JP2012058130A - 農産物における非破壊検査方法および装置 - Google Patents

農産物における非破壊検査方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】農産物における糖度、酸度などの内部品質を非破壊にて精度よく測定し得るとともに、種子の有無とその個数まで精度良く測定することができる非破壊検査方法および装置を提供する。
【解決手段】透過光源である第1のハロゲンランプ2を被検査日向夏1の直上方向に1箇所、被検査日向夏1の側面斜め45度上方向に第2〜第4のハロゲンランプ3を3箇所、合計4箇所配置してハロゲン光を集光が均一になるように照射する。この透過光を測定する測定機器6を被検査日向夏1の直下に設置すると共に、それた全体を暗幕5で覆い、被検査日向夏1の赤道面を境界にしてブラックボード4にて上下に仕切り、定機器4に外乱光が入射するのを防ぐ、得られた全透過光強度を吸光度スペクトルに変換し、そのスペクトル解析により糖度、酸度および種子の有無と個数について算出した。
【選択図】図1

Description

本発明は、農産物(青果物)に光を照射し、その透過光を測定して当該青果物の糖度および酸度等の特性を解析する非破壊検査方法および装置に関し、とくに「日向夏みかん(Citrus tamurana)」の品質を検査する検査方法および装置に関する。
果実などの青果物においては、糖度や酸度の食味特性が品質を左右するため、出荷に際し、非破壊あるいは非接触に糖度等の個体特性を測定・検査したいという要望が高い。従来、青果物の糖度、酸度などの非破壊計測は近赤外光を利用した分光法によるものが主流であり、一般的にはリンゴ、ミカン、モモなどに適用されている。このように、青果物を破壊せずかつ非接触で検査する装置として、青果物に光を照射し、青果物の内部で反射した反射光を測定・解析して糖度および酸度の値を得る装置が知られている。すなわち、青果物に照射した光が青果物内部の成分によって特定波長の光が吸収される結果、反射光は青果物の成分に応じたスペクトルが現われる。このスペクトル分布を解析することによって糖度および酸度の値を知るものである。
例えば、パルスレーザー光を照射し、農産物を透過した透過光を用いることによる農産物の内部品質(糖度、酸度、浮皮、蜜入りの有無)測定装置(特許文献1参照。)、近赤外光を含む光線を照射し、青果物を透過した光を用いることによる糖度の測定方法(特許文献2参照。)、作物から放射されているミリ波強度を測定することによって作物の品質(糖度、クエン酸、水分含有率、腐敗程度、種子の有無)を測定する方法(特許文献3参照。)、ハロゲンランプ等の光を照射し、得られた透過光により青果物の内部品質(糖度、酸度、熟度、内部傷害の有無)を評価する方法(特許文献4参照。)、近赤外線を照射して得られるスペクトルに基づいて、食品の品質を検査する方法(特許文献5参照。)、青果物に対して測定用光を照射し、青果物の内部に局在する傷害を検知して内部品質を評価する方法(特許文献6参照。)、波長850nmの赤外線の透過率を計測し、その値をパラメータとして糖度を得るマンゴスチンの糖度測定方法(特許文献7参照。)、1つの被測定青果物に対して、複数のスペクトルを測定することにより部位ごとの特性値を算出する検査装置(特許文献8参照。)等々が開示されている。
特開2006−300666号公報 特開平6−213804号公報 特開2005−62032号公報 特開2005−9932号公報 特開2005−233824号公報 特開2006−267037号公報 特開2000−28524号公報 特開2000−111473号公報
上記の先行技術によると、様々な光(パルスレーザー、近赤外線)を用いて、対象物を透過した光を解析することにより、その内部品質を評価する方法が提案されているが、これらの多くは糖度や酸度を計測するものである。その中でも特許文献4や特許文献6には、「内部傷害の有無」を検出できることが記載されている。内部傷害とは、柑橘類では「浮皮」や「すあがり(水分が抜けてすかすかになる状態)」であり、他の果実では「褐変(リンゴ)」、「蜜(リンゴ)」であり、青果物内部において「組織が変化している箇所」を検出するものである。
しかしながら、日向夏みかん(以下、単に日向夏と称する)など果皮と果肉の間に分厚い白皮(アルベド)が存在する柑橘系果実の場合、照射した光が果肉に到達する前に光が拡散されてしまい糖度や酸度の分光特性を正確に求めることが困難である。このため、日向夏専用の市販選別機はまだない。とくに、日向夏は、元来内包する種子が多い果実であり、その食べ難さから種子を減らす品種改良が施されてきた。したがって、内包する種子の個数によって市価が異なる。すなわち、「種子無し」、「小核(種子が少ない)」、「種子有り」という順序で等級が下がり安価になる。通常、日向夏における「種子の有無」の判別・選果は、予め選抜された栽培形態(種子無し圃場、小核圃場、路地など)によって行われており、上述したような個体の非破壊による検査は行われていない。
