JP2012087716A - 固体燃料及びこの固体燃料を用いるハイブリッドロケットエンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】固体燃料を所望の形状に維持することでき、比推力等の性能を確保できる上、燃焼速度を向上させることのできる固体燃料及びこの固体燃料を用いたハイブリッドロケットエンジンを提供すること。
【解決手段】固体燃料10及び流体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットエンジン1において、固体燃料10を熱可塑性エラストマ等の樹脂材料にスチールウール等の金属繊維を混和させて成形する。
【選択図】図2
【解決手段】固体燃料10及び流体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットエンジン1において、固体燃料10を熱可塑性エラストマ等の樹脂材料にスチールウール等の金属繊維を混和させて成形する。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体燃料と気体または液体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットエンジンにおける固体燃料及びこの固体燃料を用いるハイブリッドロケットエンジンに関する。
ロケットエンジンとしては、予め燃料と酸化剤を混練した固体燃料を燃焼させる固体燃料ロケットエンジン、液体の燃料と液体の酸化剤を別々のタンクに貯蔵し適宜燃焼室で混合して燃焼させる液体燃料ロケットエンジンがある。
また、固体燃料と液体または気体の酸化剤を用いるハイブリッドロケットエンジンがあり、当該ハイブリッドロケットエンジンは、流体である酸化剤の流量を調整することで液体燃料ロケットエンジンのような燃焼制御を行うことができるとともに、固体燃料を用いることで構造の簡素化を図ることができるという特徴を持つ。
また、固体燃料と液体または気体の酸化剤を用いるハイブリッドロケットエンジンがあり、当該ハイブリッドロケットエンジンは、流体である酸化剤の流量を調整することで液体燃料ロケットエンジンのような燃焼制御を行うことができるとともに、固体燃料を用いることで構造の簡素化を図ることができるという特徴を持つ。
このようなハイブリッドロケットエンジンとして、例えば液体酸素(LOX)とポリブタジエン系固体燃料(HTPB)を用いるハイブリッドロケットエンジンが研究されている(非特許文献1参照)。
「LOX−HTPBハイブリッドブースターの研究」日産技法、第43号、95〜100頁、1998−6
上記非特許文献1の研究でも使用されているようなハイブリッドロケットエンジンの固体燃料は、固体燃料ロケットと異なり酸化剤が混練されていないため自燃性を持たない。ハイブリッドロケットエンジンにおける燃料と酸化剤との混合は、固体燃料表面から溶融または蒸発した燃料に流体の酸化剤が供給されることで行われる。つまり、固体燃料の表面部分のみの限られた範囲で燃料と酸化剤の混合がされるため、上記固体燃料ロケットエンジンや液体燃料ロケットエンジンよりも燃焼速度が遅くなる。
ハイブリッドロケットエンジンにおける燃焼速度は火炎面から固体燃料への熱伝達によって決定されるため、燃焼速度を高くし十分な推力を得るには固体燃料の燃焼面積を増加させることが有効である。そこで、ハイブリッドロケットエンジンの固体燃料は、軸方向に貫通した孔を形成する等して表面積を増加させている。例えば、上記非特許文献1にはワゴンホイール形状の固体燃料が記載されている。
このようにハイブリッドロケットエンジンにおける固体燃料はその形状が比推力等の性能に関係するため、所望の形状に成形可能な固体燃料が好ましい。
しかしながら、燃焼速度に優れているワックス(例えば熱可塑性エラストマ)等は、硬化後も比較的軟らかく、成形後の形状によっては自重により変形してしまう場合がある。このように、固体燃料の機械物性値によっては形状を維持できないという問題がある。
しかしながら、燃焼速度に優れているワックス(例えば熱可塑性エラストマ)等は、硬化後も比較的軟らかく、成形後の形状によっては自重により変形してしまう場合がある。このように、固体燃料の機械物性値によっては形状を維持できないという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、固体燃料を所望の形状に維持することができ、比推力等の性能を確保できる上、燃焼速度を向上させることのできる固体燃料及びこの固体燃料を用いるハイブリッドロケットエンジンを提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の固体燃料は、固体燃料と流体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットエンジンに用いる固体燃料であって、樹脂材料に金属繊維または発泡金属を混和して成形されたことを特徴としている。
