一例として示す解体用テープの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる解体用テープの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、図1の解体用テープ10の平面図であり、図3は、図2の3−3線端面図である。図4は、解体用テープ10を利用した解体物管理システム13の概略構成図であり、図5は、図4の解体物管理システム13を利用して解体される原子力発電所16の一例を示す図である。
解体用テープ10は、図1に示すように、その平面形状が細長い帯に成型され、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。解体用テープ10の表面には、連続する無制限の番号(たとえば、1,2,3・・・nの連続番号があるが、偶数2,4,6・・・nの連続番号や奇数1,3,5・・・nの連続番号等であってもよい)を表す複数のバーコード11(識別コード)が表示(印刷)されている。それらバーコード11は、テープ10の長さ方向(一方向)へ等間隔離間した状態で連続して一列に並んでいる。解体用テープ10は、合成樹脂シートまたは紙シート若しくは合成樹脂シートと紙シートとの複合シートから作られ、その裏面に粘着剤12が塗布されている。なお、粘着剤12が剥離紙(図示せず)によって被覆・保護されていてもよい。
図1,2には、バーコードとして、一次元バーコード14を図示しているが、一次元バーコード14の他に、QRコードやベリコード、マキシコード等のマトリックス式の二次元バーコードを使用することもでき、Code49やCode16K、Codablock、SuperCode等のスタック式の二次元バーコードを使用することもできる。また、カメレオンコードを使用することもできる。なお、バーコードの他に、デジタルマーク(識別コード)やカラーマーク(識別コード)を使用することもできる。
解体用テープ10を利用する解体物管理システム13は、テープ10の他に、バーコードリーダ14(識別コードリーダ)およびコンピュータ15を備え、原子力発電所16(原子力関連施設)を構成する各種の構成物の解体前管理および解体後管理を実行するとともに、原子力発電所16に設備された各種の設備物の解体前管理と解体後管理とを実行する。なお、解体物管理システム13は、原子力発電所16のみならず、他の原子力関連施設(建造物)の解体にも利用することができる。他の原子力関連施設には、中間貯蔵施設、再処理工場、MOX燃料工場、高速増殖炉、高速増殖炉用燃料工場、高速増殖炉用再処理工場、高レベル放射性廃棄物最終処分施設等がある。
原子力発電所16は、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19から形成されている。原子力発電所16の解体では、放射能漏れや放射能汚染を厳格に防ぐ目的から、解体物が厳しく管理されるとともに、解体物が属する解体前の構成物や設置物を解体後に追跡かつ把握可能であることが要求される。さらに、解体物が属する構成物や設備物の属性が解体後に追跡かつ把握可能であることが要求され、解体物の属性毎の管理が要求される。
バーコードリーダ14は、インターフェイス(有線または無線)を介してコンピュータ15に接続されている。図2には3台のバーコードリーダ14が図示されているが、バーコードリーダ14の台数に特に限定はなく、バーコードリーダ14が1台または4台以上であってもよい。なお、各バーコードリーダ14には、プライベートIPアドレスやMACアドレスが設定されており、それらアドレス情報に基づいて各バーコードリーダ14を個別に特定することができる。デジタルマークを使用する場合は、バーコードリーダ14に代えて、デジタルマークを読み取るデジタルマークリーダを使用し、カラーマークを使用する場合は、バーコードリーダ14に代えて、カラーマークを読み取るカラーマークリーダを使用する。
バーコードリーダ14は、解体用テープ10に表示されたバーコード11を読み取り、読み取ったバーコード11が表すデータをデジタル信号としてコンピュータ15に転送する。なお、図示はしていないが、各バーコードリーダ14には、テンキーユニットやディスプレイが附属している。テンキーユニットを利用し、バーコードリーダ14からコンピュータ15に必要なデータを送信することができ、ディスプレイを利用し、バーコードリーダ14からコンピュータ15に送信するデータを表示、確認することができるとともに、コンピュータ15からのメッセージを表示、確認することができる。
コンピュータ15は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(記憶部)とを有し、大容量ハードディスクを内蔵している。図1には3台のコンピュータ15(携帯用ノート型コンピュータ)が図示されているが、コンピュータ15の台数に特に限定はなく、コンピュータ15が1台または4台以上であってもよい。解体前管理において各コンピュータ15の1台に各バーコードリーダ14の1台以上を接続してバーコード11の読み取り作業やデータの格納作業が行われる。なお、コンピュータ15には、プライベートIPアドレスやMACアドレスが設定されており、それらアドレス情報に基づいて各コンピュータ15を個別に特定することができる。コンピュータ15には、通信ポートが内蔵され、キーボード29やマウス21等の入力装置、ディスプレイ22やプリンタ(図示せず)等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。
コンピュータ15は、ホスト名とそのホスト名に割り当てるIPアドレスとの対応付けを設定するDNSサーバ機能、ホームページを公開するために必要なWebサーバ機能、他のコンピュータや他のサーバからの要求を受け付けて各種情報を読み書きする機能を提供するデータベースサーバ機能、電子メールの送受信用のメールサーバ機能、作成された文章や画像等のデータをすべて保存してそれらのデータを検索可能にするドキュメントサーバ機能等を有する。各コンピュータ15は、インターネットに接続可能であり、ネットワーク間において各種データを送受信可能である。ネットワーク内では、コンピュータ15どうしで各種データを送受信可能である。
コンピュータ15には、バーコードリーダ14のアドレス情報やバーコードリーダ14が読み取ったバーコード11が表すデータがデジタル信号として入力される。コンピュータ15のメモリには、解体物管理アプリケーションが格納されている。コンピュータ15の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリに格納された解体物管理アプリケーションを起動し、そのアプリケーションに従って後記する各手段を実行する。
図6は、解体用テープ10が貼付された原子力発電所19の壁23の斜視図であり、図7は、解体用テープ10が貼付された原子力発電所19のダクト24の斜視図である。図8は、壁23の解体作業の一例を示す図であり、図9は、ダクト24の解体作業の一例を示す図である。図10は、壁23を解体した後の解体物25を示す図であり、図11は、ダクト24を解体した後の解体物26を示す図である。図10,11では、解体物25,26を1つだけ示し、それら解体物25,26に貼付されたテープ10のバーコード11がバーコードリーダ14によって読み取られている。なお、図6,7では、原子力発電所16の構成物として壁23を例示し、原子力発電所16の設備物としてダクト24を例示しているが、構成物や設備物をそれらに限定するものではなく、原子力発電所16を構成する梁や柱、床スラブ等の他のあらゆる構成物が含まれるとともに、原子力発電所16に設備される照明器具やタービン、発電機等の他のあらゆる設備物が含まれる。
