JP2012022410A - 入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キーに割り当てられた代表文字以外の文字を入力する場合でもキーを1回押下するだけで入力できるようにし、これによりキー操作回数を減らして操作性の向上を図る。
【解決手段】キーパッド30の行方向にキートップ間の段差を設け、かつ列方向にキートップ間の表面形状を異ならせる。また加速度センサ50により得られる重力加速度の検出値をもとに、リモートコントローラ1の筐体20の左右方向A,Bの傾き角を検出し、この検出された傾き角に応じて五十音表の列方向の文字を選択してテレビジョン装置2へ送信し表示させるようにしたものである。
【選択図】図5

Description

この発明は、例えばテレビジョン装置やゲーム機のリモートコントローラにおいてキーパッドとして使用される入力装置に関する。
一般に、インターネット上のWebサイト/Webページを閲覧しようとする場合にはパーソナル・コンピュータを使用し、ユーザはキーボード及びマウスを操作することにより所望のWebページ情報を取得して表示するようにしている。
一方、最近ではインターネットに接続するための機能がテレビジョン装置やゲーム機等にも搭載されるようになり、この種の装置を用いてWebサイト/Webページ情報を取得することが可能となっている。しかし、テレビジョン装置やゲーム機を使用する場合、ユーザはこれらの装置を離れた場所から見ることが多い。このため、Webアクセスのための情報を入力する場合に、ユーザがパーソナル・コンピュータのようにキーボードとマウスを使用することはほとんどなく、リモートコントローラを使用するのが普通である。ところが、リモートコントローラはキーボードに比べ少数のキーしか有していないため、Webアクセスのための情報を入力しようとすると多くの手間と時間がかかる。
そこで、リモートコントローラを用いて素早くかつ簡単にWebアクセスのための情報入力を行えるようにする手法が提案されている。この手法は、例えばリモートコントローラに目を向けずにテレビジョン画面を見たまま文字や数字等の入力操作を行えるようにするものである(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2008−217228号公報
特許文献1の提案のように、リモコンに目を向けずとも文字等の入力ができれば大変便利である。なぜならば、リモートコントローラのキーパッドを常に見ながら文字等を入力すると、単語や文章の入力後にテレビ画面に視線を移して初めて入力ミスに気づくからである。また、検索サイトで検索ワードの入力を行なっても所望の検索結果が得られず、新しい検索ワードを再入力して検索し直すという操作を繰り返すことがある。このような場合ユーザは、操作を繰り返す度にテレビジョン画面とリモートコントローラのキーパッドとの間で視線を移動させることになり、文字等の入力操作が非常に面倒となる。
そこで、リモートコントローラのキーパッドのうち特定のキーのキートップ形状のみを変えることにより、リモートコントローラにおいてブラインド操作を可能にすることが提案されている。このようなリモートコントローラは、健常者は勿論のこと、特に視覚障害者にとってより有効である。
しかし、この種のリモートコントローラは、特定のキーについては確実に認識できるが、他のキーについては個々に識別することができない。このため、ユーザが特定のキーから他のキーに指を移動させると、指をどれだけ動かしたかを忘れてしまうことが多々ある。このため、誤入力を生じやすくなり、結局キーパッドを見ないで文字等を入力することは容易ではなかった。
また、一般にキーパッドを用いた文字入力方式としては、テンキーに五十音表の「あ」行に属する「あ」「か」「さ」…「ら」「わ」を代表文字として表示し、これらの代表文字以外の文字を入力する場合には代表文字のキーを行数分だけ押下する、いわゆるマルチタップ方式を採用している。しかしマルチタップ方式は、文字によっては同一キーを複数回押下しなければ入力することができず、キー操作数が多く操作性に難点があった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、キーに割り当てられた代表文字以外の文字を入力する場合でも、キーを1回押下するだけで入力できるようにし、これによりキー操作回数を減らして操作性の向上を図った入力装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の1つの観点は、代表文字が割り当てられた複数のキーを筐体面に配置した入力装置において、前記筐体の傾き角を検出する傾きセンサを設け、前記複数のキーのいずれかが押下された状態で、当該押下されたキーの識別情報と、前記傾きセンサにより検出された筐体の傾き角を表す情報をもとに、前記押下されたキーに割り当てられた代表文字及び当該代表文字と関連する複数の文字の中から文字を1つ選択し、この選択された文字を表す情報を送信するようにしたものである。
