JP2011512078A - 保護されたパッシブ光学通信システム - Google Patents

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Abstract

複数のターミナル(14)と、動作状態において前記複数のターミナル(14)と通信するメインヘッドエンド(22)と、故障の場合に前記複数のターミナル(14)と通信できるバックアップエンド(37)とを有する保護されたパッシブ光学通信システム(10)において、前記メインヘッドエンド(22)とバックアップヘッドエンド(37)はそれぞれ前記複数のターミナル(14)と通信するための一連のフレームを送信し、各フレームはヘッダー部とペイロード部とを有し、前記メインヘッドエンド(22)は、通常の動作状態で、各フレームの前記ヘッダー部の制御命令とペイロード部のユーザデータとを送信するように構成され、前記バックアップヘッドエンド(37)は、故障に応答して、フレームのペイロード部の制御命令とそのフレームのヘッダー部の制御メッセージを送信するように構成され、前記制御メッセージは前記ペイロード部に制御命令が存在することを示していて、前記複数のターミナルは前記制御メッセージに応答して、フレームのヘッダーに制御メッセージが存在する場合には、各ターミナル(14)はそのフレームのペイロードがターミナル(14)の1以上の動作属性を変更するための制御命令を含んでいると解釈し、フレームのヘッダー部に制御メッセージが存在しない場合には、各ターミナル(14)はそのフレームのペイロードがユーザデータを含んでいると解釈して、そのユーザデータに関連するアドレスに依存して、ターミナル(14)の外部の1以上のユーザにそのユーザデータを送る、光学通信システム。
【選択図】 図1a

Description

本発明は、光学通信システムに関し、特にメインサプライアームとバックアップサプライアームとを有する保護された光学通信システムに関する。
所謂パッシブ光学ネットワーク或いはPONでは、複数のターミナルが、ツリー構造で構成された複数のスプリッタジャンクションを有する分散ネットワークによってサプライアームに接続されている。サプライアームは、光学経路に沿って配置されたヘッドエンドによって通常形成され、ある場合にはリピータを含んでいる。故障を許容するために、バックアップサプライアームを設けることが知られており、また分散ネットワークに接続される。バックアップサプライアームはメインサプライアームの機能と同じ機能をするので、故障がメインサプライアームで起こると、バックアップサプライアームが引き継ぐ。しかしながら、そのような故障の際には、ターミナルはしばしば非動作状態或いは他の故障状態となり、バックアップサプライアームが引き継いだ際に、バックアップサプライアームは、ターミナルを動作状態に戻すために初期化ルーティンを実行することを通常要求される。このことは非常に時間的に無駄なことである。
本発明によると、請求項1に記載されたような光学通信システムが提供される。更に他の概念は請求項9に特定されている。
本発明を、以下の図面を参照して、例示の目的で更に詳細に説明する。
本発明による光学ネットワークを示す。 図1aに示されたOLTの詳細を示す。 従来のダウンストリームフレーム構造を示す。 ダウンストリームPLOAMセルを示す。 従来のダウンストリームデータセルを示す。 図1aのONTのブロック図である。 本発明に基づくダウンストリームフレーム構造である。 光学ネットワーク別の実施例である。 図1aの実施例の概略図である。 図7の実施例に使用されているOLTシャーシを詳細に示している。
図1aは、光学信号を複数のターミナル或いは光学ネットワークターミナル(以下、ONT14という)に配信するための分散ネットワーク12を有する保護された光学通信システム10を示している。信号は通常の動作期間にはメイン(1次)サプライアーム16によって分散ネットワームに供給される。しかしながら、バックアップ(2次)サプライアーム18が分散ネットワークに接続されていて、故障がメインサプライアームに発生した際に、バックアップサプライアーム16は代わりに信号を分散ネットワークに供給する。メインサプライアーム16はヘッドエンド22を有し、ヘッドエンド22はまた光学信号をONT14に対して生成したり、信号をONT14から受信する光学ラインターミナル或いはOLTとして知られている。OLTはAと呼ばれるノードに位置している。典型的には単一モードファイバから形成された光学経路26は、OLTと分散ネットワークの間に延びている。バックアップサプライアームはメインサプライアームと同じコンポーネントを有していて、特にバックアップ光学経路38によって分散ネットワークに接続されたバックアップ(2次)OLT37を有している。バックアップOLTは対応する機能を達成するためにメインOLTのコンポーネントに対応したコンポーネントを有している。
