JP2012099170A - マスター情報担体の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

マスター情報担体の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気転写性能や耐摩耗性に優れたマスター情報担体を安価に製造できるマスター情報担体の製造方法を提供する。
【解決手段】情報信号に対応する転写パターン102aが形成されたマスター情報担体100の製造方法であって、基板101の面上に磁性層102を形成する工程と、磁性層102の面上を覆うマスク層103を形成する工程と、マスク層103を転写パターン102aに対応した形状にパターニングする工程と、パターニングされたマスク層103を用いて磁性層102を部分的に除去することにより磁気的に分離された転写パターン102aを形成する工程と、マスク層103を磁性層102の面上から除去する工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気転写に用いられるマスター情報担体の製造方法、並びに、このようなマスター情報担体を用いた磁気記録媒体の製造方法に関する。
磁気記録再生装置の一種であるハードディスク装置(ハードディスクドライブ)は、現在その記録密度が年1.5倍以上で増えており、今後もその傾向は続くと言われている。それに伴って、高記録密度化に適した磁気ヘッド及び磁気記録媒体の開発が進められている。そして、最新の磁気記録装置においては、トラック密度が320kTPIにも達している。
このため、高いトラック密度を有する磁気記録媒体では、磁気ヘッドをトラック上で正確に走査するために、磁気ヘッドのトラッキングサーボ技術が重要な役割を果たしている。具体的に、現在のハードディスクドライブでは、ディスクの1周中、一定の角度間隔でトラッキング用のサーボ信号や、アドレス情報信号、再生クロック信号などの情報信号(以下、サーボ信号等という。)が記録されている。そして、磁気ヘッドから一定間隔の時間で再生されるこれらの信号によって、磁気ヘッドの位置を検出しながら、磁気ヘッドが正確にトラック上を走査するように磁気ヘッドの位置を修正する制御が行われている。
したがって、上述したサーボ信号等は、磁気ヘッドが正確にトラック上を走査するための基準信号となることから、これらの信号の書き込みには高い位置決め精度が求められる。このため、従来のハードディスクドライブの製造現場では、高精度の位置検出装置を組み込んだ専用のサーボ信号記録装置(以下、サーボライタという。)を用いて、磁気記録媒体に対するサーボ信号等の書き込みが行われている。また、サーボライタは、その生産性を高めるために、一つのスピンドルに多数枚の磁気記録媒体をチャッキングし、これらの磁気記録媒体に対して同時にサーボ信号等を書き込む構造となっている。
しかしながら、上述したサーボライタによるサーボ信号等の書き込みには、以下の課題が存在する。すなわち、磁気ヘッドを高精度に位置決めしながら多数のトラックに亘って信号を書き込むためには、多くの時間がかかり、更に生産性を上げるためには、多くのサーボライタを同時に稼働させる必要がある。しかしながら、導入するサーボライタの数を増やすと、その維持管理に多額のコストがかかることになる。また、スピンドルを長くして同時にチャッキングできる磁気記録媒体の枚数を増やすと、回転中にブレが生じ易くなり、磁気記録媒体に対する書き込み精度の低下を招くことになる。したがって、1つのスピンドルにチャッキングできる磁気記録媒体の枚数には自ずと限界がある。そして、これらの課題は、磁気記録媒体のトラック密度が向上し、トラック数が多くなるほど深刻なものとなっている。
そこで、磁気記録媒体へのサーボ信号等の書き込みをサーボライタではなく、全てのサーボ信号、又は、ハードディスクドライブがサーボ信号を生成するためのプリサーボ信号、セルフサーボ信号等に対応する磁気転写パターンが書き込まれたマスター情報担体を用いて、このマスター情報担体に書き込まれた信号を磁気記録媒体に一括して磁気転写する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
具体的に、この方法では、マスター情報担体と磁気記録媒体とを密着させた状態で、外部から転写用のエネルギーとして磁界を加えながら、マスター情報担体に書き込まれた信号を磁気記録媒体に磁気転写する。これにより、磁気記録媒体に対するサーボ信号等の書き込み作業を短時間で行うことが可能である。また、このようなマスター情報担体は、繰り返し使用可能となっている。
特開平10−40544号公報
ところで、上述したマスター情報担体を製造する際は、先ず、シリコンウェハの表面に電子線レジストをスピンコート法により塗布する。その後、このレジストに対して、電子線露光装置を用いてサーボ信号等に対応させて変調した電子ビームを照射し、レジストの露光・現像を行った後、未露光部分を除去することによって、シリコンウェハ上に、転写パターンに対応したレジストパターンを形成する。
次に、このレジストパターンをマスクにして、シリコンウェハに対して反応性エッチング処理を行い、レジストでマスクされていない箇所を掘り下げる。このエッチング処理後、シリコンウェハ上に残存するレジストを溶剤で洗浄除去する。その後、シリコンウェハを乾燥させて、マスター情報担体を作製するための原盤を得る。
