JP2012084387A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】円偏光フィルムの外光反射低減機能を維持し、かつプリズムシートによる表示品位を向上させることができる表示装置を提供する。
【解決手段】基板の上に、光学反射板、発光素子、位相差フィルム、偏光フィルム、プリズムシートがこの順で配置された表示装置であって、表示装置の法線方向かつプリズムシート側から入射し、プリズムシートにて屈折され、偏光フィルムを透過して位相差フィルムに入射した外光を弱めるように、位相差フィルムの膜厚もしくは光学軸が設定されていることを特徴とする表示装置。
【選択図】図1
【解決手段】基板の上に、光学反射板、発光素子、位相差フィルム、偏光フィルム、プリズムシートがこの順で配置された表示装置であって、表示装置の法線方向かつプリズムシート側から入射し、プリズムシートにて屈折され、偏光フィルムを透過して位相差フィルムに入射した外光を弱めるように、位相差フィルムの膜厚もしくは光学軸が設定されていることを特徴とする表示装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置に関し、例えば有機EL表示装置等の画像表示装置に関する。
表示装置を屋外等の非常に明るい場所にて使用する場合の外光反射による表示妨害を低減する技術として、表示装置表面に位相差フィルムと偏光フィルムの積層フィルムである円偏光フィルムを設置する技術が知られている。このような外光反射を低減するための円偏光フィルムとしては、位相差フィルムの位相差が光波長λに対してλ/4となるものが使われる。一般的なλとして人間の視覚的感度の高い波長である550nmのものが用いられた場合、λ/4=137.5nmとなる。通常、λ/4=130nm〜140nm程度であれば、実用上、円偏光板として機能する。
また、表示装置の表示品位向上を目的として、表示装置表面にプリズムシートを設け、シート表面での屈折や反射を制御する技術が知られている。例えば、プリズムシートとして三角プリズムやマイクロレンズを用いて表示装置が発する光線を正面方向に集光し、正面方向の輝度を高め表示品位を向上する技術が知られている。特許文献1にはプリズムシートとしてコーナーキューブのような再帰性反射構造を設けることで外光の表面反射を低減し表示品位を向上する技術が開示されている。以下、シート表面での屈折や反射を制御するために、シート表面に凸凹構造を多数設置したシートをプリズムシートと称する。
上記二つの技術を組み合わせた技術が特許文献2に開示されている。この技術によると発光素子の観察者側に円偏光フィルムが設置され、更に円偏光フィルム上の観察者側にプリズムシートとしてマイクロレンズが設置される。これにより、円偏光フィルムによる外光反射防止と、マイクロレンズによる正面輝度向上を両立できる。
表示装置の外光反射においては、表示装置の法線方向から入射した光が表示装置内部にて反射し、表示装置の法線方向に射出し、観察者に達する場合が表示品位に最も影響する。このため、表示装置の外光反射の影響を低減するには表示装置の法線方向から入射し表示装置内部で反射する光を低減する必要がある。
円偏光フィルム上にプリズムシートを設置した場合、表示装置の法線方向からプリズムシートに入射した光はプリズムシートにより法線方向から傾いた角度にて円偏光フィルムに入射する。しかし、通常用いられる円偏光フィルムは法線方向から入射する光に最適化されており、法線方向から傾いた角度から入射する光に対しては最適化されていない。このため、円偏光フィルムを通過後の光は完全には円偏光にならずに楕円偏光になる場合がある。これにより、円偏光フィルムによる外光反射低減効果が限られたものになってしまうことがある。
そこで、本発明は、円偏光フィルム上にプリズムシートを設置した場合においても円偏光フィルムの外光反射低減機能を維持し、かつプリズムシートによる表示品位を向上させることができる表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板の上に、光学反射板、発光素子、位相差フィルム、偏光フィルム、プリズムシートがこの順で配置された表示装置であって、表示装置の法線方向かつ前記プリズムシート側から入射し、前記プリズムシートにて屈折され、前記偏光フィルムを透過して前記位相差フィルムに入射した外光を弱めるように、前記位相差フィルムの膜厚もしくは光学軸が設定されていることを特徴とする表示装置を提供するものである。
本発明によれば、円偏光フィルム上にプリズムシートを設置した場合においても円偏光フィルムの外光反射低減機能を維持し、かつプリズムシートによる表示品位を向上させることができ、屋外における良好な表示品位を実現できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図1により説明する。
図1は本実施形態の表示装置の断面概略図である。図1の表示装置において、15は表示装置を保持する基板であり、基板15の上には、光学反射板10、発光素子11、位相差フィルム12、偏光フィルム13、プリズムシート14がこの順で配置されている。表示装置を構成するこれらの各部材の積層方向が表示装置の法線方向である。観察者はプリズムシート側から表示される画像を観察する。
本実施形態の表示装置は以下の方法で作製する。