解体用テープ10を利用しつつ、原子力発電所16(建造物)の壁23(構成物)やダクト24(設備物)を解体する手順を説明すると、以下のとおりである。解体対象の構成物(壁23)や設備物(ダクト24)を区分けし、区分けした構成物や設備物に解体用テープ10を貼付する。具体的には、図6に示すように、壁23の一面にテープ10をランダムに貼付し、図7に示すように、ダクト24の周面にテープ10をランダムに貼付する。テープ10の壁23やダクト24に対する貼付箇所や貼付長さに特に限定はなく、解体物のサイズや解体個数等を参酌し、壁23やダクト24の任意の箇所に貼付するとともに、壁23やダクト24に任意の長さを貼付することができる。また、壁23やダクト24に貼付するテープ10に表示されたバーコード11の数に特に限定はなく、任意の数のバーコード11を貼付することができる。
テープ10を壁23に貼付した後、図6に示すように、テープ10に表示されたバーコード11のうち、先頭に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み込むとともに、最後尾に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み込む。なお、先頭に位置するバーコード11と最後尾に位置するバーコード11との間に並ぶ中間のバーコード11は読み取らない。さらに、バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の名称を入力し(ディスプレイ22に表示された複数の原子力発電所16のプルダウンリストから発電所名を選択することもできる。)、中央制御室、タービン建屋、原子炉建屋(名称)のいずれかを入力するとともに(ディスプレイ22に表示された原子力発電所16のプルダウンリストからそれらを選択することもできる。)、壁(名称)を入力する(ディスプレイ22に表示された構成物表示のプルダウンリストから壁を選択することもできる)。
バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の特定情報(名称、住所、地図、写真、電話番号、URL等)、中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19の特定情報(名称、住所、地図、写真等)、解体期間(年月日〜年月日)、用途、建物容積等を入力するとともに(建造物属性入力)、壁23の特定情報(中央制御室17の1階、タービン建屋18の入口等)、解体期間(年月日〜年月日)、材質(木製、コンクリート製、モルタル製、金属製等)、強度、放射性物質による放射性レベル、危険性等を入力する(構成物属性入力)。なお、入力可能な原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。また、入力可能な壁23の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。
バーコードリーダ14は、読み取ったバーコード11が表すデータ(番号データ)や入力されたデータをデジタルデータに変換し、それらデータをコンピュータ15に転送する(キーボード20やマウス21からデータを入力した場合、バーコードリーダ14は、読み取ったバーコード11が表すデータのみをコンピュータ15に転送する)。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14からそれらデータを受け取ると、原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19を特定する建造物特定識別番号(建造物特定識別子)を生成するとともに、壁23(構成物)を特定する構成物特定識別番号(構成物特定識別子)を生成する。
それら識別番号を生成した後、コンピュータ15の中央処理部は、建造物特定識別番号に構成物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ14から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、先頭番号が0001、最後尾番号が0020の場合、0001〜0020までの番号)を建造物特定識別番号と構成物特定識別番号とに関連付ける。
さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と構成物特定識別番号とに関連付けるとともに、転送された構成物属性データを構成物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、中央処理部は、建造物特定識別番号、構成物特定識別番号、番号データ、建造物属性データ、壁23の構成物属性データをハードディスクに格納する(構成物格納手段)。バーコードリーダ14やコンピュータ15のディスプレイ22には、データ格納完了メッセージが表示される。
データ格納完了メッセージを確認した後、壁23の解体作業を行う。解体作業では、図8に示すように、壁23を細かく解体し、壁23を複数個の解体物25に分解する。解体された壁23の解体物25にはテープ10が残存しており、そのテープ10に表示されたバーコード11が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、壁23のそれら解体物25に貼付されたテープ10には、少なくとも1つのバーコード11が読み取り可能に残存している。
テープ10をダクト24に貼付した後、図7に示すように、テープ10に表示されたバーコード11のうち、先頭に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み込むとともに、最後尾に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み込む。なお、先頭に位置するバーコード11と最後尾に位置するバーコード11との間に並ぶ中間のバーコード11は読み取らない。さらに、バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の名称を入力し、中央制御室、タービン建屋、原子炉建屋(名称)のいずれかを入力するとともに、ダクト(名称)を入力する(ディスプレイ22に表示された設備物表示のプルダウンリストからダクトを選択することもできる)。
バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の特定情報(名称、住所、地図、写真、電話番号、URL等)、中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19の特定情報(名称、住所、地図、写真等)、解体期間(年月日〜年月日)、用途、建物容積等を入力するとともに(建造物属性入力)、ダクト24の特定情報(中央制御室天井、タービン建屋天井、排気ダクト、給気ダクト等)、解体期間(年月日〜年月日)、材質(金属製、合成樹脂製等)、強度、放射性物質による放射性レベル、危険性等を入力する(設備物属性入力)。なお、入力可能なダクト24の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。
バーコードリーダ14は、読み取ったバーコード11が表すデータ(番号データ)や入力されたデータをデジタルデータとしてコンピュータ15に転送する(キーボード20やマウス21からデータを入力した場合、バーコードリーダ14は、読み取ったバーコード11が表すデータのみをコンピュータ15に転送する)。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14からそれらデータを受け取ると、原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19を特定する建造物特定識別番号(建造物特定識別子)を生成するとともに、ダクト24(設備物)を特定する設備物特定識別番号(設備物特定識別子)を生成する。
それら識別番号を生成した後、コンピュータ15の中央処理部は、建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ14から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、先頭番号が0030、最後尾番号が0040の場合、0030〜0040までの番号)を建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付ける。
さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付けるとともに、転送された設備物属性データを設備物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、中央処理部は、建造物特定識別番号、設備物特定識別番号、番号データ、建造物属性データ、ダクト24の設備物属性データをハードディスクに格納する(設備物格納手段)。バーコードリーダ14やコンピュータ15のディスプレイ22には、データ格納完了メッセージが表示される。
データ格納完了メッセージを確認した後、ダクト24の解体作業を行う。解体作業では、図9に示すように、ダクト24を細かく解体し、ダクト24を複数個の解体物26に分解する。解体されたダクト24の解体物26にはテープ10が残存しており、そのテープ10に表示されたバーコード11が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、ダクト24のそれら解体物26に貼付されたテープ10には、少なくとも1つのバーコード11が読み取り可能に残存している。
壁23を解体した解体物25は、廃棄処分されるが、廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、図10に示すように、バーコードリーダ14を利用して解体物25(壁23の解体物25)に貼付されたテープ10のバーコード11を読み取ることで、それら解体物25が解体される以前の建造物(原子力発電所16、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19)および構成物(壁23)を確認することができるとともに、それら建造物および構成物の属性等を確認することができる。解体物25に貼付されたテープ10のバーコード11を読み取ると、そのバーコード11が表す番号データがバーコードリーダ14からコンピュータ15に転送される。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14から転送された番号データ(たとえば、0007)とハードディスクに格納された番号データ(0001〜0040)とを比較し、解体物25が壁23の解体物25であると判断する(構成物特定手段)。
コンピュータ15の中央処理部は、壁23の構成物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する建造物(原子力発電所16、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19)を特定する。さらに、建造物特定識別番号と構成物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、構成物特定識別番号に対応する構成物属性データを特定する。さらに、その壁23が設置されていた建造物の属性データ(特定情報、解体期間、用途、建物容積等)、壁23の属性データ(特定情報、解体期間、材質、強度、放射性レベル、危険性等)をハードディスクから取り出し、建造物や壁23をディスプレイ22に表示するとともに、それら属性データや番号データをディスプレイ22に表示する。ディスプレイ22に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
ダクト24を解体した解体物26は、廃棄処分されるが、廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、図11に示すように、バーコードリーダ14を利用して解体物26(ダクト24の解体物26)に貼付されたテープ10のバーコード11を読み取ることで、それら解体物26が解体される以前の建造物(原子力発電所16、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19)および設備物(ダクト24)を確認することができるとともに、それら建造物および設備物の属性等を確認することができる。解体物26に貼付されたテープ10のバーコード11を読み取ると、そのバーコード11が表す番号データがバーコードリーダ14からコンピュータ15に転送される。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14から転送された番号データ(たとえば、0022)とハードディスクに格納された番号データ(0001〜0040)とを比較し、解体物26がダクト24の解体物26であると判断する(設備物特定手段)。
コンピュータ15の中央処理部は、ダクト24の設備物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する建造物(原子力発電所16、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19)を特定する。さらに、建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、設備物特定識別番号に対応する設備物属性データを特定する。さらに、そのダクト24が設置されていた建造物の属性データ(特定情報、解体期間、用途、建物容積等)、ダクト24の属性データ(特定情報、解体期間、材質、強度、放射性レベル、危険性等)をハードディスクから取り出し、建造物やダクト24をディスプレイ22に表示するとともに、それら属性データや番号データをディスプレイ22に表示する。ディスプレイ22に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
解体用テープ10は、それが解体前の原子力発電所16の壁23(構成物)やダクト24(設備物)に貼付され、バーコード11が表す番号のうちの先頭番号と最後尾番号とがバーコードリーダ14によって読み取られるとともに、先頭番号から最後尾番号までの番号が壁23(構成物特定識別番号)またはダクト24(設備物特定識別番号)に関連付けられ、壁23やダクト24を解体した後、各解体物25,26に残存する少なくとも1つのバーコード11の番号をバーコードリーダ14によって読み取ることによって、解体物25,26が解体される前の壁23またはダクト24を特定することができるから、テープ10に表示されたバーコード11を利用することで、複数の解体物25,26が属する構成物や設備物を各解体物25,26毎に特定することができ、原子力発電所16の構成物や設備物の解体後にそれら解体物25,26が属していた構成物や設備物を追跡かつ把握することができる。
解体用テープ10は、原子力発電所15の壁23(構成物)やダクト24(設備物)が細かく解体されて複数の解体物25,26が発生したとしても、それら解体物25,26に貼付されたテープ10のバーコード11を介してそれら解体物25,26の解体前の壁23やダクト24を確実に特定することができるから、各解体物25,26の解体前の構成物や設備物を明らかにすることができ、解体物25,26の帰属不明を防ぐことができる。原子力発電所16における解体作業では、放射能汚染を厳格に防ぐ目的から、複数の解体物25,26が属する構成物や設備物が解体後に追跡可能かつ把握可能であることが要求されるが、この解体用テープ10を利用することで、原子力発電所16の解体に要求されるそのような条件を満足させることができる。
解体用テープ10は、そのバーコード11を読み取ると、コンピュータ15に格納された建造物の属性データ、壁23(構成物)やダクト24(設備物)の属性データが出力されるから、壁23やダクト24の解体後に解体物25,26が属する建造物の属性、壁23やダクト24の属性を各解体物25,26毎に把握することができ、解体物25,26を各構成物毎や各設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。原子力発電所16における解体作業では、放射能汚染を厳格に防ぐ目的から、複数の解体物25,26が属する構成物の属性や設備物の属性が解体後に追跡可能かつ把握可能であるとともに、解体後のそれら解体物25,26が属する構成物や設備物の属性毎の管理が要求されるが、この解体用テープ10を利用することで、原子力発電所16の解体に要求されるそのような条件を満足させることができる。
