JP2012002777A - トランスポータ評価用チップ - Google Patents

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寿久 大崎
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Hiroaki Onoue
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Abstract

【課題】ABCトランスポータなどのトランスポータの機能やトランスポータと被験化合物との相互作用などを簡便に確認する手段を提供する。
【解決手段】例えばポリジメチルシロキサンなどの基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップ、及び上記チップを用いてトランスポータ機能を評価する方法であって(a)流路内にトランスポータ基質を供給する工程;及び(b)脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を測定する工程を含む方法。
【選択図】なし

Description

本発明はABCトランスポータなどのトランスポータを担持させた脂質膜構造体を基板に固定したトランスポータの機能評価用のチップに関する。
トランスポータは細胞膜に存在して細胞内への物質輸送に関与する膜タンパク質である。チャネル(細胞膜にポアを形成して細胞内への物質輸送に関与する)とは異なり、トランスポータは輸送のたびに基質結合部位の向きを細胞内/外に一回ごとにスイッチ・リセットしながら物質を輸送することから、トランスポータの輸送率はチャネルの輸送率よりも遅いが、トランスポータはチャネルでは輸送基質とはならない外因性物質(薬物や環境化学物質など)を含む多様な物質の輸送に関与する。トランスポータはATPの加水分解エネルギーを利用して輸送を行うABC(ATP binding cassette)ファミリー及びATPのエネルギーを用いないSLC(Solute carrier)ファミリーの二つに分類されており、ヒトにおいては48種類のABCトランスポータ遺伝子と319種類のSLCトランスポータ遺伝子が同定されている(トランスポーター研究会、Japan Transporter Research Association: http://www.transpot.umin.jp/transport.html)。
特にABCトランスポータについては、ATP依存的に薬剤を細胞内に輸送又は細胞外に排出することにより薬剤の細胞内濃度の制御に関与しており、薬剤の有効性や毒性の発現、あるいはがん細胞の薬剤耐性などに深く関わっていることが知られていることから、薬剤の有効性や毒性を確認するための手段の一つとして、新薬開発時にトランスポータと薬剤候補化合物との相互作用を確認することを求める指針(2006年)が米国食品医薬品局から示されている。このような背景から、ABCトランスポータと多数の薬剤候補化合物との相互作用をハイ・スループット・スクリーニングにより迅速に確認する手法の開発が求められている。
しかしながら、従来、ABCトランスポータによる薬物輸送の評価は主としてバルク系(Vesicular Transport Assay ProtocolやPgp発現メンブランを用いたATPアッセイのプロトコールなど)や放射性同位体を用いる方法で行われており、簡便かつ高速に操作を行えるものではなかった。また、リポソームにトランスポータを担持させる方法が知られており(Drug Metab. Dispos., 33, pp.225-32, 2005)、ABCトランスポータを担持したリポソームが市販されているが(ジェノメンブレン社、http://www.genomembrane.com/products_infoABC.html)、このリポソームは主としてABCトランスポータの機能解析に使用されている。このリポソームを用いてABCトランスポータの機能に影響を及ぼす被験化合物をスクリーニングする方法については従来報告がない。
一方、ガラスなどの基板にリポソームなどのベシクルを固定化する方法が知られている(例えばSoft Matter., 3, pp.828-836, 2007などを参照のこと)。しかしながら、ABCトランスポータを担持させたリポソームを基板に固定化する方法は従来知られておらず、基板に固定化されたリポソームに担持されたABCトランスポータを用いて被験化合物がABCトランスポータに及ぼす影響を評価する方法についても全く知られていない。
Soft Matter., 3, pp.828-836, 2007 Drug Metab. Dispos., 33, pp.225-32, 2005
