JP2012092270A - 鶏糞処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多大な燃料を必要としない、タール状物質を分解させてその分解ガスを補助燃料として再利用する高エネルギー効率の、またタール物質の洗浄排出の必要性が低減された維持管理の容易な鶏糞を炭化または灰化するための実用性の高い鶏糞処理装置を提供する。
【解決手段】
ロータリーキルン内またはロータリーキルンに接して直結して、熱処理により発生する常温ではタール物質となる重質ガスの分解を促進するニッケル担持褐炭およびニッケル担持アルミナを含むニッケル系触媒、あるいは、リモナイトを含む鉄系触媒などの第VIII族の金属系触媒が充填された重質ガス分解装置が設けられ、該重質ガス分解装置から排出された熱分解ガスを補助燃料として使用することが可能な設備が設けられていることを特徴とし、熱処理温度が500℃から700℃の範囲内であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、鶏糞を炭化または灰化するための鶏糞処理装置に関する。
地球環境対策の一環として、大量に発生している家畜糞からのエネルギー獲得、再資源化が急務となっている。従来から家畜糞の処理方法としては堆肥化が主流となっているが、その堆肥が余剰傾向にあり炭化処理や活性炭化処理、焼却灰化処理することが行われてきている。鶏糞も炭化処理や活性炭化処理、焼却灰化処理が行われているがこれらの処理炉は高温で稼動させることが一般的であり使用する燃料や電気などエネルギーが多大となっている。
具体的には例えば鶏糞を800℃程度の高温で炭化し、900℃から1000℃程度で水蒸気を導入して鶏糞活性炭を製造する方法や、エマルジョン燃料を煙霧状にして1000℃で鶏糞を処理し、鶏糞の炭化粒製品と可燃性ガスを得る方法、鶏糞などの生物系廃棄物を連続式に燃焼させる小型炉、回転ドラム式で鶏糞炭を製造する炉、燃焼油を鶏糞に混合した後焼却する方法などが知られている(特許文献1、2、3、4および5)。しかしながらこれらの方法は実質的に800℃以上の高温で処理することが必須であり、多大な燃料を必要し、処理コストが高くなる欠点を有する。さらに1000℃のような高温に耐える炭化焼成炉では、使用する材料を例えば高価なクロム系セラミックやインコネルのような金属材料にすることが不可欠となり、例えば700℃に耐えれば十分である低温熱処理炉の場合の材料セメント系セラミックや鉄材に比較し設備費が高くなる欠点を有する。
これらの高温処理での欠点を改良する方法として比較的低温で処理する方法も知られている。例えば鶏糞などの畜糞を還元雰囲気で300℃から500℃で熱分解させ、ガス成分と炭化物を得、さらに当該炭化物に微量の酸素を導入して灰化物を得る方法や500℃から700℃程度で部分炭化し炭化肥料を製造する方法が知られている(特許文献6および7)。しかしながらこれら比較的低温での処理炉においては、当該温度に応じて多岐にわたる分解生成物が炉内に発生する。低分子の分解生成物はガス成分として得られるが比較的高分子の重質ガス生成物はいわゆるタール状物質と呼ばれ室温では液状となり、炉内にとどまって堆積し、炉の損傷を招く原因となるだけでなく、その洗浄排出のために定期的に多くの労力と時間を要し、結果的に製造物のコストアップの要因となる欠点を有することに加え、洗浄排出されたタール状物質は利用されずに二次廃棄物として処理されなければならず、エネルギーロスと環境問題の両方に課題を残す。
また、具体的な処理温度の開示はないが、例えば鶏糞などを多段式で乾燥、炭化、灰化する方法や、無酸素状態での炭化処理室と有酸素状態での燃焼室とを備えた炭化焼却炉などが提案されている(特許文献8および9)。しかしながらこれらの方法においても、比較的低温で処理するとタール物質の生成が避けられず、炉の損傷の問題や維持管理に多大の費用が必要になる。また得られる炭化物や灰化物にタール臭が残存し、製品とした場合には付加価値が低下する課題がある。さらには燃焼させる場合は800℃以上の温度になることが実質的に避けられず、前述した欠点を有する。
重質ガス分解装置を設け流動床式により低温で家畜排せつ物をガス化分解する処理方法も知られている(特許文献10)。しかしこの処理方法では装置の初期設備費とランニングコストが膨大となり、処理する家畜排せつ物の処理量を極めて多大にするか、他のエネルギー蓄積の多いバイオマス原料と混合使用しないと経済性が成り立たず、バイオマスの収集課題という実用面で欠点を有する。
