JP2012013148A - レンジ切換え装置 - Google Patents

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Eikichi Kidokoro
永吉 城所
Takayoshi Yonezu
隆義 米津
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Abstract

【課題】極低温環境におけるマニュアル弁の摺動抵抗変動の影響を受けずに、アクチュエータによりマニュアル弁の位置を移動制御する。
【解決手段】シフトレンジを切換えるレンジ切換え装置1は、シフト指令に基づきアクチュエータ2により基準板3を軸方向に移動駆動する。基準板3がマニュアルバルブ54に近づけられた際は、第1スプリング4が該マニュアルバルブ54を該基準板3から遠ざける方向に付勢し、基準板3がマニュアルバルブ54から遠ざけられた際は、第2スプリング5が該マニュアルバルブ54を該基準板3に近づける方向に付勢する。第1スプリング4と第2スプリング5との付勢力が釣合う位置に向けてマニュアルバルブ54の位置が移動制御されるので、アクチュエータ2は第1スプリング4や第2スプリング5の付勢力だけを受ける基準板3を駆動するだけの駆動力で足りる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば運転者によるシフト操作部からのシフト指令に基づき電気的にマニュアル弁を移動駆動して自動変速機のシフトレンジを設定する、いわゆるシフトバイワイヤシステムを用いたレンジ切換え装置に関する。
例えば自動変速機のシフトレンジは、一般に、運転者がシフトレバーを操作することでマニュアルバルブを移動させて油路を切換えることによって設定される。この際、運転者によって選択されたシフト指令を、機械的なワイヤやロッドを介して伝達するのではなく、電気的なシフト指令信号に基づきアクチュエータを駆動することで伝達するレンジ切換え装置の方式が、シフトバイワイヤ(SBW)システムとして知られている。
このようなシフトバイワイヤシステムを用いたレンジ切換え装置として、パーキング機構を駆動制御するアクチュエータとマニュアルバルブを駆動制御するアクチュエータとの2つのアクチュエータを設けて構成したものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−169877号公報
ところで、レンジ切換え装置が搭載される車両は、様々な環境下に置かれることが想定され、特に極低温環境などにあって自動変速機内のオイルの粘性が高くなる状態となることもあり得る。オイルの粘性が高くなると、勿論マニュアルバルブの摺動抵抗が大きくなるが、その摺動抵抗の大きさは、マニュアルバルブを移動駆動する速度に大きく依存する。図5は、マニュアルバルブの移動速度と摺動抵抗との関係を示す図である。図5に示すように、マニュアルバルブの移動速度Vでは、油温が−20度の際に摺動抵抗R、−30度の際に摺動抵抗R、−40度の際に摺動抵抗Rであり、例えば−40度であってもマニュアルバルブを駆動するアクチュエータが摺動抵抗Rよりも大きい力を出力できれば良いことになる。
しかしながら、上記マニュアルバルブの移動速度Vでは、一般的に運転者が感じるシフトチェンジのレスポンスとして足りない虞がある。そこで、シフトチェンジのレスポンスを考えると、できるだけ早い方が好ましく、例えばマニュアルバルブの移動速度V以上となるように設定することが好ましいという場合がある。しかし、移動速度Vの場合、−40度の際では極めて摺動抵抗が大きくなってしまう(図5の範囲外となる)ことが分かる。従って、車両の使用環境が−40度でも耐えられ、かつレスポンスの違和感を無くすためには、アクチュエータの駆動力性能を極めて大きなものにする必要があり、つまりアクチュエータを大型化する必要があるので、コストダウンの妨げとなるばかりか、車両搭載性としても問題が生じてしまう。
また、このような極低温環境では、上述のように温度によって摺動抵抗が大きく異なるため、温度センサによって油温を測定し、その結果に応じてアクチュエータの駆動トルク(駆動電力)を制御することが望ましいが、この極低温環境にあっては該温度センサの測定精度も低くなってしまうという問題がある。温度センサにより検出される油温と実際の油温との差異が大きいと、過小又は過大な駆動力をアクチュエータに指令する虞があり、アクチュエータの保護の観点からも好ましくない。そして、アクチュエータの保護を図るためには、複雑なロジックの制御を採用するなどの必要性が生じ、レンジ切換え装置の簡素化の妨げとなる。
そこで本発明は、極低温環境におけるマニュアル弁の摺動抵抗変動を、アクチュエータの駆動に影響させることなくマニュアル弁の位置を移動制御することを可能とし、もってアクチュエータに要求される駆動力性能が過大になることを防止し、コンパクト化、コストダウン、簡素化が可能なレンジ切換え装置を提供することを目的とするものである。
本発明は(例えば図1乃至図4参照)、軸方向位置(例えばX1−X2方向)に基づき自動変速機(50)のシフトレンジ(例えばR,N,D)を設定するマニュアル弁(54)を移動駆動するアクチュエータ(2)を備え、シフト操作部(11)からのシフト指令に応じて前記アクチュエータ(2)を制御するレンジ切換え装置(1)において、
前記アクチュエータ(2)により前記マニュアル弁(54)の軸方向に対して移動駆動される基準位置部材(3)と、
前記基準位置部材(3)を前記マニュアル弁(54)に近づけた際に、該マニュアル弁(54)を該基準位置部材(3)から遠ざける方向に付勢する第1スプリング(4)と、
前記基準位置部材(3)を前記マニュアル弁(54)から遠ざけた際に、該マニュアル弁(54)を該基準位置部材(3)に近づける方向に付勢する第2スプリング(5)と、を備え、
前記アクチュエータ(2)により前記基準位置部材(3)の軸方向位置を移動制御することで、前記第1スプリング(4)と前記第2スプリング(5)との付勢力(F,F)が釣合う位置に向けて前記マニュアル弁(54)の位置を移動制御することを特徴とする。
