JP2012026833A - 電線路角度測定器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルが張架される複数の電柱のうち、一の電柱の外周面に接するように張架されるケーブルの両側部、または該ケーブルの両側部を電柱に引き留めるための引留部材の位置によって形成される電線路の角度を正確に測定できるようにする。
【解決手段】角度情報が付された目盛線4が中心Qから半径方向に表示される表示部3を有するとともに、張架部材40におけるケーブルCの支持点Rと、中心Qから半径方向に表示される目盛線4の前記中心Qとを位置合わせできるように形成される位置合わせ部5を有する角度測定部材2と、目盛線4に沿って配置されるとともに、ケーブルCの一側部CAの軸線Jに沿うように、ケーブルCの一側部CAにあてがわれる定規部材30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電柱に跨るように張架されたケーブルの両側部の位置によって形成される電線路の角度を測定する場合に使用する電線路角度測定器に関する。
従来の電線路角度測定器を説明するにあたって、まず、電柱に張架されるケーブルの張架部材(引留部材を含む)および張架方法について図10〜図12を参照して説明する。なお、図10(a)〜(c)および図11(a)〜(c)に図示された電柱は、便宜上、所定区間に立設された3本の電柱のうち、中央に立設された電柱のみを図示している。図12(a)〜(c)に図示された電柱は、便宜上、所定区間に立設された3本の電柱を図示している。そして、ケーブルを張架する張架部材としては、例えば、図10(a)〜(c)に示すように、電柱Pに装柱される円弧状の帯片からなる一対のバンド部材41と、該バンド部材41に取り付けられた、ケーブルCを支持する支持具42,42A,42B(引留部材K)とを有する自在バンド40が使用されるのが一般的である。しかしながら、ケーブルCの性能や電柱Pの周囲の環境、例えば、側圧に弱い光ファイバケーブルなどや、多条装柱箇所では、図11(a)〜(c)に示すように、前記と同様のバンド部材41と、該バンド部材41に基端部が固定される柱状の支持部材45と、該支持部材45の先端部に取り付けられたケーブルCを支持する支持具420,420A(引留部材K)とを有する張架部材(以下、槍出金物という)46が使用される。なお、槍出金物46を装柱する場合においても、槍出金物46に変形や折損が生じるような過度な不平衡加重が加わる場合は、槍出金物46は使用しない。
そして、上述した各支持具42〜42B、420,420Aは、複数の電柱P間に張架されるケーブルCの電線路角度に応じて適宜選択される。その理由としては、電線路角度が、支持具42,420および電柱Pに対する加重と比例関係にあるためである。この電線路角度とは、図12(a)〜(c)に示すように、所定区間の3本の電柱P1〜P3(図12(a)〜(c)を正面から見て、左側,中央,右側に立設された電柱P1,P2,P3)間に張架されたケーブルCにおいて、左側の電柱P1から中央の電柱P2に張架されたケーブルCの直線状部と、中央の電柱P2から右側の電柱P3に張架されたケーブルCの直線状部とのなす角度(0度を含む)θをいう。すなわち、中央の電柱P2において、左側,右側に位置するケーブルCの直線状部により形成される電線路角度をいう。この電線路角度θを測定することで、支持具42〜42B、420,420Aおよび電柱Pに適正な荷重が係っているかを確認することができる。
例えば、図12(a)に示すように、ケーブルCの各直線状部の電線路角度θが0度であれば、張架されるケーブルCは略直線状に張架されていることになり、支持具42、420および電柱Pに対する加重は比較的低く、また、図12(b),(c)に示すように、ケーブルCが曲がって張架されていれば、支持具42A,42B、420Aおよび電柱Pに対する加重は電線路角度θに比例して大きくなるため、電線路角度θに応じて支持具42A,42B、420Aを選択する必要がある。
つぎに、電線路角度θに適したケーブルの配線方法および電線路角度θの測定方法について図10〜図12を参照して説明する。ここで、小径の吊線C1と、該吊線C1に沿って配線される大径のケーブル本体C2とが被覆部材によって一体化された自己支持型ケーブル(以下、SSケーブルという)Cを、略直線状に配置された3本の電柱Pに張架する場合を例にとって説明する。まず、SSケーブルCを直線状に張架する場合は、図10(a)に示すように、中央の電柱Pの上部に自在バンド40を装柱するとともに、該自在バンド40に径外方向に螺着されたボルトBに、SSケーブルCを支持する支持具、例えば直線用吊架金物42を取り付ける。この場合、図12(a)に示すように、左側,中央,右側の各電柱Pの外周面に対して、略接線方向に張架される。
つぎに、SSケーブルCの張架される向きが少し変更される(少し曲がって張架される)場合は、図10(b)に示すように、中央の電柱Pの上部に自在バンド40を装柱するとともに、該自在バンド40に径外方向に螺着されたボルトBに、SSケーブルCを支持する支持具、例えば曲り吊架金物42Aを取り付ける。この場合、図12(b)に示すように、SSケーブルCが、左側の電柱P1から中央の電柱P2を経て右側の電柱P3に少し曲がった状態で張架される。
