JP2012104945A - 画像処理装置と画像処理方法およびプログラム - Google Patents

画像処理装置と画像処理方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2012104945A
JP2012104945A JP2010250031A JP2010250031A JP2012104945A JP 2012104945 A JP2012104945 A JP 2012104945A JP 2010250031 A JP2010250031 A JP 2010250031A JP 2010250031 A JP2010250031 A JP 2010250031A JP 2012104945 A JP2012104945 A JP 2012104945A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
image data
filter
motion
motion vector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010250031A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kondo
健治 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2010250031A priority Critical patent/JP2012104945A/ja
Priority to CN2011800526238A priority patent/CN103190148A/zh
Priority to US13/824,839 priority patent/US20130182770A1/en
Priority to PCT/JP2011/073810 priority patent/WO2012063604A1/ja
Publication of JP2012104945A publication Critical patent/JP2012104945A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N19/00Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals
    • H04N19/10Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding
    • H04N19/134Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding characterised by the element, parameter or criterion affecting or controlling the adaptive coding
    • H04N19/136Incoming video signal characteristics or properties
    • H04N19/137Motion inside a coding unit, e.g. average field, frame or block difference
    • H04N19/139Analysis of motion vectors, e.g. their magnitude, direction, variance or reliability
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N19/00Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals
    • H04N19/10Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding
    • H04N19/102Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding characterised by the element, parameter or selection affected or controlled by the adaptive coding
    • H04N19/117Filters, e.g. for pre-processing or post-processing
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N19/00Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals
    • H04N19/10Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding
    • H04N19/169Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding characterised by the coding unit, i.e. the structural portion or semantic portion of the video signal being the object or the subject of the adaptive coding
    • H04N19/17Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding characterised by the coding unit, i.e. the structural portion or semantic portion of the video signal being the object or the subject of the adaptive coding the unit being an image region, e.g. an object
    • H04N19/176Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using adaptive coding characterised by the coding unit, i.e. the structural portion or semantic portion of the video signal being the object or the subject of the adaptive coding the unit being an image region, e.g. an object the region being a block, e.g. a macroblock
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N19/00Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals
    • H04N19/50Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using predictive coding
    • H04N19/503Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using predictive coding involving temporal prediction
    • H04N19/51Motion estimation or motion compensation
    • H04N19/523Motion estimation or motion compensation with sub-pixel accuracy

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

【課題】予測画像の品質劣化を少なくして圧縮効率の低下を抑制する。
【解決手段】動き予測・補償部32において、動き検出によって検出した動きベクトルに基づき、参照画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する際に、動きベクトルの大きさによって、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタのフィルタ特性が切り替えられる。このため、例えば動き量が大きい場合はノイズ除去を行う特性、動きベクトルが整数画素精度で動き量が小さく動きぼけが少ない場合等のように参照画像に高域成分が多く含まれている場合はフィルタ処理を施さない特性とすることで、予測画像の品質が劣化して圧縮効率が低下してしまうことを抑制できる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、画像処理装置と画像処理方法およびプログラムに関する。詳しくは、予測画像の品質劣化を少なくして圧縮効率の低下を抑制する。
近年、画像情報をディジタルとして取り扱い、その際、効率の高い情報の伝送、蓄積を行う装置、例えば離散コサイン変換等の直交変換と動き補償により圧縮するMPEG等の方式に準拠した装置が、放送局や一般家庭において普及しつつある。
特に、MPEG2(ISO/IEC13818−2)は、汎用画像符号化方式として定義されており、プロフェッショナル用途およびコンシューマー用途の広範なアプリケーションに現在広く用いられている。MPEG2圧縮方式を用いることにより、例えば720×480画素を持つ標準解像度の飛び越し走査画像であれば4〜8Mbpsの符号量(ビットレート)を割り当てることで、高い圧縮率と良好な画質の実現が可能である。また、1920×1088画素を持つ高解像度の飛び越し走査画像であれば18〜22Mbpsの符号量を割り当てることで、高い圧縮率と良好な画質の実現が可能である。
また、MPEG2やMPEG4といった従来の符号化方式に比べ、その符号化、復号化により多くの演算量が要求されるものの、より高い符号化効率を実現する標準化がJoint Model of Enhanced-Compression Video Codingとして行われて、H.264およびMPEG−4 Part10(以下「H.264/AVC(Advanced Video Coding)」と記す)という名の下に国際標準となった。
H.264/AVCにおいては、図1に示すように、16×16画素により構成される1つのマクロブロックを、16×16、16×8、8×16若しくは8×8のいずれかの画素領域に分割して、それぞれ独立した動きベクトルを持つことが可能である。さらに、8×8画素領域に関しては、図1に示されるとおり、8×8画素、8×4画素、4×8画素、4×4画素のいずれかのサブ領域に分割して、それぞれ独立した動きベクトルを持つことが可能である。なお、MPEG−2においては、動き予測・補償処理の単位は、フレーム動き補償モードの場合は16×16画素、フィールド動き補償モードの場合は第一フィールド、第二フィールドのそれぞれに対し、16×8画素を単位として動き予測・補償処理が行われる。
さらに、H.264/AVCでは、特許文献1に記載されているように、小数画素精度例えば1/4画素精度の動き予測・補償処理が行われている。図2は、1/4画素精度の動き予測・補償処理を説明するための図である。図2において位置「A」は、フレームメモリに格納されている整数精度画素の位置、位置「b」,「c」,「d」は1/2画素精度の位置、位置「e1」,「e2」,「e3」は1/4画素精度の位置である。
以下では、Clip1()を式(1)のように定義する。
Figure 2012104945


式(1)において、入力画像が8ビット精度である場合、max_pixの値は255となる。
位置「b」「d」における画素値は、6タップのFIRフィルタを用いて、式(2)(3)のように生成される。
F=A−2−5・A−1+20・A+20・A−5・A+A ・・・(2)
b,d=Clip1((F+16)>>5) ・・・(3)
位置「c」における画素値は、6タップのFIRフィルタを用いて、式(4)または式(5)のいずれかと式(6)のように生成される。
F=b−2−5・b−1+20・b+20・b−5・b+b・・・(4)
F=d−2−5・d−1+20・d+20・d−5・d+d・・・(5)
c=Clip1((F+512)>>10) ・・・(6)
なお、Clip1処理は、水平方向および垂直方向の積和処理の両方を行った後、最後に一度のみ行う。
位置「e1」〜「e3」における画素値は、線形内挿により式(7)〜(9)のように生成される。
e1=(A+b+1)>>1 ・・・(7)
e2=(b+d+1)>>1 ・・・(8)
e3=(b+c+1)>>1 ・・・(9)
