JP2011515170A - 溶媒/界面活性剤処理による生体液のウイルス不活化方法 - Google Patents
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Abstract
生体液をウイルス不活化する方法であって、(a)当該生体液を、リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x=5;Triton X−45)の混合物で処理する工程と、(b)油抽出工程であって、リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x=5)を当該生体液から大豆油へと移動させるために、当該リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x=5)を含有する生体液が、この生体液の体積に対して5〜15体積%の大豆油で処理される工程と、(c)工程(b)の後に回収される生体液を活性炭フィルターに通す工程と、(d)工程(c)の後に回収される生体液を細菌フィルターに通す工程とを含むが、ただしこの大豆油抽出工程は当該方法の唯一の油抽出工程である、方法。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、生体液のウイルス不活化、特に血漿および血漿製剤のウイルス不活化に関する。
ヒトおよび動物の血漿および血漿画分は、現代の医学において重要な役割を果たしている。それらは主に、出血のエピソード、血栓のエピソード、線維素溶解、感染性のエピソードの処置における輸液目的のため、または予防のため、または特定の臨床状況において手術に先立って患者を前処置するために使用される。
ヒトまたは動物の血漿もしくは血漿画分の使用における主な欠点は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、およびウエストナイルウイルスなどの血液由来のウイルス、またはデングウイルス、チクングニアウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス、およびトリインフルエンザウイルスなどの可能性のある新興ウイルス(これらはすべて脂質エンベロープ型ウイルスである)の伝染の危険性である。ウイルスの危険性は、組換え哺乳類細胞株および遺伝子導入動物から得られる産物からも存在する。
それゆえ、メチレンブルーを用いた処理ならびにその後の可視光を用いた照射および溶媒/界面活性剤または溶媒単独の処理など、血漿および/もしくは血漿画分ならびに/または組換え産物のウイルス不活化のための様々な方法が開発されてきた。特許文献1および特許文献2は、例えば有機溶媒と界面活性剤の組み合わせ(S/D方法)または溶媒単独を使用して、血漿および血漿製剤の中に含有されるまたはそれらに添加される肝炎ウイルスまたは他のエンベロープ型ウイルスの感染力を数桁低下させることを記載する。
試薬濃度、温度および接触時間の適切な条件下での溶媒/界面活性剤または溶媒単独処理は、脂質に関連するエンベロープタンパク質を有するウイルスを効果的に分解するが、他方で、感受性の血漿タンパク質の分子の高次構造および生物活性に対してはほとんど影響を与えない。
今日、溶媒/界面活性剤(S/D)方法は、輸液のための血漿を含めて、市場にある多くの血漿およびバイオテクノロジー産物(哺乳類細胞または哺乳動物由来の、組換えまたは遺伝子導入産物)の主要なウイルス不活化処理である。この手順は一般に、タンパク質溶液を、タンパク質溶液の体積に対して0.3〜1体積%の有機溶媒、リン酸トリ(n−ブチル)(TnBP)、および1つまたはいくつかの界面活性剤(一般にTween−80、Triton X−100、Tween−20、またはデオキシコール酸ナトリウム)とともに1〜6時間インキュベーションすることにある。血漿または血漿製剤は多くの提供物の大プール(large−pool)(100〜5000リットル、またはこれより多く)で処理され、これには大きくかつ高価な医薬品製造設備が必要になる。
この処理は、病原性の脂質エンベロープ型の血液由来のウイルスについての優れた殺ウイルス効率の記録を伴って、広い範囲の凝固因子および他の不安定な血漿タンパク質の機能活性を保存する(非特許文献1)。
さらに、そのSD処理後、輸液用の大プールSD(LP/SD)血漿は、このSD剤を取り除くために疎水性相互作用クロマトグラフィにかけられる。しかしながら、この疎水性相互作用クロマトグラフィ工程には高価なクロマトグラフィ材料、比較的大きい緩衝液消費量が伴い、そしてその設備は再使用されるため、各処理単位後に設備の洗浄および衛生化が必要であり、こうしてSD除去はかなり費用がかかりかつ時間がかかるものとなる。さらに、設備の再使用のため、その設備の表面に付着する傾向があるウイルスおよびプリオンによる処理単位ごとの汚染の危険性がある。
さらに、例えば非特許文献2に記載されるように生体液の重量に対して1体積%のTnBPおよび生体液の重量に対して1重量%のTriton X−100(ポリオキシエチレン(9−10) p−t−オクチルフェノール;分子式t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)X、x=9〜10)とのインキュベーション、油抽出、遠心分離、および疎水性相互作用クロマトグラフィにかけられた輸液用の大プールSD(LP/SD)血漿は、α2−抗プラスミン(α2−APまたはSERPINF2)などの特定のセリンプロテアーゼ阻害剤(セルピン類)、またはプロテインSなどの抗凝固薬の低い機能活性を生じる。
BurnoufおよびRadosevich、Blood Rev 2000年、第14巻、94−110頁
Horowitz B.ら、Blood 1992年、第79巻、826−31頁
先行技術の上記の欠点を考慮すれば、SD化学物質を満足できる程度に取り除くために疎水性相互作用クロマトグラフィを必要とせずかつα2−APおよび/またはプロテインSの高い機能活性を生じる、SD処理を使用するウイルス不活化方法に対するニーズが存在する。
長期かつ集中的な研究の後、本発明者らは、この目標は、生体液をウイルス不活化する方法であって、
(a)当該生体液を、リン酸トリ(n−ブチル)(TnBP)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5;Triton X−45)の混合物で処理する工程と、
(b)油抽出工程であって、当該リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)を大豆油へと移動させるために、当該リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)を含有する生体液が、5〜15%、好ましくは8〜12%、さらにより好ましくは約10体積%の大豆油で処理される工程と、
(c)工程(b)の後に回収される生体液を、重力により活性炭フィルターに通す工程と、
(d)工程(c)の後に回収される生体液を、重力により細菌フィルターに通す工程と、
を含むが、ただし、この大豆油抽出工程は当該方法の唯一の油抽出工程である、方法によって到達されるということを、驚きをもってそして予想外にも、本発明において見出した。
(a)当該生体液を、リン酸トリ(n−ブチル)(TnBP)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5;Triton X−45)の混合物で処理する工程と、
(b)油抽出工程であって、当該リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)を大豆油へと移動させるために、当該リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)を含有する生体液が、5〜15%、好ましくは8〜12%、さらにより好ましくは約10体積%の大豆油で処理される工程と、
(c)工程(b)の後に回収される生体液を、重力により活性炭フィルターに通す工程と、
(d)工程(c)の後に回収される生体液を、重力により細菌フィルターに通す工程と、
を含むが、ただし、この大豆油抽出工程は当該方法の唯一の油抽出工程である、方法によって到達されるということを、驚きをもってそして予想外にも、本発明において見出した。
このリン酸トリ(n−ブチル)(TnBP)は、生体液の体積に対して0.1〜2体積%、好ましくは0.3〜1.5体積%、さらにより好ましくは0.5〜1体積%、例えば1体積%の量で使用されるのが有利である。
有利なことに、このポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチルフェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)(Triton x−45)は、この生体液の体積に対して0.1〜2体積%、好ましくは0.3〜1.5体積%、さらにより好ましくは0.5〜1体積%、例えば1体積%の量で使用される。
本発明の好ましい実施形態では、このリン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)の各々は、当該生体液の体積に対して1体積%の量で使用される。
本発明に係る生体液は、哺乳類の血液、血漿、血清、血漿画分、血液画分からの沈殿物および血液の分画(blood fractionation)からの上清、乏血小板血漿、多血小板血漿、脱クリオ血漿(cryo−poor plasma)(クリオ上清(cryosupernatant))、組換えおよび遺伝子導入産物を含む。好ましい生体液は血漿であり、この血漿には、回収血漿(recovered plasma)(全血からの血漿)およびアフェレーシス血漿、脱クリオ血漿、血漿画分(プロトロンビン複合体、第IX因子、第VII因子、プロテインC、プロテインS、抗トロンビン、α2−AP、α1−アンチトリプシン(α1−AT)、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター−1(PAI−1)、C1−阻害剤の精製用の画分など)、血漿からの沈殿物(ポリエチレングリコール、カプリル酸、または硫酸アンモニウムで沈殿させた画分など)、およびそれらの対応する上清、または血漿の分画から得られるいずれかの他の沈殿物または上清、上清I+II+III、沈殿物I+II+III、上清II+III、沈殿物II+III、上清I+III、上清IV、沈殿物V、または沈殿物IIが含まれる。血漿画分、沈殿物および上清は回収血漿(全血からの血漿)から、およびアフェレーシス血漿から得てもよい。
特に好ましい生体液は、アフェレーシス血漿、回収血漿、アフェレーシス血漿からのクリオプレシピテート、回収血漿からのクリオプレシピテート、および脱クリオ血漿(アフェレーシスおよび回収)である。
工程(a)のSD処理後の大豆油を用いた1回の抽出の能力は、TnBP含有量を最初のTnBP含有量(10,000ppm)の10%未満まで、すなわち約1000ppm未満まで、好ましくは最初のTnBP含有量(10,000ppm)の5%未満まで、すなわち約500ppm未満まで減少させ、および(b)Triton X−45含有量を最初のTriton X−45含有量(10,000ppm)の30%未満まで、すなわち3000ppm未満まで、好ましくは最初のTriton X−45含有量(10,000ppm)の25%未満まで、すなわち2500ppm未満まで減少させることを可能にする。
さらに、まったく予想しておらずしかも驚いたことには、本発明の方法に従って得られたウイルス不活化された生体液の中のフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DEHP)含有量は、最初の生体液におけるよりも著しく低い。最初の生体液の中のDEHPは、生体液(例えば血漿、脱クリオ血漿、またはクリオプレシピテート)に対して一般に使用される保存用バッグの材料の中に含まれるDEHPの拡散に由来する。血液および血液成分などの生体液についての保存用バッグおよび採取バッグは、通常、PVC(ポリ塩化ビニル)からできている。DEHPはPVCポリマーに化学結合されない可塑剤であり、PVC製医療装置が液体と接触すると漏出する可能性がある。新生児、小児、妊婦、または肝機能障害を抱える患者のような特別の患者群における毒性の可能性についての懸念があるため、可能な限り低いDEHP含有量を有する生体液、特に輸液用の生体液に対するニーズが存在する。予想しておらずしかも驚いたことには、油抽出および濾過はともに、最初の血漿のレベル未満、および他のグループ(例えばInoue,K.ら、Clin.Chem.Acta 2005;358(1−2):159−66;Cole RSら、Vox Sang 1981;40(5):317−22;Loff Sら J.Pediatr.Surg. 2000;35(12):1775−81;Buchta C.ら、Transfusion 2005;45(5):798−802を参照)によって輸液用の血漿および血小板濃縮物で見出されたレベル未満のレベルまでDEHPを減少させることが見出された。
もっとも重要なことは、さらなる付加的な処理(遠心分離など)なしに濾過することができる、それゆえ直接の効率的な濾過を可能にする透明な/濁っていない生体液溶液を得るために、大豆油抽出が必要とされることである。非常に驚くべきことに、しかも予想していなかったことに、透明な/濁っていない溶液は、当該方法がただ1回の単一の大豆油抽出工程を含むときのみ得られる。複数の大豆油抽出または他の油(ヒマシ油など)を用いた抽出は、活性炭フィルターを通して重力濾過することができない濁った溶液を常に生じる。
従って、好ましい実施形態では、大豆油抽出後の濾過工程、特に活性炭フィルターを通した濾過は重力により行われてもよい。