日向夏以外の青果物における、非破壊による「種子の有無」計測はミリ波パッシブ技術を用いた計測方法(特許文献1参照。)が開示されているが、恒温槽内での測定であり、温度やノイズの影響が過大な選果場や圃場などは測定環境として劣悪であり、実用化には至っていない。また、反射光を測定・解析する糖度および酸度の測定装置では、日向夏等の分厚いアルベトを有する柑橘類に適用した場合には、反射光は皮の成分だけとなり、果実の成分がほとんど含まれないので、果実部分の糖度の計測ができないという問題があった。
そこで、青果物に投射した光が厚い皮および実を透過して投射した側の反対側から出る透過光のスペクトルを測定・解析して、糖度および酸度を求める透過光測定方法が提案されている。この方式の検査方法で測定される透過光は、実の部分の糖度成分および酸度成分の影響を受けたスペクトル分布を示し、実の部分の特性を確実に測定できるという利点を有している。しかし透過光測定方式では透過光の光量が少ないため正確に測定することが困難であるという課題がある。
このように、従来の反射方式の検査装置では、日向夏の非破壊検査に対応することができず、また従来の透過光方式の検査装置では、透過光の光量が少ないため、各部位に絞った測定は困難であった。
本発明は以上のような従来技術の課題に鑑み、日向夏における糖度、酸度などの内部品質を非破壊にて精度よく測定し得るとともに、種子の有無とその個数まで精度良く測定することができる非破壊検査方法および装置を提供することを目的とする。
このため本発明の農産物における非破壊検査方法は、透過光源を被検査農産物の直上方向に少なくとも1箇所および当該農産物の側面上方斜め45度上方向に3箇所配置して照射し、得られた全透過光強度を吸光度スペクトルに変換し、そのスペクトル解析により農産物の内部品質である糖度、酸度および種子の有無、種子の個数について算出することを第1の特徴とする。また被検査農産物が日向夏みかん(Citrus tamurana)であることを第2の特徴とし、その非破壊検査装置が、被検査農産物にハロゲン光を照射する照射手段と、前記農産物を透過した透過光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光されたスペクトルを測定する測定手段を備え、それら全体を暗幕で覆っている非破壊検査装置であって、光源を被検査農産物の直上に1箇所および当該農産物の斜め45度上方に3箇所に設置し、透過光を測定する測定機器が被検査農産物に非接触でかつ被検査農産物から5〜15mm離間した直下に設置されると共に、被検査農産物の赤道面を境界にしてブラックボードにて上下に仕切られていることを特徴とし、さらに、設置するハロゲン光の光度は、被検査農産物の直上から150W、農産物側面上方斜め45度の三方向から50Wを照射することが好ましい。
本発明によれば、下記の利点がある。
(1)従来、計測が困難とされていた日向夏の糖度および酸度を精度良く非破壊で計測が可能になる。
(2)種子の有無については、その個数まで判別できる。
本発明に係る日向夏の非破壊検査装置を模式的に示す斜視図である。 吸光度スペクトルを示すグラフである。 吸光度二次微分スペクトルを示すグラフである。 波長検量線による日向夏の糖度の予測値と実測値の関係を示すグラフである。 波長検量線による日向夏の酸度の予測値と実測値の関係を示すグラフである。 吸光度値と日向夏内部の種子個数との関係を示すグラフである。
次に図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る日向夏の非破壊検査装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、透過光源である第1のハロゲンランプ2を被検査日向夏1の直上方向に1箇所、被検査日向夏1の側面斜め45度上方向に第2〜第4のハロゲンランプ3を3箇所、合計4箇所配置してハロゲン光を集光が均一になるように照射するようにされている。そして、この透過光を測定する測定機器6が被検査日向夏1の直下に設置されると共に、それら全体を暗幕5で覆い被検査日向夏1の赤道面を境界にしてブラックボード4にて上下に仕切り、測定機器6に外乱光が入射するのを防ぐようにされている。そして、得られた全透過光強度を吸光度スペクトルに変換し、そのスペクトル解析により糖度、酸度および種子の有無と個数について算出する。