つぎに、SSケーブルCの張架される向きが大きく変更される(例えば、略直角に曲げられる)場合は、図10(c)に示すように、丸シンブル50および巻付グリップ51で構成される支持具42B(引留部材K)が使用される。この場合、電柱Pの上部に一対の自在バンド40を装柱し、該自在バンド40のボルトBに丸シンブル50を取り付け、該丸シンブル50にU字形状の巻付グリップ51の曲線部を引っ掛ける。一方、電柱Pの近傍に位置するSSケーブルCにおいて、ケーブル本体C2の被覆部から吊線C1の被覆部を引き裂くとともに、吊線C1を所定長さ露出させて切断する。そして、巻付グリップ51の両端部に直線状のSSケーブルCの吊線C1を間に挟み込んで、巻付グリップ51の両端部を螺旋状に捻り合わせて一本化する。これによって、SSケーブルCの吊線の直線状部は、巻付グリップ51によって引き留めされる。この際、引き裂かれたケーブル本体C2は、中央の電柱Pを跨ぐように張架される(電柱Pの外側を大きく迂回するように撓まされて)。なお、SSケーブルCの撓んだ部位はスパイラルスリーブによって保護される(図示せず)。この場合、図12(c)に示すように、SSケーブルCの両側部(一対の巻付グリップ51)CA,CAが、中央の電柱P2に対して径外方向に位置するようになる。
つぎに、槍出金物46を電柱Pに装柱して、SSケーブルCを直線状に張架する場合は、図11(a)に示すように、槍出金物46の先端部に、ボルトBを貫設させ、該先端部の下面に、SSケーブルCの吊線C1を支持する支持具(吊架部材)420を取り付ける。該支持具420は、支持部材45の下面に装着される水平部55a、および該水平部55aから垂下された垂下部55bと、垂下部55bの裏面に接離するように、垂下部55bに貫設されたボルトBと、該ボルトBに螺着された挟持片55cと、垂下部55bおよび挟持片55cの対向面にそれぞれ形成された凹部55d,55dとを有する吊架部材55とで構成される。そして、垂下部55bの凹部55dと挟持片55cの凹部55dとによって、SSケーブルCの吊線C1部位の被覆を挟持して、SSケーブルCを張架する。
つぎに、槍出金物46を電柱Pに装柱して、張架される方向が少し変更されたSSケーブルCの場合は、図11(b)に示すように、支持部材45の下面に、湾曲した一対の挟持片を有する支持具(詳細な拡大図は省略する。)を取り付ける。
つぎに、槍出金物46を電柱Pに装柱して、張架される方向が大きく変更されたSSケーブルCの場合は、図11(c)に示すように、支持部材45の上面及び下面に、平行して取り付けられる一対の支持板60,60と、各支持板60,60によって支持される丸シンブル50と、該丸シンブル50に巻回される巻付グリップ51とで構成される支持具420A(引留部材K)が使用される。そして、支持部材45の上面及び下面に、平行して一対の支持板60,60を取り付け、各支持板60,60によって支持される丸シンブル50を介して巻付グリップ51を取り付ける。一方、電柱Pの近傍に位置するSSケーブルCにおいて、ケーブル本体C2の被覆部から吊線C1の被覆部を引き裂くとともに、吊線C1を所定長さ露出させて切断する。そして、引き裂かれたケーブル本体C2を、中央の電柱Pを跨ぐように張架する(電柱Pの外側を大きく迂回するように撓ませる)とともに、吊線C1とケーブル本体C2とが一体になったSSケーブルCを電柱Pの径外方向に配線する。なお、SSケーブルCの撓んだ部位はスパイラルスリーブによって保護される(図示せず)。
上記のように張架されたケーブルの状態を角度測定する場合は、例えば、電柱に張架されているケーブルを、該電柱の下方から見るための円板状の鏡と、該鏡の中心に基端部が固定され、電柱に対して径外方向に張架されたケーブルの一方の直線状部に位置合わせされる基準となる第1直線指標と、鏡の中心に基端部が回動自在に支持され、同様に張架されたケーブルの他方の直線状部に位置合わせされる第2直線指標と、鏡の中心から第1直線指標よりも短い半径で、第1直線指標の基端部に半円形状に形成され、その周縁部に沿って角度情報が付された目盛線が表示された角度測定部材と、第1直線指標および第2直線指標の軸線の交点から、第2直線指標の軸線に沿って角度測定部材の目盛線に延出される指針とを備えた角度測定器を使用している(特許文献1参照)。
そして、ケーブルが張架されている電柱の下方において、鏡を上側にした状態にして、鏡の中心、すなわち第1および第2直線指標の交点を、張架されたケーブルと電柱との接点に位置合わせする。その後、上方に張架されているケーブルの直線状部に第1直線指標を合わせるとともに、ケーブルの直線状部に第2直線指標を回動させて合わせる。この第2指標の動きに応じて指針が角度測定部の目盛線に位置することになり、角度を測定することができる。
この角度測定器によれば、第1および第2直線指標を、電柱に対して径外方向に延出されるケーブルの両側部に位置合わせし、ケーブルの両側部によって形成される角度を、第1および第2直線指標の交点から各軸線に沿って延長される2つの延長線によって形成される角度に替えて読み取るようにしている。すなわち、ケーブルの両側部によって形成される角度に等しい対頂角を測定することで、電柱間に張架されたケーブルの電線路角度を測定している。
特開2010−38631号公報
しかしながら、前記従来の電線路角度測定器は、第1および第2直線指標の交点(鏡の中心)を、張架されたケーブルと電柱との接点に位置合わせするとともに、電柱の上部に張架されたケーブルの両側部(直線状部)を第1および第2直線指標に位置合わせしているので、鏡の持ち方、鏡を見るときの姿勢、ケーブルの両側部(直線状部)に対する各直線指標の合わせ方など、測定する作業者によって変わる要素が多く、これらの要素によって大きな測定誤差を生じる場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、ケーブルが張架される複数の電柱のうち、一の電柱を跨ぐように張架されて、電柱に対して径外方向に延出されるケーブルの両側部、または該ケーブルの両側部を電柱に対して径外方向に引き留めるための一対の引留部材の位置によって形成される電線路角度を正確に測定できる電線路角度測定器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1発明に係る電線路角度測定器は、ケーブルCが張架部材40,46により張架される複数の電柱Pのうち、一の電柱Pの張架部材40,46に接するように張架されるケーブルCの両側部CA,CAの位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器において、角度情報が付された目盛線4が中心Qから半径方向に表示される表示部3を有するとともに、張架部材40,46におけるケーブルCの支持点Rと、中心Qから半径方向に表示される目盛線4の前記中心Qとを位置合わせできるように形成される位置合わせ部5を有する角度測定部材2と、目盛線4に沿って配置されるとともに、ケーブルCの一側部CAの軸線Jに沿うように、ケーブルCの一側部CAにあてがわれる定規部材30とを備えたことを特徴とする。