本発明は、多大な燃料を必要としない、タール状物質を分解させてその分解ガスを補助燃料として再利用する高エネルギー効率の、またタール物質の洗浄排出の必要性が低減された維持管理の容易な鶏糞を炭化または灰化するための実用性の高い鶏糞処理装置を提供する。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1発明は、鶏糞を炭化または灰化するための鶏糞処理装置であって、
内熱式のロータリーキルンと、
前記ロータリーキルン内または該ロータリーキルンに接して直結して、該ロータリーキルンによる鶏糞の熱処理により発生する常温ではタール物質となる重質ガスの分解を促進する触媒が充填された重質ガス分解装置と
を備え、
前記重質ガス分解装置から排出された熱分解ガスを前記ロータリーキルンのバーナーに導き補助燃料として使用することを特徴とする。
内熱式のロータリーキルンと、
前記ロータリーキルン内または該ロータリーキルンに接して直結して、該ロータリーキルンによる鶏糞の熱処理により発生する常温ではタール物質となる重質ガスの分解を促進する触媒が充填された重質ガス分解装置と
を備え、
前記重質ガス分解装置から排出された熱分解ガスを前記ロータリーキルンのバーナーに導き補助燃料として使用することを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
前記重質ガス分解装置に充填される触媒は、ニッケル担持褐炭およびニッケル担持アルミナを含むニッケル系触媒、あるいは、リモナイトを含む鉄系触媒などの第VIII族の金属系触媒であることを特徴とする。
前記重質ガス分解装置に充填される触媒は、ニッケル担持褐炭およびニッケル担持アルミナを含むニッケル系触媒、あるいは、リモナイトを含む鉄系触媒などの第VIII族の金属系触媒であることを特徴とする。
第3発明は、第1または第2発明において、
前記ロータリーキルンによる鶏糞の熱処理温度が500℃から700℃の範囲内であることを特徴とする。
前記ロータリーキルンによる鶏糞の熱処理温度が500℃から700℃の範囲内であることを特徴とする。
本発明によれば例えば鶏糞を800℃程度の高温で炭化し、900℃から1000℃程度で水蒸気を導入して鶏糞活性炭を製造する方法や、エマルジョン燃料を煙霧状にして1000℃で鶏糞を処理し、鶏糞の炭化粒製品と可燃性ガスを得る方法、鶏糞などの生物系廃棄物を連続式に小型炉で燃焼させる方法、回転ドラム式により高温で鶏糞炭を製造する方法、燃焼油を鶏糞に混合した後高温で焼却する方法などとは異なり、500℃から700℃の範囲の低温で炭化およびまたは灰化するため多大な燃料を必要としない。重質ガス分解装置により室温ではタール状物質となる重質ガスが分解され低分子の熱分解ガスとなり、これを補助燃料として利用するためエネルギー効率が向上する。
また、1000℃のような高温に耐える炭化焼成炉を製造するためには、使用する材料を例えば高価なクロム系セラミックやインコネルのような金属材料にすることが不可欠となるが、本発明のキルン型低温熱処理炉装置の場合、700℃に耐え得ればよく、セメント系セラミックや鉄材が使用でき、設備費が削減でき合理的価格で実用性の高い装置が提供できる。その結果として低価格の炭化物または灰化物を製造することが出来る。また低温で炭化または灰化するため、鶏糞中に存在する炭酸カルシウムの酸化が抑制され、酸化カルシウムの少ない高機能の炭化物、灰化物が得られる効果がある。酸化カルシウムが多いと土壌のアルカリ性を極度に高めてしまい肥料などには適さないことが知られている。
また、従来行われてきた低温で処理する方法と異なり、本発明では、重質ガス分解装置により多岐にわたる重質分解生成物がタール状物質として炉内に発生することが抑制され、炉の損傷を招くことが少なく、その洗浄排出のために定期的に多大の労力と時間を要することも少ない、結果的に炭化物、灰化物のコストアップが避けられる効果がある。
さらにはタール状物質の洗浄排出物を二次廃棄物として処理する必要が少ないため環境汚染問題も改善できる効果がある。また本発明により製造される鶏糞の炭化物や灰化物はリンを多く含有することから、肥料や土壌改良剤のほか、リン資源としても有用である。
本発明の鶏糞を炭化または灰化するためのロータリーキルン型低温熱処理炉装置の概略構成を図1に示した。