本発明の課題はABCトランスポータなどのトランスポータの機能やトランスポータと被験化合物との相互作用などを簡便に確認する手段を提供することにある。例えば、ABCトランスポータと多数の被験化合物との相互作用をハイ・スループット・スクリーニングなどで迅速に確認することができる手段を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ABCトランスポータなどのトランスポータを担持させたリポソームなどの脂質膜構造体を基板に設けられた流路内に固定することによりトランスポータの機能を簡便に評価できること、及び基板として例えばポリジメチルシロキサンなどの透明部材を用い、トランスポータの基質としてローダミンなどの蛍光物質を用いることにより、脂質膜構造体への蛍光物質の取り込みを蛍光により高感度に評価することができることを見出した。さらに、透明部材をパリレンなどで被覆することによって蛍光物質の部材への非特異的な吸着を抑制すると定量的な蛍光測定を行うことができること、及び流路としてマイクロ流路を採用することによりハイ・スループット・スクリーニングに適したチップを提供できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明により、基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップが提供される。
この発明の好ましい態様として、トランスポータ機能評価に用いるための上記チップ;被験化合物がトランスポータの機能に与える影響を評価するために用いる上記チップ;医薬候補化合物のスクリーニングに用いる上記チップ;トランスポータがABCトランスポータである上記のチップが提供される。
さらに好ましい態様によれば、基板が透明部材を含む基板である上記チップ;基板の構成部材としてポリジメチルシロキサンを含む上記チップ;ポリジメチルシロキサンが化学物質の非特異吸着を防止するためのコーティングを施されたポリジメチルシロキサンである上記チップ;コーティングがパリレンコーティングである上記チップ;脂質膜構造体がリポソームである上記チップ;流路がマイクロ流路である上記チップ;脂質膜構造体が1本以上の鎖状分子を介して基板に結合された上記チップ;鎖状分子が二本鎖DNAである上記チップが提供される。
トランスポータ、好ましくはABCトランスポータの機能評価、被験化合物の評価、又は医薬候補化合物のスクリーニングなどに用いるための上記チップの好ましい態様によれば、トランスポータ、好ましくはABCトランスポータの基質として蛍光物質を用いる上記チップ;蛍光物質がローダミンである上記チップ;流路中にトランスポータの基質である蛍光物質、及び被験化合物を供給して脂質膜構造体内部への蛍光物質の取り込み及び/又は排出を測定するための上記チップ;流路中にATP、ABCトランスポータの基質である蛍光物質、及び被験化合物を供給して脂質膜構造体内部への蛍光物質の取り込み及び/又は排出を測定するための上記チップ;マイクロ流路中にATP、ABCトランスポータの基質である蛍光物質、及び被験化合物を供給して脂質膜構造体内部への蛍光物質の取り込み及び/又は排出を蛍光顕微鏡下、好ましくは共焦点蛍光顕微鏡下で測定するための上記チップが提供される。
別の観点からは、基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップによってトランスポータ機能を評価する方法;基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップによって被験化合物のトランスポータの機能に与える影響を評価する方法;及び基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップによって医薬候補化合物をスクリーニングする方法が提供される。好ましくはトランスポータとしてABCトランスポータを用いることができる。
また、基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップによってトランスポータ機能を評価する方法であって、(a)流路内にトランスポータ基質を供給する工程;及び(b)脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を測定する工程を含む方法が提供される。
さらに、基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップによって被験化合物のトランスポータの機能に与える影響を評価する方法であって、(a)流路内にトランスポータ基質、及び被験化合物を供給する工程;及び(b)脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を測定する工程を含む方法;並びに基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップによって医薬候補化合物をスクリーニングする方法であって、(a)流路内にトランスポータ基質、及び医薬候補化合物を供給する工程;及び(b)脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を測定する工程を含む方法が提供される。