分散ネットワークは、OLTからONTへ信号を配信するためにツリー構造に配置された複数のスプリッタジャンクション(図示せず)を有している。本実施例では、分散ネットワーク12は、メイン経路(或いはバックアップ経路)に接続された第1のパッシブ光学スプリッタを有し、入射光をメイン経路(或いはバックアップ経路)から複数のブランチ経路に配信する。ブランチ経路の各々はそれぞれの別のスプリッタに接続されている。別のスプリットのレベル(図示せず)が通常設けられ、典型的には64、いや1024のONTを接続できる。典型的には、光学ネットワーク、好ましくは分散ネットワームは、10km、いや60kmを超える範囲を有する。
メインOLTとバックアップOLTは地理的に異なる位置にあり、例えば1kmを超えて離隔しており、そのためそれらのそれぞれのサプライ経路は多様なルートを辿ることが可能である。メインOLTとバックアップOLTは地理的に離れており、それぞれはそれぞれのノードA,Bで、光学システムへの及び光学システムからのデータトラフィックを通信するための核となる遠距離通信ネットワークに接続されている。メインOLTとバックアップOLTは共通のルータ39に接続されていて、そのルータ39はトラフィックをバックアップサプライアームとメインサプライアームに選択的にルートすることができる。遠距離通信ネットワーク内には、中央の管理ユニット40に搭載されたオペレーションサポートシステム或いはOSSが設けられており、管理ユニット40は共通のルータを介して各OLTに接続されていて、OLTから受信した状態データに基づいて少なくとも部分的にOLTの動作を制御している。中央の管理ユニット40は、2つのOLTのトラフィックのどちらを向けるべきかを制御するために共通ルータ39に接続されている。
OLTは図1bにより詳細に示されている。OLTは、分散ネットワークへ光学信号を送り、分散ネットワークから光学信号を受信する光学ステージ29と、核となるネットワークと通信するバックインターフェース30と、ONTからの送信をコントロールするスケジューラステージ31と、ONTへ向けてのダウンストリーム送信データを生成する送信ステージ32と、管理モジュール35として搭載されていて、OLTオペレーションの1以上の項目をコントロールするエレメントマネージャ或いはEMとを有している。中央のクロックユニット33はタイミング信号をスケジューラステージ31に供給するように構成されている。
管理モジュール35は、光学通信システムのパフォーマンスを表す種々のインジケータに基づいて状態データを生成し、この状態データを核となるネットワークを介して外部に送信するためにバックインターフェースを通過するように構成されている。インジケータの例としては、受信された光学信号の信号レベルや、OLTで管理モジュールにより自動的に実行されるローカルテスト結果を含む。管理モジュールはまた、バックインターフェース上で外部のコマンド信号を受信し、これらの外部信号に応答して特定の動作を実行するように構成されている。
スケジューラステージ31は、異なるONTからの送信をコントロールする、グランツ(認可、grants)として知られている命令を生成するように構成されている。OLTから送信されたグランツは、所定のONTが、所定の時間に所定の時間間隔でデータを送信する命令を含んでいる。この所定の時間は、中央で管理された時間に関して定義されていて、また、他のプロトコルによるデータ送信においては、コントロール信号がローカルに到達する時間に関して決められる場合もある。