したがって、マルチタップ方式のように同一キーを複数回押下することなく、ただ1回の押下で、所望の文字を選択することが可能となる。
また、この発明の1つの観点は、傾きセンサにより検出される筐体の傾き角を複数の角度範囲に分割し、この分割された複数の角度範囲に対し五十音表の列方向又は行方向の複数の文字を対応付けて記憶した記憶手段を設け、文字を選択する際に、前記傾きセンサにより検出された筐体の傾き角を表す情報をもとに、当該傾き角を含む角度範囲に対応する文字を前記記憶手段から読み出すように構成したものである。
このように構成すると、筐体の傾け角に応じて五十音表の列方向又は行方向の文字を選択することが可能となる。
すなわちこの発明によれば、キーに割り当てられた代表文字以外の文字を入力する場合でも、キーを1回押下するだけで入力できるようになり、これによりキー操作回数を減らして操作性の向上を図った入力装置を提供することができる。
この発明の入力装置の一実施形態であるリモートコントローラの外観を示す斜視図。 図1に示したリモートコントローラの側面図。 図1に示したリモートコントローラによる入力操作の第1の形態を示す図。 図1に示したリモートコントローラによる入力操作の第2の形態を示す図。 図1に示したリモートコントローラの回路モジュールの構成を示すブロック図。 図5に示した回路モジュールの動作手順と内容を示すフローチャート。 図6に示したフローチャートにおいて、リモートコントローラの傾き角の初期値を設定する処理を説明するための図。 図6に示したフローチャートにおいて、リモートコントローラの傾き角を変化させた状態を説明するための図。 リモートコントローラの傾き角と入力される文字との対応関係を表す図。 図1に示したリモートコントローラの使用例を示す図。 この発明の他の実施形態に係わるキー入力装置の構成を示すもので、(a)はその平面図、(b)は行方向を見たときの側面図、(c)は列方向を見たときの側面図。 この発明の別の実施形態に係わるキー入力装置の構成を示すもので、(a)はその平面図、(b)は行方向を見たときの側面図、(c)は列方向を見たときの側面図。
[実施形態]
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わるキー入力装置の外観を示す斜視図、図2はその側面図である。
(キーパッドの構造とその操作)
この実施形態に係わるキー入力装置は、テレビジョン装置又はゲーム機で使用されるリモートコントローラである。このリモートコントローラ1は、薄型の長方体からなる筐体20の上面にキーパッド10を配設したものである。キーパッド10は、上記筐体20の長辺方向を行方向、短辺方向を列方向と定義したとき、4行×3列のマトリクス状に配置された12個の押しボタン型のキーを備える。これらのキーはほぼ正方形をなしかつ表面が平坦なキートップ11〜43を有する。
上記キートップ11〜43のうち、第1行及び第4行にそれぞれ位置するキートップ11〜13,41〜43は、第2行及び第3行にそれぞれ位置するキートップ21〜23,31〜33に比べて、図2に示すようにキートップの高さが一定量だけ高くなるように設定されている。すなわち、第2行目のキートップ21〜23と第1行目のキートップ11〜13との間、及び第3行目のキートップ31〜33と第4行目のキートップ41〜43との間には、中央部に位置する第2行目及び第3行目のキートップ21〜23,31〜33より端部に位置する第1行目及び第4行目のキートップ11〜13,41〜43の方が高くなるように段差が設けられた構造となっている。
一方、上記キートップ11〜43のうち、第2列に位置するキートップ12〜42の表面は第1の摩擦係数を持つように構成され、また第1列及び第3列に位置するキートップ11〜41,13〜43の表面は上記第1の摩擦係数より大きい第2の摩擦係数を持つように構成されている。例えば、第2列に位置するキートップ12〜42の表面は摩擦係数の低いプラスチック2より構成され、これに対し第1列及び第3列に位置するキートップ11〜41,13〜43の表面には摩擦係数の大きいゴム状の材料が被覆形成されている。
