JP2012055350A - 超音波検査装置 - Google Patents

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貴之 永田
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Abstract

【課題】超音波検査装置において、受信チャンネルを増やしてS/Nを改善しようとすると、受信回路の規模が大きくなり、サイズ、消費電力、コストが悪化する。
【解決手段】受信開口を広げて、同時刻に同位相の信号を多数検出可能とする。これにより、遅延回路によるアナログ整相加算処理や、デジタルビームフォーミング処理を不要とし、信号の受信点を増やしながら、回路規模を削減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を送受信して超音波画像を得る超音波検査装置に関する。
超音波検査装置は、超音波を被検体内に送波し、被検体内で反射される反射波(以後、超音波エコー)に基づいて被検体内部の情報を画像化する装置である。このような超音波検査装置は、リアルタイム性、簡便さ、非侵襲性などの特徴を持ち、心臓の拍動や胎児の様子の観察等、生体を被検体とする用途にも利用されている。また、近年、3次元走査を高速に行うために、超音波を送受信する振動子を2次元的に配列する構成が実用化され始めている。
このような2次元配列の振動子は、各振動子に所定の時間差を与えて超音波を発生させることにより、合成される超音波を3次元領域内でフォーカスおよび偏向できるように構成されている。また、各振動子で受信された信号(以後、受信信号)にそれぞれ所定の時間差を与えて加算することにより、被検体内部のターゲット位置(以後、受信フォーカス点)から伝搬してきた超音波エコーによる信号(以後、エコー信号)を選択的に検出することができる。この処理は整相加算と呼ばれる。
整相加算には大きく分けてアナログ方式とデジタル方式がある。アナログ方式では、受信信号をコンデンサとコイルからなる遅延線に入力し、この遅延線を通過する間の時間遅れを利用して各受信信号に時間差を与える。通常、遅延線で構成された遅延時間の異なるディレイ回路を切り換えることにより各受信信号の遅延時間が制御できるように構成されている。そして、超音波エコーの受信時に動的に各受信信号の遅延時間を制御し、受信フォーカス点をずらしながら信号の受信を行う、いわゆる受信ダイナミックフォーカスが行われる。
この方式では、遅延線の時間差を細かく設定できない等の理由から、受信フォーカス点の位置を細かく設定できないという課題がある。そのため、設定した受信フォーカス点から離れた位置では、分解能が低下する。また、基本的に同時刻には一つの整相加算出力しか得られないため、超音波の送受信回数が多くなる3次元走査を行う用途では、フレームレートが低下する。
一方、近年では、デジタル式のビームフォーマによってこの整相加算処理が行われる。このデジタル式のビームフォーマでは、各振動子からの出力をデジタル信号に変換して時系列に順次メモリに記録するとともに、設定した受信フォーカス点から各振動子への超音波エコーの伝搬時間を計算し、振動子毎に対応する時間に記憶された信号をメモリから呼び出して加算が行われる。
この方式は、一旦、受信信号をメモリに記憶してから必要な信号を呼び出して処理するので、浅い部位から深い部位まで、細かく受信フォーカス点を設定することができ、画質が向上するとともに、1回の送信で得られる受信信号から複数の走査線上の信号検出を行うことができ、3次元領域など広範囲を短時間で走査することができる。
しかしながら、このデジタル式のビームフォーマでは、受信回路の規模が増大するため、装置が大型化するとともに消費電力やコストも増大するという課題がある。このような課題に対し、振動子群を複数のグループに分け、受信信号を振動子群のグループ毎に整相加算することにより回路規模を抑える構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2001−292994号公報
しかしながら、前記従来の構成では、つぎのような課題を有している。特許文献1の構成では、振動子群のグループ毎に整層加算を行うことにより受信回路の規模を抑えるとしているが、グループ毎に演算を行うため、振動子群全体の演算結果を得るためには、超音波を同一方向に複数回送信して各グループの演算を行う必要がある。そのため、フレームレートが低下する。
また、超音波診断装置では、反射率の小さなターゲット(組織)や、減衰の大きな深い部位のターゲット(組織)からのエコー信号を良好なS/Nで検出するために、整相加算に用いる受信信号の数を増やしたいという要望がある。これに対し、特許文献1の構成では、受信を行う振動子の数とフレームレートは反比例するので、振動子の数が増えるほどフレームレートが低下することとなる。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、受信信号を多点で検出することによりエコー信号のS/Nの改善を図るとともに、フレームレートの低下を抑制することが出来る方法で受信回路を削減して小型、低消費電力、低コストの超音波検査装置を提供することを目的とする。
上記従来の目的を達成するために、本発明の超音波検査装置は、被検体内に超音波を送信する振動子群と、被検体内で反射された超音波を複数の受信点で受信できる検出素子群と、検出素子群の開口内で超音波を受信する受信領域の選択を行う領域選択部と、受信領域に含まれる受信点で受信された信号を加算して出力する信号加算部を備えるように構成し、上記検出素子群を振動子群より大きな開口となるように構成する。ここで、上記領域選択部は、被検体内に設定したフォーカス点で反射された超音波が所定の時刻に到達する領域を、受信領域として選択するように制御を行う。また、上記所定の時刻に信号加算部から出力される信号を用いて上記フォーカス点の画素値を求める。これにより、設定したフォーカス点から伝搬した超音波エコーのみを多数の受信点で受信できるので、フォーカス点の画素値を良好なS/Nで求められる。また、信号加算部からの出力は、受信点の数に比べて圧倒的に少なくできるため、受信回路の規模を抑制できる。
また、上記領域選択部は超音波の進行に合わせて上記フォーカス点を動的に設定するとともに、上記フォーカス点に対応させて輪帯状に形成された受信領域の中心位置および直径の制御を行う。これにより、フォーカス点を連続的に設定可能なダイナミックフォーカスを実現でき、高画質の超音波画像が得られる。
