JP2012043391A - 河川の状況を常時監視する方法(その2) - Google Patents

河川の状況を常時監視する方法(その2) Download PDF

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Abstract

【課題】十分に河川監視を実現するための財政的な根拠は確保されていないため、これを民間の資本や、河川の安全面や環境面で便益を享受する市民からの資金調達により整備していくビジネスモデルを確立する。
【解決手段】河川の状況を常時監視するシステムであって、監視カメラがとらえた情報をインターネット網を経由させて河川情報サーバーで管理し、これをサーチエンジンのコンテンツサーバーとリンクさせて、河川の状況をユーザーに常時供給する方法であり、サーチエンジンの広告料金の徴収の仕組みと連動して、システムの運用のみならず河川現地における監視カメラやその他のセンサーの設置費やメンテナンスの費用についてもビジネスモデルに組み込み、河川情報のユーザーである河川管理者や一般市民の施設設置費や情報の使用料金の負担がなく、河川を監視するシステムとそのビジネスモデル。
【選択図】図1

Description

この発明は、コンピューターネットワーク技術を活用した新たな河川監視の方法に関するものである。
河川監視用のカメラは現在多数が実際に使用に供されている。主たるものはアナログタイプのカメラであり、同軸ケーブルの専用線でつながれて活用されているものや、LANにつながれた後、光ケーブルに接続され、河川専用の光ケーブルネットワーク網の中で活用されている。河川現地における監視カメラの設置費用は、機種と接続方法によるが、1箇所あたり数百万円〜数千万円であり、十分な整備を進めていくためには多大な費用が必要とされる。また通常、監視カメラや他のセンサーを稼働させるためには商用電源を必要とするため、商用電源の配給されている設備に設置するか、新たに商用電源を引くための工事を実施して電力の供給を確保したうえで利用されている。監視カメラで撮影された映像は、河川管理を担う、公共の河川管理事務所などに送られ、画像が処理されて、とくに増水時などの河川監視に用いられている。
橋梁は河川における重要施設であり、その数は1級河川、2級河川、普通河川を合わせると北海道内だけでも数1000箇所が存在している。河川の橋梁には、その左岸側・右岸側それぞれの末端の堤防上などに、河川の名前や管理者を表示する河川名標識が設置されており、通常は左岸1箇所、右岸1箇所の合計2箇所であるが、国道などの大きな橋梁には左右岸にそれぞれ2箇所の合計4箇所に設置されている場合もある。
一方、コンピューターネットワーク技術の中で、本発明において重要な位置を占めるのが、検索サービス技術の進歩である。
例えば、検索サービスの最大手であり、そのサーチエンジンの利用者が世界一であるのはグーグルである。その開発は1995年に創業者のブリンとページが米国スタンフォード大学で出会った時から始まり、1998年には株式会社としてのグーグルが誕生した。2004年にグーグルは株式市場に上場した。
その検索システムには、ページに張られたリンクの数や重要性を評価して、検索結果に反映する「ページランク」という方法が基礎となっているが、その後進化を続けているグーグルの検索システムのアルゴリズムは門外不出の極秘事項となっており、正確には知られていない。当初、創業者の2名は、世界で最速で最も性能の高いサーチエンジンを作ることだけに関心があり、グーグルが会社となった後も、収益を得る方法を考えていなかった。収益モデルが確立したのは、CEOのシュミットが参加してからであり、シュミット参加後、ヤフーなどとの提携もあり、業績を急ピッチで拡大し、現在は世界でも最も巨大なIT企業の一つとなっている。
その収益モデルは、検索結果のページにスポンサー企業の広告が表示され、その広告がクリックされる度に課金されるものが収益となるものである。当初、創業者の二人は、広告は検索結果の公正さを損なうものである、と毛嫌いしていたが、結果的に検索結果を表示するページに企業の広告を載せることとなった。ただし、その広告は、検索キーワードに関係の深いものが表示されるようなアルゴリズムになっており、あくまでも利用者の検索という目的に資するようになっている。また、検索結果のページ右側まとめて表示され、その背景色が変えられていることなどにより、検索結果と明確に区別できるように配慮されている。
