JP2011529132A - 耕作土壌または牧草地土壌の肥沃度を向上させるための固体無機組成物の使用 - Google Patents

耕作土壌または牧草地土壌の肥沃度を向上させるための固体無機組成物の使用 Download PDF

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Abstract

下記の式(I):炭酸カルシウム 4.58〜77.8重量%、ドロマイト 3.85〜69.29重量%、塩化ナトリウム 5.7〜12.4重量%、リグノスルフェート 4.25〜8.49重量%、硫酸カリウム 0.37〜2.44重量%、酸化マグネシウム 0.01〜0.07重量%、元素状硫黄 0.009〜0.066重量%から成る固体無機組成物(上記の各化合物の重量百分率は上記無機組成物の乾燥全重量に対する百分比)の、(i)ホスファターゼ、(ii)β−キシロシダーゼ、(iii)α−グルコシダーゼおよび(iv)β−グルコシダーゼの中から選択される土壌中に含まれる少なくとも一種の酵素の活性を増加させるための土壌の肥沃度向上での使用。

Description

本発明は、農業および園芸の分野、特に、農業、園芸、樹木裁培または牧草地で使用される肥料組成物に関するものである。
肥沃度(fertilite)を増やすために有機または無機の組成物を使用して耕作面上に散布することは周知であり、種々の有機または無機の肥料組成物が公知であり、古くから農業、園芸および樹木裁培で使われ続けてきた。土壌が肥沃であるためにはその有機成分と無機成分とが最適バランスしていなければならない。
土壌の肥沃度を正確に性格付ける特徴の定義は今のところ存在しないが、肥沃度に関係する動物、植物および土壌中に含まれる微生物の生物活性度は土壌の再生能を具体化するために考慮されるようなっている。例えば、ある土壌の代表サンプルの二酸化炭素生産能を測定することをベースにした肥沃度テストを挙げることができる。
土壌の品質、従って土壌の肥沃度に関する他の研究は多かれ少なかれ土壌の酵素活性と関連しており、微生物の活性を反映している。微生物(microflore)および土壌での酵素活性に対するの肥沃化法に与えるインパクトの研究が有機肥沃化材料(コンポスト、堆肥、液体肥料、麦藁、緑肥等)に対する従来の普通のアプローチである。すなわち、これらの有機肥沃化材料は土壌中の微生物の直接的な栄養源であり、炭素および窒素の供給源である。
農業土壌中の微生物は対応する森林土壌中の微生物より質的および量的に少ないという研究もある。
土壌微生物の研究は種々の方法を使用して実行でき、例えば燻蒸−抽出による全抽出、土壌の全呼吸または無機化活性の測定、蘇生可能な全微生物の抽出および培養、脂肪酸、エルゴステロールのなどのステロールのようなある種個体群の特定マーカーの分析、ミクロプラークの代謝プロフィル、土壌抽出物の酵素活性の分析、さらには最近の土壌の全核酸抽出(metagenome)とそれに続くPCR(Polymerase Chain Reaction)法を用いたリボソームRNA(バクテリア用16Sまたは菌類用18S)をコードする遺伝子の特異的増幅とDGGE(Gradient Gel Electrophoresis)アッセイによる研究が挙げられる。
従来法では、酵素反応は栄養素の動的再循環および多細胞植物へのエネルギー転移に関係しているという事実から、土壌の酵素活性が生物活性度の重要な指標に成ると考えられてきた。
酵素反応は非代謝性の形をしたある種の栄養素を植物および微生物菌が直接利用できる形に変換できるので、酵素反応は土壌の肥沃度の品質に関連すると一般に認められている。特に、土壌酵素は植物自体では合成できない有機材料の合成、分解に関与する。
換言すれば、酵素活性は土壌マトリックス内で起こる生化学プロセスの種類と強度を反映している。従って、酵素活性は肥沃度を維持する上で重要な生化学的プロセスを実行する上で、土壌の生物能の指数となる。
土壌を肥沃にするために外から有機材料(液体肥料、コンポスト、肥料、汚泥)を加えることで短期または長期的に生物多様性が与えられるが、有機肥料を与えてから最初の数週間後には微生物組成は「平衡組成」になる。微生物および土壌に供給した有機材料の分解機構、さらには重金属が豊富な都市の有機廃棄物からの汚泥に関する研究は多数ある。
微生物および土壌の酵素活性に関する無機肥沃化材料の効果に関する耕地の研究はほとんどなく、あったとしても窒素ベースの肥料、重金属、例えば植物健康(phytosanitary)配合物、特にブドウ園用配合物中の銅の影響、繰返し投与することによる農業土壌中に蓄積する微量元素量の影響に関するものが主である。また、石膏のような無機化合物やフェリハイドライトの稲田土壌のメタン生成(methanegene)群に対する影響評価に関する研究を挙げることもできる。
しかし、土壌の酵素活性に対して有利な特性を有する、土壌の肥沃度を維持または向上させるための組成物に対するニーズがある。
本発明の目的は従来技術の上記ニーズに応えることにある。
本発明は、下記式(I):
炭酸カルシウム 4.58〜77.8重量%
ドロマイト 3.85〜69.29重量%
塩化ナトリウム 5.7〜12.4重量%
リグノスルフェート 4.25〜8.49重量%
硫酸カリウム 0.37〜2.44重量%
酸化マグネシウム 0.01〜0.07重量%
元素状硫黄 0.009〜0.066重量%
から成る固体無機組成物(上記の各化合物の重量百分率は上記無機組成物の乾燥全重量に対する百分比)の、(i)ホスファターゼ、(ii)β−キシロシダーゼ、(iii)α−グルコシダーゼおよび(iv)β−グルコシダーゼの中から選択される土壌中に含まれる少なくとも一種の酵素の活性を増加させるための土壌の肥沃度向上での使用にある。
種々の土壌の酵素活性の測定結果を示し、[図1A]〜[図1G]は、式(I)の無機組成物無しの場合(左側のバー)および式(I)の無機組成物を使用した場合(右側のバー)の、植物を植えおよびミミズを入れた種々の土壌の酵素活性の測定結果を示しており、縦座標軸は酵素活性で、1グラムの乾燥土壌当たり、1時間当たりの活性単位を表している。[図1A]は全体的酵素活性の測定結果、[図1B]は酸性ホスファターゼ酵素活性の測定結果、[図1C]はアルカリホスファターゼ酵素活性の測定結果、[図1D]は3-グルコシダーゼ酵素活性の測定結果、[図1E]はβ−キシロシダーゼ酵素活性の測定結果、[図1F]はα−グルコシダーゼ酵素活性の測定結果、[図1G]はN-アセチルグルコシダーゼ酵素活性の測定結果を示す。 酵素活性の相図で、[図2A]は測定した酵素活性の相関円を示し、[図2B]は[図2A]の軸1および軸2上への対象(各種ミクロコスモス)の投影図を示す。 変性勾配電気泳動ゲル(DGGE)写真を示し、左側:植物もミミズもいない土壌。右側:同じ土壌に式(I)の無機組成物で処理したもの。 変性勾配電気泳動ゲル(DGGE)写真を示し、左側:植物もミミズもいない土壌。中央:植物を植えるが、ミミズはいない土壌。右側:植物を植えるが、ミミズはいない土壌を式(I)の無機組成物で処理したもの。 変性勾配電気泳動ゲル(DGGE)写真を示し、左側:植物もミミズもいない土壌。中央:植物は植えないが、ミミズはいる土壌。右側:植物は植えないが、ミミズはいる土壌を式(I)の無機組成物で処理したもの。
