JP2012015777A - 立体視表示のための画像処理装置、方法、および、プログラム、並びに、画像表示装置 - Google Patents

立体視表示のための画像処理装置、方法、および、プログラム、並びに、画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】立体視表示の際に、主要被写体と、その周辺の視差量の異なる被写体との間での視差の無意識下での切替えを抑制しつつ、立体視表示の品質の劣化を抑制する。
【解決手段】主要被写体抽出部37Aが、複数の視差画像の各々から、主要被写体を抽出し、平面距離算出部37Bが、複数の視差画像の各々について、視差画像中の各点と視差画像中の主要被写体との間の、視差画像の平面上での距離である平面距離を算出し、LPF(非鮮鋭化処理部)37Cが、複数の視差画像の各々に対して、視差画像中の各点から主要被写体までの平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、非鮮鋭化処理を行う。
【選択図】図9

Description

本発明は、被写体の立体視表示のための画像処理に関するものである。
複眼カメラを用いて同一の被写体を異なる複数の視点から撮影することにより取得した複数の視差画像を用いて立体視表示を行う表示装置が知られている。また、この立体視表示を適切に行うための様々な画像処理技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、より現実感がある3次元画像表示(立体視表示)を行うために、観察者の注視位置を検出し、その注視位置で合焦し、注視位置から離れるほどぼやけて見えるように各視差画像に対して画像処理を行うことが提案されている。
また、特許文献2には、立体視表示で生じる両眼視野闘争を緩和して観察者の疲労感を軽減するために、両眼視野闘争が生じる被写体に対して、左右両眼の視差画像のうちのいずれか一方の被写体をぼかす処理を行うことが提案されている。
さらに、特許文献3には、臨場感のある立体視表示のために、左眼用画像および右眼用画像の各表示領域の輪郭部(表示枠)をぼかす処理を行うことが提案されている。
特開2006−287813号公報 特開2006−42298号公報 特開平9−322199号公報
特許文献1に記載された手法では、主要被写体の近辺では弱くぼかされることになる。一方、立体視表示の際、主要被写体の近辺に視差が異なる被写体が存在する場合、観察者は、その主要被写体とその近辺の被写体の間で、無意識のうちに、視差を頻繁に切り替えて観察してしまうことにより、観察者の目が疲れてしまうことがありうる。この点は、表示領域の輪郭部のみをぼかし、表示領域の中心にある可能性が高い主要被写体の周辺に対してはぼかし処理が行われない特許文献3に記載された手法でも同様である。
また、特許文献1に記載された手法では、主要被写体から離れた被写体は強くぼかされてしまうが、観察者は、主要被写体から離れた被写体に対しては、意図的に視線を変えて観察するため、その観察の際、立体視表示の表示品質の劣化を感じてしまいかねない。この点は、両眼視野闘争が生じる領域が広範囲にわたる場合には、特許文献2に記載された手法でも同様である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、立体視表示の際に、主要被写体と、その周辺の視差量の異なる被写体との間での視差の無意識下での切替えを抑制しつつ、立体視表示の品質の劣化を抑制することを目的とする。
本発明による画像処理装置は、異なる位置から主要被写体の撮像を行うことによって取得された、該主要被写体の立体視表示を行うための複数の視差画像の各々から、該主要被写体を抽出する主要被写体抽出手段と、前記複数の視差画像の各々について、該視差画像中の各点と該視差画像中の主要被写体との間の、該視差画像の平面上での距離である平面距離を算出する平面距離算出手段と、前記複数の視差画像の各々に対して、該視差画像中の各点から該主要被写体までの前記平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、第1の非鮮鋭化処理を行う第1の非鮮鋭化手段とを設けたことを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、上記画像処理装置と、該画像処理装置で処理済みの複数の視差画像を用いて該被写体の立体視表示を行う立体視表示手段とを設けたことを特徴とする。
本発明による画像処理方法は、異なる位置から主要被写体の撮像を行うことによって取得された、該主要被写体の立体視表示を行うための複数の視差画像の各々から、該主要被写体を抽出するステップと、前記複数の視差画像の各々について、該視差画像中の各点と該視差画像中の主要被写体との間の、該視差画像の平面上での距離である平面距離を算出するステップと、前記複数の視差画像の各々に対して、該視差画像中の各点から該主要被写体までの前記平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、第1の非鮮鋭化処理を行うステップとを有することを特徴とする。
本発明の画像処理プログラムは、コンピュータに上記方法の各ステップを実行指させることを特徴とする。
ここで、「異なる位置から主要被写体の撮像を行う」際、複数の撮像手段を異なる位置の各々に配置して行うことが考えられるが、特に、被写体が静止している場合であれば、1つの撮像手段を用いて異なる位置で順次撮像を行ってもよい。
「複数の視差画像の各々から、該主要被写体を抽出する」際、その被写体が各視差画像に共通のものである必要がある。
また、複数の視差画像の各々から複数の主要被写体を抽出するようにしてもよい。この場合、視差画像中の各点と該視差画像中の該複数の主要被写体の各々との間の前記平面距離を算出するようにし、該複数の主要被写体の各々との平面距離に基づいて、前記第1の非鮮鋭化処理を行うようにすることが好ましい。このとき、前記複数の主要被写体の各々との平面距離と、該複数の主要被写体毎の主要被写体らしさを表す所与の重みづけ係数とに基づいて、より主要被写体らしい前記主要被写体との間の前記平面距離が小さい該視差画像中の点ほど非鮮鋭度が大きくなるように、前記第1の非鮮鋭化処理を行うようにしてもよい。あるいは、視差画像の各々について、該視差画像中の該複数の主要被写体の平均位置を算出し、該視差画像中の各点と該視差画像中の前記平均位置との間の前記平面距離を算出するようにし、該視差画像中の各点から前記平均位置までの前記平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、前記第1の非鮮鋭化処理を行うようにすることが好ましい。このとき、複数の主要被写体毎の主要被写体らしさを表す所与の重みづけ係数を用いた、前記複数の主要被写体の各位置の重みづけ平均によって前記平均位置を算出するようにしてもよい。
本発明において、複数の視差画像の各々から該視差画像中の前記主要被写体の領域以外の領域内の各点の視差量を算出するようにし、該視差量に基づいて前記立体視表示の際に表示面より前方側で像が二重になる領域である二重像領域を抽出し、該二重像領域に対して、一律に、所与の処理強度により第2の非鮮鋭化処理を行うようにし、前記視差画像中の各点のうち、前記二重像領域外の点に対しては前記第1の非鮮鋭化処理を行うようにしてもよい。ここで、「二重像領域」は、視差画像間での視差が過大で、立体融合できない領域であり、このような領域では、奥行き距離が過小となる。また、「視差量に基づいて(二重像領域を抽出)」の具体例としては、視差量が、立体視表示の際に表示面よりも前方側となる視差を表し、かつ、所定の閾値よりも大きい領域を二重像領域として抽出することや、各点の視差量からその点の奥行き方向の距離(奥行き距離)を算出し、奥行き距離が所定の閾値よりも小さい領域を二重像領域として抽出することが考えられる。また、「所与の処理強度」は、前記二重像領域内の各点と前記主要被写体との間の平面距離の最小値に対応する前記第1の非鮮鋭化処理の処理強度と同じ処理強度としてもよい。
