JP2012100839A - 生体機能診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
非侵襲計測に分類される従来のMEGにない空間分解能と時間分解能を極限まで追求できるようにすること。
【解決手段】
本発明の脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の磁界分布を計測する外部環境磁場を除去する磁気シールド容器に負帰還半導体レーザからなる光ポンピングCs磁力計を内蔵した非接触型の生体機能診断装置を構成してなる。
【効果】
以上のとおり、本発明の生体機能診断装置は、脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の磁界分布を10−13T〜10−14T以下の誘発脳磁界の検出ができることから、ブレインコンピュータへの転用も可能となり、その工業的価値は極めて高い
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルカリ金属の内で融点温度が最も低いCs原子を用いた負帰還半導体レーザによる横方向光ポンピング磁力計を利用して脳神経細胞の神経活動に伴う脳磁界分布を計測する非侵襲脳機能の計測システムから構成される生体機能診断装置に関する。光ポンピング磁力計は、Cs原子に円偏光面発光レーザ光を照射して励起させ、ゼーマンエネルギー副準位にあるCs原子がラ‐モア周波数の電磁波で励起され誘導放射を起こさせる。すなわち横方向光ポンピングを受けCs原子が励起され、熱不平衡状態に再分布した原子の整列を壊して、発振状態に結びつける。本発明の光ポンピング磁力計は、自然界に存在する環境磁気ノイズを抑えCs原子のゼーマン副準位間のエネルギー差に相当するラ‐モア周波信号の磁界を検出することにより脳磁界を測定することを可能とする。
心電図や脳波が計測できるのは、心臓や脳の中に電圧の発生源があるからである。体内で電圧が発生すれば体内に電流が流れるので、この電流にともなって人体各部から磁界が発生していることは以前から推定されており、種々の計測が試みられた。1964年に超電導量子干渉素子(SQUID)を用いた超高感度の磁束計が開発され、これらの微弱な磁界の計測が可能となり、それを契機として生体磁気計測の研究が盛んになった。現在では、人間の心臓、脳、肺などから発生する微弱な磁界を測定することによって病気の診断を行おうという研究が世界各国で行われている。一方、非特許文献1は、1957年に光ポンピング磁力計は、アルカリ金属原子に生ずるゼーマン遷移から弱磁場を検出できることが示されている。非特許文献2は、ルビジウム85原子を用いて地球磁場を測定できる磁力計が報告されている。非特許文献4は、光のスクイジングについて横緩和レーザポンピングの超高精度化の可能性について技術的示唆に富む。これらの技術は、SQUIDに頼らない超高感度の磁束計の開発につながる可能性がある。非特許文献6は、非特許文献7のアルカリ金属原子であるCs原子の横方向緩和によるレーザポンピングを利用したCs磁力計が示されている。
神経活動により生じる電流は非常に弱い磁場を誘起し、脳磁図はこの磁場を計測したものである。しかし、この脳磁場は非常に弱く、大脳皮質活動では10fT、人のアルファ波で10fTほどである。一方、市街地において生じる環境磁場ノイズとして、電車、エレベータ、自動ドアの開閉、自動車などにより、磁界の変動がある。これらの磁気ノイズは10−7Tのオーダになる。地磁気の短時間の変動はこれよりも2桁ほど小さい。極めて微弱な磁界である脳磁場は、脳活動によって生じる正味の電流であり、ある所定の位置、向き、強さを持ち、空間的広がりのない電流双極子として考えることができる。アンペールの法則から、電流双極子はその双極子のベクトル成分を軸とした磁場を生じさせる。1960年代後半に開発されてきたSQUIDの検出可能な脳磁界信号は50〜500fTで、超電導状態で使われている。SQUIDで脳磁界を100Hzの帯域で測った場合50fT感度がある。感覚刺激により脳磁界は、応答時間が250ms位で終わってしまう。非特許文献6は、先端的な脳磁波についても高精度な信号処理による計測法が示されている。非特許文献3は、人体サイズ縦置き円筒型両端開口磁気シールドが提案されている。今後、脳磁波の測定システムについては、磁気シールドの大きさはよりコンパクトのものが望まれる。
非特許文献5に示される面発光半導体レーザは、共振器が非常に短いことから、縦モードはもともと単一モードで発振する。偏波モードについては、面発光半導体レーザのほとんどは、直線偏波であり、その偏波方向は安定しない。面発光半導体レーザの偏波モードの不安定は、過剰雑音やモード競合の原因となる。傾斜基板上に量子井戸を形成することにより容易に光学利得異方性を得ることから、円偏波特性を有する面発光半導体レーザの開発が進められている。
