JP2012093018A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の搬送周波数において生じる雑音端子電圧を低減するとともに、実際の使用環境における他の電化製品等からの外来ノイズによる影響を抑制することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】電源供給用の複数本の電源線102、電源線103と通信線104とで室内機100と室外機200とが機器間接続されて、機器間で電源の供給と通信とを行う空気調和機1であって、受信側の機器(100/200)に送信する送信データを送信信号に変調する際に、その搬送周波数を、擬似乱数を用いることにより予め設定された所定の周波数範囲の中からランダムに選択する。
【選択図】図1
【解決手段】電源供給用の複数本の電源線102、電源線103と通信線104とで室内機100と室外機200とが機器間接続されて、機器間で電源の供給と通信とを行う空気調和機1であって、受信側の機器(100/200)に送信する送信データを送信信号に変調する際に、その搬送周波数を、擬似乱数を用いることにより予め設定された所定の周波数範囲の中からランダムに選択する。
【選択図】図1
Description
本発明は、室内機と室外機との間で双方向シリアル通信を行う空気調和機に関し、特に、シリアル通信におけるノイズを低減させる技術に関する。
セパレートタイプの空気調和機においては、空気調和機全体として最適な動作をさせるために、室内機と室外機との間で双方向シリアル通信を行って情報を伝達することが必要である。
例えば、室内機から室外機へは、リモコンを介した使用者による運転要求、設定温度の変更、タイマ、運転モードの変更、停止要求等の指令や、温度検出回路等から出力される室内温度や、室外機の冷媒圧縮機の電動機の回転数についての指令等を送信する。
また、室外機から室内機へは、室外機の冷媒圧縮機の回転数や、室外機の故障情報や、室外の温度情報等を送信する。
例えば、室内機から室外機へは、リモコンを介した使用者による運転要求、設定温度の変更、タイマ、運転モードの変更、停止要求等の指令や、温度検出回路等から出力される室内温度や、室外機の冷媒圧縮機の電動機の回転数についての指令等を送信する。
また、室外機から室内機へは、室外機の冷媒圧縮機の回転数や、室外機の故障情報や、室外の温度情報等を送信する。
上記の送受信は、室内機の制御回路と室外機の制御回路とが通信線等を介してシリアル通信を行うことによりなされる。また、室内機の制御回路と室外機の制御回路は、それぞれマイコン(マイクロコンピュータ:Microcomputer)を内蔵しており、一方の制御回路が他方の制御回路から送信されてくる情報に基づいて室内機又は室外機の動作を制御することにより、空気調和機全体として最適な動作を行うようにしている。
特許文献1には、AC電源供給用の2本の接続ケーブルのうち一本の接続ケーブルと、通信用の通信ケーブルとに一次側巻線の両端を接続した高周波トランスを室内機と室外機にそれぞれ設けた空気調和機が開示されている。また、当該空気調和機では、室内機の制御系手段は、複数の搬送波周波数の内のいずれか1つの搬送波周波数を出力可能とすることが開示されている。
特許文献1に記載の空気調和機では、通信用ケーブルの接続端子における雑音端子電圧を基準として、複数の搬送波周波数の内から1つの搬送波周波数を選択している。ここで、雑音端子電圧の測定は、通常、空気調和機を出荷する前の試験・検査において行われる。つまり、空気調和機において通常の使用環境条件下で種々の性能の確認試験が行われるが、その1つとして、接続ケーブルと通信用ケーブルにおける室内機側の端子を使って雑音端子電圧を測定する試験がある。
特許文献1に記載の空気調和機では、空気調和機の出荷前の検査等において、雑音端子電圧が測定され、それに基づいて、複数の搬送波周波数の中で最も雑音端子電圧が小さくなる搬送波周波数を選択する。したがって、特許文献1の空気調和機の場合、空気調和機の駆動中における搬送波周波数は一定である。
特許文献1に記載の空気調和機においては、室内機と室外機との通信信号が、高周波トランスを介して通信用ケーブルに重畳されている構成である。当該空気調和機では、その動作中において、高周波の搬送波周波数が一定であるため、特定周波数の雑音端子電圧等のノイズが大きくなるという問題がある。
また、他の電化製品から出されるノイズの周波数と一致してしまった場合、ノイズの影響による誤動作といった不具合が発生する可能性がある。