本発明によれば、小型、低消費電力、低コストでありながら、反射率の小さなターゲットや深い部位のターゲットからのエコー信号が良好なS/Nで検出可能であり、高画質な超音波検査装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1にかかる超音波検査装置の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1にかかる振動子群および検出素子群の配置と信号検出領域を示した概略構成図 本発明の実施の形態1にかかる受信プロープの信号検出領域の動的制御を説明した説明図 本発明の実施の形態1にかかる受信プロープの信号検出領域の別の動的制御を説明した説明図 本発明の実施の形態1にかかる信号検出領域の別の構成を示した概略構成図 本発明の実施の形態2にかかる超音波検査装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態2にかかる検出素子群の別の構成を示した概略構成図 本発明の実施の形態2にかかる受信プローブのさらに別の構成を示す概略構成図 輪帯と受信フォーカス点の関係を示した説明図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするためにそれぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、形状等については正確な表示ではない場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかる超音波検査装置10の概略構成を示すブロック図である。超音波検査装置10は、超音波24を被検体11に送信する送信プローブ12と、被検体11内部の組織で反射された超音波エコー25を受信して所定の領域の受信信号の処理を行い、画素信号として出力する受信プローブ13と、受信プローブ13で検出した画素信号を増幅すると共にデジタル信号に変換して出力する受信部14と、受信部14から出力された画素信号を記憶する画像メモリ15と、画像メモリ15に記憶された3次元データに基づいて、3次元画像のレンダリング処理等を施す画像処理部16と、処理を施された画像データに基づいて画像を表示する画像表示部17と、超音波を送信するための駆動信号を発生する送信部18と、所定のタイミングで駆動信号を発生するように送信部18を制御すると共に、超音波24を送信後の経過時間に応じて受信プローブ13の信号受信を行う領域を制御する制御部19とを有している。
ここで、送信プローブ12は、複数の振動子を2次元的に配列した振動子群22から構成され、各振動子はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック等からなる圧電素子に、電極を形成して構成されている。この振動子群22は、各振動子の電極に送信部18から送られる遅延処理を施されたパルス状の電圧を印加することにより、超音波パルスを発生させるとともに、この超音波をフォーカスおよび偏向できるように構成されている。この構成により、振動子群22は3次元方向に超音波24を送信してセクタ走査が行えるように構成されている。
また、受信プローブ13は、複数の検出素子を有する検出素子群23と、スイッチング回路13aと、加算回路13bを有し、超音波24送信後の経過時間に応じて検出素子群23で受信した受信信号をスイッチング回路13aで選別し、選別された信号を加算回路13bでアナログ加算して出力するように構成されている。
検出素子群23の各検出素子は、例えば、圧電素子に電極を形成した構造からなり、振動子群22と同じ共振周波数を有するように構成されている。この構成により、検出素子群23に振動子群22から送信された超音波24と同じ周波数の超音波エコー25が伝搬すると、検出素子の各圧電素子が共振し、それぞれ圧電効果により電圧を生じる。各検出素子は、この電圧の変化を検出することによりエコー信号を検出できるように構成されている。
図2は、振動子群22および検出素子群23の配置と信号検出領域を示した概略構成図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のAの方向からみた断面図を示している。図2(a)に示すように、振動子群22の周囲に検出素子群23が配置されている。
振動子群22は例えば、500素子程度の振動子をピッチ0.2mm程度の高密度で配列して構成されている。また、検出素子群23は、セクタ走査を行う振動子群23の走査角および深さに対応した数cm〜10cm程度の幅の領域に配置されており、検出素子のピッチは0.2mm程度以上となるように構成されている。すなわち、開口の大きな検出素子群23は、製造を容易にするため振動子群22よりも素子のピッチを広げて構成してもよい。
また、検出素子群23の中の輪帯23a、23b、23cはエコー信号の検出を行う領域を示しており、各輪帯に含まれる検出素子で受信された信号が輪帯毎に加算されて出力されるように構成されている。
図2(b)に示すように、輪帯23a、23b、23cはそれぞれ、超音波24を送信後の所定時間後に、受信フォーカス点26a、26b、26cを経由した超音波エコー25a、25b、25cが検出素子群23に伝搬する領域に設定されており、時間の経過とともに、この受信フォーカス点をずらしながらエコー信号の検出を行うように構成されている。したがって、時間の経過とともに、超音波24の送信方向を検出素子群23の受信面に投影した方向に、各輪帯が移動するように制御を行うこととなる。また、本実施の形態では、受信フォーカス点26a、26b、26cが、同一の音線24a上を移動するように各輪帯の制御が行われる。ここで、音線24aは、超音波24の伝搬経路内に設定された線状の領域である。
次に、このように構成された本実施の形態1の超音波検査装置10の動作について図1、図3を用いて具体的に説明する。
図1において、まず、制御部19が所定のタイミングで駆動信号を発生するように送信部18を制御し、送信部18は超音波をフォーカス及び偏向させるための遅延処理を行い、送信プローブ12の複数の振動子群22に遅延処理された駆動パルスをそれぞれ供給する。送信プローブ12は、送信部18から送られた駆動パルスに従い、各振動子群22から所定の方向に超音波24を送信する。振動子群22から送信された超音波24は、被検体11内部の音響インピーダンスの異なる組織の界面で反射され、超音波エコー25となって被検体11の表面に伝搬する。この超音波エコー25を受信するために、制御部19からの指令に基づき、受信プローブ13の信号検出領域(輪帯)が制御され、選択された領域に含まれる検出素子で受信された信号により、対応する受信フォーカス点からの信号が得られる。この受信フォーカス点を走査することによりエコー信号が検出される。この動作について、以下に図3を用いて説明する。
