JP2012106195A - 磁性物回収装置及びこの磁性物回収装置を備えた磁性物回収システム - Google Patents

磁性物回収装置及びこの磁性物回収装置を備えた磁性物回収システム Download PDF

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Abstract

【課題】 余分な構成部材を採用することなく、コンパクトな構成にて、一度にできる限り多くの磁性物を回収するようにした磁性物回収装置及びこの磁性物回収装置を備えた磁性物回収システムを提供する。
【解決手段】軸状吸引部材100bが、制御装置200からの圧縮空気により、ケーシング110内にて筒状支持軸100cに沿い軸方向に移動する。軸状吸引部材100bが、非磁性円筒部材110b内に位置するとき、軸状吸引部材100bの各永久磁石175の磁気作用のもとに、非磁性円筒部材110bを介し磁性粉を吸引してその外周面に付着させ、磁性円筒部材110a内への移動に伴い、当該磁性円筒部材110aの周壁により磁性粉に対する吸引を解除して脱落させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄粉その他の磁性粉等の種々の磁性物を回収するのに適した磁性物回収装置及びこの磁性物回収装置を備えた磁性物回収システムに関する。
従来、この種の磁性物回収装置においては、例えば、下記特許文献1に開示された着磁鉄系異物の除去装置がある。この除去装置は、非磁性材料からなるシリンダと、このシリンダの軸方向一側端部に固定した磁性材料からなる除去リングと、この除去リングを通してシリンダ内に摺動可能に嵌装したバーマグネットチューブとを備えている。
当該バーマグネットチューブは、非磁性材料からなるチューブを備えており、このチューブ内には、複数のドーナツ状マグネット要素及び磁性材料からなる複数のリング状スペーサが固定軸により同軸的に嵌装支持されている。ここで、各スペーサは、当該複数のマグネット要素のうち互いに隣り合う各両マグネット要素の間にそれぞれ介装されている。また、複数のマグネット要素のうち互いに隣り合う各両マグネット要素は、互いに対向する各軸方向端部にて同一極性の磁極を有するように着磁されている。
しかして、当該除去装置では、各両マグネット要素において互いに対向する同一極性の各磁極に流入或いは当該各磁極から流出する磁束は、当該各磁極による磁気的反発作用のもと当該各磁極間のスペーサを通りその半径方向に流れる。このため、各スペーサは、その外周端部にて、磁極を形成するように磁化される。従って、シリンダから押し出されるバーマグネットチューブにより例えば鉄粉を吸着する場合、この鉄粉はチューブの周壁を介し各スペーサの外周端部により吸着されて当該チューブの外周面に分散して付着する。
また、このような付着後、バーマグネットチューブをシリンダ内に引き込むと、互いに隣り合う両マグネット要素の各対向磁極及びその間のスペーサが除去リングを通過する過程において、当該各対向磁極に流入或いは当該各対向磁極から流出する磁束は、これら各対向磁極間のスペーサから外れるように除去リングに短絡されて当該除去リングに直接流れる。
このため、当該スペーサが非磁化状態になるとともに除去リングが磁化されて、チューブの外周面に分散して付着した鉄粉のうち除去リングに最も近い鉄粉が、当該除去リングの上記スペーサ側の端面に移動して吸着される。このようにして、チューブの外周面に分散付着した残りの鉄粉も順次除去リングに移動して吸着される。然る後、全てのマグネット要素が除去リングを通過してしまうと、当該除去リングが非磁化状態となり、この除去リングに吸着済みの鉄粉が当該除去リングから脱落し回収される。
特開2002−195212号公報
しかし、上記除去装置では、上述のように鉄粉をスペーサにより吸着した上で除去リングにより回収するため、スペーサ及び除去リングが必須となる。従って、除去装置の構成が複雑になるという不具合がある。
また、スペーサがマグネット要素の他に必須となるため、バーマグネットチューブの軸長がコンパクトにならないという不具合もある。また、スペーサは両マグネット要素に対する介在物としての役割をもつから、当該スペーサの幅は通常狭い。従って、スペーサの外周端部による鉄粉の吸着量も少ない。よって、吸着量を増大しようとすると、スペーサの数が増大し、バーマグネットチューブの軸長がさらに増大するという不具合を招く。
また、上述のように鉄粉の回収は除去リングのスペーサ側端面で行うが、この端面による鉄粉の回収量を多くしようとすると、除去リングの外径を大きくしなければならない。その結果、除去装置の外形寸法がバーマグネットチューブの径方向において増大するという不具合も生ずる。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するために、余分な構成部材を採用することなく、コンパクトな構成にて、一度にできる限り多くの磁性粉その他の磁性物を回収するようにした磁性物回収装置及びこの磁性物回収装置を備えた磁性物回収システムを提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る磁性物回収装置は、請求項1の記載によれば、
磁性筒部材(110a)と、この磁性筒部材に同軸的に連結してなる非磁性筒部材(110b)と、磁性筒部材の外端開口部に気密的に嵌装される一側蓋体(120、140)と、非磁性筒部材の外端開口部に気密的に嵌装される他側蓋体(130、150)とを備える筒状ケーシング(100a)と、
当該筒状ケーシング内にて一側蓋体及び他側蓋体のいずれか一方により同軸的に支持される筒状支持軸であって一側蓋体及び他側蓋体のいずれか一方を通り筒状ケーシングの内部を外方へ連通させる筒状支持軸(100c)と、
筒状ケーシング内にて上記筒状支持軸に嵌装によりその軸方向に移動可能に支持された磁性磁石保持筒(170)と、この磁性磁石保持筒の軸方向中間筒部にその外周部に沿い周方向に間隔をおいて設けられる偶数の永久磁石(175)とを有する軸状吸引部材(100b)とを備えて、
偶数の永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出してケーシングの周壁に対向する対向磁極を有するようにした。
これによれば、軸状吸引部材が非磁性筒部材内に位置するときには、各両隣接永久磁石毎の閉磁路が、非磁性筒部材の周壁の外側に亘るように形成される。また、軸状吸引部材が磁性筒部材内に位置するときには、各両隣接永久磁石毎の閉磁路が、磁性筒部材の周壁の外側に出ることなく、当該磁性筒部材の周壁内部を通るように形成される。
従って、磁性粉等の磁性物を回収するにあたっては、ケーシング内にその外周壁のうち一側蓋体の近傍部位にて流体を供給するとともに、一側蓋体及び他側蓋体の他方側から筒状支持軸を通して前記ケーシング内の流体を外方へ排出させれば、軸状吸引部材が一側蓋体側から他側蓋体側へ移動する。これにより、軸状吸引部材が一側蓋体側から前記他側蓋体側へ移動したときには、当該軸状吸引部材は、非磁性筒部材内に位置する。
このような状態において、非磁性筒部材をその周壁にて磁性粉等の磁性物に近づけると、この磁性物は、上述した各両隣接永久磁石毎の閉磁路に沿う各永久磁石の磁気作用のもと、各永久磁石によりその対向磁極にて非磁性筒部材の周壁を介し吸引される。このとき、上述のように各閉磁路が非磁性筒部材の周壁の外側へ出るように形成されているため、磁性物は、各閉磁路のうち非磁性筒部材の周壁の外側に出る各磁路部分に沿って集中するように吸引されて当該非磁性筒部材の外周面上に付着する。
ここで、永久磁石の数は偶数であり、かつ各永久磁石は、共に、上述のように軸状吸引部材の外周面に等角度間隔にて保持されていれば、各永久磁石のうち両隣接毎に互いに異磁極性の対向磁極を有することから、上述の各閉磁路が、全ての永久磁石により、両隣接永久磁石毎に軸状吸引部材の軸周りに対称的にバランスよく形成される。その結果、非磁性筒部材の外周面に対する磁性物の付着は、全ての永久磁石の磁気作用のもとになされ、永久磁石のいずれかが磁性物の吸引に有効に作用しないという事態が発生することはない。
また、軸状吸引部材は磁性材料で形成されているため、各閉磁路により永久磁石の外端部に形成される磁束量は増大する。従って、当該永久磁石の吸引量、即ち非磁性筒部材の外周面上の鉄粉の付着量がさらに増大する。
然る後、一側蓋体及び他側蓋体の他方側から筒状支持軸を通して前記ケーシング内に流体を供給するとともに、ケーシング内の流体をその外周壁のうち一側蓋体の近傍部位から外方へ排出させるようにすれば、軸状吸引部材が他側蓋体側から一側蓋体側へ移動する。これにより、軸状吸引部材が他側蓋体側から一側蓋体側へ移動したときには、当該軸状吸引部材は、磁性筒部材内に位置する。
このような状態では、上述したごとく、各両隣接永久磁石毎の閉磁路が、磁性筒部材の周壁の外側に出ることなく、磁性筒部材の周壁内部を通るように形成される。
このため、各閉磁路は磁性筒部材の外側へは出ないため、各永久磁石の磁気作用は磁性筒部材の外側へは及ばず当該磁性筒部材の外周面よりも内側でしか発揮されない。
従って、各永久磁石の吸引により非磁性筒部材の外周面に付着していた磁性物には、各永久磁石の磁気作用が及ばなくなる。その結果、当該磁性物は、各永久磁石の磁気作用から解放されて非磁化状態となりその自重により非磁性筒部材の外周面から脱落して回収されていく。
以上のように非磁性筒部材及び磁性筒部材並びに永久磁石を有効に活用して、軸状吸引部材を筒状支持部材に沿い軸方向に移動させることで、この移動に伴う永久磁石の非磁性筒部材或いは磁性筒部材内の位置に応じて非磁性筒部材或いは磁性筒部材の側で各閉磁路を形成することで、余分な構成部材を採用することなく、コンパクトな構成にて、一度にできる限り多くの磁性粉等の磁性物を連続的にきれいに吸引回収するようにした磁性物回収装置を提供し得る。
また、本発明に係る磁性物回収装置は、請求項2の記載によれば、
非磁性筒部材(180)と、この非磁性筒部材の軸方向両端開口部にそれぞれ気密的に嵌装される一側及び他側の各蓋体(120、140、130、150)とを備える筒状ケーシング(100d)と、
当該筒状ケーシング内にて一側蓋体及び他側蓋体のいずれか一方により同軸的に支持される筒状支持軸であって一側蓋体及び他側蓋体のいずれか一方を通り筒状ケーシングの内部を外方へ連通させる筒状支持軸(100c)と、
筒状ケーシング内にて上記筒状支持軸に嵌装されてその軸方向に移動可能に支持される磁性磁石保持筒(170)と、この磁性磁石保持筒の軸方向中間筒部にその外周部に沿い周方向に間隔をおいて設けられる偶数の永久磁石(175)とを有する軸状吸引部材(100b)と、
非磁性筒部材にその外方から軸方向に移動可能に嵌装される磁性筒部材(100e)とを備えて、
偶数の永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出してケーシングの周壁に対向する対向磁極を有するようにした。
このように、請求項1に記載の非磁性筒部材及び磁性筒部材に代えて、単一の非磁性筒部材を採用し、かつ、当該非磁性筒部材に軸方向に移動可能に嵌装される磁性筒部材を採用しても、請求項1に記載の発明と実質的に同様の作用効果を達成することができる。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載の磁性物回収装置において、磁性筒部材が、複数、非磁性筒部材にその外方から軸方向に移動可能に嵌装されていることを特徴とする。
これによれば、各磁性円筒部材を非磁性円筒部材の互いに異なる軸方向中間部位に間隔をおいて固定することで、非磁性円筒部材のうち各磁性円筒部材からの各露出部位に磁性粉を付着させれば、当該各露出部位に付着した磁性粉等の磁性物を、各磁性円筒部材のいずれかの上記閉磁路作用のともに、回収することができて、回収効率を向上させ得る。その結果、請求項1または2に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁性物回収装置において、
偶数の永久磁石を、それぞれ、磁石保持筒の軸方向中間筒部(172)の外周面にその一側部位に周方向に等角度間隔にて設けてなる偶数の一側永久磁石として、
偶数の他側永久磁石が、それぞれ、偶数の一側永久磁石の各々に対し磁石保持筒の上記軸方向中間筒部の軸方向に沿い所定の軸方向磁石間隔をおいて対向するように上記軸方向中間筒部の外周面にその周方向に沿い設けられており、
偶数の他側永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出してケーシングの周壁に対向する対向磁極を有することを特徴とする。
このように偶数の一側永久磁石及び偶数の他側永久磁石を所定の軸方向磁石間隔にて磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面に軸方向に設けることで、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項4に記載の磁性物回収装置において、
偶数の一側永久磁石及び偶数の他側永久磁石のうち互いに上記軸方向中間筒部の軸方向において対向する一側及び他側の両永久磁石毎に、当該一側及び他側の両永久磁石は、その各対向磁極にて、同一磁極となっていることを特徴とする。
これにより、一側及び他側の両永久磁石が、その各対向磁極にて、異磁極となっている場合に比べて、同一磁極である方が、磁性粉等の磁性物の回収量をより一層増大させることができる。
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁性物回収装置において、
偶数の永久磁石を、それぞれ、磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面にその一側部位に周方向に等角度間隔にて装着してなる偶数の一側永久磁石として、
偶数の他側永久磁石が、それぞれ、偶数の一側永久磁石の各々に対し磁石保持筒の上記軸方向中間筒部の軸方向に沿い対向するように上記軸方向中間筒部の外周面にその周方向に沿い設けられており、
偶数の中央側永久磁石が、それぞれ、偶数の一側永久磁石の各々と偶数の他側永久磁石の各々との双方に対し上記軸方向中間筒部の軸方向に沿い所定の軸方向磁石間隔をおいて対向するように、偶数の一側永久磁石の各々と偶数の他側永久磁石の各々との間にて上記軸方向中間筒部の外周面にその周方向に沿い設けられており、
偶数の他側永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして上記軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出して前記ケーシングの周壁に対向する対向磁極を有しており、
