JP2012031499A - テルミット溶融法を用いた廃棄物から金や銀や白金或いはレアメタルの回収方法 - Google Patents

テルミット溶融法を用いた廃棄物から金や銀や白金或いはレアメタルの回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貴金属やレアメタルの回収を、採算制の高い数種類に絞る事によって中小企業でも大規模な設備を投資する事無く、簡易に且つ廃材を熱源とするテルミット溶融法による超高温域を利用し、市井から基板や携帯電話など簡易に回収できる廃棄物から、安価に金や銀或いはレアメタルを回収することが出来る技術を提供する。
【解決手段】無機物系廃棄物処理の溶鉱炉において。炉床全体の傾斜角度が15度から35度内の傾斜角度を特徴とし、その傾斜床面において、比重の重い金や銀や白金或いはレアメタル回収を目的としたひとつ以上の溝を湯溜まりから湯口に向かって持つ炉床であることを特徴とする溶融炉。
【選択図】なし

Description

本発明は、都市鉱山と呼ばれる廃棄物から、テルミット熔融溶融法による超高温域を利用して金や銀や白金或いはレアメタルを安価に回収すると同時に、残渣を無害化する技術に関するものである。
昨今、世界に於けるわが国の国際的な政治力や発言力或いは天然資源を確保する外交力においては非常に弱腰である。急成長を遂げる中国はアフリカなどへの素早い外交攻勢で資源確保に乗り出し、レアメタルのみならず、いち早く世界中の資源の獲得に中国政府自ら行動してきた。
例えばレアメタルの一つであるコバルトの産出量世界一を誇るコンゴは、2010年3月以降、それまで外資に開放していた鉱山開発の契約を、全面的に見直し、コンゴへの貢献度を基準に開発権を与えることになった。これによってコバルトの価格は5年前の5倍を超えた。
これ等がひとつの大きな要因となり、各種資源の国際価格が高騰し、鉄鉱石は2010年の4月の段階で前年度比65%値上がりした。しかし外交下手ではあっても、技術立国日本は製造に特化した周辺において、製造関連資材やその廃材などの残渣については未だ大量に残存しておりこれ等の廃材残渣を都市鉱山とすればわが国は未だ見捨てたものでは無い。
海外での資源調達も重要だが、携帯電話や家電製品やコンピュータの基板などに使用されている金や銀などレアメタルを考慮すれば、これらがリサイクルに回される廃棄物を資源と見ればまだまだ、わが国は宝の山としての都市鉱山が存分に存在している事になる。
またこれら都市鉱山には30から50種の希少金属が含まれており、既にわが国でも大手企業による精錬企業や分離回収型企業の存在があり、これ等の回収技術においてはわが国は正に世界一とも言える存在であるが本発明では金や銀などレアメタルの回収を数種類に絞る事によって中小企業でも大規模の設備を投資する事無く、簡易に且つ廃材を燃料源としたテルミット溶融法による超高温域を利用して、市井から基板や携帯電話など簡易に回収できる廃棄物から、安価にレアメタルを回収することが出来る画期的な技術を提供するものである。
従来技術としては下記のような先願特許がある。
特許公開2004−018933金の精錬法。 特許公開2003−520901金の分離を伴う銀地金の精錬方法。 先願特許としては上記2件などがあるがこれ等はいずれも金鉱石から金を精錬する技術や金地銀塊から金や銀や鉛などを分離精錬に関する先願特許であり、本発明とはいずれも思想を異にするものである。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、都市鉱山と呼ばれる自動車や家電製品や先端電子機器など、正に現代の先端産業とも云うべき世界にも必ずや切り離す事が出来ない分野がいわゆる廃棄、回収の静脈分野である。これ等の静脈分野に於いて廃棄物を処理すると同時に、これら都市鉱山と呼ばれる廃棄物に含まれる希少金属いわゆる、金や銀或いはレアメタルを回収すると同時にあたかも生産するがごとき新規な技術を提供することである。
問題を解決するための手段