次に、この原盤上に、Niからなる導電層をスパッタリング法により形成した後、この上に電鋳法によりNi層を形成する。その後、Ni層を原盤から外し、このNi層の洗浄等を行い、表面に転写パターンが形成されたNi基材を得る。
次に、このNi基材の表面に磁性層を形成し、さらに、このNi基材の表面に保護膜を形成する。以上の工程を経ることによって、マスター情報担体を得ることができる。
従来のマスター情報担体は、上述した複雑な工程を経ることによって作製されるため、非常に高価なものとなっている。したがって、磁気記録媒体の製造コストを低減するためには、1枚のマスター情報担体が摩耗等によって破損するまでに転写できる合計回数(使用回数)を高める必要がある。また、マスター情報担体は、上述した磁気記録媒体の高記録密度化に対応して、転写パターンのサイズも微細化する必要があり、これ伴って磁気転写性能の更なる向上が求められている。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、磁気転写性能や耐摩耗性に優れたマスター情報担体を安価に製造できるマスター情報担体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような方法に製造されたマスター情報担体を用いることによって、更なる生産性の向上を可能とした磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段を提供する。
(1) 情報信号に対応する転写パターンが形成された転写面を有して、磁気記録媒体の記録面に前記転写面を重ね合わせた状態で、前記転写面とは反対側から外部磁界を印加することによって、前記転写面から前記磁気記録媒体の記録面へと情報信号を磁気転写する際に用いられるマスター情報担体の製造方法であって、
基板の面上に磁性層を形成する工程と、
前記磁性層の面上を覆うマスク層を形成する工程と、
前記マスク層を前記転写パターンに対応した形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたマスク層を用いて前記磁性層を部分的に除去することにより磁気的に分離された転写パターンを形成する工程と、
前記マスク層を前記磁性層の面上から除去する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
(2) 前記マスク層をパターニングする前に、当該マスク層の面上に前記転写パターンに対応した形状にパターニングされたレジスト層を形成する工程を含み、
前記レジスト層を用いて前記マスク層を前記転写パターンに対応した形状にパターニングし、このパターニングされたマスク層を用いて前記磁性層を部分的に除去することを特徴とする前項(1)に記載のマスター情報担体の製造方法。
(3) 前記レジスト層をナノインプリント法を用いて前記転写パターンに対応した形状にパターニングすることを特徴とする前項(2)に記載のマスター情報担体の製造方法。
(4)
前項(1)〜(3)の何れか一項に記載の方法により製造されたマスター情報担体の転写面と、磁気記録媒体の記録面とを重ね合わせた後、前記マスター情報担体の転写面とは反対側から外部磁界を印加しながら、前記マスター情報担体の転写面から前記磁気記録媒体の記録面へと情報信号を磁気転写する工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
以上のように、本発明によれば、磁気転写性能や耐摩耗性に優れたマスター情報担体を安価に製造することが可能となる。また、このようなマスター情報担体を用いることによって、磁気記録媒体の更なる生産性の向上を図ることが可能となる。
図1は、マスター情報担体の製造工程を説明するための断面図である。 図2は、磁気転写工程を説明するための断面図である。 図3は、磁気記録媒体の一例を示す断面図である。 図4は、磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。
以下、本発明を適用したマスター情報担体の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明を適用して製造されるマスター情報担体は、磁気記録媒体の記録面にサーボ信号、プリサーボ信号、セルフサーボ信号等の情報信号を磁気転写する際に用いられるものであり、情報信号に対応する転写パターンが形成された転写面を有して、磁気記録媒体の記録面に転写面を重ね合わせた状態で、転写面とは反対側から外部磁界を印加することによって、転写面から磁気記録媒体の記録面へと情報信号を磁気転写するものである。
本発明を適用したマスター情報担体の製造方法は、例えば図1(a)〜(g)に示すように、基板101の少なくとも一方の面上に磁性層102を形成する工程と、磁性層102の面上を覆うマスク層103を形成する工程と、マスク層103の上にレジスト層104を形成する工程と、レジスト層104の表面を転写パターンに対応した形状にパターニングする工程と、パターニングされたレジスト層104を用いてマスク層103をパターニングする工程と、パターニングされたマスク層103を用いて磁性層102を部分的に除去する工程と、マスク層103をレジスト層104と共に磁性層102上から除去する工程と、この上に保護層105を形成する工程とを含んでいる。
具体的には、先ず、図1(a)に示すように、基板101の上に、磁性層102及びマスク層103を順次積層して形成する。