活性炭濾過工程(c)は、TnBP含有量を10ppm未満までまたは検出不能なレベルまでさらに低下させ、Triton X−45含有量を50ppm未満まで、または10ppm未満まででさえ低下させ、油抽出の間の混合の結果としてその生体液溶液の中に依然として存在する可能性がある油滴を取り除き、そして細胞片、微視的凝集体、残留脂質を取り除くことによりその生体液溶液をさらに清澄化することを可能にし、それゆえその後の細菌フィルターの容量を増加させ、そしてCuno Zeta Plus VRフィルターなどの吸着フィルター、または15−75μmの範囲の細孔径を有するフィルター、または同等品(Pall DVフィルター、Millipore Viresolveもしくは、Asahi Planovaフィルターシリーズなど)を使用する濾過および/またはナノ濾過により(例えば非エンベロープ型ウイルスを取り除くために)ウイルス/プリオン除去工程を実施することを、より容易に可能にする。
小プールの生体液、すなわち約500ml未満の濾過のための適切な活性炭フィルターの例としては、ポール・コーポレーション(PALL Corporation)によって商品化されているPall Supracap 60フィルターカプセルシリーズ(AKS6、AKS7、AKS4、およびAKS1など);ならびにキュノ(Cuno Inc.)によって商品化されているBIOCAP 30−R32SP、BIOCAP 30−R33SP、BIOCAP 30−R34SP、BIOCAP 30 R35SP、および新しく導入されたBIOCAP 25 R32SP、BIOCAP 30−R33SP、BIOCAP 30−R34SP、およびBIOCAP 25 R35SPなどのCuno Zeta Plus ZetaCarbonシリーズが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の有利な実施形態では、この細菌フィルターは約0.2μmのサイズの孔を具える。細菌濾過工程(d)の容量に関する最良の結果は、例えば0.65μm〜0.2μmのその多孔性の漸次性(graduation)を有する細菌フィルターを使用するときに得られる。このような漸次的な多孔性は、だんだんと小さくなる多孔性の繊維上での当該材料の漸進的な濾過を確実にする。小プールの生体液(すなわち1.5L未満)の濾過のための適切な細菌フィルターの例は、PALL Corporationによって商品化されているCapsule Mini Kleenpak(商標) EKV (参照番号 KM5EKVP2S)である。
好ましい実施形態では、工程(d)における細菌濾過は重力により行われる。
処理中に細菌による偶発的な汚染が起こったとしても、細菌濾過のため、当該生体液溶液の細菌に関する安全性は確保される。さらに、TnBP、Triton X−45、または大豆油などの処理の間に使用される種々の化学物質の滅菌は回避され、これにより、時間および費用が節約され、この方法は滅菌装置が容易には利用できない環境でも適用できるようになる。
当該生体液が血漿、クリオプレシピテート、または脱クリオ血漿である場合には、細菌濾過は、(例えば、提供者の腕の不適切な洗浄に起因する)血液/血漿採取の時に導入され、かつ上記SD処理によって破壊されなかったことになるいずれかの血液由来の細菌の除去をさらに確実にする。さらに、細菌濾過は、とりわけ、非常に新しいおよび未凍結の血漿が出発物質として使用されかつそれらが予想外にも当該SD処理により破壊されていなかったとしても、血液由来の寄生虫(例えばバベシア症に関与するネズミバベシア;マラリアに関与するマラリア原虫;リーシュマニア症に関与するリーシュマニア;シャーガス病に関与するクルーズ・トリパノソーマ)に関する血漿/クリオプレシピテート/脱クリオ血漿溶液の安全性の余裕度を高める。0.2μm膜での細菌濾過もまた血液細胞片の除去を可能にし、従って残留リンパ球または細胞凝集体に起因する免疫学的な輸血反応の危険性を低下させる。
さらに、本発明者らの知る限りでは、これは、血液事業者によって製造される輸液用の血漿または他の血漿成分(クリオプレシピテートまたは脱クリオ血漿など)を0.2μmフィルターに通して濾過することが可能である最初の例である。約0.2μmのサイズの孔を有するフィルターを通す濾過は、何らの血液細胞(白血球、血小板、赤血球)および細胞片も含まず、加えて細菌および寄生虫を含まない製剤をもたらすという利点を有する。血液細胞および細胞片の完全な除去は、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、またはプリオンなどの白血球関連の病原体の除去または減少のため、輸液用血漿または他の血漿成分(クリオプレシピテートもしくは脱クリオ血漿など)の改善された安全性に寄与することもできる。本発明とは対照的に、通常の単一ドナーの血漿は無菌的に処理され、かなりのレベルの血液細胞を含有する。白血球除去した単一ドナーの血漿は低いレベルの白血球しか含有しないが、依然として血小板を含有する可能性がある。単一ドナーのメチレンブルー血漿、またはソラレン血漿などのウイルス不活化された血漿ユニットは、それぞれメチレンブルーまたはソラレン吸着フィルターに通されるが、依然として血液細胞または血液細胞片を含有する。
加えて、本発明に従って得られる血漿および脱クリオ血漿は減少した脂質含有量を有し、これはTRALI(輸血関連急性肺傷害)の危険性を低下させる可能性がある。
最後に、本発明に従って得られる血漿およびクリオプレシピテートは、第VIII因子および凝固性フィブリノーゲン(clottable fibrinogen)含有量の良好な保存を示すが、他方、メチレンブルーで処理された血漿、ソラレンで処理された血漿、およびリボフラビンで処理された血漿に関しては20〜30%の減少が起こる。
結論として、本発明の方法により、(a)ウイルス不活化され、(b)第VIII因子および凝固性フィブリノーゲンの良好な保存を有し、(c)脂質を実質的に含まず、(d)血液細胞および細胞片を実質的に含まず、かつ(e)最初の血漿、脱クリオ血漿、またはクリオプレシピテートよりも低いフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DEHP)含有量を有する血漿、脱クリオ血漿、およびクリオプレシピテートの調製が可能になる。
有利な実施形態では、本発明の方法は、工程(c)の前に、工程(b)の後に回収される生体液を重力により輸液フィルターに通す工程を含む。この付加的な濾過工程は、生体液の濁度には影響を与えないが、大豆油抽出の後の生体液の中に潜在的に存在する可能性がある目に見える血塊を取り除き、そして安全性の尺度としての役割をはたす。好ましくは、この濾過工程は重力により行われる。
本発明の方法は、大プールのSD処理された生体液(血漿および血漿製剤など)の工業的な処理、ならびにいわゆるミニプール(minipool)(MD−SD)の処理に適用されてもよい。少量の血漿が閉鎖バッグ系で処理される、生体液のミニプール(血漿および血漿製剤など)に適用される溶媒/界面活性剤方法(MP/SD)は、国際特許出願、国際公開第2006/082115号パンフレット(これを、参照により本願明細書に援用したものとする)に記載されている。
インバッグ(in−bag)ウイルス不活化システムに関しては、本発明の方法は特に興味深い。なぜなら、濾過は蠕動ポンプなどの特別の装置を必要とすることなく重力により行うことができ、従ってそのシステムは使い勝手がよくかつ安価なものとなるからである。使い捨てフィルターの使用により、当該方法はこのインバッグ・システムと特に適合したものとなる。なぜなら、バッグおよびフィルターのシステム全体は、使用後に簡単に廃棄してもよいからである。
図1に示されるインバッグ・システム(1)は、本発明の方法に従って血漿(または脱クリオ血漿)ミニプールを処理するのに適したシステムの1つの特定の構成を表す。このシステムは、第1のウイルス不活化バッグ(2)、第2のウイルス不活化バッグ(3)、漏斗形状のバッグ(4)、回収バッグ(5)、輸液フィルター(6)、活性炭フィルター(7)、細菌フィルター(8)、およびウイルス不活化され精製された血漿もしくは脱クリオ血漿を回収するための2つの採取バッグ(9)を具える。代替の実施形態では、このシステムは輸液フィルター(6)を具えない。このインバッグ・システムは、採取バッグ(9)に分配するまでウイルス不活化され精製された血漿をプールするためのさらなる採取バッグも、細菌フィルターと採取バッグ(9)との間に具えてもよい。
有利な実施形態では、このウイルス不活化バッグは、成分の混合を容易にするため、および血漿材料がS/D剤と接触しないであろうデッドポイント(dead point)の存在を回避するために、卵形または丸い形状である。
ウイルス不活化バッグ(2、3)、漏斗形状のバッグ(4)、回収バッグ(5)、フィルター(6、7、8)、およびウイルス不活化され精製された血漿または脱クリオ血漿を回収するための採取バッグ(9)は、血液および血液製剤の輸液の分野で使用される最新の連結部を介して互いに一直線に連結される。
処理されるべきではない血漿または脱クリオ血漿は、1以上の血漿採取または保存用バッグ(10)から第1のウイルス不活化バッグ(2)の第1の入口(11)へと直接移される。次いで当該プロセス化学物質(triton X−45およびTnBP)が、例えばシリンジを用いて第2の入口(12)を介して第1のバッグ(2)に加えられる。このシリンジは、この第2の入口へと直接連結されてもよいし、またはチューブを用いて連結されてもよい。
第1のウイルス不活化バッグ(2)の中での第1のインキュベーション後、プロセス化学物質含有血漿または脱クリオ血漿は、さらなるインキュベーションのために、第1のバッグ(2)の出口(13)および第2のバッグ(3)の入口(14)を介して第2のウイルス不活化バッグ(3)へと移される。
第2のインキュベーション工程の終了後、プロセス化学物質含有血漿または脱クリオ血漿は、油抽出のために、第2のウイルス不活化バッグ(3)から漏斗形状のバッグ(4)へと、第2のバッグ(3)の出口(15)および漏斗形状のバッグ(4)の第1の入口(16)を介して移される。
油抽出のための大豆油は、例えばシリンジ(18)を用いて漏斗形状のバッグ(4)の第2の入口(17)を介して加えられる。シリンジ(18)は、この第2の入口へと直接連結されてもよいし、またはチューブを用いて連結されてもよい。
油抽出工程の間、プロセス化学物質含有血漿または脱クリオ血漿および大豆油はまずよく混合され、次いで重力による相分離に供される。
重力による相分離の終了後、下側の血漿または脱クリオ血漿相および上側の大豆油相が得られる。次いでこの下側の相は、漏斗形状のバッグ(4)の出口(19)および回収バッグ(5)の入口(20)を介して回収バッグ(5)に移される。
次いで、この回収血漿または脱クリオ血漿は、輸液フィルター(6)(存在する場合)、活性炭フィルター(7)および細菌フィルター(8)に連続的に通される。細菌フィルター(8)を通った後、このウイルス不活化され精製された血漿または脱クリオ血漿は採取バッグ(9)の中に回収される。
図2に示されるインバッグ・システム(1a)は、本発明の方法に従ってクリオプレシピテートミニプールを処理するのに適したシステムの1つの特定の構成を表す。このシステムはその処理されたクリオプレシピテートを混合しかつ細菌フィルター(8)と採取バッグ(9)との間で分注する(21)のに先立って均一な溶液を得るためのさらなる採取バッグをさらに具えるという点で、このシステムは図1のシステムと異なる。代替の実施形態では、このシステムは輸液フィルター(6)を具えない。
図2に示されるインバッグ・システム(1a)の中でのクリオプレシピテートのウイルス不活化の場合には、30〜50単位(約10ml/ユニット)が、それらの保存用バッグから第1のウイルス不活化バッグ(2)の第1の入口(11)まで直接移される。
この後の手順は、血漿または脱クリオ血漿についての手順と実質的に同じである。
SD処理された生体液、特に血漿および分画された血漿製剤(イムノグロブリンGなど)の大プールの工業的処理に適用する場合、上記の製造順序により、収量の改善および複数の点での製造プロセスの単純化が可能になる。第一に、工業規模で使用されるSD剤を取り除くための費用のかかる疎水性相互作用工程(通常C18またはSDR−hyper D充填材料)は、使い捨ての活性炭フィルターに置き換えられる。これにより、(再使用される)クロマトグラフィ材料の検証、洗浄および衛生化の必要性が回避され、緩衝液の消費が減少し/回避され、これによりこのプロセスはより安価でかつより速くなり、そしてクロマトグラフィ装置の表面に付着する傾向があるウイルスおよびプリオンによる処理単位ごとの汚染の懸念が回避される。
第二に、上記大豆油の後に透明な材料を得るために必要とされるTriton X−45の使用によって、α2−AP、α1−AT、プロテインS(PS)、および他のプロテアーゼ阻害剤または抗凝固薬の良好な含有量を有するより良質の血漿が提供される。
本発明の別の目的は、血漿、脱クリオ血漿、およびクリオプレシピテートからなる群から選択されるウイルス不活化された生体液であって、この生体液は実質的に脂質を実質的に含まず、血液細胞および細胞片を実質的に含まない、生体液である。この生体液、つまり血漿およびクリオプレシピテート、は有利なことに第VIII因子および凝固性フィブリノーゲンを良好に保存する。
当該生体液中に脂質、血液細胞および細胞片が存在しないことで、TRALI(輸血関連急性肺傷害)などの残留する脂質、またはリンパ球または細胞凝集体に起因する免疫学的な輸血反応のリスクを著しく低下させることができる。それは、血液細胞または血液細胞膜に関連する病原体からのリスクを低下させることもできる。
本発明の本質およびその実施の態様をより十分に例証するために、以下の限定を意図しない実施例が提示される。すべての実施例はミニプールを伴いかつ閉鎖バッグ系で実施されるが、とりわけ活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通した濾過に関して、当該方法は容易に規模拡大することができるということを理解されたい。適切な大スケールのフィルターは市販されている。
実施例全体にわたり、すべての百分率は、特段の記載がない限り、体積百分率である。