このような構成であるから、ユーザがリモートコントローラ1を操作しようとするとき、先ずキーパッド10の行方向については次のようにキーを識別することができる。
すなわち、キーパッド10の第2行目及び第3行目のキートップ21〜23,31〜33は、第1行目及び第4行目のキートップ11〜13,41〜43より高さが相対的に低くなっている。このため、ユーザはキーパッド10を見なくても、第2行目及び第3行目のキートップ21〜23,31〜33を、つまりキーパッド10の中央部に位置するキーを、図3(b)に示すように自身の指の感触で簡単かつ確実に認識することができる。
次に、上記中央部のキー位置を基点として指を筐体20の先端方向へ移動させると、第2行目のキートップ21〜23より第1行目のキートップ11〜13の方が高くなるように段差が形成されているため、ユーザは図3(a)に示すようにこの段差により第1行目のキートップ11〜13を指の感触だけで明確に認識することができる。
これに対し、上記中央部のキー位置を基点として指を筐体20の基端方向へ移動させると、第3行目のキートップ31〜33より第4行目のキートップ41〜43の方が高くなるように段差が形成されているため、ユーザは図3(c)に示すようにこの段差により第4行目のキートップ41〜43を指の感触だけで明確に認識することができる。
なお、第2行目のキートップ21〜23と第3行目のキートップ31〜33との間の識別は、指を行方向に少量移動させたときに第1行目のキートップ11〜13との段差に接触するか、或いは第4行目のキートップ41〜43との段差に接触するかにより、識別が可能である。
一方、キーパッド10の列方向については以下のようにキーを識別することができる。
すなわち、キーパッド10の第2列目のキートップ12〜42は、第1列目及び第3列目のキートップ11〜41,13〜43より摩擦係数が大きくなるように表面加工されている。このため、ユーザはキーパッド10を見なくても、第2列目のキートップ12〜42を、つまりキーパッド10の中央部に位置するキーを自身の指の感触で簡単かつ確実に認識することができる。
次に、上記中央部のキー位置を基点として指を筐体20の左方向へ移動させると、第2列目のキートップ12〜42よりも第1列目のキートップ11〜41の方が摩擦係数が高く設定されているため、ユーザはこの摩擦係数の違いにより第1列目のキートップ11〜41を指の感触だけで明確に認識することができる。
これに対し、上記中央部のキー位置を基点として指を筐体20の右端方向へ移動させると、第2列目のキートップ12〜24より第3列目のキートップ13〜43の方が摩擦係数が大きくなるように設定されているため、ユーザはこの摩擦係数の違いにより第3行目のキートップ13〜43を指の感触だけで明確に認識することができる。
以上のように、キーパッド10の行方向についてはキートップ間の段差により、また列方向についてはキートップ間の摩擦係数の違いによりそれぞれ識別することができ、これらの協同作用によりキーパッド10のすべてのキーを個別に識別することが可能となる。したがって、リモートコントローラ1を操作して例えば文字等を入力しようとする場合に、ユーザはキーパッド10のキー名称を逐一視認することなく、所望のキーを指の感触だけで識別し操作することが可能となり、これにより文字等の入力に要する時間を短縮することができる。
(加速度センサを利用した文字入力処理)
ところで、この実施形態に係わるリモートコントローラ1は、傾き検出センサとしての加速度センサ50を備えている。加速度センサ50は、リモートコントローラ1を図1に示すように矢印A又はB方向に回動させたときの筐体20の水平状態に対する傾き(重力加速度)の変化を検出するもので、その検出値は図4(a)に示すように筐体20を矢印A方向に90度傾けたときに“1G”となり、反対に矢印B方向に90度傾けたときに“−1G”となるように設定されている。すなわち、加速度センサ50は、リモートコントローラ1の左90度から右90度までの傾斜角を“1G”から“−1G”の範囲内でリニアに検出する。
図5は、この実施形態に係るリモートコントローラ1の回路モジュールの構成を示すブロック図である。リモートコントローラ1は、上記キーパッド10及び加速度センサ50に加え、入力コード生成部60と、通信部70と、アンテナ80を備えている。
