JP2012088503A - 立体眼鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】任意の視聴者が2D映像と3D映像を選択的に視聴することができる、製造コストを抑えた立体眼鏡を提供する。
【解決手段】回転方向が互いに逆の円偏光を、互いに直交する偏光方向をもつ直線偏光に変換する一対の偏光変換光学系と、前記一対の光学素子のうちの何れか一方の前方に挿入可能に設けられ、前記円偏光の回転方向を逆転させる1/2位相差板とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】回転方向が互いに逆の円偏光を、互いに直交する偏光方向をもつ直線偏光に変換する一対の偏光変換光学系と、前記一対の光学素子のうちの何れか一方の前方に挿入可能に設けられ、前記円偏光の回転方向を逆転させる1/2位相差板とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は視聴者に3D映像を提供する立体眼鏡に関し、特に、容易に3D映像と2D映像を切り替え可能な立体眼鏡に関する。
近年、3D映像が盛んとなり映画館等でも簡単に3Dの映画を観賞することができる。しかし、一般的に3D映像を視聴するためには、それ専用の眼鏡(以下、立体眼鏡)を視聴者が装着する必要がある。3D映像の視聴は、これまでにはない臨場感を提供するが、それによる「3D酔い」が問題視されている。これは、特に映画館などの大画面でリアルな3D映像を視聴する際に、頭痛やめまい等によって視聴者が気分を害する現象である。よって、簡単に3D映像を2D映像に切り替えることで、視聴者の「3D酔い」を回復させることが求められる。特許文献1では、液晶デバイスのような位相変調素子を立体眼鏡に装着させることによって、眼鏡に入射する映像光の偏光を制御することで、2D映像と3D映像を視聴者が選択的に切替えることができる。
立体眼鏡に液晶デバイスを用いると眼鏡自体が高価となるコスト面の問題がある。また映画館などの公共の場で使用する場合は盗難の恐れもある。そこで本発明は、任意の視聴者が2D映像と3D映像を選択的に視聴することができる、製造コストを抑えた立体眼鏡の提供を目的とする。
本発明の一態様は立体眼鏡であって、回転方向が互いに異なる2つの円偏光(11、12)を互いに異なる偏光方向の直線偏光(17、18、19、20)に変換すると共に、前記各直線偏光(17、18、19、20)をその偏光方向毎に射出する一対の偏光変換光学系(23)と、前記一対の偏光変換光学系(23)のうちの何れか一方の前方に挿入可能に設けられ、前記円偏光(11、12)の回転方向を逆転させる1/2位相差板とを備えることを要旨とする。
また、各前記偏光変換光学系(23)は、円偏光を直線偏光に変換する1/4位相差板(16)と、前記1/4位相差板(16)の後方に設けられる偏光板(21(22))とを有することが好ましい。
左右の光学経路のうち何れか一方の光学経路に1/2位相差板の挿入するだけで、3次元映像から2次元映像に切り替えることができる。従って、立体眼鏡を簡便に構成できるため、その製造コストを削減できる。
本発明に係る各実施例について図面を参照して説明する。
図1は、立体眼鏡100を用いた一般的な3D映像の視聴概念図である。立体映像システムが表示する映像光は左目用の映像光11と右目用の映像光12の2種類が存在し、それぞれ反対方向に回転する円偏光の状態となっている。この映像光11、12は、1/4位相差板16、16と、偏光板21、22とによって構成される一対の偏光変換光学系23によって、互いに異なる偏光方向の直線偏光に変換され、各直線偏光はそれぞれの偏光方向毎に射出される。