(実施例1)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイスエタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ(Fontenay−sous−bois))およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物を、この400mlの血漿に慎重に加え、当該血漿の重量に対して1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を、少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明な血漿相を回収した。370ml超の血漿を輸液フィルターに通したところ、ポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に直列に連結したAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる350ml超の透明な血漿を得ることができる。
(実施例2)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し大豆油(参照番号 85471、ダイズ(Glycine max)由来、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し大豆油(参照番号 85471、ダイズ(Glycine max)由来、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイスエタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物をこの400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 85471、ダイズ(Glycine max)由来、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明な血漿相を回収した。370ml超の血漿を輸液フィルターに通したところ、ポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に直列に連結したAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる350ml超の透明な血漿を得ることができる。
(実施例3)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイスエタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物をこの400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation)、米国)をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明な血漿相を回収した。370ml超の血漿を輸液フィルターに通したところ、ポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に直列に連結したAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる350ml超の透明な血漿を得ることができる。
(実施例4)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による2回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による2回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物をこの400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
血漿相を回収し、上記油抽出手順を1回繰り返し、約360mlの血漿を得た(合計:2回の大豆油による抽出)。
輸液フィルターを通ることができない非常に濁った血漿相を回収した。約30mlだけがAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して重力濾過することができたが、このフィルターは詰まり始め、この濾過プロセスは停止した。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による2回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過することができない非常に濁った血漿が得られる。
(実施例5)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物をこの400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
血漿相を回収し、この油抽出手順を2回繰り返し、約350mlの血漿を得た。
わずかに濁った血漿相を回収した。350mlの血漿を輸液フィルターに通した。約80mlだけがAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して重力濾過することができたが、このフィルターは詰まり始め、この濾過プロセスは停止した。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による3回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過することができないわずかに濁った血漿が得られる。
(実施例6)
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))の50%/50%混合物を、この400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明な血漿相を回収した。370ml超の血漿を輸液フィルターに通したところ、ポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に直列に連結したAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45(別のブランドのTriton X−45を使用する)の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる350ml超の透明な血漿を得ることができる。
(実施例7)
2% TnBPで処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2% TnBPで処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlのTnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)を、この400mlの血漿に慎重に加え、2% TnBPの最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で37℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。この血漿−TnBP混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))を、この血漿−TnBP混合物に加えた。この血漿−TnBP/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
回収した血漿相は非常に濁っており、活性炭フィルターを通した濾過は不可能であった(AKS6 Pall活性炭フィルター;SUPRAcap 60 SC060XAK6)。
この油抽出手順を2回繰り返した。各々の場合において、この血漿は非常に濁っており、上述の濾過工程は不可能であった。
結論:2% TnBPの使用およびその後の大豆油による1回、2回、または3回の抽出の組み合わせによって、各々の場合において、AKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して重力濾過することはできず、ましてや細菌フィルターを通して濾過することはできない非常に濁った血漿が得られる。
(実施例8)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、ヒマシ油による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、ヒマシ油による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))50%/50%混合物を、この400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlのヒマシ(=トウゴマ)油(参照番号 83912、フルカ(Fluka))をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
回収した血漿相は濁っており、活性炭フィルターを通した濾過は不可能であった(AKS6 Pall活性炭フィルター;SUPRAcap 60 SC060XAK6)。
この油抽出手順を2回繰り返した。各々の場合において、この血漿は濁っており、上述の濾過工程は不可能であった。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後のヒマシ油による1回、2回、または3回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過することができない濁った血漿が得られる。
(実施例9)
1% TnBP−1% Triton X−100で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−100で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−100(メルク(Merck)、ドイツ、ダルムシュタット)の50%/50%混合物を、この400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−100の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−100混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。この血漿−TnBP−Triton X−100混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Triton X−100混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−100/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
回収した血漿相は濁っており、活性炭フィルターを通した濾過は不可能であった(AKS6 Pall活性炭フィルター;SUPRAcap 60 SC060XAK6)。
この油抽出手順を2回繰り返した。各々の場合において、この血漿は濁っており、上述の濾過工程は不可能であった。
結論:1% TnBP−1% Triton X−100の使用およびその後の大豆油による1回、2回、または3回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過することができない濁った血漿が得られる。
(実施例10)
1% TnBP−1% Tween 80で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Tween 80で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は±400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTween−80(Polysorbate−80としても知られる)(参照番号 59924、フルカ(Fluka))の50%/50%混合物を、この400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Tween−80の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Tween−80混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。この血漿−TnBP−Tween−80混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Tween−80混合物に加えた。この血漿−TnBP−Tween−80/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
回収した血漿相は濁っており、活性炭フィルターを通した濾過は不可能であった(AKS6 Pall活性炭フィルター;SUPRAcap 60 SC060XAK6)。
この油抽出手順を2回繰り返した。各々の場合において、血漿は濁っており、上述の濾過工程は不可能であった。
結論:1% TnBP−1% Tween−80の使用およびその後の大豆油による1回、2回、または3回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過することができない濁った血漿が得られる。
(実施例11)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけた回収血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけた回収血漿