W.E.Bell andA.L.Bloom, "Optical Detection ofMagnetic in AlkaliMetal Vapor", pp.1559―1565, PhysicalReview, vol. 107, No.6, 1957 小林春洋、小早川正樹、鷹觜紀雄、"ルビジウム磁力計"、日本電気技報、115頁‐122頁、No.79、1966 笹 田 一 郎、E.Paperno、小 出 裕之、"人体サイズ縦置き円筒型両端開口磁気シールドの製作及び評価"、九州大学大学院総合理工学研究科報告、第21巻第4号、327頁−332頁、平成12年3月 北川勝浩、山本喜久、"光のスクイジング"、レーザ研究、第15巻、第10号、753頁−763頁、昭和62年10月 伊賀健一、小山二三夫、"面発光レーザの基礎と応用"、共立出版、1999年6月 中川脩一、吉田隆、小林肇、"21世紀の電子計測"、実教出版、1994年4月 S.Groeger,G.Bison,and A.Weis,"Design and Performanceof Laser―Pumped Cs―Magnetometers for the Planned UCN EDM Experiment at PSI",Journal of Research of the National Institute ofStandards and Technology,Vol.110,No.3,pp.179―183,May―June 2005
本発明は、従来のMEGにない空間分解能と時間分解能を極限まで追求できるように、脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の脳磁界分布を光ポンピングCs磁力計で計測できるようにすることである。生体磁気などの微小磁界の測定には,外部磁界の影響を低減するための磁気シールドが必要となる。外乱磁界の主なものは、地磁気(〜32μT)、環境磁界(〜100nT)である。一方、生体磁気としては、0.1Hz〜30Hzを主要帯域とする心磁界(〜100pT)、誘発脳磁界(〜100fT)である。また、磁気ノイズは1/f的な特性を持つ。生体磁気、特に誘発脳磁界計測のためには、環境磁界を約10分の1に低減する必要がある。1次微分型SQUID磁束計で約100分の1、信号処理でS/Nを数倍高めることを考えても、磁気シールドによって、5,000〜10,000分の1程度に低減しなければならない。本発明の非接触型の生体機能診断装置で使用する光ポンピングCs磁力計は、10−13T〜10−14Tレベルの誘発脳磁界の検出を可能にすることができる。
本発明は、アルカリ金属蒸気としてのCs原子と、緩和気体(Ne,Ar,Kr,N)が封入されてなるガスセルの入射窓から光ポンピングとして円偏光面発光半導体レーザ光または面発光半導体レーザ光と1/4波長板とから構成されてなる円偏光を有する面発光半導体レーザ光を照射し、ガスセルの出射窓から光ポンピング波長を受光する受光器を設置して半導体レーザ負帰還ループを構成する。ガスセルは、励振コイルと出力コイルを設けて磁気変調器とする。これらエレメント(負帰還面発光半導体レーザ、ガスセル、磁気変調器、光検出器)を脳磁場検出用窓が設けられてなるアクティブキャンセル機能を有する振動磁場シールド容器内に内蔵した非侵襲脳機能磁力計システムを構成することを特徴とする生体機能診断装置である。具体的には、アルカリ金属とのCs原子に、ネオンを緩和気体としたガスセルの動作温度を28℃〜38℃に加熱し、ガスセル中にラーマン遷移周波数で変調された発光波長852.1nmの面発光半導体レーザ光をガスセル中を通過させて横方向レーザポンピングし、受光したレーザ光を検出し負帰還ループを構成することで、標準量子限界を越えた光ポンピングを達成することができ高精度に脳磁界を測定可能である。ガスセルに形成される磁気変調器は、MEMS(Microelectromechanical Systems)技術を用いて製作する。本発明は、頭部の所定部位に配置される微小電極やトランスポンダ用近赤外光源やリーダ用光検出器のインターコネクション接続を印刷回路により形成されたシステムから構成されてなる。
以上説明したように、本発明の生体機能診断装置は、脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の磁界分布を負帰還半導体レーザの横方向光ポンピングによるCs磁力計で脳磁界を測定する。このCs磁力計は、振動磁場を印加した磁気シェイキング容器内に収納されていることから外部磁場の影響を極力小さくできるので、10−13T〜10−14T以下の誘発脳磁界の検出が可能となる。本発明の生体機能診断装置は、非接触型の生体機能診断装置の応用としてブレインコンピュータへの転用も可能であることから、その工業的価値は極めて高い。