これらの方法の好ましい態様によれば、トランスポータがABCトランスポータであり、流路内にさらにATPを供給する上記方法;流路としてマイクロ流路を用いる上記方法;基質として蛍光物質を用いる上記方法;蛍光物質がローダミンである上記方法;脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を蛍光により測定する上記方法;蛍光測定を共焦点顕微鏡下で行う上記方法が提供される。
本発明のチップを用いると、例えば、ABCトランスポータなどのトランスポータの機能評価や、医薬候補化合物などの被験化合物がトランスポータの機能に与える影響を極めて簡便かつ短時間に評価することができ、例えば流路としてマイクロ流路を採用することにより多数の被験化合物とトランスポータとの相互作用をハイ・スループット・スクリーニングで迅速に確認することができる。本発明の好ましい態様として、基板として例えばポリジメチルシロキサンなどの透明部材を用い、トランスポータの基質としてローダミンなどの蛍光物質を用いる場合には、共焦点蛍光顕微鏡下などで脂質膜構造体への蛍光物質の取り込みを蛍光により高感度に評価することができ、さらに透明部材をパリレンなどで被覆して蛍光物質の部材への非特異的な吸着を抑制することにより定量的な蛍光測定によりを行うことができる。
本発明のチップに設けられたマイクロ流路の断面図である。図中、(i)はガラス基板上にポリジメチルシロキサン(PDMS)製のブロックを配置して流路を形成したチップの断面図を示し、(ii)はポリジメチルシロキサンの表面をパリレン(Parylene)によりコーティングした流路を有するチップの断面図を示す。Path lengthは流路全長を示す。 二重鎖DNAを用いてABCトランスポータ担持リポソームを流路内に固定したチップを用い、蛍光性基質のリポソーム内部への取り込みを蛍光的に測定することによりABCトランスポータの機能を可視化する手段を模式的に示した図である。 二重鎖DNAを用いてPDMS流路内にABCトランスポータ担持リポソームを固定する工程を模式的に示した図である。 ABCトランスポータによるATP依存的な蛍光性基質(ローダミン123)のリポソーム内取り込みに伴う蛍光変化を測定することによりABCトランスポータの機能を蛍光的に測定する工程を模式的に示した図である。 ABCトランスポータによるATP依存的な蛍光性基質のリポソーム内取り込みを測定した結果を示した図である。(a)はローダミン123添加前、(b)はローダミン123及びAMPの存在下で室温にて10分間インキュベートした後、(c)はローダミン123及びATPの存在下で室温にて10分間インキュベートした後の結果を示す。 ATP 共存下でローダミン123 とインキュベートした後のABC トランスポータ担持リポソームの共焦点顕微鏡写真(リポソームの断層写真)である。
本発明のチップは、ABCトランスポータなどのトランスポータの機能評価のほか、医薬候補化合物などの被験化合物がトランスポータの機能に与える影響を評価するために用いることができるチップであり、基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むことを特徴としている。
基板の種類は特に限定されず、無機材料、有機高分子材料、金属材料などを利用することができ、それらを適宜組み合わせた複合材料を用いることもできる。無機材料としてはガラスなどが好ましく、有機高分子材料としてはアクリルポリマーなどのプラスチック材料、好ましくはプラスチックガラスなど用いることができるが、これらに限定されることはない。本発明のチップを構成する部材は蛍光による測定が可能になるように透明の部材であることが好ましいが、必要に応じて半透明又は不透明の部材を部分的又は全体に用いることもできる。例えば、加工性や生物学的適合性などの観点からポリジメチルシロキサン(PDMS)などの透明部材をチップの一部又は全体に用いることが好ましい。ポリジメチルシロキサンとガラスとを組み合わせたチップも好ましい態様である。
多孔性のポリジメチルシロキサンをチップ部材として用いる場合には、ABCトランスポータの基質がポリジメチルシロキサン表面に吸着される場合があり、ABCトランスポータの基質として蛍光物質を用いる場合に定量性が損なわれる場合がある。このような基質の非特異吸着を抑制するためにポリジメチルシロキサンの表面を適宜の物質でコーティングすることが好ましい。非特異吸着を防止するためのコーティングとして、例えば、パリレン(ポリ-p-キシリレン誘導体)によるコーティングなどを好ましい態様として例示することができる。パリレンとしてはパリレンN、パリレンC、パリレンD、パリレンHTなどが知られているが、本発明のチップの製造には任意のパリレンを用いることができる。非特異吸着を抑制すべき物質の種類などに応じて適宜のパリレンを選択すればよい。