また、本発明は(例えば図1乃至図3参照)、前記マニュアル弁(54)は、前記自動変速機(50)の油圧制御装置(55)のバルブボディ(53)に形成されたバルブ孔(53Aa)に軸方向に摺動自在に収納されてなり、
前記第1スプリング(4)は、前記マニュアル弁(54)の一端部と前記基準位置部材(3)との間に縮設されてなり、
前記第2スプリング(5)は、前記マニュアル弁(54)の他端部と前記バルブボディ(3)との間に縮設されてなることを特徴とする。
さらに、本発明は(例えば図1乃至図3参照)、前記マニュアル弁(54)が前記基準位置部材(3)に近づく方向における、前記バルブボディ(53)に対する該マニュアル弁(54)の移動範囲を規制する第1規制部材(6)と、
前記マニュアル弁(54)が前記基準位置部材(3)から遠ざかる方向における、前記バルブボディ(53)に対する該マニュアル弁(54)の移動範囲を規制する第2規制部材(53B)と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は(例えば図4参照)、前記第1スプリング(4)は、前記マニュアル弁(54)の一端部と前記基準位置部材(3)との間に縮設されてなり、
前記第2スプリング(5)は、前記マニュアル弁(54)の一端部と前記基準位置部材(3)との間に張設されてなることを特徴とする。
また、本発明は(例えば図1乃至図4参照)、前記第1スプリング(4)及び前記第2スプリング(5)のバネ定数(k)が同じに設定されてなることを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、アクチュエータにより基準位置部材の軸方向位置を移動制御することで、第1スプリングと第2スプリングとの付勢力が釣合う位置に向けてマニュアル弁の位置を移動制御するので、アクチュエータの出力すべき駆動力は第1スプリングや第2スプリングの付勢力だけを受ける基準位置部材を駆動するだけの駆動力で足り、つまり極低温環境にあってオイルの粘性が高くなることによるマニュアル弁の摺動抵抗増大をアクチュエータの駆動に影響しないように構成することができるので、アクチュエータの小型化を図ることができ、レンジ切換え装置のコンパクト化、コストダウンが可能となって、さらに車両搭載性も良好にすることができる。また、マニュアル弁の摺動抵抗増大がアクチュエータの駆動に影響しないので、アクチュエータの制御を簡素化することができ、つまり温度センサ等により検出も不要とし、レンジ切換え装置を簡素化することができる。
請求項2に係る本発明によると、第1スプリングがマニュアル弁の一端部と基準位置部材との間に縮設され、第2スプリングがマニュアル弁の他端部とバルブボディとの間に縮設されているので、アクチュエータにより基準位置部材の軸方向位置を移動制御することで、第1スプリングと第2スプリングとの付勢力が釣合う位置に向けてマニュアル弁の位置を移動制御する構成を実現することができる。
請求項3に係る本発明によると、マニュアル弁が基準位置部材に近づく方向にあって、第1規制部材がバルブボディに対するマニュアル弁の移動範囲を規制するので、マニュアル弁が第1規制部材に規制された位置(例えばDレンジ位置)にあっては、該マニュアル弁が移動せず、第2スプリングの付勢力が一定となり、かつ基準位置部材がマニュアル弁から遠ざかるほど第1スプリングの付勢力が小さくなるため、該マニュアル弁は、第1規制部材に規制された位置に強く押付けられて、その位置に安定的に停止させることができる。
また反対に、マニュアル弁が基準位置部材から遠ざかる方向にあって、第2規制部材がバルブボディに対するマニュアル弁の移動範囲を規制するので、マニュアル弁が第2規制部材に規制された位置(例えばRレンジ位置)にあっては、該マニュアル弁が移動せず、第2スプリングの付勢力が一定となり、かつ基準位置部材がマニュアル弁に近づくほど第1スプリングの付勢力が大きくなるため、該マニュアル弁は、第2規制部材に規制された位置に強く押付けられて、その位置に安定的に停止させることができる。
請求項4に係る本発明によると、第1スプリングがマニュアル弁の一端部と基準位置部材との間に縮設され、第2スプリングがマニュアル弁の一端部と基準位置部材との間に張設されているので、アクチュエータにより基準位置部材の軸方向位置を移動制御することで、第1スプリングと第2スプリングとの付勢力が釣合う位置に向けてマニュアル弁の位置を移動制御する構成を実現することができる。
請求項5に係る本発明によると、第1スプリング及び第2スプリングのバネ定数が同じに設定されているので、基準位置部材の移動によるマニュアル弁の移動制御を複雑にすることなく、簡素化することができる。
本発明に係るレンジ切換え装置と、それを適用し得る自動変速機とを示す模式図。 第1の実施の形態に係るレンジ切換え装置及びマニュアルバルブの位置を示す断面図で、(a)はDレンジ位置の図、(b)はNレンジ位置の図、(c)はRレンジ位置の図。 基準板のストローク位置と各スプリングの付勢力との関係を示す説明図。 第2の実施の形態に係るレンジ切換え装置及びマニュアルバルブの位置を示す断面図で、(a)はDレンジ位置の図、(b)はNレンジ位置の図、(c)はRレンジ位置の図。 マニュアルバルブの移動速度と摺動抵抗と油温との関係を示す説明図。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1乃至図3に沿って説明する。本発明に係るレンジ切換え装置1を搭載し得る自動変速機50は、図1に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両に用いて好適な変速機であり、車両進行方向に対してその出力軸(クランクシャフト)が横向きとなるエンジン100に接続されている。
該自動変速機50は、大まかに、エンジン100の出力軸に接続されるトルクコンバータ51と、該トルクコンバータ51を介してエンジン100の回転が伝達・入力される変速機構52と、トルクコンバータ51(ロックアップクラッチを含む)や変速機構52に対する油圧の給排を制御する油圧制御装置55とを有している。油圧制御装置55は、バルブボディ53にマニュアルバルブ(マニュアル弁)54を含む複数のバルブ(ソレノイドバルブや切換えバルブ等)が配設されて構成されており、該バルブボディ53は変速機構52に取付けられていると共にオイルパン56に内包される形で配置されている。
