JP2012098892A - 位置入力装置、位置入力方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】位置入力装置10は、風検出部15と、移動先算出部92と、を備えている。風検出部15は、複数の風力センサとして構成され、複数の風力センサが配置された複数位置における風に関する物理量として、風力を検出する。移動先算出部92は、風検出部15により検出された各物理量(風力)に基づいて、表示部12におけるオブジェクト(カーソル)の移動先の位置を算出する。
【選択図】図6
Description
このような要求に応えるべく、例えば、特許文献1には、次のような一連の処理を実行することで、ユーザが手指を触れることなく操作情報を入力する技術が開示されている。
即ち、特許文献1によれば、デバイスに設けられた圧力センサは、ユーザの口から吹き込まれた息を、空気圧の急激な変化として検出する。当該デバイスは、この圧力センサの検出結果に応じた所定の受信信号を生成して、受信機に伝送する。受信機は、受信信号に応じた操作情報を上位装置に入力させる。
このため、特許文献1に記載の技術では、画面内の1点を押圧操作したか否かを示す操作情報、例えばソフトウェアボタンのオン又はオフを示す操作情報については、ユーザが手指を触れることなく手軽に入力することができる。
ところが、画面内でのオブジェクトの移動操作に関する操作情報、例えばカーソル等のオブジェクトの位置を、ユーザが手指を触れることなく入力することについては、特許文献1の技術をそのまま適用して実現することは非常に困難である。
ここで、受信機を複数配置して組み合わせることで、カーソル等のオブジェクの位置を、上位装置に入力させること自体は可能になるかもしれない。しかしながら、デバイスが各受信機に受信信号を伝送するためには、当該デバイス自体の方向を変えなければならない。よって、ユーザにとっては、手指を触れることなく手軽にオブジェクトの位置を入力できるとは言い難い。
表示部におけるオブジェクトの移動の指示を入力するためにユーザにより発生された風について、複数位置における前記風に関する物理量をそれぞれ検出する風検出手段と、
前記風情報取得手段により検出された各物理量に基づいて、前記ユーザにより移動が指示された前記オブジェクトの移動先の位置を算出する移動先算出手段と、
を備える位置入力装置を提供する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る位置入力装置の外観構成を示す斜視図である。
位置入力装置10は、例えばフォトフレームにより構成され、少なくともオブジェクト(第1実施形態ではカーソルであるとする)を移動させる、又は、オブジェクトに関連付けられたアプリケーションを操作するGUI(Graphical User Interface)が実現可能になっている。
この場合、ユーザは、マウス等の入力機器を用いずに、自身の口から吹きかける息を用いて、カーソルの移動指示を入力する。即ち、ユーザは、手指を触れることなく手軽にカーソルの位置を入力できる。
換言すると、位置入力装置10は、ユーザにより吹きかけられた息により生ずる風を検出することによって、ユーザにより入力されるカーソルの移動指示を認識し、当該移動指示に従った処理を実行する。
位置入力装置10は、このような処理の実行を可能にすべく、筺体11と、表示部12と、音入力部13と、を備えている。
筺体11は、矩形状に形成され、それぞれに分割可能な略同形状の基台11aと、上部カバー11bと、を備えている。なお、上部カバー11bの各辺の中央周辺に形成された孔14−1,14−2,14−3,14−4については、図3を参照して後述する。
基台11aは、矩形状に形成され、液晶ディスプレイ等で構成される表示部12と、マイクロフォン等で構成される音入力部13と、複数の風検出部15−1,15−2,15−3,15−4と、が配置されている。
具体的には、基台11aの中央部には表示部12が配置されている。換言すると、表示部12は、基台11aの上面に配置されており、基台11aに上部カバー11bが被されることによって、図1に示すように筺体11の内方に配置されることになる。
また、基台11aの外縁部には、音入力部13と、複数の風検出部15−1,15−2,15−3,15−4とがそれぞれ配置されている。
換言すると、音入力部13は基台11aの外縁部のうち、1つの長辺部の中央付近に配置されている。
複数の風検出部15−1,15−2,15−3,15−4の各々は、基台11aの外縁部の各辺部の略中央に配置されている。