2ユニットの回収血漿を全血から調製し、CPD抗凝固薬/防腐剤(比:14ml/100mlの血液)の中に採取した。血液を、採取後4時間以内に3600gで12分間遠心分離した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物をこの400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明な血漿相を回収した。370ml超の血漿を輸液フィルターに通したところ、ポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に直列に連結したAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる350ml超の透明な回収血漿を得ることができる。
(実施例12)
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))による1回の抽出にかけた回収血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))で処理し、大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))による1回の抽出にかけた回収血漿
2ユニットの回収血漿を全血から調製し、CPD抗凝固薬/防腐剤(比:14ml/100mlの血液)の中に採取した。血液を、採取後4時間以内に3600gで12分間遠心分離した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物をこの400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation)、米国)をこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。この血漿−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)と血漿相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明な血漿相を回収した。370ml超の血漿を輸液フィルターに通したところ、ポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に直列に連結したAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる350ml超の透明な血漿を得ることができる。
(実施例13)
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理したが、大豆油抽出にかけなかったアフェレーシス血漿
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理したが、大豆油抽出にかけなかったアフェレーシス血漿
2つの血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
この2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中、35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))の50%/50%混合物を、この400mlの血漿に慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
この血漿−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。
次いでこの血漿−TnBP−Triton X−45混合物を、第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
AKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して濾過できない非常に濁った血漿相を回収した。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45後の大豆油を用いた抽出は、当該血漿を清澄化して活性炭濾過を可能にするために必要とされる。
下記の表1は、5つの処理単位についてそれぞれの最初の血漿(「開始」とラベルした)と比較して、実施例1に記載したように処理した血漿(「最終」とラベルした)の質の比較を示す。結果は、1% TnBP−1% Triton X−45を使用するプロセス、ならびにその後の1回の大豆油抽出、およびAKS6活性炭フィルターおよび細菌フィルター上での濾過プロセスは、血漿のタンパク質の質を変えず、イオンバランスの改変にもつながらないということを示す。TnBPおよびTriton X−45含有量は、1回の油抽出および活性炭濾過の後の最終の血漿では検出不能なレベルまで減少している。
(実施例14)
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
血漿を、バクスター(Baxter)(バクスター・ヘルスケア(Baxter Healthcare Corp)、米国、ディアフィールド) オートフェレーシス(autopheresis) C 血液細胞分離装置を使用するアフェレーシス手順によって、製造業者の説明書に従って採取した。血漿を、ACDA溶液(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。
クリオプレシピテートを、凍結した血漿がスラリー状になるまでその凍結した血漿を4℃で一晩解凍することにより調製した。次いでこの血漿バッグを3850×gおよび−4℃で30分間遠心分離にかけた(モデル KR4i、ジュアン(Jouan)、フランス、サンテルブラン(St Herblain))。この遠心分離の完結後、「乾燥」クリオプレシピテートを得るために、このバッグをさかさまにして置き、実質的にすべての脱クリオ血漿を排出した。
次いで、このクリオプレシピテート採取バッグを−20℃以下でただちに凍結し、最長2ヶ月間保った。
ウイルス不活化処理の当日、クリオプレシピテートの提供物を、温度制御された水槽の中で35±1.5℃で10分間、その採取バッグの中で解凍した。
8mlの滅菌したグルコース/生理食塩水溶液を各ユニットに無菌的に加え、各バッグを手作業で混合して、クリオプレシピテートを完全に再懸濁させた。クリオプレシピテート溶液(約10ml/バッグ)を、第1のSD処理バッグの中に、40個の提供物の群にしてプールした。このクリオプレシピテートプールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物をこの400mlのクリオプレシピテートに慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))を、このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)とクリオプレシピテート相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明なクリオプレシピテート相を回収した。370ml超のクリオプレシピテートを輸液フィルターに通したところ、Cuno BioCap 30 BC0030 A R32SPフィルター、次いでポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる、アフェレーシス血漿から製造される350ml超の透明なクリオプレシピテートを得ることができる。
(実施例15)
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))による1回の抽出にかけた回収血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))による1回の抽出にかけた回収血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
回収血漿を、CPD抗凝固薬/防腐剤(比:14ml/100mlの血液)の中に採取した全血から得た。血液を、採取後4時間以内に3600gで12分間遠心分離した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
クリオプレシピテートを、凍結した血漿がスラリー状になるまでその凍結した血漿を4℃で一晩解凍することにより調製した。次いでこの血漿バッグを3850×gおよび−4℃で30分間遠心分離にかけた(モデル KR4i、ジュアン(Jouan)、フランス、サンテルブラン)。この遠心分離の完結後、「乾燥」クリオプレシピテートを得るために、このバッグをさかさまにして置き、実質的にすべての脱クリオ血漿を排出した。
次いで、このクリオプレシピテート採取バッグを−20℃以下でただちに凍結し、最長2ヶ月間保った。
ウイルス不活化処理の当日、クリオプレシピテートの提供物を、温度制御された水槽の中で35±1.5℃で10分間、その採取バッグの中で解凍した。
8mlの滅菌したグルコース/生理食塩水溶液を各ユニットに無菌的に加え、各バッグを手作業で混合して、クリオプレシピテートを完全に再懸濁させた。クリオプレシピテート溶液(約10ml/バッグ)を、第1のSD処理バッグの中に、40個の提供物の群にしてプールした。このクリオプレシピテートプールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))の50%/50%混合物を、この400mlのクリオプレシピテートに慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))を、このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)とクリオプレシピテート相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
透明なクリオプレシピテート相を回収した。370ml超のクリオプレシピテートを輸液フィルターに通したところ、Cuno BioCap 30 BC0030 A R32SPフィルターに通し、次いでポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる、回収血漿から製造される350ml超の透明なクリオプレシピテートを得ることができる。
(実施例16)
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理され、かつヒマシ油(参照番号 83912、フルカ(Fluka))による1回、2回、または3回の抽出にかけた回収血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理され、かつヒマシ油(参照番号 83912、フルカ(Fluka))による1回、2回、または3回の抽出にかけた回収血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
回収血漿を、CPD抗凝固薬/防腐剤(比:14ml/100mlの血液)の中に採取した全血から得た。血液を、採取後4時間以内に3600gで12分間遠心分離した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
クリオプレシピテートを、凍結した血漿がスラリー状になるまでその凍結した血漿を4℃で一晩解凍することにより調製した。次いでこの血漿バッグを3850×gおよび−4℃で30分間遠心分離にかけた(モデル KR4i、ジュアン(Jouan)、フランス、サンテルブラン)。この遠心分離の完結後、「乾燥」クリオプレシピテートを得るために、このバッグをさかさまにして置き、実質的にすべての脱クリオ血漿を排出した。
次いで、このクリオプレシピテート採取バッグを−20℃以下でただちに凍結し、最長2ヶ月間保った。
ウイルス不活化処理の当日、クリオプレシピテートの提供物を、温度制御された水槽の中で35±1.5℃で10分間、その採取バッグの中で解凍した。
8mlの滅菌したグルコース/生理食塩水溶液を各ユニットに無菌的に加え、各バッグを手作業で混合して、クリオプレシピテートを完全に再懸濁させた。クリオプレシピテート溶液(約10ml/バッグ)を、第1のSD処理バッグの中に、40個の提供物の群にしてプールした。このクリオプレシピテートプールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 19−42500、ペンタ・インターナショナル・コーポレーション(Penta International Corporation))の50%/50%混合物を、この400mlのクリオプレシピテートに慎重に加え、1% TnBPおよび1% Triton X−45の最終濃度に到達させた。
このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で31℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))を、このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45混合物に加えた。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−45/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)とクリオプレシピテート相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
回収したクリオプレシピテート相は濁っており、活性炭フィルター(Cuno BioCap 30 BC0030 A R32SPフィルター)を通した濾過は不可能であった。
この油抽出手順を2回繰り返した。各々の場合において、このクリオプレシピテートは濁っており、上述の濾過工程は不可能であった。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後のヒマシ油による1回の抽出の組み合わせは、活性炭フィルター−細菌フィルターの順序を通して重力濾過することができない、回収血漿から製造される濁ったクリオプレシピテートをもたらした。
(実施例17)