本発明の生体機能診断装置は、脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の磁界分布を測定するための負帰還半導体レーザによる横方向光ポンピングCs磁力計であり、頭部の所定の部位に配置する。この光ポンピング磁力計は計測用脳磁場解放型のアクティブ磁気シールドに収納され、磁気シェイキング交流磁場を印加するための電磁界接続となるインターコネクションは印刷回路により作製されるMEMSシステムから構成される。本発明の生体機能診断装置は、超小型、軽量、フレキシブル、ワイヤレスであることも大きな特長であり、まさしく頭部にジャストフィトする非接触型の生体機能診断装置である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の生体機能診断装置の根幹をなす負帰還半導体レーザ光ポンピングCs磁力計である。光ポンピングを行う半導体レーザは、p型GaAs基板101に下部電極、量子ドット102であるDBR反射鏡、AlO、量子ドット活性層、DBR反射鏡、ポリイミド、上部電極からなる面発光半導体レーザである。量子ドット活性層からなる面発光半導体レーザは、20℃〜50℃の温度範囲で出力特性は極めて安定である。面発光半導体レーザから射出された直線偏光のレーザ光103は、1/4波長板104を通過後、円偏光に偏波面が変えられ、ガスセル105に入射し、吸収ガスセル中のセシウム133原子を加熱励起する。発振波長852.1nmの円偏光面発光半導体レーザの出力が1mWあれば、レーザ照射時点でガスセル内のセシウム133原子分子と緩和気体のネオンガスは、約33℃に加熱される。円偏光面発光半導体レーザの照射は、ガスセル105中のセシウム133原子の横方向緩和が起こり、緩和時間は24msとなる。ガスセル105内のセシウム133原子の蒸気中を通過する半導体レーザ光103の発振波長852.1nmは、852.1nm:D線に対し6S1/2⇔61/2に遷移する。ガスセルを通過したレーザ光は高速動作のアバランシェホトダイオードの光検出器106で電気信号に変えられる。受光したレーザ光を検出し負帰還ループ110を構成することで、標準量子限界を越えた光ポンピングを達成することができる。同時に光検出器106からの電気信号は、増幅器107と移相器108を経てセルに巻かれた出力コイルに入る。ガスセルに巻かれた磁気変調器は、励振コイルに周波数fの交流磁界と脳磁界検出用の出力コイルからなる。この変調コイルによる電磁界は反転分布からの誘導放射となる。このエネルギー差が脳磁界の磁束密度に相当し、磁界によってできるゼーマン分離をラーモア周波信号109として脳磁界を高精度に計測できることになる。ラーモア周波信号109は、0Hz〜40Hzのアナログ低域通過フィルタを通し、サンプリング周波数80HzでA/D変換され脳磁気画像信号として画像処理を行う。これらエレメント(負帰還面発光半導体レーザ、1/4波長板、ガスセル、磁気変調器、光検出器)を脳磁場検出用窓が設けられてなるアクティブキャンセル機能を有する振動磁場シールドステンレス容器111内に収納する。磁気シェイキングとして、磁性体の磁壁を絶えず振動的な運動状態に保っておくために、周波数を1kHzとし、振動磁場シールドステンレス容器の表面に設けた2層の厚さ0.1mmのパーマロイテープ112に0.1Aの交流磁界をかける。本発明のチャンネル1個の外形形状は、4.0mm×3.5mm×3.0mmである。
図2は、負帰還面発光半導体レーザの出力特性201である。ガスセル内のセシウム133原子の蒸気中を通過する半導体レーザ光の発振波長852.1nmは、852.1nm:D線に相当し、6S1/2⇔61/2へ遷移する。ガスセルを通過したレーザ光は、検出器で電気信号に変えられる。受光したレーザ光を検出し負帰還ループを構成することで、標準量子限界を越えた半導体レーザによる横方向のポンピングを達成することができる。光ポンピングレーザの強度を高めることで、磁気共鳴線の帯域幅は横緩和時間と反比例の関係にあり、帯域幅を狭めることで横緩和時間が長くなり磁場応答感度も増すことになる。
図3は、被測定磁場である脳磁場H301と光軸とのなす角をθ302とし光軸303とすれば、その信号強度はsinθ×cosθの方向依存性がある。脳磁場の信号強度は、θ=45°を中心にして、両側へ離れるにつれて弱くなる。
図4は、Cs原子にネオンを緩和気体としたガスセルの動作温度を28℃〜46℃に加熱し、ガスセル中にラーマン遷移周波数で変調された発光波長852.1nmの面発光半導体レーザ光をガスセル中を通過させてレーザポンピングした時のネオンの封止圧と緩和時間の関係を表す。Cs原子の融点28.4℃に近い温度である28℃の時に緩和時間が最低となる。
図5は、ラーモア周波信号の0Hz〜40Hzを通過させるアナログ低域通過フィルタである。アナログ信号はサンプリング周波数80HzのFIR法による低域通過フィルタで処理される。この低域通過フィルタでは、周波数43Hz以上の信号は60dB以上に抑圧されている。この低域通過フィルタを通過した信号は、A/D変換され脳磁波の画像信号として画像処理される。
図6は、ラーモア周波信号を処理するパイプライン方式の2スップ形A−D変換器である。高速・高分解能のA−D変換を実現する。入力信号601は、トラック/ホールド(T/H)回路でサンプリングされ、アナログ信号電圧値としてパイプラインT/H602として保持される。603は、タイミングコントロール部である。ADA604は、電圧値をプリA−D変換器でmビットのディジタル値に変換された後、再びD−A変換器でアナログ信号に変換される。このアナログ信号とトラック/ホールド回路で保持されたアナログ電圧値をアナログディレイラインによって遅らせたアナログ信号との差を求める。残差アンプ605は、この差の電圧をメインA−D変換器606でmビットのディジタル値に変換する。この2つのA−D変換器の出力を合わせてm+nビットのA−D変換値を得る。ADAとメインA−Dからの信号は、エラー補正器607に入る。エラー補正器607からの信号は、ディジタル出力608となる。アナログディレイラインは、プリA−D変換器とそれに続くD−A変換器の動作遅れ時間を補償するために必要である。
