JP2011500187A - 管状構造用の自動的な幾何学的及び機械的解析方法及びシステム - Google Patents

管状構造用の自動的な幾何学的及び機械的解析方法及びシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、管状構造(血管部等)を、それらの幾何学的特性及び機械的荷重条件に関して解析するための方法及びシステムを開示する。この目的を達成するために、血管部の幾何学的及び構造的モデルが、画像データの標準セットから生成される。方法もしくはシステムは、自動的に動作し、管状構造は、技術的なバックグラウンドを有さないユーザーによって臨床関連時間内に解析される。この要旨において最も重要なことは、新規のボリュームメッシュ化及び3Dセグメンテーション技術の統合である。生成された幾何学的及び構造的モデルは、構造的に関連する種類の組織間を識別し、例えば、腹部大動脈瘤においては、血管壁と管腔内血栓が別々と見なされる。血管部の構造研究は、詳細な非線形有限要素解析に基づく。ここで、生成された血管組織の幾何学的モデル、インビボ境界/荷重条件、及び有限変形の構成的記述は、構造生体力学的問題を示す。異なる視覚化の概念が提供され、生成された幾何学的及び機械的データの効率的且つ詳細な調査が可能となる。さらに、この情報はプールされ、この情報に由来する統計的特性は、関心のある血管部を解析するために用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、診断システムの分野に関し、より詳細には、中空構造、例えば細長中空構造、例えば管状構造、例として血管組織を含む血管構造等に関するコンピューターベースの診断システムに関する。診断システムは、解析及び情報データ、例えば、細長中空構造の幾何学及び機械学に関連する解析及び情報データを提供する。
多くの手順、例えば、血管組織に関する治療介入及び診断は、内部解剖学的部位で実施される必要がある。これらの医療手順に関する医師の情報は、画像モダリティによって得られる画像データによって質が高められる。画像モダリティは、例を挙げると、スキャン装置、例えばコンピューター断層撮影法(CT)もしくは磁気共鳴法(MR)に基づくスキャン装置である。一般的に、これは、患者の解剖構造における複数の2次元(2D)画像(スライスとも称される)を提供する。スキャン装置は、複数の2D画像の3次元(3D)データセットを構築するためのコンピューターのハード及びソフトウェアを含むものもある。
さらに、患者身体の特定の分離領域(患者の器官等)を視覚化するためのモデルを実行するとともに、患者の解剖構造の寸法を実質的に測定するコンピューターシステムが公知である。これらの公知モデルは、主に閾値法に基づくため、適切な機能には十分な高画質を必要とする。例えば、高い画像解像度、及び分離するオブジェクト間の高いコントラストが必要である。これは、CTスキャンシステムにおいて、造影剤(コントラスト剤)及び/又は高用量のX線照射の使用によってのみ多くの事例で実現されるが、これらはいずれも患者に負担をかけるために、減少もしくは回避することが望ましい。
特定のモデルは、非特許文献1に記載される。この紙面上に開示されるモデルは、腹部大動脈瘤(AAA:Abdominal Aortic Aneurysm)における管腔内血栓(ILT:Intra-luminal Thrombus)のセグメンテーションに基づくものであり、変形可能なモデルの概念を使用する。しかしながら、このモデルの初期化は、ILTの存在を必要とし、さらに管腔とILTとの間の高い閾値の存在を必要とし、頻繁に必要とされるにもかかわらず血管分岐部の解析ができない。したがって、このモデルは、実用的な適用性が非常に限定されている。
ある医療手順のために、例えば、AAAの破裂の危険性を推定する時、又は動脈狭窄の脆弱性を識別する時において、血管組織の機械的荷重条件は、治療を計画するための医師の情報の質を有用に高める。機械的荷重条件に関連するこの種類の情報は、撮像システムによって提供できないが、それら撮像システムによって提供されるデータに基づく後処理構造解析によってその提供が促進できる。しかしながら、現在のところ、全ての構造的に関連する解剖学的オブジェクトを一体化するとともに(血管組織等の)機械的荷重条件に関する情報を提供する利用可能な自動的及び包括的システムは存在しない。例えば、AAAに関し、動脈壁及びILTは、略全ての臨床的に関連するAAAに存在するものであり、関連構造コンポーネントである。
