JP2012084260A - ワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法 - Google Patents

ワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電線束の各電線間の隙間を止水剤で確実に埋めることができるワイヤーハーネスの止水部形成治具を提供すること。
【解決手段】止水部形成治具20は、上方および前後が開口して止水剤が充填されるU溝30aを有する本体30と、U溝30aの前後に配置されそのU溝30aに連通する円形の電線ガイド孔40aを有したガイド板40と、上方に向かって湾曲した円弧面50cを下側に有してU溝30aの上方を塞ぐことが可能な蓋体50とを備え、電線ガイド孔40aには、U溝30aの中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット状の電線挿通路40bが切欠形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法に関し、更に詳しくは、自動車のパネル貫通孔に装着されるグロメットに挿通されるワイヤーハーネスに、止水剤による止水処理を施す際に好適に用いられるワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法に関するものである。
従来、自動車などの車両においては、複数本の電線が配線されている。複数本の電線は、通常、束ねられてワイヤーハーネスを形成している。このようなワイヤーハーネスにおいて、自動車のエンジンルームと車室とを仕切るパネル等を通してワイヤーハーネスを配線する場合、ゴム製のグロメットにワイヤーハーネスを挿通し、そのグロメット内を挿通するワイヤーハーネスに、止水処理を施し、そのグロメットをパネル等に穿設した貫通孔に装着することにより、エンジンルームから車室側への浸水を防止している。
複数本の電線の束からなるワイヤーハーネスをグロメットの管部に挿通しただけでは、各電線の間および各電線とグロメットの管部との間に隙間があるため、その隙間を通してエンジンルームから車室内に水が浸入することから、通常、この隙間を止水剤によって埋める止水処理が施されている。
このような止水処理方法としては、複数本の電線を上下に並列させ、並列した電線束に対して、所定の粘度を有する止水剤を塗布し、次いで、止水剤を塗布した部分に止水シートを被せて断面円形に丸めて止水部を形成し、この止水部をグロメットの管部に通すようにしたものが開示されている(下記特許文献1参照)。
特開平10−224960号公報
しかしながら、並列した電線束の表面に止水剤を塗布しただけでは、止水部において隣接する各電線間の全ての隙間に止水剤が浸透されない(行き渡らない)場合があり、問題になっていた。
そこで、本発明が解決する課題は、電線束の各電線間の隙間を止水剤で確実に埋めることができるワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係るワイヤーハーネスの止水部形成治具は、上方および前後が開口して止水剤が充填されるU溝を有する本体と、前記U溝の前後に配置され該U溝に連通する円形の電線ガイド孔を有したガイド板と、上方に向かって湾曲した円弧面を下側に有して前記U溝の上方を塞ぐことが可能な蓋体とを備え、前記電線ガイド孔には、前記U溝の中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット状の電線挿通路が切欠形成されていることを要旨とするものである。
また、上記課題を解決するため本発明は、上方および前後が開口して止水剤が充填されるU溝を有する本体と、前記U溝の前後に配置され該U溝に連通する円形の電線ガイド孔を有したガイド板と、上方に向かって湾曲した円弧面を下側に有して前記U溝の上方を塞ぐことが可能な蓋体とを備え、前記電線ガイド孔には、前記U溝の中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット状の電線挿通路が切欠形成された構成を有する止水部形成治具を用いたワイヤーハーネスの止水部形成方法であって、前記U溝に前記止水剤を充填して該止水剤の塊を形成する第1の工程と、前記第1の工程の後、複数本の電線を、前記電線挿通路から前記U溝の内部に次々に挿入して前記U溝内の前記止水剤の塊に浸漬させる第2の工程と、前記第2の工程の後、前記蓋体によって前記U溝の上方を塞ぐ第3の工程を備えることを要旨とするものである。
