に応じて変調した電流が、電気配線56を介して記録再生ヘッド2に供給されるようになっている。
具体的に、第1電気配線57は、電気配線56の先端側における分岐地点において、ジンバル17の外周部分に向けて屈曲されており、ジンバル17の外周部分(切欠部59の外側)から引き回されている。そして、切欠部59の外側から引き回された第1電気配線57は、連結部17a上を通って記録再生ヘッド2の前端面側に接続されている。すなわち、第1電気配線57は、スライダ20の前端面20d側に設けられた再生素子22と記録素子21とのそれぞれに対して、記録再生ヘッド2の外部から接続されている。
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する場合について以下に説明する。
まず、図1に示すように、スピンドルモータ6を駆動させてディスクDを一定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ5を作動させて、キャリッジ11を介してサスペンション3をXY方向にスキャンさせる。これにより、ディスクD上の所望する位置に記録再生ヘッド2を位置させることができる。この際、記録再生ヘッド2は、スライダ20の対向面20aに形成された2つの凸条部20bによって浮上する力を受けるとともに、サスペンション3等によってディスクD側に所定の力で押さえ付けられる。記録再生ヘッド2は、この両者の力のバランスによって、図2に示すようにディスクD上から所定距離H離間した位置に浮上する。
ここで、情報の記録を行う場合、図8に示すように、制御部8はレーザ光源29を作動させてレーザ光Lを出射させるとともに、情報に応じて変調した電流をコイル34に供給して記録素子21を作動させる。
まず、レーザ光源29からレーザ光Lを出射し、このレーザ光Lをコア23の上端面23aからコア23内に入射させる。コア23内を伝播するレーザ光Lは、ディスクD側に位置する下端側に向かってコア23とクラッド24との間で全反射を繰り返しながら伝播する。特に、コア23の側面にはクラッド24が密着しているので、コア23の外部に光が漏れることはない。よって、導入されたレーザ光Lを無駄にすることなく絞りながら下端側に伝播させることができる。
次に、上述した近接場光発生素子26を有する記録再生ヘッド2の製造方法について説明する。図9〜図17は近接場光発生素子の製造方法を説明するための工程図であって、(a)は図6に相当する断面図であり、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。また、以下の説明では、記録再生ヘッド2の製造工程のうち、主として近接場光発生素子の製造工程について具体的に説明する。
まず図9に示すように、スライダ(基板)20の前端面20d(図9中上面)上に再生素子22(図6参照)を形成し、その後、再生素子22上に近接場光発生素子26を形成する。具体的には、まず再生素子22上にクラッド24のうち、第1クラッド24aを形成する(第1クラッド形成工程)。
次に、第1クラッド24a上にコア23を形成する(コア形成工程)。具体的に、第1クラッド24a上の全域にコア23の母材を形成した後、パターニングしてコア23における下端面23b(Z方向における出射側端面)の位置出しを行う。
以上により、本実施形態の近接場光発生素子26が完成する。その後、近接場光発生素子26上に記録素子21を形成することで、近接場光発生素子26を有する記録再生ヘッド2が完成する。
この構成によれば、特にコア23と散乱体27とのXY方向における相対位置を精度良く位置決めできる。すなわち、Z方向から見てコア23の下端面23b上に散乱体27が配置されることになる。
これにより、例えば、コア23と散乱体27とをそれぞれ別工程でパターニングする場合と異なり、散乱体27とコア23とを精度良く位置決めすることができる。よって、コア23の下端側まで伝播したレーザ光Lを散乱体27に向けて効果的に入射させることができるので、近接場光Rの発生効率を向上させることができる。
また、本発明の情報記録再生装置1は、上述した記録再生ヘッド2を備えているので、上述した熱揺らぎ現象等の影響を抑制して、安定した記録を行うことができる。よって、情報の記録再生を正確且つ高密度に行うことができ、高品質化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図18は第2実施形態における近接場光発生素子の底面図である。
図18に示すように、本実施形態の近接場光発生素子26は、コア23が三角柱形状に形成されている点で上述した第1実施形態と相違している。具体的に、本実施形態のコア23は、Z方向から見た外形形状が散乱体27よりも大きい三角形状に形成されている。そして、コア23の下端面23bにはZ方向から見てコア23と同形状に形成された低屈折率部25が形成され、その下端面に散乱体27が配置されている。
本実施形態では、図19に示すように、第1パターニング工程を経た積層体61の角部をエッチングする(第2パターニング工程)。具体的に、例えばアルゴン(Ar)等のプラズマ中で積層体61をスパッタエッチングする。第2パターニング工程において、断面矩形状の積層体61をスパッタエッチングすると、積層体61の各角部が選択的にエッチングされて斜面が形成される。そして、この状態でエッチングを続けると、斜面が底面に対して一定の角度を保ちながらエッチングされる。
その後、第1実施形態と同様の工程を経ることで、上述した本実施形態の近接場光発生素子26を形成できる。
