JP2012045501A - ナノろ過設備の機能予測方法及び該予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続式及び回分式のナノろ過設備を対象に、運転の進行に伴う成分組成、特に1価陰イオン及び1価陽イオンの変化、また、1価イオンに対する膜の阻止性能の変化などを考慮して、商用ナノろ過設備における濃縮及び脱塩の機能を精度よく予測し、容易に商用設備の設計を行うことを可能にするナノろ過設備の機能予測方法及び該予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法を提供する。
【解決手段】ナノろ過設備1の機能を予測する方法であって、透過流束に関する2つの特性値a,bと塩類阻止特性に関する2つの特性値α,βをパラメータにして定式化したプロセスモデルを用いることにより、供給液の成分組成の変化に連動するナノろ過膜3の阻止性能の変化を反映させてナノろ過設備1の機能を予測するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】ナノろ過設備1の機能を予測する方法であって、透過流束に関する2つの特性値a,bと塩類阻止特性に関する2つの特性値α,βをパラメータにして定式化したプロセスモデルを用いることにより、供給液の成分組成の変化に連動するナノろ過膜3の阻止性能の変化を反映させてナノろ過設備1の機能を予測するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば液状食品の濃縮/脱塩に用いる商用規模の1段式または多段式ナノろ過設備の機能を、ナノろ過試験装置での試験結果から精度よく予測するナノろ過設備の機能予測方法及び該予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法に関する。
従来、例えば食品製造分野では、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、塩素イオン(Cl)といった1価イオンと水が透過して、濃縮と脱塩を同時に行えることから、ホエイ、脱脂乳、野菜汁などの液状食品の濃縮/脱塩に、ナノろ過設備(ナノろ過装置)が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
一方で、ナノろ過設備の機能は、原料液(被処理液、供給液)の濃度や組成、供給流量、運転圧力等に影響されることが知られ、特に、ホエイや脱脂乳の脱塩に関して多くの検討がなされている。そして、ナノろ過(NF)では、脱塩が進むにつれて成分組成が徐々に変化し、この成分組成の変化に伴ってNF膜の阻止性能が変化するため、適切な設備設計や操作条件の設定が難しいことが指摘されている(例えば、非特許文献2参照)。
これに対し、特許文献1には、簡素な構成のナノろ過試験装置を用いて、水処理を目的とした一過式ナノろ過設備の処理機能を予測する方法が開示されている。また、非特許文献3には、2段連続式のナノろ過設備の機能予測方法が開示されている。さらに、非特許文献4及び非特許文献5には、限外ろ過膜などの透過性膜を用い、回分や透析ろ過により膜透過性成分を除去する際の除去挙動を示す数式が開示されている。
佐藤幾郎、土井豊彦、桜井一美:化学工学論文集、26(6)、p.816〜822、2000
永田和仁、柚木英明、安田淳哉、小久保謙一、伊東章、渡辺敦夫:化学工学会第33回秋季大会講演要旨集、T120、2000
Mohan Noronha、Valko Mavrov、Horst Chmiel:Desalination 145、p.207〜215、2002
山内邦男、横山健吉編集:ミルク総合事典、p.395、朝倉書店、1992年
大矢晴彦、渡辺敦夫監修:食品膜技術−膜技術利用の手引き−、p.267〜268、光琳、平成11年9月30日
しかしながら、特許文献1においては、想定の設備フローが一過式、すなわち連続式であるため、被処理液(供給液)の組成を一定にしており、非特許文献2で指摘される運転の進行に伴う成分変化が考慮されていない。また、液状食品をナノろ過によって脱塩する場合には、液状食品に1価イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン)だけでなく、多価イオンも存在するため、被処理液中の1価陰イオン及び1価陽イオンの濃度がバランスしないことに起因して挙動が複雑になるが、特許文献1においては、この複雑な挙動が考慮されていない。すなわち、非特許文献2で指摘される難しさは、特許文献1では解決することができない。
また、ナノろ過設備の運転方法には、連続、回分、透析ろ過などの方法があるが、非特許文献3は、連続プロセスのみが記載され、回分式プロセスについての記載がない。さらに、非特許文献3では、被処理液のモデルとして食塩水を想定しているため、脱塩除去されるのはナトリウムイオン及び塩素イオンとなり、1価陰イオンと1価陽イオンの濃度がバランスした単純な組成になる。このため、イオン成分の組成が非特許文献3の想定よりはるかに複雑になる実際の液状食品への適用は難しく、非特許文献3の知見だけでは、液状食品のナノろ過挙動を予測することはできない。
さらに、非特許文献4及び非特許文献5では、除去能力に関するパラメータの透過率あるいは阻止率を定数としているが、ナノろ過においては、膜の阻止性能が運転の進行とともに変化するため、透過率あるいは阻止率を定数として扱うことは適当でなく、やはり非特許文献2で指摘される難しさを、非特許文献4及び非特許文献5で解決することはできない。
このため、食品製造分野では、連続式及び回分式のナノろ過設備を対象に、運転の進行に伴う成分組成、特に1価陰イオン及び1価陽イオンの変化、また、1価イオンに対する膜の阻止性能の変化などを考慮して、商用ナノろ過設備における濃縮及び脱塩の機能を精度よく予測し、容易に商用設備の設計を行うことを可能にする手法が強く望まれていた。
請求項1記載のナノろ過設備の機能予測方法は、ナノろ過設備の機能を予測する方法であって、透過流束に関する2つの特性値a,bと塩類阻止特性に関する2つの特性値α,βをパラメータにして定式化したプロセスモデルを用いることにより、供給液の成分組成の変化に連動するナノろ過膜の阻止性能の変化を反映させてナノろ過設備の機能を予測するようにしたことを特徴とする。
請求項2記載のナノろ過設備の機能予測方法は、請求項1記載のナノろ過設備の機能予測方法において、ナノろ過試験装置を用い透過流束を測定し、また供給液と保持液と透過液とをサンプリングして成分濃度を測定し、この試験結果に基づいて前記透過流束に関する2つの特性値a,bと前記塩類阻止特性に関する2つの特性値α,βを決定することを特徴とする。
請求項3記載のナノろ過設備の機能予測方法は、請求項1または請求項2に記載のナノろ過設備の機能予測方法において、前記被処理液が液状食品であり、ナノろ過設備の機能が該液状食品の濃縮及び脱塩であることを特徴とする。
請求項4記載のナノろ過設備の機能予測方法は、請求項3記載のナノろ過設備の機能予測方法において、液状食品に含まれる1価陽イオンCと1価陰イオンAに対するナノろ過膜の阻止率について、ナノろ過膜の保持液側の濃度が、A≦Cの場合には、1価陽イオンの阻止率Rcを下記の式(1)で表し、A>Cの場合には、1価陰イオンの阻止率Raを下記の式(2)で表すことを特徴とする。