また、他の電化製品から出されるノイズの周波数と一致してしまった場合、ノイズの影響による誤動作といった不具合が発生する可能性がある。
本発明は、特定の搬送波周波数において生じる雑音端子電圧を低減することができる空気調和機を提供することを課題とする。
前記課題を解決し、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、電源供給用の複数本の電源線と通信用の通信線とで室内機と室外機とが機器間接続されて、機器間で電源の供給と通信とを行う空気調和機であって、送信側の通信制御部は、受信側の機器に送信する通信データを通信信号に変調する際に、該通信信号の搬送周波数を、擬似乱数を用いることにより予め設定された所定の周波数範囲の中からランダムに選択するように構成した。
すなわち、電源供給用の複数本の電源線と通信用の通信線とで室内機と室外機とが機器間接続されて、機器間で電源の供給と通信とを行う空気調和機であって、送信側の通信制御部は、受信側の機器に送信する通信データを通信信号に変調する際に、該通信信号の搬送周波数を、擬似乱数を用いることにより予め設定された所定の周波数範囲の中からランダムに選択するように構成した。
本発明により、特定の搬送波周波数において生じる雑音端子電圧を低減する空気調和機を提供することができる。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機1の回路構成図である。図1において、室内機100及び室外機200は交流電源101から供給される交流電力により駆動する。室内機100では、交流電源101から供給される交流電力がAC−DCコンバータ105を介し、直流電力としてマイコン106に供給される。AC−DCコンバータ105は、交流電源101から供給される交流電力を直流電力に変換し、マイコン106等の制御系を動作させるために必要な電圧を発生させる。マイコン106は、室内機100全体の運転制御を行うためのものである。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機1の回路構成図である。図1において、室内機100及び室外機200は交流電源101から供給される交流電力により駆動する。室内機100では、交流電源101から供給される交流電力がAC−DCコンバータ105を介し、直流電力としてマイコン106に供給される。AC−DCコンバータ105は、交流電源101から供給される交流電力を直流電力に変換し、マイコン106等の制御系を動作させるために必要な電圧を発生させる。マイコン106は、室内機100全体の運転制御を行うためのものである。
マイコン106にはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)107が接続されており、EEPROM107には予め、室内機100と室外機200との間で通信を行う際に用いられる搬送波の周波数範囲の設定が記憶されている。受信回路108はマイコン106に接続され、受信した通信信号を復調するための復調回路(図示せず)等を含み、室外機200からの通信信号を受信する。
送信回路109はマイコン106に接続され、変調のためのドライバ(図示せず)等を含み、室内機100のマイコン106からの通信信号を受け、室外機200に向けて送信する。室内機100と室外機200間には電源線102、電源線103、通信線104が接続されている。すなわち、電源供給用の2本の電源線102、電源線103と1本の通信線104とで室内機100と室外機200とが機器間接続されている。電源線102と電源線103は、交流電源101から室内機100側に供給される交流電力を室外機200に供給する。また、電源線103と通信線104は、室内機100と室外機200との間で送受信されるシリアル信号を伝達する。なお、電源線103は電力の供給と信号の伝達の両方の役割を兼ねている。
高周波トランス110は、通信信号の送受信のために用いられる。電源線103及び通信線104に接続された高周波トランス110の巻線は、コンデンサ111と並列共振回路を構成する。電源供給用パワーリレー(コイル側)112は室内機100のマイコン106に接続されており、マイコン106からの指令に従って、電源供給用パワーリレー(接点側)113を開閉させる。
ここで、電源線103及び通信線104に接続された高周波トランス110の巻線側を一次側とし、マイコン106側に接続された高周波トランス110の巻線側を二次側とする。また、電源線103及び通信線104に接続された高周波トランス210の巻線側を一次側とし、マイコン206側に接続された高周波トランス210の巻線側を二次側とする。