この場合、角度測定部材2において、張架部材40,46におけるケーブルCの支持点Rと、中心Qから半径方向に表示される目盛線4の前記中心Qとを位置合わせできるように位置合わせ部5が形成されているので、張架部材40,46に支持されているケーブルCの電線路の角度を測定できる。そして、電線路の角度を測定する際に、目盛線4に沿って配置される定規部材30を、ケーブルCの一側部CAにあてがうことにより、該一側部CAを基準として、ケーブルCの他側部CAの位置を読み取ることができるようになる。すなわち、電線路の角度を精度よく、かつ効率よく測定できる。
第2発明に係る電線路角度測定器は、ケーブルCが張架部材40,46により張架される複数の電柱Pのうち、一の電柱Pの張架部材46の支持部材45を跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CA、または該ケーブルCの両側部CA,CAを引き留める張架部材46における一対の引留部材Kの位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器において、角度情報が付された目盛線4が中心Qから半径方向に表示される表示部3を有するとともに、跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CAから張架部材46の支持部材45に向かって延出される延長軸線が、支持部材45の軸線J1と交差する仮想点R1と、中心Qから半径方向に表示される目盛線4の前記中心Qとを位置合わせできるように形成される位置合わせ部5を有する角度測定部材2と、目盛線4に沿って配置されるとともに、ケーブルCの一側部CAまたは該ケーブルCの引留部材Kの軸線Jに沿うように、ケーブルCの一側部CAまたは該ケーブルCの引留部材Kにあてがわれる定規部材30とを備えたことを特徴とする。
この場合、角度測定部材2において、一の電柱Pの張架部材46の支持部材45を跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CAから、張架部材46の支持部材45に向かって延出される延長軸線が、支持部材45の軸線Jと交差する仮想点R1と、中心Qから半径方向に表示される目盛線4の前記中心Qとを位置合わせできるように位置合わせ部5が形成されているので、支持部材45を跨って張架されるケーブルCまたは引留部材Kの位置と、目盛線4とを位置合わせすることができるようになり、電線路の角度を測定できる。そして、電線路の角度を測定する際に、目盛線4に沿って配置される定規部材30を、ケーブルCの一側部CAまたは該一側部CAの引留部材Kにあてがうことにより、ケーブルCまたは引留部材Kを基準として、ケーブルCの他側部CAまたは該他側部CAの引留部材Kの位置を読み取っているので、電線路の角度を精度よく、かつ効率よく測定できる。
本発明に係る電線路角度測定器は、ケーブルCが張架部材40,46により張架される複数の電柱Pのうち、一の電柱Pを跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CA、または該ケーブルCの両側部CA,CAを引き留める張架部材40における一対の引留部材Kの位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器において、角度情報が付された目盛線13が中心Qから半径方向に表示される表示部12を有するとともに、跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CAから一の電柱Pの中心に向かって延出される延長軸線が、一の電柱Pの中心と交差する仮想点R2と、中心Qから半径方向に表示される目盛線13の前記中心Qとを位置合わせできるように形成される凹部15を有する角度測定部材11と、目盛線13に沿って配置されるとともに、ケーブルCの一側部CAまたは該ケーブルCの引留部材Kの軸線Jに沿うように、ケーブルCの一側部CAまたは該ケーブルCの引留部材Kにあてがわれる定規部材30とを備えたことを特徴とする。
この場合、角度測定部材11において、一の電柱Pを跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CAから一の電柱Pの中心に向かって延出される延長軸線が、一の電柱Pの中心と交差する仮想点R1と、中心Qから半径方向に表示される目盛線13の前記中心Qとを位置合わせできるように凹部15が形成されているので、一の電柱Pを跨って張架されるケーブルCまたは引留部材Kの位置と、目盛線13とを位置合わせすることができるようになり、一の電柱Pを跨って張架されるケーブルCまたは引留部材Kによって形成される電線路の角度を測定できる。そして、電線路の角度を測定する際に、目盛線13に沿って配置される定規部材30を、ケーブルCの一側部CAまたは引留部材Kにあてがうようにしているので、電線路の角度を精度よく、かつ効率よく測定できる。
また、本発明によれば、ケーブルCまたは引留部材Kの位置によって形成される電線路の角度の大小に合わせて、表示部3を増減できるように構成するようにしてもよい。