画像圧縮技術では、H.264/AVC方式よりもさらに高い符号化効率を実現するHEVC(High Efficiency Video Coding)の規格化も検討されている。このHEVCでは、マクロブロックの概念を拡張したコーディングユニット(CU:Coding Unit)と呼ばれる基本単位が定義されている。また、非特許文献1では、16×16画素のマクロブロックよりも拡張されたブロックサイズで画像圧縮を可能とすることが提案されている。なお、HEVCでは、コーディングユニットを分割して予測用の基本単位である予測ユニット(PU:Prediction Unit)も定義されている。
特開2010−016453号公報
"Video Coding Using Extended Block Sizes"(Study Group16, Contribution 123, ITU,COM16-C123-E 2009年1月)
ところで、動き予測で検出した動きベクトルに基づき、参照画像データを用いて動き補償を行って予測画像データを生成する場合、ノイズを除去する目的でフィルタ処理が行われる。しかし、参照画像データに高域成分が多く含まれている場合、例えば動き量が小さく動きぼけが少ないような場合、フィルタ処理によって高域成分が失われて予測画像の品質劣化を招き、圧縮効率が低下するおそれがある。
そこで、この発明では予測画像の品質劣化を少なくして圧縮効率の低下を抑制できる画像処理装置と画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
この発明の第1の側面は、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ部と、前記対象ブロックの動きベクトルの大きさによって、前記補間フィルタ部のフィルタ特性を切り替えるフィルタ制御部と、前記動きベクトルに基づき、前記補間フィルタ部で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する動き補償処理部とを備える画像処理装置にある。
この発明は、画像処理装置、例えば入力画像データを複数の画素ブロックに分割し、参照画像データを用いて各画素ブロックの予測処理を行い、入力画像データと予測画像データとの差分を符号化する画像符号化装置、または画像符号化装置で生成された圧縮画像情報の復号化処理を行う画像復号化装置において、参照画像データを用いて符号化や復号化の対象ブロックの動き検出を行うことにより得られた動きベクトルの大きさによって、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ部のフィルタ特性を切り替える。また、動きベクトルが整数画素精度で閾値よりも大きい場合はフィルタ特性を参照画像データのノイズを除去する特性とする。さらに、動きベクトルが整数画素精度で閾値以下である場合はフィルタ処理を施さない特性とする。例えば動き量がゼロである参照画像データについては、フィルタ処理が施されないように閾値をゼロとする。また、予測画像データを生成するフレームと動き補償に用いる参照画像データのフレームとの時間方向の間隔に応じて、閾値を適応的に切り替えるようにしてもよい。
この発明の第2の側面は、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ工程と、前記対象ブロックの動きベクトルの大きさによって、前記補間フィルタ工程のフィルタ特性を切り替えるフィルタ制御工程と、前記動きベクトルに基づき、前記補間フィルタ工程で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する動き補償処理工程とを含む画像処理方法にある。
この発明の第3の側面は、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ手順と、前記対象ブロックの動きベクトルの大きさによって、前記補間フィルタ手順のフィルタ特性を切り替えるフィルタ制御手順と、前記動きベクトルに基づき、前記補間フィルタ手順で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する動き補償処理手順とをコンピュータで実行させるプログラムにある。
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
この発明によれば、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データが補間フィルタ部で求められる。また補間フィルタ部のフィルタ特性は、対象ブロックの動きベクトルの大きさによって切り替えられる。さらに、動きベクトルに基づき、補間フィルタ部で求められた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データが生成される。このため、参照画像データに高域成分が多く含まれている場合、例えば動き量が小さく動きぼけが少ないような場合、フィルタ処理を施さない特性に切り替えられて、予測画像の品質が劣化による圧縮効率の低下を抑制できる。
H.264/AVCにおけるブロックサイズを示す図である。 1/4画素精度の動き予測・補償処理を説明するための図である。 画像符号化装置の構成を示す図である。 動き予測・補償部の構成を示す図である。 補償制御部においてフィルタ制御を行う部分の構成を示す図である。 第1のフィルタ係数と第2のフィルタ係数をそれぞれ用いた場合のフィルタ特性を例示した図である。 マクロブロックのサイズを拡張した場合の階層構造を示している。 画像符号化装置の動作を示すフローチャートである。 予測処理を示すフローチャートである。 イントラ予測処理を示すフローチャートである。 インター予測処理を示すフローチャートである。 動き補償処理を示すフローチャートである。 画像復号化装置の構成を示す図である。 動き補償部の構成を示す図である。 画像復号化装置の動作を示すフローチャートである。 予測画像生成処理を示すフローチャートである。 インター予測画像生成処理を示すフローチャートである。 コンピュータ装置の概略構成を例示した図である。 テレビジョン装置の概略構成を例示した図である。 携帯電話機の概略構成を例示した図である。 記録再生装置の概略構成を例示した図である。 撮像装置の概略構成を例示した図である。
以下、発明を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像符号化装置の構成
2.画像符号化装置の動作
3.画像復号化装置の構成
4.画像復号化装置の動作
5.ソフトウェア処理の場合
6.電子機器に適用した場合
<1.画像符号化装置の構成>
図3は、画像処理装置を画像符号化装置に適用した場合の構成を示している。画像符号化装置10は、アナログ/ディジタル変換部(A/D変換部)11、画面並び替えバッファ12、減算部13、直交変換部14、量子化部15、可逆符号化部16、蓄積バッファ17、レート制御部18を備えている。さらに、画像符号化装置10は、逆量子化部21、逆直交変換部22、加算部23、デブロッキングフィルタ24、フレームメモリ26、イントラ予測部31、動き予測・補償部32、予測画像・最適モード選択部33を備えている。
A/D変換部11は、アナログの画像信号をディジタルの画像データに変換して画面並べ替えバッファ12に出力する。
画面並べ替えバッファ12は、A/D変換部11から出力された画像データに対してフレームの並べ替えを行う。画面並べ替えバッファ12は、符号化処理に係るGOP(Group of Pictures)構造に応じてフレームの並べ替えを行い、並べ替え後の画像データを減算部13とイントラ予測部31と動き予測・補償部32に出力する。
減算部13には、画面並べ替えバッファ12から出力された画像データと、後述する予測画像・最適モード選択部33で選択された予測画像データが供給される。減算部13は、画面並べ替えバッファ12から出力された画像データと予測画像・最適モード選択部33から供給された予測画像データとの差分である予測誤差データを算出して、直交変換部14に出力する。
直交変換部14は、減算部13から出力された予測誤差データに対して、離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)、カルーネン・レーベ変換等の直交変換処理を行う。直交変換部14は、直交変換処理を行うことにより得られた変換係数データを量子化部15に出力する。
量子化部15には、直交変換部14から出力された変換係数データと、後述するレート制御部18からレート制御信号が供給されている。量子化部15は変換係数データの量子化を行い、量子化データを可逆符号化部16と逆量子化部21に出力する。また、量子化部15は、レート制御部18からのレート制御信号に基づき量子化パラメータ(量子化スケール)を切り替えて、量子化データのビットレートを変化させる。
可逆符号化部16には、量子化部15から出力された量子化データと、後述するイントラ予測部31から予測モード情報や動き予測・補償部32から予測モード情報と差分動きベクトル等が供給される。また、予測画像・最適モード選択部33から最適モードがイントラ予測であるかインター予測であるかを示す情報が供給される。なお、予測モード情報には、イントラ予測またはインター予測に応じて、予測モードや動き予測ユニットのブロックサイズ情報等が含まれる。可逆符号化部16は、量子化データに対して例えば可変長符号化または算術符号化等により可逆符号化処理を行い、画像圧縮情報を生成して蓄積バッファ17に出力する。また、可逆符号化部16は、最適モードがイントラ予測である場合、イントラ予測部31から供給された予測モード情報の可逆符号化を行う。また、可逆符号化部16は、最適モードがインター予測である場合、動き予測・補償部32から供給された予測モード情報や差分動きベクトル等の可逆符号化を行う。さらに、可逆符号化部16は、可逆符号化が行われた情報を画像圧縮情報に含める。例えば可逆符号化部16は、画像圧縮情報である符号化ストリームのヘッダ情報に付加する。
蓄積バッファ17は、可逆符号化部16からの画像圧縮情報を蓄積する。また、蓄積バッファ17は、蓄積した画像圧縮情報を伝送路に応じた伝送速度で出力する。
レート制御部18は、蓄積バッファ17の空き容量の監視を行い、空き容量に応じてレート制御信号を生成して量子化部15に出力する。レート制御部18は、例えば蓄積バッファ17から空き容量を示す情報を取得する。レート制御部18は空き容量が少なくなっている場合、レート制御信号によって量子化データのビットレートを低下させる。また、レート制御部18は蓄積バッファ17の空き容量が十分大きい場合、レート制御信号によって量子化データのビットレートを高くする。
逆量子化部21は、量子化部15から供給された量子化データの逆量子化処理を行う。逆量子化部21は、逆量子化処理を行うことで得られた変換係数データを逆直交変換部22に出力する。
逆直交変換部22は、逆量子化部21から供給された変換係数データの逆直交変換処理を行い、得られたデータを加算部23に出力する。
加算部23は、逆直交変換部22から供給されたデータと予測画像・最適モード選択部33から供給された予測画像データを加算して復号画像データを生成して、デブロッキングフィルタ24とイントラ予測部31に出力する。なお、復号画像データは参照画像の画像データとして用いられる。
デブロッキングフィルタ24は、画像の符号化時に生じるブロック歪みを減少させるためのフィルタ処理を行う。デブロッキングフィルタ24は、加算部23から供給された復号画像データからブロック歪みを除去するフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の復号画像データをフレームメモリ26に出力する。
フレームメモリ26は、デブロッキングフィルタ24から供給されたフィルタ処理後の復号画像データを保持する。フレームメモリ26に保持された復号画像データは、動き予測・補償部32に参照画像データとして供給される。
イントラ予測部31は、画面並べ替えバッファ12から供給された符号化対象画像の入力画像データと加算部23から供給された参照画像データを用いて、候補となる全てのイントラ予測モードで予測を行い、最適イントラ予測モードを決定する。イントラ予測部31は、例えば各イントラ予測モードでコスト関数値を算出して、算出したコスト関数値に基づき符号化効率が最良となるイントラ予測モードを最適イントラ予測モードとする。イントラ予測部31は、最適イントラ予測モードで生成された予測画像データと最適イントラ予測モードでのコスト関数値を予測画像・最適モード選択部33に出力する。さらに、イントラ予測部31は、最適イントラ予測モードを示す予測モード情報を可逆符号化部16に出力する。
動き予測・補償部32は、画面並べ替えバッファ12から供給された符号化対象画像の入力画像データとフレームメモリ26から供給された参照画像データを用いて、候補となる全てのインター予測モードで予測を行い、最適インター予測モードを決定する。動き予測・補償部32は、例えば各インター予測モードでコスト関数値を算出して、算出したコスト関数値に基づき符号化効率が最良となるインター予測モードを最適インター予測モードとする。動き予測・補償部32は、最適インター予測モードで生成された予測画像データと最適インター予測モードでのコスト関数値を予測画像・最適モード選択部33に出力する。さらに、動き予測・補償部32は、最適インター予測モードに関する予測モード情報を可逆符号化部16に出力する。