この詳細を以下に述べる。左目用の映像光11および右目用の映像光12は、それぞれ左目用の光学経路L、右目用の光学経路Rを進行し、立体眼鏡100内の1/4位相差板(1/4波長板)16、16によって互いに直交する偏光方向の直線偏光19、20に変換される。次に、左目用の光学経路Lでは、円偏光である左目用の映像光11から直線偏光に変換された左目用の映像光19のみを透過させる偏光板21によって左目用の映像光のみが左目に到達する。右目用の映像光12が右目に到達する仕組みも同様であり、直線偏光に変換された右目用の映像光20のみを透過させる偏光板22によって右目用の映像光のみが左目に到達する。この仕組みにより、左目には左目用の映像光11に起因する光のみが到達し、右目には右目用の映像光12に起因する光のみが到達するため、視聴者は3D映像を視聴することができる。
ここで、3D酔いをした視聴者に2Dの映像を視聴させるためには、両目に同じ映像光に起因する光を到達させなければならない。本実施例に係る立体眼鏡としての立体眼鏡10の構成を図2に示す。なお、図1と同じ構成については同一番号を付し、その説明を割愛する。
図2の構成例では、図1の実施例でも示した左目の光学経路L上に1/2位相差板(1/2波長板)13が挿入される。実施例で述べたように、立体映像システムが表示する左目用の映像光11及び右目用の映像光12は互いに反対の回転方向の円偏光となっている。本実施例では、左目用の光学経路L、右目用の光学経路Rの何れか一方の光学経路において、1/4位相差板16の前に1/2位相差板13を挿入する。例えば図2に示すように、1/2位相差板13を左目用の光学経路L上に挿入した場合、左目用の映像光11、右目用の映像光12は、1/2位相差板13によってその円偏光の回転方向が逆転し、それぞれ映像光14、映像光15になる。従って、左目用の映像光11は右目用の映像光12と同じ回転方向をもつ円偏光の映像光14になり、右目用の映像光12は、左目用の映像光11と同じ回転方向をもつ円偏光の映像光15になる。この円偏光の映像光14、15は1/4位相差板16によって、それぞれ直線偏光17、18に変換される。しかしながら、直線偏光17の偏光方向は、1/2位相差板13を通さないときに得られる右目用の映像光12の直線偏光20に等しく、直線偏光18の偏光方向は、1/2位相差板13を通さないときに得られる左目用の映像光11の直線偏光19に等しい。偏光板21によって左目用の映像光11に起因する直線偏光17は遮断されるため、左目には右目用の映像光のみが到達する。以上のように、左目用の光学経路Lのみに1/2位相差板13を挿入することによって、視聴者の両目には右目用の映像光12に起因する光のみが到達し、視聴者は2Dの映像を視聴することができる。例えば、図3(a)〜(c)のように、1/2位相差板13を左目用の光学経路Lまたは右目用の光学経路Rに簡単に挿入できる構造の立体眼鏡10であれば、個々の視聴者が3D映像と2D映像を選択的に視聴することができ、3D酔いの対策にもなる。1/2位相差板13は、例えばヒンジやガイド溝など(図示せず)を用いて立体眼鏡10のフレーム本体、1/4位相差板16などに取り付けられる。
本実施例では、従来の立体眼鏡において1/4位相差板と偏光板が1つの部品として構成されている場合であっても、1/2位相差板を付加する構成のため、視聴者が3D映像と2D映像を簡単に選択できる。
実施例1では、立体眼鏡10に入射する映像光11、12が左目用と右目用と異なる偏光特性を有していることを前提としている。一方、立体映像システムが左目用の映像光と右目用の映像光とを時間軸方向に分離して交互に表示し、それに同期して立体眼鏡の左右の液晶デバイスがシャッターとして排他的に透過と遮断を切り替えることで、視聴者に3次元映像を認識させている方式もある。従来の立体眼鏡では液晶デバイスの駆動方式が固定されていたため、視聴者が任意に2D映像と3D映像の視聴を切り替えることはできなかった。実施例2では、左目用の映像光と右目用の映像光を時間軸方向に分離して出力される3D映像の環境下において、視聴者が2D映像と3D映像の視聴を簡単に切り替えることができる立体眼鏡を提供する。
具体的には、シャッターとしての液晶デバイスを利用した立体眼鏡において、液晶への電圧印加のタイミング制御を行う機能を提供する。