変性勾配電気泳動ゲル(DGGE)写真を示し、左側:植物もミミズもいない土壌。中央:植物を植え、ミミズを入れた土壌。右側:植物を植え、ミミズを入れた同じ土壌を式(I)の無機組成物で処理したもの。 [図3]〜[図6]に示すDGGEの移動バンド・プロフィルをベースにして作成した各種の被検査土壌中に見られるバクテリア個体群のプロフィルの類似性を示すデンドログラム。 変性勾配電気泳動ゲル(DGGE)写真を示し、「S」列:植物もミミズもいない土壌。「S+V」:植物はなく、ミミズはいる土壌。「S+M」:土壌「S」を式(I)の無機組成物で処理したもの。「S+P」:土壌「S」に植物を植え、ミミズはなし。「S+V+M」:土壌「S+V」を式(I)の無機組成物で処理したもの。「S+V+P」:土壌「S」に植物を植え、ミミズを入れる。「S+P+M」:土壌「S+P」を式(I)の無機組成物で処理する。「S+V+P+M」:土壌「S+V+P」を式(I)の無機組成物で処理する。 [図8]に示すDOGEゲルの移動バンドからの配列およびデータバンクからの配列を有する細菌群を含むNeighbor Joining法を使用によるADNAr16SをベースにしたディビジョンTM7の再構成系統図。 植物バイオマス生産における式(I)の無機組成物の効果を示す図で、縦座標軸は植物バイオマスの測定生産量(乾燥重量)を表す。[図10A]は植物バイオマス生産能を植物を植え、ミミズは入れない(左側)の土壌(i)と同じ土壌を式(I)の無機組成物で処理したもの(ii)とで比較したもの、[図10B]は植物バイオマス生産能を(i) 植物を植え且つミミズを入れた土壌(左側)と(ii)同じ土壌を式(I)の無機組成物で処理した土壌とで比較したもの。
本発明者は、土壌に特定の無機組成物を加えることによっては土壌の酵素活性プロフィルを大きく変えることができ、その肥沃度を増すことができるということを発見した。
特に、本発明に従って上記の特定の無機組成物を土壌に加えることによって特定の酵素、例えば肥沃特性には重要であることが知られているホスファターゼ、α-グルコシダーゼ、そして、β-グルコシダーゼ、β−キシロシダーゼの活性を増加させることができるということを証明した。
本発明は、以下の式(I):
炭酸カルシウム 4.58〜77.8重量%、
ドロマイト 3.85〜69.29重量%、
塩化ナトリウム 5.7〜12.4重量%、
リグノスルフェート 4.25〜8.49重量%、
硫酸カリウム 0.37〜2.44重量%、
酸化マグネシウム 0.01〜0.07重量%、
元素状硫黄 0.009〜0.066重量%。
から成る固体無機組成物(上記の各化合物の重量百分率は上記無機組成物の乾燥全重量に対する百分比)の、(i)アルカリ性ホスファターゼ、(ii)β−キシロシダーゼ、(iii)α−グルコシダーゼおよび(iv)β−グルコシダーゼの中から選択される土壌中に含まれる少なくとも一種の酵素の活性を増加させるための土壌の肥沃度向上での使用にある。
上記固体無機組成物は重炭酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第一マンガン、亜鉛酸化物、沃化カリウム、銅硫酸エステルおよび硼酸の中から選択される一つ以上の追加の化合物をさらに含むのが好ましい。
上記の一種以上の追加の化合物は無機組成物に下記の量で含まれるのが好ましい:
重炭酸ナトリウム 0.007〜0.158重量%、
硫酸鉄 0.0009〜0.0434重量%、
硫酸マンガン 0.004〜0.040重量%、
酸化亜鉛 0.0006〜0.0040重量%、
沃化カリウム 0.0004〜0.0032重量%、
硫酸銅 0.0002〜0.0040重量%、
硼酸 0.0006〜0.0040重量%。
(各化合物の重量百分率は上記無機組成物の乾燥全重量に対する百分比)
本発明で使用するのが好ましい無機組成物は下記配合を有する:
45.78重量%の炭酸カルシウム、
38.49重量%のドロマイト、
9.52重量%の塩化ナトリウム、
5.66重量%のリグノスルフェート、
0.49重量%の硫酸カリウム、
0.014重量%の酸化マグネシウム、
0.015重量%の元素状硫黄および
重炭酸ナトリウム、硫酸鉄、硫酸マンガン、酸化亜鉛、沃化カリウム、硫酸銅および硼酸の中から選択される化合物またはその少なくとも2つの化合物の組合せの適切な量
(各化合物の重量百分率は上記無機組成物の乾燥全重量に対する百分比)
土壌を豊かにするためには式(I)の無機組成物を少なくとも0.01kg /m2かつ0.10kg/m2以下の量で加えるのが好ましい。
本発明のさらに他の観点から、本発明はさらに、少なくとも一種の式(I)の無機組成物をm2当たり少なくとも0.02からm2当たり0.04kgの量で土壌に加える段階を含む土壌を豊かにする方法に関するものである。
式(I) の無機組成物は固体組成物で、凝集塊の形をしているのが有利であり、処理すべき土壌の上に単純に散布するだけで土壌に加えることができる。
ホスホ−エステル結合の加水分解を触媒するホスファターゼは無機リン酸塩を出し、この無機リン酸は植物によってメタボライトとして使用される。この酵素はリン酸塩代謝サイクルで重要な役割をし、植物成長に対して影響するということは一般に認められている。従って、土壌のホスファターゼ活性、特にアルカリホスファターゼ活性が高いほど、土壌中の無機リン酸塩含量が減少した場合でも、植物の成長を促進する土壌の能力がより強くなる。
キシラン(ヘミセルロース)の加水分解に関係するβ−キシロシダーゼは土壌微生物に栄養化合物を提供する。この栄養化合物は無機化され、植物によって消化される。β−キシロシダーゼ活性は植物の細胞壁の主成分の1つであるキシランの劣化の最後の段階に関係し、土壌に含まれる植物廃棄物中にある。
β-グルコシダーゼ活性は土壌品質の指示薬とみなされる。繊維素は量的に土壌中に最も多量に存在する化合物であるので、繊維素の加水分解に関係するβ-グルコシダーゼ活性は土壌の肥沃化にとって重要である。β-グルコシダーゼは植物廃棄物中に存在する各種のβ-グルコシダーゼの加水分解に関与するので、この酵素は土壌中で重要な役割を演ずる。セルローズ分解は土壌中での炭素循環の主たるプロセスの1つと考えられる。土壌中の繊維素の微生物分解は少なくとも3つのタイプの酵素、エンド-β-1,4-グルカナーゼ、エクソ-β-1,4-グルカナーゼおよびグルカナーゼを含む複雑なプロセスである。β-1,4-グルカナーゼ活性によってセルローズ分解生成物、例えば二糖(セロビオース)が土壌の微生物が直接同化可能なグルコース分子へ加水分解される。従って、土壌に含まれる繊維素の分解はβ-グルコシダーゼ活性の存在だけでは完成しない。β-グルコシダーゼ活性は植物バイオマスの「ターンオーバー、代謝回転」の指数として考慮される。
α−グルコシダーゼ活性は植物廃棄物中に存在するデンプンの分解で生じるオリゴ糖を加水分解し、土壌中に存在する微生物によって同化可能な最終産物としてのD-グルコースを生産する。
「土壌」とは特に耕作土壌または牧草地土壌を意味する。
耕作土壌は園芸、樹木裁培およびブドウ園を含む植物農業の全ての分野で使用される耕作された土壌を含む。牧草地土壌は耕作されていない土壌、特に家畜類の飼料、特に深浅または乾燥した植物材料を提供するために用いられ土壌を含む。
一般に、土壌は無機元素き有機要素とから成り、種々配合比の砂、クレー、汚泥、任意の大きさ石灰岩、腐植質、有機廃棄物、微生物、空気および水から成る。