なお、室内機100の室内送風機(図示せず)等を駆動するための駆動回路(図示せず)や、室内送風機のモータ(図示せず)、室内機100の温度検出回路(図示せず)等については、説明を省略する。
なお、室内機100の室内送風機(図示せず)等を駆動するための駆動回路(図示せず)や、室内送風機のモータ(図示せず)、室内機100の温度検出回路(図示せず)等については、説明を省略する。
室外機200は、AC−DCコンバータ205、マイコン206、EEPROM207、受信回路208、送信回路209、高周波トランス210、コンデンサ211を備えるが、これらについては上記の説明と同様であるから、その説明を省略する。
なお、室外機200の冷媒圧縮機(図示せず)等を駆動するための駆動回路(図示せず)や、室外機200の温度検出回路(図示せず)等については、説明を省略する。
なお、室外機200の冷媒圧縮機(図示せず)等を駆動するための駆動回路(図示せず)や、室外機200の温度検出回路(図示せず)等については、説明を省略する。
室内機100と室外機200の間の信号の送受信について、図1を用いて説明する。通信信号は、室内機100から送信し、これを室外機200において受信する場合と、室外機200から送信し、これを室内機100において受信する場合とがある。ここでは例として、空気調和機1の使用者(図示せず)からリモコン(図示せず)を介した指示を受け、室内機100から室外機200に向けて通信信号を送信する場合について説明する。
室内機100では、受信部(図示せず)において使用者からリモコンを介した指示(例えば運転要求)を受信すると、マイコン106は、室外機200の電源供給用パワーリレー(コイル側)112に通電し、電源供給用パワーリレー(接点側)113をオンにする。また、受信部(図示せず)に接続されているマイコン106において、通信データを算出する。当該算出は、温度検出回路(図示せず)からの室内温度情報や、高周波トランス110を介して室外機200から受信した情報を加味して、総合的に行われる。なお「通信データ」とは、例えば、設定された室内温度にするために室外機の冷媒圧縮機の電動機を回転させる際の回転数等である。
マイコン106は、通信データを例えば8ビットで表現した矩形波の通信信号とし、当該通信信号を高周波の搬送波に乗せて送信回路109に送信する。送信回路109は、変調用ドライバ(図示せず)によってマイコン106からの通信信号を変調し、高周波トランス110の二次側巻線に送信(供給)する。高周波トランス110では、コア(図示せず)を介して一次側巻線に信号を出力する。ここで、高周波トランス110の一次側巻線と並列にコンデンサ111が接続されている。したがって、高周波トランス110の一次側巻線とコンデンサ111とが並列共振回路を形成し、通信信号の波形を正弦波に近い滑らかな形の信号に平滑化する。さらにこの平滑化された通信信号は、電源線103及び信号線104を介して室外機200に送信される。
室内機100から送信された通信信号は、電源線103及び通信線104を介して室外機200の高周波トランス210の一次側巻線に入力される。高周波トランス210の一次側巻線に入力された通信信号は、高周波トランス210のコア(図示せず)を介して二次側巻線に出力される。高周波トランス210の二次側巻線から出力された通信信号は受信回路208において復調され、マイコン206において受信される。
室内機100のマイコン106が算出した通信信号を搬送するための搬送波について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機1の通信信号のA点(図1参照)及びB点(図1参照)における信号波系図である。マイコン106において通信データ(例えば設定された室内温度等)が決定すると、マイコン106は、当該通信データを例えば8ビットで表現した矩形波信号として送信ポートから出力する。ここで、当該矩形波信号は、搬送波と合成された形で出力される。その際、通信データを表す矩形波信号を搬送するための搬送波の周波数については、マイコン106が、EEPROM107で設定された搬送波周波数の出力範囲の中から、室外機200へ送信する通信データごとに、擬似乱数を用いてランダムな周波数を算出する。
図2には搬送波周波数の出力範囲が3つ(a−x≦fa≦a+x,b−y≦fb≦b+y,c−z≦fc≦c+z)示されている。なお、図2においては、a−x≦fa≦a+xの周波数範囲を「fa:周波数a±x」と簡略化して記載しており、fbやfcについても同様である。また、fa、fb、fcは、上記の周波数範囲の信号そのものも表すことがあるものとする。また、EEPROM107には、搬送波周波数の出力範囲が記憶されており、EEPROM107に記憶する搬送波周波数の出力範囲は1つ(例えば、a−x≦fa≦a+x)である。
