JP2012056453A - センサ付軸受ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の固定部材にセンサの径方向位置だけを固定する役割を持たせ、センサをエンコーダに正確な位置で対向して位置決めできるようにすることで、異なる種類(品番)の軸受に対してセンサの共通化を図ることを可能にする低コストのセンサ付軸受ユニットを提供する。
【解決手段】常時非回転状態に維持される静止輪2と、車輪側構成品と共に回転する回転輪と、回転輪と共に回転する円環状のエンコーダ20と、エンコーダ20の回転状態を検出するセンサ22を収容支持したセンサユニット24と、センサユニット24の径方向位置を固定し、センサ22をエンコーダ20に対向して位置決めする径方向位置固定機構とを備え、径方向位置固定機構には、センサユニット24の取付方向を固定する取付部34と、取付方向が固定されたセンサユニット24の径方向位置を固定する単一の固定部材32とが設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸受の種類(例えば、品番)を問わず、異なる種類(品番)の軸受に対してセンサの共通化を図ることが可能なセンサ付軸受ユニットに関する。
従来、例えば自動車や各種車両の車輪側構成品(例えば、ディスクホイール)を車体側構成品(例えば、懸架装置)に対して回転自在に支持するための各種の軸受ユニットが知られおり、かかる軸受ユニットには、車輪の回転状態(即ち、軸受の回転状態)を検出するためのセンサが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
このような軸受ユニットにおいて、車輪側構成品と共に回転する回転輪(内輪)の外側には、懸架装置(ナックル)に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪(外輪)が対向配置されており、静止輪(外輪)には、懸架装置(ナックル)が固定される固定フランジが突設されている。また、回転輪(内輪)には、当該回転輪(内輪)と共に回転するエンコーダが設けられており、センサは、その検出部がエンコーダに正確な位置で対向するように、言い換えれば、回転輪(内輪)の回転軸に直交する面上で二次元的に正確に位置決めできるように、複数の固定部材(例えば、取付ねじ、係止ピン等)によって固定フランジに取り付けられている。
特開2008−175382号公報
ところで、上記したような取付方法において、複数の固定部材を用いてセンサをエンコーダに正確な位置で対向して位置決めする場合には、その取付方法や取付寸法に応じた種類(例えば、品番)のセンサを複数用意する必要があり、そうなると、当該センサの数分のコストが別途かかるため、センサ付軸受ユニットの製造コストを低減するのには一定の限界があった。即ち、複数の固定部材を用いてセンサを正確に位置決めするためには、固定部材の間隔を開ける必要があり、例えば、2本のボルトで固定する場合、ボルト孔や貫通孔位置には不可避な加工上の誤差があるため、誤差の位置決め精度への影響を小さくするため、ボルト間の距離を大きくとる必要があり、センサ取付部の寸法が大きくなるため、軸受の形状に合わせてボルト間の距離を大きく取れるセンサ取付部形状を決めざるを得なくなり、軸受品番毎にセンサを設計せざるを得なかった。この場合、共通(例えば、1つ)のセンサを汎用できれば、その分だけ、現状の製造コストを更に低減させることが可能であり、そのために、センサの共通化を図ることが可能な取付方法が要望されている。
本発明は、このような要望に応えるためになされており、その目的は、単一の固定部材にセンサの径方向位置だけを固定する役割を持たせ、これにより、センサをエンコーダに正確な位置で対向して位置決めできるようにすることで、センサ取付部を小型化し、異なる種類(品番)の軸受に対してセンサの共通化を図ることを可能にする低コストのセンサ付軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のセンサ付軸受ユニットは、車体側構成品に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪と、静止輪に対向して設けられ、かつ車輪側構成品に接続されて共に回転する回転輪と、回転輪の回転軸を中心にして当該回転輪と共に回転可能に配置された円環状のエンコーダと、静止輪に取り付けられ、かつエンコーダの回転状態を検出するセンサを収容支持したセンサユニットと、センサユニットの径方向位置を固定して、センサをエンコーダに対向して位置決めする径方向位置固定機構とを備えており、径方向位置固定機構には、静止輪に設けられ、かつ静止輪に取り付けられるセンサユニットの取付方向を固定する取付部と、取付部によって取付方向が固定されたセンサユニットの径方向位置を固定する単一の固定部材とが設けられている。
