JP2011505851A - 粒子突破の低減のためのランダム配向繊維を含むフィルタ - Google Patents

Abstract

シガレットフィルタ（１０）とフィルタを作る方法を提供する。フィルタ（１０）は、フィルタ（１０）内に分散された吸着材（１２）と、ランダム配向繊維（１４）の下流プラグ（１６）とを含む。ランダム配向繊維（１４）は、タバコ煙に連行された吸着粒子を機械的に捕捉する。軸線方向配向繊維（３０）の１つ又はそれよりも多くのプラグ（２５）も、吸着材（１２）の上流又は下流又はその両方に位置することができ、かつフィルタ（１０）の長さを調節するのに十分な量で含められる。
【選択図】図２

Description

シガレットは、典型的には、炭素のような吸着材料を組み込むことができるフィルタ要素を含む。フィルタシガレットに組み込まれるようになったフィルタ要素は、例えば、セルロースアセテートトウ内に又はセルロースアセテート材料間の空洞に組み込まれた活性炭又は活性木炭のような炭素、他の吸着材料、又はその組合せの粒子又は顆粒を含むことができる。

米国特許第３、１１１、７０２号 米国特許第４、５４０、６２５号 米国特許第５、８１７、１５９号 米国特許第６、９１９、１０５号 米国特許第６、９１３、７８４号 米国特許第６、９０７、８８５号 米国特許第６、０２６、８２０号 米国特許第５、９８８、１７６号 米国特許第５、９１５、３８７号 米国特許第５、４９９、６３６号

提供するのは、吸着粒子突破が低減された喫煙物品のためのフィルタアセンブリである。フィルタアセンブリは、フィルタ内に収容された煙連行可能吸着粒子を含む吸着材と、ランダムに配向された繊維を含むプラグとを含む。ランダムに配向された繊維を含むプラグは、吸着粒子突破の低減をもたらす。
好ましい実施形態では、フィルタアセンブリは、プラグ−空間−プラグフィルタである。最も好ましくは、ランダム配向繊維のプラグは、吸着材の下流に位置する。好ましくは、ランダム配向繊維のプラグは、吸着材の直ぐ下流に位置する。
実施形態では、軸線方向に配向された繊維のプラグは、吸着材の上流に位置する。更に別の実施形態では、軸線方向に配向された繊維のプラグは、吸着材の下流に位置する。

好ましい実施形態では、フィルタアセンブリは、約３ｍｍから約１０ｍｍの長さを有するランダム配向繊維のプラグを収容する。フィルタの長さを調節するために、軸線方向配向繊維の１つ又はそれよりも多くのプラグを追加することができる。しかし、実施形態では、非軸線方向配向繊維が、フィルタに含められる。
好ましい実施形態では、フィルタアセンブリは、吸着粒子突破を機械的に低減する。

同じく提供するのは、主流煙における吸着粒子突破を低減又は排除するフィルタアセンブリを含む喫煙物品である。
好ましい実施形態では、喫煙物品は、タバコロッドとフィルタアセンブリを含む。好ましくは、フィルタアセンブリは、空間に吸着材が充填されたプラグ−空間−プラグフィルタである。好ましい実施形態では、ランダム配向繊維のプラグは、吸着材が充填された空間（空洞）の下流に位置する。好ましい実施形態では、タバコロッドは、タバコ材料と包装紙を含む。好ましくは、フィルタアセンブリは、先端紙を用いてタバコロッドの一端に取り付けられる。

同じく提供するのは、タバコ煙における吸着粒子突破の低減又は排除をもたらす喫煙物品のためのフィルタアセンブリを作る方法である。
好ましい実施形態では、本方法は、プラグ−空間−プラグフィルタアセンブリの空洞を吸着材で充填する段階を含み、空洞は、ランダム配向繊維のプラグ及びセルロースアセテートのプラグによって境界付けられる。別の実施形態では、セルロースアセテートプラグは、軸線方向配向繊維のプラグである。