図7は、脳磁界を測定する際の外部環境磁界の抑圧方法としたときの磁気シェイキングである。磁気シェイキングとは、磁性体の磁壁701を絶えず振動的な運動状態に保っておくために、磁性体にある程度以上の大きな交流磁界をかけることをいう。この磁気シェイキングの機構は、磁壁の移動量と磁気エネルギーの関係を用いて説明する。磁壁のエネルギーeは、磁壁の移動量sの関数で、磁壁の受ける復元力はde/dsで表される。磁気シールドで最も重要な透磁率の大きさは、磁壁に加わる単位磁界あたりの圧力に対して、磁壁がどれだけ大きく移動するかで決まる。磁壁の復元力を正弦関数と一次関数の和で模式的に表すと、シェイキング磁界のみがかかった状態では磁壁は定常的に、例えばabcdのループ上を回っている。702は、巡回距離(Traveling distance)である。この状態でさらに、f点とb点の差程度の小さな圧力Δp(= 2 Is ΔH、Isは飽和磁化)に相当する、シェイキング磁界よりも周波数の低い小振幅の磁界ΔHがかけられると、ループは容易に数サイクル分移動してefghの状態に変化する。これは、磁気シェイキングのもとで微小磁界に対する増分透磁率が飛躍的に増大することになる。
図8は、シナプス伝達の際に約50,000のニューロンの樹状突起で起きるイオン電流の効果を示している。周波数を横軸にして、アルファ波801とベータ波802の脳磁場の強さを表している。
図9は、測定された光子統計を表す。半導体レーザに負帰還をかける前はポアソン分布902より広かった光子数分布903が、半導体レーザの負帰還によって、コヒーレンス状態の半分しか持たないサブポアソン分布901となる。半導体レーザに負帰還をかけことで、出力の信号光の相互位相変調が利用できることになる。
図10は、半導体レーザに負帰還をかけた出力光を直接検波したときの光電流雑音レベルを精密に測定した結果である。通常の励起法1001では、コヒーレント状態の標準量子限界1003に漸近するが、自己バイアスでポンプ揺らぎを抑圧すると1002となり、標準量子限界を越える。
本発明の生体機能診断装置の負帰還半導体レーザからなる光ポンピングCs磁力計である。 本発明の生体機能診断装置の面発光半導体レーザの出力特性である。 本発明の生体機能診断装置のCs光ポンピング磁力計の脳磁波の方位感度である。 本発明の生体機能診断装置のCs光ポンピング磁力計のガスセルの横方向の緩和時間である。 本発明のラーモア信号処理用低域通過フィルタである。 本発明のラーモア信号処理用A/D変換回路である。 本発明の磁気シェイキングである。 脳磁界である2種類の脳波を周波数を横軸にして、脳磁場の強さを示す。 本発明の負帰還半導体レーザの出力特性である。 本発明の負帰還半導体レーザの量子限界である。
101 p型GaAs基板
102 量子ドット
103 レーザ光
104 1/4波長板
105 ガスセル
106 光検出器
107 増幅器
108 移相器
109 ラーモア周波信号
110 負帰還ループ
111 ステンレス容器
112 パーマロイテープ
201 負帰還面発光半導体レーザの出力特性
301 脳磁場H
302 方位角θ
303 光軸
401 ネオンの封止圧力と緩和時間
501 FIR低域通過フィルタ
601 入力信号
602 パイプラインT/H
603 タイミングコントロール部
604 ADA
605 残差アンプ
606 メインA−D変換器
607 エラー補正器
608 ディジタル出力
701 磁性体の磁壁
702 Traveling distance
801 アルファ波
802 ベータ波
901 サブポアソン分布
902 ポアソン分布
903 光子数分布
1001 通常の励起法
1002 自己バイアスによるポンプ揺らぎの抑圧
1003 標準量子限界


以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の生体機能診断装置の根幹をなす光ポンピング磁力計である。光ポンピングを行う半導体レーザは、p型GaAs基板101に下部電極、量子ドット102であるDBR反射鏡AlO、量子ドット活性層、DBR反射鏡、ポリイミド、上部電極からなる面発光半導体レーザである。量子ドット活性層からなる面発光半導体レーザは、20℃〜50℃の温度範囲で出力特性は極めて安定である。面発光半導体レーザから射出された直線偏光のレーザ光103は、1/4波長板104を通過後、円偏光に偏波面が変えられ、ガスセル105に入射し、吸収ガスセル中のセシウム133原子を加熱励起する。発振波長852.1nmの円偏光面発光半導体レーザの出力が1mWあれば、レーザ照射時点でガスセル内のセシウム133原子分子と緩和気体のネオンガスは、約33℃に加熱される。