自動車や家電製品や先端電子機器などに使用された基板のボンディング溶接部分や液晶画面の透明電極部分など都市鉱山と呼ばれる廃棄物から金や銀或いはレメタルを回収する方法としてアルミと酸化鉄による酸化還元反応いわゆるテルミット反応の反応熱を利用するものでこの反応熱の理論値は3000℃近くあるものの、アルミ系材料としてはアルミドロスを、酸化鉄はチタン抽出残土の赤土を、いわゆるテルミット剤としての素材はどちらも廃材であるため理論値にはほど遠いいが、それでも1,700℃から2,000℃の温度が可能であるため、この超高温域を利用して前記廃棄物を溶融無害化すると同時に金や銀或いはレアメタルの産出というか抽出が可能であることが判明した。
特に金や白金や銀などは超高温域でも酸化する事無く抽出が可能であり本技術の利用により正に中小企業でも、本来なら高額資本を必要とする精錬事業に対し容易に算入する事が可能となった。正に本技術は処理装置ではなく生産設備と言うべき大きな転換である。
上記課題に関して実験並びに鋭意研究を行った結果、次の知見を得た。
即ち、剥離回収した中古自動車の基板部分をテスト材料として中古車センターから貰い、前処理として焼却炉で基板周辺配線やプラスチック部分を先ず一旦焼却処理した後、テルミット式熔融炉に投入しバーナーで表面溶融加熱したところ、金の融点に近い1000℃を越えた超高温域に達した処、突然金の溶出が始まり他の鉄板や合金素材はそのまま乍ら、微量では有るが金の抽出が可能であることが判明した。但し本処理過程において黒煙やツンと来る臭気には強いものが有り、本事業を本格化するには正規の焼却装置やバグフイルターなどの排ガス装置が必要である事はもとより、これ等の設備に投資しても事業として採算性があることが判明した事が何よりも大きな収穫であった。
溶融炉の溶融効率、いわゆる燃費を向上させる為には、出来れば前処理として被溶融対象物を小さく裁断した方が熱効率も良く又、溶融炉投入前に加熱した水ガラスを散布すると飛散する雑物なども減少する事が判明した。又溶融炉内の気流は当然溶融環境下にあるため、再び粉塵になって炉外に排出されることも無いことが判明した。溶融炉の排出口湯口下方には、冷却水を常に補給できる水道直結型、若しくは水タンク付きの水槽を設け、溶融炉から流れ出す溶融物質の湯を直接水中に落としこむ結果、1000℃以上の溶融物質が一機に100℃以下に急冷却される為、湯は水中で大きく弾き、直径2〜4mm前後の水砕スラグとなり、これ等水砕スラグの中に微細ながら金塊があることも判明した。
溶融対象物を溶融炉に投入する寸前に、テルミット丸薬を混合して、溶融炉内で加熱溶融した時、加熱バーナー下でテルミット反応が同時に生起され、テルミット反応熱が発生、更に、爆発的な衝撃波も発生して混合物は撹乱され、超高温域の温度は溶融対象物の細部にまでいきわたる。即ち常識的には溶融炉内の加熱は、溶融対象物の表層加熱になり、表層部だけが溶融するに表面溶融に過ぎないが、テルミット反応の爆発的な撹乱作用で混合物の下層部分が表層に巻き上がり上下均等に加熱され、溶融層の深さが深くなり、この結果、溶融対象物に満遍なく熱が伝わる事が分った。
バーナー加熱を熱源とする表面溶融炉の場合、或いはコークスを熱源とするコークスベット法などの場合は、溶融炉の炉内温度は通常高くても1450℃〜1550℃が限界であるが、テルミット丸薬剤の添加により鉄材の融点である1530℃をはるかに越えた1,700℃〜2,000℃の溶融環境が十分形成されることが判明し、金の融点である1000℃付近で先ず金や銀の分離回収が可能となり、その後の超高温域でレアメタル類の回収が行われる。これ等、付加価値の高い金属回収後の残渣を、廃棄物として無害化溶融する仕分けも、本行程では比較的容易で、金や銀或いはレアメタル等と廃棄物の仕分けが容易に可能であることが判明した。
当然熔融温度が高い分、時間当たり被溶融対象物の溶融処理能力が大きく増加し、処理時間も早くテルミット剤の添加は、レアメタル回収後の残渣、いわゆる廃棄物の溶融無害化処理が、効率よく可能となり通常の溶融方式の炉に比較し、130〜180%溶融量が多くなる。
テルミット剤の混合割合(重量比)は、被溶融廃材100に対してテルミット剤5%〜40%の範囲が好ましい。上限値を超えると、塩基度の関係もあり溶融ガラスの粘度が高くなり流動性が悪くなるので好ましくない。またテルミット剤の添加が下限値以下の場合は、被溶融物質単独溶融の場合とほとんど大差が無い為、余りテルミット効果が期待できない。
