JP2012099875A - 通信システム、移動局装置、無線送信制御方法及び集積回路 - Google Patents

通信システム、移動局装置、無線送信制御方法及び集積回路 Download PDF

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Abstract

【課題】集約された一部のセルで移動局装置が無線リンク障害を検出した場合に、効率的に当該セルの無線リンク状態を管理・制御できる通信システム、移動局装置、無線送信制御方法及び集積回路を提供する。
【解決手段】移動局装置の物理レイヤは、下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を検出して自局のRRCに通知し、前記RRCは、前記通知された下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断し、前記セル毎に無線リンク障害の発生を自局のMACに通知し、前記MACは前記通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、通信システム、移動局装置、無線送信制御方法及び集積回路に関し、特に、移動局装置が複数の周波数帯域を用いて基地局装置と無線接続している場合の無線送信制御方法に関する。
標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)通信方式やリソースブロックと呼ばれる所定の周波数・時間単位の柔軟なスケジューリングの採用によって、高速な通信を実現させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降EUTRAと称する)が検討され、更にその発展形であるAdvanced EUTRA(LTE-Advancedとも称される)の検討が進められている。
Advanced EUTRAでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、より高速なデータ伝送が可能な技術として、キャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation)が提案されている。キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる周波数帯域(キャリア周波数、コンポーネントキャリア(Component Carrier)とも称する)で送信された送信装置のデータを、異なる周波数帯域に対応する受信装置においてそれぞれ受信することで、データレートを向上させる技術である。なお、以後は下りリンク送信における受信装置のことを移動局装置、送信装置のことを基地局装置と記載し、上りリンク送信における受信装置のことを基地局装置、上りリンク送信における送信装置のことを移動局装置と記載するが、本発明の適用範囲はこれらの装置に限定する必要は無い。
EUTRAの移動局装置は、現在無線接続中の基地局装置が通信先として適切であるかについて、上位レイヤで無線リンク問題(Radio Link Problem)を検出することで判定している。無線リンク問題とは、下位レイヤ(物理レイヤ及びデータリンクレイヤ)で発生した問題(物理レイヤにおける物理レイヤ問題(Physical Layer Problem)またはデータリンクレイヤにおけるランダムアクセス問題(Random Access Problem))のことである。物理レイヤ問題は、物理レイヤが通知する、基地局装置からの送信信号の受信品質と、閾値との比較結果である下りリンク同期誤り(out−of−sync)通知、及び下りリンク同期回復(in−sync)通知に基づき上位レイヤであるRRC(Radio Resource Control)で検出される。
また、ランダムアクセス問題は、プリアンブル送信回数が最大送信回数に達した場合にデータリンクレイヤのMAC(Medium Access Control)で検出され、RRCへ通知される。MACは、ランダムアクセス送信の管理、上りリンクの送信タイミングのずれの管理、バッファ状態の管理などを主に行なう。RRCは下位レイヤの状態の管理や、無線リソース制御の管理、移動制御などを主に行なう。また、RRCは、検出または通知された無線リンク問題に基づいて、基地局装置との無線接続に誤りが発生したことを示す無線リンク障害(Radio Link failure)を検出する。
Advanced EUTRAのキャリア・アグリゲーションで用いられるコンポーネントキャリアは、プライマリコンポーネントキャリア(PCC: Primary Component Carrier)とセカンダリコンポーネントキャリア(SCC: Secondary Component Carrier)とに区別され、移動局装置が下りリンクのPCCで接続するセルをプライマリセル(PCell: Primary Cell)、下りリンクのSCCで接続するセルをセカンダリセル(SCell: Secondary Cell)と呼ぶ。プライマリセルには上りリンクコンポーネントキャリアが必ず含まれるが、セカンダリセルには含まれない場合がある。また、無線リンク障害の検出はプライマリセルでは行われる他に、上りリンクコンポーネントキャリアにおける送信電力調整の基準となるセカンダリセルについても無線リンク障害の検出を行うことが提案されている(非特許文献1)。
非特許文献1では、セカンダリセルにおいて無線リンクの監視を行い無線リンク障害が発生した場合、当該セカンダリセルの上りリンクコンポーネントキャリアにおける移動局装置の無線送信を停止することで不要な干渉電波の発生が防止できることが述べられている。
さらに非特許文献2では、非特許文献1による無線送信を停止することに加えて、物理レイヤ問題が解消される状況となった場合、移動局装置が自律的に無線送信を再開するのではなく、基地局装置が明示的に当該セカンダリセルを、移動局装置による送受信が停止される不活性化(Deactivation)状態とし、次に移動局装置による送受信が行われる活性化(Activation)状態にすることによって無線送信を再開させることが提案されている。
なお、3GPPが規定する第3世代の基地局装置はノードB(NodeB)と称され、EUTRA及びAdvanced EUTRAにおける基地局装置はイーノードB(eNodeB)と称される。基地局装置は移動局装置が通信可能なエリアであるセルを管理し、セルは移動局装置と通信可能なエリアの大きさに応じてフェムトセルやピコセル、ナノセルとも称される。また、移動局装置がある基地局装置と通信可能であるとき、その基地局装置のセルは移動局装置の在圏セルであり、その他の基地局装置、または異なる周波数のセルは周辺セルと称される。
R4−103962,RAN WG4,3GPP TSG−RAN WG4 Meeting #2010−04,Xi’an,China,11th−15th October 2010 R2−105321,Nokia Siemens Networks,Nokia Corporation,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #71bis,Xi’an,China,11th−15th October 2010
前述のように、非特許文献2では、物理レイヤ問題が解消されるような状況となった場合でも、移動局装置が自律的に無線送信を再開しないことが提案されているが、基地局装置による不活性化/活性化の制御や前記活性化判断のための移動局装置による測定が必要となり非効率的である。また、自律的に無線送信を停止/再開させる場合、現状ではRRCが無線リンク障害を検出して物理レイヤの無線送信を停止することは提案されているが、再開の方法を含めてどのように管理・制御すべきかについて開示されていない。