グーグルの検索を支えるのが、その巨大なハードウエアであり、世界中のホームページをダウンロードし、インデックスを作り、それをもとに検索結果を導き出している。検索のアルゴリズム等、そのソフトウエアの優秀さや独自性もさることながら、常に世界一のハードウエアを構築することが、グーグルの優良な検索を支えている。グーグルは、巨大なハードウエアを実現するために設立当初は安価なパソコンを大量に使い、それを1台の仮想のコンピューターとして使えるようにする「クラスタリング」という技術を用いた。この技術は現在も発展形で活用されており、これがグーグルを大きく特徴づけている。
グーグルのサービスのひとつであるグーグル・アースは、グーグルの検索ページに付帯している地図情報のサービスである。地球の写真上の任意の点をクリックすることで、その地点の上空からの画像を拡大して見ることができる。画像のもととなっているのが、グーグルが集めた航空写真や衛星写真であり、地球上の陸地の多くの部分を網羅したといわれている。
また、グーグル・ストリート・ビューも、グーグルの検索ページに付帯しているサービスのひとつである。グーグルの車両がストリート巡回し、撮影した写真をもとに、データの存在する地点から周辺360度を見渡した映像をインターネット上で閲覧することができる。また、積極的にこのサービスを利用し、自宅や自社への案内に使いたい場合には、自分で映像を用意し、ストリートビューにアップロードすることにより、インターネット上で任意の者が閲覧できる仕組みとなっている。
グーグルの検索システムにおける収益システムは、広告によるものであり、検索結果のページにスポンサーリンクという名称で広告が表示され、検索ユーザーがこの広告をクリックするたびにグーグルに収益がもたらされる仕組みとなっている。グーグルの独自性は、この広告がいわゆるバナー広告のように派手なものではなく、検索結果と同じ書式のテキストによる1行だけで表示されているものであること、また、検索ページの右端に、背景を変えたり、文字の色を変えたりして、広告であることを明らかにし、検索結果と区別できるようになっていることである。また、広告に対しても独自のアルゴリズムで表示順位をつけ、検索キーワードにもっとも関連性の高い広告から順番に表示されるようになっており、検索ユーザーに利便を供することを前提としている。
グーグルのサーバーは巨大なものであり、世界各所に専用のサーバーセンターを有している。会社設立当初より、ハードウエアの強力さによるウェッブページのダウンロード能力が検索システムの優劣を決めることに着目し、当時から寄せ集めのコンピューターで最大限のハードを構築しており、次々とサーバーの拡大を図ってきた。これが、普通のパソコンを大量に使い、それを1台の仮想のコンピューターとして使えるようにする「クラスタリング」という技術であり、グーグルの技術を特徴づける技術のひとつである。
現在の日本はスマートフォン旋風が吹き荒れており、iphoneを有するアップルが多くのユーザーを獲得しているが、一方、ドコモはグーグルと組んで新製品の投入により巻き返しを図っている。機能も充実しているため、今後はモバイルパソコンに代わって、スマートフォンを活用するユーザーがますます増加することが予想される。河川の監視システムにおいても今後はスマートフォンの活用により、いつでも情報端末を携帯し、豊富な情報にアクセスできる環境の構築が展望される。
さらに、クラウド・コンピューティングに関する関心が日に日に高まっているが、アップルやグーグルはスマートフォンの普及に基づくクラウド・コンピューティング環境の市場占有を狙っていると考えられる。マイクロソフトも、OSやアプリケーション市場では独り勝ちを収めたが、時代がクラウドに向かうのを目の当たりにして、クラウドでの優位性の保持を目指し、新たなサービスの提供を計画している。端末としてのスマートフォンで優位性を獲得し、クラウド側のプラットホームやインフラに対しても市場を押さえることを狙い各社が凌ぎを削っている。
特開2006−234654公報 特表2006−500699公報