上部カバー11bには、上述したように、風検出部15−1,15−2,15−3,15−4のそれぞれを外方と挿通可能な孔14−1,14−2,14−3,14−4がそれぞれ形成されている。
なお、以下、風検出部15−1,15−2,15−3,15−4を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「風検出部15」と呼ぶ。また、風検出部15と呼んでいる場合、孔14−1,14−2,14−3,14−4をまとめて「孔14」と呼ぶ。
図4は、図1乃至図3の位置入力装置10に設けられる風検出部15として適用される風力センサの内部構成を示す斜視図である。
風検出部15は、第1実施形態では図4に示す構成の風力センサにより構成されている。即ち、第1実施形態の風検出部15は、センサ筺体16と、ファン17と、フォトカプラ18と、を備えている。
センサ筺体16は、長方形状を有し、外方からの気体が進入可能な入口孔部19と、入口孔部19から進入した気体を外方へ排出可能な出口孔部20と、がそれぞれ形成されている。
ファン17は、多翼状のシロッコファンにより構成され、入口孔部19から気体が進入することに伴い、回転可能に軸支されている。
フォトカプラ18は、回転したファン17の外周形状の翼の凹凸の繰り返しを、風検出部15の検出結果(風力量)を示すパルス信号に変換して出力する。
即ち、位置入力装置10は、各風検出部15−1,15−2,15−3,15−4のそれぞれのフォトカプラ18から出力されたパルス信号に基づいて、各風検出部15−1,15−2,15−3,15−4の各々により検出された風力量をそれぞれ取得する。
ここで、位置入力装置10に設けられた表示部12は、一般的には、その長辺方向を左右方向として、その短辺方向を上下方向として、画像を表示する。そこで、以下、表示部12の長辺方向、即ち、図1乃至図3において筺体11の外縁部の長辺部(風検出部15−2,15−4が配置される部)と略水平な方向を、「左右方向」と呼ぶ。また、左右方向と垂直な方向、即ち、図1乃至図3において筺体11の外縁部の短辺部(風検出部15−1,15−3が配置される部)と略水平な方向を、「垂直方向」と呼ぶ。
この場合、位置入力装置10は、風検出部15−1と15−3とにより検出された各々の風力量の差分に基づいて、風の左右方向の成分を推定することができる。同様に、位置入力装置10は、風検出部15−2と15−4とにより検出された各々の風力量の差分に基づいて、風の上下方向の成分を推定することができる。
そこで、位置入力装置10は、推定した風の左右方向及び上下方向の各成分に基づいて、カーソルの移動先の位置を算出する。
なお、このような位置入力装置10により、カーソルの移動先の位置が算出されるまでに実行される一連の処理を、以下、「移動先算出処理」と呼ぶ。
RAM53にはまた、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
また、RAM53は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、ドライブ59から出力された画像のデータを一時的に記憶する。また、RAM53は、各種画像処理に必要な各種データ、例えば、画像のデータ、各種フラグの値、閾値等も記憶する。
ドライブ59によってリムーバブルメディア71から読み出されたプログラムは、必要に応じてRAM53にインストールされる。また、リムーバブルメディア71は、RAM53に記憶されている画像データ等の各種データも、RAM53と同様に記憶することができる。
図6においては、図5の位置入力装置10の構成のうち、表示部12と、音入力部13と、風検出部15−1乃至15−4と、CPU51と、風検出部15が図示されている。
CPU51は、音検出部81と、感度設定部82と、風取得部91と、移動先算出部92と、カーソル制御部93と、を備えている。
具体的には、音入力部13は、ユーザが位置入力装置10に対して息を吹きかけることにより生ずる表示部12付近で発生した息の音を入力し、音声データに変換して音検出部81に供給する。音検出部81は、当該音声データに基づいて、息の音の音量及び種別を検出する。
音検出部81が検出する息の音の種別としては、例えば本実施形態では、ユーザの口から息が高圧で吹き出す時に発生する音、即ち、いわゆる“風切音”と呼ばれる、10khz成分が多い非常に高い周波数の音が存在する。風切音は、口を思いっきりすぼめてかなり強く息を吹き出した時、又は歯を食いしばって息を吹き出した時に出やすい種別の音である。