詳細には、図2(a)に示すように、バルブボディ53は、円筒部53Aを有しており、該円筒部53Aの内部に穿設されたバルブ孔53Aaにマニュアルバルブ54が軸方向であるX1−X2方向に摺動自在に嵌挿されている。マニュアルバルブ54は、中心軸54aを有しており、該中心軸54aより大径なランド部54b,54c,54dが軸方向の3箇所に形成されている。また、該マニュアルバルブ54のランド部54bの一端側(X2方向側)には、突出軸54eが突出して設けられており、反対側にあって、ランド部54dの他端側(X1方向側)には、突出軸54fが突出して設けられている。
上記バルブボディ53の円筒部53Aには、ライン圧入力ポート53a、Dレンジ圧出力ポート53b、Dレンジ圧排出ポート53c、Rレンジ圧給排ポート53d、排出ポート53e,53f,53g,53hが形成されている。該ライン圧入力ポート53aには、例えばエンジン100に連動するオイルポンプ(不図示)で発生された油圧をスロットル開度等に基づきプライマリレギュレータバルブ(不図示)で調圧したライン圧Pが入力される。
図2(a)に示すようにマニュアルバルブ54がDレンジ(ドライブレンジ)位置にある場合においては、該ライン圧入力ポート53aに入力されたライン圧Pは、ランド部54c,54dにより閉じられた空間を通って上記Dレンジ圧出力ポート53bからDレンジ圧Pとして油圧制御装置55内の各所に供給される。これにより、油圧制御装置55により変速機構52がDレンジの状態に設定され、つまり自動変速機50のシフトレンジがDレンジに設定される。なお、このようにマニュアルバルブ54がDレンジ位置にある場合、Rレンジ圧給排ポート53dは排出ポート(EX)53fに連通され、後述するRレンジ圧Pは出力されない。
図2(b)に示すようにマニュアルバルブ54がNレンジ(ニュートラルレンジ)位置にある場合においては、上記ライン圧入力ポート53aに入力されたライン圧Pは、ランド部54c,54dにより閉じられた空間により閉じ込められる。この際、Dレンジ圧Pは、Dレンジ圧排出ポート53cから排出ポート(EX)53eを通って排出され、つまりDレンジ圧Pは出力されない。また、Rレンジ圧給排ポート53dも排出ポート(EX)53fに連通され、後述するRレンジ圧Pは出力されない。従って、油圧制御装置55に対してDレンジ圧PやRレンジ圧Pが出力されず、変速機構52におけるクラッチやブレーキ(不図示)が係合されずにニュートラル状態にされ、つまり自動変速機50のシフトレンジがNレンジに設定される。
図2(c)に示すようにマニュアルバルブ54がRレンジ(リバースレンジ)位置にある場合においては、上記ライン圧入力ポート53aに入力されたライン圧Pは、ランド部54c,54dにより閉じられた空間を通って上記Rレンジ圧給排ポート53dからRレンジ圧Pとして油圧制御装置55内の各所に供給される。これにより、油圧制御装置55により変速機構52がRレンジの状態に設定され、つまり自動変速機50のシフトレンジがRレンジに設定される。なお、このようにマニュアルバルブ54がRレンジ位置にある場合、Dレンジ圧排出ポート53cは排出ポート(EX)53eに連通され、Dレンジ圧Pは出力されない。
ついで、第1の実施の形態に係るレンジ切換え装置1、即ち上述のように自動変速機50のシフトレンジを設定するマニュアルバルブ54の軸方向位置を位置制御するレンジ切換え装置1について詳細に説明する。本レンジ切換え装置1は、図2に示すように、大まかに、アクチュエータ2と、基準板(基準位置部材)3と、第1スプリング4と、第2スプリング5とを備えており、さらに、図1に示すように、マニュアルバルブ54の軸方向位置を検出する位置センサ9と、マニュアルバルブシフトレバー(シフト操作部)11に電気的に接続された制御部(ECU)10とを備えて構成されている。
図2に示すように、アクチュエータ2は、駆動軸2aを軸方向(X1−X2方向)に伸縮自在に駆動するステッピングモータからなる直進型アクチュエータであり、図1に示すように制御部10に電気的に接続されており、シフトレバー11からの電気的なシフト指令に基づき制御部10によって駆動電力が制御される形で該駆動軸2aを軸方向に移動駆動する。該駆動軸2aの先端には、基準板3が固着されており、つまりアクチュエータ2は、制御部10の指令に基づき基準板3の軸方向位置を移動制御する。
該基準板3と上記マニュアルバルブ54のランド部54b(マニュアル弁の一端部)との間には、第1スプリング4が縮設されている。該第1スプリング4は、後述の第2スプリング5と同じバネ定数に設定されたコイルスプリングからなり、その内周部分が、マニュアルバルブ54のランド部54bから突出された突出軸54eの外面に当接されて位置決め支持されている。また、該第1スプリング4の外周側には、バルブボディ53に嵌合されたリング状のストッパ部材(第1規制部材)6が隙間を存して配置されている。該ストッパ部材6は、マニュアルバルブ54のランド部54bに当接するように構成されており、該マニュアルバルブ54の軸方向におけるX2方向に対する移動範囲を規制し、つまり図2(a)に示すマニュアルバルブ54のDレンジ位置より図中右方側に移動するのを規制している。
一方、上記マニュアルバルブ54のランド部54d(マニュアル弁の他端部)とバルブボディ53の円筒部53Aにおける底部(第2規制部材)53Bとの間には、第2スプリング5が縮設されている。該第2スプリング5は、上記第1スプリング4と同じバネ定数に設定されたコイルスプリングからなり、その外周部分が、バルブボディ53の円筒部53Aのバルブ孔53Aaの内周面に当接されて位置決め支持されている。また、該バルブボディ53の底部53Bは、マニュアルバルブ54のランド部54dから突出された突出軸54fに当接するように構成されており、該マニュアルバルブ54の軸方向におけるX1方向に対する移動範囲を規制し、つまり図2(c)に示すマニュアルバルブ54のRレンジ位置より図中左方側に移動するのを規制している。