偶数の中央側永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして上記軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出してケーシングの周壁に対向する対向磁極を有していることを特徴とする。
このように偶数の一側永久磁石、偶数の中央側永久磁石及び偶数の他側永久磁石を順次所定の軸方向磁石間隔にて磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面に軸方向に設けることで、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項6に記載の磁性物回収装置において、
偶数の一側永久磁石、中央側永久磁石及び偶数の他側永久磁石のうち互いに上記軸方向中間筒部の軸方向において対向する一側、中央側及び他側の各永久磁石毎に、当該一側、中央側及び他側の各永久磁石は、その各対向磁極にて、同一磁極となっていうことを特徴とする。
これにより、一側、中央側及び他側の両永久磁石が、その各対向磁極にて、異磁極となっている場合に比べて、同一磁極である方が、磁性粉等の磁性物の回収量をより一層増大させることができる。
また、本発明に係る磁性物回収システムは、請求項8の記載によれば、
請求項1〜7のいずれか1つに記載の磁性物回収装置(100、100A)と、
当該磁性物回収装置のケーシング内にその外周壁のうち一側蓋体の近傍部位にて流体を供給して軸状吸引部材を一側蓋体側から他側蓋体側へ移動させるとともに前記一側蓋体及び前記他側蓋体の他方側から前記筒状支持軸を通して前記ケーシング内の流体を外方へ排出させ、また、上記筒状支持軸を通してケーシング内の流体を供給して軸状吸引部材を他側蓋体側から一側蓋体側へ移動させるとともにケーシングの内部からその外周壁のうち一側蓋体の近傍部位から外方へ排出するように制御する流体供給制御手段(200)とを備える。
これによれば、流体供給手段による磁性物回収装置への流体の供給及び排出を行うことで、軸状吸引部材を、筒状支持軸に沿い軸方向に移動させることができ、その結果、請求項1〜7のいずれか1つに記載の磁性物回収装置の作用効果を達成し得る磁性物回収システムの提供が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本発明に係る磁性物回収システムの第1実施形態を示す部分破断全体構成図である。 (a)、(b)及び(c)は、それぞれ、図1にて2a−2a線、2b−2b線及び2c−2c線に沿う断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、図1の磁性円筒部材及び非磁性円筒部材を示す部分破断側面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、図1の一側蓋部材及び他側蓋部材を示す拡大側面図である。 図1の支持部材を示す拡大側面図である。 図4(a)の一側蓋部材に対する支持部材の組み付け構成を示す一側蓋部材の半断面図及び支持部材の側面図である。 図4(b)の他側蓋部材の半断面との関係にて図1の円筒状支持軸を示す拡大側面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、軸状吸引部材の拡大側面図及び一側軸方向端面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、図8の磁石保持軸の拡大側面図及び側軸方向端面図である。 (a)は、図1の磁性物回収装置の非磁性円筒部材に対する磁性粉の付着状態を示し、(b)は、(a)にて各10b−10b線に沿う断面図である。 (a)は、図10(a)にて軸状吸引部材の移動過程において非磁性円筒部材に対する磁性粉の付着状態の変化を示す半断面図であり、(b)は、図11(a)にて各11b−11b線に沿う断面図である。 (a)は、図11(a)にて軸状吸引部材のさらなる移動過程において非磁性円筒部材に対する磁性粉の付着状態の変化を示す半断面図であり、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ、図12(a)にて12b−12b線、12c−12c線及び12d−12d線に沿う断面図である。 (a)は、図11(a)にて軸状吸引部材の磁性円筒部材内への移動完了状態を示す半断面図であり、(b)は、図13(a)にて各13b−13b線に沿う断面図である。 永久磁石の軸方向同磁極配置のもとに永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、周方向分割配設数及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 永久磁石の軸方向同磁極配置のもとに永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、周方向分割配設数及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 永久磁石の軸方向異磁極配置のもとに永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、周方向分割配設数及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 永久磁石の軸方向異磁極配置のもとに永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、周方向分割配設数及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 周方向分割配設数を4とし、永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配置の極性及び径方向ねじり角度並びに軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 周方向分割配設数を4として、永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、永久磁石の軸方向長さ、軸方向配置の極性及び径方向ねじり角度並びに軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 周方向分割配設数を6とし、永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配置の極性及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 周方向分割配設数を6とし、永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、永久磁石の軸方向配置の極性及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 周方向分割配設数を8とし、永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、永久磁石の軸方向配置の極性及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 周方向分割配設数を8とし、永久磁石の厚さ、幅及び軸方向長さをそれぞれ5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、永久磁石の軸方向配置の極性及び軸状吸引部材の軸方向移動速度をパラメータとして、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係を示すグラフである。 (a)は、本発明の第2実施形態の要部を示す半断面側面図であり、(b)は、図24(a)にて各24b−24b線に沿う断面図である。 図24(a)の筒状ケーシングを示す側面図である。 図24(a)の磁性円筒部材を示す側面図である。 上記第2実施形態における図24の磁性物回収装置の非磁性円筒部材に対する磁性粉の付着状態を示す半断面図である。 図27にて軸状吸引部材の移動過程において非磁性円筒部材に対する磁性粉の付着状態の変化を示す半断面図である。 図28にて軸状吸引部材のさらなる移動過程において非磁性円筒部材に対する磁性粉の付着状態の変化を示す半断面図である。 図29にて軸状吸引部材の非磁性円筒部材の磁性円筒部材に対する対応筒部位内への移動完了状態を示す半断面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を磁性物回収システムに適用してなる第1実施形態を示している。この磁性物回収システムは、磁性物回収装置100と、この磁性物回収装置100を駆動制御する制御装置200とにより構成されている。
磁性物回収装置100は、円筒状ケーシング100aと、軸状吸引部材100bと、円筒状支持軸100cとを備えている。
ケーシング100aは、図1或いは図4にて示すごとく、円筒状ケーシング本体110と、両側蓋部材120、130と、支持部材140と、栓部材150とにより構成されている。円筒状ケーシング本体110は、図1にて示すごとく、磁性円筒部材110aと、非磁性円筒部材110bとを備えている。
磁性円筒部材110aは、その図3(a)にて図示右端部に形成した環状嵌合端部111でもって、非磁性円筒部材110bの図3(b)にて図示左端部に形成した環状嵌合端部112に同軸的に嵌着されることで、当該非磁性円筒部材110bと一体的に形成されて、円筒状ケーシング本体110を構成している。ここで、上述した磁性円筒部材110aの環状嵌合端部111と非磁性円筒部材110bの環状嵌合端部112との嵌着は、ロウ付け、溶接、接着或いは圧着等によりなされている。
本第1実施形態では、磁性円筒部材110aは、軟質磁性金属材料や強磁性金属材料(例えば、鉄)等の磁性材料により形成されている。一方、非磁性円筒部材110bは、非磁性ステンレス鋼、アルミニウムや銅等の非磁性金属材料や合成樹脂材料等の非磁性材料により形成されている。
両側蓋部材120、130のうち、一側蓋部材120は、図4(a)にて示すごとく、大径円筒部121、小径環状部122及び環状鍔部123でもって、アルミニウムその他の非磁性材料により同軸的にかつ一体的に形成されている。なお、このように一側蓋部材120を構成することで、環状溝部122aが、小径環状部122の外周側にて、大径円筒部121と環状鍔部123との間に形成されている。
しかして、当該一側蓋部材120は、図1にて示すごとく、Oリング124を介し磁性円筒部材110aの外端開口部(円筒状ケーシング本体110の一側開口部)に同軸的にかつ気密的に嵌装されている。なお、一側蓋部材120は、磁性円筒部材110aの外端開口部の外周部に形成した雌ねじ孔部に締着してなる雄ねじ(図示しない)により、磁性円筒部材110aの外端開口部の外周部に固定されている。
ここで、Oリング124は、一側蓋部材120の環状溝部122a(図4(a)参照)内に収容されて、一側蓋部材120の小径環状部122と磁性円筒部材110aの内周壁のうち小径環状部122に対する対応部位との間に気密的に挟持されて、シール機能を発揮する。
また、一側蓋部材120は、その貫通状の雌ねじ孔部121aにて、磁性円筒部材110aに形成した貫通孔部113に同軸的に連通している。これにより、本第1実施形態では、雌ねじ孔部121a及び貫通孔部113が、磁性物回収装置100の一側流入出ポートP1(図1参照)を構成する。
一方、他側蓋部材130は、図4(b)にて示すごとく、大径円筒部131、小径環状部132及び環状鍔部133でもって、アルミニウムその他の非磁性材料により同軸的にかつ一体的に形成されている。なお、このように他側蓋部材130を構成することで、環状溝部132aが、小径環状部132の外周側にて、大径円筒部131と環状鍔部133との間に形成されている。
しかして、当該一側蓋部材130は、図1にて示すごとく、Oリング125を介し非磁性円筒部材110bの外端開口部(円筒状ケーシング本体110の他側開口部)に同軸的にかつ気密的に嵌装されている。なお、他側蓋部材130は、非磁性円筒部材110bの外端開口部の外周部に形成した雌ねじ孔部に締着してなる雄ねじ(図示しない)により、非磁性円筒部材110aの外端開口部の外周部に固定されている。
ここで、Oリング125は、他側蓋部材130の環状溝部132a(図4(b)参照)内に収容されて、他側蓋部材130の小径環状部132と非磁性円筒部材110bの内周壁のうち小径環状部132に対する対応部位との間に気密的に挟持されて、シール機能を発揮する。
支持部材140は、図1或いは図5にて示すごとく、大径円筒部141及び小径円筒部142でもって、段付き円筒状となるように、アルミニウムその他の非磁性材料により同軸的にかつ一体的に形成されている。
ここで、大径円筒部141は、両環状溝部141aを有しており、当該両環状溝部141aは、大径円筒部141の外周部のうち小径円筒部142側の部位にて、軸方向に間隔をおいて凹断面コ字状に形成されている。
しかして、このように構成した支持部材140は、図1或いは図6にて示すごとく、一側蓋部材120内に形成した段付き内孔部121b内に小径円筒部142側から両Oリング125を介し同軸的にかつ気密的に嵌装されている。
ここで、段付き内孔部121bは、大径内孔部121c及び小径内孔部121dからなるもので、大径内孔部121cは、大径円筒部121内にその図6にて図示左側部位に形成されるとともに、小径内孔部121dは、大径円筒部121の図6にて図示右側部位から小径環状部122及び環状鍔部123にかけて、大径内孔部121cと同軸的に図示右側へ延出するように形成されている。
しかして、支持部材140においては、大径円筒部141が、段付き内孔部121bの大径内孔部121c内に両Oリング125を介し同軸的にかつ気密的に嵌装されており、大径円筒部141は、その図6にて図示右側端部にて、大径内孔部121cの小径内孔部121dとの境界に形成される環状段部に当接している。
また、小径円筒部142は、大径円筒部141からその図6にて図示右方へ同軸的に延出されており、当該小径円筒部142の外周面とこの外周面に対する大径円筒部121の対応内周面部との間には環状の空隙が形成されて、一側流入出ポートP1にその内端開口部から連通している。
なお、支持部材140は、大径円筒部141にて、大径内孔部121cの小径内孔部121dとの境界に形成される環状段部と、大径内孔部121cの図6にて図示左側部位に形成した環状溝部121eに嵌装してなるスナップリング126との間に軸方向へ移動不能に挟持されている。また、スナップリング126は、アルミニウムその他の非磁性材料から形成されている。
本実施形態では、両Oリング125は、それぞれ、大径円筒部141の各環状溝部141a内に収容されて、各環状溝部141aの底面と大径円筒部141の大径内孔部121cの内周面との間に挟持されて、シール機能を発揮している。