請求項2の固体燃料では、請求項1において、前記樹脂材料は、熱可塑性エラストマであることを特徴としている。
請求項2の固体燃料では、請求項1において、前記樹脂材料は、熱可塑性エラストマであることを特徴としている。
請求項3の固体燃料では、請求項1において、前記金属繊維は、スチールウールであることを特徴としている。
請求項4の固体燃料では、請求項1において、前記発泡金属はアルミニウムであることを特徴としている。
請求項5のハイブリッドロケットエンジンでは、端部にノズルが形成されたエンジンケースと、タンク内に貯蔵された流体の酸化剤と、前記タンク内の前記酸化剤を前記エンジンケース内に供給する酸化剤供給手段と、前記ケース内に配設され、樹脂材料に金属繊維または発泡金属を混和して成形された固体燃料と、を備えたことを特徴としている。
請求項4の固体燃料では、請求項1において、前記発泡金属はアルミニウムであることを特徴としている。
請求項5のハイブリッドロケットエンジンでは、端部にノズルが形成されたエンジンケースと、タンク内に貯蔵された流体の酸化剤と、前記タンク内の前記酸化剤を前記エンジンケース内に供給する酸化剤供給手段と、前記ケース内に配設され、樹脂材料に金属繊維または発泡金属を混和して成形された固体燃料と、を備えたことを特徴としている。
請求項6のハイブリッドロケットエンジンでは、請求項5において、前記樹脂材料は、熱可塑性エラストマであることを特徴としている。
請求項7のハイブリッドロケットエンジンでは、請求項5において、前記金属繊維は、スチールウールであることを特徴としている。
請求項8のハイブリッドロケットエンジンでは、請求項5において、前記発泡金属はアルミニウムであることを特徴としている。
請求項7のハイブリッドロケットエンジンでは、請求項5において、前記金属繊維は、スチールウールであることを特徴としている。
請求項8のハイブリッドロケットエンジンでは、請求項5において、前記発泡金属はアルミニウムであることを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の固体燃料及びこの固体燃料を用いるハイブリッドロケットエンジンによれば、樹脂材料に金属繊維または発泡金属を混和して成形することで、当該金属繊維または発泡金属が補強材なり、成形後の形状を安定的に維持することができる。
また、金属繊維及び発泡金属は樹脂材料よりも熱伝導率が高いことから、これらを混和した固体燃料は、これらを混和しない固体燃料よりも熱伝導率が高くなり、燃焼速度を増加させることができる。
また、金属繊維及び発泡金属は樹脂材料よりも熱伝導率が高いことから、これらを混和した固体燃料は、これらを混和しない固体燃料よりも熱伝導率が高くなり、燃焼速度を増加させることができる。
これらのことから、固体燃料を所望の形状で維持することでき、比推力等の性能を確保できる上、燃焼速度を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1には本発明の実施形態に係るハイブリッドロケットエンジンの概略構成図が示されている。
図1に示すようにハイブリッドロケットエンジン1は、エンジンケース2の前端部分に点火器4及びインジェクタ6(酸化剤供給手段)が設けられ、後端部分にノズル8が形成されている。そして、中空円筒状のエンジンケース2内には、固体燃料10が配設されており、当該固体燃料10より前側に前部燃焼室12、後側に後部燃焼室14が形成されている。
図1には本発明の実施形態に係るハイブリッドロケットエンジンの概略構成図が示されている。
図1に示すようにハイブリッドロケットエンジン1は、エンジンケース2の前端部分に点火器4及びインジェクタ6(酸化剤供給手段)が設けられ、後端部分にノズル8が形成されている。そして、中空円筒状のエンジンケース2内には、固体燃料10が配設されており、当該固体燃料10より前側に前部燃焼室12、後側に後部燃焼室14が形成されている。
詳しくは、点火器4は、固体燃料10の燃焼を生起させるための点火を行うものである。
インジェクタ6は、図示しない酸化剤タンクと接続されており、当該酸化剤タンクに貯蔵された液体の酸化剤をエンジンケース2内に供給するものである。この液体の酸化剤としては、通常の液体燃料ロケットエンジンに使用される酸化剤と同様のものを使用することができ、例えば本実施形態では液体酸素を使用する。
インジェクタ6は、図示しない酸化剤タンクと接続されており、当該酸化剤タンクに貯蔵された液体の酸化剤をエンジンケース2内に供給するものである。この液体の酸化剤としては、通常の液体燃料ロケットエンジンに使用される酸化剤と同様のものを使用することができ、例えば本実施形態では液体酸素を使用する。
