JP2012065220A - 適応プリディストータ - Google Patents

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Abstract

【課題】波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行うことが可能な適応プリディストータを実現する。
【解決手段】増幅器5で発生する非線形歪みを補償する適応プリディストータで、等化手段17が増幅器5から出力される信号(フィードバック信号)に含まれる線形歪みを等化することを等化係数を用いて行い、非線形歪み検出手段24が入力側からの信号(フィードフォワード信号)と等化結果の信号とを比較して非線形歪みを検出し、等化係数更新手段22が、等化係数のトレーニングにおいて、フィードフォワード信号を参照信号とし、等化対象の信号(フィードバック信号)に含まれる線形歪みを等化するように、等化係数を更新する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、適応プリディストータに関し、特に、波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行う適応プリディストータに関し、更に、このような場合に、希望信号帯域外の等化特性が不要な特性に収束してしまうことを防ぐことが可能な適応プリディストータに関する。
一般に、電力増幅器は、入力のレベルが低い領域では、出力は線形に変化し、これに対し、ある入力レベルを超えると、出力は非線形になり、最終的には、飽和する。
例えば、無線機の消費電力の内訳を考えると、送信部の電力増幅器の電力の割合が大きくなる。このため、電力増幅器には、電力効率の向上が求められる。こうした要求に対処するため、通常、電力増幅器を、飽和点に近い動作点で使用する。このとき、前述した非線形性により、非線形歪みが発生する。
非線形歪みは、希望信号の帯域の外まで広がりを持つため、隣接チャネル漏洩電力の特性に大きく影響する。従って、非線形歪みへの対策が必要となり、その対策技術として、非線形歪みを補償する技術が適用されている。
非線形歪みを補償する技術としては、幾つかの方式がある。この中の1つに、プリディストーション方式がある。プリディストーション方式は、電力増幅器の非線形特性であるAM/AM(振幅対振幅)特性、AM/PM(振幅対位相)特性の逆特性を増幅器の入力信号に予め与えることにより電力増幅器で発生する歪を補償する方式である。
図10には、従来例に係るプリディストーション方式を使用する適応プリディストータの基本的な構成例(機能ブロック)を示してある。
本例の適応プリディストータは、電力増幅器101、電力検出部111、歪み補償テーブル(歪み補償係数のテーブル)112、歪み付加部113、適応制御部114を備えている。
本例の適応プリディストータにおいて行われる動作の例を示す。
基本的には、入力信号である原信号(送信信号a1)の瞬時電力(他の構成例として、瞬時振幅でもよい)が電力検出部111により検出され、当該瞬時電力に基づいて対応する歪み補償係数が歪み補償テーブル112から歪み付加部113へ出力される。これにより、歪み付加部113では、入力された歪み補償係数に基づく非線形歪みが生成されて原信号(送信信号a1)に付加される。
ここで、歪み補償テーブル112には、瞬時電力と歪み補償係数との対応が記憶されている。
このように予め非線形歪みが付加された信号(送信信号a2)が、電力増幅器101に入力される。電力増幅器101では、入力された信号(送信信号a2)について、電力を増幅して、増幅後の信号(送信信号a3)を出力する。このとき、電力増幅器101の増幅器自身の非線形特性により、予め付加された非線形歪みがキャンセルされ、最終的な送信信号(送信信号a3)は理想的には歪みの無い信号となる。
また、歪み補償テーブルについては、例えば、実際に電力増幅器101で発生している非線形歪みを検出した上で、テーブル内容の適応的な更新が行われる。
本例では、適応制御部114に、原信号(送信信号a1)がフィードフォワード信号として入力されるとともに、増幅後の信号(送信信号a3)がフィードバック信号として入力され、そして、適応制御部114は、これらの入力信号に基づいて、歪み補償テーブル112の記憶内容を更新する。
ここで、適応的に歪み補償テーブル112を更新する方法としては、フィードバック側の信号の希望信号帯域外の電力を確認し、その増減により、テーブル内容を摂動させる方法(摂動法)と、原信号であるフィードフォワード側の信号とフィードバック信号とを、時間波形のまま直接比較し、その差分に基づいて、テーブル内容を更新させる方法(波形比較法)に大別できる。歪み補償テーブル112が同程度に収束するまでの時間を比較すると、基本的には、波形比較法の方が高速である。
国際公開第2006/033256号パンフレット 特開2010−068142号公報
上述した波形比較法では、比較精度を確保するために、フィードフォワード信号とフィードバック信号との遅延差の解消、振幅差の解消、位相差の解消が、重要である。ここで、これらの制御については、例えば、個別に対応することも可能であるが、一構成例として、等化器を使用して、全てを等化器で調整することも考えられる。
通常、非線形歪みを付加した送信信号は、D/A(Digital to Analog)変換され、アナログ回路を経由して、電力増幅され、出力される。更に、この信号が、フィードバック側のアナログ回路を経て、A/D(Analog to Digital)変換される。このため、フィードバックされた信号には、本来検出したい電力増幅器101の非線形歪みだけでなく、アナログ回路を経由する過程で、特定の周波数特性(線形歪み)が含まれることになる。