図12は、解体用テープ10(a)〜10(c)の他の一例を示す図であり、図13は、解体用テープ10(d)〜10(f)の他の一例を示す図である。図14は、図12に示す解体用テープ10(a)〜10(c)が貼付された壁27〜29の斜視図であり、図15は、各壁27〜29の解体作業の一例を示す図であり、図16は、各壁27〜29を解体した後の解体物33〜35を示す図である。図17は、図13に示す解体用テープ10(d)〜10(f)が貼付されたダクト30〜32の斜視図であり、図18は、各ダクト30〜32の解体作業の一例を示す図である。図19は、各ダクト30〜32を解体した後の解体物36〜38を示す図である。
図12,13に示すテープ10(a)〜10(f)は、各種複数の色、色彩(有彩色および無彩色)の各種複数の濃淡、各種複数の形、各種複数の記号によって複数種類に区分されている。それらテープ10(a)〜10(f)は、その色が原子力発電所16の構成物や設備物の各種の属性に対応し、その色彩の濃淡が構成物や設備物の各種の属性に対応するとともに、その形が構成物や設備物の各種の属性に対応し、その記号が構成物や設備物の各種の属性に対応している。なお、色、濃淡、形、記号でテープ10を区分する場合、それらの組み合わせることによって24種類に区分されたテープ10を作ることができ、全てを図示はしていないが、それら全ての種類のテープ10を使用することができる。また、色、濃淡、形、記号の他にテープ10を区分可能な全ての識別子が含まれる。
解体用テープ10(a)〜10(f)は、図示はしていないが、図1のそれと同様に、その平面形状が細長い帯に成型され、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。それらテープ10(a)〜10(f)の表面には、連続する無制限の番号(たとえば、1〜nの連続番号)を表す複数のバーコード11が表示(印刷)されている。テープ10(a)〜10(f)は、合成樹脂シートまたは紙シート若しくは合成樹脂シートと紙シートとの複合シートから作られ、その裏面に粘着剤12が塗布されている(図2援用)。
テープ10(a)〜10(f)の色に対応する原子力発電所16の構成物や設備物の属性には、放射性物質による汚染レベル、名称、材質、危険性等があるが、テープ10(a)〜10(f)の色に対応する構成物や設備物の属性に特に限定はなく、あらゆる属性を自由に設定することができる。図12,13では、2種類の色を例示しているが、テープ10の色に特に限定はなく、目視可能かつ識別可能な全ての色によってテープ10を複数種類に区分することができる。
テープ10(a)〜10(f)の色彩の濃淡に対応する原子力発電所16の構成物や設備物の属性には、放射性物質による汚染レベル、名称、材質、危険性等があるが、テープ10(a)〜10(f)の色彩の濃淡に対応する構成物や設備物の属性に特に限定はなく、あらゆる属性を自由に設定することができる。図12,13では、3種類の濃淡を例示しているが、テープ10の色彩の濃淡に特に限定はなく、目視可能かつ識別可能な全ての濃淡によってテープ10を複数種類に区分することができる。
テープ10(a)〜10(f)の形に対応する原子力発電所16の構成物や設備物の属性には、放射性物質による汚染レベル、名称、材質、危険性等があるが、テープ10(a)〜10(f)の形に対応する構成物や設備物の属性に特に限定はなく、あらゆる属性を自由に設定することができる。図12,13では、2種類の形を例示しているが、テープ10の形に特に限定はなく、目視可能かつ識別可能な全ての形によってテープ10を複数種類に区分することができる。
テープ10(a)〜10(f)の記号に対応する原子力発電所16の構成物や設備物の属性には、放射性物質による汚染レベル、名称、材質、危険性等があるが、テープ10(a)〜10(f)の記号に対応する構成物や設備物の属性に特に限定はなく、あらゆる属性を自由に設定することができる。図12,13では、3種類の記号を例示しているが、テープ10に表示する記号に特に限定はなく、目視可能かつ識別可能な全ての記号によってテープ10を複数種類に区分することができる。
図12に示すテープ10(a)〜10(c)のうちの(a)のテープ10(a)は、長さ方向へ円弧を画くように起伏する形であり、1番薄い青色に着色され、記号(A)が表示されている。テープ10(a)は、その一例として、中央制御室17の構成物である壁27の解体に利用され、壁27の属性の一例として、名称(壁)(たとえば、テープの形が名称を表す。)、材質(鉄筋コンクリート)(たとえば、テープの色が材質を表す。)、放射性物質の汚染レベル(低)(たとえば、テープの色彩の濃淡が放射性物質の汚染レベルを表す。)、危険性(小)(たとえば、テープの記号が危険性を表す。)を表す。
図12の(a)のテープ10(a)に表示されたバーコード11には、番号データを表すコードのみならず、テープ10(a)の色を表すコード、テープ10(a)の色彩の濃淡を表すコード、テープ10(a)の形を表すコード、テープ10(a)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ15のハードディスクには、複数の原子力発電所の原子力発電所コードとそれらコードに対応する複数の建造物特定識別番号(建造物特定識別子)とが格納され、中央制御室コードやタービン建屋コード、原子炉建屋コード等とそれらコードに対応する複数の建造物特定識別番号(建造物特定識別子)とが格納されている。
コンピュータ15のハードディスクには、テープ10(a)の色を表すコードデータ、テープ10(a)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ10(a)の形を表すコードデータ、テープ10(a)の記号を表すコードデータ、中央制御室17の壁27の前記属性データ(名称(壁)、材質(鉄筋コンクリート)、放射性物質の汚染レベル(低)、危険性(小))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
図12に示すテープ10(a)〜10(c)のうちの(b)のテープ10(b)は、長さ方向へ円弧を画くように起伏する形であり、2番目に濃い青色に着色され、記号(B)が表示されている。テープ10(b)は、その一例として、タービン建屋18の構成物である壁28の解体に利用され、壁28の属性の一例として、名称(壁)、材質(鉄筋コンクリート)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中)を表す。
図12の(b)のテープ10(b)に表示されたバーコード11には、番号データを表すコードのみならず、テープ10(b)の色を表すコード、テープ10(b)の色彩の濃淡を表すコード、テープ10(b)の形を表すコード、テープ10(b)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ15のハードディスクには、テープ10(b)の色を表すコードデータ、テープ10(b)の色彩の濃淡を表すコード、テープ10(b)の形を表すコードデータ、テープ10(b)の記号を表すコードデータ、タービン建屋18の壁28の前記属性データ(名称(壁)、材質(鉄筋コンクリート)、放射性物質の汚染レベル(中)、解体危険性(中))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
図12に示すテープ10(a)〜10(c)のうちの(c)のテープ10(c)は、長さ方向へ円弧を画くように起伏する形であり、1番濃い青色に着色され、記号(C)が表示されている。テープ10(c)は、その一例として、原子炉建屋19の構成物である壁29の解体に利用され、壁29の属性の一例として、名称(壁)、材質(鉄筋コンクリート)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高)を表す。