円偏光面発光半導体レーザの照射は、ガスセル105中のセシウム133原子の横方向緩和が起こり、緩和時間が24msとなる。ガスセル105内のセシウム133原子の蒸気中を通過する半導体レーザ光103の発振波長852.1nmは、852.1nm:D線に対し61/2⇔61/2遷移を起こす。ガスセルを通過したレーザ光を高速動作のアバランシェホトダイオードの光検出器106で電気信号に変えられる。受光したレーザ光を検出し負帰還ループ110を構成することで、標準量子限界を越えた光ポンピングを達成することができる。同時に光検出器106からの電気信号は、増幅器107と移相器108を経てセルに巻かれた出力コイルに入る。ガスセル105に巻かれた変調コイルからなる磁気変調器は、永久磁石116が発生する磁界の中にある。この磁気変調器による磁界は、Hanle効果として、頭部113内のシナプス電流114により起こる電子の歳差運動による磁界115をラーモア周波信号109として脳磁界を検出することができる。ラーモア周波信号109は、DC〜40Hzのアナログ低域通過フィルタを通し、サンプリング周波数80HzでA/D変換され脳磁気画像信号として画像処理を行う。これらエレメント(負帰還面発光半導体レーザ、1/4波長板、ガスセル、磁気変調器、光検出器)を脳磁場検出用窓が設けられてなるアクティブキャンセル機能を有する振動磁場シールドステンレス容器111内に収納する。
磁気シェイキングとして、磁性体の磁壁を絶えず振動的な運動状態に保っておくために、周波数を1kHzとし、振動磁場シールドステンレス容器の表面に設けた2層の厚さ0.1mmのパーマロイテープ112に0.1Aの交流磁界をかける。本発明の1つのチャンネルの外形形状は、4.0mm×4.0mm×4.0mmである。
101 p型GaAs基板
102 量子ドット
103 レーザ光
104 1/4波長板
105 ガスセル
106 光検出器
107 増幅器
108 移相器
109 ラーモア周波信号
110 負帰還ループ
111 ステンレス容器
112 パーマロイテープ
113 頭部
114 シナプス電流
115 脳磁界
116 永久磁石
本発明は、アルカリ金属のうちで融点温度が最も低いCs原子ガスを用いた光ポンピング磁力計を利用して脳神経細胞の神経活動に伴う脳磁界分布を計測する非侵襲脳機能の計測システムから構成される生体機能診断装置に関する。光ポンピング磁力計は、Cs原子ガスに円偏光面発光レーザ光を照射して励起し、ゼーマンエネルギー副準位にある原子がラ‐モア周波数の電磁波で励起され誘導放射を起こさせる。すなわち光ポンピングを受け原子が励起され、熱不平衡状態に再分布した原子の整列を壊して、発振状態に結びつける。本発明の光ポンピング磁力計は、自然界に存在する環境ノイズを抑え原子のゼーマン副準位間のエネルギー差に相当するラ‐モア周波信号の磁界を検出することにより脳磁界を測定することを可能とする。
心電図や脳波が計測できるのは、心臓や脳の中に電圧の発生源があるからである。体内で電圧が発生すれば体内に電流が流れるので、この電流にともなって人体各部から磁界が発生していることは以前から推定されており、種々の計測が試みられた。これまで生体磁気計測は、1964年に登場した超伝導素子のSQUIDの独壇場であるが、SQUIDは、外部からの振動や衝撃に弱い。また装置そのものも高価である。ところが、今から46年前、超電導量子干渉素子(SQUID)を用いた超高感度の磁束計が開発され、これらの微弱な磁界の計測が可能となり、それを契機として生体磁気計測の研究が盛んになった。現在では、人間の心臓、脳、肺などから発生する微弱な磁界を測定することによって病気の診断を行おうという研究が世界各国で行われている。一方、非特許文献1は、1957年に光ポンピング磁力計は、アルカリ金属原子に生ずるゼーマン遷移から弱磁場を検出できることが示されている。非特許文献2は、ルビジウム85原子を用いて地球磁場を測定できる磁力計が報告されている。非特許文献4は、光のスクイジングについて横緩和レーザポンピングの超高精度化の可能性について技術的示唆に富む。これらの技術は、SQUIDに頼らない超高感度の磁束計の開発につながる可能性がある。非特許文献6は、非特許文献7のアルカリ金属原子であるCs原子の横方向緩和によるレーザポンピングを利用したCs磁力計が示されている。
神経活動により生じる電流は非常に弱い磁場を誘起し、脳磁図はこの磁場を計測したものである。しかし、この脳磁場は非常に弱く、大脳皮質活動では10fT、人のアルファ波で10fTほどである。一方、市街地において生じる環境磁場ノイズとして、電車、エレベータ、自動ドアの開閉、自動車などにより、磁界の変動がある。これらの磁気ノイズは10−7Tのオーダになる。地磁気の短時間の変動はこれよりも2桁ほど小さい。極めて微弱な磁界である脳磁場は、脳活動によって生じる正味の電流であり、ある所定の位置、向き、強さを持ち、空間的広がりのない電流双極子として考えることができる。アンペールの法則から、電流双極子はその双極子のベクトル成分を軸とした磁場を生じさせる。1960年代後半に開発されてきたSQUIDの検出可能な脳磁界信号は50〜500fTで、超電導状態で使われている。SQUIDで脳磁界を100Hzの帯域で測った場合50fT感度がある。感覚刺激により脳磁界は、応答時間が250ms位で終わってしまう。非特許文献6は、先端的な脳磁波についても高精度な信号処理による計測法が示されている。非特許文献3は、人体サイズ縦置き円筒型両端開口磁気シールドが提案されている。今後、脳磁波の測定システムについては、磁気シールドの大きさはよりコンパクトのものが望まれる。