「酵素活性」とは所定基材化合物を触媒反応の最終産物にする変換の触媒活性を意味する。
(i)ホスファターゼ、(ii)β−キシロシダーゼ、(iii)α−グルコシダーゼおよび(iv)β−グルコシダーゼの酵素タイプの測定は当業者に周知の任意の適切な方法で実行できる。
土壌の少量のサンプルを所定容積の蒸留水中に懸濁させ、天然のまま抽出し、特定の酵素アッセイで使用するのが好ましい。この酵素アッセイは従来法で実施でき、テストすべき土を酵素活性基材と一緒に入れた抽出アリクォットを所定時間培養し、酵素反応を止めた後に触媒反応生成物を定量化する。一般には分光光度計で定量する。
一例として下記の基質を使用できる:
ホスファターゼ活性用: 4-ニトロフェニルのジ-またはトリ−リン酸塩、
β−グルコシダーゼ活性用: 4-ニトロフェニルβ−-D-グルコピラノシド、
β−キシロシダーゼ活性用:4-ニトロフェニルβ-キシロシド、
α−グルコシダーゼ活性用:4-ニトロフェニルα−グルコシド。
N-アセチルグコミニダーゼ活性のテストには、4-ニトロフェニルN-アセチル-β-D-グルコサミドを使用できる。
上記の基材を使用する場合、分光測光によって405ナノメートルの波長での光学濃度(D.O)を求めて触媒反応の最終産物を定量する。
本発明では、式(I)の無機組成物を(i)植物を植え(植物で覆い)且つミミズはいない土壌または(ii)植物を植え(植物で覆い)かつミミズを入れた土壌に加えるとアルカリホスファターゼ活性が大きく増加することが示された。すなわち、上記の(i)のタイプの土壌に式(I)の無機組成物を加えることによって、アルカリホスファターゼ活性は式(I)を加えない上記の(i)のタイプの土壌に比べて10倍大きくなることが示された。すなわち、上記の(ii)のタイプの土壌に式(I)の無機組成物を加えた場合のアルカリホスファターゼ活性は、式(I)を加えない上記の(ii)のタイプの土壌に比べて一般にフアクターが2倍大きくなる。
また、本発明では、土壌に式(I)の無機組成物を(i) 植物を植え(植物で覆い)るがミミズは入れない土壌、(ii) 植物を植え(植物で覆い)かつミミズを入れた土壌または (iii) 植物を植えず、ミミズを入れた土壌に加えることによって、β−キシロシダーゼ活性が大きく増加することが示された。すなわち、β−キシロシダーゼ活性は式(I)の無機組成物で処理しなかった上記の(i)のタイプの土壌に比べて少なくとも3倍大きくなることが示された。同様に、β−キシロシダーゼ活性は式(I)の無機組成物の添加後に、式(I)の無機組成物で処理しなかった上記の(ii)のタイプの土壌に比べて少なくとも2倍大きくなる。上記の(iii)のタイプの土壌では、式(I)の無機組成物を含まない場合に比べて、β−キシロシダーゼ活性のファクターが少なくとも5倍増加する。
また、本発明では、式(I)の無機組成物を(i) 植物を植え(植物で覆い)るがミミズは入れない土壌、(ii) 植物を植え(植物で覆い)かつミミズを入れた土壌または(iii) 植物を植えず、ミミズは入れた土壌に加えることで、α−グルコシダーゼ活性が上記の(i) (ii) (iii)のタイプの土壌で式(I)の無機組成物を入れない場合に比べて大きく4倍増加することが示された。
また、本発明では、式(I)の無機組成物を(ii) 植物を植え(植物で覆い)かつミミズを入れた土壌に加えることで、式(I)の無機組成物を加えない上記(ii)のタイプの土壌に比べてβ−グルコシダーゼ活性が少なくとも1.5倍だけ大きく増加することが示された。
[図2B]に示すように、上記の(i)〜(iv)の任意のタイプの土壌において、式(I)の組成物は酵素活性を統計学的に大きく増加させる効果がある。
特定の理論に拘束されるものではないが、式(I)の組成物の添加で土壌の酵素ポテンシャルが増加し、有機材料の無機化テルリック(tellurique)プロセスが改善できると本発明者は考える。
既に述べたように、式(I)の無機組成物は酵素のレベルで土壌の全体的な酵素活性、例えばβ−キシロシダーゼ、α−グルコシダーゼまたはアルカリホスファターゼ活性に対し定量比の点でいわゆる「マイナー」な酵素活性を主として増加させる。しかし、式(I)の無機組成物は全体的な酵素活性、例えばβ-グルコシダーゼの酵素活性に対し定量比の点でいわゆる「メジャー」な酵素活性の増加もさせる点に注目する必要がある。
特定の理論に拘束されるものではないが、式(I)の無機組成物によって、他の酵素活性を大きく減少させずに、所定の酵素活性を増加させて土壌の酵素のプロフィルを「再バランス」させるものと本発明者は考える。
また、本発明で得られた結果は、式(I)の組成物の酵素活性での効果は式(I)の組成物を加える土壌の種類に従って変化することを示している。すなわち、本発明組成物の酵素活性上の効果は、微生物の質的および/または量的な組成に依存し、特に処理した土壌中に含まれるバクテリアおよび菌類微生物に依存することを証明している。この結果は式(I)の無機組成物が土壌の生物学的活性度に刺激的な影響を与えることを示している。
実施例に示すように、式(I)の無機質組成物の存在下での(i)、(ii)および(iii)のタイプの土壌中での(i) アルカリホスファターゼ、(ii)β−キシロシダーゼ、(iii)α−グルコシダーゼおよび(iv)β-グルコシダーゼの各酵素活性に対して観察された増加は、式(I)の組成物の添加で処理した土壌の全体的な酵素活性を増加させるということを意味しない。すなわち、式(I)の無機組成物で処理した土壌の全体的な酵素活性は式(I)の無機組成物で処理しない同じ土壌の全体的な酵素活性と実質的に同じものであることが示された。土壌の全体的な酵素活性はジアセタート・フルオレセイン基材(FDA)の非特異的分解の定量で求めることができる。
逆に、式(I)の組成物で処理した土壌の肥沃度の増加は、上記の(i)〜(iv)の酵素活性の特異的な増加の結果として、式(I)の組成物を加えていない同じ土壌と比べて地上および地下のバイオマスの生産を少なくとも1.5倍増加することで示される。すなわち、植物で覆われかつミミズがいない土壌(i)に式(I)の組成物を加えることで回収後の植物バイオマスの乾燥重量をベースにして計算した地上および地下の植物バイオマスの生産は少なくとも1.5倍増加することが示された。また、植物で覆われかつミミズを入れた土壌(ii)に式(I)の組成物を加えると回収後の植物バイオマスの乾燥重量をベースにして計算した地上および地下の植物バイオマスの生産は少なくとも2倍増加することが示された。
一般に、式(I)の無機組成物を加えることによって得られる土壌の品質改良は「大規模農業」といわれる大抵の植物栽培、マメ科植物、樹木裁培およびブドウ園用の地上および地下の植物バイオマスの増加で示される。
さらに、式(I)の無機組成物は土壌中に存在する微生のプロフィルを変えることも示された。
DOGE(Gradient Gel Electrophoresis Denaturating)法を使用した16SリボソームDNAの分析による微生物プロフィルの研究から、式(I)の組成物を加えることで、いずれのタイプの土壌でテストした場合でも以下の結果が得られることが明らかになった:(i)ある種のバクテリア群(タクソン)の相対濃度の増加(これは電気泳動ゲルでの一つ以上の移動バンドに対する相対濃度の増加で表される)と(ii)他のバクテリア群(タクソン)の相対濃度の減少(これは電気泳動ゲルでの一つ以上の移動バンドに対する相対濃度の減少で表される)。
