JP2012002728A - デュアル検出素子センサ及び同センサの検出出力較正方法 - Google Patents

デュアル検出素子センサ及び同センサの検出出力較正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定範囲内において、2つの検出素子の検出出力特性の違いの影響を低減して、各検出素子の検出出力の差分を求める際の精度を向上する。
【解決手段】同種の物理量を検出する2つの検出素子16A及び16Bの出力信号の物理量に応じた出力特性の関数f′1(x)及びf′2(x)をそれぞれ求め、前記関数どうしを測定範囲内で共通解を有するようにオフセット補正して前記関数どうしの差の積分値が最小となるときの前記各関数g1(x)及びg2(x)をデュアル検出素子センサ1の各検出出力特性として得る。
【選択図】図7

Description

本発明の一態様は、圧力等の所定の物理量をセンシングする技術に関する。
2つの被測定圧力を検出する圧力センサ(デュアル圧力センサ)として例えば下記特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載のデュアル圧力センサは、2つの感圧ダイヤフラムチップを有し、2つの導圧管から導入された2つの被測定圧力がそれぞれの感圧ダイヤフラムに加えられる。このときの感圧ダイヤフラムの変位を例えば拡散型歪みゲージによって電気信号に変換することにより、被測定圧力に応じた検出信号を得ることができる。
このようなデュアル圧力センサは、2つの被測定圧力を検出できるから両者の差分つまりは差圧を求める差圧センサとしても利用できる。求められる差圧の一例としては、流量制御弁の上流側および下流側の流体の圧力差(つまりは差圧)が挙げられる。なお、流量制御弁の一例としては、下記特許文献2に記載のものが知られている。
特開2009−31003号公報 特開2009−115302号公報 特開平6−249732号公報
ところで、流体流量を精度良く算出するためには、デュアル圧力センサを成す2つの感圧ダイヤフラムチップの検出出力特性(圧力に対する出力値の関係)が一致あるいは近似していることが望ましい。しかしながら、検出出力特性が完全に同一の複数の感圧ダイヤフラムチップを製造することは非常に困難であるため、例えば、いずれか一方の検出出力特性を他方の検出出力特性に合わせ込むように補正する対処がなされる場合がある。その補正方法としては、例えば、両検出出力特性のゼロ点が一致するように一方又は双方の検出出力特性をオフセット補正した後に、一方の検出出力特性に他方の検出出力特性が近づくようにゲインを補正する方法が考えられる(例えば、上記特許文献3の図18参照)。
しかしながら、両検出出力特性のゼロ点を一致させると、測定範囲内で2つの感圧ダイヤフラムチップの出力が大きくなるほど両チップの出力差が大きくなる傾向になる。その結果、両チップの出力値の差分(例えば差圧)の検出精度が劣化する。なお、このような差分検出精度の劣化は、圧力を検出するセンサに限らず、同種の2つの物理量(例えば、温度や湿度等)をそれぞれ検出する2つの検出素子を備えたセンサ(以下、「デュアル検出素子センサ」と称する。)を用いて検出出力の差分を求める場合にも生じ得る。
そこで、本発明の目的の一つは、測定範囲内において、2つの検出素子の検出出力特性の違いの影響を低減して、同種の物理量の差分を測定する場合にその測定精度を向上できるようにすることにある。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
本発明のデュアル検出素子センサの検出出力較正方法の一態様は、被測定対象の同種の物理量を検出し、検出した物理量に応じた出力信号を出力する2つの検出素子を有し、各検出素子の出力信号に補正処理を施した上で、補正処理を施された前記出力信号を出力するデュアル検出素子センサの検出出力較正方法であって、前記各検出素子の出力信号の物理量に応じた出力特性の関数をそれぞれ求め、前記関数どうしを測定範囲内で共通解を有するようにオフセット補正して前記関数どうしの差の積分値が最小となるときの前記各関数を前記デュアル検出素子センサの各検出出力特性として得る。
ここで、上記較正方法は、前記2つの検出素子の出力信号の物理量に応じた出力特性の関数をそれぞれ求める第1の処理と、前記第1の処理で求められた前記関数どうしのゼロ点を一致させるように前記関数の少なくとも一方をオフセット補正する第2の処理と、前記第2の処理でオフセット補正された前記関数間の中間値の軌跡である中間線を求める第3の処理と、前記第3の処理の後に、前記各関数のうち、少なくとも一方を前記関数どうしが測定範囲内において、前記中間線上に交点を有するようにオフセット補正したときに、前記関数どうしの差の積分値が最小となるときの前記中間線上の交点の位置を求める第4の処理と、前記第4の処理で求められた前記中間線上の交点を通過するように前記関数のそれぞれをオフセット補正し、オフセット補正後の前記各関数を前記デュアル検出素子センサの各検出出力特性として得る第5の処理と、を有していてもよい。