本発明は、上記のような従来の事情に鑑み為されたもので、波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行うことが可能な適応プリディストータを提供することを目的とする。
(以下、更なる課題の説明)
上述した波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行う場合には、等化係数のトレーニングが必要である。このとき、等化器の参照信号として、非線形歪みを付加する前のフィードフォワード信号を用いることが考えられるが、参照信号には、希望信号帯域外の成分が存在しない。このため、収束後の等化係数の周波数特性のうち、希望信号帯域外では、意図しない不要な特性を持つことになる。これは、希望信号帯域内/外の、電力増幅器の非線形歪みを検出するという本来の目的に対して問題となる。
本発明は、上記のような従来の事情に鑑み為されたもので、波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行う場合に、希望信号帯域外の等化特性が不要な特性に収束してしまうことを防ぐことが可能な適応プリディストータを提供することを目的とする。
(以上、更なる課題の説明)
上記目的を達成するため、本発明では、増幅器で発生する非線形歪みを補償する適応プリディストータにおいて、次のような構成とした。
すなわち、等化手段が、前記増幅器から出力される信号をフィードバックして、当該フィードバック信号に含まれる線形歪みを等化することを、等化係数を用いて行う。非線形歪み検出手段が、入力側からの信号をフィードフォワード信号として、当該フィードフォワード信号と前記等化手段による前記フィードバック信号の等化結果の信号とを比較して非線形歪みを検出する。等化係数更新手段が、前記等化手段の前記等化係数のトレーニングにおいて、前記フィードフォワード信号を参照信号とし、前記フィードバック信号を等化対象の信号として、当該等化対象の信号に含まれる線形歪みを等化するように、前記等化係数を更新する。
従って、波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行うことが可能である。
ここで、等化手段により等化する対象となる歪み(フィードバック信号に含まれる線形歪み)としては、例えば、アナログ系の回路などに起因する遅延差、振幅差、位相差がある。
一構成例として、前記した等化係数のトレーニングの次の段階として、非線形歪みの検出を行う段階では、前記等化係数更新手段による等化係数の更新を停止させる。そして、フィードフォワード信号と、フィードバック信号をトレーニング済みの等化係数で等化した結果の信号とを比較して、非線形歪みの検出を行う。
一構成例として、歪み補償係数に関する情報(例えば、電力或いは振幅のレベルと歪み補償係数との対応付けの情報)を記憶する歪み補償係数記憶手段や、前記歪み補償係数記憶手段の記憶内容に基づいて前記増幅器による増幅対象となる信号(入力信号)に対して歪みを付与する歪み付与手段や、前記非線形歪み検出手段により検出される非線形歪みに基づいて(例えば、その非線形歪みが小さくなるように)前記歪み補償係数記憶手段の記憶内容を更新する歪み補償更新手段を備える。
(以下、他の構成例の説明)
(構成例A−1:実施例1、2に対応)増幅器で発生する非線形歪みを補償する適応プリディストータにおいて、
前記増幅器から出力される信号をフィードバックして、当該フィードバック信号に含まれる線形歪みを等化することを、等化係数を用いて行う等化手段と、
入力側からの信号をフィードフォワード信号として、当該フィードフォワード信号と前記等化手段による前記フィードバック信号の等化結果の信号とを比較して非線形歪みを検出する非線形歪み検出手段と、
前記等化手段の前記等化係数のトレーニングにおいて、前記フィードフォワード信号に希望信号帯域外の帯域を持つ所定の信号(既知信号)を加算した信号を参照信号とし、前記フィードバック信号に希望信号帯域外の帯域を持つ所定の信号(既知信号)を加算した信号を等化対象の信号として、当該等化対象の信号に含まれる線形歪みを等化するように、前記等化係数を更新する等化係数更新手段と、
を備えたことを特徴とする適応プリディストータ。
従って、波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行う場合に、希望信号帯域外の等化特性が不要な特性に収束してしまうことを防ぐことが可能である。
ここで、希望信号の帯域としては、例えば、歪み付与手段により歪みが付与される前の入力信号を希望信号としてみなして、その帯域を用いることができる。
また、参照信号に関する既知信号や、等化対象の信号に関する既知信号としては、それぞれ、種々なものが用いられてもよく、例えば、予め設定されてもよく、或いは、装置の動作中などに装置により自動的に取得(測定など)されて設定されてもよい。
(構成例A−2:実施例1に対応)
前記(構成例A−1)に記載の適応プリディストータにおいて、
前記フィードフォワード信号に対する既知信号(前記参照信号に関する既知信号)として、各周波数の振幅レベルが一様(一定)な信号(一様スペクトラム信号)が用いられ、
前記フィードバック信号に対する既知信号(前記等化対象の信号に関する既知信号)として、前記一様スペクトラム信号に所定の周波数特性(例えば、アナログ系の周波数特性)を与えた信号が用いられる。
(構成例A−3:実施例2に対応)
前記(構成例A−1)に記載の適応プリディストータにおいて、
前記フィードフォワード信号に対する既知信号(前記参照信号に関する既知信号)として、各周波数の振幅レベルが一様(一定)な信号(一様スペクトラム信号)に所定の周波数特性(例えば、アナログ系の周波数特性の逆特性)を与えた信号が用いられ、
前記フィードバック信号に対する既知信号(前記等化対象の信号に関する既知信号)として、前記一様スペクトラム信号が用いられる。