また、音検出部81が検出する息の音の種別としては、例えば本実施形態では、ユーザが位置入力を行う際に発生させる息の音、即ちいわゆる“吹かれノイズ”と呼ばれる、風切音とは異なる周波数帯の音が存在する。
本実施形態では、ユーザは、カーソルの移動先の位置の入力(以下、「カーソル移動先入力」と呼ぶ)をする際には、吹かれノイズを発生させるように息を吹きかけるものとする。また、ユーザは、カーソルが指し示すアイコン等の選択の指示、具体的には、当該アイコン等の移動、アイコン等に関連付けられたアプリケーションの起動、終了等の操作の入力をする際には、いわゆるマウスのクリック操作に対応する入力(以下、「クリック入力」と呼ぶ)をする際には、風切音を発生させるように息を吹きかけるものとする。
この場合、吹かれノイズと風切音とは上述したように周波数帯が相異なるため、音検出部81は、周波数帯で切り分けることにより、ほぼ誤検出することなく、吹かれノイズと風切音との各々の種別を検出することが可能になる。よって、風切音によるカーソル移動先入力と、吹かれノイズによるクリック入力とが、混同して検知されることがほぼなくなる。
音検出部81は、このようにして検出した息の音の音量及び種別を示す情報(以下、「音検出情報」と呼ぶ)を生成し、感度設定部82及びカーソル制御部93に供給する。
具体的には、後述の図9の音入力処理において詳述するが、息の音の種別のうち、吹かれノイズの音量に応じて、風検出部15−1乃至15−4における風力量の検出の感度がそれぞれ設定される。
各風検出部15−1乃至15−4の各々は、検出した各風の風力量を示す情報(以下、「風情報」と呼ぶ)を風取得部91に供給する。本実施形態では、図4を参照して上述したように、フォトカプラ18から出力されるパルス信号が、風情報として風取得部91に供給される。
具体的には、表示部12の上下方向に対向して配置された風検出部15−2及び風検出部15−4の各風情報に基づいて、風検出部15−2と風検出部15−4との間の各風力量の差分、即ち、上下方向の風の成分が求められる。当該差分に基づいて、即ち、上下方向の風の成分に基づいて、上下方向のカーソルの移動先の位置が算出される。
また、表示部12の左右方向に対向して配置された風検出部15−1及び風検出部15−3の各風情報に基づいて、風検出部15−1と風検出部15−3との間の各風力量の差分、即ち、左右方向の風の成分が求められる。当該差分に基づいて、即ち、左右方向の風の成分に基づいて、左右方向のカーソルの移動先の位置が算出される。
移動先算出部92は、算出したカーソルの移動先の位置を示す情報(以下、「カーソル移動先情報」と呼ぶ)をカーソル制御部93に供給する。
また、カーソル制御部93は、音検出部81から供給された音検出情報に含まれる息の音の種別が、風切音であった場合、ユーザによりクリック入力がなされたものとして、表示部12におけるカーソルをクリックする制御を実行する。
例えば、ユーザ入力対応処理は、本実施形態では、操作部56の電源釦の押下操作等、ユーザが位置入力を開始する指示操作を操作部56に対して行った場合、その指示操作を契機として開始される。
また例えば、CPU51は、後述する音入力処理において設定される風力センサ15−1乃至15−4の感度を初期状態に設定すると共に、感度アップフラグを0に設定する。
ここで、感度アップフラグとは、風力センサ15−1乃至15−4の感度が上げられたか否かを示すフラグである。風力センサ15−1乃至15−4の感度が上げられると、感度アップフラグは「1」に設定される(後述する図9のステップS55参照)。一方、風力センサ15−1乃至15−4の感度が下げられる(本実施形態では、感度は2値であって、低値が基準値とされているので、「感度が戻される」とも表現する)と、感度アップフラグは「0」に設定される(後述する図9のステップS58参照)。
それ以外にも様々な初期設定が行われるが、詳細の説明は省略する。
モードSW処理の詳細については図8を参照して後述する。
ステップS12のモードSW処理が終了すると、処理はステップS13に進む。
例えば、風向モードでは、表示部12におけるカーソルの移動先を、ユーザが息を吹きかける操作をすることによって、位置入力装置10が、当該操作を認識して、カーソルを移動先まで移動させる(そのように表示部12に表示させる)ように動作する。