21世紀の環境問題において、地球温暖化対策が最優先課題として挙げられて久しい。気象に関しては、局所的かつ突発的な現象が頻発しており、地球温暖化がその原因となっているという説が有力視されている。河川に関連しては、局所的、突発的な豪雨によって水位が急上昇する現象が頻発し、近年では神戸での事故等、被害が発生している。この気象の変化や水害の危険性に対して、綿密な河川の監視の必要性がますます求められており、また近年のIT技術の進歩によって、映像等を用いたリアルタイムの河川監視を低コストで実現できる環境が整ってきた。しかしながら、コストが低くなってきたとはいえ、その負担は、財政難の国・地方自治体にとっては悩みの種であり、十分な河川監視を実現するための財政的な根拠は確保されておらず、これを民間の資本や、河川の安全面や環境面で便益を享受する市民からの資金調達により、これを整備していくビジネスモデルの確立が急務である。
現在、専用カメラや水位計などによる河川監視が実施されているが、十分に整備が行き届いているとは言えない。また、これら監視システムを活用したり、管理しているのは行政の河川管理者であり、今後システムの規模拡大を図ることを考えると、これら河川管理者負担増は否定できない。また、行政の河川管理者にすべてを委ねるシステムを変更し、市民自らが河川を監視し、その安全を守りながら、環境面での有効活用を実現していくことが求められている。
現在のように、行政の河川管理担当者が河川の安全に関する情報を独占するものではなく、より市民に開かれた情報システムの提供が必要である。これは情報の共有のみならず、その情報あるいは情報システムの管理において、一部の河川管理担当者だけに負担が集中するものではなく、その便益を享受する市民ひとりひとりにその責任を分担する意義もある。
また、近年の世界的不況の影響により税収の伸びが見られず、それに対して社会保障等の負担増により、国、地方ともに財政難に陥っている。しかしながら、市民の安全を守るための河川監視システム等の課題を解決していかなければならない。そのためには、民間資本や市民から資金調達による新しいビジネスモデルやインフラ整備に関する新しい潮流の創出が必要不可欠である。
河川現地におけるカメラや他のセンサーなどの整備やネットワーキングの工事に膨大な費用がかかり、税収難の経済情勢下においては、その整備が進展していない。
その整備に必要な資金は税収による行政の会計のみに依存するものではなく、民間のビジネスの枠組みの中で調達することが必要であり、それを賄うビジネスモデル、ビジネスシステムの構築が必要である。
橋梁は河川における重要構造物であり、河川の水位などの状況を監視するには非常に利用価値の高い施設である。また、北海道内だけで数1000箇所が存するという状況から見て、その数の多さを利用した、点での監視ではなく、面的な管理を実施する点においても優れている。
河川監視の主な方法として水位観測所などに設けられた水位計によって計測された水位情報によって危険度を判断する方法が一般的である。しかしながら、近年のIT技術の発展により、通信可能なデータ量の拡大が図られ、リアルタイムの河川映像の送信が可能となってきた。一般の市民も対象に河川の情報を開示し利用する場合、その水位情報のみでは不十分であり、河川の映像そのものを利用することがより有効である。また、数多くある橋梁を情報拠点として活用することにより、点や線の管理ではなく、面的な水系全体の河川監視が可能となり、これは河川管理者にとって価値があるのみならず、一般市民にとっても付加価値の高い安全及び環境情報となり得る。
近年、河川の幹線沿いには河川管理用の光ケーブルが整備されており、情報網としての価値は高い。それに留まらず、インターネット網やスマートフォンを用いた情報伝達網もますます整備が進んでおり、河川情報においても、閉ざされた河川専用のネットワーク内に留めるのではなく、インターネット網に出して、広く一般市民も含めた活用を推進することが必要である。
グーグルの検索サービスに付帯するサービスとして、グローバルな地理情報システムであるグーグル・アースや街中での地理情報システムであるグーグル・ストリート・ビューなどのサービスが無料で提供されている。また、河川情報の一般市民への公開と活用に関しても、無料化が重要であり、たとえばグーグル・アースやグーグル・ストリート・ビューなどと同じように、グーグルの検索システムに付帯する形態で提供し、その運営費用は検索サービスと連動した広告システムにより、広告スポンサー企業から徴収するシステムの構築が有望である。