ついで、本レンジ切換え装置1の動作について説明する。例えば運転者の操作によりシフトレバーがNレンジ或いはP(パーキング)レンジに選択されている場合は、シフトレバー11からのシフト指令を受けて制御部10がアクチュエータ2の駆動軸2aを位置制御し(停止状態に維持し)、図3に示すように、基準板3のストローク位置を中間位置である位置Xbに制御する。すると、第1スプリング4の付勢力Fと第2スプリング5の付勢力Fとが釣合って、マニュアルバルブ54は、図2(b)に示すNレンジ位置に位置制御(停止)される。
なお、本自動変速機50においては、図示を省略した別のアクチュエータが制御部10に接続されており、該アクチュエータによりパーキング機構が駆動されることで、パーキングギヤとパーキングロッドとの噛合・解除が制御され、NレンジとPレンジとがシフトレバー11のシフト指令に基づき設定されることになる。
続いて、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、Dレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、図3に示すように、基準板3のストローク位置を位置Xaに向けて移動制御し、つまり図2(a)に示すように基準板3がX2方向に移動されていく。すると、基準板3がマニュアルバルブ54から遠ざけられ、まず、縮設されていた第1スプリング4が伸延されて、その付勢力Fが小さくなる。そのため、第2スプリング5の付勢力Fが第1スプリング4の付勢力Fよりも大きくなり、マニュアルバルブ54をX2方向に移動させ、つまり第2スプリング5がマニュアルバルブ54を基準板3に近づける方向に付勢する。即ち、第2スプリング5の付勢力Fが第1スプリング4の付勢力Fと釣合う位置に向けてマニュアルバルブ54の位置が移動され、これにより、マニュアルバルブ54は、図2(a)に示すようにDレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がDレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度は、オイルの粘性(オイルの温度)に依存し、つまり自動変速機50の温度環境によって異なるものとなるが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。特にアクチュエータ2は、縮設されていた第1スプリング4をNレンジ位置からDレンジ位置に伸延するだけの駆動力で足りるので、比較的小さな駆動力で基準板3の駆動を終えることができる。
また、基準板3が、図2中のX2方向の最端部、即ち図3に示す位置Xaにストロークされると、マニュアルバルブ54のランド部54bがストッパ部材6に当接して、その移動範囲が規制された状態となる。すると、第2スプリング5の伸延が停止し、該第2スプリング5の付勢力Fがこれ以上小さくならず、一定となる。一方の第1スプリング4はさらに伸延されるため、該第1スプリング4の付勢力Fはさらに小さくなっていき、相対的に第2スプリング5の付勢力Fが第1スプリング4の付勢力Fよりも大きな状態となり、つまりマニュアルバルブ54がストッパ部材6に強く押付けられた状態となる。これにより、マニュアルバルブ54は、図2(a)に示すDレンジ位置に安定的に停止される。
ここで、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、再度Nレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、図3に示すように、基準板3のストローク位置を位置Xbに向けて移動制御し、つまり図2(b)に示すように基準板3がX1方向に移動されていく。すると、基準板3がマニュアルバルブ54に近づけられ、まず、伸延されていた第1スプリング4が収縮されて、その付勢力Fが大きくなる。そのため、第1スプリング4の付勢力Fが第2スプリング5の付勢力Fよりも大きくなり、マニュアルバルブ54をX1方向に移動させ、つまり第1スプリング4がマニュアルバルブ54を基準板3から遠ざける方向に付勢する。そして、第1スプリング4の付勢力Fが第2スプリング5の付勢力Fと釣合う位置となると、マニュアルバルブ54の移動が停止され、これにより、マニュアルバルブ54は、図2(b)に示すようにNレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がNレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度も、同様にオイルの粘性(オイルの温度)に依存するが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。つまりアクチュエータ2は、伸延されていた第1スプリング4をDレンジ位置からNレンジ位置まで収縮するだけの駆動力で足りることになる。
さらに、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、Rレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、図3に示すように、基準板3のストローク位置を位置Xcに向けて移動制御し、つまり図2(c)に示すように基準板3がX1方向に移動されていく。すると、基準板3がマニュアルバルブ54に近づけられ、まず第1スプリング4が収縮されて、その付勢力Fが大きくなる。そのため、第1スプリング4の付勢力Fが第2スプリング5の付勢力Fよりも大きくなり、マニュアルバルブ54をX1方向に移動させ、つまり第1スプリング4がマニュアルバルブ54を基準板3から遠ざける方向に付勢する。即ち、第1スプリング4の付勢力Fが第2スプリング5の付勢力Fと釣合う位置に向けてマニュアルバルブ54の位置が移動され、これにより、マニュアルバルブ54は、図2(c)に示すようにRレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がRレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度も、同様にオイルの粘性(オイルの温度)に依存するが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。つまりアクチュエータ2は、伸延されていた第1スプリング4をNレンジ位置からRレンジ位置まで収縮するだけの駆動力で足りることになる。