Rc=α+(1−α)exp(−β×A/C)・・・・(1)
Ra=α+(1−α)exp(−β×C/A)・・・・(2)
ここで、Rcは1価陽イオンに対する阻止率、Raは1価陰イオンに対する阻止率、Cはナノろ過膜保持液側の1価陽イオン濃度、Aはナノろ過膜保持液側の1価陰イオン濃度、α,βは塩類阻止特性に関する特性値である。
Rc=α+(1−α)exp(−β×A/C)・・・・(1)
Ra=α+(1−α)exp(−β×C/A)・・・・(2)
ここで、Rcは1価陽イオンに対する阻止率、Raは1価陰イオンに対する阻止率、Cはナノろ過膜保持液側の1価陽イオン濃度、Aはナノろ過膜保持液側の1価陰イオン濃度、α,βは塩類阻止特性に関する特性値である。
請求項5記載のナノろ過設備の設計方法は、請求項1から請求項4のいずれか記載のナノろ過設備の機能予測方法を用いて、所定のナノろ過処理液を得るために必要な設備構成、運転方法、供給液の条件を割り出すことを特徴とする。
本発明のナノろ過設備の機能予測方法及びこの予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法においては、ナノろ過設備の機能に関し、商用規模のナノろ過設備の構成を想定して複数の代数方程式や微分方程式等からなるプロセスモデルを記述する。このプロセスモデルは、設備構成、ナノろ過設備の機能に対する原料液(被処理液、供給液)の濃度、流量の影響、膜の塩類阻止特性などを定式化したものであり、例えばホエイなどの液状食品を濃縮/脱塩する際に、脱塩の進行に伴う塩分組成(成分組成)の変化に連動して、膜の阻止性能が動的に変化することを考慮している。
そして、透過流束に関する2つの特性値と塩類阻止特性に関する2つの特性値の計4つの特性値を試験装置による試験結果の解析により定め、これら4つの特性値をプロセスモデルに代入し、方程式の数値解を求める。このとき、ナノろ過設備の設備構成、膜面積、運転方法などの諸条件が予めプロセスモデルに含まれているようにし、原料の液量、濃度、組成などの条件をプロセスモデルに代入して数値計算することで、ナノろ過後の処理液の濃度、組成などを予測することが可能になる。また、回分式運転及び透析ろ過運転では、時間経過に伴い成分組成や透過流束が変化するが、その変化の様子の予測を行うことができる。このため、ナノろ過設備が一定で、原料の供給流量や濃度などの条件を変更したときの状況を予測することができる。逆に、原料が一定で、ナノろ過設備の運転方法や設備規模を変更したときに、処理液の濃度や組成が如何に変化するのかも容易に予測することが可能になる。
これにより、本実施形態のナノろ過設備の機能予測方法及びこの予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法によれば、被処理液(供給液、原料)中の1価陽イオンと1価陰イオンの濃度がバランスしないことに起因して複雑な挙動を示す液状食品を濃縮/脱塩する場合であっても、新規設備の立案が容易になり、また、既存の設備に対し運転方法や原料を変更するときの設備の挙動予測を容易に行うことが可能になる。よって、商用規模の設備の機能を精度よく予測し、設備計画に役立てることが可能になる。
以下、図1から図7を参照し、本発明の一実施形態に係るナノろ過設備の機能予測方法及びこの予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法について説明する。ここで、本実施形態は、ホエイや脱脂乳などの液状食品を濃縮/脱塩するためのナノろ過設備の機能予測方法及びこの予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法に関するものである。
液状食品を処理するための商用規模のナノろ過設備には、1段または多段の連続式、回分式のナノろ過設備が多用されている。そして、本実施形態では、例として、図1、図2に示す3段の連続式及び回分式のナノろ過設備1、2のフローを参照しながら、1段または多段の連続式ナノろ過設備1、1段または多段の回分式ナノろ過設備2の機能予測方法を順に説明する。
(1段連続式ナノろ過設備)
まず、はじめに、1段連続式ナノろ過設備(ナノろ過装置)1におけるプロセスモデル式を記述する。
ここで、原料液である液状食品(供給液)は、膜3を透過しない非透過性成分、膜3を透過する1価陽イオン、膜3を透過する1価陰イオンの3成分系からなるとみなし、各成分の濃度をN、C、Aとする。また、ナノろ過(NF膜3)の阻止率を、非透過性成分に対してはRn、1価陽イオンに対してはRc、1価陰イオンに対してはRaとする。そして、本プロセスモデルでは、非透過性成分はNF膜3を全く透過しないと仮定、すなわち、Rn=1とし、1価陽イオンであるナトリウム、カリウムのナノろ過設備1内での挙動は同じと仮定する。なお、各成分の濃度の単位は、Nが[%]、C及びAが[mmol/kg]として表す。
N:蛋白質、糖、多価イオンなどの非透過性成分の濃度(阻止率Rn)
C:1価陽イオン(ナトリウム、カリウム)の透過性成分の濃度(阻止率Rc)
A:1価陰イオン(塩素)の透過性成分の濃度(阻止率Ra)
まず、はじめに、1段連続式ナノろ過設備(ナノろ過装置)1におけるプロセスモデル式を記述する。
ここで、原料液である液状食品(供給液)は、膜3を透過しない非透過性成分、膜3を透過する1価陽イオン、膜3を透過する1価陰イオンの3成分系からなるとみなし、各成分の濃度をN、C、Aとする。また、ナノろ過(NF膜3)の阻止率を、非透過性成分に対してはRn、1価陽イオンに対してはRc、1価陰イオンに対してはRaとする。そして、本プロセスモデルでは、非透過性成分はNF膜3を全く透過しないと仮定、すなわち、Rn=1とし、1価陽イオンであるナトリウム、カリウムのナノろ過設備1内での挙動は同じと仮定する。なお、各成分の濃度の単位は、Nが[%]、C及びAが[mmol/kg]として表す。
N:蛋白質、糖、多価イオンなどの非透過性成分の濃度(阻止率Rn)
C:1価陽イオン(ナトリウム、カリウム)の透過性成分の濃度(阻止率Rc)
A:1価陰イオン(塩素)の透過性成分の濃度(阻止率Ra)
さらに、図3に示すように、膜装置1内の各場所での濃度を添え字(T、in、out、P)を付して定義する。
NT、CT、AT:供給液濃度(供給液の濃度、測定可能)
Nin、Cin、Ain:循環液濃度(膜入口の濃度、測定不可、モデル式より算出)
Nout、Cout、Aout:循環液濃度(膜出口の濃度、測定可能、保持液濃度と同じ)
NP、CP、AP:透過液濃度(透過液の濃度、測定可能、仮定によりNP=0)
NT、CT、AT:供給液濃度(供給液の濃度、測定可能)
Nin、Cin、Ain:循環液濃度(膜入口の濃度、測定不可、モデル式より算出)
Nout、Cout、Aout:循環液濃度(膜出口の濃度、測定可能、保持液濃度と同じ)
NP、CP、AP:透過液濃度(透過液の濃度、測定可能、仮定によりNP=0)
また、圧力容器4内のナノろ過膜保持液側における非透過性成分、1価陽イオン、1価陰イオンの各濃度はそれぞれ、次のように膜入口と膜出口の算術平均として扱う。
(Nin+Nout)/2:圧力容器内の保持液側における非透過性成分濃度
(Cin+Cout)/2:圧力容器内の保持液側における1価陽イオン濃度
(Ain+Aout)/2:圧力容器内の保持液側における1価陰イオン濃度