このような構成を有するワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法によれば、止水部形成治具のU溝に、止水剤を予め充填(塗布)して止水剤の塊を形成し、その止水剤の塊内に、ワイヤーハーネスを構成する複数本の電線を次々に浸漬する(沈める)ようにしたので、止水剤を各電線の外周に確実に絡みつけることができる。これにより、ワイヤーハーネスの各電線間の隙間を止水剤で確実に埋めることが可能である。
また、ガイド板の円形の電線ガイド孔に連通して形成された電線挿通路が、U溝の中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット形状、例えば電線ガイド孔の左右のいずれかの端部から上方に延びるスリット形状を有しているので、この電線挿通路を通ってU溝内に挿入される電線、つまり止水剤の塊に浸漬される際の電線の軌跡を円弧状のものにすることができる。これにより、単に止水剤の塊に対してその上方から電線を真っ直ぐ下方に降ろして止水剤の塊に浸漬する(沈める)場合と比べて、電線の外周に止水剤をより絡みつかせることが可能である。
この場合、このような止水部形成治具において、前記本体のU溝の下方部の内周面と、前記ガイド板の電線ガイド孔の下方部の内周面が、前後方向において面一になるように配置されている構成にすれば、U溝の下方部の内周面および電線ガイド孔の下方部の内周面に電線を沿わせながら移動させるだけで、止水剤の塊に浸漬される際の電線の軌跡を容易に円弧状にすることができる。
また、このような止水部形成治具において、前記ガイド板は、前記電線挿通路を挟んで第1のパーツと第2のパーツとに二分割されていると共に、前記第1のパーツは、前記第2のパーツに対して回動可能にヒンジを介して連結されている構成にすれば、第1のパーツを第2のパーツに対して回動させることで電線挿通路を大きく開口させることができ、止水部形成後のワイヤーハーネスを止水部形成治具から簡便に外すことができる。
更に、このような止水部形成治具において、前記本体の内部および前記蓋体の内部には、該本体および該蓋体をそれぞれ加熱する加熱手段が設けられている構成によれば、本発明に係るワイヤーハーネスの止水部形成方法において、前記止水剤が熱可塑性の樹脂(熱を加えれば軟らかくなり、冷却すれば硬くなることを繰り返す性質を有する樹脂)からなる場合に、前記U溝に前記止水剤を充填する第1の工程に先立って前記本体および前記蓋体を加熱することができるので、U溝に充填された熱可塑性の止水剤の塊を、電線を浸漬できるような粘度に保持する(軟化させておく)ことが可能である。
そして、このような止水部形成治具において、前記本体の内部および前記蓋体の内部には、該本体および該蓋体をそれぞれ冷却する冷却手段が設けられている構成によれば、本発明に係るワイヤーハーネスの止水部形成方法において、前記止水剤が熱可塑性の樹脂からなる場合に、前記蓋体によって前記U溝の上方を塞ぐ第3の工程の後に、前記本体および前記蓋体を冷却することができるので、軟化していた止水剤を所定の形状に簡便に硬化させることができる。
本発明に係るワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法によれば、止水部形成治具のU溝に、止水剤を予め充填(塗布)して止水剤の塊を形成し、その止水剤の塊内に、ワイヤーハーネスを構成する複数本の電線を次々に浸漬する(沈める)ようにしたので、止水剤を各電線の外周に確実に絡みつけることができる。これにより、ワイヤーハーネスの各電線間の隙間を止水剤で確実に埋めることができる。
また、ガイド板の円形の電線ガイド孔に連通して形成された電線挿通路が、U溝の中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット形状を有しているので、この電線挿通路を介してU溝内に挿入される電線、つまり止水剤の塊に浸漬される電線の軌跡を円弧状のものにすることができ、電線の外周に止水剤を容易に絡みつかせることが可能である。