本発明によれば、複数の視差画像の各々から同一の主要被写体を抽出し、複数の視差画像の各々について、視差画像中の各点と視差画像中の主要被写体との間の平面距離を算出し、複数の視差画像の各々に対して、視差画像中の各点から主要被写体までの平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように(第1の)非鮮鋭化処理を行う。これにより、主要被写体の近辺では強くぼかされ、主要被写体から離れるにつれて弱くぼかされた視差画像が得られる。このような視差画像を用いて立体視表示を行えば、主要被写体の近辺の他の被写体は強くぼかされているので、観察者の視線が、無意識に主要被写体から他の被写体に移動し、主要被写体とは異なる視差量を有する他の被写体に視差を合わせてしまうことは軽減され、観察者が目の疲労を感じることも軽減される。また、主要被写体から離れた位置にある他の被写体に対しては、比較的弱くぼかされているので、立体視表示される画像はさほど劣化していない。ここで、観察者は、主要被写体から離れた位置にある他の被写体に対しては、意図的に視線を変えて観察する可能性が高いので、この他の被写体部分は、画質の劣化の小さい立体視表示を観察することが可能になる。
また、複数の主要被写体を抽出し、抽出された主要被写体の各々を加味して非鮮鋭化処理を行うようにすれば、主要被写体が複数存在する場合であっても、観察者の注目点により合致した適切な立体視表示が可能になる。
また、複数の視差画像の各々について、主要被写体の領域以外の領域内の各点の奥行き距離を算出し、奥行き距離に基づいて二重像領域を抽出し、二重像領域に対して、一律に、第2の非鮮鋭化処理を行うようにし、二重像領域外の点に対しては上記の第1の非鮮鋭化処理を行うようにした場合には、二重像領域が同じレベルでぼかされるので、観察者が二重像に対して視差を合わせようとする無意識の行為が抑制され、このような無意識の行為による観察者の目の疲労を軽減することが可能になる。また、第2の非鮮鋭化処理の処理強度を、二重像領域内の各点と主要被写体との間の平面距離の最小値に対応する第1の非鮮鋭化処理の処理強度と同じ処理強度にした場合、二重像領域は、その周辺の領域と同程度、または、それより強くぼかされることになる。したがって、観察者が二重像に対して視差を合わせようとする行為がより強く抑制される。一方、二重像領域を一律にぼかすことにより、二重像領域とその周辺領域との間にボケ具合の差が生じ、この差が表示品質の劣化につながることになりかねない。しかしながら、上記のように、二重像領域における処理強度を、主要被写体からの平面距離の最小値に対応するように決定すれば、二重像領域とその周辺領域との境界のうち主要被写体に近いところでは、二重像領域とその周辺領域との間でボケ具合の差が小さくなるので、観察者の注目点である主要被写体により近い二重像領域の付近での表示品質の劣化も抑制される。
本発明の実施形態となる複眼カメラの正面側斜視図 複眼カメラの背面側斜視図 複眼カメラの内部構成を示す概略ブロック図 複眼カメラの各撮像部の構成を示す図 立体視用画像の画像ファイルのファイルフォーマットを示す図 モニタの構成を示す図 レンチキュラーシートの構成を示す図 3次元処理を説明するための図 本発明の第1の実施形態となる非鮮鋭化処理部の詳細を表すブロック図 本発明の第1の実施形態における撮像から立体視表示までの処理の流れを表すフローチャート 複眼カメラの各撮像部の画角と被写体との位置関係を模式的に表した図 左眼視差画像からの主要被写体の抽出の様子を模式的に表した図 右眼視差画像からの主要被写体の抽出の様子を模式的に表した図 左眼視差画像に対する非鮮鋭化処理の結果を模式的に表した図 右眼視差画像に対する非鮮鋭化処理の結果を模式的に表した図 本発明の非鮮鋭化処理のルックアップテーブルの一例を表した図 本発明の第2の実施形態となる非鮮鋭化処理部の詳細を表すブロック図 本発明の第2の実施形態における撮像から立体視表示までの処理の流れを表すフローチャート 左眼視差画像の一例を模式的に表した図 奥行き距離の算出方法を模式的に表した図 左眼視差画像中の二重像領域と主要被写体の間の最小平面距離を模式的に表した図 左眼視差画像に対する本発明の第2の実施形態による非鮮鋭化処理の結果を模式的に表した図 本発明の第3の実施形態となる非鮮鋭化処理部の詳細を表すブロック図 本発明の第3の実施形態における撮像から立体視表示までの処理の流れを表すフローチャート 複数の主要被写体を含む左眼視差画像と各主要被写体からの平面距離を模式的に表した図 本発明の第4の実施形態となる非鮮鋭化処理部の詳細を表すブロック図 本発明の第4の実施形態における撮像から立体視表示までの処理の流れを表すフローチャート 本発明の第5の実施形態となる非鮮鋭化処理部の詳細を表すブロック図 本発明の第5の実施形態における撮像から立体視表示までの処理の流れを表すフローチャート 本発明の第6の実施形態となる非鮮鋭化処理部の詳細を表すブロック図 本発明の第6の実施形態における撮像から立体視表示までの処理の流れを表すフローチャート
以下では、本発明の画像処理を、複眼カメラに実装し、そのモニタで立体視表示を行う場合を例として、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態となる複眼カメラの正面側斜視図、図2は背面側斜視図である。図1に示すように、複眼カメラ1の上部には、レリーズボタン2、電源ボタン3およびズームレバー4が備えられている。デジタルカメラ1の正面には、フラッシュ5および2つの撮像部21A,21Bのレンズが配設されている。また、背面には、各種表示を行う液晶モニタ(以下単にモニタとする)7および各種操作ボタン8が配設されている。
図3は複眼カメラ1の内部構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように、本発明の実施形態となる複眼カメラ1は、公知の複眼カメラと同様に、2つの撮像部21A,21B、フレームメモリ22、撮像制御部23、AF処理部24、AE処理部25、AWB処理部26、デジタル信号処理部27、3次元処理部28、表示制御部29、圧縮/伸長処理部30、メディア制御部31、入力部33、CPU34、内部メモリ35、データバス36を備えている。なお、撮像部21A,21Bは、被写体を見込む輻輳角を持って、あらかじめ定められたレンズ間距離(基線長)となるように配置されている。なお、輻輳角、および、撮像部21A、21Bのレンズ間距離の情報は内部メモリ27に記憶されている。
図4は、撮像部21A,21Bの構成を示す図である。図4に示すように撮像部21A,21Bは、公知の複眼カメラと同様に、レンズ10A,10B、絞り11A,11B、シャッタ12A,12B、撮像素子13A,13B、アナログフロントエンド(AFE)14A,14BおよびA/D変換部15A,15Bをそれぞれ備える。
レンズ10A,10Bは、被写体に焦点を合わせるためのフォーカスレンズ、ズーム機能を実現するためのズームレンズ等の複数の機能別レンズにより構成され、撮像制御部22が行うAF処理により得られる合焦データおよび不図示のズームレバーを操作することにより得られるズームデータに基づいて、不図示のレンズ駆動部によりその位置が調整される。
絞り11A,11Bは、撮像制御部22が行うAE処理により得られる絞り値データに基づいて、不図示の絞り駆動部により絞り径の調整が行われる。
シャッタ12A,12Bはメカニカルシャッタであり、不図示のシャッタ駆動部により、AE処理により得られるシャッタスピードに応じて駆動される。
撮像素子13A,13Bは、多数の受光素子を2次元的に配列した光電面を有しており、被写体光がこの光電面に結像して光電変換されてアナログ撮像信号が取得される。また、撮像素子13A,13Bの前面にはR,G,B各色のフィルタが規則的に配列されたカラーフィルタが配設されている。
AFE14A,14Bは、撮像素子13A,13Bから出力されるアナログ撮像信号に対して、アナログ撮像信号のノイズを除去する処理、およびアナログ撮像信号のゲインを調節する処理(以下アナログ処理とする)を施す。
A/D変換部15A,15Bは、AFE14A,14Bによりアナログ処理が施されたアナログ撮像信号をデジタル信号に変換する。なお、撮像部21Aにより取得されるデジタルの画像データにより表される画像を第1の画像G1、撮像部21Bにより取得される画像データにより表される画像を第2の画像G2とする。
フレームメモリ22は、撮像部21A,21Bが取得した第1および第2の画像G1,G2を表す画像データが、画像入力コントローラ(図示なし)を介して取り込まれる作業用メモリであり、各種処理を行う際に使用される。
撮像制御部23は、各部の処理のタイミングの制御を行う。具体的には、レリーズボタン2の全押し操作により、撮像部21A,21Bに対して第1および第2の画像G1,G2の本画像を取得させる本撮像の指示を行う。なお、レリーズボタン2が操作される前は、撮像制御部23は、撮像範囲を確認させるための、第1および第2の画像G1,G2の本画像よりも画素数が少ないスルー画像を、所定時間間隔(例えば1/30秒間隔)にて順次取得させる指示を撮像部21A,21Bに対して行う。
