JP2011517556A - ポンペ病のための治療選択肢を診断し評価するための検定 - Google Patents

ポンペ病のための治療選択肢を診断し評価するための検定 Download PDF

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Abstract

ここで提供されているのは、ポンペ病患者が特異的薬理シャペロンでの治療に応答するか否かを測定するための試験管内、生体外および生体内方法である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、内容が参照により本明細書に援用されている2008年3月12日出願のU.S. Provisional Application No. 61/035,866に対する優先権を請求するものである。
本発明は、ポンペ病患者が特異的薬理シャペロンによる治療の恩恵を受けるか否かを判定するための方法を提供する。本発明は、1−デオキシノジリマイシン(DNJ)などの薬理シャペロンに対する酸性α−グルコシダーゼ(GAA)多様体の応答性を判定するための複数の細胞べースの試験管内、生体外および生体内方法を例示する。この方法の原位置応用は、ポンペ患者を同定しこれらの薬理シャペロンの投薬についての有用な情報を得る一つの方途をも提供する。組織ホモジネート標本中のGAA活性を正確に測定する新規の方法も同様に、本発明の主題である。
ポンペ病は、およそ40種あるリソソーム貯蔵障害(LSD)の1つである遺伝性代謝性疾患である。LSDは、欠陥加水分解酵素に起因する細胞スフィンゴ糖脂質、グリコーゲンまたはムコ多糖体の蓄積によって引き起こされる一群の常染色体劣性疾患である。リソソーム障害の例としては、ゴーシェ病(非特許文献1)、GM1−ガングリオシドーシス(非特許文献2)、フコシドーシス(非特許文献3)、ムコ多糖症(非特許文献4)、ポンペ病(非特許文献5)、ハーラー・シャイエ病(非特許文献6)、ニーマン・ピック病A型およびB型(非特許文献7)、およびファブリー病(非特許文献8)がある。
全体が参照により本明細書に援用されているFanらに対する特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5にあるように、リソソーム貯蔵障害に関与する数多くの酵素について、特異的薬理シャペロン(「SPC」)戦略が実証されてきた。例えば変異ファブリー酵素α−ガラクトシダーゼA(α−Gal A;GLA)の効能ある競合的阻害物質であるガラクトースの小分子誘導体1−デオキシガラクトノジリマイシン(DGJ)が、試験管内にて中性pHでヒト変性α−Gal A(R301Q)の安定性を効果的に増大させ、それはR301QまたはQ279Eの変異を有するファブリー患者から確立されたリンパ芽球内の変異酵素活性を増強させた。その上、変異(R301Q)α−Gal Aを過剰発現する遺伝子導入マウスに対してDGJを経口投与すると、主要な臓器内で酵素活性が実質的に上昇した(非特許文献9)。特許文献5に記述されている別のイミノ糖、イソファゴミン(IFG)およびその誘導体を用い、かつグルコセレブロシダーゼに特異的なその他の化合物(共に2004年11月12日出願の係属中の特許文献6および特許文献7の中で記述されている)を用いて、ゴーシェ患者細胞由来のグルコセレブロシダーゼ(酸性β−グルコシダーゼ、GBA)の類似のレスキューが記述されてきた。前述の特許文献2は、変異GAAを安定化しポンペ病の治療用の酵素の細胞レベルを増大させることが予想される、1−デオキシノジリマイシン(DNJ)、α−ホモノジリマイシンおよびカスタノスペルミンを含めた複数の小分子化合物を開示している。
しかしながら、前述の通り、SPC療法の成功が期待される候補は、安定化されERから外への輸送を可能にする立体配座へと折り畳まれる潜在性を有する酵素を産出する結果となる変異を有していなければならない。ナンセンス変異などの酵素を激しく切断する変異、またはシャペロンの結合を妨げる触媒ドメイン内の変異は、SPC療法を用いて「レスキュー可能」または「増強可能」となる確率が低い。しかしながら、触媒部位の外にあったとしても特異的変異の応答性を予測することは困難であることが多く、実証的実験を必要とする。その上WBCは培養中(生体外)で短時間しか生存できないことから、GAAのSPC増強についてのスクリーニングは困難である。
SPC療法を効果的に適用するためには治療開始に先立ち、SPC療法に対する応答性について患者をスクリーニングするための広く適用可能で高速かつ効率の良い方法を採用する必要がある。したがって、当該技術分野においては、患者にとってコスト面および情緒面の両方のメリットをもたらすため、治療の決定を下す前にSPCを介した酵素増強のための潜在性を迅速に査定するための相対的に非観血的な方法に対するニーズがなおも存在している。
U.S. Patent No. 6,274,597 U.S. Patent No. 6,583,158 U.S. Patent No. 6,589,964 U.S. Patent No. 6,599,919 U.S. Patent No. 6,916,829 U.S. Patent Application Serial No. 10/988,428 U.S. Patent Application Serial No. 10/988,427
Beutler et al., The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 8th ed. 2001 Scriver et al., ed. pp. 3635-3668, McGraw-Hill, New York id. at pp 3775-3810 The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease 1995. Scriver, C. R., Beaudet, A. L., Sly, W. S. and Valle, D., ed pp. 2529-2561, McGraw-Hill, New York id. at pp 3421-3452 id. at pp. 3389-3420 Weismann et al., Science. 1970; 169, 72-74 The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease 8th ed. 2001. Scriver et al. Ed., pp 3589-3610, McGraw-Hill, New York Id. at pp. 3733-3774 Fan et al., Nature Med. 1999; 5: 112-115
本発明は、一人の患者がSPC療法の候補であるか否かを判定し、任意には治療の成功範囲を評価する目的で、ポンペ病患者に由来する単離したばかりのリンパ球およびモデル哺乳動物の発現系内のGAA活性をSPCの存在下または不在下で評価するための試験管内および生体外検定を提供する。本発明は同様に、その他のタンパク質異常および/または酵素欠損症(例えば嚢胞性線維症、α−1−抗トリプシン欠損症、家族性高コレステロール血症、ファブリー病およびアルツハイマー病の結果としてもたらされるタンパク質欠損症)のための治療選択肢としてのSPCの評価用基礎も含んでいる。付加的なタンパク質欠損症については、全体が参照により本明細書に援用されているU.S. patent application publication 20060153829を参照のこと。
本出願の1つの態様は、ポンペ病を有する疑いのある患者から単離された白血球(例えばT細胞)内のGAA活性を判定することによりポンペ病を診断する改良型の方法に関する。
本出願の第2の態様は、ポンペ病を有する疑いのある患者に由来するリンパ芽球および/または線維芽細胞の細胞系の中のGAA活性を判定することによりポンペ病を診断する改良型の方法を提供している。
本発明は同様に、SPC療法に対するGAAの応答を評価するため単離したばかりの白血球内のGAA酵素活性を原位置で測定する方法、およびさまざまな投薬計画の有効性に関する情報をも提供する。例えば、本出願はさらに、治療期間後にSPC療法に対する生体内GAA応答を評価する方法を提供する。
本発明は同様に、本出願の検定を実施するのに必要とされる構成要素を含む診断キットをも提供している。
本発明はさらに、組織ホモジネート標本中のGAA活性を正確に測定するための方法も提供している。
α−グルコシダーゼ(GAA)酵素内に異なる変異を有するポンペ病患者から単離した患者由来のリンパ芽球に対するDNJの効果を示す。
本発明は、ポンペ病患者に由来する細胞からの酵素活性をSPCが増強するか否かの正確な判定を可能にするためのいくつかの検定を提供する。これらの検定は、患者がSPC療法の候補となるか否かの判定を可能にする。
新しい生体外検定は、充分感度が良く、患者がSPCに適合しているか否かについての関連情報を得るために単離されたばかりの白血球について実施可能である。この検定は、さまざまな基質(例えば当該技術分野において公知の蛍光発生基質、天然グリコーゲン基質または新規蛍光発生基質)を利用し、現行の白血球(WBC)検定よりもさらに感度が良い。
単離された白血球、具体的にはB−リンパ球は、さらなる特徴づけのための補充可能なリンパ芽球細胞系を生成するようにエプスタイン・バーウィルス(EBV)での感染を介して不死化され得る。リンパ芽球細胞系は、非観血的な、新しい試験管内検定を提供し、同様に、疾病を引き起こす公知の変異全てを迅速に評価し、特異的変異を有する患者においてSPC療法が有効であるか否かを判定するための非常に信頼性の高い方法をも提供する。
遺伝子型特定と併用して、両方の検定共、新たに発見されたGAA変異(例えば自然突然変異)がGAAを誤って折り畳ませる原因となっているか、およびSPCを用いて「レスキュー可能で」あるか否かを判定するための方法を提供する。
本発明によると、単離されたばかりの白血球またはリンパ芽球または線維芽細胞系内のリソソーム内でGAA酵素活性を原位置で測定して、患者がSPCに対する応答性をもつか否かについてのデータを提供することができる。この検定は、また、リソソーム内の変異GAA酵素のレベルおよび活性を増大させるための有効な用量または投薬計画を決定することにより、個々の患者について適切な投薬計画を開発し最適化するためにも使用可能である。
本発明の生体内検定は、単離されたばかりの白血球内のGAA活性を測定して、SPC療法に対し潜在性を有する患者を適格または不適格とするため被験薬を受けている間に患者がSPCに応答するか否かを判定する、最小限の観血性しか示さない方法である。
本発明はさらに、組織ホモジネート標本中のGAA活性を正確に測定する方法を提供する。
1−デオキシノジリマイシン(DNJ)で処置した標本中のGAA活性を測定することは、この化合物の残留レベルがGAAを阻害し酵素活性測定値の低下を導く可能性があるため、困難である。本発明は、この阻害の問題を克服し、組織ホモジネート標本中のGAA活性の正確な測定を可能にする新しい方法を提供する。この方法では、糖タンパク質をそれらの末端グルコースおよび/またはマンノース炭水化物を介して結合させるタチナタマメ由来のレクチンタンパク質であるコンカナバリンA(ConA)が使用される。GAAは、小胞体(ER)内で合成されるその他のタンパク質の大部分と同様、コア(N結合とも呼ばれる)炭水化物を含有し、したがって同じくこのレクチンに結合する。本発明の一実施形態は、遠心分離により堆積され得、GAA活性の測定に先立ち1−デオキシノジリマイシン(DNJ)の効率の良い洗い出しを可能にする不溶性マトリクス(例えばアガロースまたはセファロース)に共有結合によりカップリングされるConAを用いる方法である。その上、ConAは炭水化物を介して糖タンパク質と結合することから、ConA結合型N−グリカンと酵素活性部位の間には充分な距離が存在し、したがってなおも基質結合および触媒作用が可能である。この方法は、数多くの異なる細胞型(野生型および患者由来の一次末梢白血球、リンパ芽球線維芽細胞、筋芽細胞および過渡的にトランスフェクトされたCOS−7細胞を含む)ならびに組織ホモジネート(多数の骨格筋および心筋、脳、皮膚などを含む)内のGAA活性を測定するために使用可能である。したがってこの方法は、広範囲の細胞および組織内でGAA活性を測定するために有用である。
その上、ConAの使用は実際、小さな体積上に糖タンパク質を濃縮させることにより検定の感度および精度を改善させることができる。より具体的には、従来の検定は比較的小さい体積(例えば100マイクロリットル)で実施され、基質およびその他の試薬が検定内に付加されることから、付加できる標本の量は典型的にはこの合計体積の一部分(例えば半分未満)でしかない。このことは、検定内に充分な標本(体積)を添加できず、シグナルがバックグラウンドよりわずかに高い(またはそれ以下の)ものであり得、そのためデータの精度が低くなるので、残留活性の低い患者由来の標本の場合、問題が多くなる。ConAを使用することにより、リソソーム酵素などの関心対象の酵素を含め、本質的に全ての糖タンパク質を小さい体積のビーズ上に捕捉することができる。したがって、従来の方法を用いた場合は体積が限定されていることによる制約に起因してわずか50マイクロリットル相当の標本しか検定できないのに対して、この新しい方法では、(ビーズの高い結合能力のため)小さな体積(例えば25マイクロリットル)のConAビーズ上に1000マイクロリッル相当の標本を捕捉し直接これらのビーズを検定することが可能となる。さらに優れたシグナルとしての有効な標本「濃度」が、結果としてもたらされ、最終的に、はるかに正確な酵素活性測定値を与える。この改善された検定は、酵素活性が、線維芽細胞およびその他の細胞型の10分の1であることが多い患者のリンパ芽球について作業を行う場合に特に有用である。