クロックユニット33によれば、シュケジューラステージは、あるONTからのアップストリームバーストが、光学経路がスプリッタで結合されている他のONTからのバーストと衝突或いはオーバーラップするようなリスクが本質的にない(或いはリスクが低減される)ように、グランツの時間を合わせることができる。このようにスケジューラステージは、異なるONTからのデータを一時的に挟み込む必要なタイミング機能が、そのデータが一時的に(受動的に或いは能動的に)挟み込まれるジャンクションから離隔的に実行されるように、ONT送信をスケジュールする。マルチプレキシングがパッシブオプティカルネットワーク或いはPONで通常実行される方法によって、マルチプレキシングはこのようにしてONT送信のタイミングを介して達成される。OLTはその次にTDMA(時分割多重アクセス)を使用して各ONTからデータをアクセスする。
異なるONTからの経過時間を考慮して、OLT,特にスケジューラステージは、スケジューラステージが選択されたONTへ特定の時間経過後に、或いは命令を受信した直後に信号を返すように命令する”レインジング”手順を効果的にするように構成されている。スケジューラステージは周回時間、即ち命令の送信と帰還信号の到着との間の経過時間を計算するように構成されている。周回時間は異なるONTに対して通常異なっている。従って、それぞれの周回時間を基にして、OLTは各ONTに対して異なる遅延オフセット(等化遅延とも呼ばれている)を計算するように構成されている。遅延オフセットは、あるONTからの経過時間とそのONTに対する遅延オフセットとの和が各ONTに対して同じになるように計算される。スケジューラステージはそれぞれの遅延オフセットを各ONTに送るように構成されている。各ONTは、関連した遅延オフセットを有するグランツへの各応答を遅延でき、それによりそれぞれのONTがまるで同じ距離だけ離れた位置にあるかのようにOLTに応答する。
送信ステージは送信データをフレームの形式に整えるように構成されていて、各フレームは通常一定の期間であり、1以上の周期的な特性を通常有している。ダウンストリーム(DS)フレームの例が図2に示されていて、この場合、OLTが正常な状態にあり、即ちONTが適切に同期されていて、データを正常に送受信している(ONTは、この状態では動作状態にある)。125μの持続時間であるフレームは、ヘッダー部分とペイロード部分によって形成されており、ヘッダー部分はPCBd(Program Control Block, downstream)と呼ばれ、ペイロード部分はDSフレームペイロードと呼ばれる。ヘッダー部分は1以上のシグナリングセルを搬送するためのプロトコル特有の複数のフィールドを有している。本実施例では、物理的な同期のためのPSyncフィールド、スーパーフレームカウンターを提供するIdentフィールド、物理レーヤ動作とメインテナンス(Physical Layer Operation and Maintenance, PLOAM)セルを搬送し、動作の目的でOLTによって使用される情報を運ぶPLOAMdフィールド、エラー測定のためのBIPフィールド、特にサイクル冗長性をチェックするPLendフィールド、ONTへアップストリームバンド幅を配分するためのグランツを含むUpstream (US) BWmapフィールドが設けられている。PLendフィールドは、BWmapフィールドにおけるグランツの数に関する情報を含んでいる。
PLOAMセルは図3に示されている。セル自身は複数のフィールド、即ちこの例ではPSyncフィールドの同期信号に関係する所定時間・位置にある情報を有している。特に第1のオクテットにONT識別子(ONT ID)のフィールド、或いはセルが全てのONTに対して意図されたことを示すブロードキャスト識別子のフィールドが設けられている。第2のオクテットには送られたメッセージのタイプを示すメッセージIDフィールドが存在する。以下続く10個のオクテットにはメッセージIDによって示されたメッセージの特別なタイプに関係するデータ用のデータフィールドが設けられている。一般に、メッセージIDはONTをコントロールする所定の制御命令を指定している。例えば、5に等しいメッセージIDは、ONTがそれ自身を活性化させず、アップストリームトラフィックを送信するのをやめる命令と呼ばれている。データフィールドの次に周期冗長チェックのフィールドが続く。このように、PLOAMdセルは所定の情報構造を有する送信ユニットを表している。
フレームのペイロード部は一連の連続するデータセルDからなり、各セルは所定のONTにアドレスされている。データセルの例は図4に示されている。セルは1以上のプロトコル特定フィールドFを含むセルヘッダー部Hと、カスタマーデータを含むペイロード部Pとを有している。フィールドFの1つはONUがデータをペイロードに出力するべきポート数を表すPort Numberフィールドである。