AF処理部24は、レリーズボタン2の半押し操作により撮像部21A,21Bが取得した各プレ画像の画像信号に基づいてAF評価値を算出し、AF評価値に基づいて合焦領域を決定するとともにレンズ10A,10Bの焦点位置を決定し、撮像部21A,21Bに出力する。ここでは、AF処理による焦点位置の検出方式としては、所望とする被写体にピントが合った状態では画像のコントラストが高くなるという特徴を利用して合焦位置を検出するパッシブ方式が採用されている。例えば、AF評価値は、所定のハイパスフィルタの出力値とすることができ、この場合、その値が大きいほどコントラストが高いことを意味する。
AE処理部25は、ここでは多分割測光方式が採用されており、各プレ画像の画像信号を用いて、撮像領域を複数のエリアに分割して個別に測光し、各エリアの測光値に基づいて露出(絞り値とシャッタ速度)を決定し、撮像部21A,21Bに出力する。
AWB処理部26は、プレ画像のR,G,Bの各画像信号を用いて、撮像領域を分割した複数のエリア毎に、オートホワイトバランス用の色情報を算出する。
AF処理部24、AE処理部25、AWB処理部26は、撮像部毎に順次処理を行ってもよいし、各処理部を撮像部の数だけ設け、並列的に処理を行ってもよい。
デジタル信号処理部27は、撮像部21A,21Bが取得した第1および第2の画像G1,G2のデジタルの画像データに対して、ホワイトバランスを調整する処理、階調補正、シャープネス補正、および色補正等の画像処理を施す。なお、デジタル信号処理部27における処理後の第1および第2の画像についても、処理前の参照符号G1,G2を用いるものとする。
圧縮/伸長処理部28は、デジタル信号処理部27によって処理が施された第1および第2の画像G1,G2の本画像を表す画像データに対して、例えば、JPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行い、立体視用の画像ファイルF0を生成する。この立体視用の画像ファイルF0には、第1および第2の画像G1,G2の画像データを含み、Exifフォーマット等に基づいて、レンズ間距離、輻輳角および撮像日時等の付帯情報、および視点位置を表す視点情報が格納される。
図5は立体視用画像の画像ファイルのファイルフォーマットを示す図である。図5に示すように立体視用の画像ファイルF0は、第1の画像G1の付帯情報H1、第1の画像G1の視点情報S1、第1の画像G1の画像データ(画像データについても参照符号G1を用いるものとする)、第2の画像G2の付帯情報H1、第2の画像G2の視点情報S2、および第2の画像G2の画像データが格納されてなる。また、図示はしないが、第1および第2の画像G1,G2についての付帯情報、視点情報および画像データの前後には、データの開始位置および終了位置を表す情報が含まれる。また、付帯情報H1,H2には第1および第2の画像G1,G2の撮像日、レンズ間距離、および輻輳角の情報が含まれる。また、付帯情報H1,H2には第1および第2の画像G1,G2のサムネイル画像も含まれる。なお、視点情報としては、例えば左側の撮像部から順に付与した視点位置の番号を用いることができる。
メディア制御部29は、記録メディア30にアクセスして画像ファイル等の書き込みと読み込みの制御を行う。
表示制御部31は、撮像時においてフレームメモリ22に格納された第1および第2の画像G1,G2および第1および第2の画像G1,G2から生成された立体視用画像GRをモニタ7に表示させたり、記録メディア30に記録されている第1および第2の画像G1,G2および立体視用画像GRをモニタ7に表示させたりする。
図6はモニタ7の構成を示す図である。図6に示すように、モニタ7は、LEDにより発光するバックライトユニット40および各種表示を行うための液晶パネル41を積層し、液晶パネル41にレンチキュラーシート42を取り付けることにより構成されている。
図7はレンチキュラーシートの構成を示す図である。図7に示すようにレンチキュラーシート42は、複数のシリンドリカルレンズ43を並列に並べることにより構成されている。
3次元処理部32は、第1および第2の画像G1,G2をモニタ7に立体視表示させるために、第1および第2の画像G1,G2に3次元処理を行って立体視用画像GRを生成する。図8は3次元処理を説明するための図である。図8に示すように3次元処理部30は、第1および第2の画像G1,G2を垂直方向に短冊状に切り取り、レンチキュラーシート42におけるシリンドリカルレンズ43のそれぞれに、位置が対応する短冊状に切り取った第1および第2の画像G1,G2を交互に配置するように3次元処理を行って、立体視用画像GRを生成する。なお、3次元処理部30は、立体視用画像GRの立体感を適切なものとするために、第1および第2の画像G1,G2の視差を補正するようにしてもよい。ここで、視差は、第1および第2の画像G1,G2の双方に含まれる被写体の、第1および第2の画像G1,G2の横方向における画素位置の相違として算出することができる。視差を調整することにより、立体視用画像GRに含まれる被写体の立体感を適切なものとすることができる。
入力部33は、撮像者が複眼カメラ1の操作を行うためのインターフェースであり、レリーズボタン2、ズームレバー4および各種操作ボタン8等が該当する。
CPU34は、上記各種処理部からの信号に応じてデジタルカメラ1の本体各部を制御する。
内部メモリ35は、複眼カメラ1において設定される各種定数、およびCPU34が実行するプログラム等を記憶する。
データバス36は、複眼カメラ1を構成する各部およびCPU35に接続されており、複眼カメラ1における各種データおよび各種情報のやり取りを行う。
本発明の実施形態となる複眼カメラ1は、上記の構成に加えて、本発明の非鮮鋭化処理を実現する非鮮鋭化処理部37をさらに備えている。
図11は、本発明の第1の実施形態となる非鮮鋭化処理部37の構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本発明の第1の実施形態において、非鮮鋭化処理部37は、主要被写体抽出部37A、平面距離算出部37B、LPF(ローパスフィルタ)37C、LUT(ルックアップテーブル)37Dから構成される。これらの非鮮鋭化処理部37の各処理部は、CPU34、あるいは、非鮮鋭化処理部37用の汎用プロセッサで実行される組み込みプログラムによってソフトウェア的に実現してもよいし、非鮮鋭化処理部37用の専用プロセッサとしてハードウェア的に実現してもよい。なお、ソフトウェア的に実現する場合、既存の複眼カメラに対してファームウェアの更新という方式で上記プログラムを提供してもよい。
主要被写体抽出部37Aは、各撮像部21A,21Bで得られた第1および第2の画像G1,G2の各々から、両画像に共通の主要被写体F1、F2を抽出する。具体的には、以下の3段階の処理を行う。
第1の段階では、主要被写体抽出部37Aは、第1および第2の画像G1,G2のいずれか一方(ここでは、第1の画像G1とする)に対して、公知の画像認識手法を用いて、主要被写体の候補、すなわち、主要被写体と同種の被写体を抽出する。この段階では、主要被写体の候補は複数抽出され得る。以下、3つの具体例を挙げる。
(1) 主要被写体として人物の顔を検出する場合
まず、第1の画像G1から解像度(サイズ)の異なる複数のリサイズ画像を生成する。次に、各リサイズ画像全体から、予め用意しておいた所定のサイズの複数の顔画像データ(例えば、32画素×32画素)と1つ以上マッチングする領域を抽出する。これにより、第1の画像G1中の様々なサイズの顔が検出される。次に、抽出された領域の個数が最大であるリサイズ画像を選択する。これにより、第1の画像G1中において、最も出現頻度の高いサイズの顔が検出対象となる。そして、選択されたリサイズ画像内の抽出領域をもとの解像度(サイズ)に変換し、変換後の抽出領域を被写体の顔として検出する。
(2) 主要被写体として特定のオブジェクトを検出する場合
まず、第1の画像G1内を複数の領域に分割し、各領域の測光値、所定の空間周波数成分、画像中の位置等の特徴量を算出する。算出された特徴量と予め登録されている特定のオブジェクトの特徴量とを比較し、その特定のオブジェクトの特徴量との一致度が所定の基準を満たす程度に高い特徴量を有する領域をその特定のオブジェクトの領域として検出する。この方法によって、空、水、木、土、建物等を特定のオブジェクトとして検出することが可能である。
(3) 主要被写体として動体を検出する場合
この例は動画像を対象とする。まず、入力動画像の所与のフレーム内の被写体のエッジ等の特徴点を複数検出し、1つ前のフレーム内の同一被写体の特徴点と比較する。次に、同一の特徴点が一致しないものが所定の基準を満たす程度に多く存在するかどうか判定し、その所定の基準を満たす被写体を動体として検出する。