すなわち、実施例の結果は、式(I)の無機組成物は、式(I)の無機組成物によってで処理されなかった土壌と比べて、各種バクテリア群(タクソン)間の優性比を検出可能な大きさで大きく変化させるということを示している。
実施例に示すように、DGGEで得られた16SリボソームDNAに対応するバンド移動プロフィルを比較することで、式(I)の無機組成物は複雑な動植物を含む生育環境の土壌、特に植物で覆われおよび/またはミミズを含む複雑な土壌中の微生物群のプロフィルを大きく変化させるということ、式(I)の組成物の効果はそれで処理された土壌の複雑さを増加させるということが示された。
また、DGGEの主たるバンドに対応する16SリボソームDNA断片の配列分析土壌を実施した。その結果、式(I)の無機組成物で処理した土壌および処理しない土壌で各々それぞれはっきり異なる生物学的複雑度が示された。さらに、配列データを基に対応する主たるバクテリアの系統的類縁関係も決定した。多くのテルリック・バクテリアは培養可能でなく、識別されてはいないので、我々の配列と発表されているデータとの比較は必ずしも分類学的に確実なものではないが、(i) 植物で覆われておらず且つミミズもいない土壌および(iii) 植物で覆われていないが、ミミズい土壌では、式(I)の無機組成物が根圏レベルおよび泥炭にいるディヴィジョンTM7バクテリアに関連すつる微生物集団の優勢を促進するという結果を示している。
一般に、16SリボソームDNA配列決定から、式(I)の無機組成物を加えるとバクテリアタクソンの相対濃度を大きく変化させ、式(I)の組成物で処理しないものと同じ土壌中に主として存在するバクテリアタクソンを含めて、ある種のバクテリアタクソンの成長を有利にし、他のバクテリアタクソンの成長を抑制する。いずれの実施例でも、式(I)の無機組成物は微生物集団のプロフィルう変化させ、土壌中の生物学的複雑度を増加させる。例えば、植物で覆われておらず、ミミズも含まない土壌を植物で覆われ且つミミズのいる土壌に変えると、式(I)の組成物によって誘発される微生物集団プロフィルは大きく変化するのが観測される。
実施例の結果は、生育環境のタイプ、特に植物の覆いがあるか否かおよび/またはミミズが存在するか否かに従って、式(I)の無機組成物の作用が量的および質的に大きく変化することを示している。
一般に、式(I)の無機組成物の添加で生じる酵素活性プロフィルおよび微生物集団プロフィルの変化は土壌の肥沃度増加の指数となり、地上および地下の植物バイオマスの生産量の増加によって観測される。
以下、本発明の実施例を示す。
A.実施例の材料及び方法
A.1.材料
土壌はタルドノワ地域(フランス国ピカルディ(Picardie)地域)から集めたシルト質粘土の農業用土壌を用いた。土壌を任意にサンプリングした後、室温で乾燥し、網目サイズ2mmの篩でふるいにかけた。
この土壌に植物の覆い(植被、couverture vegetable)を作るの用いた植物は商業的に広く流通している種のライグスク(Lolium)である。このライグスクはJardiland社(フランス国のレオガン)から市販のものを使用した。実験で使用したミミズ(vers de terre)(lombrics)はNicodrilus giardi種(カッショクツリミミズ(Allolobophora terrestris)又はバライロツリミミズ(Aporrectodea terrestris))に属する表層採食深層種ミミズ(anecic worms)である。式(I)の無機組成物は、比較用の参照土壌データを除いて、各試料データに200kg/haの当量で加えた。
A.2.参照土壌データ(参照マイクロコズム)及び実験サンプルの作成
マイクロコズム(microcosms)は1kgの乾燥した土を含むプラスチックポットである。これを屋外でその限界まで繰り返し水気に触れさせた。対象となるポットには6g/kgの乾燥した土のバイオマスにミミズを加えた。また、対象となるポットには1グラムのライグスクの種を植えた。ライグスクの胚が約5cmに達したときミミズをポットに加えた。
実験は3回繰り返し(あるいは3回一組で行い)、8つの様相(modalities)すなわち合計24のマイクロコズム得た。これらのマイクロコズムを室温(20〜23℃)中に1.5カ月置いた。この期間が経過した後にライグスク(地上部及び地下根部)を採取し、炉に入れ、乾燥重量を測定した。それぞれのポットで2つの土壌サンプル群を回収し、生化学分析及び分子解析した。
A.3.酵素的分析
1グラムの土壌を、5ml、4℃の蒸留水中に再懸濁した。この再懸濁液が酵素アッセイの生エキスになる。
1.ヘテロシダーゼ(Heterosidase)分析(PNP)
反応物の準備:
(a)Na2CO3:2グラムを蒸留水100mlに溶解させた。
(b)酵素基質:10mlの水に80mgの下記基質を溶解して溶液を作った。
(1)4-ニトロフェニルジ(トリ)リン酸塩(PHP-リン酸塩):この基質によって、有機リン酸塩の無機化による酵素フォスファターゼの活性をみることができる。
(2)4-ニトロフェニル−β-D-グルコピラノシド(PNP-β-グルコシド):この基質を加水分解することでセルロース分解の最後の段階によるβグルコシダーゼの活性を与えることができる。
(3)4-ニトロフェニル N-アセチル-β-D-グルコサミン (PNP N-アセチル-β-D-グルコサミン):キチンは、土壌中に幅広く分布し、節足動物の上皮から得られ、複数の菌類の細胞膜抗生物質である基質である。この基質のキチナーゼ及びN-アセチル-グルコサミニダーゼ媒介分解は、炭素サイクル及び窒素サイクルの両方による、アミノ糖放出の最初の段階である。
(4)4-ニトロフェニルβ-キシロシド(PNP-b-D-キシロイド)はキシラン(植物の細胞壁中に多く含まれる物質の一つ)の分解の最終段階によるβ-キシロダーゼを通じて加水分解する。
(5)4-ニトロフェニル α-グルコシド(PNP-a-グルコシド):この基質を加水分解したα-グルコシドは、澱粉の分解による酵素の一つである。
これらの溶液はスモーク瓶で4℃で保存した。
(c)pH5のリン酸塩緩衝液:24.3mLのクエン酸が、25.7mLのNa2HPO4・12H2O (0.2 M)とを組合せた。
(d)pH9のホウ酸塩緩衝液:0.1Mの塩酸10mLが、0.1Mホウ酸ナトリウム90mLとを組合せた。
緩衝溶液は4℃で保存した。
マイクロプレートアッセイ:
アッセイはマイクロプレートで行った。各酵素(酸ホスファターゼ、アルカリフォスファターゼ、β-グルコシダーゼ、α-グルコシダーゼ、β-キシロダーゼ)毎に1つのブランク、3つの対照基質、3つの対照酵素、3つのアッセイを、以下の手順で行った。
(1)ブランク:蒸留水100μlと、テスト酵素に応じてpH5または9のMac llvain 緩衝液 25μl
(2)対照基質:蒸留水50μlと、pH5のリン酸塩緩衝液25μl又はアルカリフォスファターゼのためのpH9のホウ酸塩緩衝液と、PNP基質50μl
(3)対照酵素:蒸留水50μlと、pH5または9のMc llvain 緩衝液 25μlと、酵素基質(アース)50μl
(4)アッセイ:PNP基質50μlと、pH5または9のMc llvain 緩衝液 25μlと、酵素基質(アース)50μl。