この場合、ケーブルCまたは引留部材Kの位置によって形成される電線路の角度の大小に合わせて、表示部3を増減できるようにしているので、電線路角度測定器の使い勝手がよくなる。
また、本発明によれば、ケーブルCまたは引留部材Kに届く先端側に、角度測定部材2,11が軸線Jに対して水平方向に取り付けられ、該角度測定部材2,11を基端部から操作して、角度測定部材2,11の目盛線4,13と、ケーブルCまたは引留部材Kとを位置合わせできるように構成される支持部材Tを備えるような構成を選択することもできる。
この場合、角度測定部材2,11を支持部材Tの基端部を操作することで、先端側に取り付けられた角度測定部材2,11の目盛線を、ケーブルCまたは引留部材Kに位置合わせできるようになるため、角度測定部材2,11を遠隔(測定対象となるケーブルCまたは引留部材Kの下方)から操作して電線路の角度を測定できるようになる。
また、本発明に係る電線路角度測定器用定規部材によれば、ケーブルCが張架される複数の電柱Pのうち、一の電柱Pに張架されるケーブルCの両側部CA,CA、または該ケーブルCの引留部材Kの位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器に使用される電線路角度測定器用定規部材であって、電線路角度測定器1,10の目盛線4,13に沿って配置されるとともに、ケーブルCの一側部CAまたは該ケーブルCの引留部材Kの軸線Jに沿うように、ケーブルCの一側部CAまたはケーブルCの引留部材Kにあてがわれることを特徴とする。
この場合、ケーブルCの両側部CA,CAまたは一対の引留部材Kの位置によって形成される電線路の角度を、電線路角度測定器1,10を用いて測定する場合に、定規部材30があてがわれたケーブルCの一側部CAまたは該ケーブルCの引留部材Kを基準位置にして、ケーブルCの他側部CAまたは該他側部の引留部材Kが位置する目盛線4,13を読み取ることができる。すなわち、電線路角度測定器1,10を用いて電線路の角度を測定する場合に、基準となる目盛線4,13とケーブルCまたは引留部材Kとの位置合わせが容易に且つ正確に行われるようになり、電線路の角度を精度よく、かつ効率よく測定できるようになる。
以上のように、第1の発明によれば、角度測定部材に形成された位置合わせ部によって、中心から半径方向に表示される目盛線の前記中心と、張架部材におけるケーブルの支持点とを位置合わせするようにしているので、張架部材に接するように張架されたケーブルの両側部の位置を、目盛線に正確に位置合わせすることができる。
また、第2の発明によれば、角度測定部材に形成された位置合わせ部によって、張架部材を跨って張架されるケーブルの両側部から張架部材の支持部材に向かって延出される延長軸線が、支持部材の軸線と交差する仮想点と、中心から半径方向に表示される目盛線の前記中心とを位置合わせするようにしているので、張架部材を跨って張架されるケーブルの両側部、または該ケーブルの引留部材の位置を、目盛線に位置合わせすることができる。
また、第3の発明によれば、角度測定部材に形成された凹部によって、電柱を跨って張架されるケーブルの両側部から電柱の中心に向かって延出される延長軸線が、電柱の中心と交差する仮想点と、中心から半径方向に表示される目盛線の前記中心とを位置合わせするようにしているので、電柱を跨って張架されるケーブルの両側部、またはケーブルの引留部材の位置を、目盛線に位置合わせすることができる。
さらに、上述した第1〜第3の発明のいずれにおいても、角度測定部材の目盛線に沿って配置された定規部材を、ケーブルの一側部または一方の引留部材に直接あてがうようにしたので、目盛線と、ケーブルの一側部または一方の引留部材とを容易にかつ正確に位置合わせすることができ、電線路の角度を測定する際の作業効率を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る電線路角度測定器を示す平面図。 角度測定部材に取り付けられる定規部材を示す斜視図。 図1の電線路角度測定器を、電柱の外周面に対して接線方向に当接させつつ、目盛線とケーブルの両側部とを位置合わせして、電線路の角度を測定している状態を示す平面図。 図1の電線路角度測定器を、槍出金物(支持部材)の上面に当接させて、電線路の角度を測定している状態を示す平面図。 (a)は、ケーブルまたは引留部材の位置によって形成される電線路の角度に合わせて、角度測定部材の表示部を増設した状態を示す平面図、(b)は、角度測定部材の表示部をさらに増設した状態を示す平面図。 本発明の第2実施形態に係る電線路角度測定器を示す平面図。 表示部における目盛線の中心と電柱の中心とを位置合わせして、電線路の角度を測定している状態を示す平面図。 (a)は、定規部材の変形例であって、角度測定部材に対して着脱自在に構成される定規部材を示す側断面図、(b)は、図8(a)における定規部材の第3定規部のみを示した平面図。 角度測定部材をケーブルの下方から遠隔操作して電線路の角度を測定する状態を示した図。 電柱に自在バンド(張架部材)を装柱してケーブルを支持する図であって、(a)は、ケーブルを直線状に支持する場合の斜視図、(b)は、ケーブルの張架方向を少し変更した場合の斜視図、(c)は、ケーブルの張架方向を大きく変更した場合の斜視図。 電柱に槍出金物(張架部材)を実装してケーブルを支持する図であって、ケーブルを直線状に支持する場合の斜視図、(b)は、ケーブルの張架方向を少し変更した場合の斜視図、(c)は、ケーブルの張架方向を大きく変更した場合の斜視図。 電線路角度の概略説明図であって、(a)は、ケーブルを直線状に支持する場合の平面図、(b)は、ケーブルの張架方向を少し変更した場合の平面図、(c)は、ケーブルの張架方向を大きく変更した場合の平面図。