第2の段階では、主要被写体抽出部37Aは、第1の画像G1から抽出された主要被写体候補に対応する、第2の画像G2中の主要被写体候補を抽出する。具体的には、公知のステレオマッチングの手法を用いて(例えば、特開2009-293970号公報参照)、第1の画像G1の主要被写体候補との画素値の相関が最も高い第2の画像G2中の領域を抽出する。これにより、第1および第2の画像G1,G2に共通の主要被写体候補が抽出される。
第3の段階では、主要被写体抽出部37Aは、第1の画像G1から抽出された複数の主要被写体候補の中から主要被写体F1を1つ抽出する。具体的には、主要被写体候補のうち、面積が最大のものを主要被写体F1として抽出する。ここで、画像の中心に最も近いもの、ユーザによって指定された領域内にあるもの等の他の基準に基づいて、あるいは、これらの他の基準もさらに用いて主要被写体を抽出するようにしてもよい。次に、主要被写体抽出部37Aは、第2の段階で行った対応づけに基づいて、主要被写体F1に対応する第2の画像G2中の主要被写体候補を主要被写体F2として抽出する。
なお、上記で、第2段階と第3段階の順序を逆にし、第1の画像G1中で主要被写体F1を決定してから、決定された主要被写体F1に対応する第2の画像G2中の領域を主要被写体F2として抽出するようにしてもよい。また、第1の画像G1と第2の画像G2の各々に対して、上記第1、第2の段階までの処理を行い、両画像から個別に主要被写体を抽出し、抽出された主要被写体の位置や内容的特徴が所定の基準を満たす程度に一致する場合には、両画像から抽出された主要被写体として確定するようにしてもよい。
平面距離算出部37Bは、第1の画像G1と第2の画像G2の各々について、画像中の各点(i,j)と主要被写体F1、F2の中心位置との間の平面距離d1(i,j)、d2(i,j)を算出する。なお、この平面距離とは、各画像の画像平面上での距離であり、各点と主要被写体の中心位置との間の奥行き方向における位置関係は考慮しない。
LPF37Cは、第1の画像G1と第2の画像G2の各々に対してローパスフィルタを用いた非鮮鋭化処理を行う。例えば、画像G1中の点P(i,j)におけるローパスフィルタの出力値Poutは、
Figure 2012015777
となる。
ここで、所与の画素サイズは、P(i,j)における主要被写体までの平面距離d1(i,j)を用いて、LUT37Dを参照することによって決定される。図14は、LUT37Dの一例を示したものである。図に示したとおり、LUT37Dは、平面距離毎にLPF画素サイズ(上記の「所与の画素サイズ」)が関連づけられたものとなっており、平面距離が大きくなるほどLPF画素サイズが小さくなるように定義されている。上式では、画素サイズが大きくなるほど、P(i,j)における強くぼかされることになるので、LUT37Dは、主要被写体からの平面距離が小さいほど強くぼかされ、平面距離が大きいほど弱くぼかされるように定義されていることになる。
LPF37Cは、P(i,j)における主要被写体までの平面距離d1(i,j)と最も近い平面距離と関連づけられたLPF画素サイズをLUT37Dから取得し、上式に基づいて点Pにおけるローパスフィルタ出力値を算出する。これを第1、および、第2の画像G1,G2内の各点に対して繰り返し行い、非鮮鋭化処理後の第1、第2の画像G1´、G2´を出力する。
図10は、本発明の第1の実施形態において行われる撮像から立体視表示までの処理の流れを表したフローチャートである。まず、レリーズボタン2の全押し操作が行われると、撮像部21A,21Bで本撮像が行われ、第1の画像G1,第2の画像G2が各々取得される(#1)。図11は、複眼カメラ1の各撮像部21A、21Bの画角と、被写体SB1,SB2,SB3の位置関係の一例を模式的に表したものである。
次に、主要被写体抽出部37Aが、第1および第2の画像G1,G2に共通の主要被写体候補を抽出し(#2)、複数の主要被写体候補が抽出された場合には(#3;YES)、大きさが最大の主要被写体候補を主要被写体F1、F2として特定する(#4)。図12Aは、撮像部21Aで得られた左眼用の視差画像G1から、人物SB1の顔が主要被写体F1として抽出された様子を模式的に表したものであり、図12Bは、撮像部21Bで得られた右眼用の視差画像G2から、主要被写体F1に対応する人物SB1の顔が主要被写体F2として抽出された様子を模式的に表したものである。
次に、平面距離算出部37Bは、第1の画像G1と第2の画像G2の各々について、画像中の各点(i,j)と主要被写体F1、F2の中心位置との間の平面距離d1(i,j)、d2(i,j)を算出する(#5)。
次に、LPF37Cは、LUT37Dを参照し、第1、および、第2の画像G1,G2内の各点(i,j)に対して、その点における主要被写体までの平面距離d1(i,j) 、d2(i,j)に応じたローパスフィルタ処理を行い、処理後の第1、第2の画像G1´、G2´を出力する(#4)。出力される各画像は、主要被写体F1、F2の近辺では強くぼかされ、主要被写体F1、F2から離れるにつれて弱くぼかされたものとなっている。図13A、図13Bは、各々、第1、第2の画像G1、G2に対するローパスフィルタ処理の結果を模式的に表したものである。図に示したように、主要被写体F1、F2である被写体SB1の近くにある被写体SB3は、被写体SB1から離れた位置にある被写体SB2よりも強くぼかされている。
そして、3次元処理部30によって、上記LPF37Cによる処理後の第1の画像G1´および第2の画像G2´から立体視用画像GRが生成され、モニタ7に出力される(#7)。
以上のようにして立体視表示された立体視用画像GRは、主要被写体F1、F2の近辺の他の被写体は比較的強くぼかされているので、観察者の視線が、無意識に主要被写体から他の被写体に移動し、主要被写体とは異なる視差量を有する他の被写体に視差を合わせてしまうことが減少し、観察者が目の疲労を感じることが軽減される。また、主要被写体F1、F2から離れた位置にある他の被写体に対しては、比較的弱くぼかされているので、立体視表示される画像はさほど劣化していない。ここで、観察者は、主要被写体F1、F2から離れた位置にある他の被写体に対しては、意図的に視線を変えて観察する可能性が高いので、この他の被写体部分は、画質の劣化の小さい立体視表示を観察することが可能になる。
図15は、本発明の第2の実施形態となる非鮮鋭化処理部37の構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本発明の第2の実施形態では、非鮮鋭化処理部37は、奥行き情報算出部37E、二重像領域抽出部37F、二重像平面距離決定部37Gが、第1の実施形態の非鮮鋭化処理部37に対して付加された構成となっている。主要被写体抽出部37Aおよび平面距離算出部37Bの詳細は、第1の実施形態と同様である。
奥行き情報算出部37Eは、各画像中の主要被写体F1,F2以外の領域内の各点の奥行き方向の距離z(i,j)を算出する。具体的には、まず、第1、第2の画像G1、G2の間で対応する画素である対応点を探索する(ステレオマッチング)。次に、互いに対応する画素の画像間での位置の差(視差)、あるいは輻輳角を求める。さらに、各撮像部21A,21Bのレンズ間距離LD、焦点距離FDを、カメラパラメータ、あるいは、各画像G1,G2の画像ファイルの付帯情報から取得する。そして、これらに基づき、三角測量の原理を適用することにより、各画像G1,G2に対応する撮像部21A、21Bからその画素に対応する被写体上の点までの奥行き距離を計測する(詳細は、特開2009-293970号公報等参照)。図18は、点(i1,j1)における奥行き距離z(i1,j1)を算出する場合について、点(i1,j1)、各撮像部21A、21Bのレンズ10A、10B、撮像素子13A、13Bの位置関係を模式的に表したものである。左眼に対応する撮像部21Aのレンズ10Aから点(i1,j1)に向かう視線VL1と右眼に対応する撮像部21Bのレンズ10Bから点(i1,j1)に向かう視線VL2とがなす角αが輻輳角である。また、視線VL2をレンズ10Aの中心位置を通るように平行移動した直線VL2´とすると、VL1とVL2´の各々と撮像素子13A、13Bを表す直線との交点の間の距離△xが点(i1,j1)における視差を表す。奥行き情報算出部37Eは、視差△xまたは輻輳角α、レンズ間距離LD、焦点距離FDを用いて、三角測量の原理に基づいて奥行き距離z(i1,j1)を算出することができる。
