JP2012091440A - 吐水装置及びalcパネルの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建設現場におけるALCパネルの隅角部や端縁部の加工作業を最適に行うことのできる吐水装置、及び該吐水装置を利用したALCパネルの加工方法を提供する。
【解決手段】後端部が保持されてモーター駆動によって前後に往復運動する刃102を有する電動レシプロソー100に装着される吐水装置1であって、ノズル11を備えた吐水部2と、可撓性を有し吐水部2に連結された可撓管部3と、電動レシプロソー100のハウジング101を挟持する挟持部6と、を備える。可撓管部3を屈曲させることによって、ノズル11の位置や方向を調整することができる。従って、電動レシプロソー100の形態、ALCパネル200の設置状態、加工対象部位などに応じ、切粉の飛散を防止するために最適な位置及び方向にて吐水を行うことが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ACLパネルの加工の際に発生する切粉の飛散を防止する吐水装置及びそれを用いたALCパネルの加工方法に関する。
従来より、建物の床や外壁としてALC(軽量気泡コンクリート)パネルを使用する場合、柱等の躯体と干渉する隅角部や端縁部を強度に影響のない範囲で、鋸等を用いて現場加工することが行われている。このような現場加工の際には、ALCパネルの切粉が発生する。ALCは特に人体に有害な物質を含むものではないが、強風時などはこれが風に舞って飛散し、現場を汚したり、作業者の目に入って作業を遅らせたりする、という問題があった。
切粉の飛散を防止する方法として、例えば、特許文献1には、円盤状の回転刃を有する切断機において、回転刃に噴水ノズルにて水を噴水しながら切断し切粉を泥状にする方法の記載がある。
特開2000−145165号公報
しかし、このような回転刃を用いた切断機は、ALCパネルの細かな加工には不向きであり、しかも水や水分を含んだ切粉が遠心力によって飛散してしまいその為の対策を講じなければならない、という問題がある。
本発明は、このような課題を解決するものであり、建設現場におけるALCパネルの隅角部や端縁部の加工作業を最適に行うことのできる吐水装置、及び該吐水装置を利用したALCパネルの加工方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る吐水装置は、後端部が保持されてモーター駆動によって前後に往復運動する刃を有する電動レシプロソーに装着される吐水装置であって、ノズルを備えた吐水部と、可撓性を有し吐水部に連結された可撓管部と、電動レシプロソーのハウジングを挟持する挟持部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る吐水装置では、ノズルを備えた吐水部が可撓管部に連結されているため、当該可撓管部を屈曲させることによって、ノズルの位置や方向を調整することができる。従って、電動レシプロソーを用いてALCパネルの加工を行う場合において、電動レシプロソーの形態、ALCパネルの設置状態、加工対象部位などに応じ、切粉の飛散を防止するために最適な位置及び方向にて吐水を行うことが可能となる。以上によって、建設現場におけるALCパネルの加工作業を最適に行うことができる。
また、本発明に係る吐水装置において、挟持部は、第1挟持片、及び当該第1挟持片に垂直に設けられる第1連結片を有する第1部材と、第1挟持片と対向する第2挟持片、及び当該第2挟持片に垂直に設けられると共に第1連結片と連結される第2連結片を有する第2部材と、第1連結片と第2連結片とを連結すると共に第1挟持片と第2挟持片との間隔をハウジングの幅に応じて調整可能とする位置決め部と、ハウジングを強固に挟持するように第1挟持片と第2挟持片とを締め付ける締付部と、を備えることが好ましい。このような構成とすることで、位置決め部によって、第1部材と第2部材との間隔の調整を行い、各挟持片が電動レシプロソーのハウジングに当接する位置にて各連結片を連結することによって、第1部材と第2部材の位置決めを行うことができる。更に、このように位置決めを行った後に、締付部で各挟持片を締め付けて当該各挟持片にてハウジングを強固に挟持することによって、第1部材及び第2部材をハウジングに強固に固定することができる。以上によって、電動レシプロソーの大きさが異なる場合であっても、吐水装置を装着することが可能となると共に、強固な固定を行うことによって、電動レシプロソーの振動による吐水装置の外れや位置ずれを防止することができる。