入力コード生成部60は、上記キーパッド10から出力されるキー操作検出信号と、上記加速度センサ50から出力される傾斜角検出信号とをもとに、対応する文字コードを生成する。この入力コードの生成は、例えば上記キー操作検出信号及び傾斜角検出信号に対応付けて文字コードを記憶したメモリテーブルを予め用意しておき、このメモリテーブルから該当する文字コードを読み出すことにより行われる。
通信部70は、上記入力コード生成部60により生成された文字コードを無線信号に変換し、この無線信号をアンテナ80からテレビジョン装置2に向け送信する。無線インタフェースとしては、例えばBluetooth(登録商標)等の小電力データ伝送規格を使用するインタフェースが用いられる。なお、無線インタフェースの代わりに、赤外線を用いた通信インタフェースを使用することも可能である。
次に、以上のように構成されたリモートコントローラ1の動作を説明する。図6はその動作手順と内容を示すフローチャートである。
なお、ここでは図10の2aに例示したように、キーパッド10の各キーに五十音の代表文字「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」を割り当て、残りの2個のキーに対しそれぞれ「削除」、「決定」を割り当てたリモートコントローラを使用し、ユーザがテレビジョン装置2の表示画面を見ながらその文字入力エリア2bに、「なつめそうせき」という人名を入力する場合を例にとって説明する。なお、テレビジョン装置2の表示画面には、必ずしもキー表示画像2aは表示しなくてもよい。
入力コード生成部60は、入力待受状態においてステップS61によりキーパッド10のキーが押下されたか否かを監視している。この状態でユーザがキーパッド10のいずれかのキーを押下したとする。このとき、押下すべきキーは、先に述べたようにキートップ間の段差と摩擦係数の違いにより、キー名称を逐一視認することなく簡単かつ正確に識別することができる。
上記キーの1つが押下されると、入力コード生成部60はステップS62により上記押下されたキーに割り当てられた代表文字に対応する文字コードをメモリテーブルから読み出し、この読み出された文字コードをユーザが選択した文字に対応するコードとして通信部70へ出力する。通信部70は、上記入力コード生成部60から出力された文字コードを無線信号に変換し、Bluetooth(登録商標)のプロトコルに従いアンテナ80からテレビジョン装置に向け送信する。
例えば、いま代表文字として「な」が表示されたキーが押下されたとすれば、入力コード生成部60はこの代表文字「な」を表す文字コードをメモリテーブルから読み出し、この読み出された文字コードをユーザが選択した文字を表すコードとしてテレビジョン装置2に向け送信する。
これに対しテレビジョン装置2は、上記リモートコントローラ1から送信された無線信号を受信すると、この無線信号から文字コードを復調し、この復調された文字コードにより表される文字を、ユーザが選択した文字として表示画面の文字入力エリア2bに表示する。この結果、例えば上記したようにリモートコントローラ1においてユーザが代表文字「な」が表示されたキーを押下した場合には、この代表文字「な」がユーザにより選択された文字としてテレビジョン装置2の文字入力エリア2bに表示される。
また、上記キーが押下されると、リモートコントローラ1の入力コード生成部60はステップS63において加速度センサ60から重力加速度の検出値を取り込み、この重力加速度の検出値を傾き角に変換する。この重力加速度から傾き角への変換は、例えばメモリテーブルを用いて行われる。そして、上記変換された傾き角をリモートコントローラ1の筐体20の傾き角の初期値として保存する。
続いて入力コード生成部60は、上記押下中のキーからユーザが指を離したか否かをステップS64で監視する。この状態で、ユーザが押下中のキーから指を離すと、入力コード生成部60は筐体20の傾き角による文字の選択処理を行わずに、ステップS61による次のキー操作の待機状態に戻る。
次に、ユーザが文字「つ」を入力するべく、代表文字「た」が表示されたキーを押下したとする。この場合も、押下すべきキーの識別は、キートップ間の段差と摩擦係数の違いにより識別される。入力コード生成部60は、ステップS61で上記キー操作を検出した後、ステップS62において、上記1桁目の文字「な」の場合と同様に代表文字「た」の文字コードをメモリテーブルから読み出し、通信部70からテレビジョン装置2へ送信させる。したがって、テレビジョン装置2の文字入力エリア2bの次の桁位置には、上記代表文字「た」が選択中の文字として表示される。