図3は、受信プローブ13の信号検出領域(輪帯)の動的制御を説明した説明図であり、(a)〜(d)は各時刻における信号検出領域の上面図と側面図である。図3において、(a)〜(d)の各図は、超音波24が送信された後の経過時間がDT1、DT2、DT3、DT4、(DT1<DT2<DT3<DT4)の時の輪帯の位置を示している。また、図3において、図2と同じ構成要素は同じ符号を付して説明を省略する。
超音波エコー25の検出は、音線24a上に受信フォーカス点を設定するとともに、時間の経過に合わせて受信フォーカス点を音線24aに沿って動的に制御することにより行われる。
まず、図3(a)に示すように、音線24a上の浅い部位に受信フォーカス点26dが設定され、受信フォーカス点26dからの超音波エコーが経過時間DT1の時に伝搬する領域(輪帯23a)が計算される。スイッチング回路13aは、計算で求められた領域(輪帯23a)に含まれる振動子において、経過時間DT1のタイミングで受信した信号を選別し、選別した信号を加算回路13bで加算して受信フォーカス点26dの画素信号として出力する。
ここで、輪帯23aは、受信フォーカス点26dの方位方向の座標から中心座標が求められ、受信フォーカス点26dの深さ、および経過時間から半径が求められる。この関係式を、図9を用いて簡単に説明する。図9は輪帯23aと受信フォーカス点26dの関係を示した説明図であり、上面図および、音線24aを含むxz面内の断面図を示している。
図9に示すように、受信フォーカス点26d(x、0、z)からの超音波エコーを受信する場合の輪帯23aの中心位置は、受信フォーカス点26dを検出素子群23の受信面に投影した位置であり、(x、0)となる。このとき、時刻DTにおける輪帯23aの半径rは、次のように求められる。
まず、被検体11内の音速をcとすると、超音波24が振動子群22から送信されて受信フォーカス点26dに到達するまでの時間t1は、t1=√(x^2+z^2)/cであり、受信フォーカス点26dで反射した超音波エコーが検出素子群23に到達するまでの時間t2は、t2=DT―t1、である。このとき、図9から明らかに、r=√{(c×t2)^2−z^2}であるので、整理すると、輪帯23aの半径rは、r=√{(c×DT−√(x^2+z^2))^2−z^2}となる。なお、輪帯23aの太さは、収差などを考慮して適切な幅に決められる。例えば、輪帯の太さは半径rに応じて太くするなど可変としてもよい。
また、このような輪帯の中心位置および半径を求める計算は、リアルタイムで行っても良いし、予め計算して記憶しておき、呼び出すように構成してもよい。
次に、図3(b)(c)(d)に示すように、時間の経過とともに、設定する受信フォーカス点を音線24aに沿って深くし、経過時間に応じて受信フォーカス点26e、26g、26jの画素信号を同様に求める。このとき、輪帯23aは、時間の経過とともに、音線24aを投影した方向に移動するように制御され、輪帯23aを細かく連続的に移動させることにより、音線24a上の受信フォーカス点の画素信号が連続的に取得される。
また、輪帯23aと大きさの異なる輪帯23bおよび23cに対しても同様に、対応する受信フォーカス点が音線24a上を移動するように制御し、それぞれの輪帯で画素信号を取得する。このとき、各輪帯に対応する受信フォーカス点は時間をずらして音線24a上を走査することとなる。また、このとき、画素信号は輪帯ごとに出力され、例えば図3(c)に示す時刻DT3では、受信フォーカス点26g、26h、26iの画素信号が出力される。
以上のような動作により、超音波24が1回送信される間に、受信フォーカス点が音線24aに沿って3回走査され、各時刻において輪帯ごとに受信フォーカス点の画素信号が出力される。後で説明するように、この画素信号は遅延処理等を行わずに受信フォーカス点の3次元の位置情報と関連付けて画像メモリ15に記憶され、3回の走査の間に、同じ位置情報をもつ画素信号は随時積算されて画像メモリに記憶され、音線24aの3次元の画素データとなる。
本構成では、振動子の高密度配列が必要な振動子群22と、受信専用の検出素子群23を分離して設けている。すなわち、振動子群22から斜め下方向に進行する音線24aの1点を通る垂線と交わるように、検出素子群23が形成されている。このように、振動子群22と検出素子群23を分離することで、高密度配列が必要な振動子22は密度を高くする一方で、検出素子群23はピッチを広げて製造することが可能になる。そのため、検出素子群23は、製造しやすい構成で大開口化することができる。
なお、本実施の形態では、超音波を発信する機能と超音波を受信するの機能を、振動子群22と検出素子群23とにそれぞれ振り分けているが、本願発明はこの公正に限られない。例えば、超音波の受信と送信の両方を行うことができる振動子を、2次元アレイ状に配列した振動子群を使用してもよい。2次元アレイ状に配列された振動子群のうち、スキャンを行う位置に合わせて、所定の振動子、もしくは所定の領域の振動子を送信部として指定して超音波を発生させる。そして送信部から鉛直斜め下方向に音線が進み、受信フォーカス点で反射した光を受信する受信部が別途指定されるものであってもよい。
さらに、大開口化した検出素子群23で受信された信号の中から、所望の受信フォーカス点から伝搬する同位相の信号を、同時刻に多数の点で検出するように構成している。これにより、従来のような受信信号を遅延回路に入力する、あるいは、一旦メモリに記憶させてから読み出す、といった整相加算処理を行うことなく、同位相の信号の加算が行えるため、受信回路の規模を大幅に削減しながらも、S/Nの良い画素信号が得られる。
なお、1つの受信フォーカス点から同位相の信号を受信する領域、すなわち輪帯は1つでもよい。しかし、本実施の形態に示したように、複数の輪帯を用いて演算に利用できる受信信号を増やすと、さらに良好なS/Nの画素信号が得られる。
また、本実施の形態では、画素信号の検出を行う受信フォーカス点を1本の音線24a上に設定する構成としているが、複数の輪帯を用いて、1回の送受信で複数の音線上の画素信号を検出するように構成してもよい。あるいは、同時、または、順次、異なる方向に超音波を送信して、それぞれの送信ビームに含まれる音線上の画素信号を求める構成としてもよい。