本発明の実施形態に係るワイヤーハーネスの止水部形成治具を示した分解斜視図である。 図1の止水部形成治具を組み立てた後の状態を示した外観斜視図である。 図2の止水部形成治具から止水部が形成されたワイヤーハーネスを取り出した状態を示した外観斜視図である。 止水部形成治具が備える本体と蓋体を示した断面図である。 (a)はU溝内に止水剤を充填して止水剤の塊を形成し、その止水剤の塊に電線を浸漬させる手順を示した正面図、(b)は(a)の断面図である。 (a)はU溝内の止水剤の塊に所定本数の電線を浸漬させた状態を示した正面図、(b)は(a)の断面図である。 (a)はU溝の上方を蓋体で閉じた状態を示した正面図、(b)は(a)の断面図である。 (a)は止水部形成治具から止水部が形成されたワイヤーハーネスを取り出した状態を示した正面図、(b)は(a)の断面図である。 止水部形成治具が備える本体と蓋体の変形例を示した断面図である。 ワイヤーハーネスの止水部をグロメットの管部に装着した状態を示した断面図である。 図10の管部内周面への止水部の密着性が良好になった状態を示した断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、ワイヤーハーネス10の止水部12を形成する際に用いられる止水部形成治具20の分解斜視図、図2は、図1の止水部形成治具20を組み立てた後の状態を示した外観斜視図である。図示されるように、止水部形成治具20は、本体30、ガイド板40,40および蓋体50を備えている。
本体30は、直方体の上面から下方に断面U字状に凹設された形状を有しており、上方および前後に開口したU溝30aを備えている。この本体30は、アルミ材の切削加工より形成されており、U溝30aの内周面には四フッ化エチレンを主成分とするテフロン(登録商標)樹脂がコーティングされている。これにより、U溝30aの内面に接触した止水部12(止水剤13)の剥離性が良好になっている。
また、図4に示されるように、本体30のU溝30aの左右両側の側壁部30b,30bの内部には、本体30を加熱する加熱手段としてのヒータ31,31が設けられている。このヒータ31,31の駆動によって、本体30を所定の温度にまで昇温することが可能になっている。
ガイド板40は、四角形の板の中央が円形状に開口された形状を有しており、前後に開口した電線ガイド孔40aを備えている。このガイド板40は、四フッ化エチレンを主成分とするテフロン(登録商標)樹脂によって成形されている。これにより、ガイド板40に接触した止水部(止水剤13)の剥離性が良好になっている。ガイド板40,40は、本体30に形成されたU溝30aの前後に配置される。
この場合、本体30のU溝30aの前側に配置されるガイド板40と、同じくU溝30aの後側に配置されるガイド板40は、左右線対称に構成されているので、以下の説明では、主にU溝30aの前側に配置されるガイド板40について説明する。
ガイド板40の電線ガイド孔40aには、その右端部から上方に向かって延びるスリット状の電線挿通路40bが切欠形成されている。したがって、電線挿通路40bは、U溝30aの前後の開口部の中心軸から右にずれた位置に配置されている。この場合、電線挿通路40bの右端面は、U溝30aの右側面と面一になるように配置されている。また、電線挿通路40bは、ワイヤーハーネス10を構成する電線11を一本または2本以上通すことが可能な間隔を有している。
更に、ガイド板40の電線ガイド孔40aの下方部の内周面と、本体30のU溝30aの下方部の内周面は、図2、図3および図5に示されるように、前後方向において面一になるように配置されている。
ガイド板40は、左側の横一線状の分割線40cと電線挿通路40bとの間で、2つのパーツ41,42に二分割されている。したがって、ガイド板40は、電線ガイド孔40aのほぼ上半分と電線挿通路40bの左端面を有する第1のパーツ41と、電線ガイド孔40aのほぼ下半分と電線挿通路40bの右端面を有する第2パーツ42とから構成されている。
これら第1のパーツ41と第2のパーツ42は、分割線40cの左側に設けられたヒンジ43を介して連結されており、このヒンジ43によって第1のパーツ41は第2のパーツ42に対して左へ回動可能になっている(図3参照)。したがって、第1のパーツ41は第2のパーツ42に対して左へ回動させて電線挿通路40bを大きく開口(開放)させることにより、止水部12形成後のワイヤーハーネス10を止水部形成治具20から上方に取り出すことができるようになっている。
この場合、分割線40cにおいて、第1のパーツ41の左下端部には、係止部材44が固定され、第2のパーツ42の左上端部には被係止部材45が固定されている。係止部材44と被係止部材45は互いに着脱可能となっており、これら係止部材44と被係止部材45によって第1のパーツ41を、第2のパーツ42に対して回動しない(開かない)ように保持することができるようになっている。