また、基準板3が、図2中のX1方向の最端部、即ち図3に示す位置Xcにストロークされると、マニュアルバルブ54の突出軸54fがバルブボディ53の底部53Bに当接して、その移動範囲が規制された状態となる。すると、第2スプリング5の収縮が停止し、該第2スプリング5の付勢力Fがこれ以上大きくならず、一定となる。一方の第1スプリング4はさらに収縮されるため、該第1スプリング4の付勢力Fはさらに大きくなっていき、相対的に第1スプリング4の付勢力Fが第2スプリング5の付勢力Fよりも大きな状態となり、つまりマニュアルバルブ54が底部53Bに強く押付けられた状態となる。これにより、マニュアルバルブ54は、図2(c)に示すRレンジ位置に安定的に停止される。
その後、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、再度Nレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、図3に示すように、基準板3のストローク位置を位置Xbに向けて移動制御し、つまり図2(b)に示すように基準板3がX2方向に移動されていく。すると、基準板3がマニュアルバルブ54から遠ざけられ、まず、収縮されていた第1スプリング4が伸延されて、その付勢力Fが小さくなる。そのため、第2スプリング5の付勢力Fが第1スプリング4の付勢力Fよりも大きくなり、マニュアルバルブ54をX2方向に移動させ、つまり第2スプリング5がマニュアルバルブ54を基準板3に近づける方向に付勢する。そして、第2スプリング5の付勢力Fが第1スプリング4の付勢力Fと釣合う位置となると、マニュアルバルブ54の移動が停止され、これにより、マニュアルバルブ54は、再度図2(b)に示すようにNレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がNレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度も、オイルの粘性(オイルの温度)に依存するが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。特にアクチュエータ2は、縮設されていた第1スプリング4をRレンジ位置からNレンジ位置に伸延するだけの駆動力で足りるので、比較的小さな駆動力で基準板3の駆動を終えることができる。
なお、以上のようにアクチュエータ2により移動制御されるマニュアルバルブ54の位置は、位置センサ9により常時検出され、例えば一定時間に亘ってマニュアルバルブ54が停止状態となることで、その位置が検出される。そして、そのマニュアルバルブ54の位置がシフトレバー11によりシフト指令した位置からズレている場合、特にNレンジが指令されてマニュアルバルブ54がNレンジの位置からズレている場合には、制御部10により再度アクチュエータ2の駆動軸2aが移動駆動され、つまりフィードバック制御する形でマニュアルバルブ54の位置が微調整される。この微調整により移動した補正量は次回のアクチュエータ2の移動制御位置として学習されることが好ましい。
以上のように第1の実施の形態に係るレンジ切換え装置1によると、アクチュエータ2により基準板3の軸方向位置を移動制御することで、第1スプリング4と第2スプリング5との付勢力F,Fが釣合う位置に向けてマニュアルバルブ54の位置を移動制御するので、アクチュエータ2は第1スプリング4や第2スプリング5の付勢力F,Fだけを受ける基準板3を駆動するだけの駆動力で足り、つまり極低温環境にあってオイルの粘性が高くなることによるマニュアルバルブ54の摺動抵抗増大をアクチュエータ2の駆動に影響しないように構成することができるので、アクチュエータ2の小型化を図ることができ、レンジ切換え装置1のコンパクト化、コストダウンが可能となって、さらに車両搭載性も良好にすることができる。また、マニュアルバルブ54の摺動抵抗増大がアクチュエータ2の駆動に影響しないので、アクチュエータ2の制御を簡素化することができ、つまり温度センサ等により検出も不要とし、レンジ切換え装置1を簡素化することができる。
また、第1スプリング4がマニュアルバルブ54の一端部(ランド部54b)と基準板3との間に縮設され、第2スプリング5がマニュアルバルブ54の他端部(ランド部54d)とバルブボディ53の底部53Bとの間に縮設されているので、アクチュエータ2により基準板3の軸方向位置を移動制御することで、第1スプリング4と第2スプリング5との付勢力F,Fが釣合う位置に向けてマニュアルバルブ54の位置を移動制御する構成を実現することができる。
さらに、マニュアルバルブ54が基準板3に近づく方向にあって、ストッパ部材6がバルブボディ53に対するマニュアルバルブ54の移動範囲を規制するので、マニュアルバルブ54がストッパ部材6に規制された位置(Dレンジ位置)にあっては、該マニュアルバルブ54が移動せず、第2スプリング5の付勢力Fが一定となり(図3参照)、かつ基準板3がマニュアルバルブ54から遠ざかるほど第1スプリング4の付勢力Fが小さくなるため、該マニュアルバルブ54は、ストッパ部材6に規制されたDレンジ位置に強く押付けられて、その位置に安定的に停止させることができる。
また反対に、マニュアルバルブ54が基準板3から遠ざかる方向にあって、底部53Bがバルブボディ53に対するマニュアルバルブ54の移動範囲を規制するので、マニュアルバルブ54が底部53Bに規制された位置(Rレンジ位置)にあっては、該マニュアルバルブ54が移動せず、第2スプリング5の付勢力Fが一定となり(図3参照)、かつ基準板3がマニュアルバルブ54に近づくほど第1スプリング4の付勢力Fが大きくなるため、該マニュアルバルブ54は、底部53Bに規制されたRレンジ位置に強く押付けられて、その位置に安定的に停止させることができる。