定義
本明細書で使用される用語は、一般に、本発明の文脈内において、かつ各用語が使用される特定の文脈内で、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。一部の用語については、本発明の組成物および方法そしてそれらの使用方法を記述する上で医師に付加的な指針を提供するために、以下で、または本明細書の他の場所で論述される。
酸性マルターゼ欠損症、グリコーゲン貯蔵症II型(GSDII)および2型糖原病とも呼ばれる「ポンペ病」という用語は、グリコーゲンを代謝するGAA遺伝子内の変異を特徴とする遺伝性リソソーム貯蔵障害である。本明細書で使用される場合、この用語には、この疾患の小児型、若年性および成人発症型が含まれる。
「酸性α−グルコシダーゼまたはα−グルコシダーゼまたはGAA」は、グリコーゲン、マルトースおよびイソマルトース内に存在するアルファ−1,4−およびアルファ−1,6−結合−D−グルコースポリマーを加水分解するリソソーム酵素である。代替的名称は以下の通りである:グルコアミラーゼ;1,4−α−D−グルカングルコヒドロラーゼ;アミログルコシダーゼ;ガンマ−アミラーゼ;およびエキソ−1,4−α−グルコシダーゼ、およびガンマ−アミラーゼ。ヒトGAA遺伝子は染色体17q25.2−25.3に位置し、GenBank登録番号Y00839に示されたヌクレオチドおよびアミノ酸配列を有する。GAA酵素の誤った折り畳みまたは誤ったプロセッシングを結果としてもたらす変異としては、(355位のLeuをProに変える)T1064Cおよび(Arg702をCysに置換する)C2104Tが含まれる(Montalvo et al., Mol Genet Metab. 2004; 81(3): 203-8)。さらに、Hermansら、 (Human Mutation 2004; 23: 47-56)は、酵素の成熟およびプロセッシングに影響を及ぼすGAA変異のリストを記述している。かかる変異にはLeu405ProおよびMet519Thrが含まれる。非限定的な一実施形態においては、本発明の方法は、ER内でα−グルコシダーゼの不安定な折り畳みを引き起こす変異に対して有用であると期待されている。
「野生型活性」という用語は、1つの細胞内のGAAの正常な生理学的機能を意味する。例えば、GAA活性には、グリコーゲン、マルトースおよびイソマルトースの中に存在するα−1,4−およびα−1,6−結合−D−グルコースポリマーを加水分解する付随する能力と共に、折り畳みとERからリソソームへの輸送が含まれる。
「野生型GAA」という用語は、ER内で機能的立体配座を達成し、細胞内部で適正な局在化を達成しかつ野生型活性(例えばグリコーゲンの加水分解)を示す、GAAをコードするヌクレオチド配列、および前述のヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド配列(ヒトGAA GenBank登録番号Y00839)、およびGAAポリペプチドをコードするその他のあらゆるヌクレオチド配列(前述のポリペプチド配列と同じ機能的特性および結合親和力を有する)、例えば正常な個体における対立遺伝子多様体を意味する。
「患者」とは、特定の疾病の診断を受けた対象を意味する。患者はヒトまたは動物であってよい。「ポンペ病患者」とは、ポンペ病の診断を受け、そして以下でさらに定義する通り変異を受けたGAAを有する個体を意味する。
本明細書で使用される「変異α−グルコシダーゼ」または「変異GAA」は、改変されたα−グルコシダーゼアミノ酸配列を結果としてもたらす遺伝的変異を含む遺伝子から翻訳されたα−グルコシダーゼポリペプチドを意味する。一実施形態においては、野生型α−グルコシダーゼと比べた場合、ER内に通常存在する条件の下で天然の立体配座を達成しないか、または野生型α−グルコシダーゼと比べて減少した安定性または活性を示すα−グルコシダーゼタンパク質が変異の結果もたらされる。このタイプの変異は本明細書において「立体配座変異」と呼ばれ、かかる変異を担持するタンパク質は「立体配座変異体」と呼ばれる。この立体配座を達成できない場合、結果としてα−グルコシダーゼタンパク質は、タンパク質輸送系内の正常な経路を通して細胞内のその天然の位置までまたは細胞外環境内に輸送されるのではなく、むしろ分解されるか凝集されることになる。一部の実施形態においては、タンパク質の発現効率が低くなるという結果をもたらす変異、例えば転写効率、スプライシング効率、mRNA安定性などに影響を及ぼす変異が、α−グルコシダーゼをコードする遺伝子の非コーティング部分の中で発生するかもしれない。α−グルコシダーゼ薬理シャペロンの投与は、α−グルコシダーゼの野生型ならびに立体配座変異多様体の発現レベルを増強することにより、このような効率の悪いタンパク質発現によってもたらされた欠損を改善することができる。或いは、ER内に蓄積するかもしれないスプライシング変異体またはナンセンス変異については、リソソーム加水分解酵素活性を回復させることなく、変異体に結合し、変異体がERを退出するのを補助するシャペロンの能力が、ポンペ患者における一部の細胞病理を改善し、これにより症候を改善するのに充分であるかもしれない。
GAAの例示的変異としては、以下のものが含まれる:D645E (Lin et al., Zhonghua Min Guo Xiao Er Ke Yi Xue Hui Za Zhi. 1996;37(2):115-21);D645H (Lin et al., Biochem Biophys Res Commun. 1995 17;208(2):886-93);R224W、S619RおよびR660H (New et al. Pediatr Neurol. 2003;29(4):284-7);T1064CおよびC2104T (Montalvo et al., Mol Genet Metab. 2004;81(3):203-8);D645NおよびL901Q (Kroos et al., Neuromuscul Disord. 2004;14(6):371-4);G219R、E262K、M408V (Fernandez-Hojas et al., Neuromuscul Disord. 2002;12(2):159-66);G309R(Kroos et al., Clin Genet. 1998;53(5):379-82);D645N、G448S、R672WおよびR672Q (Huie et al., Biochem Biophys Res Commun. 1998; 27;244(3):921-7);P545L(Hermans et al., Hum Mol Genet. 1994;3(12):2213-8);C647W (Huie et al., Huie et al., Hum Mol Genet. 1994;3(7):1081-7);G643R (Hermans et al., Hum Mutat. 1993;2(4):268-73);M318T (Zhong et al., Am J Hum Genet. 1991;49(3):635-45);E521K (Hermans et al., Biochem Biophys Res Commun. 1991;179(2):919-26);W481R (Raben et al., Hum Mutat. 1999;13(1):83-4);およびL552PおよびG549R(未公開データ)。
スプライシング変異体には、IVS1AS、T>G、−13およびIVS8+1G>A)が含まれる。
付加的なGAA変異体が同定され、当該技術分野において公知である。立体配座変異体は、当業者であれば容易に同定可能である。
GAAの折り畳みひいては輸送を損なう変異は、タンパク質がゴルジ体に入るか否かを判定するためのグリコシダーゼ処置または細胞内部のGAA局在化についての蛍光免疫染色を伴うおよび伴わないパルスチェイス代謝標識などの当該技術分野において周知の日常的検定によって判定することができる。野生型GAAは、110kDの前駆体として分泌され、これは次に95kDの中間体を介して76kDの成熟GAAに変換される。
このような機能性は、このようなタンパク質の機能性を確立するものとして知られるあらゆる手段によって試験することができる。例えば、GAA活性を判定するために、4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコピラノシドなどの蛍光基質を用いた検定を使用することができる。このような検定は、当該技術分野において周知である。(例えば前出のHermansらを参照のこと)。
本明細書中で使用される「特異的薬理シャペロン」(「SPC」)または「薬理シャペロン」という用語は、1つのタンパク質に対し特異的に結合し、(i)そのタンパク質の安定した分子立体配座の形成を増強する;(ii)ERから別の細胞部位、好ましくは未変性細胞部位へのタンパク質の輸送を誘発する、すなわちタンパク質のER関連分解を妨げる;(iii)異常な折り畳み構造のタンパク質の凝集を妨げる;および/または(iv)タンパク質に対する少なくとも部分的な野生型機能および/または活性を回復または増強させるといった効果のうちの1つ以上を有する小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物などを含むあらゆる分子を意味する。例えばGAAに特異的に結合する化合物とは、それが、関係するまたは無関係の酵素の包括的一群ではなく、GAAに結合しGAAに対しシャペロン効果を及ぼすことを意味する。より具体的には、この用語は、BiPなどの内因性シャペロン、またはグリセロール、DMSOまたは重水など、さまざまなタンパク質に対する非特異的シャペロン活性を示した非特異的作用物質、すなわち化学的シャペロンを意味しない(Welch et al., Cell Stress and Chaperones 1996;1(2):109-115;Welch et al., Journal of Bioenergetics and Biomembranes 1997;29(5):491-502;U.S. Patent No. 5,900,360;U.S. Patent No. 6,270,954;およびU.S. Patent No. 6,541,195を参照のこと)。本発明においては、SPCは可逆的競合的阻害物質であってよい。
酵素の「競合的阻害物質」とは、基質とほぼ同じ場所で酵素を結合させるため酵素基質の化学構造および分子幾何形状と構造的に類似する化合物を意味し得る。したがって、阻害物質は、基質分子と同じ活性部位を獲得するために競合してKmを増大させる。競合阻害は通常、阻害物質を変位させるために充分な基質分子が利用できる場合、すなわち競合的阻害物質か可逆的に結合できる場合、可逆的である。したがって酵素阻害の量は、阻害物質の濃度、基質濃度、および活性部位に対する阻害物質および基質の相対的親和力に左右される。
以下に記すのは、本発明により企図されている一部の(SPC)特異的薬理シャペロンについての記述である。
1−デオキシノジリマイシン(DNJ)は、以下の構造を有する化合物を意味する。
Figure 2011517556
この用語は、遊離塩基および任意の塩形態の両方を含む。
GAAのためのさらにその他のSPCは、Fanらに対するU.S. Patent 6,599,919およびMugrageらに対するU.S. Patent Application Publication US 20060264467の中で記述されており、N−メチル−DNJ、N−エチル−DNJ、N−プロピル−DNJ、N−ブチル−DNJ、N−ペンチル−DNJ、N−ヘキシル−DNJ、N−ヘプチル−DNJ、N−オクチル−DNJ、N−ノニル−DNJ、N−メチルシクロプロピル−DNJ、N−メチルシクロペンチル−DNJ、N−2−ヒドロキシエチル−DNJおよび5−N−カルボキシペンチル−DNJを含む。
一実施形態では、SPCはN−メチルシクロプロピル−DNJおよびN−メチルシクロペンチル−DNJから選択される。
本明細書で使用されている通り、「特異的に結合する」という用語は、GAAなどのタンパク質と薬理シャペロンの相互作用、具体的には、薬理シャペロンに接触するのに直接参与するタンパク質のアミノ酸残基との相互作用である。薬理シャペロンが具体的に標的タンパク質例えばGAAを結合させて、関係あるまたは無関係のタンパク質の包括的基ではなく、GAAに対してシャペロン効果を及ぼす。任意の所与の薬理シャペロンと相互作用するタンパク質のアミノ酸残基は、そのタンパク質の「活性部位」の内部にあってもなくてもよい。特異的結合は、日常的な結合検定を通してかまたは構造研究、例えば共結晶化、NMRなどを通して評価され得る。GAAの活性部位は、基質結合部位である。
「GAA活性欠損」というのは、ポンペ病またはその他のあらゆる疾病(特に血液の病気)を有していないまたはその疑いのない正常な個体における活性に(同じ方法を用いて)比較して正常範囲より低い患者由来の細胞内のGAA活性を意味する。
