JP2012107524A - 自力回転する回転体から推進力を得る装置 - Google Patents

自力回転する回転体から推進力を得る装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来,飛翔体を含む移動体は,作用反作用の法則を利用し,質量物に後方への運動量を与える,という共通の方法によって推進力を得ている。そのため,飛行機にあっては高度と速度に限界があり,ロケットにあってはコストと安全性,および推進力や継続時間に問題がある。
【解決手段】自力回転する回転体Hの回転軸GをアームFに固定し,アームFが支持部材Eに連結されて自由に旋回でき,支持部材Eが回転軸Aに固着された装置において,回転軸Aを回転させて遠心力を生じた状態のもとで,回転体Hを自力回転させ,さらに自力回転の向きを調整すると,回転軸Aの延長方向へ連続した直進加速力が生じる。この装置によれば,後方への運動量を与えるための質量物を必要とせず,装置内のモーターを回転させる電気エネルギーのみによって,一方向に向けた推進力を得ることができる。
【選択図】図8

Description

この発明は,自力回転する回転体を含んで閉鎖系を構成し,閉鎖系内の運動のみによって,推進力を得る装置に関する。
従来,バランスしながら直立する機器においては,重心移動や方向調整など,地面の抵抗に頼って姿勢を保持し,また船舶においては,スクリューに対する海水の抵抗によって推進力を得,また地上走行する車両においては,路面からの抵抗によって推進力を得ている。一方,飛翔体が推進力を得るに際しては,プロペラ飛行機においては空気を,ジェット飛行機においては空気と燃焼剤との燃焼による燃焼ガスを,化学燃焼ロケットにおいては酸化剤と燃焼剤との燃焼による燃焼ガスを,電気推進ロケットにおいては帯電粒子を,機体後方に送り出すことによって,すなわち質量物に後方への運動量を与えることによって前方への運動量を得る,という共通の方法によっている。
飛翔体が推進力を得る方法に関しては,上記した従来技術のほか,磁気エネルギーによって空間の歪みを作り出して推進力を得る装置(特許文献1参照),あるいは閉鎖系内で重錘に遠心力を作用させることによって推進力を得るいくつかの装置も提案されている(例えば,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5参照)。
特許−2936858号公報
特開平06−101623号公報 特開平11−107905号公報 特開2002−349421号公報 特開2006−46309号公報
二足歩行する自律ロボットが重心移動によって直立姿勢を保持しようとする場合,動態的な数値計算,および連動する作動モーターの制御が複雑にならざるを得ない。さらに一輪車や二輪車をロボット化した上で,自律的に前進させるためには,習熟した人間による微妙な方向調整に匹敵する計算や制御が必要である。
船舶をスクリューによって推進させる場合,達成できる速度に限界があり,また舵による方向転換には船体の進行状態が必要なため,特に大型船において,離岸時や着岸時に別途の手間と労力が要求される。さらに所在の秘匿を優先事とする潜水艦には機械音の静謐化が求められるが,スクリュー音を完全に無音化することは不可能である。
地上走行する車両が推進力を得る場合,動力源と接地面との間に,ギア,シャフト等の中間的な機構が介在しなければならない。また舗装路面,凍結路面,雪原,砂礫地,泥湿地など,走行路面の抵抗の様態が異なる場合,車輪等の車体支持機構は走行路面に応じた個別の形態を備えなければならない。
プロペラ飛行機においては,レシプロエンジンを稼動させるために一定の空気密度が必要であり,またプロペラの力学的作用によって外界の空気に運動量を与えるため,到達し得る高度と速度に技術的な上限がある。レシプロエンジンに比してジェットエンジンはより上空をより高速で飛翔できるものの,燃焼のための酸化剤を外界の空気に依存する以上,一定の空気密度が得られる一定高度に飛翔空間が限られる。
地上から宇宙空間までを往還するスペースプレーンの推進力としてラムジェットおよびスクラムジェットの方式が検討されてきたが,酸化剤としての空気を必要とする点では従来のジェットエンジンと異ならず,むしろ低高度域と高高度域においては従来のジェットエンジンやロケットエンジンとの組み合わせが必要となる点に不利がある。
化学燃焼ロケットは,酸化剤と燃焼剤を大量に搭載しなければならず,安全性や安定性が他の飛翔方式よりも劣る。また稼働時間が短いため,衛星軌道到達後は等速運動による慣性航行を前提とせざるを得ず,有人の惑星間航行を計画する場合,宇宙線被曝や無重力環境下での閉所生活を,年単位の長期間にわたって搭乗員に強いなければならない。
電気推進ロケットは,化学燃焼ロケットに比して稼働時間こそ長いものの,出力が極端に微弱であるため,重量物を地上から衛星軌道まで打ち上げるための運搬手段としてはもちろん,惑星間有人宇宙船の推進手段としても,不十分である。
磁気エネルギーによって空間の歪みを作り出して推進力を得る装置においては,前提となる技術が未整備と思われ,近い将来において発明の効果が現実化するかは疑問である。さらに,重錘に遠心力を作用させる推進装置はいずれも審査未請求,もしくは拒絶査定が確定済みであり,解決手段の妥当性,効果の現実性について論及することは困難である。
そこで本発明では,地面や海水や空気など,推進力を得るための抵抗物質を必要とせず,また,飛翔行程で消尽される酸化剤や燃焼剤も搭載せず,閉鎖系内の機械的な運動と,その運動を起動・継続するための電気エネルギーのみによって,十分に実用的な大きさの推進力を,長時間かつ継続的に得る装置を,現在実施可能な技術構成によって提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を,図1〜3を参照しながら具体的に示す。図1は本発明の基本的な構成を示したものである。まず,
(あ)水平面上の任意の一定方向に伸びる直線aと,
(い)直線aを含んで鉛直方向に伸びる平面bと,
(う)平面bに下ろした垂線の足を直線a上に持ち,かつ直線aとの距離を一定に保ちながら自由に移動可能な点c,および,平面bに関してつねに点cと対称になる点c’と,
(え)点cを含んで平面bと平行する鉛直平面上にあって,点cからの距離を一定に保ちながら,点cを中心として自由に回転できる点d,および,平面bに関してつねに点dと対称になる点d’と,
を空間内に置き,これを基にして,
(お)点cと点c’とを支持する支持部材eと,
(か)支持部材eを支持し,直線aの方向に自由に水平移動可能な支持機構と,
(き)点cで支持部材eに連結して点dまで伸び,点cを中心として自由に旋回できるアームf,および,点c’で支持部材eに連結して点d’まで伸び,点c’を中心として自由に旋回できるアームf’と,
(く)点dにおいてアームfに,点d’においてアームf’に固定され,つねに平面bと直交し,回転体の抵抗となるのみで自らは回転しない回転軸gと,
(け)質量を持ち,回転軸gの抵抗によって自力回転する回転体hと,
から構成された装置を第一推進体と呼ぶこととする。
ここで,回転軸gの抵抗による回転体hの自力回転について,図2を参照しながら説明する。図2のイに示すように,点cと点dとを結ぶアームfから回転軸gまでは一体をなしているが,回転軸gと回転体hは互いに接するのみで,両者間の摩擦も無視し得るものとする。
このようにして構成された回転体が自力回転する方法例を,図2のロに示す。モーター1,およびこれと同形・同出力のモーター2を,連結機構3で支持しつつ,連結機構3が回転軸gを中心として自由に回転できるようにした上で,モーター1,モーター2,および連結機構3を一体として回転体hとみなす。そしてモーター1の回転軸に取り付けたローラー4と,モーター2の回転軸に取り付けたローラー5とを回転軸gに接触させた状態で,モーター1とモーター2を同時に時計回りに回転させれば,回転軸gの抵抗によって,回転体hは時計回りに自力回転する。