二重像領域抽出部37Fは、各画像G1、G2から、奥行き距離z(i1,j1)が所定の閾値Th1未満となる領域を、立体視表示の際に像が二重になる領域である二重像領域E1[m]、E2[m]として抽出する。ここで、mは、各二重像領域を識別する添え字である。具体的には、二重像領域抽出部37Fは、まず、各点における奥行き距離z(i,j)を画素値とする距離画像に対して、公知のラベリング処理を行うことによって、奥行き距離z(i,j)が近似する画素を連結し、領域として分離する。次に、第1、第2の画像G1,G2において、分離された各領域に対応する領域のうち、奥行き距離z(i1,j1)が所定の閾値Th1未満となる領域を、二重像領域E1[m]、E2[m]として抽出する。なお、所定の閾値Th1は、その視差量が立体視として像が融合する限界を表す値とすればよい。これにより、立体視表示の際に表示面より前方側で像が二重になる領域を抽出することができる。また、この閾値Th1は、予め理論的、実験的、経験的に得られた値を内部メモリ35に格納しておいてもよいし、ユーザが所望の値を設定または変更できるようにしてもよい。
二重像平面距離決定部37Gは、第1、第2の画像G1,G2の各点から、その画像中の主要被写体F1,F2までの平面距離d1(i,j)、d2(i,j)を用いて、各二重像領域E1[m]、E2[m]中の各点から主要被写体F1,F2までの距離の最小値を、各二重像領域E1[m]、E2[m]から主要被写体F1、F2までの距離の代表値である二重像平面距離d1E[m]、d2E[m]として決定する。その際、各二重像領域E1[m]、E2[m]内の各点の位置情報と二重像平面距離d1E[m]、d2E [m]とを関連づけて内部メモリ35に記憶しておく。
LPF37Cは、第1、第2の画像G1,G2の各々について、二重像領域E1[m]、E2[m]内の各点に対しては、その点における二重像平面距離d1E[m]、d2E [m]に基づいてLUT37Dを参照してLPF画素サイズを決定し、その画素サイズを用いたローパスフィルタ処理を行う。一方、二重像領域E1[m]、E2[m]外の各点に対しては、第1の実施形態と同様に、その点における主要被写体までの平面距離d1(i,j) 、d2(i,j) に基づいてLUT37Dを参照してLPF画素サイズを決定し、その画素サイズを用いたローパスフィルタ処理を行う。すなわち、本実施形態では、LPF37Cは、本発明における第1の非鮮鋭化手段と第2の非鮮鋭化手段の両方として機能することになる。なお、二重像領域E1[m]、E2[m]内の各点に対するローパスフィルタと、二重像領域E1[m]、E2[m]外の各点に対するローパスフィルタとを、別個の処理部(回路)として実装してもよい。
図16は、本発明の第2の実施形態において行われる撮像から立体視表示までの処理の流れを表したフローチャートである。ステップ#11から#15までは第1の実施形態のステップ#1から#5と同様である。図17は、複眼カメラ1の各撮像部21Aで得られた画像G1の一例を模式的に表したものである。
次に、奥行き情報算出部37Eは、各画像中の主要被写体F1,F2以外の領域内の各点の奥行き方向の距離z(i,j)を算出し(#16)、二重像領域抽出部37Fが、各画像G1、G2から、奥行き距離z(i1,j1)が所定の閾値Th1未満となる孤立領域を、立体視表示の際に像が二重になる領域である二重像領域E1[m]、E2[m]として抽出する(#17)。ここで、二重像領域が抽出された場合には(#18;YES)、二重像平面距離決定部37Gは、各二重像領域E1[m]、E2[m]中の各点から主要被写体F1,F2までの距離の最小値を二重像平面距離d1E[m]、d2E[m]として決定する(#19)。図19は、図17の画像例において、被写体SB2とSB4が二重像領域d1E[1]、d1E[2]として抽出された場合の、各領域の二重像平面距離d1E[1]、d1E[2]を模式的に表したものである。
そして、LPF37Cは、第1、第2の画像G1,G2の各々について、LUT37Dを参照し、第1、および、第2の画像G1,G2内の各点(i,j)に対してローパスフィルタ処理を行う。具体的には、まず処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]内かどうかを判定する(#20)、処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]内の場合には(#20;YES)、その領域に関連づけられた二重像平面距離d1E[m]、d2E[m]に基づいてLUT37Dを参照してLPF画素サイズを決定し、その画素サイズを用いたローパスフィルタ処理を行う(#21)。一方、処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]外の場合には(#20;NO)、その点における主要被写体までの平面距離d1(i,j) 、d2(i,j) に基づいてLUT37Dを参照してLPF画素サイズを決定し、その画素サイズを用いたローパスフィルタ処理を行う(#22)。LPF37Cは、上記ステップ#20から#22を、第1、および、第2の画像G1,G2内のすべての点での処理が終了するまで繰り返し行う(#23)。これにより、ローパスフィルタ処理後の第1、第2の画像G1´、G2´が出力される。図20は、第1の画像G1に対するローパスフィルタ処理の結果を模式的に表したものである。図に示したように、二重像領域d1E[1]、d1E[2]である被写体SB2,SB4は、各領域全体が一律に、各々の二重像平面距離d1E[1]、d1E[2]に応じたローパスフィルタ処理によってぼかされている。一方、主要被写体F1である被写体SB1の近くにある被写体SB3は、二重像領域d1E[m]外にあるので、第1の実施形態と同様に、被写体SB1からの平面距離d1(i,j)に応じたローパスフィルタ処理によってぼかされている。
そして、3次元処理部30によって、上記LPF37Cによる処理後の第1の画像G1´および第2の画像G2´から立体視用画像GRが生成され、モニタ7に出力される(#24)。
以上のようにして立体視表示された立体視用画像GRは、二重像となる領域が一律にぼかされている。すなわち、1つのまとまりとして認識されやすい被写体(オブジェクト)の単位で同じレベルでぼかされている。したがって、二重像による観察者の目の疲労を軽減することが可能になる。また、二重像となる領域では、その領域から主要被写体までの平面距離の最小値に応じたローパスフィルタ処理が行われる。ここで、LUT37Dは、平面距離が小さくなるほど大きくぼかされるように設定されているので、二重像となる領域は、その周辺の領域と同程度、またはそれよりも大きくぼかされることになる。したがって、観察者が二重像に対して視差を合わせようとする行為がより強く抑制される。また、二重像領域を一律にぼかすことにより、二重像領域とその周辺領域との間にボケ具合の差が生じ、この差が表示品質の劣化につながることになりかねない。しかしながら、上記のように、二重像領域から主要被写体までの平面距離の最小値に応じたローパスフィルタ処理を行うようにすれば、二重像領域とその周辺領域との境界のうち主要被写体に近いところでは、二重像領域とその周辺領域との間でボケ具合の差が小さくなるので、観察者の注目点である主要被写体により近い二重像領域の付近での表示品質の劣化も抑制される。一方、二重像となる領域以外の領域については、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記実施形態において、奥行き情報算出部37は、奥行き距離を算出せずに、第1、第2の画像G1、G2の間で対応する画素の画像間での位置の差である視差を奥行き情報として算出するようにしてもよい。この場合、二重像領域抽出部37Fは、各画像G1、G2から、視差が所定の閾値より大きい領域を二重像領域E1[m]、E2[m]として抽出すればよい。ここで、所定の閾値は、左眼の画像である画像G1が右眼画像である画像G2に対して右方向に視差を有することを表す値であり、かつ、その視差量が立体視として像が融合する限界を表す値とすればよい。これにより、立体視表示の際に表示面より前方側で像が二重になる領域を抽出することができる。なお、この閾値は、予め理論的、実験的、経験的に得られた値を内部メモリ35に格納しておいてもよいし、ユーザが所望の値を設定または変更できるようにしてもよい。
図21は、本発明の第3の実施形態となる非鮮鋭化処理部37の構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本発明の第3の実施形態では、重みづけ係数決定部37Hが第1の実施形態の非鮮鋭化処理部37に対して付加された構成となっている。