2% TnBPで処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
2% TnBPで処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
40の血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
クリオプレシピテートを、40の凍結した血漿ユニットがスラリー状になるまでその40の凍結した血漿ユニットを4℃で一晩解凍することにより調製した。次いでこの血漿バッグを3850×gおよび−4℃で30分間遠心分離にかけた(モデル KR4i、ジュアン(Jouan)、フランス、サンテルブラン)。この遠心分離の完結後、「乾燥」クリオプレシピテートを得るために、このバッグをさかさまにして置き、実質的にすべての脱クリオ血漿を排出した。
次いで、このクリオプレシピテート採取バッグを−20℃以下でただちに凍結し、最長2ヶ月間保った。
ウイルス不活化処理の当日、クリオプレシピテートの提供物を、温度制御された水槽の中で35±1.5℃で10分間、その採取バッグの中で解凍した。
8mlの滅菌したグルコース/生理食塩水溶液を各ユニットに無菌的に加え、各バッグを手作業で混合して、クリオプレシピテートを完全に再懸濁させた。クリオプレシピテート溶液(約10ml/バッグ)を、第1のSD処理バッグの中に、40個の提供物の群にしてプールした。このクリオプレシピテートプールの容積は400mlであった。
8mlのTnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)を、この400mlのクリオプレシピテートを慎重に加え、2% TnBPの最終濃度に到達させた。
このクリオプレシピテート−TnBP混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で37℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。このクリオプレシピテート−TnBP混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこのクリオプレシピテート−TnBP混合物に加えた。このクリオプレシピテート−TnBP/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)とクリオプレシピテート相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
回収したクリオプレシピテート相は非常に濁っており、活性炭フィルター(Cuno BioCap 30 BC0030 A R32SPフィルター)を通した濾過は不可能であった。
この油抽出手順を2回繰り返した。各々の場合において、このクリオプレシピテートは非常に濁っており、上述の濾過工程は不可能であった。
結論:2% TnBPの使用およびその後の大豆油による1回、2回、または3回の抽出の組み合わせによって、各々の場合において、Cuno BioCap 30 BC0030 A R32SPフィルターを通して重力濾過することができず、ましてや細菌フィルターを通して濾過することはできない非常に濁ったクリオプレシピテートが得られる。
(実施例18)
1% TnBP−1% Triton X−100で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
1% TnBP−1% Triton X−100で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回、2回、または3回の抽出にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
40の血漿ユニットを、製造業者の説明書に従ってアフェレーシス手順によって採取し、ACDA(比:8ml/100mlの血液)で抗凝固剤処置した。血漿は、処理に先立って白血球除去しなかった。血漿をドライアイス−エタノール槽の中で凍結させ、冷凍庫の中で−30℃で最長3ヶ月間保存した。
クリオプレシピテートを、40の凍結した血漿ユニットがスラリー状になるまでその40の凍結した血漿ユニットを4℃で一晩解凍することにより調製した。次いでこの血漿バッグを3850×gおよび−4℃で30分間遠心分離にかけた(モデル KR4i、ジュアン(Jouan)、フランス、サンテルブラン)。この遠心分離の完結後、「乾燥」クリオプレシピテートを得るために、このバッグをさかさまにして置き、実質的にすべての脱クリオ血漿を排出した。
次いで、このクリオプレシピテート採取バッグを−20℃以下でただちに凍結し、最長2ヶ月間保った。
ウイルス不活化処理の当日、クリオプレシピテートの提供物を、温度制御された水槽の中で35±1.5℃で10分間、その採取バッグの中で解凍した。
8mlの滅菌したグルコース/生理食塩水溶液を各ユニットに無菌的に加え、各バッグを手作業で混合して、クリオプレシピテートを完全に再懸濁させた。クリオプレシピテート溶液(約10ml/バッグ)を、第1のSD処理バッグの中に、40個の提供物の群にしてプールした。このクリオプレシピテートプールの容積は400mlであった。
8mlの、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−100(メルク(Merck)、ドイツ、ダルムシュタット)の50%/50% 混合物をこの400mlのクリオプレシピテートに慎重に加え、1% TnBP−1% Triton X−100の最終濃度に到達させた。
このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−100混合物を5分間激しく振盪し、この種々の成分の良好な混合を確実にした。次いでこの処理バッグを、振盪機−インキュベーターの中で37℃でインキュベーションし、次いで一定のゆっくりとした撹拌(150rpm)のもとで30分間処理した。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−100混合物を、次いで第2のSD処理バッグの中へと移し、同じ条件で1時間30分間インキュベーションした。
次いでこの混合物を油抽出バッグに移した。40mlの大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))をこのクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−100混合物に加えた。このクリオプレシピテート−TnBP−Triton X−100/10体積%油懸濁液を少なくとも1分間激しく振盪し、次いで上記振盪機−インキュベーターの上に置き、少なくとも15分間、ゆっくりとした撹拌を確保した。次いでこのバッグを吊り下げて、油相(上層)とクリオプレシピテート相(下層)との間の45分間のデカンテーションを確保した。
回収したクリオプレシピテート相は濁っており、AKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して濾過できなかった。
この油抽出手順を2回繰り返した。各々の場合において、このクリオプレシピテートは非常に濁っており、上述の濾過工程は不可能であった。
結論:1% TnBP−1% Triton X−100の使用およびその後の大豆油による1回、2回、または3回の抽出の組み合わせによって、各々の場合において、Cuno BioCap 30 BC0030 A R32SPフィルターを通して重力濾過することができず、ましてや細菌フィルターを通して濾過することはできない濁ったクリオプレシピテートが得られる。
(実施例19)
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出およびCuno BioCap 25 R32SP上での濾過にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
1% TnBP−1% Triton X−45(X45、Triton(登録商標) X−45、シグマ(Sigma))で処理し、大豆油(参照番号 S7381、シグマ(Sigma))による1回の抽出およびCuno BioCap 25 R32SP上での濾過にかけたアフェレーシス血漿からのクリオプレシピテートのミニプール
クリオプレシピテートを実施例14に記載したように処理したが、使用した活性炭フィルターはCuno BioCap 25 BC0025 L R32SPであった。
380ml超のクリオプレシピテートを輸液フィルターに通したところ、このCuno BioCap 25 BC0025 L R32SPフィルターに通し、次いでポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力により濾過することができた。
結論:1% TnBP−1% Triton X−45の使用およびその後の大豆油による1回の抽出の組み合わせによって、BioCap 25 BC0025 L R32SP活性炭フィルターおよび細菌フィルターを通して重力濾過をして上記SD剤、油残留分、血液細胞片、細菌および寄生虫を取り除くことができる、アフェレーシス血漿から製造される350ml超の透明なクリオプレシピテートを得ることができる。
下記の表2は、2つの処理単位についてそれぞれの最初のクリオプレシピテート(「開始」とラベルした)と比較して、実施例14に記載したように処理したクリオプレシピテート(「最終」とラベルした)の品質の比較を示す。結果は、1% TnBP−1% Triton X−45を使用するプロセス、ならびにその後の1回の大豆油抽出、ならびにCuno BioCap 30 BC0030 A R32SPおよび細菌フィルター上での濾過プロセスは、クリオプレシピテートのタンパク質の質を変えないということを示す。TnBPおよびTriton X−45は、1回の油抽出および活性炭濾過の後の最終のクリオプレシピテートでは検出不能なレベルまで減少している。
下記の表3は、1つの処理単位についてそれぞれの最初のクリオプレシピテート(「開始」とラベルした)と比較して、実施例19に記載したように処理したクリオプレシピテート(「最終」とラベルした)の品質の比較を示す。結果は、1% TnBP−1% Triton X−45を使用するプロセス、ならびにその後の1回の大豆油抽出、ならびにCuno BioCap 25 BC0025 L R32SPおよび細菌フィルター上での濾過プロセスはクリオプレシピテートのタンパク質の質を変えないということを示す。
(実施例20)
1% TnBP−1% Triton X−45で処理し、大豆油による1回の抽出にかけた血漿
1% TnBP−1% Triton X−45で処理し、大豆油による1回の抽出にかけた血漿
Shabrawishi病院血液バンク(エジプト、カイロ、ギーザ)において、インフォームドコンセントを受けた定期的なボランティアの血漿ドナーから血漿を採取した。血漿をアフェレーシス手順により得るかまたは全血から回収するかし、Burnoufら、TRANSFUSION、第46巻、2006年12月、2100−8に記載されるようにして−20℃以下で凍結した。
2つの血漿提供物を、温度制御された水槽の中で35℃で10分間解凍し、次いで第1のSD処理バッグの中へとプールした。この血漿プールの容積は400mlであった。
この血漿プールを、図1に係るバッグシステム(輸液フィルターは含まないが、細菌フィルターと採取バッグとの間にさらなるプール用バッグを具える)の中で、TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)およびTriton X−45(参照番号 93419、フルカ・シグマアルドリッチ(Fluka,Sigma Aldrich))の50%/50%混合物で処理し、次いでプロセス化学物質を、実施例1に記載したようにして大豆油で抽出した。
透明な血漿相を回収した。370ml超を、ポール(Pall)製の0.2μm細菌フィルター(Mini kleenpak(商標) 20、参照番号 KM5EKVP2S)に直列に連結したAKS6 Pall活性炭フィルター(SUPRAcap 60 SC060XAK6)を通して(ポンプによって加えられる圧力なしに)重力濾過した。
濾過した血漿をプール用バッグの中で混合し、次いで2つの個々の200mLバッグの中に分注した。すべてのバッグを、各工程間の隔離を確実にするために破壊できる弁によって分離する。ひとたび使用すると、バッグをこのシステムから切断し、廃棄する。
(実施例21)
1% TnBP−1% Triton X−45で処理し、大豆油による1回の抽出にかけたクリオプレシピテートのミニプール
1% TnBP−1% Triton X−45で処理し、大豆油による1回の抽出にかけたクリオプレシピテートのミニプール
クリオプレシピテートを、凍結した血漿がスラリー状になるまでその凍結した血漿を4℃で一晩解凍することにより調製した。
3850×gおよび−4℃での30分間の遠心分離(モデル KR4i、ジュアン(Jouan)、フランス、サンテルブラン)後、CPPをほぼ完全に取り除き、少量のクリオプレシピテートを残した。次いで、このクリオプレシピテート採取バッグを−20℃以下でただちに凍結し、最長2ヶ月間保った。
32〜40の少量のクリオプレシピテートユニットを層流下で400mLバッグの中にプールし、31℃での1% TnBP(プロラボ(Prolabo)、VWR、フランス、フォントネー=スー=ボワ)および1% Triton X−45(シグマ・ケミカル(Sigma Chemical)、ミズーリ州、セント・ルイス)を使用するS/D処理およびその後の、(輸液フィルターを用いない)図2に係る処理システムを使用する実施例15に記載した大豆油を用いたプロセス化学物質の抽出にかけた。
得られたクリオプレシピテートをプール用バッグの中で混合し、次いでいくつかの40mLバッグへ分注する。すべてのバッグを、各工程間の隔離を確実にするために、破壊できる弁によって分離する。ひとたび使用すると、バッグをこのシステムから切断し、廃棄する。
この実施例からの何らかの結論は?