提供するのは、２−アップ軸線方向配向繊維のプラグを離間した関係で置く段階と、１つおきの２−アッププラグの上流及び下流端に空洞が形成されるように、２−アッププラグ間にランダム配向繊維を含むプラグを置く段階と、空洞に煙連行可能吸着粒子を含む吸着材を置く段階と、２−アップ軸線方向配向繊維の上述のプラグを１つおきに中心で切断し、２−アップフィルタアセンブリを形成する段階とを含むフィルタを作る方法である。本方法は、上述の２−アップフィルタアセンブリの各端部にタバコロッドを取り付ける段階と、上述の２−アップフィルタアセンブリを中心で切断してシガレット完成品を形成する段階とを更に含むことができる。

喫煙物品のための従来技術のプラグ−空間−プラグフィルタを示す図である。 ランダム配向繊維のプラグを含むプラグ−空間−プラグフィルタの実施形態を示す図である。 ランダム配向繊維のプラグを含むプラグ−空間−プラグフィルタの第２の実施形態を示す図である。 ランダム配向繊維のプラグを含むプラグ−空間−プラグフィルタの第３の実施形態を示す図である。 ランダム配向繊維のプラグを含むプラグ−空間−プラグフィルタを含む部分的に解いた喫煙物品を示す図である。

開示するのは、フィルタシガレットのような喫煙物品内に組み込まれるようになったフィルタである。フィルタは、ランダム配向繊維を有するフィルタ材料を含む。吸着粒子又は吸着粒子の断片が場合によっては主流煙に連行され、かつシガレットの唇側端部を通って出される（すなわち、突破する）可能性がある限り、ランダム配向繊維は、主流煙に連行された吸着粒子を機械的に捕捉する。
本明細書で使用される場合、用語「煙連行可能粒子」は、主流煙に連行された状態になることができる約０．１ミクロンから約１０ミクロンの大きさを有するビーズ、顆粒、塵埃、微細物、及び粉末などを説明するものである。

本明細書で使用される場合、用語「ランダム配向繊維」、「ランダム配向繊維のプラグ」、及び「ランダムに配向された」は、喫煙物品を通過する時に主流煙の流れに対して実質的に平行でない様々な方向に配向されたもつれた連続フィラメントを含む織り及び不織の繊維を説明するものである。対照的に、フィルタプラグの軸線方向配向繊維は、主流煙の流れに対して実質的に平行であり、かつ最小のもつれで軸線方向に延びる連続トウの帯に形成される。「ランダム配向繊維」、「ランダム配向繊維のプラグ」、及び「ランダムに配向された」はまた、ポイント結合、スパン結合、ニードルフェルト、ニードルパンチ、水中懸濁などを含む乾燥堆積又は湿潤堆積処理を使用して作ることができる不織布材料を説明するものである。ランダム配向繊維を有するフィルタロッドを作るための製造技術の詳細は、米国特許第３、１１１、７０２号、第４、５４０、６２５号、及び第５、８１７、１５９号に見出すことができ、その開示は、引用により本明細書に組み込まれている。

好ましくは、フィルタは、フィルタシガレットに組み込まれるようになっている。シガレットフィルタは、様々な設計で作られる。典型的には、シガレットフィルタは、４つの主要構成要素、すなわち、フィルタの固まりを含むセルロースアセテート繊維又は紙の束のようなフィルタトウと、可塑剤（すなわち、互いにフィルタ繊維を束ねて連続フィルタロッドにするために追加された軟化剤）と、プラグラップ（すなわち、フィルタ材料を収容するのに使用される包装紙）と、連続フィルタロッドにプラグラップを固定するのに使用される接着剤とを含む。

タバコロッドに取り付けて（先端紙を使用して取り付けて）シガレットフィルタを生成することができるフィルタシガレットを製作するためのフィルタロッドは、ロッド形成装置を使用してフィルタ材料の束又はトウをロッドに形成することによって作ることができる。典型的には、フィルタロッドは、３万個までのフィルタ材料のフィラメントを含む。フィルタロッドを形成するのに使用される好ましいフィルタ材料は、セルロースアセテートであり、それはセルロースエステルである。