基板101としては、例えば、Al−Mg合金などのAlを主成分としたAl合金基板、ソーダガラスやアルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラスなどのガラス基板、シリコン基板、チタン基板、セラミックス基板、樹脂基板等の各種基板を挙げることができるが、その中でも、磁界を透過し易いガラス基板やシリコン基板を用いることが好ましい。また、基板101の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5nm以下であり、さらに好ましくは0.1nm以下である。
磁性層102としては、面内磁気記録媒体用の面内磁性層でも、垂直磁気記録媒体用の垂直磁性層でもかまわないが、より高い記録密度を実現するためには垂直磁性層が好ましい。また、磁性層102は、主としてCoを主成分とする合金から形成することが好ましい。
例えば、垂直磁気記録媒体用の磁性層102としては、例えば60Co−15Cr−15Pt合金や70Co−5Cr−15Pt−10SiO合金などを用いることができる。一方、面内磁気記録媒体用の磁性層102としては、例えば非磁性のCrMo下地層と強磁性のCoCrPtTa記録磁性層とを積層したものなどを用いることができる。
磁性層102の厚みは、3nm以上20nm以下、好ましくは5nm以上15nm以下とし、磁性粒子の微細化を図ることが好ましい。磁性層102は、通常はスパッタ法により薄膜として形成する。
マスク層103としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ni等の金属、炭素の他、水素で還元除去が容易な有機物系の材料を用いることもできる。有機物系の材料としては、例えばノボラック系樹脂や、アクリル酸エステル類、脂環式エポキシ類、(メタ)アクリル系樹脂、多還芳香族系樹脂などを用いることができ、その中でもノボラック樹脂を用いることが特に好ましい。
マスク層103の厚みは、5nm〜40nmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは10nm〜30nmの範囲である。マスク層103の厚みが5nmより薄いと、このマスク層103のエッジ部分がだれて転写パターンの形成特性が悪化することになる。また、レジスト層104及びマスク層103を透過したイオンが磁性層102に侵入して、磁性層102の磁気特性を悪化させることになる。一方、マスク層103の厚みが40nmより厚くなると、このマスク層103のエッチング時間が長くなり生産性が低下することになる。また、このマスク層103をエッチングする際の残渣が磁性層102の表面に残留しやすくなる。
次に、図1(b)に示すように、このマスク層103の上にレジスト層104を形成した後、このレジスト層104を、例えばフォトリソグラフィー法やナノインプリント法などを用いて、転写パターンに対応した形状にパターニングする。これにより、レジスト層104の表面には、図1(c)に示すように、転写パターンに対応した部分が凸部104a、その間が凹部104bとなるパターンが形成される。
ここで、レジスト層104をパターニングする際は、ナノインプリント法を用いることが好ましい。このナノインプリント法では、放射線を照射することにより硬化する材料をレジスト層104に用い、このレジスト層104にスタンプ(図示せず。)を用いてパターンを転写する。
特に、レジスト層104にスタンプを用いてパターンを転写する際は、レジスト層104の流動性が高い状態で、このレジスト層104にスタンプを押圧し、その押圧した状態で、レジスト層104に放射線を照射することによりレジスト層104を硬化させ、その後、スタンプをレジスト層104から離すことにより、スタンプの形状を精度良く、レジスト層104に転写することが可能である。
レジスト層104にスタンプを押圧した状態で、このレジスト層104に放射線を照射する方法としては、例えば、スタンプの反対側、すなわち非磁性基板101側から放射線を照射する方法や、スタンプの材料として放射線を透過できる物質を選択し、スタンプ側から放射線を照射する方法、スタンプの側面から放射線を照射する方法、熱線のように固体に対して伝導性の高い放射線を用いて、スタンプ又は非磁性基板101からの熱伝導により放射線を照射する方法などを用いることができる。
なお、本発明における放射線とは、熱線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線などの広い概念の電磁波のことを言う。また、放射線を照射することにより硬化する材料としては、例えば、熱線に対しては熱硬化樹脂、紫外線に対しては紫外線硬化樹脂を挙げることができる。
また、レジスト層104には、このような材料の中でも、ノボラック系樹脂や、アクリル酸エステル類、脂環式エポキシ類などの紫外線硬化樹脂を用いることが好ましく、その中でも特に、ノボラック系樹脂を用いることが好ましい。一方、スタンプとしては、紫外線に対して透過性の高いガラス又は樹脂を用いることが好ましい。また、レジスト層104は、上記マスク層103と同じ材料を用いることが可能である。この場合、マスク層103は、フォトリソグラフィー法やナノインプリント法などを用いて、転写パターンに対応した形状に直接パターニングする。
なお、上述したパターンを転写する工程では、スタンプとして、例えば、金属プレートに電子線描画などの方法を用いて微細なトラックパターンを形成したスタンパを用いることができる。また、スタンパには、上記プロセスに耐え得る硬度及び耐久性が要求されるため、例えばNiなどが使用されるが、上記目的に合致するものであれば、その材質について特に限定されるものではない。