また、本発明のデュアル検出素子センサは、測定対象の同種の物理量を検出し、検出した物理量に応じた出力信号を出力する2つの検出素子を有し、各検出素子の出力信号に補正処理を施した上で、補正処理を施された前記出力信号を出力するデュアル検出素子センサであって、前記各検出素子の出力信号に、前記各検出素子の検出出力特性が上記の検出出力較正方法で得られた前記デュアル検出素子センサの各検出出力特性となるように、補正処理を施す出力信号補正処理部を備える。
本発明の一態様によれば、測定範囲内において、2つの検出素子の検出出力特性の違いの影響を低減することができるので、差圧、温度差、湿度差等の同種の物理量の差分を測定する場合にその測定精度を向上することができる。
一実施形態に係るデュアル圧力センサの一例を示す模式的な正面図である。 図1に例示するデュアル圧力センサの模式的な平面図である。 図1に例示するデュアル圧力センサの模式的な側面図である。 図2のII−II線断面図である。 図4のIII−III線平面図である。 一実施形態に係る較正装置の構成例を示すブロック図である。 図6に例示する較正装置による処理の一例を説明するフローチャートである。 図6に例示する較正装置による処理の具体例(一次式の場合)を説明する模式図である。 図6に例示する較正装置による処理の具体例(二次式の場合)を説明する模式図である。 図6に例示する較正装置による処理の他の態様を説明する模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
(一実施形態)
図1、図2及び図3は、それぞれ、一実施形態に係るデュアル圧力センサの模式的な正面図、平面図及び側面図であり、図4は図2のII−II線断面図、図5は図4のIII−III線平面図である。図4において、デュアル圧力センサ(デュアル検出素子センサ)1は、例示的に、気密容器2と、気密容器2の内部に収納された2つの圧力センサユニット3A、3Bと、基板4と、を備えている。
図4に例示するように、気密容器2は、開口部を有する有底箱型のケース7と、ケース7の開口部を気密に覆う蓋体8とを有する。蓋体8は、例示的に、凹陥部12を有する平板状に形成され、ケース7の開口部に図示を省略したシール部材を介して固定(例えばネジ止め)される。これにより、ケース7の開口部を気密に密封して、内部に一定圧力の圧力基準室9を形成することができる。なお、ケース7及び蓋体8は、それぞれ例えば合成樹脂によって成形することができる。また、蓋体8の凹陥部12とは反対側の面には、外部信号線13の一端を接続可能なコネクタ部14を設けることができる。
ケース7は、図5に示すように、例示的に、底板7aと、底板7aの各辺に沿って立設された4つの側板7b〜7eとを備えた矩形箱型に形成され、内部(圧力基準室9)に2つの圧力センサユニット3A及び3Bを互いの側面が相互に接するように並設することができる。
ケース7の内面の4つの各隅角部と、対向する長辺側の側板7d及び7eの内面の長手方向中央部分とには、圧力センサユニット3A及び3Bを位置決めする三角柱状の位置決め用突出部10をそれぞれ設けてもよい。また、底板7aには、2つの挿通孔11a及び11bを圧力センサユニット3A及び3Bに対応して形成することができる。
圧力センサユニット3A及び3Bは、互いに同じ構成とすることができ、例示的に、圧力センサユニット3A(3B)は、台座15A(15B)と、感圧ダイヤフラムチップ16A(16B)と、感圧ダイヤフラムチップ16A(16B)に対応した出力補正回路17A(17B)と、を備える。
台座15A(15B)は、例示的に、台座本体15A−1(15B−1)と、コネクタ部14から離れる方向に台座本体15A−1(15B−1)から突設した圧力導入部15A−2(15B−2)とを有する。台座本体15A−1(15B−1)と圧力導入部15A−2(15B−2)とは、例えば合成樹脂等によって一体的に形成することができる。
図4に例示するように、台座本体15A−1(15B−1)は、内部に連通路21a(21b)を有しており、当該連通路21a(21b)から感圧ダイヤフラムチップ16A(16B)に被測定圧力P1(P2)を導く小孔22a(22b)が形成されている。台座本体15A−1(15B−1)における連通路21a(21b)の容積を大きく形成することにより、被測定圧力P1(P2)の急激な変動を吸収、緩和し、感圧ダイヤフラムチップ16A(16B)のダイヤフラムが破損することを抑制できる。
圧力導入部15A−2(15B−2)は、例えば内面が円筒形状の圧力導入孔23a(23b)を有しており、圧力導入孔23a(23b)は、台座本体15A−1(15B−1)の連通路21a(21b)に連通している。これにより、連通路21a(21b)及び小孔22a(22b)を介して感圧ダイヤフラムチップ16A(16B)に被測定圧力P1(P2)を導くことができる。