上記の課題を鑑みて、本発明は、移動局装置がセカンダリセルの無線リンク障害を検出した場合に、効率的に当該セカンダリセルの無線リンク状態を管理・制御できる通信システム、移動局装置、無線送信制御方法及び集積回路を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の通信システムは、基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域のセルを集約して通信を行なう通信システムであって、前記基地局装置は、前記移動局装置に対して、少なくとも一つの下りリンクの周波数帯域のセルの無線リンク状態を管理するための下りリンク状態判定情報を設定し、前記移動局装置の物理レイヤは、前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出して自局のRRCに通知し、前記移動局装置のRRCは、前記通知された下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断し、前記セル毎に無線リンク障害の発生を自局のMACに通知し、自局のMACは前記通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定することを特徴とする。
(2)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置のRRCは、前記セル毎の無線リンク障害が発生した後も、物理レイヤからの下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を受け取り、前記通知された下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいて、セル毎に無線リンク障害からの回復を判断し、前記セル毎の無線リンク障害からの回復を自局のMACに通知し、自局のMACは前記通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を再開できるよう設定することを特徴とする。
(3)また、本発明の通信システムにおいて、前記移動局装置のRRCは、前記セル毎の無線リンク下りリンク障害が発生した際に、物理レイヤに対して下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を行なわないよう設定することを特徴とする。
(4)また、本発明の移動局装置は、基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域のセルを集約して通信を行なう通信システムにおける移動局装置であって、前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出して上位レイヤに通知する測定処理部と、下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断し、前記セル毎に無線リンク障害の発生を無線送信設定部に通知する上位レイヤと、セル毎の無線リンク障害発生の通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定する無線送信設定部とを具備することを特徴とする。
(5)また、本発明の移動局装置において、前記移動局装置の上位レイヤは、前記セル毎の無線リンク障害が発生した後も、前記測定処理部からの下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を受け取り、前記通知された下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいて、セル毎に無線リンク障害からの回復を判断し、前記セル毎の無線リンク障害からの回復を前記無線送信設定部に通知し、前記無線送信設定部は前記通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を再開できるよう設定することを特徴とする。
(6)また、本発明の移動局装置において、前記移動局装置のRRCは、前記セル毎の無線リンク障害が発生した際に、前記測定処理部に対して下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を行なわないよう設定することを特徴とする。
(7)また、本発明の無線送信制御方法は、基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域のセルを集約して通信を行なう通信システムにおける無線送信制御方法であって、前記移動局装置において、
前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出するステップと、前記下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断するステップと、
セル毎の無線リンク障害の発生に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定するステップと、前記セル毎の無線リンク障害が発生した後も下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記周波数帯域毎に検出し、前記下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎の無線リンク障害の発生および回復を判断するステップとを含むことを特徴とする。
(8)また、本発明の集積回路は、基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域を集約して通信を行なう通信システムにおける移動局装置の無線送信制御を行う集積回路であって、前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出して上位レイヤに通知する測定処理部と、下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断し、前記セル毎の無線リンク障害の発生を無線送信設定部に通知する上位レイヤと、セル毎の無線リンク障害発生の通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定する無線送信設定部とを具備することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、移動局装置がセカンダリセルの無線リンク障害を検出した場合に、効率的に当該セカンダリセルの無線リンク状態を管理・制御できる通信システム、移動局装置、無線送信制御方法及び集積回路を提供することが出来る。
本発明の実施形態に係る移動局装置1の一例を示したブロック図である。 本発明の実施形態に係る基地局装置2の一例を示したブロック図である。 本発明の実施形態1における無線リンク問題を検出した場合のセカンダリセルの無線リンク管理方法の一例について説明するための図である。 本発明の実施形態1における無線リンク問題を検出した場合のセカンダリセルの無線リンク管理方法の別の一例について説明するための図である。 本発明の実施形態2における無線リンク問題を検出した場合のセカンダリセルの無線リンク管理方法の一例について説明するための図である。 従来の下りリンクの無線リンク状態の状態遷移の方法について説明した図である。 本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る移動局装置1に対するコンポーネントキャリアの設定の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る移動局装置1のレイヤ構成の一例について示した図である。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関する物理チャネルと物理レイヤ問題、ランダムアクセス問題、キャリア・アグリゲーションについて説明する。
(1)物理チャネル