特許文献1(Chen DT, et. al.)では、解剖学的視覚化及び測定システム及び方法が開示される。特許文献1は、引用することによりその全体を本明細書に援用する。この開示に基づき、血管破裂の危険性は、血管のスキャンによって得られる2Dスライス画像の適切なセットを用いて決定される。この方法は、2Dスライス画像のセットを用いて血液のメッシュモデルを生成する工程と;メッシュモデルに対する有限要素応力解析を実施することにより、メッシュモデルの異なる位置に対する応力レベルを計算する工程と;計算されたメッシュモデルの異なる位置に対する応力レベルに基づいて血液破裂の危険性を決定する工程とを備える。しかしながら、特許文献1に記載される方法及びシステムは、血管病変の単一表面メッシュを提供することに限られているために、血管壁のシェル様構造的効果のみしか(例えばシェル有限要素を用いて)考察できない。このような有限要素(FE:Finite Element)定式化に関する詳細は、例えば、非特許文献2に開示され、引用することによりその全体を本明細書に援用する。その結果、AAAの場合、ILTの構造衝撃が無視され、AAAの機械的予測が非現実的で信頼できなくなる。これは、幾つかの研究によって文献において説明されており、例えば、非特許文献3に記載される。したがって、破裂の危険性において信頼できない診断及び予測がなされる可能性があり、少なくとも患者の安全性の観点からは不満が残る。さらに、特許文献1に記載の方法及びシステムは、例えば、不要なセグメンテーション要素を除去するために、手動の対話型操作を必要とする。さらに、特許文献1に記載される方法及びシステムは、複数の異なるソフトウェア製品(1つは2D画像を分離し、1つは表面(血管壁を示す)をメッシュにし、1つは有限要素(FE)解析を実施する)を使用し、これらソフトウェア製品は、機械的荷重条件を予測することに関与する。これは、ユーザーにとって異なるソフトウェア製品間のインターフェースとして技術的に高度であり、信頼でき且つ安全な方法において保証される必要があるが実際には保証が困難であり、どちらの点でも不便である。
その他の方法は、非特許文献4に紹介される。この開示において、3D視覚化システムからの幾何学的データが後処理される。ここでも、シェル様構造的効果を用いてAAAの外側表面をモデルすることに限定されており、血管壁の厚壁構造(又はボリューム効果)が無視される。
FE解析の「メッシュベース」応力アーチファクトを避けるために、十分に高品質の計算グリッド(メッシュ)が必要であり、異なる種類のメッシュのスムージング戦略が適用される。しかしながら、特許文献1又は非特許文献4に記載の方法及びシステムは、血管部(外側)形状が正確にキャプチャーできないようにオブジェクトの形状を変更する(即ち、モデル形状とその基礎となる画像データ間のミスマッチが存在する)メッシュのスムージング戦略を適用する。したがって、中空構造(細長中空構造等、例を挙げると管状構造、例えば血管部)の正確な幾何学的及び機械的モデリングを促進する方法及び/又はシステムの改善の必要性が少なくとも存在し、これにより、その幾何学的特性及び機械的荷重条件に関して信頼性のあるデータが提供されることになる。
例えば、非特許文献5の著作物は、血管部のFEモデリングの最新技術を示し、六面体要素による関連組織の離散化によって構造のボリューム効果を考慮するものの、半自動スキーマである。ここで提案された概念は、構造モデリングの専門知識を必要とし、また幾つかの工程が関与しており、やはり技術的に高度な適用には不便である。
非特許文献5に開示される半自動の再構成スキームは、基本的には3つの工程を適用することにより、構造解析のための計算グリッドを生成する。:
(1)面内セグメンテーション(例えば、端部を示すNURBSを用いる)。ここで、画像データセットの面外情報が無視されるように、単一の画像スライス上に変形可能なモデルが使用される。この概念は、形状のサブクラスにのみ適用でき、例えば、重要な臨床関連物である嚢状動脈瘤等(図1(Fig.0)を参照のこと)を除外する。また、この概念は、血管分岐部に適用できない。
(2)セグメンテーションによって定義された端部情報に基づくソリッドモデルの生成。ここで必ず、セグメントされた曲線のスムージングが必要であり、特に面外方向への散乱を避けるために必要である。これは、自然に形状を変更するために、画像データのセットによって定義された血管部の形状は維持することができない。