ONTは、OLTからのスケジューリング命令或いはグランツに応答してデータの短いバーストを送り、グランツがない場合にデータ送信を一般的にやめるように各々構成されている。ONTは図5により詳細に示されている。ONTは、光学分散ネットワークからのダウンストリーム光学信号を電気ドメインに変換する光学受信機42と、アップストリーム方向の信号をOLTの方に送信する光学ソース44を有している。光学受信機42は、読み取りユニット46に接続されており、読み取りユニット46はアップストリームトラフィックをモニタするように構成されていて、またデータがそのONTにアドレスされていない場合にはそのデータを無視するか、或いはデータがそのONTにアドレスされている場合(特別に又はブロードキャストアドレスを介して)にはそのONTでローカルに処理するためのデータを捕獲するように構成されている。
読み取りユニットは複数の独立してアドレス可能なバッファに接続されており、ここではONTの動作に関連するデータ用のハウスキーピングバッファ48と、ユーザデータ用のサービスバッファ50である。配信モジュール52は、サービスバッファからリアルインターフェースへデータを送るために設けられている。配信モジュールからのデータは、複数のポート、即ちチャネルの1つにマップされ、そのチャネルはデータセルのヘッダー部分で見つけられるポート数に依存して、リアルインターフェースのそれぞれの物理出力にマップされる。それらの出力はそれぞれの外部ユーザ装置(図示せず)に各々接続可能である。外部ユーザ装置の例としては、パーソナルコンピュータと電話装置がある。
ローカルコントローラ54はフレームヘッダーからのデータ、特にメッセージIDを基に識別されたPLOAMセルの制御命令を受信するハウスキーピングバッファに動作可能に接続されている。メッセージIDを正確に解釈するために、ローカルコントローラは、インストラクションテーブルを含むローカルメモリ47へのアクセスを有し、インストラクションテーブルはメッセージIDに関連して記憶されている各予め了解された制御命令を有している。メッセージIDとそれらに関連した制御命令は、製造ステージでONTに記憶される。
特に、ローカルメモリは、与えられたIDに関連して、ローカルコントローラにONTを動作状態かレインジング状態にさせるPOPUPメッセージという命令を有している。動作状態ではONTはデータを正常に送受信し、レインジング状態ではONTは正常に使用するデータを送信することをやめる。コントローラは、POP-UPメッセージを運ぶPLOAMセルが特別のONTにアドレスされたか、それがブロードキャストされたか、即ちONT IDフィールドが個々のアドレスかブロードキャストアドレスかを有するかに依存して、ONTを動作状態かレインジング状態にさせる。このように、ブロードキャストアドレスを有するPOP-UPメッセージが受信されると、受信ONTは各々、ローカルメモリに記憶された予め合意されたインストラクションテーブルに従いレインジング状態に移動する。しかしながら、あるONTが特にそのONTにアドレスされたPLOAMセルのPOP-UPメッセージを受信すると、そのONTは動作状態になる。
ローカルクロックユニットがONTに設けられている。ローカルクロックユニットはビットレベルとフレームレベルの両方でダウンストリーム信号と同期するように構成されている。クロックユニットは複数のカウンタを供給するようにみなされ、あるカウンタは各フレーム毎にインクリメントされ、他のカウンタは各バイト毎にインクリメントされて各与えられたフレームでリセットされる。読み取りユニットは製造ステージのローカルメモリに記憶されたフォーマット情報にアクセスを有する。フォーマット情報は図2に示されている詳細なフレーム構造を含み、特にフレームの異なるフィールドと部分の描写情報を含んでいる。特に読み取りユニットはPLOAMセルの詳細な構造へのアクセスを有する。
読み取りユニットはローカルクロックユニットからのタイミング信号を受信するようにローカルクロックユニットに結合している。これらのタイミング信号を使用し、且つ記憶されたフォーマット情報を基にして、読み取りユニットは到着フレーム内の各フィールドから情報を抽出し、その情報をハウスキーピングバッファと表面バッファへ適切に送るように構成されている。より詳細に述べると、読み取りユニットはその記憶されたフレーム構造を到着データビットとマッチさせ、ローカルメモリに記憶された複数セットのルールの1つに従って、フレームの異なる時点での情報を処理するように構成されている。それらのルールはフレームの異なる時点での情報が如何に処理されるかを管理する。