尚、ガイド板40(第2のパーツ42)は、その第2パーツ42の2箇所のネジ挿通孔42a,42aに固定ネジ21,21を通して、本体30の側壁部30b,30bの前面の2箇所のネジ孔30c,30cにその固定ネジ21,21を螺合させることで、本体30に固定されるようになっている。
蓋体50は、断面略T字形を有しており、左右側方に突出した係止部50a,50aと、下方に突出した凸部50bを備えている。凸部50bの下側には、上方に向かって湾曲した円弧面からなる押さえ面50cが形成されている。この蓋体50の凸部50bは、本体30のU溝30a内に挿入可能になっている。この場合、蓋体30の係止部50a,50aの下面が、本体30の左右の側壁部30b,30bの上端面に当接する位置まで、蓋体50の凸部50bがU溝30a内に挿入されるようになっている。
挿入後の押さえ面50cとU溝30aの下方部の内周面とによって形成される円形状の筒の内径は、ガイド板40の電線ガイド孔40aの内径とほぼ一致するように構成されている(図7参照)。この押さえ面50cには、四フッ化エチレンを主成分とするテフロン(登録商標)樹脂がコーティングされている。これにより、押さえ面40cに接触した止水部12(止水剤13)の剥離性が良好になっている。
また、図4に示されるように、蓋体50の凸部50bの内部には、蓋体50(凸部50b)を加熱する加熱手段としてのヒータ51が設けられている。このヒータ51の駆動によって、蓋体50(凸部50b)を所定の温度にまで昇温することが可能になっている。
次に、図5から図8を用いてワイヤーハーネス10に止水部12を形成する工程について説明する。
図5に示されるように、先ず、U溝30a内に所定の量の止水剤13を充填(塗布)し、U溝30a内に略液滴形状を有した止水剤13の塊を形成する(第1の工程)。この止水剤13としては熱可塑性の樹脂(熱を加えれば軟らかくなり、冷却すれば硬くなることを繰り返す性質を有する樹脂)が用いられており、予め所定の粘度にまで軟化された状態で、U溝30aに充填されるようになっている。この場合、止水剤13のU溝30aに充填する前(第1の工程の前)において、本体30はヒータ31によって所定の温度にまで昇温されており、充填された止水剤13を軟化した状態に保持することが可能になっている。
そして、図示されるように、ワイヤーハーネス10を構成する電線11を、電線挿通路40aに上方から通してU溝30a内へと次々に挿入し、止水剤13の塊内に、それら電線11を次々に浸漬する(第2の工程)。
このとき、電線挿通路40aがU溝30aの中心から右にずれた位置において上方に延びるスリット形状を有しているので、この電線挿通路40aを通ってU溝30a内に挿入される電線11、つまり止水剤13の塊に浸漬される際の電線11を、図示されるような円弧状の軌跡15を描きながら移動させることが可能になっている。これにより、単に止水剤13の塊に対してその上方から電線11を真っ直ぐ下方に降ろして止水剤13の塊に浸漬させる場合と比べて、電線11の外周に止水剤13をより絡みつかせることが可能になっている。
次に、図6に示されるように、ワイヤーハーネス10を構成する全ての電線11を、止水剤13の塊内に浸漬させた後、図7に示されるように、蓋体50の凸部50bをU溝30aに上方から挿入する(第3の工程)。このとき、押さえ面50cによって押圧された止水剤13の上面は、その押さえ面(円弧面)50cの形状に倣うように整えられる。この場合、U溝30aへの挿入前において、蓋体50はヒータ51によって所定の温度にまで昇温されており、凸部50bの押さえ面50cが止水剤13に接触してもその止水剤13を軟化した状態に保持することが可能になっている。
そして、本体30に内蔵されたヒータ31の駆動および蓋体50に内蔵されたヒータ51の駆動を停止して、止水剤13の温度が硬化する温度に下がるまで所定時間放置する。これにより、止水剤13は断面が所定形状(円形状)となった止水部12へと成形されることになる。
尚、この場合、図9に示されるように、本体30の内部に、ヒータ31と隣り合うようにエア流路32を複数形成し、このエア流路32にエア(圧縮空気)を流すことで、本体30を冷却する構成にしても良い。また、同様に、蓋体50の内部にも、ヒータ51と隣り合うようにエア流路52を複数形成し、このエア流路52にエア(圧縮空気)を流すことで、蓋体50を冷却する工程にしても良い。このようなエアが流されるエア流路からなる冷却手段によって本体30および蓋体50を冷却することで、迅速に止水剤13の温度を硬化する温度にまで冷却することが可能である。