(3)ソリッドモデルのメッシュ化。血管部の現実的な(臨床的に関連する)形状は、自動メッシュ化を可能にするのに十分単純となるように、より小さい部分にサブ分割される必要がある。これは、通常、時間を要する仕事であり、メッシュ生成と構造解析には技術的な専門知識が必要である。最も重要なことは、形状が複雑すぎる場合には、構造のメッシュ化を促進するために、ソリッドモデルの修正さえ必要となることがある。したがって、画像データセットによって定義される血管部の形状は、維持することができない。
要約すると、現在公知の手法は、ユーザーによる厳密な手動の対話型操作と必須の技術専門知識を特徴とし、それらの臨床的応用を阻むものである。さらに、上述の如く非特許文献5において使用される画像データは、インビトロのMRに基づくものであり、標準的な臨床撮像から得られるデータセットと比較して、必然的にずっと良好な画質が実現できる。
米国第2006/0100502−A1号
Olabarriaga SD, Rouet J-M, Fradkin M, Breeuwer M and Niessen WJ, (2005) Segmentation of Thrombus in Abdominal Aortic Aneurysms From CTA With Nonparametric Statistical Grey Level Appearance Modeling. IEEE Trans Med Imag 24. 477-485 Zienkiewicz OC and Taylor RL, (2005) The Finite Element Method for Solid and Structural Mechanics, Butterworth Heinemann, 第6版 Wang et al., (2002) Effect of intraluminal thrombus on wall stress in patient-specific models of abdominal aortic aneurysm. J Vasc Surg. 36, p. 598-604 Raghavan et al., 2005, Automated methodology for determination of stress distribution in human abdominal aortic aneurysm, J Biomech Eng. 127, p. 868-71 Dimitrios E. Kiousis, T. Christian Gasser and Gerhard A. Holzapfel, A Numerical Model to Study the Interaction of Vascular Stents with Human Atherosclerotic Lesions, Ann Biomed Eng. 2007;35(11):1857-69
したがって、管状部(血管部など)の詳細な構造解析が臨床的に適用可能となるような、完全自動スキーマの必要性が存在する。技術専門のバックグラウンドを有さない臨床ユーザーによってこのスキーマを実施するための臨床的に適用可能なシステムの必要性が存在する。さらに、スキーマは、患者の臨床的に利用可能なインビボ3D画像データ(インビトロ3D画像データよりも低い解像度を有する)を適用可能もしくは使用可能であるべきである。
したがって、本発明の実施形態は、好ましくは、添付の請求項に基づき、システム、方法、コンピュータープログラム、医療用ワークステーション、及びグラフィカル・ユーザー・インターフェースを、単独もしくは任意の組み合わせで提供することによって、上述したような、従来における1もしくはそれ以上の欠点、不利益、もしくは問題を軽減する、緩和する、又は排除することを目的とする。
本発明は、3D画像再構成及び六面体メッシュ生成の組み合わせを用いる。これにより、管状部の構造解析のために有限要素メッシュを高速且つロバストに生成することが可能となる。この概念は、その他の手法(例えば、上述した非特許文献5に示され且つ引用される手法)とは非常に異なる。
既存の手法に対する本発明の相違点によって、血管部の詳細な構造解析が臨床的に適用可能となるように、完全自動スキーマが実現可能となる。これら相違点により、技術的なバックグラウンドを有さないユーザーによって操作されるシステムの開発さえ可能となる。