以下、本発明の実施形態に係る電線路角度測定器について、図1〜図9を参照しつつ説明する。なお、図1,図3,図4,図6,図7においては、各図を平面から見て、上側を後側、下側を前側、左右を左側、右側とする。また、図3,図4および図7は、便宜上、ケーブルCの両側部CA,CAまたはケーブルCの引留部材Kを直線状に図示している。ここでいうケーブルCの両側部CA,CAとは、支持点Rまたは仮想点R1,R2を境にして両側に位置する一側部、他側部をいう。また、図4は、図1の電線路角度測定器を、槍出金物(支持部材)の上面に当接させて、電線路の角度を測定している状態を示しており、図11(a)〜(c)を含むように概略的に図示している。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る電線路角度測定器について図1〜図4を参照して説明する。この電線路角度測定器1は、図1に示すように、角度情報が付された目盛線4が中心Qから半径方向に表示(一部省略)される表示部3と、ケーブルCが接するように張架された一の電柱(以下、単に電柱という場合もある。)Pの外周面に取り付けられた張架部材40,46におけるケーブルCの支持点R、および中心Qから半径方向に表示される目盛線4の前記中心Q(以下、単に目盛線4の中心Qという場合もある。)とを位置合わせするための位置合わせ部5と、角度測定部材2の直線状部2bに取り付けられた定規部材30とを有する角度測定部材2とを備えている。なお、中心Qは、目盛線4の延長線が交差する点をいう。ここでいう、支持点Rは、図10(a),(b)および図11(a),(b)に示すように、張架部材40,46によってケーブルCが支持される仮想の点をいう。
角度測定部材2は、図1に示すように、外形が半円形状を呈しており、円弧状部2aと、該円弧状部2aの両端部を結ぶ直線状部2bとを有している。また、角度測定部材2は、合成樹脂によって透明に作製されている。そうすることで、角度測定部材2の目盛線4に位置するケーブルCの両側部CA,CAの位置を、角度測定部材2の上面から目視できるようにしている。
表示部3は、10度ごとに半径方向に沿って長い目盛線4aが表示され、長い目盛線4aの中間位置に、中程度の長さの目盛線4bが表示され、長い目盛線4aと中間の目盛線4bとの間に短い目盛線4cが1度ごとに表示されている。そして、0度および180度を示す長い目盛線4a,4aが、角度測定部材2の直線状部2bに表示されている。0度を示す目盛線4aが、角度を測定する場合の基準線となり、この基準線4aにケーブルCの一側部CAまたは一方の引留部材(図示せず)をあてがうことにより、測定する際の基準位置となる。また、各目盛線4a〜4cは、その延長線上にある1点で交差するようになっており、この交点を目盛線4の中心Qと称している。また、0度を示す目盛線4aを測定する際の基準線としたが、他の目盛線4a〜4cであってもよい。要は、定規部材30が配置される目盛線4a〜4cが基準線となるのである。
位置合わせ部5は、角度測定部材2の直線状部2bの中心部の端面5aと、該中心部の下面5bとで構成されている。そして、端面5aを、例えば、図10(a),(b)に示す電柱Pの外周面に対して接線方向に当接しつつ、下面5bを、図10(a),(b)に示す支持具42,42Aの上方に位置させる。あるいは、図11(a),(b)に示す槍出金物46の支持部材45の上面に当接させる。そうすることで、電柱Pに張架されているケーブルCの両側部CA,CAと、角度測定部材2の目盛線4とを位置合わせしやすくなる。すなわち、張架部材40,46に接するように張架されているケーブルCの両側部CA,CAによって形成される電線路の角度を、角度測定部材2の目盛線4によって測定することができる。また、位置合わせ部5を挟んで線対称に形成される扇形状の透孔6,6は、ケーブルCの位置を目視しやすくすること、角度測定部材2を把持しやすくすること、角度測定部材2を軽量化することを目的に形成されている。なお、位置合わせ部5の端面5aは、図3においては電柱Pの外周面に当接させているが、下面5bの当接のみで、目盛線4の中心QとケーブルCの支持点Rとを位置合わせできれば、端面5aの当接は必須ではない。
角度測定部材2は、0度を示す目盛線4aに沿って配置され、ケーブルCの一側部CAまたは該ケーブルCの引留部材Kにあてがわれる定規部材30を備えている。該定規部材30は、図3に示すように、角度を測定する際の基準となるケーブルCの直線状部にあてがわれる一対の第1定規部31,31と、該各第1定規部31,31に一体化され、角度測定部材2の直線状部2bの端面に当接する一対の第2定規部32,32と、該各第2定規部32,32に一体化され、角度測定部材2の上面に当接される等脚台形状の第3定規部33とを有している。
第1定規部31,31は、断面がV字形状を呈しており、中央部が略直角に折り曲げられた一対の折曲片31a,31aがケーブルCの直線状部の外周面に当接する。ケーブルCの直線状部(一側部CA)、または引留部材Kの直線状部に、2点接触することで、ケーブルCまたは引留部材Kの軸線Jが、第1定規部31,31の中央部、すなわち折曲部に一致することになる。すなわち、ケーブルCの直線状部、または引留部材Kの直線状部と、角度測定部材2の0度を示す目盛線4aとの位置合わせを確実に行えるようになる。
第2定規部32は、基端部が第1定規部31,31の折曲部に固着され、対向する内側の側辺部が、上方に向かうにしたがって大きく傾斜する傾斜辺32aが形成されている。また、外側の側辺部は直状に形成されている。この理由としては、第2定規部32が、角度測定部材2の直線状部2bの端面(幅小の面積)に当接する場合に、接触面積をできる限り大きくとるためである。
第3定規部33は、第2定規部32,32から水平方向に延出されており、角度測定部材2の上面に対して、有効な接触面積を最小限に確保するように、かつケーブルCの直線状部、または引留部材Kの直線状部と、角度測定部材2の0度を示す目盛線4aとの位置を目視できるように、等脚台形状に形成されている。
