JP2012071653A - 漂流ブイ - Google Patents

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Abstract

【課題】上下面が反転しても支障なく人工衛星等との通信が可能な漂流ブイであって、アンテナ破損の可能性が少なく、しかも構成が簡単な漂流ブイを提供する。
【解決手段】対向する2つの外壁7,8と各外壁の外周を連接する周壁9を備えた密封ケーシング2と、該密封ケーシング内部に封入された無線通信機5と、上記二つの外壁の中間部に各外壁と略並行に配置したアンテナ4と、を備えた漂流ブイ1において、上記アンテナと各外壁の外面との間の各距離を、無線通信機の動作周波数に対する波長λの略1/4になるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は漂流ブイに関し、詳細には海上に流出したオイルと共に浮遊させ、オイルの位置、展開状態等の情報を収集するのに適した扁平形状の漂流ブイに関する。
近年、海上航行中のオイルタンカ、その他船舶の衝突、座礁等の事故により重油等のオイルが多量に海上に流出する災害が頻発している。また、オイル流出事故は、船舶を原因としたもの以外にも、臨海石油コンビナート、石油備蓄基地等からも発生する。
オイル流出事故が発生した場合は、オイルフェンスにより流出オイルを包囲して流出範囲を制限した上で回収する措置や、中和剤を散布する措置等種々の対応策が実施されるが、海上であるが故に作業は容易でなく、シケ、強風等の悪条件下においてはオイルの回収作業等は困難となり、放置せざるを得なくなる場合もある。また、流出したオイルが潮流にのって海洋に広く拡散することも多く、被害が更に広がる結果をもたらす。
このようなオイル拡散事故が発生した場合、拡散規模、拡散方向等の拡散状況や、位置等を正確に観測しつつ、場合によっては、近くを航行する船舶や流出先の沿岸地域に警告を発し、二次災害の発生を未然に防止する必要性が高まる。
従来、オイルの拡散状況等を観測する手法としては、飛行機を用い上空から目視により観測するのが一般的であるが、この方法は、悪天候や夜間といった悪条件下では実施不可能であり、また頻繁に飛行機を使用する必要があるためにコスト的にも問題であった。
同一出願人は、このような事情に鑑み、特に、流出後の時間の経過によって粘度が高まったオイルに吸着し易い構造とすることによってオイルの流れに確実に追随してオイル流の正確な位置情報を、人工衛星等を介して提供することができる漂流ブイを提供している(特許文献1)。
特許文献1に開示された漂流ブイは、例えば薄型扁平の円盤型で海上に浮遊することができる密封ケーシングの上下面から二つのロッドアンテナを突出させ、密封ケーシング内部空所に、無線送信機(TX)、上下方向検出手段、アンテナ切替スイッチ、コントローラ(CONT)、蓄電池(BATT)等が封入されている。つまり、密封ケーシングの上・下面に備えた2つのアンテナをアンテナ切替スイッチを介して、無線送信機に接続し、両面いずれが上方になっても、夫々の面に備えたアンテナを使用して人工衛星等との通信が可能となるように構成されたものである。
このように、密封ケーシングの構造を薄型扁平化すること、周縁部を曲面化することによって、強い風雨に遭遇した場合でも風の抵抗が小さくなり、オイルから遊離しにくい利点を発揮するし、従来の筒型や球型、紡錘型、ドラム型に比べると、ローリングや回転を起こす頻度が比較的少ないので、人工衛星との通信回線に与える影響が少なくなる。
特許第4183803号
しかしながら特許文献1記載の発明は、当初の目的は十分達成し得るものの、若干構成が複雑となる。即ち、上述したように薄型扁平な密封ケーシングの両面に二つのアンテナを備え、上面に位置するアンテナに無線送信機を接続するため、上下検出手段と、アンテナ切替スイッチと、コントローラとが必要となるので、構成が複雑となる。また、表面に突出するアンテナを備えるので、他の漂流物等との衝突によりアンテナが破損する虞がある。
