JP2011525598A - 油圧式ハイブリッドターボ変速機 - Google Patents
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Abstract
変速機を改良して、動力源から操作ユニットに動力を伝送する。ポンプは、動力源から入力したエネルギーを流体または気体に伝送する。第1のタービンは、出力軸に固定され、複数の別のタービンが一方向オーバランニングクラッチまたは多板クラッチに固定される。このようなクラッチは、出力軸に固定され、各タービンの後には、流体または気体を排出するマルチバルブが備わる。全多段タービンの後では、第1の遊星ギアセットによって、車両または操作ユニットに変速機を接続する。第2の遊星ギアセットは、最後のタービンと第1の遊星ギアセットの間に配置される。ブレーキ時では、遊星ギアセットは、タービンの方向を反転させ、タービンをポンプに変え、高圧アキュムレータに低圧流体がポンプで送り込まれる。
【選択図】図8
【選択図】図8
Description
本願は、2008年6月24日に提出した米国特許同時係属出願第12/145,469号の一部継続出願であり、その全体を引用して本願明細書の一部とする。
本発明は、車両とモータとの間の動力伝達性を改善し、ブレーキ系からのエネルギーを回収する構成に関する。特に、本発明の油圧式ハイブリッドターボ変速機は、入力軸を備え、この入力軸は、動力源及び、入力軸とともに回転するように構成されるポンプに接続される。油圧ポンプは、動力源から入力したエネルギーを流体に伝送する。変速機は、出力軸と多段タービンを互いに一列になるように備える。第1のタービンは、出力軸に固定され、残りのタービンが一方向オーバランニングクラッチまたは多板クラッチに固定され、このようなクラッチは、出力軸に固定され、各タービンの後には、流体または気体を排出するマルチバルブがある。多段タービンの後には、前進駆動(D)からニュートラル(N)または後退駆動(R)に車両の操作を誘導する遊星ギアセットがある。回収したエネルギーは、高圧アキュムレータに格納される。
通常、今日使用されている自動変速機のほとんどが、複雑なシステムと変速機の重さのせいで燃料消費が高く、経済的に運転する条件を満たしていない。手動変速機及び自動変速機のほとんどが、本質的に機械的であり、変速機の速度やトルクは、一時的に車両または他の手段に必要な速度やトルクに合致しない。変速機は、車両の速度に合致しても、車両に必要なトルクより大きくなるか小さくなるトルクを生成することから、エネルギーの一部が損失する。
油圧式ハイブリッドターボ変速機が、油圧式変速機で、無段変速機であることから、速度とトルクは車両に必要な速度とトルクに合致するようになり、エネルギー損失が少なくなる。
最新の自動変速機は、4つ以上の多板クラッチを使用し、クラッチ板は、目の荒い摩擦材の面を備える。多板クラッチが繋がっていない場合、円板はエンジンまたは変速機の出力で作動することから、各円板は円板ポンプとして作動し、変速機でエネルギーを消費し、熱を生成する。最新の自動変速機及び手動変速機は8つを超えるギアを使用し、ギアが、出力軸や入力軸に係合してもしなくても、作動している場合は、ギアの歯によってポンプとして作用し、変速機でエネルギーを消費し、熱を生成する。本願明細書では、典型的な実施例または油圧式ハイブリッドターボ変速機ユニットが提供される。
油圧式ハイブリッドターボ変速機は、変速機であり、ブレーキ時に回収したエネルギーを蓄える低圧ストレージ及び高圧アキュムレータを使用してエネルギーを回収することができる。
本願の発明者の先行出願である特許文献1は、最初の特徴と機能のいくつかを提供し、本願では、これを更に改善し、精緻化している。
1959年6月16日のR.L.Smirlらによる特許文献2と、1957年11月12日のM.P.Wintherによる特許文献3は、粘性流体が2つの羽根の間で動力を伝送する単段油圧式変速機を開示している。この2つの特許文献は、モータの回転速度を引き起こし、エンジンを駆動輪に接続するトルクコンバータの初期段階を開示している。このような変速機によって動力伝達を開示しているが、多段速度ギアボックスにより単一の速度にのみ制限される。