(構成例A−4:実施例1、2に対応)
前記(構成例1)乃至前記(構成例3)のいずれか1つに記載の適応プリディストータにおいて、
前記した等化係数のトレーニングの次の段階として、非線形歪みの検出を行う段階では、前記フィードバック信号に対する既知信号(前記等化対象の信号に関する既知信号)が加算されないようにし、前記等化係数更新手段による等化係数の更新を停止させる。そして、フィードフォワード信号と、フィードバック信号をトレーニング済みの等化係数で等化した結果の信号とを比較して、非線形歪みの検出を行う。
(以上、他の構成例の説明)
以上説明したように、本発明に係る適応プリディストータによると、波形比較法の実施時に、遅延、振幅、位相の制御を等化器で行うことが可能であり、また、上記した(他の構成例)により、例えば、このような場合に、希望信号帯域外の等化特性が不要な特性に収束してしまうことを防ぐことが可能である。
本発明の第1実施例に係る適応プリディストータの構成例を示す図である。 (a)〜(e)は既知信号を加えない場合におけるトレーニング完了後の等化係数の周波数特性の例を示す図である。 (a)〜(e)は原信号が全帯域の成分を持っている場合におけるトレーニング完了後の等化係数の周波数特性の例を示す図である。 (a)〜(g)は本発明に係る一実施例の場合におけるトレーニング完了後の等化係数の周波数特性の例を示す図である。 (a)〜(c)は本発明に係る一実施例の場合における等化処理結果の周波数特性の例を示す図である。 本発明の第2実施例に係る適応プリディストータの構成例を示す図である。 (a)〜(e)はアナログ系の周波数特性を確認する場合における各信号のスペクトラムの例を示す図である。 (a)〜(c)はアナログ系の周波数特性の逆特性を持った既知信号を生成する場合における各信号のスペクトラムの例を示す図である。 (a)〜(g)はアナログ系の周波数特性の逆特性を持った既知信号を使用する場合における各信号のスペクトラムの例を示す図である。 従来例に係るプリディストーション方式を使用する適応プリディストータの構成例を示す図である。
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例は、例えば、無線システムの送信機に設けられる電力増幅器に生じる非線形歪みを補償する技術に関し、特に、このような送信機に設けられる適応プリディストータにおける歪み検出に適用する技術に関する。
本発明の第1実施例を説明する。
図1には、本発明の一実施例に係る波形比較を採用した適応プリディストータの構成例を示してある。
本例の適応プリディストータは、直交変調器1、D/A変換器2、アップコンバータ3、帯域通過フィルタ(BPF)4、電力増幅器5、方向性結合器6、ダウンコンバータ11、帯域通過フィルタ(BPF)12、A/D変換器13、直交復調器14、既知信号メモリ15、加算器16、等化器17、遅延器18、既知信号メモリ19、加算器20、加算器21、等化係数更新部22、遅延器23、加算器24、電力検出部25、遅延器26、歪み補償テーブル更新制御部27、歪み補償テーブル28、歪み付加部29を備えている。
本例の適応プリディストータにおいて行われる概略的な動作の例を示す。
適応プリディストータへの入力信号が、歪み付加部29、電力検出部25、遅延器18、遅延器23に入力される。
電力検出部25は、入力信号の瞬時電力(他の構成例として、瞬時振幅でもよい)を検出して、その結果を歪み補償テーブル28、遅延器26へ出力する。
歪み補償テーブル28は、瞬時電力と歪み補償係数との対応をメモリに記憶しており、電力検出部25から入力された検出結果(瞬時電力)に対応した歪み補償係数を歪み付加部29へ出力する。
歪み付加部29は、入力信号に対して、歪み補償テーブル28から入力された歪み補償係数に応じた非線形歪みを発生させて付加し、そして、歪みが付加された信号を直交変調器1へ出力する。
直交変調器1は、歪み付加部29から入力された信号について直交変調を行い、その結果の信号をD/A変換器2へ出力する。
D/A変換器2は、直交変調器1から入力された信号をディジタル信号からアナログ信号へ変換して、アップコンバータ3へ出力する。
アップコンバータ3は、D/A変換器2から入力された信号について周波数変換(アップコンバート)を行い、その結果の信号を帯域通過フィルタ4へ出力する。本例では、ベースバンド帯からRF(Radio Frequency)帯へ周波数変換する。
帯域通過フィルタ4は、アップコンバータ3から入力された信号について、所定の帯域の信号成分を通過させて、電力増幅器5へ出力する。
電力増幅器5は、帯域通過フィルタ4から入力された信号を増幅(本例では、電力増幅)し、増幅後の信号を方向性結合器6を介して適応プリディストータから出力する。ここで、歪み付加部29により与えられる非線形歪みと、電力増幅器5の非線形特性により、電力増幅器5からの出力信号は、理想的には歪みの無い信号となる。
方向性結合器6は、電力増幅器5から出力された信号の一部を取得してダウンコンバータ11へ出力する。
ダウンコンバータ11は、方向性結合器6から入力された信号(フィードバック信号)について周波数変換(ダウンコンバート)を行い、その結果の信号を帯域通過フィルタ12へ出力する。本例では、RF帯からベースバンド帯へ周波数変換する。
帯域通過フィルタ12は、ダウンコンバータ11から入力された信号について、所定の帯域の信号成分を通過させて、A/D変換器13へ出力する。
A/D変換器13は、帯域通過フィルタ12から入力された信号をアナログ信号からディジタル信号へ変換して、直交復調器14へ出力する。
直交復調器14は、A/D変換器13から入力された信号について直交復調を行い、その結果の信号を加算器16へ出力する。
既知信号メモリ15は、所定の既知の信号を記憶しており、その信号を加算器16へ出力する。