そして、止水剤13がある程度にまで硬化すると、図8に示されるように、ガイド板40の第1のパーツ41を開いて、ワイヤーハーネス10を上方へと取り出す。これにより、所定の位置に止水部12が形成されたワイヤーハーネス10が得られる。
図10は、このような止水部12が形成されたワイヤーハーネス10が挿通されるグロメット60を示している。グロメット60は、ワイヤーハーネス10の止水部12に外嵌される管部60aと、この管部60aよりも径が大きいパネル嵌合部60bを有したゴム製の部材である。この場合、管部60aの内周面には、所定の間隔をあけて3箇所に止水用のリブ60cが突設されている。このグロメット60は、ワイヤーハーネス10を自動車に配線する際に、車体パネル71の貫通孔71aに、パネル嵌合部60bの最外周に形成された係止鍔部60dを挿入係止することで、車体パネル71に装着されるようになっている。
この場合、図10に示される状態の止水部12の少なくともその外周部を、図示しないドライヤーなどの加熱手段によって加熱して軟化させることで、図11に示されるようにグロメット60の管部60aの内周面やリブ60cとの密着性を高めることが可能である。このように止水部12が熱可塑性の樹脂からなる場合には、その止水部12の外周面と、グロメット60の管部60aの内周面やリブ60cとの間に微小な隙間が存在していても、加熱による止水部12(少なくともその外周部)の軟化によって、このような隙間が埋められるので、止水性をより向上させることができる。
以上説明した本発明に係るワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法によれば、止水部形成治具20のU溝30aに、止水剤13を予め充填(塗布)して止水剤13の塊を形成し、その止水剤13の塊内に、ワイヤーハーネス10を構成する複数本の電線11を次々に浸漬する(沈める)ようにしたので、止水剤13を各電線11の外周に確実に絡みつけることができる。これにより、ワイヤーハーネス10の各電線11間の隙間を止水剤13で確実に埋めることができる。
また、ガイド板40の円形の電線ガイド孔40aに連通して形成された電線挿通路40bが、U溝30aの中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット形状、例えば上述したように電線ガイド孔40aの左右のいずれかの端部から上方に延びるスリット形状を有しているので、この電線挿通路40bを通ってU溝30a内に挿入される電線11、つまり止水剤13の塊に浸漬される際の電線11の軌跡を円弧状のものにすることができる。これにより、単に止水剤13の塊に対してその上方から電線11を真っ直ぐ下方に降ろして止水剤13の塊に浸漬させる場合と比べて、電線11の外周に止水剤13をより絡みつかせることできる。
この場合、このような止水部形成治具20において、本体30のU溝30aの下方部の内周面と、ガイド板40の電線ガイド孔40aの下方部の内周面が、前後方向において面一になるように配置されているので、U溝30aの下方部の内周面および電線ガイド孔40aの下方部の内周面に電線11を沿わせながら移動させるだけで、止水剤13の塊に浸漬される際の電線11の軌跡を容易に円弧状にすることができる。
また、このような止水部形成治具20において、ガイド板40は、電線挿通路40bを挟んで第1のパーツ41と第2のパーツ42とに二分割されていると共に、第1のパーツ41は、第2のパーツ42に対して回動可能にヒンジ43を介して連結されているので、第1のパーツ41を第2のパーツ42に対して回動させることで電線挿通路40bを大きく開口(開放)させることができ、止水部12形成後のワイヤーハーネス10を止水部形成治具20から簡便に外すことができる。
更に、このような止水部形成治具20において、本体30の内部および蓋体50の内部には、本体30および蓋体50をそれぞれ加熱する加熱手段31,51が設けられているので、止水剤13が熱可塑性の樹脂からなる場合に、U溝30aに止水剤13を充填するのに先立って本体30および蓋体50を加熱することができるので、U溝30aに充填された熱可塑性の止水剤13の塊を、電線11を浸漬できるような粘度に保持する(軟化させておく)ことが可能である。
そして、このような止水部形成治具20において、本体30の内部および蓋体50の内部には、本体30および蓋体50をそれぞれ冷却する冷却手段32,52が設けられていれば、止水剤13が熱可塑性の樹脂からなる場合に、蓋体50によってU溝30aの上方を塞いだ後に、本体30および蓋体50を冷却することができるので、軟化していた止水剤13を所定の形状に簡便に硬化させることができる。