ルールのセットはフレーム中の可能なセルの各タイプに関連付けられている。このように、データセルルールと呼ばれるルールのセットはデータセル内のデータが如何に扱われるかを管理し、シグナリングセルルールと呼ばれる異なるルールのセットは、PLOAMシグナリングセルのデータが如何に扱われるかを管理する。異なるセルタイプに含まれる情報は異なった構造をしているので、与えられたセルの情報を正確に抽出するためには正確な情報が必要とされる。
こうして、図2のフレーム構造に関連したフォーマット情報に基づいて、読み取りユニットはフレームヘッダーのPLOAMdフィールドに対応する時間セグメントでシグナリングセルルールを実施して、フレームペイロードのDとラベルされたセルに対応する各時間セグメントに対するデータセルルールを求めるように構成されている。
データセルルールによると、読み取りユニットに、データが外部のユーザに受け取られるように出力送信のために、データセルのペイロード部のデータをサービスバッファに送らせる。対照的に、シグナリングセルルールによると、PLOAMセルの情報は、ONTにより内部的に使用されるために、ハウスキーピングバッファに送られる。
通常、例えば十分急速に修正される(レインジングによって)ことができない欠陥がない場合には、バックアップサプライアームは機能していなくて、メインサプライアームが分散ネットワークへの及び分散ネットワークからのトラフィック(通行)を行なう。しかしながら、メインサプライアームの欠陥を示すステータスデータが受信されると、中央の管理ユニット40は、移譲手順で、メインサプライアームを閉じ、バックアップサプライアームを活性化し、活性化されるとバックアップサプライアームにトラフィックを向ける。
移譲手順が実行されるべきことを要求する欠陥の1つの成り行きは、ONTがエラー状態に移るとか、或いはONTがユーザデータを正常に送信することができないような他の不動作状態に移るというものである。従って、バックアップOLTがONTを動作状態に戻す必要がある。しかしながら、バックアップOLTからのブロードキャストPOP-UPメッセージにより、常に必要ではないが、ONTはレインジング状態にさせられる。更に、正規なダウンストリームフレームのヘッダー部は、各ONTに対する個々にアドレスされたPOPUPメッセージを収容することができない。
従って、OLTは、図6に示されているフレームのペイロード部の複数のPLOAMセルを送信するように構成されている。各PLOAMセルは、個々にアドレスされたPOP-UPメッセージを含み、1つのPLOAMセルはセルペイロードの各ONTに対して設けられている。
ONTが、フレームペイロードにおいてそのONTにアドレスされたPLOAMセルを正確に処理できるように、制御命令がフレームヘッダーのPLAOMdフィールドに設けられている。その制御命令は、マルチPLOAMメッセージと呼ばれるメッセージに含まれている。マルチPLOAMメッセージは好ましくはそのメッセージに関連したメッセージIDを有している。マルチPLOAMメッセージは、通常のPLOAMセルと同じフォーマットを有していて、ONTに記憶されたシグナリングセルルールは、マルチPLOAMメッセージを読み且つマルチPLOAMメッセージから制御命令を抽出するために実行される。
制御命令により、ONTの読み取りユニットは、読み取りユニットが不履行により他の状態でフレームペイロードで実行するかも知れないデータセルルールを実行するよりむしろ、マルチPLOAMメッセージに含まれているフレームのペイロード部に関してシグナリングセルルールを実行する。マルチPLOAMメッセージの結果として、個々にアドレスされた複数のPOP-UPメッセージが、単一のフレームのペイロードに含まれ、それぞれのPLOAMセルの各POP-UPメッセージはそれぞれのONTにアドレスされている。こうして、メインサプライアームに欠陥が起こると、単一のPOP-UPメッセージだけが各フレームに送信されるよう要求された場合よりもより少ない数のフレーム送信数で、ONTは動作状態に復帰できる。
