JP2012080599A - ディジタル保護継電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多種多様なリレー要素の実装を簡便に行う。
【解決手段】電力系統の電流、電圧情報を取り込んで故障判定するリレーモジュールを複数備えて保護出力を与え、
リレーモジュールは、C++言語で記述され、全て共通の基底クラスを継承し、演算に必要な変数はクラスのメンバとしておき、外部のモジュールから変更しない構成とし、
共通の基底クラスには、初期化用の関数、整定変更時用の関数、リレー演算用の関数を、仮想関数としておくとともに、基底クラスのポインタと初期化に必要なパラメータを1つのグループとした構造体を定義し、
構造体で定義したデータテーブルを作成し、初期化時、整定変更時、リレー演算実行時はこのテーブルを参照し、各オブジェクトのメンバ関数をコールする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディジタル保護継電装置に係り、特にC++言語を用いて構成されたディジタル保護継電装置に関する
電力系統に発生する故障、いわゆる短絡、地絡故障等に対しては、電力系統を形成する送電線、変圧器、母線、発電機といった要素ごとに設置された保護継電装置が、その守備範囲内に発生した故障に対して動作し、当該の故障点を含む区間を遮断器の引き外しにより、残りの健全な電力系統から切り離しすることで、故障の除去が行われている。
係る保護継電装置としては、現在は、系統の電流、電圧情報をA/D変換し、ソフトウェア処理によって、系統故障を判別するアルゴリズムを実現したディジタル装置で構成したものが主流となっている。
ディジタル保護継電装置の概略について述べると、特高向けのディジタル保護継電装置では、電力系統の電流、電圧情報を電気角30度や、高速なものでは3.75度といった周期でサンプリングし、いわゆるリレー演算を実施し、系統の故障を検出する。さらに、機器の状態や他装置の状態等の入力条件及び、いくつかのリレー演算結果の組み合わせにより構成されるシーケンスロジックを実施し、最終的な引き外し指令、いわゆるトリップ指令を出力する。
このとき装置は、装置画面に動作内容として系統故障の種類、動作したリレー要素を表示すると同時に、通信やディジタル出力の接点渡しで遠方に通知する機能を有している。ディジタル保護継電装置は、ソフトウェアによってこれらの処理を実施するため、多種多様な装置ごとにソフトウェアの実装が必要となり、これらの品質管理の向上が不可欠である。
特許文献1は、上記の機能を有するディジタル保護継電装置を構成するに当り、既に作成されているプログラムモジュールからディジタル保護継電装置のプログラムを自動作成し、そのときにプログラミング言語として例えばC言語を使用する。
特開2005−354857号公報
ディジタル保護継電装置には多種多様なリレー要素が組み込まれ、その総合的な動作状況により最終的な保護が決定される。ここで、多種多様としたのは、基本的なリレー要素(リレー機能)としては十数個程度であるが、実装するときには各種の付帯機能の追加、保護対象設備で定まる条件変更などによる改変に対して対応せねばならず、変形例が多数に上ることによる。
このため、これまでは、リレー要素の追加、変更の度に、ソフトウェアの実行処理を追加修正する必要があった。このため、基本的なリレー要素(リレー機能)としては実績のあるリレーモジュール(C言語記述の場合は関数)であっても、その改変部分による影響範囲が限定しにくく、結局は改変されたリレー要素全体としての機能試験を実施することになり、試験工数の増大につながっていた。
本発明は、以上の問題点に鑑み、多種多様なリレー要素の実装を簡便に行うことを目的とするものである。
本発明のディジタル保護継電装置は、電力系統の電流、電圧情報を取り込んで故障判定するリレーモジュールを複数備えて保護出力を与え、
リレーモジュールは、C++言語で記述され、全て共通の基底クラスを継承し、演算に必要な変数はクラスのメンバとしておき、外部のモジュールから変更しない構成とし、
共通の基底クラスには、初期化用の関数、整定変更時用の関数、リレー演算用の関数を、仮想関数としておくとともに、基底クラスのポインタと初期化に必要なパラメータを1つのグループとした構造体を定義し、