図4は、動き予測・補償部32の構成を示している。動き予測・補償部32は、動き検出部321、モード判定部322、動き補償処理部323、動きベクトルバッファ324を有している。
動き検出部321には、画面並べ替えバッファ12から供給された並べ替え後の入力画像データと、フレームメモリ26から読み出された参照画像データが供給される。動き検出部321は、候補となる全てのインター予測モードで動き探索を行い動きベクトルを検出する。動き検出部321は、検出した動きベクトルを示す動きベクトルを、動きベクトルを検出した場合の入力画像データと参照画像データと共にモード判定部322に出力する。
モード判定部322には、動き検出部321から動きベクトルと入力画像データ、動き補償処理部323から予測画像データ、および動きベクトルバッファ324から隣接予測ユニットの動きベクトルが供給されている。モード判定部322は、隣接予測ユニットの動きベクトルを用いてメディアン予測等を行い予測動きベクトルを設定して、動き検出部321で検出された動きベクトルと予測動きベクトルの差を示す差分動きベクトルを算出する。モード判定部322は、入力画像データと予測画像データおよび差分動きベクトルを用いて、候補となる全てのインター予測モードでコスト関数値を算出する。モード判定部322は、算出したコスト関数値が最小となるモードを最適インター予測モードと決定する。さらに、モード判定部322は、決定した最適インター予測モードを示す予測モード情報とコスト関数値を、当該最適インター予測モードに関わる動きベクトルと差分動きベクトル等とともに、動き補償処理部323に出力する。また、モード判定部322は、候補となる全てのインター予測モードでコスト関数値を算出するため、インター予測モードに関わる予測モード情報と動きベクトルを、動き補償処理部323に出力する。
コスト関数値の算出は、例えばH.264/AVC方式における参照ソフトウェアであるJM(Joint Model)で定められているように、High Complexityモードか、Low Complexityモードのいずれかの手法に基づいて行う。
すなわち、High Complexityモードにおいては、候補となる全ての予測モードに対して、仮に可逆符号化処理までを行い、次の式(10)で表されるコスト関数値を各予測モードに対して算出する。
Cost(Mode∈Ω)=D+λ・R ・・・(10)
Ωは、当該予測ユニットの画像を符号化するための候補となる予測モードの全体集合を示している。Dは、予測モードで符号化を行った場合の予測画像と入力画像との差分エネルギー(歪み)を示している。Rは、直交変換係数や予測モード情報等を含んだ発生符号量、λは、量子化パラメータQPの関数として与えられるラグランジュ乗数である。
つまり、High Complexityモードでの符号化を行うには、上記パラメータDおよびRを算出するため、候補となる全ての予測モードにより、一度、仮エンコード処理を行う必要があり、より高い演算量を要する。
一方、Low Complexityモードにおいては、候補となる全ての予測モードで、予測画像の生成、および差分動きベクトルや予測モード情報などを含むヘッダビットの生成等を行い、次の式(11)で表されるコスト関数値を算出する。
Cost(Mode∈Ω)=D+QP2Quant(QP)・Header_Bit ・・・(11)
Ωは、当該予測ユニットの画像を符号化するための候補となる予測モードの全体集合を示している。Dは、予測モードで符号化を行った場合の予測画像と入力画像との差分エネルギー(歪み)を示している。Header_Bitは、予測モードに対するヘッダビット、QP2Quantは、量子化パラメータQPの関数として与えられる関数である。
すなわち、Low Complexityモードにおいては、それぞれの予測モードに関して、予測処理を行う必要があるが、復号化画像までは必要ないため、High Complexityモードより低い演算量での実現が可能である。
動き補償処理部323は、補償制御部3231と係数テーブル3232とフィルタ部3233を有している。補償制御部3231は、モード判定部322から供給された予測ユニットのブロックサイズ(形状も含む)と動きベクトルおよび参照インデックスに基づいて、フレームメモリ26からの参照画像データの読み出し制御を行う。フィルタ部3233は、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ処理を行う。また、動きベクトルに基づき、補間フィルタ処理で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する。さらに、補償制御部3231は、モード判定部322から供給された動きベクトルの大きさに応じて、フィルタ部3233のフィルタ特性を切り替える。例えば動き補償処理部323は、動きベクトルの大きさが設定した閾値よりも大きい場合と閾値以下である場合とで、フィルタ特性を切り替える。補償制御部3231は、動きベクトルの大きさに応じて、係数テーブル3232でフィルタ係数を選択させて、選択したフィルタ係数をフィルタ部3233に供給させることでフィルタ特性の切り替えを行う。なお、図4では、係数テーブル3232からフィルタ部3233にフィルタ係数を供給する構成を示しているが、補償制御部3231からフィルタ係数をフィルタ部3233に供給する構成であってもよい。
図5は、補償制御部3231においてフィルタ制御を行う部分の構成を示している。補償制御部3231は閾値設定部3231aと閾値判定部3231bを有している。
補償制御部3231は、ブロックサイズ、動きベクトルの整数部および参照インデックスに基づき、フレームメモリ26から参照画像データの読み出しを行う。
閾値設定部3231aは、動きベクトルが整数画素精度である場合、動きベクトルの大きさによって、フィルタ部3233のフィルタ特性を切り替えるための閾値MVthを設定する。閾値設定部3231aは、設定した閾値MVthを閾値判定部3231bに出力する。閾値設定部3231aは、閾値MVthとして予め設定された固定値を用いる。また、閾値設定部3231aは、予測画像データを生成するフレームと参照画像データのフレームとの時間方向の間隔に応じて閾値を適応的に切り替えるようにしてもよい。例えば動きが一定である場合、予測画像データを生成するフレームと参照画像データのフレームとの時間方向の間隔が狭いと動きベクトルの大きさは小さく、時間方向の間隔が広いと動きベクトルの大きさは大きくなる。したがって、時間方向の間隔に応じて閾値を適応的に切り替えれば、所望の動きに対応した閾値を設定できる。
式(12)は、時間方向の間隔に応じて適応的に切り替えられる閾値MVthを示している。
MVth=k*|POC0−POC1| ・・・(12)
なお、式(12)において、係数kは、時間方向の間隔に応じた閾値MVthを算出するために予め設定されている値である。POC0は、生成する予測画像データのフレームである当該フレームのPOC(Picture Order Count)を示している。また、POC1は、参照画像データのフレームのPOCを示している。なお、POC0,POC1は、最適インター予測モードにおける参照インデックスから判別できる。
閾値判定部3231bは、動きベクトルの整数部が閾値MVth以下であるか判定して、判定結果を係数テーブル3232に出力する。
係数テーブル3232には、動きベクトルの小数部と、閾値判定部3231bで生成された判定結果が供給されている。また、係数テーブル3232は、ノイズを除去するフィルタ特性を設定するためのフィルタ係数や、小数画素精度の動きベクトルに基づいて補間フィルタ処理を行い小数画素精度の像データを生成するためのフィルタ係数等が記憶されている。
係数テーブル3232は、動きベクトルの小数部がゼロすなわち動きベクトルが整数画素精度である場合、動きベクトルの大きさ(長さ)に応じたフィルタ係数の出力を行う。例えば、係数テーブル3232は、動きベクトルの小数部がゼロであり、整数部が閾値MVth以下であることを判定結果が示している場合、フィルタ処理を施さない特性とする第1のフィルタ係数をフィルタ部3233に出力する。また、係数テーブル3232は、動きベクトルの小数部がゼロであり、整数部が閾値MVthよりも大きいことを判定結果が示している場合、参照画像データのノイズを除去するフィルタ特性の第2のフィルタ係数をフィルタ部3233に出力する。ここで、閾値MVthをゼロした場合、静止している画像の領域については、フィルタ処理を施さないようにして、動きを生じている画像の領域についてのみノイズ除去を行うことができる。
係数テーブル3232は、動きベクトルの小数部がゼロでない場合、小数画素精度の動きベクトルに基づいて予測画像データの生成、または予測画像データの生成とノイズ除去を行う第3のフィルタ係数をフィルタ部3233に出力する。
図6は、第1のフィルタ係数を用いたときのフィルタ特性と、第2のフィルタ係数を用いたときのフィルタ特性を例示している。なお、フィルタ特性は、第1のフィルタ係数を用いたときのフィルタ特性はフィルタ処理を施さない特性、第2のフィルタ係数を用いたときのフィルタ特性はノイズを除去するフィルタ特性となればよく、図6に示す特性に限られない。例えば、図6に示す特性とは異なる減衰特性であってもよい。
フィルタ部3233は、係数テーブル3232から供給されたフィルタ係数を用いて参照画像データのフィルタ処理を行い予測画像データを生成する。フィルタ部3233は、最適インター予測モードを判定するため、モード判定部322でコスト関数値を算出する場合、生成した予測画像データをモード判定部322に出力する。また、フィルタ部3233は、最適インター予測モードで生成した予測画像データを予測画像・最適モード選択部33に出力する。
なお、図示せずも、動き補償処理部323は、最適インター予測モードで検出した動きベクトルを動きベクトルバッファ324、最適インター予測の予測モード情報と当該モードにおける差分動きベクトル等を可逆符号化部16にそれぞれ出力する。さらに、動き補償処理部323は、最適インター予測におけるコスト関数値を、図3に示す予測画像・最適モード選択部33に出力する。
予測画像・最適モード選択部33は、イントラ予測部31から供給されたコスト関数値と動き予測・補償部32から供給されたコスト関数値を比較して、コスト関数値が少ない方を、符号化効率が最良となる最適モードとして選択する。また、予測画像・最適モード選択部33は、最適モードで生成した予測画像データを減算部13と加算部23に出力する。さらに、予測画像・最適モード選択部33は、最適モードがイントラ予測モードであるかインター予測モードであるかを示す情報を可逆符号化部16に出力する。なお、予測画像・最適モード選択部33は、スライス単位でイントラ予測またはインター予測の切り替えを行う。
<2.画像符号化装置の動作>
画像符号化装置では、例えばH.264/AVC方式よりもマクロブロックの大きさを拡張して符号化処理を行う。図7は、マクロブロックのサイズを拡張した場合の階層構造を例示している。図7において、図7の(C)(D)は、コーディングユニットがH.264/AVC方式で規定されている16×16画素のマクロブロックと8×8画素のサブマクロブロックのサイズである場合を示している。また、図7の(A)はコーディングユニットのブロックサイズが64×64画素、図7の(B)はコーディングユニットのブロックサイズが32×32画素である場合を示している。なお、図7において、「Skip/direct」は、スキップドマクロブロックやダイレクトモードを選択した場合のブロックサイズであることを示している。
また、1つの階層では、コーディングユニットを分割したサイズを含めて複数の予測ユニットが設定されている。例えば、図7の(A)に示す64×64画素のマクロブロックの階層では、64×64画素,64×32画素,32×64画素,32×32画素のサイズが同一階層の予測ユニットのブロックサイズと設定されている。また、図示せずも、コーディングユニットを非対称のブロックサイズで2分割した予測ユニットを設けることも可能とされている。なお、「ME」は予測ユニットのブロックサイズを示している。また、「P8×8」は、ブロックサイズを小さくした下位の階層でさらに分割できることを示している。
次に、画像符号化装置の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。ステップST11において、A/D変換部11は入力された画像信号をA/D変換する。
ステップST12において画面並べ替えバッファ12は、画像並べ替えを行う。画面並べ替えバッファ12は、A/D変換部11より供給された画像データを記憶し、各ピクチャの表示する順番から符号化する順番への並べ替えを行う。
ステップST13において減算部13は、予測誤差データの生成を行う。減算部13は、ステップST12で並び替えられた画像の画像データと予測画像・最適モード選択部33で選択された予測画像データとの差分を算出して予測誤差データを生成する。予測誤差データは、元の画像データに比べてデータ量が小さい。したがって、画像をそのまま符号化する場合に比べて、データ量を圧縮することができる。