本明細書において使用される「GAA活性を増強させる」または「GAA活性を増大させる」という用語は、GAAに特異的な薬理シャペロンと接触させられていない細胞(好ましくは例えば早い時期にある同じ細胞または同じ細胞型のもの)内の量と比べて、GAAに特異的な薬理シャペロンと接触させられた細胞内での安定した立体配座をとるGAAの量を増大させることを意味する。この用語は同様に、タンパク質に特異的な薬理シャペロンと接触させられていないGAAの輸送に比べて、GAAに特異的な薬理シャペロンと接触させられた細胞内でのリソソームへ向かうGAAの輸送を増大させることをも意味する。これらの用語は野生型および変異GAAの両方を意味する。一実施形態において、細胞内のGAAの量の増大は、SPCで処置された細胞由来の溶解物中での人工的基質の加水分解を測定することによって測定される。加水分解の増加が、GAA活性の増加を標示する。
「GAA活性」という用語は、細胞中の野生型GAAの正常な生理学的機能を意味する。例えば、GAA活性には、グリコーゲン、マルトースおよびイソマルトース内に存在するアルファ−1,4−およびアルファ−1,6−結合−D−グルコースポリマーの加水分解が含まれる。
「応答者」とは、ポンペ病の診断を受け、かつ本明細書で請求されている方法にしたがって治療され、1つ以上の臨床的症候の改善、改良または予防、あるいは疾病病理を標示する1つ以上の代理臨床マーカーの改善または逆転を示す個体である。ポンペ病の症候またはマーカーとしては、GAA組織活性の低下;心筋症;心肥大;特に躯幹または下肢における進行性の筋脱力;超低血圧症;巨大舌(そして一部のケースでは、舌の突出);嚥下、吸入および/または摂食困難;呼吸機能障害;肝腫脹(中度);顔面筋肉弛緩;反射消失;運動不耐性;労作性呼吸困難;起座呼吸;睡眠時無呼吸;起床時の頭痛;眠気;脊柱前弯および/または脊柱側弯;深部腱反射の低下;腰痛;および動作発達指標の遵守不能が含まれるが、これらに限定されない。
上述の応答の1つ以上を達成する用量は「治療上有効な用量」である。
「薬学的に許容できる」という語句は、生理学的に許容可能であり、ヒトに投与された場合に典型的には、望ましくない反応を生成しない分子的実体および組成物を意味する。好ましくは、本明細書で使用されている薬学的に許容できるという用語は、連邦または州政府の規制機関により承認されていることまたは、動物、より詳細にはヒトにおける使用のために米国薬局方またはその他の一般的に認知された薬局方の中に列挙されていることを意味する。「担体」という用語は、化合物を投与する場合に用いられる希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを意味する。かかる薬学的担体は、水および油などの無菌の液体であり得る。特に注射用溶液用の担体として、好ましくは、水または水溶液食塩溶液およびデキストロースおよびグリセロール水溶液が利用される。適切な薬学的担体は、"Remington's Pharmaceutical Sciences" by E.W. Martin, 18th Editionの中に記載されている。
本明細書で使用される「単離される」という用語は、基準となる材料を、それが通常発見される環境から取り出すことを意味する。したがって、単離された生物材料は細胞構成要素、すなわちその材料が中で発見または産生される細胞の構成要素を含まない状態であり得る。核酸分子の場合、単離された核酸には、PCR産物、ゲル上のmRNAバンド、cDNAまたは制限フラグメントが含まれる。別の実施形態において、単離された核酸は好ましくは、それが発見され得る染色体から切除され、非調節、非コーティング領域または染色体中に発見された時点で単離核酸分子が含んでいた遺伝子の上流側または下流側に位置するその他の遺伝子にもはや接合されていないことがより好ましい。さらに別の実施形態において、単離核酸には1つ以上のイントロンが欠如している。単離核酸は、プラスミド、コスミド、人工染色体などに挿入された配列を含む。したがって、具体的実施形態において、組換え型核酸は単離核酸である。単離タンパク質は、それが細胞内で会合しているその他のタンパク質または核酸またはその両方と、あるいはそれが膜結合タンパク質である場合には細胞膜と会合していてよい。単離された細胞小器官、細胞、または組織は、生体内でそれが見出される解剖学的部位から取り出される。単離された材料を精製してもよいが、必ずしも精製する必要はない。
「約」および「およそ」という用語は、一般に、測定の性質または精度から許容可能な程度の測定数量についての誤差を意味する。典型的には、例示的な誤差の程度は所与の値または値範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、そしてより好ましくは5%以内である。或いは、特に生体系において、「約」および「およそ」という用語は、所与の値の好ましくは10倍または5倍そしてより好ましくは2倍という範囲内にある平均値であり得る。本明細書中で示されている数値的数量は、特に明記しないかぎり近似であり、これは、明示的に記載されていない場合に「約」または「およそ」という用語が暗示され得る、ということを意味している。
方法
SPC療法がポンペ病患者のための実行可能な治療となるか否かを容易に判定するため、ポンペ病患者由来のリンパ芽球、WBCまたはWBCサブセット内のGAA活性の非観血的DNJレスキュー検定が開発された。
I、生体外検定
一実施形態において、本発明の診断方法には、ポンペ病患者(またはポンペ病の疑いのある患者)由来の血液検体から白血球(大部分がBおよびTリンパ球)を単離することが関与する。別の実施形態において、本発明の診断方法には、長期研究のため、単離されたばかりのBリンパ球からリンパ芽球細胞培養を確立することが関与する。両方の細胞モデル系共、次に、SPC例えばDNJを伴ってまたは伴わずに処置され、溶解され、患者がSPC療法に応答する確率が高いか(すなわち患者が「応答者」であるか)否かを判定するため内因性GAA活性の増強(すなわち増大)について検定される。
この実施形態は以下のように実施可能である。
白血球の分離
WBCは、例えば収集、遠心分離、分離および洗浄などの標準的技術を用いて調製される。より具体的には、WBCは、以下のステップにより調製可能である。
1. 血液標本をポンペ患者から採取する。具体的実施形態においては、(クエン酸ナトリウム抗凝固剤および分離培地を含む)Becton−Dickinson社製のACD管などの適切な容器の中におよそ8〜10mLを引き込む。
2. 抗凝固処理血液標本を次に高密度勾配例えばFicoll−Hypaque、Percollまたはその他の類似の密度勾配の最上部で層状化させ、赤血球、単球、顆粒球などをペレット化しながら界面でBおよびTリンパ球を富化するように遠心分離する。
3. 血漿層の半分を(白血球層を混乱させることなく)廃棄し、白血球を含む残りの流体を遠心分離管に移す。
4. WBCを次にペレット化し、適切な等張性緩衝液例えばPBS中にペレット化した細胞を再懸濁させることによって2回以上洗浄し、その後約320×gで約15〜20分間遠心分離する。
5. その後ペレットを、小体積の適切な等張性緩衝液例えばPBSを用いて再懸濁させる。ペレットの半分を凍結のためラベル付きクライオバイアルに移す。残りの半分を用いて、以下で記述する通りT細胞培養を確立する。凍結させるべき標本を遠心分離し、その後、凍結に先立ち例えばRPMI 1640にDMSOを付加したものなどの小体積の適切な等張性緩衝液中に再懸濁させる。
白血球細胞培養
一実施形態において、以下のようにリンパ球細胞培養を確立し、分裂促進剤での刺激により拡張させる:
1. 上述のFicoll単離に由来する洗浄済み細胞を、刺激性サイトカインおよび/またはマイトジェンを補足したRPMIなどの適切な細胞培地中に再懸濁させる。提案された刺激性サイトカインは、IL−2、IL−12、IL−15フィトヘムアグルチニン(PHA)、コンカナバリンA(conA)およびアメリカヤマゴボウマイトジェンを含む。特定の実施形態においては、FBS、IL−2および刺激性濃度のPHAが補足された適切な体積のRPMI 1640培地中に、リンパ球を再懸濁させる。これらのリンパ球を次に適切な培養容器に移し、拡張に充分な時間、例えば約2〜3日間インキュベートすることができる。
2. リンパ球が拡張した後、低温保存培地用に補足された例えばFCSおよびDMSOを含むRPMI 1640培地を用いて、これらのリンパ球を低温保存してよい(約3×10細胞/バイアルで)。これは、1mLあたり5×10個の生存可能な細胞の割合で5mLの培養を解凍するのに充分である。
当業者であれば、T細胞刺激性サイトカインまたはマイトジェンの適量を確認できるものの、典型的にはこのような作用物質は、サイトカインについては約1ng/ml〜約25ng/ml(または約100U/ml)の間の量で添加されるということが指摘される。マイトジェンについては、濃度はマイトジェンについて約10ng/mlから約10μg/mlの範囲にあり、大部分が低いμg/ml範囲内で有効である。
リンパ芽球の細胞調製
リンパ芽球様細胞系(LCL)は、増殖性懸濁培養を生成するためにエプスタイン・バーウィルス(EBV)で形質転換された白血球培養(主にB細胞)である。充分に確立されたLCLは、(遺伝的および代謝性の障害を有するものでさえ)非常に急速に成長していく可能性があることから、長期間にわたる超過密を防ぐためにその密度を入念に制御しなければならない。非限定的な一実施形態おいて、以下のプロトコルが、被験化合物での酸性α−グルコシド(GAA)の測定のためのLCLの細胞播種密度、被験化合物での処置、処置化合物の洗い出し、溶解、そして検定について詳述している。
酵素活性/増強検定
一実施形態において、以上で単離されたT細胞またはリンパ芽球(例えばおよそ2.5×10)は、GAA活性の変化を評価するのに充分な時間、例えばT細胞については2日または3日間そしてリンパ芽球については5日間、例えばDNJなどのSPCの不在下または存在下で適切な培養容器内で、培地中で成長させられる(凍結されている場合にはこれに先立ち解凍される)。T細胞中でGAAを増大させることが予想されるDNJの用量は、約2nM〜約150μM、好ましくは約1μM〜100μMそしてさらに好ましくは約5μM〜50μMの範囲内にある。具体的な一実施形態において、DNJは約20μMで添加される。リンパ芽球内でGAAを増強させると予想されるDNJの用量は、約2nM〜約300μM、好ましくは約1μM〜100μM、そしてより好ましくは約5μM〜50μMの範囲内にある。具体的な一実施形態において、DNJは約30μMで添加される。細胞を遠心分離により収穫し、PBSで2回洗浄することができる。酵素活性についての検定まで、ペレットを−80℃に凍結させて貯蔵できる。
その後、細胞は、150mMのNaCl、25mMのBis−Trisおよび0.1%のTriton−X100(または脱イオン水)を含む溶解緩衝液の添加、室温でまたは氷上での物理的破壊(ピペット操作、ボルテックス処理および/または撹拌、および/または音波処理)により溶解され、それに続いて溶解物を氷上でプールし、プールされた溶解物を小さなアリコートに分割し凍結させる。
溶解物を検定の直前に凍結することができ、ボルテックスミキサーを用いて懸濁させ音波処理してから、例えばマイクロ平板中の適切なウェルに添加すべきである。その後4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコピラノシド(4MU−alphaGlc)またはその他の適切な標識されたDNJ基質を添加し、短時間平板を穏やかに混合し、カバーし、通常は約1時間である基質加水分解に充分な時間、37℃でインキュベートする。反応を停止させるために、各ウェルに対し、pH10.7のNaOH−グリシン緩衝液(代替的には炭酸ナトリウム)添加し、平板を蛍光平板読み取り装置(例えば、Wallac 1420 Victor3(商標)または類似の計器)上で読み取る。励起および発光波長は、習慣的にそれぞれ355nmおよび460nmに設定した。酵素活性の1単位は、一時間あたり4−メチルウンベリフェロン1nmoleの加水分解の触媒として作用する酵素の量として定義される。各々の患者の標本に対して、少なくとも3つの正常な標本を同時に試験すべきである。
当業者であれば、この検定のさまざまな修正を容易に究明することができる。GAA活性を検出するために使用できる人工的基質の例としては、4MU−alphaGlcが含まれるが、これらに限定されるわけではない。明らかに、ヒトGAAにより分割可能な基質のみが使用に適している。蛍光発生基質の使用が好まれる一方で、発色性基質または免疫定量化技術の使用を含め、GAA活性を決定するその他の方法が、この方法での使用に企図されている。
一変形実施形態において、リンパ芽球細胞系(LCL)内のGAAの活性を増強させるSPCの能力は、以下の非限定的実施例の中で記述される通りに判定することができる。
播種
・ 全ての細胞培養作業は、無菌技術を用いてBLII Bio−Safetyキャビネット内で実施することができる。合計7×10〜1×10個の細胞をT75に移すことで、LCL培養をT75に拡張させ、40mlの37℃完全成長培地を添加する。
・ 細胞の密度および生存率に基づいてT75フラスコ内で最適なLCL培養を選択する。これらの培養について細胞計数を実施できる。一実施形態においては、1×10細胞/mlの細胞密度がLCLを最高の生存率(例えば90〜98%の生存率)に維持する。1×10細胞/mlより高い細胞密度は、培養内の全体的生存率を急激に低減させる可能性がある。