構造体で定義したデータテーブルを作成し、初期化時、整定変更時、リレー演算実行時はこのテーブルを参照し、各オブジェクトのメンバ関数をコールする。
また、一部のパラメータのみ変更し、異なる特性のリレーモジュールを作成する場合は多重継承し、必要なメンバ関数、メンバ変数のみを追記する。
また、データテーブルには演算終了用の終端としてNULLポインタを挿入する。
(1)データテーブルを変更するだけでリレーの実装を変更することが可能である。
(2)演算実行部のプログラムは直接変更する必要が無いので、性能が安定である。
(3)リレーモジュール毎にはデータの干渉当は発生しないので、実績のあるモジュールは、データの接続のみをチェックすればよい。
ROMで構成されたプログラム記憶部の記憶内容を示す図。 一般的なディジタル保護継電装置の概略装置構成を示す図。 プログラム記憶部に記憶された実行部プログラムを示す図。 プログラム記憶部に記憶されたオブジェクト参照テーブルを示す図。 プログラム記憶部に記憶されたリレーモジュールを示す図。 初期化処理で1つのリレー要素設定するパラメータの例を示す図。 図6のプログラムコードの例を示す図。 リレー演算の処理のフロー図を示す図。 プログラムの例を示す図。 多重継承していく場合の例を示した図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図2は、本発明の適用される一般的なディジタル保護継電装置の概略装置構成を示している。なお、ディジタル保護継電装置の中には通信系等を備えて相手端子との間で電流、電圧信号の送受信を行う形式のもの、あるいは保護継電演算部分が主検出要素と、事故検出要素に分かれているものなど、幾つかの構成のものがあるが、そのいずれのものであっても、基本的には図2の構成を備えるものである。
図2において保護継電装置100は、システムバス90に接続された演算処理部10、プログラム記憶部20、データ記憶部30、整定値記憶部40、A/D変換データメモリ50及び外部インタフェイス60から構成されている。
電力系統からの電流や電圧のアナログ信号は、アナログ/ディジタル変換器200により、ディジタル信号に変換される。アナログ/ディジタル変換器200は、所定のサンプリングタイミング毎に、入力する電流や電圧のアナログ信号を、ディジタル信号に変換する。サンプリングタイミングは、例えば電気角30度ごとである。A/D変換されたデータは、逐次A/D変換データメモリ50に書き込まれる。A/D変換データメモリ50は、一時的なデータの記憶部であり、RAMを使用している。
演算処理部10は、A/D変換データメモリ50に複数のデータが記憶されたタイミングで、A/D変換データメモリ50に記憶されたデータを読み出し、読み出したデータを、システムバス90を介してデータ記憶部30に転送する。例えば、アナログ/ディジタル変換器200に入力するアナログ信号として、A相、B相、C相の3相及び零相の電流信号及びA相、B相、C相の3相及び零相の電圧信号の8種類の信号が入力される場合には、この8チャネル分のデータがA/D変換データメモリ50に記憶された後、これらのデータを一括して読み出し、転送する。
データ記憶部30は、書き込み及び読み出しが自由に行うことができるディジタルデータの記憶部である。データ記憶部30には、上記したようにA/D変換データメモリ50に一時記憶された電流や電圧のデータが記憶される他に、保護継電装置としての保護演算を実行する際のデータも一時記憶される。記憶素子としてはRAMが使用される。
プログラム記憶部20には、演算処理部10で演算処理を行う手順(プログラム)が記憶されている。リレー特性を実現する為の処理内容が演算処理手順として、1ステップごとに、プログラム記憶部20に記憶されている。ディジタルリレー製作時に書き込んだ演算処理手順を半永久的に保存する必要があるため、記憶素子としてはROMが使用される。
整定値記憶部40には、ディジタルリレーとして動作する条件である各リレー要素の整定値が記憶されている。整定値は、図示せぬマンマシンインタフェイスから入力され、整定値記憶部40に記憶されている。整定値は、リレー使用者が容易に書き換え可能であると共に、電源を切っても内容が安全に保持されるようにする必要があるため、電気的に書き換え可能なROM(EEPROM)が記憶素子として使用される。