加算器16は、直交復調器14から入力された信号と既知信号メモリ15から入力された信号を加算して、その結果の信号を等化器17、等化係数更新部22へ出力する。
等化器17は、加算器16から入力された信号について等化処理を行い、その結果の信号を加算器24、加算器21へ出力する。
遅延器18は、入力信号について、所定の時間だけ遅延させて、加算器20へ出力する。
既知信号メモリ19は、所定の既知の信号を記憶し、その信号を加算器20へ出力する。
加算器20は、遅延器18から入力された信号と既知信号メモリ19から入力された信号を加算して、その結果の信号を加算器21へ出力する。
加算器21は、2つの信号を逆相で加算することにより、加算器20から入力された信号から、等化器17から入力された信号を減算して、その結果の信号を等化係数更新部22へ出力する。
等化係数更新部22は、加算器16から入力された信号及び加算器21から入力された信号に基づいて、等化器17の等化係数を更新する。
遅延器23は、入力信号について、所定の時間だけ遅延させて、加算器24へ出力する。
加算器24は、2つの信号を逆相で加算することにより、等化器17から入力された信号から、遅延器23から入力された信号を減算して、その結果の信号を歪み補償テーブル更新制御部27へ出力する。
遅延器26は、電力検出部25から入力された信号について、所定の時間だけ遅延させて、歪み補償テーブル更新制御部27へ出力する。
歪み補償テーブル更新制御部27は、加算器24から入力された信号及び遅延器26から入力された信号に基づいて、歪補償テーブル28の記憶内容(瞬時電力と歪み補償係数との対応付けのテーブルの内容)を更新する。
以下で、更に詳しく説明する。
直交変調器1から電力増幅器5までの処理部1〜5としては、例えば、一般的な送信機で用いるものと同等なものを用いることができる。具体的には、ベースバンド帯の信号をRF帯の信号へ周波数変換(アップコンバート)して電力増幅するために必要な機能を有していれば、必ずしも特別な機能を持つ必要は無い。なお、プリディストーションを行う場合には、これらの処理部1〜5は、希望信号の帯域だけでなく、歪み付加部29で予め付加される非線形歪みの成分も通過可能な周波数特性である必要はある。
方向性結合器6から直交復調器14までの処理部6、11〜14は、電力増幅器5で生じた非線形歪みをベースバンド帯で検出するために必要なブロックである。なお、これらの処理部6、11〜14についても、上記した処理部1〜5と同様に、歪み補償対象の帯域を全て通過させることができる周波数特性である必要がある。
遅延器23から歪み付加部29までの処理部23〜29は、適応プリディストータの(基本的な)機能部を構成するブロックである。適応プリディストーションの処理は、更に、歪み検出の処理と、歪み参照/付加の処理に大別できる。
前記した歪み検出の処理では、波形比較法が使用される場合には、非線形歪みを付加する前の信号(フィードフォワード信号)と、電力増幅器5で歪んだ信号をディジタル部に戻した信号(フィードバック信号)との比較が必要となる。本例では、この比較を、加算器24により、行っている。なお、本例では、遅延器23による遅延処理は、ディジタル及びアナログの遅延のうち、設計段階で把握可能な遅延を調整するためのものである。
歪み補償テーブル更新制御部27では、フィードフォワード信号の瞬時電力と、波形比較により求まる非線形歪みにより、歪み補償テーブル28を最適化する。このとき、瞬時電力は、電力検出部25で算出する。ここで、歪み補償テーブル28を最適化するとき、フィードフォワード信号の瞬時電力と非線形歪みの発生状況との対応が必要であるため、遅延器26により、電力算出結果を遅延させている。
なお、歪み補償テーブル28の更新方法自体については、種々な方法が用いられてもよく、例えば従来と同様な方法が用いられてもよく、本例では、詳しい説明は省略する。
前記した歪み参照/付加の処理では、電力検出部25でフィードフォワード信号の瞬時電力を求め、この大きさに基づき歪み補償テーブル28を参照して、歪み付加部29で非線形歪みを付加する。ここで、付加した歪みが適切であれば、その歪みは、電力増幅器5の非線形特性で相殺されることになる。
ここで、上記のように、本例では、加算器24におけるフィードフォワード信号とフィードバック信号との波形比較において、フィードフォワード信号を設計上把握可能な遅延量だけ遅延させている。しかしながら、波形比較の精度を確保するためには、更に、遅延の微調整が必要である。この遅延の微調整を含め、フィードフォワード信号とフィードバック信号との振幅差、位相差を解消する処理部が、等化器17である。
本例では、等化器17としては、入力及び係数ともに複素数に対応したフィルタが用いられており、また、等化係数の適応的な更新が可能な構成となっている。等化係数トレーニングのための参照信号は、フィードフォワード信号を遅延器18で遅延させた信号としてある。
ここで、等化対象のフィードバック信号(直交復調器14からの出力信号)には、加算器16において、既知信号メモリ15に保持してある信号を加えることができる。
また、参照信号にも、加算器20において、既知信号メモリ19に保持した信号を加えることができる。
このように、本例では、等化対象の信号や、参照信号に、既知信号を加えることができる。
図2(a)〜(e)には、既知信号を加えない場合におけるトレーニング完了後の等化係数の周波数特性の例として、既知信号メモリ15の出力及び既知信号メモリ19の出力を加算しない場合における各信号のスペクトラムの例を示してある。
図2(a)〜(e)のそれぞれのグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図2(a)は原信号(入力信号)についての周波数特性を表し、図2(b)はアナログ系についての周波数特性を表し、図2(c)は等化対象信号についての周波数特性を表し、図2(d)は参照信号についての周波数特性を表し、図2(e)は等化係数についての周波数特性を表す。