又、テルミット剤は、アルミ成分を含む原料と酸化鉄成分を含む原料を混合したもので、混合比はアルミ1に対し酸化鉄3の割合でアルミ成分を含む原料とは、飲料用の廃アルミ缶やアルミ地金の再溶解時に発生するアルミ残灰(通称アルミドロス)などのアルミ成分を含む廃棄物が有効であるが、これのみに限定されるものではない。端的にはアルミ缶を鋏で小さく裁断したものでも可能である。
酸化鉄成分を含む原料とは、鉄屑、鉄錆、などの一般的な金属廃材や製鉄工業界で発生する転炉ダストや、高炉ダストなどの集塵灰、更には磁性酸化鉄製造時に副産物として発生する酸化鉄汚泥や、ボーキサイトから水酸化アルミニウムを製造する際の赤泥或いは南方から輸入する赤泥からチタンを抽出した残土の赤泥などが有効であるが、何らこれのみに限定されるものではない。これらの原料は単一種類のまま使用してもよいし、あるいは出発原料の異なる二種以上を適宜混ぜ合わせて使用してもよい。真っ赤な赤土は酸化鉄の塊のようなもので、乾燥すればこれでも可能である。
上記したように、アルミニウム含有原料がアルミ缶の粉砕片の場合、酸化鉄含有原料と混合したものを板状にプレス圧着したものを適度の大きさに分割して溶融対象物の中に混合、分散させても良い。圧着片の厚さは、概ね3〜6mm程度、長さ5〜30程度が良い。アルミ缶の水分を蒸発させた圧着片には、粘着性の成分が残存し、適度の強度が発現する。廃アルミ缶の粉砕片の大きさは、裁断機によって5〜10mm程度の小片に破砕した後、更に1〜2mm以下に二次粉砕した程度のもので良い。
酸化鉄含有原料として磁性酸化鉄製造時に副生する酸化鉄汚泥を使用する場合には天日乾燥等で含有水分量を5〜1%程度に乾燥すれば良い。また更にアルミニウム原料との混合を良くするために、塊状物を細かく粉砕しておくことが好ましい。
アルミニウム含有原料と酸化鉄含有原料を主原料とするテルミット反応組成物の中のアルミ含有量は5%以上が好ましい。5%未満ではテルミット発熱反応が起きないので好ましくない。アルミニウムと酸化鉄の混合比率は、アルミニウム含有量1に対して酸化鉄含有量2.5〜3.0の比率が好ましく、また混合物の中に酸化チタン3〜12重量%、酸化マンガン1〜3重量%含有させることが好ましい。
アルミ原料と酸化鉄原料に酸化チタンと酸化マンガンがすでに含まれて入るとき、アルミ原料と酸化鉄原料を混合後、酸化チタンと酸化マンガンの不足分を新たに追加して加えれば良い。酸化チタンと酸化マンガンの添加方法は、酸化チタンと酸化マンガンそのものを添加しても良いし、あるいは酸化チタン、酸化マンガン成分を含有するものを添加しても良い。酸化チタン、酸化マンガンを含む廃棄物の粉粒体を添加するのも有効である。
アルミニウム含有原料と酸化鉄含有原料の比率が上限を超えると酸化鉄が過多になってテルミット発熱反応が起きなくなるので好ましくない。また、下限値未満では、アルミが過多になって反応生成物にアルミニウムが残存するので好ましくない。
酸化チタン含有量が下限値未満ではテルミット反応生成物の粘性が高くて溶流性が悪くなり連続操業できなくなるので好ましくない。又、上限を超えて含有させてもそれ以上の溶流性の改善効果は見込めない。これら組成物の混合方法については、たとえば、フレットミルや高速混合機、ミキサーなど通常の撹拌混合機を用いて混合すればよく、酸化チタン、酸化マンガンなどの添加、混合方法についても特別な限定があるわけではない。
テルミット剤は、顆粒状あるいはペレット(造粒物)又は丸薬に成形したほうが好ましい。水で固化する方法もあるがアルミの水和反応によりアルミの表面に薄い酸化皮膜ができる為、アルミの劣化は当然であるが、重要な事として前記アルミ皮膜の形成は、テルミット反応の場合、酸化鉄粒子とアルミ粉体粒子の表面接触状態において起こる酸化還元反応であり、いわゆる加熱による両接触面の界面反応である為、その効果を大きく削ぐ事になる。
テルミット剤を丸薬即ち顆粒、造粒成形すると、袋入りの粉粒体に比べて破袋の恐も無く、両者混合密度が高いために、燃焼熱の伝播速度が速く、より高い発熱効果が得られる。顆粒あるいは造粒成形の方法は、組成物を構成しているアルミニウム成分が水分と反応しやすいので、乾式成形の方が好ましい。乾式成形方法に付いては、ブリケットマシンによる高圧成形、あるいは粘着性の無機バインダーなどを添加すれば良いが本発明では、粘性のあるコンニャクの飛粉を利用すると容易に成形できた。