外部インタフェイス60は、ディジタルリレーの異常検出信号接点や事故検出信号接点などの機器情報を取り込んで、システムバス90を介して、演算処理部10に転送したり、また演算処理部における演算処理の結果に基づいて、リレー動作時に、外部の遮断器などに引き外し指令などの制御指令を出力する。
一般的なディジタル保護継電装置は、概略以上のように装置構成されており、電力系統からの電流や電圧のアナログ信号は、アナログ/ディジタル変換器200により、ディジタル信号に変換され、変換されたデータは、逐次、A/D変換データメモリ50に書き込まれる。演算処理部10は、A/D変換データメモリ50に書き込まれたデータを読み出し、読み出したデータを、システムバス90を介してデータ記憶部30に転送する。
演算処理部10は、プログラム記憶部20に記憶された実行処理内容に従って、データ記憶部30に記憶された電力系統の電流、電圧データを読み出し、整定値記憶部40に記憶されたディジタルリレーとして動作する条件である各リレー要素の整定条件に基づいて、電力系統の状態を判断し、整定条件を満たすときにはリレーを動作させ、外部インタフェイス60を介して外部の遮断器などに引き外し指令を出力する。
係る保護継電装置の各種の記憶部20,30,40、あるいはメモリ50に記憶されている内容について検討すると、各リレー要素の演算処理を行う手順(プログラム)と、このプログラムで使用するデータ、整定値に分類される。前者がROMで構成されたプログラム記憶部に収納され、後者が書き換え可能なRAMやEEPROMで構成されたデータ記憶部30、整定値記憶部40に収納されている。
本発明においては、前者を第1の記憶部M1、後者を便宜上第2の記憶部M2とし、それぞれ、記憶内容、記憶形式を以下のように定めている。
まず、第1の記憶部M1は、各リレー要素の演算処理を行う手順(プログラム)を記憶しており、ROMで構成されたプログラム記憶部20に該当し、図1の3つの機能から構成される。
図1の第1の記憶部M1の3つの機能は、図3に一例を示す実行部プログラムと、図4に一例を示すオブジェクト参照テーブル、図5に一例を示すリレーモジュールである。
このうち、まず図5のリレーモジュールは、各リレー要素の演算処理を行う手順(プログラム)を記憶した部分であり、ここでは保護継電装置として、不足電圧継電器27、過電流継電器51、地絡過電圧継電器64、差動継電器87を使用するものとする。また、差動継電器87としては、A相、B相、C相の各相の差動継電器87A,87B,87Cを使用するものとする。
リレーモジュールは、C++言語で記述する。また、リレーモジュールは、全て共通のリレー基底クラスC1を継承するようにする。共通の基底クラスC1は、保護リレーといった概念で纏められ、共通のリレー基底クラスC1には、初期化用の関数、整定変更時用の関数、リレー演算用の関数を、仮想関数(virtual function)としておく。
共通のリレー基底クラスC1を継承したサブクラスC2には、不足電圧継電器27、過電流継電器51、地絡過電圧継電器64、差動継電器87のリレーモジュールが位置づけられる。また、例えば単相の差動継電器87に対して、電圧抑制機能付きの単相の差動継電器87を実現する場合には、サブクラスC2の差動継電器87に電圧抑制機能を付加した派生クラスC3として位置づけられる。また、三相の差動継電器87を実現する場合には、A相、B相、C相の各相の差動継電器87A,87B,87Cを準備し、クラスC5,C6に示す三相の差動継電器87とする。
またこれらのリレーモジュールは、演算に必要な変数はクラスのメンバとしておき、カプセル化し、外部のモジュールから変更しない構成とする。また、一部のパラメータのみ変更し、異なる特性のリレーモジュールを作成する場合は多重継承し、必要なメンバ関数、メンバ変数のみを追記する。さらに、基底クラスのポインタと初期化に必要なパラメータを1つのグループとした構造体を定義する。