この場合、等化対象のフィードバック信号は、単純に原信号にアナログ系の周波数特性が加わった信号になる。一方、参照信号は、遅延を粗調した後の原信号となる。
このとき、トレーニング後の等化係数は、希望信号の帯域については、アナログ系の周波数特性の逆特性に収束する。これに対し、希望信号の帯域の外は、原信号に成分が存在しないため、アナログ系の逆特性に収束しない。
次に、原信号が全帯域の成分を持っている場合について検討する。
図3(a)〜(e)には、原信号が全帯域の成分を持っている場合におけるトレーニング完了後の等化係数の周波数特性の例として、各信号のスペクトラムの例を示してある。
図3(a)〜(e)のそれぞれのグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図3(a)は原信号(入力信号)についての周波数特性を表し、図3(b)はアナログ系についての周波数特性を表し、図3(c)は等化対象信号についての周波数特性を表し、図3(d)は参照信号についての周波数特性を表し、図3(e)は等化係数についての周波数特性を表す。
本例では、原信号の帯域の全体に成分があるため、等化対象信号及び参照信号ともに、希望信号帯域外の成分を持つことができる。これらの信号で、トレーニングすると、等化係数の周波数特性は、希望信号帯域だけでなく、希望信号帯域外についても、アナログ系の周波数特性の逆特性に収束する。
図4(a)〜(g)には、本例の場合におけるトレーニング完了後の等化係数の周波数特性の例として、既知信号メモリ15の出力及び既知信号メモリ19の出力を加算する場合における各信号のスペクトラムの例を示してある。
図4(a)〜(g)のそれぞれのグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図4(a)は等化対象信号についての周波数特性を表し、図4(b)は等化対象信号に対する既知信号メモリ15による既知信号についての周波数特性を表し、図4(c)は既知信号を加算した後の等化対象信号(等化対象信号(加算後))についての周波数特性を表し、図4(d)は参照信号についての周波数特性を表し、図4(e)は参照信号に対する既知信号メモリ19による既知信号についての周波数特性を表し、図4(f)は既知信号を加算した後の参照信号(参照信号(加算後))についての周波数特性を表し、図4(g)は等化係数についての周波数特性を表す。
なお、本例では、等化対象信号に関して、線形特性にのみ着目しているため、希望信号帯域内の信号のみを示している。
図4(a)〜(g)では、図3(a)〜(e)における等化対象信号、参照信号の関係を、既知信号を使用して再現する手順を示している。
参照信号(加算後)は、元の参照信号(図2(d)における参照信号に相当するもの)に、既知信号メモリ19からの広帯域の既知信号を加えて生成される。
一方、等化対象信号(加算後)は、アナログ系の周波数特性が与えられた原信号に、既知信号メモリ15からの、アナログ系の周波数特性が与えられた広帯域の既知信号を加えて生成される。
なお、広帯域の既知信号に加えるアナログ系の周波数特性に関しては、例えば、本例のように、予め知り得る特性が用いられてもよく、或いは、他の構成例として、動作中に取得した特性等が用いられてもよく、いずれが用いられても構わない。
本例のような等化対象信号(加算後)、参照信号(加算後)でトレーニングすると、等化係数はアナログ系の逆特性に収束する。
図5(a)〜(c)には、図4(g)に示される等化係数を用いた本例の場合(非線形歪み検出時)における等化処理結果の周波数特性の例を示してある。
図5(a)〜(c)のそれぞれのグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図5(a)は等化対象信号についての周波数特性を表し、図5(b)は等化係数についての周波数特性を表し、図5(c)は等化器17からの出力信号についての周波数特性を表す。
なお、本例では、等化対象信号に関して、線形特性にのみ着目しているため、希望信号帯域内の信号のみを示している。
ここで、図1に示される本例の適応プリディストータにより、図4(a)〜(g)に示されるプロセスを実行する例を説明する。
等化係数のトレーニング時には、等化係数更新部22は、既知信号を加えたフィードバック信号と、等化誤差を利用して、等化係数をトレーニングする。ここで、等化誤差は、加算器21において、等化器17からの出力信号と、既知信号が付加済みのフィードフォワード信号(加算器20からの出力信号)により、求められた信号である。
なお、等化係数更新部22で採用する等化係数の更新アルゴリズム自体としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、基本的には、LMS(Least Mean Square)やRLS(Recursive Least Squares)等の更新アルゴリズムでよい。
本例では、参照信号に対する既知信号メモリ19に格納しておく既知信号を、図4(e)に示されるように、各周波数の振幅レベルが一様な信号(一様スペクトラム信号)としておき、また、等化対象信号に対する既知信号メモリ15に格納しておく既知信号を、図4(b)に示されるように、前記した一様スペクトラム信号に把握済みのアナログ系の周波数特性を与えた信号としておく。
これにより、周波数特性の推移で考えれば、図4(a)〜(g)に示されるような関係を構成したことになり、図4(g)に示されるように、等化係数の周波数特性は、希望信号帯域外も含めて、アナログ系の逆特性を持つようになる。これに加え、希望信号帯域と希望信号帯域外との境界における、周波数特性の不連続を回避することもできる。