再び図1に戻り、受信プローブ13で検出された各受信フォーカス点の画素信号は、受信部14で増幅およびデジタル変換されて画像メモリ15に送られる。このとき、各画素信号は、受信された時刻、すなわち、超音波が伝搬した距離に応じた減衰量を考慮して、適切なゲインで増幅されるとともに、各輪帯に含まれる検出素子の数に応じた補正ゲインが与えられる。このとき、さらに、輪帯の半径や、走査角に応じた重み付けを行うように構成してもよい。
画像メモリ15に送られた画素信号は、画像メモリ15内の各受信フォーカス点の座標に対応する画像データに加算され、音線24a上を受信フォーカス点が走査する度に画像データが積算される。
以上の動作は被検体11内に繰り返し超音波24を送信してセクタ走査しながら行われ、検査領域全体の情報が画像メモリ15に保存される。保存された3次元データは、画像処理部16で3次元画像のレンダリング処理が施され、画像表示部17に画像が表示される。このような動作により、良好なS/Nの3次元データに基づいた高画質の超音波画像が得られる。
なお、従来のように振動子群22で超音波の送受信を行う場合と比べると、本構成は、検出素子群23の開口を大きく構成しているので、走査角が大きな場合でも、受信フォーカス点と検出素子群23の距離が比較的近く、減衰の少ないS/Nの良い信号が得られるので、走査角が大きな領域でも高画質の超音波画像が得られる。
以上に説明したように本実施の形態1の超音波検査装置10は、検出素子群23を大開口となるように構成するとともに、受信フォーカス点から伝搬する同位相の信号を選択的に受信して加算処理を行う。これにより、異なる時刻に受信された信号の整相加算を行うことなく、S/Nの良い画素信号が得られ、さらに、受信回路および信号処理の演算量を大幅に削減できる。これにより、消費電力の削減、サイズ、コストの低減が可能となる。また、検出素子を大幅に増やしてS/Nを改善することができるため、深部の計測や、高周波の超音波の利用による分解能改善が可能となる。
なお、乳癌検査など、被検体11内に超音波24を反射する組織がほとんど無い場合には、反射組織(癌細胞)を発見するまでは最小限の検出素子を用いて探索を行うことで、加算回路13bの負荷を減らすことができる。
また、反射組織を発見した際に、反射組織から伝搬してきた超音波エコーの波紋の動きに追従して信号検出領域(輪帯)を制御することにより、多数の点で取得した受信信号を積算して、より高いS/Nの信号を得ることができる。
図4は、受信プローブ13の信号検出領域の別の動的制御を説明した説明図であり、(a)〜(d)は各時刻における信号検出領域(輪帯)の上面図と側面図である。図4において、(a)〜(d)の各図は、超音波24が送信された後の経過時間がDT1、DT2、DT3、DT4、(DT1<DT2<DT3<DT4)の時の輪帯の位置を示している。また、図4において、図2と同じ構成要素は同じ符号を付して説明を省略する。
図4(a)〜(d)は、音線24aに沿って受信フォーカス点が移動するように輪帯23aを制御して探索を行い、受信フォーカス点26eで反射組織が見つかった場合の動作を説明している。
まず、図4(a)に示すように、音線24a上の浅い部位に受信フォーカス点26dが設定され、対応する輪帯23aに含まれる振動子で受信された信号がスイッチング回路13aで選別され、加算回路13bで加算され、画素信号として出力される。ここで画素信号の振幅が所定のしきい値と比較され、反射組織の有無が判定される。この例では、受信フォーカス点26dには反射組織はないものとする。
次に、図4(b)(c)(d)に示すように、時間の経過とともに設定する受信フォーカス点を音線24aに沿って移動させ、受信フォーカス点26e、26g、26jの画素信号を同様に求め、反射組織の有無が判定される。このとき、受信フォーカス点26eで反射組織が見つかったとすると、次の瞬間から、反射組織の探索を行う輪帯23aとは別に、受信フォーカス点26eからの超音波エコーを受信するための輪帯23dを設定する。すなわち、受信フォーカス点26eから反射組織が検出された場合には、その受信フォーカス点26eを通る推選と検出素子群23との交点とを中心としたリング状の領域を指定する。なお、時間の経過とともに輪帯23dの半径が広げて設定されており、受信フォーカス点26eからの信号を受信する。そして、この受信信号を加算して画素信号を求め、さらに各時刻で得られた画素信号を積算する。このような走査により、最小限の演算量で、反射組織に関してはS/Nの高い信号が得られる。なお図3では、反射組織の探索を行う輪帯23aは、輪帯の半径が同一と記載しているが、受信フォーカス点26の音線24a上の位置によって、輪帯23aの大きさを変えてもよい。
また、図4に示した検出方法では、被検体11内の音速のばらつきに対応させることにより、より高い分解能で反射組織の検出を行うことができる。すなわち、輪帯の領域を計算する際に想定している音速と実際の平均音速にずれがある場合に、輪帯の位置や大きさを修正しながら信号の受信を行うように構成できる。輪帯の位置や大きさを調整することができる構成について以下に述べる。
図5は、ある時刻の信号検出領域を示した概略構成図で(a)は上面図、(b)は(a)に示したB部の拡大図である。図5(a)(b)において、輪帯23aおよび輪帯23dは、それぞれ想定している音速で計算された輪帯の内側と外側にそれぞれサブ輪帯を設けた3重の輪帯となるように構成され、各サブ輪帯は、それぞれの輪帯に含まれる検出素子で受信された信号を輪帯ごとに出力するように構成されている。この構成において、外側の輪帯の信号から内側の輪帯の信号を引いた値に基づいて輪帯23a、23dの信号受信領域を設定する際に想定される音速の修正が行われる。
この動作を、図5(b)を用いて具体的に説明する。例えば、外側のサブ輪帯28と内側のサブ輪帯27の間に、超音波エコー25が実際に到達した領域29がある場合を想定する。このとき、外側の輪帯28は領域29に近く、内側の輪帯27は領域29から遠いため、受信されるエコー信号は外側のサブ輪帯28の方が大きくなる。したがって、サブ輪帯同士の差動演算を行うと、演算結果は+の値となる。このことは領域29が輪帯23dとサブ輪帯28の間にあることを示しており、輪帯23dの計算に用いた音速の想定値よりも実際の音速の方が速いことを意味する。したがって、輪帯23dの領域を求める際の音速の推定値を上げることにより、輪帯23dと領域29をほぼ一致させることができる。