上記実施例によるとフレーム毎に単一のPOP-UPメッセージのみを送信する必要性を減少できるので、欠陥が起こった際に両方のONTのより早い再活性化を達成できる。マルチPLOAMメッセージは特に複数のサプライアームを有する保護されたPONネットワークに有益であるが、マルチPLOAMメッセージはまた欠陥を修復する高速の再活性化を達成するために単一のPONにも使用できる。
以下の追加のコメントが提供される。
GPONは、パッシブ光学ネットワークを基にしたITU-T規格のファイバーアクセスネットワークである。PON(パッシブ光学ネットワーク)は、ヘッドエンド(OLT)を、光学分散ネットワーク(ODN)を介して多数の遠隔ステーション(ONUやONT)に接続する。光学分散ネットワークは、個々のファイバが各ONUに接続するパワースプリッタとOLTとの間に設けられたファイバフィーダーからなる。リコメンデーションITU-T G.984.3は、制御プロトコル、即ちGPONに対するTC Layerを明記している。それはダウンストリーム即ちOLTからONUへの送信と、アップストリーム即ちONUからOLTへの送信の両者に対するフレームフォーマットを使用している。フレームフォーマット構造は、125μ秒の固定された期間で明記され、ダウンストリームでは、図3のPLOAMdと呼ばれる一つの物理レーヤ(Physical Layer)OAM(PLOAM)メッセージだけである。アップストリーム方向には、PLOAMuと呼ばれる各ONU送信に対してPLOAMメッセージが存在する。図2は、GPONダウンストリームフレームの構造を示している。ダウンストリームでのGPONのビットレートは2,488.52Mbit/sであり、各フレームに38,880バイトを形成する。PLOAMdメッセージは13バイトだけ長い。
OLTは連続モードでトラフィックダウンストリームを送信し、全てのONTへのブロードキャストとして機能する。各ONTは自身にアドレスされたトラフィックを検出し、そのトラフィックは他を切り捨てて関連したユーザインターフェースへ送られる。アップストリーム方向では、各ONTはOLTへ向けてバースト(一挙に)情報を送信する。これらのバーストはパワースプリッタにより同一のファイバ内に多重化される。OLTはスプリットされる地点の後での衝突を防止するためにこれらのバーストの配分を制御する。各ONTはOLTからみて異なるファイバの位置で一般に接続されている。バースト送信位置の制御を可能にするために、OLTは各個々のONUを整列させる必要がある。ONUを活性化させる期間に、OLTはONUを整列させ、この整列は各ONUへのラウンドトリップ遅延(Round Trip Delay)(RTD)を測定し、必要なバッファ遅延を計算することによりなされる。この必要なバッファ遅延は、全てのONUが同期させられて衝突が通常防止されるように、各ONUがその送信に適用するものである。このバッファ遅延はONU(i)に対する均等化遅延(Equalization Delay)(EqD(i))として知られている。このEqD(i)はPLOAMdメッセージ("Ranging_Time" Message レインジングタイム・メッセージ)を介してONU(i)に変換される。各ONUにそのEqD(n)が適用されると、OLTがダウンストリームフレームを送ってOLTでアップストリームフレームの先端を受信する間の全体の遅延は、均等化されたラウンドトリップ遅延(Equalized Round Trip Delay)となる。
デュアルパレンティング(Dual Parenting)保護とは、2つの地理的に異なるOLTにONU/ONTが接続されている場合の保護のタイプである。通常の動作状態では、1次OLTだけが活性化していて全体のPONの制御化にあり、2次OLTは送信を許されていない状態にある。
保護スイッチングを活性化することを必要としない場合には、2次OLTはPONのONTの制御を移譲すべきである。このスイッチ切換時間は短時間に行なわれる。
ある構成では、多数のPLOAMdメッセージが各ONTに3回送られる。PLOAMdメッセージの1より大のタイプが、ONTを再活性化するために2次OLT上に送られなければならないが、各ONTを2次OLT上で動作復帰させるために、PLOAMdメッセージの1つのタイプだけが各ONTに3回送られてもよい。もしもPONが接続された64個のONTを有していて、各PONフレームのただ1つのPLOAMdメッセージに対する余裕、即ち125マイクロ秒毎であるので、全てのメッセージを送るのに64×125μs×3=24msかかる。この時間はそう長くなく、拡張されたGPONは128個のONTをサポートしているので、この時間は48msに増加する。この問題は、ロングリーチ(Long Reach)PONに対して悪化される。ロングリーチPONがサポートするONTが512であると192msかかり、或いは1024個のONTをサポートしているとこの時間は384msとなるからである。