レジスト層104に転写パターンに対応した凹凸パターン(凸部104a及び凹部104b)を形成した後、このレジスト層104の凹部104bにおける厚みは、0〜20nmの範囲とすることが好ましい。これにより、後述するマスク層103及び磁性層102のエッチング工程において、マスク層103のエッジの部分のダレを無くし、マスク層103のミリングイオンに対する遮蔽性を向上させ、また、マスク層103による転写パターンの形成特性を向上させることができる。
次に、図1(d)に示すように、このパターニングされたレジスト層104を用いたドライエッチングにより、レジスト層104の凹部104bと、その直下にあるマスク層103を除去する。これにより、マスク層103を転写パターンに対応した形状にパターニングすることができ、このパターニングされたマスク層103の間から磁性層102が露出した状態となる。また、マスク層103の上にレジスト層104が形成されていることにより、このマスク層103の角部が丸まった形状となることが防止され、垂直に切り立った形状でパターニングされる。このマスク層103のパターニングには、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどのドライエッチングを用いることができるが、その中でも特に、ICP(Inductive Coupled Plasma)による反応性イオンエッチングを用いることが好ましい。
次に、図1(e)に示すように、このパターニングされたマスク層103を用いたドライエッチングにより、磁性層102のマスク層103及びレジスト層104で覆われていない箇所を部分的に除去する。これにより、当該箇所に凹部102bと、凹部102bの間に磁気的に分離された転写パターン102aとが形成される。
磁性層102をパターニングする際は、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどのドライエッチングを用いることができるが、この磁性層102のドライエッチングについては、例えばICPやRIEなどの反応性イオンエッチング装置を用いて、ArガスやNガス等の不活性ガスを導入して行うことが好ましい。本発明では、このような方法を採用することにより、残された磁性層102のエッジ部を垂直に形成することが可能となる。これは、磁性層102の上のマスク層103が垂直に切り立った形状であるため、その下の磁性層102も同様の形状となるためである。これにより、フリンジ特性の優れた磁性層102(転写パターン102a)を形成することができる。なお、この工程でイオンミリングにNガスを使用しても、転写パターン102aの表面はマスク層103によって保護されているため、転写パターン102aの表面が窒化されて磁気特性を悪化させることはない。
次に、図1(e)に示すように、例えば反応性プラズマや反応性イオンを用いて、マスク層103の下にある磁性層102のうち、レジスト層104及びマスク層103で覆われていない箇所を部分的に除去し、その間に磁気的に分離された転写パターン102aを形成する。
次に、図1(f)に示すように、マスク層103及びその上のレジスト層104を磁性層102上から除去する。これらマスク層103及びレジスト層104の除去には、ドライエッチングを使用することができる。
また、レジスト層104及びマスク層103を除去した後は、磁性層102の表面にArなどの不活性ガスを照射して、この磁性層102の表層を1〜2nmの範囲でエッチングにより除去することが好ましい。これにより、磁性層102の一部に、改質により磁気特性が低下した部位が生じていた場合であっても、その磁気特性の低下した部位を除去することができる。
次に、図1(g)に示すように、マスク層103及びレジスト層104が除去された面上を覆う保護層105を形成する。この保護層105の形成には、一般的にDLC(Diamond Like Carbon)薄膜をP−CVDなどを用いて成膜する方法が用いられるが、このような方法に必ずしも限定されるものではない。
以上の工程を経ることによって、マスター情報担体100を製造することができる。
上述したように、本発明を適用したマスター情報担体の製造方法では、磁性層102を部分的に除去することにより磁気的に分離された転写パターン102aを形成することで、磁気記録媒体の高記録密度化に対応して、転写パターン102aのサイズを微細化することができ、更に磁気転写性能の向上を図ることができる。特に、本発明では、転写パターン102aのエッジ部を垂直に形成することができるため、更なる磁気転写性能の向上が可能である。
以上のように、本発明によれば、磁気転写性能や耐摩耗性に優れたマスター情報担体100を安価に製造することが可能である。また、このようなマスター情報担体100を用いることによって、磁気記録媒体の更なる生産性の向上を図ることが可能である。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法は、図2に示すように、上記マスター情報担体100の転写面と、上記磁気記録媒体200の記録面とを重ね合わせた状態で、転写面とは反対側から外部磁界を印加することによって、転写面から磁気記録媒体200の記録面へと情報信号を磁気転写する工程(磁気転写工程という。)を含む。