非特許文献5に示される面発光半導体レーザは、共振器が非常に短いことから、縦モードはもともと単一モードで発振する。偏波モードについては、面発光半導体レーザのほとんどは、直線偏波であり、その偏波方向は安定しない。面発光半導体レーザの偏波モードの不安定は、過剰雑音やモード競合の原因となる。傾斜基板上に量子井戸を形成することにより容易に光学利得異方性を得ることから、円偏波特性を有する面発光半導体レーザの開発が進められている。
W.E.Bell andA.L.Bloom, "Optical Detection ofMagnetic in AlkaliMetal Vapor", pp.1559―1565, PhysicalReview, vol. 107, No.6, 1957 小林春洋、小早川正樹、鷹觜紀雄"ルビジウム磁力計"日本電気技報、115頁‐122頁、No.79、1966 笹 田 一 郎、E.Paperno、小 出 裕之、"人体サイズ縦置き円筒型両端開口磁気シールドの製作及び評価"、九州大学大学院総合理工学研究科報告、第21巻第4号、327頁−332頁、平成12年3月 北川勝浩、山本喜久、"光のスクイジング"レーザ研究、第15巻、第10号、753頁−763頁、昭和62年10月 伊賀健一、小山二三夫、"面発光レーザの基礎と応用"、共立出版、1999年6月 中川脩一、吉田隆、小林肇"21世紀の電子計測"、実教出版、1994年4月 S.Groeger,G.Bison,and A.Weis" Design and Performanceof Laser―Pumped Cs―Magnetometers for the Planned UCN EDM Experiment at PSI",Journal of Research of the National Institute ofStandards and Technology,Vol.110,No.3,pp.179―183,May―June 2005
本発明は、従来のMEGにない空間分解能と時間分解能を極限まで追求できるように、脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の脳磁界分布を光ポンピング磁力計で計測できるようにすることである。生体磁気などの微小磁界の測定には,外部磁界の影響を低減するための磁気シールドが必要となる。外乱磁界の主なものは、地磁気(〜32μT)、環境磁界(〜100nT)である。一方、生体磁気としては、0.1Hz〜30Hzを主要帯域とする心磁界(〜100pT)、誘発脳磁界(〜100fT)である。また、磁気ノイズは1/f的な特性を持つ。生体磁気、特に誘発脳磁界計測のためには、環境磁界を約10分の1に低減する必要がある。1次微分型SQUID磁束計で約100分の1、信号処理でS/Nを数倍高めることを考えても、磁気シールドによって、5,000〜10,000分の1程度に低減しなければならない。本発明の非接触型の生体機能診断装置で使用する光ポンピング磁力計は、10−13T〜10−14Tレベルの誘発脳磁界の検出を可能にすることができる。
本発明は、アルカリ金属蒸気としてCs原子と、緩和気体(Ne,Ar,Kr,N)が封入されてなるガスセルの入射窓から光ポンピングとして円偏光面発光半導体レーザ光または面発光半導体レーザ光と1/4波長板とから構成されてなる円偏光を有する面発光半導体レーザ光を照射し、前記ガスセルの出射窓から光ポンピング波長を受光する受光器を設置して半導体レーザ負帰還ループを形成し、前記ガスセルには励振コイルと出力コイルを設けて磁気変調器とし、前記エレメント(負帰還面発光半導体レーザ、ガスセル、磁気変調器、光検出器)を脳磁場検出用窓が設けられてなる磁場シールド容器内に内蔵した非侵襲脳機能磁力計システムを構成することを特徴とする生体機能診断装置である。具体的には、アルカリ金属としてCs原子にネオンを緩和気体としたガスセルの動作温度を28℃〜38℃に加熱し、ガスセル中にラーマン遷移周波数で変調された発光波長852.1nmの面発光半導体レーザ光をガスセル中を通過させて横方向レーザポンピングし、受光したレーザ光を検出し負帰還ループを構成することで、標準量子限界を越えた光ポンピングを達成することができ高精度に脳磁界を測定する。ガスセルに形成される磁気変調器は、MEMS(Microelectromechanical Systems)技術を用いて製作する。本発明は、頭部の所定部位に配置される微小電極やトランスポンダ用近赤外光源やリーダ用光検出器のインターコネクション接続を印刷回路により形成されたシステムから構成されてなる。