パリレンによるコーティングは、例えば、成形後のポリジメチルシロキサンに対してパリレン蒸気を導入して重合させる方法などにより容易に行うことができるが、この方法に特に限定されるわけではない。例えばパリレンコーティングを施したポリジメチルシロキサンを部材として用いたPCR用チップなどが報告されているので(J. Micromech. Microeng., 13, pp.768-774, 2003)、この刊行物に記載されたパリレンコーティング方法を参照することによってパリレンコーティングされたポリジメチルシロキサンを部材として含む本発明のチップを容易に製造することができる。
本発明のチップにおいて用いられる脂質膜構造体としてはABCトランスポータなどのトランスポータを担持しているものであれば任意の脂質膜構造体を用いることができ、その種類や大きさは特に限定されることはない。脂質膜構造体を構成する脂質としては、例えば、リン脂質、糖脂質、ステロール、又は飽和若しくは不飽和の脂肪酸などが挙げられる。
リン脂質及びリン脂質誘導体としては、例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファリジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール、セラミドホスホリルグリセロールホスファート、1,2-ジミリストイル-1,2-デオキシホスファチジルコリン、プラスマロゲン、ホスファチジン酸などを挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらリン脂質における脂肪酸残基は特に限定されないが、例えば、炭素数12〜20の飽和又は不飽和の脂肪酸残基を挙げることができ、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などの脂肪酸由来のアシル基を挙げることができる。また、卵黄レシチン、大豆レシチンなどの天然物由来のリン脂質を用いることもできる。
糖脂質としては、例えば、グリセロ糖脂質(例えば、スルホキシリボシルグリセリド、ジグリコシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド、グリコシルジグリセリド)、スフィンゴ糖脂質(例えば、ガラクトシルセレブロシド、ラクトシルセレブロシド、ガングリオシド)などが挙げられる。
ステロールとしては、例えば、動物由来のステロール(例えば、コレステロール、コレステロールコハク酸、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロール)、植物由来のステロール(フィトステロール)(例えば、スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール)、微生物由来のステロール(例えば、チモステロール、エルゴステロール)などが挙げられる。
飽和又は不飽和の脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸などの炭素数12〜20の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられる。
脂質膜構造体の形態は特に限定されないが、例えば、水系溶媒に分散した形態として一枚膜リポソーム、多重層リポソーム、O/W型エマルション、W/O/W型エマルション、球状ミセル、ひも状ミセル、又は不定型の層状構造物などを挙げることができる。本発明のチップの製造に用いられる脂質膜構造体の好ましい形態としてリポソームを挙げることができる。
脂質膜構造体には、必要に応じて、グリセリン若しくはその脂肪酸エステルなどの膜安定化剤、トコフェロール、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、又はブチル化ヒドロキシトルエンなどの抗酸化剤、荷電物質などから選ばれる1種又は2種以上の物質を含んでいてもよい。例えば、正荷電を付与する荷電物質としては、例えば、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの飽和又は不飽和脂肪族アミン;ジオレオイルトリメチルアンモニウムプロパンなどの飽和又は不飽和カチオン性合成脂質;あるいはカチオン性ポリマーなどを挙げることができ、負電荷を付与する荷電物質としては、例えば、ジセチルホスフェート、コレステリルヘミスクシネート、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸などを挙げることができる。
脂質膜構造体の製造方法も特に限定されず、当業者に利用可能な任意の方法を採用することができる。一例を挙げれば、全ての脂質成分をクロロホルムなどの有機溶媒に溶解し、エバポレータによる減圧乾固や噴霧乾燥機による噴霧乾燥を行うことによって脂質膜を形成した後、水系溶媒を乾燥した上記の混合物に添加し、さらにホモジナイザーなどの乳化機、超音波乳化機、又は高圧噴射乳化機などにより乳化することで製造することができる。また、リポソームを製造する方法としてよく知られている方法、例えば逆相蒸発法などによっても製造することができる。脂質膜構造体の大きさを制御したい場合には、孔径のそろったメンブランフィルターなどを用いて、高圧下でイクストルージョン(押し出し濾過)を行えばよい。分散した状態の脂質膜構造体の大きさは特に限定されないが、例えば、リポソームの場合には粒子径が50 nmから5μm程度であり、1 μmから5 μm程度が好ましく、2 μmから5 μm程度がより好ましく、3 μmから5 μm程度がさらに好ましい。粒子径は、例えばDLS(dynamic light scattering)法により測定することができる。
トランスポータとしては、ヒトにおいて知られている48種類の野生型ABCトランスポータ又は319種類のSLCトランスポータのほか、野生型トランスポータのアミノ酸配列において1から数個、好ましくは1〜20個程度のアミノ酸の欠失、置換、及び/ 又は付加を有するアミノ酸配列からなり、トランスポータとしての機能を有する変異型トランスポータを用いてもよい。好ましくはABCトランスポータを用いることができる。ABCトランスポータとしては、野生型ABCトランスポータのほか、例えば、野生型ABCトランスポータのアミノ酸配列に対して70%、好ましくは80%、さらに好ましくは90%以上の相同性を有し、ABCトランスポータとしての機能を有する変異型ABCトランスポータを用いることができる。例えば、人種間で相違する2種以上のABCトランスポータを組み合わせて用いることにより、人種間における医薬候補化合物の薬効の相違や毒性発現の相違などを推定することが可能になる。
また、トランスポータ自体の異常、例えばABCトランスポータ自体の異常やトランスポータの機能を調節するホルモンなどのレセプターシグナル異常などによって生ずる疾患が知られているが、異常トランスポータを担持させた脂質膜構造体を用いたり、トランスポータとともにシグナルレセプターを担持させた脂質膜構造体を用いることによって、トランスポータの機能異常に起因する疾患に対する予防及び/又は治療のための医薬の候補化合物をスクリーニングすることも可能になる。例えば、トランスポータの遺伝子変異によりトランスポータの機能異常を伴う疾患(いわゆるトランスポータ病)の予防及び/又は治療のための医薬の候補化合物のスクリーニングを行うことができる。トランスポータとしてはABCトランスポータが好ましい。
脂質膜構造体に担持させるトランスポータは2種以上であってもよい。2種以上のトランスポータを担持させる場合には、チップの使用目的に応じて、それぞれのトランスポータの組み合わせ比率を適宜選択することができる。脂質膜構造体に担持させるべきABCトランスポータの個数は特に限定されず、脂質膜構造体の種類や大きさなどに応じて適宜選択可能であるが、脂質膜構造体には、トランスポータ以外の膜タンパク質を担持させてもよい。例えば、膜表在性タンパク質や膜内在性タンパク質などを担持させてもよい。
本発明のチップにおいて、流路の形状や長さなどは特に限定されず、水などの水性媒体を充填可能な適宜の容積の空間を有しており、かつ充填された水性媒体が移動可能となるように水性媒体の入り口及び出口が設けられているものであれば、任意の流路を用いることが可能である。流路を用いることによって、被験化合物の水溶液、トランスポータの基質水溶液、ABCトランスポータを用いる場合におけるATP水溶液などの試料を流路の入り口から導入し、先に内部に充填されていた水性媒体との置き換え操作を極めて簡便かつ高速に行うことができるようになる。トランスポータの機能を評価する操作、例えば蛍光物質の脂質膜構造体内部への取り込みを共焦点顕微鏡下などを用いて測定する操作を行う場合には、流路内に充填された水溶液の移動を行う必要はない。従って、本明細書において用いられる「流路」の用語は必要に応じて内部に充填された水性媒体を所望の方向に移動させることができる手段として理解すべきであり、恒常的な水流を形成する手段として理解してはならない。