今後、スマートフォンがより身近なメディアとして利用が拡大することが想定され、ネットワーク技術を利用した開かれた河川情報は、スマートフォンに提供されて、一般市民や河川管理者に利用されることが効果的である。
また、そのシステムを運用するためのコンピューターインフラやプラットフォームは、行政が負担し整備するのではなく、グーグルのような民間のコンピューターサービス提供者が自前のサービスに連動して、費用負担し整備することが望まれる。
クラウド・コンピューティングの市場争奪により、民間のコンピューター関連産業各社は技術開発にしのぎを削っており、この最新の技術を河川管理の情報システムにも活用することに非常に意義が見出せる。
河川現地におけるカメラや他のセンサーなどの整備やネットワーキングの工事に膨大な費用が必要となるが、その整備に必要な資金は税収による行政の会計のみに依存するものではなく、民間のビジネスの枠組みの中で調達し、それを賄うビジネスモデル、ビジネスシステムについて提示する。
河川現地におけるカメラや他のセンサーなどの整備は通常、税収による公共事業費を用いて、河川管理者である行政が予算支出の上、執行している。ここで提示するビジネスモデルは、この財政支出による行政の負担を無くし、ビジネスモデルに組み込むことにより、河川現地におけるカメラや他のセンサーなどの設置費も、ビジネスシステムに内包される収益により賄われる。従って、行政にとっても、市民にとっても、予算や税による負担感がなく、河川監視システムを整備することが可能となり、また負担感がないためその整備が促進され、整備が進めば進むほど、河川監視システムの付加価値も増す。その付加価値が増せば、そのサービスを提供するコンテンツプロバイダのインセンティブも増す、という正の循環を生み、これにより河川の安全面、環境面での整備を促進することが可能となる。
従来、限られた行政の河川管理担当者のみが取得し活用していた生の河川情報を一般市民に開放できる。これにより一般市民が洪水時は河川の安全に関する情報をリアルタイムに取得し、自らの安全避難行動に役立てることができる。また、平常時は、河川の環境面での姿にリアルタイムで接することが可能となり、河川に親しみを持ち、環境資源として大切にしていこうという意識の啓発につながり、河川の環境保全に対して大きな効果がある。河川への不法投棄などの防止にも役立ち、河川管理者にすべてを委ねるのではなく、市民自らが、河川環境保全のための監視人や管理者になることが可能となる。
リアルタイムの洪水情報を市民が直接入手することにより、適切な安全行動がとれるようになる。
従来、公共物として管理されていた河川という環境資源をネットワーク技術によって、開かれた情報とするとともに、この情報の利用に対して、民間マーケットの原理を用いた収益システムと連動させることは、河川にとどまらず、今後の情報技術の発展に大いに貢献する。
また、民間資本を用いた公共インフラ整備という観点からも、PFIなどによるハードな施設を整備する仕組みにとどまらず、情報ネットワークと情報管理システムというソフトなインフラ構築の例として、今後のインフラ整備に対して、新たな先行事例となる。
以下に、本発明の原理に従う実現例の詳細を添付図面に基づいて言及する。異なる図面の同一の参照符号は、同一または類似の要素と同一に扱ってもよい。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定するわけではない。
図1は、本発明の原理に従うシステムおよび方法が実現されうる例示の実施形態100の図である。
監視カメラ105で撮影した映像は、ルーター115とLAN120を経由して河川用に敷設された光ケーブル網125または商用のデジタル通信網130を経由して、インターネット網135に入り、河川情報サーバー140に伝送される。河川情報サーバー140において、伝送された映像と情報がデータベース化される。河川情報サーバー140は監視カメラ105や水位センサー他センサー110が存在する河川現地に置くことも可能であるが、この河川情報サーバー140のために設けられた専用のデータセンターに置かれることが、メンテナンスの観点から好ましい。