以下に、本発明に係る立体眼鏡30の実施例を示す。図4に、3D映像を視聴するときの、3D映像の映像信号41と左目用及び右目用液晶デバイス31、32との動作関係を示す。図4に示すように、立体映像システム(図示せず)は左目用の映像と右目用の映像が交互に切り替わる映像信号41を生成し、これらの映像を表示する。この映像信号41と同期して左右それぞれの液晶デバイス31、32を駆動するための同期信号(液晶デバイス同期信号)42が送信される。図4の例では、映像信号41が左目用映像のときに液晶デバイス同期信号42がHIGHの状態となり、反対に右目用映像のときにはLOWの状態となる。また、左目用液晶デバイス31は液晶デバイス同期信号42がHIGHのときに透過状態となり、LOWのときに遮断状態となる。反対に、右目用液晶デバイス32は液晶デバイス同期信号がHIGHのときに遮断状態となり、LOWのときに透過状態となる。
本実施例の立体眼鏡30の簡単な構成を図5に示す。立体眼鏡30は、所定の電圧が印加されたときに透過状態となる左目用液晶デバイス31及び右目用液晶デバイス32を備える。液晶デバイス同期信号42がHIGH状態の場合は、その状態がバッファ33を介して左目用液晶デバイス31に伝達され、その結果、液晶に電位差が発生して透過状態となる。一方、右目用液晶デバイス32はその前段のインバータ34で入力電圧がGNDレベルに変換されているため、液晶に電圧差が発生せず遮断状態となる。これと同様に、液晶デバイス同期信号がLOW状態の場合は、左目用液晶が遮断状態となり右目用液晶が透過状態となる。
以上により、図6に示すように視聴者の目には左右それぞれの映像が分離されて入射され、3D映像を視聴することができる。
ここで、3D酔いの対策として、視聴者が3D映像と2D映像を選択的に切り替えられる構成例として図7を用いて説明する。図7で示すように、右目用液晶デバイス32の前段にバッファ35とインバータ34を切り替えることの出来るスイッチ36を設け、視聴者がこのスイッチ36を切り替えることによって3D映像と2D映像を選択することができる。つまり、3D映像を視聴したい場合は図3と同様にスイッチ36をインバータ34の方に接続し、2D映像を視聴したい場合はスイッチ36をバッファ35へと接続する。例えば、図8に示すように、視聴者は立体眼鏡30のフレームに備えられたスイッチ36によって簡単に3D映像と2D映像を切り替えることができる。
スイッチ36をインバータ34に接続した場合の視聴者が視聴する映像は図6の状態になり、スイッチ36をバッファ35に接続した場合は図9の状態となる。つまり、視聴者の左右両目には同じ左目用映像が入射して2D映像となる。また、このとき右目用映像の時間が各液晶デバイス31、32によって遮断されているため、この期間が黒映像を挿入していることと同等の効果を生み、特に液晶プロジェクターなどの動画応答が課題となっている投影機で映像を視聴する場合に動画応答が黒映像の挿入によって改善される。
L…光学経路、R…光学経路、10…立体眼鏡、11…左目用の映像光(円偏光)、12…右目用の映像光(円偏光)、13…1/2位相差板、16…1/4位相差板、19…左目用の映像光(直線偏光)、20…右目用の映像光(直線偏光)、21、22…偏光板、30…立体眼鏡、31…左目用液晶デバイス、32…右目用液晶デバイス、36…スイッチ、100…立体眼鏡
Claims (2)
- 回転方向が互いに異なる2つの円偏光を互いに異なる偏光方向の直線偏光に変換すると共に、前記各直線偏光をその偏光方向毎に射出する一対の偏光変換光学系と、
前記一対の偏光変換光学系のうちの何れか一方の前方に挿入可能に設けられ、前記円偏光の回転方向を逆転させる1/2位相差板と
を備えることを特徴とする立体眼鏡。 - 前記各偏光変換光学系は、円偏光を直線偏光に変換する1/4位相差板と、前記1/4位相差板の後方に設けられる偏光板とを有することを特徴とする請求項1に記載の立体眼鏡。
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