上述のような構成や方法により、等化係数が希望信号帯域外に不要な特性を持つことを防ぐことができる。
なお、等化係数トレーニングの次の段階として、最終的には、非線形歪みの検出を行うことになるが、この場合には、加算器16において、既知信号のデータだけを“0”の固定状態にし、等化係数更新部22において、等化係数の更新を停止させておけばよい。
以上のように、本例の適応プリディストータでは、歪み検出時の波形比較方法において、次のような特徴を有する。
すなわち、基準となるフィードフォワード信号と比較対象のフィードバック信号との間の遅延、振幅差、位相差を解消するための等化器17を持つという特徴を有する。
ここで、フィードフォワード信号としては、送信変調波に歪み補償用の歪みを付加する前の変調波信号が用いられ、また、フィードバック信号としては、電力増幅器5の非線形歪みの確認のため、アナログ回路を経てディジタル部に戻された歪んだ変調波信号が用いられる。
また、本例の適応プリディストータでは、等化器17の等化係数のトレーニング時に、参照信号としてフィードフォワード信号に既知信号を加えた信号を使用し、等化対象信号としてフィードバック信号に既知信号を加えた信号を使用して、トレーニングするという特徴を有する。
また、本例の適応プリディストータでは、実際の非線形歪み検出のための波形比較時には、前記した既知信号を加えないフィードフォワード信号と、前記した既知信号を加えないフィードバック信号をトレーニング済みの等化係数で等化処理した信号とを比較するという特徴を有する。
具体的には、本例の適応プリディストータでは、非線形歪みの検出のための波形比較を実施する前に、等化器17を用いて、基準となるフィードフォワード信号と比較対象のフィードバック信号との間の遅延、振幅差、位相差を解消する。等化器17の等化係数のトレーニング時には、まず、フィードフォワード信号と、フィードバック信号に、それぞれ、既知信号を加え、このように既知信号を加えた後の信号を等化する過程で等化係数をトレーニングする。
そして、等化係数のトレーニングの完了後、実際の非線形歪みの検出のための波形比較時に、前記した既知信号を加えないフィードフォワード信号と、前記した既知信号を加えないフィードバック信号をトレーニング完了した等化係数で等化処理した信号とを比較する。つまり、前記した既知信号の加算を行わずに、遅延、振幅差、位相差の解消だけを行い、時間波形の比較をする。
一構成例として、本例の適応プリディストータでは、歪み検出時の波形比較で用いる等化器17の等化係数トレーニング方法において、次のような特徴を有する。
すなわち、等化係数のトレーニングのための等化対象の信号として、フィードバック信号、及び、フィードフォワード信号に加える既知信号と同一内容の信号に特定の周波数特性を与えた信号、といった2つの信号を加え合わせた信号を用いるという特徴を有する。
具体的には、フィードバック信号に既知信号を加えて等化対象の信号を生成する態様として、本例では、この既知信号を、フィードフォワード信号に加える既知信号と同一内容の信号に特定の周波数特性を与えた信号とする。
上述のように、本例は、増幅器(本例では、電力増幅器5)で発生する非線形歪みを補償する適応プリディストータにおいて、プリディストーションのための係数(歪み補償係数)を更新する際に、フィードバック信号とフィードフォワード信号(参照信号)との比較を行うことにより当該非線形歪みを検出する「波形比較法」と呼ばれる歪み検出方法に関する。
そして、本例では、トレーニング時のフィードバック信号とフィードフォワード信号に基づいて等化器17の等化係数を更新することで、アナログ回路等に起因する線形歪み(遅延差、振幅差、位相差)を補償し、非線形歪みのみを取り出すことが可能になる。また、本例では、フィードバック信号とフィードフォワード信号に希望信号帯域外の既知信号を加算することで、希望信号帯域外についても、適切に等化器17の等化係数を算出することが可能になる。
一構成例を示す。
すなわち、増幅器(本例では、電力増幅器5)で発生する非線形歪みを補償する適応プリディストータにおいて、
フィードバック信号に含まれる線形歪み(アナログ回路等に起因する遅延差、振幅差、位相差)を等化するフィードバック信号の等化機能(本例では、等化器17等)と、
等化されたフィードバック信号(増幅器からの出力)とフィードフォワード信号(入力信号)との比較を行うことにより前記した非線形歪みを検出する非線形歪み検出機能(本例では、加算器24等)と、を備え、
前記したフィードバック信号の等化機能における等化係数は、等化係数トレーニング信号によりトレーニングが行われ、等化係数トレーニング信号が入力された際のフィードフォワード信号を参照信号として、同じく等化係数トレーニング信号が入力された際のフィードバック信号に含まれる線形歪みを等化するように、等化係数が更新される。
更なる一構成例を示す。
前記のような適応プリディストータにおいて、
前記したフィードバック信号の等化機能における等化係数のトレーニングでは、
等化係数トレーニング信号が入力された際のフィードフォワード信号に希望信号帯域外の帯域を持つ既知信号を加算した信号を参照信号とし、
同じく等化係数トレーニング信号が入力された際のフィードバック信号に希望信号帯域外の帯域を持つ既知信号を加算した信号に含まれる線形歪みを等化するように、等化係数が更新される。
以上のように、本例の適応プリディストータでは、フィードフォワード信号を参照信号とし、フィードバック信号を時間領域で等化し、これにより、波形比較の実施時に必須となる遅延、振幅差、位相差の解消を、等化係数の収束により、一括して実施することができる。