また、入力コード生成部60はステップS63において加速度センサ60から重力加速度の検出値を取り込み、この重力加速度の検出値を傾き角に変換して、この変換された傾き角をリモートコントローラ1の筐体20の傾き角の初期値として保存する。例えば、いまユーザがリモートコントローラ1を図7に示すような姿勢で把持した状態で「た」キーを押下すると、このときの筐体20の傾き角が初期値として保持される。
さて、この状態でユーザが上記「た」キーを押下したまま、リモートコントローラ1を例えば図8に示すように左方向Aに回動させたとする。そうすると入力コード生成部60は、ステップS65において加速度センサ60からこの回動操作後の重力加速度の検出値を取り込み、この重力加速度の検出値を傾き角に変換したのち、上記保持されている傾き角の初期値との差θを計算する。そして、ステップS66において、この傾き角の差θに対応する文字の文字コードをメモリテーブルから読み出す。
例えばいま、傾き角の差θと選択される文字との対応関係が図9に示すように20度間隔で定義され、この対応関係を表す情報がメモリテーブルに記憶されているものとする。この場合入力コード生成部60は、傾き角の差θが20度未満であれば「い」行、20度以上40度未満であれば「う」行、40度以上60度未満であれば「え」行、60度以上80度未満であれば「お」行の文字を表す文字コードをそれぞれメモリテーブルから読み出す。そして入力コード生成部60は、上記メモリテーブルから読み出された傾き角の差θに対応する行の文字コードを通信部70からテレビジョン装置2へ送信させる。この結果、テレビジョン装置2の文字入力エリア2bには、上記傾き角の差θに対応する行の文字が選択中の文字として表示される。
この結果、例えばユーザがリモートコントローラ1を図7に示す初期状態から図8に示すようにθ=20度以上左方向Aに回動すると、上記代表文字「た」列に属する次行の文字「ち」の文字コードがリモートコントローラ1からテレビジョン装置2へ送られて表示される。さらに、リモートコントローラ1を20度≦θ<40度の範囲で回動すると、文字「つ」の文字コードがリモートコントローラ1からテレビジョン装置2へ送られて表示される。同様にリモートコントローラ1を40度≦θ<60度の範囲で回動すると「て」の文字コードが、また60度≦θ<80度の範囲で回動すると「と」の文字コードがそれぞれリモートコントローラ1からテレビジョン装置2へ送られて表示される。
一方、上記「ち」「つ」「て」「と」が選択表示された状態で、リモートコントローラ1を反対方向Bに回動させると、つまり傾き角を元に戻すと、この元に戻された傾き角と初期状態の傾き角との差θに対応する文字コードがリモートコントローラ1からテレビジョン装置2へ送られて表示される。また、リモートコントローラ1を初期状態から右方向Bに回動させた場合にも、初期状態からの傾き角の差θに対応する「い」〜「お」行の文字コードがメモリテーブルから選択的に読み出され、リモートコントローラ1からテレビジョン装置2へ送られて表示される。
すなわち、ユーザはリモートコントローラ1の左右方向A,Bの傾き角を変化させることで、「た」「ち」「つ」「て」「と」のいずれかの文字を任意に選択して、テレビジョン装置2の文字入力エリア2bに選択中の文字として表示させることができる。
なお、上記初期状態において「あ」行の文字が選択されている状態を維持するために、20度程度の角度維持範囲(角度マージン)が設定されている。したがって、ユーザの手の震えや姿勢の変化などによりリモートコントローラ1の傾き角が若干変化しても、上記「あ」の選択表示状態は維持される。
さて、以上のようにリモートコントローラ1の左右方向A,Bの傾きにより所望の文字が選択表示された状態で、例えば「つ」が選択表示された状態で、ユーザが「た」キーから指を離したとする。そうすると、上記リモートコントローラ1の左右方向A,Bの傾き角による入力文字の選択処理は終了し、入力コード生成部60はステップS61による次のキー操作の待機状態に戻る。
以後同様に、キーパッド10の選択的なキー操作と筐体20の左右方向A,Bへの回動操作との組み合わせにより、所望の文字、例えば「め」「そ」「う」「せ」「き」がそれぞれ選択表示される。なお、上記選択表示中の文字は、ユーザが押下中のキーから指を離してから予め設定した時間(例えば3秒)が経過するか、又は次の異なるキーが押下された時点で入力が確定する。