まず、基板15を作成する。基板15としてはガラスやSUS等を用いることができる。次に、基板15の上に光学反射板10を形成する。光学反射板10としてはアルミや銀又はその合金等を用いることができ、蒸着法やスパッタリング法等の方法により反射面を形成する。続いて、光学反射板10の上に発光素子11を形成する。発光素子11としては有機EL発光素子や無機EL発光素子等を用いることができる。なお、光学反射板10は、発光素子11の電極を兼ねることもできる。
次に、発光素子11の上に位相差フィルム12を貼合する。位相差フィルム12の位相差は表示装置の法線方向から入射しプリズムシート14にて屈折され位相差フィルム12を透過した光が円偏光になるよう定める。つまり、表示装置の法線方向かつプリズムシート14側から入射し、プリズムシート14にて屈折され、偏光フィルム13を透過して位相差フィルム12に入射した外光に対する、位相差フィルム12の位相差が外光波長の4分の1になるよう定める。
例えば、位相差フィルム12として一軸性の位相差フィルムを用いる場合は入射光が位相差フィルムを通過する距離をdopt、複屈折をΔn、厚さ(膜厚)をd、λを入射光の波長としたとき、Δn・dopt=λ/4となるようそれぞれ定める。一軸性の位相差フィルムとしてはポリカーボネート樹脂やシクロオレフィン樹脂等の透明樹脂を延伸し屈折率の一軸異方性を持たせたものが知られている。また、位相差フィルム12としては一軸性の位相差フィルム以外にもSTNフィルムやWVフィルム等のようにフィルム内で屈折率楕円体の方向が連続的に変化するフィルムを用いても良い。この場合も、表示装置の法線方向かつプリズムシート14側から入射し、プリズムシート14にて屈折され、偏光フィルム13を透過して位相差フィルム12に入射した外光に対する、位相差フィルム12の位相差が外光波長の4分の1になるよう定める。
ここで、プリズムシート14の屈折率を1.5、頂角を70°とすると、表示装置の法線方向かつプリズムシート14側から入射した光は法線に対して約20°の角度にて屈折され、位相差フィルム12を通過する。このときdとdoptの関係はd=dopt・COS20°であるので、Δn・d=λ/4・COS20°となるようΔnとdを定めるのが好ましい。例えば、人間の視感度が最も高い550nmについてこの場合のΔn・dの値を求めると129.2nmとなる。このようにΔn・dの値を定めることにより、外光がプリズムで屈折することによる理想状態からの位相のずれを補償することができる。これにより、法線方向から入射し、プリズムシート14にて屈折され、位相差フィルム12を透過した外光が円偏光となり、良好な外光反射低減効果を得ることができる。
続いて、位相差フィルム12の上に偏光フィルム13を貼合する。偏光フィルム13としてはポリビニルアルコール膜を延伸したものをトリアセチルセルロースフィルムにて挟持したもの等を用いることができる。位相差フィルム12と偏光フィルム13を貼り合わせて円偏光フィルムを作る際には、一般的に位相差フィルム12と偏光フィルム13の光学軸の方向を45°ずらして貼り合わせるのが好ましい。このように光学軸を45°ずらして設定することで位相差フィルム12中の一軸性屈折率楕円体に対して常光成分と異常光成分の振幅の大きさを等しくすることができる。ここでいう光学軸とは、偏光フィルムの場合は透過軸及び吸収軸のどちらでも良いし、位相差フィルムの場合は遅相軸、進相軸のどちらでも良い。
次に、偏光フィルム13の上にプリズムシート14を貼合し、本発明の表示装置を得る。プリズムシート14の方向(図2参照)は位相差フィルム12の遅相軸の方向と一致させるのが好ましい。即ち、プリズムシート14の上に設置されたプリズムの斜面の傾き方向(図2参照)を位相差フィルム12の遅相軸から90°ずらすことが好ましい。このように配置することでプリズムにより屈折する方向の方位角方向を前述の位相差フィルムの光学補償の方向と一致させることができ、良好な外光反射低減効果を得ることができる。なお、図2の構成では、プリズムシート14は、観察側(基板側とは反対側)に凸部を有する三角柱形状のプリズムが配列されたシートである。
また、発光素子11、位相差フィルム12、偏光フィルム13、プリズムシート14の各光学部材の配置に関しては、各光学部材間での外光反射を低減させるために、空気層がないことが好ましい。
プリズムシート14の上に配置されるプリズム構造のピッチについては以下のことが知られている。プリズム構造のピッチは発光素子11が表示装置の平面方向(表示装置の法線方向に垂直な方向)に多数、マトリクス状に配置されている場合には、発光素子11のピッチよりも十分小さくすることでモアレ等の表示妨害を防げる。プリズム構造のピッチを発光素子11のピッチの整数分の1に揃えるのが好ましい。モアレを防ぐためにプリズム構造のピッチを場所によりランダムに変化させるのが好ましい。
上記実施形態ではプリズムシート14として図2に示すような一方向に形成されたプリズム構造のシートを用いた場合について説明したが、プリズムシート14として三次元的構造を持つプリズムシートを用いても良い。三次元的構造の場合にはプリズムシート14における屈折方向が方位角特性を持つ。三次元的構造の一つの例としては、再帰性反射特性を有するプリズムがあり、再帰性反射構造の場合には位相差フィルム12として一軸異方性を持つフィルムではなく二軸異方性を持つフィルムを用いるのが好ましい。例えば、位相差フィルム12の平面方向で互いに垂直な方向の、位相差フィルム12の屈折率をそれぞれnx、nyとし、位相差フィルム12の法線方向の、位相差フィルム12の屈折率をnzとする。このとき、nzがnxとnyの相乗平均、即ちnz=(nx・ny)1/2となるようにすると方位角方向、極角方向共に良好な角度特性を得ることが知られている。位相差フィルム12を用いて二軸性の位相差フィルムを作成する場合、一般的に、nz係数、即ち(nx−nz)/(nx−ny)が0.5乃至0.6程度であれば、方位角方向、極角方向共に良好な角度特性が得られる。