本実施例では、光源の光度を、第1のハロゲンランプ2を150W球、第2〜第4のハロゲンランプ3に50W球を使用し、日向夏1から各々100mm離間した位置から照射した。そして、得られた全透過光強度を吸光度スペクトル(400〜1100nm)に変換し、そのスペクトル解析により糖度、酸度および種子の有無について算出した。すなわち、被検査日向夏1の透過光のスペクトル分布を測定し、得られた測定データを解析することにより、糖度、酸度および種子の有無と個数を算出した。糖度や酸度等の特性値を算出する方法としては、各波長でのスペクトルデータをそれぞれ求め、これらの二次微分値を、1次結合式の検量線に当て嵌めて糖度を割り出す方法で行った。
[透過光計測による糖度及びクエン酸の推定]
(1)実験装置および材料
1)供試材料
供試した日向夏(Citrus tamurana)は、宮崎県内でハウス栽培された種なしのものである。試料は、2010年2月8日に生産農家のハウスから朝方に採取(合計55個)した。表1にサンプルの性状を示す。
Figure 2012058130
2)測定装置および測定方法
[1]装置概要および測定方法
測定器は、ファイバー入射小型スペクトロフォトメーター(AvaSpec−2048、Avantes製)を用いた。 測定は全透過型として、サンプル下部から受光器ファイバー先端を10mm離した位置で行った。照明は、150Wハロゲンランプを光源にもつ光ファイバー照明装置(Fibe−Lite DC950、エドモンド社製)を用いてサンプルの上部100mmに設置し、さらに50Wハロゲンランプを照射集光が均一になるようにサンプル側面上方45度の3方向に設置した。測定装置6は、被検査物に非接触であり、かつ被検査物から5〜15mm離した位置に設置するのがよい。また、外乱光の影響を除くために装置全体を暗幕5で覆い、光源2及び3から発する熱の影響を除去するためスポットエアコンで装置内部の冷却を行うものとした。なお、計測部位はサンプルの果頂部とした。また、前記ブラックボード4と暗幕5は、透過光以外の光が測定装置6に入ることを防止するものであり、測定装置6を遮光性のあるカバーで覆うものでもよい。
[2]計測方法および処理
測定条件は、スキャン範囲を400〜1100nmとし、1nm間隔で各波長の反射強度を求めた。スキャン回数は10回とし、その平均値を用いた。ファイバープローブに入射した反射光強度のデータは、測定器と接続されたコンピュータで付属ソフト(AvaSpec Verl.4)を用いて(1)の式で吸光度値へ変換した。
Figure 2012058130
ここで、Aは吸光度、Isは標準版の反射光の強さ、Iは試料の反射強度である。
このようにして求めた吸光度値を400〜1100nmの波長域(1nm間隔)を連続的にプロットすることで、吸光度スペクトルを求めた。次に、このスペクトルの加算的なベースライン変動の除去や微小ピーク等の強調をするために、二次微分処理を行った。
3)糖度および酸度計測
糖度および酸度計測には、上述の吸光度スペクトル計測後、サンプル計測部位をカットし、カットした切片から市販の果汁絞り器を用いて果汁を採取し、その果汁を以下の化学分析器を用いて測定した。
[1]糖度測定(Brix値)
糖度計測は、液体の屈折率から測定するデジタルブリックス計(京都電子工業製、RA−410)を用いて測定した。
[2]酸度計測(クエン酸に換算)
酸度計測は、食品用酸度計(京都電子工業製、ATF−500A)を用いて測定した。
4)検量線の作成
各波長における吸光度二次微分値を説明変数、Brix計で測定した糖度値および酸度計で測定した酸度値を目的変数として、統計解析ソフト(SPP ver10.0)を用いて、変数増減法で糖度および酸度との相関の高い波長を自動選択し、重回帰分析にて検量線の作成を行った。ここで、二次微分値を用いたのは、サンプル表面の物理的な違いによるスペクトルのズレの補正や、重なり合った吸収ピークの分離の効果が期待されるためである。このようにして求めた検量線の標準誤差(SEC)は(2)式によって求めた。
Figure 2012058130
(2)結果および考察
1)糖度および酸度範囲
本実験に供したサンプルの糖度および酸度を表2に示す。糖度では、最高10.8%、最低7.97%で平均9.12%であった。一方、酸度では、最高3.66%、最低1.57%で平均2.48%であった。平均値ベースと、みやざきブランド推進本部が定める日向夏の商品ブランド認定基準における糖度・クエン酸度とを比較すると、糖度においては、認定基準値(2月の一定基準値:11以上)に比べ1.88%下回るものであった。一方、酸度においては、認証基準値(2月の一定基準値:1.5以下)に比べて0.98%上回るものであった。以上のように、本実験の供試サンプルは、商品ブランド認定基準と、差がやや大きいものであった。