本発明の目的は、特許文献1に開示した発明を更に改善し、アンテナが表面に突出することなく、また、上下検出手段や切替手段を必要としない構造にすることによって、構造を簡単にし、且つ、アンテナの破損の可能性を小さくした漂流ブイを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る請求項1記載の漂流ブイは、対向する2つの外壁、及び各外壁の外周を連接する周壁を有する水密構造の密封ケーシングと、この密封ケーシングの内部に封入された無線通信機と、上記密封ケーシングの内部に上記無線通信機の動作周波数に対する波長λの略1/4の距離を隔てて上記各外壁面が位置するように平行に配置したアンテナと、を備えたことを特徴とする。
この構成による漂流ブイは、海面や湖面等の誘電率が高い液面に浮遊させた際、密封ケーシング下方部外壁面に接する液面はアンテナに対して接地面(グランドプレーン)、あるいは反射板とみなされるので、扁平な密封ケーシング中にアンテナを横向きに配置しても、アンテナとしての機能が阻害されることなく安定した指向特性を得ることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の漂流ブイにおいて、上記アンテナと各外壁との間に誘電体を介挿することによって、上記波長λを、誘電体によって短縮された電気的波長λgとしたことを特徴とする。
この構成によれば、上記アンテナと各外壁との間の誘電体の存在によりλが電気的波長λgとなり、漂流ブイの厚みを小さくすることができる。以下便宜上、漂流ブイの厚み寸法を云う場合は(誘電体部材が存在しない場合を含めて)電気的波長λgを使用し、アンテナ長を云う場合はλを使用する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の漂流ブイにおいて、上記両外壁の縦断面形状を夫々中央部が密封ケーシングの外側へ向かって膨出する、例えば放物線状の曲線としたことを特徴とする。
この構成によれば、上記両外壁の縦断面形状の曲面を適宜選択することにより液面に接する下方外壁がパラボラアンテナと類似した反射板となるので、上面方向のアンテナ指向特性の利得が大きくなる。
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか一項記載の漂流ブイにおいて、何れか一方の外壁を上面として液面上に浮遊する際に、上記アンテナに対して導波器として機能する寸法の線状導体(長さLが、L<λ/4)を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、密封ケーシングが海面等に浮遊する際、アンテナ垂直上方に導波器が位置することになるので、海面を反射板と見立てた場合、等価的に二素子八木アンテナとして機能させるように構成することが可能であり、上面方向のアンテナ指向特性の利得を大きくすることができる。なお、海面に接する外壁側の線状導体は、これに近接する大きな誘電率である海水面(液面)の接地効果(反射板としての機能)に吸収されて、その存在がアンテナの機能の妨げとならない。
以上のように本発明によれば、一つのアンテナを密封ケーシング中に収納したので、複数のアンテナを切替える手段や上下検出手段が不要となり構成が簡単になり、更に、アンテナを外部に突出させた場合に比べ、アンテナ破損の可能性が極めて小さくなる。
なお、密封ケーシングの上下二つの外壁とアンテナとの間隔を無線通信機の動作周波数に対する波長λの略1/4としたことにより、密封ケーシング底部に接する海水面がアンテナに対する反射板として機能するので、アンテナ機能を阻害することがなく、むろん波により漂流ブイが反転してもアンテナ機能が阻害されない。
本発明に係る漂流ブイの一実施例を示す図であって、(a)は側面断面図、(b)はアンテナに直行方向断面図、(c)は平面図である。 本発明に係る漂流ブイのアンテナ指向特性の例を示す断面図である。 本発明に係る漂流ブイを海面に浮かべた状態のアンテナ指向特性の例を示す断面図である。 本発明に係る漂流ブイであって、中央給電方式アンテナを使用した例を示す図で、(a)は断面図、(b)はアンテナの給電方法を示す図である。 本発明に係る漂流ブイであって、先端給電方式アンテナを使用した例を示す図で、(a)は断面図、(b)はアンテナの給電方法を示す図である。 本発明に係る漂流ブイの変形実施例を示す図であって、(a)はアンテナに直行方向断面図、(b)は側面断面図、(c)は平面図である。 本発明に係る漂流ブイの他の変形実施例を示す図であって、(a)は側面断面図、(b)アンテナ直行方向断面図である。 本発明に係る漂流ブイの作用を説明するための八木アンテナ原理図である。 本発明に係る漂流ブイの作用を説明するための断面図である。