EUTRA及びAdvanced EUTRAで使用される物理チャネル(または物理シグナル)について説明を行なう。物理チャネルは、基地局装置から移動局装置へ送信される下りリンクにおける下りリンクチャネルと、移動局装置から基地局装置へ送信される上りリンクにおける上りリンクチャネルとが存在する。物理チャネルは、EUTRA、及びAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造が変更される可能性もあるが、変更された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(セルID:Physical Cell Identity; PCI)と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。移動局装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルのセルIDを特定する。
物理報知情報チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報(システム情報);System information)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、下りリンクデータチャネルを用いてレイヤ3メッセージで送信される。報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)などが通知される。
下りリンクリファレンスシグナルは、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルである。また、下りリンクリファレンスシグナルは、所定の規則に基づき周波数・時間位置で周期的に繰り返される既知の信号である。移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルを受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、移動局装置は、下りリンクリファレンスシグナルと同時に送信される下りリンク制御チャネル、または下りリンクデータチャネルの復調のための参照用の信号としても下りリンクリファレンスシグナルを使用する。下りリンクリファレンスシグナルに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。なお、下りリンクリファレンスシグナルはセル固有RS(Cell-specific reference signals)と記載される場合もあるが、その用途と意味は同じである。
下りリンク制御チャネル(PDCCH; Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボルで送信され、移動局装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する目的で使用される。移動局装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自局宛の下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自局宛の下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラントと呼ばれる無線リソース割当て情報を取得する必要がある。
下りリンクデータチャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、下りリンク制御データであるレイヤ3メッセージとしてページングや報知情報を通知するためにも使用される。下りリンクデータチャネルの無線リソース割当て情報は、下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンクデータチャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、下りリンクの受信品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、下りリンクと同様に上りリンクデータチャネルの無線リソース割当て情報は、下りリンク制御チャネルで示される。
ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。ランダムアクセスチャネルは、移動局装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。移動局装置は、上りリンク制御チャネル未設定時の送信データのスケジューリング要求や、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報の要求にランダムアクセスチャネルを用いる。送信タイミング調整情報を受信した移動局装置は、送信タイミング調整情報の有効時間を設定し、有効時間中は送信タイミング調整状態、有効期間外は、送信タイミング非調整状態となる。なお、それ以外の物理チャネルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。
(2)物理レイヤ問題
図6は、従来用いられている物理レイヤ問題に関する無線リンク状態判定手順の一例であり、時間の経過に伴う状態遷移について示している。移動局装置は、受信中の下りリンクチャネルのいずれかの受信品質と閾値とを比較することで下りリンクの無線リンク状態を管理する。受信品質と閾値との比較は典型的には物理レイヤで実施され、下りリンクの無線リンク状態は典型的にはRRCで管理される。
図6は、移動局装置が、物理レイヤで下りリンク同期誤り検出後に下りリンクの受信品質が回復せず、再接続されずにアイドル状態(移動局装置が基地局装置と無線リソース接続されていない状態)に遷移する場合の、移動局装置の下りリンクの無線リンク状態の遷移を示した一例である。ここで、移動局装置は、所定の閾値よりも受信品質が劣化したと判断した場合、下りリンク同期誤りを物理レイヤからRRCへ送信する。下りリンク同期誤りが通知された場合、移動局装置は、RRCにおいて下りリンクの無線リンク状態を同期区間から誤り検出区間に遷移させ、下りリンク同期誤りが一時的なものかどうかを判定する。
更に、誤り検出区間でも下りリンク同期誤りが物理レイヤから引き続き通知され、一定回数連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、または一定時間連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、移動局装置は無線リンク問題(物理レイヤ問題)が発生したと判断し、続いて下りリンクの無線リンク状態を受信品質の回復を待つ同期保護区間へと遷移させ、同時に同期保護区間を計時する同期保護タイマーを起動する。
同期保護タイマーが満了しても下りリンクチャネルの受信品質が回復しない場合、移動局装置は下りリンクの品質劣化を示す無線リンク障害に至ったと判定し、下りリンクの無線リンク状態を無線リソース接続の再確立を試みる再接続区間に遷移させ、同時に再接続区間を計時する再接続タイマーを起動する。再接続区間において、移動局装置は受信品質の良好なセルを選択するセルリセレクション手順を行う。セルリセレクション手順により、良好なセルを選択した移動局装置は、ランダムアクセス手順を開始し、前記良好なセルに対して再接続要求メッセージ(無線リソース接続再確立メッセージ)を通知する。移動局装置は、前記再接続タイマーによる計測が満了するまでに、再接続要求メッセージに対する許可が基地局装置から通知されなかった場合、無線リソース接続の再確立に失敗したと判定して保持していた無線リソースを解放し、基地局装置と無線リソース接続されていないアイドル状態区間へと遷移する。
(3)ランダムアクセス問題
