JP2012055033A - 分散電源設備の系統連系復旧装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力系統に一過的な事故が発生し事故が復旧した場合には早急に分散電源を電力系統に連系復旧できる分散電源設備の系統連系復旧装置を提供することである。
【解決手段】単独運転検出装置28は、分散電源設備が単独運転となったときは分散電源設備を電力系統に接続する受電端の遮断器15を開き、単独運転制御装置29は、充電運転中の二次電池を含めたその構内系統のすべての負荷を賄えないときは選択的に負荷遮断を行ってから分散電源設備の単独運転を行い、系統並列装置31は、分散電源設備が単独運転となった後に受電端電圧判定部30により電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されたときは、分散電源設備の出力電圧と電力系統の受電端電圧の同期を取って受電端の遮断器15を閉じ、負荷遮断した負荷を順次受電再開させる。
【選択図】 図1
【解決手段】単独運転検出装置28は、分散電源設備が単独運転となったときは分散電源設備を電力系統に接続する受電端の遮断器15を開き、単独運転制御装置29は、充電運転中の二次電池を含めたその構内系統のすべての負荷を賄えないときは選択的に負荷遮断を行ってから分散電源設備の単独運転を行い、系統並列装置31は、分散電源設備が単独運転となった後に受電端電圧判定部30により電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されたときは、分散電源設備の出力電圧と電力系統の受電端電圧の同期を取って受電端の遮断器15を閉じ、負荷遮断した負荷を順次受電再開させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電力系統に事故が発生して分散電源が電力系統から切り離された後に分散電源を系統に連系復旧させる分散電源設備の系統連系復旧装置及び方法に関する。
一般に、電力系統の送電線に事故が発生すると事故が発生した事故区間を遮断器で切り離した後、所定の時間経過後に再閉路するようにしている。これは、一過的な地絡事故である場合は再閉路することによって電力の供給を再開できるからである。再閉路して再度事故が検出されたときは、永久故障として再度事故区間を切り離し、保守員が保守作業を行うことになる。
分散電源設備が連系されている電力系統に事故が発生した場合は、分散電源設備は電力系統から切り離され運転の停止となる。これは、連系している電力系統に事故が発生すると、分散電源設備は電力系統との連系ができなくなり単独運転状態となるからである。通常、分散電源設備は単独運転検出装置を有しており(例えば、特許文献1参照)、単独運転検出装置により単独運転状態が検出されると、分散電源設備を電力系統から切り離し運転を停止する。
ここで、電力系統との連系運転時に母線電力の潮流が自家発電設備の重要負荷側から電力系統の一般負荷側に向う所定値以下の潮流になるように自家発電機の出力を制御し、系統電源の停電等により一般負荷が解列され、自家発電機が単独運転に切換わったときに、重要負荷の給電を安定に継続し得るようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献1のものは分散電源設備が単独運転状態となると、単独運転検出装置で単独運転状態を検出し分散電源設備を停止するものであるので、電力系統に一過的な事故が発生して再閉路により事故が復旧した場合であっても、即座に分散電源設備を電力系統に連系することができない。従って、分散電源設備で発電した電力を電力系統に供給し有効利用することができない。
また、特許文献2のものでは、自家発電機が単独運転に切換わったときには重要負荷の給電を安定に継続し得るが、この場合においても電力系統に一過的な事故が発生して再閉路により事故が復旧した場合に、早急に自家発電設備から電力系統に電力を供給することができない。
本発明の目的は、電力系統に一過的な事故が発生し事故が復旧した場合には早急に分散電源を電力系統に連系復旧できる分散電源設備の系統連系復旧装置及び方法を提供することである。