1964年3月9日のJ.Boschによる特許文献4は、流体変速システムを開示している。流体変速システムは、間隙によって隔てられた2つの対向するタービンを使用する。エンジン速度及び間隙距離は可変であり、モータと従動輪との間の更なる速度変化を提供する。この特許文献は、更に速度を変化させるシステムを開示しているが、変速機には、ギアが1つあるのみで、速度制御の範囲が制限される。
1978年7月18日の特許文献5は、入力軸とギア系との間に流体力学的なトルクコンバータを備える自動変速機を開示している。トルクコンバータと再係合する前に、トルクコンバータはギア系から解放され、ギア比を変化させることができる。この特許は流体力学的なトルクコンバータを使用しているが、依然としてギアを用いて入力軸と出力軸との回転比を変化させている。
1986年11月25日のHarry H.Levitesによる特許文献6は、複数のタービンを使用する流体動力式のタービンを開示している。複数のタービンが、先細り状の筐体に構成され、流体は断面積が小さい領域を通過するため、筐体内の流体の速度は増大し、これにより、先細り状の筐体の更に下方に配置される各タービンの回転速度を増大させる。この特許は複数のタービン羽根の使用について記載しているが、蒸気タービンとして作動し、システムに入る蒸気から動力を発生させている。タービンを回転する圧力は、タービン間ではなくシステムの外側で生成される。
2005年1月27日に公開されたRodney Singhによる特許文献7は、油圧式駆動システム及び改善したフィルタサブシステムを開示している。この油圧式駆動システムはタンクに加圧流体を格納するアキュムレータを使用し、加圧流体はのちに車両を駆動するのに使用される。この出願は、ストレージタンクを示しているが、流体はブレーキ系から加圧されず、更には第2のポンプを使用して格納圧力を増大させることはない。このシステムには、分離系統として変速機、ポンプ及びポンプ/モータが必要である。
2008年3月4日のCharles Gray Jr.による特許文献8は、統合型の油圧駆動モジュール及び四輪駆動を備えた油圧式ハイブリッド車両及びその操作方法を開示している。駆動システムは、モータを用い、二輪駆動車両または四輪駆動車両である車両を駆動する油圧動力を供給する油圧ポンプを駆動する。油圧アキュムレータが二段ポンプを通過させて格納圧力を増大させることはない。このシステムには、分離系統として変速機、ポンプ及びポンプ/モータが必要である。
2006年8月1日のChris Terlakによる特許文献9は、油圧式ハイブリッド車のポンプ/モータ運転モードスイッチング制御を開示する。この特許は、車両が加速しているか停止しているかにより、2つの運転モードの間で油圧ポンプ/モータが変化できることを開示している。ブレーキペダルが押下されると、モータはポンプに変化し、リザーバータンクに油圧流体を加圧し、のちに加圧流体は車両を加速するのに使用される。この用途では、回生ブレーキからの流体を加圧するがシステムは二段ポンプを備えず、更には駆動輪の変速機としてモータを使用していない。このシステムには、分離系統として変速機、ポンプ及びポンプ/モータが必要である。
必要とされるものは、個別に制御され、一方向クラッチによって出力軸に接続される複数のタービンを備える変速機である。本願は、ブレーキ系からエネルギーを回収するのにポンプやモータを必要としない簡便な単一ユニットによって、解決をもたらす。提案する解決法は、ポンプ/モータまたはポンプとして作動する簡便な単一ユニットである。このため、ポンプ/モータまたはポンプなどの外側ユニットを必要としない。
本発明の課題は、熱を発生させ、エネルギー損失をもたらす摩擦円板クラッチまたはギアを用いずに作動する油圧式ハイブリッドターボ変速機を提供することである。
本発明は、最新の自動変速機より簡便で、構成部品が少ない油圧式ハイブリッドターボ変速機を創出することを課題とする。制御装置1つのみがいくつかのソレノイド弁とともに使用され、ソレノイドは変速機モジュール(TCM)によって制御され、変速機は自動変速機として作動する。ソレノイド弁を手動変速機として作動するように手動で操作するか、TCMによって操作することによって、手動シフトができる。本発明は、最新の自動変速機または手動変速機より操作が簡便であるものの高価ではない。