他の方法例として,直流モーターを改変して用いるものもある。一般的な直流モーターにおいては,一体となった永久磁石,ブラシおよびモーター容器の内側で,一体となった回転軸,整流子,および回転子が回転する。したがって,永久磁石,ブラシおよびモーター容器を一体化させて回転体hとみなし,さらに回転軸gとモーターの回転軸を一体化させた上で,接触子等を通じてブラシに電流を流せば,回転軸gの抵抗によって,回転体hが自力回転する。
次に,請求項1,請求項2,請求項3,および請求項8に記載する発明において,重力のみが回転体hに作用する結果,アームfが重力の方向を向いている状態を,第一初期状態と定義する。図1に示した第一推進体は第一初期状態にある。
上記定義のもとで,請求項1の発明についての説明を続ける。視線を平面bと直交させ,第一推進体を,点c’の側からでなく,点cの側から見ることとして,まず,第一初期状態にある回転体hを時計回りに回転させると,回転の反作用が働いて,アームfが反時計回りに旋回し始める。回転体hの回転が続く間,アームfを反時計回りに旋回させようとする力と,回転体hに対する重力が作用し合うため,アームfは反時計回りの旋回から静止状態に至り,やがて時計回りに下降して第一初期状態に戻る。これをゆるやかに行うことによって,第一推進体は起動以前よりも右方向に移動することができる。
上記操作によって第一推進体が起動以前よりも右方向に移動する原理を,図3を参照しながら説明する。なお,段落0019,段落0020,段落0023,段落0025,段落0043,および図3において,簡単のため,直線aと平行な直線を,直線aと表記する。図3のイは,点cが,直線a上の一点にあり,かつ,アームfが,第一初期状態から反時計回りに旋回した後,静止状態に達した瞬間を示している。この時,回転体hの時計回りの回転数は増加しつつあり,その反作用が,点dを反時計回りに動かそうとする力6を生む一方,同じ反作用が点cを力6とは逆向きに押す力6’を生み,力6’は水平方向の分力6’’と,鉛直方向の分力6’’’に分解される。また,重力が回転体hの質量に作用して生じる力7は,点dが軌跡として描く円周iの,点dにおける接線方向への分力8と,アームfの張力と逆方向の分力9に分解され,力6と分力8が釣り合っている。さらに点cに対しては,アームfを介して分力9を平行移動した力10が働き,力10は水平方向の分力11と,鉛直方向の分力12に分解される。一方,点cは支持部材eおよび段落0013の(か)に記載した支持機構により,直線aから逸脱しないように支持されているので,点cを下向きに引っ張る分力6’’’および分力12のいずれに対しても,それぞれに拮抗する上向きの抗力が与えられる。
図3のロに示す通り,アームfが鉛直方向となす角度をθ,回転体hに作用する鉛直方向の力7の大きさをmで表せば,分力9の大きさは,m×cosθで示される。これが力10の大きさと同じであることから,分力11の大きさは,m×sinθ×cosθとなり,これが点cを右向きに引っ張る力となる一方,分力12は直線aから生じる垂直抗力によって打ち消される。
ここで力6の由来を説明するための仮説を提出し,論証によって仮説の合理性を示す。一般に,水平方向に摩擦なく自由に移動でき,重力の作用する空間において一定質量の物体を吊り下げた,質量を持たない点に対し,水平方向に一定加速度を与えるための力は,無重力空間に置かれた同じ質量の物体に対して同じ大きさの加速度を与えるための力に等しいと考えられる。これを換言すれば,上記のような吊り下げ点に水平方向の力が働く場合,吊り下げ点には,慣性抵抗を生む,吊り下げた物体と同じ大きさの仮の質量を考えることができるということであり,これを仮説1と呼ぶ。仮説1の論証は以下の通りである。ブランコに座って鎖を低い位置で掴み,地面に接しないよう脚を板の下で畳む。ブランコをできるだけ静止させた後,鎖を掴んだまま上体を後ろ向きに倒すと,板と体は前方に進み,鎖を掴んだまま倒れた姿勢を維持すればそのまま自然な振り子運動に移行する。通常,ブランコが振り子運動を始めるには予め地面を後ずさって板と体を移動させ,足を浮かせて最初の下降過程に入るが,後ずさる過程と足を浮かせて以後の過程のいずれにおいても,板と体はブランコの支柱と地球との間において,逆向きで同じ大きさの運動量を交換し合っている。しかし上体を倒す漕ぎ方では,支柱と地球の運動量によって板と体の運動量のすべてが相殺されるわけではない。現実の実験では,鎖が直線を保ったまま板と体だけがいきなり鉛直線から前方に動くのではなく,上体を倒すと同時に,まず手で掴んだ鎖の部分が鉛直線よりも後方に,板と体は逆に鉛直線よりも前方に移動し,次に,後ろに傾いた鎖を鉛直に復元するよう重力が働くため,ここで初めて支柱と地球が反動となって傾いた鎖を前方に引っ張るのであるが,手で掴んだ鎖が最初に後方に移動する場面に限れば,反動の役割を果たしたのは支柱と地球ではあり得ない。なぜならば,途中をつなぐものが,引っ張る力だけを持ち,押したり横に払ったりする力を持たない鎖もしくはロープだからである。支柱と地球が反動物でないとすると,鎖の反動となり得るのは板と体しかない。一方,鎖は本来質量物を吊り下げるためのもので,張力さえ確保できればそれ自身の質量は限りなく0に近づけることができる。従来の物理学では,質量0の点が質量物と作用反作用することはできないとされるため,鎖が後方に,板と体が前方に移動する現象を説明できず,従って上体を倒す漕ぎ方でブランコが振り子運動を始められるという事実も説明できない。これに対して仮説1を用いれば,手で掴んだ鎖の部分にはそれより下の板と体を合わせたものと同じ大きさの仮の質量が置かれるため,ただの鎖が真の質量を持つ板と体の反動物となることができ,かつ後者が前者の反動物となることができるため,上体を倒して始める振り子運動を合理的に説明できる。ところで上体をどう倒そうとも支柱にかかる荷重が2倍になるはずはないから,仮説1によって与えられた仮の質量は,水平方向の力に対して質量と同等の慣性抵抗を生むだけで,重力質量がその分だけ増えるとは考えられない。従って鎖が後方へ,板と体が前方へと移動する最初の過程にかぎれば,板と体の重力質量は,支柱と地球との間で運動量の交換を行うことなく単独で前方への運動量を獲得していることになる。換言すれば仮説1に述べる状況は,慣性質量と重力質量が分離する特異条件を示しており,この特異条件が成り立つ間だけ,運動量保存則が破られているのだと考えられる。
仮説1に従えば,m’の力で下方に引っ張られる質量0の台車を摩擦のない水平なレール上に置き,この台車から,自由に旋回できる質量0のアームを伸ばし,アームの先端に,質量mの回転体を取り付けた上で,回転体を自力回転させた場合と,このアームを回転体ごと台車から取り外し,台車と連結していた位置に質量m’の重錘を固着し,これを無重力空間に置いた上で,回転体を自力回転させた場合とにおいて,アームの回転中心は等しく,力のモーメントを考慮すれば,その位置はいずれも,台車と回転体との間を,もしくは重錘と回転体との間を,m:m’に内分する点にある,との考察が得られ,これを仮説2と呼ぶ。
以上を踏まえて,力6の由来を説明する。まず図3のハによって,第一初期状態にある回転体hが,今まさに回転し始めた状態を示す。力13は,点cを下向きに引っ張る力である。図3のハにおいて,アームfに質量を考えなければ,力13の大きさは力7の大きさと等しいから,仮説2より,回転体hの自力回転は,アームfの中間点14を中心とした反時計回りとなり,点cを左向きに引っ張る力15の大きさと,点dを右向きに引っ張る力16の大きさは等しくなる。一方,図3のニは,点cが直線a上の一点にあり,かつ,アームfが第一初期状態から反時計回りに旋回して,鉛直方向との間に一定角度θをなして静止し,かつ,点dには大きさmの力が鉛直方向に加わっている状態を示している。この時,点cに働く力17の大きさは分力9の大きさと等しいから,下式(式1)であり,力17の鉛直方向への分力18の大きさは,下式(式2)である。したがって,仮説2より,この状態におけるアームfの回転は,点cと点dとの間を,下式(式3)の比率で内分する点19を中心とした反時計回りの回転となる。ここで,点cに対して力6と逆向きに作用する力6’を改めて力20とし,その大きさをxで表せば,分力8と力6の大きさはともに,下式(式4)であり,また,回転中心である点19を挟む両側における力のモーメントは,向きは逆ながら大きさが等しいので,下式(式5)が成り立つ。さらに力6’を水平方向に分解した分力6’’を改めて分力21とすれば,その大きさは,下式(式6)で求められ,これが点cを左向きに引っ張っている,と考えられる。