また、ユーザがキーから指を離した後、上記予め設定した時間内に同一のキーを再度押下すると、入力コード生成部60はマルチタップ方式に従い文字の選択処理を行う。例えば、代表文字「な」が選択表示されている状態で、予め設定時間内に同一の「な」キーが再度押下されると、同じ列の次の文字「に」の文字コードがメモリテーブルから読み出され、通信部70からテレビジョン装置2へ送信される。したがって、テレビジョン装置2の文字入力エリア2bには、選択中の文字として上記「な」に代わって「に」が表示される。以下同様に、一定時間内に同一キーが再度押下されるごとに、マルチタップ方式による入力モードに従い「な」列の文字「ぬ」「ね」「の」の文字コードが順次読み出され、テレビジョン装置2へ送信されて表示される。すなわち、既存のマルチタップ方式による入力文字の選択処理も可能である。
以上詳述したようにこの実施形態では、以下のような効果が奏せられる。
すなわち、キーパッド30の行方向にキートップ間の段差を設け、かつ列方向にキートップ間の表面形状を異ならせたことにより、キーパッド30のすべてのキーを、つまり五十音表の行方向の代表文字を、キー名称を逐一視認することなく指の感触だけで識別し操作することが可能となる。
また、加速度センサ50により得られる重力加速度の検出値をもとに、リモートコントローラ1の筐体20の左右方向A,Bの傾き角を検出し、この傾き角に応じて五十音表の列方向の文字を選択してその文字コードをテレビジョン装置2へ送信し表示させるようにしたことにより、マルチタップ方式のように同一キーを複数回押下することなくただ1回の押下操作により、五十音表の列の中から所望の文字を選択してテレビジョン装置2に表示させることが可能となる。
さらに、リモートコントローラ1において、押下されたキーの位置と筐体20の初期状態からの傾き角θをもとに文字コードを生成し、この生成された文字コードをテレビジョン装置2へ送信するようにしている。このため、テレビジョン装置2は、選択中の文字コードを表示するために特別なアプリケーション・プログラムを用意する必要がなく、これにより既存のテレビジョン装置に対してもこの発明のリモートコントローラ1をそのまま使用することが可能となる。すなわち、既存のテレビジョン装置やゲーム機器等の被制御側の装置に対する互換性を維持することができる。
さらに、この実施形態ではキーパッド10の同一キーを予め設定した時間内に複数回押下した場合には、既存のマルチパッド方式に従い列方向の文字が選択されるようになっている。このため、マルチパッド方式による入力操作に慣れているユーザにとっては、従来通りマルチパッド方式により文字入力操作を行うことができる。
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような各種変形例が考えられる。
(第1の変形列)
第1の変形例は、キーパッドの列方向について、中央部に位置するキーのキートップは表面形状を平坦形状とし、その両端部に位置する各キーのキートップには表面に突出部を形成したものである。
図11は、この第1の変形列に係るキー入力装置の構成を示すもので、(a)はその平面図、(b)は行方向を見たときの側面図、(c)は列方向を見たときの側面図である。
この変形例のキーパッド30も、4行×3列のマトリクス状に配置された12個の押しボタン型のキーを備える。そして、これらのキーのキートップ111〜143のうち、第1行及び第4行にそれぞれ位置するキートップ111〜113,141〜143は、第1の実施形態と同様に第2行及び第3行にそれぞれ位置するキートップ121〜123,131〜133に比べて、図11(b)に示すようにキートップの高さが一定量だけ高くなるように設定されている。すなわち、第2行目のキートップ121〜123と第1行目のキートップ111〜113との間、及び第3行目のキートップ131〜133と第4行目のキートップ141〜143との間には、中央部に位置する第2行目及び第3行目のキートップ121〜123,131〜133より端部に位置する第1行目及び第4行目のキートップ111〜113,141〜143の方が高くなるように段差が設けられた構造となっている。
一方、上記キートップ111〜143のうち、中央部に位置する第2列目のキートップ112〜142はその表面が平坦に形成されている。これに対し、両端部に位置する第1列のキートップ111〜141及び第3列のキートップ113〜143の表面111a〜141a,113a〜143aには、それぞれ図11(c)に示すように半球状の突出部111b〜141b,113b〜143bが形成されている。