感圧ダイヤフラムチップ16A及び16Bは、それぞれ同種の物理量の一例としての流体圧力を検出する圧力検出素子(圧力センサ)の一例である。圧力センサ16A及び16Bは、いずれも温度に応じて出力値である流体の検出圧力が変動する(例えば、温度が高くなるほどセンサ出力値が大きくなる傾向にある)出力特性を有し、例示的に、感圧部の一例としての感圧ダイヤフラムが形成された半導体基板(シリコン)と、拡散型歪みゲージとを備える。
拡散型歪みゲージは、前記ダイヤフラムの被測定圧力による歪みを、ピエゾ抵抗効果を利用して検出し電気信号に変換する。拡散型歪みゲージの出力信号は、基板4の電気回路に例えばボンディングワイヤ25a(25b)を介して電気的に接続される。
圧力センサ16A(16B)は、台座本体15A−1(15B−1)の例えばコネクタ部14側の面に設けられ、小孔22a(22b)から被測定圧力P1(P2)が感圧ダイヤフラムの一方の面に印加される。なお、感圧ダイヤフラムの他方の面には、気密容器2内の圧力が基準圧力として印加される。
出力補正回路(出力信号補正処理部)17A(17B)は、例えば基板4に設けられた前記電気回路の一部を成し、圧力センサ16A(16B)の出力信号について圧力センサ16A(16B)の温度に応じた補正(温度補正)を施す。なお、圧力センサ16A(16B)の温度を検出するため、圧力センサ16A(16B)には温度センサを備えることができる。
上述した圧力センサユニット3A及び3Bは、ケース7内において、例えば図5に示すように、台座本体15A−1及び15B−1がケース内面と位置決め用突出部10とによって位置決めされ、互いに対向する側面20aどうしが接触し、残り3つの側面20b〜20dがケース7の内面にそれぞれ接触し、台座本体15A−1及び15B−1の底面が底板7aの内面に接触する。
各台座15A及び15Bの圧力導入部15A−2及び15B−2は、底板7aの対応する挿通孔11a及び11bを介してケース7から突出し、対応する導圧管24A及び24Bにそれぞれ接続することができる。
基板4は、圧力センサユニット3A及び3Bとともにケース7内に収容され、例えば複数個の止めねじによって位置決め用突出部10に固定され、リード線28が蓋体8のコネクタ部14に接続される。
以上のような構成を具備するデュアル圧力センサ1は、例えば弁本体内を流れる流体の流量を制御する流量制御弁と組み合わせて、弁本体内を流れる流体の流量を測定することができる。なお、流体は、気体(ガス)でもよいし、液体でもよい。流量制御弁の流路内を流れる流体の流量Qは、弁体の一次側(上流側)流路と二次側(下流側)流路中の流体の差圧と、弁体の開度で決まる流量係数(Cv)とから次式(1.1)によって算出することができる。
Q=A・Cv・√ΔP ・・・・(1.1)
ただし、Aは定数、ΔPは流体の上流側と下流側の圧力差である。
当該式(1)による流量計測は、固定オリフィスを用いた差圧式流量計測に比べて、弁体の開度に応じて絞り効果が変わるために幅広い流量の測定が可能である。また、流量制御弁部の配管圧力が判るため、流量を測定する他に圧力異常などの診断にその情報を利用することもできる。
(デュアル圧力センサ1の較正)
次に、デュアル圧力センサ1を成す2つの圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性のバラツキを補正する方法について、図6〜図9を用いて詳述する。既述のように、2つの圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性に測定対象の温度範囲(以下、「測定範囲」ともいう。)でバラツキがあると、両センサ16A及び16Bの出力値の差分(つまりは差圧)を求めた場合に、その精度が大きく劣化する場合がある。
そこで、圧力センサ16A及び16Bの出力値に対して、以下に述べる補正(較正)を実施することで、差圧の検出精度を向上することができる。なお、以下の説明では、便宜的に、圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性がそれぞれ測定対象の物理量(本例では圧力)を変数xとする関数f1(x)及びf2(x)によって表わせるものと仮定する。
図6は、一実施形態に係る較正装置の構成例を示すブロック図である。図6に示す較正装置40は、圧力センサユニット3A及び3Bと電気的に接続することができ、圧力センサ16A及び16Bの出力値の出力補正回路17A及び17Bによる補正処理の設定、調整を実施することができる。なお、各圧力センサユニット3A及び3Bの出力信号は、例えば差分演算装置50に与えられ、差分演算装置50にて両出力信号の差分(例えば差圧)を求めることができる。当該差圧は、前記式(1)に基づく流量Qの算出に用いることができる。
較正装置40は、例示的に、近似式算出部41A及び41Bと、ゼロ点オフセット部42A及び42Bと、中間線算出部43と、可変オフセット部44A及び44Bと、最小差分積算値算出部45と、検出出力近似式決定部46A及び46Bと、を備える。