ステップST14において直交変換部14は、直交変換処理を行う。直交変換部14は、減算部13から供給された予測誤差データを直交変換する。具体的には、予測誤差データに対して離散コサイン変換、カルーネン・レーベ変換等の直交変換が行われ、変換係数データを出力する。
ステップST15において量子化部15は、量子化処理を行う。量子化部15は、変換係数データを量子化する。量子化に際しては、後述するステップST25の処理で説明されるように、レート制御が行われる。
ステップST16において逆量子化部21は、逆量子化処理を行う。逆量子化部21は、量子化部15により量子化された変換係数データを量子化部15の特性に対応する特性で逆量子化する。
ステップST17において逆直交変換部22は、逆直交変換処理を行う。逆直交変換部22は、逆量子化部21により逆量子化された変換係数データを直交変換部14の特性に対応する特性で逆直交変換する。
ステップST18において加算部23は、参照画像データの生成を行う。加算部23は、予測画像・最適モード選択部33から供給された予測画像データと、この予測画像と対応する位置の逆直交変換後のデータを加算して、復号化データ(参照画像データ)を生成する。
ステップST19においてデブロッキングフィルタ24は、フィルタ処理を行う。デブロッキングフィルタ24は、加算部23より出力された復号画像データをフィルタリングしてブロック歪みを除去する。
ステップST20においてフレームメモリ26は、参照画像データを記憶する。フレームメモリ26はフィルタ処理後の復号化データ(参照画像データ)を記憶する。
ステップST21においてイントラ予測部31と動き予測・補償部32は、それぞれ予測処理を行う。すなわち、イントラ予測部31は、イントラ予測モードのイントラ予測処理を行い、動き予測・補償部32は、インター予測モードの動き予測・補償処理を行う。予測処理の詳細は、図9を参照して後述するが、この処理により、候補となる全ての予測モードでの予測処理がそれぞれ行われ、候補となる全ての予測モードでのコスト関数値がそれぞれ算出される。そして、算出されたコスト関数値に基づいて、最適イントラ予測モードと最適インター予測モードが選択され、選択された予測モードで生成された予測画像とそのコスト関数および予測モード情報が予測画像・最適モード選択部33に供給される。
ステップST22において予測画像・最適モード選択部33は、予測画像データの選択を行う。予測画像・最適モード選択部33は、イントラ予測部31および動き予測・補償部32より出力された各コスト関数値に基づいて、符号化効率が最良となる最適モードを決定する。すなわち、予測画像・最適モード選択部33では、例えば図7に示す各階層から符号化効率が最良となるコーディングユニットと該コーディングユニットにおける予測ユニットのブロックサイズおよびイントラ予測とインター予測のいずれかを行うか決定する。さらに、予測画像・最適モード選択部33は、決定した最適モードの予測画像データを、減算部13と加算部23に出力する。この予測画像データが、上述したように、ステップST13,ST18の演算に利用される。
ステップST23において可逆符号化部16は、可逆符号化処理を行う。可逆符号化部16は、量子化部15より出力された量子化データを可逆符号化する。すなわち、量子化データに対して可変長符号化や算術符号化等の可逆符号化が行われて、データ圧縮される。また、可逆符号化部16は、ステップST22で選択された予測画像データに対応する予測モード情報等の可逆符号化を行い、量子化データを可逆符号化して生成された画像圧縮情報に、予測モード情報等の可逆符号化データが含められる。
ステップST24において蓄積バッファ17は、蓄積処理を行う。蓄積バッファ17は、可逆符号化部16から出力される画像圧縮情報を蓄積する。この蓄積バッファ17に蓄積された画像圧縮情報は、適宜読み出されて伝送路を介して復号側に伝送される。
ステップST25においてレート制御部18は、レート制御を行う。レート制御部18は、蓄積バッファ17で画像圧縮情報を蓄積する場合、オーバーフローまたはアンダーフローが蓄積バッファ17で発生しないように、量子化部15の量子化動作のレートを制御する。
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のステップST21における予測処理を説明する。
ステップST31において、イントラ予測部31はイントラ予測処理を行う。イントラ予測部31は符号化対象の予測ユニットの画像を、候補となる全てのイントラ予測モードでイントラ予測する。なお、イントラ予測において参照される復号画像の画像データは、デブロッキングフィルタ24でブロッキングフィルタ処理が行われる前の復号画像データが用いられる。このイントラ予測処理により、候補となる全てのイントラ予測モードでイントラ予測が行われ、候補となる全てのイントラ予測モードに対してコスト関数値が算出される。そして、算出されたコスト関数値に基づいて、全てのイントラ予測モードの中から、符号化効率が最良となる1つのイントラ予測モードが選択される。
ステップST32において、動き予測・補償部32はインター予測処理を行う。動き予測・補償部32は、フレームメモリ26に記憶されているデブロッキングフィルタ処理後の復号画像データを用いて、候補となるインター予測モードのインター予測処理を行う。このインター予測処理により、候補となる全てのインター予測モードで予測処理が行われ、候補となる全てのインター予測モードに対してコスト関数値が算出される。そして、算出されたコスト関数値に基づいて、全てのインター予測モードの中から、符号化効率が最良となる1つのインター予測モードが選択される。
次に、図10のフローチャートを参照して、図9におけるステップST31のイントラ予測処理について説明する。
ステップST41でイントラ予測部31は、各予測モードのイントラ予測を行う。イントラ予測部31は、ブロッキングフィルタ処理前の復号画像データを用いて、イントラ予測モード毎に予測画像データを生成する。
ステップST42でイントラ予測部31は、各予測モードでのコスト関数値を算出する。コスト関数値の算出は、上述のように例えばH.264/AVC方式における参照ソフトウェアであるJM(Joint Model)で定められているように、High Complexityモードか、Low Complexityモードのいずれかの手法に基づいて行う。すなわち、High Complexityモードにおいては、ステップST42の処理として、候補となる全ての予測モードに対して、仮に可逆符号化処理までを行い、上述の式(10)で表されるコスト関数値を各予測モードに対して算出する。また、Low Complexityモードにおいては、ステップST42の処理として、候補となる全ての予測モードに対して、予測画像の生成、および、動きベクトルや予測モード情報などのヘッダビットまでを算出し、上述の式(11)で表されるコスト関数値を各予測モードに対して算出する。
ステップST43でイントラ予測部31は、最適イントラ予測モードを決定する。イントラ予測部31は、ステップST42において算出されたコスト関数値に基づいて、それらの中から、コスト関数値が最小値である1つのイントラ予測モードを選択して最適イントラ予測モードに決定する。
次に、図11のフローチャートを参照して、図9におけるステップST32のインター予測処理について説明する。
ステップST51で動き予測・補償部32は、動き検出処理を行う。動き予測・補償部32は、動きベクトルを検出してステップST52に進む。
ステップST52で動き予測・補償部32は、動き補償処理を行う。動き予測・補償部32は、ステップST51で検出した動きベクトルに基づき参照画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する。
図12は、動き補償処理を示すフローチャートである。ステップST61で動き予測・補償部32は、参照画像データの読み出しを行う。動き予測・補償部32は、動き補償を行う予測ユニットのブロックサイズ、動き補償を行う予測ユニットに対して検出した動きベクトル、動きベクトルの検出に用いた参照画像を示す参照インデックスに基づき、参照画像データの読み出し領域を決定する。さらに、動き予測・補償部32は、決定した読み出し領域の画像データをフレームメモリ26から読み出してステップST62に進む。
ステップST62で動き予測・補償部32は、動きベクトルの小数部がゼロであるか判別する。動き予測・補償部32は、動き補償を行う予測ユニットに対して検出した動きベクトルにおいて、動きベクトルの小数部がゼロであるときはステップST63に進み、動きベクトルの小数部がゼロでないときはステップST67に進む。
ステップST63で動き予測・補償部32は、閾値の設定を行う。動き予測・補償部32は、予め設定されている固定値、または上述の式(12)に基づいて閾値MVthを設定してステップST64に進む。
ステップST64で動き予測・補償部32は、整数部が閾値以下であるか判別する。動き予測・補償部32は、動き補償を行う予測ユニットで検出した動きベクトルの整数部が閾値MVth以下である場合はステップST65に進み、閾値MVthよりも大きい場合はステップST66に進む。
ステップST65で動き予測・補償部32は、第1のフィルタ係数の選択を行う。動き予測・補償部32は、参照画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する場合のフィルタ処理で用いるフィルタ係数を第1のフィルタ係数としてステップST68に進む。この第1のフィルタ係数は、フィルタ処理を施さない特性として、予測画像データを生成する場合にフィルタ部3233でノイズ除去を行うことなく参照画像データを通過させるフィルタ係数である。
ステップST66で動き予測・補償部32は、第2のフィルタ係数の選択を行う。動き予測・補償部32は、フィルタ処理で用いるフィルタ係数を第2のフィルタ係数としてステップST68に進む。この第2のフィルタ係数は、予測画像データを生成する場合にフィルタ部3233でノイズを除去する特性のフィルタ係数であり、例えば低域通過フィルタ動作を行い、ノイズ除去を行う。
ステップST62からステップST67に進むと、動き予測・補償部32は、小数部に応じた第3のフィルタ係数の選択を行う。動き予測・補償部32は、参照画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する場合のフィルタ処理で用いるフィルタ係数を、動きベクトルの小数部に応じた第3のフィルタ係数としてステップST68に進む。この第3のフィルタ係数は、従来の画像符号化装置と同様に、小数画素精度の動きベクトルに基づいて予測画像データの生成、または予測画像データの生成とノイズ除去を行う特性のフィルタ係数である。
ステップST68で動き予測・補償部32は、予測画像データの生成を行う。動き予測・補償部32は、第1〜第3のフィルタ係数のいずれかか選択されたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行い予測画像データの生成を行う。
このように、図11のステップST52の動き補償処理では、上述のように予測画像データを生成してステップST53に進む。
ステップST53で動き予測・補償部32は、コスト関数値の算出を行う。動き予測・補償部32は、符号化対象である予測ユニットの入力画像データと、ステップST52で生成した予測画像データ等を用いて、上述のようにコスト関数値を算出してステップST54に進む。
ステップST54で動き予測・補償部32は、最適インター予測モードを決定する。動き予測・補償部32は、ステップST51からステップST53までの処理を全てのインター予測モード毎に行い、算出されたコスト関数値が最小値となる参照インデックス、コーディングユニットのブロックサイズ、当該コーディングユニットにおける予測ユニットのブロックサイズを判別して、最適インター予測モードとする。なお、コスト関数が最小となるモードの決定では、スキップモードでインター予測を行った場合のコスト関数値も用いる。
また、動き予測・補償部32は、予測画像・最適モード選択部33で最適インター予測モードが最適予測モードとして選択された場合、最適インター予測モードの予測画像データを減算部13と加算部23に供給できるように、予測画像データの生成を行う。
このように、画像符号化装置10では、インター予測において、動きベクトルが整数画素精度で整数部が閾値以下である場合、第1のフィルタ係数が選択されて、参照画像データに対するノイズ除去が行われないようになる。このため、例えば動き量がゼロである場合のように、動き量が小さく動きぼけが少ないため参照画像データに高域成分が多く含まれている場合、フィルタ処理によって高域成分が失われてしまうことがないので、予測画像の品質を劣化させてしまうことを防止できる。
また、動きベクトルが整数画素精度で整数部が閾値よりも大きい場合、第2のフィルタ係数が選択されて、参照画像データのノイズ除去が行われる。このため、動き量が大きく動きぼけが多くなるような場合等、ノイズの少ない予測画像データが生成されるので、効率の高い符号化処理を行うことができる。また、動き量が大きい場合は、動き量が小さい場合に比べて高域成分が少ないことが多く、ノイズ除去を行っても高域成分の減少による予測画像の品質の劣化が少ない。
