JP2012051034A - 被加工物の加工方法および被加工物の分割方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超短パルスのパルスレーザー光の個々の単位パルス光ごとの被照射領域が被加工物において離散的に形成されるようにパルスレーザー光を被加工物に照射し、個々の単位パルス光が被照射位置に照射される際の衝撃もしくは応力によって、被照射領域同士の間で被加工物の劈開もしくは裂開を順次に生じさせることにより、被加工物に分割のための起点を形成する。
【選択図】図1
Description
まず、以下に示す本発明の各実施の形態において実現される加工の原理を説明する。本発明において行われる加工は、概略的に言えば、パルスレーザー光(以下、単にレーザー光とも称する)を走査しつつ被加工物の上面に照射することによって、個々のパルスごとの被照射領域の間で被加工物の劈開もしくは裂開を順次に生じさせていき、それぞれにおいて形成された劈開面もしくは裂開面の連続面として分割のための起点(分割起点)を形成するものである。
第1加工パターンは、a1軸方向、a2軸方向、a3軸方向のいずれかと加工予定線とが平行な場合の劈開/裂開加工の態様である。より一般的にいえば、劈開/裂開容易方向と加工予定線の方向とが一致する場合の加工態様である。
第2加工パターンは、a1軸方向、a2軸方向、a3軸方向のいずれかと加工予定線とが垂直な場合の劈開/裂開加工の態様である。なお、第2加工パターンにおいて用いるレーザー光の条件は、第1加工パターンと同様である。より一般的にいえば、相異なる2つの劈開/裂開容易方向に対して等価な方向(2つの劈開/裂開容易方向の対称軸となる方向)が加工予定線の方向となる場合の加工態様である。
第3加工パターンは、超短パルスのレーザー光を用いる点、a1軸方向、a2軸方向、a3軸方向のいずれかと加工予定線とが垂直である(相異なる2つの劈開/裂開容易方向に対して等価な方向が加工予定線の方向となる)点では、第2加工パターンと同様であるが、レーザー光の照射態様が第2加工パターンと異なる。
次に、上述した種々の加工パターンによる加工を実現可能なレーザー加工装置について説明する。
観察部50Bは、ステージ7に載置された被加工物10に対してステージ7の上方から落射照明光源S1からの落射照明光L1の照射と斜光照明光源S2からの斜光透過照明光L2の照射とを重畳的に行いつつ、ステージ7の上方側からの表面観察手段6による表面観察と、ステージ7の下方側からの裏面観察手段16による裏面観察とを、行えるように構成されている。
レーザー光源SLとしては、波長が500nm〜1600nmのものを用いる。また、上述した加工パターンでの加工を実現するべく、レーザー光LBのパルス幅は1psec〜50psec程度である必要がある。また、繰り返し周波数Rは10kHz〜200kHz程度、レーザー光の照射エネルギー(パルスエネルギー)は0.1μJ〜50μJ程度であるのが好適である。
光路設定手段5は、レーザー光が被加工物10に照射される際の光路を設定する部位である。光路設定手段5によって設定された光路に従って、被加工物の所定の照射位置(被照射領域の形成予定位置)にレーザー光が照射される。
コントローラ1は、上述の各部の動作を制御し、後述する種々の態様での被加工物10の加工処理を実現させる制御部2と、レーザー加工装置50の動作を制御するプログラム3pや加工処理の際に参照される種々のデータを記憶する記憶部3とをさらに備える。
レーザー加工装置50においては、加工処理に先立ち、観察部50Bにおいて、被加工物10の配置位置を微調整するアライメント動作が行えるようになっている。アライメント動作は、被加工物10に定められているXY座標軸をステージ7の座標軸と一致させるために行う処理である。係るアライメント処理は、上述した加工パターンでの加工を行う場合に、被加工物の結晶方位と加工予定線とレーザー光の走査方向とが各加工パターンにおいて求められる所定の関係をみたすようにするうえで重要である。
次に、本実施の形態に係るレーザー加工装置50における加工処理について説明する。レーザー加工装置50においては、レーザー光源SLから発せられ光路設定手段5を経たレーザー光LBの照射と、被加工物10が載置固定されたステージ7の移動とを組み合わせることによって、光路設定手段5を経たレーザー光を被加工物10に対して相対的に走査させつつ被加工物10の加工を行えるようになっている。
次に、光路設定手段5の具体的構成と、その動作の例について、主にマルチモードにおける動作を対象に説明する。
2 制御部
3 記憶部
4 透明シート
5 光路設定手段
7 ステージ
7m 移動機構
10 被加工物
50 レーザー加工装置
53 ハーフミラー
54 ミラー
55 光路選択機構
C1〜C3、C11a、C11b、C21〜C24 劈開/裂開面
D (ステージ7の)移動方向
L 加工予定線
LB、LB0、LB1、LB2 レーザー光
RE、RE1〜RE4、RE11〜RE15、RE21〜RE25 被照射領域
SL レーザー光源
SW 光学スイッチ
Claims (17)
- 被加工物に分割起点を形成するための加工方法であって、
パルスレーザー光の個々の単位パルス光ごとの被照射領域が被加工物において離散的に形成されるように前記パルスレーザー光を前記被加工物に照射することによって、前記被照射領域同士の間で被加工物の劈開もしくは裂開を順次に生じさせることにより、前記被加工物に分割のための起点を形成する、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 被加工物に分割起点を形成するための加工方法であって、
パルスレーザー光の個々の単位パルス光が被加工物に離散的に照射されるように前記パルスレーザー光を被加工物に照射し、前記個々の単位パルス光が被照射位置に照射される際の衝撃もしくは応力によって直前にもしくは同時に照射された前記単位パルス光の被照射位置との間に劈開もしくは裂開を生じさせることにより、前記被加工物に前記分割のための起点を形成する、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 請求項1または請求項2に記載の加工方法であって、
