JP2012047006A - フェンスの支柱支持構造 - Google Patents

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昭 中西
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Abstract

【課題】結線格子網を支柱に取付けたフェンスであって、地面に打ち込んだ鋼管基礎にモルタルを使用することなく支柱を起立して取付ける支柱支持構造の提供。
【解決手段】鋼管基礎3の上端に連結プレート12を固定し、また支柱下端にも連結プレート14を固定し、この両連結プレート12,14の少なくとも片方にはボルトが嵌る大きさのネジ溝15,15・・・を設け、ネジ溝15,15・・・にボルトを挿通して両連結プレート12,14をボルト締めする。
【選択図】図7

Description

本発明は敷地内への人、又は野獣などの侵入を防止する為に設置されるフェンスの支柱支持構造に関するものである。
山地に近い農地や果樹園では、イノシシやクマ、シカなどが出没して作物に甚大な被害を受けている地域がある。特に、農家では付加価値の高い作物、例えばミカン、ぶどう、びわ、栗、メロン、西瓜等の栽培には力を入れており、収穫期にこれらを食い荒らされると、農家では大きな痛手となる。
このような農作物を荒らすイノシシやクマは罠等を設置したり、捕獲隊を動員して捕獲しているが、人手がかかり、十分な対策はなされていない。しかも、近年では動物愛護の世界的な高まりの中で、そのような対策をとることは、動物愛護団体その他の各方面から批判が出てくる可能性もある。
一方、猪等の野獣を農地から撃退するために電気牧柵器が従来より使用されてきた。これは、農地の回りに裸電線を張り巡らし、裸電線に高い電圧のパルスを加えて、裸電線に触れた野獣に電撃を与え、以後は裸電線に近づかなくなるという習性を利用したものである。
特開平6−225680号に係る「猿害防止装置」は、猿の侵入を防止すべき境界線に沿って所定間隔で立設された支柱と、これらの支柱間に張設されたネットと、このネットの上部に架設され前記支柱により垂直ないし斜め方向に所定間隔を隔てて電気的に絶縁された状態で支持された裸電線と、同裸電線に衝撃電流を流す電源装置とを備えた猿害防止装置である。
特開2009−106215号に係る「獣害防止電気柵」は、獣害防止電気柵を改善して、猿等の動物がより感電しやすい構造としている。
そこで、所定間隔で立設された複数の支柱と、各支柱間に張設された導電性のネットフェンスと、各支柱間においてネットフェンスの上縁から所定の高さ位置までを覆うようにネットフェンスの柵外側に張設された不透明のシートと、柵外側においてシートの面に対して垂直な方向に所定の距離だけ離隔して水平方向に架設された少なくとも1本の電線と、少なくとも1本の電線とネットフェンスの間に高電圧を印加する手段と、を備えた獣害防止電気柵である。
従来の一般的なフェンスは所定の間隔を隔てて複数本の支柱が起立し、これら支柱にネットが取付けられている。ネットは複数本の縦線材と複数本の横線材が互いにクロスして形成され、網目が縦横方向に作られている。そして、横線材が支柱に金具を介して固定される。金具の形態は色々あるが、一般的には先端がU形を成したネジであり、横線材はU形金具に係合して支柱との間に挟まれてネジ止めされる。
ところで、上記支柱は鋼管基礎の穴に嵌って起立しているが、鋼管基礎は地面に打ち込まれて固められている。そして、鋼管基礎に嵌った支柱は外れないようにモルタルを詰めて固定される。すなわち、鋼管基礎の穴と支柱の隙間にモルタルが詰められて固定しているが、このモルタル詰めの作業は非常に面倒である。従って、1本の支柱を取付ける作業工数は大きくなり、施工費が嵩む結果となる。特に、モルタルの持ち運びも面倒であり、山中ともなれば重労働となる。