このように、サブ輪帯同士の差動演算結果から適切な補正値を導いて音速を修正することにより、超音波エコー25が伝搬する領域に輪帯を追従させて信号を受信させることができるので、測定精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、整相加算をおこなうための遅延回路を用いない構成としたが、複数の輪帯からの出力を遅延量が固定された遅延線に入力して、回路を切り換えることなく整相加算させるように構成することもできる。
このような構成は、図3に示した複数の受信フォーカス点が同一の音線上を走査する構成において、同一の受信フォーカス点からの信号がそれぞれ異なる輪帯から、常に一定の時間差で出力されるように輪帯を制御することで実現できる。
例えば、図3(a)〜(d)において、受信フォーカス点26d、26f、26iは同一の点であり、受信フォーカス点26e、26h、26lも同一の点であるとする。また、時刻DT1、DT2、DT3、DT4の時間の間隔はdtで一定であるとする。このとき、受信フォーカス点26dから伝搬する超音波エコーは、時刻DT1の時に輪帯23aで受信され、時刻DT2の時に輪帯23bで受信され、時刻DT3の時に輪帯23cで受信される。同様に、受信フォーカス点26eから伝搬する超音波エコーは、時刻DT2の時に輪帯23aで受信され、時刻DT3の時に輪帯23bで受信され、時刻DT4の時に輪帯23cで受信される。ここで、輪帯23aから得られる信号に2dtの遅延時間、輪帯23bから得られる信号にdtの遅延時間を与え、輪帯23cから得られる信号はそのままとして各輪帯からの出力を加算する。すると、時刻DT3の時に、輪帯23a、23b、23cで受信された受信フォーカス点26dに対応する加算信号が得られ、時刻DT4の時に、輪帯23a、23b、23cで受信された受信フォーカス点26eに対応する加算信号が得られる。
このように、一定の時間間隔で、同一のフォーカス点からの信号が受信できるように輪帯を制御すると、受信フォーカス点を連続的にずらしながらも、遅延回路を切り換えることなく画素信号が検出可能である。さらにこの構成では、画像メモリへの書き込み回数を減らすことができるとともに、積算処理も不要であるので、信号処理の負荷をさらに減らすことができる。
また、本実施の形態では、超音波の送信および受信を圧電素子で行う構成としたが、マイクロマシン加工を用いた容量型超音波トランスデューサ(以後、CMUT)を用いてもよい。圧電素子を用いる場合は、振動子群22と検出素子群23の共振周波数のずれによる感度低下が生じる可能性があるが、CMUTは特性のばらつきが小さく、共振周波数のずれによる感度低下は生じにくい。
なお、輪帯の半径や中心位置によっては、輪帯が振動子群22の領域に重複する可能性がある。このような場合には、輪帯と振動子群22とが重複した領域の検出素子からの信号を使用せず、振動子群22と重複していない検出領域の信号を用いて信号の算出を行う。そして、輪帯の面積と、振動子22と重複した領域の面積の比率を元に、輪帯によって得られた信号を算出する際のゲインを増加させる。この計算方法は、輪帯同士の検出領域が重複した場合にも有効であり、他の輪帯と重複していない領域の信号を算出し、ゲインを調整することで、検出精度の低下を防止することが可能になる。
なお、輪帯23a、23b、23cは、検出素子群の中から信号を検出する領域を領域選択部により選択し、選択された領域だけの信号を検出する構成であってもよいし、初めから各隣帯に対応する領域のみに検出素子群を配置し、輪帯に合わせて受信フォーカス点を設定してもよい。
また、本実施例では、所定の時刻において超音波が到達する領域を受信領域としているが、各輪帯は、少なくともこの領域を含むリング状の受信領域であればよい。また、被検査体の特性などによって超音波の速度に誤差が生じる可能性があるため、輪帯の半径方向における幅は、所定量の余裕量を設けて形成することが好ましい。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2にかかる超音波検査装置の概略構成を示す図で、(a)は受信プローブ13の概略構成図、(b)は検出素子群23の概略構成図を示している。本実施の形態において、実施の形態1と異なるのは、受信プローブ13、および、受信信号の検出方法のみであり、輪帯を用いた画素信号の検出動作など、その他の部分は同じであるので説明を省略する。また、実施の形態1と同じ構成要素は、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態2にかかる超音波検査装置の受信プローブ13は、被検体11から伝搬してきた超音波エコー25を光学的に検出するように構成されており、具体的には、超音波エコー25による振動を光ヘテロダイン法の検出原理を用いて検出する。
図6(a)において、受信プローブ13は光検出に必要な光を供給する光源部40を有し、光ファイバ50を用いて光を供給するように構成されている。この光源部40は、超音波検査装置の本体側に配置されていてもよい。
受信プローブ13の光源部40は、半導体レーザ41と、半導体レーザ41に注入する電流に高周波電流を重畳し、半導体レーザ41から出射するレーザ光43を周波数変調する電流変調器42と、レーザ光43を集光する集光レンズ44を有し、レーザ光43を光ファイバ50で送光するように構成されている。また、光ファイバ50の出射端は、屈折率分布型のGRINレンズが配置され、光ファイバ50から出射する光をコリメートするように構成されている。
光プローブ13は、光ファイバ50で送光されたレーザ光43を線状の平行光に変換する導光棒31と、検出素子群23と、制御可能な複数のミラーが配列され、検出素子群23上に現れる像を縮小して投影するように構成されたMEMSミラー32a、32b、32cと、各MEMSミラーで反射した光を受光する光検出器33a、33b、33cを備えている。
ここで、MEMSミラー32a、32b、32cは、2次元のミラーアレイ構造からなり、印可する電圧のオン、オフで個々のミラーの傾斜方向が変わるように構成されている。これにより、所定の輪帯領域のみを光検出器33a、33b、33cの方向に反射して導くように構成されている。すなわち、実施の形態1のスイッチング回路の機能を有している。
また、光検出器33a、33b、33cは、CCD、MOS型センサ、又は、PD(フォトダイオード)で構成され、MEMSミラー32で選択された輪帯領域の信号のみを1つの受光領域で受光することにより信号の加算を行うように構成されている。