近似式算出部41Aは、デュアル圧力センサ1を成す一方の圧力センサ16Aが有する検出出力特性を表わす関数f1(x)の近似式f′1(x)を算出し、近似式算出部41Bは、デュアル圧力センサ1を成す他方の圧力センサ16Bが有する検出出力特性を表わす関数f2の近似式f′2(x)を算出する(図7の処理110)。
近似式f′1(x)及びf′2(x)のそれぞれは、例示的に、測定対象の物理量が取り得る値(変数x)の範囲内の複数のポイントで予め実測した個々のデータを基に計算(例えばフィッティング)することで得ることができ、一次式あるいは二次以上の高次式として表わすことができる。
ゼロ点オフセット部42A及び42Bは、近似式算出部41A及び41Bでそれぞれ求められた近似式f′1(x)及びf′2(x)のゼロ点が互いに一致するように、近似式f′1(x)及びf′2(x)の一方又は双方をオフセットする(図7の処理120)。
例えば、ゼロ点オフセット部42Aは、近似式f′1(x)に定数α1(例えば、実数)を加えてオフセットし、ゼロ点オフセット部42Bは、近似式f′2(x)に定数α2(例えば、実数)を加えてオフセットする。なお、近似式f′1(x)及びf′2(x)の一方のみをオフセットすれば足りる場合には、対応する定数α1及びα2の一方を「0」とすればよい。
中間線算出部43は、ゼロ点オフセット部42A及42Bによってオフセットされた近似式f′1(x)及びf′2(x)の中間値の軌跡である中間線を求め(図7の処理130)、その情報を可変オフセット部44A及び44Bのそれぞれに与える。
可変オフセット部44A及び44Bは、最小差分積算値算出部45と協働して、近似式f′1(x)及びf′2(x)が中間線算出部43で求められた中間線上に交点(共通解)を有するように近似式f′1(x)及びf′2(x)の一方又は双方をオフセットする。
例えば、可変オフセット部44Aは、近似式f′1(x)に定数β1(例えば、実数)を加えてオフセットし、可変オフセット部44Bは、近似式f′2(x)に定数β2(例えば、実数)を加えてオフセットする。この場合も、近似式f′1(x)及びf′2(x)の一方のみをオフセットすれば足りる場合には、対応する定数β1及びβ2の一方を「0」とすればよい。
最小差分積算値算出部45は、可変オフセット部44A及び44Bにおけるオフセット量(定数β1及びβ2)を制御(更新)しながら、両近似式f′1(x)及びf′2(x)の差分の測定範囲での積分値を求め、当該積分値が最小になるときのオフセット量に可変オフセット部44A及び44Bによるオフセット量を設定(固定)する。
これらの可変オフセット部44A及び44B並びに最小差分積算値算出部45による処理は、両近似式f′1(x)及びf′2(x)の差分の測定範囲での積分値が最小となるときの前記中間線上の交点を求め(図7の処理140)、当該交点を両近似式f′1(x)及びf′2(x)が通るように両近似式f′1(x)及びf′2(x)の一方又は双方をオフセットする処理(図7の処理150)に相当する。
検出出力近似式決定部46A及び46Bは、このように可変オフセット部44A及び44Bによってオフセット(補正)された近似式〔f′1(x)+β1)及びf′2(x)+β2〕のそれぞれを圧力センサ16A及び16Bの出力補正回路17A及び17Bに設定すべき近似式g1(x)及びg2(x)として決定し、出力補正回路17A及び17Bに設定する(図7の処理P60)。
出力補正回路17A及び17Bは、設定された近似式g1(x)及びg2(x)によって圧力センサ16A及び16Bの出力信号を補正する。別言すれば、出力補正回路17A及び17Bは、圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性が較正装置40によって得られた近似式g1(x)及びg2(x)で表わされる検出出力特性となるように、圧力センサ16A及び16Bの出力信号に補正処理を施す。
これにより、デュアル圧力センサ1の測定範囲内において、2個の圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性の違いの影響を低減(理想的には最小に)することができる。したがって、両圧力センサ16A及び16Bの検出出力の差分である差圧を測定する場合に、その測定精度を従来よりも向上することができる。また、較正装置40は、2つの圧力センサ16A及び16Bの出力信号の圧力に応じた出力特性の関数がどのような形(一次あるいは二次以上の高次)であっても適切な関数を得ることができる。
以下に、較正装置40による以上の処理(デュアル検出素子センサの検出出力較正方法)の具体例として、近似式f′1(x)及び近似式f′2(x)がそれぞれ一次式である場合と二次式である場合とについて説明する。
(一次式の場合)
近似式算出部41A及び41Bでの処理110において、圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性の近似式f′1(x)及び近似式f′2(x)がそれぞれ以下のように一次の近似式(1)及び(2)に近似できたとする。