また、主要被写体抽出部37Aは、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]を抽出する構成となっている。ここで、nは、複数の主要被写体の各々を識別する添え字である。すなわち、第1の実施形態における、主要被写体候補をすべて主要被写体として抽出する。これに伴い、平面距離算出部37Bは、各画像G1,G2中の各点(i,j)と、主要被写体F1[n]、F2[n]の各々の間の平面距離d1[n](i,j)、d2[n](i,j)を算出する。図23は、画像G1から3つの主要被写体F1[1]、F1[2]、F1[3]が抽出された場合を模式的に表したものであり、平面距離算出部37Bは、点(i1,j1)に対しては、各主要被写体F1[1]、F1[2]、F1[3]から点(i1,j1)までの平面距離d1[1] (i1,j1)、d1[2] (i1,j1)、d1[3] (i1,j1)を算出する。
一方、重みづけ係数決定部37Hは、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]毎の主要被写体らしさを表す重みづけ係数w1[n]、w2[n]を決定する。具体的には、第1の実施形態において主要被写体候補から主要被写体を決定する際の基準と同様の基準を用いて、主要被写体の大きさが大きいほど大きな重みとなるように、かつ、各画像G1,G2の中心位置から各主要被写体までの距離が小さいほど大きな重みとなるように、重みづけ係数w1[n]、w2[n]を決定する。あるいは、ユーザが任意に重みづけ係数w1[n]、w2[n]を決定するようにしてもよい。
LPF37Cは、画像G1について、各主要被写体F1[n]からの平面距離d1[n](i,j)の各々に基づいてLUT37Dを参照し、各々の平面距離d1[n](i,j)に対応する画素サイズU1[n]を取得する。そして、次式により、点(i,j)におけるローパスフィルタの画素サイズU1を決定する。
Figure 2012015777
画像G2についても同様にして点(i,j)におけるローパスフィルタの画素サイズU2を決定する。
図23の例において、平面距離d1[1] (i1,j1)、d1[2] (i1,j1)、d1[3] (i1,j1)に対応するローパスフィルタの画素サイズを、各々、U1[1]、U1[2]、U1[3]とし、主要被写体F1[1]、F1[2]、F1[3]に対する重みづけ係数を、各々、w1[1]、w1[2]、w1[3]とすると、点(i1,j1)におけるローパスフィルタの画素サイズU1(i1,j1)は、
Figure 2012015777
となる。
LPF37Cは、各画像G1,G2の各点において、各点毎に決定された画素サイズU1、U2を用いてローパスフィルタ処理を行う。
なお、上記では、画像G1の場合、各主要被写体F1[n]からの平面距離d1[n](i,j)の各々に対応するローパスフィルタの画素サイズに対して重みづけ係数w1[n]を用いた重みづけ平均を求めているが、平面距離d1[n](i,j)に対して重みづけ係数による重みづけ平均を求め、平面距離d1[n](i,j)の重みづけ平均に基づいてLUT37Dを参照するようにしてもよい。この場合、主要被写体らしさが高い主要被写体に近いほど大きくぼかす必要があるので、主要被写体らしさが高い主要被写体ほど重みづけ係数w1[n]は小さくする必要がある。また、各主要被写体F1[n]からの平面距離d1[n](i,j)の各々に対して重みづけ係数w1[n]を乗算し、その各乗算値に基づいてLUT37Dを参照して画素サイズを各々取得し、取得した画素サイズの単純平均を求めることによって、最終的な画素サイズを求めてもよい。
図22は、本発明の第3の実施形態において行われる撮像から立体視表示までの処理の流れを表したフローチャートである。まず、レリーズボタン2の全押し操作が行われると、撮像部21A,21Bで本撮像が行われ、第1の画像G1,第2の画像G2が各々取得される(#31)。
次に、主要被写体抽出部37Aが、第1および第2の画像G1,G2に共通の主要被写体を1以上抽出し(#32)、平面距離算出部37Bが、第1の画像G1と第2の画像G2の各々について、画像中の各点(i,j)と各主要被写体F1[n]、F2[n]の中心位置との間の平面距離d1[n](i,j)、d2[n](i,j)を算出する(#33)。
次に、重みづけ係数決定部37Hは、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]毎の主要被写体らしさを表す重みづけ係数w1[n]、w2[n]を決定する(#34)。
次に、LPF37Cは、LUT37Dを参照し、第1、および、第2の画像G1,G2内の各点(i,j)に対して、その点における各主要被写体までの平面距離d1[n](i,j) 、d2[n] (i,j)、および、各主要被写体F1[n]、F2[n]毎の重みづけ係数w1[n]、w2[n]に応じたローパスフィルタ処理を行い、処理後の第1、第2の画像G1´、G2´を出力する(#35)。
そして、3次元処理部30によって、上記LPF37Cによる処理後の第1の画像G1´および第2の画像G2´から立体視用画像GRが生成され、モニタ7に出力される(#36)。
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、観察対象の画像中に複数の主要被写体が存在する場合であっても、各主要被写体を加味したローパスフィルタ処理が行われるので、各主要被写体に対する観察者の注目度に応じた適切な立体視表示が可能になる。
なお、上記実施形態において、重みづけ係数決定部37Hを設けずに、LPF37Cが、各主要被写体までの平面距離に応じたローパスフィルタの画素サイズの単純平均を求めるようにしてもよい。これは、重みづけ係数の値がすべて等しい場合に相当する。
図24は、本発明の第4の実施形態となる非鮮鋭化処理部37の構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本発明の第4の実施形態では、主要被写体平均位置算出部37Iが第1の実施形態の非鮮鋭化処理部37に対して付加された構成となっている。
また、第3の実施形態と同様、主要被写体抽出部37Aは、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]を抽出する構成となっている。
主要被写体平均位置算出部37Iは、画像G1,G2について、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]の平均位置FA1、FA2を算出する。
平面距離算出部37Bは、各画像G1,G2中の各点と、この主要被写体平均位置FA1、FA2との間の平面距離d1(i,j)、d2(i,j)を算出する。
LPF37Cの処理は第1の実施形態と同様である。
図25は、本発明の第4の実施形態において行われる撮像から立体視表示までの処理の流れを表したフローチャートである。ステップ#41および#42は、第3の実施形態のステップ#31および#32と同様である。
そして、主要被写体平均位置算出部37Iは、画像G1,G2について、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]の平均位置FA1、FA2を算出し(#43)、平面距離算出部37Bが、第1の画像G1と第2の画像G2の各々について、画像中の各点(i,j)と各主要被写体の平均位置FA1、FA2との間の平面距離d1[n](i,j)、d2[n](i,j)を算出する(#44)。以下のステップ#45および#46は、第1の実施形態のステップ#6および#7と同様である。
以上のように、本発明の第4の実施形態でも、第3の実施形態と同様に、観察対象の画像中に複数の主要被写体が存在する場合であっても、各主要被写体を加味したローパスフィルタ処理を行うことができる。
なお、上記実施形態において、重みづけ係数決定部37Hを設け、主要被写体平均位置算出部37Iが、重みづけ係数決定部37Hによって決定された重みづけ係数w1[n]、w2[n]を用いて、各主要被写体F1[n]、F2[n]の重みづけ平均位置を求めるようにしてもよい。この場合、重みづけ係数w1[n]、w2[n]は、その被写体が主要被写体らしいほど大きな値になるようにすれば、主要被写体の平均位置FA1、FA2は、より主要被写体らしい被写体に近づくようにすることができる。