次に、図1の第1の記憶部M1のほかの2つの機能のうち、実行部プログラムは、図3に一例を示すように構成され、オブジェクト参照テーブルは、図4に一例を示すように構成されている。この実行部プログラムは、オブジェクト参照テーブルに定義されたポインタに従い、ポインタの先頭から、ポインタの終端まで逐次ポインタ更新しながら、実行する。
図4のオブジェクト参照テーブルは、図5の保護継電装置を備える場合には、保護継電装置に電源投入したときのブートプログラムBPに続き、ポインタ0X00010000に差動継電器87のリレーモジュールを表す情報、ポインタ0X00010100に地絡過電圧継電器64のリレーモジュールを表す情報、ポインタ0X00010200に不足電圧継電器27のリレーモジュールを表す情報、ポインタ0X00010300に不足電圧継電器27のリレーモジュールを表す情報が記憶されている。このオブジェクト参照テーブルは、リレー演算定義のテーブルである。
図3の実行部プログラムは、保護継電装置に電源投入したときのブートプログラムBPに続きリレー演算開始が指示されると、ステップS011において、図4のオブジェクト参照テーブルの先頭ポインタ0X00010000を取得する。次に、ステップS012において、これが終端ポイントでないことを確認すると、ステップS013に移り、ここで定義された差動継電器87のリレーモジュールを表す情報に基づきリレー演算実行する。その完了後に、ステップS014において、テーブルポインタを更新して0X00010100とし、以下ポインタ0X00010100について、ステップS012からS014の処理を行う。これは、ポインタ0X00010100の意味する地絡過電圧継電器64のリレーモジュールを表す情報に基づく処理を実行することである。以下、同様にポインタ0X00010300まで実行され、最終的にはステップS015において、リレー演算処理が終了する。
なお、上記説明では、保護継電装置に電源投入したときの初期動作について説明したが、通常の動作では、保護継電装置のサンプリングタイミングに同期して起動されることは言うまでもない。また、このときにブートプログラムBPの部分は実行されない。
本発明において、図3の実行部プログラムは、例えば3つの態様において使用される。最初に使用されるのが初期化処理であり、次に整定開始処理を行ない、通常はリレー演算開始処理を行う。
このうち、例えば初期化処理は次のように行われる。まず、図4のオブジェクト参照テーブルは、ダブルポインタとされており、ポインタ0X00010000の位置のROMに記載された差動継電器87のリレーモジュールを表す情報に基づき、図6のリレー演算を実行する。
図6は、初期化処理において、リレー要素1つに付設定するパラメータの例を示したものである。ここで、パラメータとは、例えば差動継電器87のリレーモジュールを実現するときに、入力したアナログデータ、ディジタルデータ、アナログ出力、ディジタル出力といった取り扱う諸量の種別であり、これらのパラメータを、第2の記憶部M2であるRAM上にどのように配置するのかを、RAMアドレスに相当するポインタの形で定義する。これにより、以後の差動継電器87のリレーモジュールの演算では、どのポインタの情報を読み出して、その結果をどのポインタに収納すればよいのかが定義付けされ、決定される。
図6の初期化処理において、処理11ではリレー要素(この場合は差動継電器87)のオブジェクトの実体を定義する。具体的には、処理11ではテーブル17に、そのポインタをエントリする。処理11により、テーブル17にエントリされるポインタの種別は以下のようである。
12は、このリレー要素の入力として使用するアナログデータを収納する場所を意味するテーブルのポインタである。テーブル17には、このポインタをエントリする。以下同様に、13はこのリレー要素の入力に使うディジタルデータのポインタのテーブルである。12と13は、入力信号関係である。
14は、このリレー要素の出力に使うアナログデータのポインタのテーブルである。この要素は、通常のリレーの場合には不要なことが多いが、87リレーの差電流など、リレーモジュール内部の演算値を外部に引き出したい場合に有効である。15はリレー要素の出力に使うディジタルデータのポインタのテーブルである。リレーの出力はこのテーブルにエントリされる。これもテーブルのポインタをテーブル17のテーブルにエントリする。14と15は、出力信号関係である。