空気調和機1の検査段階において、複数の搬送波周波数の出力範囲(例えば、a−x≦fa≦a+x,b−y≦fb≦b+y,c−z≦fc≦c+z)から最適な搬送波周波数の出力範囲(例えば、a−x≦fa≦a+x)を決定し、空気調和機1の駆動時には当該出力範囲の中から搬送周波数を決定する。
空気調和機1の検査段階において、複数の搬送波周波数の出力範囲(例えば、a−x≦fa≦a+x,b−y≦fb≦b+y,c−z≦fc≦c+z)から最適な搬送波周波数の出力範囲(例えば、a−x≦fa≦a+x)を決定し、空気調和機1の駆動時には当該出力範囲の中から搬送周波数を決定する。
空気調和機1の検査段階における搬送波周波数の出力範囲の決定について説明する。空気調和機1は、通常の使用環境条件下で種々の性能の確認検査が行われる。特に、室内機100と室外機200との間の通信制御系における雑音端子電圧の確認検査においては、電源線103と通信線104における室内機100側の端子の雑音端子電圧を測定して検査を行う。当該雑音端子電圧の測定試験において、複数の搬送波周波数の出力範囲(例えば、a−x≦fa≦a+x,b−y≦fb≦b+y,c−z≦fc≦c+z)を切り替えてその都度、雑音端子電圧を測定し、最小の雑音端子電圧を出す搬送波の周波数範囲を調べる。このようにして、雑音端子電圧が最小である搬送波周波数の出力範囲(例えば、a−x≦fa≦a+x)を決定して採用し、EEPROM107において当該搬送波周波数の出力範囲の中から搬送波周波数を選択させるように設定する。
図2においては例として、室内機100から室外機200に送信する通信データ(例えば、設定温度)を8ビットで表現し、当該通信データを矩形波信号に変換した場合について示している。なお、通信データを8ビットではなく16ビットで表現してもよく、それら以外で表現してもよい。例えば室内機100から室外機200に向けて設定温度を示すデータを送信する場合、室内機100のマイコン106は、当該設定温度に対応するデータを8ビットで表現して矩形波信号に変換する。また、マイコン106はEEPROM107に予め記憶されている搬送波の周波数範囲内において、複数の周波数の中から、擬似乱数を用いて特定の搬送波周波数を選択する。さらに、マイコン106は、擬似乱数を用いて算出した周波数の搬送波と、設定温度に対応する8ビットの矩形波信号とを合成して、マイコン106の出力ポートから室外機200に向けて信号を送信する。
なお、図2の通信信号fa、fb、fcについては、それぞれ例として、通信信号の搬送波の周波数が2種類ずつ示されているが、雑音端子電圧を最小にする搬送波の周波数範囲(例えばa−x≦fa≦a+x)において、3つ以上の周波数の中から、擬似乱数を用いてランダムに選択することとしてもよい。
マイコン106は、EEPROM107において設定された搬送波の周波数範囲内(例えばa−x≦fa≦a+x)において、予め設定された複数の周波数の中から、擬似乱数を用いて特定の搬送波周波数を選択する。より具体的な例を挙げると、マイコン106は、20kHz〜25kHzの範囲内において、1kHzピッチで選択する。つまりこの場合マイコンは20kHz、21kHz、22kHz、23kHz、24kHz、25kHzの中から擬似乱数を用いてランダムに特定の周波数(例えば23kHz)を選択し、当該周波数の搬送波を用いてシリアル通信を行う。
上記の選択は、例えば、マイコン106が擬似乱数(例えば1〜9999までの擬似乱数)を生成し、当該擬似乱数を6で除して、その剰余(0,1,2,3,4,5)を20kHzに足すことで実行することができる。
上記の選択は、例えば、マイコン106が擬似乱数(例えば1〜9999までの擬似乱数)を生成し、当該擬似乱数を6で除して、その剰余(0,1,2,3,4,5)を20kHzに足すことで実行することができる。
なお、擬似乱数を用いた搬送波周波数の選択については詳細な説明を省略するが、ある設定された数値範囲内における複数の数値の中から特定の数値をランダムに選択できればよい。
ただしマイコン106は、算出された搬送波周波数が、ひとつ前の通信データを送る際に用いられた搬送波周波数と同じ場合には、再度搬送波周波数を計算し、前回と異なる搬送波周波数を選択するようにする。
ただしマイコン106は、算出された搬送波周波数が、ひとつ前の通信データを送る際に用いられた搬送波周波数と同じ場合には、再度搬送波周波数を計算し、前回と異なる搬送波周波数を選択するようにする。