請求項1の発明に係る分散電源設備の系統連系復旧装置は、分散電源設備及び二次電池を有した構内系統の前記分散電源設備が単独運転となったときは前記構内系統を電力系統に接続する受電端の遮断器を開く単独運転検出装置と、前記分散電源設備が単独運転となったときに充電運転中の二次電池を含めた前記構内系統のすべての負荷を賄えないときは選択的に負荷遮断を行ってから前記分散電源設備の単独運転を行う単独運転制御装置と、前記電力系統の受電端電圧が所定電圧であるか否かを判定する受電端電圧判定部と、前記分散電源設備が単独運転となった後に前記受電端電圧判定部により前記電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されたときは前記分散電源設備の出力電圧と前記電力系統の受電端電圧の同期を取って前記受電端の遮断器を閉じ負荷遮断した負荷を順次受電再開させる系統並列装置とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係る分散電源設備の系統連系復旧装置は、請求項1の発明において、前記系統並列装置は、所定時間内に前記受電端電圧判定部により前記電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されときのみ、前記受電端の遮断器を閉じて系統並列することを特徴とする。
請求項3の発明に係る分散電源設備の系統連系復旧方法は、分散電源設備及び二次電池を有した構内系統の前記分散電源設備が単独運転となったときは前記構内系統を電力系統に接続する受電端の遮断器を開き、前記分散電源設備を単独運転した場合に充電運転中の前記二次電池を含めた前記構内系統のすべての負荷を賄えないときは選択的に負荷遮断を行って単独運転を行い、前記電力系統の受電端電圧が所定電圧に回復したときは前記分散電源設備の出力電圧と前記電力系統の受電端電圧の同期を取って前記受電端の遮断器を閉じ、負荷遮断した負荷を順次受電再開させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、分散電源設備及び二次電池を有した構内系統の分散電源設備が単独運転となったときは構内系統の受電端遮断器を開き、分散電源設備を単独運転した場合に充電運転中の二次電池を含めた構内系統のすべての負荷を賄えないときは選択的に負荷遮断を行って分散電源設備の単独運転を開始し、その後に、電力系統の受電端電圧が所定電圧であるか否かを判定し、受電端電圧が所定電圧であると判定されたときは、分散電源設備の出力電圧と電力系統の受電端電圧の同期を取って受電端の遮断器を閉じて負荷遮断した負荷を順次受電再開させるので、電力系統に一過的な事故が発生してその事故が復旧した場合には、早急に分散電源を電力系統に連系復旧できる。これにより、電力系統には分散電源設備からの電力が供給されるので、特に容量が小さい電力系統の場合には電力の擾乱を有効に防止できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、所定時間内に電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されときのみ受電端の遮断器を閉じて系統並列するので、電力系統の事故が一過的な事故でない場合には分散電源設備を電力系統に連系復旧させることがない。また、請求項3の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る分散電源設備の系統連系復旧装置の構成図である。電力系統の送電線11は遮断器12及び変圧器13を介して母線14に接続されている。母線14には受電端の遮断器15を介して、分散電源設備及び系統連系復旧装置を構成する構内系統16が接続されている。
構内系統16には、交流分散電源17や直流分散電源18などの分散電源設備及び二次電池23が設けられている。交流分散電源17は、例えばマイクロガスタービン発電機やエンジン発電機などであり、直流分散電源18は太陽電池や燃料電池などである。
交流分散電源17は開閉器19を介して交流負荷20に交流電力を供給するとともに電力系統の母線14と連系して母線14に交流電力を供給する。直流分散電源18は直流開閉器21を介して直流負荷22に直流電力を供給するとともに二次電池23が充電運転の場合は、二次電池23に充電する。また、インバータ24を介して電力系統の母線14と連系して母線14に交流電力を供給する。二次電池23が放電運転の場合は、二次電池から直流負荷22に直流電力を供給するとともに、インバータ24を介して交流負荷にも交流電力を供給する。
インバータ24は制御装置25で制御される。構内系統16の受電端電圧は電圧変成器26で検出され位相同期回路27に入力される。位相同期回路27は受電端電圧の位相と同期した位相を検出し制御装置25に入力する。制御装置25はインバータ24の出力電圧が位相同期回路27で検出した受電端電圧の位相と同期するようにインバータ24を制御する。