トリアセチンのような可塑剤又は結合剤は、トウがロッド形成装置内に通される前にトウに追加される。更に、トウは、張力をかけた状態にトウを置いて空気ジェット上にそれを通過させることにより、広げてふくらませ、又は「開花させる」ことができる。開花したトウは、煙道又は他の圧縮デバイスを通過させ、次に成形開口を通過させてフィルタロッドを形成することができる。
開花中に又は開花後にトウに追加することができる可塑剤は、トウが集められる時にそれらの交差ポイントで互いに対するフィラメントの結合を強化することができる。従って、可塑剤の追加は、トウから形成されたフィルタロッドの固さを増強することができる。可塑剤はまた、濾過特性を有することができる。フィルタロッド完成品の属性（例えば、濾過効率、固さ、寸法安定性など）は、可塑剤を硬化（例えば、加熱）することによって改善することができる。

フィルタ要素を形成するのに様々なフィルタ構成を使用することができる。例示的フィルタ構造は、以下に限定されるものではないが、単一フィルタ、二重フィルタ、三重フィルタ、空洞フィルタ、凹型フィルタ、フリーフローフィルタ、又はその組合せを含む。単一フィルタは、典型的にはセルロースアセテートトウ又はセルロース紙材料を含有する。単一セルロースフィルタ又は紙フィルタは、タール及び／又はニコチンに有効なフィルタとすることができる。二重フィルタは、典型的にはセルロースアセテート唇側端部、及び純セルロース又はセルロースアセテートセグメントを含む。二重フィルタのセグメントの長さ及び圧力降下は、望ましい濾過（すなわち、吸着及び／又は吸収）及び吸引抵抗（ＲＴＤ）を提供するように調節することができる。

フィルタ要素は、タバコロッドに取り付けてフィルタシガレットを形成することができる。シガレットの製作では、切断した充填剤組成物が他のシガレット添加剤と組み合わせられ、タバコ列を製造するためにシガレット製造機に供給され、次にそれがシガレット紙に包まれ、区画に切り離されたタバコロッドを形成することができ、任意的にフィルタが先端に付けられる。得られるシガレットは、標準の又は修正されたシガレット製造技術及び機器を使用して望ましい仕様に製作することができる。シガレットは、長さが約５０ｍｍから約１２０ｍｍの範囲に及ぶことがある。周囲長は、一般的に約１５ｍｍから約３０ｍｍで、好ましくは約２５ｍｍである。タバコ詰め込み密度は、一般的に、１００ｍｇ／ｃｍ³から３００ｍｇ／ｃｍ³の範囲であり、好ましくは約１５０ｍｇ／ｃｍ³から約２７５ｍｇ／ｃｍ³の範囲である。

タバコの切断した充填剤は、通常は、約１／１０インチから１／２０インチ、又は更に約１／４０インチ（約２．５ｍｍから約１．３ｍｍ、又は更に約０．６ｍｍ）の範囲の幅に切断された細片又はストランドの形態である。ストランドの長さは、約０．２５インチから約３インチ（約６．４ｍｍと約７６ｍｍの間）の範囲に入る。シガレットは、１つ又はそれよりも多くの香味料又は他の添加剤（例えば、燃焼添加剤、燃焼改良剤、着色剤、結合剤など）を更に含むことができる。

切断した充填剤に対してあらゆる適切なタバコ混合物を使用することができる。適切な種類のタバコ材料の例は、火力乾燥、Ｂｕｒ１ｅｙ、Ｂｒｉｇｈｔ、Ｍａｒｙ１ａｎｄ、又は０ｒｉｅｎｔａ１タバコ、希少又は特殊タバコ、及びそれらの配合物を含む。タバコ材料は、タバコ葉、体積膨張又はパフタバコのような加工タバコ材料、カット−ロール状又はカットパフ状茎のような加工タバコ茎、再生タバコ材料、又はそれらの配合物の形態で提供される。タバコはまた、タバコ代用品を含むことができる。
用語「主流」煙は、タバコロッドを下流に通過してフィルタロッドを通って排出される気体の混合物、すなわち、シガレットの吸煙中にシガレットの唇側端部から排出又は吸引される量の煙を意味する。主流煙は、着火領域並びにシガレット包装紙の両方を通って吸引される煙を含有する。用語「副流」煙は、静的燃焼中に生成される煙を意味する。