具体的に、この磁気転写工程では、先ず、上記磁気記録媒体200の記録面を初期磁化する。この初期磁化は、面内磁気記録媒体の場合は、トラック方向の一方向に初期直流磁界を印加することにより行い、垂直磁気記録媒体の場合は、媒体表面に対して垂直な方向の一方向に初期直流磁界を印加することにより行う。
この初期直流磁界は、永久磁石や電磁石を用いて印加することが可能である。また、永久磁石としては、より安定で磁力の強いNdFeB系の焼結磁石を用いることが好ましい。また、初期直流磁界の印加は、上記磁気記録媒体200と非接触の状態で行うことが、上記磁気記録媒体200の表面の清浄性を維持する上で好ましい。
次に、図3に示すように、初期直流磁界の印加を行った後の磁気記録媒体200の記録面と、上記マスター情報担体100の転写面とを接触させた状態で、互いを所定の押圧力で密着させる。そして、この状態で、上記マスター情報担体100の転写面とは反対側から、磁界生成手段Gを用いて、この磁界生成手段Gを相対的にトラック方向Xに移動させながら転写用の外部磁界を印加する。この転写用の外部磁界は、上記初期直流磁界とは逆方向となる磁界である。これにより、上記磁気記録媒体200では、上記マスター情報担体100の転写パターン102aと対向する箇所で磁化反転が生じ、サーボ信号等に対応した磁化パターンが磁気転写により書き込まれることになる。
磁界生成手段Gは、電磁石や永久磁石によって構成されるものであり、面内磁気記録媒体の場合は、トラック方向の他方向に転写用の外部磁界を発生させ、垂直磁気記録媒体の場合は、媒体表面に対して垂直な方向の他方向に転写用の外部磁界を発生させる。そして、この磁界生成手段Gは、磁気記録媒体200の半径方向において同一方向の外部磁界を発生させながら、磁気記録媒体200の中心にトラック方向Xに回転移動させることが可能となっている。なお、図2は、垂直磁気記録媒体に対して磁気転写を行った場合を例示している。
ここで、ハードディスクドライブに内蔵される磁気記録媒体200は、一般的に非磁性基板201の両面に磁気層202が形成されており、また、1台のハードディスクドライブには、複数枚の磁気記録媒体200が内蔵される場合が多い。このため、ハードディスクドライブでは、複数の磁気ヘッドがスタック構造により一体で移動操作されるが、磁気記録媒体200のトッラク幅は益々狭くなっており、1つの磁気記録媒体200の記録面に書き込まれたサーボ信号等を用いて、他の記録面における磁気ヘッドの位置決めを行うことはヘッドのスタック構造の精度からは困難となっている。
したがって、本発明の磁気転写工程では、磁気記録媒体200の両面に磁気転写によってサーボ信号等を書き込むことが好ましい。具体的には、磁気記録媒体200の両面を一対のマスター情報担体100で挟み込んだ状態とする。そして、この状態で、これらマスター情報担体100の転写面とは反対側から、磁界生成手段Gを用いて転写用の外部磁界を印加する。これにより、磁気記録媒体200の両面にサーボ信号等を書き込むことができる。
なお、磁気記録媒体200の記録面200aに書き込む信号がプリサーボ信号の場合、プリサーボ信号はサーボ信号に比べてパターンの密度を下げることが可能となるため、磁気記録媒体200の片面のみに書き込めばよい場合があり、また1台のハードディスクドライブに複数枚の磁気記録媒体200が内蔵される場合、内蔵される1枚の磁気記録媒体の片面のみに書き込めばよい場合がある。
また、磁性層202の保磁力Hcは、通常は320kA/m(約4000Oe)以上である。したがって、本発明の磁気転写工程では、この磁性層202を初期直流磁化した後、磁気記録媒体200の両面をマスター情報担体100で挟み込み、磁気転写できる強度の磁界をマスター情報担体100を介して印加して磁気転写を行うことが好ましい。
本発明を適用した磁気記録媒体の製造方法では、上記マスター情報担体100を用いることによって、高記録密度化に対応した磁気記録媒体に対するサーボ信号等の書き込み作業を短時間で行うことが可能となる。また、1枚のマスター情報担体によって繰り返し転写できる合計の回数を飛躍的に高めることが可能となり、その結果、磁気記録媒体200の生産コストを大幅に低減することが可能となる。
(磁気記録媒体)
次に、本発明を適用して製造される磁気記録媒体200の一例を図3に示す。
この磁気記録媒体200は、図3に示すように、非磁性基板31上に、スペーサ層32bにより反強磁性結合させた2層の軟磁性層32aを含む軟磁性下地層32と、配向制御層33と、垂直磁性層34と、保護層35と、潤滑剤膜36とを順次積層した構造を有している。
また、垂直磁性層34は、下層の磁性層34aと、中層の磁性層34bと、上層の磁性層34cとの3層を含み、磁性層34aと磁性層34bの間で非磁性層37aを、磁性層34bと磁性層34cの間で非磁性層37bを挟み込むことで、これら磁性層34a〜34cと非磁性層37a,37bとが交互に積層された構造を有している。
非磁性基板31としては、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属材料からなる金属基板を用いてもよく、例えば、ガラスや、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなる非金属基板を用いてもよい。また、これら金属基板や非金属基板の表面に、例えばメッキ法やスパッタ法などを用いて、NiP層又はNiP合金層が形成されたものを用いることもできる。