図12の(c)のテープ10(c)に表示されたバーコード11には、番号データを表すコードのみならず、テープ10(c)の色を表すコード、テープ10(c)の色彩の濃淡を表すコード、テープ10(c)の形を表すコード、テープ10(c)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ15のハードディスクには、テープ10(c)の色を表すコードデータ、テープ10(c)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ10(c)の形を表すコードデータ、テープ10(c)の記号を表すコードデータ、原子炉建屋19の壁29の前記属性データ(名称(壁)、材質(鉄筋コンクリート)、放射性物質の汚染レベル(高)、解体危険度(高))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
図13に示すテープ10(d)〜10(f)のうちの(a)のテープ10(d)は、長さ方向へ複数の四角形を画く形であり、1番薄い緑色に着色され、記号(A)が表示されている。図13の(a)のテープ10(d)は、その一例として、中央制御室17の設備物であるダクト30の解体に利用され、ダクト30の属性の一例として、名称(ダクト)(たとえば、テープの形が名称を表す。)、材質(金属製)(たとえば、テープの色が材質を表す。)、放射性物質の汚染レベル(低)(たとえば、テープの色彩の濃淡が放射性物質の汚染レベルを表す。)、危険性(小)(たとえば、テープの記号が危険性を表す。)を表す。
図13の(a)のテープ10(d)に表示されたバーコード11には、番号データを表すコードのみならず、テープ10(d)の色を表すコード、テープ10(d)の色彩の濃淡を表すコード、テープ10(d)の形を表すコード、テープ10(d)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ15のハードディスクには、テープ10(d)の色を表すコードデータ、テープ10(d)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ10(d)の形を表すコードデータ、テープ10(d)の記号を表すコードデータ、中央制御室17のダクト30の前記属性データ(名称(ダクト)、材質(金属製)、放射性物質の汚染レベル(低)、危険性(小))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
図13に示すテープ10(d)〜10(f)のうちの(b)のテープ10(e)は、長さ方向へ複数の四角形を画く形であり、2番目に濃い緑色に着色され、記号(B)が表示されている。テープ10(e)は、その一例として、タービン建屋18の設備物であるダクト31の解体に利用され、ダクト31の属性の一例として、名称(ダクト)、材質(金属製)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中)を表す。
図13の(b)のテープ10(e)に表示されたバーコード11には、番号データを表すコードのみならず、テープ10(e)の色を表すコード、テープ10(e)の色彩の濃淡を表すコード、テープ10(e)の形を表すコード、テープ10(e)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ15のハードディスクには、テープ10(e)の色を表すコードデータ、テープ10(e)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ10(e)の形を表すコードデータ、テープ10(e)の記号を表すコードデータ、タービン建屋18のダクト31の前記属性データ(名称(ダクト)、材質(金属製)、放射性物質の汚染レベル(中)、危険性(中))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
図13に示すテープ10(d)〜10(f)のうちの(c)のテープ10(f)は、長さ方向へ複数の四角形を画く形であり、1番濃い緑色に着色され、記号(C)が表示されている。テープ10(f)は、その一例として、原子炉建屋19の設備物であるダクト32の解体に利用され、ダクト32の属性の一例として、名称(ダクト)、材質(金属製)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高)を表す。
図13の(c)のテープ10(f)に表示されたバーコード11には、番号データを表すコードのみならず、テープ10(f)の色を表すコード、テープ10(f)の色彩の濃淡を表すコード、テープ10(f)の形を表すコード、テープ10(f)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11にそれらのコードが含まれていない場合もある。)。コンピュータ15のハードディスクには、テープ10(f)の色を表すコードデータ、テープ10(f)の色彩の濃淡を表すコードデータ、テープ10(f)の形を表すコードデータ、テープ10(f)の記号を表すコードデータ、原子炉建屋19のダクト32の前記属性データ(名称(ダクト)、材質(金属製)、放射性物質の汚染レベル(高)、危険性(高))が互いに関連付けられた状態で格納されている。
図14〜図16に基づいて壁27〜29の解体を説明すると、以下のとおりである。なお、図14では、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19の各壁27〜29に解体用テープ10(a)〜10(c)が貼付され、それらテープ10(a)〜10(c)に表示されたバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図16では、それら壁27〜29の解体物33〜35を1つだけ示し、それら解体物33〜35に貼付されたテープ10(a)〜10(c)のバーコード11がバーコードリーダ14によって読み取られている。
原子力発電所16(建造物)の中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19(建造物)を構成する解体対象の構成物(壁、柱、梁、床スラブ等)を区分けした後、それら壁27〜29に解体用テープ10(a)〜10(c)を貼付する。具体的には、図14(a)に示すように、図12の(a)のテープ10(a)を中央制御室17の壁27の一面にランダムに貼付し、図14(b)に示すように、図12の(b)のテープ10(b)をタービン建屋18の壁28の一面にランダムに貼付するとともに、図14(c)に示すように、図12の(c)のテープ10(c)を原子炉建屋19の壁29の一面にランダムに貼付する。
それらテープ10(a)〜10(c)を各壁27〜29に貼付した後、テープ10(a)〜10(c)に表示されたバーコード11のうち、先頭に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み取るとともに、最後尾に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み取る。なお、先頭に位置するバーコード11と最後尾に位置するバーコード11との間に並ぶ中間のバーコード11は読み取らない。
さらに、バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の名称を入力し(ディスプレイ2に表示された複数の原子力発電所のプルダウンリストから発電所名を選択することもできる。)、中央制御室、タービン建屋、原子炉建屋(名称)のいずれかを入力するとともに(ディスプレイ22に表示された原子力発電所建造物のプルダウンリストからそれらを選択することもできる。)、壁(名称)を入力する(ディスプレイ22に表示された構成物表示のプルダウンリストから壁を選択することもできる)。
バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の特定情報(名称、住所、地図、写真、電話番号、URL等)、中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19の特定情報(名称、住所、地図、写真等)、解体期間(年月日〜年月日)、用途、建物容積等を入力するとともに(建造物属性入力)、壁27〜29の特定情報(中央制御室23の入口壁、タービン建屋24の出口壁等)、解体期間(年月日〜年月日)、強度等を入力する(構成物属性入力)。なお、入力可能な壁27〜29の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。
バーコードリーダ14は、読み取ったバーコード11が表すデータや入力されたデータをデジタルデータに変換し、それらデータをコンピュータ15に転送する(キーボード20やマウス21からデータを入力した場合、バーコードリーダ14は、読み取ったバーコード11が表すデータのみをコンピュータ15に転送する)。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14からそれらデータを受け取ると、バーコードが表す番号、テープ10(a)〜10(c)の色、テープ10(a)〜10(c)の色彩の濃淡、テープ10(a)〜10(c)の形、テープ10(a)〜10(c)記号、バーコードが表す各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19の建造物属性および壁27〜29の構成物属性をディスプレイ22に表示する。
各データをディスプレイ22に表示し、それらデータの確認が行われた後、コンピュータ15の中央処理部は、原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19(建造物)を特定する建造物特定識別番号(建造物特定識別子)を生成するとともに、壁27〜29(構成物)を特定する構成物特定識別番号(構成物特定識別子)を生成する。
建造物特定識別番号と構成物特定識別番号とを生成した後、コンピュータ15の中央処理部は、原子力発電所16を特定する建造物特定識別番号に構成物特定識別番号を関連付け、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19のいずれかを特定する建造物特定識別番号に構成物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ14から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、図12(a)のテープ10(a)の先頭番号が0100、最後尾番号が0150の場合、0100〜0150までの番号、図12(b)のテープ10(b)の先頭番号が0151、最後尾番号が0200の場合、0151〜0200までの番号、図12(c)のテープ10(c)の先頭番号が0201、最後尾番号が0260の場合、0201〜0260までの番号)を建造物特定識別番号と構成物特定識別番号とに関連付ける。
さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と構成物特定識別番号とに関連付け、転送された構成物属性データを構成物特定識別番号に関連付けるとともに、バーコード11が表す属性データを構成物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、コンピュータ15の中央処理部は、建造物特定識別番号、構成物特定識別番号、番号データ、建造物属性データ、壁27〜29の構成物属性データ、バーコード11が表す属性データをハードディスクに格納する(構成物格納手段)。バーコードリーダ14やコンピュータ15のディスプレイ22には、中央制御室17→壁27、タービン建屋18→壁28、原子炉建屋19→壁29のデータ格納完了メッセージが表示される。
各データがコンピュータ15のハードディスクに格納された後、それら壁27〜29の解体作業を行う。解体作業では、図15(a)〜(c)に示すように、壁27〜29を細かく解体し、壁27〜29を複数個の解体物33〜35に分解する。解体された壁27〜29の解体物33〜35にはテープ10(a)〜10(c)が残存しており、それらテープ10(a)〜10(c)に表示されたバーコード11が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、壁27〜29のそれら解体物33〜35に貼付されたテープ10(a)〜10(c)には、少なくとも1つのバーコード11が読み取り可能に残存している。
壁27〜29を解体した解体物33〜35の廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、図16(a)〜(c)に示すように、バーコードリーダ14を利用して解体物33〜35(壁27〜29の解体物33〜35)に貼付されたテープ10(a)〜10(c)のバーコード11を読み取ることで、それら解体物33〜35が解体される以前の建造物(原子力発電所16、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19)および構成物(壁27〜29)を確認することができるとともに、それら建造物および構成物の属性等を確認することができる。
解体物33〜35のテープ10(a)〜10(c)のバーコード11を読み取ると、そのバーコード11が表す番号データがバーコードリーダ14からコンピュータ15に転送される。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14から転送された番号データとハードディスクに格納された番号データとを比較し、解体物33〜35が壁27〜29の解体物33〜35であると判断する(構成物特定手段)。
たとえば、バーコードリーダ14から転送された番号データが0126である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物33が中央制御室17を構成していた壁27の解体物33であると判断する。バーコードリーダ14から転送された番号データが0182である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物34がタービン建屋18を構成していた壁28の解体物34であると判断する。さらに、バーコードリーダ14から転送された番号データが0255である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物35が原子炉建屋19を構成していた壁29の解体物35であると判断する。
コンピュータ15の中央処理部は、壁27〜29(構成物)の構成物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する原子力発電所16(建造物)を特定しつつ、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19のいずれかを特定する。さらに、建造物特定識別番号と構成物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、構成物特定識別番号に対応する構成物属性データを特定する。
コンピュータ15の中央処理部は、中央制御室17→壁27やタービン建屋18→壁28、原子炉建屋19→壁29の別とともに、バーコードが表す番号、テープ10(a)〜10(c)の色、テープ10(a)〜10(c)の色彩の濃淡、テープ10(a)〜10(c)の形、テープ10(a)〜10(c)の記号、バーコード11が表す壁27〜29の各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19の建造物属性および壁27〜29の構成物属性をディスプレイ22に表示する。ディスプレイ22に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