さらに、動きベクトルが小数画素精度、例えば1/2画素精度や1/4画素精度等である場合、第3のフィルタ係数が選択されて、補間フィルタ処理による予測画像データやノイズ除去のフィルタ処理が行われる。このため、従来と同様に、小数画素精度の動きベクトルに基づく少ない予測画像データを用いて効率の高い符号化処理を行うことができる。
また、画像符号化装置10は、閾値MVthまたは設定した閾値MVthを復号化時に生成するための閾値生成情報である係数kを、例えば可逆符号化して、Sequence Parameter Set(SPS), Picture Parameter Set(PPS), slice header, macro block header,cording unit header情報等の少なくともいずれかに含める。このようにすれば、後述する画像復号化装置50で、これらの情報に含まれている閾値MVthや閾値生成情報を用いることで、画像符号化装置10と同様なフィルタ特性の切り替えを正しく行うことができる。
<3.画像復号化装置の構成>
次に、画像処理装置を画像復号化装置に適用した場合について説明する。入力画像を符号化して生成された画像圧縮情報は、所定の伝送路や記録媒体等を介して画像復号化装置に供給されて復号される。
図13は、画像圧縮情報の復号化処理を行う画像復号化装置の構成を示している。画像復号化装置50は、蓄積バッファ51、可逆復号化部52、逆量子化部53、逆直交変換部54、加算部55、デブロッキングフィルタ56、画面並べ替えバッファ57、ディジタル/アナログ変換部(D/A変換部)58を備えている。さらに、画像復号化装置50は、フレームメモリ61、イントラ予測部71、動き補償部72、セレクタ73を備えている。
蓄積バッファ51は、伝送されてきた画像圧縮情報を蓄積する。可逆復号化部52は、蓄積バッファ51より供給された画像圧縮情報を、図3の可逆符号化部16の符号化方式に対応する方式で復号化する。
可逆復号化部52は、画像圧縮情報を復号して得られた予測モード情報をイントラ予測部71や動き補償部72に出力する。また、可逆復号化部52は、画像圧縮情報を復号して得られた差分動きベクトルや閾値または閾値生成情報を動き補償部72に出力する。
逆量子化部53は、可逆復号化部52で復号された量子化データを、図3の量子化部15の量子化方式に対応する方式で逆量子化する。逆直交変換部54は、図3の直交変換部14の直交変換方式に対応する方式で逆量子化部53の出力を逆直交変換して加算部55に出力する。
加算部55は、逆直交変換後のデータとセレクタ73から供給される予測画像データを加算して復号画像データを生成してデブロッキングフィルタ56とイントラ予測部71に出力する。
デブロッキングフィルタ56は、加算部55から供給された復号画像データに対してデブロッキングフィルタ処理を行い、ブロック歪みを除去してからフレームメモリ61に供給し蓄積させるとともに、画面並べ替えバッファ57に出力する。
画面並べ替えバッファ57は、画像の並べ替えを行う。すなわち、図3の画面並べ替えバッファ12により符号化の順番のために並べ替えられたフレームの順番が、元の表示の順番に並べ替えられて、D/A変換部58に出力される。
D/A変換部58は、画面並べ替えバッファ57から供給された画像データをD/A変換し、図示せぬディスプレイに出力することで画像を表示させる。
フレームメモリ61は、デブロッキングフィルタ24でフィルタ処理が行われた後の復号画像データを参照画像データとして記憶する。
イントラ予測部71は、可逆復号化部52から供給された予測モード情報と加算部55から供給された復号画像データに基づいて予測画像データの生成を行い、生成した予測画像データをセレクタ73に出力する。
動き補償部72は、可逆復号化部52から供給された予測モード情報や差分動きベクトルに基づきフレームメモリ61から参照画像データを読み出して動き補償を行い予測画像データを生成する。動き補償部72は、生成した予測画像データをセレクタ73に出力する。また、動き補償部72は、動きベクトルの大きさに応じて、フィルタ特性を切り替えて予測画像データの生成を行う。
セレクタ73は、可逆復号化部52から供給された予測モード情報に基づき、イントラ予測である場合はイントラ予測部71、インター予測である場合は動き補償部72を選択する。セレクタ73は、選択されたイントラ予測部71または動き補償部72で生成された予測画像データを加算部55に出力する。
図14は、動き補償部72の構成を示している。動き補償部72は、動きベクトル合成部721、動き補償処理部722、動きベクトルバッファ723を有している。
動きベクトル合成部721は、可逆復号化部52から供給された復号化対象の予測ユニットの差分動きベクトルと予測動きベクトルを加算して、予測ユニットの動きベクトルを算出して動き補償処理部722に出力する。なお、動きベクトル合成部721は、動きベクトルバッファ723に記憶されている隣接予測ユニットの動きベクトルを用いて予測動きベクトルを生成する。
動き補償処理部722は、補償制御部7221と係数テーブル7222とフィルタ部7223を有している。補償制御部7221は、可逆復号化部52から供給された予測モード情報と動きベクトル合成部721から供給された動きベクトルに基づき、フレームメモリ61から参照画像データの読み出し制御を行う。フィルタ部7223は、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ処理を行う。また、動きベクトルに基づき、補間フィルタ処理で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する。さらに、補償制御部7221は、動きベクトル合成部721から供給された動きベクトルの大きさに応じて、フィルタ部7223のフィルタ特性を切り替える。補償制御部7221は、動きベクトルの大きさに応じて、係数テーブル7222でフィルタ係数を選択させて、選択したフィルタ係数をフィルタ部7223に供給させることでフィルタ特性の切り替えを行う。また、補償制御部7221は、可逆復号化部52から供給された閾値、または可逆復号化部52から供給された閾値生成情報を用いて式(12)から算出した閾値を用いることで、図4に示す補償制御部3231と同様なフィルタ特性の切り替えを行う。このため、補償制御部3231で例えば閾値がゼロとされている場合、画像復号化装置50においても、静止している画像の領域については、フィルタ処理を施さないようにして、動きを生じている画像の領域についてのみノイズ除去を行うことができる。
係数テーブル7222は、係数テーブル3232と同様に、整数画素精度の動きベクトルに基づいて予測画像データの生成を行う場合、動きベクトルの大きさに応じてノイズ除去を行うフィルタ係数の出力を行う。例えば、係数テーブル7222は、動きベクトルの小数部がゼロであり、整数部が閾値MVth以下であることを判定結果が示している場合、予測画像データに対してノイズ除去を行わないフィルタ係数をフィルタ部7223に出力する。また、係数テーブル7222は、動きベクトルの小数部がゼロであり、整数部が閾値MVthよりも大きいことを判定結果が示している場合、予測画像データのノイズ除去を行うフィルタ係数をフィルタ部7223に出力する。
さらに、係数テーブル7222は、係数テーブル3232と同様に、小数画素精度の動きベクトルに基づいて予測画像データの生成を行う場合、予測画像データの生成または予測画像データの生成とノイズ除去を行うフィルタ係数をフィルタ部7223に出力する。すなわち、係数テーブル7222は、動きベクトルの小数部がゼロでない場合、動きベクトルの小数部に応じて、予測画像データの生成または予測画像データの生成とノイズ除去を行うフィルタ係数をフィルタ部7223に出力する。
フィルタ部7223は、係数テーブル7222から供給されたフィルタ係数を用いて参照画像データのフィルタ処理を行い予測画像データを生成して図13に示すセレクタ73に出力する。
セレクタ73は、可逆復号化部52から供給された予測モード情報に基づき、イントラ予測である場合はイントラ予測部71、インター予測である場合は動き補償部72を選択する。セレクタ73は、選択されたイントラ予測部71または動き補償部72で生成された予測画像データを加算部55に出力する。
<4.画像復号化装置の動作>
次に、図15のフローチャートを参照して、画像復号化装置50で行われる画像復号処理動作について説明する。
ステップST81で蓄積バッファ51は、供給された画像圧縮情報を蓄積する。ステップST82で可逆復号化部52は、可逆復号化処理を行う。可逆復号化部52は、蓄積バッファ51から供給される画像圧縮情報を復号化する。すなわち、図3の可逆符号化部16により符号化された各ピクチャの量子化データが得られる。また、可逆復号化部52、画像圧縮情報に含まれている予測モード情報等の可逆復号化を行い、得られた予測モード情報がイントラ予測モードに関する情報である場合、予測モード情報をイントラ予測部71に出力する。また、可逆復号化部52は、予測モード情報がインター予測モードに関する情報である場合、予測モード情報を動き補償部72に出力する。さらに、可逆復号化部52は、画像圧縮情報を復号して得られた差分動きベクトルや閾値または閾値生成情報を動き補償部72に出力する。
ステップST83において逆量子化部53は、逆量子化処理を行う。逆量子化部53は、可逆復号化部52により復号された量子化データを、図3の量子化部15の特性に対応する特性で逆量子化する。
ステップST84において逆直交変換部54は、逆直交変換処理を行う。逆直交変換部54は、逆量子化部53により逆量子化された変換係数データを、図3の直交変換部14の特性に対応する特性で逆直交変換する。
ステップST85において加算部55は、復号画像データの生成を行う。加算部55は、逆直交変換処理を行うことにより得られたデータと、後述するステップST89で選択された予測画像データを加算して復号画像データを生成する。これにより元の画像が復号される。
ステップST86においてデブロッキングフィルタ56は、フィルタ処理を行う。デブロッキングフィルタ56は、加算部55より出力された復号画像データのデブロッキングフィルタ処理を行い、復号画像に含まれているブロック歪みを除去する。
ステップST87においてフレームメモリ61は、復号画像データの記憶処理を行う。なお、フレームメモリ61に記憶された復号画像データや加算部55から出力される復号画像データは、参照画像データとして予測画像データの生成で用いられる。
ステップST88においてイントラ予測部71と動き補償部72は、予測画像生成処理を行う。イントラ予測部71と動き補償部72は、可逆復号化部52から供給される予測モード情報に対応してそれぞれ予測画像生成処理を行う。
すなわち、可逆復号化部52からイントラ予測の予測モード情報が供給された場合、イントラ予測部71は、予測モード情報に基づいて予測画像データを生成する。また、可逆復号化部52からインター予測の予測モード情報が供給された場合、動き補償部72は、予測モード情報に基づき動き補償を行い予測画像データを生成する。
ステップST89において、セレクタ73は予測画像データの選択を行う。セレクタ73は、イントラ予測部71から供給された予測画像と動き補償部72から供給された予測画像データの選択を行い、選択した予測画像データを加算部55に供給して、上述したように、ステップST85において逆直交変換部54の出力と加算させる。
ステップST90において画面並べ替えバッファ57は、画像並べ替えを行う。すなわち画面並べ替えバッファ57は、図3の画像符号化装置10の画面並べ替えバッファ12により符号化のために並べ替えられたフレームの順序が、元の表示の順序に並べ替えられる。
ステップST91において、D/A変換部58は、画面並べ替えバッファ57からの画像データをD/A変換する。この画像が図示せぬディスプレイに出力され、画像が表示される。
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップST88の予測画像生成処理について説明する。
ステップST101で可逆復号化部52は、復号化対象の予測ユニットのブロックがイントラ符号化されているか否かを判定する。可逆復号化部52は、可逆復号化を行うことにより得られた予測モード情報がイントラ予測の予測モード情報である場合、予測モード情報をイントラ予測部71に供給してステップST102に進む。また、可逆復号化部52は、予測モード情報がインター予測の予測モード情報である場合、予測モード情報を動き補償部72に供給してステップST103に進む。
ステップST102でイントラ予測部71は、イントラ予測画像生成処理を行う。イントラ予測部71は、加算部55から供給されたデブロックフィルタ処理前の復号画像データと予測モード情報を用いてイントラ予測を行い、予測画像データを生成する。
ステップST103で動き補償部72は、インター予測画像生成処理を行う。動き補償部72は、可逆復号化部52から供給された予測モード情報等の情報に基づいて、フレームメモリ61から参照画像データを読み出して予測画像データの生成を行う。