監視カメラ105は従来のように、行政が税収によって集めた予算から公共事業として支出するのではなく、河川情報プロバイダ220あるいは検索サービスを提供するコンテンツプロバイダ210が、このビジネスモデルのなかで得た収益で整備を進める。そのため、これら設備を利用する市民からは、この監視システムは、直接の利用料の負担も無ければ、税負担、財政負担もなく、無償で提供されているサービスとして受け止められる。
河川情報サーバー140で処理された河川監視情報は、インターネット網135経由でグーグル等の検索サービスを提供するコンテンツプロバイダ210が運営するコンテンツサーバー145に提供される。
サーチエンジンユーザー150がサーチエンジン155を用いて検索を行う場合、その検索結果のページにスポンサーリンク等の広告が提供されており、広告主215は、サーチエンジンユーザー205が検索したキーワードと関連性の高い内容について広告することができる仕組みとなっている。この広告は広告サーバー160から供給されており、コンテンツサーバー145と広告サーバー160のリンクが165である。
提供された河川監視情報は、グーグル等の検索サービスを提供するコンテンツプロバイダ210が提供する検索ページ内に設けられた、「SIGN VIEW」または「KASEN VIEW」などの表示にリンクされ、利用者は、グーグル等の検索ページ経由で利用する。
河川監視システムを利用することが目的である河川情報ユーザー170も、一義的にはサーチエンジン155にまず入り、そこからリンクされている河川情報サーバー140にアクセスして、必要な河川情報の提供を受ける。また、インターネット網135から直接、河川情報サーバー140にアクセスすることも可能である。
河川情報サーバー140とコンテンツサーバー145とのリンクが175であり、河川監視システムを利用した河川情報ユーザー170が、リンクを通じてサーチエンジン155の検索ページに入ることが可能である。これにより、河川情報ユーザー170がサーチエンジン155とコンテンツサーバー145を経由して、広告主215が提供する広告サーバー160にある広告にアクセスすることが十分にあり、河川監視システムの存在により、広告にアクセスする件数が増加することが期待される。
また、河川監視システムに、水関連のスポンサーリンクを張り、グーグル等の検索サービスのコンテンツサーバー145でプログラム処理されている表示順位アルゴリズムに基づいて表示し、検索ページにおけるスポンサーから徴収しているのと同様の仕組みで広告料を徴収することが可能である。
河川監視システムの場合、広く一般のサーチエンジンユーザー150を対象とした検索サービスとは違い、ある範囲に限定したアクセス制限をかける必要性も考えられる。その際には、アクセス時に必要なID発行を有料とする可能性が考えられる。また、河川の環境破壊等、悪意をもった者に悪用されないようなルール作りが必要となる可能性が考えられる。
現在、クラウド・コンピューティング技術の開発と市場の獲得に大手コンピュータネットワークメーカーが凌ぎを削っている。サーチエンジン155にとどまらず、それを含むクラウド・コンピューティング180の一環にこの河川監視システムが存在し、クラウド・コンピューティング180のユーザー獲得のためのツールとして活用されることが想定される。
図2は、本発明のシステムにおけるサービスの提供と料金の徴収の仕組み200を表したものである。
従来のサーチエンジンを用いた広告の提供と広告料金の支払いの流れは、サーチエンジンユーザー150が検索サービスのコンテンツプロバイダ210の提供するサーチエンジンを利用して、検索データの提供を受ける際に、その検索ページに表示された広告主215の広告をクリックした際に、広告料金が発生し、広告主215が料金230を支払う仕組みであった。
河川監視システムは、コンテンツプロバイダ210の提供する検索エンジンにリンクしているものであり、河川情報ユーザー170は、コンテンツプロバイダ210の提供するサーチエンジン経由で河川監視システムにアクセスする。この際には、河川情報プロバイダ220に対して、コンテンツプロバイダ210から河川監視システム利用に関する料金225が支払われる。