以下、本発明を図面に示した形態例により詳細に説明する。図1は本発明に係る漂流ブイの一実施例を示す図で、(a)は側面断面図、(b)はA−A断面図、(c)は平面図である。
この例に示す漂流ブイ1は、浮力が大きい密封ケーシング2内部の中空部に、無線通信機収納ケース3と、この無線通信機収納ケース3から長軸方向に突出したアンテナ4と、無線通信機収納ケース3内に配置した無線送信機5と、無線送信機5を駆動する蓄電池6を備えている。また、密封ケーシング2は、二つの対向する外壁7、8と、この外壁の外周を連接する周壁9とからなり、更に、密封ケーシング2の外壁7、8とアンテナ4との間に、所要誘電率の誘電体部材10を充填(配置)し、無線通信機収納ケース3に内蔵した無線送信機(無線通信機)5の送信信号出力端とアンテナ4の信号入力端を同軸ケーブルと同軸コネクタとを介して接続したものである。
この例に示す漂流ブイ1の特徴的なところは、アンテナ4の配置と、密封ケーシング2の厚み方向寸法である。即ち、アンテナ4を、密封ケーシング2の上下二つの外壁(表裏両面)7、8の中間部であって、この外壁7、8と並行になるように配置すると共に、少なくともアンテナ4と密封ケーシング2の二つの外壁7、8の夫々の外面との距離が無線送信機5の動作周波数に対する波長λの略1/4となるように構成した点である。
なお、このときアンテナ4の長さは無線送信機5の動作周波数に同調するように設定されている。また、アンテナ4と密封ケーシング2の外壁間に誘電体部材10が充填されているので、アンテナ4と密封ケーシング2の外壁間の波長λは、誘電体の存在により短縮された電気的波長λgとなる。
即ち、比誘電率が真空より大きな誘電体(誘電体部材10)中を伝播するときは、その比誘電率に応じて波長が短縮され(そのときの波長λgを電気的波長と云う)、密封ケーシング2の厚み寸法(二つの外壁7、8の間隔)は、誘電率が大きくなるほど小さくなる。例えば、同軸ケーブル等の中心導体と外周導体との間の絶縁材料に使用されるポリエチレンとして比誘電率がεs=2.3のものが存するが、その場合はλg=0.67λ(λは比誘電率εo=1における電波の波長で、真空中の伝播速度約30万kmを電波の周波数Hzで割った値)となる。
移動体無線通信用アンテナとしては、一般的にはλ/4のホイップアンテナが使用されるが、この実施例に使用するアンテナ4の長さをλ/4のホイップアンテナとする場合、これと連接する無線通信機収納ケース3自体をλ/4長の導電材料で構成するか、又は一部に略λ/4の長さの導体片(ケース表面に導体幕を形成したものであってもよい)を備え、上記ホイップアンテナ4と組み合わせて(水平)ダイポールアンテナとして機能するように構成すれば、アンテナ特性が安定したものとなる。
本発明では、これに限らず後述するようにλ/4の整数倍長のアンテナや、他の平面アンテナが使用可能であるし、誘電体部材10の形状や、無線通信機収納ケース3の形状に関してもこれらの例に限らない。例えば、密封ケーシング2が気密構造になっていれば、無線通信機収納ケース3に代えて単なる取り付け金具(板金)に無線通信機5と蓄電池6を固定したものであっても構わない。また、密封ケーシング2としては、例えば発泡スチロールのように軽量で浮力の大きな材料を用い、その外周面は必要に応じて防水性、保形性を高めるためのコーティングを施してもよいし、あるいは、密封ケーシング2と誘電体部材10とが同一素材の一体構造であっても構わない。
なお、図1を含めここに示す各図面は、波長とアンテナ長、密封ケーシング寸法は、必ずしも実際の相対的寸法とは一致しておらず、単に構造のイメージを示したものに過ぎない。実際の設計に際しては、使用周波数f(Hz)、誘電体部材の比誘電率(εs)、使用するアンテナの方式に応じて漂流ブイの各部の寸法、特に、密封ケーシングの厚み寸法を設定する必要がある。扁平型にするためには平面寸法に比して厚みを小さくする必要があるので、比較的大きな比誘電率の誘電体部材を採用するのが好ましい。
図1(b)、(c)は、本実施例の漂流ブイ1のA−A断面図、及び平面図である。この例では、無線通信機収納ケース3と、アンテナ4の長さは略等しく、無線通信機収納ケース3とアンテナ4の接続部分が密封ケーシング2のほぼ中心に位置するように配置されている。