また、散乱体27を覆うように犠牲層60を形成することで、第2パターニング工程において散乱体27を保護することができる。そのため、散乱体27のZ方向における角部がエッチングされるのを防止できる。なお、本実施形態では、第1パターニング工程において積層体61に対して垂直エッチングを行い、第2パターニング工程において積層体61の角部を除去する傾斜エッチングを行うことで、三角柱形状の近接場光発生素子26を形成した。しかしながら、これに限らず積層体61に対して一回のエッチングで三角柱形状の近接場光発生素子26を形成しても構わない。
例えば、上述の実施形態では、記録再生ヘッド2を浮上させた空気浮上タイプの情報記録再生装置1を例に挙げて説明したが、この場合に限られず、ディスク面D1に対向配置されていればディスクDと記録再生ヘッド2とが接触していても構わない。つまり、本発明の記録再生ヘッド2は、コンタクトスライダタイプの記録再生ヘッドであっても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
さらに、散乱体27とコア23とのXY方向における相対位置は、適宜設計変更が可能である。このような場合には、低屈折率部形成工程で第1クラッド24a上に形成された低屈折率部25のY方向における厚さを調整したり、調整工程におけるエッチング量を調整したりすることで、コア23に対する散乱体27のXY方向における相対位置を調整できる。この場合、上述した実施形態では、Z方向から見てコア23よりも内側に散乱体27を形成した場合について説明したが、コア23よりも外側に散乱体27の一部が突出するように形成しても構わない。
また、スライダ20の上面側にレーザ光源29を直接搭載せずに、レーザ光源29から出射されるレーザ光Lを、光導波路を介して近接場光発生素子26(コア23)に入射させる構成にしても構わない。
Claims (9)
- 先端側が一定方向に回転する磁気記録媒体側に向けて配設され、基端側から入射された光束を前記先端側に向けて伝播させる光束伝播素子と、
前記光束伝播素子の先端面上に配置され、前記光束から前記磁気記録媒体側に近接場光を発生させる散乱体と、を有し、
前記磁気記録媒体を前記近接場光によって加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えて磁化反転を生じさせ情報を記録させる記録ヘッドの製造方法であって、
前記光束伝播素子は、前記光束を反射させながら前記先端側へ導くコアと、前記コアを挟み込むように封止する第1クラッド及び第2クラッドと、を有し、
前記第1クラッドを形成する第1クラッド形成工程と、
前記第1クラッド上に前記コアの母材を形成するコア形成工程と、
前記コアの母材における前記先端面上に前記散乱体の母材を形成する散乱体形成工程と、
前記コアの母材、及び前記散乱体の母材をパターニングして、前記コア及び前記散乱体を形成するパターニング工程と、
少なくとも前記散乱体をエッチングして、前記散乱体の外形形状を調整する調整工程と、
前記第1クラッドとの間で前記コアを挟み込むように、前記第2クラッドを形成する第2クラッド形成工程と、を有していることを特徴とする記録ヘッドの製造方法。 - 前記パターニング工程では、前記コアの母材、及び前記散乱体の母材を同一工程で一括してパターニングを行うことを特徴とする請求項1記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記調整工程では、前記散乱体のみをエッチングすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記パターニング工程に先立って、前記散乱体の前記先端面上を覆うように犠牲層を形成する犠牲層形成工程を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記犠牲層は、前記コアの母材と同一材料により構成されていることを特徴とする請求項4記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記散乱体形成工程に先立って、前記コアの母材における前記先端側に、前記コアよりも屈折率の低い低屈折率部を形成する低屈折率部形成工程を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記パターニング工程では、第1パターニング工程及び第2パターニング工程を有し、
前記第1パターニング工程では、前記コア及び前記散乱体の母材を、前記第1クラッドに向けてエッチングし、
前記第2パターニング工程では、前記コア及び前記散乱体の母材の角部をエッチングすることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の記録ヘッドの製造方法。 - 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の記録ヘッドの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする記録ヘッド。
- 請求項8記載の記録ヘッドと、
前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に移動可能とされ、前記磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに回動自在な状態で前記記録ヘッドを先端側で支持するサスペンションと、
前記サスペンションの基端側を支持するとともに、前記サスペンションを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、
前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、
前記記録素子及び前記光源の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
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