次に、本発明の表示装置内部に外光が入射した場合に、どのようにして入射した外光が表示装置内部で低減されるのか図1を用いて動作を説明する。
表示装置の法線方向かつプリズムシート14側から入射した外光はプリズムシート14により法線に対して傾いた角度に屈折する。屈折した光は偏光フィルム13により直線偏光に変換され位相差フィルム12に入射する。位相差フィルム12の位相差は上述の通りプリズムシート14の角度に応じてΔn・dが定められているので、位相差フィルム12を通過した時点で楕円偏光にならずに円偏光に変換される。位相差フィルム12を通過した円偏光は光学反射板10により位相がπずれた偏光状態にて反射し、再び位相差フィルム12を通過する。位相差フィルム12を通過した光は光学反射板10にて反射される際に位相がπずれているので位相差フィルム12により光学軸が入射時とは90°ずれた直線偏光に変換される。このため、変換後の直線偏光は射出時には偏光フィルム13を通過できずに吸収される。
ここで、本実施形態の表示装置と従来の表示装置における、偏光フィルム13を射出した光強度の違いについて説明する。
まず、本実施形態の表示装置では、表示装置の法線方向かつプリズムシート14側から入射し、プリズムシート14にて屈折され、偏光フィルム13を透過して位相差フィルム12に入射した外光に対する、位相差フィルム12の位相差を外光波長の4分の1とする。プリズムシート14の屈折率を1.5、頂角を70°、位相差を129.2nmとすると、偏光フィルム13を射出した光強度は波長550nmの入射光に対して1.0%程度となる。
一方、従来の表示装置では、表示装置の法線方向から入射する外光に対する位相差フィルム12の位相差を外光波長の4分の1とする。位相差を137.5nmとすると、偏光フィルム13を射出した光強度は波長550nmの入射光に対して1.4%程度となる。
以上より、本実施形態では、表示装置の法線方向から入射した外光を従来の表示装置に比べて約3割程度低減できることが分かる。
このように、位相差フィルム12の位相差をプリズムシート14の傾斜角に応じて定めることによって、プリズムシート14による屈折の影響を受けずに円偏光フィルムによる外光反射低減効果が得られる。これにより、円偏光フィルム上にプリズムシートを設置した場合においても円偏光フィルムの外光反射低減機能を維持し、かつプリズムシートによる表示品位を向上させることができ、屋外における良好な表示品位を実現できる。
10:光学反射板、11:発光素子、12:位相差フィルム、13:偏光フィルム、14:プリズムシート、15:基板
Claims (3)
- 基板の上に、光学反射板、発光素子、位相差フィルム、偏光フィルム、プリズムシートがこの順で配置された表示装置であって、
表示装置の法線方向かつ前記プリズムシート側から入射し、前記プリズムシートにて屈折され、前記偏光フィルムを透過して前記位相差フィルムに入射した外光を弱めるように、前記位相差フィルムの膜厚もしくは光学軸が設定されていることを特徴とする表示装置。 - 前記プリズムシートが再帰性反射構造であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記プリズムシートは前記基板側と反対側に凸部を有する三角柱形状のプリズムが配列されたシートであり、
前記位相差フィルムの光学軸の方向は、前記プリズムシートの、プリズムシートの方向と一致していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2010229701A JP2012084387A (ja) | 2010-10-12 | 2010-10-12 | 表示装置 |
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JP2010229701A JP2012084387A (ja) | 2010-10-12 | 2010-10-12 | 表示装置 |
Publications (1)
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ID=46243043
Family Applications (1)
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JP2010229701A Withdrawn JP2012084387A (ja) | 2010-10-12 | 2010-10-12 | 表示装置 |
Country Status (1)
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2010
- 2010-10-12 JP JP2010229701A patent/JP2012084387A/ja not_active Withdrawn
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