(Nin+Nout)/2:圧力容器内の保持液側における非透過性成分濃度
(Cin+Cout)/2:圧力容器内の保持液側における1価陽イオン濃度
(Ain+Aout)/2:圧力容器内の保持液側における1価陰イオン濃度
さらに、その他の記号を次のように定める。
V:タンク液量、S:膜面積、fs:供給流量、fc:循環流量、Jv:透過流束、a,b:膜の特性値(透過流束に関わるパラメータ:試験的(実験的)に決定)、α,β:膜の特性値(1価陽イオンまたは1価陰イオンの阻止率に関わるパラメータ:試験的(実験的)に決定)
V:タンク液量、S:膜面積、fs:供給流量、fc:循環流量、Jv:透過流束、a,b:膜の特性値(透過流束に関わるパラメータ:試験的(実験的)に決定)、α,β:膜の特性値(1価陽イオンまたは1価陰イオンの阻止率に関わるパラメータ:試験的(実験的)に決定)
ここで、Vは、回分式及び透過ろ過運転の場合に必要になり、連続式運転では不要である。また、Sは、設備規模に関わる。さらに、fs、fcは、供給ポンプ5及び循環ポンプ6の流量であり、fs、fcの位置関係は図1〜4に示す通りである。
a,b及びα,βは、膜3の種類、原料及び運転条件(温度、圧力、循環流量)の組み合わせにより定まる特性値であり、例えば図4に示すナノろ過試験装置7を用いて行った試験結果(実験結果)に基づいて定める。なお、運転条件(温度、圧力、循環流量)を固定すれば、a,b及びα,βは膜3と原料の組み合わせで定まる。また、様々な運転条件下でのa,b及びα,βを予め決定しておいてもよい。さらに、a,bは、ナノろ過設備1への供給液の濃度が様々に変化するときの透過流束の変化に応じて定める。また、α,βは、保持液及び透過液に含まれる1価イオン(ナトリウム、カリウム、塩素)の濃度の分析値(測定値)に基づいて決まる。
具体的に、a,bの決定について説明する。
ナノろ過膜3からの透過流束Jvを式(3)で表す。この式(3)は、透過流束Jvが、ナノろ過膜保持液側の非透過性成分の平均濃度[(Nin+Nout)/2]の一次関数とみなせることを意味している。このため、a,bは傾き及び切片によって定めることができる。
Jv=−aS(Nin+Nout)/2+bS・・・・・・(3)
ナノろ過膜3からの透過流束Jvを式(3)で表す。この式(3)は、透過流束Jvが、ナノろ過膜保持液側の非透過性成分の平均濃度[(Nin+Nout)/2]の一次関数とみなせることを意味している。このため、a,bは傾き及び切片によって定めることができる。
Jv=−aS(Nin+Nout)/2+bS・・・・・・(3)
a,bを定めるための試験での測定値は、透過流束Jvと保持液中の非透過性成分濃度Noutの二つである。Ninは直接には測定できないが、測定値(Jv、Nout)及び試験条件値(循環流量、fc)から次式で算出することができる。
Nin=(fc−Jv)Nout/fc
そして、測定値Nout及び計算値Ninより、(Nin+Nout)/2を横軸に、測定値Jvを縦軸にプロットして直線回帰することにより、式(3)のパラメータa,bを定めることが可能になる。
Nin=(fc−Jv)Nout/fc
そして、測定値Nout及び計算値Ninより、(Nin+Nout)/2を横軸に、測定値Jvを縦軸にプロットして直線回帰することにより、式(3)のパラメータa,bを定めることが可能になる。
一方、膜装置1内のマスバランスは、式(4)〜式(9)で表される。これらの式は、図3に示した各濃度及び流量の収支関係に基づく。
Ninfc=Nout(fc−Jv)+NPJv・・・・・(4)
Cinfc=Cout(fc−Jv)+CPJv・・・・・(5)
Ainfc=Aout(fc−Jv)+APJv・・・・・(6)
NTfs+Nout(fc−fs)=Ninfc・・・・・(7)
CTfs+Cout(fc−fs)=Cinfc・・・・・(8)
ATfs+Aout(fc−fs)=Ainfc・・・・・(9)
Ninfc=Nout(fc−Jv)+NPJv・・・・・(4)
Cinfc=Cout(fc−Jv)+CPJv・・・・・(5)
Ainfc=Aout(fc−Jv)+APJv・・・・・(6)
NTfs+Nout(fc−fs)=Ninfc・・・・・(7)
CTfs+Cout(fc−fs)=Cinfc・・・・・(8)
ATfs+Aout(fc−fs)=Ainfc・・・・・(9)
1価陽イオン及び1価陰イオンに対する阻止率Rc、Raに関しては、式(10)及び式(11)が成り立つ。なお、式(10)及び式(11)は、阻止率の定義に基づく式である。
CP=(1−Rc)・〔(Cin+Cout)/2〕・・・・・(10)
AP=(1−Ra)・〔(Ain+Aout)/2〕・・・・・(11)
CP=(1−Rc)・〔(Cin+Cout)/2〕・・・・・(10)
AP=(1−Ra)・〔(Ain+Aout)/2〕・・・・・(11)
そして、1価陽イオンの阻止率Rcを、ナノろ過膜保持液側における1価陽イオン濃度Cと1価陰イオン濃度Aの関数として式(12)で表す。
Rc=α+(1−α)exp(−β×A/C)・・・・(12) (A≦Cのとき)
Rc=α+(1−α)exp(−β×A/C)・・・・(12) (A≦Cのとき)
ここで、α,βは試験結果に基づいてフィッティングにより定めるパラメータである。また、式(12)での1価イオン濃度C及びAは、圧力容器内の保持液側における平均濃度を用いる。すなわち、C=(Cin+Cout)/2、A=(Ain+Aout)/2とする。
このように表した式(12)は、定性的には次のことを意味する。ナノろ過膜3の保持液側で1価陽イオンと1価陰イオンのバランスがよいと、すなわち、C≒Aであると、阻止率Rcは小さめの値となって、塩分は膜3を透過しやすくなる。これに対し、1価陰イオンが1価陽イオンと比べて少なく、陰イオンと陽イオンの濃度バランスが悪いと、すなわち、C>Aであると、阻止率Rcは大きめの値となって、1価陽イオンは膜3を透過しにくくなる。さらに、濃度バランスが悪く、1価陰イオンがほとんど存在しない状態、すなわち、C>A≒0ではRc≒1となる。この状態では、1価陽イオンが存在したとしても、対となって膜3を抜けるための1価陰イオンがほとんど存在しないため、1価陽イオンは膜3を透過できなくなることを意味する。
なお、式(12)では、1価陰イオンAが1価陽イオンCより少ない、または同等の状況を想定している。逆に、1価陰イオンAが1価陽イオンCより多い場合は、式(12)においてCとAを入れ替え、さらに1価陽イオンの阻止率Rcではなく、1価陰イオンの阻止率Raとして定義した式(12)’と置き換えればよい。
Ra=α+(1−α)exp(−β×C/A)・・・・(12)’ (C≦Aのとき)
Ra=α+(1−α)exp(−β×C/A)・・・・(12)’ (C≦Aのとき)
次に、ナノろ過の透過液に含まれるイオンの電気量は、電気的中性の原理により等しくなる。透過液に含まれるイオンの大部分は、1価陽イオン(ナトリウム、カリウム)と1価陰イオン(塩素)である。多価イオンも少量は含まれるが、これを無視することにすれば、透過液に含まれる1価陽イオン濃度CPと1価陰イオン濃度APを式(13)で表すことができる。
CP=AP・・・・・・・(13)
CP=AP・・・・・・・(13)