・ 少なくとも20mlの体積で例えば約2.0×10細胞/mlの最終細胞密度を得るのに適量の完全成長培地中で細胞懸濁液を調製するために、無菌の50mlの円錐形遠心分離管を使用することができる。非限定的な一実施例において、原初の培養が1×10細胞/mlを含む場合、20mlの体積中2×10細胞/mlの密度を作り上げるためにステージング管内の4mlの細胞懸濁液に対し16mlの培地を添加すべきである。4本のラベル付きT25フラスコ内に、各5mlの合計体積の割合で分注する。このプロセスを、処理すべき各LCLについて反復する。全てのフラスコを一晩、加湿された5%COの37℃インキュベータの中に入れる。必要であれば、原初のT75の培養を拡張させ、同じインキュベータに戻すことができる。
被験化合物での処置
・ 被験化合物、例えばDNJでの細胞の処置は、T25フラスコ内へのそれらの播種から24時間後に実施される。
・ 一実施形態では、各処置濃度5mlずつが各細胞系に必要とされる。0、×、3×および10×被験化合物の濃度範囲にわたり、細胞系を被験化合物で処置する。
・ 例えば各条件について無菌の15mlまたは50mlの遠心分離管内で、2×の被験化合物原液を調製でき、5mlの予備インキュベートした培養に5mlの溶液を加える。非限定的な一実施例においては、GAAの処置のためにDNJを使用する場合、0、60、200および600μMのDNJという原液濃度が作られ、フラスコに加えられるとき、最終濃度は、0、30、100および300μMのDNJである。
・ 次に各フラスコセットに、該当する処置濃度をマーキングし、例えば対応する懸濁原液からの5mlを各フラスコに加える。全てのフラスコを5日間インキュベータに戻す。
一晩の化合物洗い出し
・ 5日間(120時間)の処置後、細胞懸濁液中の培地の100%を、化合物を含まない完全培地と以下の要領で交換する:
・ 各T25の中味を、濃度範囲の順序を維持するため予め付番した無菌の15mlの円錐形遠心分離管に移す。
・ 各セットを移した時点で、5mlのブランクのRPMI 1640(フェノールレッド無し)で各T25を洗浄する。
・ 21℃で10分間、600gで管を遠心分離する。転回中、吸引によりフラスコからブランクのRPMIを取り出し、無菌性を維持する。
・ 遠心分離の後、吸引により管から上清を取り出しペレットを10mlの完全培地中に再懸濁させる。細胞懸濁液をそのそれぞれのフラスコに戻す。全てのフラスコを一晩、5%COの37℃インキュベータに戻す。
細胞溶解
・ 化合物洗い出しから16〜24時間後、50mlのGAA溶解緩衝液に5個の完全−ミニプロテアーゼ阻害薬錠剤を添加することにより細胞溶解溶液を調製し、穏やかに反転させることにより室温で溶解させる。
・ 各フラスコからLCLを収集し、無菌の15mlの円錐形遠心分離管に移す。
・ 21℃で10分間、600gで管を転回させる。
・ 遠心分離後、上清を除去し、室温で5mlの1×PBSでピペットを用いて細胞ペレットを再懸濁させる。室温で10分間、600gで転回させる。
・ PBS洗浄の後、吸引により上清を除去し、(先に調製した)プロテアーゼ阻害薬を伴うGAA溶解緩衝液1.5mlを添加する。
・ 1mlに設定したp1000マイクロピペットを用いて、気泡(bubble)または泡(foam)を生成させずに溶解緩衝液の中に穏やかにかつ完全にペレットを再懸濁させる。
・ 室温で5分間、800gで管を転回させ、室温で保管する。
検定
・ 96ウェルのクラスターチューブラックに溶解物上清を移す。各溶解物をクラスターラックの1本のチューブに加えることができる。
・ キャップを備えたクラスターチューブラックの中で4℃で最高2週間、活性に影響を与えずに溶解物を保管することができる。
タンパク質検定(マイクロ−BCA)
・ 細胞溶解上清中のタンパク質の判定をPierceマイクロ−BCAキット(Pierce#23235)を用いて実施する。BCA検定のためには、黒色96ウェル平底平板を使用すること。
・ 96ウェル平板内に、以下の要領でBSA連続希釈物を生成する。行AおよびB(合計24ウェル)に100μlのdiHOを添加する。キットに具備された2mg/mlのBSA溶液100μlをウェルA1およびB1に加え、ピペット操作によって混合する。A1からA2に100μlを移し、ピペット操作により混合し、次にA2からA3に100μlを移す。行Aの残りについてこの要領で続行し、行Bについてプロセスを反復する。
・ 別の黒色平板内で、使用すべき全ての標準、ブランクそして標本ウェルに130μlのdiHOを加える。
・ 行AおよびBにBSA連続希釈物20μlを移す。
・ ブランクとして行Cに20μlのGAA溶解緩衝液を添加する。
・ 各標本からの20μlを、平板地図に示されている通りにデュプリケートウェル内に加える。
・ 150μlのBCA反応試薬(マイクロ−BCAキット内に含まれているもの:25μlの試薬A、24mlの試薬B、および1mlの試薬C)を全ての標準、ブランク、および標本ウェルに加える。
・ 平板を37℃で2時間インキュベートする。
・ インキュベーションの後、A550nmでマルチウェル平板読取り装置上で平板の吸光度を測定する。Excelで予め作製したテンプレートを用いてこれらのデータを変換して、各溶解物中のタンパク質濃度を計算する。これを4−MU活性計算と共に使用して、一時間タンパク質1μgあたりに放出された4−MUを判定する。
GAA活性検定
・ 室温で25mgの基質に対し250μlのDMSOを添加しそれをボルテックス処理により溶解することによって、1mg/mlの4−メチルウンベリフェリル−アルファ−D−グルコピラノシド溶液を、検定日毎に新鮮な状態で(1時間以内に使用)調製する。その後、50mlの円錐遠心分離管中の25mlのGAA反応緩衝液((氷酢酸を伴う)67mMの酢酸カリウム、pH4.0)に対しこの溶液を加え、暗所に保つ。
・ 黒色96ウェル組織培養平板内で、全ての標本およびブランクウェルに対し室温で以上で調製された基質溶液75μlを加える。
・ ブランクとして用いるため、行GにGAA溶解緩衝液を25μl添加する。
・ 最終的に、各列内の行A−Fに対して、各々の溶解物25μlを添加する。各溶解物を、列1本あたり1種の溶解物の割合で6つの別々のウェル内に入れる。同じ平板内で最高3つの細胞系を検定することができる。2時間37℃で平板をインキュベートする。
・ インキュベーションの後、インキュベータから平板を取り出し、全ての標本およびブランクウェルに対し100μlの0.5Mの炭酸ナトリウムを添加することにより反応を停止させる。
・ 各平板の行H内で、4−MU標準曲線を生成する。すなわち、50μlの0.5M炭酸ナトリウムおよび50μlのGAA反応緩衝液を行Hに添加する。次に、100μlの4−メチルウンベリフェロン15μM溶液をウェルH1およびH7に添加する。これらのウェルを各々合計6ヶ所(H1〜H6;そしてデュプリケートとしてH7〜H12)について1:2の比率でこれらのウェルを連続希釈する。
・ 355nmの発光および460nmの励起フィルタを用いてマルチウェル平板読取り装置上で平板を読取る。Excelで予め作製したテンプレートを用いてデータを変換して、BCAタンパク質検定を介して判定したタンパク質濃度を用いて1時間あたりの総タンパク質1mgあたりに放出されたnmolの4−MUを計算する。
診断および予後診断。ポンペ病を診断するための診断検定としての使用のために、増強検定を実施するのに先立つDNJの存在下でのT細胞またはリンパ芽球を培養するステップを単に削除することにより、T細胞またはリンパ芽球検定を容易に修正することが可能である。その代りに、ポンペ病の疑いのある個体から確立させたT細胞またはリンパ芽球内のGAAの活性を、対照として正常な個体由来のT細胞またはリンパ芽球を用いて定量することができる。その上、GAA活性およびSPC増強検定の両方を、1名の患者の標本に由来する同じT細胞またはリンパ芽球を用いてほぼ同時に実施することができる。それにより束縛されるわけではないものの、T細胞はより多くのGAA(WBCと比較して正常なT細胞内のGAAははるかに高い)を発現しうることから、誤差範囲が小さくなるため、1名の患者が正常範囲より低いGAAを有するか否かをより正確に確認することがさらに容易になる。したがって、T細胞検定の使用により、潜在的に誤診を防ぐことができると思われる。
さらに、GCC活性が治療開始前に比べ増大した状態にとどまっていることを確認する目的で、SPC療法が開始された患者の進展を定期的に監視するために修正された検定を使用することもできる。
II. 生体内検定
第2の実施形態においては、生体内でのSPCによるGAA増強についてWBCが評価される。この実施形態においては、患者に由来するWBC中のGAA活性が、ベースライン値を得る目的でSPC投与に先立ち査定される。次に充分な時間、例えば約10日〜約2週間、DNJ(例えば2500mg/日)を毎日患者に投与し、その後に血液を抽出しベースライン値からのGAA活性の変化を判定する。投与の前後のいずれかに細胞を培養する必要はない。
生体内評価期間中のDNJ投与の用量および投薬計画は、変異間できわめて不均一度が高いことから患者によっておよび患者の残留GAA活性によって変動してよい。非限定的例としては、大部分の「レスキュー可能な」個体においてGAAを増大させるのに充分であると予想される用量および計画は、その全体が参照により本明細書に援用されている2008年2月12日付けのU.S. Provisional Application 61/028,105中で記載されている通りである。
本発明に係るDNJの投与は、任意の投与経路に適した調合物の形で行われてよいが、好ましくは、錠剤、カプセルまたは溶液などの経口剤形で経口投与される。この検定については、経口投与の場合において、食物と共に摂取すると生物学的利用能が低くなり、これにより結果が不正確になる恐れがあるかもしれないため、食物無しでDNJを患者に投与すること(例えば投薬の前後2時間は絶食)が好ましい。
ERTなどのその他の療法を受けている患者は、最も正確な結果を確実にするため、生体内検定に先立ち少なくとも約28日間治療を中止することを望むかもしれない。
白血球分離
試験管内検定について上述した通りにWBCを単離し分離する。ただし、凍結に先立ちペレットにはRPMI培地もDMSOも一切添加しない(以上の「白血球の分離」という題の節内のステップ5の通り)。
酵素活性/増強検定
氷上でペレットを解凍し、充分な時間、溶解緩衝液の添加および物理的破壊(例えばボルテックスミキサーの使用および撹拌、および/または室内での音波処理など)によって細胞を溶解させ、その後氷上のポリプロピレン管内で溶解物をプールし、次にプールした溶解物を凍結のためアリコートに分割する。
その後、氷上でWBC溶解物を解凍し、混合する(ここでも音波処理および/またはボルテックス処理による)。各溶解物の標本ならび標準および陰性対照を次に、例えば24または96ウェルのマイクロ平板内の適切なウェルに添加する。その後、全てのウェルに対し、例えばpH4.6のクエン酸塩/リン酸緩衝液中の4MU−alphaGlcなどの標識された基質を添加し、周囲温度で短時間インキュベーションを行なう。その後平板を素早く混合し、例えば約1時間といった、基質加水分解を可能にするのに充分な時間37℃でインキュベートする。充分な時間の後、停止緩衝液を添加することにより反応を停止させ、蛍光平板読取り装置(例えばWallac 1420 Victor3(商標))上で平板を読取って1ウェルあたりの酵素活性を判定する。
当業者であれば、この検定のさまざまな修正を容易に究明することができる。GAA活性を検出するために使用できる人工的基質の例としては、4MU−alphaGlcが含まれるが、これらに限定されるわけではない。明らかに、ヒトGAAにより分割可能な基質のみが使用に適している。蛍光発生基質の使用が好まれる一方で、発色性基質または免疫定量化技術の使用を含め、GAA活性を決定するその他の方法が、この方法での使用に企図されている。
適格性判定基準
SPC療法に対する適格性を判定するための基準は、ベースラインにおける患者の残留酵素活性、すなわち試験管内検定において未処置のT細胞またはリンパ芽球内で判定される活性、または生体内検定におけるSPC投与に先立つWBC内の活性によって左右される。残留活性が低ければ低いほど、患者が治療に対して応答する確率の高い応答者とみなされるのに必要な増強度は大きくなる。
一実施形態において、試験管内検定に対する適格性を判定するための基準は、以下の通りである:
・ リンパ球またはリンパ芽球中のベースラインGAA活性が1つの規定値(例えば正常値の1%)より低い場合には、DNJでのインキュベーション後のGAA活性は、その規定値の活性の少なくとも2倍(例えば正常値の2%)でなくてはならない;
・ リンパ球またはリンパ芽球内のベースラインGAA活性が複数の規定値の間(例えば正常値の1%と正常値の3%未満の間)にある場合には、DNJでのインキュベーションの後のGAA活性は、1つの規定値(例えばベースラインレベル)の少なくとも2倍でなくてはならない。
・ リンパ球またはリンパ芽球内のベースラインGAA活性が複数の規定値の間(例えば正常値の3%と正常値10%未満の間)にある場合には、DNJでのインキュベーションの後のGAA活性は、ベースラインレベルに比べて正常値の少なくとも3%高くなくてはならない;そして、
・ リンパ球またはリンパ芽球内のベースラインGAA活性が1つの規定値(例えば正常値の10%以上)より高い場合には、DNJでのインキュベーション後のGAA活性は、1つの規定値の少なくとも1.3倍(例えばベースラインレベルの1.3倍)でなくてはならない。
一実施形態においては、生体内検定を目的として、適格性基準を判定するのに以下の基準が使用される:
・ ベースラインGAAが、1つの規定値(例えば正常値の1%)より低い場合には、DNJでの処置後15日目のGAA活性は、この規定値の活性の少なくとも2倍(例えば正常値の2%)でなくてはならない;