本発明の別の課題は、トルクコンバータを除外する油圧式ハイブリッドターボ変速機を提供することである。油圧式ハイブリッドターボ変速機にトルクコンバータを必要としないことから、効率損失が抑えられ、重量も減少するため、多くのエネルギーが節約される。
本発明の別の課題は、タービン羽根の表面領域及び/または角度を換えることによって、及び/または、トラック、トラクタまたはブルドーザなどの重量装置において2つ以上のポンプを一列に使用することによって、小型車両から大型車両に至る全車両で使用される油圧式ハイブリッドターボ変速機を提供することである。
本発明の更に別の課題は、動力源としてモータを使用し、ポンプ駆動装置などの用途に使用される油圧式ハイブリッドターボ変速機を提供することであり、油圧式ハイブリッドターボ変速機は、ポンプなどの用途に用いる可変トルク駆動または可変速駆動として作動する。
本発明の更に別の課題は、外側のポンプ/モータの必要とせず、車両のブレーキ系からエネルギーを回収するように作動する油圧式ハイブリッドターボ変速機を提供することである。
本発明のさまざまな目的、特徴、態様や利点が、本発明の好適な実施形態に関する以下の詳細な説明と、類似の符号が類似の構成要素を示す添付の図面によって、より明らかとなる。
図1は、エンジンと車両との間で接続される油圧式ハイブリッドターボ変速機のブロック図である。このブロック図では、油圧式ハイブリッドターボ変速機30にエンジンまたはモータなどの動力源20が接続される。変速機内には、ポンプ40があり、タービン50、次にギアセット120に流体が連動する。次に、油圧式ハイブリッドターボ変速機30は、車両などの操作ユニット21に接続される。低圧流体ストレージ16及び高圧流体アキュムレータがある。
図2は、ブレーキ時の油圧式ハイブリッドターボ変速機のブロック図である。このブロック図では、油圧式ハイブリッドターボ変速機30にエンジンまたはモータなどの動力源20が接続される。変速機内には、ポンプ40と、第2のギアセットにより、軸部でタービン50の反回転によってポンプとして作動するタービン50に流体が連動するように作動するタービン50がある。低圧流体ストレージ16及び高圧流体アキュムレータ17がある。次に、油圧式ハイブリッドターボ変速機30は、ポンプまたはその他の用途などの操作ユニット21に接続される。
図3は、油圧式ハイブリッドターボ変速機のシステム動力曲線を示すグラフである。左側の垂直軸71はポンプの落差(ft)である。右側の垂直軸73は出力軸上のタービンのトルク(lb−ft)である。上側の水平軸70はタービンの速度Nを毎分回転数(rpm)で示す。下側の水平軸72はポンプまたはタービンの体積流量Qをガロン/分(GPM)で示す。実線の曲線74は、さまざまなN、rpmでのポンプのシステム曲線を示す。破線の曲線75は、タービンのシステム曲線を示す。このような曲線から、第1のギアの曲線76は、作動中の第1のギアを示し、タービン1(T1)、タービン2(T2)及びタービン3(T3)を示す。第2のギアの曲線77は、作動中の第2のギアを示し、タービン1(T1)及びタービン2(T2)を示す。第3のギアの曲線78は、作動中の第3のギアを示し、タービン1(T1)を示す。タービン及びギアに関しては、4A〜4Dに更に詳細に記載する。
図4A〜4Eは、3段ギア式の油圧式ハイブリッドターボ変速機と、タービンを通る流体の流れを示す図である。図4Eに示す図は、3つのソレノイドの動作によって3つのタービンに流れがあることを示している。ソレノイドは、ONまたはOFFを示し、動作したり動作しなかったりすることによって、ポンプ40からタービン51〜53に気流を流したり流さないようにする。いずれかのソレノイド弁がON(閉じている)場合、ソレノイド弁には流れはなく、ソレノイド弁がOFF(開いている)場合、ソレノイド弁には流れがある。図4Aはソレノイド1がOFFであり、ソレノイド2及び3がONである場合の第3のギアを示す。