そして、式(3)から式(13)の11個の方程式を連立して、公知の計算手段(例えば、市販のソフトウエア、MS−Excel(マイクロソフト社)、Equatran−G(オメガシミュレーション社)など)により数値計算を行うことで、1段連続式のナノろ過設備1(7)による濃縮/脱塩挙動を予測することが可能になる。このとき、数値計算に必要な情報は、供給液の非透過性成分濃度NT、1価陽イオン濃度CT、1価陰イオン濃度AT、商用設備で想定される膜面積S、供給流量fs、循環流量fc及び試験結果を基に定められたパラメータa,b,α,βである。
このように式(3)から式(13)を連立して数値計算を行うと、以下の11個の各値が求まる。
・非透過性成分の膜入口、膜出口濃度:Nin、Nout
・1価陽イオンの膜入口、膜出口及び透過液濃度:Cin、Cout、CP
・1価陰イオンの膜入口、膜出口及び透過液濃度:Ain、Aout、AP
・1価陽イオン及び1価陰イオンに対する阻止率:Rc、Ra
・透過流束:Jv
すなわち、設備1の仕様及び供給液の情報を基に、ナノろ過工程を経た処理液の濃度(非透過性成分濃度Nout、1価陽イオン濃度Cout、1価陰イオン濃度Aout)や透過流束Jvの値を予測することができる。
・非透過性成分の膜入口、膜出口濃度:Nin、Nout
・1価陽イオンの膜入口、膜出口及び透過液濃度:Cin、Cout、CP
・1価陰イオンの膜入口、膜出口及び透過液濃度:Ain、Aout、AP
・1価陽イオン及び1価陰イオンに対する阻止率:Rc、Ra
・透過流束:Jv
すなわち、設備1の仕様及び供給液の情報を基に、ナノろ過工程を経た処理液の濃度(非透過性成分濃度Nout、1価陽イオン濃度Cout、1価陰イオン濃度Aout)や透過流束Jvの値を予測することができる。
(多段連続式ナノろ過設備)
次に、プロセスモデルの多段連続式ナノろ過設備1への拡張について説明する。この多段連続式ナノろ過設備1のプロセスモデルでは、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、上記の1段連続式設備1と同一である。すなわち、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、次の通りである。
・供給液の非透過性成分濃度:NT
・供給液の1価陽イオン濃度:CT
・供給液の1価陰イオン濃度:AT
・供給液流量:fs
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
次に、プロセスモデルの多段連続式ナノろ過設備1への拡張について説明する。この多段連続式ナノろ過設備1のプロセスモデルでは、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、上記の1段連続式設備1と同一である。すなわち、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、次の通りである。
・供給液の非透過性成分濃度:NT
・供給液の1価陽イオン濃度:CT
・供給液の1価陰イオン濃度:AT
・供給液流量:fs
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
そして、2段目(2段連続式設備1)の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、次の通りとなる。
・2段目供給液の非透過性成分濃度(=1段目保持液の非透過性成分濃度):Nout
・2段目供給液の1価陽イオン濃度(=1段目保持液の1価陽イオン濃度):Cout
・2段目供給液の1価陰イオン濃度(=1段目保持液の1価陰イオン濃度):Aout
・2段目供給液流量(=1段目供給流量−1段目透過流束):fs−Jv
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
・2段目供給液の非透過性成分濃度(=1段目保持液の非透過性成分濃度):Nout
・2段目供給液の1価陽イオン濃度(=1段目保持液の1価陽イオン濃度):Cout
・2段目供給液の1価陰イオン濃度(=1段目保持液の1価陰イオン濃度):Aout
・2段目供給液流量(=1段目供給流量−1段目透過流束):fs−Jv
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
また、3段目以上(3段以上の連続式設備1)でも同様に扱える。すなわち、多段連続式設備1におけるn段目への供給液の濃度は、その前段である(n−1)段目のナノろ過保持液の濃度となる。また、n段目への供給流量は、1段目への供給流量fsから、1段〜(n−1)段の各段の透過流束を差し引いたものとなる。そして、多段連続式設備1のモデルを構成する方程式の数は、11×(段数)となり、例えば3段連続式設備1では、33個の方程式を連立させて数値計算を行うことで、ナノろ過設備1による濃縮/脱塩挙動を予測することが可能になる。
(1段回分式ナノろ過設備)
次に、1段回分式設備2におけるプロセスモデルについて説明する。回分式ナノろ過設備2では、連続式ナノろ過設備1に対する式(3)〜式(13)に、式(14)〜式(17)を追加して、式(3)〜式(17)の15個の方程式でプロセスモデルが記述される。
次に、1段回分式設備2におけるプロセスモデルについて説明する。回分式ナノろ過設備2では、連続式ナノろ過設備1に対する式(3)〜式(13)に、式(14)〜式(17)を追加して、式(3)〜式(17)の15個の方程式でプロセスモデルが記述される。
すなわち、タンク液量Vの減少速度は、透過流束Jvと同じだから式(14)が成り立つ。なお、透析ろ過運転の場合は、液量が一定であるので式(14)’が成り立つ。
−dV/dt=Jv・・・・・・・(14)
−dV/dt=0・・・・・・・・(14)’
−dV/dt=Jv・・・・・・・(14)
−dV/dt=0・・・・・・・・(14)’
また、非透過性成分、1価陽イオン及び1価陰イオンのナノろ過膜3からの透過時のマスバランス関係より、式(15)、式(16)、式(17)が成り立つ。これら式(15)、式(16)、式(17)の左辺はタンク液に含まれる各成分の減少速度、右辺は透過液として排出される速度を示し、等号で結びつけることができる。なお、式(15)の右辺=0は、非透過性成分が膜3を透過しない、すなわちRn=1の仮定に基づく。
−d(VNT)/dt=0・・・・・・・・(15)
−d(VCT)/dt=JvCP・・・・・(16)
−d(VAT)/dt=JvAP・・・・・(17)
−d(VNT)/dt=0・・・・・・・・(15)
−d(VCT)/dt=JvCP・・・・・(16)
−d(VAT)/dt=JvAP・・・・・(17)
そして、式(3)〜式(17)の15個の方程式からなる連立微分方程式を解くことで、1段回分式のナノろ過設備2による濃縮/脱塩プロセスをシミュレーションすることが可能になる。なお、透析ろ過運転の場合は、式(14)の代わりに式(14)’を用いればよい。この計算に必要なパラメータは、次の11個である。
・運転開始時のタンク液量:V(t=0)
・運転開始時の供給液の非透過性成分濃度:NT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陽イオン濃度:CT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陰イオン濃度:AT(t=0)