マイコン106は、EEPROM107において設定された周波数範囲内(例えば、a−x≦fa≦a+x)において複数の周波数の中からランダムに選択された周波数の搬送波と、例えば8ビットの矩形波で表現された通信データとを合成してA点信号(図1、図2参照)を送信する。マイコン106は、さらに、次の通信データについて前回とは異なる搬送波周波数を選択し、当該周波数の搬送波と通信データとを合成してA点信号を送信するというように、通信データごとに逐次計算し、送信する。
なお、マイコン106は、例えば8ビットで表現された複数の通信データについて、それぞれの通信データに対し、所定の周波数範囲内の複数の周波数の中からランダムに選択された周波数の搬送波を合成して、それらをひとまとまりとして一度に送信するようにしてもよい。
なお、マイコン106は、例えば8ビットで表現された複数の通信データについて、それぞれの通信データに対し、所定の周波数範囲内の複数の周波数の中からランダムに選択された周波数の搬送波を合成して、それらをひとまとまりとして一度に送信するようにしてもよい。
図1では、マイコン106の送信ポートから、通信データ(例えば、設定温度)に相当する矩形波信号と搬送波信号とを合成して、通信信号を送信している。しかし、マイコン106の送信ポートから通信データに相当する矩形波信号を出力し、マイコン106の別ポートから搬送波信号を出力し、室内機100内の回路においてそれらを合成するようにしてもよい。
なお、実際の空気調和機において、EEPROM107を用いた搬送波周波数の設定の具体例は、30kHz±10kHzの周波数範囲で1〜数kHzピッチである。この数値は一例であって、空気調和機の定格出力や使用条件によって搬送波周波数の設定範囲は異なる。
上記の手順により、矩形波としてマイコン106の送信ポートから出力されたA点信号は、室内機100の高周波トランス110において二次側巻線に送信される。高周波トランス110の二次側巻線に送信された通信信号は、高周波トランス110の一次側巻線に伝達され、高周波トランス110の一次側巻線とコンデンサ111によって形成される並列共振回路によって正弦波に近い滑らかな形の通信信号に平滑化される。さらにこの平滑化された通信信号は、電源線103及び通信線104を介して室外機200に送信される。図2に、矩形波が平滑化されて正弦波に近い滑らかな形になったB点(図1参照)信号を示す。
図3は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機1の室内機100のマイコン106から通信信号を送信する場合のフローチャートである。ステップS301において、室内機100のマイコン106は、室外機200に向けてデータ送信を開始する。データ送信は、例えば、リモコン(図示せず)を介した使用者(図示せず)からの運転要求、設定温度の変更、停止要求等の指令をマイコン106が受信することにより開始される。
ステップS302において、マイコン106は、室外機200へ送信する通信データを算出し、矩形波信号に変換する。ステップS303において、マイコン106は擬似乱数を用いて、EEPROM107に記憶されている搬送波周波数の周波数範囲から、特定の搬送波周波数を算出する。ステップS304において、マイコン106は、ステップS303で算出した搬送波周波数が前回に算出した搬送波周波数と同じかどうか判定する。つまり、マイコン106は、ステップS303で算出した搬送波周波数と、メモリ(図示せず)に記憶されている、前回算出した搬送波周波数とを比較する。
ステップS304において、マイコン106は、ステップS303で算出した搬送波周波数が前回に算出した搬送波周波数と同じ場合には(ステップS304→Yes)ステップS303にリターンし、搬送波周波数を再度計算する。ステップS304において、マイコン106は、ステップS303で算出した搬送波周波数が前回に算出した搬送波周波数と異なる場合には(ステップS304→No)、ステップS305に進む。
ステップS305において、マイコン106は、次回の搬送波周波数の決定に用いるために、今回算出した搬送波周波数をメモリ(図示せず)に記憶させる。ステップS306において、マイコン106は、ステップS302において算出した通信データに相当する矩形波信号とステップS303において算出した周波数の搬送波信号とを合成し、マイコン106の送信ポートから室外機200に向けて通信信号を送信する。