また、本例の適応プリディストータでは、このとき、等化係数の周波数特性が希望信号帯域外で不要な特性になることを防ぐために、等化係数のトレーニング時に、参照信号及び等化対象信号に、トレーニング専用の既知信号を付加し、これにより、希望信号帯域外の周波数成分に対する線形歪みの発生を抑制しつつ、希望信号帯域内を等化することが可能であり、電力増幅器の非線形歪みの検出を正確に行うことができるようになる。
また、本例の適応プリディストータでは、アナログ回路の特性について、経年変化や、温度による変化に、対応することも可能である。
このように、本例では、適応プリディストータにおいて、波形比較による非線形歪み検出の精度を向上させることができる。
なお、本例の適応プリディストータでは、等化器17の機能により等化手段が構成されており、2つの信号の差を演算する加算器24の機能により非線形歪み検出手段が構成されており、等化係数更新部22の機能により等化係数更新手段が構成されており、歪み補償テーブル28の機能により歪み補償係数記憶手段が構成されており、歪み付加部29の機能により歪み付与手段が構成されており、歪み補償テーブル更新制御部27の機能により歪み補償更新手段が構成されている。
本発明の第2実施例を説明する。
上述した実施例1では、図1に示される適応プリディストータにおいて、等化対象信号に対する既知信号メモリ15にアナログ系の周波数特性を持たせた信号を保持させ、一方、参照信号に対する既知信号メモリ19にアナログ系の周波数特性を持たせる前の信号を保持させる例を示した。
これについて、等化対象信号に対する既知信号メモリ15に保持させた信号の方を基準に考えると、参照信号に加える既知信号の方にアナログ系の周波数特性の逆特性を持たせている、と言い換えることができる。
実施例2では、このような観点で、例を示す。
図6には、本発明の一実施例に係る波形比較を採用した適応プリディストータの構成例を示してある。
本例の適応プリディストータは、図1に示される適応プリディストータと同様な処理部1〜6、11〜29を備えているとともに、更に、既知信号メモリ31、加算器32を備えている。
本例の適応プリディストータにおいて行われる概略的な動作の例を示す。本例では、主に、図1に示される適応プリディストータの動作とは異なる点について説明する。
本例では、適応プリディストータへの入力信号が、加算器32に入力される。
既知信号メモリ31は、所定の既知の信号を記憶しており、その信号を加算器32へ出力する。
加算器32は、入力信号と既知信号メモリ31から入力された信号を加算して、その結果の信号を歪み付加部29、電力検出部25、遅延器18、遅延器23へ出力する。
これらの処理部(歪み付加部29、電力検出部25、遅延器18、遅延器23)は、加算器32から入力された信号を処理する。
以下で更に詳しく説明する。
本例では、広帯域の既知信号に加えるアナログ系の周波数特性を動作中に取得する。
まず、アナログ系の周波数特性を確認する。
図7(a)〜(e)には、アナログ系の周波数特性を確認する場合における各信号のスペクトラムの例を示してある。
図7(a)〜(e)のそれぞれのグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図7(a)は原信号(ここでは、既知信号)についての周波数特性を表し、図7(b)はアナログ系についての周波数特性を表し、図7(c)は等化対象信号についての周波数特性を表し、図7(d)は参照信号についての周波数特性を表し、図7(e)は等化係数についての周波数特性を表す。
具体的には、まず、加算器32において、本来の送信信号(入力信号)を“0”に固定し、既知信号メモリ31による既知信号として、各周波数の振幅レベルが一様な信号(一様スペクトラム信号)を加算して、その結果の信号を出力する。この信号は、図7(a)に示される原信号に対応する。
なお、この時点では、歪み付加部29において、例えば、非線形歪みを全く付加しない、或いは、デフォルトの歪み補償テーブル28に基づいて非線形歪みを付加する等、いずれの処理が用いられても構わない。
このような加算器32からの信号が、電力増幅器5を経て、A/D変換器13でディジタル部に戻され、直交復調器14でディジタル直交復調され、そして、その結果が等化器17で等化される。このとき、加算器16では、フィードバック信号だけを通す形にするために、既知信号メモリ15からの出力信号を“0”に固定しておく。このときの等化対象信号は、図7(c)に示されるようになる。
なお、本例では、等化対象信号に関して、線形特性にのみ着目しているため、非線形特性に起因する歪みについては含まない信号のみを示している。
また、参照信号については、図7(d)に示されるように、加算器32からの出力信号を遅延器18で遅延させた信号にするために、既知信号メモリ19からの出力信号を“0”に固定しておく。
このような設定で、等化係数更新部22で等化係数を更新することにより、等化係数をトレーニングする。トレーニングが完了すると、図7(e)に示されるように、等化係数の周波数特性は、アナログ系の周波数特性の逆特性になる。
次に、アナログ系の周波数特性の逆特性を持った既知信号を生成する。
図8(a)〜(c)には、アナログ系の周波数特性の逆特性を持った既知信号を生成する場合における各信号のスペクトラムの例を示してある。
図8(a)〜(c)のそれぞれのグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図8(a)は等化対象信号(ここでは、既知信号)についての周波数特性を表し、図8(b)は等化係数についての周波数特性を表し、図8(c)は等化器17からの出力信号についての周波数特性を表す。
具体的には、上記したようにアナログ系の周波数特性を確認した後に、次に、等化係数更新部22での等化係数の更新を停止させ、加算器16への入力について、一方(直交復調器14の側)を“0”の固定信号とし、もう一方を既知信号メモリ15からの出力信号とする。