・供給液流量:fs
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
・運転開始時のタンク液量:V(t=0)
・運転開始時の供給液の非透過性成分濃度:NT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陽イオン濃度:CT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陰イオン濃度:AT(t=0)
・供給液流量:fs
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
V(t=0)、NT(t=0)、CT(t=0)、AT(t=0)の各記号に付した(t=0)は、運転開始時の値であることを意味する。そして、方程式を解いて得られるのは、以下の15個の値であり、これらは全て運転経過とともに変化する時間の関数となる。
・タンク液量:V(t)
・非透過性成分のタンク液、膜入口、膜出口の各濃度:NT(t)、Nin(t)、Nout(t)
・1価陽イオンのタンク液、膜入口、膜出口の各濃度:CT(t)、Cin(t)、Cout(t)、CP(t)
・1価陰イオンのタンク液、膜入口、膜出口の各濃度:AT(t)、Ain(t)、Aout(t)、AP(t)
・1価陽イオン及び1価陰イオンに対する阻止率:Rc(t)、Ra(t)
・透過流束:Jv(t)
・タンク液量:V(t)
・非透過性成分のタンク液、膜入口、膜出口の各濃度:NT(t)、Nin(t)、Nout(t)
・1価陽イオンのタンク液、膜入口、膜出口の各濃度:CT(t)、Cin(t)、Cout(t)、CP(t)
・1価陰イオンのタンク液、膜入口、膜出口の各濃度:AT(t)、Ain(t)、Aout(t)、AP(t)
・1価陽イオン及び1価陰イオンに対する阻止率:Rc(t)、Ra(t)
・透過流束:Jv(t)
(多段回分式ナノろ過設備)
次に、プロセスモデルの多段回分式ナノろ過設備2への拡張について説明する。この多段回分式ナノろ過設備2のプロセスモデルでは、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、上記の多段回分式設備2と同一である。すなわち、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、次の通りである。
・運転開始時のタンク液量:V(t=0)
・運転開始時の供給液の非透過性成分濃度:NT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陽イオン濃度:CT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陰イオン濃度:AT(t=0)
・供給液流量:fs
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
次に、プロセスモデルの多段回分式ナノろ過設備2への拡張について説明する。この多段回分式ナノろ過設備2のプロセスモデルでは、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、上記の多段回分式設備2と同一である。すなわち、1段目の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、次の通りである。
・運転開始時のタンク液量:V(t=0)
・運転開始時の供給液の非透過性成分濃度:NT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陽イオン濃度:CT(t=0)
・運転開始時の供給液の1価陰イオン濃度:AT(t=0)
・供給液流量:fs
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
そして、2段目(2段回分式設備)の挙動に関する方程式群を解くためのパラメータは、次の通りとなる。
・運転開始時の2段目供給液の非透過性成分濃度(=1段目保持液の非透過性成分濃度):Nout(t=0)
・運転開始時の2段目供給液の1価陽イオン濃度(=1段目保持液の1価陽イオン濃度):Cout(t=0)
・運転開始時の2段目供給液の1価陰イオン濃度(=1段目保持液の1価陰イオン濃度):Aout(t=0)
・2段目供給液流量(=1段目供給流量−1段目透過流束):fs−Jv
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
・運転開始時の2段目供給液の非透過性成分濃度(=1段目保持液の非透過性成分濃度):Nout(t=0)
・運転開始時の2段目供給液の1価陽イオン濃度(=1段目保持液の1価陽イオン濃度):Cout(t=0)
・運転開始時の2段目供給液の1価陰イオン濃度(=1段目保持液の1価陰イオン濃度):Aout(t=0)
・2段目供給液流量(=1段目供給流量−1段目透過流束):fs−Jv
・循環流量:fc
・膜面積:S
・式(3)に含まれるパラメータ:a,b
・式(12)に含まれるパラメータ:α,β
また、3段目以上(3段以上の回分式ナノろ過設備2)でも同様に扱える。すなわち、多段回分式設備2におけるn段目への供給液の濃度は、その前段である(n−1)段目のナノろ過保持液の濃度となる。また、n段目への供給流量は、1段目への供給流量fsから、1段〜(n−1)段の各段の透過流束を差し引いたものとなる。そして、多段回分式設備2のモデルを構成する方程式の数は、14×(段数)+1となり、例えば3段回分式設備2では43個、2段回分式設備2では29個、1段回分式設備2では15個の方程式を連立させて数値計算を行うことで、ナノろ過設備2による濃縮/脱塩挙動を予測することが可能になる。
(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定例1)
次に、プロセスモデルに含まれるナノろ過膜3の特性に関する4個のパラメータの決定手順について、具体的に試験例を挙げて説明する。
この4個のパラメータは、使用するナノろ過膜3と原料液との組み合わせ、及び一部の運転条件により定まるものであり、ここでは、ナノろ過膜3にDL3840C−30D(GE Water&Process Technorogies社、膜面積7.4m2)を用い、原料液をホエイ、運転条件を温度10℃、運転圧力2.0MPa、ナノろ過試験装置7の循環流量を2500kg/hとしている。なお、これら前提条件は適宜変更可能である。
次に、プロセスモデルに含まれるナノろ過膜3の特性に関する4個のパラメータの決定手順について、具体的に試験例を挙げて説明する。
この4個のパラメータは、使用するナノろ過膜3と原料液との組み合わせ、及び一部の運転条件により定まるものであり、ここでは、ナノろ過膜3にDL3840C−30D(GE Water&Process Technorogies社、膜面積7.4m2)を用い、原料液をホエイ、運転条件を温度10℃、運転圧力2.0MPa、ナノろ過試験装置7の循環流量を2500kg/hとしている。なお、これら前提条件は適宜変更可能である。
試験の詳細について説明する。
チーズホエイパウダー(蛋白質12.1%、脂質1.1%、炭水化物77.2%、灰分7.8%、水分1.8%、Na 26.1mmol/100g固形、K 66.0mmol/100g固形、Cl 46.3mmol/100g固形)の6.0kgに水を加えて100kgに溶解して原料液を作製し、図4に示すナノろ過試験装置7に供給した。