移動局装置は、ランダムアクセスチャネルの送信試行回数をカウントすることでデータリンクレイヤにおけるランダムアクセス問題を管理する。このデータリンクレイヤにおけるランダムアクセスチャネルの送信試行回数のカウントは典型的にはMACで実施され、ランダムアクセス問題はRRCで管理される。
移動局装置は基地局装置に対して何れかのランダムアクセスチャネルの送信理由が発生した場合に、ランダムに選択したプリアンブル系列、または基地局装置が割り当てたプリアンブル系列を、ランダムアクセスチャネルを用いて基地局装置へと送信する。このとき、基地局装置がランダムアクセスチャネルを識別できないなどの理由で一定時間内に基地局装置からランダムアクセスチャネルに対する応答が返ってこない場合、移動局装置は、再びランダムアクセスチャネルを送信する。移動局装置は、ランダムアクセスチャネルの送信回数をカウントし、送信回数が規定値(最大送信回数)を超えた場合に上りリンクの品質劣化を示すランダムアクセス問題が検出されたと判定する。なお、移動局装置はランダムアクセス問題を検出しても、ランダムアクセスの停止などの指示が出されるまでは基地局装置に対して同じパラメータでランダムアクセスチャネルを送信し続ける。ランダムアクセスの停止の指示は、典型的にはRRCからMACに対して行なわれる。
(4)キャリア・アグリゲーション
キャリア・アグリゲーションとは、複数の異なる周波数帯域(コンポーネントキャリア)を集約(アグリゲーション)して一つの周波数帯域のように扱う技術である。例えば、キャリア・アグリゲーションによって周波数帯域幅が20MHzのコンポーネントキャリアを5つ集約した場合、移動局装置は100MHzの周波数帯域幅とみなしてアクセスすることが可能となる。なお、集約するコンポーネントキャリアは連続した周波数帯域であっても、全てまたは一部が不連続となる周波数帯域であってもよい。例えば、使用可能な周波数帯域が800MHz帯域、2.4GHz帯域、3.4GHz帯域である場合、ある一つのコンポーネントキャリアが800MHz帯域、別のコンポーネントキャリアが2GHz帯域、さらに別のコンポーネントキャリアが3.4GHz帯域で送信されていてもよい。
また、同一周波数帯域、例えば2.4GHz帯域内の連続または不連続のコンポーネントキャリアを集約することも可能である。各コンポーネントキャリアの周波数帯域幅は20MHzより狭い周波数帯域幅であっても良く、各々異なっていても良い。
基地局装置は、滞留しているデータバッファ量や移動局装置の受信品質、セル内の負荷やQoSなどの種々の要因に基づいて、移動局装置に割り当てる上りリンクまたは下りリンクのコンポーネントキャリアの数を増減することができる。
[本発明の通信ネットワーク構成の例]
図7は、本発明の実施形態に係る通信ネットワーク構成の一例を示す図である。移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによって複数の周波数帯域(コンポーネントキャリア、Band1~Band3)を同時に用いて基地局装置2と無線接続することが可能な場合、通信ネットワーク構成としては、ある一つの基地局装置2が複数の周波数帯域毎に送信装置11〜13(及び図示しない受信装置21〜23)を備えており、各周波数帯域の制御を一つの基地局装置2で行なう構成が制御の簡略化の観点から好適である。ただし、複数の周波数帯域が連続する周波数帯域であるなどの理由で、基地局装置2が一つの送信装置で複数の周波数帯域の送信を行なう構成であっても構わない。基地局装置2の送信装置によって制御される各周波数帯域の通信可能範囲はセルとしてみなされ、空間的に同一のエリアに存在する。このとき、各周波数帯域がカバーするエリア(セル)はそれぞれ異なる広さ、異なる形状であっても良い。
ただし、後述する記載において、基地局装置2が形成するコンポーネントキャリアの周波数でカバーされるエリアのことをそれぞれセルと称して説明するが、これは実際に運用される通信システムにおけるセルの定義とは異なる可能性があることに注意する。例えば、ある通信システムでは、キャリア・アグリゲーションによって用いられるコンポーネントキャリアの一部のことを、セルではなく単なる追加の無線リソースと定義するかもしれない。本発明でコンポーネントキャリアをセルと称することで、実際に運用される通信システムにおけるセルの定義と異なる場合が発生したとしても、本発明の主旨には影響しない。なお、移動局装置1は、リレー局装置(またはリピーター)を介して基地局装置2と無線接続されても良い。
[コンポーネントキャリアの構成の設定例]
図8は、本発明の実施形態に係る移動局装置1がキャリア・アグリゲーションを行なう場合に、基地局装置2が移動局装置1に対して設定する下りリンクコンポーネントキャリアと、上りリンクコンポーネントキャリアの対応関係の一例を示した図である。図8中の下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC1と上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC1、下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC2と上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC2、及び下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC3と上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC3はセル固有接続(Cell Specific Linkage)している。セル固有接続とは、例えば、移動局装置1がキャリア・アグリゲーションしていない場合に、基地局装置2にアクセス可能な上りリンクと下りリンクの周波数帯域の対応関係(連携関係)であり、典型的には報知情報でその対応関係が示される。上りリンクと下りリンクの周波数帯域の対応関係は、報知情報に周波数情報として明示的に指示されるか、または明示的に指示されない場合に運用周波数毎に一意に決められる上りリンクと下りリンクの規定の周波数差の情報を用いるなどして暗黙的に指示される。これらの方法に限らず、セル毎に上りリンクと下りリンクの周波数帯域の対応関係を示すことが可能であれば、これ以外の方法を用いて指示されても良い。
これに対し、基地局装置2は、下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアの対応関係を、セル固有接続とは別に移動局装置1毎に個別に設定(個別接続;UE Specific Linkage)することも可能である。個別接続は、基地局装置から下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアが追加されるときに同時に設定される。図8の場合、ある移動局装置1が無線接続される上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC2に対し、2つの下りリンクコンポーネントキャリア(DL_CC2、DL_CC3)が対応しており、DL_CC3とUL_CC2は個別接続されており、DL_CC1とDL_CC2はそれぞれUL_CC1とUL_CC2にセル固有接続されている。この場合、移動局装置1はDL_CC1〜DL_CC3で受信処理を行い、UL_CC1およびUL_CC2で送信処理を行う。すなわち、DL_CC1〜DL_CC3とUL_CC1〜UL_CC2は、移動局装置1が基地局装置2との通信に用いる接続コンポーネントキャリアであり、UL_CC3は、移動局装置1が基地局装置2との通信に用いない非接続コンポーネントキャリアである。典型的にはプライマリセルの上りリンクと下りリンクはセル固有接続され、セカンダリセルの上りリンクと下りリンクは個別接続される。