また、本発明に係る吐水装置は、吐水量及び吐水状態の切り替え機構を更に備えることが好ましい。このように、吐水量や吐水状態の切り替えを可能とすることで、加工現場の状況により適応した調整を行うことができる。
本発明に係るALCパネルの加工方法は、加工対象部位を浮かした状態でALCパネルを平置きする工程と、上述の吐水装置を電動レシプロソーに装着し、吐水装置の吐水部の位置及び方向を調整する工程と、刃の先端が下向きの状態を保って、吐水部から吐水させながら電動レシプロソーを駆動し、ALCパネルの加工対象部位を加工する工程と、を有することを特徴とする。本発明に係るALCパネルの加工方法によれば、水や水分を含んだ切粉の飛散方向は、起立させた状態(刃の先端が下向きの状態)の電動レシプロソーの刃の往復運動の方向、すなわち上下方向に限定されるので、水や水分を含んだ切粉の飛散を極めて狭い範囲に限定することができる。
本発明によれば、建設現場におけるALCパネルの隅角部や端縁部の加工作業を最適に行うことができる。
本発明の実施形態に係る吐水装置の斜視図である。 本発明の実施形態に係る吐水装置を利用したALCパネルの加工方法の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る吐水装置、及びそれを用いたALCパネルの加工方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る吐水装置1の斜視図である。図1では、電動レシプロソー100が仮想線で示されている。図2は、吐水装置1を用いたALCパネル200の加工方法を示す図である。吐水装置1が装着される電動レシプロソー100は、ハウジング101と、ハウジング101の先端部に取り付けられた刃102と、を備えている。刃102は、後端部が保持されており、モーター駆動によって前後に往復運動する。電動レシプロソー100としては、刃102の往復運動によって切削するタイプの一般的な電動レシプロソーを適用することができる。
図1及び図2に示すように、吐水装置1は、吐水を行う吐水部2と、吐水部2の位置や角度を調整する可撓管部3と、吐水部2の開閉を切り替えるバルブ部4と、電動レシプロソー100のハウジング101を挟持する挟持部6と、吐水部2へ通水する通水ホース7と、通水ホース7を介して吐水部2へ水を供給する貯水タンク(不図示)と、を備えている。
吐水部2は、可撓管部3の先端部に取り付けられており、先端に吐水を行うノズル11を備えている。本実施形態において、吐水部2は、ノズル11を回転させることによって、吐水量、及び吐出される水の状態を低圧直線状、高圧ジェット状、霧状などに切り替え可能である。なお、吐水量はバルブ部4でも調節可能である。ノズル11及びバルブ部4によって、吐水量及び吐水状態の切り替え機構が構成される。
可撓管部3は、可撓性を有する管であり、一端側が吐水部2に接続されると共に、他端側がバルブ部4に接続されている。可撓管部3は、薄い肉厚の銅管からなり、内部の空洞部は通水部として機能する。この可撓管部3は、人力で容易に屈曲させることができると共に、屈曲させた後はその状態を維持することができる。従って、電動レシプロソー100の形態、ALCパネル200の設置状態、加工部位などに応じて、切粉の飛散の防止に適した状態となるように、吐水部2の位置や方向を調整することができる。なお、可撓管部3は、薄肉の銅管に限定されず、人力で屈曲可能であって、屈曲後の状態を維持できるものであれば、どのような材質の管を用いてもよい。
バルブ部4は、ボールバルブ12と、バルブ開閉用レバー13と、継手配管部14と、を備えて構成されている。ボールバルブ12と可撓管部3とは、継手配管部14を介して接続されている。なお、継手配管部14の形状や長さは特に限定されず、図1及び図2のような垂直型の継手を用いてもよく、直線型の継手を用いてもよい。あるいは、ボールバルブ12に可撓管部3が直接接続される構成としてもよい。通水ホース7は、ゴム製の一般的なものであり、一端がバルブ部4に接続され、他端が貯水タンクに接続される。貯水タンクは、吐水部2から吐出させるための水を貯留しており、当該水を圧送するためのポンプを内蔵している。
挟持部6は、電動レシプロソー100を挟持することで当該電動レシプロソー100に固定されると共に、吐水部2、可撓管部3、バルブ部4、及び通水ホース7を固定するための、鋼材からなる固定具である。挟持部6は、第1枠体(第1部材)21と、第2枠体(第2部材)22と、位置決め部23と、締付部24と、を備えている。