16は整定値のポインタのテーブルであり、これも同様にテーブル17のポインタにエントリされる。
上記の構造体で定義されたデータテーブル17を作成し、初期化時、整定変更時、リレー演算実行時はこのテーブルを参照し、各オブジェクトのメンバ関数をコールするようにする。
図4のオブジェクト参照テーブルには、演算終了用の終端としてNULLポインタを挿入するようにする。
なお、図6のポインタは、その作り方次第では、アナログ関係の12、14とディジタル関係の13、15は1つにして、パラメータ数を減らすことも可能だが、本実施例では入力と出力の関係が明白の方が管理しやすいため、このような形とした。また、リレーによっては不要な要素もあるのでこの場合は、リレーモジュールが読み込みを実施しないためNULLポインタとすれば良い。図6は1つの要素だけを示すものであるが、これを図4に示す様に必要なリレーの数だけエントリをすれば、保護継電装置を構成するすべての保護リレー要素の演算処理が可能となる。
初期化処理においては、図6の処理により、第2の記憶装置RAM内に各保護リレー要素の演算に使用する入力と出力の保管場所がポインタにより設定される。また、説明を省略したが、実行部プログラムの整定開始処理により、図6の整定データテーブルのポインタ設定も行われる。この整定開始処理のときのポインタは通常はEEPROM内に設定される。
最後に、リレー演算開始処理の実行部プログラムについて、説明する。図7は、図6の実際のプログラムコードであるが、プログラムといっても定数のデータ定義のみである。なお、プログラム中の//はコメントである。
図7において、18に示すのがリレーモジュールのオブジェクトの実体でありこれは、図6の11に相当する。このポインタ(コード上では&がついたもの)が、プログラムが参照する演算テーブル24にエントリされる。
19は、アナログ入力(図6の12)の定義テーブルで、これもプログラムが参照する演算テーブル24にエントリされる。テーブルはもともとポインタなので&は付ける必要がない。
20は、入力されるビットテーブルで、本実施例ではメモリ節約の為、ポインタとビット位置で入力フラグを定義している。処理系によってON/OFFの情報はint型やbool型を使うことも可能であり、これらの場合は直接ポインタを設定する形としても良い。図6のディジタル入力13がこれに相当する。
アナログ出力テーブル21、ディジタル(バイナリ)出力テーブル22も、アナログ入力(図6の12)の定義テーブル19、ディジタル入力13の定義テーブル20と同様に、プログラムが参照する演算テーブル24に設定される。
23は整定のポインタテーブルであり、これも同様にプログラムが参照する演算テーブル24に設定される。なお、整定はリレーモジュールの取り込み順に、ここでポインタを並べるため、HI画面(ヒューマンインタフェイス画面)の設定と並びが一致する必要はない。
これにより、保護リレー要素の1要素分のリレーモジュールの定義が完了でき、これを繰り返すことで、プログラムが参照する演算テーブル24のテーブルを完成させる。
プログラムが参照する演算テーブル24のテーブル定義の構造体は、25の様になっており、オブジェクトの定義がリレーの基底クラスとなっている。このため、実際のプログラムはプログラムが参照する演算テーブル24のテーブルのみを参照することで、プログラム実施が出来る。
図8は、リレー演算の処理のフロー図を示したものである。26は初期化時、27は整定変更時、28はリレー演算処理時のものである。この図から明らかなように、どの処理も、基底クラスのメンバ関数のコールを変えるのみの同じ処理で簡単に実行することが可能である。
図8に示すフロー図の実際のプログラムを、図9の初期化処理29、整定処理30、リレー演算処理31に示す。プログラムは僅か数行のコードで実現でき、以後変更の必要はない。なお、基底クラスは32に示すようなコードで実現でき、プログラムからコールされる関数は仮想関数として定義されている。また、実際のリレークラスは33の様に、基底クラス32を継承し作成される。