入力軸26が、タービン(T1)51に出力流25を供給するポンプ40を回転させる。ソレノイド2及び3がONのため、タービン(T2)52または(T3)53には流れはない。これらのタービンのローラクラッチによって、タービンが出力軸90で自由に回転することができる。図4Bはソレノイド3がOFFであり、ソレノイド1及び3がONである場合の第2のギアを示す。入力軸26が、タービン(T1)51及び(T2)52に出力流25を供給するポンプ40を回転させる。ソレノイド2がOFFのため、気流はタービンまたは(T3)53には流れはない。このタービンのローラクラッチによって、タービンが出力軸90で自由に回転することができる。図4Cはソレノイド3がOFFであり、ソレノイド1及び2がONである場合の第1のギアを示す。入力軸26が、タービン(T1)51、(T2)52及び(T3)53に出力流25を供給するポンプ40を回転させる。戻り流24はタービンからポンプ40に戻る。図4Dは、タービンがブレーキ時にポンプとして作動することを示している。ブレーキ時に、タービンはポンプとして作動する。ブレーキ時に、タービン軸は、第2の遊星ギアセット120(図11に示す)によって逆方向に回転し、タービンはポンプシステムとして作動するようになる。エンジンがポンプ40を回転させ、ブレーキ系はポンプ1、2及び3を回転させ、高圧流体25に対して低圧流体40をポンプで送り、アキュムレータ17に入れる。
図5は、3段ギア式の油圧式ハイブリッドターボ変速機の垂直断面図である。油圧式ハイブリッドターボ変速機は、本質的には丸形であり、この図の上部に示す構成要素をこの図の底部にも示す。図15及び16は、油圧式ハイブリッドターボ変速機の周りに1セットの3つのバルブの断面図を示し、この3セットには、それぞれ8つのバルブがあり、バルブが8つより多くても少なくても使用できることが想定される。回転軸受27、28及び29は、さまざまな入力軸26と出力軸90を支持し、動力は、入力軸26、ポンプ、油圧式ハイブリッドターボ変速機、出力軸90及び91に伝達される。1つまたは複数のスラスト軸受33が、受けるスラストからタービンを適切な位置に維持する。動作中、入力軸26はモータなどによって回転する。入力軸26が回転することにより、ポンプ40を回転させる。流れ37の一部が、バルブ61〜63を制御するソレノイド81〜83を操作するのに使用され、タービン51〜53の1または複数を回転させる。バルブ61〜63は、ばね69によって開いた状態で維持される。
最初に、ポンプ40からの出力流25は、タービン51に対して押し進み、このタービンを起動する。タービン51からの出力流は、ノズル112を通ってタービン52に送出され、このタービンを起動する。次に、この流れはノズル113を通ってタービン53に送出され、このタービンを起動し、流れ24はノズル111を通ってポンプに戻る。ポンプ40の後の圧力は、ノズル112の圧力より大きくなる。流体が各タービンに流れるにつれて、連続するタービンのそれぞれの圧力は徐々に低下する。具体的には、ノズル112の圧力がノズル113の圧力より大きく、ノズル113の圧力はタービン53の後に圧力より更に大きくなる。
この図では、バルブ81が閉じていることから、流れ37がバルブ82及び83のみを通ることを示す。ソレノイド82及び83を通った流れは、次にバルブ61及び62に流れ、ポンプに戻り流24が戻らないようにする。出力流はノズル112及び113を通り、それぞれのタービンを回転させる。タービン52及び53が、軸部を回転させる一方向クラッチ101及び102によって軸部に接続され、タービンには流れがあるか、不十分に流れがある場合は、軸部でタービン52及び53を自由回転させる。2つの遊星ギアセット120が油圧式ハイブリッドターボ変速機の後に配置される。図8に、エネルギー回収系を更に詳細に示して記載する。