コンテンツプロバイダ210から河川情報プロバイダ220に料金を支払うインセンティブとしては、河川監視システムを利用する河川情報ユーザーによるコンテンツプロバイダ210の提供するサーチエンジンへのアクセスが増えるたびに、広告主215の掲載する広告にアクセスする機会が増大するものであり、広告主215からの広告料金230による収益を、河川情報プロバイダ220への料金225として支払うための十分なインセンティブとなる。
またコンテンツプロバイダ210は、河川情報に関連する広告主からの広告を募り、河川監視システムを提供するページに、広告を掲載することにより、河川に関連するユーザーを狙って的確な広告を提供することが可能となる。
このように、従来はサーチエンジンユーザー150が広告消費者235となり、サービス・製品の購入240によって、広告主215に収益をもたらすという形態であったビジネスモデルに、新たに河川情報ユーザー170が加わり、河川情報ユーザー170がサーチエンジンユーザー150にもなり、広告消費者235にもなるというビジネスモデルとし、ここから得られる収益により、河川監視システムを運営するというビジネスモデルが構築される。
図3は、実際の河川において、橋梁の河川名標識305に河川監視カメラ105を取り付けて、河川監視システムを運用する場合の、取り付け箇所のイメージを描いた図300である。
橋梁は河川構造物の中で、非常に重要な構造物であり、例えば、北海道内だけでも数1000箇所が存在している。河川の状況を細やかに監視するために、この橋梁に付設された河川名標識305を河川監視の拠点とすることは非常に有効である。
河川監視用のカメラ105は従来から河川監視用に用いられているような高価なものではなく、数万円〜数十万円のネットワークカメラを用いることで十分に対応可能である。この監視カメラ105は河川名標識305の支柱310に本体を埋め込み、レンズだけを外に露出する形態で設置する。監視カメラ105本体を支柱310に埋め込むことにより、装置の保護を行うとともに、監視カメラ105の存在を分かりにくくすることによるイタズラや破壊行為を防止する効果がある。電源は、河川名標識305の表示板315上部に設けられたソーラーパネル320で発電し、バッテリーや映像記録・送信装置は、2枚の表示板315に挟まれた表示板315裏側の空間に設けられた保護ボックス内に収納される。この保護ボックスは耐久性、耐候性に優れた屋外用のものとすることが必要である。
監視カメラ105の映像の他に、同じく河川構造物の中で重要設備である樋門などに水位の他に、雨量、温度、湿度、水質などのセンサーに敷設し、橋梁のみならず樋門を河川監視の拠点とすることが考えられる。
監視カメラ105に必要な電源は、河川名標識305の表示板315上部に設置されたソーラーパネル320により発電し、表示板315裏側の保護ボックス内のバッテリーに充電された後、監視カメラ105や映像記録・送信装置に電源供給される。
図4は、河川監視システムの表示画面のイメージ400を表したものである。
表示画面はグーグルが提供するグーグルマップなどの地図情報提供サービスの表示画面に近いものを想定しており、地図情報405から監視したい地点を選択できる仕組みとなっている。また、地名から検索する入力バーのテキスト入力ボックス410や地域名から選択するリンク文字415が表示される。河川情報は河川映像420によって表示される。映像のみならずその他センサーによって計測された水位、温度、雨量などの表示も可能である。
図5は、表示画面のイメージ400の地図情報405において、地域を絞り込んでいった際に表示される河川地図のイメージ500を表したものである。
通常のインターネット上での地図情報システムと異なり、本システムは河川監視システムであるため、縮尺の大きい地図は河川地図として表示される。
本システムは河川の重要構造物であり、数多く存在する橋梁の河川名標識305にカメラを設置して運用することを想定しているため、河川地図には橋梁に番号が付けられており、番号に対応する橋梁名505が画面右に表示されている。ユーザーは河川内の橋梁番号510あるいは、画面右の橋梁名505をクリックし、監視する地点を選択する仕組みとなっている。
既存のグーグル等の検索サービスなど、すでに完成しているインフラにリンクさせて活用するため、現地のカメラの設置とサーバー側での運用プログラムの導入が済めば、比較的早期の実用化が可能である。