ステップS307において、マイコン106は、すべての通信データを室外機200に送信したか否か判定する。すべての通信データを室外機200に送信した場合には(ステップS307→Yes)、マイコン106は、データ送信を終了する(ステップS309)。室外機200に送信すべき通信データが残っている場合には(ステップS307→No)、ステップS308に進む。ステップS308において、マイコン106は、次の通信データを準備し、ステップS303にリターンする。
以上、室内機100から通信信号を送信し、室外機200において受信する場合について説明したが、本実施形態は、室外機200から通信信号を送信し、室内機100において受信する場合にも適用することができる。室外機200から通信信号を送信し、室内機100において受信する場合については上記の説明と重複するので、その説明を省略する。
第1実施形態では、EEPROM107において設定された範囲内において、マイコン106が擬似乱数を用いて搬送波の周波数を計算する。つまり、搬送波の周波数はランダムに変更されるため、特定の搬送波周波数において生じる雑音端子電圧を低減することができる。さらに、実際の使用環境において、他の電化製品等からの外来ノイズによる影響を抑制することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機1の回路構成図である。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、2台の室内機100、400が1台の室外機200に接続されている点が異なる。なお、図2には交流電源201が室外機200側から供給されているが、室内機100及び室内機400から供給してもよい。ただし、交流電源を室内機100及び室内機400から供給する場合、室内機100と室内機400のうち少なくとも1台が駆動している場合には、室外機200も駆動するよう設定しておくこととする。
図4は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機1の回路構成図である。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、2台の室内機100、400が1台の室外機200に接続されている点が異なる。なお、図2には交流電源201が室外機200側から供給されているが、室内機100及び室内機400から供給してもよい。ただし、交流電源を室内機100及び室内機400から供給する場合、室内機100と室内機400のうち少なくとも1台が駆動している場合には、室外機200も駆動するよう設定しておくこととする。
室外機200には、室内機100に接続された電源線103と通信線104に一次側巻線が接続された高周波トランス210が配置されている。高周波トランス210の二次側巻線には、室外機200のマイコン206に接続された受信回路408及び送信回路409が接続されている。
また、室外機200には、室内機400に接続された電源線403と通信線404に一次側巻線が接続された高周波トランス410が配置されている。高周波トランス410の二次側巻線には、室外機200のマイコン206に接続された受信回路208及び送信回路209が接続されている。
また、室外機200には、室内機400に接続された電源線403と通信線404に一次側巻線が接続された高周波トランス410が配置されている。高周波トランス410の二次側巻線には、室外機200のマイコン206に接続された受信回路208及び送信回路209が接続されている。
なお、図4における回路構成の詳細については、第1実施形態においてした説明と重複するので、その説明を省略する。室内機100及び室内機400と、室外機200との間では双方向のシリアル通信が行われるが、ここでは例として、室外機200から室内機100及び室内機400に同時に通信データ(例えば、室外機200の冷媒圧縮機の回転数)を送信する場合について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る空気調和機1の室外機200のマイコン206から通信信号を送信する場合のフローチャートである。
ステップS501においてマイコン206は、室内機100及び室内機400に向けてデータ送信を開始する。次に、ステップS502においてマイコン206は、室内機100及び室内機400へ送信する通信データを算出し、矩形波信号に変換する。さらに、ステップS503においてマイコン206は、擬似乱数を用いてEEPROM207に記憶されている搬送波周波数の周波数範囲から、特定の搬送波周波数を算出する。当該搬送波周波数については、室内機100へ送信する通信データの搬送波周波数と、室内機400へ送信する通信データの搬送波周波数とを算出する。なお、擬似乱数を用いた搬送波周波数の算出の詳細については、第1実施形態において説明をしたので、その説明を省略する。