支持部材140内には、連通円筒部材140aが、図6にて示すごとく、次のように、同軸的に嵌装されている。ここで、支持部材140は、図5或いは図6にて示すごとく、段付き内孔部143を有しており、この段付き内孔部143は、大径孔部143a及び小径孔部143bでもって、支持部材140内に同軸的に形成されている。なお、大径孔部143a及び小径孔部143bは、図6にて図示左右に位置するように形成されており、小径孔部143bは、小径円筒部142の中空部をも兼ねている。
しかして、連通円筒部材140aは、段付き内孔部143の大径孔部143a内に同軸的に圧入により嵌装されている。これにより、当該連通円筒部材140aは、その軸方向一側開口端部にて、一側蓋部材120の中空部から外方に開放されており、当該連通円筒部材140aの軸方向他側開口端部は、支持軸100cの中空部(後述する)内に連通している。なお、連通円筒部材140aは、磁性物回収装置100の他側流入出ポートP2(図1参照)としての役割を果たす。
栓部材150は、円柱状のもので、当該栓部材150は、図1にて示すごとく、他側蓋部材130の大径円筒部131内に同軸的に圧入により嵌装されている。これにより、栓部材150は、大径円筒部131の中空部を外部から気密的にシールしている。なお、栓部材150は、アルミニウムその他の非磁性材料でもって形成されている。
円筒状支持軸100cは、図1にて示すごとく、両ドライベアリング160を介し、軸状吸引部材100bを同軸的に軸方向へ移動可能に支持するもので、当該円筒状支持軸100cは、アルミニウムやステンレス鋼(SUS)その他の非磁性材料でもって、円筒状に形成されている。
当該支持軸100cは、図1、図6及び図7のいずれかにて示すごとく、その軸方向両側開口端部の一方にて、連通円筒部材140aと同軸的に対向するように、支持部材140に同軸的に嵌装されており、当該支持軸100cの軸方向両側開口端部の他方は、他側蓋部材130の中空部内に同軸的に挿入されて、栓部材150に対向している。
ここで、円筒状支持軸100cの軸方向両側開口端部の他方の外周面と、他側蓋部材130の中空部の内周面との間には、環状の空隙が形成されており、円筒状支持軸100cの軸方向両側開口端部の他方とこれに対する栓部材150の対向端面との間には空間が付与されている。これにより、円筒状支持軸100cは、その軸方向両側開口端部の他方にて、上記空間及び環状の空隙を通りOリング128(後述する)の中空部を介し非磁性円筒部材110b内に連通している。
軸状吸引部材100bは、両ドライベアリング160を介し、円筒状支持軸100cに同軸的に軸方向へ移動可能に支持されている。当該軸状吸引部材100bは、図8或いは図9にて示すごとく、磁石保持筒170を備えており、この磁石保持筒170は、両ドライベアリング160を介し、支持軸100cに同軸的に軸方向に移動可能に嵌装されている。
本実施形態において、磁石保持筒170の外径は、円筒状ケーシング本体110の内径よりも幾分小さい。また、磁石保持筒170の形成材料は、軟質磁性金属材料や強磁性金属材料(例えば、鉄)等の磁性材料である。
ここで、両ドライベアリング160は、4フッ化エチレン樹脂に特殊添加剤を添加してなる材料でもって、円筒状に形成されているもので、当該両ドライベアリング160は、それぞれ、図8にて示すごとく、磁石保持筒170の中空部171のうちその軸方向両側端部内に同軸的に嵌着されている。
磁石保持筒170は、図9にて示すごとく、中央筒部172と、両内環状部173と、両外環状部174とを同軸的にかつ一体的に有するように構成されている。
中央筒部172は、図9(b)にて示すごとく、8個の分割壁部172aを有しており、この8個の分割壁部172aは、中央筒部172の外周壁をその周方向に8個に等間隔(中央筒部172の等角度間隔に対応)にて分割して横断面正8角形状に加工することで形成されている。このことは、各分割壁部172aが、中央筒部172の周方向に45°間隔にて形成されていることを意味する。なお、当該中央筒部172の最大外径は、両内環状部173及び両外環状部174の各外径よりも小さい。
両内環状部173は、それぞれ、中央筒部172をその軸方向両側から挟むように互いに対向して当該中央筒部172に同軸的にかつ一体的に形成されている。当該両内環状部173は、それぞれ、横断面コ字状溝部173aを有しており、当該各横断面コ字状溝部173aは、各対応の内環状部173の軸方向中央部にて、その周方向に沿い、軸心に向けコ字状となるように形成されている。
また、両外環状部174は、それぞれ、両内環状部173をその軸方向外側から挟むように互いに対向して当該両内環状部173及び中央筒部172と同軸的にかつ一体的に形成されている。
当該両外環状部174は、それぞれ、横断面コ字状溝部174aを有しており、当該各横断面コ字状溝部174aは、各対応の内環状部173の軸方向中央部にて、その周方向に沿い、軸心に向けコ字状となるように形成されている。なお、横断面コ字状溝部174aとその対応横断面コ字状溝部173aとは、その境界部を共有している。
また、軸状吸引部材100bは、図1或いは図8にて例示するごとく、12個の永久磁石175を有しており、当該12個の永久磁石175は、共に、ネオジウム等の希土類その他の強磁性材料でもって、平板形状に形成されている。本実施形態では、各永久磁石175は、その厚さ方向に着磁されている。従って、各永久磁石175は、その厚さ方向両端部にて、N極及びS極を有する。
ここで、各永久磁石175は、所定の長さ(例えば、10(mm))、所定の幅(例えば、10(mm)及び所定の厚さ(例えば、5(mm))からなる矩形平板形状に形成されている。なお、上述の長さ、幅及び厚さは、それぞれ、磁石保持筒170の軸方向長さ、周方向幅及び径方向厚さに相当する。
当該12個の永久磁石175は、一側永久磁石175、中央側永久磁石175及び他側永久磁石175として、4個ずつに分割されて、次のようにして中央筒部172の8個の分割壁部172aのうち、1つおきの4個の分割壁部172aに分散して装着されている(図8参照)。
本実施形態において、1つおきの4個の分割壁部172aとは、中央筒部172の周方向に90°間隔(中央筒部172を等角度にて4分割した間隔)の位置において、中央筒部172の外周壁に形成されている4個の分割壁部172aに相当する。なお、1つおきの分割壁部172aは、以下、1つおき分割壁部172aともいう。
4個の一側永久磁石175は、それぞれ、4個の1つおき分割壁部172aの各一側壁部位(図8(a)にて図示左側壁部位)に装着されている。ここで、各一側永久磁石175は、その幅及び長さの各方向にて、それぞれ、磁石保持筒170の周方向及び軸方向に沿うように、各1つおき分割壁部172aの一側壁部位に装着されている。このことは、一側永久磁石175の周方向分割配設数が4であることを意味する。
但し、4個の一側永久磁石175のうち、中央筒部172を介し互いに対向する2個の一側永久磁石175は、残りの2個の一側永久磁石175に対し、中央筒部172の径方向において径方向異磁極性を有するように、各1つおき分割壁部172aの一側壁部位に装着されている。
具体的には、図8(a)にて半断面により示す両一側永久磁石175は、それぞれ、中央筒部172の径方向外側及び径方向内側にて、N極及びS極を有するように各対応の1つおき分割壁部172aの一側壁部位に装着されている。従って、残りの両一側永久磁石175は、それぞれ、中央筒部172の径方向外側及び径方向内側にて、S極及びN極を有するように残りの各1つおき分割壁部172aの一側壁部位に装着されている。
本第1実施形態において、一側永久磁石175毎に、当該一側永久磁石175の対応分割壁部172aの一側壁部位に対する装着は、接着材による接着によりなされている。なお、これに代えて、一側永久磁石175毎に、上記装着は、当該一側永久磁石175をその対応分割壁部172aの一側壁部位に形成される凹所(図示しない)内に嵌着することで、なされてもよい。
また、4個の中央側永久磁石175は、それぞれ、4個の1つおき分割壁部172aの各中央側壁部位(図8(a)にて図示中央側壁部位)に装着されている。ここで、各中央側永久磁石175は、その幅及び長さの各方向にて、それぞれ、磁石保持筒170の周方向及び軸方向に沿うように、各1つおき分割壁部172aの中央側壁部位に装着されている。このことは、中央側永久磁石175の周方向分割配設数が4であることを意味する。
但し、4個の中央側永久磁石175のうち、中央筒部172を介し互いに対向する2個の中央側永久磁石175は、残りの2個の中央側永久磁石175に対し、中央筒部172の径方向において径方向異磁極性を有するように、各1つおき分割壁部172aの中央側壁部位に装着されている。
具体的には、図8(a)にて半断面により示す両中央側永久磁石175は、それぞれ、中央筒部172の径方向外側及び径方向内側にて、N極及びS極を有するように各対応の1つおき分割壁部172aの中央側壁部位に装着されている。従って、残りの両中央側永久磁石175は、それぞれ、中央筒部172の径方向外側及び径方向内側にて、S極及びN極を有するように残りの各1つおき分割壁部172aの中央側壁部位に装着されている。
本第1実施形態において、中央側永久磁石175毎に、当該中央側永久磁石175の対応分割壁部172aの中央側壁部位に対する装着は、接着材による接着によりなされている。なお、これに代えて、中央側永久磁石175毎に、上記装着は、当該中央側永久磁石175をその対応分割壁部172aの中央側壁部位に形成される凹所(図示しない)内に嵌着することで、なされてもよい。
また、残りの4個の他側永久磁石175は、それぞれ、4個の1つおき分割壁部172aの各他側壁部位(図8(a)にて図示右側壁部位)に装着されている。ここで、各他側永久磁石175は、その幅及び長さの各方向にて、それぞれ、磁石保持筒170の周方向及び軸方向に沿うように、各1つおき分割壁部172aの他側壁部位に装着されている。このことは、他側永久磁石175の周方向分割配設数が4であることを意味する。
但し、4個の他側永久磁石175のうち、中央筒部172を介し互いに対向する2個の他側永久磁石175は、残りの2個の他側永久磁石175に対し、中央筒部172の径方向において径方向異磁極性を有するように、各1つおき分割壁部172aの他側壁部位に装着されている。
具体的には、図8(a)にて半断面により示す両他側永久磁石175は、それぞれ、中央筒部172の径方向外側及び径方向内側にて、N極及びS極を有するように各対応の1つおき分割壁部172aの他側壁部位に装着されている。従って、残りの両他側永久磁石175は、それぞれ、中央筒部172の径方向外側及び径方向内側にて、S極及びN極を有するように残りの各1つおき分割壁部172aの他側壁部位に装着されている。
本第1実施形態において、他側永久磁石175毎に、当該他側永久磁石175の対応分割壁部172aの他側壁部位に対する装着は、接着材による接着によりなされている。なお、これに代えて、他側永久磁石175毎に、上記装着は、当該他側永久磁石175をその対応分割壁部172aの他側壁部位に形成される凹所(図示しない)内に嵌着することで、なされてもよい。
以上のように12個の永久磁石175を中央筒部172に装着することで、4つの1つおき分割壁部172aの各々に装着した一側、中央側及び他側の各永久磁石175は、1つおき分割壁部172a毎に、中央筒部172の軸方向において、共に、軸方向同磁極配置となっている(図2参照)。このことは、4つの1つおき分割壁部172aの各々に装着した一側、中央側及び他側の各永久磁石175は、互いに対向する両1つおき分割壁部172a毎に、中央筒部172の径方向外側及び径方向内側においてN極或いはS極を有することを意味する。
また、当該軸状吸引部材100bは、図1或いは図8にて例示するごとく、両側環状空間調整部材176並びに両側環状ウェアリング177を備えている。一側環状空間調整部材176は、中央筒部172の外周壁に沿い、各一側永久磁石175と各中央側永久磁石175との間にて介装されている。また、他側環状空間調整部材176は、中央筒部172の外周壁に沿い、各中央側永久磁石175と各他側永久磁石175との間にて介装されている。
本実施形態では、各環状空間調整部材176は、それぞれ、PVCやナイロン等の合成樹脂でもって、所定の幅(例えば、18(mm))、所定の厚さ(例えば、永久磁石175と同一の厚さ)及び所定の内径(例えば、中央筒部172の外径よりも幾分大きな径)を有するように環状に形成されており、各環状空間調整部材176は、その周方向の一部において切り割り形成されている。
しかして、このように形成された一側環状空間調整部材176は、弾力に抗して、その切り割り部を外方に一時的に開いた状態にて、中央筒部172の外周壁のうち各一側永久磁石175と各中央側永久磁石175との間の部位に嵌装することで、上述のように介装されて、各一側永久磁石175と各中央側永久磁石175との間の軸方向に沿う間隔を所定の軸方向磁石間隔(例えば、18(mm))に維持する。
また、上述のように形成された他側環状空間調整部材176は、弾力に抗して、その切り割り部を外方に一時的に開いた状態にて、中央筒部172の外周壁のうち各中央側永久磁石175と各他側永久磁石175との間の部位に嵌装することで、上述のように介装されて、各中央側永久磁石175と各他側永久磁石175との間の軸方向に沿う間隔を上記所定の軸方向磁石間隔に維持する。
両側環状ウェアリング177は、共に、布入りフェノール樹脂でもって、環状に形成されており、各環状ウェアリング177は、その周方向の一部において切り割り形成されている。しかして、一側環状ウェアリング177は、弾力に抗して、その切り割り部を外方に一時的に開いた状態にて磁石保持筒170の一側内環状部173の横断面コ字状溝部173a内に嵌装されるとともに、他側環状ウェアリング177は、弾力に抗して、その切り割り部を外方に一時的に開いた状態にて磁石保持筒170の他側内環状部173の横断面コ字状溝部173a内に嵌装されている。
以上のように構成した軸状吸引部材100bにおいて、磁石保持筒170は、ケーシング100aの円筒状ケーシング本体110内にて、中空部171でもって、両ドライベアリング160を介し、円筒状支持軸100cに軸方向に移動可能に嵌装されている。これにより、軸状吸引部材100bは、両側蓋部材120、130の各対向面の間にて、円筒状支持軸100cに沿いその軸方向へ移動可能となっている(図1参照)。
しかして、軸状吸引部材100bが、円筒状支持軸100cに沿い一側軸方向(図1にて磁性円筒部材110aから非磁性円筒部材110bへ向かう軸方向)への移動に伴い、非磁性円筒部材110b内に位置するとき、第1の一側磁気形成回路、第1の中央側磁気形成回路及び第1の他側磁気形成回路が、次のように形成される。