本発明の原理に従うシステムおよび方法が実現されうる例示の実施形態の図である。 本発明のシステムにおけるサービスの提供と料金の徴収の仕組みを表した図である。 実際の河川において、橋梁の河川名標識に河川監視カメラを取り付けて、河川監視システムを運用する場合の、取り付け箇所のイメージを描いた図である。 河川監視システムの表示画面のイメージを表した図である。 表示画面のイメージの地図情報において、地域を絞り込んでいった際に表示される河川地図のイメージを表した図である。
100: 河川監視システム
105: 監視カメラ
115: ルーター
120: LAN
125: 光ケーブル網
130: デジタル通信網
135: インターネット網
140: 河川情報サーバー
145: コンテンツサーバー
150: サーチエンジンユーザー
155: サーチエンジン
160: 広告サーバー
165: 広告サーバーとコンテンツサーバーのリンク
170: 河川情報ユーザー
175: 河川情報サーバーとコンテンツサーバーのリンク
180: クラウド・コンピューティング
200: 河川監視システムのビジネスモデル
210: コンテンツプロバイダ
215: 広告主
220: 河川情報プロバイダ
225: コンテンツプロバイダから河川情報プロバイダに支払われる料金
230: 広告主からコンテンツプロバイダに支払われる料金
235: 広告消費者
240: サービス・製品の購入
300: 河川名標識における監視カメラ取り付け箇所イメージ
305: 河川名標識
310: 支柱
315: 表示板
320: ソーラーパネル
400: 河川監視システム表示画面イメージ
405: 地図情報
410: テキスト入力ボックス
415: リンク文字
420: 河川映像
500: 河川地図のイメージ
505: 橋梁名
510: 橋梁番号

Claims (5)

  1. 河川監視システムにおいて、河川現地に監視カメラを設置する方法として、河川の重要構造物であり、河川に多数が設けられている橋梁に付設されている河川名標識が従来は表示板によって河川の名称や管理者を表示する機能のみであったものを、その支柱に監視カメラを設置し、ソーラーパネルにより電源供給して運用することにより、独立式の河川監視拠点として利用する方法。
  2. 請求項1の河川名標識に設置された監視カメラを用いて、河川の状況を常時監視するシステムであって、監視カメラがとらえた情報をインターネット網を経由させて河川情報サーバーで管理し、これをサーチエンジンのコンテンツサーバーとリンクさせて、河川の状況をユーザーに常時供給する方法であり、サーチエンジンの広告料金の徴収の仕組みと連動して、システムの運用のみならず河川現地における監視カメラやその他のセンサーの設置費やメンテナンスの費用についてもビジネスモデルに組み込み、河川情報のユーザーである河川管理者や一般市民の施設設置費や情報の使用料金の負担がなく、河川を監視するシステムとそのビジネスモデル。
  3. 請求項1の河川名標識に設置された監視カメラを用いた河川監視システムにおいて、サーチエンジンのコンテンツプロバイダが広告主から徴収した料金の中から、コンテンツプロバイダが河川情報プロバイダに対して、河川情報の提供に対して料金を支払う仕組みと、この料金によって河川監視システムが運用される仕組み。
  4. 請求項1の河川名標識に設置された監視カメラを用いた河川監視システムにおいて、検索サービスのページに河川情報を表示する方法とその画面の構成。
  5. 請求項1の河川名標識に設置された監視カメラを用いた河川監視システムにおいて、河川地図を利用して、そのシステムを運用する方法とその画面イメージ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020086156A (ja) * 2018-11-27 2020-06-04 セフテック株式会社 電源装置、撮影装置、および、撮影システム
JP2023170588A (ja) * 2022-05-19 2023-12-01 スマートニュース株式会社 プログラム、携帯端末の制御方法、携帯端末、及び情報処理装置

Cited By (2)

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