つぎに、張架部材として自在バンド40が使用されている場合(図10(a),(b)参照)の使用態様について説明する。なお、定規部材30は、ボルトおよびナット(図示せず)によって、予め角度測定部材2に取り付けられているものとする。具体的には、角度測定部材2の上面に、定規部材30の第3定規部33が取り付けられており、定規部材30の第3定規部33が、角度測定部材2の上面(0度を示す目盛線4aの近傍)に当接するとともに、第2定規部32の上部内面が、角度測定部材2の直線状部2bの端面に当接し、一方の第1定規部31,31が、角度測定部材2の0度を示す目盛線4aの下方に位置する。
そして、作業者は、定規部材30が取り付けられた角度測定部材2を持って、高所作業車のバケットに乗って、電柱Pの上部に移動する。そして、角度測定部材2の位置合わせ部5の端面5aを電柱Pの外周面に対峙させつつ、径内方向に移動させて、図4に示すように、角度測定部材2の位置合わせ部5の端面5aを電柱Pの外周面に対して接線方向に当接させる。その後、定規部材30をケーブルCにあてがうようにする。具体的に説明すると、定規部材30の第1定規部31,31を、ケーブルCの一方の直線状部(一側部)CAに当接させ、角度測定部材2の0度を示す目盛線(基準線)4aに、ケーブルCの一方の直線状部CAを位置させる。そして、ケーブルCの他方の直線状部(他側部)CAが位置する、角度測定部材2の目盛線4の数値を読み取る。つまり、ケーブルCの両側部CA,CAによって形成される電線路の角度を角度測定部材2の目盛線4によって測定する。なお、
つぎに、張架部材として槍出金物46が使用されている場合(図11(a)〜(c)参照)の使用態様について説明する。まず、図11(a),(b)に示すように、槍出金物46の支持部材45の下面に接するように張架されているケーブルCの支持点R1を、支持部材45の上面に仮想する。一方、角度測定部材2の位置合わせ部5の端面5aを電柱Pの外周面に当接させつつ、位置合わせ部5の下面5bを支持部材45の上面に当接させて、上述した仮想した支持点R1と、中心Qから半径方向に表示される角度測定部材2の目盛線4の前記中心Qとを位置合わせする。そうすることによって、角度測定部材2の目盛線4で、ケーブルCの両側部CA,CAの位置を読み取って、電線路角度を測定することができる(図4参照)。
つぎに、図11(c)に示すように、支持部材45を跨ってケーブルCが張架されている場合、該ケーブルCの両側部CA,CAから支持部材45に向かって延出される延長軸線と、支持部材45の軸線Jとが交差する仮想点R1と、目盛線4の中心Qとを位置合わせして、ケーブルCの両側部CA,CA、または一対の引留部材Kの位置によって形成される電線路角度を測定する(図4参照)。
このように、前記第1実施形態に係る電線路角度測定器によれば、ケーブルCの支持点Rまたは仮想点R1と、角度測定部材2の目盛線4の中心Qとを位置合わせすることで、角度測定部材2に半径方向に表示されている目盛線4を、電柱Pに対して径外方向に位置させることができるため、電柱Pに対して径外方向に位置するケーブルCの両側部CA,CA、または一対の引留部材Kによる電線路の角度を測定することができる。
なお、前記第1実施形態の場合、0〜180度の電線路角度の範囲を測定するようにしたが、0〜270度、あるいは0〜360度の範囲を測定できるようにしてもよい。例えば、図5(a),(b)に示すように、半円形状の角度測定部材2において、直線状部の半径部位に複数の蝶番を取り付けて、1/4に分割され、かつ線対称に形成された一対の円弧状の分割角度測定部材2A,2Bを折り畳めるようにしてもよい。この分割角度測定部材2A,2Bは、目盛線4が表示された表示部3と、該表示部3の一端部に、径内方向に突出するように形成され、半円形状の角度測定部材2の直線状部2bの端面に接離する直線状の第1当接部と、表示部3の他端部に形成され、前後方向の中心線において互いが当接する直線状の第2当接部とを有している。そして、0〜270度の範囲を測定する場合は、図5(a)に示すように、半円形状の角度測定部材2の直線状部2bに取り付けられた蝶番を回動支点にして、一方の分割角度測定部材2Aを引き出す。また、0〜360度の範囲を測定する場合は、図5(b)に示すように、他方の分割角度測定部材2Bを引き出す。なお、分割角度測定部材2A,2Bは、角度測定部材2に対して凹凸嵌合によって着脱できるようにしてもよい。
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態に係る電線路角度測定器について図6および図7を参照して説明する。この電線路角度測定器10は、前記第1実施形態と同様に、外形が略半円形状の角度測定部材11が透明の合成樹脂で作製され、円弧状部11aの表示部12において、角度情報が付された目盛線13が中心(仮想中心)Qから半径方向に表示(一部省略)され、定規部材30が、角度測定部材11の直線状部11bに取り付けられている(図6参照)。図1と異なる点は、ケーブルCが跨って張架された一の電柱Pの中心と位置合わせできるように、目盛線13の中心部に凹部(位置合わせ部)15が形成されている点と、跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CAから電柱Pの中心に向かって延出される延長軸線が、電柱Pの中心と交差する仮想点R2と、目盛線13の中心Qとを位置合わせするようにした点である。