また、検出素子群23は、例えば、図6(b)に示す構造で構成され、導光棒31から出射したレーザ光43を側面から入射させ、一方の主面61aから出射する導光板61と、導光板61の主面61aに隣接して配置されたワイヤグリッド偏光板62と、ワイヤグリッド偏光板62を透過した光を反射させる分割された複数の反射板63と、導光板61を挟んでワイヤグリッド偏光板62の反対側に配置された偏光板64と、偏光板64を透過した光を投影するスクリーン65と、被検体11に接して配置され、上面に反射板63が形成された音響整合材66を備えて構成されている。この構成において、分割された反射板63が、それぞれ1つの検出素子として動作する。
ここで、導光棒31は、光が出射する側面に対して略45°傾斜した傾斜面を有する偏向溝が複数形成された構造であり、導光棒31に入射した光を全反射により略90°偏向するように構成されている。
また、導光板61の対向面61bには、主面61aに対して略45°傾斜した傾斜面からなる複数の偏向面61cが形成され、主面61aに対して略平行に入射した光を全反射により主面61aに向けて偏向し、主面61aから略垂直に出射するように構成されている。
また、ワイヤグリッド偏光板62と偏光板64の透過軸は略45度ずらして構成されており、ワイヤグリッド偏光板62で反射したレーザ光43aの一部と、ワイヤグリッド偏光板62を透過した後、反射板63で反射したレーザ光43bの一部が偏光板64を透過するように構成されている。
次に、このように構成された本実施の形態2の超音波検出動作について図1、図6を用いて具体的に説明する。
図1において、まず、制御部19が所定のタイミングで駆動信号を発生するように送信部18を制御し、送信部18は超音波をフォーカス及び偏向させるための遅延処理を行い、送信プローブ12の複数の振動子群22に遅延処理された駆動パルスをそれぞれ供給する。送信プローブ12は、送信部18から送られた駆動パルスに従い、各振動子群22から所定の方向に超音波24を送信する。振動子群22から送信された超音波24は、被検体11内部の音響インピーダンスの異なる組織の界面で反射され、超音波エコー25となって被検体11の表面に伝搬する。この超音波エコー25を受信するために、制御部19からの指令に基づき、受信プローブ13の信号検出領域(輪帯)が制御され、選択された領域からの信号を選択的に受信することによりエコー信号が検出される。ここで、輪帯領域を制御してエコー信号を検出する動作は実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
次に、本実施形態の特徴である、超音波を光で受信する動作、および、受信した信号の中から所定の領域の信号を選択して加算を行う動作について図6を用いて説明する。
図6(a)において、まず、半導体レーザ41からそれぞれ電流変調器42で周波数変調されたレーザ光43が出射する。このレーザ光43は、集光レンズ44、および光ファイバ50を経由し、光ファイバ50の端面の図示していないGRINレンズによりコリメートされて光ファイバ50から出射し、導光棒31で線状の平行光に変換され、検出素子群23に入射する。
図6(b)において、検出素子群23の導光板61に入射したレーザ光43は、偏向面61cで偏向され、導光板61の主面61aから略垂直に出射し、ワイヤグリッド偏光板62で一部が透過、一部が反射する。ワイヤグリッド偏光板62で反射したレーザ光43a(レーザ光43のTE成分)は導光板61を透過して偏光板64に入射し、ワイヤグリッド偏光板62を透過したレーザ光43b(レーザ光43のTM成分)は、反射板63で反射し、再びワイヤグリッド偏光板62、導光板61を経由して偏光板64に入射する。
このとき、音響整合材66の上面に超音波エコー25が伝わると、反射板63が振動し、レーザ光43bが偏光板64に到達する光路長が変調される。
偏光板64に到達したレーザ光43aとレーザ光43bは偏光が直交しているが、偏光板64の透過軸は、これらの偏光に対して略45度となるように構成されているので、どちらのレーザ光も一部は偏光板64を透過して合波される。合波されたレーザ光43a、43bは同じ偏光となっているのでスクリーン65上に干渉像が形成される。
スクリーン65上に形成された干渉像は、MEMSミラー32a、32b、32cにより縮小投影されて、それぞれ対応する光検出器33a、33b、33cで受光される。
ここで、MEMSミラー32a、32b、32cはそれぞれ、異なる位置、および、大きさの輪帯領域を選択的に反射するように制御され、光検出器33a、33b、33cには、それぞれ異なる輪帯からの信号が入射する。本実施形態では、これにより信号検出領域を選択し、その受信信号を加算する動作を実現しており、光検出器33a、33b、33cからの出力がそれぞれ画素信号となる。
なお、スクリーン65上で観測される、ある領域の干渉光の強度は、レーザ光43aとレーザ光43bの光路長差に応じたビート信号となり、反射板63に変位が生じるとビート信号の位相ずれとなって現れる。したがって、超音波エコー25が伝搬した領域の干渉像のみを選択的に検出することにより、良好なS/Nで位相ずれ情報を抽出することができ、エコー信号の検出を行うことができる。
以上に説明したように本実施の形態2の超音波検査装置は、超音波エコー25を光学的に検出できるように検出素子群23を構成している。このように構成すると、受信信号の加算を光学的に行えるため、加算回路が不要となるとともに、受信点をさらに多点化することができる。また、受信プローブ13に圧電素子の微細加工や電気的配線が不要となり、受信点の高密度配置や、検出素子群23をさらに大開口で構成することが可能となる。これにより、さらにS/Nを向上させることができるため、より深部の計測や、高周波の超音波の利用による分解能改善が可能となる。
なお、本実施の形態では、3つの独立した輪帯を制御するために、3つのMEMSミラーを用いる構成としたが、例えば、MEMSミラーの傾斜方向が上下左右のように4方向に制御可能であれば、1つのMEMSミラーで3方向に配置された光検出器への反射領域を制御することにより、3つの輪帯領域を制御することが可能である。あるいは、MEMSミラーおよび光検出器の駆動を画素信号のサンプリングよりも高速に行うことにより、時分割で複数の輪帯領域の制御を行うこともできる。このように構成すると部品点数を削減できる。
また、光を用いて超音波の検出を行う本実施の形態では、音響整合材66を光学的に透明な部材で構成するとともに、音響整合材66に半透明な反射層を挿入することにより、3次元的に超音波エコーを検出することができる。