本発明によって証明される完全な3D手法は、面外方向を識別しないために、その後のスムージングを必要とせず、血管部の正確な3D形状が維持される。
最後に、本発明は、数値的にロバストであり且つ効率的な方法論を定義し、臨床的に画像データセットの記録に適用可能である。
本発明の実施形態は、血管部を、それらの幾何学的特性及び機械的荷重条件に関して解析するための方法及びシステムを含む。この目的を達成するために、方法もしくはシステムは、画像データの標準セットから血管部の幾何学的及び構造的モデルを生成する。方法もしくはシステムは、自動的に動作し、血管部は臨床スタッフ(即ち、技術的に専門知識を有さないユーザー)によって、臨床的に関連する時間内に解析される。このようなシステムを臨床的に取り扱う典型的な臨床スタッフは、技術的なバックグラウンドを有さない。この要旨において最も重要なことは、新規のボリュームメッシュ化及び3Dセグメンテーション技術の統合である。生成された幾何学的及び構造的モデルは、構造的に関連する種類の組織の間を識別し、例えば、腹部大動脈瘤においては、血管壁と管腔内血栓が別々に見なされる。血管部の構造研究は、詳細な非線形有限要素解析に基づく。ここで、血管組織の生成された幾何学的モデル、インビボ境界/荷重条件、及び有限変形の構成的記述は、構造生体力学的問題を示す。異なる視覚化の概念が提供され、生成された幾何学的及び機械的データの効率的且つ詳細な調査が可能となる。さらに、この情報はプールされ、この情報に由来する統計的特性は、関心のある血管部を解析するために用いることができる。
関連臨床時間とは、本方法もしくはシステムによって結果が提供可能である時間であり、通常臨床的に利用可能な現在の計算能力を用いた時に数分の範囲である。
本発明の第1態様によると、管状構造(例えば血管部)の幾何学的特性及び機械的荷重条件の自動解析を提供する方法が開示される。
この方法は、壁厚を有する壁を備える実質的な管状部を解析する方法である。この方法は、管状部の少なくとも一部分の少なくとも1つのコンポーネント及び/又は該コンポーネントに関連する少なくとも1つの要素を、画像データのセットから3D再構成する工程と、コンポーネント及び/又は要素の四面体及び/又は六面体有限要素(FE)メッシュを生成する工程と、前記管状部の少なくとも1つのコンポーネント及び/又は要素の構造非線形FE解析を実施する工程と、該解析から、管状部の前記一部分の少なくともサブ部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを少なくとも、管状部の解析のために提供する工程を備える。
この方法は、分岐及び側枝を含む管状部の全ての部分に適用することができる。
代替的に、幾何学的特性及び内部荷重データは、更なる処理のために、別々に提供されることができる。幾何学的特性(即ち、幾何学的構造を示すデータ)は、その局所機械的特性に関連する。幾何学的構造と機械的特性の両方は、更なる処理のために、3Dデータセットとして提供される。
本発明の第2態様によると、管状構造(例えば血管部等)の幾何学的特性及び機械的荷重条件の自動解析を提供するシステムが開示される。
本システムは、壁厚を有する壁を備える実質的な管状部を解析するためのシステムである。このシステムは、管状部の少なくとも一部分の少なくとも1つのコンポーネント及び/又は該コンポーネントに関連する少なくとも1つの要素を、画像データのセットから3D再構成するためのユニットと、コンポーネント及び/又は要素の四面体2D及び/又は六面体3D有限要素(FE)メッシュを生成するためのユニットと、少なくとも1つのコンポーネント及び/又は要素の構造非線形FE解析を実施するためのユニットと、該解析から、管状部の前記一部分の少なくともサブ部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを少なくとも、管状部の解析のために提供するためのユニットを備える。
本発明の第3態様によると、コンピューターによる処理用のコンピュータープログラムが提供される。コンピュータープログラムは、管状構造(例えば、血管部)の幾何学的特性と機械的荷重条件の自動解析を提供するための医療用ワークステーションに使用されるコードセグメントを含む。