このような構成であるから、ユーザがリモートコントローラ1を操作しようとするとき、先ずキーパッド30の行方向については、第1の実施形態と同様にキートップ間の高さの違いにより識別することが可能となる。一方、キーパッド30の列方向については、両端部に位置する第1列及び第3列のキートップ111〜141,113〜143の表面に形成された半球状の突出部111b〜141b,113b〜143bによりキーを識別することが可能となる。
すなわち、キーパッド30の行方向についてはキートップ間の段差により、また列方向についてはキートップ間の表面形状の違いによりそれぞれ識別することができ、これらの協同作用によりキーパッド30のすべてのキーを個別に識別することが可能となる。したがって、リモートコントローラ1を操作して例えば文字等を入力しようとする場合に、ユーザはキーパッド30のキー名称を逐一視認することなく、所望のキーを指の感触だけで識別し操作することが可能となり、これにより文字等の入力に要する時間を短縮することができる。
(第2の変形例)
前記実施形態ではキートップ11〜43に対しその行方向に段差を設けるとともに列方向に摩擦係数の差を設け、また第1の変形例ではキートップ111〜143に対しその行方向に段差を設けるとともに列方向に表面形状の差(突出部111b〜141b,113b〜143bの有無)を設けた場合について述べた。
しかし、これに限らず第2の変形例として、キートップに対しその列方向に段差を設けるとともに行方向に摩擦係数の差を設け、また第1の変形例のさらなる変形例として、キートップに対しその列方向に段差を設けるとともに行方向に表面形状の差(突出部の有無)を設けるように構成してもよい。また、キートップに対し行方向及び列方向の両方にそれぞれ段差を設けるようにしてもよい。さらに、キートップに対し行方向及び列方向にそれぞれ段差と摩擦係数又は表面形状の差の両方を設けるようにしてもよい。
(第3の変形例)
また、キートップ表面に表面形状の差を設ける手法としては突出部以外に凹部を設けるようにしてもよい。図12はその構成の一例を示すもので、(a)はその平面図、(b)は行方向を見たときの側面図、(c)は列方向を見たときの側面図である。同図に示すようにこの実施形態のキーパッド40も、4行×3列のマトリクス状に配置された12個の押しボタン型のキーを備える。そして、中央部に位置する第2行目及び第3行目のキートップ121〜123,131〜133より、端部に位置する第1行目及び第4行目のキートップ111〜113,141〜143の方が、高くなるようにキートップ間に段差が設けられた構造となっている。
また、上記キートップ111〜143のうち、中央部に位置する第2列目のキートップ112〜142はその表面が平坦に形成されている。これに対し、両端部に位置する第1列のキートップ111〜141及び第3列のキートップ113〜143の表面111a〜141a,113a〜143aには、それぞれ図12(c)に示すように凹部111c〜141c,113c〜143cが形成されている。
このような構成であるから、ユーザがリモートコントローラ1を操作しようとするとき、先ずキーパッド40の行方向については、第2の実施形態と同様にキートップ間の高さの違いにより識別することが可能となる。一方、キーパッド40の列方向については、両端部に位置する第1列及び第3列のキートップ111〜141,113〜143の表面に形成された凹部111c〜141c,113c〜143cによりキーを識別することが可能となる。
(第4の変形例)
前記実施形態では、リモートコントローラ1において、押下されたキーの位置と筐体20の初期状態からの傾き角θをもとに文字コードを生成してこの文字コードをテレビジョン装置2へ送信するようにした。しかし、これに限定されるものではなく、リモートコントローラ1は押下されたキーの押下位置と加速度センサの検出値又は傾き角θを表す情報を一定の時間間隔(例えば60Hz)でそのままテレビジョン装置2へ送信し、テレビジョン装置2が上記リモートコントローラ1から送られたキーの押下位置及び加速度センサ50の検出値又は傾き角θを表す情報を受信し、この受信された情報をもとに対応する文字コードを生成して表示するようにしてもよい。
(第5の変形例)