第1枠体21は、第1挟持片26及び第1連結片27からなる鋼材である。第1枠体21は、第1挟持片26の一端部に第1連結片27が垂直に設けられることによって、全体的な形状が略L字状をなしている。第2枠体22は、第2挟持片28、第2連結片29及び固定片31からなる鋼材である。第2連結片29は、第2挟持片28の一端側に垂直に設けられる。また、第2挟持片28は、第2連結片29よりも更に一端側に延びる延長部分28aを有しており、当該延長部分28aの一端部に、固定片31が垂直に設けられる。固定片31は、第2挟持片28と同方向に延びている。これによって、第2枠体22は、全体的な形状が略F字状をなしている。
第1挟持片26と第2挟持片28は、電動レシプロソー100のハウジング101に直接当接されるように互いに対向配置され、締付部24で締め付けられることによって、ハウジング101を挟持する。締付部24は、第1挟持片26及び第2挟持片28にそれぞれ対向するように形成された貫通孔と、当該貫通孔に挿通されるボルト32と、ボルト32との間で第1挟持片26及び第2挟持片28を締め付けるナット33と、によって構成されている。締付部24は、第1挟持片26及び第2挟持片28における連結片27,29付近に設けられており、ハウジング101を挟んで反対側の端部付近にも設けられている。なお、締付部24は、いずれか一箇所にのみ設けられていてもよいが、締付力を確保するために、少なくとも挟持片26,28の先端側(連結片27,29に対してハウジング101を挟んだ反対側の位置)に設けることが好ましい。また、締付部24を更に増やしても良い。
第1連結片27と第2連結片29は、所定の位置で重ね合わされてボルト34及びナットで締結されることによって互いに連結される。また、第1連結片27と第2連結片29は、互いの相対位置を調整した後に連結される。具体的には、位置決め部23は、第1連結片27に形成された丸穴と、第2連結片29に形成された長孔36と、丸穴及び長孔36に挿入されるボルト34と、ボルト34を締めるナットと、によって構成されている。長孔36は、第2連結片29の延在方向に沿って延びているため、第1枠体21と第2枠体22との相対位置、すなわち第1挟持片26と第2挟持片28との間の距離を調整することができる。また、位置の調整が完了した後は、ボルト34及びナットを締めることで、第1枠体21と第2枠体22を固定することができる。なお、第1連結片27に形成される丸孔を螺子孔とすることで、ナットを省略してもよい。
固定片31は、挟持部6をバルブ部4に固定するためのものである。固定片31には、2つの挿通孔が穿設され、当該挿通孔の上方からUボルト37が挿通され、固定片31とUボルト37でバルブ部4を挟持することで挟持部6がバルブ部4に固定される。なお、挟持部6をバルブ部4に固定するための構造は、図1及び図2に示すような固定片31に限定されず、例えば、第2挟持片28の延長部分28aにバルブ部4を固定してもよい。あるいは第1枠体21に固定片を設けてもよい。
電動レシプロソー100に対する吐水装置1の取り付け手順について説明する。挟持片26,28同士を電動レシプロソー100のハウジング101を挟んで対向させると共に、連結片27,29が重なるように、第1枠体21及び第2枠体22を配置する。挟持片26,28同士を対向させた状態にて位置調整を行い(このとき、予め丸孔及び長孔36にボルト34を挿通させると共にナットを緩く締めておき、長孔36に沿ってボルト34をスライド移動させることで位置調整を行ってもよい)、当該挟持片26,28がハウジング101の側面に当接する位置にて、第1連結片27と第2連結片29とをボルト34及びナットで締結することによって、第1枠体21と第2枠体22との位置決めを行う。これによって、ハウジング101に対して挟持部6を仮止めすることができる。次に、挟持片26,28の貫通孔にボルト32を挿通させると共にナット33を締めることによって、挟持片26,28でハウジング101を強固に挟持する。これによって、加工時における電動レシプロソー100の振動による吐水装置1の外れや位置ずれを防止することができる。
以上により、本実施形態に係る吐水装置1では、ノズル11を備えた吐水部2が可撓管部3に連結されているため、当該可撓管部3を屈曲させることによって、ノズル11の位置や方向を調整することができる。従って、電動レシプロソー100を用いてALCパネル200の加工を行う場合において、電動レシプロソー100の形態、ALCパネル200の設置状態、加工対象部位などに応じ、切粉の飛散を防止するために最適な位置及び方向にて吐水を行うことが可能となる。以上によって、建設現場におけるALCパネル200の加工作業を最適に行うことができる。