ステップS504においてマイコン206は、室内機100に送信するための搬送波について、今回算出した搬送波周波数が前回に算出した搬送波周波数と同じかどうか判定する。同様に、ステップS504においてマイコン206は、室内機400に送信するための搬送波についても、今回算出した搬送波周波数が前回に算出した搬送波周波数と同じかどうか判定する。
ステップS501においてマイコン206は、室内機100及び室内機400に向けてデータ送信を開始する。次に、ステップS502においてマイコン206は、室内機100及び室内機400へ送信する通信データを算出し、矩形波信号に変換する。さらに、ステップS503においてマイコン206は、擬似乱数を用いてEEPROM207に記憶されている搬送波周波数の周波数範囲から、特定の搬送波周波数を算出する。当該搬送波周波数については、室内機100へ送信する通信データの搬送波周波数と、室内機400へ送信する通信データの搬送波周波数とを算出する。なお、擬似乱数を用いた搬送波周波数の算出の詳細については、第1実施形態において説明をしたので、その説明を省略する。
ステップS504においてマイコン206は、室内機100に送信するための搬送波について、今回算出した搬送波周波数が前回に算出した搬送波周波数と同じかどうか判定する。同様に、ステップS504においてマイコン206は、室内機400に送信するための搬送波についても、今回算出した搬送波周波数が前回に算出した搬送波周波数と同じかどうか判定する。
室内機100に送信するための搬送波周波数と室内機400に送信するための搬送波周波数のいずれもが前回算出した周波数と異なる場合には(ステップS504→No)、ステップS505に進む。室内機100に送信するための搬送波周波数と室内機400に送信するための搬送波周波数のいずれか一方又は両方が、前回算出した周波数と同じ場合には(ステップS504→Yes)、その搬送波の周波数を再度算出する(ステップS503にリターン)。
マイコン206はさらに、今回算出した、室内機100に送信するための搬送波の周波数と、室内機400に送信するための搬送波の周波数とを比較する(ステップS505)。室内機100に送信するための搬送波の周波数と室内機400に送信するための搬送波の周波数とが異なる場合には(ステップS505→No)、ステップS506に進む。ステップS506〜ステップS510は、図3のフローチャートの305〜309と同様であるため、説明を省略する。
室内機100に送信するための搬送波の周波数と室内機400に送信するための搬送波の周波数とが同じ場合には(ステップS505→Yes)、一方又は両方の搬送波の周波数を再度計算する(ステップS503にリターン)。
以上の第2実施形態の説明では、1台の室外機200に対して室内機が2台(室内機100、室内機400)接続されている場合について説明したが、本実施例は1台の室外機200に対して室内機が3台以上接続されている場合にも適用することができる。この場合、同時刻における室外機200から各室内機への搬送波周波数が異なるものとなるように設定する。
第2実施形態では、EEPROM207において設定された搬送波の周波数範囲の中で、マイコン206が擬似乱数を用いて特定の周波数(室内機100に送信するための搬送波の周波数と、室内機400に送信するための搬送波の周波数)を算出する。さらにマイコン206は、室内機100に送信するための搬送波の周波数と室内機400に送信するための搬送波の周波数とを比較して、両者が異なることを条件に、室内機100への通信データ及び室内機400への通信データに対して各々の搬送波を合成する。
したがって、本実施形態では、室内機100への搬送波の周波数と室内機400への搬送波の周波数とが一致することによって共振し、ノイズが発生することを防止することができる。
100、400 室内機(機器)
101、201 交流電源
102、402 電源線
103、403 電源線
104、404 通信線
105、205 AC−DCコンバータ
106、206 マイコン(通信制御部)
107、207 EEPROM(不揮発性メモリ)
108、208、408 受信回路
109、209、409 送信回路
110、210、410 高周波トランス
111、211、411 コンデンサ
112 電源供給用パワーリレー