本発明において、静止輪には、車体側構成品に固定される固定フランジが形成され、取付部は、固定フランジに構成されており、径方向位置固定機構には、取付部に亘って固定フランジを貫通して形成され、かつ単一の固定部材を挿通してセンサユニットに締結させることを可能にする1つの貫通孔が設けられており、貫通孔を形成する位置を径方向に沿って変化させることで、当該貫通孔に挿通した単一の固定部材によって固定するセンサユニットの径方向位置が設定される。
本発明において、センサユニットは、センサを収容するセンサホルダと、センサホルダとは別体で構成され、かつ静止輪に取り付けられるベースと、センサホルダとベースとを互いに連結する連結機構とを有しており、固定フランジから静止輪の最端部までの軸方向長さが異なる複数種類の軸受ユニットに対応して、軸方向長さの異なる複数のベースを予め用意し、異なる複数種類の軸受ユニット毎にベースを選択して適用し、その適用したベースに連結機構を介してセンサホルダを連結することで、エンコーダに対するセンサの軸方向位置を調整可能にする。
本発明によれば、単一の固定部材にセンサの径方向位置だけを固定する役割を持たせ、これにより、センサをエンコーダに正確な位置で対向して位置決めできるようにすることで、異なる種類(品番)の軸受に対してセンサの共通化を図ることを可能にする低コストのセンサ付軸受ユニットを実現することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットの全体構成を概略的に示す断面図、(b)は、同図(a)に示されたエンコーダとセンサとが正確な位置で対向した位置関係を示す断面図。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットにおいて、センサをエンコーダに対向して位置決めするための構成を示す断面図、(b)は、同図(a)に示された構成の分解斜視図。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットにおいて、センサをエンコーダに対向して位置決めするための構成を示す断面図、(b)は、同図(a)に示された構成の斜視図。
「第1の実施形態」
以下、本発明の第1の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。
図1(a),(b)には、センサ付軸受ユニットの一例として、従動輪用の軸受ユニットが示されており、当該軸受ユニットは、車体側構成品(例えば、インボード側に設けられた懸架装置)に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪(例えば、外輪)2と、静止輪(外輪)2の内側に対向して設けられ、かつ車輪側構成品(例えば、アウトボード側に設けられたディスクホイール)に接続されて共に回転する回転輪(例えば、内輪)4と、静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4との間に複列(例えば、2列)で転動自在に組み込まれた複数の転動体6,8とを備えている。
静止輪(外輪)2は中空円筒状を成し、回転輪(内輪)4の外周を覆うように配置されており、静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4との間には、軸受ユニット内部を密封するためのシール部材(車体側のパックシール10a、車輪側のリップシール10b)が設けられている。なお、パックシール10aのシール部材28(後述する)は、静止輪(外輪)2の車体側内周に固定され、後述する回転輪構成体16に固定されたスリンガ26(後述する)に対して摺動自在に位置決めされており、一方、リップシール10bは、静止輪(外輪)2の車輪側内周に固定され、回転輪(内輪)4に対して摺動自在に位置決めされている。また、転動体6,8として図面では、玉を例示しているが、軸受ユニットの構成や種類に応じて、コロが適用される場合もある。
また、静止輪(外輪)2には、その外周側から外方に向って突出した固定フランジ2aが一体成形されており、固定フランジ2aの固定孔2bに固定用ボルト(図示しない)を挿入し、これを車体側構成品(懸架装置)に締結することで、当該懸架装置(ナックル)を静止輪(外輪)2に取り付けることができる。一方、回転輪(内輪)4には、車輪側構成品(ディスクホイール)に接続されて共に回転する略円筒形状のハブ12が設けられており、ハブ12には、ディスクホイールが取り付けられるハブフランジ12aが突設されている。