図26は、本発明の第5の実施形態となる非鮮鋭化処理部37の構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本発明の第5の実施形態は、上記第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせたものである。すなわち、本実施形態の非鮮鋭化処理部37は、主要被写体抽出部37A、平面距離算出部37B、重みづけ係数決定部37H、奥行き情報算出部37E、二重像領域抽出部37F、二重像平面距離決定部37G、LPF37C、LUT37Dから構成される。
ここで、本実施形態では、二重像平面距離決定部37Gは、第1の画像G1の各点から、その画像中の主要被写体F1[n]の各々までの平面距離d1[n](i,j)を用いて、各二重像領域E1[m]中の各点から主要被写体F1[n]の各々までの距離の最小値を二重像平面距離d1E[m,n]として決定し、各二重像領域E1[m]内の各点の位置情報と二重像平面距離d1E[m,n]とを関連づけて内部メモリ35に記憶する。第2の画像G2の各点についても同様にして、二重像平面距離d2E[m,n]を求める。すなわち、本実施形態では、二重像平面距離は、画像毎、二重像領域毎、かつ、主要被写体毎に求まる。
また、LPF37Cは、第1の画像G1の各々について、二重像領域E1[m]内の各点に対しては、その領域における各主要被写体F1[n]からの二重像平面距離d1E[m,n]に基づいてLUT37Dを参照し、各々の二重像平面距離d1E[m,n]に対応する画素サイズU1[m,n]を取得する。そして、二重像領域E1[m]毎に、主要被写体F1[n]毎の重みづけ係数w1[n]を用いた、第3の実施形態と同様の、画素サイズU1[m,n]の重みづけ平均により、その点におけるローパスフィルタの画素サイズU1[m]を決定し、ローパスフィルタ処理を行う。一方、二重像領域E1[m]外の各点に対しては、第3の実施形態と同様にしてローパスフィルタ処理を行う。第2の画像G2に対しても上記と同様にしてローパスフィルタ処理を行う。
上記以外については、各処理部の詳細は前述の実施形態のものと同様である。
図27は、本発明の第5の実施形態において行われる撮像から立体視表示までの処理の流れを表したフローチャートである。まず、各撮像部21A,21Bで第1の画像G1,第2の画像G2が各々取得された後(#51)、主要被写体抽出部37Aが、第1および第2の画像G1,G2に共通の主要被写体を1以上抽出し(#52)、平面距離算出部37Bが、各画像G1、G2中の各点(i,j)と各主要被写体F1[n]、F2[n]の中心位置との間の平面距離d1[n](i,j)、d2[n](i,j)を算出する(#53)。一方、重みづけ係数決定部37Hは、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]毎の重みづけ係数w1[n]、w2[n]を決定する(#54)。
次に、奥行き情報算出部37Eは、各画像中の主要被写体F1[n],F2[n]以外の領域内の各点の奥行き方向の距離z(i,j)を算出し(#55)、二重像領域抽出部37Fが、各画像G1、G2から二重像領域E1[m]、E2[m]を抽出する(#56)。ここで、二重像領域が抽出された場合には(#57;YES)、二重像平面距離決定部37Gは、各二重像領域E1[m]、E2[m]中の各点から各主要被写体F1[n],F2[n]までの距離の最小値を二重像平面距離d1E[m,n]、d2E[m,n]として決定する(#58)。
次に、LPF37Cは、まず処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]内かどうかを判定する(#59)、処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]内の場合には(#59;YES)、その領域に関連づけられた二重像平面距離d1E[m,n]、d2E[m,n]に基づいてLUT37Dを参照し、その点における二重像平面距離d1E[m,n]、d2E[m,n]、および、各主要被写体F1[n]、F2[n]毎の重みづけ係数w1[n]、w2[n]に応じたローパスフィルタ処理を行う(#60)。一方、処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]外の場合には(#59;NO)、その点における各主要被写体までの平面距離d1[n](i,j)、d2[n](i,j)に基づいてLUT37Dを参照し、その点における平面距離d1E[m,n]、d2E[m,n]、および、各主要被写体F1[n]、F2[n]毎の重みづけ係数w1[n]、w2[n]に応じたローパスフィルタ処理を行う(#61)。LPF37Cは、上記ステップ#59から#62を、第1、および、第2の画像G1,G2内のすべての点での処理が終了するまで繰り返し行う(#62)。これにより、ローパスフィルタ処理後の第1、第2の画像G1´、G2´が出力される。
そして、3次元処理部30によって、上記LPF37Cによる処理後の第1の画像G1´および第2の画像G2´から立体視用画像GRが生成され、モニタ7に出力される(#63)。
以上のように、本発明の第5の実施形態によれば、観察対象の画像中に複数の主要被写体が存在する場合であっても、二重像領域および各主要被写体を加味した適切なローパスフィルタ処理が行われる。
図28は、本発明の第6の実施形態となる非鮮鋭化処理部37の構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本発明の第6の実施形態は、上記第2の実施形態と第4の実施形態を組み合わせたものである。すなわち、本実施形態の非鮮鋭化処理部37は、主要被写体抽出部37A、主要被写体平均位置算出部37I、平面距離算出部37B、奥行き情報算出部37E、二重像領域抽出部37F、二重像平面距離決定部37G、LPF37C、LUT37Dから構成される。
ここで、二重像平面距離決定部37Gは、第1、第2の画像G1,G2の各点から、その画像中の主要被写体F1,F2の平均位置FA1、FA2までの平面距離d1(i,j)、d2(i,j)を用いて、各二重像領域E1[m]、E2[m]中の各点から主要被写体F1,F2の平均位置FA1,FA2までの距離の最小値を二重像平面距離d1E[m]、d2E[m]として決定し、各二重像領域E1[m]、E2[m]内の各点の位置情報と二重像平面距離d1E[m]、d2E [m]とを関連づけて内部メモリ35に記憶する。
上記以外については、各処理部の詳細は前述の実施形態のものと同様である。
図29は、本発明の第6の実施形態において行われる撮像から立体視表示までの処理の流れを表したフローチャートである。まず、各撮像部21A,21Bで第1の画像G1,第2の画像G2が各々取得された後(#71)、主要被写体抽出部37Aが、第1および第2の画像G1,G2に共通の主要被写体を1以上抽出し(#72)、主要被写体平均位置算出部37Iは、画像G1,G2について、複数の主要被写体F1[n]、F2[n]の平均位置FA1、FA2を算出し(#73)、平面距離算出部37Bが、第1の画像G1と第2の画像G2の各々について、画像中の各点(i,j)と各主要被写体の平均位置FA1、FA2との間の平面距離d1[n](i,j)、d2[n](i,j)を算出する(#74)。
次に、奥行き情報算出部37Eは、各画像中の主要被写体F1,F2以外の領域内の各点の奥行き方向の距離z(i,j)を算出し(#75)、二重像領域抽出部37Fが、各画像G1、G2から二重像領域E1[m]、E2[m]を抽出する(#76)。ここで、二重像領域が抽出された場合には(#77;YES)、二重像平面距離決定部37Gは、各二重像領域E1[m]、E2[m]中の各点から各主要被写体F1[n],F2[n]の平均位置FA1、FA2までの距離の最小値を二重像平面距離d1E[m,n]、d2E[m,n]として決定する(#78)。
次に、LPF37Cは、第1、第2の画像G1,G2の各々について、LUT37Dを参照し、第1、および、第2の画像G1,G2内の各点(i,j)に対してローパスフィルタ処理を行う。具体的には、まず処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]内かどうかを判定する(#79)、処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]内の場合には(#79;YES)、その領域に関連づけられた二重像平面距離d1E[m]、d2E[m]に基づいてLUT37Dを参照してLPF画素サイズを決定し、その画素サイズを用いたローパスフィルタ処理を行う(#80)。一方、処理対象の画素が二重像領域E1[m]、E2[m]外の場合には(#79;NO)、その点における主要被写体までの平面距離d1(i,j) 、d2(i,j) に基づいてLUT37Dを参照してLPF画素サイズを決定し、その画素サイズを用いたローパスフィルタ処理を行う(#81)。LPF37Cは、上記ステップ#79から#82を、第1、および、第2の画像G1,G2内のすべての点での処理が終了するまで繰り返し行う(#82)。これにより、ローパスフィルタ処理後の第1、第2の画像G1´、G2´が出力される。