従来技術のプラグ−空間−プラグ炭素フィルタ１０５は、図１に示すように軸線方向配向繊維のプラグ１３０の間に活性炭のような吸着材１１２の床１１５を含む。典型的には、軸線方向配向繊維は、セルロースアセテート繊維である。理論に制限されるのを望まないが、煙がフィルタを通って下流に吸引される時に、一部の煙連行可能粒子、塵埃、微細物、又はその組合せは、個々の繊維間のチャンネルを貫通するか、繊維に沿って移行するか又はその両方で吸着粒子のフィルタの突破をもたらす。好ましい実施形態では、プラグ−空間−プラグフィルタ１０５は、包装紙１７０を用いて包まれたタバコロッド１６０に取り付けられて喫煙物品１００を形成する。先端紙１６５は、フィルタ１５０とタバコロッド１６０の一部分とを取り囲む。

本明細書に説明するように、喫煙物品のためのフィルタアセンブリは、煙連行可能粒子の機械的捕捉を改善することにより、吸着粒子突破の潜在的な低減及び／又は排除をもたらす。
好ましい実施形態では、フィルタアセンブリ１０は、プラグ−空間−プラグフィルタ配向フィルタアセンブリである。図２に見られるように、好ましくは、フィルタアセンブリ１０は、プラグ−空間−プラグフィルタである。好ましくは、煙連行可能粒子を含む吸着材１２の一部分は、フィルタ１０の内部空洞１５に位置し、ランダム配向繊維１４のプラグ１６は、下流に位置して主流煙がフィルタアセンブリ１０を通過する時に吸着粒子突破を低減する。理論では、繊維１４が軸線方向に整列されていないために、吸着粒子が繊維間で又は繊維に沿ってチャンネルを通って移動することはなく、それによって主流煙における吸着粒子突破が低減又は排除される。

好ましい実施形態では、吸着材及び／又は煙連行可能粒子は、あらゆる適切な吸着媒体を含む。例示的な吸着材は、ゼオライト、シリカ、シリケート、アルミナ、炭素（例えば、活性炭）、又はその組合せのようなモレキュラーシーブを含む。好ましい吸着媒体は、活性炭である。好ましくは、フィルタアセンブリは、約３０ｍｇから約２００ｍｇの吸着材を含む。
「活性炭」は、あらゆる多孔性で高表面積形態の炭素を意味する。活性炭は、あらゆる適切な炭素源の熱処理によって取り出すことができる。活性化処理は、典型的には空隙率を上げ、活性炭には、広範囲の孔隙サイズを設けることができ、又は望ましい孔隙サイズ分布を提供するために孔隙サイズを制御することができる。

好ましい実施形態では、炭素は、顆粒などの形態である。好ましくは、好ましい実施形態の炭素は、高表面積活性炭、例えば、シガレット産業で使用される一般的なＡＳＴＭメッシュサイズ又はそれよりも細かいヤシ殻ベースの炭素である。特に好ましい活性炭は、ニューメキシコ州「Ｔｒｕｔｈ ｏｒ Ｃｏｎｓｅｑｕｅｎｃｅｓ」所在の「ＰＩＣＡ ＵＳＡ、Ｉｎｃ．」から市販されている。活性炭はまた、石炭、木材、ピッチ、泥炭、セルロース繊維、褐炭、及びオリーブピットの炭化によって製造することができる。炭化は、通常は、不活性大気中で例えば４００℃から１０００℃の高温で実施され、次に還元又は酸化条件下で活性化（すなわち、石灰化）される。

好ましい実施形態では、活性炭は、ビーズの形態とすることができる。他の実施形態では、活性炭は、顆粒、繊維、又はその組合せの形態とすることができる。好ましくは、活性炭は、主流煙の成分、特に、アルデヒド、ケトン、及び他の揮発性有機化合物を含む気相成分、及び特に１、３ブタジエン、アクロライン、イソプレン、プロピオンアルデヒド、アクリロニトリル、ベンゼン、トルエン、スチレン、アセトアルデヒド、及びシアン化水素を吸着するようになっている。

他の実施形態では、炭素は、トウ上の炭素、炭素紙、又はその組合せの形態とすることができる。
最も好ましくは、活性炭は、大きさが約１００ミクロンから約５ｍｍの範囲に入る顆粒化粒子を含むことができる。実施形態では、活性炭の粒子は、約０．２ｍｍから約２ｍｍ（例えば、約２００、５００、１０００、又は２０００ミクロン）の平均サイズを有する。