ハブフランジ12aは、静止輪(外輪)2を越えて外方(ハブ12の半径方向外側)に向って延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って所定間隔で配置された複数のハブボルト14が設けられている。この場合、複数のハブボルト14をディスクホイールに形成されたボルト孔(図示しない)に差し込んでハブナット(図示しない)で締付けることにより、当該ディスクホイールをハブフランジ12aに対して位置決めして固定することができる。このとき、ハブ12の車輪側に突設されたパイロット部12pによって車輪の径方向の位置決めが成される。
また、ハブ12(回転輪4)には、その車体側外周に環状の回転輪構成体16(ハブ12と共に回転輪(内輪)4を構成する部材)が嵌合されるようになっている。ここで、例えば静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4との間に各転動体6,8を保持器18で保持した状態で、回転輪構成体16を車体側外周に形成された段部12bまで嵌合させた後、ハブ12の車体側端部の加締め領域12cを塑性変形させて、当該加締め領域12cを回転輪構成体16の周端部16sに沿って加締める(密着させる)ことで、当該回転輪構成体16をハブ12(回転輪4)に固定することができる。
このとき、軸受ユニットには所定の予圧が付与された状態となり、この状態において、各転動体6,8は、互いに所定の接触角を成して静止輪(外輪)2と回転輪(内輪)4の軌道面(静止軌道面2s、回転軌道面4s)にそれぞれ接触しつつ転動自在に組み込まれる。この場合、2つの接触点を結んだ作用線(図示しない)は、各軌道面2s, 4sに直交し、かつ各転動体6,8の中心を通り、軸受ユニットの中心線上の1点(作用点)で交わる。これにより背面組合せ形(DB)軸受が構成される。
なお、このような構成において、例えば自動車走行中に車輪に作用した力は、全てディスクホイールから軸受ユニットを通じて懸架装置に伝達されることになり、その際、軸受ユニットには、各種の荷重(ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重など)が作用する。しかし、軸受ユニットは、上述したような背面組合せ形(DB)軸受となっているため、各種の荷重に対して高い剛性が維持される。
ここで、上記した軸受ユニットには、回転輪(内輪)4の回転軸Rを中心にして当該回転輪(内輪)4と共に回転可能に配置された円環状のエンコーダ20と、静止輪(外輪)2に取り付けられ、かつエンコーダ20の回転状態を検出するセンサ22を収容支持したセンサユニット24とが設けられている。なお、本実施形態では、エンコーダ20は、上記したパックシール10aのスリンガ26に取り付けられている。
具体的に説明すると、パックシール10aは、基端が回転輪構成体16に固定され、かつ先端が静止輪(外輪)2に向けて延出し、その延出端が静止輪(外輪)2に対して非接触状態に位置決めされたスリンガ26と、静止輪(外輪)2に固定された状態でスリンガ26の車輪側に摺接するシール部材28とを備えている。なお、エンコーダ20は、スリンガ26の車体側に取り付けられている。これにより、エンコーダ20は、回転輪4(回転輪構成体16)の回転軸Rを中心にして当該回転輪(内輪)4と共に回転可能に構成されている。
一方、センサユニット24は、後述する径方向位置固定機構によってその径方向位置が固定された状態で、静止輪(外輪)2(本実施形態では、固定フランジ2aの車体側端面M1)に取り付けられるようになっている。この場合、センサユニット24は、センサ22を収容し、かつ径方向Y1,Y2(回転軸Rに直交する方向)に沿って延出するセンサホルダ24aと、センサホルダ24aを支持し、かつ軸方向X1,X2(回転軸Rに沿った方向)に沿って延出するベース24bとを有している。
また、センサユニット24において、ベース24bは、固定フランジ2aの車体側端面M1から静止輪(外輪)2の車体側最端部2eまでの軸方向X1,X2に沿った軸方向寸法(軸方向長さ)T(図2(a)参照)に基づいて、軸方向X1,X2に沿って延出させる延出長さL(図2(a)参照)が予め設定されている。
ところで、車体側端面M1から車体側最端部2eまでの軸方向寸法Tは、軸受ユニットの種類(品番)に応じて互いに異なっているが、ここでは一例として、全ての品番の軸受ユニットの軸方向寸法Tが同一である場合を想定し、当該軸方向寸法Tに基づいて、ベース24bの延出長さLが予め設定されているものとする。