図1(a)、(b)、(c)を参照すれば明らかなように、密封ケーシング2の厚みがλg/2であり、その中間部(厚みの中間部)にアンテナ4を配置しているのでアンテナ4と密封ケーシング2の二つの外壁の外面(上下面)の夫々との距離はλg/4となる。
図2は、上述したように構成した漂流ブイ1の自由空間におけるアンテナ指向特性の一例を示したもので、周知のようにアンテナ4の指向特性はアンテナに沿った断面図がアンテナを挟んで略8の字となる。従って、本発明のようにアンテナを水平に配置(横置き)した場合は図2に示すように、上下方向にアンテナゲイン(利得)が大きくなる指向特性が得られるが、実際に海面又は水面等の液面(以下、海面で代表する)に浮かべた状態では、以下に説明するように、比誘電率が大きな海面がアンテナ4に対する反射板として機能し、上方外壁面方向にのみ指向特性が得られる。
図3は、本発明の漂流ブイ1を海面20に浮かべた状態における断面図であり、上空の人工衛星21と通信する様子をイメージしている。
図3に示すように、本発明に係る漂流ブイ1を海面20に浮かべると、当然ながら、漂流ブイ1の海面に接する側の外壁面(下方外壁)8は海水面(海面と区別して海水面と云う)22に接することになる。海水や水の誘電率は極めて大きく(比誘電率 εs=約80)、周波数が高い電波に対しては略導体とみなし得る。参考までに示せば、大地の比誘電率は13、湿地の比誘電率は30程度であるので、海水の比誘電率が如何に大きいか理解できる。
従って、アンテナ4と海水面22(密封ケーシング2の下面外壁8)との距離が略λg/4であるので、海水面22がアンテナ4に対する反射板として機能することになり、指向特性は図3に破線にて示すように図面上方にのみに生じる。
なお、この例では、密封ケーシング2の上下二つの外壁7、8のアンテナ4と並行する部分についてのみ両者間の寸法を略λg/4にしたが、事情が許せば、無線通信機収納ケース3を極力薄型扁平にすると共に、水平方向寸法をアンテナ4とほぼ同寸法に構成し、アンテナ4との関係をダイポールアンテナに近似した上で、無線通信機収納ケース3に平行する密封ケーシング部分についても同様に略λg/4の距離関係を満たすように構成すれば、ダイポールアンテナとして安定したアンテナ指向特性が得られる。無線通信機収納ケース3を極力薄型扁平にするためには、内蔵する無線送信機5と蓄電池6自体を薄型にすると共に、両者を同一平面に並べた構造にすればよい。
本発明の漂流ブイ1を使用する例としては、特許文献1に詳細に説明されているので参照することができる。例えば、人工衛星通信による位置情報の収集例としてのアルゴスシステムは、主として、海洋、大気、地球環境データの収集を目的とした人工衛星利用の通信システムで、地球を周回する人工衛星が移動体から送信する電波を受信することにより、人工衛星の高速移動に伴うドップラー効果により、移動体の位置を正確に検知することができるので、移動体側の無線装置が極めて簡単な構成で済み、漂流ブイのように回収困難な装置に適したものである。
アルゴスシステムでは、受信可能な位置に人工衛星が存在するか否かにかかわらず、移動体から間欠的に電波が送信されており(例、90秒に1回)、送信電力を低減すれば、一定容量の蓄電池電力を長期間に亘って使用可能となる。また、特許文献1にも記載されているように、漂流ブイに加速度センサ等を利用した波浪観測装置を搭載して海流や波高データを収集するものも知られており、本発明を利用する対象として適している。
なお、アルゴスシステム以外の他の位置検出システムにおいては受信機が必要となるものが存する。例えば、GPS(Global Positioning System)により複数の人工衛星からの電波を受信して自機において位置を算出するものにおいても、本発明を利用すれば、アンテナの指向特性利得増大に伴う相対的受信感度向上効果が得られるので、確実に情報収集が可能である。
図4は、これに限定されないが、アンテナ4の長さがλ/4である場合の給電方法の一例を示す図である。図4(a)に示すように、アンテナ4と無線通信機収納ケース3の図面左右方向寸法を略λ/4の長さにすることによって、両者を併せてλ/2長のダイポールアンテナとして機能させる場合のアンテナ4への給電は図4(b)に示すように中央給電方式と見做すことができ、電圧分布は図中の破線V、電流分布は図中のIとなる。これに対し、図5(a)に示すように、アンテナ4の長さをλ/2(又はその整数倍長)とする場合は、図5(b)に示すように、アンテナ4の端部から給電する先端給電方式にする(破線V、Iは同様に電圧分布、電流分布)。