流路の断面積及び長さは特に限定されないが、本発明のチップはマイクロ流路を有するものであることが好ましい。本明細書において「マイクロ流路」とは、例えば、流路の断面積が1×10-4〜0.05 mm2程度、好ましくは1×10-4〜0.01 mm2程度であり、流路の全長(直線部全長)が5〜30 mm程度、好ましくは5〜20 mm程度の流路を意味するが、本発明のチップの流路は上記のマイクロ流路に限定されることはない。流路の断面の形状も特に限定されず、正方形、長方形、円形、楕円形など、任意の形状の流路を用いることができる。流路全体が同一の断面形状を有している必要はなく、2以上の断面形状を適宜組み合わせることもできる。例えば、一部が円形の断面、残りの部分が長方形の断面を有する流路であってもよい。流路の形状は特に限定されず、直線的な流路のほか、一部に屈折部を有するものや一部又は全体が湾曲しているものであってもよい。
流路の形成方法は特に限定されず、単一の基板を成形して流路を形成する場合のほか、2種以上の基板を組み合わせて流路を形成してもよい。例えば、流路を形成できるように成形されたポリジメチルシロキサン製のブロックをガラス製の平面基板上に貼り付けることにより、複合材料からなる基板に流路を形成することができる。その一例を図1に示した。図1(i)はガラス基板上にポリジメチルシロキサン(PDMS)製のブロックを配置して流路を形成したチップの断面図を示しており、(ii)はポリジメチルシロキサンの表面をパリレン(Parylene)によりコーティングした流路を有するチップの断面図を示す。
本発明のチップでは、トランスポータを担持した脂質膜構造体が流路内に固定されている。流路内への脂質膜構造体の固定方法は特に限定されないが、例えば、脂質膜構造体を化学的手段、例えば化学結合を介して基板表面に結合する手段のほか、電場や磁場などの物理的手段を用いて固定する方法などを挙げることができる。化学結合を介して脂質膜構造体を基板表面に結合する手段としては、例えば、脂質膜構造体に1本以上の鎖状分子を結合させ、その鎖状分子を介して基板に結合する方法などを挙げることができる。鎖状分子としては、例えば、単鎖又は二重鎖DNAなどの核酸、オリゴペプチド又はポリペプチド、直鎖状の有機リンカー、ポリマー分子などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
脂質膜構造体などのベシクルを化学的手段により基板に固定化する手段については、例えば、Soft Matter, 3, pp.828-836, 2007などに具体的に示されており、核酸としてDNAを用いてベシクルを基板に固定化する手段についてはProteomics, 9, pp.2052-2063, 2009などに具体的手法が説明されている。また、S-S結合を利用したベシクルの固定化方法がAnal. Bioanal. Chem., 397, pp.1377-1381, 2010 に記載されている。核酸を用いてリポソームを固定化する手段を模式的に図2に示した。
物理的手段により脂質膜構造体を基板上に固定化する手段としては、例えば、静電場によるベシクル誘導法(リポソーム応用の新展開、ISBN:9784860430856)、誘電泳動によるベシクル誘導法(Proc. of MEMS, pp.931-934, 2010;日本膜学界第32年会講演要旨、演題番号1B-4)、ナノ磁性体を利用する方法(Drug Delivery System, 22, pp.558-562, 2007;玉川精機株式会社製造のナノ磁性粒子http://www.tamagawa-seiki.co.jp/jp/news09/pdf/nanojisei.pdf)などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。当業者はこれらの刊行物を参照しつつ、チップの構造や使用目的などに応じて適宜の固定化手段を選択して採用することができる。さらに、流路内にくぼみなどを設けて小容量のウェルを形成し、そのウェルの内部に脂質膜構造体を充填した後、脂質膜構造体を通過させない半透膜でウェルの入り口を遮断することにより、脂質膜構造体がウェル内に封入されるとともに、流路内の水性媒体がウェル内を自由に通過できるようになる。このような手段も本明細書の「固定」に含まれることを理解すべきである。
本発明のチップは、例えば、ABCトランスポータなどのトランスポータの機能評価のほか、医薬候補化合物などの被験化合物がトランスポータの機能に与える影響の評価に用いることができる。トランスポータのうちABCトランスポータの機能評価を行うにあたっては、ATPの存在下においてABCトランスポータの基質を作用させて、ABCトランスポータにより脂質膜構造体の内部に取り込まれる基質を測定するか、又はあらかじめ脂質膜構造体の内部にABCトランスポータの基質を内包させておき、ATPを加えてABCトランスポータにより脂質膜構造体の内部から外側に排出される基質を測定すればよい。これらの方法を組み合わせて評価を行うこともできる。被験化合物がABCトランスポータなどのトランスポータの機能に与える影響を評価する場合には、例えば、上記の評価を被験化合物の存在下及び非存在下で行って比較をすればよい。もっとも、評価の方法は上記の特定の方法に限定されることはなく、目的に応じて適宜の方法で本発明のチップを使用して評価を行うことができる。