そして、第1スプリング4及び第2スプリング5のバネ定数が異なる場合には、基準板3に移動距離とマニュアルバルブ54の移動距離が異なるものとなり、そのための演算が必要となるが、第1スプリング4及び第2スプリング5のバネ定数が同じに設定されていることで、特に演算等を不要とし、基準板3の移動によるマニュアルバルブ54の移動制御を複雑にすることなく、簡素化することができる。
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について図4に沿って説明する。なお、本第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態と同様な部分に同符号を付し、その説明を省略する。
本第2の実施の形態に係るレンジ切換え装置1は、第1の実施の形態のレンジ切替え装置1に比して、第1スプリング4と第2スプリング5との配置構造を変更したものである。即ち、図4に示すように、本第2の実施の形態に係る第1スプリング4は、基準板3とマニュアルバルブ54のランド部54bとの間に縮設されており、いわゆる圧縮バネを構成している。また、第2スプリング5は、基準板3に固着されたフック21とマニュアルバルブ54に固着されたフック22とに伸延されて掛け渡されており、いわゆる引張バネを構成していると共に、上記第1スプリング4の内周側に収納されて径方向に対する二重構造を構成している。
なお、本第2の実施の形態においては、マニュアルバルブ54の軸心(第1スプリング4及び第2スプリング5の中心)とアクチュエータ2の駆動軸2aの軸心とが平行にずれており、基準板3により互いに連結するように構成されている。これにより、アクチュエータ2の配置構造として自由度が増し、バルブボディ53を設計変更することなく、アクチュエータ2を該バルブボディ53上に搭載することを可能とし、さらにアクチュエータ2の大きさも比較的大きくすることも可能として、アクチュエータ2の駆動力の大きさも自由に設計することを可能としている。
また、本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に比して(図2参照)、Dレンジ圧排出ポート53cが、Dレンジ以外の際に、そのまま大気開放されており、また、バルブボディ53の円筒部53Aの底部も塞がれることなく、そのまま開放されている。
ついで、本第2の実施の形態に係るレンジ切換え装置1の動作について説明する。例えば運転者の操作によりシフトレバーがNレンジ或いはP(パーキング)レンジに選択されている場合は、シフトレバー11からのシフト指令を受けて制御部10がアクチュエータ2の駆動軸2aを位置制御し(停止状態に維持し)、基準板3のストローク位置を中間位置に制御する。すると、第1スプリング4の圧縮付勢力と第2スプリング5の引張付勢力とが釣合って、マニュアルバルブ54は、図4(b)に示すNレンジ位置に位置制御(停止)される。
なお、本第2の実施の形態においても同様に、図示を省略した別のアクチュエータが制御部10に接続されており、該アクチュエータによりパーキング機構が駆動されることで、パーキングギヤとパーキングロッドとの噛合・解除が制御され、NレンジとPレンジとがシフトレバー11のシフト指令に基づき設定されることになる。
続いて、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、Dレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、基準板3のストローク位置を図4(a)に示す位置に移動制御し、基準板3がX2方向に移動されていく。すると、基準板3がマニュアルバルブ54から遠ざけられ、圧縮バネである第1スプリング4が伸延されて、その圧縮付勢力が小さくなると共に、引張バネである第2スプリング5も伸延されて、その引張付勢力が大きくなる。
即ち、第1スプリング4及び第2スプリング5の釣合い位置での荷重を「C」、第1スプリング4及び第2スプリング5のバネ定数を「k」、基準板3とマニュアルバルブ54との増加距離を「x」、第1スプリング4及び第2スプリング5の合力を「F」とすると、
F=(x・k+C)−(−x・k+C)・・・(1)
であり、整理すると、
F=x・2k
の関係となるので、つまり基準板3が移動した後、基準板3とマニュアルバルブ54との増加距離「x」が0となるように第1スプリング4及び第2スプリング5の付勢力が作用し、言い換えると、第1スプリング4及び第2スプリング5の釣合う位置に戻そうとする力が作用する。
そのため、図4(b)の位置から図4(a)の位置に基準板3を移動した場合は、第2スプリング5がマニュアルバルブ54を基準板3に近づける方向に付勢するので、マニュアルバルブ54をX2方向に移動させ、第2スプリング5の引張付勢力が第1スプリング4の圧縮付勢力と釣合う位置までマニュアルバルブ54の位置が移動され、これにより、マニュアルバルブ54は、図4(a)に示すようにDレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がDレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度も、第1の実施の形態と同様に、オイルの粘性(オイルの温度)に依存し、つまり自動変速機50の温度環境によって異なるものとなるが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。特にアクチュエータ2は、第1スプリング4及び第2スプリング5をNレンジ位置からDレンジ位置に伸延するだけの駆動力で足りるので、比較的小さな駆動力で基準板3の駆動を終えることができる。