凹部15は、電柱Pの半径よりも大きくて、角度測定部材11の半径よりも小さい半径で切除されて、略半円形状を呈している。そして、凹部15の円弧状部15aの中央から等脚台形状の第1突起部16が径内方向(90度を示す目盛線13aの延長線上)に延出して形成されている。また、凹部15の両側の端面から直状の第2突起部17,17が径内方向に延出して形成されている。第1突起部16および各第2突起部17,17は、電柱Pの外周面の近傍(電柱Pの直交する左右方向と前後方向の中心線の延長線上)に位置するようになる。すなわち、電柱Pに対して、凹部15の円弧状部15a、および、角度測定部材11の円弧状部11aが順次同心状に位置することになり、角度測定部材11の直線状部(0度および180度を示す目盛線13a,13a)11b,11bが、電柱Pの左右方向の中心線に対して径外方向(該中心線の延長線上)に位置することになる。すなわち、電柱Pの中心と角度測定部材11の中心とが一致するようになり、角度測定部材11の目盛線13が、電柱Pの径外方向に位置するようになる。つまり、電柱Pに対して径外方向に位置するケーブルCの両側部CA,CAまたは一対の引留部材Kによって形成される角度を、角度測定部材11の目盛線13によって測定することができる。
つぎに、ケーブルCが電柱Pを跨るように張架されている図10(C)に示す場合の使用態様について説明する。なお、定規部材30は、前記第1実施形態と同様に、ボルトおよびナット(図示せず)によって、予め角度測定部材11に取り付けられているものとする。
そして、作業者は、定規部材30がセットされた角度測定部材11を持って、高所作業車のバケットに乗って、電柱Pの上部に移動する。そして、図6に示すように、角度測定部材11の凹部15の内周面が電柱Pの外周面に対向するように、電柱Pの外周面に対して角度測定部材11を配置させる。その後、角度測定部材11を電柱Pの中心側(径内方向)に移動させると、電柱Pの外周面と角度測定部材11の円弧状部11aが同心状に位置するようになり、角度測定部材11の目盛線13が電柱Pに対して径外方向に位置するようになる。すなわち、跨って張架されるケーブルCの両側部CA,CAから一の電柱Pの中心に向かって延出される延長軸線が、一の電柱Pの中心と交差する仮想点R2と、中心Qから半径方向に表示される目盛線13の前記中心Qとが位置合わせされている。
そして、定規部材30の第1定規部31,31を、ケーブルCの一方の直線状部(一側部)CAに当接させる。すなわち、角度測定部材11の0度を示す目盛線(基準線)13aに、ケーブルCの一方の直線状部(一側部)CAを位置させるとともに、ケーブルCの他方の直線状部(他側部)CAが位置する、角度測定部材11の目盛線13の数値を読み取る。つまり、ケーブルCの両側部CA,CAによって形成される電線路の角度を角度測定部材11の目盛線13によって測定する。
このように、前記第2実施形態に係る電線路角度測定器10によれば、電柱Pの中心と、角度測定部材11の目盛線13の中心Qとを位置合わせすることで、角度測定部材11に半径方向に表示されている目盛線13を、電柱Pに対して径外方向に位置させることができるため、電柱Pに対して径外方向に位置するケーブルCの両側部CA,CA、または一対の引留部材Kによる電線路の角度を測定することができる。
なお、本発明は、前記第1および第2実施形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、必要に応じて、設計変更や改良等を行うのは自由であり、また、その構成の組み合わせも自由である。
例えば、前記第1および第2実施形態の場合、定規部材30の第3定規部33を、角度測定部材2の上面に、ボルト及びナットによって固定するようにしたが、角度測定部材2,11に対して定規部材30を着脱自在になるようにしてもよい。例えば、図8(a)に示すように、角度測定部材2,11の上面に複数の係止体35を配置するとともに、図8(a),(b)に示すように、定規部材30の第3定規部33に、係止体35に応じた係合孔36を形成する。係止体35を、第3定規部33の上面に立設された直状の挿通部35aと、該挿通部35aの上部に固着された円板状の抜け止め部35bとで構成する。係合孔36を、抜け止め部35bが挿脱される大きさを有する円形状の挿通孔36aと、該挿通孔36aに連通するように、挿通孔36aの一部から径外方向に延出して形成される挿通部35aの移動用の長孔36bとで構成する。そして、定規部材30を角度測定部材2,11に装着する場合は、係止体35の抜け止め部35bを、係合孔36の挿通孔36aに位置させて挿通するとともに、係止体35の挿通部35aを、挿通孔36aから長孔36bに移動させて、長孔36bに対して抜け止め部35bが係止した状態になり、定規部材30が角度測定部材2,11に装着される。一方、定規部材30を角度測定部材2,11から取り外す場合は、挿通部35aを長孔36bから挿通孔36aに移動させて、挿通孔36aに抜け止め部35bを位置させる。そうすることで、長孔36bに対する抜け止め部35bの係止状態が解除されるので、定規部材30を角度測定部材2,11から取り外せる。
また、前記第1および第2実施形態の場合、電線路角度測定器1,10を電柱Pの上部に持ち運んで電線路の角度を測定するようにしたが、角度測定部材2,11を電柱Pの下方から遠隔操作して電線路角度を測定するようにしてもよい。例えば、図9に示すように、測定対象となる電柱Pに張架されているケーブルCの下方おいて、電柱Pに対する位置合わせを電柱Pの下方から行える状態にするとともに、角度測定部材2,11の目盛線4,13を電柱Pの下方から読み取れる状態にして、角度測定部材2,11を支持部材(長尺の棒材)Tによって下方から支持して、角度測定部材2,11と電柱Pとの中心の位置合わせを行った後、双眼鏡など(図示せず)によって、ケーブルCの両側部(直線状部)CA,CAと目盛線4,13との位置合わせを行い、該ケーブルCの両側部CA,CAによる電線路角度を測定するようにしてもよい。