Figure 2012058130
2)分光スペクトル特性
本実験では、400nm〜1100nmにおける吸光度スペクトルを求めたが、全透過型計測においては、本実験に使用した分光器の感度特性が400nmから550nmの範囲と、900nm以上では低いため、この波長帯においてはノイズとして現れたことから、本実験においては550nm〜900nmで解析を行うこととした。吸光度スペクトルおよび吸光度二次微分スペクトルを図3と図4に示す。吸光度スペクトルから、800nm以上の近赤外領域に近傍する波長間で吸収の乱高下が確認される。そこで、吸光度二次微分スペクトルから日向夏の吸収帯を特定してみると、834nm、841nm、846nm、849nm、856nm、859nm、871nm、874nm、886nm、889nmおよび892nmに強い吸収が確認された。ここで、880nm近傍の二次微分吸光度は、果肉における光路長であることが報告されていることから、本実験の全透過型計測から求めた吸光度スペクトルおよび吸光度二次微分スペクトルは、日向夏の果肉光学特性を捉えたことが伺える。
3)検量線
[1]糖度検量線
表3に糖度の検量線(10波長まで)を示す。この結果、糖度においては、上述の吸光度2次微分スペクトルから強い吸収が観測された。845nm近傍が第一波長に選択さていることが確認される。
4波長以上の検量線において、予備側値と実測値の相関係数(R)が0.7以上、標準誤差(SEC)が0.45以下となった。ここで、一般選果場に導入されているアグリセンサー(株式会社エミネット製)の測定精度を比較してみる。アグリセンサー基本仕様による糖度の測定精度は標準誤差0.5度以内(温州みかんの場合)とされていることから、本実験から得られた4波長以上の検量線は一定の精度を有していることが伺える。以下に、10波長検量線の予測値(吸光度)と実測値(吸光度)の関係を図5、検量線を式(3)に示す。
Figure 2012058130
Figure 2012058130
[2]酸度検量線
表4に糖度の検量線(10波長まで)を示す。この結果、酸度においては、上述の吸光度二次微分スペクトルから観察される吸収波長が含まれた検量線とは成っていないが、多変量解析から自動選択された10波長までの検量線を見てみると、3波長以上の検量線で予測線と実測線の相関係数(R)が0.7以上、標準誤差(SEC)が0.34以下となった。ここで、一般選果場に導入されているアグリセンサー(株式会社エミネット)の測定精度を比較してみると、アグリセンサー基本仕様による酸度の測定精度は標準誤差0.2%以内(温州みかんの場合)とされていることから、本実験で得られた最も精度の良い検量線(10波長の場合)は、一定の精度を有していることが伺える。以下に、10波長検量線の予測値(吸光度)と実測値(吸光度)の関係を図4、検量線を式(4)に示す、
Figure 2012058130
Figure 2012058130
4)全透過型を用いた日向夏の非破壊計測の考察
以上のように、全透過型装置を用いて得た吸光二次微分スペクトルから、一定の精度を有する日向夏の糖度および酸度の検査線を作成できた。すなわち、非破壊による日向夏の糖度および酸度の内部品質の選別の可能性が伺えたと言える。
しかしながら、本実験においては分光器の感度特性に起因し、900nm以上のスペクトルの計測が困難であった。このことから、目的とする糖度および酸度に由来する吸収波長が確認できず、その波長を組み込んだ検量線の作成が困難であった。一般的に吸光度および吸光度二次微分を用いた検量線作成においては、目的とする成分の吸収波長を組み込んだものが安定するとされている。また、果実には表年と裏年があり、これらに伴う内部品質特性を考慮した検量線の作成が必要と考えられる。一方、作成された検量線を選果ラインへ適用する場合、実験室と違い、精度低下を招く、土埃、果実からの粉、果汁、温度変化、他の機械の振動、電気ノイズ等の要因が考えられる。次年度以降は、以上を考慮してデータの蓄積をはかり、安定した検量線の作成を行う必要がある。
[種子有り果の判別]
(1)実験装置および材料
1)供試材料