前記パルスレーザー光が、パルス幅がpsecオーダーの超短パルス光である、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の加工方法であって、
少なくとも2つの前記被照射領域を、前記被加工物の劈開もしくは裂開容易方向において隣り合うように形成する、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 請求項4に記載の加工方法であって、
前記少なくとも2つの前記被照射領域の形成を、前記被加工物の相異なる2つの前記劈開もしくは裂開容易方向において交互に行う、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 請求項4に記載の加工方法であって、
全ての前記被照射領域を、前記被加工物の劈開もしくは裂開容易方向に沿って形成する、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の加工方法であって、
前記被照射領域を、前記被加工物の相異なる2つの劈開もしくは裂開容易方向に対して等価な方向において形成する、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の加工方法であって、
前記パルスレーザー光の出射源と前記被加工物とを相対移動させつつ、前記パルスレーザー光の出射方向を当該相対移動方向と垂直な面内にて周期的に変化させることによって、前記被加工物に千鳥状の配置関係をみたす複数の前記被照射領域を形成する、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の加工方法であって、
前記パルスレーザー光の複数の出射源と前記被加工物とを相対移動させつつ、前記複数の出射源のそれぞれからの前記単位パルス光の照射タイミングを周期的に変化させることによって、前記被加工物に千鳥状の配置関係をみたす複数の前記被照射領域を形成する、
ことを特徴とする被加工物の加工方法。 - 被加工物を分割する方法であって、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の方法によって分割起点が形成された被加工物を、前記分割起点に沿って分割する、
ことを特徴とする被加工物の分割方法。 - パルスレーザー光を発する光源と、
被加工物が載置されるステージと、
を備えるレーザー加工装置であって、
前記パルスレーザー光の個々の単位パルス光ごとの被照射領域が前記ステージに載置された前記被加工物において離散的に形成されるように前記ステージを移動させつつ前記パルスレーザー光を前記被加工物に照射することによって、前記被照射領域同士の間で被加工物の劈開もしくは裂開を順次に生じさせることにより、前記被加工物に分割のための起点を形成する、
ことを特徴とするレーザー加工装置。 - パルスレーザー光を発する光源と、
被加工物が載置されるステージと、
を備えるレーザー加工装置であって、
前記パルスレーザー光の個々の単位パルス光が前記ステージに載置された前記被加工物に離散的に照射されるように前記ステージを移動させつつ前記パルスレーザー光を被加工物に照射し、前記個々の単位パルス光が被照射位置に照射される際の衝撃もしくは応力によって直前にもしくは同時に照射された前記単位パルス光の被照射位置との間に劈開もしくは裂開を生じさせることにより、前記被加工物に前記分割のための起点を形成する、
ことを特徴とするレーザー加工装置。 - 請求項11または請求項12に記載のレーザー加工装置であって、
前記光源から発せられた前記パルスレーザー光が前記被加工物に対して照射される際の前記パルスレーザー光の光路を実際にあるいは仮想的に複数設定するとともに、前記パルスレーザー光の前記個々の単位パルス光が前記被加工物に対して照射される際の光路を、設定した複数の光路の中で順次に切り替える光路設定手段、
をさらに備えることを特徴とするレーザー加工装置。 - 請求項13に記載のレーザー加工装置であって、
前記光源からの前記単位パルス光の出射タイミングに、前記光路設定手段による光路の切り替えタイミングを同期させることにより、個々の前記単位パルス光による被照射領域の形成予定位置に対し、前記複数の光路のうちの前記形成予定位置に対応する光路にて前記単位パルス光を照射する、
ことを特徴とするレーザー加工装置。 - 請求項13または請求項14に記載のレーザー加工装置であって、
前記光路設定手段は、前記光源から発せられた前記パルスレーザー光の光路を複数に分岐させることにより前記複数の光路を設定し、前記パルスレーザー光の前記個々の単位パルス光が前記被加工物に対して照射される際の光路を、前記複数の光路の中で順次に切り替える、
ことを特徴とするレーザー加工装置。 - 請求項15に記載のレーザー加工装置であって、
前記光路設定手段が、前記複数の光路を通る前記パルスレーザー光のうち、前記被加工物に被照射領域を形成するタイミングに達した前記パルスレーザー光のみを前記被加工物に対して出射させるとともに前記タイミングに達していない前記パルスレーザー光を遮断もしくは減衰させることにより、前記パルスレーザー光の前記個々の単位パルス光が前記被加工物に対して照射される際の光路を、前記複数の光路の中で順次に切り替える、
ことを特徴とするレーザー加工装置。 - 請求項16に記載のレーザー加工装置であって、
前記光路設定手段が、前記複数の光路を通る前記パルスレーザー光のそれぞれに対し、前記被加工物に対し照射させる通過状態と遮断もしくは減衰させる非通過状態とを設定可能な光路選択機構を備え、
前記光路選択機構は、前記複数の光路を通る前記パルスレーザー光のうち、前記被加工物に被照射領域を形成するタイミングに達した前記パルスレーザー光のみを通過状態とし、前記被加工物に対して出射させるとともに前記タイミングに達していない前記パルスレーザー光を非通過状態とする、
ことを特徴とするレーザー加工装置。
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