この場合、センサユニット24において、ベース24bの軸方向長さLは、後述する取付部30の溝深さG(図2(a)参照)、及び、上記した固定フランジ2aの車体側端面M1から静止輪(外輪)2の車体側端部2eまでの軸方向寸法Tに基づいて、例えば、L>G+Tなる関係を満足し、かつエンコーダ20とセンサ22(検出部22s)との間の軸方向隙間が、後述する検出可能距離S(図1(b)参照)となるように設定することができる。
一方、センサホルダ24aは、ベース24bから静止輪(外輪)2の車体側最端部2eを越えて径方向Y1,Y2に沿って延出し、その延出端が回転輪(内輪)4に対して非接触状態となるように構成されている。この場合、センサ22は、当該センサホルダ24aの延出端寄りの車輪側に位置付けられている。
なお、上記したように、ベース24bの延出長さLが予め設定されることで、センサユニット24を静止輪(外輪)2(本実施形態では、固定フランジ2aの車体側端面M1)に取り付けた状態において、センサホルダ24aの車輪側に収容されたセンサ22と、スリンガ26の車体側に取り付けられたエンコーダ20との軸方向X1,X2に沿った間隔は、後述する検出可能距離S(図1(b)参照)に設定される。従って、本実施形態では、エンコーダ20に対してセンサ22を径方向Y1,Y2に位置決めするだけでよい。
そこで、本実施形態のセンサ付軸受ユニットは、センサユニット24の径方向Y1,Y2位置を固定して、センサ22をエンコーダ20に対向して位置決めする径方向位置固定機構を備えている。径方向位置固定機構には、静止輪(外輪)2に設けられ、かつ静止輪(外輪)2に取り付けられるセンサユニット24の取付方向(具体的には、回転軸Rに直交する径方向Y1,Y2)を固定する取付部30と、取付部30によって取付方向が固定されたセンサユニット24の径方向Y1,Y2位置を固定する単一の固定部材32とが設けられている。
図2(a),(b)には、センサユニット24の径方向Y1,Y2位置を固定して、センサ22をエンコーダ20に対向して位置決めする径方向位置固定機構の構成が示されている。径方向位置調整機構として、固定フランジ2aの車体側端面M1には、上記した取付部30が構成されており、かかる取付部30を含めて径方向位置固定機構には、当該取付部30に亘って固定フランジ2aを貫通して形成され、かつ単一の固定部材32を挿通してセンサユニット24に締結させることを可能にする1つの貫通孔34が設けられている。
取付部30は、固定フランジ2aの車体側端面M1をその上端から径方向Y1,Y2に沿って矩形状に切り欠いた(窪ませた)キー溝形状を成している。キー溝形状の取付部30には、その底部に、矩形状の取付面30m(後述するセンサユニット24(ベース24b)の当付面24mが当て付けられる面)が径方向Y1,Y2に沿って延在しており、取付面30mの両側には、径方向Y1,Y2に沿って互いに平行して延出した一対のガイド面30aが対向配置されている。
なお、取付部30の溝深さ(即ち、切り欠き量(窪ませ量))Gについては、例えば固定フランジ2aの大きさ(厚さ)や形状、及び、当該取付部30によって取付方向(回転軸Rに直交する径方向Y1,Y2)が固定されるセンサユニット24(ベース24b)の大きさ(厚さ)や形状などに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。
また、一対のガイド面30a相互間の幅寸法については、これらによって取付方向が固定されるセンサユニット24(ベース24b)の幅寸法Wに応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。この場合、一対のガイド面30a相互間の幅寸法は、センサユニット24(ベース24b)の幅寸法Wに一致させて(或いは、当該幅寸法Wよりも僅かに大きく)設定することが好ましい。これにより、センサユニット24(ベース24b)が一対のガイド面30aに沿ってガタつくこと無くガイドされ、その結果、静止輪(外輪)2に取り付けられるセンサユニット24(ベース24b)の取付方向を精度良く固定することができる。
また、貫通孔34は、固定フランジ2aの車輪側端面M2(車体側端面M1の軸方向反対側)から取付部30の取付面30mに亘って貫通しており、その形状は、円筒形状(丸孔形状)を成している。なお、円筒形状の貫通孔34の大きさ(孔径)は、固定部材32が挿通可能に設定されている。例えば、単一の固定部材32として、頭部32aと、頭部32aから延出したネジ部32bとから成る1本のボルト32を想定すると、貫通孔34の大きさ(孔径)は、ボルト32のネジ部32bのみが挿通可能に設定されている。