・ ベースラインGAAが複数の規定値の間(例えば正常値の1%と正常値の5%未満の間)にある場合には、GAA活性は、処置期間の後1つの規定値(例えばベースラインレベル)の少なくとも2倍でなくてはならない;
・ ベースラインGAAが複数の規定値の間(例えば正常値の5%と正常値の10%未満の間)にある場合には、GAA活性は、処置期間の後ベースラインレベルに比べて正常値の少なくとも5%高くなくてはならない;そして
・ ベースラインGAAが1つの規定値(例えば正常値の10%以上)より高い場合には、GAA活性は、処置期間の後1つの規定値の少なくとも1.5倍(例えばベースラインレベルの1.5倍)でなくてはならない。
一変形実施形態においては、試験管内または生体内のいずれの検定においてであれ、SPCと共に培養されてない細胞内の活性に比べSPCと共に培養された細胞における少なくとも約20%の活性の増加が、患者がSPC療法に対して臨床的に適切な(治療上有効な)応答性を有することの標示であってよい。
この発見は、特にポンペ病、そして一般的にはリソソーム貯蔵障害の診断を改善するため、およびその臨床的治療決定を容易にするための方法を提供する。その上、この方法は、該当する細胞型における遺伝的に定義された広範囲の疾病に拡大することができる。この種の疾病としては、その他のリソソーム貯蔵障害、なかでも嚢胞性線維症(CFTR)(呼吸器または汗腺上皮細胞)、家族性高コレステロール血症(LDL受容体;LPL含脂肪細胞または血管内皮細胞)、癌(p53;PTEN−腫瘍細胞)、およびアミロイドーシス(トランスサイレチン)が含まれる。
キット
本発明は同様に、療法的治療の決定を行うための市販の診断用テストキットをも提供する。このキットは、任意には使用説明書および分析指針を含め、当然のことながら患者の血液以外の、各検定を準備し実行するための上述の、そして以下の実施例中に論述されている全ての材料を1つの便利なパッケージ内に提供するものである。
非限定的な一実施例としては、GAA活性を評価するためのキットは最低限、次のものを含んでいてよい:
a.少なくとも一つのT細胞刺激剤;
b.特異的薬理シャペロン;および
c.(適切な標準を含む)酵素検定用の発色性または蛍光発生基質
キットは同様に、タンパク質増強検定を最適な形で実施するための使用説明書をも含んでいてよい。別の実施形態において、キットは適切な試験管、緩衝液(例えば溶解緩衝液)およびマイクロ平板を含んでいる。
一実施形態において、SPCは、乾燥形態で供給され、添加の前に再構成される。
別の実施形態において、本発明は、ポンペ病の診断用キットを提供する。この実施形態において、SPCはキット内に含まれず、使用説明書は、特に診断向けに調整される。
SPCでの酵素増強について陽性である患者は、このときその作用物質で治療でき、一方特定の作用物質で酵素増強を示さない患者は治療を回避でき、こうして費用を節減し、一つの治療法に応答しないという感情的痛手を予防することになる。
本発明は、以下で提示される実施例を用いてさらに記述される。このような実施例の使用は単に例示を目的としているにすぎず、本発明およびいずれかの例示された用語の範囲および意味をいかなる形であれ限定するものではない。同様にして、本発明は、本明細書中に記載された任意の特定の好ましい実施形態に限定されない。実際、本発明の多くの修正および変形形態が、本明細書の読了時点で当業者に明らかとなる。したがって、本発明は、クレームが資格を有する等価物の全範囲と合わせて、添付クレームの文言によってのみ限定されるべきものである。
実施例1:GAA活性に対するSPCの効果を評価するための試験管内/生体外方法
本実施例は、患者由来のリンパ芽球のDNJに対する応答性が生体外で判定された、ポンペ病患者の特異的薬理シャペロンに対する応答性を判定するための試験管内診断検定を提供する。この検定は同様に、患者由来の線維芽細胞を使用して実施してもよい。
A.患者集団
生体外研究は、遅発性GSD−IIを患う14名の男性および12名の女性、GSD−IIを患う3名の未成年男性(5、11および12才)、およびGSD−IIを患う1名の女児(1才)を含んでいた。患者の年齢範囲は1才〜72才であり、患者30名中19名が酵素補充療法(3名の患者についてのERT状態は未知である)を受けており、酵素注入の直前に採血された。全ての成人および未成年の患者が、共通スプライシング変異(IVS1 13T>G)またはミスセンス変異を少なくとも1コピー有していた。成人23名中23名、未成年3名中2名がIVS1 13T>G変異を1コピー有していた。成人23名中8名および未成年3名中2名が、ミスセンス変異の少なくとも1つのコピーを有していた。
B.患者由来のリンパ芽球細胞の調製およびDNJでの処置
リンパ芽球細胞系は26名の患者に由来し、5日間これをDNJ(0、30、100および300μM)で処置した。リンパ芽球様細胞系(LCL)は、増殖性懸濁培養を生産するためにエプスタイン−バーウィルス(EBV)で形質転換された白血球培養(主としてB細胞)である。白血球培養を実施例2で記述する通りに調製し、EBVで形質転換させて、リンパ芽球細胞を確立した。確立したLCLは(遺伝的および代謝性障害がある場合でさえ)非常に急速に成長し得ることから、その密度を入念に制御して、長時間にわたる超過密を防止しなければならない。以下のプロトコルは、細胞播種密度、被験化合物(すなわちDNJ)での処置、処置化合物の洗い出し、溶解および、被験化合物での酸性α−グルコシド(GAA)の測定のためのLCLの検定について詳述している。
1. 供給物
・ T25フラスコ−処置すべき各細胞系(BL#353136、353109)について4本、
・ 無菌ピペット
・ マイクロピペット(シングルまたはマルチチャンネル)および無菌チップ
・ 無菌の15mlおよび50mlの円錐形遠心分離管(BD#352098、352097)
・ 無菌吸引ピペット
・ マイクロ−BCAキット(Pierce#23235)
・ 96ウェルのクラスターチューブラック(Costar#4413)
・ 96ウェルの黒色平底培養平板(Costar#3603)
・ 96ウェルの透明平底培養平板(Costar#353072)
2. 試薬
・ RPMI 1640(L−グルタミン入り;Mediatech、Herndon、VA #10040CV)
・ RPMI 1640(フェニールレッド含まず、Mediatech#17105CV)
・ ウシ胎児血清(FBS、熱不活性化、無菌ろ過済み;Mediatech#35011CV)
・ 1XPBS(Mediatech#21040CV)
・ 被験化合物(Amicus Chemistry Dept.)
・ 4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコピラノシド(4−MUG−α、Melford#M1096)、
・ 4−メチルウンベリフェロン(4−MU、Sigma#M1381)
・ ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma#D2650)
・ 0.5M炭酸ナトリウム(Sigma#S7795)
・ 完全ミニプロテアーゼ阻害物質(Roche#11836153001)
・ GAA溶解緩衝液は以下のものを含む:
・ 150mMNaCl(Fisher#S271)
・ 25mM Bis−Tris(Sigma#B9754)
・ 0.1%のTriton−X100(Sigma#T9284)
・ GAA反応緩衝液
・ 67mMの酢酸カリウム(氷酢酸を含む)pH4.0
o Ficher#P250(KOH)
o Fisher#A38(氷HOAc)
・ 完全成長培地
・ 10%のFBSおよび1%のL−グルタミンを伴うRPMI 1640
3. 機器
・ 5%CO、37℃の加湿型インキュベータ(Thermo 3110 Series II)
・ 冷凍遠心器(Fisher#13−100−581 Accuspin 1R)
・ Wallac Victor平板読取り装置(Perkin−Elmer#1420−012)
・ BiohazardレベルII Biosafetyキャビネット。
4. 播種
1. 全ての細胞培養作業は、無菌技術を用いてBLII Bio−Safetyキャビネット内で実施した。合計7e−1e個の細胞をT75に移すことでT75までLCL培養を拡張させ、37℃の完全成長培地40mLを加えた。
2. 細胞の密度および生存率に基づいて、T75フラスコ内で最適なLCL培養を選択した。これらの培養について細胞計数を実施した。通常、1e細胞/mlの細胞密度が、LCLを最高の生存率(90〜98%の生存率)に維持する。1e細胞/mlより高い細胞密度は、培養内の全体的生存率を急激に低減させる。
3. 無菌の50mlの円錐形遠心分離管を使用して、少なくとも20mlの体積で約2.0×10細胞/mlの最終細胞密度を得るのに適量の完全成長培地中で細胞懸濁液を調製した。(例えば、原初の培養が1e細胞/mlを含む場合、20mlの体積中2e細胞/mlの密度を作り上げるためにステージング管内の4mlの細胞懸濁液に対し16mlの培地を添加すべきである。)4本のラベル付きT25フラスコ内に、各5mlの合計体積の割合で細胞懸濁液を分注した。このプロセスを、処理すべき各LCLについて反復する。全てのフラスコを一晩、加湿された5%COの37℃インキュベータの中に入れた。必要であれば、原初のT75の培養を拡張させ、同じインキュベータに戻すことができる。
5. 被験化合物での処置
1. DNJ被験化合物での細胞の処置を、T25フラスコ内への細胞の播種から24時間後に実施した。
2. 各々の処置濃度5mlが各細胞系について必要とされる。0、×、3×および10×被験化合物の濃度範囲にわたり、細胞系を被験化合物で処置した。
3. 各条件について無菌の15mlまたは50mlの遠心分離管内で、被験化合物溶液の2×原液を調製し、5mlの予備インキュベートした培養に5mlの溶液を加えた。0、60、200および600μMのDNJという原液濃度を作った。フラスコに加えられたときの最終濃度は、0、30、100および300μMのDNJであった。
4. 各フラスコセットに、該当する処置濃度をマーキングし、対応する懸濁原液からの5mlを各フラスコに加えた。全てのフラスコを5日間インキュベータに戻した。
6. 一晩の化合物洗い出し
1. 5日間(120時間)の処置後、細胞懸濁液中で100%の培地を、化合物を含まない完全培地と以下の要領で交換した:
2. 各T25の中味を、濃度範囲の順序を維持するため予め付番した無菌の15mlの円錐形遠心分離管に移した。
3. 各セットを移した後に、5mlのブランクのRPMI 1640(フェノールレッド無し)で各T25を洗浄した。
4. 21℃で10分間、600gで管を遠心分離した。転回中、吸引によりフラスコからブランクのRPMIを取り出し、無菌性を維持した。
5. 遠心分離の後、吸引により管から上清を取り出しペレットを10mlの完全培地中に再懸濁させた。細胞懸濁液をそのそれぞれのフラスコに戻した。全てのフラスコを一晩、5%COの37℃インキュベータに戻した。
7. 細胞溶解
1. 化合物洗い出しから16〜24時間後、50mlのGAA溶解緩衝液に5個の完全−ミニプロテアーゼ阻害薬錠剤を添加することにより細胞溶解溶液を調製し、穏やかに反転させることにより室温で溶解させた。
2. 各フラスコからLCLを収集し、無菌の15mlの円錐形遠心分離管に移した。
3. 21℃で10分間、600gで管を転回させた。
4. 遠心分離後、上清を除去し、室温で5mlの1×PBSでピペットを用いて処理することにより、細胞ペレットを再懸濁させた。室温で10分間、600gで転回させた。
5. PBS洗浄の後、吸引により上清を除去し、(先に調製した)プロテアーゼ阻害薬を伴うGAA溶解緩衝液1.5mlを添加した。
6. 1mlに設定したp1000マイクロピペットを用いて、気泡または泡を生成させずに溶解緩衝液の中に穏やかにかつ完全にペレットを再懸濁させた。
7. 室温で5分間、800gで管を転回させ、室温に保管した。
8. 検定
1. 96ウェルのクラスターチューブラックに溶解物上清を移した。各溶解物をクラスターラックの1本のチューブに加えた。
2. キャップを備えたクラスターチューブラックの中で4℃で最高2週間、活性に影響を与えずに溶解物を保管することができる。
9. タンパク質(マイクロ−BCA)
1. 細胞溶解上清中のタンパク質の判定をPierceマイクロ−BCAキット(Pierce#23235)を用いて実施した。BCA検定のために、黒色96ウェル平底平板を使用した。
2. 96ウェル平板内に、以下の要領でBSA連続希釈物を生成した。行AおよびB(合計24ウェル)に100μlのdiHOを添加した。キットに供給された2mg/mlのBSA溶液100μlをウェルA1およびB1に加え、ピペット操作によって混合した。A1からA2に100μlを移し、ピペット操作により混合し、次にA2からA3に100μlを移した。行Aの残りについてこの要領で続行し、行Bについてプロセスを反復した。
3. 別の黒色平板内で、使用すべき全ての標準、ブランクそして標本ウェルに130μlのdiHOを加えた。
4. 行AおよびBにBSA連続希釈物20μlを移した。
5. ブランクとして行Cに20μlのGAA溶解緩衝液を添加した。
6. 各標本からの20μlを、平板地図に示されている通りにデュプリケートウェル内に加えた。
7. 150μlのBCA反応試薬(マイクロ−BCAキット内に含まれているもの:25mlの試薬A、24mlの試薬B、および1mlの試薬C)を全ての標準、ブランク、および標本ウェルに加えた。
8. 平板を37℃で2時間インキュベートした。