即ち、上記第1の一側磁気形成回路は、4個の一側永久磁石175のうち、周方向に隣り合う両一側永久磁石175毎に、当該両一側永久磁石175の一方、磁石保持筒170の中央筒部172の周壁部及び上記両一側永久磁石175の他方を通り非磁性円筒部材110bの外側に向け形成される。
上記第1の中央側磁気形成回路は、4個の中央側永久磁石175のうち、周方向に隣り合う両中央側永久磁石175毎に、当該両中央側永久磁石175の一方、磁石保持筒170の中央筒部172の周壁部及び上記両他側永久磁石175の他方を通り非磁性円筒部材110bの外側に向け形成される。
また、上記第1の他側磁気形成回路は、4個の他側永久磁石175のうち、周方向に隣り合う両他側永久磁石175毎に、当該両他側永久磁石175の一方、磁石保持筒170の中央筒部172の周壁部及び上記両他側永久磁石175の他方を通り非磁性円筒部材110bの外側に向け形成される。
一方、軸状吸引部材100bが、円筒状支持軸100cに沿い他側軸方向(図1にて非磁性円筒部材110bから磁性円筒部材110aへ向かう軸方向)への移動に伴い、磁性円筒部材110a内に位置するとき、第2の一側磁気形成回路、第2の中央側磁気形成回路及び第2の他側磁気形成回路が、次のように形成される。
即ち、上記第2の一側磁気形成回路は、4個の一側永久磁石175のうち、周方向に隣り合う両一側永久磁石175毎に、当該両一側永久磁石175の一方、磁石保持筒170の中央筒部172の周壁部、上記両一側永久磁石175の他方及び磁性円筒部材110aの周壁部を通り、磁性円筒部材110aの外側に出ることなく、形成される。
上記第2の中央側磁気形成回路は、4個の中央側永久磁石175のうち、周方向に隣り合う両中央側永久磁石175毎に、当該両中央側永久磁石175の一方、磁石保持筒170の中央筒部172の周壁部、上記両他側永久磁石175の他方及び磁性円筒部材110aの周壁部を通り、磁性円筒部材110aの外側に出ることなく、形成される。
また、上記第2の他側磁気形成回路は、4個の他側永久磁石175のうち、周方向に隣り合う両他側永久磁石175毎に、当該両他側永久磁石175の一方、磁石保持筒170の中央筒部172の周壁部、上記両他側永久磁石175の他方及び磁性円筒部材110aの周壁部を通り、磁性円筒部材110aの外側に出ることなく、形成される。
ここで、軸状吸引部材100bが、その円筒状支持軸100cの上記一側軸方向への移動端に達したとき、当該軸状吸引部材100bは、その軸方向一端部にて、一側環状衝撃緩衝部材128を介し、他側蓋部材130の軸方向内端部に当接する。また、軸状吸引部材100bが、その円筒状支持軸100cの上記他側軸方向への移動端に達したとき、当該軸状吸引部材100bは、その軸方向他端部にて、他側環状衝撃緩衝部材127を介し、一側蓋部材120の軸方向内端部に当接する。
本実施形態では、一側環状衝撃緩衝部材127は、Oリングからなり、一側蓋部材120の内端部に同軸的に装着されて、磁石保持筒170の一側蓋部材120の内端部に対する衝突を緩和する。また、他側環状衝撃緩衝部材128は、Oリングからなり、他側蓋部材130の軸方向内端部に同軸的に装着されて、磁石保持筒170の他側蓋部材130の内端部に対する衝突を緩和する。
また、上述のような軸状吸引部材100bの円筒状支持軸100cに対する嵌装状態において、磁石保持筒170の外周部、換言すれば、両内環状部173及び両外環状部174の各外周部とケーシング100aの内周面(磁性円筒部材110a及び非磁性円筒部材110bの各内周面)との間には、環状の空隙が形成されて、磁石保持筒170の外周部をケーシング100aの内周面との直接接触から防止している。
また、両外環状部174の各横断面コ字状溝部174a内に嵌装してなる両側環状パッキング178は、円筒状ケーシング本体110の内周面と各横断面コ字状溝部174aの底壁部との間に挟持されて、シール機能を発揮する。
本実施形態では、各環状パッキング178は、ニトルゴムでもって、環状に形成されており、当該各環状パッキング178は、それぞれ、その弾力に抗して、磁石保持筒170の両軸方向端部を介し両側外環状部174の各横断面コ字状溝部174a内に嵌装されている。
制御装置200は、図1にて示すごとく、電磁弁210を備えており、この電磁弁210は、日本国SMC社製2ポジション5ポート型電磁切り換え弁でもって構成されている。当該電磁弁210は、3つの一側ポート211、212、213、2つの他側ポート214、215及び両側ソレノイド216、217を有している。
しかして、当該電磁弁210は、他側ソレノイド217の消磁のもとに、一側ソレノイド216の励磁により、一側切り換え位置に切り換わって、一側ポート213を他側ポート214に連通させるとともに、一側ポート211を他側ポート215に連通させる。
また、当該電磁弁210は、一側ソレノイド216の消磁のもとに、他側ソレノイド217の励磁により、他側切り換え位置に切り換わって、一側ポート211を他側ポート214に連通させるとともに、一側ポート212を他側ポート215に連通させる。
また、当該電磁弁210は、両側ソレノイド216、217の消磁のもとでは、上述の第1及び第2の切り換え位置のいずれかに維持される。ここで、一側ソレノイド216が、他側ソレノイド217の消磁のもとに、励磁されて第1切り換え位置に切り換わった後消磁されると、当該電磁弁210は、第1切り換え位置にそのまま維持される。また、他側ソレノイド217が、一側ソレノイド216の消磁のもとに、励磁されて第2切り換え位置に切り換わった後消磁されると、当該電磁弁210は、第2切り換え位置にそのまま維持される。
ここで、一側ポート211は、配管P5を介して減圧弁240の流出ポートに接続されている。他側ポート214は、柔軟性配管P3を介し、磁性物回収装置100の円筒状支持軸100cの一側開口端部に連通円筒部材140a(他側流入出ポートP2)を介し連通している。また、他側ポート215は、柔軟性配管P4を介し、磁性物回収装置100の一側流入出ポートP1内に連通している。なお、柔軟性配管P3及び柔軟性配管P4は、ゴムチューブや塩化ビニルチューブ等の柔軟性材料でもって形成されている。
両側タイマ220、230のうち、一側タイマ220は、一側操作スイッチSW1と電磁弁210の一側ソレノイド216との間に接続されており、当該一側タイマ220は、電源PSから一側操作スイッチSW1を介し商用電圧を印加されて計時作動を開始して、所定の計時時間(以下、第1計時時間ともいう)を計時する。
しかして、当該一側タイマ220は、上記第1計時時間の計時の開始により、一側操作スイッチSW1を介し電源PSからの商用電圧を一側ソレノイド216に印加してこの一側ソレノイド216を励磁する。また、一側タイマ220は、上記第1計時時間の計時終了に伴い計時作動を終了して一側ソレノイド216を消磁する。
本第1実施形態において、上述の第1計時時間は、軸状吸引部材100bを、一側蓋部材120との一側緩衝部材127を介する当接位置から他側蓋部材130との他側緩衝部材128を介する当接位置まで移動させるに要する時間をいう。
他側タイマ230は、他側操作スイッチSW2と電磁弁210の他側ソレノイド217との間に接続されており、当該他側タイマ230は、電源PSから他側操作スイッチSW2を介し商用電圧を印加されて計時作動を開始して、所定の計時時間(以下、第2計時時間ともいう)を計時する。
しかして、当該他側タイマ230は、上記第2計時時間の計時の開始により、他側操作スイッチSW2を介し電源PSからの商用電圧を他側ソレノイド217に印加してこの他側ソレノイド217を励磁する。また、他側タイマ220は、上記第2計時時間の計時終了に伴い計時作動を終了して他側ソレノイド217を消磁する。
本第1実施形態において、上述の第2計時時間は、軸状吸引部材100bを、他側蓋部材130との他側緩衝部材128を介する当接位置から一側蓋部材120との一側緩衝部材127を介する当接位置まで移動させるに要する時間をいう。なお、各タイマ220、230の計時時間の設定は、手動操作によりなされる。また、各タイマ220、230は、その計時終了によりリセットされる。
また、制御装置200は、減圧弁240、エアフイルタ250及び圧縮空気供給源260を備えており、減圧弁240は、圧縮空気供給源260からエアフイルタ250を介し供給される圧縮空気を減圧して配管P5を介して電磁弁210の一側ポート211に供給する。
なお、エアフイルタ250は、圧縮空気供給源260からの圧縮空気を清浄にして減圧弁240に供給する。圧縮空気供給源260は、所定の高圧にて圧縮された空気を圧縮空気として貯蔵している。
以上のように構成した本第1実施形態において、当該磁性物回収システムによる磁性粉の回収は、次のようにして行われる。
磁性物回収装置100において、軸状吸引部材100bが、非磁性円筒部材110b内に位置して、他側緩衝部材128を介し他側蓋部材130の内端部に当接しているものとする。このことは、軸状吸引部材100bが、磁性粉吸引移動端に位置することを意味する。
このような段階においては、制御装置200の電磁弁210は、両側ソレノイド216、217の消磁のもとに、一側切り換え位置及び他側切り換え位置のいずれかに維持されている。ここで、電磁弁210が一側切り換え位置に維持されている場合には、一側ポート213が、他側ポート214に連通するとともに、一側ポート211が、他側ポート215に連通している。また電磁弁210が他側切り換え位置に維持されている場合には、一側ポート211が、他側ポート214に連通するとともに、一側ポート212が、他側ポート215に連通している。
現段階においては、電磁弁210が、図1にて示すごとく、他側切り換え位置に維持されているものとする。そして、本実施形態では、図1にて示す他側切り換え位置が電磁弁210の原切り換え位置であるものとする。
しかして、このような状態において、圧縮空気供給源260の圧縮空気が、エアフィルタ250及び減圧弁240を介して、電磁弁210に供給されると、当該圧縮空気は、電磁弁210の上記原切り換え位置(他側切り換え位置)のもとに、一側ポート211から他側ポート214及び配管P3を通り他側流入出ポートP2内に流入する。
このように他側流入出ポートP2内に流入した圧縮空気は、円筒状支持軸100cの中空部を通り他側蓋部材130の中空部及び他側緩衝部材128の中空部を通り円筒状ケーシング100a内に非磁性円筒部材110b側から流入して充満する。一方、一側流入出ポートP1は、配管P4、電磁弁210の他側ポート215及び一側ポート212を通り電磁弁210の外部に開放されている。
このような状態では、軸状吸引部材100bが、その磁石保持筒170にて、円筒状ケーシング100a内に非磁性円筒部材110b側から流入する圧縮空気により一側蓋部材120側へ押圧されて円筒状支持軸100cに沿い移動して一側蓋部材120の内端部に一側環状衝撃緩衝部材127を介し当接している。これに伴い、円筒状ケーシング100a内にて磁石保持筒170の一側蓋部材120側に存在する空気は、一側流入出ポートP1、配管P4、電磁弁210の他側ポート215及び一側ポート212を通り電磁弁210の外部に排出されている。
また、このような状態では、軸状吸引部材100bが、磁性円筒部材110a内に維持されているので、軸状吸引部材100bは、その磁石保持筒170の各永久磁石にて、磁性円筒部材110aから外部へ流れ出ることなく当該磁性円筒部材110aの内部を通るように各閉磁路を形成することで、各永久磁石から生ずる磁束は、磁性円筒部材110aの外部に出ることがない。従って、磁性粉の非磁性円筒部材110bに対する付着が誤って起きることなく、安全である。
また、上述のように、軸状吸引部材100bが、その磁石保持筒170にて、円筒状ケーシング100a内に非磁性円筒部材110b側から流入する圧縮空気により一側蓋部材120側へ押圧されて磁性円筒部材110a内に維持されている状態では、当該圧縮空気が、円筒状ケーシング100a内に非磁性円筒部材110b側において充満している。
このため、軸状吸引部材100bが、非磁性円筒部材110b側から当該圧縮空気の圧力を受けて、一側緩衝部材127を介する一側蓋部材120との当接状態にて磁性円筒部材110a内に移動不能に維持されている。その結果、磁性物回収装置100に対し外部から衝撃が加わっても、上述した圧縮空気の充満のもと、ケーシング100aの変形や破損等を招くことなく、磁石保持筒170は、一側緩衝部材127を介する一側蓋部材120との当接状態に移動不能に維持され得る。
このような段階において、磁性粉の回収にあたり、タイマ220に第1計時時間を設定するとともに、操作スイッチSW2のオフのもとに操作スイッチSW1をオンすると、タイマ220は、電源PSから商用電圧を印加されて、第1計時時間の計時を開始するとともに、電磁弁210のソレノイド216を励磁する。これに伴い、電磁弁210が他側切り換え位置から一側切り換え位置に切り換わり、減圧弁240からの圧縮空気が、配管P5、電磁弁210の一側ポート211及び他側ポート215、配管P4及び一側流入出ポートP1を通り磁性円筒部材110a内に流入する。
このため、軸状吸引部材100bが、その一側端部にて、磁性円筒部材110a内に流入する圧縮空気の圧力により他側蓋部材130に向けて円筒状支持軸100cに沿い移動する。このとき、非磁性円筒部材110b内の圧縮空気が、軸状吸引部材100bにより押されて円筒状支持軸100cの中空部、他側流入出ポートP2、配管P3並びに電磁弁210の他側ポート214及び他側ポート213を通り外部に排出される。
しかして、軸状吸引部材100bが、その移動により、他側蓋部材130の内端部に他側緩衝部材128を介し当接すると、当該軸状吸引部材100bは、非磁性円筒部材180内にて磁性粉を吸引する位置(磁性粉吸引移動端の位置)に到達する。また、タイマ220は、上記第1計時時間の計時を終了して、電磁弁210のソレノイド216を消磁する。このため、電磁弁210は、その一側切り換え位置に維持される。
このような状態においては、上述した第1の一側磁路形成回路、第1の中央側磁路形成回路及び第1の他側磁路形成回路が、各両隣接一側永久磁石175、各両隣接中央側永久磁石175及び各両隣接他側永久磁石175に対応して形成される。
このため、第1の一側磁路形成回路毎に、磁力線が、両隣接一側永久磁石175の一方の一側永久磁石175のN極から径方向に非磁性円筒部材110bの周壁を通り外方へ出射し、上記両隣接一側永久磁石175の他方の一側永久磁石175に向けて流れ、然る後、非磁性円筒部材110bの周壁を通り上記両隣接一側永久磁石175の他方の一側永久磁石175のS極に入射した後、この他方の一側永久磁石175のN極及び磁石保持筒170の中央筒部172の周壁を通り上記一方の一側永久磁石175のS極に流入して、第1の一側閉磁路を形成する。従って、このように形成される第1の一側閉磁路は、非磁性円筒部材110bの周壁の外側にも流れる。