ガラス基板としては、例えば、アモルファスガラスや結晶化ガラスなどを用いることができ、アモルファスガラスとしては、例えば、汎用のソーダライムガラスや、アルミノシリケートガラスなどを用いることができる。また、結晶化ガラスとしては、例えば、リチウム系結晶化ガラスなどを用いることができる。セラミック基板としては、例えば、汎用の酸化アルミニウムや、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体、又はこれらの繊維強化物などを用いることができる。
非磁性基板31は、その平均表面粗さ(Ra)が1nm(10Å)以下、好ましくは0.5nm以下であるとことが、磁気ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。また、表面の微小うねり(Wa)が0.3nm以下(より好ましくは0.25nm以下。)であることが、磁気ヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。また、端面のチャンファー部の面取り部と、側面部との少なくとも一方の表面平均粗さ(Ra)が10nm以下(より好ましくは9.5nm以下。)のものを用いることが、磁気ヘッドの飛行安定性にとって好ましい。なお、微少うねり(Wa)は、例えば、表面荒粗さ測定装置P−12(KLM−Tencor社製)を用い、測定範囲80μmでの表面平均粗さとして測定することができる。
また、非磁性基板31は、Co又はFeが主成分となる軟磁性下地層32と接することで、表面の吸着ガスや、水分の影響、基板成分の拡散などにより、腐食が進行する可能性がある。この場合、非磁性基板31と軟磁性下地層32の間に密着層を設けることが好ましく、これにより、これらを抑制することが可能となる。なお、密着層の材料としては、例えば、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金など適宜選択することが可能である。また、密着層の厚みは2nm(20Å)以上であることが好ましい。
軟磁性層32a,32cとしては、Fe:Coを40:60〜70:30(原子比)の範囲で含む材料を用いることが好ましい。また、その透磁率や耐食性を高めるために、Ta、Nb、Zr、Crの中から選ばれる何れか1種を1〜8原子%の範囲で含有させることが好ましい。スペーサ層32bとしては、Ru、Re、Cu等を用いることができるが、この中で特にRuを用いることが好ましい。
配向制御層33は、垂直磁性層34の結晶粒を微細化して、記録再生特性を改善するためのものである。この配向制御層33としては、特に限定されるものではないが、hcp構造、fcc構造、アモルファス構造を有するものを用いることが好ましい。特に、Ru系合金、Ni系合金、Co系合金、Pt系合金、Cu系合金を用いることが好ましい。また、これらの合金を多層化してもよい。例えば、基板側からNi系合金とRu系合金との多層構造、Co系合金とRu系合金との多層構造、Pt系合金とRu系合金との多層構造を採用することが好ましい。
ここで、配向制御層33直上の垂直磁性層34の初期部には、結晶成長の乱れが生じやすく、これがノイズの原因となる。この場合、配向制御層33と垂直磁性層34の間に非磁性下地層38を設けることが好ましい。この初期部の乱れた部分を非磁性下地層38で置き換えることで、ノイズの発生を抑制することができる。
非磁性下地層38としては、Coを主成分とし、更に酸化物を含んだ材料からなるものを用いることが好ましい。Crの含有量は、25原子%以上、50原子%以下とすることが好ましい。酸化物としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましく、その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。酸化物の含有量としては、磁性粒子を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の合金を1つの化合物として算出したmol総量に対して、3mol%以上、18mol%以下とすることが好ましい。
磁性層34a,34b,34cとしては、Coを主成分とし、更に酸化物を含んだ材料を用いることが好ましく、この酸化物としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましい。その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。また、下層の磁性層34aは、酸化物を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを好適に用いることができる。
磁性層34a,34b,34cに適した材料としては、例えば、90(Co14Cr18Pt)−10(SiO){Cr含有量14原子%、Pt含有量18原子%、残部Coからなる磁性粒子を1つの化合物として算出したモル濃度が90mol%、SiOからなる酸化物組成が10mol%}、92(Co10Cr16Pt)−8(SiO)、94(Co8Cr14Pt4Nb)−6(Cr)の他、(CoCrPt)−(Ta)、(CoCrPt)−(Cr)−(TiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)−(TiO)、(CoCrPtMo)−(TiO)、(CoCrPtW)−(TiO)、(CoCrPtB)−(Al)、(CoCrPtTaNd)−(MgO)、(CoCrPtBCu)−(Y)、(CoCrPtRu)−(SiO)などの組成物を挙げることができる。