1,10…電線路角度測定器、2,11…角度測定部材、2a,11a…円弧状部、2b,11b…直線状部、3,12…表示部、4,13…目盛線、5…位置合わせ部、5a…端面、5b…下面、6…透孔、15…凹部、15a…円弧状部、16…第1突起部、17…第2突起部、30…定規部材、31…第1定規部、31a…折曲片、32…第2定規部、33…第3定規部、35…係止体、35a…挿通部、35b…抜け止め部、36…係合孔、36a…挿通孔、36b…長孔、40…自在バンド、41…バンド部材、42,42A,42B…支持具、42…直線用吊架金物、45…支持部材、46…槍出金物、50…丸シンブル、51…巻付グリップ、420…吊架金物、C1…吊線、C2…ケーブル本体、B…ボルト、C…ケーブル、CA…ケーブルCの一側部および他側部、J…軸線、K…引留部材、P,P1〜P3…電柱、Q…目盛線4の中心、R…支持点、R1,R2…仮想点、T…支持部材、θ…電線路角度

Claims (6)

  1. ケーブル(C)が張架部材(40,46)により張架される複数の電柱(P)のうち、一の電柱(P)の張架部材(40,46)に接するように張架されるケーブル(C)の両側部(CA,CA)の位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器において、
    角度情報が付された目盛線(4)が中心(Q)から半径方向に表示される表示部(3)を有するとともに、張架部材(40,46)におけるケーブル(C)の支持点(R)と、中心(Q)から半径方向に表示される目盛線(4)の前記中心(Q)とを位置合わせできるように形成される位置合わせ部(5)を有する角度測定部材(2)と、
    目盛線(4)に沿って配置されるとともに、ケーブル(C)の一側部(CA)の軸線(J)に沿うように、ケーブル(C)の一側部(CA)にあてがわれる定規部材(30)とを備えたことを特徴とする電線路角度測定器。
  2. ケーブル(C)が張架部材(40,46)により張架される複数の電柱(P)のうち、一の電柱(P)の張架部材(46)の支持部材(45)を跨って張架されるケーブル(C)の両側部(CA,CA)、または該ケーブル(C)の両側部(CA,CA)を引き留める張架部材(46)における一対の引留部材(K)の位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器において、
    角度情報が付された目盛線(4)が中心(Q)から半径方向に表示される表示部(3)を有するとともに、跨って張架されるケーブル(C)の両側部(CA,CA)から張架部材(46)の支持部材(45)に向かって延出される延長軸線が、支持部材(45)の軸線(J)と交差する仮想点(R1)と、中心(Q)から半径方向に表示される目盛線(4)の前記中心(Q)とを位置合わせできるように形成される位置合わせ部(5)を有する角度測定部材(2)と、
    目盛線(4)に沿って配置されるとともに、ケーブル(C)の一側部(CA)または該ケーブル(C)の引留部材(K)の軸線(J)に沿うように、ケーブル(C)の両側部(CA,CA)またはケーブル(C)の引留部材(K)にあてがわれる定規部材(30)とを備えたことを特徴とする電線路角度測定器。
  3. ケーブル(C)が張架部材(40,46)により張架される複数の電柱(P)のうち、一の電柱(P)を跨って張架されるケーブル(C)の両側部(CA,CA)、または該ケーブル(C)の両側部(CA,CA)を引き留める張架部材(40)における一対の引留部材(K)の位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器において、
    角度情報が付された目盛線(13)が中心(Q)から半径方向に表示される表示部(12)を有するとともに、跨って張架されるケーブル(C)の両側部(CA,CA)から一の電柱(P)の中心に向かって延出される延長軸線が、一の電柱(P)の中心と交差する仮想点(R2)と、中心(Q)から半径方向に表示される目盛線(13)の前記中心(Q)とを位置合わせできるように形成される凹部(15)を有する角度測定部材(10)と、
    目盛線(13)に沿って配置されるとともに、ケーブル(C)の一側部(CA)または該ケーブル(C)の引留部材(K)の軸線(J)に沿うように、ケーブル(C)の一側部(CA)または該ケーブル(C)の引留部材(K)にあてがわれる定規部材(30)とを備えたことを特徴とする電線路角度測定器。
  4. 前記表示部(3,12)は、ケーブル(C)または引留部材(K)の位置によって形成される電線路の角度の大小に合わせて増減できるように構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電線路角度測定器。
  5. ケーブル(C)または引留部材(K)に届く先端側に、角度測定部材(2,11)が軸線(J)に対して水平方向に取り付けられ、該角度測定部材(2,11)を基端部から操作して、角度測定部材(2,11)の目盛線(4,13)と、ケーブル(C)または引留部材(K)とを位置合わせできるように構成される支持部材(T)を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電線路角度測定器。
  6. ケーブル(C)が張架される複数の電柱(P)のうち、一の電柱(P)に張架されるケーブル(C)の両側部(CA,CA)、または該ケーブル(C)の引留部材(K)の位置によって形成される電線路の角度を測定する電線路角度測定器(1,10)に使用される電線路角度測定器用定規部材であって、
    電線路角度測定器(1,10)の目盛線(4,13)に沿って配置されるとともに、ケーブル(C)の一側部(CA)または該ケーブル(C)の引留部材(K)の軸線(J)に沿うように、ケーブル(C)の一側部(CA)または該ケーブル(C)の引留部材(K)にあてがわれることを特徴とする電線路角度測定器用定規部材。
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