また例えば、風向モードでは、カーソルが指し示すアイコン等の選択指示を、ユーザが風切音を出すように息を吹きかける操作をすることによって、位置入力装置10が、当該操作を認識して、アイコン等の選択をするように動作する。具体的には、アイコン等の選択により、アイコン等の移動、アイコン等に関連付けられたアプリケーションの起動、終了等の操作が行われる。
例えば、通常モードでは、表示部12におけるカーソルの移動先を、ユーザがマウスを移動させる操作をすることにより、位置入力装置10が、当該操作を認識して、カーソルを移動先まで移動させる(そのように表示部12に表示させる)ように動作する。
また例えば、通常モードでは、カーソルが指し示すアイコン等の選択指示を、ユーザがマウスのクリック操作により行い、位置入力装置10が、当該クリック操作を認識して、アイコン等の選択をするように動作する。
このような、通常モード時における位置入力装置10のCPU51が実行する処理を、以下、「ノーマル処理」と呼ぶ。
ステップS14において、CPU51は、ノーマル処理を行う。
その後処理は、ステップS12に戻される。
即ち、本実施形態では、ステップS12のモードSW処理で現在のモードが風向モードに切り替えられるまでの間、ステップS12、ステップS13:NO、及びステップS14のループ処理が繰り返し実行されて、ノーマル処理がその間継続して実行される。
音入力処理の詳細については、図9を参照して後述する。
ステップS15の音入力処理が終了すると、処理はステップS16に進む。
移動先算出処理の詳細については、図10を参照して後述する。
ステップS16の移動先算出処理が終了すると、処理はステップS17に進む。
クリック検出処理の詳細については、図11を参照して後述する。
ステップS17のクリック検出処理が終了すると、処理はステップS18に進む。
発音処理とは、所定の音を音出力部57から発生させる処理をいう。例えば、ステップS17のクリック検出処理においてクリック入力が検出された場合、マウスのクリック音(録音された音でもよいし、模擬的に作り出した音でもよい)を音出力部57から出力する処理が、発音処理の一部として実行される。
このようなステップS18の発音処理が終了すると、処理は、ステップS12に戻され、それ以降の処理が実行される。
即ち、本実施形態では、ステップS12の処理で現在のモードが通常モードに切り替えられるまでの間、ステップS12、ステップS13:YES、ステップS15乃至ステップS18のループ処理が繰り返し実行されて、風向モードによる処理、例えば移動先算出処理等がその間継続して実行される。
次に、図8を参照して、図7のユーザ入力対応処理のうち、ステップS12のモードSW処理の詳細な流れについて説明する。
上述したように、CPU51により、図7のステップS11の処理でイニシャライズが行われると、処理はステップS12に進み、モードSW処理として次のような処理が実行される。
ユーザがモードSW釦の押下操作をしていない状態では、SW操作が行われないため、ステップS31においてNOであると判定されて、モードSW処理は終了となる
モードの反転とは、位置入力装置10の動作モードとして、通常モードと風向モードとのうち、一方から他方に反転するように切り替える処理をいう。例えば、現在のモードが通常モードである場合に、モードSW釦のSW操作がなされた場合には、通常モードから風向モードに切り替わる。一方、現在のモードが風向モードである場合に、モードSW釦のSW操作がなされた場合には、風向モードから通常モードに切り替わる。
上述したように、CPU51により、現在のモードが風向モードであると判定されると、処理はステップS15に進み、音入力処理として次のような処理が実行される。
そして、音検出部81は、検出された音の音量及び種別を示す音検出情報を生成して、感度設定部82及びカーソル制御部93に供給する。
上述したとおり、感度アップフラグは、風力センサ15−1乃至15−4の感度が上げられたか又は下げられたのか(戻されたか)を示すフラグである。従って、この処理では、感度アップフラグが判定されることにより、現在の風力センサ15−1乃至15−4の感度が高い状態であるのか否かを判別することができる。
例えば、現在の風力センサ15−1乃至15−4の感度が低い状態の場合には、感度アップフラグは「0」になっており、このような場合、ステップS52においてYESであると判定されて、ステップS53乃至S55の処理が実行されて、必要に応じて感度が上げられる。
これに対して、例えば、現在の風力センサ15−1乃至15−4の感度が高い状態の場合には、感度アップフラグは「1」になっており、このような場合、ステップS52においてNOであると判定されて、ステップS56乃至S58の処理が実行されて、必要に応じて感度が下げられる(戻される)。