ここで、このとき、既知信号メモリ15には、既知信号メモリ31と同一内容の一様スペクトラム信号が保持されているように、設定される。この一様スペクトラム信号は、図8(a)に示される等化対象信号に対応する。
この場合、等化器17からは、一様スペクトラム信号にアナログ系の周波数特性の逆特性が付加された信号が出力されるようになる。この信号は、図8(c)に示される等化器出力に対応する。そして、この信号は既知信号メモリ19に入力され、この信号を既知信号メモリ19に格納する。
なお、既知信号メモリ19への信号の格納が完了した後における等化係数更新及び非線形歪み検出の動作は、例えば、上述した実施例1の場合と同様である。
図9(a)〜(g)には、アナログ系の周波数特性の逆特性を持った既知信号を使用する場合における各信号のスペクトラムの例を示してある。
図9(a)〜(g)のそれぞれのグラフでは、横軸は周波数を表しており、縦軸は振幅を表している。
図9(a)は等化対象信号についての周波数特性を表し、図9(b)は等化対象信号に対する既知信号メモリ15による既知信号についての周波数特性を表し、図9(c)は既知信号を加算した後の等化対象信号(等化対象信号(加算後))についての周波数特性を表し、図9(d)は参照信号についての周波数特性を表し、図9(e)は参照信号に対する既知信号メモリ19による既知信号についての周波数特性を表し、図9(f)は既知信号を加算した後の参照信号(参照信号(加算後))についての周波数特性を表し、図9(g)は等化係数についての周波数特性を表す。
なお、本例では、等化対象信号に関して、線形特性にのみ着目しているため、希望信号帯域内の信号のみを示している。
本例では、上述した実施例1とは既知信号メモリ15の内容及び既知信号メモリ19の内容が異なっているが、等化係数がアナログの周波数特性の逆特性に収束することについては、変わりはない。
上記のような手順を装置動作時に実施することにより、2つの既知信号メモリ15、19に保持する既知信号の関係を、アナログ系の周波数特性をより正確に反映させた関係に設定することができる。
以上のように、本例の適応プリディストータでは、歪み検出時の波形比較で用いる等化器17の等化係数トレーニング方法において、次のような特徴を有する。
すなわち、等化係数のトレーニングのための参照信号として、フィードフォワード信号、及び、フィードバック信号に加える既知信号と同一内容の信号に特定の周波数特性を与えた信号、といった2つの信号を加え合わせた信号を用いるという特徴を有する。
具体的には、フィードフォワード信号に既知信号を加えて参照信号を生成する態様として、本例では、この既知信号を、フィードバック信号に加える既知信号と同一内容の信号に特定の周波数特性を与えた信号とする。
一構成例として、本例の適応プリディストータでは、フィードバック信号に加える既知信号と同一内容の信号に特定の周波数特性を与える方法において、次のような手順を実行する。
すなわち、(手順1)として、フィードフォワード側から既知信号を出力し、(手順2)として、参照信号として前記した既知信号自身を使用し、等化対象信号として前記した既知信号がアナログ回路を経てフィードバックされた信号を使用して、等化係数をトレーニングし、(手順3)として、等化係数のトレーニングが完了した後に、等化器17が、(手順2)における参照信号をトレーニング済みの等化係数で等化処理した信号を求める。そして、(手順3)の結果を、フィードバック信号に加える既知信号と同一内容の信号に特定の周波数特性を与えた信号とする。
具体的には、参照信号の生成時に加える既知信号の生成方法として、まず、フィードフォワード側から既知信号を出力し、この既知信号がアナログ回路を経てフィードバックされた信号について、既知信号自身を参照信号として、等化係数のトレーニングを行い、次に、トレーニング完了後の等化係数で、等化器17が、前記した参照信号(それと同じ信号)を等化処理した結果を求める。そして、この結果を、前記した特定の周波数特性を与えた信号として使用する。
以上のように、本例の適応プリディストータにおいても、例えば、上述した実施例1に係る適応プリディストータの場合と同様な効果を得ることができる。
(実施例のまとめ)
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
1・・直交変調器、 2・・D/A変換器、 3・・アップコンバータ、 4、12・・帯域通過フィルタ、 5、101・・電力増幅器、 6・・方向性結合器、 11・・ダウンコンバータ、 13・・A/D変換器、 14・・直交復調器、 15、19、31・・既知信号メモリ、 16、20、21、24、32・・加算器、 17・・等化器、 18、23、26・・遅延器、 22・・等化係数更新部、 25、111・・電力検出部、 27・・歪み補償テーブル更新制御部、 28、112・・歪み補償テーブル、 29、113・・歪み付加部、 114・・適応制御部、

Claims (1)

  1. 増幅器で発生する非線形歪みを補償する適応プリディストータにおいて、
    前記増幅器から出力される信号をフィードバックして、当該フィードバック信号に含まれる線形歪みを等化することを、等化係数を用いて行う等化手段と、
    入力側からの信号をフィードフォワード信号として、当該フィードフォワード信号と前記等化手段による前記フィードバック信号の等化結果の信号とを比較して非線形歪みを検出する非線形歪み検出手段と、
    前記等化手段の前記等化係数のトレーニングにおいて、前記フィードフォワード信号を参照信号とし、前記フィードバック信号を等化対象の信号として、当該等化対象の信号に含まれる線形歪みを等化するように、前記等化係数を更新する等化係数更新手段と、
    を備えたことを特徴とする適応プリディストータ。
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