図6は、5段ギア式の油圧式ハイブリッドターボ変速機の垂直断面図である。この図に示す変速機は、図5に示す変速機とほぼ同じである。主な違いは、この変速機が、3段式変速機をシミュレートする5つのタービンを備え、オーバードライブ36に設定した遊星ギアセットが、入力軸26とポンプ40タービンとの間に常在している点である。ポンプ40からの出力流25は、ソレノイド81〜85とタービンに流れる。この図では、ソレノイド83はOFFであることからバルブ63は開いている。このバルブ63が開くと、戻り流24はポンプ40に戻る。残りのバルブ61、62、64及び65は閉じると、ポンプ40への開口部には流れないようになる。この図では、タービンは一方向クラッチ101〜104によって軸部90に接続される。タービンを通る流れによって、タービンを起動し、クラッチを係合する。流れがきわめて小さいか不十分な場合は、タービンは軸部で自由回転する。
図7は、5段ギア式の油圧式ハイブリッドターボ変速機のシステム曲線を示すグラフである。遊星オーバードライブギアがエンジンとポンプとの間に常在しているため、ポンプ74の速度がエンジンの速度より速くなる点を除き、この図に示す変速機は、図3に示して記載する3段式変速機とほぼ同じである。
図8は、図11に示して記載する2つの遊星ギア120を備える5段ギア式の油圧式ハイブリッドターボ変速機を示している。第1のギアセットは、車両の前進モード、ニュートラルモード及び後退モードで使用される。また、第2のギアセットはタービンの運転に使用される。通常動作では、ギアセットは前進モードにあり、タービンはモータとして作動する。ブレーキがかかると、ギアセットは後退モードにあり、タービンはポンプとして作動する。ブレーキモード時には、ポンプ40は、エンジンからのエネルギーを回収動力として使用し、ポンプ(タービン/ポンプ)はブレーキ系からエネルギーを使用する。ポンプはいずれも、低圧流24を用い、導管、管路または配管137及び139を通して出口流25を高圧アキュムレータ17に送出する。導管139は、チェックバルブ93とブレーキ時に開くバルブ79とを備える。車両のアクセルペダルが押下されると、バルブ97が開き、高圧流体が絞り弁97、チェックバルブ93を通って変速機に流れ、タービン101〜104を回転して車両を動作させる。
図9は、駆動モータを備え、リザーバータンクと高圧ストレージタンクを有する5段ギア式の油圧式ハイブリッドターボ変速機を示している。これは、油圧式ハイブリッドターボ変速機の別の好適な実施形態であり、低圧流体ストレージタンク16は、油圧流体を保持し、システムに供給する。また、この実施形態には、高圧流体アキュムレータ17がある。ブレーキがかかると、バルブ79は開き、ポンプ40から配管137を通して第2のポンプ87内に油圧流体が送出され、第2のポンプ87は、油圧流体の圧力を更に増大させる駆動装置86によって駆動され、高圧アキュムレータ17に高圧流体を送出する。ユーザーが車両のアクセルを踏むと、バルブ79が閉じ、絞り弁97が開き、高圧の油圧流体が配管または管137を通して油圧式ハイブリッドターボ変速機に戻され、変速機を回転させて車両を推進する。
図10は、1つの遊星ギアを備え、ポンプ/モータ88を有する5段ギア式の油圧式ハイブリッドターボ変速機を示す図である。油圧式ハイブリッドターボ変速機のこの実施形態では、低圧流体ストレージタンク16は、油圧流体を保持し、システムに供給する。ストレージタンクから油圧式ハイブリッドターボ変速機の本体に、配管11によって油圧流体が供給される。また、この実施形態には、高圧流体ストレージタンクアキュムレータ17がある。ブレーキがかかると、バルブ94は開き、ポンプ40から配管139を通して第2のポンプ/モータ88内に油圧流体が送出され、第2の第2のポンプ/モータ88は、油圧流体の圧力を更に増大させる駆動装置86によって駆動され、バルブ92を通って高圧リザーバーアキュムレータ17に高圧流体を送出する。ユーザーがアクセルを踏むと、バルブ89及びバルブ97は閉じ、絞り弁97が開き、高圧の油圧流体は配管または管138を通してポンプ/モータ88に戻され、出力軸90を回転させる駆動装置86を回転させて車両を推進する。バルブ89及び97は開き、バルブ92及び94は閉じる。