ABCトランスポータなどのトランスポータの機能評価、又は医薬候補化合物などの被験化合物がトランスポータの機能に与える影響の評価を簡便かつ短時間に行うためには、トランスポータ基質として検出可能な基質を用いることが好ましい。このような基質として蛍光性基質や放射性同位体でラベルした基質などを挙げることができる。流路として透明な部材で形成されたマイクロ流路を採用し、さらにトランスポータの基質として蛍光物質を用いて蛍光による測定を行うことが好ましい。先に説明したとおり、透明部材として多孔性のポリジメチルシロキサンを用いる場合には、蛍光物質の非特異吸着を抑制するためにパリレンコーティングを施すことが好ましい。
蛍光物質としてはトランスポータの基質となるものであれば特に限定されないが、例えばABCトランスポータを用いる場合にはローダミン(ローダミン123など)を蛍光性基質として用いることが好ましい場合がある。脂質膜構造体の内部に取り込まれた基質である蛍光物質の測定は、例えば蛍光顕微鏡下で行うことができるが、好ましくは共焦点顕微鏡下で行うことができる。本明細書において「測定」の用語は定量のほか定性的な観察を含めて最も広義に解釈しなければならず、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。トランスポータの基質として非蛍光物質を用いることもできる。例えば脂質膜構造体内部へのローダミン123の輸送を非蛍光基質により競争的に阻害し、脂質膜構造体内部由来の蛍光強度の減少を測定するなどの方法でABCトランスポータの機能を測定することができる。
典型的には、本発明のチップに用いて(a)流路内にトランスポータ基質を供給する工程;及び(b)脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を測定する工程によりトランスポータ機能を評価することができる。被験化合物がトランスポータの機能に与える影響を評価する場合には、上記方法において(a)流路内にトランスポータ基質、及び被験化合物を供給する工程を採用して、被験化合物の非存在下の場合との比較を行えばよい。多数の被験化合物を用いて測定を繰り返すことにより被験化合物から所望の性質を有する候補化合物をスクリーニングすることが可能になる。トランスポータとしてABCトランスポータを用いる場合には流路内にATPを供給する必要がある。
例えば複数の流路を有するチップを製造し、上記方法により多数の被験化合物とABCトランスポータとの相互作用をハイ・スループット・スクリーニングで迅速に確認することもできる。この方法により、正常なトランスポータに実質的に影響を与えない医薬候補化合物の選抜、又は異常トランスポータに作用してトランスポータの機能を正常化する医薬候補化合物の選抜などを簡便かつ高速に行うことができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1
(a)PDMS流路のパリレンコート
図1に示す流路をポリジメチルシロキサン(PDMS)及びガラス基板を用いて作成した。流路の幅及び高さはそれぞれ15-200μm及び25-100μmとし、流路全長を2-20 mmとした。PDMS (Sylgard 184 ダウ・コーニング社製)を標準的なソフト・リソグラフィー法で成形した後、流路に直径1.5 mmの穴を2ヶ所設けてO2プラズマ処理をせずにガラス基板(76 mm×26 mm、厚さ0.8-1.0 mm)に置いた。市販のパリレン・コーティング装置(PDS2010、パリレン・ジャパン製)を用いてPDMS流路のパリレン・コーティングを行った。パリレン蒸気導入、焼成、及びパリレン沈着はそれぞれ175℃、650-690℃、及び室温で行った。パリレンモノマー蒸気は2ヶ所の穴から流路内に進入して流路に沿って広がった(図1(ii))。
(b)PDMS流路内へのABCトランスポータの固定
PDMS流路にパリレン・コーティングを施した後、一度ガラスをPDMSから引きはがし、アルデヒドコートガラス(Schott社製)を代わりに貼り付けた。このアルデヒドコートガラス表面にはシッフ塩基形成によって一本鎖DNA (5'-CAGTCAGTCAGTCAGTCAGT-3'-NH2)をあらかじめ固定化しておいた。この流路をバッファー(50 mM MOPS-Tris、70 mM KCl、7.5 mM MgCl2、pH7.0)で数回洗浄した後、ガラス表面へのリポソームの非特異的吸着を抑えるために10% 牛胎児血清を流路に満たして15分間室温で静置した。流路内の10% 牛胎児血清をバッファーにより洗浄した後、ガラス表面上に固定化した一本鎖DNAに対して相補的なDNA (5'-ACTGACTGACTGACTGACTG-3'-cholesteryl-TEG、71.4μM)を注入し、30分間室温で静置した。流路をバッファーにより洗浄した後、ABCトランスポータ含有リポソーム(ジェノメンブレン社製、タンパク量1mg/mL)で流路を満たして30分間静置した。流路をバッファーで洗浄してABCトランスポータが固定化されたチップを得た。工程の概念図を図3に示した。