発明の効果
以上により金や銀或いはレアメタル含有廃棄物を、低コストで溶融する事が可能となりテルミット丸薬の添加により処理能力が130%〜180%増し、その上溶融炉の立ち上げ立ち下げが1.5〜2時間で可能となった。特に溶融の立ち上げが容易で、バーナー着火後1.5〜2時間で溶融が可能となったことは間歇運転が自在となり、連続運転が常識の溶融世界においては画期的な技術である。金や銀或いはレアメタルの回収と同時に無機系廃棄物残渣が完全に無害化溶融され、またガラス化した溶融物は溶出テスト結果、重金属の溶出も無く、建築や土木用の二次製品として有効活用できる見込みが出来た。
以下は本発明の実施の形態であるが、本実施の形態は発明の趣旨をよりよく、理解するために具体的に説明するものであり、本発明がこれのみに限定されるものでないことはもちろんである。
実施例1
テルミット反応剤の丸薬ペレット化
アルミ原料:アルミ地金の再溶解時に発生したアルミ残灰(アルミドロス)の粉体を使用した。
酸化鉄成分:ボーキサイトから水酸化アルミニウムを製造する際の赤泥を乾燥して、そのまま使用した。
補助原料: 酸化チタン、酸化マンガンの廃棄物を粉砕したものを使用した。
上記アルミ原料、酸化鉄成分、補助原料を下記の成分組成(wt%)に調合して、これにコンニャク飛粉(糊剤) 3%を混合して、ペレタイザーで直径8mm、長さ10〜20mmの大きさのペレットを作った。
テルミット反応剤の成分組成
アルミ成分 :18%
酸化鉄成分 :40%
酸化チタン : 5%
酸化マンガン: 2%
電子基板20数枚、いわゆる金や銀或いはレアメタル含有廃棄物を粉砕した物を、コンニャク飛粉である程度ペレット化した物と、テルミット反応剤のペレットを100:30の割合に混合して、バーナー溶融炉(表面溶融炉)で溶融テストした。
図1は、本実施例で使用したバーナー溶融炉の説明図である。
図2は、本発明の溶融炉の湯口正面概要図である。
図1の中で、3は粉砕寸前の金や銀或いはレアメタル含有廃棄物であり、破砕機1で破砕された金や銀或いはレアメタル含有廃棄物2をプッシャー8で溶融炉5内押し込み、加熱用バーナー7の加熱により湯溜り6で液状化して湯となり、湯口13から排出し下方のスラグ冷却装置10で急令する。この時、融点の低い銀は1000℃未満で溶融が始まり、次に1100℃前後の温度帯で金の溶融が始まる事から回収を目的とする金属によっては、その融点の温度帯を暫くの間、維持する必要がある。特に金や銀などは融点が低く、比重が特に重い為(金の融点1063℃、比重19.3)(銀の融点960.5℃比重10.5)金や銀が付着する無機系の廃棄物本体が変化を起こす前に剥離回収は十分可能であるため、比較的回収が容易であり溶けだした金は図3の溶融炉側面湯口18の側面液状金属分離回収誘導路19を経由し、側面湯口18の下方のスラグ冷却装置へ流れ落ち冷却され、スラグなどとは別個の2〜5ミリ前後の金や銀の粒子体として、冷却後に比較的容易に分離回収される。
テルミット剤は炉内温度が1350度から1400℃前後にならないと反応しない為廃棄物と一緒に混入しても良い(図1−4)。炉内温度が1000℃前後の低い温度帯で金や銀などは回収されるためこれ等の回収後、炉内温度が1350℃付近に上昇して、初めて溶融炉内でのテルミット剤による反応が始まり約30分〜1時間内で素早く炉内温度は上昇し、鉄製品などの金属を初め、あらゆる無機系廃棄物の溶融が始まり、湯溜りが出来ると一気に液状化し湯は湯口から水槽に落下し急令する。
冷却後は溶融スラグとして密度が高くなるために物によっては7分の一から約10分の1に減容化し、骨材として回収できた。又テルミット剤の添加によって発生するテルミット反応の生成温度は、理論値は3000℃近いがテルミット素材が全て廃材である為、反応温度は低い。それでも1700℃から2,000℃は十分可能で有り、それも反応すれば即座に可能である。よってバーナー温度1000℃前後の溶融温度で金や銀などの貴金属の回収が終った後、廃棄物と一緒に投入した約20kgのテルミット丸薬剤(図1の4)はバーナーの加熱温度が1350℃前後の到達すると、テルミット反応が起き、金や銀などの貴金属回収後の残渣、いわゆる廃棄物全量の溶融にわずか3時間しかかからなかった。