コンピューターデバイスによる処理用のコンピュータープログラムは、壁厚を有する壁を備える実質的な管状部を解析するためのものである。コンピュータープログラムは、管状部の少なくとも一部分の少なくとも1つのコンポーネント及び/又は該コンポーネントに関連する少なくとも1つの要素を、画像データのセットから3D再構成するための第1コードセグメントと、コンポーネント及び/又は要素の四面体及び/又は六面体有限要素(FE)メッシュを生成するための第2コードセグメントと、少なくとも1つのコンポーネント及び/又は要素の構造非線形FE解析を実施するための第3コードセグメントと、該解析から、管状部の少なくとも一部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを少なくとも、管状部の解析のために提供するための第4コードセグメントとを備える。
本文脈におけるコンポーネントとは、解剖構造の構成コンポーネント(構成成分)である。
本発明のさらなる態様によると、血管部の幾何学的特性及び内部機械的荷重を視覚化するために、グラフィカル・ユーザー・インターフェースが提供され、これにより、図形、2D及び3D輪郭プロット、並びに3Dの色分けされた幾何学的オブジェクトが利用される。
一実施形態では、グラフィカル・ユーザー・インターフェースは、プールされたデータからの情報に対する血管部の幾何学的及び機械的情報を解釈することが可能である。
本発明のその他の態様では、血管部を、それらの幾何学的特性及び機械的荷重条件に関して解析するための方法が提供される。本方法は、画像患者データの少なくとも1つのセットから、少なくとも1つの血管部の少なくとも1つの幾何学的及び構造的モデルを生成する工程と;幾何学的及び構造的モデルにおいて、構造的に関連する種類の組織(例えば、腹部大動脈においては血管壁と管腔内血栓)間を識別する工程と;非線形有限要素解析に基づき、血管部を構造的に調査する工程と;血管壁の構造的モデル、インビボ境界/荷重条件、及び有限変形の構成的記述から、構造生体力学的問題を示す工程を備え、その幾何学的及び機械的データを提供する。
本発明のその他の実施形態は、従属項に定義される。本発明の第2及びそれに続く態様の特徴は、第1態様の変更すべき点を変更したものである。
本発明の実施形態は、例えば「背景技術」欄で記述したような従来技術とは、幾つかの点で有意に異なる。最も著しいことに、本発明のある実施形態は、患者のスキャン後の全工程を単一(スタンドアロン)システムに統合することを提供し、これにより、患者の特異的な血管病変に関する情報(即ち、その幾何学的特性及びその機械的荷重条件)が、臨床的に許容可能な時間内に提供される。本発明の実施形態の要点は、完全に自動的に作動可能であることであり、その臨床的適用及び/又は臨床的許容を実現可能とし、その適用に専門知識(例えば、技術的なもの)を必要としない。
さらに、本発明は、ある実施形態において、血管部の形状を再構成するために変形可能なモデルの概念を用い、これにより、低画質(閾値法に基づく再構成と比較したもの)で処理されても尚、改善した結果を得ることができる。変形可能なモデルは、特に医療画像に適用された際には、閾値法と比較して幾つかの利点を有し、例えば、Suri et al., 2002, A review on 30 MR vascular image processing: skeleton versus nonskeleton approaches: Part II. IEEE Trans Inf Technol Biomed. 6 338-50を参照されたい。本発明のある実施形態によって応用された手法は、患者の安全性に直接的に影響を及ぼし、例えば、CTスキャンからの画像データに対し、造影剤及び/又はX線照射による負担が減少される可能性がある。非特許文献1に記載される方法は、変形可能なモデルを使用しているものの、その初期化には高い閾値が必要であることに注目すべきである。
本発明のある実施形態は、変形可能なモデルに基づき、3Dの正確な画像セグメンテーションを提供する。適用概念は、ロバスト手法を提供し、再構成及び離散化(メッシュ化)されたオブジェクトがFE解析用の幾何学的入力として直接的に使用されることができる。
本発明のある実施形態は、血管部の表面の自動四面体メッシュ化もまた提供する。
本発明のある実施形態は、血管部のボリュームの自動的な六面体で覆われたメッシュ化もまた提供する。これにより、効果的な混合有限要素(例えば、いわゆるQ1P0定式化)を適用することが可能となる。Simo and Taylor, 1991, Quasi-incompressible finite elasticity in principal stretches. Continuum basis and numerical algorithms. Comp Meth Appl Mech Engrg. 85. 273-310を参照のこと。これは、数値的に効果的且つ適切な方法において、血管組織の非圧縮特性を示すために必須である。