原料として投入使用する鶏糞1は、鶏舎から直接排出される生の鶏糞を使用する。鶏糞は他の家畜糞に比較し、排泄された時点での水分含有率が低く、そのまま炉の中に投入してもエネルギーの消費が少なくて済む。鶏糞を堆肥化して肥料として利用されているものも原料として使用して差し支えない。なお他の家畜糞、例えば豚糞なども原料として炭化または灰化が可能であるが、乾燥処理などの前処理による水分調整などが必要となることに加え、灰化物の利用においても鶏糞のそれに比較し有用性が低いため原料としては最良ではない。
鶏糞1は無機成分が多く、かさ比重が高いためロータリーキルン型の熱処理炉での処理が最適である。鶏糞1は撹拌機が設けられた投入ホッパー2から搬送スクリューにより搬送されてロータリーキルン3に入る。炉の径や羽根4の大きさや形などは原料の鶏糞1の炉内搬送に適した設計が必要であるが、その構造は特に限定されない。
重質ガス分解装置5は炉内または、炉に接して直結されていることが必要である。粉塵を除去するための集塵装置9などを重質ガス分解装置5の手前に設けることもできる。バーナーポンプなどを備えた熱風発生装置8により熱風を炉内に送り込み、鶏糞1の炭化または灰化を行う。鶏糞1の熱分解により発生する常温ではタール状物質となる重質ガスは、重質ガス分解装置5を通過することにより発生と同時または極めて短時間のうちに触媒と接触させて低分子の熱分解ガスに変換させる。このことにより炉内のタール状物質発生とその堆積を極少にすることができる。
重質ガス分解装置5の内部構造は特に限定されず、発生する重質ガスが内部に装填された触媒に効率よく接触するように設計されていれば良い。なお、触媒の劣化と消耗を防止する目的で、重質ガス分解装置5内へ必要に応じて窒素やアルゴンなどの不活性ガスを、不活性ガス供給装置10から配管11を通して導入することもできる。またこの不活性ガスはロータリーキルン3内にも導入することができ、それにより炉内の酸素濃度を制御し、炭化または灰化の制御をすることができる。得られる炭化物、灰化物の性能や機能に応じて不活性ガスの導入量を増減する。
炉内の酸素濃度が3%を超えない範囲で運転すると炭化物を収率よく製造できる。得られる炭化物は、従来技術の低温で得られる炭化物に比較し、表面に付着したり内部に侵入したりしたタール状物質が少ないため異臭が少なく土壌改良剤などとして有用である。また同じく酸素濃度が15%を超える範囲で運転すると有機分の少ない灰化物が得られ、肥料用やリン資源用として活用できる。
炉内での処理温度は500℃から700℃の範囲が良く、500℃未満だと重質ガス分解装置5の能力が十分に発揮されずタール物質の堆積が生じ易くなり、700℃を超えると熱風発生装置8に供給する燃料の使用量、すなわちエネルギーが多大になり好ましくない。使用するエネルギーと重質ガス分解装置5の機能、また炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの変化を防ぐことを考慮すると550℃から650℃の範囲が最も好ましい。
炉内処理温度が700℃を超えると炉の材料も安価なセメント系セラミックや鉄材では耐熱性に問題が生じ、高価なクロム系セラミックやインコネルなどを使用しなくてはならず設備費が高くなり好ましくない。材料の低価格化により、実質的に概略70%の設備費低減が可能となり、単純に試算しても生成物である鶏糞炭化物や鶏糞灰の製造コストを50%以上カットすることができる。
重質ガス分解装置5に充填する触媒は、ニッケル担持褐炭およびニッケル担持アルミナを含むニッケル系触媒、あるいは、リモナイトを含む鉄系触媒などの第VIII族の金属系触媒が良い。特にニッケル担持褐炭は安価であり装置コストを低減できる。重質ガスが分解されて生成した水素や一酸化炭素、メタン、エチレン、エタンなどの低分子物質は分解ガス配管7を通りバーナー12に導かれ補助燃料として利用され、使用エネルギーの効率が向上する。
鶏糞原料1は一定の処理の後、排出容器6に排出される。処理時間、すなわちロータリーキルン3内での滞留時間も得られる炭化物や灰化物の性質に影響を与える。処理時間については特に限定されないが、炭化物の残存が少ない、肥料やリン資源としての良質の灰化物を得るためには酸素濃度が15%の場合500℃ではおよそ1時間を越える処理が必要であり、700℃の場合でも40分程度以上を超えて処理する必要がある。これ以上の処理時間を要しても灰化物の成分や機能に大きな変化はなくエネルギーの損失となり好ましくない。もちろんこれら処理時間以内で得られる炭化物残存灰化物は土壌改良剤などとして利用できる。