以下、感度アップフラグが「0」になっている場合に実行されるステップS53乃至S55の処理と、感度アップフラグが「1」になっている場合に実行されるステップS56乃至S58の処理との各々について、その順番に個別に説明する。
ステップS53において、感度設定部82は、吹かれノイズは−6dB以上であるか否かを判定する。
吹かれノイズが−6dB未満であると判定された場合には、ステップS53においてNOであると判定されて、音入力処理が終了となる。
即ち、感度アップフラグが「0」であり、かつ、音入力部13を通じて取得された音の音量が閾値より小さい場合には、感度設定部82は、ユーザによる位置入力操作が行われていないと判断して、各風力センサ15−1乃至15−4の感度を下げたままの状態にする。
即ち、感度アップフラグが「0」であるにも関わらず、音入力部13を通じて取得された音の音量が閾値より大きい場合には、感度設定部82は、ユーザによる位置入力操作が行われ始めたと判断して、各風力センサ15−1乃至15−4の感度を上げる。
これにより、音入力処理が終了する。
次に、現在の風力センサ15−1乃至15−4の感度が高い状態の場合の処理、即ち、感度アップフラグが「1」になっている場合の処理について説明する。このような場合、ステップS52においてNOであると判定されて、処理はステップS56に進む。
吹かれノイズが−20dBより大きいと判定された場合には、ステップS56においてNOであると判定されて、音入力処理が終了となる。
即ち、感度アップフラグが「1」であり、かつ、音入力部13を通じて取得された音の閾値以上の音量が発生している場合には、感度設定部82は、ユーザによる位置入力操作が継続して行われていると判断して、各風力センサ15−1乃至15−4の感度を上げた状態を継続させる。
即ち、感度アップフラグが「1」であるにも関わらず、音入力部13を通じて取得された音の音量が閾値より小さい場合には、感度設定部82は、ユーザによる位置入力操作が終了していると判断して、風力センサ15−1乃至15−4の感度を下げる。
これにより、音入力処理が終了する。
これに対し、ユーザが位置入力操作を使用していないときは、各風力センサ15−1乃至15−4の感度を下げることで、ノイズを拾うことを抑止して、クリック等価操作の誤検出等を減らし、その結果、位置入力装置1は、ユーザの息の吹きかけによる操作に対して正確な処理が可能となる。
このような音入力処理が終了すると、即ち、図7のステップS15の処理が終了し、処理はステップS16の移動先算出処理に進む。
そこで以下、図10を参照して、移動先算出処理の詳細な流れについて説明する。
図10は、図7のユーザ入力対応処理のうち、ステップS16の移動先算出処理の流れを説明するフローチャートである。
具体的には、表示部12の左右方向の各端縁のそれぞれ対向する位置に配置された風力センサ15−1,15−3の各風力量をそれぞれ、V1,V3とそれぞれ表記すると、移動先算出部92は、その差分として、V1−V3=Vxを算出する。同様に、表示部12の上下方向の各端縁のそれぞれ対向する位置に配置された風力センサ15−2,15−4の各風力量をそれぞれ、V2,V4とそれぞれ表記すると、移動先算出部92は、その差分として、V2−V3=Vyを算出する。
具体的には本実施形態では、カーソルの移動先の位置は、カーソルの現在の位置に対する、左右方向の移動量と、上下方向の移動量とによって算出される。
即ち、風力量の差分Vxに基づき、表示部12の左右方向におけるカーソルの移動量が算出される。また、風力量の差分Vyに基づき、表示部12の上下方向におけるカーソルの移動量が算出される。
図11は、風力量の差分とカーソルの移動量との関係を示す図である。
図11に示すように、カーソルの移動量は、風力量の差分を入力とする一次関数の出力として得られる。
例えば、移動先算出部92は、ステップS72の処理で算出した表示部12の左右(x軸)方向における差分Vxを入力パラメータとして図11の一次関数に代入すると、カーソルの左右方向の移動量として+60pixelを得ることができる。
同様に、移動先算出部92は、ステップS72の処理で算出した表示部12の上下(y軸)方向における差分Vyを入力パラメータとして図11の一次関数に代入すると、カーソルの上下方向の移動量として+100pixelを得ることができる。