9. インキュベーションの後、A550nmでマルチウェル平板読取り装置上で平板の吸光度を測定した。Excelで予め作製したテンプレートを用いてこれらのデータを変換して、各溶解物中のタンパク質濃度を計算した。これを4−MU活性計算と共に使用して、一時間タンパク質1μgあたりに放出された4−MUを判定した。
10. GAA活性
1. 使用から一時間以内に、室温で25mgの基質に対し250μlのDMSOを添加することによって、1mg/mlの4−メチルウンベリフェリル−アルファ−D−グルコピラノシド溶液を調製し、それをボルテックス処理により溶解させた。50mlの円錐遠心分離管中の25mlのGAA反応緩衝液に対しこの溶液を加え、暗所に保った。
2. 黒色96ウェル組織培養平板内で、全ての標本およびブランクウェルに対し室温で以上で調製された基質溶液75μlを加えた。
3. ブランクとして用いるため、行GにGAA溶解緩衝液を25μl添加した。
4. 最終的に、各列内の行A−Fに対して、各々の溶解物25μlを添加した。各溶解物を、列1本あたり1種の溶解物の割合で6つの別々のウェル内に入れた。同じ平板内で最高3つの細胞系を検定することができる。2時間37℃で平板をインキュベートした。
5. インキュベーションの後、インキュベータから平板を取り出し、全ての標本およびブランクウェルに対し100μlの0.5Mの炭酸ナトリウムを添加することにより反応を停止させた。
6. 各平板の行H内で、4−MU標準曲線を生成した。すなわち、50μlの0.5M炭酸ナトリウムおよび50μlのGAA反応緩衝液を行Hに添加した。次に、100μlの4−メチルウンベリフェロン15μM溶液をウェルH1およびH7に添加した。これらのウェルを各々合計6ヶ所(H1〜H6;そしてデュプリケートとしてH7〜H12)について1:2の比率でこれらのウェルを連続希釈した。
7. 355nmの発光および460nmの励起フィルタを用いてマルチウェル平板読取り装置上で平板を読取った。Excelで予め作製したテンプレートを用いてデータを変換して、BCAタンパク質検定を介して判定したタンパク質濃度を用いて1時間あたりの総タンパク質1mgあたりに放出されたnmolの4−MUを計算した。
11. データ分析
1. 全ての細胞系について、少なくとも3回の実験(n=3)の組合せが必要とされた。
2. 未処理の標本に対比して被験化合物を伴う標本が示すあらゆる増強の有意性を測定する95%の信頼区間を伴うダネット多重比較試験と共に一元配置分散分析(one way ANOVA)を用いて、統計的分析を実施した。
結果
患者由来のリンパ芽球は、26名中24名の患者の細胞系についてGAAレベルの用量依存性増加を示し(平均=93%;範囲=7−620%)、24名中4名が、一元配置分散分析およびダネットの多重比較試験により判定される通りの有意性に到達した(P値<0.05)(図1)。DNJは、IVSI 13T>G変異の1コピーおよびGAAについての非ミスセンスヌル変異の1コピーを伴う患者の細胞系内でGAAレベルを7〜51%(平均=22%)増大させた。少なくとも1つのミスセンス変異を伴う患者由来の細胞系は、GAAレベルの7〜620%(平均=219%)という用量依存性増加を示した。IVSI 13T>G変異に対するDNJの効果は、5日間のこの短かい処理研究では小さいものであったが、より長期間(4〜13週間)にわたり野生型マウスおよびカニクイザルを治療した結果、GAAレベルは2倍以上増加する。
論述
本発明は、正常な対照個体およびポンペ病患者の新鮮な血液からリンパ芽球培養を確立するための方法を提供する。これらの培養を成長させて、GAAについての増強検定で使用することが可能である。これらのデータは同様に、GAA増強の有効性が、リンパ芽球成長培地内で約5日間の後に明らかであったということも示している。生成されたデータは、特定の遺伝型についてのSPCによる酵素活性の増強度の再現可能な尺度である。
上述の通り、この検定は同様に、患者由来の線維芽細胞を用いて、実施することもできる。具体的一実施形態において、患者由来の線維芽細胞を用いた検定は、6ウェル平板内に播種され、トリプシンを用いて収穫される。
この方法は、スフィンゴ糖脂質代謝異常症およびムコ多糖症を含めたその他の遺伝病のその他のSPCベースの増強検定のために使用可能であり、なかでも嚢胞性線維症(CFTR)および癌(p53、PTEN)などの遺伝的に定義された広範囲の疾病における研究および臨床プロトコルとして拡張可能である。
予見的実施例2:GAA活性に対するSPCの効果を評価するための試験管内方法
本実施例は、特異的薬理シャペロンに対するポンペ病患者の応答性を判定するための試験管内診断検定を提供している。
A. Tリンパ球の成長用のヒトWBCペレットの調製
1. 材料:
・ CPT管:Becton−Dickinson(クエン酸ナトリウムを伴うBD Vacutainer(登録商標)CPT(商標)細胞調製管、cat#362761)。
・ ヒトIL−2(組換え型)、PreProTECH、cat#200−02
・ フィトヘムアグルチニン(M型)(PHA)、液体、Invitrogen,cat#10576−015
・ RPMI−1640培地、Mediatech Inc.、cat#10−040−CV
・ ウシ胎児血清、Mediatech Inc.、cat#35−010−CV
・ クエン酸、一水和物、ACS、Mallinckrodt、cat#0627
・ 第2リン酸ナトリウム(NaHPO)、ACS、Mallinckrodt cat#7917
・ 水酸化ナトリウム、10N滴定液、Mallickrodt cat#H385
・ リン酸、ACS、Mallinckrodt cat#PX0995−3
・ 4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコピラノシド(4MU−alphaGlc)Melford#M1096
・ 4−メチルウンベリフェロン(4−MU)、Sigma cat#M−1381
・ グリシン、組織培養グレード、Fisher cat#BP381
・ 2重脱イオン水
・ ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水、PBS、(Ca無し、Mg無し)、Mediatech Inc.cat#21−031−CV
・ マイクロBCAタンパク質検定キット、Pierce cat#23235
・ 96ウェルのマイクロタイター平板、Costar黒色ポリスチレン96ウェル丸底、cat#3792
・ Costar24ウェル組織培養処理済マイクロ平板、Corning Life Science、cat#3526
・ 15mLのポリプロピレンファルコン管、Becton Dickinson、cat#352097
・ 無菌クライオバイアル
・ 加湿された5%CO、37℃のインキュベータ
・ 37度の水浴
・ 蛍光平板読取り装置
2. WBC分離:
・ 患者の血液を、18〜25℃で保管しておいた8mLのCPT管内に引き込む。
・ 採血の直後に、管を8〜10回反転させて混合する。
・ スイングバケットが備わった卓上遠心分離機を用いて、1800×gで30分間室温(18〜25℃)で管を遠心分離に付す。遠心分離用の閉鎖キャニスタ型バケットの使用を含め、血液検体を取扱うための普遍的な予防措置を講じるものとする。
・ 遠心分離の後、血漿からの赤血球と白血球との分離を表わしていた血液組成の複数の層が区別可能となる。これが発生しない場合には、手で5分間暖めて、もう一度遠心分離する。
3. WBCの洗浄
・ 血漿層の半分を真空により吸引し、白血球層を乱すことなく廃棄する。細胞層を含む残りの流体は全て、パスツールピペットで15mLの円錐形のネジぶた付きファルコン遠心管に移す。
・ PBSを添加して体積を最大14mLにし、反転により管を混合する。
・ 室温で20〜30分間、管を1300rpm(約320×g)で遠心分離する。
・ 遠心分離の直後に、細胞ペレットを乱すことなく真空によりできるかぎり多くの上清を吸引し、これを廃棄する。
4.任意の洗浄
・ 管の底を叩いて残った液体の中に細胞ペレットを再懸濁させる。
・ 再懸濁させた細胞に10mLのPBSを添加し、室温で20分間、1300rpmで遠心分離する。
・ 遠心分離の直後に、細胞ペレットを乱すことなく可能なかぎり多くの上清を真空で吸引し、これを廃棄する。
5. 任意:WBCペレットの凍結
・ 管の底を指で叩いて、残りの液体中に細胞ペレットを混合させる。
・ 再懸濁された細胞に0.5〜1mLのPBSを添加し、ペレットの半分を(マイクロピペット上の無菌チップを用いて)、ラベル付きの1.8mLのクライオバイアルに移す。
・ クライオバイアルを室温で5分間、微小遠心分離機内で5000rpm(約2250g)にて遠心分離する。
・ 細胞ペレットを乱すことなくパスツールピペットを用いて、上清液体全てを廃棄する。
・ その後、10%のFBSと5%のDMSOを含む0.5〜1mlのRPMI 1640を管に添加し、ピペットで混合し、−80℃で一晩凍結させた後、液体窒素細胞保管冷凍庫に移す。
B. 血液検体からのT細胞培養の確立
1. 洗浄した細胞を、10%のCosmic Calf Serum(CCS、Hyclone Laboratories、(Logan, UT))、約25ng/mlのIL−2(PreProTECH、(Rochy Hill, NJ))およびメーカー推奨濃度のPHA(Life Technology、(Gaithersburg, MD))を伴う3.0mlのRPMI 1640培地中で再懸濁させる。次に、細胞を直立した25cmの培養フラスコに移し、37℃、5%COで3〜4日間インキュベートする。
2. 細胞培養を成長培地(RPMI−1640、10%FBS、25ng/ml IL−2)で5mlまで希釈する。その後、細胞濃度をフラスコ中で約5×10細胞/mlに調整する。
3. 細胞の成長を毎日監視する。細胞を直立フラスコ内で5×10〜1.5×10細胞の間に維持する。フラスコ内の培地の深さは、1cmを超えない(T25中約7mLそしてT75中20mL)。培養を、約24時間の倍化時間で約21日間維持できる。培養の老化は、成長速度の劇的低下により明らかになる。培養時間は、場合によって、PHAの再刺激により延長してよい。
4. 任意−Tリンパ球の凍結;20%のFCSおよび7.5%のDMSOを含むRPMI 1640倍地を用いて3×10細胞/バイアルの割合でTリンパ球を凍結させてよい。5日目、6日目または7日目に、3×10細胞/バイアルの割合で、できるだけ多くのバイアルを低温保存する。生存可能な細胞が5×10個/mlの割合での5mLの培養を解凍するのにはこれで充分である。
T細胞培養を確立する場合、以下の点に留意すべきである:
・ 新鮮な血液検体を、ヘパリン化された管(または適切な抗凝固剤を含む管)内に収集し、同日に使用すべきである。24時間以内に検体を処理できない場合には、ACD管を使用すべきである。(Clin Chem 1988 Jan;34(1):110-3; Clin Diagn Lab Immunol. 1998 Nov;5(6):804-7)。
・ 5日目までに2000万個の細胞を確立するためには、通常8×10mLの血液で充分である。
・ Tリンパ球は、HIVウィルスの特異的標的である。患者のHIV状態が未知である場合、最大限の注意を払うこと。
・ IL−2の新しいロットを各々試験して、最適な濃度を決定すべきである。これらの実験のために使用されるPreProTECHからのロットは、25ng/mlで最適であることが判明しており、最高50ng/mlの濃度で細胞成長の減少はわずかでしかない。
・ 全ての培養は、37℃、5%COで水飽和雰囲気中に維持される。
・ 単核細胞およびリンパ球は、メーカーの標準手順にしたがって、リンパ球分離培地(Ficoll−Hypaque)またはLymphoprep管のいずれを用いて収集されてもよい。
蛍光活性化細胞選別により分析する場合、等しい数のCD4−陽性およびCD4陰性細胞(データ示さず)で、(全てのT細胞サブセットを染色する)99%のCD3陽性細胞が、IL−2およびPHA刺激での処方計画の結果としてもたらされる。
C. シャペロン処置
T細胞の密度は、3mLの培地(RPMI−1640、10%のFBS、25ng/mlのIL−2)あたり1×10個に調整される。その後、標識された6ウェルの培養平板の6個のウェル各々の中に3mL(約1×10個の細胞)をピペットで入れ、一晩37℃、5%COでインキュベートする。その後、3mlの付加的培地を3つのウェルに添加し、6ml/ウェルの最終体積を得る。残った3つのウェルに対し、4〜5日間約40μMの濃度で(2×;最終濃度は20μMである)DNJを含む3mlの培地(Cambridge Major Laboratories, Inc.,(Germantown, WI))を添加する。細胞を遠心分離(約10分間400×g)により細胞を収穫し、10mlのPBS中で1回洗浄する。結果として得たペレットを1mlのPBS中に再懸濁させ、1.7mlの微量遠心管に移し、冷凍微量遠心管内で5分間、3000rpmで遠心分離する。上清を吸引し、酵素活性について検定されるまで−80℃で凍結された状態でペレットを保管した。
増強検定を行なう前に、2nM〜200μMの範囲を用いて、DNJの最適な濃度が判定されるという点に留意されたい。例えば、20μMが最適であると判定されるかもしれない。
D. 活性検定