また鶏糞原料1にあらかじめ本発明のニッケル担持褐炭およびニッケル担持アルミナを含むニッケル系触媒、あるいは、リモナイトを含む鉄系触媒などの第VIII族の金属系触媒を混合した後、本発明の内熱式ロータリーキルン型低温熱処理炉装置で処理しても良い。この場合は排出された炭化物、灰化物から触媒を除去すれば良好な灰化物、炭化物がえられる。ロータリーキルン3内またはロータリーキルン3に接して直結して設けられた重質ガス分解装置5で処理した場合と同様に炉内へのタール状物質の堆積は少ない。
炉内の酸素濃度については特には限定されないが、肥料やリン資源としての利活用に良好な灰化物を得るためには、7%以上が好ましいが、15%を超えると処理時間が短くなりより好ましい。7%未満だと比較的長時間滞留処理しても、炭化物が残存する部分灰化物が得られる。3%以下の酸素濃度で処理すると、炭化物が収率よく得られる。なお、本発明による炭化または灰化炉においては、不活性ガスの導入により炉内酸素濃度を2%程度よりも低く制御したうえで、例えば水蒸気や、炭酸ガス、燃焼排ガスなどの賦活ガスを適宜炉内に導入すれば、例えば700℃で処理することで鶏糞活性炭が得られることはいうまでもない。
以上、本発明の装置はロータリーキルン3内またはロータリーキルン3に接して直結した重質ガス分解装置5が設けられており、装置内でのタール状物質発生とその堆積が低減され、500℃から700℃という使用エネルギーの抑制された低温で最良の形態で実施されて得られる鶏糞の炭化物や灰化物は、低価格で肥料用、土壌改良剤用、リン資源用としてその性能、機能を利活用できる。
以下、下表1〜表3を参照して、実施例について詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
<実施例1>
まず、上表1を参照して、38Kg/Hrの処理能力を有する、重質ガスの分解を促進するニッケル担持褐炭触媒が充填された重質ガス分解装置5がロータリーキルン3に接して直結して設けられた内熱式ロータリーキルン型低温熱処理炉装置により、ミヤマブロイラー株式会社より受領した水分44.3%のブロイラー鶏糞を炉内温度630℃、炉内酸素濃度7.8%、炉内滞留処理時間を50分とし、4時間連続運転して20Kgの鶏糞灰化物を得た。
まず、上表1を参照して、38Kg/Hrの処理能力を有する、重質ガスの分解を促進するニッケル担持褐炭触媒が充填された重質ガス分解装置5がロータリーキルン3に接して直結して設けられた内熱式ロータリーキルン型低温熱処理炉装置により、ミヤマブロイラー株式会社より受領した水分44.3%のブロイラー鶏糞を炉内温度630℃、炉内酸素濃度7.8%、炉内滞留処理時間を50分とし、4時間連続運転して20Kgの鶏糞灰化物を得た。
得られた灰化物は、総リン19.5%、総カリウム16.3%、炭酸カルシウム12.4%、酸化カルシウム11.3%を含有する土壌改良剤、肥料、リン資源として有用な灰化物であった。また同じ条件で1日4時間、10日間運転後も炉内にタール状物質の堆積は少なく、重質ガス分解装置5が極めて効果のあることが判明した。さらにまた使用した燃料は水分44.3%鶏糞1kg 処理するのに2.5という少量の灯油で可能となり、処理に使用するエネルギーが極めて少ないことがわかった。
<実施例2〜実施例7>
次に、上表1および表2を参照して、実施例2〜実施例7には500℃から700℃、処理時間15分から120分、炉内の酸素濃度2.3%から15.6%で実施した例を上述した実施例1とあわせて表に示した。いずれもタールの発生がほとんど見られず、使用エネルギーも少なく、良好な土壌改良剤、肥料、リン資源として有用な炭化物または灰化物が得られた。さらにこれらの炭化物、灰化物はタール臭がほとんどなく、タール状物質の付着のないことが分かった。
次に、上表1および表2を参照して、実施例2〜実施例7には500℃から700℃、処理時間15分から120分、炉内の酸素濃度2.3%から15.6%で実施した例を上述した実施例1とあわせて表に示した。いずれもタールの発生がほとんど見られず、使用エネルギーも少なく、良好な土壌改良剤、肥料、リン資源として有用な炭化物または灰化物が得られた。さらにこれらの炭化物、灰化物はタール臭がほとんどなく、タール状物質の付着のないことが分かった。