また、第1の中央側磁路形成回路毎に、磁力線が、両隣接中央側永久磁石175の一方の中央側永久磁石175のN極から径方向に非磁性円筒部材110bの周壁を通り外方へ出射し、上記両隣接中央側永久磁石175の他方の中央側永久磁石175に向けて流れ、然る後、非磁性円筒部材110bの周壁を通り上記両隣接中央側永久磁石175の他方の中央側永久磁石175のS極に入射した後、この他方の中央側永久磁石175のN極及び中央筒部172の周壁を通り上記一方の中央側永久磁石175のS極に流入して、第1の中央側閉磁路を形成する。従って、このように形成される第1の中央側閉磁路は、非磁性円筒部材110bの周壁の外側にも流れる。
また、第1の他側磁路形成回路毎に、磁力線が、両隣接他側永久磁石175の一方の他側永久磁石175のN極から径方向に非磁性円筒部材110bの周壁を通り外方へ出射し、上記両隣接他側永久磁石175の他方の他側永久磁石175に向けて流れ、然る後、非磁性円筒部材110bの周壁を通り両隣接他側永久磁石175の他方の他側永久磁石175のS極に入射した後この他方の他側永久磁石175のN極及び磁石保持筒170の周壁を通り上記一方の他側永久磁石175のS極に流入して、第1の他側閉磁路を形成する。従って、このように形成される第1の他側閉磁路は、非磁性円筒部材110bの周壁の外側にも流れる。
ここで、上述したごとく、磁石保持筒170における同一の分割壁部172aに装着した一側、中央側及び他側の各永久磁石175毎に、当該一側、中央側及び他側の各永久磁石175は、共に、磁石保持筒170の径方向外側にてN極或いはS極を対向磁極として有するような径方向同一極性となっている。このため、第1の一側閉磁路、第1の中央側閉磁路及び第1の他側閉磁路毎に流れる各磁力線は、上記対向磁極をN極とする永久磁石175から上記対向磁極をS極とする永久磁石175に向き磁石保持筒170の同一周方向に沿うように流れる。
このような状態にて磁性物回収装置100を、磁性円筒部材110aにて把持して、非磁性円筒部材110bをその周壁にて磁性粉に近づけると、磁性粉は、上記各第1の一側閉磁路に沿う各一側永久磁石175の磁気作用、上記各第1の中央側閉磁路に沿う各中央側永久磁石175の磁気作用及び上記各第1の他側閉磁路に沿う各他側永久磁石175の磁気作用によって、非磁性円筒部材110bの周壁を介し吸引される。
このとき、上述のように、各第1の一側閉磁路、各第1の中央側閉磁路及び各第1の他側閉磁路が、非磁性円筒部材110bの周壁の外側へ出るように形成されているため、磁性粉は、各第1の一側閉磁路、各第1の中央側閉磁路及び各第1の他側閉磁路のうち、非磁性円筒部材110bの周壁の外側に出る各磁路部分に沿って集中するように吸引されて非磁性円筒部材110bの外周面に付着する(図10参照)。この場合、磁性粉は、第1の一側閉磁路毎、第1の中央側閉磁路毎及び第1の他側閉磁路毎に、非磁性円筒部材110bの外周面に付着する(図10(a)にて各符号M1〜M3参照)。
ここで、上述したように、一側永久磁石175の数、中央側永久磁石175の数及び他側永久磁石175の数は、共に、偶数(4個)であり、かつ各一側永久磁石175、各中央側永久磁石175及び各他側永久磁石175は、それぞれ、上述のように磁石保持筒170の中央筒部172の外周面に等角度間隔(90°間隔)にて装着されている。
また、上述したごとく、両隣接一側永久磁石175毎に、各一側永久磁石175は中央筒部172の径方向外側に向けて互いに径方向異磁極性を有し、両隣接中央側永久磁石175毎に、各中央側永久磁石175は中央筒部172の径方向外側に向けて互いに径方向異磁極性を有し、かつ、両隣接他側永久磁石175毎に、各他側永久磁石175は中央筒部172の径方向外側に向けて互いに径方向異磁極性を有する。
以上のようなことから、各第1の一側閉磁路が、両隣接一側永久磁石175毎に、中央筒部172の軸周りに対称的にバランスよく形成され、各第1の中央側閉磁路が、両隣接中央側永久磁石175毎に、中央筒部172の軸周りに対称的にバランスよく形成され、かつ、各第1の他側閉磁路が、両隣接他側永久磁石175毎に、中央筒部172の軸周りに対称的にバランスよく形成される(図10(b)参照)。
その結果、非磁性円筒部材110bの外周面に対する磁性粉の付着は、全ての永久磁石175の磁気作用のもとになされ、一側、中央側及び他側の永久磁石175のいずれかが磁性粉の吸引に有効に作用しないという事態が発生することはない。
さらに、磁石保持筒170の同一の分割壁部172aに装着してなる一側、中央側及び他側の各永久磁石175は、上述したごとく、共に、中央筒部172の径方向外側に向けて径方向同一磁極性を有する。従って、上述のように各閉磁路のうち非磁性円筒部材110bの周壁の外側に出る各磁路部分に沿って集中するように吸引される磁性粉の量、即ち、当該非磁性円筒部材110bの外周面上に付着する磁性粉の量は大幅に増大する。
しかも、磁石保持筒170は強磁性金属材料で形成されているため、各閉磁路により各永久磁石175の外端部に形成される磁束量は大幅に増大する。従って、当該各永久磁石175の吸引量、即ち非磁性円筒部材110bの外周面上の鉄粉の付着量がさらに増大する。
以上のように非磁性円筒部材110b及び各永久磁石175を有効に活用して各閉磁路を形成することで、余分な構成部材を採用することなく、コンパクトな構成にて、一度に多量の磁性粉を吸引して非磁性円筒部材110bの外周面に付着させ得る。
然る後、タイマ230に第2計時時間を設定するとともに、操作スイッチSW1のオフのもとに操作スイッチSW2をオンすると、タイマ230は、電源PSから商用電圧を印加されて、第2計時時間の計時を開始するとともに、電磁弁210のソレノイド217を励磁する。
これに伴い、電磁弁210が一側切り換え位置から他側切り換え位置に切り換わり、減圧弁240からの圧縮空気が、配管P5、電磁弁210の一側ポート211及び他側ポート214、配管P3、他側流入出ポートP2(連通円筒部材140a)及び円筒状支持軸100cの中空部を通り非磁性円筒部材110b内に緩衝部材128の中空部から流入する。
このため、軸状吸引部材100bが、その他側端部にて、非磁性円筒部材110b内に流入する圧縮空気の圧力により一側蓋部材120に向けて円筒状支持軸100cに沿い移動する。このとき、磁性円筒部材110a内の圧縮空気が、軸状吸引部材100bにより磁性円筒部材110aの内部から一側流入出ポートP1、配管P4並びに電磁弁210の他側ポート215及び一側ポート212を通り外部に排出される。
このように軸状吸引部材100bが磁性円筒部材110a内に向け移動する過程において、軸状吸引部材100bが非磁性円筒部材110b内にて他側蓋部材130との他側緩衝部材128を介する当接位置から磁性円筒部材110aに向けて移動するにつれて、非磁性円筒部材110bの外周面上に付着した磁性粉のうち、各第1の一側閉磁路に対応する磁性粉(図10(a)にて図示符号M1参照)が、各一側永久磁石175から遠のくにつれて各中央側永久磁石175に近づいていく。このことは、各第1の一側閉磁路に対応する磁性粉に対する各一側永久磁石175の磁気作用の影響が減衰しつつ当該磁性粉に対する各中央側永久磁石175の磁気作用の影響が増大していくことを意味する。
これに伴い、各第1の一側閉磁路に対応する磁性粉(符号M1参照)が、図11(a)にて示すごとく、非磁性円筒部材110bの外周壁のうち各一側永久磁石175の軸方向後半部分と一側空間調整部材176の軸方向前半部分に対応部位に亘るように軸方向に位置ずれして圧縮された形状になる。
また、上述のように軸状吸引部材100bが非磁性円筒部材110b内にて他側蓋部材130との他側緩衝部材128を介する当接位置から磁性円筒部材110aに向けて移動するにつれて、各第1の中央側閉磁路に対応する磁性粉(図10(a)にて図示符号M2参照)が、各中央側永久磁石175から遠のくにつれて各他側永久磁石175に近づいていく。このことは、各第1の中央側閉磁路に対応する磁性粉に対する各中央側永久磁石175の磁気作用の影響が減衰しつつ当該磁性粉に対する各他側永久磁石175の磁気作用の影響が増大していくことを意味する。
これに伴い、各第1の中央側閉磁路に対応する磁性粉(符号M2参照)が、図11(a)にて示すごとく、非磁性円筒部材110bの外周壁のうち各中央側永久磁石175の軸方向後半部分と他側空間調整部材176の軸方向前半部分に対応部位に亘るように軸方向に位置ずれして圧縮された形状になる。
また、上述のように軸状吸引部材100bが非磁性円筒部材110b内にて他側蓋部材130との他側緩衝部材128を介する当接位置から磁性円筒部材110aに向けて移動するにつれて、各第1の他側閉磁路に対応する磁性粉(図10(a)にて図示符号M3参照)が、各他側永久磁石175から遠のいていく。このことは、各第1の他側閉磁路に対応する磁性粉に対する各他側永久磁石175の磁気作用の影響が減衰していくことを意味する。
これに伴い、各第1の他側閉磁路に対応する磁性粉(符号M3参照)が、図11(a)にて示すごとく、非磁性円筒部材110bの外周壁のうち各他側永久磁石175の軸方向後半部分よりも後方へ軸方向に位置ずれした形状になる。
然る後、軸状吸引部材100bが磁性円筒部材100b内に進入するにつれて、各第1の一側磁路形成回路、各第1の中央側磁路形成回路及び各第1の他側磁路形成回路が、それぞれ、順次、各第2の一側磁路形成回路、各第2の中央側磁路形成回路及び各第2の他側磁路形成回路に切り換わっていく。そして、このような切り換わりに伴い、各第1の一側閉磁路、各第1の中央側閉磁路及び各第1の他側閉磁路が、それぞれ、順次、各第2の一側閉磁路、各第2の中央側閉磁路及び各第2の他側閉磁路に切り換わっていく。
これに伴い、各付着磁性粉M1から各付着磁性粉磁性粉M3にかけて、順次、各第2の一側閉磁路、各第2の中央側閉磁路及び各第2の他側閉磁路のもとに、各一側永久磁石175の磁気作用、各中央側永久磁石175の磁気作用及び各他側永久磁石175の磁気作用から順次解放されて、非磁性円筒部材110bの外周面から順次脱落して回収されていく(図12及び図13参照)。
このような過程においては、各付着磁性粉M1は、各一側永久磁石175の磁気作用から解放されて各他側永久磁石175の磁気作用のもとに非磁性円筒部材110bの外周上にて扁平な形状(図12(a)(b)参照)となり、各付着磁性粉M2は、各中央側永久磁石175の磁気作用から解放されて各他側永久磁石175の磁気作用のもとに非磁性円筒部材110bの外周上にて扁平な形状(図12(a)(c)参照)となる。これに伴い、各他側永久磁石175の図12(a)にて図示右側には永久磁石がないため、各付着磁性粉M3は、各付着磁性粉M1、M2とは異なり、図12(a)及び(b)にて示すような形状を維持する。
そして、軸状吸引部材100bが磁性円筒部材100b内への進入度合いに応じて、各付着磁性粉M3、各付着磁性粉M2及び各付着磁性粉M1の順序でもって、各他側永久磁石175の対向磁極側から順に脱落していく。
以上のようにして、軸状吸引部材100bが、一側蓋部材120の内端部に一側緩衝部材127を介し当接して磁性円筒部材110a内に全体的に進入したとき、非磁性円筒部材110bの外周面に付着した全磁性粉が、全永久磁石175の磁気作用から解放されて、非磁化状態となり非磁性円筒部材110bの外周面からきれいに脱落して回収される。
このような過程を経て、軸状吸引部材100bが一側蓋部材120に一側緩衝部材127を介し当接すると、当該軸状吸引部材100bは、その全体に亘り、磁性円筒部材110a内に位置することとなる。このとき、タイマ230が第2計時時間の計時を終了して電磁弁210のソレノイド217を消磁し、電磁弁210は、他側切り換え位置に維持される。
なお、一側流入出ポートP1及び他側流入出ポートP2が、共に、磁性円筒部材110aの外端部側に設けられている。従って、ケーシング100aの把持にあたり、磁性円筒部材110aを把持することで、非磁性円筒部材110bに対する磁性粉の付着の際に、当該磁性粉を、一側流入出ポートP1、他側流入出ポートP2、各配管P3、P4に邪魔されることなく、非磁性円筒部材110bの外周面の広い範囲に亘り、良好に付着させることができる。
以上のように磁性粉を回収した後は、その後のさらなる新たな磁性粉の回収にあたり、タイマ220に第1計時時間を設定するとともに、操作スイッチSW1のオフのもとに操作スイッチSW1をオンすると、タイマ220は、電源PSから商用電圧を印加されて、第1計時時間の計時を開始するとともに、電磁弁210のソレノイド216を励磁する。これに伴い、電磁弁210が他側切り換え位置から一側切り換え位置に切り換わり、減圧弁240からの圧縮空気が、電磁弁210の一側ポート211及び他側ポート215、配管P4及び一側流入出ポートP1を通り磁性円筒部材110a内に流入する。
このため、軸状吸引部材100bが、その一側端部にて、磁性円筒部材110a内に流入する圧縮空気の圧力により他側蓋部材130に向けて円筒状支持軸100cに沿い移動する。このとき、非磁性円筒部材110b内の圧縮空気が、軸状吸引部材100bにより押されて円筒状支持軸100cの中空部、他側流入出ポートP2、配管P3並びに電磁弁210の他側ポート214及び他側ポート213を通り外部に排出される。
しかして、軸状吸引部材100bが、その移動により、他側蓋部材130の内端部に他側緩衝部材128を介し当接すると、当該軸状吸引部材100bは、非磁性円筒部材110b内にて磁性粉を吸引する位置(磁性粉吸引移動端の位置)に到達する。また、タイマ220は、上記第1計時時間の計時を終了して、電磁弁210のソレノイド216を消磁する。このため、電磁弁210が一側切り換え位置に維持される。
ちなみに、本第1実施形態において、磁性粉の回収量と上記軸方向磁石間隔との間にどのような関係があるかにつき、永久磁石の上記軸方向同磁極配置のもとに、
永久磁石の外形寸法、周方向分割配設数及び軸状吸引部材100bの軸方向移動速度をパラメータとして調べてみたところ、図14及び図15にて示すような結果が得られた。
ここで、上記周方向分割配設数とは、磁石保持筒170の中央筒部172の周方向に沿う一側、中央側或いは他側の永久磁石175毎の永久磁石の配設数をいう。
本第1実施形態における磁性物回収装置100の軸状吸引部材100bにおける周方向分割配設数は、4である。また、周方向分割配設数を後述のように6とする場合には、本第1実施形態の軸状吸引部材100bにおいて、磁石保持筒170の中央筒部172の8個の分割壁部172aを6個の分割壁部に変更し、かつ、当該6個の分割壁部の各々の一側、中央側或いは他側の壁部位毎に、中央筒部172の周方向に沿い、永久磁石175を装着してなる軸状吸引部材を備えた磁性物回収装置を準備する。