(式1)m×cosθ
(式2)m×cosθ
(式3)m:m×cosθ すなわち 1:cosθ
(式4)m×sinθ
(式5)1×x=cosθ×m×sinθ すなわち x=m×sinθ×cosθ
(式6)m×sinθ×cosθ
以上を総合すると,アームfが反時計回りに一定角度θだけ持ち上がって静止した状態において,点cに対しては,右向きに分力11,左向きに力21が同時に働いており,これを合成すれば,点cに対して右向きに,下式(式7)に示される大きさの力が働いていることになる。この式の値の増減を,θの変化とともに計算によって求めれば,下式(式8)という結果が得られるから,アームfが反時計回りに旋回して,鉛直線との間になす角度が0°より大きく,90°より小さい範囲にある限り,点cには右向き力が働くこと,および,回転体hに作用する力mが大きければ大きいほど,また,アームfが鉛直線となす角度が60°に近ければ近いほど,点cに働く力は大きくなることが分かる。
(式7)
m×sinθ×cosθ−m×sinθ×cosθ
=m×sinθ×cosθ
(式8)
θ=0° のとき値は 0
θ=60° まで単調に増加
θ=60° のとき最大値 m×3×√(3)÷16≒m×0.325
θ=90° まで単調に減少
θ=90° のとき値は 0
ところで,第一初期状態からの初動段階においては,図3のハから分かるように,アームfの旋回の反作用として,点cは直線a上を少し左に移動する。しかし,アームfが反時計回りに持ち上がることによって,点cはやがて直線a上を右方向に移動し始め,この移動が初動段階の左方向への移動分を十分に上回った後に,回転体hの時計回りの回転数の増加をゆるやかにして,アームfをゆるやかに第一初期状態に戻し,そのまま回転体hの回転数を低下させるか,回転体hを空転させるかすれば,運動を停止した第一推進体は起動以前よりも右方向に移動していることになる。
点cを,仮説1に言うところの仮の質量M’なる質点,点dを質量Mなる質点と考えた上で,より簡単な説明をこころみる。仮説2より,質点cと質点dが図3のハの状態にある時,仮の質量と質量それぞれの大きさはM’=Mであるが,アームfが右側に持ち上がっている状態においては M’<Mである。よって起動直後は質点dと質点cは左右に同じ大きさの運動量で移動するものの,アームfが右側に旋回する過程では,質点dの右への運動量は質点cの左への運動量よりも大きくなり,アームfを介して質点dが質点cを右に引っ張ることになる。やがて重力に抗えずアームfが鉛直下に戻る過程では,重力の作用によって,重い質点dが軽い質点cを右側に引っ張る事になる。この結果,第一推進体は右方向に移動するものと考えられる。
次に,請求項2の発明を説明する。第一推進体において,随意に回転軸gの方向を180度転換できる機能を加えた装置を第二推進体と呼ぶこととする。この機能を実現する具体的構成としては,例えば,予め回転軸gの両端を環状の支持リングの内側に接合し,アームf上の点dと,アームf’上の点d’とで支持されながら,該支持リングが自由に回転できるようにした上で,該支持リングを随意に半回転させる方式,あるいは,支持部材eを上辺,アームfおよびアームf’のそれぞれを延長したものを側辺,両側辺の下端を結んだものを下辺,とする支持枠と,該支持枠の内側に,回転軸gの両端を固定した連結部材とを設け,該支持枠上辺の中間点と該支持枠下辺の中間点とに軸受を設けて該連結部材の回転軸を支持した上で,該連結部材を随意に半回転させる方式,などが考えられる。
第二推進体において,点cの側から見て,まず,第一初期状態にある回転体hを時計回りに回転させ,この回転の反作用によって,アームfが反時計回りに旋回し始めると同時に,回転体hの回転数の増加量を調節して,アームfが反時計回りに持ち上がった状態を十分に維持する。その後すみやかに,回転軸gの向きを180度転換するとともに,この方向転換にともなって回転の向きが反時計回りとなった回転体hを時計回りに逆回転させると,回転の反作用が途切れて重力の方向に戻ろうとするアームfが再び反時計回りに旋回し始める。これと同時に,回転体hの回転数の増加量を調節して,アームfが反時計回りに持ち上がった状態を十分に維持する。以後同様に,回転軸gの180度の方向転換と回転体hの時計回りへの逆回転,アームfが反時計回りに持ち上がった状態を十分に維持した後での,回転軸gの180度の方向転換と回転体hの時計回りへの逆回転,という操作を繰り返すことによって,第二推進体に対して右方向への推進力を連続して与えることができる。
次に,請求項3の発明を説明する。図4に示すように,第一推進体の各要素に加え,点dが軌跡として描く円周i上に,点j,および点kを置き,点cの側から見て,点kが点jより上側に,かつ右側に見える状態で固定した装置を第三推進体と呼ぶこととする。
第三推進体において,まず,第一初期状態にある回転体hを時計回りに回転させる。この回転の反作用によって円周i上を反時計回りに移動する点dが点kに達した時点で,今度は回転体hの回転を反時計回りに切換える。次に,逆回転の反作用によって円周i上を時計回りに移動する点dが点jに達した時点で,回転体hの回転を時計回りに切換える。以後同様に,点dが反時計回りに移動して点kに達した時点で回転体hの回転を反時計回りに切換え,点dが時計回りに移動して点jに達した時点で回転体hの回転を時計回りに切換える,という操作を繰り返す。以上の過程を総合すると,点cの側から見たアームfの旋回範囲は,円周iの全周のうち,右下側に偏るため,第一推進体の右方向への推進と同様の効果が働いて,第三推進体に対して右方向への推進力を連続して与えることができる。
次に,請求項4の発明を説明する。図5に示すように,まず,
(こ)位置と方向とを任意に定めることができる線分22を含み,線分22を軸として回転する平面Bと,
(さ)線分22に下ろした垂線の足を線分22上の定点にもち,かつ平面Bに下ろした垂線の足を平面B上の定点に持つ点C,および,平面Bに関して点Cと対称になる点C’と,
(し)点Cを含んで平面Bと平行する平面上にあって,点Cからの距離を一定に保ちながら,点Cを中心として自由に回転できる点D,および,平面Bに関してつねに点Dと対称になる点D’と,
を空間内に置き,これを基にして,
(す)線分22に重なり,点Cから線分22に下ろした垂線の足を含む,長さ一定の回転軸Aと,
(せ)回転軸Aを支持するための軸受と,回転軸Aを回転させるためのモーターおよび伝達部とを備えた支持機構23と,
(そ)回転軸Aに固着されて点Cと点C’とを支持する支持部材Eと,
(た)点Cで支持部材Eに連結して点Dまで伸び,点Cを中心として自由に旋回できるアームF,および,点C’で支持部材Eに連結して点D’まで伸び,点C’を中心として自由に旋回できるアームF’と,
(ち)点DにおいてアームFに,点D’においてアームF’に固定され,つねに平面Bと直交し,回転体の抵抗となるのみで自らは回転しない回転軸Gと,
(つ)質量を持ち,回転軸Gの抵抗によって自力回転する回転体Hと,
からなる回転運動体と,前記回転運動体と同形,同機能で,同じ動作を同周期で行う協働運動体24を1つまたは複数,回転軸Aを中心とする回転にさいして質量中心がつねに回転軸A上,またはその延長上にとどまるよう,回転軸Aの周囲に連結した装置を第四推進体と呼ぶこととする。
一方,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7,請求項9に記載する発明において,回転軸Aを中心とする回転の遠心力の作用のみによってアームFが持ち上がっている状態を,第二初期状態と定義する。図5に示した第四推進体は,第二初期状態にある。