<実施例8>
次に、表2を参照して、株式会社トマルより受領した水分60%の採卵鶏の糞100重量部にあらかじめニッケル担持褐炭触媒を2重量部混合したもの10kgを、内熱式ロータリーキルン型低温熱処理炉装置により炉内温度600℃、炉内酸素濃度13.3%、炉内滞留処理時間30分で処理し、約2Kgの鶏糞灰化物および触媒の混合物を得た。この混合物から触媒粒子を篩い分けして得た灰化物は全くタール臭がなく、肥料成分も十分に存在し(表2参照)、炉内のタール状物質の堆積も全く見られない良好なものであった。
次に、表2を参照して、株式会社トマルより受領した水分60%の採卵鶏の糞100重量部にあらかじめニッケル担持褐炭触媒を2重量部混合したもの10kgを、内熱式ロータリーキルン型低温熱処理炉装置により炉内温度600℃、炉内酸素濃度13.3%、炉内滞留処理時間30分で処理し、約2Kgの鶏糞灰化物および触媒の混合物を得た。この混合物から触媒粒子を篩い分けして得た灰化物は全くタール臭がなく、肥料成分も十分に存在し(表2参照)、炉内のタール状物質の堆積も全く見られない良好なものであった。
<比較例1から比較例3>
次に、上表3を参照して、重質ガス分解装置5に重質ガスの分解を促進するニッケル担持褐炭触媒を充填しないほかはすべて同じ型式の内熱式ロータリーキルン型低温熱処理炉装置を用いて実施した例を比較例1から比較例3として、実施例1から実施例8と併せて表に示した。720℃で採卵鶏糞を酸素濃度8.2%、処理時間35分で処理した場合(比較例1)短持間に炉内にタール状物質が堆積すると同時に使用エネルギーも多く、また得られた炭化物又は灰化物はタール臭が強く、表面にタール状物質が付着していることが分かった。800℃で処理した例(比較例2)においても炉内へのタール状物質の堆積が多く、また800℃という比較的高温処理のため鶏糞中の炭酸カルシウムがほぼすべて酸化カルシウムに変換されており、肥料としての価値が低下していた。また480℃という低温の場合(比較例3)ではタール状物質の堆積が極めて多く、長時間運転に支障をきたすことが明白となった。
次に、上表3を参照して、重質ガス分解装置5に重質ガスの分解を促進するニッケル担持褐炭触媒を充填しないほかはすべて同じ型式の内熱式ロータリーキルン型低温熱処理炉装置を用いて実施した例を比較例1から比較例3として、実施例1から実施例8と併せて表に示した。720℃で採卵鶏糞を酸素濃度8.2%、処理時間35分で処理した場合(比較例1)短持間に炉内にタール状物質が堆積すると同時に使用エネルギーも多く、また得られた炭化物又は灰化物はタール臭が強く、表面にタール状物質が付着していることが分かった。800℃で処理した例(比較例2)においても炉内へのタール状物質の堆積が多く、また800℃という比較的高温処理のため鶏糞中の炭酸カルシウムがほぼすべて酸化カルシウムに変換されており、肥料としての価値が低下していた。また480℃という低温の場合(比較例3)ではタール状物質の堆積が極めて多く、長時間運転に支障をきたすことが明白となった。
1…鶏糞、2…投入ホッパー、3…ロータリーキルン(ロータリーキルン型低温熱処理炉)、4…羽、5…重質ガス分解装置、6…排出容器、7…配管、8…熱風発生装置、9…集塵装置、10…不活性ガス供給装置、11…配管、12…バーナー。
Claims (3)
- 鶏糞を炭化または灰化するための鶏糞処理装置であって、
内熱式のロータリーキルンと、
前記ロータリーキルン内または該ロータリーキルンに接して直結して、該ロータリーキルンによる鶏糞の熱処理により発生する常温ではタール物質となる重質ガスの分解を促進する触媒が充填された重質ガス分解装置と
を備え、
前記重質ガス分解装置から排出された熱分解ガスを前記ロータリーキルンのバーナーに導き補助燃料として使用することを特徴とする鶏糞処理装置。 - 請求項1記載の鶏糞処理装置において、
前記重質ガス分解装置に充填される触媒は、ニッケル担持褐炭およびニッケル担持アルミナを含むニッケル系触媒、あるいは、リモナイトを含む鉄系触媒などの第VIII族の金属系触媒であることを特徴とする鶏糞処理装置。 - 請求項1または2記載の鶏糞処理装置において、
前記ロータリーキルンによる鶏糞の熱処理温度が500℃から700℃の範囲内であることを特徴とする鶏糞処理装置。
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