このアッセイはテーパー底プレートで行った。このプレートは炉内で2時間、37℃で攪拌下に培養した。培養後、2%のNa2CO3を75 μlずつそれぞれのウェルに加えた。次に、マイクロプレートを、2500rpmで10分間遠心分離した。それぞれのウェルで、上澄みは第二プレートに移動した。第二プレートのウェルには、2%のNa2CO3が250 μlずつ含まれていた。手動で攪拌した後、マイクロプレートを分光光度計で405nmで読み、ブランクと比較した。
予め求めた標準範囲から始めてODとフェノール量と間の関係は下記の式で与えられる:
X(フェノール(μg))=OD計算値×1.14
(ここで、計算値=ODアッセイ−(OD対照基質+OD対照酵素)である)
酵素活性は土壌/h当たりに対する放出されたフェノール量/gで定義される。
2.FDA(蛍光ジアセテート)を用いた微生物活性アッセイ
反応物の調整:
(1)FDA:10mLのアセトンに溶解した0.3gmpFDAを、ガラス瓶にそれぞれ1mLずつ均等に分配する。-20℃で保存されたこの溶液は、貯蔵液である。アッセイを行う前にこの貯蔵液を即座に1:10に希釈した。
(2)pH7のリン酸塩緩衝液:0.1Mクエン酸6.5mL + Na2HPO4, 12H2O (0.2 M)。
マイクロプレートアッセイ
アッセイはマイクロプレートで行った。各測定で1つのブランク、3つの対照基質、3つの対照酵素、3つのアッセイを以下の手順で行った。
(1)ブランク:水150μlと、pH7のリン酸塩緩衝液50μl、
(2)対照酵素:水150μlと、pH7のMac llvain 緩衝液50μlと、土壌100μl、
(3)対照基質:水100μlと、pH7のMac llvain 緩衝液50μlと、FDA(希釈液)50μl、
(4)アッセイ:土壌100μlと、pH7のMac llvain 緩衝液50μlと、FDA 50μl。
マイクロプレートを37℃の炉に、2時間入れた。その後、2500rpmで10分間遠心分離した。各ウェルの上澄みの100μlを、第二の丸底プレートのウェルに移した。当該丸底プレートは、予めpH7のMac Ilvain冷凍緩衝液100μl(4℃)で満たされていた。分光光度計を用いたプレートの読み取りは、ブランクに比べて波長が490nmで行った。
FDAについては酵素活性を土壌/h当たりのフルオレセイン量/gで表される。
標準範囲を定めることで下記の式によってODとフェノール量(μg)との関係を知ることができる。
X(フルオレセイン、μg)=OD計算値×0.086
3.分子解析
土壌に適応する様々な処置を有する優性及び/又は対象微生物集団に特異的な16SリボソームDNA遺伝子配列決定のために、DNAをアルコールに含まれる土壌サンプルから再抽出した。
3.1.土壌DNA抽出
土壌からDNAを抽出するために選択した方法はCTBA緩衝液(セチル-トリメチル-アンモニウム臭化物:Cetyl-Trimethyl-Ammonium Bromide)が用いる方法である。それぞれ500mgの土壌サンプル24(8つのモダリティー(様相、modalities)):S, S+P, S+M, S+V, S+V+P, S+P+M, S+V+M, S+V+M+P、の3回の繰り返し)を回収し、セラミック、シリカ、ガラスビーズ(Lysing Matrix E, MP Biomedicals社)に導入して、1000μLの抽出緩衝液CTABと混合した。FastPrep-24型(MP Biomedicals社)を用いて、6.5m/sで45秒間、細胞溶解を行った。その後試料を65℃の水浴で1時間培養した。Phase Lock Gel Tubes (VWR社)と組合せたフェノール・クロロホルム・イソアミル基(24:24:1)及びクロロホルム・イソアミル基(24:1)を用いて、核酸を抽出及び培養した。PEG (ポリエチレングリコール)を用いて DNAを抽出し、ペレットを70度のエタノールで洗浄し、50μLの緩衝液EB(トリス塩酸)を用いて回収した。3回の繰り返しで抽出したDNAは、その後の反応に十分な量となるように、8つのモダリティー(様相、modalities)全てでまとめた。よって、DNAの量が確保でき、分光光度計(Nanodrop社)を用いて、純度を評価(フミン酸及びタンパク質の欠如)できた。
3.2.バクテリア16S rDNA断片のPCR増幅
TC-3000型(Techne社)サーモサイクラーを用い、ユニバーサルバクテリアプライマーを使って、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を行った。各プライマー0.25μL、10μL のPCT緩衝液10X、MgCl2を1.5mM、dNTP(デオキシヌクレオシド三リン酸)を0.2mM、6UのTaq Polymerase、15〜80ngのDNAマトリックス、減菌水を最終体積100μL、各反応に加えた。PCRに用いたプライマーは、518r(5'- ATT ACC GCG GCT GCT GG- 3' - SEQ ID NO:1)及びGC-338f (5' - CGC CCG CCG CGC GCG GCG GGC GGG GCG GGG GCA CGC GGG GAC TCC TAC GGG AGG CAG CAG-3' - SEQ ID NO:2)であり、バクテリア(約200pb)内の16SリボソームDNAの可変領域V3を正確に増幅した。GC-338fプライマーの5‘末端に付加するGCリッチ配列(GCクランプ)が、DGGEを通してのPCR断片の分離中に全二重らせん変性を阻害した。PCR増幅は、94℃で5分間の初期変性することに始まり、以下の32のサイクルが続く:1)94℃で30秒間の変性、2)54℃で45秒間のハイブリダイゼーション、3)72℃で1.5時間のエクステンション。最後に、72℃で20分間最終エクステンションした。
3.3.PCR生成物の可視化及び定量化
PCR生成物は、1X濃縮のSYBR Safe(Invitrogen社)を用いて2%のアガロースゲルに沈着した。PCR断片はUVプレート上に可視化され、SmartLadder 型の量サイズマーカー、(Eurogentec社)を用いて定量化した。
3.4 DGGE
DGGEアッセイ(変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動勾配)をDCode Universal Mutation Detection システム(Bio-Rad)上で行った。PCR生成物サンプル(100μLたとえば約500 ng)を、TAE(トリス酢酸EDTA) 0.5X中で、8%のポリアクリルアミドゲル上にロードした。30〜70%の線的な変性勾配を有するポリアクリルアミドを得るために、11.2mLの溶液0%(アクリルアミドを20mL、50X のTAEを2mL、水を適量、合計100mL)及び4.8mLの溶液100% (アクリルアミド20mL、50XのTAEを2mLホルムアミドを40mL、尿素を42 g 、水を適量、合計100mL)を混合し、低溶液(30%)を得た。同様に、4.8mLの溶液0%、11.2mLの溶液100%を混合し、高溶液(70%)を得た。60℃で16時間、電圧75Vで電気泳動を行った。泳動後、ゲルをエチジウムブロマイドバスに浸し、UV下で写真を撮影した。外科用メスを用いて、有意なバンドを切り出し、回収した。
3.5.有意なバンドのシークエンシング