以上説明したように、本発明の生体機能診断装置は、脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の磁界分布を光ポンピングによる脳磁界測定部の一部を解放した磁気容器で測定するものであり、10−13T〜10−14T以上の誘発脳磁界の検出が可能となる生体機能診断装置を実現できる。本発明の生体機能診断装置は、非接触型の生体機能診断装置の応用としてブレインコンピュータへの転用も可能であることから、その工業的価値は極めて高い。
本発明の生体機能診断装置は、脳神経細胞の神経活動に伴う一次的変化の磁界分布を頭部の所定部位に配置される光ポンピング磁力計である。この光ポンピング磁力計を計測用脳磁場解放型の磁気シールドに収納している。本発明の生体機能診断装置は、超小型、軽量、フレキシブル、ワイヤレスであることも大きな特長であり、まさしく頭部にジャストフィトする非接触型の生体機能診断装置である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の生体機能診断装置の根幹をなす光ポンピング磁力計である。光ポンピングを行う半導体レーザは、p型GaAs基板101に下部電極、量子ドット102であるDBR反射鏡,AlO、量子ドット活性層、DBR反射鏡、ポリイミド、上部電極からなる面発光半導体レーザである。量子ドット活性層からなる面発光半導体レーザは、20℃〜50℃の温度範囲で出力特性は極めて安定である。面発光半導体レーザから射出された直線偏光のレーザ光103は、1/4波長板104を通過後、円偏光に偏波面が変えられ、ガスセル105に入射し、吸収ガスセル中のセシウム133原子を加熱励起する。発振波長852.1nmの円偏光面発光半導体レーザの出力が1mWあれば、レーザ照射時点でガスセル内のセシウム133原子分子と緩和気体のネオンガスは、約33℃に加熱される。円偏光面発光半導体レーザの照射は、ガスセル105中のセシウム133原子の横方向緩和が起こり、緩和時間が24msとなる。ガスセル105内のセシウム133原子の蒸気中を通過する半導体レーザ光103の発振波長852.1nmは、852.1nm:D線に対し6S1/2⇔61/2遷移を起こす。ガスセルを通過したレーザ光を高速動作のアバランシェホトダイオードの光検出器106で電気信号に変えられる。受光したレーザ光を検出し負帰還ループ110を構成することで、標準量子限界を越えた光ポンピングを達成することができる。同時に光検出器106からの電気信号は、増幅器107と移相器108を経てセルに巻かれた出力コイルに入る。ガスセルに巻かれた磁気変調器は、励振コイルに周波数fの交流磁界と脳磁界検出用の出力コイルからなる。この変調コイルによる電磁界は反転分布からの誘導放射となる。このエネルギー差が脳磁界の磁束密度に相当し、磁界によってできるゼーマン分離をラーモア周波信号109として脳磁界を計測できることになる。ラーモア周波信号109は、DC〜40Hzのアナログ低域通過フィルタを通し、サンプリング周波数80HzでA/D変換され脳磁気画像信号として画像処理を行う。これらエレメント(負帰還面発光半導体レーザ、1/4波長板、ガスセル、磁気変調器、光検出器)を脳磁場検出用窓が設けられてなる磁場シールドステンレス容器111内に収納する。磁場シールドステンレス容器の表面に設けた2層の厚さ0.1mmのパーマロイテープ112である。発明の1つのチャンネルの外形形状は、4.0mm×3.5mm×3.0mmである。
図2は、負帰還面発光半導体レーザの出力特性201である。ガスセル内のセシウム133原子の蒸気中を通過する半導体レーザ光の発振波長852.1nmは、852.1nm:D線に相当し、6S1/2⇔61/2遷移を起こす。ガスセルを通過したレーザ光は、検出器で電気信号に変えられる。受光したレーザ光を検出し負帰還ループを構成することで、標準量子限界を越えた半導体レーザによる横方向のポンピングを達成することができる。光ポンピングレーザの強度を高めることで、磁気共鳴線の帯域幅は横緩和時間と反比例の関係にあり、帯域幅を狭めることで横緩和時間が長くなり磁場応答感度も増すことになる。
図3は、被測定磁場である脳磁場H301と光軸とのなす角をθ302とし光軸303とすれば、その信号強度はSinθ×Cosθの方向依存性がある。脳磁場の信号強度は、θ=45°を中心にして、両側へ離れるにつれて弱くなる。
図4は、Cs原子にネオンを緩和気体としたガスセルの動作温度を28℃〜46℃に加熱し、ガスセル中にラーマン遷移周波数で変調された発光波長852.1nmの面発光半導体レーザ光をガスセル中を通過させてレーザポンピングした時のネオンの封止圧と緩和時間の関係を表す。Cs原子の融点28.4℃に近い温度である28℃の時に緩和時間が最低となる。
図5は、ラーモア周波信号のDC〜40Hzを通過させるアナログ低域通過フィルタである。アナログ信号はサンプリング周波数80HzのFIR法による低域通過フィルタで処理される。この低域通過フィルタでは、周波数43Hz以上の信号は60dB以上に抑圧されている。この低域通過フィルタを通過した信号は、A/D変換され脳磁波の画像信号として画像処理される。