以上、本発明に係るワイヤーハーネスの止水部形成治具およびワイヤーハーネスの止水部形成方法の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々なる改変が可能である。例えば、上述した実施形態では、熱可塑性の樹脂からなる止水剤を用いた構成について説明したが、このような止水剤としては経時硬化性の樹脂であっても良く、上述した実施の形態には限定されない。
また、止水剤の充填前においてU溝内に帯状の止水シートを予め敷いておき、止水剤をこの止水シートの上に充填(塗布)してから、その止水剤の塊に電線を浸漬させ、その後止水シートを断面円形に丸めて止水部を形成するなど種々なる態様に本発明を適用することができ、上述した実施の形態には限定されない。
10 ワイヤーハーネス
11 電線
12 止水部
13 止水剤
20 止水部形成治具
30 本体
30a U溝
31 ヒータ
32 エア流路
40 ガイド板
40a 電線ガイド孔
40b 電線挿通路
40c 分割線
41 第1のパーツ
42 第2のパーツ
43 ヒンジ
50 蓋体
50b 凸部
50c 押さえ面
51 ヒータ
52 エア流路
60 グロメット
60a 管部
60b パネル嵌合部
60c リブ
60d 係止鍔部

Claims (8)

  1. 上方および前後が開口して止水剤が充填されるU溝を有する本体と、前記U溝の前後に配置され該U溝に連通する円形の電線ガイド孔を有したガイド板と、上方に向かって湾曲した円弧面を下側に有して前記U溝の上方を塞ぐことが可能な蓋体とを備え、前記電線ガイド孔には、前記U溝の中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット状の電線挿通路が切欠形成されていることを特徴とするワイヤーハーネスの止水部形成治具。
  2. 前記本体のU溝の下方部の内周面と、前記ガイド板の電線ガイド孔の下方部の内周面が、前後方向において面一になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネスの止水部形成治具。
  3. 前記ガイド板は、前記電線挿通路を挟んで第1のパーツと第2のパーツとに二分割されていると共に、前記第1のパーツは、前記第2のパーツに対して回動可能にヒンジを介して連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤーハーネスの止水部形成治具。
  4. 前記本体の内部および前記蓋体の内部には、該本体および該蓋体をそれぞれ加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のワイヤーハーネスの止水部形成治具
  5. 前記本体の内部および前記蓋体の内部には、該本体および該蓋体をそれぞれ冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のワイヤーハーネスの止水部形成治具。
  6. 上方および前後が開口して止水剤が充填されるU溝を有する本体と、前記U溝の前後に配置され該U溝に連通する円形の電線ガイド孔を有したガイド板と、上方に向かって湾曲した円弧面を下側に有して前記U溝の上方を塞ぐことが可能な蓋体とを備え、前記電線ガイド孔には、前記U溝の中心から左右のいずれかにずれた位置において上方に延びるスリット状の電線挿通路が切欠形成された構成を有する止水部形成治具を用いたワイヤーハーネスの止水部形成方法であって、
    前記U溝に前記止水剤を充填して該止水剤の塊を形成する第1の工程と、前記第1の工程の後、複数本の電線を、前記電線挿通路から前記U溝の内部に次々に挿入して前記U溝内の前記止水剤の塊に浸漬させる第2の工程と、前記第2の工程の後、前記蓋体によって前記U溝の上方を塞ぐ第3の工程を備えることを特徴とするワイヤーハーネスの止水部形成方法。
  7. 前記止水剤が熱可塑性の樹脂からなる場合に、前記第1の工程に先立って前記本体および前記蓋体を加熱するようにしたことを特徴とする請求項6に記載のワイヤーハーネスの止水部形成方法。
  8. 前記止水剤が熱可塑性の樹脂からなる場合に、前記第3の工程の後に前記本体および前記蓋体を冷却するようにしたことを特徴とする請求項6または7に記載のワイヤーハーネスの止水部形成方法。
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