図7は本発明の実施の形態2にかかる受信プローブ13の別の構成を示す図で、(a)は受信プローブ13の概略構成図、(b)は検出素子群23の概略構成図を示している。図7において、図6と同じ構成要素は、同じ符号を付し、説明を省略する。
図7(a)において、光源部40は、それぞれ波長が異なり、互いに干渉しないレーザ光を出射する半導体レーザ41a、41b、41cと、半導体レーザ41a、41b、41cからそれぞれ出射する光をまとめてレーザ光43とするダイクロイックミラー45を備えている。また、光検出器33a、33b、33cは、半導体レーザ41a、41b、41cから出射するレーザ光のいずれか一つを透過するカラーフィルタをそれぞれ備えている。
また、図7(b)において、音響整合材66は光学的に透明な部材で構成され、波長選択性を有する半透明な反射層67a、67b、67cが挿入されている。この反射層67a、67b、67cはそれぞれ、半導体レーザ41a、41b、41cから出射するレーザ光のうち、いずれか1つを反射し、それ以外を透過するように構成されている。
この構成において、半導体レーザ41a、41b、41cから出射した波長の異なるレーザ光は、ダイクロイックミラー45で合波されてレーザ光43となり、光ファイバ50を経由して検出素子群23に入射し、導光棒31および導光板61により面状に広げられるとともに、被検帯11の方向に偏向され、ワイヤグリッド偏光板62でTE偏光成分が反射される。ワイヤグリッド偏光板62を透過したレーザ光43のTM偏光成分は、それぞれ波長ごとに反射層67a、67b、67cで反射され、スクリーン65上にワイヤグリッド偏光板62で反射されたレーザ光と各反射層で反射されたレーザ光との干渉像が形成される。この干渉像は、各反射層の振動に応じた位相差情報を持ち、反射層ごとに反射したレーザ光の波長が異なるので、光検出器33a、33b、33cで波長ごとに検出され、各光検出器で各反射層に対応する画素信号が得られる。
このとき、各反射層の輪帯に対応する受信フォーカス点が一致するように制御すると、より多くの同位相の信号を同時刻に受信できる。図6の構成では、音線上を3回走査して画素信号を積算する構成としたが、この構成では、光検出器33a、33b、33cの同時刻の出力を加算するだけでよく、信号処理がさらに簡略化される。
また、本実施の形態では、スクリーン上に形成される干渉像のうち、信号検出したい領域のみをMEMSミラーで反射させて光検出器で受光する構成としたが、逆に、信号検出したい領域にのみ光を照射して反射光を検出する構成としてもよい。
図8は本発明の実施の形態2にかかる受信プローブ13のさらに別の構成を示す概略構成図である。図8において、図6と同じ構成要素は、同じ符号を付し、説明を省略する。
図8において、光源部40は、半導体レーザ41より出射したレーザ光43の一部を所定の方向に偏向するMEMSミラー32を備えて構成されている。また、また光源部40のMEMSミラー32で偏向されたレーザ光43を被検体11の方向に偏向する偏光ビームスプリッタ68を備え、ワイヤグリッド偏光板62は、偏光ビームスプリッタ68で反射されるS偏光成分の光の偏光方向に対して透過軸が45度を成すように構成されている。
この構成において、半導体レーザ41から出射したレーザ光43は、MEMSミラー32により輪帯領域が偏光ビームスプリッタ68の方向に反射され、偏光ビームスプリッタ68によりS偏光成分が反射され、ワイヤグリッド偏光板62に入射する。このとき、光検出を行う輪帯の領域にのみレーザ光43が照射されるようにMEMSミラー32が制御されている。
ワイヤグリッド偏光板68において、レーザ光43は、S偏光に対して45度ずれたTE偏光成分が反射され、偏光ビームスプリッタ68でTE偏光の一部がP偏光となって透過する。また、ワイヤグリッド偏光板62を透過したレーザ光43のTM偏光成分は、反射板63で反射され、偏光ビームスプリッタ68でTM偏光の一部がP偏光となって透過する。
ワイヤグリッド偏光板62で反射されたレーザ光と反射板63で反射されたレーザ光は、スクリーン65上で干渉して干渉像を形成し、この干渉像を光検出器で検出することによりレーザ光43が照射された輪帯領域に対応する画素信号が得られる。
このように構成しても、受信回路を削減することができる。さらにこの構成では、輪帯の領域に均一にレーザ光43を照射できるため、検出素子群の受信面内で感度のばらつきを小さく抑えることができる。
なお、本発明の実施の形態1および実施の形態2に示した構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。また全ての構成はどのように組み合わせてもよく、それぞれ本発明固有の効果を発揮することは言うまでもない。
本発明を適用すると、小型、低消費電力、低コストでありながら、反射率の小さなターゲットや深い部位のターゲットからのエコー信号を良好なS/Nで検出できる超音波検査装置を提供することができ、有用である。
10 超音波検査装置
11 被検体
12 送信プローブ
13 受信プローブ
13a スイッチング回路
13b 加算回路
14 受信部
15 画像メモリ
16 画像処理部
17 画像表示部
18 送信部
19 制御部
22 振動子群
23 検出素子群
23a,23b,23c,23d 輪帯
24 超音波
24a 音線
25,25a,25b,25c 超音波エコー
26a,26b,26c,26d,26e,26f,26g,26h,26i,26j,26k,26l 受信フォーカス点
27 サブ輪帯(内側)
28 サブ輪帯(外側)
29 領域
31 導光棒
32,32a,32b,32c MEMSミラー
33,33a,33b,33c 光検出器
41,41a,41b,41c 半導体レーザ
42 電流変調器
43 レーザ光
44 集光レンズ
45 ダイクロイックミラー
50 光ファイバ
61 導光板
61a 主面
61b 対向面
61c 偏向面
62 ワイヤグリッド偏光板
63 反射板
64 偏光板
65 スクリーン
66 音響整合材
67a,67b,67c 反射層
68 偏光ビームスプリッタ

Claims (18)

  1. 被検体内に超音波を送信する振動子群と、
    被検体内で反射された前記超音波を複数の受信点で受信できる検出素子群と、
    前記検出素子群の開口内で前記超音波を受信する受信領域の選択を行う領域選択部と、
    前記受信領域に含まれる受信点で受信された信号を加算して出力する信号加算部と、