さらに、上りリンクコンポーネントキャリアで移動局装置1が送信する際の送信電力調整には、下りリンクコンポーネントキャリアの受信品質(基地局装置2から送信された無線信号の電力が移動局装置1で受信されるまでに減衰した量を示すパスロス値など)が用いられる。プライマリセルの送信電力調整には、当該プライマリセルの下りリンクの受信品質が用いられる。一方、セカンダリセルの送信電力調整には、プライマリセルか当該セカンダリセルの下りリンクの受信品質のいずれか一方に基づく。セカンダリセルの送信電力調整のために、プライマリセルと当該セカンダリセルの何れの下りリンクの受信品質を利用するかは、報知情報あるいは移動局装置1毎に個別のレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)によって、基地局装置2から移動局装置1へ通知される。
[移動局装置のレイヤ構成の設定例]
図9は、移動局装置1における、RRC(RRCレイヤ)とMAC(MACレイヤ)、物理レイヤのレイヤ構成(プロトコルスタック)とレイヤ間インターフェースの一例を示したものである。RRCはMACと物理レイヤの上位レイヤであり、MACはRRCの下位レイヤであり、物理レイヤの上位レイヤである。各レイヤ間は、制御インターフェースP1〜P3と、データインターフェースP4〜P5を用いて接続されている。RRC−物理レイヤ間制御インターフェースP1は、RRCから物理レイヤへ制御パラメータを設定するためや、物理レイヤからRRCへ下りリンク同期誤りを通知するために使用される。RRC−MAC間制御インターフェースP2は、RRCからMACへ制御パラメータを設定するためや、MACからRRCへランダムアクセス問題を通知するために使用される。
MAC−物理レイヤ間制御インターフェースP3は、MACから物理レイヤへ制御パラメータを設定するために用いられる。また、MAC−物理レイヤ間データインターフェースP4はMACから物理レイヤへ送信データを通知するためや、物理レイヤからMACへ受信データを通知するために用いられる。RRC−MAC間データインターフェースP5は、RRCからMACへ送信データを通知するためや、MACからRRCへ受信データを通知するために用いられる。なお、実際の移動局装置1の構成として、RRCとMACの間にRLC(Radio Link Control)やPDCP(Packet Data Convergence Protocol)などのデータ制御機能をもつエンティティやサブレイヤが含まれる場合があるが、その場合であっても本発明の主旨には影響しない。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の説明において、本発明に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明瞭にすると判定される場合には、その詳細な説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。本実施形態は、キャリア・アグリゲーション中の移動局装置1が検出した無線リンク問題に伴うセカンダリセルの無線リンク状態の管理方法に関する。
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置1の一例を示すブロック図である。本移動局装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、測定処理部104、制御部105、ランダムアクセス処理部106、符号部107、変調部108、送信部109、上位レイヤ110、無線送信設定部111から構成される。受信に先立ち、上位レイヤ110より制御部105へ移動局装置制御情報が入力され、受信に関する移動局装置制御情報が受信制御情報として、受信部101、復調部102、復号部103、測定処理部104へ適切に入力される。受信制御情報は、受信スケジュール情報として、復調情報、復号化情報、受信周波数帯域の情報、各チャネルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
受信信号は、受信部101において受信される。受信部101は、受信制御情報で通知された周波数帯域で信号を受信する。受信信号は復調部102へと入力される。復調部102は、受信信号を復調して復号部103へと受信信号を入力する。復号部103は、受信制御情報に基づき受信信号を正しく復号する。復号部103は、受信信号を下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ110へ入力する。また、復号部103は測定に関する復号した受信信号を測定処理部104へ入力する。測定処理部104は、セル毎の下りリンクリファレンスシグナルの受信品質の測定処理や、下りリンク制御チャネルまたは下りリンクデータチャネルの受信誤り率の測定処理を行ない、測定した受信品質をサンプル毎に平均化(フィルタリング)した下りリンク測定情報を生成し、下りリンク測定情報を上位レイヤ110へ出力する。また、測定処理部104は、得られた受信品質と下りリンク同期誤りの検出に用いる閾値(Qoutとも呼ばれる)とを比較し、必要に応じて下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を上位レイヤ110へ出力する。
また、送信に先立ち、無線送信設定部111は、割り当てられたコンポーネントキャリアの活性化状況や上位レイヤ110から入力されるDL_CC failure発生/回復に関する通知に基づき、無線送信の可否を制御部105に出力する。さらに制御部105へは、上位レイヤ110より移動局装置制御情報が入力され、前記無線送信の可否状況に基づき、送信に関する移動局装置制御情報が送信制御情報として、ランダムアクセス処理部106、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力される。送信制御情報は、送信信号の上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、各チャネルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。ランダムアクセス処理部106には、上位レイヤ110からランダムアクセスの無線リソース情報や最大送信回数などのランダムアクセスチャネルの送信に必要なランダムアクセス情報が入力される。また、ランダムアクセス処理部106は、ランダムアクセスチャネルの送信回数をカウントすることで、ランダムアクセス問題を検出した場合、ランダムアクセス問題が発生したことを示すランダムアクセス問題情報を上位レイヤ110へ通知する。符号部107には、上位レイヤ110より上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データ、ランダムアクセス処理部106からランダムアクセスデータとが入力される。符号部107は送信制御情報に従い、各データを適切に符号化し、変調部108に出力する。変調部108は、符号部107からの入力を変調する。
送信部109は、変調部108の出力を周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。上りリンク制御データが配置される上りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を構成する。移動局装置1のRRCは上位レイヤ110の一部として存在する。RRCは、更に周波数帯域の状態を示す無線リンク状態を複数の周波数帯域毎に管理するサブブロックである無線リンク状態管理部(図示せず)を備えている。また、ランダムアクセス処理部106および無線送信設定部111は、移動局装置1のMACの一部として存在する。図1において、その他の移動局装置1の構成要素は本実施形態に関係ないため省略する。
図2は、本発明の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置2は、受信部201、復調部202、復号部203、制御部204、符号部205、変調部206、送信部207、ネットワーク信号処理部208、周辺情報管理部209、上位レイヤ210から構成される。