113 電源供給用パワーリレー
200 室外機(機器)
101、201 交流電源
102、402 電源線
103、403 電源線
104、404 通信線
105、205 AC−DCコンバータ
106、206 マイコン(通信制御部)
107、207 EEPROM(不揮発性メモリ)
108、208、408 受信回路
109、209、409 送信回路
110、210、410 高周波トランス
111、211、411 コンデンサ
112 電源供給用パワーリレー
113 電源供給用パワーリレー
200 室外機(機器)
Claims (3)
- 電源供給用の複数本の電源線と通信用の通信線とで室内機と室外機とが機器間接続されて、機器間で電源の供給と通信とを行う空気調和機であって、
前記室内機と前記室外機は、それぞれ、
通信を制御する通信制御部と、
一次側巻線の一端側に前記複数本の電源線のうちの通信に併用する1本の電源線が接続されるとともに一次巻線の他端側に前記通信線が接続され、かつ、二次巻線の一端側と他端側とに前記通信制御部が接続される高周波トランスと、を備え、
前記通信制御部は、
相手側の機器に送信する通信データを通信信号に変調して自身の側の前記高周波トランスの二次巻線に供給する際に、前記通信信号の搬送周波数を、擬似乱数を用いることにより、予め設定された所定の周波数範囲の中からランダムに選択すること
を特徴とする空気調和機。 - 送信側となる前記通信制御部は、前記通信信号の搬送周波数の周波数範囲が記憶されている不揮発性メモリを備え、
前記送信側となる通信制御部は、前記不揮発性メモリに記憶されている前記周波数範囲を参照して、前記周波数範囲の中から搬送周波数をランダムに選択すること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記室外機に接続された前記室内機が2台以上である空気調和機において、前記室外機から前記室内機に通信信号を送信する際に、
前記送信側となる通信制御部は、同時刻において各室内機に送信する前記通信信号の搬送周波数がそれぞれ異なるものとなるように制御すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010239499A JP2012093018A (ja) | 2010-10-26 | 2010-10-26 | 空気調和機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010239499A JP2012093018A (ja) | 2010-10-26 | 2010-10-26 | 空気調和機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012093018A true JP2012093018A (ja) | 2012-05-17 |
Family
ID=46386543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010239499A Withdrawn JP2012093018A (ja) | 2010-10-26 | 2010-10-26 | 空気調和機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012093018A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111801531A (zh) * | 2018-03-01 | 2020-10-20 | 大金工业株式会社 | 空气调节系统 |
US20220170657A1 (en) * | 2019-03-29 | 2022-06-02 | Daikin Industries, Ltd. | Device network system |
-
2010
- 2010-10-26 JP JP2010239499A patent/JP2012093018A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111801531A (zh) * | 2018-03-01 | 2020-10-20 | 大金工业株式会社 | 空气调节系统 |
US20220170657A1 (en) * | 2019-03-29 | 2022-06-02 | Daikin Industries, Ltd. | Device network system |
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