図17〜図19に基づいてダクト30〜32の解体を説明すると、以下のとおりである。なお、図17では、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19の各ダクト30〜32に解体用テープ10(d)〜10(f)が貼付され、それらテープ10(d)〜10(f)に表示されたバーコード14がバーコードリーダ12によって読み取られている。図19では、それらダクト30〜32の解体物36〜38を1つだけ示し、それら解体物36〜38に貼付されたテープ10(d)〜10(f)のバーコード11がバーコードリーダ14によって読み取られている。
原子力発電所16(建造物)の中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19(建造物)に設備された解体対象の設備物(ダクト、ドア、照明器具、タービン、発電機等)を区分けした後、それらダクト30〜32に解体用テープ10(d)〜10(f)を貼付する。具体的には、図17(a)に示すように、図13の(a)のテープ10(d)を中央制御室17のダクト30の周面にランダムに貼付し、図17(b)に示すように、図13の(b)のテープ10(e)をタービン建屋18のダクト31の周面にランダムに貼付するとともに、図17(c)に示すように、図13の(c)のテープ10(f)を原子炉建屋19のダクト32の周面にランダムに貼付する。
それらテープ10(d)〜10(f)を各ダクト30〜32に貼付した後、テープ10(d)〜10(f)に表示されたバーコード11のうち、先頭に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み取るとともに、最後尾に位置するバーコード11をバーコードリーダ14によって読み取る。なお、先頭に位置するバーコード11と最後尾に位置するバーコード11との間に並ぶ中間のバーコード11は読み取らない。
さらに、バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の名称を入力し、中央制御室、タービン建屋、原子炉建屋(名称)のいずれかを入力するとともに、ダクト(名称)を入力する(ディスプレイ22に表示された構成物表示のプルダウンリストからダクトを選択することもできる)。
バーコードリーダ14のテンキーユニットまたはコンピュータ15のキーボード20やマウス21を利用し、原子力発電所16の特定情報(名称、住所、地図、写真、電話番号、URL等)、中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19の特定情報(名称、住所、地図、写真等)、解体期間(年月日〜年月日)、用途、建物容積等を入力するとともに(建造物属性入力)、ダクト30〜32の特定情報(中央制御室23の天井設置、原子炉建屋25の天井設置、給気系統、排気系統等)、解体期間(年月日〜年月日)、強度等を入力する(設備物属性入力)。なお、入力可能なダクト30〜32の属性に特に限定はなく、例示の属性に限らず、他のあらゆる属性を入力することができる。
バーコードリーダ14は、読み取ったバーコード11が表すデータや入力されたデータをコンピュータ15に転送する。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14からそれらデータを受け取ると、バーコードが表す番号、テープ10(d)〜10(f)の色、テープ10(d)〜10(f)の色彩の濃淡、テープ10(d)〜10(f)の形、テープ10(d)〜10(f)の記号、バーコードが表す各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19の建造物属性およびダクト30〜32の構成物属性をディスプレイ22に表示する。
各データをディスプレイ22に表示し、それらデータの確認が行われた後、コンピュータ15の中央処理部は、原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19(建造物)を特定する建造物特定識別番号(建造物特定識別子)を生成するとともに、ダクト30〜32(設備物)を特定する設備物特定識別番号(設備物特定識別子)を生成する。
建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とを生成した後、コンピュータ15の中央処理部は、原子力発電所16を特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付け、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19のいずれかを特定する建造物特定識別番号に設備物特定識別番号を関連付けるとともに、バーコードリーダ14から転送された先頭番号から最後尾番号までの番号データ(たとえば、図13(a)のテープ10(d)の先頭番号が0300、最後尾番号が0350の場合、0300〜0350までの番号、図13(b)のテープ10(e)の先頭番号が0351、最後尾番号が0400の場合、0351〜0400までの番号、図13(c)のテープ10(f)の先頭番号が0401、最後尾番号が0460の場合、0401〜0460までの番号)を建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付ける。
さらに、転送された建造物属性データを建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに関連付け、転送された設備物属性データを設備物特定識別番号に関連付けるとともに、バーコード11が表す属性データを設備物特定識別番号に関連付ける。それらの関連づけが完了した後、コンピュータ15の中央処理部は、建造物特定識別番号、設備物特定識別番号、番号データ、建造物属性データ、ダクト30〜32の設備物属性データ、バーコード11が表す属性データをハードディスクに格納する(設備物格納手段)。バーコードリーダ14やコンピュータ15のディスプレイ22には、中央制御室17→ダクト30、タービン建屋18→ダクト31、原子炉建屋19→ダクト32のデータ格納完了メッセージが表示される。
各データがコンピュータ15のハードディスクに格納された後、それらダクト30〜32の解体作業を行う。解体作業では、図18(a)〜(c)に示すように、ダクト30〜32を細かく解体し、ダクト30〜32を複数個の解体物36〜38に分解する。解体されたダクト30〜32の解体物36〜38にはテープ10(d)〜10(f)が残存しており、それらテープ10(d)〜10(f)に表示されたバーコード11が1つの場合、2つの場合、3つの場合等がある。なお、ダクト30〜32のそれら解体物36〜38に貼付されたテープ10(d)〜10(f)には、少なくとも1つのバーコード11が読み取り可能に残存している。
ダクト30〜32を解体した解体物36〜38の廃棄処分前や廃棄処分時、廃棄処分後に、図19(a)〜(c)に示すように、バーコードリーダ14を利用して解体物36〜38(ダクト30〜32の解体物36〜38)に貼付されたテープ10(d)〜10(f)のバーコード11を読み取ることで、それら解体物36〜38が解体される以前の建造物(原子力発電所16、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19)および設備物(ダクト30〜32)を確認することができるとともに、それら建造物および設備物の属性等を確認することができる。
解体物36〜38のテープ10(d)〜10(f)のバーコード11を読み取ると、そのバーコード11が表す番号データがバーコードリーダ14からコンピュータ15に転送される。コンピュータ15の中央処理部は、バーコードリーダ14から転送された番号データとハードディスクに格納された番号データとを比較し、解体物36〜38がダクト30〜32の解体物36〜38であると判断する(設備物特定手段)。
たとえば、バーコードリーダ14から転送された番号データが0338である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物36が中央制御室17に設備されていたダクト30の解体物36であると判断する。バーコードリーダ14から転送された番号データが0381である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物37がタービン建屋18に設備されていたダクト31の解体物37であると判断する。さらに、バーコードリーダ14から転送された番号データが0407である場合、ハードディスクに格納された番号データと比較し、その解体物38が原子炉建屋19に設備されていたダクト32の解体物38であると判断する。