上位レイヤ210は、下りリンクトラフィックデータと下りリンク制御データを符号部205へ入力する。符号部205は、入力された各データを符号化し、変調部206へ入力する。変調部206は、符号化した信号の変調を行なう。また、変調部206において、変調された信号に対して下りリンクリファレンスシグナルが多重され、周波数領域にマッピングされる。送信部207は、変調部206から出力された周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、変換した信号を既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行なうと共に送信する。下りリンク制御データが配置される下りリンクデータチャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
また、受信部201は、移動局装置1からの受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換する。ディジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて復号部203へ入力されて復号される。復号部203は、受信信号を上りリンクトラフィックデータと上りリンク制御データに適切に分離し、それぞれ上位レイヤ210へ入力する。
これら各ブロックの制御に必要な基地局装置制御情報は、上位レイヤ210より制御部204へ入力され、制御部204より送信に関連する基地局装置制御情報は送信制御情報として、符号部205、変調部206、送信部207の各ブロックに、受信に関連する基地局装置制御情報は受信制御情報として、受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力される。
一方、ネットワーク信号処理部208は、基地局装置2間あるいは制御局装置(またはゲートウェイ装置)と基地局装置2との間の制御メッセージの送信または受信を行なう。制御メッセージはネットワーク回線を経由して送受信される。周辺情報管理部209は、送信先または送信元の基地局装置2(または制御局装置、ゲートウェイ装置)を特定するためのネットワーク情報を管理する。ネットワーク情報は、例えばトラッキングエリア識別子(TAI)、セルグローバル識別子(CGI)、セル識別子(PCI)、ネットワークカラーコード、インターネットプロトコルアドレス(IPアドレス)などの各装置のネットワーク上でのアドレスを特定可能な情報から構成される。
周辺情報管理部209は、必要に応じてネットワーク信号処理部208にネットワーク情報を提供する。ネットワーク信号処理部208と周辺情報管理部209は上位レイヤが管理する。基地局装置2のRRCは、上位レイヤ210の一部として存在する。図2において、その他の基地局装置2の構成要素は本実施形態に関係ないため省略する。
続いて、本実施形態の移動局装置1がセカンダリセルにおいて物理レイヤ問題を検出した場合の無線送信制御方法について、図3を用いて説明を行なう。以下に示す無線リンク状態管理は、移動局装置1の無線リンク状態管理部で行なわれる。
移動局装置1は、物理レイヤ問題を基地局装置2から設定された全てのセカンダリセル、または下りリンク制御チャネル(PDCCH)の監視を行なうセカンダリセル毎、または下りリンク状態判定情報(下りリンク同期誤りの最大許容回数や状態遷移の判定に使用する各タイマーなど)が設定されたセカンダリセル毎、または上りリンクの送信電力調整のために下りリンクの受信品質測定が必要なセカンダリセル毎に判定する。移動局装置1は、下りリンク状態判定情報が設定されたセカンダリセルの無線リンク状態(下りリンク状態)を管理する。
なお、以降の説明において、セカンダリセルで検出された物理レイヤ問題のことをDL_CC failure(下りリンクコンポーネントキャリア障害)と称する。
基地局装置2は、移動局装置1に対して、セカンダリセル毎に物理レイヤ問題の検出に用いる下りリンク状態判定情報を設定することも出来る。典型的には、基地局装置2は、移動局装置1に下りリンク制御チャネルの監視を指示したセカンダリセルに対してのみ下りリンク状態判定情報を設定する。
図3は、移動局装置1がキャリア・アグリゲーションによってコンポーネントキャリア(セカンダリセル)を複数設定されている場合に、セカンダリセルで無線リンク問題が発生した場合における無線リンクの状態管理方法について説明するための図である。
移動局装置1は、基地局装置2よりキャリア・アグリゲーションとして下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC1と下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC2、上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC1と上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC2が設定されており、前者がプライマリセルであり、後者がセカンダリセルに設定されているものとする。後述する制御は下りリンクコンポーネントキャリアのみで構成されるセカンダリセルには適用されず、不活性化状態のセカンダリセルに対しても適用されない。
プライマリセルにおける無線リンクの状態管理方法は図6と同じであるため説明を省略する。
次に、セカンダリセルにおける無線リンクの状態管理方法を説明する。図3において、移動局装置1は、DL_CC2において、受信品質が所定の閾値以上であるときに、DL_CC2の無線リンク状態を同期区間として管理している。次にあるタイミングにおいて、DL_CC2の受信品質が所定の閾値よりも劣化したと判断された場合、移動局装置1では、下りリンク同期誤りが物理レイヤ(測定処理部104)からRRCへ通知される。下りリンク同期誤りが通知された場合、移動局装置1のRRCは、当該DL_CCの下りリンクの無線リンク状態を同期区間から誤り検出区間に遷移させ、下りリンク同期誤りが一時的なものかどうかを判定する。
更に、誤り検出区間でも下りリンク同期誤りが物理レイヤ(測定処理部104)から引き続き通知され、一定回数連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、または一定時間連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、移動局装置1のRRCは、無線リンク問題(物理レイヤ問題)が発生したと判断し、続いて受信品質の回復を待つ同期保護区間へと下りリンクの無線リンク状態を遷移させ、同時に同期保護区間を計時する同期保護タイマーを起動する。RRCは、無線リンク状態を遷移させる代わりに、同期保護タイマーを計時している区間として当該状態を管理しても良い。