フィルタアセンブリに含有される活性炭ビーズは、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている米国特許出願公開番号２００３／０１５４９９３に説明されているように、好ましくは、大きさが０．２０ｍｍから約０．７０ｍｍの範囲に入る。
好ましくは、活性炭は、ミクロ多孔性、メソ多孔性、及びマクロ多孔性のような孔隙を含むいずれか望ましい孔隙サイズ分布を有することができる。用語「ミクロ多孔性」は、一般的に約２０オングストローム又はそれ未満の孔隙サイズの材料を意味するのに対して、用語「メソ多孔性」は、一般的に約２０〜５００オングストロームの孔隙サイズの材料を意味する。

実施形態では、活性炭は、煙から目標とする成分を選択的に吸着又は吸収又はその両方を行うために適切な表面積を有するように選択することができる。例えば、好ましい活性炭は、一般的に約５０ｍ²／ｇよりも大きい（例えば、少なくとも約１００、２００、５００、１０００、又は２０００ｍ²／ｇ）表面積を有する。一般的に、活性炭の吸収機能は、表面積の増加に伴って増加する。更に、表面積は、一般的に粒子サイズの減少に伴って増加する。しかし、シガレットフィルタ媒体として使用される時には、小さな粒子サイズを有する炭素粒子は、ぎっしりと詰め込まれすぎて、喫煙中に煙が望ましい吸引抵抗（ＲＴＤ）でフィルタを通して流れないことがある。一方、粒子サイズが大きすぎると、表面積が不十分になり、望ましい程度の濾過を達成できなくなる。従って、主流煙及び副流煙の片方又は両方を適切に濾過するために、炭素粒子の選択ではそのようなファクタを考慮することができる。

吸着材の全部とは言わないが、好ましくは少なくとも一部は、吸着材が１つ又はそれよりも多くの気相煙成分を煙から排除するばかりでなく主流煙流れ内に香味をも放出するようになっているように、香味を含有するか又はその他の方法で香味が含浸される。例えば、香味は、攪拌（タンブル）ドラム中で活性炭のバッチ上に香味料をスプレーすることによって活性炭に追加することができ、又は代替的に流動剤として窒素を用いる流動床中で香味料をその後床内の炭素上にスプレーすることができる。

好ましくは、ランダム配向繊維は、セルロースアセテート繊維である。別の実施形態では、ランダム配向繊維は、ポリエステル繊維及びポリプロピレン繊維などである。実施形態では、ランダム配向繊維は、繊維が互いにランダムに接合された織布及び／又は不織布とすることができる。
好ましい実施形態では、繊維は、Ｙ字形状断面を有する。他の実施形態では、繊維は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている米国特許第６、９１９、１０５号、米国特許第６、９１３、７８４号、及び／又は米国特許第６、９０７、８８５号に開示された繊維のような開放空隙を伴う半開放形状又は断面を有することができる。

図２に見られるように、好ましくは、フィルタアセンブリ１０の頬側端部２０は、好ましくは、ランダム配向繊維１４のプラグ１６の形態である。好ましくは、プラグ１６は、空洞１５に保持されて吸着材１２の下流に位置決めされ、約０．１ミクロンから約１０ミクロンの大きさを有する吸着粒子が、軸線方向配向繊維を使用する従来のフィルタアセンブリにおけるように繊維間のチャンネルを通して進行又は繊維に沿って移動又はその両方を行うことが防止される。好ましい実施形態では、軸線方向配向繊維３０のプラグ２５は、吸着材１２の上流にある。
使用中に、煙は、最初に軸線方向配向繊維３０のプラグ２５を通して、吸着材１２を通して、かつランダム配向繊維１４のプラグ１６を通して下流に吸引される。繊維の下流プラグ１６のランダムな配向のために、吸着粒子は、繊維間のチャンネルを通る進行又は繊維に沿った移動又はその両方ができないので、主流煙に連行された吸着粒子の機械的な捕捉がもたらされる。