具体的には、表示部12において、ステップS73の処理で算出された左右方向の移動量の分だけ左右方向に、ステップS73の処理で算出された上下方向の移動量の分だけ上下方向に、それぞれカーソルが移動される。
図12に示す原点(X軸とY軸の交点)は、カーソルの現在位置を示している。そして、X軸の方向が左右方向とされており、特に、X軸の正方向が右方向とされ、X軸の負方向が左方向にされている。また、Y軸の方向が上下方向とされており、特に、Y軸の正方向が上方向とされ、Y軸の負方向が下方向にされている。
例えば、上述の例ではステップS73の処理で算出された左右方向(X軸方向)の移動量は+60pixelであることから、X軸の+方向、即ち右方向に60pixel分だけカーソルが移動される。また、ステップS73の処理で算出された上下方向(Y軸方向)の移動量は+100pixelであることから、Y軸の+方向、即ち上方向に100pixel分だけカーソルが移動される。
そこで以下、図13を参照して、クリック検出処理の詳細な流れについて説明する。
図13は、図7のユーザ入力対応処理のうち、ステップS17のクリック検出処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS91の処理で検出された音の種別が、風切音以外の種別であった場合や、風切音が−3dB未満であると判定された場合には、ステップS92においてNOであると判定されて、クリック検出処理が終了する。
即ち、音入力部13を通じて一定音量以上の風切音が取得できない場合には、音検出部81は、ユーザによるクリック入力が行われていないと判断して、クリック検出処理を終了させる。
この処理が終了するとクリック検出処理が終了する。
風検出部15は、複数の風力センサとして構成され、複数の風力センサが配置された複数位置における風に関する物理量として、風力を検出する。
移動先算出部92は、風検出部15により検出された各物理量(風力)に基づいて、表示部12におけるオブジェクト(カーソル)の移動先の位置を算出する。
このように、複数位置における風に関する各物理量に基づいてオブジェクトの移動先を算出することで、オブジェクトの移動先として適切な位置(ユーザが指示した位置)を算出することができる。このように、ユーザは、手指を触れることなく手軽にオブジェクト(カーソル)の位置を入力することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態に係る位置入力装置について説明する。
第1実施形態では、風検出部15は、4つの風力センサとして構成され、4つの風力センサの各々が配置された位置(4つの位置)における風に関する物理量として、風力量の検出を行っていた。
これに対し、第2実施形態で、図示はしないが、風力センサ15は、風力センサに換えて、感圧パッドにおける複数の感圧スイッチとして構成され、複数の感圧スイッチの各々が配置された位置(複数位置)における風に関する物理量として、風圧を検出する。
即ち、第1実施形態の位置入力装置10は、図6の各風検出部15−1乃至15−4により検出された各風の物理量の差分を算出し、算出した物理量の差分に基づいて、オブジェクトの一例としてのカーソルの移動先の位置を算出する。
これに対し、第2実施形態の位置入力装置10は、風検出部15を構成する、格子状に形成された各感圧スイッチの各々における風圧に基づいて、風の圧力分布を算出し、算出した圧力分布に基づきカーソルの移動先の位置を算出する。
なお、本発明の第2実施形態に係る撮像装置のハードウェアの構成は、第1実施形態に係る位置入力装置10の図1のハードウェアの構成と基本的に同様の構成で実現することができる。
さらに、感圧スイッチは、無圧状態、即ち、風が当たっていない状態で、ブラックマスクと共通電極とを電気的に絶縁状態に保つと共に、圧力がかかった状態、即ち、風が当たった状態で導電性になるために、ブラックマスクと共通電極とを短絡することができる。
従って、位置入力装置10は、感圧スイッチに対し風が当たった場合には、その感圧スイッチが配置されている箇所においての導通状態を確認することで、当該箇所で風力を受けたと判断することができる。これに対し、位置入力装置10は、感圧スイッチに対し風が当たっていない場合には、その感圧スイッチが配置されている箇所においての非導通状態を確認することで、風力を受けていないと判断することができる。
図14は、本発明の第2実施形態に係る位置入力装置10において行われる移動先算出処理の流れを説明するフローチャートである。