同期保護タイマーが満了しても下りリンクチャネルの受信品質が回復しない場合(すなわち、下りリンク同期回復が物理レイヤ(測定処理部104)から所定回数連続して通知されない場合)、移動局装置1は当該DL_CCがDL_CC failureに至ったと判定し、RRCはMAC(無線送信設定部111)に対してDL_CC failureとなったことを通知する(図3(1))。前記通知を受けたMAC(無線送信設定部111)は物理レイヤ(制御部105)に対して当該DL_CCを送信電力調整の基準としているUL_CCにおける無線送信を停止(TxOFF)するよう設定し(図3(2))、前記UL_CCの無線リソースが自局に割り当てられている場合には送信を停止する。また、当該UL_CCの送信バッファにデータが存在している場合、送信バッファをクリアする。このとき、RRCは、DL_CC failure発生後の下りリンク無線リンク状態はDL_CC failureが発生していない状態(同期区間)に戻る。また、物理レイヤもDL_CC failureの発生を知らないため、DL_CC failure発生後でも下りリンク同期誤り通知、あるいは下りリンク同期回復通知が物理レイヤ(測定処理部104)から引き続き通知される。そのため、再び一定回数連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、または一定時間連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、RRCは無線リンク問題(物理レイヤ問題)が発生したとみなして同期保護タイマーを計時し、前記同期保護タイマーが満了することで、当該セカンダリセルでDL_CC failureを再度検出することがある。あるいは、前記同期保護タイマー計時中に下りリンク同期回復を所定回数連続して検出することで、当該セカンダリセルの無線リンク問題(物理レイヤ問題)が解消されたと判断することもある。この場合であっても、RRCはDL_CC failureをすでにMACへ通知したか否かに係らず、MAC(無線送信設定部111)に対してDL_CC failure、または、DL_CC failureから回復したことを通知する(図3(3)および(4))。DL_CC failureを繰り返し通知されたMAC(無線送信設定部111)は、すでに無線送信を停止するよう設定しているため通知を無視して何も行わない(または、再度当該DL_CCを送信電力調整の基準としているUL_CCにおける無線送信を停止するよう設定してもよい)。一方、DL_CC failureからの回復の通知を受けたMAC(無線送信設定部111)は物理レイヤ(制御部105)に対して当該DL_CCを送信電力調整の基準としているUL_CCにおける無線送信を再開できるよう設定し(図3(5))、UL_CCの無線リソースが自局に割り当てられている場合には送信を開始する。また、MAC(無線送信設定部111)は、RRCから不活性化状態であるセカンダリセルに対してDL_CC failure、または、DL_CC failureから回復したことを通知された場合は何も行わない。
以上のように、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによってセカンダリセルの無線リンク状態を管理する必要がある場合において、RRCでは無線リンク状態の管理のみを行い、MAC(無線送信設定部111)に物理レイヤのUL_CCの送信制御を行わせる仕組みとすることで、従来からの各レイヤの機能分担を維持することが可能となる。すなわち、RRCにおいて物理レイヤのUL_CCの送信制御状態を新たに管理させることなく、効率的に無線リンク障害発生時の制御を行うことが可能となる。
また、DL_CC failure発生後の物理レイヤ問題が再度発生する前に、下りリンク同期回復が所定回数連続して検出され、当該セカンダリセルの無線リンク問題(物理レイヤ問題)が解消されるような状況となる場合、図3の例では同期保護区間ではないため(同期保護タイマーを計時していないため)、(4)のDL_CC failureから回復したことを通知することができない。そのため、図4で示すようにDL_CC failure発生後に同期区間ではなく同期保護区間に遷移(同期保護タイマーを計時)するようにしてもよい。この場合、下りリンク同期回復が所定回数連続して検出されると、同期保護区間であるため、RRCからMAC(無線送信設定部111)に対してDL_CC failureから回復したことが通知される(図4(3))。DL_CC failureからの回復の通知を受けたMAC(無線送信設定部111)は物理レイヤ(制御部105)に対して当該DL_CCを送信電力調整の基準としているUL_CCにおける無線送信を再開できるよう設定し(図4(4))、UL_CCの無線リソースが自局に割り当てられている場合には送信を開始する。なお、MAC(無線送信設定部111)は、RRCから不活性化状態であるセカンダリセルに対してDL_CC failure、または、DL_CC failureから回復したことを通知された場合は何も行わない。図4におけるその他の処理は図3と同じであるため説明は省略する。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。本実施形態は、キャリア・アグリゲーション中の移動局装置1が検出した無線リンク問題に伴うセカンダリセルの無線リンク状態の別の管理方法に関する。
本実施形態に用いる移動局装置1と基地局装置2の構成は、それぞれ図1と図2と同じ構成で良いため説明を省略する。
図5は、本実施形態におけるセカンダリセルにおける無線リンクの状態管理方法について説明するための図である。
移動局装置1は、第1の実施形態と同様に、基地局装置2よりキャリア・アグリゲーションとして下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC1と下りリンクコンポーネントキャリアDL_CC2、上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC1と上りリンクコンポーネントキャリアUL_CC2が設定されており、前者がプライマリセルであり、後者がセカンダリセルに設定されているものとする。
図5において、移動局装置1は、DL_CC2において、受信品質が所定の閾値以上であるときに、DL_CC2の無線リンク状態を同期区間として管理している。次にあるタイミングにおいて、DL_CC2の受信品質が所定の閾値よりも劣化したと判断された場合、移動局装置1では、下りリンク同期誤りが物理レイヤ(測定処理部104)からRRCへ通知される。下りリンク同期誤りが通知された場合、移動局装置1のRRCは、当該DL_CCの下りリンクの無線リンク状態を同期区間から誤り検出区間に遷移させ、下りリンク同期誤りが一時的なものかどうかを判定する。
更に、誤り検出区間でも下りリンク同期誤りが物理レイヤ(測定処理部104)から引き続き通知され、一定回数連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、または一定時間連続して下りリンク同期誤りが検出された場合、移動局装置1のRRCは、無線リンク問題(物理レイヤ問題)が発生したと判断し、続いて受信品質の回復を待つ同期保護区間へと下りリンクの無線リンク状態を遷移させ、同時に同期保護区間を計時する同期保護タイマーを起動する。RRCは、無線リンク状態を遷移させる代わりに、同期保護タイマーを計時している区間として当該状態を管理しても良い。
同期保護タイマーが満了しても下りリンクチャネルの受信品質が回復しない場合(すなわち、下りリンク同期回復が物理レイヤ(測定処理部104)から所定回数連続して通知されない場合)、移動局装置1は当該DL_CCがDL_CC failureに至ったと判定し、RRCは物理レイヤ(測定処理部104)に対して下りリンク状況報告を停止するように設定する(図5(1))。また、RRCはMAC(無線送信設定部111)に対してDL_CC failureとなったことを通知する(図5(2))。前記通知を受けたMAC(無線送信設定部111)は物理レイヤ(制御部105)に対して、当該DL_CCを送信電力調整の基準としているUL_CCにおける無線送信を停止するよう設定する(図5(3))。これにより、DL_CC failure区間では下りリンク同期誤り通知、および下りリンク同期回復通知が物理レイヤ(測定処理部104)から通知されなくなる。RRCは、物理レイヤまたはMACに対してDL_CC failureとなったことを通知する代わりに、単に同期保護タイマーが満了したこと通知しても良い。また、RRCは、MAC(無線送信設定部111)に対するDL_CC failureの通知、または、同期保護タイマーの満了の通知をする代わりに物理レイヤ(制御部105)に通知しても良い。この場合、物理レイヤ(制御部105)で当該DL_CCを送信電力調整の基準としているUL_CCにおける無線送信が停止される。