また、本発明では、上記垂直磁性層34を4層以上の磁性層で構成することも可能である。例えば、上記磁性層34a,34bに加えて、グラニュラー構造の磁性層を3層で構成し、その上に、酸化物を含まない磁性層34cを設けた構成とし、また、酸化物を含まない磁性層34cを2層構造として、磁性層34a,34bの上に設けた構成とすることができる。
また、本発明では、垂直磁性層34を構成する3層以上の磁性層間に非磁性層37を設けることが好ましい。非磁性層37を適度な厚みで設けることで、個々の膜の磁化反転が容易になり、磁性粒子全体の磁化反転の分散を小さくすることができる。その結果S/N比をより向上させることが可能である。
保護層35は、垂直磁性層34の腐食を防ぐと共に、磁気ヘッドが磁気記録媒体200に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐためのものである。保護層35には、従来公知の材料を用いることができ、例えばC、SiO、ZrOなどを含むものを用いることが可能である。保護層35の厚みは、1〜10nmとすることが磁気ヘッドと磁気記録媒体200の距離を小さくできるので高記録密度の点から好ましい。
潤滑剤膜36としては、例えば、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などの潤滑剤を保護層35上に塗布することによって形成される。
そして、上述した潤滑剤の塗布工程の後に、ワイピング工程、バーニッシュ工程、及び上記磁気転写工程が行われる。
ワイピング工程は、例えば、布製のワイピングテープ等を用いて行われる。すなわち、このワイピング工程は、ワイピングテープを磁気記録媒体200の表面に対して相対走行させつつ、ゴム製のコンタクトロール又はパッドによってワイピングテープの表面を磁気記録媒体200の表面に押し当てることにより、媒体表面を軽く拭く工程である。このような処理を行うことにより、磁気記録媒体200の表面に付着したスパッタダスト等が除去されるので、磁気ヘッドの浮上量をより小さくすることが可能となる。
また、ワイピング工程に用いられるワイピングテープとしては、超極細繊維よりなる布帛を帯状にスリットしたワイピングテープや、超極細繊維マルチフィラメント糸の織編物などが用いられる。
また、このようなワイピングテープを用いる磁気記録媒体200のワイピング方法は、具体的には、磁気記録媒体200を回転させつつ、この磁気記録媒体200の磁性層側の面に、ワイピングテープの表面(拭き面)を押し当てることにより行われる。これにより、磁気記録媒体200の表面に付着したスパッタダスト等が拭き取られ、媒体表面が清浄化される。
ワイピングテープは、供給リールと巻取リールとの間に掛け渡されており、供給リールから順次供給され、巻取リールに順次巻き取られる。そして、この供給リール側から巻取リール側に走行する途中で、ワイピングテープの拭き面と反対側の面(裏面)がゴム等のバッキングロール又はフェルト等により押圧され、ワイピングテープの拭き面が磁気記録媒体200の表面に押し当てられる。
バーニッシュ工程は、磁気記録媒体200の表面にある突起物を除去するため、研磨テープを用いてその表面を研磨する工程である。これにより、ハードディスクドライブでの磁気ヘッドの浮上量をより小さくし、また、上記磁気転写工程で磁気記録媒体200とマスター情報担体100との間に隙間が生じて転写パターンが不鮮明となり、マスター情報担体100が損傷を受けることを防止することができる。
このようなバーニッシュ工程は、例えば、アルミナ砥粒を塗布した研磨テープ等を用いて行われる。すなわち、このバーニッシュ工程は、研磨テープをゴム製のコンタクトロールを磁気記録媒体200の表面に押し当てることにより、媒体表面を軽く研磨する工程である。このような処理を行うことにより、磁気記録媒体200の表面にある異常突起等が除去される。
バーニッシュ工程に用いられる研磨テープ(バーニッシュテープ)としては、通常ポリエステル製のベースフィルム上に研磨材層を形成してなるテープを使用する。そして、この研磨材層が磁気記録媒体200の表面と接触して摺動することによって、媒体表面に付着した微小な塵埃が除去されると共に、その媒体表面に存在する異常突起等が研磨・除去されて、その媒体表面が平滑化される。
研磨材としては、平均粒子径が0.05μm〜50μm程度の、酸化クロム、α−アルミナ、炭化珪素、非磁性酸化鉄、ダイヤモンド、γ−アルミナ、α,γ−アルミナ、熔融アルミナ、コランダム、人造ダイヤモンド等が用いられる。
また、このようなバーニッシュ加工は、磁気記録媒体200を回転させつつ、この磁気記録媒体200の表面に、研磨テープの砥粒面を押し当てることにより行われる。これにより、磁気記録媒体200の表面にある突起が研磨除去され、その媒体表面が平滑化される。ここで、研磨テープは、供給リールと巻取リールとの間に掛け渡されており、供給リールから順次供給され、巻取リールに順次巻き取られる。そして、この供給リール側から巻取リール側に走行する途中で、研磨テープの砥粒面と反対側の面(裏面)がゴム等のバッキングロール又はフェルト等により押圧され、研磨テープの研磨面が磁気記録媒体200の表面に押し当てられる。