図11は、2つの遊星ギア装置120の垂直断面図を示している。第1のギアセットは、運転モードで使用され、多板クラッチ32を係止する。後退モードでは、ブレーキバンド127が係止される。ニュートラルモードでは、多板クラッチ32とブレーキバンド127が自由な状態であり、この系には、多板クラッチ32、遊星ギアキャリヤ35、遊星ギア107、サンギア108及び一般にみられるリングギア105に対して押すピストン109がある。リングギア105には、リングギア105が一方向にのみ回転される一方向クラッチがある。第2の遊星ギアは、前進モードに使用され、多板クラッチ32を係止することによってタービンがモータとして作動する。後退モードでは、ブレーキがかけられると、タービンはポンプとして作動する。ブレーキバンド128を係止し、円板クラッチ32を解放することによって、後退モードは実行される。
図12は、1つの遊星ギアセット119の横断面図を示し、図11に示して開示する第1のギアとほぼ同じである。
図13は、バルブが閉じた状態の油圧式ハイブリッドターボ変速機の1つのタービンの正面断面図である。図9は、バルブが開いた状態の油圧式ハイブリッドターボ変速機の1つのタービンの正面断面図である。油圧式ハイブリッドターボ変速機の周りに8つのバルブ62a〜62hが存在していることを示しているが、バルブが8つより多くても少なくても使用できることが想定される。図8では、ソレノイド82が開いていて、全バルブ62a〜62hに流れが入り、バルブを押して閉じる。この配置では、タービン52(図示せず)の後の開口部から流れが遮断される。図9では、ソレノイド82は閉じていて、全バルブ62a〜62hから流れが遮断されることから、タービン52(図示せず)の後に開口部に流れ39が通るようになる。図14では、ばね69はバルブを開いた状態に維持することを示している。
図14は、速度タービンを被駆動軸に接続する一方向オーバランニングクラッチまたはローラクラッチの部分斜視図である。この図は、軸部90の周りに接続される複数のドグまたはスプラグ130を使用する一方向クラッチの想定される実施形態を示す。タービン132が一方向に回転すると、ドグまたはスプラグ130は、軸部90を把持して軸部を回転させる。タービン132が停止するか、逆方向に回転133すると、ドグまたはスプラグは、軸部を解放し、軸部90でタービンを自由に回転させる。ドグまたはスプラグを示して記載したが、このほかにも多くの一方向クラッチまたは軸受が同等に作動することが想定される。
図15は、速度タービンを被駆動軸に接続する多板クラッチの部分斜視図である。図16は、油圧式ハイブリッドターボ変速機に使用される多板クラッチの垂直断面図である。図16は、軸受131を介して多板クラッチ板32に接続される軸部90を示す。図17には、多板クラッチパック32を詳細に示す。この構造は、ポンプから出る出力流25の圧力を用い、出力流25を開口部138に流し、ピストン139を押し、円板クラッチ141を係止する。動作するクラッチ板には、出力軸90を回転運動133させるタービン羽根132がある。開口部138に入る出力流25のほかにも、ノズル140を通る流れがある。
図17は、軸受131によって出力軸部90に接続される多板クラッチを備えるタービンの部分断面図を示す。タービンの前後の圧力差が、タービンを回転させ、多板クラッチを係止するのに十分あれば、動力は出力軸部90に伝達する。圧力25は、タービン132を回転させ、開口部138を通過し、これにより円板クラッチ141に対してピストン139を押し、出力軸部90にタービンを係止する。
以上のように、流体力学的な油圧式ハイブリッドターボ変速機の特定の実施形態を開示した。しかし、本願の趣旨から逸脱することなく、ここで記載したもの以外に多くの改変が可能であることは、当業者には明らかである。そのため、本発明は、本願の特許請求の範囲以外には制限を受けない。
Claims (15)
- 流体を含む内部領域を囲む外側ハウジングと、
動力源に連結され、そこからエネルギーを入力する入力軸と、
少なくとも1つのポンプに連結され、動力源から流体、次に多段タービンにエネルギーを伝送する入力軸と、
そのポンプの前に配置され、出力軸に固定される第1のタービンと、
第1のタービンの後に直列に配置され、少なくとも1つの一方向オーバランニングクラッチまたは多板クラッチによって出力軸に回転可能に固定され、それぞれから出力軸に接続される少なくとも1つの第2のタービンと、