次に、ALCパネルの加工方法について説明する。
平積み状態で仮置きされたALCパネルを加工する場合について説明する。この作業においては、図2に示すように、電動レシプロソー100の刃102の先端は下方を向いた状態にて切断が行われる。まず、加工対象部位を浮かした状態でALCパネル200を平置きする。複数枚のALCパネル200が平積み状態で仮置きされている場合、最も上側に積まれているALCパネル200を下側のALCパネル200よりも若干ずらし、加工対象部位CPの下方に空間を形成する。次に、上述で説明した手順にて電動レシプロソー100に吐水装置1を装着する。また、吐水装置1の吐水部2の位置及び方向を調整する。具体的には、可撓管部3を屈曲させることによって、切粉が飛散しないようにノズル11の位置及び吐水方向を調節すると共に、吐水状態や吐水量(または水圧)を調整する。ノズル11の位置は、水が下向きの刃102を伝ってALCパネル200の切断位置に流れ落ちるように、当該切断位置よりも上側の刃102に吐水されるように調整される。刃102の先端が下向きの状態を保って、吐水部2から吐水させながら電動レシプロソー100を駆動し、ALCパネル200の加工対象部位CPを切断する。このとき、刃102の先端側、すなわち吐水部2よりも下側の領域を用いて切断を行うことで、切粉は水と共に下方へ流される。このように、本実施形態に係るALCパネル200の加工方法によれば、水や水分を含んだ切粉の飛散方向は、起立させた状態(刃102の先端が下向きの状態)の電動レシプロソー100の刃の往復運動の方向、すなわち上下方向に限定されるので、水や水分を含んだ切粉の飛散を極めて狭い範囲に限定することができる。
立設された状態でのALCパネル(外壁パネル)を加工する場合について説明する。この作業においては、電動レシプロソー100の刃102の先端は横方向を向いた状態にて切断が行われる。この状態では刃102に吐水しても当該刃102を伝って水が先端側へ流れない。また、加工対象部位CPに向かって直接吐水した場合は、刃102が手前側に戻る際に水も同時に戻され、作業者に液状の水が降りかかり作業の妨げになる。従って、立設されたALCパネル200を加工する場合は、霧状に吐水を行い、当該霧状の水を切粉の落下する軌跡に合わせて噴霧することが好ましい。これによって、作業者が返り水を浴びることを防止することができる。
1…吐水装置、2…吐水部、3…可撓管部、4…バルブ部、6…挟持部、11…ノズル、21…第1枠体(第1部材)、22…第2枠体(第2部材)、23…位置決め部、24…締付部、26…第1挟持片、27…第1連結片、28…第2挟持片、29…第2連結片、100…電動レシプロソー、101…ハウジング、102…刃、200…ALCパネル。

Claims (4)

  1. 後端部が保持されてモーター駆動によって前後に往復運動する刃を有する電動レシプロソーに装着される吐水装置であって、
    ノズルを備えた吐水部と、
    可撓性を有し前記吐水部に連結された可撓管部と、
    前記電動レシプロソーのハウジングを挟持する挟持部と、
    を備えることを特徴とする吐水装置。
  2. 前記挟持部は、
    第1挟持片、及び当該第1挟持片に垂直に設けられる第1連結片を有する第1部材と、
    前記第1挟持片と対向する第2挟持片、及び当該第2挟持片に垂直に設けられると共に前記第1連結片と連結される第2連結片を有する第2部材と、
    前記第1連結片と前記第2連結片とを連結すると共に前記第1挟持片と前記第2挟持片との間隔を前記ハウジングの幅に応じて調整可能とする位置決め部と、
    前記ハウジングを強固に挟持するように前記第1挟持片と前記第2挟持片とを締め付ける締付部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  3. 吐水量及び吐水状態の切り替え機構を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の吐水装置。
  4. 加工対象部位を浮かした状態でALCパネルを平置きする工程と、
    請求項1〜3のいずれか一項記載の吐水装置を電動レシプロソーに装着し、前記吐水装置の吐水部の位置及び方向を調整する工程と、
    刃の先端が下向きの状態を保って、前記吐水部から吐水させながら前記電動レシプロソーを駆動し、前記ALCパネルの前記加工対象部位を加工する工程と、
    を有することを特徴とするALCパネルの加工方法。
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