この場合、貫通孔34を形成する位置を径方向Y1,Y2に沿って変化させることで、当該貫通孔34に挿通した単一の固定部材32(即ち、ボルト32のネジ部32b)によって固定するセンサユニット24(ベース24b)の径方向Y1,Y2位置を設定することができる。ここで、貫通孔34の径方向Y1,Y2位置は、センサユニット24(ベース24b)を取付部30に嵌め入れたときに、センサ22がエンコーダ20に対向した状態で、単一の固定部材32を当該貫通孔34を通してセンサユニット24に締結させることができるような位置に形成すればよい。
なお、固定フランジ2aの車輪側端面M2には、その一部を窪ませて形成され、かつ貫通孔34に連通した凹部36が設けられており、当該凹部36には、ネジ部32bを貫通孔34に挿通させたボルト32の頭部32aが収容されるようになっているが、かかる凹部36は懸架装置との干渉がなければ必ずしも必要なものではない。
一方、上記した取付部30によって取付方向(Y1,Y2方向)が固定されるセンサユニット24において、ベース24bは、その全体が例えば立方体(直方体)形状を成しており、取付部30の取付面30mに当て付けられる当付面24mと、当付面24mの幅W方向両側に互いに平行して延在し、かつ取付部30の一対のガイド面30aによってガイドされる一対の被ガイド面24gとを備えている。
また、センサユニット24(ベース24b)には、当該ベース24bを取付部30に嵌め入れた状態(即ち、一対の被ガイド面24gが一対のガイド面30aによってガイドされた状態)において、上記した円筒形状の貫通孔34に対向する位置に、当付面24mから軸方向X1,X2に連続した1つのネジ穴38が形成されている。なお、ネジ穴38の大きさ(ネジ径、ネジ深さ)は、上記したボルト32のネジ部32bが螺合可能であればよい。
ここで、上記した径方向位置固定機構によってセンサ22をエンコーダ20に対向して位置決めするプロセスについて説明する。
まず、センサユニット24のベース24bを固定フランジ2aの取付部30に嵌め入れて、その当付面24mを取付部30の取付面30mに当て付ける。その際、センサユニット24(ベース24b)に形成されたネジ穴38を、固定フランジ2aに形成された貫通孔34に対向させる。このとき、ベース24bの一対の被ガイド面24gは、取付部30の一対のガイド面30aによってガイドされた状態となる。これにより、センサユニット24の取付方向(Y1,Y2方向)が精度良く固定される。
続いて、単一の固定部材であるボルト32のネジ部32bを貫通孔34に挿通し、当該ネジ部32bをセンサユニット24(ベース24b)のネジ穴38に螺合して締結する。これにより、センサユニット24(ベース24b)が固定フランジ2aの車体側端面M1に取り付けられ、その状態において、センサ22は、エンコーダ20に対向して位置決めされる。具体的には、図1中矢印Pで示された検出領域Pを有するセンサ22の検出部22sが高い検出精度を発揮可能な検出可能距離Sにおいて、センサ22がエンコーダ20に正確な位置(径方向Y1,Y2位置)で対向して位置決めされる(図1(b))。
以上、本実施形態によれば、上記した径方向位置固定機構において、貫通孔34を形成する位置を径方向Y1,Y2に沿って変化させるだけで、当該貫通孔34に挿通した単一の固定部材32(即ち、ボルト32のネジ部32b)によって固定するセンサユニット24(ベース24b)の径方向Y1,Y2位置を設定することができる。
この場合、固定フランジ2aの車体側端面M1から静止輪(外輪)2の車体側最端部2eまでの軸方向X1,X2に沿った軸方向寸法Tが、全ての品番において互いに同一の軸受ユニットに対しては、単一の固定部材であるボルト32のネジ部32bを貫通孔34に挿通し、当該ネジ部32bをセンサユニット24(ベース24b)のネジ穴38に螺合して締結するだけで、位置調整を行うこと無く、センサ22(検出部22s)をエンコーダ20に正確な位置で対向して位置決めすることができる。
これにより、固定フランジ2aの車体側端面M1から静止輪(外輪)2の車体側端部2eまでの軸方向寸法Tが共通するセンサ付軸受ユニットにおいては、その品番毎に、貫通孔34を形成する位置を径方向Y1,Y2に沿って変化させるだけで、センサ22の共通化を図ることができるため、その分だけ、当該センサ付軸受ユニットに要する現状の製造コストを更に低減させることができる。