図17は、ステップST103のインター予測画像生成処理を示すフローチャートである。ステップST111で動き補償部72は、予測モード情報と閾値を取得する。動き補償部72は、予測モード情報と閾値または閾値生成情報を可逆復号化部52から取得してステップST112に進む。
ステップST112で動き補償部72は、動きベクトルを再構築する。動き補償部72は、例えば隣接予測ユニットの動きベクトルを用いたメディアン予測によって生成した予測動きベクトルと、可逆復号化部52から供給された差分動きベクトルを加算する。動き補償部72は、予測動きベクトルと差分動きベクトルを加算することで、予測ユニットの動きベクトルを再構築してステップST113に進む。
ステップST113で動き補償部72は、動き補償処理を行う。動き補償部72はステップST111で取得した予測モード情報や、ステップST112で再構築した動きベクトルに基づき、フレームメモリ61から参照画像データを読み出す。また、動き補償部72は、図11に示す動き補償処理と同様に、読み出した参照画像データに対して動きベクトルの大きさに応じてフィルタ特性を切り替えて予測画像データの生成を行う。
このように、画像復号化装置50では、画像符号化装置10と同様に、インター予測において、動きベクトルが整数画素精度で整数部が閾値以下である場合、第1のフィルタ係数が選択されて、参照画像データに対するフィルタ処理が行われないようになる。このため、例えば動き量がゼロである場合のように、動き量が小さく動きぼけが少ないため参照画像データに高域成分が多く含まれている場合、フィルタ処理によって高域成分が失われてしまうことがないので、予測画像の品質を劣化させてしまうことを防止できる。
また、動きベクトルが整数画素精度で整数部が閾値よりも大きい場合、第2のフィルタ係数が選択されて、参照画像データのノイズ除去が行われる。このため、動き量が大きく動きぼけが多くなるような場合等、ノイズの少ない予測画像データが生成されるので、効率の高い符号化処理を行うことができる。また、動き量が大きい場合は、動き量が小さい場合に比べて高域成分が少ないことが多く、ノイズ除去を行っても高域成分の減少による予測画像の品質の劣化が少ない。
さらに、動きベクトルが小数画素精度、例えば1/2画素精度や1/4画素精度等である場合、第3のフィルタ係数が選択されて、補間フィルタ処理による予測画像データやノイズ除去のフィルタ処理が行われる。このため、従来と同様に、小数画素精度の動きベクトルに基づく少ない予測画像データを用いて効率の高い符号化処理を行うことができる。
また、画像復号化装置50は、例えばSequence Parameter Set(SPS), Picture Parameter Set(PPS), slice header, macro block header,cording unit header情報から得られた閾値MVthまたは閾値設定情報に基づいて、フィルタ特性の切り替えが行われるので、画像符号化装置10と同様なフィルタ特性の切り替えを正しく行うことができる。
なお、画像符号化装置10と画像復号化装置50では、動きベクトルの大きさが設定した閾値よりも大きい場合は参照画像データのノイズを除去する特性、動きベクトルの大きさが閾値以下である場合はフィルタ処理を施さない特性に、フィルタ特性を切り替える場合について説明した。しかし、フィルタ特性の切り替えは、動きベクトルの大きさが小数画素精度である場合にも、動きベクトルの大きさに応じてフィルタ特性を切り替えるようにしてもよい。また、閾値を複数設けて、フィルタ特性の切り替えをさらに子細に行うようにしてもよい。
<5.ソフトウェア処理の場合>
上述の一連の処理は、ハードウェア、またはソフトウェア、または両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させる。または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることも可能である。
図18は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータ装置の構成を例示した図である。コンピュータ装置80のCPU801は、ROM802、または記録部808に記録されているコンピュータ・プログラムにしたがって各種の処理を実行する。
RAM803には、CPU801が実行するコンピュータ・プログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU801、ROM802、およびRAM803は、バス804により相互に接続されている。
CPU801にはまた、バス804を介して入出力インタフェース805が接続されている。入出力インタフェース805には、タッチパネルやキーボード、マウス、マイクロホンなどの入力部806、ディスプレイなどよりなる出力部807が接続されている。CPU801は、入力部806から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU801は、処理の結果を出力部807に出力する。
入出力インタフェース805に接続されている記録部808は、例えばハードディスクからなり、CPU801が実行するコンピュータ・プログラムや各種のデータを記録する。通信部809は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークやディジタル放送といった有線または無線の通信媒体を介して外部の装置と通信する。また、コンピュータ装置80は、通信部809を介してコンピュータ・プログラムを取得し、ROM802や記録部808に記録してもよい。
ドライブ810は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア85が装着された場合、それらを駆動して、記録されているコンピュータ・プログラムやデータなどを取得する。取得されたコンピュータ・プログラムやデータは、必要に応じてROM802やRAM803または記録部808に転送される。
CPU801は、上述した一連の処理を行うコンピュータ・プログラムを読み出して実行して、記録部808やリムーバブルメディア85に記録されている画像信号や、通信部809を介して供給された画像信号に対する符号化処理や画像圧縮情報の復号化処理を行う。
<6.電子機器に適用した場合>
また、以上においては、符号化方式/復号方式としてH.264/AVC方式が用いられたが、本発明は、その他の動き予測・補償処理を行う符号化方式/復号方式を用いる画像符号化装置/画像復号装置に適用することもできる。
さらに、本発明は、例えば、MPEG,H.26x等のように、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償によって圧縮された画像情報(ビットストリーム)を、衛星放送、ケーブルTV(テレビジョン)、インターネット、および携帯電話機などのネットワークメディアを介して受信する際に、または、光、磁気ディスク、およびフラッシュメモリのような記憶メディア上で処理する際に用いられる画像符号化装置および画像復号装置に適用することができる。
次に、上述した画像符号化装置10や画像復号化装置50が適用された電子機器について説明する。
図19は、本発明を適用したテレビジョン装置の概略構成を例示している。テレビジョン装置90は、アンテナ901、チューナ902、デマルチプレクサ903、デコーダ904、映像信号処理部905、表示部906、音声信号処理部907、スピーカ908、外部インタフェース部909を有している。さらに、テレビジョン装置90は、制御部910、ユーザインタフェース部911等を有している。
チューナ902は、アンテナ901で受信された放送波信号から所望のチャンネルを選局して復調を行い、得られたストリームをデマルチプレクサ903に出力する。
デマルチプレクサ903は、ストリームから視聴対象である番組の映像や音声のパケットを抽出して、抽出したパケットのデータをデコーダ904に出力する。また、デマルチプレクサ903は、EPG(Electronic Program Guide)等のデータのパケットを制御部910に出力する。なお、スクランブルが行われている場合、デマルチプレクサ等でスクランブルの解除を行う。
デコーダ904は、パケットの復号化処理を行い、復号処理化によって生成された映像データを映像信号処理部905、音声データを音声信号処理部907に出力する。
映像信号処理部905は、映像データに対して、ノイズ除去やユーザ設定に応じた映像処理等を行う。映像信号処理部905は、表示部906に表示させる番組の映像データや、ネットワークを介して供給されるアプリケーションに基づく処理による画像データなどを生成する。また、映像信号処理部905は、項目の選択などのメニュー画面等を表示するための映像データを生成し、それを番組の映像データに重畳する。映像信号処理部905は、このようにして生成した映像データに基づいて駆動信号を生成して表示部906を駆動する。
表示部906は、映像信号処理部905からの駆動信号に基づき表示デバイス(例えば液晶表示素子等)を駆動して、番組の映像などを表示させる。
音声信号処理部907は、音声データに対してノイズ除去などの所定の処理を施し、処理後の音声データのD/A変換処理や増幅処理を行い、スピーカ908に供給することで音声出力を行う。
外部インタフェース部909は、外部機器やネットワークと接続するためのインタフェースであり、映像データや音声データ等のデータ送受信を行う。
制御部910にはユーザインタフェース部911が接続されている。ユーザインタフェース部911は、操作スイッチやリモートコントロール信号受信部等で構成されており、ユーザ操作に応じた操作信号を制御部910に供給する。
制御部910は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を用いて構成されている。メモリは、CPUにより実行されるプログラムやCPUが処理を行う上で必要な各種のデータ、EPGデータ、ネットワークを介して取得されたデータ等を記憶する。メモリに記憶されているプログラムは、テレビジョン装置90の起動時などの所定タイミングでCPUにより読み出されて実行される。CPUは、プログラムを実行することで、テレビジョン装置90がユーザ操作に応じた動作となるように各部を制御する。
なお、テレビジョン装置90では、チューナ902、デマルチプレクサ903、映像信号処理部905、音声信号処理部907、外部インタフェース部909等と制御部910を接続するためバス912が設けられている。
このように構成されたテレビジョン装置では、デコーダ904に本願の画像復号化装置(画像復号化方法)の機能が設けられる。このため、放送局側の画像符号化処理において、動きベクトルに応じてフィルタ特性の切り替えを行って予測画像データの生成が行われている場合、放送局側と同様にフィルタ特性の切り替えを行って予測画像データを生成できる。したがって、予測画像の品質劣化して圧縮効率の低下を招いてしまうことを防止しても、テレビジョン装置で正しく復号化処理を行うことができる。
図20は、本発明を適用した携帯電話機の概略構成を例示している。携帯電話機92は、通信部922、音声コーデック923、カメラ部926、画像処理部927、多重分離部928、記録再生部929、表示部930、制御部931を有している。これらは、バス933を介して互いに接続されている。
また、通信部922にはアンテナ921が接続されており、音声コーデック923には、スピーカ924とマイクロホン925が接続されている。さらに制御部931には、操作部932が接続されている。
携帯電話機92は、音声通話モードやデータ通信モード等の各種モードで、音声信号の送受信、電子メールや画像データの送受信、画像撮影、またはデータ記録等の各種動作を行う。
音声通話モードにおいて、マイクロホン925で生成された音声信号は、音声コーデック923で音声データへの変換やデータ圧縮が行われて通信部922に供給される。通信部922は、音声データの変調処理や周波数変換処理等を行い、送信信号を生成する。また、通信部922は、送信信号をアンテナ921に供給して図示しない基地局へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921で受信した受信信号の増幅や周波数変換処理および復調処理等を行い、得られた音声データを音声コーデック923に供給する。音声コーデック923は、音声データのデータ伸張やアナログ音声信号への変換を行い、スピーカ924に出力する。
また、データ通信モードにおいて、メール送信を行う場合、制御部931は、操作部932の操作によって入力された文字データを受け付けて、入力された文字を表示部930に表示する。また、制御部931は、操作部932におけるユーザ指示等に基づいてメールデータを生成して通信部922に供給する。通信部922は、メールデータの変調処理や周波数変換処理等を行い、得られた送信信号をアンテナ921から送信する。また、通信部922は、アンテナ921で受信した受信信号の増幅や周波数変換処理および復調処理等を行い、メールデータを復元する。このメールデータを、表示部930に供給して、メール内容の表示を行う。