次に、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、再度Nレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、図4(b)に示すように、基準板3のストローク位置を中間位置に向けて移動制御し、つまり基準板3がX1方向に移動されていく。すると、基準板3がマニュアルバルブ54に近づけられ、圧縮バネである第1スプリング4が圧縮されて、その圧縮付勢力が大きくなると共に、引張バネである第2スプリング5も圧縮されて、その引張付勢力が小さくなる。
つまり、図4(a)の位置から図4(b)の位置に基準板3を移動した場合は、第1スプリング4がマニュアルバルブ54を基準板3から遠ざける方向に付勢するので、マニュアルバルブ54をX1方向に移動させ、第1スプリング4の圧縮付勢力が第2スプリング5の引張付勢力と釣合う位置までマニュアルバルブ54の位置が移動され、これにより、マニュアルバルブ54は、図4(b)に示すようにNレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がNレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度も、同様にオイルの粘性(オイルの温度)に依存するが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。つまりアクチュエータ2は、第1スプリング4及び第2スプリング5をDレンジ位置からNレンジ位置まで収縮するだけの駆動力で足りることになる。
さらに、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、Rレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、図4(c)に示すように、基準板3のストローク位置がX1方向に移動されていく。すると、同様に、基準板3がマニュアルバルブ54に近づけられ、圧縮バネである第1スプリング4が圧縮されて、その圧縮付勢力が大きくなると共に、引張バネである第2スプリング5も圧縮されて、その引張付勢力が小さくなる。
つまり、図4(b)の位置から図4(c)の位置に基準板3を移動した場合も、第1スプリング4がマニュアルバルブ54を基準板3から遠ざける方向に付勢するので、マニュアルバルブ54をX1方向に移動させ、第1スプリング4の圧縮付勢力が第2スプリング5の引張付勢力と釣合う位置までマニュアルバルブ54の位置が移動され、これにより、マニュアルバルブ54は、図4(c)に示すようにRレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がRレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度も、同様にオイルの粘性(オイルの温度)に依存するが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。つまりアクチュエータ2は、第1スプリング4及び第2スプリング5をNレンジ位置からRレンジ位置まで収縮するだけの駆動力で足りることになる。
その後、例えば運転者によりシフトレバー11が操作され、再度Nレンジが選択されると、それを受けて制御部10はアクチュエータ2の駆動軸2aを移動駆動し、図4(b)に示すように、基準板3のストローク位置を中間位置に向けて移動制御し、つまり基準板3がX2方向に移動されていく。すると、基準板3がマニュアルバルブ54から遠ざけられ、圧縮バネである第1スプリング4が伸延されて、その圧縮付勢力が小さくなると共に、引張バネである第2スプリング5も伸延されて、その引張付勢力が大きくなる。
そのため、図4(c)の位置から図4(b)の位置に基準板3を移動した場合は、第2スプリング5がマニュアルバルブ54を基準板3に近づける方向に付勢するので、マニュアルバルブ54をX2方向に移動させ、第2スプリング5の引張付勢力が第1スプリング4の圧縮付勢力と釣合う位置までマニュアルバルブ54の位置が移動され、これにより、マニュアルバルブ54は、図4(b)に示すようにNレンジ位置に移動制御され、つまり自動変速機50がNレンジに設定される。
なお、この際のマニュアルバルブ54の移動速度も、オイルの粘性(オイルの温度)に依存するが、アクチュエータ2による基準板3の移動制御にはマニュアルバルブ54の摺動抵抗の変動は影響しない。特にアクチュエータ2は、第1スプリング4及び第2スプリング5をRレンジ位置からNレンジ位置まで伸延するだけの駆動力で足りることになる。
なお、本第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、マニュアルバルブ54の位置を位置センサ9により常時検出し、例えば一定時間に亘ってマニュアルバルブ54が停止状態となることで、その位置が検出して、そのマニュアルバルブ54の位置がシフトレバー11によりシフト指令した位置からズレている場合には、フィードバック制御する形でアクチュエータ2を駆動してマニュアルバルブ54の位置が微調整される。この微調整により移動した補正量は次回のアクチュエータ2の移動制御位置として学習されることが好ましい。
以上のように第2の実施の形態に係るレンジ切換え装置1によると、アクチュエータ2により基準板3の軸方向位置を移動制御することで、第1スプリング4と第2スプリング5との付勢力が釣合う位置にマニュアルバルブ54の位置を移動制御するので、アクチュエータ2の出力すべき駆動力は第1スプリング4や第2スプリング5の付勢力だけを受ける基準板3を駆動するだけの駆動力で足り、つまり極低温環境にあってオイルの粘性が高くなることによるマニュアルバルブ54の摺動抵抗増大をアクチュエータ2の駆動に影響しないように構成することができるので、アクチュエータ2の小型化を図ることができ、レンジ切換え装置1のコンパクト化、コストダウンが可能となって、さらに車両搭載性も良好にすることができる。また、マニュアルバルブ54の摺動抵抗増大がアクチュエータ2の駆動に影響しないので、アクチュエータ2の制御を簡素化することができ、つまり温度センサ等により検出も不要とし、レンジ切換え装置1を簡素化することができる。