検定に先立ち、T細胞を氷上で解凍し、2分間音波処理し、その他の検定試薬すべてを室温で解凍する。GAA活性の蛍光検定を以下の通りに実施する。細胞を、活発なピペット操作とボルテックス処理とを組合せて、0.2mlの脱イオン水中に溶解させる。4℃で2分間13000rpmでの遠心分離の後得られた上清を、新鮮な管の中に入れて、GAA供給源として使用した。タウロコール酸を含まずBSA(3mg/ml)を含むクエン酸/リン酸緩衝液(27mMのクエン酸塩/46mMのリン酸塩緩衝液pH4.6)中の3.75mMの4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコピラノシド(4MU−alphaGlc)(Research Products International, (Mount Prospect, IL))と共に24ウェルのマイクロ平板中で37℃で(標準的タンパク質定量分析内で20μlを用いて判定される通りの匹敵する量でタンパク質を含む)上清の50μlのアリコートをインキュベートすることによって、GAA活性を決定する。それぞれ355nmおよび460nmの励起および発光波長で放出された4−MUを測定するためには、Wallac 1420 Victor3(商標)蛍光検出読取り装置(Perkin Elmer、CA)が使用される。蛍光標準および陰性(基質無しまたは溶解物無し)のための適切なウェルも利用される。各々の患者標本について、少なくとも3つの正常な標本が同時に試験される。
インキュベーションの持続時間は、典型的には30分であるが、それより長いまたは短かい時間も利用してよく、結果は類似したものである。
酵素活性(タンパク質1mg、1時間あたりのnmol単位)は、以下の式から求められる:
Figure 2011517556
酵素活性の1単位は、4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコピラノシド1nmoleの加水分解の触媒として1時間あたりに使用される酵素の量として定義される。蛍光性出力内のベースライン「ノイズ」は、ブランク6回の平均を評価することによって得られる。SPC処置の後の活性がベースラインにより少なくとも2標準偏差分高い場合、それはノイズではなくて応答性有りとみなされる。
論述
SPCによる酵素の増強についての試薬系におけるT細胞の使用は、その他の培養系に比べて、検定速度および利便性において有意な利点を提供する。どの患者がSPC療法の恩恵を受け得るかを判定する上での重要なステップは、DNJによるGAA活性の増強について患者由来の細胞をスクリーニングするための迅速で信頼性の高い方法の開発にある。結果は、増強の試験を可能にすると同時に作用機序についての将来の研究のためまたは付加的なシャペロン分子のスクリーニングのために有用な系を提供する寿命の短かい細胞培養を迅速に生成する方法を示すはずである。罹患状態の診断に従来用いられた白血球は、必要な場合に検定を反復できるほど充分長い時間存続しない。
エプスタイン−バーウィルスで形質転換されたBリンパ芽球(Fan et al., Nat Med. 1999; 5(1), 112-115)および一次線維芽細胞培養(Fan, 上記参照; Mayes et al., Clin Chim Acta. 1981; 112(2), 247-251))が試験されてきた(実施例1参照)が、白血球試験系は、臨床研究用に患者をスクリーニングするための大規模で容易に使用してよい付加的な迅速な検定を提供する。
本発明は、正常な対照個体およびポンペ病患者の新鮮な血液からT細胞培養を確立するための方法を提供する。これらの培養は、7日〜10日の間、GAAについての増強検定において使用するために成長させることができる。DNJ増強の有効性は、T細胞成長培地内で約3日後に明らかになると予想される。生成されたデータは、特定の遺伝子型についてのSPCによる酵素活性の増強度の再現可能な尺度となる。
リンパ芽球試験系の場合にそうであるように、この方法は、スフィンゴ糖脂質代謝異常症およびムコ多糖症を含めたその他の遺伝病のその他のSPCベースの増強検定のために使用され、なかでも嚢胞性線維症(CFTR)および癌(p53、PTEN)などの遺伝的に定義された広範囲の疾病における研究および臨床プロトコルとして拡張可能である。
予見的実施例3:GAA活性に対するSPCの効果を評価するための生体内方法
この実施例は、異なるGAA変異を有するポンペ病患者におけるDNJの非盲検第2相研究について記述しており、生体内検定の使用を裏付けるものである。患者は、上述のリンパ芽球またはT細胞検定におけるGAA活性の増加に基づく第2相研究のために選択される。
患者は、その全体が参照により本明細書に援用されている2008年2月12日出願のU.S. Provisional Application 61/028,105の中に記載されている服薬スケジュールにしたがってDNJの投与を受ける。各投薬期間の終了時に8mLのVacutainer CPT管の中に血液を引込み、以下で記述する通りに処置する
A. 検定用ヒトWBCペレットの調製
WBCは、凍結に先立ちペレットにFBS/DMSOが一切添加されないという点を除いて、実質的に実施例2で記述される通りに調製される。
B. 検定用ヒトWBC溶解物の調製
・ WBCペレットを含む微細管に対し、0.6mlの溶解緩衝液(26mMのクエン酸塩/46mMのリン酸塩、pH5.5)を添加する。
・ 細胞が再懸濁するまで管をボルテックス処理する。
・ 2〜3分毎にボルテックス処理することにより撹拌しながら、約15分間室温で管をインキュベートする。
・ 管を2分間音波処理し、その後約10秒間ボルテックス処理する。
・ 冷却されるまで溶解物を氷上でインキュベートし、その後予冷したポリプロピレン容器内に(氷上で)プールする。
・ 容器をボルテックス処理し、プールした溶解物を、予冷したラベル付き0.5mLのネジぶた付きポリプロピレン微小遠心管内に0.100mLのアリコートに分割する。プールした溶解物を、アリコート10〜20個毎の間隔でボルテックス処理することでアリコートに分割しながら混合する。
C. ヒトWBC検定
・ 溶解物を含有する各管を、氷上で解凍し、2分間音波処理し、その後1分間ボルテックス処理する。
・ 黒色ポリスチレンマイクロ平板の適切なウェルに、各々50μlの標準、対照または臨床標本を加える(標準のためには、WBC溶解緩衝液中50μMの0.5%BSAを使用)。
・ 全てのウェルに5mMの4MU−alphaGlc基質を50μl加え、ウェルを30秒間平板振とう機上で混合する。
・ 各ウェルに対してpH10.7の0.2MのNaOH/グリシン緩衝液100μlを添加して反応を停止する。
・ 実施例2で記述した通り、蛍光平板読取り装置を用いて、平板を読取る。
実施例4:筋肉組織ホモジネート内でGAA酵素を測定するための方法
この実施例は、筋肉生検内の酸性α−グルコシダーゼ(GAA)酵素活性をいかに測定するかについて記述している。より具体的には、臨床試験の間、この方法を用いて、標的筋肉組織内のGAAに対する治験化合物1−デオキシノジリマイシン(DNJ)の薬力学的効果についての必要な情報を得ることができる。この方法は、残留DNJに起因する酵素阻害という潜在的問題を克服する筋肉内のGAA活性を高い信頼性で測定するために開発された。この方法は、GAAおよびその他の糖タンパク質を捕捉するのに、GAA酵素活性を測定する前のDNJ阻害物質の効果的な洗浄を可能にするレクチン(コンカナバリンA)結合マトリクスに依存している。この方法は、ポンペ病患者内のGAAレベルをDNJが増大させるのに有効な投薬計画をより良く理解し開発するために使用可能である。
A. 試薬および供給物
・ Bis−TRIS、Sigma B−9754
・ 氷酢酸、Sigma(99.7%)
・ 水酸化カリウム
・ 炭酸ナトリウム、Sigma S−7795
・ 塩化ナトリウム(5M)、Promega V4221
・ Triton X−100、Sigma T−9284
・ 完全;ミニ(EDTA含まず)プロテアーゼ阻害物質カクテル錠剤、Rocheカタログ#04 693 132 001
・4−メチル−ウンべリフェリル−アルファ−D−グルコピラノシド(4−MU−α−D−glu)Sigma M−9766(FW338.31)
・ 4−メチルウンべリフェロン(染料無し)、Sigma M−1381
・ コンカナバリンA−セファロース4B、Amersham Biosciencesカタログ#17−0440−01
・ Powermax組織ホモジナイザAHS200(Pro Scientific,(Thorofare,NJ))VWRカタログ#14227−318
・ 2重脱イオン水
・ 96ウェル平板、透明底面を有する黒色平板、Costar3603
・ BCAタンパク質検定キット、Pierceカタログ#23225
・ ウシ血清アルブミン標準、Pierceカタログ#23209
・ マルチチャンネルピペッター&チップ
・ シングルチャンネルピペッター&チップ
・ 冷蔵微小遠心分離機(例えば、
・ 37℃インキュベータ
・ Victor3(Perkin Elmer)またはSpectraMax M2(Molecular Devices)などの96ウェル蛍光平板読取り装置。
B. 溶液および試薬
・ 500mM Bis−TRIS緩衝原液、pH6.5
o 清潔な1Lのビーカー内に104.62gのBis−TRISを量り入れ、室温で撹拌しながら800mlのddHO中に溶解させる。
o HClを用いてBis−TRISのpHを6.5に調整し、ddHOを1Lになるまで添加する。
o 0.2μm膜の備わったボトル・キャップろ過装置を通して緩衝液をろ過し、緩衝液を室温で保管する。
・ 25×プロテアーゼ阻害薬溶液
o メーカーの使用説明書にしたがって4mLのddHO中に1錠を溶かし、−80℃で200μLのアリコートの形で保管する。
・ Bis−TRIS緩衝液(25mMのBis−TRIS−HCl/150mMのNaCl、pH6.5)
o 25mLの500mMのBis−TRIS緩衝原液と15mLの5MのNaClを添加する。
o 合計500mLとなるようHOを加える。
o 0.2μm膜の備わったボトル・キャップろ過装置を通して緩衝液をろ過し、室温で緩衝液を保管する。
・ 溶解緩衝液(Bis−TRIS緩衝液/1%(v/v)Triton X−100、プロテアーゼ阻害薬カクテル、pH6.5)
o 通常原液として50mLのBis−TRIS緩衝液に0.5mLのTriton X−100を添加する。
o 注:使用の直前に溶解緩衝液を調製する:5mLのBis−TRIS緩衝液/1%Triton X−100に対し25×プロテアーゼ阻害薬溶液200mLを加える。
o 使用するまで溶解緩衝液を氷上に置く。
・ 予備均衡化されたコンカナバリンA−セファロース樹脂
o スラリーが均一な混合物となるまで、コンカナバリンA(ConA)−セファロース樹脂をくり返し反転させる(10〜15回)
o 6mLのConA−セファローススラリーを、清潔な15mLの遠心分離管に移し、1000×gでConA−セファロース樹脂を遠沈させる。
o 樹脂の量を決定し、貯蔵緩衝液を廃棄する。
o 2体積のBis−TRIS緩衝液を添加することで樹脂を洗浄し、1000×gで樹脂を遠沈させる;さらに2回、洗浄手順をくり返す。
o 等体積のBis−TRIS緩衝液を添加して、50%のConA−セファローススラリーを生成する。
o 酵素活性検定に先立ちGAAを捕捉するために予備均衡化されたConA樹脂を使用する
・ KOAc緩衝原液(500mM KOAc、pH4.0)
o 750mLのddHOに対して28.8mLの氷酢酸(17.4Mの原料)を加える。
o KOHでpHを4.0に調整し、1LになるまでddHOを加える。
o 0.2μm膜を備えたボトル・キャップろ過装置を通して緩衝液をろ過し、緩衝液を室温で保管する。
・ GAA活性検定緩衝液
o 900mLのddHOで100mLの原料KOAc緩衝液を希釈する。
o pHが確実に4.0となるようにpHをチェックする。
o 0.2μm膜を備えたボトル・キャップろ過装置を通して緩衝液をろ過し、緩衝液を室温で保管する。
・ GAA検定緩衝液中の6mMの4−MU−α−グルコピラノシド
o バイアルを室温まで暖める。
o 清潔な1.5mLの微小遠心管内に13.4mgの基質を量り入れる。
o 短時間ボルテックス処理しながら、100%のDMSO200μL中に基質を溶解させる。
o 15mlの円錐管の中で9.8mLのGAA検定緩衝液を用いて基質を希釈する。使用するまで暗所に保管する。
・ 遊離した4−MU標準(5〜30,000nMの対応する5e−13〜3e−9モル)
o バイアルを室温まで暖め、清潔な1.5mLの微小遠心管内におよそ5mgの遊離した4−MU染料を量り入れる。
o 2.5mMの原液を得るのに適切な体積の50%のDMSOの中に染料を溶解させる。
o 4−MU原料をアリコート(20μL)に等分し、使用するまで−80℃で暗所に保管する。
* 注:GAA酵素活性検定の直前に4−MU標準を調製する。
o 室温で遊離した4−MU原液を解凍し、短時間ボルテックス処理する。
o 30,000nMの標準のために、2.5mMの遊離した4−MU原料9.6μLと溶解緩衝液190.4μLを添加する。
o 連続希釈を実施して、標準(0、5、50、500、5000、15000および30000nM)一式を得る。
・ 400mMの炭酸ナトリウム(pH約11.5)
o 清潔な500mLのビーカー内にNaCOを21.2g量り入れる。
o 室温で撹拌しながら400mLのddHO中に溶解させ、500mLとなるまでddHOを添加する。
o 0.2μm膜の備わったボトル・キャップろ過装置を通して緩衝液をろ過し、緩衝液を室温で保管する。
C. 手順
I. 組織均質化
1. 清潔な1.5mLの微小遠心管内に筋生検標本を秤量する。
2. 50mgの筋組織(ヒト生検標本)につき200μlのポンペ溶解緩衝液を加える。