(実施例23)
実施例20および実施例21で得た血漿およびクリオプレシピテートの分析
実施例20および実施例21で得た血漿およびクリオプレシピテートの分析
1.アッセイ
血球数および細胞マーカーの測定
血小板、白血球細胞(WBC)、および赤血球細胞の数を、細胞計数器(Cell Dyn、アボット(Abbott))を使用して測定した。白血球についての血液細胞抗原マーカーCD41、血小板についてのCD61およびRBCについてのグリコホリンAをフローサイトメトリー(ベクトン・ディッキンソン(Becton−Dickinson))によって測定した。
血球数および細胞マーカーの測定
血小板、白血球細胞(WBC)、および赤血球細胞の数を、細胞計数器(Cell Dyn、アボット(Abbott))を使用して測定した。白血球についての血液細胞抗原マーカーCD41、血小板についてのCD61およびRBCについてのグリコホリンAをフローサイトメトリー(ベクトン・ディッキンソン(Becton−Dickinson))によって測定した。
タンパク質アッセイ
複数の1mL試料を最初の血漿およびクリオプレシピテートミニプールならびに最終プールに対して採取し、タンパク質の評価まで−80℃で凍結した。ほとんどのタンパク質測定は、これまでに記載された手順を使用して実施した。フォンウィルブランド因子 リストセチンコファクター(WJF:RCo)およびコラーゲン結合(VWF:CB)アッセイ、およびVWF多量体電気泳動分離をこれまでに記載されたように行った。第XIII因子機能活性はBerichrom FXIII(シーメンス(Siemens))によって、および抗トロンビン機能活性はCoamatic AT(クロモジェニックス(Chromogenix))によって測定した。アッセイの変動を制限するために、すべての試料を、最初の血漿材料および処理血漿材料を含む均一なシリーズで分析した。
複数の1mL試料を最初の血漿およびクリオプレシピテートミニプールならびに最終プールに対して採取し、タンパク質の評価まで−80℃で凍結した。ほとんどのタンパク質測定は、これまでに記載された手順を使用して実施した。フォンウィルブランド因子 リストセチンコファクター(WJF:RCo)およびコラーゲン結合(VWF:CB)アッセイ、およびVWF多量体電気泳動分離をこれまでに記載されたように行った。第XIII因子機能活性はBerichrom FXIII(シーメンス(Siemens))によって、および抗トロンビン機能活性はCoamatic AT(クロモジェニックス(Chromogenix))によって測定した。アッセイの変動を制限するために、すべての試料を、最初の血漿材料および処理血漿材料を含む均一なシリーズで分析した。
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
S/D処理の前および後の血漿およびクリオプレシピテートのタンパク質プロファイルを、非還元および還元条件下でのSDS−PAGEによって研究した。0.5μlの非還元試料を2.5μlのNUPAGE LDS 4X(インビトロジェン・コーポレーション(Invitrogen Corporation)、米国、カリフォルニア州、カールスバッド(Carlsbad))試料緩衝液および6μl RIPAと混合し、70℃で10分間加熱し、MES(インビトロジェン)緩衝液の中で4−12%ポリアクリルアミド勾配ゲル上で分離した。還元試料も、1μlのNuPAGE還元剤(インビトロジェン)をこの混合物に加えたことを除いて同じ条件下で調製した。分離は、一定の200V、初期150mA/ゲル、35分間で実施した。Novex(登録商標) Sharp Pre−Stained Protein Molecular Weight Standard(インビトロジェン)を、分子量評価のために使用した:260、160、110、80、60、50、40、30、20、15、10、および3.5KDa。ゲルは、クマシー・ブルー(coomassie blue)を使用して染色した。
S/D処理の前および後の血漿およびクリオプレシピテートのタンパク質プロファイルを、非還元および還元条件下でのSDS−PAGEによって研究した。0.5μlの非還元試料を2.5μlのNUPAGE LDS 4X(インビトロジェン・コーポレーション(Invitrogen Corporation)、米国、カリフォルニア州、カールスバッド(Carlsbad))試料緩衝液および6μl RIPAと混合し、70℃で10分間加熱し、MES(インビトロジェン)緩衝液の中で4−12%ポリアクリルアミド勾配ゲル上で分離した。還元試料も、1μlのNuPAGE還元剤(インビトロジェン)をこの混合物に加えたことを除いて同じ条件下で調製した。分離は、一定の200V、初期150mA/ゲル、35分間で実施した。Novex(登録商標) Sharp Pre−Stained Protein Molecular Weight Standard(インビトロジェン)を、分子量評価のために使用した:260、160、110、80、60、50、40、30、20、15、10、および3.5KDa。ゲルは、クマシー・ブルー(coomassie blue)を使用して染色した。
TnBPおよびTriton X−45アッセイ
TnBPおよびTriton X−45を血漿およびクリオプレシピテート試料から抽出し、ガスクロマトグラフィ(GC)および高性能液体クロマトグラフィによって、以前にBurnoufら、Transfusion 2006;46(12):2100−8)に記載されたようにして分析した。
TnBPおよびTriton X−45を血漿およびクリオプレシピテート試料から抽出し、ガスクロマトグラフィ(GC)および高性能液体クロマトグラフィによって、以前にBurnoufら、Transfusion 2006;46(12):2100−8)に記載されたようにして分析した。
フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DEHP)アッセイ
フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DEHP)を、開始および最終の血漿ならびにクリオプレシピテートミニプールに対して評価した。1mLの血漿またはクリオプレシピテートをガラスチューブの中で0.125mlの1.5N 過塩素酸(リーデル・デ・ハーエン(Riedel−de−Haeun)、ドイツ、ゼールツェ(Seelze))と混合し、37℃で15分間インキュベーションした。このインキュベーション期間の最後のあとで、このガラスチューブの内容物を、氷冷したエタノール(メルク(Merck)、ドイツ):クロロホルム(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher−Scientific)、フランス、イルキルシュ(Illkirch))と1:1:0.092mlの比率で混合し、−20℃より低い温度で2時間インキュベーションした。この試料を1000×gで30分間遠心分離し、上清をきれいなガラスチューブへと慎重に移した。4mLのn−ヘキサン(メルク(Merck)、ドイツ)をこの上清に加え、激しく振盪し、次いで5分間静置して2つの層を分離させた。上側のヘキサン層を、界面を乱すことなくきれいなガラスチューブへと移した。最後の工程を2回繰り返し、このヘキサン部分を同じガラスチューブの中に集めた。このヘキサンを乾固するまでエバポレーションし、次いでHPLC(ラブスキャン(LabScan)、イングランド)用に1mLのアセトニトリルに溶解した。DEHPは、分析用ポンプ(SFD 9414)および202nmの波長のUV/VIS検出器(S 3210)およびLichrospher 100 RP 18−5μ、(250mm×4、6mm)カラム(シーエス・クロマトグラフィー(CS−Chromatographie)、ドイツ)を具えたHPLC(SFD、シェムバック(Schemback GmbH)、ドイツ)によって測定した。アセトニトリルおよびメタノールの85:15の混合物(メルク(Merk)、ドイツ)を1.5ml/分で移動相として使用し、8分間の分析時間を使用した。
フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DEHP)を、開始および最終の血漿ならびにクリオプレシピテートミニプールに対して評価した。1mLの血漿またはクリオプレシピテートをガラスチューブの中で0.125mlの1.5N 過塩素酸(リーデル・デ・ハーエン(Riedel−de−Haeun)、ドイツ、ゼールツェ(Seelze))と混合し、37℃で15分間インキュベーションした。このインキュベーション期間の最後のあとで、このガラスチューブの内容物を、氷冷したエタノール(メルク(Merck)、ドイツ):クロロホルム(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher−Scientific)、フランス、イルキルシュ(Illkirch))と1:1:0.092mlの比率で混合し、−20℃より低い温度で2時間インキュベーションした。この試料を1000×gで30分間遠心分離し、上清をきれいなガラスチューブへと慎重に移した。4mLのn−ヘキサン(メルク(Merck)、ドイツ)をこの上清に加え、激しく振盪し、次いで5分間静置して2つの層を分離させた。上側のヘキサン層を、界面を乱すことなくきれいなガラスチューブへと移した。最後の工程を2回繰り返し、このヘキサン部分を同じガラスチューブの中に集めた。このヘキサンを乾固するまでエバポレーションし、次いでHPLC(ラブスキャン(LabScan)、イングランド)用に1mLのアセトニトリルに溶解した。DEHPは、分析用ポンプ(SFD 9414)および202nmの波長のUV/VIS検出器(S 3210)およびLichrospher 100 RP 18−5μ、(250mm×4、6mm)カラム(シーエス・クロマトグラフィー(CS−Chromatographie)、ドイツ)を具えたHPLC(SFD、シェムバック(Schemback GmbH)、ドイツ)によって測定した。アセトニトリルおよびメタノールの85:15の混合物(メルク(Merk)、ドイツ)を1.5ml/分で移動相として使用し、8分間の分析時間を使用した。