1=f′1(x)=ax−α1 …(2.1)
2=f′2(x)=bx−α2 …(2.2)

ただし、a及びbはいずれも定数であり、例示的にa>bと仮定する。
この場合、ゼロ点オフセット部42A及び42Bは、図7の処理120において、例えば両近似式にそれぞれα1及びα2を加えて両近似式をオフセットすることで、両近似式のゼロ点を下記の式(2.3)及び(2.4)並びに図8に例示するように一致させる。

1=f′1(x)=ax …(2.3)
2=f′2(x)=bx …(2.4)
図7の処理130及び140では、図8中に例示するように、上記の近似式(2.3)及び(2.4)の少なくとも一方(仮に、y2)をβ2=cだけオフセットしながら、両近似式(2.3)及び(2.4)と測定範囲(図8では正規化された0≦x≦1の範囲)とで囲まれる面積S1及びS2の合計が最小となるときの中間線上の交点Pを求めることになる。
ここで、オフセットされた近似式をy′2=bx+cとすると、面積S1及びS2は、それぞれ以下の式(2.5)、すなわちy1及びy′2の差の積分によって求めることができる。
この式(2.5)の積分をそれぞれ計算すると、以下のとおりである。
したがって、図8中に示す面積S1及びS2の合計Sは、以下の式(2.6)で表わされる。
この式(2.6)を「c」で微分すると、以下のようになる。
したがって、一次式の場合は、P=1/2の点が既述の交点になる。
(二次式の場合)
一方、近似式算出部41A及び41Bでの処理110において、圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性の近似式f′1(x)及び近似式f′2(x)がそれぞれ以下のように二次の近似式(3.1)及び(3.2)に近似できたとする。

1=f′1(x)=ax2+bx−α1 …(3.1)
2=f′2(x)=cx2+dx−α2 …(3.2)

ただし、a、b、c及びdはいずれも定数である。
この場合、ゼロ点オフセット部42A及び42Bは、図7の処理120において、例えば両近似式にそれぞれα1及びα2を加えて両近似式をオフセットすることで、両近似式のゼロ点を下記の式(3.3)及び(3.4)並びに図9に例示するように一致させる。