そして、3次元処理部30によって、上記LPF37Cによる処理後の第1の画像G1´および第2の画像G2´から立体視用画像GRが生成され、モニタ7に出力される(#83)。
以上のように、本発明の第6の実施形態においても、観察対象の画像中に複数の主要被写体が存在する場合であっても、二重像領域および各主要被写体を加味した適切なローパスフィルタ処理が行われる。上記の各実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。また、上記の実施形態における多眼撮像装置の構成、処理フロー、モジュール構成、ユーザインターフェースや具体的処理内容等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、非鮮鋭化処理部37をデジタル信号処理部27に実装してもよい。あるいは、非鮮鋭化処理部37を構成する各処理部を個別の処理回路としてハードウェア的に実装してもよい。
また、上記各実施形態では、撮像部が2つの複眼カメラを例としてきたが、3つ以上の撮像部を有する複眼カメラに対しても、本発明は適用可能である。また、被写体が静止しているものであれば、1台の単眼カメラを用いて撮影位置を変えながら同一の被写体を順次撮像することによって複数の視差画像を得ることができるので、このような使い方を想定して単眼カメラに対して本発明を適用してもよい。
さらに、本発明を、複数の視差画像の画像ファイル、例えば、上記各実施形態の第1の画像G1および第2の画像G2の画像ファイル(図5参照)を入力として、入力された画像から立体視用画像GRを生成して立体視表示を行う、デジタルフォトフレーム等の立体表示装置に実装してもよい。
1 複眼カメラ
7 モニタ
21A,21B 撮像部
30 3次元処理部
37 非鮮鋭化処理部
37A 主要被写体抽出部
37B 平面距離算出部
37C LPF
37D LUT
37E 奥行き情報算出部
37F 二重像領域抽出部
37G 二重像平面距離決定部
37H 重みづけ係数決定部
37I 主要被写体平均位置算出部

Claims (10)

  1. 異なる位置から主要被写体の撮像を行うことによって取得された、該主要被写体の立体視表示を行うための複数の視差画像の各々から、該主要被写体を抽出する主要被写体抽出手段と、
    前記複数の視差画像の各々について、該視差画像中の各点と該視差画像中の主要被写体との間の、該視差画像の平面上での距離である平面距離を算出する平面距離算出手段と、
    前記複数の視差画像の各々に対して、該視差画像中の各点から該主要被写体までの前記平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、第1の非鮮鋭化処理を行う第1の非鮮鋭化手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数の視差画像の各々から該視差画像中の前記主要被写体の領域以外の領域内の各点の視差量を算出し、該視差量に基づいて前記立体視表示の際に表示面より前方側で像が二重になる領域である二重像領域を抽出する二重像領域抽出手段と、
    該二重像領域に対して、一律に、所与の処理強度により第2の非鮮鋭化処理を行う第2の非鮮鋭化手段とをさらに備え、
    前記第1の非鮮鋭化手段は、前記視差画像中の各点のうち、前記二重像領域外の点に対して前記第1の非鮮鋭化処理を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第2の非鮮鋭化手段は、前記所与の処理強度を、前記二重像領域内の各点と前記主要被写体との間の平面距離の最小値に対応する前記第1の非鮮鋭化手段の処理強度と同じ処理強度に決定するものであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記複数の視差画像は複数の前記主要被写体を含むものであり、
    前記主要被写体抽出手段は該複数の主要被写体を抽出するものであり、
    前記平面距離算出手段は、前記視差画像中の各点と該視差画像中の該複数の主要被写体の各々との間の前記平面距離を算出するものであり、
    前記第1の非鮮鋭化手段は、該複数の主要被写体の各々との平面距離に基づいて、前記第1の非鮮鋭化処理を行うものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1の非鮮鋭化手段は、前記複数の主要被写体の各々との平面距離と、該複数の主要被写体毎の主要被写体らしさを表す所与の重みづけ係数とに基づいて、より主要被写体らしい前記主要被写体との間の前記平面距離が小さい該視差画像中の点ほど非鮮鋭度が大きくなるように、前記第1の非鮮鋭化処理を行うものであることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記複数の視差画像は複数の前記主要被写体を含むものであり、
    前記主要被写体抽出手段は該複数の主要被写体を抽出するものであり、
    前記平面距離算出手段は、前記視差画像の各々について、該視差画像中の該複数の主要被写体の平均位置を算出し、該視差画像中の各点と該視差画像中の前記平均位置との間の前記平面距離を算出するものであり、
    前記第1の非鮮鋭化手段は、該視差画像中の各点から前記平均位置までの前記平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、前記第1の非鮮鋭化処理を行うものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記平面距離算出手段は、前記複数の主要被写体毎の主要被写体らしさを表す所与の重みづけ係数を用いた、前記複数の主要被写体の各位置の重みづけ平均によって前記平均位置を算出するものであることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    該画像処理装置で処理済みの複数の視差画像を用いて該被写体の立体視表示を行う立体視表示手段とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
  9. 異なる位置から主要被写体の撮像を行うことによって取得された、該主要被写体の立体視表示を行うための複数の視差画像の各々から、該主要被写体を抽出するステップと、
    前記複数の視差画像の各々について、該視差画像中の各点と該視差画像中の主要被写体との間の、該視差画像の平面上での距離である平面距離を算出するステップと、
    前記複数の視差画像の各々に対して、該視差画像中の各点から該主要被写体までの前記平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、第1の非鮮鋭化処理を行うステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
  10. コンピュータに、
    異なる位置から主要被写体の撮像を行うことによって取得された、該主要被写体の立体視表示を行うための複数の視差画像の各々から、該主要被写体を抽出するステップと、
    前記複数の視差画像の各々について、該視差画像中の各点と該視差画像中の主要被写体との間の、該視差画像の平面上での距離である平面距離を算出するステップと、
    前記複数の視差画像の各々に対して、該視差画像中の各点から該主要被写体までの前記平面距離が小さいほど非鮮鋭度が大きくなるように、第1の非鮮鋭化処理を行うステップとを実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5992792A (ja) * 1982-11-15 1984-05-29 Mitsubishi Electric Corp 誘導電動機のトルク制御装置
JP2015022630A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
JP2019021057A (ja) * 2017-07-18 2019-02-07 株式会社カプコン ゲームプログラム及びゲームシステム

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