低圧流体を格納する少なくとも1つのストレージタンクと、
各タービンの後に配置され、開くと各タービンの後で流体を放出し、閉じると第2のタービンまたはそれ以降のタービンに流れを通す複数のバルブとを備え、
一方向オーバランニングクラッチがいずれも、第1のタービンと同じ方向に係止され、一方向オーバランニングクラッチによって出力軸に個別に接続される複数のタービンによって自由回転し、出力軸への感知できる抵抗なしに反対方向に回転可能であり、
タービンの前後の圧力差が、タービンを回転させてすべての一方向オーバランクラッチまたは多板クラッチを係止するか、出力軸に動力を伝送するのに十分な場合に、タービンは動力を伝送して、
動力源から操作ユニットにエネルギーを伝送する構成である
ことを特徴とする油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 対応するソレノイドの制御下で開閉し、入力軸と出力軸の駆動比を変化させるバルブのセットが更に備わる
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 各タービンの間にノズルが配置され、他のタービンまたはいずれかの開放弁に流体を送出する
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 開放弁の前のタービンがいずれも、回転駆動した状態にあり、バルブの最後の開いたセットの後の全タービンが、流体が流れていないことによって出力軸で自由回転した状態にある
請求項3に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 各タービンが、羽の大きさ及び/または角度が異なっていて、それによって異なるギア比がもたらされる
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - ソレノイドがいずれも、手動変速機として動作するように手動で作動可能であるか、自動変速機として動作する変速機制御モジュールによって作動可能である
請求項3に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - バルブがいずれも、ソレノイドを介してポンプによって生成される加圧流体により作動する
請求項3に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 後退運転、ニュートラル運転、前進運転をもたらす遊星ギアセット、サンギア、キャリヤ、リングギアが更に備わる
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 変速機が2つの別個の制御装置を用い、1つの制御装置がタービンの運転を制御し、第2の制御装置が車両の後退運転、ニュートラル運転、前進運転を制御する
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 変速機のタービンの数が、ギアの数に対応し、
変速機には少なくとも2つの変速があり、5つの変速を備える変速機は、タービンのうち5つ及びソレノイドのうち5つを備え、第1のタービンの運転が第5のギアまたはオーバードライブギアに対応し、第1と第2のタービンの運転は、第4のギアに対応し、第1、第2及び第3のタービンの運転は、第3のギアに対応し、第1、第2、第3及び第4のタービンの運転は、第2のギアに対応し、第1、第2、第3、第4及び第5のタービンの運転は、第1のギアに対応する
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - タービンが一方向オーバランニングクラッチに接続され、それにより、タービンの前後の圧力差が、一方向オーバランニングクラッチを動作させ、出力軸に係合するのに十分な場合に、タービンは動力を伝送し、多段タービンはいずれも、一方向オーバランニングクラッチによって出力軸に個別に接続される
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - タービンが多板クラッチに接続され、それにより、タービンの前後の圧力差が、多板クラッチを係止し、出力軸に係合するのに十分な場合に、タービンは動力を伝送する