図３に示すように、別の実施形態では、フィルタアセンブリ１０は、空洞１５に吸着材１２の一部分を含む。吸着材１２の部分の各側には、ランダム配向繊維１４のプラグ１６が位置する。
更に別の実施形態では、図４に示すように、フィルタアセンブリ１０は、吸着材１２が充填された空洞１５を含む。好ましくは、ランダム配向繊維１４のプラグ１６は、吸着材１２が充填された空洞１５の直ぐ下流に位置する。好ましくは、軸線方向配向繊維３０のプラグ２５は、空洞１５の直ぐ上流に位置する。同じく好ましくは、軸線方向配向繊維３０のプラグ２５は、ランダム配向繊維１４を含有するプラグ１６の直ぐ下流に位置する。

図５に見られるように、フィルタアセンブリ１０は、喫煙物品５０に組み込まれるようになっている。
用語「喫煙物品」は、シガレット、シガー、パイプ、及びシガリロを含む。本出願人に譲渡された米国特許第６、０２６、８２０号、第５、９８８、１７６号、第５、９１５、３８７号、及び第５、４９９、６３６号に記載された電気喫煙システムのためのシガレットのような非従来的シガレットも一般的に喫煙物品又はシガレットの定義に含まれる。

好ましくは、喫煙物品は、シガレットである。シガレットは、タバコ材料及びフィルタを収容することができる。実施形態では、シガレットはまた、少なくとも１つの吸着材を含有することができる。従来的シガレットは、一般的に、タバコロッドと呼ばれることがあるタバコ含有部分と、濾過区間と呼ぶことができるフィルタ部分との２つの区画を収容する。先端紙は、一般的にシガレットの頬側端部を形成するフィルタを取り囲む。先端紙は、フィルタ及びタバコロッドを一緒に保持するためにタバコロッドと部分的に重なる。シガレットのタバコロッド又はタバコ含有要素は、タバコが包まれる包装紙及び包装紙の縫い目を一緒に保持する接着剤を含む。タバコロッドは、フィルタに一体に取り付けられる第１の端部及びタバコを喫煙するために着火又は加熱される第２の端部を有する。タバコロッドが喫煙のために着火又は加熱されると、煙は、着火端部から下流にタバコロッドのフィルタ端部まで、及びフィルタを通って更に下流に進行する。
フィルタの実施形態を示すために以下の実施例を提供するが、そのような実施形態の範囲を限定するように解釈すべきではない。

ランダム配向セルロースアセテート繊維で構成された６ｍｍのセルロースアセテートプラグが、フィルタを形成するために１１０ｍｇの活性炭が充填された空洞の下流に置かれた。
実施例１のように構成されたフィルタと、軸線方向配向セルロースアセテート繊維の２つのプラグを用いて作られた対照プラグ−空間−プラグフィルタとを使用して、活性炭粒子突破の可能性が、レーザ光線散乱粒子カウンタ（「Ｍｅｔ−０ｎｅ Ｌａｓｅｒ Ｐａｒｔｉｃ１ｅ Ｃｏｕｎｔｅｒ Ｍｏｄｅ１ ２３７Ｂ」：「Ｈａｃｈ Ｕ１ｔｒａ Ａｎａ１ｙｔｉｃｓ」、リッチモンド、ＣＡ）を使用して非着火乾燥吸煙条件下で測定された。

炭素粒子突破に対するフィルタの試験では、レーザ光線散乱粒子カウンタは、シガレットを通過する空気流に整列したシガレットホルダの隣に置かれた。フィルタは、シガレットフィルタホルダに約９±１ｍｍの深さまで挿入され、５５ｍｌ／吸引、２秒間の吸引継続、１２吸引／シガレットのプロフィールを使用して非着火（乾燥吸煙）条件下で機械吸煙された。

（表１）

表１は、試験の結果を示しており、実施例１（試験＃１及び＃２）に従って構成されたフィルタと、活性炭が充填された空洞と活性炭の上流及び下流の両方に位置した軸線方向に配向されたセルロースアセテート繊維のプラグとを有する従来的なプラグ−空間−プラグフィルタ（対照）とを比較している。
ランダムに配向されたセルロースアセテート繊維を含有する実施例１によって構成された試験＃１フィルタは、シガレットあたり約２５１粒子の平均炭素粒子突破を示した。粒子突破は、シガレットあたり約２２粒子から約３５１粒子の範囲であり、これは、対照シガレットフィルタからの有意な減少である。