更に、本実施形態によれば、静止輪(外輪)2に取り付けられるセンサユニット24の取付方向(径方向Y1,Y2)を固定する取付部30と、取付部30によって取付方向が固定されたセンサユニット24の径方向Y1,Y2位置を固定する単一の固定部材32とにより、センサ22をエンコーダ20に対向して位置決めすることができるため、従来のように複数の固定部材を用いてセンサをエンコーダに正確な位置で対向して位置決めする場合に比べて、部品点数の削減、構成の簡素化、コンパクト化を図ることが可能な径方向位置固定機構を実現することができる。これにより、品番相互間での軸受ユニットに対ししてセンサ22の共通化が図り易くなる。
「第2の実施形態」
次に、本発明の第2の実施形態に係るセンサ付軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。
なお、ここでは一例として、固定フランジ2aの車体側端面M1から静止輪(外輪)2の車体側最端部2eまでの軸方向寸法(軸方向長さ)Tが異なる複数種類(品番)の軸受ユニットを想定する。
図3(a),(b)に示すように、本実施形態のセンサ付軸受ユニットにおいて、センサユニット24は、センサ22を収容するセンサホルダ24aと、センサホルダ24aとは別体で構成され、かつ静止輪(外輪)2(本実施形態では、固定フランジ2aの車体側端面M1)に取り付けられるベース24bと、センサホルダ24aとベース24bとを互いに連結する連結機構とを有している。
この場合、軸方向寸法Tが異なる複数種類(品番)の軸受ユニットに対応して、軸方向長さLの異なる複数のベース24bを予め用意し、異なる複数種類の軸受ユニット毎に当該軸方向寸法Tに対応した軸方向長さLを有するベース24bを選択して適用し、その適用したベース24bに連結機構を介してセンサホルダ24aを連結することで、エンコーダ20に対するセンサ22の軸方向位置を調整可能にする。
具体的に説明すると、複数のベース24bには、それぞれ、当該ベース24bを取付部30に嵌め入れた状態(即ち、一対の被ガイド面24gが一対のガイド面30aによってガイドされた状態)において、上記した円筒形状の貫通孔34に対向する位置に、当付面24mから軸方向X1,X2に連続した1つのネジ穴(以下、第1のネジ穴)38aが、当該ベース24bを貫通して形成されている。なお、第1のネジ穴38aの大きさ(ネジ径、ネジ深さ)は、上記したボルト32のネジ部32bが螺合可能であればよい。
そして、このような構成を有するベース24bにおいて、軸方向寸法Tが異なる複数種類(品番)の軸受ユニットに対応して(即ち、品番毎に)、その軸方向長さLが異なる複数のベース24bを用意する。この場合、軸受ユニットの軸方向寸法Tは、品番毎に1対1対応で対応付けられて設定されているため、それら各品番(軸方向寸法T)に対応した軸方向長さLを有するベース24bを当該品番の数分だけ用意すればよい。
一方、センサホルダ24aには、当該センサホルダ24aを連結機構を介してベース24bに連結した状態において、ベース24bを貫通した第1のネジ穴38aに対向する位置に、第1のネジ穴38aと同一形状の第2のネジ穴38bが、センサホルダ24aを貫通することなく形成されている。なお、センサホルダ24aの他の構成は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
この場合、センサユニット24において、品番毎のベース24bの軸方向長さLは、取付部30の溝深さG、及び、軸受ユニットの品番毎の軸方向寸法Tに基づいて、例えば、L>G+Tなる関係を満足し、かつエンコーダ20とセンサ22(検出部22s)との間の軸方向隙間が上記した検出可能距離S(図1(b)参照)となるように設定すればよい。
このように、品番毎に軸方向長さLが異なる複数のベース24bを用意し、品番(軸方向寸法T)毎に対応した軸方向長さLを有するベース24bを選択して適用し、その適用したベース24bに連結機構を介してセンサホルダ24aを連結してセンサユニット24を構成する。
ここで、センサユニット24を静止輪(外輪)2(即ち、固定フランジ2aの車体側端面M1)に取り付けた状態において、センサホルダ24aの車輪側に収容されたセンサ22と、スリンガ26の車体側に取り付けられたエンコーダ20との軸方向X1,X2に沿った間隔(即ち、エンコーダ20に対するセンサ22の軸方向X1,X2位置)は、上記した検出可能距離S(図1(b)参照)に設定される。従って、本実施形態では、エンコーダ20に対してセンサ22を径方向Y1,Y2に位置決めするだけでよい。
そこで、本実施形態のセンサ付軸受ユニットは、センサユニット24の径方向Y1,Y2位置を固定して、センサ22をエンコーダ20に対向して位置決めする径方向位置固定機構を備えている。なお、径方向位置固定機構の構成(即ち、取付部30、単一の固定部材32、貫通孔34)、並びに、径方向位置固定機構によってセンサ22をエンコーダ20に対向して位置決めするプロセスは、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