バンドに含まれるDNAは、切り出したバンドを、50μLの超純水中で、4℃において一晩置いておくことにより、個別に溶出した。上記プロトコルによりPCRによってバンドを個別に増幅させるために、2μLの溶出液を用いた。PCR生成物それぞれに単一バンドが存在することを確認するために、PCR生成物をDDGEゲル(勾配30〜50%)上の、オリジナル試料の付近に沈着した。この作業を、PCR生成物それぞれに単一バンドが現れるまで繰り返した。純粋PCR生成物をシークエンシング(Gexbyweb、Genome Express社)にトランスミットした。
A.4.DGGE泳動バンドプロファイルの静的分析
1.プロファイルのグラフ分析及び静的分析
ゲルイメージを復元し、Quantity One software v4.6.5 (Biorad社)を用いて分析することで、DGGEプロファイルのバンドを自動的に検出することができるようになった。プロファイルバンドを表すバイナリマトリックスは、以下のように行った:同一ゲルのすべての試料中に検出されうるバンドに関し、バンドが存在する場合には「1」をコードし、存在しない場合には」「0」をコードする。このバイナリマトリックスに基づき、類似係数を用いることで、距離行列(distance matrix)を作ることができる。ここでは、Dice係数(SDice = 2NAB / (NA + NB) :ここで、NA 及び NB はそれぞれ試料A及びBのバンド数を表し、NAB は共通バンドの数を表す)を用いることができる。UPGMA グルーピング (Unweighted Pairwise Grouping with Mathematical Average)及び近接結合法を用いて距離行列を分析することで、そこからすべての異なる試料間の距離を図形的に示す系統樹を推測することが可能になった。
2.配列の分子分析及び系統発生分析
配列のクロマトグラフを復元しChromas LITE software version 2.01を用いて可視化して、配列を手作業で回収できるようにした。BLAST分析を通じてNCBIデータバンクから得られるシークエンスと、上記配列を比較したところ、テスト配列と比較した場合に比べて同一性スコアが最も高い配列を示した。Ribosomal Database Project II Classifierを用いて分類学的地位分析を行った。
CLUSTALWを用いて、得られた配列を、M7部位のバクテリア、TM6の2配列、第一郡シロアリの2配列、NCBIデータベースから入手できる緑色非硫黄細菌の2配列を表す47配列に並べた。配列(140pb)をSEAVIEWプログラムを用いて手作業で回収した。MEGA4を用いてブートストラップ反復を1000回繰り返すことで、最終的には隣接して連結する樹が得られた。
B.結果
実施例1
土壌酵素活性における式(I)の組成物の効果
酵素活性測定の結果全てが[図1]に表されており、それぞれ:全酵素活性([図1A])、酸ホスファターゼ活性([図1B])、アルカリホスファターゼ活性([図1C])、β-グルコシダーゼ活性([図1D])、β-キシロターゼ活性([図1E])、α-グルコシダーゼ活性([図1F])、N-アセチル-グルコサミニダーゼ([図1G])である。
1.A 土壌の存在下
テストした酵素の種類にかかわらず、植物に覆われていない土壌とミミズがいない土壌の間では、式(I)の無機組成物を処理しようがしまいが、大きな上昇は見られなかった。同様に、有害な効果も一切見られなかった。
1.B 土壌及びライグスクの存在下
FDA分解は、式(I)の無機組成物の存在によって影響を受けることはなかった。式(I)の無機組成物の存在下での酸ホスファターゼ、β-グルコシダーゼ、N-アセチル-グルコサミニダーゼの活性は、管理下で測定した場合に比べ、高かった。しかしながら、変動性があるため、見られる差異は5%の誤差であり、重大ではない。一方で、アルカリホスファターゼ、β-キシロターゼ、α-グルコシダーゼの活性は、それぞれ増倍率10、4、4と著しく上昇している。
これらの結果は、植物に覆われている場合には下記であることを示している:
(1)土壌酵素活性において、式(I)の酵素活性の効果がある、
(2)酵素活性がマイナーな酵素にも適用できる、
1.C 土壌とミミズの存在下
式(I)の無機組成物をミミズ(lumbricus)の存在下で土壌に加えたときに、2つの酵素の酵素活性を著しく上昇した。これらの酵素はβ-キシロターゼであり、酵素活性が6倍になり、α-グルコシダーゼは、土壌sec-1 h-1中の対照活性が25から112Ugに上昇した。他のテストした酵素の活性に変化はなかった。
1.D ミミズ及びライグスクの存在下
ミミズ及びライグスクの存在下では、式(I)の無機組成物によって、3の要素によりアルカリホスファターゼの活性が、1.5の要素によりβ-グルコシダーゼの活性が、2.5の要素によりβ-キシロターゼの活性が、4の要素によりαグルコシダーゼの活性が上昇した。
1.E 主成分の分析
この分析は、様々なテストされたモダリティー(様相、modalities)(植物及び/又はミミズ等)に依存する土壌酵素活性における、式(I)の無機組成物の効果の存在を統計的に無効化することを目的とする。
[図2A]に示す相関円は、35%の全分散を表す軸1は、アルカリホスファターゼ、αグルコシダーゼ、β-キシロターゼの活性及びFDA分解により定義されることを示す。21%の分散に対応する軸2は、同様に酸ホスファターゼ、N-アセチル-グルコサミニダーゼ、β-グルコシダーゼの活性より定義される。
[図2B]に示すように、両軸のオブジェクト投影は、式(I)の無機組成物の処理と様々な対照処理の明らかな差異を有する。従って、テストした酵素プロファイルにおける式(I)の無機組成物には実際に効果があることがわかる。
[図1A]〜[図1G]に示す素活性測定の結果は、本明細書の末尾の[表1]に示した。
[表1]の記号は下記を意味する:
“S”は植物に覆われておらず、ミミズもいない土壌を意味し、
“S+M”は、式(I)の無機組成物で処理した土壌“S” を意味し、
“S+V”は、植物に覆われていないが、ミミズはいる土壌を意味し、
“S+V+M”は、式(I)の無機組成物で処理した土壌“S+V”を意味し、
“S+P”は、植物に覆われているが、ミミズはいない土壌を意味し、
“S+P+M”は、式(I)の無機組成物で処理した土壌“S+P”を意味し、
“S+V+P”は、植物に覆われており、ミミズもいる土壌を意味し、
“S+V+P+M”は式(I)の無機組成物で処理した土壌“S+V+P” を意味する。
この研究により、式(I)の無機組成物を加えることで、植物バイオマスの生産性を著しく増加させることができることを実験的に示すことが可能となった。
また、土壌酵素ポテンシャルを有機材料の無機化を最適化するために式(I)の無機組成物を加えることで、主要成分の分析を通じて証明されたことが、確認された。しかしながら、得られた結果は、式(I)の無機組成物の有利な結果は下記に依存することを示している。
1.考慮した酵素
2つのメジャーな活性すなわち本土壌を特徴付ける酸ホスファターゼとβ-グルコシダーゼの活性は式(I)の無機組成物の影響を最も受けている酵素ではない。実際に、こうした有利な効果は、「マイナーな」酵素(土壌でのパフォーマンスではなく、活性レベルに関して)、例えばβ-キシロターゼ、αグルコシダーゼ、アルカリホスファターゼに見ることができる。これは、式(I)の無機組成物によって、他の活性を一切減少させることなく、土壌プロファイルを「再バランス」することができることを意味している。