ノズル8は、エンジンケース2内で生じた燃焼ガスを膨張・加速して噴射することで比推力を生じさせるものである。
エンジンケース2内における前部燃焼室12は振動抑制のため、後部燃料室12は燃焼性の確保のための燃焼室である。
固体燃料10は、自燃性を持たず、樹脂材料に金属繊維を混和させた固体燃料であり、以下、本実施形態の固体燃料について詳しく説明する。
エンジンケース2内における前部燃焼室12は振動抑制のため、後部燃料室12は燃焼性の確保のための燃焼室である。
固体燃料10は、自燃性を持たず、樹脂材料に金属繊維を混和させた固体燃料であり、以下、本実施形態の固体燃料について詳しく説明する。
ここで、図2を参照すると、図1のA−A線に沿う固体燃料の断面図が示されている。
当該図2に示すように、固体燃料10は、軸心に軸方向に沿って貫通した円孔10aが形成されており、当該円孔10aを中心として放射状に均等に燃料グレイン10bが六分割されて配設されている。各燃料グレイン10bの中央部分には断面扇形の孔10cが軸方向に貫通している。このように当該固体燃料10はいわゆるワゴンホイール形状をなしている。さらに、当該固体燃料10は、外周がFRP製の断熱材16により覆われており、各燃料グレイン10bの間はCFRP製の補強板18により仕切られている。
当該図2に示すように、固体燃料10は、軸心に軸方向に沿って貫通した円孔10aが形成されており、当該円孔10aを中心として放射状に均等に燃料グレイン10bが六分割されて配設されている。各燃料グレイン10bの中央部分には断面扇形の孔10cが軸方向に貫通している。このように当該固体燃料10はいわゆるワゴンホイール形状をなしている。さらに、当該固体燃料10は、外周がFRP製の断熱材16により覆われており、各燃料グレイン10bの間はCFRP製の補強板18により仕切られている。
固体燃料10の各燃料グレイン10bは、樹脂材料としての高分子樹脂バインダに、金属繊維が混和されて成形されている。高分子樹脂バインダとして、本実施形態では、一般的な固体燃料であるHTPB(末端水酸基ポリブタジエン)よりも軟らかい熱可塑性エラストマを使用している。例えばHTPBの物性は、引張強度1.1MPa、歪34.7%、弾性率3.3MPaであるのに対し、熱可塑性エラストマの物性は、0.35MPa、歪129.0%、弾性率0.27MPaである。
そして、当該固体燃料10は、このように比較的軟らかい物性を持つ熱可塑性エラストマに金属繊維を混和させたものであり、当該金属繊維としては例えばスチールウールを使用する。
当該固体燃料の成形方法としては、予めスチールウールを敷き詰めた型に加熱されたスラリー状の熱可塑性エラストマを充填し、硬化した後に型から外す。このようにして成形した固体燃料はスチールウールが補強材の役割をなす。
当該固体燃料の成形方法としては、予めスチールウールを敷き詰めた型に加熱されたスラリー状の熱可塑性エラストマを充填し、硬化した後に型から外す。このようにして成形した固体燃料はスチールウールが補強材の役割をなす。
このようにハイブリッドロケットエンジン1は、金属繊維を混和させて成形された固体燃料10を搭載しており、以下、当該ハイブリッドロケットエンジン1の作用について詳しく説明する。
ハイブリッドロケットエンジン1は、液体の酸化剤をインジェクタ6からエンジンケース2内に供給するとともに、点火器4により点火を行うことで、固体燃料を燃焼させる。燃焼が開始後はインジェクタ6により酸化剤の供給量を調整することで燃焼制御が可能である。ハイブリッドロケットエンジン1の燃焼速度は、固体燃料10の熱伝導率と相関関係にあり、当該固体燃料10には樹脂材料よりも熱伝導率の高い金属繊維が混和されていることで、金属繊維を混和しない固体燃料よりも熱伝導率が高くなり、燃焼速度も増加する。
ハイブリッドロケットエンジン1は、液体の酸化剤をインジェクタ6からエンジンケース2内に供給するとともに、点火器4により点火を行うことで、固体燃料を燃焼させる。燃焼が開始後はインジェクタ6により酸化剤の供給量を調整することで燃焼制御が可能である。ハイブリッドロケットエンジン1の燃焼速度は、固体燃料10の熱伝導率と相関関係にあり、当該固体燃料10には樹脂材料よりも熱伝導率の高い金属繊維が混和されていることで、金属繊維を混和しない固体燃料よりも熱伝導率が高くなり、燃焼速度も増加する。
以上のように、本実施形態に係るハイブリッドロケットエンジン1は、固体燃料10に熱伝導率の高い金属繊維を混和させることで、燃焼速度を向上させることができる。
また、固体燃料10に金属繊維を混和させることで、単体では軟らかく成形しにくい熱可塑性エラストマのような固体燃料についても、金属繊維が補強材となり、成形後の形状を安定的に維持することができる。これにより、固体燃料10の形状の自由度が増し、ハイブリッドロケットエンジンの仕様に適した比推力、燃焼速度、燃料組成等を実現する形状に成形することができる。