また、上記した連結機構として、例えば、ベース24bには、センサホルダ24aに対向する部位に、径方向Y1,Y2に沿ってアリ溝40を延出させて形成すると共に、センサホルダ24aには、アリ溝40に嵌合可能なホゾ42を径方向Y1,Y2に沿って延出させて形成すればよい。これとは逆に、センサホルダ24aにアリ溝40を形成し、ベース24bにホゾ42を形成してもよい。なお、連結機構としては、これに限定されることはなく、要するに、品番毎に選択して適用されたベース24bに対してセンサホルダ24aを連結し、これにより、センサユニット24を構成できるようなものであればよい。
以上、本実施形態によれば、軸方向長さLの異なる複数のベース24bを用意し、その中から該当する軸方向長さLを有するベース24bを選択して適用するだけで、エンコーダ20に対するセンサ22の軸方向X1,X2位置を上記した検出可能距離S(図1(b)参照)に設定することができる。
これにより、軸方向寸法Tが異なる複数種類(品番)の軸受ユニット毎に、それら各品番(軸方向寸法T)に対応した軸方向長さLを有するベース24bを選択して適用するだけで、センサ22とエンコーダ20との軸方向X1,X2に沿った間隔(即ち、エンコーダ20に対するセンサ22の軸方向X1,X2位置)を上記した検出可能距離S(図1(b)参照)に設定することができる。
このようにセンサ22とエンコーダ20との軸方向X1,X2位置を設定した後においては、上記した第1の実施形態と同様に、径方向位置固定機構において、貫通孔34を形成する位置を径方向Y1,Y2に沿って変化させるだけで、当該貫通孔34に挿通した単一の固定部材32(即ち、ボルト32のネジ部32b)によって固定するセンサユニット24(ベース24b)の径方向Y1,Y2位置を設定することができる。なお、他の効果は、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
2 静止輪
2a 固定フランジ
4 回転輪
20 エンコーダ
22 センサ
24 センサユニット
30 取付部
32 固定部材
34 貫通孔

Claims (3)

  1. 車体側構成品に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪と、
    静止輪に対向して設けられ、かつ車輪側構成品に接続されて共に回転する回転輪と、
    回転輪の回転軸を中心にして当該回転輪と共に回転可能に配置された円環状のエンコーダと、
    静止輪に取り付けられ、かつエンコーダの回転状態を検出するセンサを収容支持したセンサユニットと、
    センサユニットの径方向位置を固定して、センサをエンコーダに対向して位置決めする径方向位置固定機構とを備えており、
    径方向位置固定機構には、
    静止輪に設けられ、かつ静止輪に取り付けられるセンサユニットの取付方向を固定する取付部と、
    取付部によって取付方向が固定されたセンサユニットの径方向位置を固定する単一の固定部材とが設けられていることを特徴とするセンサ付軸受ユニット。
  2. 静止輪には、車体側構成品に固定される固定フランジが形成され、取付部は、固定フランジに構成されており、
    径方向位置固定機構には、取付部に亘って固定フランジを貫通して形成され、かつ単一の固定部材を挿通してセンサユニットに締結させることを可能にする1つの貫通孔が設けられており、
    貫通孔を形成する位置を径方向に沿って変化させることで、当該貫通孔に挿通した単一の固定部材によって固定するセンサユニットの径方向位置が設定されることを特徴とする請求項1に記載のセンサ付軸受ユニット。
  3. センサユニットは、センサを収容するセンサホルダと、センサホルダとは別体で構成され、かつ静止輪に取り付けられるベースと、センサホルダとベースとを互いに連結する連結機構とを有しており、
    固定フランジから静止輪の最端部までの軸方向長さが異なる複数種類の軸受ユニットに対応して、軸方向長さの異なる複数のベースを予め用意し、異なる複数種類の軸受ユニット毎にベースを選択して適用し、その適用したベースに連結機構を介してセンサホルダを連結することで、エンコーダに対するセンサの軸方向位置を調整可能にすることを特徴とする請求項2に記載のセンサ付軸受ユニット。
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