また、周方向分割配設数を後述のように8とする場合には、本第1実施形態の軸状吸引部材100bにおいて、磁石保持筒170の中央筒部172の8個すべての分割壁部172aの各々の一側、中央側或いは他側の壁部位毎に、中央筒部172の周方向に沿い、永久磁石175を装着してなる軸状吸引部材を備えた磁性物回収装置を準備する。
図14においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)或いは300(mm/sec)として、周方向分割配設数を4、6或いは8とする場合につき、各グラフで示されている。
ここで、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を4とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につきグラフ1−1により示され、また、周方向分割配設数を4とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ1−2により示されている。
また、図14において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を6とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ2−1により示され、また、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を6とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ2−2により示されている。
さらに、図14において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−1により示され、また、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−2により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、磁性粉の回収量は、周方向分割配設数とは関わりなく、15(mm)以上の軸方向磁石間隔ではほぼ飽和した最大量に維持され、また、5(mm)以下の軸方向磁石間隔では激減することが分かる。
図15においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)或いは300(mm/sec)として、周方向分割配設数を4、6或いは8とする場合につき、各グラフで示されている。
ここで、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を4とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につきグラフ1−3により示され、また、周方向分割配設数を4とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ1−4により示されている。
また、図15において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を6とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ2−3により示され、また、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を6とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ2−4により示されている。
さらに、図15において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−3により示され、また、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−4により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、磁性粉の回収量は、周方向分割配設数とは関わりなく、15(mm)以上の軸方向磁石間隔では、図14の場合よりも、増大した量にてほぼ飽和した最大量に維持され、また、5(mm)以下の軸方向磁石間隔では、図14の場合と同様に激減することが分かる。
また、図15の場合の永久磁石の軸方向長さが20(mm)と図14の場合の永久磁石の軸方向長さよりも長いこと、換言すれば、図15の場合の永久磁石の体積が図14の場合の永久磁石の体積よりも、軸方向長さが10(mm)に対応する部分だけ増大していることから、回収量が、図14の場合よりも、増大している。
一方、磁性粉の回収量と上記軸方向磁石間隔との間にどのような関係があるかにつき、永久磁石の軸方向異磁極配置のもとに、永久磁石の外形寸法、周方向分割配設数及び軸状吸引部材100bの軸方向移動速度をパラメータとして調べてみたところ、図16及び図17にて示すような結果が得られた。
但し、上述の軸方向異磁極配置とは、中央筒部172の同一分割壁部172aに装着してなる一側、中央側及び他側の各永久磁石のうち、一側及び他側の永久磁石は、上記軸方向同磁極配置のもとに同一の径方向磁極性を有するが、中央側永久磁石の径方向磁極性が、一側及び他側の永久磁石の径方向磁極性とは逆の径方向磁極性を有することをいう。
図16においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)或いは300(mm/sec)として、周方向分割配設数を4、6或いは8とする場合につき、各グラフで示されている。
ここで、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を4とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につきグラフ1−5により示され、また、周方向分割配設数を4とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ1−6により示されている。
また、図16において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を6とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ2−5により示され、また、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を6とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ2−6により示されている。
さらに、図16において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−5により示され、また、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−6により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、磁性粉の回収量は、周方向分割配設数とは関わりなく、15(mm)以上の軸方向磁石間隔では、軸方向磁石間隔の増大に応じて緩やかに増大しているものの図14の場合よりもかなり減少しており、逆に5(mm)以下の軸方向磁石間隔では、図14の場合よりも多いことが分かる。
また、図17において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を4とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ1−7により示され、また、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を6とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ1−8により示されている。
さらに、図17において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−7により示され、また、周方向分割配設数を8とし、かつ上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につき、グラフ3−8により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、磁性粉の回収量は、周方向分割配設数とは関わりなく、15(mm)以上の軸方向磁石間隔では、図16の場合よりも相対的に増大しているものの図14の場合よりもかなり減少しており、また、5(mm)以下の軸方向磁石間隔では、図16の場合よりも幾分多いことが分かる。
次に、磁性粉の回収量と上記軸方向磁石間隔との間にどのような関係があるかにつき、上記周方向分割配設数を4として、永久磁石の外形寸法、軸方向配設極性及び径方向ねじり角度並びに軸状吸引部材100bの軸方向移動速度をパラメータとして調べてみたところ、図18及び図19にて示すような結果が得られた。
ここで、上述の軸方向配設極性とは、上述した永久磁石の軸方向同磁極配置或いは軸方向異磁極配置をいう。また、上述の径方向ねじり角度とは、中央側永久磁石を一側永久磁石及び他側永久磁石の双方に対し中央筒部172の周方向へねじって配設したねじり配設角度をいう。なお、一側永久磁石及び他側永久磁石の間のねじり配設角度は零である。
しかして、図18においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ4−1により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ4−2により示されている。
また、図18において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ5−1により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ5−2により示されている。
また、図18において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とし、かつ径方向ねじり角度を45°した上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ6−1により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ6−2により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした場合には、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした場合に比べて、5(mm)以上の軸方向磁石間隔では、回収量が増大しているが、5(mm)未満の軸方向磁石間隔では、軸方向異磁極配置の場合の方が軸方向同磁極配置の場合よりも緩やかな減少傾向となっていることが分かる。
また、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とし、かつ径方向ねじり角度を45°とした場合には、回収量は、上記軸方向移動速度300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では余り大きな変動を伴わない。但し、軸方向移動速度が50(mm/sec)の場合には、回収量は、軸方向異磁極配置或いは軸方向配設極性を軸方向同磁極配置及び径方向ねじり角度45°の場合に比べて、多いことが分かる。
また、図19において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ4−3により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ4−4により示されている。
また、図19において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ5−3により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ5−4により示されている。
また、図19において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とし、かつ径方向ねじり角度を45°した上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ6−3により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ6−3により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、磁性粉の回収量は、5(mm)以上の軸方向磁石間隔では、図18の場合よりも相対的に増大しているものの、5(mm)以下の軸方向磁石間隔では、図18の場合よりも幾分多いことが分かる。
また、磁性粉の回収量と上記軸方向磁石間隔との間にどのような関係があるかにつき、上記周方向分割配設数を6として、永久磁石の外形寸法、軸方向配設極性及び軸状吸引部材100bの軸方向移動速度をパラメータとして調べてみたところ、図20及び図21にて示すような結果が得られた。
図20においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ4−5により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ4−6により示されている。
また、図20において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ5−5により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ5−6により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした場合には、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした場合に比べて、5(mm)以上の軸方向磁石間隔では、回収量が増大しているが、5(mm)未満の軸方向磁石間隔では、軸方向異磁極配置の場合の方が軸方向同磁極配置の場合よりも緩やかな減少傾向となっていることが分かる。
また、図21においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ4−7により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ4−8により示されている。
また、図21において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ5−7により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ7−8により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、磁性粉の回収量は、5(mm)以上の軸方向磁石間隔では、図20の場合よりも相対的に増大しているものの、5(mm)以下の軸方向磁石間隔では、図20の場合よりも幾分多いことが分かる。