コンピュータ15の中央処理部は、ダクト30〜32(設備物)の設備物特定識別番号に対応する建造物特定識別番号を特定し、その建造物特定識別番号に対応する原子力発電所16(建造物)を特定しつつ、中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19のいずれかを特定する。さらに、建造物特定識別番号と設備物特定識別番号とに対応する建造物属性データを特定し、設備物特定識別番号に対応する設備物属性データを特定する。
コンピュータ15の中央処理部は、中央制御室17→ダクト30やタービン建屋18→ダクト31、原子炉建屋19→ダクト32の別とともに、バーコードが表す番号、テープ10(d)〜10(f)の色、テープ10(d)〜10(f)の色彩の濃淡、テープ10(d)〜10(f)の形、テープ10(d)〜10(f)の記号、バーコード11が表すダクト30〜32の各属性(名称、材質、放射性物質の汚染レベル、危険性)、入力された原子力発電所16や中央制御室17、タービン建屋18、原子炉建屋19の建造物属性およびダクト30〜32の設備物属性をディスプレイ22に表示する。ディスプレイ22に表示された各データは、プリンタから出力することができる。
解体用テープ10(a)〜10(f)は、それを利用することで、解体物33〜35が属する原子力発電所16の中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19を構成する壁27〜29(構成物)を各解体物33〜35毎に特定することができ、壁27〜29の解体後に各解体物33〜35が属していた原子力発電所16の構成物(壁27〜29)を追跡かつ把握することができる。また、テープ10(a)〜10(f)は、それを利用することで、解体物36〜38が属する原子力発電所16の中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19に設備されたダクト30〜32(設備物)を各解体物36〜38毎に特定することができ、ダクト30〜32の解体後に各解体物36〜38が属していた原子力発電所16の設備物(ダクト30〜32)を追跡かつ把握することができる。
解体用テープ10(a)〜10(f)は、原子力発電所16の中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19の壁27〜29(構成物)やダクト30〜32(設備物)が細かく解体されて複数の解体物33〜38が発生したとしても、それら解体物33〜38に貼付されたテープ10(a)〜10(f)のバーコード11を介してそれら解体物33〜38の解体前の構成物(壁27〜29)や設備物(ダクト30〜32)を確実に特定することができる。テープ10(a)〜10(f)は、それに表示されたバーコード11を利用し、それら解体物33〜38の解体前の構成物(壁27〜29)や設備物(ダクト30〜32)を特定することができるから、原子力発電所16の中央制御室17やタービン建屋18、原子炉建屋19の壁27〜29やダクト30〜32を解体した解体物33〜38が壁27〜29やダクト30〜32の解体物群からはぐれたり、解体物33〜38が原子力発電所22の他の構成物や他の設備物の解体物として紛れ込んだとしても、解体前の構成物(壁27〜29)や設備物(ダクト30〜32)を明らかにすることができ、解体物33〜38の帰属不明を防ぐことができる。
解体用テープ10(a)〜10(f)は、それに表示されたバーコード11を読み取ると、コンピュータ15に格納された建造物の属性データ、壁27〜29(構成物)やダクト30〜32(設備物)の属性データが出力されるから、壁27〜29やダクト30〜32の解体後に解体物33〜38が属する建造物の属性、壁27〜29(構成物)やダクト30〜32(設備物)の属性を各解体物33〜38毎に把握することができ、解体物33〜38を各構成物毎や各設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。テープ10(a)〜10(f)は、構成物(壁27〜29)や設備物(ダクト30〜32)の解体後においてテープ10(a)〜10(f)の色や濃淡、形、記号に対応した構成物(壁27〜29)や設備物(ダクト30〜32)の属性が出力されるから、テープ10(a)〜10(f)の色や濃淡、形、記号によって解体物33〜38が属する構成物や設備物の属性を各解体物毎に把握することができ、解体物33〜38を構成物毎や設備物毎であって属性毎に区分して管理することができる。
図20〜図23は、解体用テープの他の一例を示す図である。図20のテープ11(g)〜11(h)は、色が異なるテープであって、色のみによって区分されている。テープ11(g)〜11(h)は、図示はしていないが、図1のそれと同様に、その平面形状が細長い帯に成型され、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。テープ11(g)〜11(h)の表面には、連続する無制限の番号を表す複数のバーコード11が表示(印刷)されている。このテープ11(g)〜11(h)は、その色によって解体対象の構成物や設備物の属性を表すことができる。なお、バーコードには、テープ11(g)〜11(h)の色を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11に色のコードが含まれていない場合もある。)。
図21のテープ11(i)〜11(j)は、色彩(有彩色または無彩色)の濃淡が異なるテープであって、濃淡のみによって区分されている。テープ11(i)〜11(j)は、図示はしていないが、図1のそれと同様に、その平面形状が細長い帯に成型され、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。テープ11(i)〜11(j)の表面には、連続する無制限の番号を表す複数のバーコード11が表示(印刷)されている。このテープ11(i)〜11(j)は、その濃淡によって解体対象の構成物や設備物の属性を表すことができる。なお、バーコードには、テープ11(i)〜11(j)の濃淡を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11に濃淡のコードが含まれていない場合もある。)。
図22のテープ11(k)〜11(l)は、形が異なるテープであって、形のみによって区分されている。テープ11(k)〜11(l)は、図示はしていないが、図1のそれと同様に、その平面形状が細長い帯に成型され、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。テープ11(k)〜11(l)の表面には、連続する無制限の番号を表す複数のバーコード11が表示(印刷)されている。このテープ11(k)〜11(l)は、その形によって解体対象の構成物や設備物の属性を表すことができる。なお、バーコードには、テープ11(k)〜11(l)の形を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11に形のコードが含まれていない場合もある。)。
図23のテープ11(m)〜11(n)は、記号が異なるテープであって、記号のみによって区分されている。テープ11(m)〜11(n)は、図示はしていないが、図1のそれと同様に、その平面形状が細長い帯に成型され、その帯を巻き取った巻物状に加工されている。テープ11(m)〜11(n)の表面には、連続する無制限の番号を表す複数のバーコード11が表示(印刷)されている。このテープ11(m)〜11(n)は、その記号によって解体対象の構成物や設備物の属性を表すことができる。なお、バーコードには、テープ11(m)〜11(n)の記号を表すコードが含まれている(ただし、バーコード11に記号のコードが含まれていない場合もある。)。