上記定義のもとで,請求項4の発明についての説明を続ける。回転軸Aが回転している時も,視線を平面Bと直交させた状態に維持し,第四推進体を,点C’の側からでなく,点Cの側から見ることとして,第二初期状態にある回転体Hを時計回りに回転させると,回転の反作用が働いてアームFが反時計回りに旋回し始める。これと同時に,回転体Hの回転数の増加量を調節すると,アームFを反時計回りに旋回させようとする力と,回転体Hに対する遠心力が作用し合うため,アームFは遠心力に抗して反時計回りに起き上がった状態になる。そして,この状態を十分に維持した後,アームFをゆるやかに第二初期状態に戻す。この過程を通じ,請求項1における重力を,遠心力に置き換えたのと同様の原理が働くので,前記回転運動体に対して加速力が加わる。
この加速力の向きは,第二初期状態にある点Dから引いた円周Iの接線方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と一致するが,前記協働運動体においても同じ大きさと方向の力が生じるから,これらの合力の向きは,回転軸Aが指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と一致する。その結果,第四推進体全体として見れば,方向25に向けて推進力が加わることになる。
次に,請求項5の発明を説明する。第四推進体において,随意に回転軸Gの方向を180度転換できる機能を加えるとともに,前記協働運動体においても同様の変更を行った装置を第五推進体と呼ぶこととする。前記機能を実現する具体的構成は,第二推進体における具体的構成と同様である。
第五推進体において,点Cの側から見て,まず,第二初期状態にある回転体Hを時計回りに回転させ,この回転の反作用によって,アームFが反時計回りに旋回し始めると同時に,回転体Hの回転数の増加量を調節して,アームFが遠心力に抗して反時計回りに起き上がった状態を十分に維持する。その後すみやかに,回転軸Gの向きを180度転換するとともに,この方向転換にしたがって回転の向きが反時計回りとなった回転体Hを時計回りに逆回転させる。回転の反作用が途切れて遠心力の方向に戻ろうとするアームFが,この逆回転の反作用によって再び反時計回りに旋回し始めるのと同時に,回転体Hの回転数の増加量を調節して,アームFが遠心力に抗して反時計回りに起き上がった状態を十分に維持する。以後同様に,回転軸Gの180度の方向転換と回転体Hの時計回りへの逆回転,アームFが遠心力に抗して反時計回りに起き上がった状態を十分に維持した後での,回転軸Gの180度の方向転換と回転体Hの時計回りへの逆回転,という操作を繰り返すことによって,第五推進体に対して,回転軸Aが指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して与えることができる。
次に,請求項6の発明を説明する。図6に示すように,第四推進体の各要素に加え,点Dが軌跡として描く円周I上に,点J,および点Kを置き,第二初期状態にある点Dが,点Cの側から見て円周Iの右端に見える位置に視点を置いた時,点Kが点Jより上側に,かつ左側に見える状態で固定するとともに,前記協働運動体においても同様の変更を行った装置を第六推進体と呼ぶこととする。
第六推進体において,まず,第二初期状態にある回転体Hを時計回りに回転させる。この回転の反作用によって円周I上を反時計回りに移動する点Dが点Kに達した時点で,今度は回転体Hの回転を反時計回りに切換える。次に,逆回転の反作用によって円周I上を時計回りに移動する点Dが点Jに達した時点で,回転体Hの回転を時計回りに切換える。以後同様に,点Dが反時計回りに移動して点Kに達した時点で回転体Hの回転を反時計回りに切換え,点Dが時計回りに移動して点Jに達した時点で回転体Hの回転を時計回りに切換える,という操作を繰り返す。以上の過程を総合すると,第二初期状態にある点Dが,点Cの側から見て円周Iの右端に見える位置に視点を置いた時,アームFの旋回範囲は,円周Iの全周のうち右上側に偏るため,第一推進体の右方向への推進と同様の効果が働く結果,第六推進体に対して,回転軸Aが指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して与えることができる。
次に,請求項7の発明を,図7によって説明する。請求項6において,前記協働運動体をすべて取り去り,また,点Cから平面Bに下ろした垂線の足が回転軸A上にあり,また,点Jと点Kとを結んだ線分が回転軸Aとの間に角度90°をなすよう点Jと点Kとを円周I上に配置し直し,また,回転軸Aと前記支持機構とが,回転体Hの運動の妨げにならないような構造を有して,回転推進体を構成した装置を第七推進体と呼ぶこととする。
さらに,円周I上に,点26,点27,および点28を置き,点26と点Cとを結ぶ線分と,点Cと点28とを結ぶ線分が,ともに点Jと点Kとを結ぶ線分と平行し,かつ点Cから上に向かって点27までを結ぶ線分が,点Jと点Kとを結ぶ線分と直交する状態で固定する。これにより,回転体Hに作用する遠心力の向きは,点Cの側から見て,点Dが点26から点27の間にある時は右向きで,点Dが点27から点28の間にある時は左向きになり,遠心力の大きさは,点Dが点26または点28にある時最大で,点Dが点27にある時ゼロになる。
このようにして構成された第七推進体において,点Cの側から見て,まず,第二初期状態にある回転体Hを時計回りに回転させる。この回転の反作用によって円周I上を反時計回りに移動する点Dが点Kに達した時点で,今度は回転体Hの回転を反時計回りに切換える。次に,逆回転の反作用によって円周I上を時計回りに移動する点Dが点Jに達した時点で,回転体Hの回転を時計回りに切換える。以後同様に,点Dが反時計回りに移動して点Kに達した時点で,回転体Hの回転を反時計回りに切換え,点Dが時計回りに移動して点Jに達した時点で,回転体Hの回転を時計回りに切換える,という操作を繰り返す。
点Dが,点Jから反時計回りで点27に至る過程,および点27から時計回りで点Jに至る過程について見ると,図3を左へ90°転倒させた上で,重力を,右向きの遠心力に置き換えた場合と同様に考えられるから,第三推進体の加速と同様の効果が働いて,第七推進体に対して上向きの加速力が加えられる。
一方,点Dが,点Kから時計回りで点27に至る過程,および点27から反時計回りで点Kに至る過程について見ると,図3において,その構成を,直線aに関して対称移動したものを,さらに左へ90°転倒させた上で,重力を,左向きの遠心力に置き換えた場合と同様に考えられるから,これも第三推進体の加速と同様の効果が働いて,第七推進体に対して上向きの加速力が加えられる。
以上を総合すると,アームFが点Jから点Kまでの間を反時計回りに移動する過程,およびアームFが点Kから点Jまでの間を時計回りに移動する過程のいずれにおいても,第七推進体に対しては,回転軸Aが指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して与えることができる。
次に,請求項8の発明を説明する。第一推進体の各要素に加え,点dが軌跡として描く円周i上に,点l,点l1,点l2,点l3,点l4を置き,点c’ではなく点cの側から見て,点lを,第一初期状態にある点dの位置より右側で,かつ水平位置が点cよりも低い位置に見える状態で固定し,また点l1,点l,点l2がこの順番で反時計回りに,同じく点l3,点l,点l4もこの順番で反時計回りに並ぶように固定し,また第一初期状態にある点dの位置より左側に見える状態で点l1を固定した装置を第八推進体と呼ぶこととする。