各ONTにPLOAMdメッセージを送ることは、保護スイッチング問題における唯一のフェーズである。保護スイッチオーバー時間を5msより小にするには、保護スイッチングプロセスの各ステップを最小にすることが重要である。
この実施例は、デュアルパレンティング保護スイッチングのプロセスで1つの必要なステップを改善する方法をもたらす。このことは新たなPLOAMdメッセージを定義することを意味し、ダウンストリームフレームのペイロード内、好ましくはペイロードのスタート時点に別のPLOAMdメッセージが存在するONTを示す。実際、ペイロードの残りは、ONTが2次OLTで再活性化されているプロセスにあるので、空である。もしも128個のONTを有するPONがあると、全フレームの38,880バイトからフレームヘッダーによって占められるものを差し引いた128×13バイト=1664バイトだけが必要である。
1024個のONTを有するロングリーチ(Long Reach)PONの場合でさえ、PLOAMdメッセージの長さはONU−IDのための空き(GPONとE−GPONに必要な1バイトの代わりに2バイト)を作るために14バイトに増加されなければならないが、1024×14バイト=14,336バイトである。
OLTはPLOAMdメッセージを各ONTに3度送らなければならない、即ち3個のPONフレームが必要である。したがって、全ての3個のPLOAMdメッセージを全てのONTに送るのに必要な時間は、ONTの数に関係なく3×125μs=325μsであり、このことは通常の手順に比べて莫大な改善(2桁の)を表している。
G.984.3(02/2004)は制御メッセージのフォーマットを明示し、ダウンストリーム方向に19メッセージを定義している。これらのメッセージの構造は異なり(即ち、ONU−IDフィールドに異なる長さを有し)するが基本的概念は同じである。
G.984.3訂正版(07/2005)は新しいPLOAMダウンストリームメッセージを定義し、全体で20PLOAMdメッセージを作っている。
この発明は追加のPLOAMdメッセージの定義を必要とし、我々は”PLOAMdペイロード”或いは”マルチPLOAMd”メッセージと呼んでいる。
メッセージの定義
メッセージID: 21
メッセージネーム: ”PLOAMdペイロード”(例)
機能: ONUに、PONダウンストリームフレームがフレームペイロー
ド、即ちヘッダーPCBdに追加のPLOAMdメッセージを含
むことを示すこと
トリガー: OLTが、あるPLOAMdメッセージをPON内の各ONUに
送る必要があるとき
送信回数: 3
受信の効果: ONUが、PONフレームペイロードに追加のPLOAMdメッ
セージを探す。
Figure 2011512078
主OLTとバックアップOLTは、図1aと図7に示すように、異なるノードにある必要はないが、代わりに同じ地理的位置にあってもよく、Bタイプ構成として知られているように、特に同じノードとして機能してもよい。これは図8に示されている。特に、主OLTとバックアップOLTは、図9に示されているように、共通フレーム、シャーシ或いは他の支持構造上にマウントされるように搭載されてもよい。
10・・・光学通信システム、12・・・分散ネットワーク、14・・・ONT、16・・・メイン(1次)サプライアーム、18・・・バックアップ(2次)サプライアーム、22・・・ヘッドエンド、26・・・光学経路、29・・・光学ステージ、30・・・バックインターフェース、31・・・スケジューラステージ、32・・・送信ステージ、33・・・クロックユニット、35・・・管理モジュール、37・・・バックアップ(2次)OLT、38・・・バックアップ光学経路、39・・・ルータ、40・・・管理ユニット、42・・・光学受信機、44・・・光学ソース、46・・・読み取りユニット、47・・・ローカルメモリ、48・・・ハウスキーピングバッファ、50・・・サービスバッファ、52・・・配信モジュール、54・・・ローカルコントローラ。

Claims (14)