また、磁性粉の回収量と上記軸方向磁石間隔との間にどのような関係があるかにつき、上記周方向分割配設数を8として、永久磁石の外形寸法、軸方向配設極性及び軸状吸引部材100bの軸方向移動速度をパラメータとして調べてみたところ、図22及び図23にて示すような結果が得られた。
図22においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ4−9により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ4−10により示されている。
また、図22において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び10(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ5−9により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ5−10により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした場合には、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした場合に比べて、5(mm)以上の軸方向磁石間隔では、回収量が増大しているが、5(mm)未満の軸方向磁石間隔では、軸方向異磁極配置の場合の方が軸方向同磁極配置の場合よりも緩やかな減少傾向となっていることが分かる。
また、図23においては、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向同磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ4−11により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ4−12により示されている。
また、図23において、磁性粉の回収量と永久磁石の軸方向磁石間隔との関係が、永久磁石の径方向厚さ、周方向幅及び軸方向長さを、それぞれ、5(mm)、10(mm)及び20(mm)とし、軸方向配設極性を軸方向異磁極配置とした上で、上記軸方向移動速度を300(mm/sec)とする場合につき、グラフ5−11により示され、また、上記軸方向移動速度を50(mm/sec)とする場合につきグラフ5−12により示されている。
これによれば、上記軸方向移動速度が300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内では、磁性粉の回収量は、5(mm)以上の軸方向磁石間隔では、図22の場合よりも相対的に増大しているものの、5(mm)以下の軸方向磁石間隔では、図22の場合よりも幾分多いことが分かる。
以上のように、図14〜図23によれば、永久磁石の軸方向長さが長い程、換言すれば、永久磁石の体積が大きい程、磁性粉の回収量は、5(mm)以上の軸方向磁石間隔において、より一層増大する。また、永久磁石の軸方向配設極性が、軸方向同磁極配置にある方が、軸方向異磁極配置にある場合に比べて、5(mm)以上の軸方向磁石間隔において、磁性粉の回収量の増大を確保することが可能である。
但し、5(mm)未満の軸方向磁石間隔では、軸方向同磁極配置において磁石保持筒170の軸方向に形成される各閉磁路が相互に短絡して、軸方向異磁極配置の場合の方が磁性粉の回収量が多くなる場合もある。
また、各閉磁路による磁気作用が永久磁石の単一の場合に相当する範囲(上記軸方向における他の永久磁石と閉磁路を形成しない範囲)にまで、軸方向磁石間隔が増大した場合には、軸方向同磁極配置及び軸方向異磁極配置のいずれの場合にも、磁性粉の回収量がほぼ一定になる。
また、軸状吸引部材100bの移動速度、軸方向磁石間隔及び永久磁石配設数が同一の場合、単一の永久磁石あたりの体積の増加に応じて磁性粉の回収量を増大させ得る。
なお、上記軸方向移動速度は、300(mm/sec)から50(mm/sec)までの範囲内に限ることなく、低いほど、磁性粉の回収量の増大を確保することが可能である。
(第2実施形態)
図24は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた磁性物回収装置100に代えて、磁性物回収装置100Aが採用されている。
当該磁性物回収装置100Aは、上記第1実施形態にて述べた磁性物回収装置100において、ケーシング100aに代えて円筒状ケーシング100dを採用し、かつ、磁性円筒部材100eを付加的に採用した構成となっている。当該磁性物回収装置100Aのその他の構成は、上記第1実施形態にて述べた磁性物回収装置100と同様である。
ケーシング100dは、非磁性円筒部材180と、上記第1実施形態にて述べた一側及び他側の蓋部材120、130、支持部材140及び栓部材150とでもって構成されており、当該非磁性円筒部材180は、上記第1実施形態にて述べた非磁性円筒部材110bの形成材料と同一の材料でもって、上記第1実施形態にて述べたケーシング100aと同一の軸方向長さ及び同一の径を有するように形成されている(図25参照)。
磁性円筒部材100eは、上記第1実施形態にて述べた磁性円筒部材110aの形成材料と同一の材料でもって、上記第1実施形態にて述べた軸状吸引部材100bの軸長と同一の軸長を有するように形成されている(図24及び図26参照)。このように形成してなる当該磁性円筒部材100eは、非磁性円筒部材180にその外方から同軸的にかつ軸方向に移動可能に嵌装されている(図24参照)。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、磁性円筒部材100eが、図24(a)にて示すごとく、非磁性円筒部材180のうち上記第1実施形態にて述べた一側蓋部材120の内端部に対応する部位から非磁性円筒部材180の軸方向中央部側にかけて位置するものとする。なお、磁性円筒部材100eは、その外周壁に形成した雌ねじ孔部101に雄ねじ(図示しない)を螺合して当該雄ねじにより非磁性円筒部材180の外周壁に当接することで、非磁性円筒部材180に対し移動不能に固定されているものとする。
しかして、上記第1実施形態と実質的に同様に、軸状吸引部材100bが、非磁性円筒部材110bに代わる非磁性円筒部材180内にて、上記磁性粉吸引移動端に位置するものとする。
このような段階においては、上記第1実施形態にて述べた第1の一側磁路形成回路毎に形成される第1の一側閉磁路は、本第2実施形態では、非磁性円筒部材110bに代わる非磁性円筒部材180の周壁の外側にも流れるように形成される。
また、上記第1実施形態にて述べた第1の中央側磁路形成回路毎に形成される第1の中央側閉磁路及び第1の他側磁路形成回路毎に形成される第1の他側閉磁路も、本第2実施形態では、非磁性円筒部材110bに代わる非磁性円筒部材180の周壁の外側にも流れるように形成される。
ここで、上記第1実施形態と同様に、磁性物回収装置100Aを、非磁性円筒部材180を磁性円筒部材100e側にて把持して、非磁性円筒部材180のうち磁性円筒部材100eからの延出円筒部位をその周壁にて磁性粉に近づけると、当該磁性粉は、上記第1実施形態と同様に、非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の周壁を介し、一側、中央側及び他側の各永久磁石175により吸引される。
このとき、上述のように、各第1の一側閉磁路、各第1の中央側閉磁路及び各第1の他側閉磁路が、非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の周壁の外側へ出るように形成されているため、磁性粉は、各第1の一側閉磁路、各第1の中央側閉磁路及び各第1の他側閉磁路のうち、非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の周壁の外側に出る各磁路部分に沿って集中するように吸引されて記延出円筒部位の外周面に付着する(図27参照)。この場合、上記第1実施形態と同様に、磁性粉は、第1の一側閉磁路毎、第1の中央側閉磁路毎及び第1の他側閉磁路毎に、非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の外周面に付着する(図10(a)(b)及び図27にて各符号M1〜M3参照)。
従って、本第2実施形態においても、上記第1実施形態にて述べた磁性粉の付着量増大のもとに、上記第1実施形態と同様の磁性粉の付着に関する作用効果を達成することができる。
このような段階にて、上述の付着磁性粉を回収するにあたっては、上記第1実施形態と同様に、軸状吸引部材100bを非磁性円筒部材180内にて一側蓋部材120に向けて円筒状支持軸100cに沿い移動させる。
このような移動の過程においては、軸状吸引部材100bが非磁性円筒部材180内にて他側蓋部材130との緩衝部材128を介する当接位置から磁性円筒部材100eに向けて移動するにつれて、非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の外周面上に付着した磁性粉のうち、各第1の一側閉磁路に対応する磁性粉、各第1の中央側閉磁路に対応する磁性粉及び各第1の他側閉磁路に対応する磁性粉が、それぞれ、上記第1実施形態と実質的に同様に、軸方向に位置ずれして圧縮された形状になる(図11及び図28参照)。
然る後、軸状吸引部材100bが非磁性円筒部材180のうち磁性円筒部材100e内に位置する部位(以下、磁性円筒部材内部位ともいう)内に進入するにつれて、上記第1実施形態にて述べた各第1の一側磁路形成回路、各第1の中央側磁路形成回路及び各第1の他側磁路形成回路が、それぞれ、順次、本第2実施形態における各第2の一側磁路形成回路、各第2の中央側磁路形成回路及び各第2の他側磁路形成回路に切り換わっていく。そして、このような切り換わりに伴い、本第2実施形態における各第1の一側閉磁路、各第1の中央側閉磁路及び各第1の他側閉磁路が、それぞれ、順次、本第2実施形態における各第2の一側閉磁路、各第2の中央側閉磁路及び各第2の他側閉磁路に切り換わっていく。
ここで、本第2実施形態における第2の一側磁気形成回路、第2の中央側磁気形成回路及び第2の他側磁気形成回路は、それぞれ、上記第1実施形態にて述べた磁性円筒部材110aに代わる磁性円筒部材100eの周壁内部を通るように、磁性円筒部材100eの外側に出ることなく、形成される。
このため、本第2実施形態における第2の一側閉磁路、第2の中央側閉磁路及び第2の他側閉磁路は、それぞれ、本第2実施形態における第2の一側磁気形成回路、第2の中央側磁気形成回路及び第2の他側磁気形成回路に基づき、磁力線を、上記第1実施形態にて述べた磁性円筒部材110aに代わる磁性円筒部材100eの周壁内部を通るように形成する。
これに伴い、各付着磁性粉M1から各付着磁性粉磁性粉M3にかけて、順次、本第2実施形態における各第2の一側閉磁路、各第2の中央側閉磁路及び各第2の他側閉磁路のもとに、上記第1実施形態と実質的に同様に、各一側永久磁石175の磁気作用、各中央側永久磁石175の磁気作用及び各他側永久磁石175の磁気作用から順次解放されて、非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の外周面から順次脱落して回収されていく(図29及び図30参照)。
以上のようにして、軸状吸引部材100bが、一側蓋部材120の内端部に緩衝部材127を介し当接して非磁性円筒部材100eの上記磁性円筒部材内部位内に全体的に進入したとき、非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の外周面に付着した全磁性粉が、全永久磁石175の磁気作用から解放されて、上記第1実施形態と実質的に同様に、非磁化状態となり非磁性円筒部材180の上記延出円筒部位の外周面からきれいに脱落して回収される。
このように、本第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様に磁性粉を回収することができる。
また、このような段階において、さらに、磁性粉を新たに磁性物回収装置100Aにより回収するにあたっては、上記第1実施形態と同様に、軸状吸引部材100bを、磁性円筒部材100e側(一側蓋部材120側)から他側蓋部材130に向けて移動させて非磁性円筒部材100d内にて磁性粉を吸引する位置に移動させる。
また、本第2実施形態においては、上述のようにさらに、磁性粉を新たに磁性物回収装置100Aにより回収するにあたっては、次のようにしてもよい。即ち、磁性円筒部材100eの非磁性円筒部材180に対する固定を、上記雌ねじにより解除する。然る後、磁性円筒部材100eを非磁性円筒部材180に沿い他側蓋部材130側へ移動させて再度上記雌ねじによりより固定した状態にすれば、軸状吸引部材100bを一側蓋部材120の内端部に緩衝部材127を介し当接させた状態のままにて、磁性物回収装置100Aによる新たな磁性粉の回収のための吸引可能な状態を確保することができる。
この場合には、磁性粉の吸引は、非磁性円筒部材180の磁性円筒部材100eの一側蓋部材120側への延出筒部位でもってなされる。しかして、このような磁性粉の吸引後、軸状吸引部材100bを、上記第1実施形態にて述べたと同様に他側蓋部材130側へ移動させることで、磁性円筒部材100eを介する磁性粉の回収が上述と同様になされる。
このように、磁性円筒部材100eの位置を上述のように変更することで、軸状吸引部材100bを非磁性円筒部材180のうち磁性円筒部材100eに対する対応部位以外の部位にわざわざ戻すことなく、磁性粉の回収を行うことができるので、回収効率が向上する。
ここで、上述のように磁性円筒部材100eを非磁性円筒部材180に沿い一側蓋部材120側から他側蓋部材130側へ移動させる場合に、当該磁性円筒部材100eを、非磁性円筒部材180の軸方向中間部位にて、固定すれば、軸状吸引部材100bを、非磁性円筒部材180の上記軸方向中間部位内に進入させることで、非磁性円筒部材180のうち上記軸方向中間部位以外の部位に付着する磁性粉を磁性円筒部材100eによる上記閉磁路作用のもとに、回収することができる。
換言すれば、磁性円筒部材100eによる磁性粉の回収位置を、回収装置(図示しない)の存在位置に合わせるように、非磁性円筒部材180に対する磁性円筒部材100eの固定位置を調整することで、上記回収装置の位置に合わせた磁性粉の回収が可能となる。このことは、磁性粉の回収装置への回収にあたり、当該回収装置の位置にあわせて、磁性物回収装置による磁性粉の回収位置を調整可能であることを意味する。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