・ * 注:正常な筋組織のためには500μlの溶解緩衝液を添加する。
3. マイクロホモジナイザー(Pro Scientific)を用いて反復的パルス送り(3〜5回、各パルスあたり5秒)により氷上で組織を均質化する。
・ * 注:標本が加熱状態とならならないように、パルス送り間隔中氷上でこれを冷却するべきである;同様に、均質化の間気泡の形成を回避するため、最大限の注意を払うべきである。
4. 4℃で10分間、9,200×gでの遠心分離により残屑を遠沈させ、上清を新しい1.5mlの微小遠心管に移す。
5. 全ての下流側検定のために上清を使用する。
各々の希釈標本10μLを(トリプリケートで)用い、メーカーの使用説明書にしたがってBCA検定または類似の方法を使用して総タンパク質濃度を判定する。
3. 所望の場合、全ての標本を溶解緩衝液で共通タンパク質濃度(例えば5mg/mL)に調整する。
III. コンカナバリンA(ConA)捕捉およびGAA酵素活性検定
1. 50μLの予備均衡化されたConA−セファロース樹脂(50%スラリー)を添加することにより1.5mLの微小遠心管中で標本を調製する。
2. 各組織ホモジネートからの100μgの総タンパク質を添加する。
3. 最終体積が全ての標本について500μLとなるように管にBis−TRIS緩衝液を添加する。
4. 揺動させながら30分間室温で標本をインキュベートする。
5. 10〜15秒間、5000×gでConA−セファロースを遠沈させ、樹脂を乱すことなく上清を入念に除去する。
6. 500μLのBis−TRIS緩衝液を添加し、管を5回反転させ、10〜15秒間5000×gで遠沈させ、上清を廃棄してConA樹脂を洗浄する。
7. ステップ5および6をさらに2回反復し、最終的洗浄液から上清を除去する。
8. 100μLのGAA活性検定緩衝液を各々の微小遠心管に加える。
9. ラージボアチップを用いてくり返しピペット操作(約10回)することによりConA樹脂を混合し、各標本のスラリー20μLを黒色96ウェル検定平板に移す(各標本についてトリプケートで実施する)。
10. 遊離した4−MU標準のウェルを除いて、全てのウェルに対し6mMの4−MU−α−D−グルコピラノシド基質溶液50μLを添加する。
11. 指定のウェル内に4−MU標準を加える。
12. 2時間37℃で平板をインキュベートする。
13. 全てのウェルに400mMの炭酸ナトリウム緩衝液70μLを添加することにより、反応を停止する。
14. 蛍光平板読取り装置(370nmの励起/460nmの発光)内で読取る。
15. 4−MU標準曲線からGAA活性を外挿し、1時間あたり1mgの総タンパク質あたりの放出された4−MUのnmol数として活性を報告する。
本発明は、本明細書中に記載された具体的実施形態によってその範囲が限定されるものではない。実際、以上の記述および添付図面から当業者には、本明細書に記載されているものに加えて本発明のさまざまな修正が明らかになる。かかる修正は、添付の特許請求の範囲内に包含されるものである。
本出願全体を通して特許、特許出願、公報、製品関連文書、GenBank登録番号およびプロトコルが引用されているが、その開示は、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に援用されている。

Claims (44)

  1. タンパク質の活性が欠損している患者が、タンパク質のための特異的薬理シャペロンでの治療に応答するか否かを判定する方法であって、
    a. 患者の体内または患者由来の細胞をタンパク質のための特異的薬理シャペロン(SPC)と接触させるステップと;
    b. 特異的薬理シャペロンと接触させられていない細胞内のタンパク質活性を、特異的薬理シャペロンと接触させられた細胞内のタンパク質活性と比較するステップと、
    を含み、特異的薬理シャペロン(SPC)と接触させられていない細胞中の活性に比べ、特異的薬理シャペロン(SPC)と接触させられた細胞内のタンパク質活性が充分に増加した場合に、その個体が特異的薬理シャペロン(SPC)での治療に応答することを表す、方法。
  2. 活性の欠損が、タンパク質をコードする遺伝子内のミスセンス変異によってひき起こされる、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質が酵素である、請求項1に記載の方法。
  4. 酵素がリソソーム酵素である、請求項3に記載の方法。
  5. 患者がリソソーム貯蔵障害の診断を受けている、請求項4に記載の方法。
  6. リソソーム酵素がα−グルコシダーゼであり、リソソーム貯蔵障害がポンペ病である、請求項5に記載の方法。
  7. 特異的薬理シャペロンが1−デオキシノジリマイシンであり、前記細胞が白血球、リンパ芽球および線維芽細胞からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  8. 細胞が白血球であり、特異的薬理シャペロンとの接触が生体外で起こる、請求項7に記載の方法。
  9. 細胞がTリンパ球であり、特異的薬理シャペロンとの接触が試験管内で起こる、請求項7に記載の方法。
  10. Tリンパ球が、
    a. 患者から得た血液標本から白血球を分離するステップと;
    b. 白血球を洗浄するステップと;
    c. Tリンパ球で富化された細胞培養を確立するステップと、
    によって得られる、請求項9に記載の方法。
  11. Tリンパ球が、約1〜3日間特異的薬理シャペロン1−デオキシノジリマイシンの不在下または存在下で培養される、請求項10に記載の方法。
  12. 1−デオキシノジリマイシンの不在下または存在下での培養が約3日間である、請求項11に記載の方法。
  13. α−グルコシダーゼ活性が、Tリンパ球由来の溶解物中の基質の加水分解を定量化する蛍光分析検定を用いて判定される、請求項12に記載の方法。
  14. 患者が応答するか否かを表わす1−デオキシノジリマイシンの存在下における溶解物中の活性の充分な増加が、
    i) ベースライン活性が正常値の1%未満である場合には、培養後またはSPCでの処置後の活性が正常値の少なくとも2%でなくてはならない;
    ii) ベースライン活性が正常値の1%〜3%未満である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性はベースラインレベルの少なくとも2倍でなくてはならない;
    iii) ベースライン活性が正常値の3%〜10%未満である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性は正常値のベースラインレベルより正常値の少なくとも3%高いものでなくてはならない;
    iv) ベースライン活性が正常値の10%以上である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性はベースラインレベルの少なくとも1.3倍でなくてはならない;
    という基準にしたがって測定される、請求項12に記載の方法。
  15. 患者が応答するか否かを表わす1−デオキシノジリマイシンの存在下での活性の充分な増加が、1−デオキシノジリマイシンの不在下での活性に比べて約2倍〜約25倍の間である、請求項12に記載の方法。
  16. 患者が応答するか否かを表わす1−デオキシノジリマイシンの存在下での活性の充分な増加が、1−デオキシノジリマイシンと共に培養されていない細胞内の活性に比べ、少なくとも20%である、請求項15に記載の方法。
  17. 患者に対し約2週間毎日1−デオキシノジリマイシンが投与される、請求項8に記載の方法。
  18. 投与が経口投与である、請求項17に記載の方法。
  19. 1−デオキシノジリマイシンが約50〜4000mg/日の用量で投与される、請求項17に記載の方法。
  20. 用量が約250〜3000mg/日である、請求項19に記載の方法。
  21. 用量が約2500mg/日である、請求項20に記載の方法。
  22. 1−デオキシノジリマイシンが一日一回投与される、請求項19に記載の方法。
  23. 2週間の終りで血液標本を収集するステップおよび白血球を分離するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  24. GAA活性が、白血球由来の溶解物中の基質の加水分解を定量化する蛍光分析検定を用いて判定される、請求項17に記載の方法。
  25. 患者が応答するか否かを表わす1−デオキシノジリマイシンの存在下における溶解物中の活性の充分な増加が、
    i) ベースライン活性が正常値の1%未満である場合には、培養後またはSPCでの処置後の活性が正常値の少なくとも2%でなくてはならない;
    ii) ベースライン活性が正常値の1%〜5%未満である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性はベースラインレベルの少なくとも2倍でなくてはならない;
    iii) ベースライン活性が正常値の5%〜10%未満である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性は正常値のベースラインレベルより正常値の少なくとも5%高いものでなくてはならない;
    iv) ベースライン活性が正常値の10%以上である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性はベースラインレベルの少なくとも1.5倍でなくてはならない;
    という基準にしたがって測定される、請求項24に記載の方法。
  26. 白血球がTリンパ球であり、特異的薬理シャペロンとの接触が試験管内で起こる、請求項7に記載の方法。
  27. 細胞がリンパ芽球であり、特異的薬理シャペロンとの接触が試験管内で起こる、請求項7に記載の方法。
  28. リンパ芽球が、
    a. 患者から得た血液標本から白血球を分離するステップと;
    b. 白血球を洗浄するステップと;
    c. リンパ芽球細胞系を確立するステップと、
    によって得られる、請求項27に記載の方法。
  29. リンパ芽球が、約1〜5日間特異的薬理シャペロン1−デオキシノジリマイシンの不在下または存在下で培養される、請求項28に記載の方法。
  30. 1−デオキシノジリマイシンの不在下または存在下での培養が約5日間である、請求項29に記載の方法。
  31. α−グルコシダーゼ活性が、リンパ芽球由来の溶解物中の基質の加水分解を定量化する蛍光分析検定を用いて判定される、請求項30に記載の方法。
  32. 患者が応答するか否かを表わす1−デオキシノジリマイシンの存在下における溶解物中の活性の充分な増加が、
    i) ベースライン活性が正常値の1%未満である場合には、培養後またはSPCでの処置後の活性が正常値の少なくとも2%でなくてはならない;
    ii) ベースライン活性が正常値の1%〜3%未満である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性はベースラインレベルの少なくとも2倍でなくてはならない;
    iii) ベースライン活性が正常値の3%〜10%未満である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性は正常値のベースラインレベルより正常値の少なくとも3%高いものでなくてはならない;
    iv) ベースライン活性が正常値の10%以上である場合には、培養またはSPCでの処置後の活性はベースラインレベルの少なくとも1.3倍でなくてはならない;
    という基準にしたがって測定される、請求項30に記載の方法。
  33. 患者が応答するか否かを表わす1−デオキシノジリマイシンの存在下での活性の充分な増加が、1−デオキシノジリマイシンの不在下での活性に比べて約2倍〜約700倍の間である、請求項30に記載の方法。
  34. 患者が応答するか否かを表わす1−デオキシノジリマイシンの存在下での活性の充分な増加が、1−デオキシノジリマイシンと共に培養されていない細胞内の活性に比べ、少なくとも20%である、請求項33に記載の方法。
  35. a. 少なくとも1つのT細胞刺激剤と;
    b. 特異的薬理シャペロンと;
    c. シャペロンのための標識された基質と;
    d. タンパク質増強検定を実施するための使用説明書と、
    を含むキット。
  36. T細胞刺激剤がマイトジェンである、請求項26に記載のキット。
  37. マイトジェンがPHAである、請求項27に記載のキット。
  38. 刺激剤がサイトカインである、請求項26に記載のキット。
  39. サイトカインがIL−2である、請求項29に記載のキット。
  40. 薬理シャペロンが1−デオキシノジリマイシンである、請求項26に記載のキット。
  41. 血液採取管、遠心分離管およびクライオチューブのうちの1つ以上をさらに含む、請求項26に記載のキット。
  42. タンパク質が酵素である、請求項26に記載のキット。
  43. 酵素がα−グルコシダーゼである、請求項33に記載のキット。
  44. DNJで治療された患者の組織ホモジネート標本中でGAA活性測定の感度および精度を増大させる方法において、レクチン(コンカナバリンA)結合マトリクスを用いてGAAおよびその他の糖タンパク質を捕捉するステップと、GAA酵素活性を測定する前にDNJを洗浄するステップとを含む方法。
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