なお、図4に示す例では、ダイポールアンテナとして機能するためにはアンテナ4の他に、同長の無線通信機収納ケース3(又は、それに付した導体片)の存在が好ましいが、図5に示すλ/2のアンテナでは、必ずしも無線通信機収納ケース3の存在は必要ではない。なお夫々におけるアンテナと無線送信機のインピーダンス整合方法については周知であるので説明は省略する。
図6は、本発明の変形実施例を示す図であり、(a)はアンテナ4と直交方向の断面図、(b)はアンテナ4と平行方向の断面図、(c)は平面図である。この実施例では、密封ケーシング2のアンテナ収納部分の二つの外壁7、8の夫々の断面が半円形、又は、放物線状になるように構成したもので、アンテナ4の周囲の大半部分が略円形、又は放物線等の曲面で囲われるように構成すると共に、アンテナ4と密封ケーシング2の二つの外壁間の誘電体部材10も同様に曲面形状に合わせて変形したものである。
この構成によれば上述した図3に示すように海面に浮かべたとき、その下方外壁面に海水が接するので、既述の実施例において説明したアンテナ4に対する反射板となる海水面が曲面となる。従って、比誘電率が大きな海水面がパラボラアンテナに類似した反射板となり、単なる平面状反射板の場合に比べて、より大きな指向特性の利得が生ずる。
なお、この実施例における曲面形状は、円形や放物線に限らず、楕円やその他の曲面であっても構わないし、密封ケーシング2の全体の断面が同様の機能を奏するような曲面部を備えた円盤型であってもよい。あるいは、ブイ主体部を筒状に構成し、アンテナ4と無線通信機収納ケース3をこの筒状主体内部に収納すると共に、扁平型を保つために筒状主体部周囲に薄型形状の鰭状円盤を植設した形状にしてもよい。
図7は、本発明の他の変形例を示す図である。この例では、上記密封ケーシング2のアンテナ4に並行する(対峙する)外壁面7、8の内壁(又は外壁)に、長さL1の線状導体(導波器)40、41を設け、その長さL1をL1<λ/4(又は、L1<λ/2)の長さとする。この構成によれば、放射器としてのアンテナ4からλg/4離れた位置に、L1<λ/4(又はL1<λ/2)の長さの導体がアンテナ4に平行に存在することになるので、周知のようにこの導体が導波器として機能することになり、二素子八木アンテナに類似したものと見做すことができる。
また、この構成の漂流ブイ1を海面に浮かべると、密封ケーシング2の下方外壁面の線状導体(導波器)40(又は41)は比誘電率が大きな海水面に近接するので導波器としての機能を失い、上方外壁の導体のみが導波器として機能することになる。
ところで、海水面22(密封ケーシング2により押し下げられる海面部分)は、密封ケーシング2の底面部分に等しい寸法(面積)になるので、アンテナ4より僅かに長い寸法の導体(海水面)がλg/4離れてアンテナ4と平行に存在すると考えることもできる。そのように考えれば、アンテナ4が導波器、海水面22部分が反射器となり、反射器付の二素子八木アンテナとなる。このような二素子八木アンテナに、更に、上述した密封ケーシング2に付した線状導体(導波器)40(又は41)による導波器を含めて考えると、図8に示すように全体として三素子八木アンテナとして機能すると見做こともできる。図9は、この様子を説明する図で、漂流ブイ1を海面20に浮かべたときの断面図であり、破線はアンテナ指向特性を示すもので、破線45は導波器が無い二素子八木アンテナの指向特性、46は、導波器と反射器を備えた場合の三素子八木アンテナの指向特性を模したものである。