実施例１によって構成された試験＃２フィルタは、シガレットあたり約１９８粒子の平均炭素粒子突破を示した。粒子突破は、シガレットあたり約４０粒子から約１８７粒子の範囲であり、これは、対照シガレットフィルタからの有意な減少である。
対照的に、ランダムに配向されたセルロースアセテート繊維を含まない対照フィルタは、シガレットあたり約１０９７粒子の平均炭素粒子突破を示した。すなわち、ランダムに配向されたセルロースアセテート繊維をフィルタに使用すると、喫煙中の炭素粒子突破が有意に減少することが明らかである。

以上の説明が好ましい実施形態のものであり、従って、物品及びそれを製造する方法の単なる例証であることは理解されるであろう。異なる実施形態の変形及び修正が以上の教示に照らして当業者には容易に明らかになることを認めることができる。従って、例示的な実施形態、並びに代替的な実施形態は、特許請求の範囲に説明する物品及び方法の精神及び範囲から逸脱することなく製造することができる。

１０ シガレットフィルタ
１２ 吸着材
１４ ランダム配向繊維
２５ 軸線方向配向繊維のプラグ
３０ 軸線方向配向繊維

Claims (14)

1. 喫煙物品のためのフィルタアセンブリであって、
   煙連行可能な吸着粒子を含む吸着材と、
   ランダム配向繊維を含むプラグと、
   を含み、
   ランダム配向繊維を含む前記プラグは、吸着粒子突破の低減をもたらす、
   ことを特徴とするフィルタアセンブリ。
2. ランダム配向繊維の前記プラグは、前記吸着材の下流に位置することを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
3. ランダム配向繊維を含む前記プラグは、前記吸着材の直ぐ下流に位置することを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
4. ランダム配向繊維を含む前記プラグは、長さが約３ｍｍから約１０ｍｍであることを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
5. ランダム配向繊維の前記プラグは、ランダムに配向されたセルロースアセテート繊維、ポリエステル繊維、及びポリプロピレン繊維のうちの１つ又はそれよりも多くを含むことを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
6. 前記吸着材の約３０ｍｇから約２００ｍｇを含有することを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
7. 前記吸着材は、空洞に、トウ上の炭素、炭素紙、炭素ビーズ、炭素顆粒、及び炭素粒子などのうちの１つ又はそれよりも多くを含むことを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
8. プラグ−空間−プラグフィルタであり、
   前記吸着材は、前記空間に位置したビーズ状炭素を含み、ランダム配向繊維の前記プラグは、前記プラグ−空間−プラグフィルタの下流プラグに組み込まれたランダム配向セルロースアセテート繊維を含む、
   ことを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
9. 前記吸着材の上流及び下流の少なくとも一方に位置した軸線方向配向繊維の少なくとも１つのプラグを含み、
   前記軸線方向配向繊維の少なくとも１つのプラグは、フィルタアセンブリの長さを調節するのに十分な量でフィルタアセンブリに含まれた１つ又はそれよりも多くのフィルタセグメントに組み込まれる、
   ことを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
10. 前記吸着材は、モレキュラーシーブ、炭素、及びその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
11. 前記煙連行可能な吸着粒子は、約０．１ミクロンから約１０ミクロンの大きさの範囲であることを特徴とする請求項１に記載のフィルタアセンブリ。
12. タバコロッドに取り付けられた請求項１に記載のフィルタアセンブリ、
    を含み、
    ランダム配向繊維を含むプラグの外面が、前記フィルタアセンブリを前記タバコロッドに取り付ける先端紙と接触している、
    ことを特徴とするシガレット。
13. タバコロッドと、
    請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載のフィルタアセンブリと、
    を含むことを特徴とする喫煙物品。
14. フィルタを製造する方法であって、
    ２−アップ軸線方向配向繊維のプラグを離間した関係に置く段階と、
    空洞が１つおきの２−アッププラグの上流及び下流端に形成されるように、ランダム配向繊維を含むプラグを前記２−アッププラグ間に置く段階と、
    煙連行可能な吸着粒子を含む吸着材を前記空洞に置く段階と、
    ２−アップ軸線方向配向繊維の前記プラグを１つおきに中心で切断して２−アップフィルタアセンブリを形成する段階と、
    を含むことを特徴とする方法。

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