チーズホエイパウダー(蛋白質12.1%、脂質1.1%、炭水化物77.2%、灰分7.8%、水分1.8%、Na 26.1mmol/100g固形、K 66.0mmol/100g固形、Cl 46.3mmol/100g固形)の6.0kgに水を加えて100kgに溶解して原料液を作製し、図4に示すナノろ過試験装置7に供給した。
また、DL3840C−30D(GE Water&Process Technorogies社、膜面積7.4m2)のナノろ過膜3を装填し、供給流量400kg/hr、循環流量2500kg/hr、圧力2.0MPa、温度10℃の条件で、透過液の総量が67kgになるまで(すなわち、3倍濃縮になるまで)回分式で運転を行った。さらに、同条件で、透析ろ過運転を加水量33kgになるまで行った。このとき、運転中に適宜、供給液、保持液、透過液を採取し、各採取サンプルについて固形分量及びNa、K、Clの濃度測定を行った。また、固形分量からNa、K、Clを差し引いた値を非透過性成分濃度とした。
表1は、各試験データを示し、表2は、表1のデータを基に算出した各種の数値を整理して示したものである。なお、この表1において、Na、K、Clの単位はmmol表示に換算している。
(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定例2)
次に、(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定事例1)と同様のチーズホエイパウダーの5.0kgに水を加えて100kgに溶解して原料液を作製して、同様の方法で試験を行い、透過液量が71kgになるまで(すなわち、3.5倍濃縮になるまで)回分式で運転を行った。
次に、(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定事例1)と同様のチーズホエイパウダーの5.0kgに水を加えて100kgに溶解して原料液を作製して、同様の方法で試験を行い、透過液量が71kgになるまで(すなわち、3.5倍濃縮になるまで)回分式で運転を行った。
表3は、各試験データを示し、表4は、表3のデータを基に算出した各種の数値を整理して示したものである。
図5(a)は、上記のように算出した試験結果に基づいて、横軸に膜面保持液側の非透過性成分の平均濃度〔(Nin+Nout)/2〕(表2、表4に記載)、縦軸に単位面積当たりの透過流束Jv(表1、表3に記載)をプロットして回帰した図を示している。そして、この回帰式からパラメータa,bを決定することができる。
また、図5(b)は、上記のように算出した試験結果に基づいて、横軸に膜面保持液側の陰陽イオン濃度比〔(Ain+Aout)/(Cin+Cout)〕(表2、表4に記載)、縦軸に1価陽イオンの阻止率Rc(表2、表4に記載)をプロットして回帰した図を示している。そして、この回帰式からパラメータα,βを決定することができる。
(シミュレーションモデルの妥当性検証1)
次に、(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定例1)のパラメータ決定に用いた試験について、運転経過のシミュレーションを行い、試験結果と比較し、モデルの妥当性の検証を行った。図6は、シミュレーション計算結果と試験結果の比較を行ったものである。そして、この図6に示すように、シミュレーション結果と試験結果は良好に合致しており、本実施形態のナノろ過設備2の濃縮/脱塩機能の予測方法が妥当であることが実証された。
次に、(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定例1)のパラメータ決定に用いた試験について、運転経過のシミュレーションを行い、試験結果と比較し、モデルの妥当性の検証を行った。図6は、シミュレーション計算結果と試験結果の比較を行ったものである。そして、この図6に示すように、シミュレーション結果と試験結果は良好に合致しており、本実施形態のナノろ過設備2の濃縮/脱塩機能の予測方法が妥当であることが実証された。
(シミュレーションモデルの妥当性検証2)
次に、7%ホエイ液の3段連続式ナノろ過設備1による2.5倍濃縮を想定し、これを1段式試験装置7で模して試験を実施し、シミュレーションによる予測値と試験値を比較した。
次に、7%ホエイ液の3段連続式ナノろ過設備1による2.5倍濃縮を想定し、これを1段式試験装置7で模して試験を実施し、シミュレーションによる予測値と試験値を比較した。
具体的に、この検証での試験手順は、図7に示すように、チーズホエイパウダー(蛋白質12.7%、脂質0.9%、炭水化物76.4%、灰分8.1%、水分2.0%、Na 21.1mmol/100g固形、K 58.5mmol/100g固形、Cl 42.9mmol/100g固形)の7%溶解液200kgをナノろ過試験装置7に連続的に供給して、1段目濃縮液を回収する。次に、回収した1段目の濃縮液をナノろ過試験装置7に供給し、2段目濃縮液を回収し、2段目の濃縮液をナノろ過試験装置7に供給して3段目濃縮液を回収した。
また、このとき、1段目NF(ナノろ過膜3)から出る保持液の流量と、2段目NF3への供給流量が同じになるようにナノろ過試験装置7を操作した。さらに、次段でも同様に操作した。試験装置への供給流量は表5に示すシミュレーション結果に合わせるようにした。また、循環流量は2500kg/h、運転圧力は全て同じ2.0MPa、温度は10℃とした。このように操作することで、1段式ナノろ過試験装置7を用いて3段式ナノろ過設備1による連続処理を模した試験を行った。
上記の手順で行ったシミュレーション結果と試験結果を表5に示す。シミュレーションに必要なナノろ過特性に関するパラメータは、(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定事例2)で決定した値、すなわち、a=−1.93、b=42.5、α=0.45、β=5.2を使用した。
そして、表5に示すように、このシミュレーションによると、原料の7%ホエイ液の1段目NFへの供給流量は715kg/h、2段目は521kg/h、3段目は376kg/hにすることで、7%ホエイの2.5倍濃縮ができると予測された。これに対し、試験では、シミュレーションとほぼ同じ流量で運転して、目的とする濃縮倍率が達成された。すなわち、透過流束に関するモデル式、並びにパラメータa、bの決定が適切であることが実証された。また、保持液や透過液の1価陰陽イオン濃度についてもシミュレーション結果と試験結果が良好に一致しており、1価イオン成分の膜透過に関するモデル式、並びにパラメータα、βの決定が適切であることが実証された。
このようにシミュレーションによる計算結果と試験結果が良好に合致することが実証され、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法が十分に信頼性の高いものであることが確認された。
(ナノろ過設備を設計する方法の実施例1)