これらの実施例のように、目的方向のアンテナ指向特性の利得が向上すれば、その分、人工衛星に送信する電力を少なくできる。漂流ブイでは内蔵する蓄電池により駆動するので、送信電力や受信電力を小さくできることはその分、長期間に亘って、海洋を漂流させて各種情報を収集することが可能であり、その効果は大きい。なお、アンテナの垂直方向(上空)の指向特性の利得が大きくなる反面、水平方向(低空)の利得が小さくなるので、通信相手の人工衛星の仰角が小さい(水平方向)場合や、陸上、海上の無線通信装置と通信する場合は不向きとなるので、使用目的や通信相手との関係に応じて、適宜、構成を選択する必要がある。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定する必要はなく、種々変形が可能である。また、同一出願人が提案した特許文献1には、漂流ブイを構成する上で有用な手段が種々開示されているので適宜本発明に利用することができる。例えば、無線送信機5のメモリに自機を識別するためのID符号を記憶しておき、収集したデータに付してID符号を送信するように構成することもできる。また、蓄電池(バッテリ)6は全ての構成要素の電源となり、蓄電池の電力が続く限り、無線送信機5からの送信が継続されるが、必要であれば太陽電池を備え日照時に蓄電池に充電するように構成することも可能である。
また、上記例では、ブイの内部に送信機だけを配置した例を示したが、必要に応じて受信機を収納し、アンテナを受信機に対しても接続するようにしてもよい。また、上記の例ではロッドアンテナ等の線状アンテナを用いた例を示したが、これらに代えて平面アンテナを用いてもよい。平面アンテナには、例えば、フォールデット・ダイポールアンテナのように、線状導体を長矩形や長楕円状に屈曲させたアンテナや、クワッドアンテナのように線状導体を四角形に折り曲げたアンテナ等も含まれ、これらをプリント基板にストリップラインアンテナとして構成することもできる。
また、密封ケーシング2の形状は、平面形状が略円形の円盤型のものに限る必要はなく、平面形状が略長矩形、略長円形、或は略楕円形であってもよく、薄型扁平な水密構造を備えていることにより海上、特に海上に流出したオイル塊や帯状のオイルに強く吸着し、オイルから遊離せずに、オイルと共に浮遊できることが必要である。
このような条件を備えた密封ケーシングの構造としては、薄型扁平であることと、円形、楕円形、長円形であることが好ましい。特に、薄型扁平であることにより、強い風雨に遭遇した場合にも、風の抵抗が小さいのでオイルから遊離しにくい利点を発揮し、更に従来の垂直筒型や球型 紡錘型、ドラム型に比べると、ローリングや回転を起こす虞れが比較的少ない。その結果、人工衛星との通信回線に与える影響が少なくなる。なお、扁平であるといっても、密封ケーシング2の上下両面が厳密に平坦である必要はなく、上下両面が全体として少しくR状に突出していたり、或は少しく引っ込んでいたとしても、風の抵抗を無用に増大させないという許容範囲内においては、全く差し支えない。
1 漂流ブイ、2 密封ケーシング、3 無線通信機収納ケース、4 アンテナ、5 無線送信機、6 蓄電池、7、8 密封ケーシング外壁、9 密封ケーシング周壁、10 誘電体部材、20 海面、21 人工衛星、22 海水面、30、31 密封ケーシング外壁の陥没部(溝)、40、41 導波器(導体片)

Claims (4)

  1. 対向する2つの外壁、及び各外壁の外周を連接する周壁を有する水密構造の密封ケーシングと、
    該密封ケーシングの内部に封入された無線通信機と、
    前記密封ケーシングの内部に前記無線通信機の動作周波数に対する波長λの略1/4の距離を隔てて前記各外壁面が位置するように平行に配置したアンテナと、
    を備えたことを特徴とする漂流ブイ。
  2. 前記アンテナと各外壁との間に誘電体を介挿することによって、前記波長λを、誘電体によって短縮された電気的波長λgとしたことを特徴とする請求項1記載の漂流ブイ。
  3. 前記両外壁の縦断面形状を夫々中央部が該密封ケーシングの外側へ向かって膨出する曲線状としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の漂流ブイ。
  4. 何れか一方の外壁を上面として液面上に浮遊する際に、前記アンテナに対して導波器として機能する寸法の線状導体を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の漂流ブイ。
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KR101875775B1 (ko) * 2016-04-26 2018-07-06 강흥묵 태양광 발전형 표시 부상체

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