(c)ABCトランスポータによるATP依存的蛍光基質輸送の測定
上記の手法によって流路中に固定化されたABCトランスポータ含有リポソームでは、トランスポータタンパク質(MDR1)は内向き及び外向きの両配向で存在している。これを利用してABCトランスポータによるATP依存的な蛍光性基質(ローダミン123)のリポソーム内取り込みに伴う蛍光変化を測定することができる。その概念図を図2及び図4に示す。10 mM ATP(又は対照として10 mM AMP)存在下に20μMローダミン123溶液で流路を満たし、所定時間静置した後、バッファーによって洗浄し、蛍光顕微鏡でリポソーム由来の蛍光強度を比較した。
結果を図5に示す。(a)はローダミン123添加前、(b)はローダミン123及びAMPの存在下で室温にて10分間インキュベートした後、(c)はローダミン123及びATPの存在下で室温にて10分間インキュベートした後の結果を示す。AMPの存在下においてはリポソーム表面に結合したローダミン123に由来する微弱な蛍光がリポソームから検出されるのみであったが、ATPの存在下ではリポソーム内部へのローダミン123の取り込みが生じ、リポソームからの蛍光強度の増加が認められた。また、パリレンコーティングによりPDMS表面へのローダミン123の非特異吸着は実質的に完全に抑制されており、蛍光強度によるABCトランスポータの測定を高精度かつ定量的に行うことができた。また、リポソーム内部へのローダミン123の取り込みを共焦点顕微鏡下で観察した結果を図6に示す。共焦点顕微鏡下においてリポソームの断層写真を撮影することによりリポソーム内に取り込まれた蛍光基質を確認することができた。

Claims (17)

  1. 基板に設けられた流路内に固定されたトランスポータ担持脂質膜構造体を含むチップ。
  2. トランスポータがABCトランスポータ及び/又はSLCトランスポータである請求項1に記載のチップ。
  3. トランスポータがABCトランスポータである請求項1に記載のチップ。
  4. 基板が透明部材を含む基板である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のチップ。
  5. 基板の構成部材としてポリジメチルシロキサンを含む請求項4に記載のチップ。
  6. ポリジメチルシロキサンがパリレンコーティングを施されたポリジメチルシロキサンである請求項5に記載のチップ。
  7. 脂質膜構造体がリポソームである請求項1ないし6のいずれか1項に記載のチップ。
  8. 流路がマイクロ流路である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のチップ。
  9. リポソームが物理的手段及び/又は化学的手段によりマイクロ流路に固定された請求項8に記載のチップ。
  10. リポソームが1本以上の鎖状分子を介してマイクロ流路に固定された請求項8に記載のチップ。
  11. ABCトランスポータ機能評価又は被験化合物がABCトランスポータの機能に与える影響の評価に用いるための請求項1ないし10のいずれか1項に記載のチップ。
  12. ABCトランスポータの基質として蛍光物質を用いる請求項11に記載のチップ。
  13. 蛍光物質がローダミン123である請求項12に記載のチップ。
  14. マイクロ流路中にATP及びABCトランスポータの基質である蛍光物質、並びに必要に応じて被験化合物を供給して脂質膜構造体内部への蛍光物質の取り込み及び/又は排出を蛍光顕微鏡下で測定するための請求項11に記載のチップ。
  15. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のチップを用いてトランスポータ機能を評価する方法であって、(a)流路内にトランスポータ基質を供給する工程;及び(b)脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を測定する工程を含む方法。
  16. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のチップを用いて被験化合物のトランスポータの機能に与える影響を評価する方法であって、(a)流路内にトランスポータ基質、及び被験化合物を供給する工程;及び(b)脂質膜構造体内部への基質の取り込み及び/又は排出を測定する工程を含む方法。
  17. トランスポータがABCトランスポータであり、工程(a)においてATPを流路内に供給する請求項15又は16に記載の方法。
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