次に、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法を利用して、同一の膜設備で、運転方法、供給液の組成や濃度などの変更があるとき、あるいは設備をスケールアップする時に、処理液がどのように変化するかを予測した。このケーススタディーでは、3段連続式のナノろ過設備1で、各段にはDL3840C−30D(GE Water&Process Technologies社、膜面積7.4m2)を各12本(計36本、総膜面積266.4m2)、または24本(計72本、総膜面積532.8m2)装填した設備を想定した。この設備1を用いてホエイを処理し、流量、濃度、1価イオン組成などを変更するときの挙動を予測した。このとき、シミュレーションに必要なナノろ過特性に関するパラメータは、(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定事例2)で決定した値、a=−1.93、b=42.5、α=0.45、β=5.2を使用した。
次に、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法を利用して、同一の膜設備で、運転方法、供給液の組成や濃度などの変更があるとき、あるいは設備をスケールアップする時に、処理液がどのように変化するかを予測した。このケーススタディーでは、3段連続式のナノろ過設備1で、各段にはDL3840C−30D(GE Water&Process Technologies社、膜面積7.4m2)を各12本(計36本、総膜面積266.4m2)、または24本(計72本、総膜面積532.8m2)装填した設備を想定した。この設備1を用いてホエイを処理し、流量、濃度、1価イオン組成などを変更するときの挙動を予測した。このとき、シミュレーションに必要なナノろ過特性に関するパラメータは、(ナノろ過の特性に関するパラメータ4個の決定事例2)で決定した値、a=−1.93、b=42.5、α=0.45、β=5.2を使用した。
表6は、運転方法、供給液の組成や濃度、膜面積を変更するときに処理液がどのように変化するかを予測した結果を示している。そして、この表6に示すように、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法を利用することにより、既存設備で、製造上の都合などにより設備運用を変更するときの挙動、また設備を増設するときの挙動などを容易に予測することが可能になる。すなわち、既存設備で、製造上の都合などにより設備運用を変更するときの挙動、また設備を増設するときの挙動などを机上計算で容易に予測することが可能になる。
(ナノろ過設備を設計する方法の実施例2)
次に、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法を利用して、目的とする処理液を得るのに必要な設備、運転方法、原料の条件などを導き出す例について説明する。このケーススタディーの原料液、処理液は次の通りに想定する。
・原料液:濃度6%、50ton、1価陽イオン 54mmol/kg、1価陰イオンは調節可
・処理液:濃度15%、20ton、1価陰陽イオン含量は様々に想定
次に、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法を利用して、目的とする処理液を得るのに必要な設備、運転方法、原料の条件などを導き出す例について説明する。このケーススタディーの原料液、処理液は次の通りに想定する。
・原料液:濃度6%、50ton、1価陽イオン 54mmol/kg、1価陰イオンは調節可
・処理液:濃度15%、20ton、1価陰陽イオン含量は様々に想定
そして、原料ホエイの1価陰イオンの含量やナノろ過工程をいくつか想定し、いかなる処理液が得られるか予測した。モデルケースでは濃度6%で、1価陰イオン、すなわち塩素含量を様々に調整したホエイ液50tonを原料とし、連続式で2.5倍濃縮し、さらに透過ろ過工程を付加することで、脱塩率を調整することを想定する。なお、ホエイは、公知の方法(例えば、特願2008−086304号)により、想定する塩素含量を調整して製造することができる。そして、供給液の想定条件、設備及び運転方法の想定条件、工程をまとめると以下のようになる。
・供給液の想定条件
濃度:6%
1価陽イオン:54mmol/kg
1価陰イオン:27または36または54mmol/kg
液量:50ton
・設備及び運転方法の想定条件
3段式設備、DL3840C−30Dを想定、膜面積は本実施例内で決定する。
供給流量:25000kg/h
運転圧力:2.0MPa
運転温度:10℃
・工程:連続式2.5倍濃縮を行い、さらに透過ろ過工程を付加
濃度:6%
1価陽イオン:54mmol/kg
1価陰イオン:27または36または54mmol/kg
液量:50ton
・設備及び運転方法の想定条件
3段式設備、DL3840C−30Dを想定、膜面積は本実施例内で決定する。
供給流量:25000kg/h
運転圧力:2.0MPa
運転温度:10℃
・工程:連続式2.5倍濃縮を行い、さらに透過ろ過工程を付加
まず、連続式2.5倍濃縮を行うために必要な膜面積を割り出す。連続式ナノろ過処理1に関し構築したモデルに、次の各数値を代入して計算、膜処理後の保持液の流量、各成分濃度を算出する。この結果を表7に示す。この表7に示すように、想定の条件で連続式2.5倍濃縮を行うためには(すなわち、保持液流量10000kg/hとするためには)、膜面積677m2が必要になると割り出され、また、同処理後の1価陰陽イオン濃度の予測値も算出できた。
・ナノろ過特性に関するパラメータ4個:a=−1.93、b=42.5、α=0.45、β=5.2を使用
・供給液の非透過性成分濃度:6%
・供給液の1価陽イオン濃度:54mmol/kg
・供給液の1価陰イオン濃度:27mmol/kg
・供給流量:25000kg/h
・膜面積:様々に想定
・運転温度、圧力:10℃、2.0MPa
・ナノろ過特性に関するパラメータ4個:a=−1.93、b=42.5、α=0.45、β=5.2を使用
・供給液の非透過性成分濃度:6%
・供給液の1価陽イオン濃度:54mmol/kg
・供給液の1価陰イオン濃度:27mmol/kg
・供給流量:25000kg/h
・膜面積:様々に想定
・運転温度、圧力:10℃、2.0MPa
次に、割り出した膜面積677m2の設備で、連続式2.5倍濃縮に透析ろ過工程を付加した場合のシミュレーションを行った結果を表8〜表10に示す。各表の最上列のDF0.5倍、DF1.0倍の記載は、透過ろ過工程のおける加水量が液量20tonの0.5倍量、1.0倍量、すなわち10ton、20tonの時点であることを表す。また、最下列のそれぞれの状態に到達するまでの所要時間の計算値を示す。
・ナノろ過特性に関するパラメータ4個:a=−1.93、b=42.5、α=0.45、β=5.2を使用
・供給液の非透過性成分濃度:6%
・供給液の1価陽イオン濃度:54mmol/kg
・供給液の1価陰イオン濃度:27または36または54mmol/kg
・供給流量:25000kg/h
・膜面積:677m2
・運転温度、圧力:10℃、2MPa
・ナノろ過特性に関するパラメータ4個:a=−1.93、b=42.5、α=0.45、β=5.2を使用
・供給液の非透過性成分濃度:6%
・供給液の1価陽イオン濃度:54mmol/kg
・供給液の1価陰イオン濃度:27または36または54mmol/kg
・供給流量:25000kg/h
・膜面積:677m2
・運転温度、圧力:10℃、2MPa