第八推進体において,まず,第一初期状態にある回転体hを反時計回りに回転させる。この回転の反作用によって円周i上を時計回りに移動する点dが点l1に達した時点で回転体hの回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアームfを時計回りに旋回させた後,重力の働きで反時計回りに戻させる。点dが点l3に至れば再び回転体hの反時計回りの回転力を復活させるか,または点l3を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点dが点lに至った時点で回転体hの回転を時計回りに切換えると,強い反動が働いて,点dは大きく反時計回りに跳ね上がる。点dが点l2に達した時点で回転体hの回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアームfを反時計回りに旋回させた後,重力の働きで時計回りに戻させる。点dが点l4に至れば再び回転体hの時計回りの回転力を復活させるか,または点l4を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点dが点lに至った時点で回転体hの回転を反計回りに切換えると,強い反動が働いて点dは大きな反時計回りの勢いを得る。以下同様に,点dの位置に従い,点l1の通過と同時に回転体hを空転させ,点l3の通過と同時に回転体hの反時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点lの通過と同時に回転体hの回転を時計回りに切換える。強い反動で反時計回りに跳ね上がって戻る過程では,点l2の通過と同時に回転体hを空転させ,点l3の通過と同時に再び回転体hの時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点lの通過と同時に回転体hの回転を反計回りに切換える,という操作を繰り返す。以上の過程を総合すると,点cの側から見たアームfの旋回範囲は,円周iの全周のうち,右下側に偏るため,第一推進体の右方向への推進と同様の効果が働いて,第八推進体に対して右方向への推進力を連続して与えることができる。
次に,請求項9の発明を説明する。第四推進体の各要素に加え,点Dが軌跡として描く円周I上に,点L,点L1,点L2,点L3,点L4を置き,第二初期状態にある点Dが,点Cの側から見て円周Iの右端に見える位置に視点を置いた時,点Lを,第二初期状態にある点Dの位置よりも上側で,かつ円周I上の最高点よりも右側に見える状態で固定し,また点L1,点L,点L2がこの順番で反時計回りに,点L3,点L,点L4がこの順番で同じく反時計回りに並ぶように固定し,また第二初期状態にある点Dの位置よりも下側に見える状態で点L1を固定するとともに,前記協働運動体においても同様の変更を行った装置を第九推進体と呼ぶこととする。
第九推進体において,まず,第二初期状態にある回転体Hを反時計回りに回転させる。この回転の反作用によって円周I上を時計回りに移動する点Dが点L1に達した時点で回転体Hの回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアームFを時計回りに旋回させた後,遠心力の働きで反時計回りに戻させる。点Dが点L3に至れば再び回転体Hの反時計回りの回転力を復活させるか,または点L3を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点Dが点Lに至った時点で回転体Hの回転を時計回りに切換えると,強い反動が働いて点Dは大きく反時計回りに跳ね上がる。点Dが点L2に達した時点で回転体Hの回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアームFを反時計回りに旋回させた後,重力の働きで時計回りに戻させる。点Dが点L4に至れば再び回転体Hの時計回りの回転力を復活させるか,または点L4を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点Dが点Lに至った時点で回転体Hの回転を反計回りに切換えると,強い反動が働いて点Dは大きな反時計回りの勢いを得る。以下同様に,点Dの位置に従い,点L1の通過と同時に回転体Hを空転させ,点L3の通過と同時に回転体Hの反時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点Lの通過と同時に回転体Hの回転を時計回りに切換える。強い反動で反時計回りに跳ね上がって戻る過程では,点L2の通過と同時に回転体Hを空転させ,点L3の通過と同時に再び回転体Hの時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点Lの通過と同時に回転体Hの回転を反計回りに切換える,という操作を繰り返す。以上の過程を総合すると,第二初期状態にある点Dが,点Cの側から見て円周Iの右端に見える位置に視点を置いた時,アームFの旋回範囲は,円周Iの全周のうち右上側に偏るため,第一推進体の右方向への推進と同様の効果が働く結果,第九推進体に対して,回転軸Aが指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と反対向きの推進力を連続して与えることができる。
上記した,第一推進体から第九推進体までのいずれかを,二足歩行ロボット,一輪車,二輪車のバランス機構に用いれば,重心移動に頼ることなく,姿勢制御を容易かつ迅速に行うことができる。
上記した,第二推進体,第三推進体,第五推進体,第六推進体,第七推進体,第八推進体,第九推進体のいずれかを,潜水艦を含む船舶の推進機構に用いれば,スクリューや舵に付随する問題が解消されるので,高速,かつ静謐な航行を可能にするとともに,離岸や着岸も容易に行える。
上記した,第二推進体,第三推進体,第五推進体,第六推進体,第七推進体,第八推進体,第九推進体のいずれかを,地上走行する車両の推進機構に用いれば,地面の抵抗に頼る必要がなくなるため,動力の伝達経路が簡略化されるだけでなく,走行路面のいかんに拘わらず,同一形態の車体支持機構によって走行することができる。
上記した,第五推進体,第六推進体,第七推進体,第八推進体,第九推進体のいずれかを,有翼飛翔体の推進機構に用いれば,エンジンの燃焼のための空気を必要としないので,翼の揚力が利く上限の高度まで上昇し,希薄な空気の中を超音速で飛行することができる。また,推進区画に特別な高温,高圧が発生せず,大量の可燃性物質を搭載する必要もないので,安全性の面でも優れている。
さらに,前記した有翼飛翔体が,揚力が利く限界高度を超えれば,上向きの加速がなくなる一方,空気抵抗も減るために,水平方向への加速が容易になる。また,高度が下がって揚力も戻れば,再び上向きの加速を得る。このようにして,水面上を小石が跳ねるように,揚力が利く限界高度を上下しながら,水平方向への速度を徐々に増大し,やがて第一宇宙速度に達すれば,その時点で軌道飛行に移行したことになる。
軌道飛行に移行した前記有翼飛翔体が,なおも水平方向への加速をつづけ,第二宇宙速度を超えれば,その時点で,惑星間航行に移行したことになる。その後,目的地までの行程の半分を等加速,残り半分を等減速で航行すれば,船内重力が発生するために人体への負担が軽減され,しかも数日から数週間で全行程を終えることができる。
第二推進体以下は,第一推進体と同様の加速原理に従い,さらに段落0024の式7によれば,第一推進体の加速力はmの大きさに比例することから,上記した,第五推進体,第六推進体,第七推進体,第八推進体,第九推進体のいずれかにおいて,回転軸Aの回転数を上げて遠心力を増し,mを十分に大きくすることによって,推進力を重力加速度以上に増大することが可能である。このようにして重力加速度以上の推進力を持った推進体を,無翼飛翔体の推進機構に用いれば,ヘリコプターや飛行船よりも低コスト,低リスク,低騒音,かつ高加速で,地上から垂直に離着陸することができる。
さらに,前記無翼飛翔体を垂直に上昇させつづければ,やがて地球の重力を振り切って,直線的に惑星間航行に移行することができる。そのさい船内重力も地上のそれと同じであり,かつ,目的地への所要時間も短縮されるので,前記有翼飛翔体に勝る宇宙船となるであろう。