第1実施形態と同様に、図7のユーザ入力対応処理において、CPU51により、ステップS15の音入力処理の実行が終了すると、処理はステップS16に進み、移動先算出処理として次のような処理が実行される。
具体的には、移動先算出部92は、格子状に配置された風検出部15として各感圧スイッチのうち、風力を受けたスイッチが配置された位置に、点をプロットした散布図を作成することによって、圧力分布を算出する。
具体的には、移動先算出部92は、ステップS112の処理で作成した圧力分布、即ち、各風力を受けた点をプロットした散布図のうち、プロット点が一番密集している部分を検索し、当該を部分を最大圧力部分として決定する。そして、移動先算出部92は、この決定した最大圧力部分の位置座標を算出する。
この処理が終了すると、移動先算出処理が終了する。
これにより、表示部12の表示面上に無数に配置された各感圧スイッチに基づき、ユーザが指示するカーソルの移動先の位置座標を適切に算出することができる。このようにして、ユーザは、手指を触れることなく手軽にオブジェクトの移動先の位置を入力することが可能となる。
しかしながら、本発明は、特にこれに限定されず、入力機能を有する電子機器一般に適用することができ、例えば、本発明は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯型ナビゲーション装置、ポータブルゲーム機等に幅広く適用可能である。
Claims (10)
- 表示部におけるオブジェクトの移動の指示を入力するためにユーザにより発生された風について、複数位置における前記風に関する物理量をそれぞれ検出する風検出手段と、
前記風検出手段により検出された各物理量に基づいて、前記ユーザにより移動が指示された前記オブジェクトの移動先の位置を算出する移動先算出手段と、
を備える位置入力装置。 - 前記風検出手段は、前記表示部の各端縁のそれぞれ対向する位置における風に関する物理量をそれぞれ検出し、
前記移動先算出手段は、前記風検出手段により検出された、前記対向する位置における各物理量の差分を演算し、前記差分に基づいてオブジェクトの移動先の位置を算出する、
請求項1に記載の位置入力装置。 - 前記移動先算出手段は、前記風検出手段により検出された各物理量の分布を求め、前記分布に基づいてオブジェクトの移動先の位置を算出する、
請求項1に記載の位置入力装置。 - 前記表示部において、前記移動先算出手段により算出された前記移動先の位置まで、カーソルを移動させる制御を実行するカーソル制御手段をさらに備える、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の位置入力装置。 - 前記カーソル制御手段は、さらに、前記風検出手段により取得された風の物理量の強さに基づいて、カーソルの移動速度の制御を実行する
請求項4に記載の位置入力装置。 - 音を検出する音検出手段と、
前記音検出手段によって検出された第1の音の音量に応じて、前記風検出手段の検出の感度を設定する感度設定手段と、
をさらに備える請求項4又は5に記載の位置入力装置。 - 前記カーソル制御手段は、さらに、前記音検出手段によって前記第1の音とは異なる第2の音が検出された場合に、前記カーソルが指し示すオブジェクトを選択するクリック入力がなされたと判断する制御を実行する、
請求項6に記載の位置入力装置。 - 前記第1の音と前記第2の音とは、それぞれ周波数が異なる音である、
請求項7に記載の位置入力装置。 - 表示部におけるオブジェクトの移動先の位置を算出する制御を実行する位置入力装置の位置入力方法であって、
表示部におけるオブジェクトの移動の指示を入力するためにユーザにより発生された風について、複数位置における前記風に関する物理量をそれぞれ検出する風検出ステップと、
前記風検出ステップにより検出された各物理量に基づいて、前記ユーザにより移動が指示された前記オブジェクトの移動先の位置を算出する移動先算出ステップと、
を含む位置入力方法。 - 表示部におけるオブジェクトの移動先の位置を算出する制御を実行する移動先算出手段を備える位置入力装置を制御するコンピュータに、
表示部におけるオブジェクトの移動の指示を入力するためにユーザにより発生された風について、複数位置における前記風に関する物理量をそれぞれ検出する風検出機能と、
前記風検出機能により検出された各物理量に基づいて、前記ユーザにより移動が指示された前記オブジェクトの移動先の位置を算出する移動先算出機能と、
を実現させるプログラム。
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