また、鋼管基礎の穴と支柱間にモルタルを詰めて該支柱を起立させるが、モルタルが片寄ることで全ての支柱が垂直に起立することは容易でなく、僅かに傾斜する場合もある。 一方、鋼管基礎を鉛直に打ち込むことは容易でない。特に傾斜した山の斜面に鋼管基礎を打ち込む作業は面倒であると共に鉛直に起立させることが出来ず、その結果、傾斜した鋼管基礎に嵌って取付けられる支柱も傾斜してしまう。
さらに、フェンスを構成する結線格子網は各支柱に取付けられるが、これら複数本の支柱は結線格子網が延びる線上に起立しなくてはならないが、鋼管基礎に位置ズレが生じた場合には各支柱は所定の位置に起立することが出来ず、引き抜いて再び打ち直しをしなくてはならない。
特開平6−225680号に係る「猿害防止装置」 特開2009−106215号に係る「獣害防止電気柵」
このように、従来のフェンスを支える支柱の支持構造には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、鋼管基礎に支柱を取り付けるに際して従来のようなモルタルを使用することなく、鋼管基礎が多少傾いて地面に打ち込まれた場合であっても、また、結線格子網が延びる線上から鋼管基礎が多少位置ズレした場合であっても、支柱を正しく起立することが出来、しかも外れる虞のないフェンスの支柱支持構造を提供する。
ここで、フェンスの具体的な構造は限定せず、またフェンスに侵入しようとする動物が感電する裸電線を張設するか否か自由である。
本発明に係るフェンスを支える支柱の支持構造は、従来と同じように鋼管基礎を地面に打ち込み、この鋼管基礎の上端に支柱を取付けている。そこで、鋼管基礎の上端には連結プレートを溶接などで固定し、支柱の下端にも連結プレートを溶接などで固定している。そこで、基本的には鋼管基礎上端の連結プレート上に支柱下端の連結プレートを載置した状態でボルト締めして取付けられる。
ところで、少なくとも片方の連結プレートにはボルトが嵌るネジ溝を形成している。すなわち、ネジ穴ではなく鋼管基礎上端の連結プレートに対して支柱下端の連結プレートの位置をズラした状態でボルト締めが出来るようにネジ溝としている。ここで、ネジ溝の具体的な形状は限定しないが、鋼管基礎の連結プレートに対して左右前後方向に位置をズラせることが可能なネジ溝としている。そして、上下の連結プレートの間に嵌めることが出来る介在プレートを設けている。この介在プレートの大きさ及び形状は限定しないが、座金のような小さいリング体であってもよく、又は連結プレートの1/2以下の長方形でもよい。
本発明の支柱支持構造は、鋼管基礎の上端に固定した連結プレートに支柱下端に固定した連結プレートを載せてボルト締めして構成したものであり、従来のようなモルタルを使用しない為に作業性はよい。フェンスは平地に設けた農地や果樹園に設置されるだけでなく、山間部を切り開いて設けた高速道路へのイノシシやクマ、シカなどの侵入防止柵として使用する場合も多く、特に山間部に設置する場合には鋼管基礎に嵌めた支柱を固定する為のモルタルを現場へ運搬する必要がなく、作業性が大きく向上する。すなわち、地面に打ち込んだ鋼管基礎の上端に支柱をボルト締めるだけで取付け出来る。
そして、鋼管基礎の上端には連結プレートが固定され、支柱下端にも連結プレートが固定され、これら連結プレートの少なくとも片方にはネジ溝が形成されることで、鋼管基礎が位置ズレして打ち込まれた場合でも起立する支柱の位置を調整してボルト締め出来る。 また、鋼管基礎が傾斜して打ち込まれた場合には介在プレートを両連結プレート間に挟み込んでボルト締め出来、鉛直に正しく起立した支柱に結線格子網を取付け出来る。
本発明の支柱支持構造を備えたフェンスの実施例。 結線格子網を支柱に取付けるフック金具の具体例。 フック金具によって結線格子網を支柱に固定した実施例。 上端に連結プレートを溶接した鋼管基礎の具体例。 下端に連結プレート溶接した支柱の具体例。 両連結プレートをボルト締めすることで鋼管基礎の上に支柱を起立した本発明の実施例。 支柱が位置ズレした状態の本発明の支柱支持構造。 支柱が位置ズレすると共に傾いている状態での本発明の支柱支持構造。 両連結プレートの間にセットされる介在プレートの具体例。 十字形のネジ溝。