本実施形態によって、移動局装置1は、キャリア・アグリゲーションによってセカンダリセルの無線リンク状態を管理する必要がある場合において、セカンダリセルの無線リンク障害発生時に物理レイヤからの下りリンク状況報告を停止することができるため、従来からの各レイヤの機能分担を維持することが可能となる。すなわち、RRCにおいて物理レイヤのUL_CCの送信制御状態を新たに管理させることなく、効率的に無線リンク障害発生時の制御を行うことが可能となる。
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。
また、説明の便宜上、実施形態の移動局装置1及び基地局装置2を機能的なブロック図を用いて説明したが、移動局装置1及び基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより移動局装置や基地局装置の制御を行なっても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上記各実施形態に用いた移動局装置1および基地局装置2の各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
1…移動局装置
2…基地局装置
11〜13…送信装置
101、201…受信部
102、202…復調部
103、203…復号部
104…測定処理部
105、204…制御部
106…ランダムアクセス処理部
107、205…符号部
108、206…変調部
109、207…送信部
110、210…上位レイヤ
111…無線送信設定部
208…ネットワーク信号処理部
209…周辺情報管理部

Claims (8)

  1. 基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域のセルを集約して通信を行なう通信システムであって、
    前記基地局装置は、
    前記移動局装置に対して、少なくとも一つの下りリンクの周波数帯域のセルの無線リンク状態を管理するための下りリンク状態判定情報を設定し、
    前記移動局装置の物理レイヤは、前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出して自局のRRCに通知し、
    前記移動局装置のRRCは、前記通知された下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断し、前記セル毎に無線リンク障害の発生を自局のMACに通知し、自局のMACは前記通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定することを特徴とする通信システム。
  2. 前記移動局装置のRRCは、前記セル毎の無線リンク障害が発生した後も、物理レイヤからの下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を受け取り、前記通知された下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいて、セル毎に無線リンク障害からの回復を判断し、前記セル毎の無線リンク障害からの回復を自局のMACに通知し、自局のMACは前記通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を再開できるよう設定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記移動局装置のRRCは、前記セル毎の無線リンク障害が発生した際に、物理レイヤに対して下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を行なわないよう設定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. 基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域のセルを集約して通信を行なう通信システムにおける移動局装置であって、
    前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出して上位レイヤに通知する測定処理部と、
    下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断し、前記セル毎に無線リンク障害の発生を無線送信設定部に通知する上位レイヤと、
    セル毎の無線リンク障害発生の通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定する無線送信設定部とを具備することを特徴とする移動局装置。
  5. 前記移動局装置の上位レイヤは、前記セル毎の無線リンク障害が発生した後も、前記測定処理部からの下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を受け取り、前記通知された下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいて、セル毎に無線リンク障害からの回復を判断し、前記セル毎の無線リンク障害からの回復を前記無線送信設定部に通知し、前記無線送信設定部は前記通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を再開できるよう設定することを特徴とする請求項4に記載の移動局装置。
  6. 前記移動局装置のRRCは、前記セル毎の無線リンク障害が発生した際に、前記測定処理部に対して下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復の通知を行なわないよう設定することを特徴とする請求項4に記載の移動局装置。
  7. 基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域のセルを集約して通信を行なう通信システムにおける無線送信制御方法であって、
    前記移動局装置において、
    前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出するステップと、
    前記下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断するステップと、
    セル毎の無線リンク障害の発生に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定するステップと、
    前記セル毎の無線リンク障害が発生した後も下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記周波数帯域毎に検出し、前記下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎の無線リンク障害の発生および回復を判断するステップとを含むことを特徴とする無線送信制御方法。
  8. 基地局装置と移動局装置とが、異なる複数の周波数帯域のセルを集約して通信を行なう通信システムにおける移動局装置の無線送信制御を行う集積回路であって、
    前記基地局装置から設定された情報に基づいてセルの受信品質に関わる下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復を前記セル毎に検出して上位レイヤに通知する測定処理部と、
    下りリンク同期誤りおよび下りリンク同期回復に基づいてセル毎に無線リンク障害の発生を判断し、前記セル毎の無線リンク障害の発生を無線送信設定部に通知する上位レイヤと、
    セル毎の無線リンク障害発生の通知に基づき、無線リンク障害の発生した当該セルの下りリンクを送信電力調整の基準としている上りリンクにおける無線送信を停止するよう設定する無線送信設定部とを具備することを特徴とする集積回路。
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