以上の通り,この発明を飛翔体の推進力として用いれば,地上からの垂直離着陸,大気圏内の超音速飛行,大気圏外への重量物の打ち上げ,さらに,惑星間の有人飛行を,現在の技術のみを用い,低コスト,かつ低リスクで実施することができる。
請求項1記載の発明の構成図 自力回転する回転体の構成図 請求項1記載の発明の説明図 請求項3記載の発明の構成図 請求項4記載の発明の構成図 請求項6記載の発明の構成図 請求項7記載の発明の構成図 請求項6記載の発明の実施図で,イは正面図,ロは平面図 実施例1の構成図 実施例2の構成図
発明の実施の形態を,図8を参照して説明する。図は請求項6における第六推進体の実施形態であり,イは正面図,ロは平面図である。回転体Hと回転軸GとアームFからなる回転運動体と,同形,同機能の協働運動体が,回転軸Aに関して対称となるよう,支持部材Eによって支持されている。また,アームFは,支持部材E上の点Cを中心として自由に旋回でき,回転軸Gは,点DにおいてアームFに固定されている。図3のイにおいて,回転運動体における回転体Hと,協働運動体における回転体とは,つねに互いに対して逆回転し,点Dが点J,もしくは点Kを通過するごとに,同時に回転の向きを変える。したがって,図イにおいては,上の方向に加速力が加わることになる。
回転軸Aは,導電性の金属棒2本の接着部を絶縁し,継ぎ手31によって一体化され,さらに継ぎ手31が支持部材Eに固着されている。回転軸Aは,導電性の軸受32によって,自由に回転できる状態にあり,軸受32が外殻33に固着されることによって,第六推進体の全体を支持している。回転体Hは,一般的な直流モーター容器の軸露出部に,互いに絶縁した銅リング2本を,回転軸Gとは接触しない状態で固着し,さらに銅リングと内部のブラシを導線でつないだ構成となっている。電源34,および電源35は,電力を外部から導く場合はコンセントとして用い,内部に電源を収納する場合はここにバッテリーを置く。モーター36は,軸受32と外殻33とともに,回転軸Aを支持する支持機構をなし,電源34からの電流を受けて回転軸Aを回転させ,第二初期状態をつくる。電源35から発した電流は,図イの上部に描かれた軸受32を介して回転軸Aの上半分を伝わり,継ぎ手31内の絶縁部から回転軸Aを離れて支持部材E上,およびアームF上の導線を進み,接触子37を経由して回転体Hに至る。電流は,回転体Hを自力回転させた後,接触子37を経由して再び導線,協働運動体の回転体,回転軸Aの下半分,図イの下部に描かれた軸受32を経て,電源35に戻り,回路が完結する。回路の途中には回転制御機構38があり,アームFが,点J,もしくは点Kを通過するたびに電流の向きを変え,回転体を逆回転させる。
請求項7の発明において,点Dが点27以外の位置にある時は,質量中心が回転軸Aからずれるため,第七推進体の運動にともなって振動が生じる。そこで請求項7の発明を実施するさいには,振動を防止する機構を伴うことが望ましい。図9によってその実施例を説明する。第七推進体に加えて,第七推進体と同形,かつ同機能の協働推進体3つを縦に並べ,第七推進体から近い順に,第一協働推進体,第二協働推進体,第三協働推進体と呼ぶとともに,第七推進体を原協働推進体と呼び直すこととし,第一協働推進体にあっては回転軸A1,回転体H1が,第二協働推進体にあっては回転軸A2,回転体H2が,第三協働推進体にあっては回転軸A3,回転体H3が,原協働推進体における回転軸A,回転体Hと同様に働くものとし,また,1つの協働推進体が第二初期状態にある時,他の3つの協働推進体もすべて第二初期状態にあることとする。その上で,
(て)回転軸A1,回転軸A2,回転軸A3が,回転軸Aの延長線と重なるように,また,
(と)回転体H,回転体H1,回転体H2,回転体H3の運動が相互に妨げられないような間隔と構造を有して,また,
(な)第二初期状態において,回転軸Aの延長方向から見ると,回転体Hと回転体H3が重なり,かつ,回転体H1と回転体H2が重なるように,また,
(に)第二初期状態において,回転軸Aの延長方向から見ると,回転体Hと回転体H1が回転軸Aに関して対称な位置にあるように,また,
(ぬ)第二初期状態において,回転体Hから回転体H1までの距離と,回転体H2から回転体H3までの距離が等しくなるように,また,
(ね)回転体Hから回転体H3までの距離と,回転体H1から回転体H2までの距離がつねに等しくなるように,
4つの協働推進体を連結した装置を直線型第七推進体と呼ぶこととする。
このようにして構成された直線型第七推進体において,4つの協働推進体が同一の周期を保ちながら,第七推進体と同様の運動をするように調整すれば,装置全体の質量中心は,つねに回転軸A上,またはその延長線上に保たれ,かつ,回転軸Aを真横から見た場合にも,つねにバランスを保つことができる。これにより,直線型第七推進体に対して,回転軸Aが指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して,かつ安定して与えることができる。
次に,実施例1と同様に,第七推進体の振動を防止する別の機構を,図10によって説明する。実施例1における直線型第七推進体の連結を解いて,時計回りに,原協働推進体,第一協働推進体,第二協働推進体,第三協働推進体となるよう平面的に並べた上で,
(の)回転軸A,回転軸A1,回転軸A2,回転軸A3が,互いに平行となるように,また,
(は)回転体H,回転体H1,回転体H2,回転体H3の運動が相互に妨げられないような間隔と構造を有して,また,
(ひ)第二初期状態において,回転体H,回転体H1,回転体H2,回転体H3のそれぞれの回転軸が,すべて回転軸Aと直交する同一の平面上にあるように,また,
(ふ)回転軸Aに直交する平面と回転軸Aとの交点,該平面と回転軸A1との交点,該平面と回転軸A2との交点,および該平面と回転軸A3との交点が正方形をなすように,
4つの協働推進体を連結し直した装置を平面型第七推進体と呼ぶこととする。
このようにして構成された平面型第七推進体において,
(へ)第二初期状態をもたらす遠心力を得るための回転の向きが,回転軸Aと回転軸A1において逆であり,かつ,回転軸A1と回転軸A2において逆であり,かつ,回転軸A2と回転軸A3において逆であるように,また,
(ほ)回転軸Aと回転軸A1を対称の関係にする平面29に関して,回転体Hと回転体H1がつねに対称を保つと同時に,平面29に関して,回転体H2と回転体H3もつねに対称を保つように,かつ,回転軸Aと回転軸A3を対称の関係にする平面30に関して,回転体Hと回転体H3がつねに対称を保つように,
4つの協働推進体のそれぞれが第七推進体と同様の運動をするように調節すれば,回転軸A,回転軸A1,回転軸A2,回転軸A3のそれぞれをふらつかせる力をつねに相殺することができる。これにより,平面型第七推進体に対して,回転軸Aが指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアームFが旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して,かつ安定して与えることができる。
a−推進体の移動線
b−回転軸gと直交する平面
c−アームfの連結点
d−回転軸gの固定点
e−支持部材
f−旋回アーム
g−回転体hの回転軸
h−自力回転する回転体
i−点dが移動する円周
j−回転体hの回転切換え位置
k−回転体hの回転切換え位置
A−全体の回転軸
B−回転軸Gと直交する平面
C−アームFの連結点
D−回転軸Gの固定点
E−支持部材
F−旋回アーム
G−回転体Hの回転軸
H−自力回転する回転体
I−点Dが移動する円周
J−回転体Hの回転切換え位置
K−回転体Hの回転切換え位置

Claims (9)

  1. 空間内に置かれた,
    (あ)水平面上の任意の一定方向に伸びる直線(a)と,
    (い)直線(a)を含んで鉛直方向に伸びる平面(b)と,
    (う)平面(b)に下ろした垂線の足を直線(a)上に持ち,かつ直線(a)との距離を一定に保ちながら自由に移動可能な点(c),および,平面(b)に関してつねに点(c)と対称になる点(c’)と,