但し初回は黒煙を発生したので、扇風機を使って大量の空気を追加する事で円滑な燃焼と、テルミット反応時には白色に輝く反応状況が確認でき2000℃以上の温度域が目視できた。一般的には固体が液体に変化する、いわゆる物質の変換には巨大なエネルギーを必要とするが、テルミット反応により一旦、炉床に液状化した湯溜りが出来ると、その湯溜りに落ち込む粉砕廃棄物は苦も無く液状化した。バーナーの燃料にはA重油を使用した。
本技術の実証結果は溶融過程に於いても粉塵発生も無く、溶融炉の低温時に金や銀などの貴金属の回収を可能とし、残渣の廃棄物はテルミット反応により一機に、且つ短時間で溶融温度に立ち上がり、スムーズな湯の流れが確認でき、経済的に極めて低いコストで金や銀などの貴金属回収並びに廃棄物の溶融処理が可能で有ることが判明した。また、溶融後の水砕スラグの、溶出試験の結果、重金属の溶出も無く完全にガラス化して無害化されていた。
以上詳述した様に、本発明は、都市鉱山と呼ばれる自動車や家電製品や先端電子機器などの廃棄物を、テルミット剤を利用して溶融する事により、低温域で金や銀などの貴金属を回収し、その後の超高温域で前記電子機器などの廃棄物を低コストで、公害の恐れも無く完全無害化溶融するものであり、今後静脈産業社会に多大な貢献をなすものである。
図1は、本発明実施例1で使用する表面溶融炉の説明図である。 図2は、本発明溶融炉の湯口正面概要図である 図3は、本発明溶融炉側壁の湯口正面概要図である 図4は、本発明溶融炉側壁の側面湯口正面概要図である
1、 破砕機
2、 粉砕レアメタル含有廃棄物
3、 レアメタル含有廃棄物
4、 テルミット丸薬剤
5、 溶融炉
6、 湯溜り
7、 加熱用バーナー
8、 廃棄物プッシャー
9、 湯溜まり用プッシャー
10、スラグ冷却装置
11、水砕スラグ
12、傾斜炉床
13、湯口
14、溶融炉排熱
15、レアメタル
16、搬送コンベア
17、正面液状金属液状回収誘導路
18、溶融炉側面湯口
19、側面液状金属分離回収誘導路

Claims (8)

  1. 電子機器などの基板のボンディング溶接部分や液晶画面の透明電極部分などを始めとする、いわゆる都市鉱山と呼ばれる自動車や家電製品や先端電子機器などの廃棄物を溶融融処理する工程においてテルミット溶融法を用いた金や銀や白金或いはレアメタルの回収方法
  2. 前項都市鉱山と呼ばれる自動車や家電製品や先端電子機器などの廃棄物とテルミット剤の混合比率が、重量比で、100:(3〜90)であることを特徴とする請求項1に記載のテルミット溶融法を用いた金や銀や白金或いはレアメタルの回収方法。
  3. 前項都市鉱山と呼ばれる自動車や家電製品や先端電子機器などの廃棄物に、(火山灰,硼砂、ガラス粉砕物)の群の中の一種あるいは二種以上を混合することを特徴とする請求項1〜2に記載のテルミット溶融法を用いた金や銀や白金或いはレアメタルの回収方法。
  4. 無機物系廃棄物処理用の熔融炉内において。炉床全体の傾斜角度が15度から35度内の傾斜角度を特徴とし、その傾斜床面において、比重の重い金や銀や白金或いはレアメタル回収を目的とした一つ以上の溝を湯溜りから湯口に向かって持つ炉床である事を特徴とする溶融炉。
  5. 金や銀や白金或いはレアメタルに付着する有機物除去のため、焼却設備若しくは酸化設備などを前処理工程として装備した請求項1に記載のテルミット溶融法を用いた金や銀や白金或いはレアメタルの回収方法。
  6. 溶融対象物が持つそれぞれの比重差並びに融点差を利用してそれぞれの物質を分離回収するため、炉床側面に一箇所以上湯口並びに、湯溜りから側面湯口への一箇所以上の溝を備えた炉床を持つことを特徴とする溶融炉。
  7. 下水汚泥や下水の沈砂或いは焼却灰や飛灰に含有する金や銀や白金或いはレアメタルのテルミット溶融法を用いた回収方法。
  8. 炉内各部所に温度コントロール装置付きとした請求項1から7に記載する関連溶融炉
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