  1. 複数のターミナルと、
    動作状態において前記複数のターミナルと通信するメインヘッドエンドと、
    故障の場合に前記複数のターミナルと通信できるバックアップエンドと、
    を有する光学通信システムにおいて、
    前記メインヘッドエンドとバックアップヘッドエンドはそれぞれ前記複数のターミナルと通信するための一連のフレームを送信し、
    各フレームはヘッダー部とペイロード部とを有し、
    前記メインヘッドエンドは、通常の動作状態で、各フレームの前記ヘッダー部の制御命令とペイロード部のユーザデータとを送信するように構成され、
    前記バックアップヘッドエンドは、故障に応答して、フレームのペイロード部の制御命令とそのフレームのヘッダー部の制御メッセージを送信するように構成され、
    前記制御メッセージは前記ペイロード部に制御命令が存在することを示していて、
    前記複数のターミナルは前記制御メッセージに応答して、
    フレームのヘッダーに制御メッセージが存在する場合には、各ターミナルはそのフレームのペイロードがターミナルの1以上の動作属性を変更するための制御命令を含んでいると解釈し、
    フレームのヘッダー部に制御メッセージが存在しない場合には、各ターミナルはそのフレームのペイロードがユーザデータを含んでいると解釈して、そのユーザデータに関連するアドレスに依存して、ターミナルの外部の1以上のユーザにそのユーザデータを送る、
    光学通信システム。
  2. 各々の制御命令は、各ターミナル毎に設けられる、請求項1に記載の光学通信システム。
  3. 異なるターミナルにアドレスされた制御命令は、共通フレームのペイロード部に設けられている、請求項1または2記載の光学通信システム。
  4. 各ターミナルは、
    制御命令がその各ターミナルに個々にアドレスされている場合には、前記制御命令に応答して動作状態になり、
    前記制御命令がブロードキャストアドレスを有する場合には、レインジング状態になる
    ように構成されている、
    請求項1ないし3のいづれか1項に記載の光学通信システム。
  5. 前記光学通信システムはパッシブ光学ネットワークである、請求項1ないし4のいづれか1項に記載の光学通信システム。
  6. 前記パッシブ光学ネットワークは少なくとも20kmのリーチを有する、請求項5記載の光学通信システム。
  7. 前記パッシブ光学ネットワークは1000より多くのターミナルを有する、請求項5または6に記載の光学通信システム。
  8. 前記制御命令は物理層の命令である、請求項1ないし7のいづれか1項に記載の光学通信システム。
  9. 光学ネットワークのヘッドエンドユニットを動作する方法であって、
    前記光学ネットワークは、前記ヘッドエンドユニットが一連のノーマルフレームを複数のターミナルにブロードキャストするノーマル動作状態を有し、
    各フレームはヘッダー部とペイロード部とを有し、
    ユーザデータは前記ペイロード部に設けられていて、
    前記光学ネットワームが故障状態の場合には、前記フレームのペイロード部にユーザデータの代わりに制御命令を有する少なくとも1つの修正されたフレームを送信し、
    その制御命令により前記ターミナルは第1の状態から第2の状態に変化させられる、
    方法。
  10. 前記第1の状態は故障状態であり、前記第2の状態は動作状態である、請求項9に記載の方法。
  11. 個々にアドレスされた制御命令は各ターミナルにそれぞれ送信され、前記個々にアドレスされた制御命令は共通のフレームで送信される、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記ノーマル動作状態では、ノーマルフレームは第1のヘッドエンドユニットにより前記複数のターミナルにブロードキャストされ、第2のヘッドエンドユニットは故障の際に各修正されたフレームを送信するのに使用される、請求項9ないし11のいづれか1項に記載の方法。
  13. 前記第1と第2のヘッドエンドユニットは地理的に離れている、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1と第2のヘッドエンドユニットは地理的に同じ位置に存在する、請求項12に記載の方法。
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