    (え)点(c)を含んで平面(b)と平行する鉛直平面上にあって,点(c)からの距離を一定に保ちながら,点(c)を中心として自由に回転できる点(d),および,平面(b)に関してつねに点(d)と対称になる点(d’)と,
    を基にして,
    (お)点(c)と点(c’)とを支持する支持部材(e)と,
    (か)支持部材(e)を支持し,直線(a)の方向に自由に水平移動可能な支持機構と,
    (き)点(c)で支持部材(e)に連結して点(d)まで伸び,点(c)を中心として自由に旋回できるアーム(f),および,点(c’)で支持部材(e)に連結して点(d’)まで伸び,点(c’)を中心として自由に旋回できるアーム(f’)と,
    (く)点(d)においてアーム(f)に,点(d’)においてアーム(f’)に固定され,つねに平面(b)と直交し,回転体の抵抗となるのみで自らは回転しない回転軸(g)と,
    (け)質量を持ち,回転軸(g)の抵抗によって自力回転する回転体(h)と,
    から運動体を構成する一方,アーム(f)が重力の方向を向いている状態を第一初期状態と定義した上で,点(c’)の側からでなく点(c)の側から見て,第一初期状態にある回転体(h)を時計回りに回転させ,この回転の反作用によってアーム(f)が反時計回りに旋回し始めるのと同時に,回転体(h)の回転数の増加量を調節することによって,アーム(f)が重力に抗して持ち上がった状態を十分に維持した後,ゆるやかに第一初期状態に戻すことによって,起動時にアーム(f)が旋回し始める方向への推進力を得る装置。
  2. 請求項1において,随意に回転軸(g)の方向を180度転換できる機能を加えた上で,点(c)の側から見て,まず,第一初期状態にある回転体(h)を時計回りに回転させ,アーム(f)が,この回転の反作用によって反時計回りに旋回し始めるのと同時に,回転体(h)の回転数の増加量を調節することによって,アーム(f)が重力に抗して持ち上がった状態を十分に維持した後,すみやかに,回転軸(g)の向きを180度転換するとともに,この方向転換にしたがって回転の向きが反時計回りとなった回転体(h)を時計回りに逆回転させ,重力の方向に戻ろうとするアーム(f)が,この逆回転の反作用によって再び反時計回りに旋回し始めるのと同時に,回転体(h)の回転数の増加量を調節することによって,アーム(f)が重力に抗して持ち上がった状態を十分に維持し,以後同様に,回転軸(g)の180度の方向転換と回転体(h)の時計回りへの逆回転,アーム(f)が反時計回りに持ち上がった状態を十分に維持した後での,回転軸(g)の180度の方向転換と回転体(h)の時計回りへの逆回転,という操作を繰り返すことによって,起動時にアーム(f)が旋回し始める方向への推進力を連続して得る装置。
  3. 請求項1において,点(d)が軌跡として描く円周(i)上に,点(j),および点(k)を置き,点(c)の側から見て,点(k)が点(j)より上側に,かつ右側に見える状態で固定した上で,まず,第一初期状態にある回転体(h)を時計回りに回転させ,この回転の反作用によって円周(i)上を反時計回りに移動する点(d)が点(k)に達した時点で,回転体(h)の回転を反時計回りに切換え,逆回転の反作用によって円周(i)上を時計回りに移動する点(d)が点(j)に達した時点で,回転体(h)の回転を時計回りに切換え,以後同様に,点(d)が反時計回りに移動して点(k)に達した時点で,回転体(h)の回転を反時計回りに切換え,点(d)が時計回りに移動して点(j)に達した時点で,回転体(h)の回転を時計回りに切換える,という操作を繰り返すことによって,起動時にアーム(f)が旋回し始める方向への推進力を連続して得る装置。
  4. 空間内に置かれた,
    (こ)位置と方向とを任意に定めることができる線分を含み,該線分を軸として回転する平面(B)と,
    (さ)該線分に下ろした垂線の足を該線分上の定点に持ち,かつ平面(B)に下ろした垂線の足を平面(B)上の定点に持つ点(C),および,平面(B)に関して点(C)と対称になる点(C’)と,
    (し)点(C)を含んで平面(B)と平行する平面上にあって,点(C)からの距離を一定に保ちながら,点(C)を中心として自由に回転できる点(D),および,平面(B)に関してつねに点(D)と対称になる点(D’)と,
    を基にして,
    (す)該線分に重なり,点(C)から該線分に下ろした垂線の足を含む,長さ一定の回転軸(A)と,
    (せ)回転軸(A)を支持するための軸受と,回転軸(A)を回転させるためのモーターおよび伝達部とを備えた支持機構と,
    (そ)回転軸(A)に固着されて点(C)と点(C’)とを支持する支持部材(E)と,
    から,まず構造部分を作り,さらに,
    (た)点(C)で支持部材(E)に連結して点(D)まで伸び,点(C)を中心として自由に旋回できるアーム(F),および,点(C’)で支持部材(E)に連結して点(D’)まで伸び,点(C’)を中心として自由に旋回できるアーム(F’)と,
    (ち)点(D)においてアーム(F)に,点(D’)においてアーム(F’)に固定され,つねに平面(B)と直交し,回転体の抵抗となるのみで自らは回転しない回転軸(G)と,
    (つ)質量を持ち,回転軸(G)の抵抗によって自力回転する回転体(H)と,
    からなる回転運動体と,前記回転運動体と同形,同機能で,同じ動作を同周期で行う協働運動体1または複数とを,回転軸(A)を中心とする回転にさいして質量中心がつねに回転軸(A)上,またはその延長上にとどまるよう,回転軸(A)の周囲に連結することによって全体を構成する一方,アーム(F)が,回転軸(A)を中心とする回転が生み出す遠心力の作用のみによって持ち上がっている状態を,第二初期状態と定義した上で,点(C’)の側からでなく点(C)の側から見て,まず第二初期状態にある回転体(H)を時計回りに回転させ,この回転の反作用によってアーム(F)が反時計回りに旋回し始めるのと同時に,回転体(H)の回転数の増加量を調節することによって,アーム(F)が遠心力に抗して起き上がった状態を十分に維持した後,ゆるやかに第二初期状態に戻すことによって,回転軸(A)が指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアーム(F)が旋回し始める方向と一致する方向への推進力を得る装置。
  5. 請求項4において,随意に回転軸(G)の方向を180度転換できる機能を加えるとともに,前記協働運動体においても同様の変更を行った上で,点(C)の側から見て,まず,第二初期状態にある回転体(H)を時計回りに回転させ,アーム(F)が,この回転の反作用によって反時計回りに旋回し始めるのと同時に,回転体(H)の回転数の増加量を調節することによって,アーム(F)が遠心力に抗して起き上がった状態を十分に維持した後,すみやかに,回転軸(G)の向きを180度転換するとともに,この方向転換にしたがって回転の向きが反時計回りとなった回転体(H)を時計回りに逆回転させ,遠心力の方向に戻ろうとするアーム(F)が,この逆回転の反作用によって再び反時計回りに旋回し始めるのと同時に,回転体(H)の回転数の増加量を調節することによって,アーム(F)が遠心力に抗して起き上がった状態を十分に維持し,以後同様に,回転軸(G)の180度の方向転換と回転体(H)の時計回りへの逆回転,アーム(F)が遠心力に抗して起き上がった状態を十分に維持した後での,回転軸(G)の180度の方向転換と回転体(H)の時計回りへの逆回転,という操作を繰り返すことによって,回転軸(A)が指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアーム(F)が旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して得る装置。