本発明のある実施形態は、自動的な2D及び3Dメッシュのスムージング及び最適化を提供し、これにより、FEメッシュの質、それ故に予測結果の質を改善することができる。
本発明のある実施形態は、管状部(例えば、血管部)の完全な3D構造解析を提供し、ここで、異なる種類の組織は、別々に取り扱われる。
用語「備える(含む)(comprises)/備える(含む)工程(comprising)」は、本明細書で用いられる際、提示された特性、整数、工程、もしくはコンポーネントの存在を特定するものであるが、1又はそれ以上のその他の特性、整数、工程、コンポーネント、もしくはその群の存在もしくは付加を排除するものではない。本明細書で用いられる際、用語「及び/又は」は、関連するリストされた項目の1つもしくはそれ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
(Fig.0)嚢状動脈瘤の概略図である。 (Fig.1)実施形態に基づき、血管部の自動的な幾何学的及び機械的解析を示すフローチャートである。具体的方法を実施するための概説システムは、医療用ワークステーションを含み、ある実施形態では、本方法を実施するためのコンピュータープログラムの形態で、医療用ワークステーションによって実行するためのコンピューター可読媒体上に保存される。 (Fig.2)システムのグラフィカル・ユーザー・インターフェースの画像ビューアを示す図であって、これにより、ユーザーがロードされた画像患者データのセットを調査し、関心領域を(例えば、マウス対話型操作によって)定義することが可能となる。 (Fig.3)患者データの2D画像における再構成の初期化を示す図である。ここで、ユーザーは、例えば、初期化を目的として、動脈の管腔内に円形スポットを位置付けることができる。 (Fig.4)有限要素(FE)問題及び反復戦略を用いてスネークモデルのアルゴリズム定式化を示すフローチャートであり、これにより、生じる非線形数値問題を解決することになる。 (Fig.5)患者データの2D画像における管腔の図であり、Fig.4(図5)のスネークモデルによってセグメント化されたものである。ここで、分岐(この非限定例においては、腎臓)の動脈は、問題の幾何学的複雑性が軽減するように切除されている。これにより、全ての血管部のFE解析が実現可能となる。 (Fig.6)(a)と(b)は、隣接するスネーク節点間に節点の線を導入することによる改良戦略の概略図である。ここで、(a)は、改良無しのテセレーションを示し、(b)は、改良有りのテセレーションを示す。 (Fig.7)(a)(b)及び(c)は、メッシュを局所的に改善するために適用された戦略の概略図である。ここで、(a)は、表面の境界における四面体の除去を示し、(b)は、四面体固定の崩壊を示し、(c)は、悪い状態の要素の改善を示す。 (Fig.8)AAAオブジェクトの3D再構成された管腔表面の図である。ここで、AAAオブジェクト表面は、最適化四面体要素によってメッシュ化される。 (Fig.9)(六面体)ボリュームセグメントの定義の概略図であり、複雑形状の血管部をメッシュ化する基礎として機能を果たす。 (Fig.10)(a)は、動脈壁をメッシュ化するための戦略の概略図であり、ボリュームセグメントの定義に基づく。(b)は、ILTと動脈壁の厚みとの間の関数関係を示すグラフである。 (Fig.11)ILTをメッシュ化するための戦略の概略図であり、ボリュームセグメントの定義に基づき、主に六面体要素を生成する。 (Fig.12)血管部の構造的前計算による応力場に基づき、主要な材料軸の定義を示す図である。 (Fig.13)特定のAAA壁のフォンミーゼス応力(vMises Stress)(左)及び破裂の危険性(rupture risk)(右)の3D視覚化の図である。ここで、情報は色分けされる。
これら及びその他の態様、特性、及び利点は、本発明の実施形態で可能となるものであり、本発明の実施形態の以下の記述から、付随の図面を参照し、明らかとなり解明される。