図1はフェンスを表している実施例であり、同図の1は結線格子網、2は支柱、3は鋼管基礎をそれぞれ示している。基本的なフェンス構造は従来と同じであり、地面に打ち込んで固定した鋼管基礎3の上端に支柱2を載せて起立し、この支柱2に結線格子網1を取付けている。該支柱2,2・・・は一定間隔で設けられ、結線格子網1はフック金具を介して取付けられる。該結線格子網1はフェンスの1具体例であり、他の形態とする場合もある。
ここで、しかも結線格子網1の具体的な網目構造は限定せず、また結線格子網1を支柱2に取付けるフック金具の形態も自由である。図1に示す結線格子網1は複数本の縦線材9,9・・・と複数本の横線材8,8・・・にて構成している。そして縦線材9,9・・・は一定間隔で配列し、横線材8,8・・・は下側の間隔は小さく、上側の間隔は粗くなって配列している。
図2はフック金具4を示す具体例であり、フック5はU字状に湾曲しており、基部6の先端側にはネジ部11が形成されている。そして、ネジ部11が形成されている基部6にはナット7が螺合している。図3は該フック金具4を用いて結線格子網1を支柱2に固定している場合である。
結線格子網1を構成している横線材8をU字状のフック5に係止し、支柱側面10との間に挟み込むことが出来る。すなわち、支柱2には穴が貫通し、この穴に基部6が挿通されると共にナット7をネジ部11に螺合するならば、フック5に係止した横線材8は支柱側面10との間に挟まれる。ここで、支柱2のフック側にはフック先端が嵌る別の穴も形成されていて、ナット7を締付けた場合のフック5の回転を防止している。
図4は鋼管基礎3を示す実施例であり、所定の長さと外径を有すパイプとして構成している。そして、上端には四角形の連結プレート12が溶接にて固定されている。該連結プレート12の形状は四角形に限るものではなく円形でもよいが、中心から等間隔で4個のネジ穴13,13・・・が貫通している。ここで、連結プレート12は鋼管基礎3の外径に対してある程度大きな面積を有している。
図5は支柱2を示しているが、該支柱2の下端には連結プレート14が溶接にて固定されている。この連結プレート14は上記鋼管基礎3の上端に溶接した連結プレート12と同じく四角形とし、そして各コーナー部にはネジ溝15,15・・・を設けている。このネジ溝15はH形を有し、ネジ溝15の溝幅はボルトが挿通可能な大きさと成っている。
図6は鋼管基礎3の上に支柱2を取付けた場合であるが、同図に示すように鋼管基礎3の上端に固定した連結プレート12の上に支柱下端の連結プレート14が載置され、この状態でボルト締めされる。すなわち、両連結プレート12と14がボルト締めされることで支柱2は鋼管基礎3の上に取付けられて起立することが出来る。
ところで、連結プレート14に形成したH形のネジ溝15から連結プレート12のネジ穴13にボルトが挿通され、ネジ穴13から下方へ突出したボルトのネジ部にナットが螺合して締付けられる。勿論、下側の連結プレート12のネジ穴13からボルトを挿通して上側の連結プレート14のネジ溝15から突出したネジ部にナットを螺合することもある。また、連結プレート12のネジ穴13と同軸を成して下面にナットを溶接しておくならば、手軽にボルト締めすることが可能となる。
同図に示す支柱2は鋼管基礎3とその中心軸が一致して起立しているが、本発明では支柱2の中心軸が鋼管基礎3から位置ズレしても取着することが出来る構造としている。図7はその具体例を示し、支柱2は鋼管基礎3に対して左側後方へ位置ズレして起立している。すなわち、鋼管基礎3の中心軸と支柱2の中心軸は一致していない。