2.優位なモダリティー(様相、modalities)
実際に、テストしたモダリティー(様相、modalities)(ライグスク/オオミミズの存在又は欠如)に依存すると、得られる結果は明らかに異なる。従って式(I)の無機組成物の効果は、生きている生物(植物/動物)に依存する。この結果は、式(I)の無機組成物は、土壌中のある生物学的活性を刺激する触媒として働くということを強く示唆している。
特に式(I)の無機組成物による単糖類アグロポリマー経路で土壌酵素プロファイルの変化を証拠付けることで、この変化が微生物群の変化により決定されるのかどうかという疑問が生じる。これが、以下の実施例2の目的である。
実施例2
土壌微生物集団における式(I)の無機組成物の影響
PCRで増幅した16S rRNA遺伝子断片(8つのマイクロコムスで得られたもの)のDGGE分析を、細菌集団の遺伝的多様性の変化の可視化と比較し、様々な処理をした。DGGEプロファイルの外観調査によって、細菌集団の数は、土壌に施した処理の結果、実質的な変化はなかった。対照的に、優位な細菌集団は、土壌に施した処理に応じて、かなり異なるようであった。
土壌のみの存在下におけるPRP無機溶液の影響
結果を[図3]に示す。式(I)の無機組成物によって、土壌のみ(プロファイルS)に比較して、細菌集団の構造内で変化が起こる。土壌のみ(in red)の中の支配的な集団は、式(I)の無機組成物を加えた土壌ではもはや支配的ではなかった(バンドが消えたか、薄くなった)。しかしながら、バンドの消失/濃度の減少は、必ずしも関連する分類群(taxon)の喪失と解釈すべきではない。実際に、単に集団の密度に関する変化を反映しているだけかもしれない。というのも、ある集団が増加すると、他の集団を、DGGEを検出できる閾値未満に減少させてしまうことがあるからである。式(I)の組成を加えた土壌では、土壌に既に他の集団が存在したにもかかわらず、支配的に存在するある微生物集団が見られた(in green)。これは、組成(I)の存在下でのこの集団の成長か、土壌にのみで存在していた集団が衰退したかどちらかを示唆していると考えられる。この最後の仮説は、組成(I)で処理した土壌、すなわちモジュレータとして働く土壌サンプルのバンド濃度プロファイルがより相同(homogenous)であるという事実により確認できるだろう。
ライグラスの存在下におけるPRP無機配合物の効果
結果は[図4]に示す。ライグラスの存在下(プロファイルS+P)で、微生物集団の構造が、土壌のみの場合に比べ、劇的に変化した。支配的な集団の中で、土壌のみでは見られなかったかなり優位な集団(バンド9)が観察された。
ライグラスの存在下で組成物(I)を加えることで、これらの支配的な集団は見ることができなくなった。このプロファイルの中で最も濃く見えるバンドEは、組成物(I)の存在下で活性化したか、ライグラスのみの存在下で支配的であった集団が衰退した結果支配的になったかのいずれかであろう。
従って、組成物(I)は間違いなく土壌に存在する微生物集団においてモジュレータとして働くことが見てとれる。
ミミズの存在下におけるPRP無機配合物の効果
結果を[図5]に示す。ミミズの存在下(プロファイルS+V)で、土壌中の細菌集団も再設計されたようである。かなり多くのバンドが共通であるが、集団の相対比率はかなり修正された。特筆すべきは、ミミズの存在下における3つの支配的な集団である(バンド1、4、7)。
ミミズの存在下で組成(I)を加えた結果、集団間でいまだはっきり異なった構造を有していた。プロファイルS+Vに共通の集団が実際に観察できたら、それらの相対比率は変化していると考えられる。実際に、バンドAと6に対応する集団の支配は少なく、一方でバンド3に対応する集団は、組成(I)の存在下で支配的になった。このバンド3は、プロファイルS+V(配列参照)で検出されるバンドCには対応しない。
濃いバンド、すなわち支配的なグループは存在するが、組成(I)の存在下におけるすべてのプロファイルのについて、PRP効果は、比較的均一な密度を有する微生物個体群の高い多様性として表されることが観察できる。この場合、組成(I)は、ミミズの存在下でもモジュレータの役割を果たすことが見てとれる。
ライグラス及びミミズの存在下におけるPRP無機配合物の効果
結果を[図6]に示す。ライグラスとミミズの組み合わせ(プロファイルS+V+P)は、土壌中のみ(プロファイルS)と比較して、細菌集団に実質的な効果を有する。バンドDと8に対応する集団が支配的になった。
ライグラス及びミミズの存在下で組成(I)を加えた結果、細菌集団が劇的に変わった。バンドDと8に対応する集団はもはや支配的ではなく、他の集団(in green、配列は得られていない)は組成(I)を通じて直接活性化したか、他の集団が衰退した利益を受けたかのいずれかであろう。この場合、他のモダリティー(様相、modalities)に見られる組成(I)の調節作用(modulating effect)はあまり際立っていない。
実施例3
支配的細菌集団における式(I)の無機組成物の効果の特異性
バンドの存在(すなわち細菌集団の存在)及びその濃度を考慮しつつ各種処理について類似の研究を行った([図7])。この分析は下記の2つのシナリオからなる:
(1)組成物(I)の効果はあまり無い。この場合、組成物(I)を含まない土壌の細菌プロファイルは組成物(I)で処理した同じ土壌の細菌プロファイルとかなり類似するであろう。[図7]に示す類似系統樹において、これら2つのmodalitiesは起源を同じにするか、近接する。
(2)組成物(I)の効果が著しい。この場合、組成物(I)で処理した土壌の細菌プロファイルの類似係数は、組成物(I)で処理していない同じ土壌の細菌プロファイルに比べて低い。系統樹におけるそれぞれの位置は比較的相互に離れている。
[図7]に視覚的に示す分析は、土壌(S)及び組成物(I)で処理した土壌(S+M)同じクラスタレベルに属することを表している。これは、オオミミズも植物もない土壌において、組成物(I)は他のテストした処理に比べて、比較的控えめな効果に収まっていることを意味する。
一方で、組成物(I)の効果は、ミミズとライグラスを含む土壌(S+V+P+M)において、非常に明白である。すなわち、この処理は他の処理、特に組成物(I)がなくミミズ/植物を含む処理(S+V+P)とはかなり異なるからである。これは、特に後者がライグラスと組成物(I)を含む土壌(S+P+M)とは比較的異なるため、ライグラスを含む土壌(S+P)にも見られる。ミミズを含む土壌(S+V)は、ミミズと組成物(I)を含む土壌(S+V+M)と比べて、効果は否定できないが、あまり際立ってもいない。
実施例4
支配的細菌集団に対応する16S rDNAの配列決定による同定アッセイ
シークエンシングに用いるDGGEゲル
[図8]はDGGEゲルを回収し、精製し、シークエンシングした様々なバンドを表している。これらのバンドは、比較的プロファイルの濃度が高いため選択された。なお、精製に難があったため、優位なバンドにもシークエンスできなかったものがあった。
土壌(S)/土壌+PRP(S+M)のウェル配列の比較