また、固体燃料10に金属繊維を混和させることで、単体では軟らかく成形しにくい熱可塑性エラストマのような固体燃料についても、金属繊維が補強材となり、成形後の形状を安定的に維持することができる。これにより、固体燃料10の形状の自由度が増し、ハイブリッドロケットエンジンの仕様に適した比推力、燃焼速度、燃料組成等を実現する形状に成形することができる。
このように、本発明に係る固体燃料及びこの固体燃料を用いるハイブリッドロケットエンジンは、固体燃料を所望の形状で維持することでき、比推力等の性能を確保できる上、燃焼速度を向上させることができる。
以上で本発明に係るハイブリッドロケットエンジンの実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
以上で本発明に係るハイブリッドロケットエンジンの実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、固体燃料に金属繊維としてのスチールウールを混和させているが、金属繊維はスチールウールに限られるものではなく、例えばステンレスや銅からなる金属繊維であっても構わない。また、当該金属繊維に代えてアルミニウムやステンレス等の発泡金属を混和させても同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、液体の酸化剤を使用しているが、酸化剤は流体の酸化剤であればよく、例えば気体の酸化剤を使用してもよい。
また、上記実施形態では、液体の酸化剤を使用しているが、酸化剤は流体の酸化剤であればよく、例えば気体の酸化剤を使用してもよい。
また、上記実施形態では、固体燃料10として熱可塑性エラストマを使用しているが、固体燃料はこれに限られるものではなく、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン、ポリウレタン、アジ化ポリマー(GAP)を使用しても構わない。
また、上記実施形態では、固体燃料はワゴンホイール形状をなしているが、固体燃料の形状はこれに限られるものではなく、例えば軸方向に貫通した孔を1つまたは複数形成した形状等であっても構わない。
また、上記実施形態では、固体燃料はワゴンホイール形状をなしているが、固体燃料の形状はこれに限られるものではなく、例えば軸方向に貫通した孔を1つまたは複数形成した形状等であっても構わない。
1 ハイブリッドロケットエンジン
2 エンジンケース
4 点火器
6 インジェクタ(酸化剤供給手段)
8 ノズル
10 固体燃料
10a 円孔
10b 燃料グレイン
10c 孔
12 前部燃焼室
14 後部燃焼室
16 断熱材
18 補強板
2 エンジンケース
4 点火器
6 インジェクタ(酸化剤供給手段)
8 ノズル
10 固体燃料
10a 円孔
10b 燃料グレイン
10c 孔
12 前部燃焼室
14 後部燃焼室
16 断熱材
18 補強板
Claims (8)
- 固体燃料と流体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットエンジンに用いる固体燃料であって、
樹脂材料に金属繊維または発泡金属を混和して成形されたことを特徴とする固体燃料。 - 前記樹脂材料は、熱可塑性エラストマであることを特徴とする請求項1記載の固体燃料。
- 前記金属繊維は、スチールウールであることを特徴とする請求項1記載の固体燃料。
- 前記発泡金属はアルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の固体燃料。
- 端部にノズルが形成されたエンジンケースと、
タンク内に貯蔵された流体の酸化剤と、
前記タンク内の前記酸化剤を前記エンジンケース内に供給する酸化剤供給手段と、
前記ケース内に配設され、樹脂材料に金属繊維または発泡金属を混和して成形された固体燃料と、
を備えたことを特徴とするハイブリッドロケットエンジン。 - 前記樹脂材料は、熱可塑性エラストマであることを特徴とする請求項5記載のハイブリッドロケットエンジン。
- 前記金属繊維は、スチールウールであることを特徴とする請求項5記載のハイブリッドロケットエンジン。
- 前記発泡金属はアルミニウムであることを特徴とする請求項5記載のハイブリッドロケットエンジン。
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| JP2010236328A JP2012087716A (ja) | 2010-10-21 | 2010-10-21 | 固体燃料及びこの固体燃料を用いるハイブリッドロケットエンジン |
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