支柱下端に溶接した連結プレート14にはH形のネジ溝15,15・・・が形成され、その為に該H形ネジ溝15の範囲内で連結プレート14が位置ズレしても鋼管基礎上端の連結プレート12とボルト締めすることが出来る。図7ではH形のネジ溝15の先端にボルトが嵌って連結プレート12のネジ穴13に挿通し、連結プレート12の下面側に配置したナットにて締付けられている。
一方、本発明では鋼管基礎3が傾いて地面に打ち込まれた場合であっても支柱2を鉛直に起立して取付けることが出来るように構成している。図8はその具体例を示している。同図では鋼管基礎3に対して支柱2は右側へ傾いているが、実際には下側の鋼管基礎3が傾いた状態で地面に打ち込まれ、支柱2は水平面に対して垂直となるように鉛直に起立している。すなわち、本発明は山の傾斜面に打ち込んだ鋼管基礎3が傾いた状態であっても、支柱2は鉛直に起立して取付け出来るようにしている。
また、支柱2は傾くと同時に鋼管基礎3に対して右側方向へ位置ズレして取り付けられている。鋼管基礎3の上端に固定した連結プレート12と支柱下端に固定した連結プレート14の間には介在プレート16がセットされている。すなわち、連結プレート12の左側に介在プレート16をセットし、この状態で連結プレート14を載置してボルト締めしている。従って、支柱2は鋼管基礎3に対して傾斜して起立することが出来る。
図9は上記介在プレート16を示し、その形状は長方形の板状体である。そして、両端部には2個のネジ穴17,17が貫通して設けられており、このネジ穴17,17は鋼管基礎3の連結プレート12に設けているネジ穴13,13の位置と一致している。勿論、長方形をした介在プレート16に限るものではなく、リング状のプレート(座金)とする場合もある。
ところで、鋼管基礎3の上端に固定した連結プレート12には円形のネジ穴13,13・・・を設けているが、この連結プレート12にも支柱下端の連結プレート14と同じくネジ溝15,15・・・を形成してもよい。両連結プレート12,14にネジ溝15,15・・・を形成するならば、鋼管基礎3に対しての支柱2の位置ズレ距離を大きくすることが可能である。また、鋼管基礎3の傾きが大きい時には両連結プレート12,14の間に複数枚の介在プレート16,16・・・を重ねてセットすることも出来る。
そして、上記連結プレート14に形成したネジ溝15はH形であるが、図10に示すように十字形状とすることも出来、ネジ溝15の形状は自由である。そして、鋼管基礎3の連結プレート12に起立したボルトを前以て固定しおくことも可能であり、このボルトを連結プレート14のネジ溝15の適当な位置に嵌めてナットで締付け固定することが出来る。
1 結線格子網
2 支柱
3 鋼管基礎
4 フック金具
5 フック
6 基部
7 ナット
8 横線材
9 縦線材
10 側面
11 ネジ部
12 連結プレート
13 ネジ穴
14 連結プレート
15 ネジ溝
16 介在プレート
17 ネジ穴















Claims (4)

  1. 地面に打ち込んだ鋼管基礎に支柱を固定して起立し、この支柱に結線格子網を取付けたフェンスであって、上記結線格子網が取付けられる支柱の支持構造において、鋼管基礎の上端に連結プレートを固定し、また支柱下端にも連結プレートを固定し、この両連結プレートの少なくとも片方にはボルトが嵌る大きさのネジ溝を設け、ネジ溝にボルトを挿通して両連結プレートをボルト締めすることで鋼管基礎の上に支柱を起立したことを特徴とするフェンスの支柱支持構造。
  2. 地面に打ち込まれた鋼管基礎が傾いている場合、上記両連結プレートの片側に介在プレートをセットして支柱を鉛直に起立した請求項1記載のフェンスの支柱支持構造。
  3. 上記ネジ溝の形状をH形とした請求項1、又は請求項2記載のフェンスの支柱支持構造。
  4. 上記ネジ溝の形状を十字形とした請求項1、又は請求項2記載のフェンスの支柱支持構造。


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