次に、単独運転検出装置28は分散電源設備が単独運転となったか否かを検出するものであり、分散電源設備が単独運転となったときは受電端の遮断器15を開き、単独運転制御装置29を起動する。単独運転制御装置29は、分散電源設備が単独運転となったときに、単独運転となる前の状態において電力系統への向きの潮流となっていた場合は、瞬時に蓄電池23を充電運転に切換、余剰分の交流電力を蓄電池23に充電する。また、交流分散電源17や直流分散電源18さらには二次電池23で、構内系統16のすべての負荷を賄えるかどうかを判定し、その構内系統16のすべての負荷を賄えないときは、開閉器19や直流開閉器21を選択的に開き選択的に負荷遮断を行う。この場合、負荷の重要度を予め定めておき重要度の高い負荷を優先して分散電源設備の単独運転を行う。
受電端電圧判定部30は電圧変成器26で検出された受電端電圧を入力し、受電端電圧が所定電圧であるか否かを判定する。系統並列装置31は分散電源設備が単独運転となった後に、受電端電圧判定部30により電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されたときに起動される。
系統並列装置31は、分散電源設備を電力系統の母線14に連系させるものである。系統並列装置31には、電圧変成器32で検出された分散電源設備の出力電圧及び電圧変成器26で検出された電力系統の受電端電圧が入力される。系統並列装置31は、電圧変成器32で検出された分散電源設備の出力電圧と、電圧変成器26で検出された電力系統の受電端電圧との同期を取り、同期が取れたときは受電端の遮断器15を閉じる。これにより、分散電源設備は電力系統に連系される。そして、負荷遮断した負荷の開閉器19や直流開閉器21を順次閉じて受電を再開させる。
図2は本発明の実施の形態に係る分散電源設備の系統連系復旧装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず、分散電源設備が単独運転になったか否かを判定する(S1)。この判定は、単独運転検出装置28により行われる。単独運転となったときは、単独運転検出装置28は受電端の遮断器15を開く(S2)。これにより、単独運転制御装置29が起動され、単独運転で構内系統16のすべての負荷を賄えるかどうかを判定し(S3)、分散電源設備の単独運転で構内系統16のすべての負荷を賄えるときは分散電源設備の単独運転を行う(S4)。
一方、分散電源設備の単独運転で構内系統16のすべての負荷を賄えないときは、単独運転検出装置28は選択的に負荷遮断を行い(S5)、分散電源設備による単独運転が可能な状態として分散電源設備の単独運転を行う(S4)。
そして、分散電源設備の単独運転が開始されると、受電端電圧判定部30は受電端電圧が回復したか否かを判定する(S6)。これは、受電端電圧が所定値以上となったことで判定する。そして、ステップ(S6)の判定で受電端電圧が回復しないときは、受電端電圧が回復するまで単独運転を継続する。
ステップ(S6)の判定で受電端電圧が回復すると、系統並列装置31は、分散電源設備の出力電圧と受電端電圧との同期を取り、同期が取れたときは受電端の遮断器15を閉じる(S7)。そして、ステップS5で選択的に遮断した負荷があるか否かを判定し(S8)、負荷があるときは順次負荷を接続して受電を再開して(S9)、さらに蓄電池への充電も終了させ、処理を終了する。
図3は本発明の実施の形態に係る分散電源設備の系統連系復旧装置の動作の他の一例を示すフローチャートである。この一例は、図2に示した一例に対し、所定時間内に受電端電圧が回復しないときは、電力系統への連系をせずに単独運転を継続するようにしたものである。この場合の所定時間は、電力系統に事故が発生して再閉路するまでの時間に余裕時間を加えた時間とする。これにより、再閉路しても事故が回復しないときは、電力系統への連系はしない。図2と同一ステップには同一符号を付し重複する説明は省略する。
図3のステップS1〜ステップS5は、図2のステップS1〜ステップS5と同じである。すなわち、単独運転検出装置28は分散電源設備が単独運転であることを検出すると(S1)、受電端の遮断器15を開き(S2)、単独運転制御装置29は単独運転が可能となるように必要に応じて選択的に負荷遮断を行い(S5)、分散電源設備の単独運転を行う(S4)。