1=f′1(x)=ax2+bx …(3.3)
2=f′2(x)=cx2+dx …(3.4)
図7の処理130及び140では、図9中に例示するように、上記の近似式(3.3)及び(3.4)の少なくとも一方(仮に、y2)をβ2=eだけオフセットしながら、両近似式(3.3)及び(3.4)と測定範囲(図9では正規化された0≦x≦1の範囲)とで囲まれる面積S1及びS2の合計が最小となるときの中間線上の交点Pを求めることになる。
ここで、オフセットされた近似式をy′2=cx2+dx+eとすると、面積S1及びS2は、それぞれ以下の式(3.5)及び式(3.6)、すなわちy1及びy′2の差の積分によって求めることができる。
したがって、図9中に示す面積S1及びS2の合計Sは、以下の式(3.7)で表わされる。
この式(3.7)を「e」で微分すると、以下のようになる。
したがって、二次式の場合も、P=1/2の点が既述の交点になる。
(その他)
なお、圧力センサ16A及び16Bの検出出力特性が三次以上の近似式で表わせた場合についても上記と同様の演算によって交点Pを求めることができる。ただし、近似式の次数が大きくなるほど、交点Pを演算によって求めることが難しくなるので、代替的に、例えば図10に模式的に示すように、近似式のオフセットを或る間隔で変化させながら、近似式どうしの差の積分値を求め、その積分値の大小を基にして(例えば、積分値の変化が減少から増加に転じた付近に変曲点が存在すると推定して)オフセット量を決定してもよい。
また、上述した実施形態では、同種の2つの物理量を検出するセンサの一例として圧力センサ16A及び16Bを挙げたが、これに限らず、同種の他の物理量(例えば、温度、湿度等)をそれぞれ検出する2つの検出素子を備えたセンサについても上述した較正処理を適用することができ、各検出値の差分の精度を向上することができる。
1…デュアル圧力センサ(デュアル検出素子センサ)、2…気密容器、3A,3B…圧力センサユニット、4…基板、7…ケース、7a…底板、7b〜7e…側板、8…蓋体、9…圧力基準室、10…位置決め用突出部、11a…挿通孔、12…凹陥部、13…外部信号線、14…コネクタ部、15A,15B…台座、15A−1,15B−1…台座本体、15A−2,15B−2…圧力導入部、16A,16B…感圧ダイヤフラムチップ(圧力検出素子;圧力センサ)、17A,17B…出力補正回路、20a〜20d…側面、21a,21b…連通路、22a,22b…小孔、23a,23b…圧力導入孔、24A,24B…貫通孔(導圧管)、25a,25b…ボンディングワイヤ、28…リード線、40…較正装置、41A,41B…近似式算出部、42A,42B…ゼロ点オフセット部、43…中間線算出部、44A,44B…可変オフセット部、45…最小差分積算値算出部、46A,46B…検出出力近似式決定部、50…差分演算装置

Claims (3)

  1. 被測定対象の同種の物理量を検出し、検出した物理量に応じた出力信号を出力する2つの検出素子を有し、各検出素子の出力信号に補正処理を施した上で、補正処理を施された前記出力信号を出力するデュアル検出素子センサの検出出力較正方法であって、
    前記各検出素子の出力信号の物理量に応じた出力特性の関数をそれぞれ求め、前記関数どうしを測定範囲内で共通解を有するようにオフセット補正して前記関数どうしの差の積分値が最小となるときの前記各関数を前記デュアル検出素子センサの各検出出力特性として得る、
    デュアル検出素子センサの検出出力較正方法。
  2. 前記2つの検出素子の出力信号の物理量に応じた出力特性の関数をそれぞれ求める第1の処理と、
    前記第1の処理で求められた前記関数どうしのゼロ点を一致させるように前記関数の少なくとも一方をオフセット補正する第2の処理と、
    前記第2の処理でオフセット補正された前記関数間の中間値の軌跡である中間線を求める第3の処理と、
    前記第3の処理の後に、前記各関数のうち、少なくとも一方を前記関数どうしが測定範囲内において、前記中間線上に交点を有するようにオフセット補正したときに、前記関数どうしの差の積分値が最小となるときの前記中間線上の交点の位置を求める第4の処理と、
    前記第4の処理で求められた前記中間線上の交点を通過するように前記関数のそれぞれをオフセット補正し、オフセット補正後の前記各関数を前記デュアル検出素子センサの各検出出力特性として得る第5の処理と、
    を有する、デュアル検出素子センサの検出出力較正方法。
  3. 測定対象の同種の物理量を検出し、検出した物理量に応じた出力信号を出力する2つの検出素子を有し、各検出素子の出力信号に補正処理を施した上で、補正処理を施された前記出力信号を出力するデュアル検出素子センサであって、
    前記各検出素子の出力信号に、前記各検出素子の検出出力特性が請求項1又は2に記載の検出出力較正方法で得られた前記デュアル検出素子センサの各検出出力特性となるように、補正処理を施す出力信号補正処理部を備えた、デュアル検出素子センサ。
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