そして、表8〜表10に示す通り、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法を利用することで、工程の組み合わせ方によって脱塩レベルの異なるホエイを得られることが確認された。また、本実施例で想定した条件では、ナノろ過処理液の非透過性成分濃度は15%であって、1価陽イオンは30.2〜58.6mmol/100g固形、1価陰イオンは2.3〜53.7mmol/100g固形の範囲に調整しうることが示された。一方、目的とする処理液の条件を先に設定し、それに必要な原料の条件や、設備の仕様、運転方法などを計算により導出することもできる。すなわち、ナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法に基づいて、ナノろ過設備を設計できることが実証された。
以上をまとめると、本実施形態のナノろ過設備の濃縮/脱塩機能の予測方法及びこの予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法では、ナノろ過設備の機能に関し、商用規模のナノろ過設備の構成を想定して複数の代数方程式や微分方程式等からなるプロセスモデルを記述する。そして、プロセスモデルは、設備構成、ナノろ過設備の機能に対する原料液(被処理液)の濃度、流量の影響、膜の塩類阻止特性などを定式化したものであり、前述の非特許文献4及び非特許文献5の方法では、NF膜の阻止性能を一定にしているのに対し、脱塩の進行に伴う塩分組成(成分組成)の変化に連動して、NF膜の阻止性能が動的に変化することを考慮している。
そして、このようにプロセスモデルを設定した後、ナノろ過試験装置7を用いて試験を行い、この試験結果からナノろ過膜3の性能に関する4つの特性値を定める。これら4つの特性値のうち、2つは透過流束に関する特性値とし、2つは塩類阻止特性に関する特性値とする。
次に、試験で定めた4つの特性値をプロセスモデルに代入し、方程式の数値解を求める。このとき、ナノろ過設備の設備構成、膜面積、運転方法などの諸条件が予めプロセスモデルに含まれているため、原料の液量、濃度、組成などの条件をプロセスモデルに代入して数値計算することにより、ナノろ過後の処理液の濃度、組成などを予測することが可能になる。そして、回分式運転及び透析ろ過運転では、時間経過に伴い成分組成や透過流束が変化するが、その変化の様子の予測を行うことができる。このため、ナノろ過設備が一定で、原料の供給流量や濃度などの条件を変更したときの状況を予測することができる。逆に、原料が一定で、ナノろ過設備の運転方法や設備規模を変更したときに、処理液の濃度や組成が如何に変化するのかも容易に予測することが可能になる。
これにより、本実施形態のナノろ過設備の機能予測方法及びこの予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法においては、新規設備の立案が容易になり、また、既存の設備に対し運転方法や原料を変更するときの設備の挙動予測を容易に行うことが可能になる。よって、液状食品を処理するナノろ過設備に関し、ナノろ過試験装置での試験結果から商用規模の設備の機能を精度よく予測し、設備計画に役立てることが可能になる。
以上、本発明に係るナノろ過設備の機能予測方法及びこの予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 連続式ナノろ過設備
2 回分式ナノろ過設備
3 膜
4 圧力容器
5 供給ポンプ
6 循環ポンプ
7 ナノろ過試験装置
2 回分式ナノろ過設備
3 膜
4 圧力容器
5 供給ポンプ
6 循環ポンプ
7 ナノろ過試験装置
Claims (5)
- ナノろ過設備の機能を予測する方法であって、
透過流束に関する2つの特性値a,bと塩類阻止特性に関する2つの特性値α,βをパラメータにして定式化したプロセスモデルを用いることにより、供給液の成分組成の変化に連動するナノろ過膜の阻止性能の変化を反映させてナノろ過設備の機能を予測するようにしたことを特徴とするナノろ過設備の機能予測方法。 - 請求項1記載のナノろ過設備の機能予測方法において、
ナノろ過試験装置を用い透過流束を測定し、また供給液と保持液と透過液とをサンプリングして成分濃度を測定し、この試験結果に基づいて前記透過流束に関する2つの特性値a,bと前記塩類阻止特性に関する2つの特性値α,βを決定することを特徴とするナノろ過設備の機能予測方法。 - 請求項1または請求項2に記載のナノろ過設備の機能予測方法において、
前記被処理液が液状食品であり、ナノろ過設備の機能が該液状食品の濃縮及び脱塩であることを特徴とするナノろ過設備の機能予測方法。 - 請求項3記載のナノろ過設備の機能予測方法において、
液状食品に含まれる1価陽イオンCと1価陰イオンAに対するナノろ過膜の阻止率について、ナノろ過膜の保持液側の濃度が、A≦Cの場合には、1価陽イオンの阻止率Rcを下記の式(1)で表し、A>Cの場合には、1価陰イオンの阻止率Raを下記の式(2)で表すことを特徴とするナノろ過設備の機能予測方法。
Rc=α+(1−α)exp(−β×A/C)・・・・(1)
Ra=α+(1−α)exp(−β×C/A)・・・・(2)
ここで、Rcは1価陽イオンに対する阻止率、Raは1価陰イオンに対する阻止率、Cはナノろ過膜保持液側の1価陽イオン濃度、Aはナノろ過膜保持液側の1価陰イオン濃度、α,βは塩類阻止特性に関する特性値である。 - 請求項1から請求項4のいずれか記載のナノろ過設備の機能予測方法を用いて、所定のナノろ過処理液を得るために必要な設備構成、運転方法、供給液の条件を割り出すことを特徴とするナノろ過設備の設計方法。
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JP2010191093A JP2012045501A (ja) | 2010-08-27 | 2010-08-27 | ナノろ過設備の機能予測方法及び該予測方法を用いたナノろ過設備の設計方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016193421A (ja) * | 2015-02-18 | 2016-11-17 | エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH | 膜性能指標を考慮に入れた有機親和性ナノ濾過による、均一系触媒の反応混合物からの分離 |
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2010
- 2010-08-27 JP JP2010191093A patent/JP2012045501A/ja active Pending
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JP2016193421A (ja) * | 2015-02-18 | 2016-11-17 | エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH | 膜性能指標を考慮に入れた有機親和性ナノ濾過による、均一系触媒の反応混合物からの分離 |
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