そして、分散電源設備の単独運転が開始されると、受電端電圧判定部30は所定時間内に受電端電圧が回復したか否かを判定する(S6’)。所定時間内に受電端電圧が回復すると、分散電源設備の出力電圧と受電端電圧との同期を取り、同期が取れたときは受電端の遮断器15を閉じる(S7)。そして、ステップS5で選択的に遮断した負荷があるか否かを判定し(S8)、負荷があるときは順次負荷を接続して受電を再開して(S9)、処理を終了する。一方、ステップS6’の判定で所定時間が経過しても受電端電圧が回復しないときは、単独運転を継続する(S10)。これは、所定時間を経過しても受電端電圧が回復しないときは、電力系統を再閉路しても事故が回復しなかった場合であり、一過的な事故ではないからである。
このように、本発明の実施の形態では、電力系統の送電線事故時に分散電源設備を電力系統から切り離し、必要に応じて選択的に負荷を遮断して単独運転を行い、送電線の自動再閉路後に合わせて電力系統の受電端電圧を検出し、再閉路に成功なら分散電源設備を電力系統に連系し、遮断した負荷があれば順次受電を再開する。一方、送電線の再閉路が不成功なら、分散電源設備の単独分だけで可能な限り運転を継続する。
従って、電力系統に一過的な事故が発生してその事故が復旧した場合には、早急に分散電源を電力系統に連系復旧できるので、分散電源設備を有効活用できる。
このように、一過的な事故により分散電源の脱落を防止できるので、特に容量が小さい電力系統の場合には電力の擾乱を有効に防止できる。
11…送電線、12…遮断器、13…変圧器、14…母線、15…受電端の遮断器、16…構内系統、17…交流分散電源、18…直流分散電源、19…開閉器、20…交流負荷、21…直流開閉器、22…直流負荷、23…二次電池、24…インバータ、25…制御装置、26…電圧変成器、27…位相同期回路、28…単独運転検出装置、29…単独運転制御装置、30…受電端電圧判定部、31…系統並列装置、32…電圧変成器
Claims (3)
- 分散電源設備及び二次電池を有した構内系統の前記分散電源設備が単独運転となったときは前記構内系統を電力系統に接続する受電端の遮断器を開く単独運転検出装置と、
前記分散電源設備が単独運転となったときに充電運転中の前記二次電池を含めた前記構内系統のすべての負荷を賄えないときは選択的に負荷遮断を行ってから前記分散電源設備の単独運転を行う単独運転制御装置と、
前記電力系統の受電端電圧が所定電圧であるか否かを判定する受電端電圧判定部と、
前記分散電源設備が単独運転となった後に前記受電端電圧判定部により前記電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されたときは前記分散電源設備の出力電圧と前記電力系統の受電端電圧の同期を取って前記受電端の遮断器を閉じ負荷遮断した負荷を順次受電再開させる系統並列装置とを備えたことを特徴とする分散電源設備の系統連系復旧装置。 - 前記系統並列装置は、所定時間内に前記受電端電圧判定部により前記電力系統の受電端電圧が所定電圧であると判定されときのみ、前記受電端の遮断器を閉じて系統並列することを特徴とする請求項1に記載の分散電源設備の系統連系復旧装置。
- 分散電源設備及び二次電池を有した構内系統の前記分散電源設備が単独運転となったときは前記構内系統を電力系統に接続する受電端の遮断器を開き、
前記分散電源設備を単独運転した場合に充電運転中の前記二次電池を含めた前記構内系統のすべての負荷を賄えないときは選択的に負荷遮断を行って単独運転を行い、
前記電力系統の受電端電圧が所定電圧に回復したときは前記分散電源設備の出力電圧と前記電力系統の受電端電圧の同期を取って前記受電端の遮断器を閉じ、
負荷遮断した負荷を順次受電再開させることを特徴とする分散電源設備の系統連系復旧方法。
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JP2010193553A JP2012055033A (ja) | 2010-08-31 | 2010-08-31 | 分散電源設備の系統連系復旧装置及び方法 |
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WO2016194649A1 (ja) * | 2015-05-29 | 2016-12-08 | 株式会社 東芝 | 直流送電システム、その中央サーバ、及び直流送電経路の事故後の復旧方法 |
KR20200098927A (ko) * | 2019-02-13 | 2020-08-21 | 충북대학교 산학협력단 | 전력변환장치 기반 분산전원이 도입된 배전계통의 고장 복구 방법 및 시스템 |
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