また、上記第2実施形態においては、磁性円筒部材100eを単一に限ることなく、当該磁性円筒部材100eを、例えば2つ採用して、これら各磁性円筒部材100eを非磁性円筒部材180に軸方向に移動可能に嵌装するようにしてもよい。但し、各磁性円筒部材100eの軸長は、上記実施形態にて述べた磁石保持筒170の軸長よりも短くしてある。なお、これに限らず、非磁性円筒部材180の軸長を必要に応じてさらに長くすることで、各磁性円筒部材100eの軸長を、磁石保持筒170の軸長と同一にしてもよく、また、当該磁石保持筒170の軸長よりも長くするようにしてもよい。また、一般的には、磁性円筒部材100eの軸長、磁石保持筒170の軸長及び非磁性円筒部材180の軸長は、必要に応じて適宜変更してもよい。
しかして、上述のように、各磁性円筒部材100eを非磁性円筒部材180に軸方向に移動可能に嵌装すれば、各磁性円筒部材100eを非磁性円筒部材180の互いに異なる軸方向中間部位に間隔をおいて固定することで、非磁性円筒部材180のうち各磁性円筒部材100eからの各露出部位に磁性粉を付着させれば、当該各露出部位に付着した磁性粉を、各磁性円筒部材100eのいずれかの上記閉磁路作用のともに、回収することができて、回収効率を向上させ得る。
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記第1或いは第2の実施形態において、各環状ウェアリング177を各環状空間調整部材176に代えて、各一側永久磁石と各中央側永久磁石との間及び各中央側永久磁石と各他側永久磁石との間において、磁石保持筒170の中央筒部172に嵌装するようにしてもよい。これによれば、環状ウェアリング177が、環状空間調整部材176としての役割を果たすとともに、各環状空間調整部材176を廃止し得るのは勿論のこと、磁石保持筒170の軸方向長さを、各一側内環状部173の軸方向長さ分だけ短縮することができる。
(2)ケーシング100a或いは100dは、円筒状に限ることなく、四角筒状等の多角筒状であってもよく、また、一般的には、筒状であればよい。
(3)永久磁石175は、矩形平板状に限ることなく、必要に応じて変更してもよい。
(4)一側、中央側及び他側の永久磁石175の各数は、4個に限ることなく、6個、8個等偶数であればよい。
(5)吸引軸部材により吸引する対象は、磁性粉に限ることなく、磁性片、磁性屑等の磁性物であってもよい。
(6)本発明の実施にあたり、磁性物回収装置100のうち、磁性円筒部材110a、非磁性円筒部材110b及び磁石保持筒170を除く各構成部材は、磁性材料或いは非磁性材料のいずれであってもよい。また、磁性物回収装置100Aのうち、磁性円筒部材100e、非磁性円筒部材180及び磁石保持筒170を除く各構成部材は、磁性材料或いは非磁性材料のいずれであってもよい。
(7)本発明の実施にあたり、上記第2実施形態において、磁石保持筒170の軸長よりも、磁性円筒部材100eの軸長を短くするように選定しても、上記第2実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
(8)本発明の実施にあたり、制御装置200において、上記実施形態とは異なり、両タイマ220、230の一方を廃止して、この廃止したタイマに代えて、磁気センサ(図示しない)を採用してもよい。例えば、タイマ230を廃止した場合には、上記磁気センサを、非磁性円筒部材110bの他側蓋部材230の内端部近傍(上記磁性粉吸引移動端)に対する対応部位に設けて、軸状吸引部材100bの他側端部を検出していることを前提に、適宜なタイミング信号を受けたときに適宜な制御回路により軸状吸引部材100bを一側蓋部材120側へ移動させるようにしてもよい。
さらに、両タイマ220、230の一方に加えて、他方のタイマをも廃止して、他の磁気センサを、非磁性円筒部材110bの一側蓋部材220の内端部近傍に対する対応部位に設けて、軸状吸引部材100bの一側端部を検出していることを前提に、適宜な他のタイミング信号を受けたときに上記制御回路により軸状吸引部材100bを他側蓋部材130側へ移動させるようにしてもよい。
(9)本発明の実施にあたり、空気に代えて、一般的には、作動油その他の液体等の流体を採用してもよい。これにより、当該流体を空気と同様に制御装置200により磁性物回収装置に供給すれば、磁性物回収装置において、上記第1或いは第2の実施形態と同様の作動状態が得られ、その結果、上記第1或いは第2の実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
(10)また、本発明の実施にあたり、軸状吸引部材100bの両側にてケーシング内に作動油を収容して、例えば、リバーシブル油圧ポンプでもって、軸状吸引部材100bの両側にてケーシング内に収容されている各作動油を、軸状吸引部材100bの両側のうち一側から他側(或いは他側から一側)へ圧送することで、軸状吸引部材100bをケーシング内にて軸方向に移動させて、ケーシングの非磁性円筒部材側周壁に磁性粉を上述と同様に付着させた後、当該磁性粉を回収するようにしてもよい
(11)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態において、上記第2実施形態にて述べた磁性円筒部材100eを採用し、この磁性円筒部材100eをケーシング100aの円筒状ケーシング本体110にその軸方向に沿い移動可能に嵌装するようにしてもよい。これによれば、磁性円筒部材100eが磁性円筒部材110aを覆うように同心的に重なって位置するときには、磁性円筒部材100eが、磁性円筒部材110aと同様の磁気的役割を果たす。また、磁性円筒部材100eが、その少なくとも一部にて非磁性円筒部材110bを覆うように当該非磁性円筒部材110bに固定されれば、磁性円筒部材100eでもって、磁性円筒部材110aに代えて、非磁性円筒部材110bに付着した磁性粉を上記第2実施形態と同様に回収することができる。
(12)本発明の実施にあたり、電磁弁210において、ソレノイド217に代えて、リターンスプリングを採用してもよい。これによれば、当該リターンスプリングにより、電磁弁210を常時他側切り換え位置に維持するように付勢しておき、当該電磁弁210をソレノイド216の励磁により上記リターンスプリングに抗して一側切り換え位置に切り換えて、上記実施形態にて述べたように軸状吸引部材100bを上記磁性粉吸引移動端の位置に移動させることで磁性粉を吸着し、然る後、電磁弁210を、ソレノイド216の消磁に基づき、上記リターンスプリングにより他側切り換え位置に切り換えて、軸状吸引部材100bを一側蓋部材120側へ戻すようにする。これによれば、操作スイッチSW2及びタイマ230に依存することなく、次の磁性粉の回収を行うことができて便利である。なお、タイマ220の設定対象となる第1計時時間は、磁性粉の吸着開始から回収終了までの時間に設定するとよい。
(13)本発明の実施にあたり、電磁弁210は、上記実施形態にて述べたものに限ることなく、例えば、SMC社製3ポジション5ポート型電磁弁であってもよい。これによれば、当該3ポジション5ポート型電磁弁を、一側切り換え位置(電磁弁210の一側切り換え位置に対応)から中央切り換え位置に切り換え、また、他側切り換え位置(電磁弁210の他側切り換え位置に対応)から上記中央切り換え位置に切り換えるようにする。また、上記中央切り換え位置では、減圧弁240からの圧縮空気を3ポジション5ポート型電磁弁により磁性物回収装置のケーシング内に軸状吸引部材100bの軸方向両側から流入させて当該軸状吸引部材100bをその位置に保持するようにする。これによっても、上記実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
100、100A…磁性物回収装置、100a、100d…ケーシング、
100b…軸状吸引部材、100c…円筒状支持軸、
110a、100e…磁性円筒部材、110b、180…非磁性円筒部材、
120…一側蓋部材、130…他側蓋部材、140…支持部材、150…栓部材、
170…磁石保持軸、172…中央筒部、175…永久磁石、200…制御装置。

Claims (8)

  1. 磁性筒部材と、この磁性筒部材に同軸的に連結してなる非磁性筒部材と、前記磁性筒部材の外端開口部に気密的に嵌装される一側蓋体と、前記非磁性筒部材の外端開口部に気密的に嵌装される他側蓋体とを備える筒状ケーシングと、
    当該筒状ケーシング内にて前記一側蓋体及び前記他側蓋体のいずれか一方により同軸的に支持される筒状支持軸であって前記一側蓋体及び前記他側蓋体のいずれか一方を通り前記筒状ケーシングの内部を外方へ連通させる筒状支持軸と、
    前記筒状ケーシング内にて前記筒状支持軸に嵌装によりその軸方向に移動可能に支持された磁性磁石保持筒と、この磁性磁石保持筒の軸方向中間筒部にその外周部に沿い周方向に間隔をおいて設けられる偶数の永久磁石とを有する軸状吸引部材とを備えて、
    前記偶数の永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして前記磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出して前記ケーシングの周壁に対向する対向磁極を有するようにした磁性物回収装置。
  2. 非磁性筒部材と、この非磁性筒部材の軸方向両端開口部にそれぞれ気密的に嵌装される一側及び他側の各蓋体とを備える筒状ケーシングと、
    当該筒状ケーシング内にて前記一側蓋体及び前記他側蓋体のいずれか一方により同軸的に支持される筒状支持軸であって前記一側蓋体及び前記他側蓋体のいずれか一方を通り前記筒状ケーシングの内部を外方へ連通させる筒状支持軸と、
    前記筒状ケーシング内にて前記筒状支持軸に嵌装されてその軸方向に移動可能に支持される磁性磁石保持筒と、この磁性磁石保持筒の軸方向中間筒部にその外周部に沿い周方向に間隔をおいて設けられる偶数の永久磁石とを有する軸状吸引部材と、
    前記非磁性筒部材にその外方から軸方向に移動可能に嵌装される磁性筒部材とを備えて、
    前記偶数の永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして前記磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出して前記ケーシングの周壁に対向する対向磁極を有するようにした磁性物回収装置。
  3. 前記磁性筒部材が、複数、前記非磁性筒部材にその外方から軸方向に移動可能に嵌装されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性物回収装置。
  4. 前記偶数の永久磁石を、それぞれ、前記磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面にその一側部位に周方向に等角度間隔にて設けてなる偶数の一側永久磁石として、
    偶数の他側永久磁石が、それぞれ、前記偶数の一側永久磁石の各々に対し前記磁石保持筒の前記軸方向中間筒部の軸方向に沿い所定の軸方向磁石間隔をおいて対向するように前記軸方向中間筒部の外周面にその周方向に沿い設けられており、
    前記偶数の他側永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして前記磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出して前記ケーシングの周壁に対向する対向磁極を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁性物回収装置。
  5. 前記偶数の一側永久磁石及び前記偶数の他側永久磁石のうち互いに前記軸方向中間筒部の軸方向において対向する一側及び他側の両永久磁石毎に、当該一側及び他側の両永久磁石は、その各対向磁極にて、同一磁極となっていることを特徴とする請求項4に記載の磁性物回収装置。
  6. 前記偶数の永久磁石を、それぞれ、前記磁石保持筒の軸方向中間筒部の外周面にその一側部位に周方向に等角度間隔にて装着してなる偶数の一側永久磁石として、
    偶数の他側永久磁石が、それぞれ、前記偶数の一側永久磁石の各々に対し前記磁石保持筒の前記軸方向中間筒部の軸方向に沿い対向するように前記軸方向中間筒部の外周面にその周方向に沿い設けられており、
    偶数の中央側永久磁石が、それぞれ、前記偶数の一側永久磁石の各々と前記偶数の他側永久磁石の各々との双方に対し前記軸方向中間筒部の軸方向に沿い所定の軸方向磁石間隔をおいて対向するように、前記偶数の一側永久磁石の各々と前記偶数の他側永久磁石の各々との間にて前記軸方向中間筒部の外周面にその周方向に沿い設けられており、
    前記偶数の他側永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして前記軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出して前記ケーシングの周壁に対向する対向磁極を有しており、
    前記偶数の中央側永久磁石は、それぞれ、両隣接永久磁石毎に互いに極性を異にして前記軸方向中間筒部の外周面からその半径方向に沿い突出して前記ケーシングの周壁に対向する対向磁極を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁性物回収装置。
  7. 前記偶数の一側永久磁石、前記中央側永久磁石及び前記偶数の他側永久磁石のうち互いに前記軸方向中間筒部の軸方向において対向する一側、中央側及び他側の各永久磁石毎に、当該一側、中央側及び他側の各永久磁石は、その各対向磁極にて、同一磁極となっていうことを特徴とする請求項6に記載の磁性物回収装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の磁性物回収装置と、
    当該磁性物回収装置の前記ケーシング内にその外周壁のうち前記一側蓋体の近傍部位にて流体を供給して前記軸状吸引部材を前記一側蓋体側から前記他側蓋体側へ移動させるとともに前記一側蓋体及び前記他側蓋体の他方側から前記筒状支持軸を通して前記ケーシング内の流体を外方へ排出させ、また、前記筒状支持軸を通して前記ケーシング内の流体を供給して前記軸状吸引部材を前記他側蓋体側から前記一側蓋体側へ移動させるとともに前記ケーシングの内部からその外周壁のうち前記一側蓋体の近傍部位から外方へ排出するように制御する流体供給制御手段とを備える磁性物回収システム。
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