上記実験結果より、糖度や酸度の計測では、透過光による計測が有用であることが明らかとなったため、種子有り果の判別にも透過光を用いることが有効である予測できる。透過光を用いて計測される吸光度データは、今回計測する種子の有無の他に果実径およびアルベトの厚さ、果実やアルベトの密度等に大きく左右されると考えられる。すなわち、種子の有無が分かっている果実を実際に計測した場合には、果実径が大きかったり、アルベドが厚かったりすることが原因で、吸光度値が低下し、種子有りと同時に判別される可能性がある。そこで、本実験では、果実径やアルベトの厚さの影響を受けずに種子の有無を検出する波長を見極める予備実験を実施する。このため供試材料には、店頭販売されている種子なし日向夏(県内産)を用いた。
2)測定装置および測定方法
[1]測定概要および計測部位
実施例1と同様
[2]計測方法および方法
今回の実験では、前述のように果実径やアルベトンの厚さの影響を最小限に留め、種子の有無を検出する必要がある。このため、種子なし日向夏に鋭利な刃物により口幅5mm程度、深さが果実中央に達する切り口を設け、そこから任意の個数の種子を挿入することで、種子の有無および種子の個数を調整することができるようにした。これにより、計測される吸光度データに対して果径およびアルベトの厚さ等の影響が一定となる。本実験では、最多で30個種子を挿入し、データ処理では種子の有無および種子の個数の影響を比較することができる波長を見極めるため、吸光度値のみのデータ解析に留めた。
(2)結果および考察
切り口の有無および種子を1〜30個挿入した際の吸光度スペクトルの計測波長域は400〜1100nmであるが、低波長域の550nm以下と高波長域の900nm以上は、分光器の感度特性に起因すると考えられる吸光度値のバラつきが大きかったため除外した。波形は積層に分布し、切り口の有無および種子1個の波形が最下部に位置し、種子の数が多くなるのに伴って上方へと分布する。吸光度値は、果実を透過した光の減衰度合いを数値化したものであるから、この値が高いほど減衰の度合いが高い、光が日向夏で反射、散乱および吸収されて暗くなったものと判別することができる。このため、種子の数が多くなるに伴って透過する光が弱くなったことを表す。また、700nm以下では、波形が左上方向に上昇していることから、可視光域の緑から青に向かって透過する光の強さが減衰していることが分かった。
以上、550nmから900nmの波長領域において、種子の有無に加えて種子の個数まで特定することができる。一例として、種子増加に伴う各波長の吸光度における標準偏差(種子増加に伴う吸光度の散らばりの度合)を求めたところ、592nmが最もS.D.が大きい。この592nmにおける吸光度から種子の個数を判断したのが、図6である。この結果、吸光度が1.75以下の場合には1〜5個、吸光度1.75〜1.85の場合に種子は6〜10個、吸光度が1.85以上の場合は11個以上存在することが分かった。
本発明は、農産物の品質評価分野、栽培管理分野において、非破壊により糖度、酸度および種子の有無の検査技術として利用できる。さらに本発明は、非破壊選果機による選果をはじめとした宮崎の日向夏ブランドの確立に資する。
1 被検査日向夏(被検査農産物)
2 透過光源(第1のハロゲンランプ)
3 透過光源(第2〜第4のハロゲンランプ)
4 ブラックボード(仕切板)
5 暗幕
6 測定機器

Claims (4)

  1. 透過光源を被検査農産物の直上方向に少なくとも1箇所および当該農産物の側面上方斜め45度上方向に3箇所配置して照射し、得られた全透過光強度を吸光度スペクトルに変換し、そのスペクトル解析により農産物の内部品質である糖度、酸度および種子の有無、種子の個数について算出することを特徴とする農産物における非破壊検査方法。
  2. 農産物が日向夏みかん(Citrus tamurana)であることを特徴とする請求項1記載の農産物における非破壊検査方法。
  3. 被検査農産物にハロゲン光を照射する照射手段と、前記農産物を透過した透過光を分光する分光手段と、前記分光手段により分光されたスペクトルを測定する測定手段を備え、それら全体を暗幕で覆っている非破壊検査装置であって、光源を被検査農産物の直上に1箇所および当該農産物の斜め45度上方に3箇所に設置し、透過光を測定する測定機器が被検査農産物に非接触でかつ被検査農産物から5〜15mm離間した直下に設置されると共に、被検査農産物の赤道面を境界にしてブラックボードで上下に仕切られていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の非破壊検査装置。
  4. 設置するハロゲン光の光度は、被検査農産物の直上から150W、農産物側面上方斜め45度の三方向から50Wを照射することを特徴とする請求項3記載の非破壊検査装置。
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