コレステロール含有量
コレステロール含有量は、ヒューマン・ディアグノスティック(Human Diagnostic)(www.human.de)からの酵素による比色分析法、液体清浄化因子を伴う一試薬(mono reagent with liquid clearing factor)(CHOD−PAP)を使用して測定した。このアッセイは、スピンリアクト(Spinreact)(スペイン)製の分光光度計により波長546でおよび1mg/dlの感度で読み取った。
コレステロール含有量は、ヒューマン・ディアグノスティック(Human Diagnostic)(www.human.de)からの酵素による比色分析法、液体清浄化因子を伴う一試薬(mono reagent with liquid clearing factor)(CHOD−PAP)を使用して測定した。このアッセイは、スピンリアクト(Spinreact)(スペイン)製の分光光度計により波長546でおよび1mg/dlの感度で読み取った。
毒性アッセイ
(油抽出後、S/D吸着フィルター、および滅菌濾過後の)SD処理した血漿およびSD処理したクリオプレシピテートの毒性をスプラーグドーリー(Sprague Dawley)ラットにおいて評価し、未処理の血漿およびクリオプレシピテートならびに対照の生理食塩水と比較した。体重80〜100gの36匹のラットを、各々2匹の雄および2匹の雌を含む4匹のラットの9つの群に分けた。これらのラットを実験環境に7日間順化させ、それらの体重を記録した。各ラットに、6.5ml/kg体重の用量で当該血漿画分または生理食塩水を静脈内注入した。次いでこれらのラットを14日間観察し、異常な行動または臨床徴候、体重、ならびに水および食料の毎日の消費量について毎日チェックした。
(油抽出後、S/D吸着フィルター、および滅菌濾過後の)SD処理した血漿およびSD処理したクリオプレシピテートの毒性をスプラーグドーリー(Sprague Dawley)ラットにおいて評価し、未処理の血漿およびクリオプレシピテートならびに対照の生理食塩水と比較した。体重80〜100gの36匹のラットを、各々2匹の雄および2匹の雌を含む4匹のラットの9つの群に分けた。これらのラットを実験環境に7日間順化させ、それらの体重を記録した。各ラットに、6.5ml/kg体重の用量で当該血漿画分または生理食塩水を静脈内注入した。次いでこれらのラットを14日間観察し、異常な行動または臨床徴候、体重、ならびに水および食料の毎日の消費量について毎日チェックした。
統計解析
すべてのシリーズの実験についてのデータを、平均、標準偏差および最小値および最大値として報告する。統計的な比較は、対応のある両側スチューデント検定(two−tailed paired Student test)を用いて行った。上記手順の異なる工程における血小板調製物間の平均PGF濃度の差の有意性を評価するために、0.05未満のp値を使用した。値は、有意でない(NS;<0.05)、<0.01、または<0.001として提示する。0.05に近い場合は正確なp値を示す。
すべてのシリーズの実験についてのデータを、平均、標準偏差および最小値および最大値として報告する。統計的な比較は、対応のある両側スチューデント検定(two−tailed paired Student test)を用いて行った。上記手順の異なる工程における血小板調製物間の平均PGF濃度の差の有意性を評価するために、0.05未満のp値を使用した。値は、有意でない(NS;<0.05)、<0.01、または<0.001として提示する。0.05に近い場合は正確なp値を示す。
2.結果
血漿
下記の表2は、実施例20に係るS/D−F処理(溶媒/界面活性剤処理およびその後の大豆油抽出および濾過)の前および後の、回収した(A)またはアフェレーシス(B)血漿(各群において連続8回の実施の分析データを示す。血漿の特徴の優れた保存が観察された。ほとんどの凝固因子およびプロテアーゼ阻害剤および抗凝固薬の機能活性の90超〜95%の回復率があり、最初の血漿とSD−F血漿との間の有意差はなかった。第V因子については、唯一の有意な活性の減少を観察し、回収およびアフェレーシス血漿においてそれぞれ88%および82%回復率(p<0.01)であり、そしてα2−抗プラスミンは回収血漿においては91%回収率であった。回収(p<0.01)およびアフェレーシス(p<0.05)SD−F血漿の両方においてPTの、ならびにSD−Fアフェレーシス血漿においてPTT(p<0.05)の小さな、しかし有意な増加があった。全タンパク質、アルブミン、IgG、およびIgMの含有量は、この処理によっては有意には改変されなかった。このSD−F血漿は、FFP(新鮮凍結血漿)のすべての品質基準を満たした。
血漿
下記の表2は、実施例20に係るS/D−F処理(溶媒/界面活性剤処理およびその後の大豆油抽出および濾過)の前および後の、回収した(A)またはアフェレーシス(B)血漿(各群において連続8回の実施の分析データを示す。血漿の特徴の優れた保存が観察された。ほとんどの凝固因子およびプロテアーゼ阻害剤および抗凝固薬の機能活性の90超〜95%の回復率があり、最初の血漿とSD−F血漿との間の有意差はなかった。第V因子については、唯一の有意な活性の減少を観察し、回収およびアフェレーシス血漿においてそれぞれ88%および82%回復率(p<0.01)であり、そしてα2−抗プラスミンは回収血漿においては91%回収率であった。回収(p<0.01)およびアフェレーシス(p<0.05)SD−F血漿の両方においてPTの、ならびにSD−Fアフェレーシス血漿においてPTT(p<0.05)の小さな、しかし有意な増加があった。全タンパク質、アルブミン、IgG、およびIgMの含有量は、この処理によっては有意には改変されなかった。このSD−F血漿は、FFP(新鮮凍結血漿)のすべての品質基準を満たした。
TnBPおよびTriton X−45は、すべての血漿ユニットにおいて10ppm未満および50ppm未満であった。これは当該油抽出プロセスの効率を示す。
クリオプレシピテート
表3Aは、上記S/D−F処理(溶媒/界面活性剤処理およびその後の大豆油抽出および濾過)の前および後のクリオプレシピテートミニプールの分析のデータを示し、図7は、5つの異なる処理単位の最初のクリオプレシピテート(レーンCs1、Cs2、Cs3、Cs4、およびCs5)および最終のクリオプレシピテート(レーンCf1、Cf2、Cf3、Cf4、およびCf5)、ならびに基準血漿(シーメンス(Siemens)から入手した標準血漿、レーンN)についてのVWF多量体プロファイルを示す。このS/D−Fクリオプレシピテートミニプールの平均第VIII因子含有量は9IU/mLに近く、平均フィブリノーゲンは15mg/mLに近かった。平均VWF:Ag、VWF:RCo、およびVWF:CB含有量は、このS/D−Fクリオプレシピテートミニプールにおいては、それぞれ17.5、14.6、および13.5IU/mlであった。最初のクリオプレシピテートミニプールで見出した値に関しては、有意差はなかった。平均RCo/Ag(0.84)およびCBA/Ag(0.87)比は、このS/D処理によって影響を受けなかった。このS/D−Fクリオプレシピテートの中の多量体分布は、最初のクリオプレシピテートミニプールの多量体分布とは区別できなかった。S/D−F処理の前および処理後の各々の個々の実施における15量体より大きい多量体(>15量体)および10量体より大きい多量体(>10量体)の百分率、ならびにNP多量体に対するそれぞれの比を表3に示す。>15量体の平均百分率は約7.8%であり(NPと比較した比が0.8に相当する)、>10量体の平均百分率は約23.5%(NPと比較したそれぞれの比は0.92)(図示せず)であった。CB活性および>15量体の含有量はよく相関していた。抗Aおよび抗B同種凝集素における力価は、S/D処理の前および後で、当該クリオプレシピテートミニプールにおいてそれぞれ0〜1、および0〜1/8の範囲にあることが判明した。
表3Aは、上記S/D−F処理(溶媒/界面活性剤処理およびその後の大豆油抽出および濾過)の前および後のクリオプレシピテートミニプールの分析のデータを示し、図7は、5つの異なる処理単位の最初のクリオプレシピテート(レーンCs1、Cs2、Cs3、Cs4、およびCs5)および最終のクリオプレシピテート(レーンCf1、Cf2、Cf3、Cf4、およびCf5)、ならびに基準血漿(シーメンス(Siemens)から入手した標準血漿、レーンN)についてのVWF多量体プロファイルを示す。このS/D−Fクリオプレシピテートミニプールの平均第VIII因子含有量は9IU/mLに近く、平均フィブリノーゲンは15mg/mLに近かった。平均VWF:Ag、VWF:RCo、およびVWF:CB含有量は、このS/D−Fクリオプレシピテートミニプールにおいては、それぞれ17.5、14.6、および13.5IU/mlであった。最初のクリオプレシピテートミニプールで見出した値に関しては、有意差はなかった。平均RCo/Ag(0.84)およびCBA/Ag(0.87)比は、このS/D処理によって影響を受けなかった。このS/D−Fクリオプレシピテートの中の多量体分布は、最初のクリオプレシピテートミニプールの多量体分布とは区別できなかった。S/D−F処理の前および処理後の各々の個々の実施における15量体より大きい多量体(>15量体)および10量体より大きい多量体(>10量体)の百分率、ならびにNP多量体に対するそれぞれの比を表3に示す。>15量体の平均百分率は約7.8%であり(NPと比較した比が0.8に相当する)、>10量体の平均百分率は約23.5%(NPと比較したそれぞれの比は0.92)(図示せず)であった。CB活性および>15量体の含有量はよく相関していた。抗Aおよび抗B同種凝集素における力価は、S/D処理の前および後で、当該クリオプレシピテートミニプールにおいてそれぞれ0〜1、および0〜1/8の範囲にあることが判明した。