先に説明した図5のリレーモジュールのクラス階層図によれば、基本にすべてのリレークラスは基底クラスC1を継承し、演算の際には、この基底クラスC1のメンバ関数をコールされることによって演算が実施されるが、実際には各クラスの個別のメンバ関数がコールされ演算がなされる為、共通の処理を1つ作成するだけで各種の異なるリレーの処理を実施可能となる。
また、クラスC2,C3に示すように、C++言語では多重継承が可能なため、電力会社や、納入サイトによる処理の違うリレーを開発する場合は、従来処理を引き継ぐ形でリレーの種別を増やすことが可能である。
図10は、多重継承していく場合の例を示した図である。ある1種類のリレーモジュール6を開発し、その機能が検証済みであるとする。この場合、回線数増加に対応する必要が生じたとしても、リレー6の機能はすべてリレー7に継承される為、回線数の変更に伴うポイントにのみ絞って検証すればよい。また同様にリレー7を派生しリレー8を作った場合には、リレー7で検証されている機能は担保されている為、変更のある整定範囲の変更に伴う検証のみで済むことになる。また、リレー6に遡りリレー9を派生し、リレー9からリレー10を再派生するといったことも可能となる。
このように、図9のリレークラス33の様な形で、リレーを継承し種別を増やし、図6のプログラムが参照する演算テーブル24に示すテーブルを編集することでプログラム処理そのものを、変更せずとも、各種のリレーの組み合わせの装置開発が可能となる。
本発明によれば、データテーブルを変更するだけでリレーの実装を変更することが可能であり、演算実行部のプログラムは直接変更する必要が無いので、性能が安定であり、リレーモジュール毎にはデータの干渉当は発生しないので、実績のあるモジュールは、データの接続のみをチェックすればよい。
C++言語を使用し、本発明のように構成したディジタル保護継電装置は、種々の改変に対して簡便に対応可能であり、広く適用することができる。
100:保護継電装置
90:システムバス
10:演算処理部
20:プログラム記憶部
30:データ記憶部
40:整定値記憶部
50:A/D変換データメモリ
60:外部インタフェイス
200:アナログ/ディジタル変換器
C1:基底クラス
C2:サブクラス
C3:派生クラス
BP:ブートプログラム
12:アナログデータを収納する場所を意味するポインタのテーブル
17:テーブル
13:ディジタルデータのポインタのテーブル
14:アナログ出力データのポインタのテーブル
15:ディジタル出力データのポインタのテーブル
16:整定値のポインタのテーブル
18:リレーモジュールのオブジェクトの実体
19:アナログ入力(図6の12)の定義テーブル
24:プログラムが参照する演算テーブル24
20:入力されるビットテーブル
21:アナログ出力テーブル
22:ディジタル(バイナリ)出力テーブル
23:整定のポインタテーブル
29:初期化処理
30:整定処理
31:リレー演算処理

Claims (3)

  1. 電力系統の電流、電圧情報を取り込んで故障判定するリレーモジュールを複数備え、保護出力を与えるディジタル保護継電装置において、
    前記リレーモジュールは、C++言語で記述され、全て共通の基底クラスを継承し、演算に必要な変数はクラスのメンバとしておき、外部のモジュールから変更しない構成とし、
    前記共通の基底クラスには、初期化用の関数、整定変更時用の関数、リレー演算用の関数を、仮想関数としておくとともに、基底クラスのポインタと初期化に必要なパラメータを1つのグループとした構造体を定義し、
    上記の構造体で定義したデータテーブルを作成し、初期化時、整定変更時、リレー演算実行時はこのテーブルを参照し、各オブジェクトのメンバ関数をコールするようにすることを特徴とするディジタル保護継電装置。
  2. 請求項1記載のディジタル保護継電装置において、
    一部のパラメータのみ変更し、異なる特性のリレーモジュールを作成する場合は多重継承し、必要なメンバ関数、メンバ変数のみを追記することを特徴とするディジタル保護継電装置。
  3. 請求項1記載のディジタル保護継電装置において、
    データテーブルには演算終了用の終端としてNULLポインタを挿入するようにすることを特徴とするディジタル保護継電装置。
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