前記実施形態では、リモートコントローラ1において、押下されたキーの位置と筐体20の初期状態からの傾き角θをもとに文字コードを生成してこの文字コードをテレビジョン装置2へ送信するようにした。しかし、これに限定されるものではなく、リモートコントローラ1に表示器を設け、選択中の文字の文字コードをテレビジョン装置2へは送信せずにリモートコントローラ1の表示器に表示させ、当該選択中の文字が確定された時点で当該文字の文字コードをテレビジョン装置2へ送信して確定文字として表示させるようにしてもよい。
このようにすると、ユーザは文字の選択操作中には当該選択中の文字を手元のリモートコントローラ1で確認することが可能となる。また、リモートコントローラ1からテレビジョン装置へ2は常に確定された文字の文字コードのみが送られることになるので、リモートコントローラ1とテレビジョン装置2との間の通信トラフィックを低下させ、これによりリモートコントローラ1のバッテリ寿命の延長を図り、かつ周辺の同一無線帯域を使用する他の無線機器に対する無線干渉の発生を抑制することができる。
(その他の変形例)
その他、前記各実施形態では何れもテレビジョン装置又はゲーム機のリモートコントローラを例にとって説明したが、他にビデオプレーヤ/レコーダやセットトップボックス、カーナビゲーション機器のリモートコントローラにも適用することができ、さらには携帯電話機やスマートホン、PDAのダイヤルキーパッド等にも同様に適用可能である。また、キーパッドは必ずしも機械的に動作するキーを用いたものに限らず、表示器上に透明なシートを配置して静電容量又は圧力の変化を検出することにより情報を入力する、いわゆるオンスクリーン型或いはタッチパネル型のキーパッドであってもよい。
また、キートップの表面に摩擦係数の差を設ける手法としてはキートップ表面に細かい凹凸や溝を形成する手法を採用してもよい。さらに、キートップ表面に設ける突出部又は凹部の設置数についても任意に設定してもよい。その他、キートップ間に設ける高さの差(段差)の値や摩擦係数の差の値、キーパッドのキーの数やその配置パターン、キートップの形状等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。また、リモートコントローラの傾きを検出するセンサとしては、加速度センサ以外のセンサを使用することも可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態及び各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態又は各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態又は各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…リモートコントローラ、2…テレビジョン装置、2a…キー表示画像、2b…文字等の入力エリア、20…リモートコントローラの筐体、10,30,40…キーパッド、50…加速度センサ、60…入力コード生成部、70…通信部、80…アンテナ、11〜43,111〜143…キートップ、111a〜143a…キートップ本体、111b〜143b…突出部、111c〜143c…凹部。

Claims (2)

  1. 代表文字が割り当てられた複数のキーを筐体面に配置した入力装置において、
    前記筐体の傾き角を検出する傾きセンサと、
    前記複数のキーのいずれかが押下された状態で、当該押下されたキーの識別情報と、前記傾きセンサにより検出された筐体の傾き角を表す情報をもとに、前記押下されたキーに割り当てられた代表文字及び当該代表文字と関連する複数の文字の中から文字を1つ選択する選択手段と、
    前記選択された文字を表す情報を送信する送信手段と
    を具備することを特徴とする入力装置。
  2. 前記選択手段は、
    前記傾きセンサにより検出される筐体の傾き角を複数の角度範囲に分割し、この分割された複数の角度範囲に対し五十音表の列方向又は行方向の複数の文字を対応付けて記憶した記憶手段と、
    前記傾きセンサにより検出された筐体の傾き角を表す情報をもとに、当該傾き角を含む角度範囲に対応する文字を前記記憶手段から読み出す手段と
    を具備することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
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