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - ブレーキ系及びエンジンに接続される少なくとも1つの主ポンプからエネルギーを回収する構成を更に含み、
ブレーキ時に油圧流体を受容して格納し、加速時に高圧流体を変速機の第1のタービンに送出するように構成される高圧アキュムレータと、
後退運転、ニュートラル運転、前進運転をもたらす第1の遊星ギアセット、サンギア、キャリヤ、リングギアと、
最後のタービンと第1の遊星ギアとの間に配置される第2の遊星ギアセット、サンギア、キャリヤ、リングギアとを備え、
第2の遊星ギアセットの前に配置されるタービン軸が、第2の遊星ギアセットの後に配置される出力軸と同じ方向に回転し、これにより全タービンがモータとして作動し、
ブレーキがタービン軸にかかると、第2の遊星ギアセットによって反回転し、
これにより全タービンがポンプとして作動し、ブレーキがかかると、バルブが開いた導管を介してアキュムレータに低圧流体を送り込み、
回生ブレーキシステムが、車両の減速からの運動エネルギーを高圧アキュムレータに格納される高圧流体に変換し、
高圧流体は、アクセルペダルまたは車両の車両制御ユニットによって操作される絞り弁を備える導管を通して、第1のタービンに伝送され、
車両が必要に応じて全油圧または部分油圧による車両として動作し、
電気制御及び油圧制御が、ユーザーの操作に基づいてブレーキと車両の車両制御との間で連携する
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - ブレーキ系及びエンジンに接続される少なくとも1つの主ポンプからエネルギーを回収する構成を更に含み、
高圧流体を受容して格納し、高圧流体を変速機の第1のタービンに送出するように構成される高圧アキュムレータと、
車両の減速からの運動エネルギーを高圧アキュムレータに格納される高圧流体に変換する回生ブレーキシステムとを備え、
運動エネルギーは、変速機の後に配置されるポンプを回転し、少なくとも1つのポンプによって初めに加圧された流体を更に加圧してアキュムレータの加圧流体の圧力を更に高くするのに使用され、
アキュムレータからの高圧流体は、アクセルペダルまたは車両の車両制御ユニットによって操作される絞り弁を有する導管を通して、第1のタービンのエンジンに伝送され、
通常動作では、少なくとも1つの主ポンプと変速機の後の第2のポンプとの間に配置されるバルブが閉じ、ブレーキがかかると開き、
車両が必要に応じて全油圧または部分油圧による車両として動作し、
電気制御及び油圧制御が、ユーザーの操作に基づいてブレーキと車両の車両制御との間で連携する
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。 - 主ポンプを通してブレーキ系及びエンジンからエネルギーを回収する構成を更に含み、
圧力下で高圧流体を受容し、高圧流体を変速機の第1のタービンに送出するように構成される高圧アキュムレータと、
車両の減速からの運動エネルギーを高圧アキュムレータに格納される高圧流体に変換する回生ブレーキシステムとを備え、
運動エネルギーは、変速機の後に配置されるポンプ、ポンプ/モータユニットを回転し、変速機の少なくとも1つのポンプによって初めに加圧された流体を加圧してアキュムレータの加圧流体を更に高圧にするのに使用され、
アキュムレータからの高圧流体は、アクセルペダルまたは車両の車両制御ユニットによって操作される絞り弁を有する導管を通して、ポンプ、ポンプ/モータユニットのエンジンに伝送され、
通常動作では、少なくとも1つの主ポンプと第2のポンプ、ポンプ/モータユニットとの間に配置されるバルブが閉じ、ブレーキがかかると開き、
車両が必要に応じて全油圧または部分油圧による車両として動作し、
電気制御及び油圧制御によって、ユーザーの操作に基づいてブレーキと車両の車両制御との間で連携する
請求項1に記載の油圧式ハイブリッドターボ変速装置。
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