なお、携帯電話機92は、受信したメールデータを、記録再生部929で記憶媒体に記憶させることも可能である。記憶媒体は、書き換え可能な任意の記憶媒体である。例えば、記憶媒体は、RAMや内蔵型フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、USBメモリ、またはメモリカード等のリムーバブルメディアである。
データ通信モードにおいて画像データを送信する場合、カメラ部926で生成された画像データを、画像処理部927に供給する。画像処理部927は、画像データの符号化処理を行い、画像圧縮情報を生成する。
多重分離部928は、画像処理部927で生成された画像圧縮情報と、音声コーデック923から供給された音声データを所定の方式で多重化して、通信部922に供給する。通信部922は、多重化データの変調処理や周波数変換処理等を行い、得られた送信信号をアンテナ921から送信する。また、通信部922は、アンテナ921で受信した受信信号の増幅や周波数変換処理および復調処理等を行い、多重化データを復元する。この多重化データを多重分離部928に供給する。多重分離部928は、多重化データの分離を行い、画像圧縮情報を画像処理部927、音声データを音声コーデック923に供給する。
画像処理部927は、画像圧縮情報の復号化処理を行い、画像データを生成する。この画像データを表示部930に供給して、受信した画像の表示を行う。音声コーデック923は、音声データをアナログ音声信号に変換してスピーカ924に供給して、受信した音声を出力する。
このように構成された携帯電話装置では、画像処理部927に本願の画像処理装置(画像処理方法)の機能が設けられる。したがって、例えば送信する画像の符号化処理において、動きベクトルの大きさに応じてフィルタ特性の切り替えを行うことで、予測画像の品質劣化が生じて圧縮効率の低下を招いてしまうことを抑制できる。また、受信した画像の復号化処理において、符号化処理と同様にフィルタ特性の切り替えを行って予測画像データを生成できることから、正しく復号化処理を行うことができる。
図21は、本発明を適用した記録再生装置の概略構成を例示している。記録再生装置94は、例えば受信した放送番組のオーディオデータとビデオデータを、記録媒体に記録して、その記録されたデータをユーザの指示に応じたタイミングでユーザに提供する。また、記録再生装置94は、例えば他の装置からオーディオデータやビデオデータを取得し、それらを記録媒体に記録させることもできる。さらに、記録再生装置94は、記録媒体に記録されているオーディオデータやビデオデータを復号して出力することで、モニタ装置等において画像表示や音声出力を行うことができるようにする。
記録再生装置94は、チューナ941、外部インタフェース部942、エンコーダ943、HDD(Hard Disk Drive)部944、ディスクドライブ945、セレクタ946、デコーダ947、OSD(On-Screen Display)部948、制御部949、ユーザインタフェース部950を有している。
チューナ941は、図示しないアンテナで受信された放送信号から所望のチャンネルを選局する。チューナ941は、所望のチャンネルの受信信号を復調して得られた画像圧縮情報をセレクタ946に出力する。
外部インタフェース部942は、IEEE1394インタフェース、ネットワークインタフェース部、USBインタフェース、フラッシュメモリインタフェース等の少なくともいずれかで構成されている。外部インタフェース部942は、外部機器やネットワーク、メモリカード等と接続するためのインタフェースであり、記録する映像データや音声データ等のデータ受信を行う。
エンコーダ943は、外部インタフェース部942から供給された映像データや音声データが符号化されていない場合所定の方式で符号化処理を行い、画像圧縮情報をセレクタ946に出力する。
HDD部944は、映像や音声等のコンテンツデータ、各種プログラムやその他のデータ等を内蔵のハードディスクに記録し、また再生時等にそれらを当該ハードディスクから読み出す。
ディスクドライブ945は、装着されている光ディスクに対する信号の記録および再生を行う。光ディスク、例えばDVDディスク(DVD−Video、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等)やBlu−rayディスク等である。
セレクタ946は、映像や音声の記録時には、チューナ941またはエンコーダ943からのいずれかのストリームを選択して、HDD部944やディスクドライブ945のいずれかに供給する。また、セレクタ946は、映像や音声の再生時に、HDD部944またはディスクドライブ945から出力されたストリームをデコーダ947に供給する。
デコーダ947は、ストリームの復号化処理を行う。デコーダ947は、復号処理化を行うことにより生成された映像データをOSD部948に供給する。また、デコーダ947は、復号処理化を行うことにより生成された音声データを出力する。
OSD部948は、項目の選択などのメニュー画面等を表示するための映像データを生成し、それをデコーダ947から出力された映像データに重畳して出力する。
制御部949には、ユーザインタフェース部950が接続されている。ユーザインタフェース部950は、操作スイッチやリモートコントロール信号受信部等で構成されており、ユーザ操作に応じた操作信号を制御部949に供給する。
制御部949は、CPUやメモリ等を用いて構成されている。メモリは、CPUにより実行されるプログラムやCPUが処理を行う上で必要な各種のデータを記憶する。メモリに記憶されているプログラムは、記録再生装置94の起動時などの所定タイミングでCPUにより読み出されて実行される。CPUは、プログラムを実行することで、記録再生装置94がユーザ操作に応じた動作となるように各部を制御する。
このように構成された記録再生装置では、エンコーダ943に本願の画像処理装置(画像処理方法)の機能が設けられる。したがって、例えば画像記録時の符号化処理において、動きベクトルの大きさに応じてフィルタ特性の切り替えを行うことで、予測画像の品質劣化が生じて圧縮効率の低下を招いてしまうことを抑制できる。また、記録された画像の復号化処理において、符号化処理と同様にフィルタ特性の切り替えを行って予測画像データを生成できることから、正しく復号化処理を行うことができる。
図22は、本発明を適用した撮像装置の概略構成を例示している。撮像装置96は、被写体を撮像し、被写体の画像を表示部に表示させたり、それを画像データとして、記録媒体に記録する。
撮像装置96は、光学ブロック961、撮像部962、カメラ信号処理部963、画像データ処理部964、表示部965、外部インタフェース部966、メモリ部967、メディアドライブ968、OSD部969、制御部970を有している。また、制御部970には、ユーザインタフェース部971が接続されている。さらに、画像データ処理部964や外部インタフェース部966、メモリ部967、メディアドライブ968、OSD部969、制御部970等は、バス972を介して接続されている。
光学ブロック961は、フォーカスレンズや絞り機構等を用いて構成されている。光学ブロック961は、被写体の光学像を撮像部962の撮像面に結像させる。撮像部962は、CCDまたはCMOSイメージセンサを用いて構成されており、光電変換によって光学像に応じた電気信号を生成してカメラ信号処理部963に供給する。
カメラ信号処理部963は、撮像部962から供給された電気信号に対してニー補正やガンマ補正、色補正等の種々のカメラ信号処理を行う。カメラ信号処理部963は、カメラ信号処理後の画像データを画像データ処理部964に供給する。
画像データ処理部964は、カメラ信号処理部963から供給された画像データの符号化処理を行う。画像データ処理部964は、符号化処理を行うことにより生成された画像圧縮情報を外部インタフェース部966やメディアドライブ968に供給する。また、画像データ処理部964は、外部インタフェース部966やメディアドライブ968から供給された画像圧縮情報の復号化処理を行う。画像データ処理部964は、復号化処理を行うことにより生成された画像データを表示部965に供給する。また、画像データ処理部964は、カメラ信号処理部963から供給された画像データを表示部965に供給する処理や、OSD部969から取得した表示用データを、画像データに重畳させて表示部965に供給する。
OSD部969は、記号、文字、または図形からなるメニュー画面やアイコンなどの表示用データを生成して画像データ処理部964に出力する。
外部インタフェース部966は、例えば、USB入出力端子などで構成され、画像の印刷を行う場合に、プリンタと接続される。また、外部インタフェース部966には、必要に応じてドライブが接続され、磁気ディスク、光ディスク等のリムーバブルメディアが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて、インストールされる。さらに、外部インタフェース部966は、LANやインターネット等の所定のネットワークに接続されるネットワークインタフェースを有する。制御部970は、例えば、ユーザインタフェース部971からの指示にしたがって、メモリ部967から画像圧縮情報を読み出し、それを外部インタフェース部966から、ネットワークを介して接続される他の装置に供給させることができる。また、制御部970は、ネットワークを介して他の装置から供給される画像圧縮情報や画像データを、外部インタフェース部966を介して取得し、それを画像データ処理部964に供給したりすることができる。
メディアドライブ968で駆動される記録メディアとしては、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、または半導体メモリ等の、読み書き可能な任意のリムーバブルメディアが用いられる。また、記録メディアは、リムーバブルメディアとしての種類も任意であり、テープデバイスであってもよいし、ディスクであってもよいし、メモリカードであってもよい。もちろん、非接触ICカード等であってもよい。
また、メディアドライブ968と記録メディアを一体化し、例えば、内蔵型ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)等のように、非可搬性の記憶媒体により構成されるようにしてもよい。
制御部970は、CPUやメモリ等を用いて構成されている。メモリは、CPUにより実行されるプログラムやCPUが処理を行う上で必要な各種のデータ等を記憶する。メモリに記憶されているプログラムは、撮像装置96の起動時などの所定タイミングでCPUにより読み出されて実行される。CPUは、プログラムを実行することで、撮像装置96がユーザ操作に応じた動作となるように各部を制御する。
このように構成された撮像装置では、画像データ処理部964に本願の画像処理装置(画像処理方法)の機能が設けられる。したがって、撮像画像をメモリ部967や記録メディア等に記録する際の符号化処理において、動きベクトルの大きさに応じてフィルタ特性の切り替えを行うことで、予測画像の品質劣化が生じて圧縮効率の低下を招いてしまうことを抑制できる。また、記録された画像の復号化処理において、符号化処理と同様にフィルタ特性の切り替えを行って予測画像データを生成できることから、正しく復号化処理を行うことができる。
さらに、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この発明の実施の形態は、例示という形態で本発明を開示しており、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
この発明の画像処理装置と画像処理方法およびプログラムでは、対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データが補間フィルタ部で求められる。また補間フィルタ部のフィルタ特性は、対象ブロックの動きベクトルの大きさによって切り替えられる。さらに、動きベクトルに基づき、補間フィルタ部で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データが生成される。このため、参照画像データに高域成分が多く含まれている場合、例えば動き量が小さく動きぼけが少ないような場合、フィルタ処理を施さない特性に切り替えられて、予測画像の品質が劣化による圧縮効率の低下を抑制できる。したがって、ブロック単位で符号化を行うことにより得られた画像圧縮情報(ビットストリーム)を、衛星放送、ケーブルTV、インターネット、携帯電話などのネットワークメディアを介して送受信する際に、または光、磁気ディスク、フラッシュメモリのような記憶メディア上で処理する際に用いられる画像符号化装置や画像復号化装置等に適している。