上記磁気転写工程の後は、得られた磁気記録媒体200に対してグライド検査が行われる。グライド検査とは、磁気記録媒体200の表面に突起物が無いかどうか検査する工程である。すなわち、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体200に対して記録再生を行う際に、磁気記録媒体200の表面に浮上量(媒体と磁気ヘッドの間隔)以上の高さの突起があると、磁気ヘッドが突起に衝突して磁気ヘッドが損傷したり、磁気記録媒体200に欠陥が発生したりする原因となる。グライド検査では、そのような高い突起の有無を検査する。
グライド検査をパスした磁気記録媒体200には、通常ではサーティファイ検査が実施される。サーティファイ検査とは、通常のハードディスクドライブの記録再生と同様に、磁気記録媒体200に対して磁気ヘッドで所定の信号を記録した後、その信号を再生し、得られた再生信号によって磁気記録媒体200の記録不能を検出し、磁気記録媒体200の電気特性や欠陥の有無など媒体の品質を確かめるものである。
本発明を適用して製造された磁気記録媒体200は、サーボ信号等が既に書き込まれているため、従来の方式でのサーティファイ検査とは異なる。すなわち、本発明を適用して製造された磁気記録媒体200では、この磁気記録媒体200に磁気転写されたサーボ信号等を用いて、磁気ヘッドを特定箇所に位置づけして読み書きを行う形式の検査を行う。
(磁気記録再生装置)
次に、本発明を適用して製造された磁気記録媒体200を備える磁気記録再生装置(ハードディスクドライブ)の一例を図4に示す。
この磁気記録再生装置は、上記図3に示す本発明を適用して製造された磁気記録媒体200と、磁気記録媒体200を回転駆動させる媒体駆動部71と、磁気記録媒体200に情報を記録再生する磁気ヘッド72と、この磁気ヘッド72を磁気記録媒体200に対して相対運動させるヘッド駆動部73と、記録再生信号処理系74とを備えている。また、記録再生信号処理系74は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド72に送り、磁気ヘッド72からの再生信号を処理してデータを外部に送ることが可能となっている。また、この磁気記録再生装置が備える磁気ヘッド72には、再生素子として巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子などを有した、より高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
上記磁気記録再生装置によれば、上記磁気記録媒体200に、本発明を適用して製造された高記録密度、高速書き込み、優れた電磁変換特性の磁気記録媒体200を採用することで、優れたハードディスクドライブとすることが可能である。
31…非磁性基板 32…軟磁性下地層 32a…軟磁性層 32b…スペーサ層 33…配向制御層 34…垂直磁性層 34a,34b,34c…磁性層 35…保護層 36…潤滑剤膜 37a,37b…非磁性層 38…非磁性下地層 71…媒体駆動部 72…磁気ヘッド 73…ヘッド駆動部 74…記録再生信号処理系 100…マスター情報担体 101…基板 102…磁性層 102a…転写パターン 103…マスク層 104…レジスト層 105…保護層 200…磁気記録媒体 201…非磁性基板 202…磁性層

Claims (4)

  1. 情報信号に対応する転写パターンが形成された転写面を有して、磁気記録媒体の記録面に前記転写面を重ね合わせた状態で、前記転写面とは反対側から外部磁界を印加することによって、前記転写面から前記磁気記録媒体の記録面へと情報信号を磁気転写する際に用いられるマスター情報担体の製造方法であって、
    基板の面上に磁性層を形成する工程と、
    前記磁性層の面上を覆うマスク層を形成する工程と、
    前記マスク層を前記転写パターンに対応した形状にパターニングする工程と、
    前記パターニングされたマスク層を用いて前記磁性層を部分的に除去することにより磁気的に分離された転写パターンを形成する工程と、
    前記マスク層を前記磁性層の面上から除去する工程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  2. 前記マスク層をパターニングする前に、当該マスク層の面上に前記転写パターンに対応した形状にパターニングされたレジスト層を形成する工程を含み、
    前記レジスト層を用いて前記マスク層を前記転写パターンに対応した形状にパターニングし、このパターニングされたマスク層を用いて前記磁性層を部分的に除去することを特徴とする請求項1に記載のマスター情報担体の製造方法。
  3. 前記レジスト層をナノインプリント法を用いて前記転写パターンに対応した形状にパターニングすることを特徴とする請求項2に記載のマスター情報担体の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の方法により製造されたマスター情報担体の転写面と、磁気記録媒体の記録面とを重ね合わせた後、前記マスター情報担体の転写面とは反対側から外部磁界を印加しながら、前記マスター情報担体の転写面から前記磁気記録媒体の記録面へと情報信号を磁気転写する工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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