図6は、ラーモア周波信号を処理するパイプライン方式の2スップ形A−D変換器である。高速・高分解能のA−D変換を実現する。入力信号601は、トラック/ホールド(T/H)回路でサンプリングされ、アナログ信号電圧値としてパイプラインT/H602として保持される。603は、タイミングコントロール部である。ADA604は、電圧値をプリA−D変換器でmビットのディジタル値に変換された後、再びD−A変換器でアナログ信号に変換される。このアナログ信号とトラック/ホールド回路で保持されたアナログ電圧値をアナログディレイラインによって遅らせたアナログ信号との差を求める。残差アンプ605は、この差の電圧をメインA−D変換器606でmビットのディジタル値に変換する。この2つのA−D変換器の出力を合わせてm+nビットのA−D変換値を得る。ADAとメインA−Dからの信号は、エラー補正器607に入る。エラー補正器607からの信号は、ディジタル出力608となる。アナログディレイラインは、プリA−D変換器とそれに続くD−A変換器の動作遅れ時間を補償するために必要である。
図7は、シナプス伝達の際に約50,000のニューロンの樹状突起で起きるイオン電流の効果を示している。周波数を横軸にして、アルファ波701とベータ波702の脳磁場の強さを表している。
図8は、測定された光子統計を表す。半導体レーザに負帰還をかける前はポアソン分布802より広かった光子数分布803が、半導体レーザの負帰還によって、コヒーレンス状態の半分しか持たないサブポアソン分布801となる。半導体レーザに負帰還をかけことで、出力の信号光の相互位相変調が利用できることになる。
図9は、半導体レーザに負帰還をかけた出力光を直接検波したときの光電流雑音レベルを精密に測定した結果である。通常の励起法901では、コヒーレント状態の標準量子限界903に漸近するが、自己バイアスでポンプ揺らぎを抑圧すると902となり、標準量子限界を越える。
本発明の生体機能診断装置のCs光ポンピング磁力計である。 本発明の生体機能診断装置で使われる他の面発光半導体レーザの出力特性である。 本発明の生体機能診断装置のCs光ポンピング磁力計の脳地波の方位感度である。 本発明の生体機能診断装置のCs光ポンピング磁力計のガスセルの横方向の緩和時間である。 本発明のラーモア信号処理用低域通過フィルタである。 本発明のラーモア信号処理用A/D変換回路である。 脳磁界である2種類の脳波を周波数を横軸にして、脳磁場の強さを示す。 本発明の負帰還半導体レーザの出力特性である。 本発明の負帰還半導体レーザの量子限界である。
101 p型GaAs基板
102 量子ドット
103 レーザ光
104 1/4波長板
105 ガスセル
106 光検出器
107 増幅器
108 移相器
109 ラーモア周波信号
110 負帰還ループ
111 ステンレス容器
112 パーマロイテープ
201 負帰還面発光半導体レーザの出力特性
301 脳磁場H
302 方位角θ
303 光軸
401 ネオンの封止圧力と緩和時間
501 FIR低域通過フィルタ
601 入力信号
602 パイプラインT/H
603 タイミングコントロール部
604 ADA
605 残差アンプ
606 メインA−D変換器
607 エラー補正器
608 ディジタル出力
701 アルファ波
702 ベータ波
801 サブポアソン分布
802 ポアソン分布
803 光子数分布
901 通常の励起法
902 ポンプ揺らぎの抑圧
903 標準量子限界

Claims (4)

  1. アルカリ金属蒸気としてのCs原子と緩和気体(Ne,Ar,Kr,N)が封入されてなるガスセルの入射窓から横方向光ポンピングとして円偏光面発光半導体レーザ光または面発光半導体レーザ光と1/4波長板とから構成されてなる円偏光を有する面発光半導体レーザ光を照射し、前記ガスセルの出射窓から光ポンピング波長を受光する受光器を設置して半導体レーザ負帰還ループを形成し、前記ガスセルには励振コイルと出力コイルを設けて磁気変調器とし、前記エレメント(負帰還面発光半導体レーザ、ガスセル、磁気変調器、光検出器)を脳磁場検出用窓が設けられてなるアクティブキャンセル機能を有する振動磁場シールド容器内に内蔵した非侵襲脳機能磁力計システムを構成することを特徴とする生体機能診断装置。
  2. アルカリ金属蒸気としてのCs原子と緩和気体としてNeが封入されてなるガスセルの動作温度を28℃〜38℃に加熱した状態で、前記ガスセル中に発光波長852.1nmの面発光半導体レーザ光で横方向光ポンピングすることを特徴とする請求項第1項に記載された生体機能診断装置。
  3. 頭部の所定部位に配置されるCs磁力計からなる計測器において、ラーモア周波信号の0Hzから40Hzの周波数域を低域通過フィルタを通した信号にパイプライン方式のA/D変換器で信号処理することを特徴とする請求項第1項に記載された生体機能診断装置。
  4. 頭部の所定部位に配置されるCs磁力計からなる計測器をアクティブキャンセル機能振動磁場シールド容器内に配置し、前記アクティブキャンセル機能振動磁場シールド容器間のインターコネクション接続を印刷回路により形成したことを特徴とする請求項第1項に記載された生体機能診断装置。
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