10・・・画像符号化装置、11・・・A/D変換部、12,57・・・画面並べ替えバッファ、13・・・減算部、14・・・直交変換部、15・・・量子化部、16・・・可逆量子化部、17,51・・・蓄積バッファ、18・・・レート制御部、21,53・・・逆量子化部、22,54・・・逆直交変換部、23,55・・・加算部、24,56・・・デブロッキングフィルタ、26,61・・・フレームメモリ、31,71・・・イントラ予測部、32・・・動き予測・補償部、33・・・予測画像・最適モード選択部、50・・・画像復号化装置、52・・・可逆復号化部、58・・・D/A変換部、62,73・・・セレクタ、72・・・動き補償部、80・・・コンピュータ装置、90・・・テレビジョン装置、92・・・携帯電話機、94・・・記録再生装置、96・・・撮像装置、321・・・動き検出部、322・・・モード判定部、323,722・・・動き補償処理部、3231,7221・・・補償制御部、3231a・・・閾値設定部、3231b・・・閾値判定部、3232,7222・・・係数テーブル、3233,7223・・・フィルタ部、324,723・・・動きベクトルバッファ、721・・・動きベクトル合成部

Claims (9)

  1. 対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ部と、
    前記対象ブロックの動きベクトルの大きさによって、前記補間フィルタ部のフィルタ特性を切り替えるフィルタ制御部と、
    前記動きベクトルに基づき、前記補間フィルタ部で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する動き補償処理部と
    を備える画像処理装置。
  2. 前記フィルタ制御部は、前記動きベクトルの大きさが設定した閾値よりも大きい場合と前記閾値以下である場合とで、前記フィルタ特性を切り替える請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記フィルタ制御部は、前記動きベクトルが整数画素精度であり、前記動きベクトルの大きさが設定した閾値よりも大きい場合は前記参照画像データのノイズを除去する特性として、前記動きベクトルの大きさが前記閾値以下である場合はフィルタ処理を施さない特性とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記フィルタ制御部は、前記予測画像データを生成するフレームと前記動き補償に用いる参照画像データのフレームとの時間方向の間隔に応じて、前記閾値を切り替える請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記フィルタ制御部は、前記間隔が広くなるに伴い前記閾値を大きくする請求項3記載の画像処理装置。
  6. 前記フィルタ制御部は、前記閾値をゼロとする請求項2記載の画像処理装置。
  7. 前記フィルタ制御部は、前記画像圧縮情報から取得した閾値または前記画像圧縮情報から取得した閾値生成情報に基づいて生成した閾値を用いる請求項2記載の画像処理装置。
  8. 対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ工程と、
    前記対象ブロックの動きベクトルの大きさによって、前記補間フィルタ工程のフィルタ特性を切り替えるフィルタ制御工程と、
    前記動きベクトルに基づき、前記補間フィルタ工程で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する動き補償処理工程と
    を含む画像処理方法。
  9. 対象ブロックの参照画像データにおける小数画素精度である画像データを求める補間フィルタ手順と、
    前記対象ブロックの動きベクトルの大きさによって、前記補間フィルタ手順のフィルタ特性を切り替えるフィルタ制御手順と、
    前記動きベクトルに基づき、前記補間フィルタ手順で求めた画像データを用いて動き補償を行い予測画像データを生成する動き補償処理手順と
    をコンピュータで実行させるプログラム。
JP2010250031A 2010-11-08 2010-11-08 画像処理装置と画像処理方法およびプログラム Withdrawn JP2012104945A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010250031A JP2012104945A (ja) 2010-11-08 2010-11-08 画像処理装置と画像処理方法およびプログラム
CN2011800526238A CN103190148A (zh) 2010-11-08 2011-10-17 图像处理装置和图像处理方法
US13/824,839 US20130182770A1 (en) 2010-11-08 2011-10-17 Image processing device, and image processing method
PCT/JP2011/073810 WO2012063604A1 (ja) 2010-11-08 2011-10-17 画像処理装置と画像処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010250031A JP2012104945A (ja) 2010-11-08 2010-11-08 画像処理装置と画像処理方法およびプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012104945A true JP2012104945A (ja) 2012-05-31

Family

ID=46050757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010250031A Withdrawn JP2012104945A (ja) 2010-11-08 2010-11-08 画像処理装置と画像処理方法およびプログラム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20130182770A1 (ja)
JP (1) JP2012104945A (ja)
CN (1) CN103190148A (ja)
WO (1) WO2012063604A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014078891A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Canon Inc 画像処理装置、画像処理方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5895671B2 (ja) * 2012-03-30 2016-03-30 富士通株式会社 情報処理装置、画像送信方法及び画像送信プログラム
JP5890794B2 (ja) * 2013-02-28 2016-03-22 株式会社東芝 画像処理装置
CN104065973B (zh) * 2013-03-20 2017-11-17 华为技术有限公司 一种高性能视频编码搜索的方法及装置
GB201318087D0 (en) * 2013-10-11 2013-11-27 Canon Kk Video encoding and decoding
US10462480B2 (en) * 2014-12-31 2019-10-29 Microsoft Technology Licensing, Llc Computationally efficient motion estimation
CN106331722B (zh) * 2015-07-03 2019-04-26 华为技术有限公司 图像预测方法和相关设备
EP3700210A1 (en) 2019-02-21 2020-08-26 Ateme Method and apparatus for image encoding

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3090763B2 (ja) * 1992-02-06 2000-09-25 富士通株式会社 動画像符号化装置
JP2606523B2 (ja) * 1992-02-28 1997-05-07 日本ビクター株式会社 予測符号化装置及び復号化装置
US7747094B2 (en) * 2001-06-29 2010-06-29 Ntt Docomo, Inc. Image encoder, image decoder, image encoding method, and image decoding method
JP4194479B2 (ja) * 2003-11-20 2008-12-10 キヤノン株式会社 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体
JP4410225B2 (ja) * 2006-08-07 2010-02-03 株式会社東芝 動画像復号化装置および方法
JP2008141249A (ja) * 2006-11-29 2008-06-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動きベクトル検出装置およびその方法
EP1983759A1 (en) * 2007-04-19 2008-10-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Estimation of separable adaptive interpolation filters for hybrid video coding
JP5197630B2 (ja) * 2008-01-09 2013-05-15 三菱電機株式会社 画像符号化装置、画像復号装置、画像符号化方法、および画像復号方法
JPWO2010064675A1 (ja) * 2008-12-03 2012-05-10 ソニー株式会社 画像処理装置および画像処理方法、並びにプログラム
CN101527847B (zh) * 2009-01-04 2012-01-04 炬力集成电路设计有限公司 运动补偿插值装置和方法
JP5146388B2 (ja) * 2009-04-03 2013-02-20 沖電気工業株式会社 映像圧縮符号化データの復号装置
JP5169978B2 (ja) * 2009-04-24 2013-03-27 ソニー株式会社 画像処理装置および方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014078891A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Canon Inc 画像処理装置、画像処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN103190148A (zh) 2013-07-03
US20130182770A1 (en) 2013-07-18
WO2012063604A1 (ja) 2012-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6477939B2 (ja) テレビジョン装置、携帯電話機、再生装置、カメラ、および画像処理方法
WO2012017858A1 (ja) 画像処理装置と画像処理方法
WO2012063604A1 (ja) 画像処理装置と画像処理方法
JP2011259204A (ja) 画像復号化装置と画像符号装置およびその方法とプログラム
WO2012165039A1 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
WO2012063878A1 (ja) 画像処理装置と画像処理方法
WO2010035733A1 (ja) 画像処理装置および方法
WO2011024685A1 (ja) 画像処理装置および方法
JPWO2011145601A1 (ja) 画像処理装置と画像処理方法
US20140037013A1 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP2011151683A (ja) 画像処理装置および方法
US20130216150A1 (en) Image processing device, image processing method, and program
US20120288004A1 (en) Image processing apparatus and image processing method
WO2011155331A1 (ja) 画像復号化装置と画像符号化装置およびその方法とプログラム
JP2013150164A (ja) 符号化装置および符号化方法、並びに、復号装置および復号方法
WO2012056924A1 (ja) 画像処理装置と画像処理方法
JPWO2010035735A1 (ja) 画像処理装置および方法
WO2012043166A1 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP5387520B2 (ja) 情報処理装置と情報処理方法
WO2012077533A1 (ja) 画像復号化装置と動きベクトル復号化方法、画像符号化装置と動きベクトル符号化方法
US20130034162A1 (en) Image processing apparatus and image processing method

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140204