また、第1スプリング4がマニュアルバルブ54のランド部54b(一端部)と基準板3との間に縮設され、第2スプリング5がマニュアルバルブ54のランド部54b(一端部)と基準板3との間に張設されているので、アクチュエータ2により基準板3の軸方向位置を移動制御することで、第1スプリング4と第2スプリング5との付勢力が釣合う位置にマニュアルバルブ54の位置を移動制御する構成を実現することができる。
そして、第1スプリング4及び第2スプリング5のバネ定数が異なる場合には、基準板3に移動距離とマニュアルバルブ54の移動距離が異なるものとなり、そのための演算が必要となるが、第1スプリング4及び第2スプリング5のバネ定数が同じに設定されていることで、特に演算等を不要とし、基準板3の移動によるマニュアルバルブ54の移動制御を複雑にすることなく、簡素化することができる。
なお、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、本レンジ切換え装置1を例えばFFタイプの車両に用いて好適な自動変速機50に搭載した場合を説明したが、これに限らず、FRタイプの車両に用いて好適な自動変速機や、モータを搭載してハイブリッド化された自動変速機など、どのような自動変速機にあっても搭載することができる。
また、本第1及び第2の実施の形態においては、アクチュエータ2として、直進型のステッピングモータを用いたものを説明したが、特に基準板3を軸方向に精度良く移動制御できるものであれば、どのようなアクチュエータを用いても構わない。
さらに、本第1及び第2の実施の形態においては、マニュアルバルブ54をDレンジ位置、Nレンジ位置、Rレンジ位置の順に移動制御するものを説明したが、これらの軸方向の順序は適宜変更可能である。また、本第1及び第2の実施の形態においては、マニュアルバルブ54をDレンジ位置、Nレンジ位置、Rレンジ位置の3段階に移動制御するものを説明したが、例えばPレンジ位置、S(セカンド)レンジ位置、L(ロー)レンジ位置など、4段階ないし6段階以上に亘ってマニュアルバルブ54の位置を制御するものであっても、本発明に係るレンジ切換え装置を容易に適用できることは明らかである。
また、本第1及び第2の実施の形態においては、第1スプリングと第2スプリングとのバネ定数を同じにしたものを説明したが、勿論、それぞれ異なるバネ定数に設定しても良い。その場合は、例えばアクチュエータによる基準板を動かす方向(X1−X2方向)によって駆動力の違いが生じたり、マニュアルバルブ54の位置がそれら第1スプリング及び第2スプリングにより移動される移動速度に差異が生じたりするが、それらを演算した制御を設計に組み込んでおくことで、積極的にレンジ切換えの速度調整等に用いることも考えられる。
本発明に係るレンジ切換え装置は、乗用車、トラック等に搭載される自動変速機のシフトレンジを電気的に切換えるレンジ切換え装置として用いることが可能であり、特に極低温環境におけるシフトチェンジのレスポンスの早さが求められ、かつアクチュエータの小型化や制御の簡素化が求められるレンジ切換え装置に用いて好適である。
1 レンジ切換え装置
2 アクチュエータ
3 基準位置部材(基準板)
4,4,4 第1スプリング
5,5,5 第2スプリング
6 第1規制部材(スナップリング)
11 シフト操作部(シフトレバー)
50 自動変速機
53 バルブボディ
53Aa バルブ孔
53B 第2規制部材(底部)
54 マニュアル弁(マニュアルバルブ)
55 油圧制御装置
付勢力
付勢力
k バネ定数

Claims (5)

  1. 軸方向位置に基づき自動変速機のシフトレンジを設定するマニュアル弁を移動駆動するアクチュエータを備え、シフト操作部からのシフト指令に応じて前記アクチュエータを制御するレンジ切換え装置において、
    前記アクチュエータにより前記マニュアル弁の軸方向に対して移動駆動される基準位置部材と、
    前記基準位置部材を前記マニュアル弁に近づけた際に、該マニュアル弁を該基準位置部材から遠ざける方向に付勢する第1スプリングと、
    前記基準位置部材を前記マニュアル弁から遠ざけた際に、該マニュアル弁を該基準位置部材に近づける方向に付勢する第2スプリングと、を備え、
    前記アクチュエータにより前記基準位置部材の軸方向位置を移動制御することで、前記第1スプリングと前記第2スプリングとの付勢力が釣合う位置に向けて前記マニュアル弁の位置を移動制御する、
    ことを特徴とするレンジ切換え装置。
  2. 前記マニュアル弁は、前記自動変速機の油圧制御装置のバルブボディに形成されたバルブ孔に軸方向に摺動自在に収納されてなり、
    前記第1スプリングは、前記マニュアル弁の一端部と前記基準位置部材との間に縮設されてなり、
    前記第2スプリングは、前記マニュアル弁の他端部と前記バルブボディとの間に縮設されてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンジ切換え装置。
  3. 前記マニュアル弁が前記基準位置部材に近づく方向における、前記バルブボディに対する該マニュアル弁の移動範囲を規制する第1規制部材と、
    前記マニュアル弁が前記基準位置部材から遠ざかる方向における、前記バルブボディに対する該マニュアル弁の移動範囲を規制する第2規制部材と、を備えた、
    ことを特徴とする請求項2記載のレンジ切換え装置。
  4. 前記第1スプリングは、前記マニュアル弁の一端部と前記基準位置部材との間に縮設されてなり、
    前記第2スプリングは、前記マニュアル弁の一端部と前記基準位置部材との間に張設されてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンジ切換え装置。
  5. 前記第1スプリング及び前記第2スプリングのバネ定数が同じに設定されてなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載のレンジ切換え装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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