    を備え、
    前記領域選択部は、被検体内に設定したフォーカス点で反射された超音波が所定の時刻に到達する領域を含む輪帯状の領域を受信領域として選択するように制御され、
    前記所定の時刻に前信号加算部から出力される画素信号を用いて前記フォーカス点の画素値を求めることを特徴とする超音波検査装置。
  2. 前記領域選択部は、前記超音波の進行に合わせて前記フォーカス点を動的に設定するとともに、前記フォーカス点に対応させて前記受信領域の中心位置および半径の制御を行うことを特徴とする請求項1記載の超音波検査装置。
  3. 前記振動子群から送信される超音波の中心線の少なくとも一部は、前記検出素子群が配置された領域の鉛直下方向に存在することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の超音波検査装置。
  4. 前記フォーカス点から前記検出素子群への垂線と、前記検出素子群との交点が、前記リング状の受信領域の中心点であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超音波検査装置。
  5. 前記領域選択部は、複数の受信領域を個別に制御するように構成され、
    前記複数の受信領域にそれぞれ対応する複数のフォーカス点が、適当な時間差で同一の音線上を走査するように制御されることを特徴とする請求項2記載の超音波検査装置。
  6. 複数のフォーカス点が存在する場合、
    前記領域選択部は、前記複数のフォーカス点からの前記検出素子群への垂線と前記検出素子群との交点を中心とする複数の輪帯状の受光領域を選択し、
    前記フォーカス点と前記検出素子群との間隔が大きいほど、前記輪帯状の受光領域の半径が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波検査装置。
  7. 前記複数の受信領域で受信された信号から得られる各画素信号に、それぞれ所定の遅延時間を与える複数の遅延線をさらに備え、
    前記複数の遅延線から、同時刻に同一のフォーカス点からの画素信号が出力されるように、前記複数の受信領域が制御されることを特徴とする請求項5記載の超音波検査装置。
  8. 所定のフォーカス点からの反射された超音波は、少なくとも前記検出素子群により複数回検出され、
    前記領域選択部は、時間の経過に応じて、前記フォーカス点からの前記検出素子群への垂線と前記検出素子群との交点を中心とする複数の受光領域を選択し、
    前記複数の受光領域は、それぞれ前記所定のフォーカス点で反射された超音波が所定の時刻に到達する領域を含む輪帯状の領域であって、
    前記輪帯状の受光領域の半径が、それぞれ異なっていることを特徴とする超音波検出装置。
  9. 前記領域選択部は、複数の受信領域を個別に制御するように構成され、
    前記複数の受信領域にそれぞれ対応する複数のフォーカス点が、それぞれ異なる音線上を走査するように制御されることを特徴とする請求項2記載の超音波検査装置。
  10. 前記領域選択部は、前記超音波の進行に合わせて受信領域を制御してフォーカス点を走査する探索動作と、フォーカス点を固定し、輪帯状の受信領域の半径を変えながら前記フォーカス点からの反射波を連続的に受信する計測動作とを行うように構成され、
    前記探索動作でフォーカス点からの反射の有無を判定し、この判定に応じて前記探索動作と前記計測動作の一方、あるいは、両方を行うようにしたことを特徴とする請求項2記載の超音波検査装置。
  11. 前記輪帯状の受信領域の外側および内側に、さらにサブ受信領域を備え、
    外側と内側の前記サブ受信領域で受信された信号の差に基づき、前記輪帯状の受信領域の半径を補正することを特徴とする請求項1〜6記載の超音波検査装置。
  12. 前記検出素子群は、前記振動子群よりも大きな開口となるように構成され、前記輪帯状の受信領域の中心位置が前記検出素子群の開口内となるように、前記フォーカス点が設定されることを特徴とする請求項1〜6記載の超音波検査装置。
  13. 前記検出素子群は、
    可干渉性を有する照明光を出射する光源と、
    受信した超音波により前記照明光を変調して反射する反射光変調部と、
    前記反射光変調部で反射された前記照明光から信号を検出する光検出部と、
    を備え、
    前記反射光変調部は、前記照明光を個別に変調する複数の反射点を有し、
    前記光検出部は、前記反射点よりも少ない受光部を有し、
    前記複数の反射点で反射された前記照明光を前記受光部で受光することにより、信号加算を同時に行うことを特徴とする請求項1記載の超音波検査装置。
  14. 領域選択部は、各ミラーの傾きが制御可能なミラーアレイで構成され、
    前記ミラーアレイは、前記反射光変調部と前記光検出部の間の光路に配置され、かつ、
    前記反射光変調部で反射された照明光のうち、受信領域で反射された光のみを光検出部に導くように制御されることを特徴とする請求項9記載の超音波検査装置。
  15. 前記光検出部は、複数の受光部を有し、
    前記ミラーアレイは、各ミラーの傾きを複数方向に制御できるように構成され、
    前記反射光変調部の複数の受信領域で反射された光をそれぞれ前記複数の受光部に導くように構成されていることを特徴とする請求項10記載の超音波検査装置。
  16. 領域選択部は、各ミラーの傾きが制御可能なミラーアレイで構成され、
    前記ミラーアレイは、前記光源と前記反射光変調部の間の光路に配置され、
    前記反射光変調部の受信領域にのみ前記照明光を導くように構成されていることを特徴とする請求項9記載の超音波検査装置。
  17. 前記反射光変調部は、
    前記照明光を検出光と参照光に分離する分離素子と、
    被検体から伝搬した超音波により振動するとともに、前記検出光を反射する反射素子と、
    前記反射素子で反射された前記検出光と前記参照光が照射されるスクリーンと
    を備え、
    前記スクリーン上に形成された前記検出光と前記参照光の干渉像から超音波の受信信号を検出することを特徴とする請求項8記載の超音波検査装置。
  18. 前記反射光変調部の前記反射素子は、前記検出光を反射する複数の半透過型の反射層からなり、各反射層の間に光学的に透明な音響整合材が配置されていることを特徴とする請求項13記載の超音波検査装置。
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