  6. 請求項4において,点(D)が軌跡として描く円周(I)上に,点(J),および点(K)を置き,第二初期状態にある点(D)が,点(C)の側から見て円周(I)の右端に見える時,点(K)が点(J)より上側に,かつ左側に見える状態で固定するとともに,前記協働運動体においても同様の変更を行った上で,まず,第二初期状態にある回転体(H)を時計回りに回転させ,この回転の反作用によって円周(I)上を反時計回りに移動する点(D)が点(K)に達した時点で,回転体(H)の回転を反時計回りに切換え,逆回転の反作用によって円周(I)上を時計回りに移動する点(D)が点(J)に達した時点で,回転体(H)の回転を時計回りに切換え,以後同様に,点(D)が反時計回りに移動して点(K)に達した時点で,回転体(H)の回転を反時計回りに切換え,点(D)が時計回りに移動して点(J)に達した時点で,回転体(H)の回転を時計回りに切換える,という操作を繰り返すことによって,回転軸(A)が指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアーム(F)が旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して得る装置。
  7. 請求項6において,前記協働運動体をすべて取り去り,また,点(C)から平面(B)に下ろした垂線の足が回転軸(A)上にあり,また,点(J)と点(K)とを結んだ線分が回転軸(A)との間に角度90°をなすよう点(J)と点(K)とを円周(I)上に配置し直し,また,回転軸(A)と前記支持機構とが,回転体(H)の運動の妨げにならないような構造を有して,回転推進体を構成した上で,まず第二初期状態にある回転体(H)を時計回りに回転させ,この回転の反作用によって円周(I)上を反時計回りに移動する点(D)が点(K)に達した時点で,回転体(H)の回転を反時計回りに切換え,逆回転の反作用によって円周(I)上を時計回りに移動する点(D)が点(J)に達した時点で,回転体(H)の回転を時計回りに切換え,以後同様に,点(D)が反時計回りに移動して点(K)に達した時点で,回転体(H)の回転を反時計回りに切換え,点(D)が時計回りに移動して点(J)に達した時点で,回転体(H)の回転を時計回りに切換える,という操作を繰り返すことによって,回転軸(A)が指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアーム(F)が旋回し始める方向と一致する方向への推進力を連続して得る装置。
  8. 請求項1において,点(d)が軌跡として描く円周(i)上に,点(l),点(l1),点(l2),点(l3),点(l4)を置き,点(c)の側から見て,点(l)を,第一初期状態にある点(d)の位置より右側で,かつ水平位置が点(c)よりも低い位置に見える状態で固定し,また点(l1),点(l),点(l2)がこの順番で反時計回りに,点(l3),点(l),点(l4)がこの順番で同じく反時計回りに並ぶように固定し,また第一初期状態にある点(d)の位置より左側に見える状態で点(l1)を固定した上で,まず,第一初期状態にある回転体(h)を反時計回りに回転させ,この回転の反作用によって円周(i)上を時計回りに移動する点(d)が点(l1)に達した時点で回転体(h)の回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアーム(f)を時計回りに旋回させた後,重力の働きで反時計回りに戻させ,点(d)が点(l3)に至れば再び回転体(h)の反時計回りの回転力を復活させるか,または点(l3)を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点(d)が点(l)に至った時点で回転体(h)の回転を時計回りに切換えると,強い反動が働いて,大きく反時計回りに跳ね上がる点(d)が点(l2)に達した時点で回転体(h)の回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアーム(f)を反時計回りに旋回させた後,重力の働きで時計回りに戻させ,点(d)が点(l4)に至れば再び回転体(h)の時計回りの回転力を復活させるか,または点(l4)を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点(d)が点(l)に至った時点で回転体(h)の回転を反計回りに切換えることによって点(d)に大きな反時計回りの勢いを得させ,以下同様に,点(d)の位置に従い,点(l1)の通過と同時に回転体(h)を空転させ,点(l3)の通過と同時に回転体(h)の反時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点(l)の通過と同時に回転体(h)の回転を時計回りに切換え,強い反動で反時計回りに跳ね上がって戻る過程では,点(l2)の通過と同時に回転体(h)を空転させ,点(l3)の通過と同時に再び回転体(h)の時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点(l)の通過と同時に回転体(h)の回転を反計回りに切換える,という操作を繰り返すことによって,起動時にアーム(f)が旋回し始める方向とは逆向きの推進力を連続して得る装置。
  9. 請求項4において,点(D)が軌跡として描く円周(I)上に,点(L),点(L1),点(L2),点((L3)),点(L4)を置き,第二初期状態にある点(D)が,点(C)の側から見て円周(I)の右端に見える位置に視点を置いた時,点(L)を,第二初期状態にある点(D)の位置よりも上側で,かつ円周(I)上の最高点よりも右側に見える状態で固定し,また点(L1),点(L),点(L2)がこの順番で反時計回りに,点(L3),点(L),点(L4)がこの順番で同じく反時計回りに並ぶように固定し,また第二初期状態にある点(D)の位置よりも下側に見える状態で点(L1)固定するとともに,前記協働運動体においても同様の変更を行った上で,まず,第二初期状態にある回転体(H)を反時計回りに回転させ,この回転の反作用によって円周(I)上を時計回りに移動する点(D)が点(L1)に達した時点で回転体(H)の回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアーム(F)を時計回りに旋回させた後,遠心力の働きで反時計回りに戻させ,点(D)が点(L3)に至れば再び回転体(H)の反時計回りの回転力を復活させるか,または点(L3)を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点(D)が点(L)に至った時点で回転体(H)の回転を時計回りに切換え,強い反動で大きく反時計回りに跳ね上がる点(D)が点(L2)に達した時点で回転体(H)の回転力を止めて空転させ,そのまま惰性でアーム(F)を反時計回りに旋回させた後,重力の働きで時計回りに戻させ,点(D)が点(L4)に至れば再び回転体(H)の時計回りの回転力を復活させるか,または点(L4)を過ぎても空転させたままであるか,いずれかの状態で点(D)が点(L)に至った時点で回転体(H)の回転を反計回りに切換えることによって点(D)に大きな反時計回りの勢いを得させ,以下同様に,点(D)の位置に従い,点(L1)の通過と同時に回転体(H)を空転させ,点(L3)の通過と同時に回転体(H)の反時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点(L)の通過と同時に回転体(H)の回転を時計回りに切換え,強い反動で反時計回りに跳ね上がって戻る過程では,点(L2)の通過と同時に回転体(H)を空転させ,点(L3)の通過と同時に再び回転体(H)の時計回りの回転力を復活させるか,または通過後も空転を維持するかのいずれかの状態をとりつつ,点(L)の通過と同時に回転体(H)の回転を反計回りに切換える,という操作を繰り返すことによって,回転軸(A)が指す二方向のうち,第二初期状態からの起動時にアーム(F)が旋回し始める方向とは逆向きの推進力を連続して得る装置。


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