組成物(I)(S+M)加えた土壌(S+M)において、ひとつの細菌集団が支配的に示された(バンド15)。BLAST分析では、この群と不可耕細菌分類群、すなわち形態学的に非同一構造の群(Access number Genbank: EF 157158. 同一性パーセント: 97%)とを比較した。RDPII Classifier(http://rdp.cme.msu.edu/classifier/classifier参照)によれば、こうした集団は、割り当て率91%を有するバクテリア部位TM7に関連する可能性がある。上記のこの部位は周囲に広く分布する部分を有する。土壌では部位TM7の細菌は、根圏及び泥炭層中に証拠付けることができる。
土壌+ライグラス(S+P)/土壌+ライグラス+PRP(S+P+M)のウェル配列の比較
バンド9の16S rDNAのシークエンシングではライグラスを含む土壌に極めて支配的なこの集団を同定することができない。実際に、BLAST分析(access number Genbank EU134275. 99% の同一性)によると、最も類似する配列はプレーリー土に由来する未同定の細菌クローンに対応する([表2]参照)。
ライグラスの存在下で組成物(I)を加えることで、バンドEは最も濃くなったようである。16S rDNAシークエンシングは、比較的近隣の配列はアクセス番号EU283406(98%の同一性, 活性スラッジに由来する集団)に対応することを示している(表2参照)。RDPII Classifierによれば、この集団は、割り当て率97%を有する細菌分裂TM7に関連する。
土壌+ミミズ(S+V)/土壌+ミミズ+PRP(S+V+M)のウェル配列の比較
ミミズを含む土壌(S+V)に関しては、分子分析及び分類学的地位分析によれば、3つの集団(バンド1、4、7)が細菌分裂TM7(それぞれの近隣の配列: AN EU283406, 98%の同一性; AN AJ232811, 99%の同一性、AN AF269024, 99%の同一性)に関連する([表2])。系統発生分析([図2])により、これらの分類が確認できる。農業用土壌に由来する配列DQ 828869(同一性98%)と類縁にあるが、集団Cは、同定された細菌群と、これまで関連を有していない。
ミミズ+組成物(I)(S+V+M)の場合、プロファイルS+Vに共通の集団が明らかになるが、それらの相対比率は変化すると考えられる。実際に、例えば、バンドA(idem 1, division TM7)に対応する集団は、PRP無機生成物の存在下では、より支配的ではない。一方で、バンド1、4、7に対応する集団は、プロファイルS+Eにおいて支配的に際立っているのに対し、プロファイル(S+E+M)の支配的集団は、バンド6(比較的近隣の配列: AN AF269024, 99%, division TM7)及び3(比較的近隣の配列: AN AY820689, 99% identity, division TM7)に対応する集団である。
土壌+ミミズ+ライグラス(S+V+P)/土壌+ミミズ+ライグラス+PRP(S+V+P+M)
なお、興味深いことに、試料S+V+PにおいてバンドDに対応する集団(プロファイルS+V+Pにおいて優位)は、バンドE(プロファイルS+P+Mにおいて優位)、1(プロファイルS+Vにおいて優位)、A(プロファイルS+P+Mにおいて優位)に対応する集団と同一(あるいは非常に類似)であり、すなわち、division TM7に関連する細菌である。ミミズ/ライグラス混合(S+V+P)において、バンド8に対応する他の支配的集団は、分子的に同定できなかった。BLASTによって見つかった比較的近隣の集団は、実際は、アメリカヤマナラシ(AN EF020305. 、同一性97%)に関連する土壌に由来する未同定細菌群であり、RDPII分類学的地位によって部位の配列と関連することはできない。
PRP無機生成物(S+V+P+M)のサンプルにおいては、バンドDと8に対応する集団はもはや支配的ではなく、DNAを生成することができない他の集団(最も濃いバンド)も、PRP無機溶液を通じて直接活性化するか、衰退した他の集団の利益を受けたと考えられる。
実施例に見られる分子生物学的結果によれば、酵素活性における変化は微生物群において起こる変化と関連していることは否定できない。従って、式(I)の無機組成は生物作用を有することが確認できる。しかし、この生物作用は、自らの活動範囲(根圏及びミミズの隠れ穴のライニング(drilosphere))を通じて微生物相に影響を与えることで知られる植物やミミズなどの生物に依存する。従って、微生物群の変化は(i) 式(I)の無機組成の変化と、(ii)ある生物の変化以下の二重のプロセスによる。
実施例5
植生バイオマスの生成における式(I)の無機組成物の効果
結果を[図10A]及び[図10B]に示す。
式(I)の無機組成物の存在下におけるライグラスの生成により、バイオマス乾燥重量の劇的な倍加が可能になった。ミミズの存在下でも、同様の傾向が見られた。
Figure 2011529132
Figure 2011529132

Claims (9)

  1. 下記の式(I):
    炭酸カルシウム 4.58〜77.8重量%
    ドロマイト 3.85〜69.29重量%
    塩化ナトリウム 5.7〜12.4重量%
    リグノスルフェート 4.25〜8.49重量%
    硫酸カリウム 0.37〜2.44重量%
    酸化マグネシウム 0.01〜0.07重量%
    元素状硫黄 0.009〜0.066重量%
    から成る固体無機組成物(上記の各化合物の重量百分率は上記無機組成物の乾燥全重量に対する百分比)の、(i)ホスファターゼ、(ii)β−キシロシダーゼ、(iii)α−グルコシダーゼおよび(iv)β−グルコシダーゼの中から選択される土壌中に含まれる少なくとも一種の酵素の活性を増加させるための土壌の肥沃度向上での使用。
  2. 固体無機組成物が(i)アルカリホスファターゼ、(ii)β-キシロシダーゼ、(iii)α−グルコシダーゼおよびβ-グルコシダーゼの中から選択される少なくとも一つの酵素の活性を1.5倍、好ましくは少なくとも2倍に増加させる請求項1に記載の使用。
  3. 上記固体無機組成物がホスファターゼの活性を少なくとも2倍に増加させる請求項1に記載の使用。
  4. 上記固体無機組成物がβ−キシロシダーゼの活性を少なくとも2倍に増加させる請求項1に記載の使用。
  5. 上記固体無機組成物がα−グルコシダーゼの活性を少なくとも2倍に増加させる請求項1に記載の使用。
  6. 上記固体無機組成物がβ-グルコシダーゼの活性を少なくとも2倍る増加させる請求項1に記載の使用。
  7. 上記無機組成物が、土壌中に存在するバクテリアタクソン(taxons bacteriens)の優性比(rapports de predominance)を検出可能な程度に変化させる請求項1に記載の使用。
  8. 上記固体無機組成物が土壌の植物バイオマスの生産を少なくとも1.5倍増加させる請求項1または2に記載の使用。
  9. 肥沃化すべき土壌中に式(I)の無機組成物をm2当たり少なくとも0.01kg且つ0.10kg/m2までの量、好ましくは0.02〜0.04kg/m2の量だけ加えられる請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
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