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
非還元(図3A)および還元(図3B)条件下での電気泳動パターンは、最初の血漿(レーン1および3)およびクリオプレシピテートミニプール(レーン5)と、対応するS/D−F(溶媒/界面活性剤処理およびその後の大豆油抽出および濾過)処理した血漿(レーン2および4)およびクリオプレシピテートミニプール(レーン6)との間で検出できる差をまったく示さなかった。
非還元(図3A)および還元(図3B)条件下での電気泳動パターンは、最初の血漿(レーン1および3)およびクリオプレシピテートミニプール(レーン5)と、対応するS/D−F(溶媒/界面活性剤処理およびその後の大豆油抽出および濾過)処理した血漿(レーン2および4)およびクリオプレシピテートミニプール(レーン6)との間で検出できる差をまったく示さなかった。
TnBPおよびTriton X−45含有量
図4および図5は、S/D処理後、油抽出後および濾過後の血漿中のTnBPおよびTriton X−45の平均含有量を示す。1回の油抽出は、平均の残留TnBPを261±146(アフェレーシス血漿)および393±495ppm(回収血漿)にまで低下させ、濾過後1ppm未満まで低下させた(アフェレーシス血漿および回収血漿)。それぞれのTriton X−45の残留レベルは、油抽出後2248±1189および1906±660であり、濾過後18±25および12±14ppmであった。同様の値が当該クリオプレシピテートに対して得られた。
図4および図5は、S/D処理後、油抽出後および濾過後の血漿中のTnBPおよびTriton X−45の平均含有量を示す。1回の油抽出は、平均の残留TnBPを261±146(アフェレーシス血漿)および393±495ppm(回収血漿)にまで低下させ、濾過後1ppm未満まで低下させた(アフェレーシス血漿および回収血漿)。それぞれのTriton X−45の残留レベルは、油抽出後2248±1189および1906±660であり、濾過後18±25および12±14ppmであった。同様の値が当該クリオプレシピテートに対して得られた。
DEHP
表4は、実施例20に係るアフェレーシス血漿または回収血漿の処理の種々の工程に沿ったDEHP測定の結果を示す。この結果は図6にも示す。最初のアフェレーシス血漿および回収血漿においてそれぞれ14.3±16.3および9.9±6.6ppmであったDEHPの平均含有量は、SD処理後107.7±140.2および70.6±45まで増加し、血漿中のDEHPレベルは、油抽出(それぞれ33.0±25.5;21.6±20.1)および濾過(それぞれ5.1±3.4;4.7±3.9)の両方によって低下した。同様の値が当該クリオプレシピテートに対して得られた。
表4は、実施例20に係るアフェレーシス血漿または回収血漿の処理の種々の工程に沿ったDEHP測定の結果を示す。この結果は図6にも示す。最初のアフェレーシス血漿および回収血漿においてそれぞれ14.3±16.3および9.9±6.6ppmであったDEHPの平均含有量は、SD処理後107.7±140.2および70.6±45まで増加し、血漿中のDEHPレベルは、油抽出(それぞれ33.0±25.5;21.6±20.1)および濾過(それぞれ5.1±3.4;4.7±3.9)の両方によって低下した。同様の値が当該クリオプレシピテートに対して得られた。
毒性
生理食塩水を投与された群(対照)における平均体重増加と、S/D−F血漿を投与された群(G8)における平均体重増加と、クリオプレシピテートを投与された群(G9)における平均体重増加との間に有意差はなかった。体重増加は、未処理の血漿およびクリオプレシピテートを投与された群の体重増加よりも高かった。結果を表5に提示する。示した体重の変動はグラムで提示している。
生理食塩水を投与された群(対照)における平均体重増加と、S/D−F血漿を投与された群(G8)における平均体重増加と、クリオプレシピテートを投与された群(G9)における平均体重増加との間に有意差はなかった。体重増加は、未処理の血漿およびクリオプレシピテートを投与された群の体重増加よりも高かった。結果を表5に提示する。示した体重の変動はグラムで提示している。
結論:TnBPおよびTriton X−45の平均残留レベルはそれぞれ10ppm未満および50ppm未満であり、ある範囲のSD処理した血漿誘導体および他の生物製剤に対して承認された限界を満たした。90%超および70?%のTnBPおよびTriton X−45は当該油抽出によって取り除かれ、残りの化学物質はフィルター上で吸着された。このような油抽出/濾過の組み合わせは、生成物の品質の点で多くの利点を有する。第一に、それは、PVCバッグの製造で使用される可塑剤であるDEHPを、最初の血漿で見出されるレベルよりも低いレベルまで減少させる。第二に、コレステロールおよびトリグリセリドの含有量の減少がある。これは、最終生成物を劇的に清澄にし、そして高コレステロール血症患者の治療のための臨床的有利性を提供する可能性がある。脂質の除去は、脂質に関連するTRALIの危険性を低下させるための有益な効果を有する可能性もある。第三に、当該材料上での血漿の予めの清澄化により、0.2μm膜上での一体的なオンライン濾過を実施することが可能になる。結果として、最初の血漿またはクリオプレシピテートがわずかに濁っているかまたはオパール様の光沢を有しているとしても、最終生成物は極めて透明であり、光沢を有している。この0.2μm濾過はまた、採取時、血漿画分のプーリング、または当該プロセスの間の起こりうる偶発的な細菌による汚染に対する防御を確保する。それはまた、本願明細書で実証されたように血液細胞片を、および微小凝集体、または血漿によって伝播する可能性があるいずれかの仮想的な血液由来の細胞内細菌または寄生虫をも除去する。本発明者らが知る限り、これは、血液バンクの血漿成分を0.2μm滅菌濾過に成功裏にかけることを可能にした初めての方法である。
Claims (11)
- 生体液をウイルス不活化する方法であって、
(a)前記生体液を、リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)の混合物で処理する工程と、
(b)油抽出工程であって、リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)を前記生体液から大豆油へと移動させるために、前記リン酸トリ(n−ブチル)およびポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)を含有する生体液が、前記生体液の体積に対して5〜15体積%の大豆油で処理される工程と、
(c)工程(b)の後に回収される生体液を活性炭フィルターに通す工程と、
(d)工程(c)の後に回収される生体液を細菌フィルターに通す工程と
を含むが、ただし、前記大豆油抽出工程は前記方法の唯一の油抽出工程である、方法。 - 前記リン酸トリ(n−ブチル)および前記ポリオキシエチレン(4−5) p−t−オクチル−フェノール(t−Oct−C6H4−(OCH2CH2)xOH、x≒5)の各々は、前記生体液の体積に対して1体積%の量で使用される、請求項1に記載の方法。
- 前記大豆油は、前記生体液の体積に対して5〜15体積%、好ましくは8〜12体積%、さらにより好ましくは約10体積%の量で使用される、請求項1に記載の方法。
- 工程(c)における濾過は重力により行われる、請求項1に記載の方法。
- 工程(d)における濾過は重力により行われる、請求項1に記載の方法。
- 工程(c)の前に、工程(b)の後に回収される生体液を輸液フィルターに通す工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記輸液フィルターを通す濾過は重力により行われる、請求項6に記載の方法。
- 前記方法は、工程(a)が実施される溶媒/界面活性剤処理バッグと、工程(b)が実施される油抽出バッグとを含む一組の使い捨てバッグを使用して実施され、前記第2のバッグは、漏斗バッグの出口設備と合う漏斗様の下部を有する内部区画を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記一組の使い捨てバッグは、活性炭フィルターおよび細菌フィルターをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- 生体液のミニプールのウイルス不活化のための、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法の使用。
- 血漿、脱クリオ血漿、およびクリオプレシピテートからなる群から選択されるウイルス不活化された生体液であって、前記生体液は実質的に脂質を含まず、かつ血液細胞および細胞片を含まない、生体液。
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