本発明の特定の実施形態は、付随の図面を参照して以下に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化され、本明細書に記載される実施形態のみに限定されるとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全なものとなり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるために提供される。付随の図面に図示される実施形態の詳細な説明において使用される用語は、本発明の限定を意図するものではない。図面において、同様の数字は同様の要素を意味する。
以下の記述は、血管病変、特にAAAもしくは頸動脈狭窄症を解析するのに適用可能な実施形態に焦点をあてる。しかしながら、本発明は、この特定の適用に限定されず、ある実施形態では、多数のその他の管状の内臓器官、例えば、その他の血管、気管、尿道、食道、腸、卵管、脳、左心房垂(LAA:left atrial appendix)を含む動脈垂(atrial appendice)、冠状血管等へと適用され、あるいは、身体の外側部分、例えば、体肢(脚、腕、指等を含む)等に適用される。さらに、本発明のある実施形態は、器官の管状部分、例えば、心臓や骨等にも適用できる。最終的に、本発明のある実施形態は、一般的に、パイプライン等のような管状構造に適用できる。
工学的構造物の応力解析は、よく構築されており、幾つかの解析ツールが市販されている。その一方で、本発明は、この種類の解析を、新規手法によって医療用途に利用可能とするものである。生体器官は、工学的(人工の)構造と比較して、複雑な形状を有することがあり、それらの3D再構成は、本発明の他の挑戦的な態様である。
図1(Fig.0)では、平面的手法では再構成できない形状が示される。水平線(200)は、スキャンスライスを意味する。図1(Fig.0)は、完全な3D手法と比較した2Dセグメンテーションの限界を示す。詳細には、概略形状(例えば、嚢状動脈瘤を意味する)がスケッチされるが、これは2D手法によってセグメント化されることはとてもできない形状である。ここで、平行な水平線(200)は、画像スライスを示し、その方法論は、非特許文献5(本文参照)に記載され参照できるが、この種類の関連臨床形状をセグメント化できない。さらに、平面的再構成を用いた結果において注目すべきことは、画像情報が再構成において考慮されないために面外方向への有意な散乱が引き起こされることである。多量のスムージングが必要とされる結果、正確な再構成された形状は維持できない。本発明の実施形態は、特にこれらの欠点を克服するものである。このことは、分岐構造等(例えば、血管枝等)の管状構造や、嚢状動脈瘤、脳、もしくは腸管の屈曲等の不規則構造の解析に特に有利である。
ある実施形態では、本発明は、壁厚を有する壁を備える実質的な管状部を解析する方法である。ここで、この方法は、前記管状部の少なくとも一部分のコンポーネント及び/又は該コンポーネントに関連する少なくとも要素を、画像データのセットから3D再構成する工程と、前記コンポーネント及び/又は要素の四面体及び/又は六面体有限要素(FE)メッシュを生成する工程と、前記コンポーネント及び/又は要素の構造非線形FE解析を実施する工程と、該解析から、前記管状部の少なくとも一部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを少なくとも、前記管状部の前記解析のために提供する工程を備える。
図2(Fig.1)において、このように異なる(アルゴリズム)工程が本発明の実施形態を用いてより詳細に記述され、これらは図示され、その特性が以下に記述される。
(1)開始
本工程により、ユーザーが解析システムを開始することが可能となる。代替的に、本工程は、自動的に開始されるか、又は、医療システム、画像モダリティ、もしくはそれに関連する医療用ワークステーションの他のルーティンからの要望に応じて開始されることもできる。
(2)画像データのロード
本工程中、ユーザーは、患者の特定のデータを、例えば複数の2Dスライスの画像患者データを含む標準DICOMの画像患者3Dデータセットの形態で、解析システム(例えば医療用ワークステーション)へとロードする。この目的を達成するために、グラフィカル・ユーザー・インターフェースが使用され、画像データ(及び追加的にもしくは任意でその他の患者の特異的情報データ)が、解析システムの特定のファイルにおいて保存される。
(3)関心領域(ROI:Region of Interest)の定義
一実施形態において、医療用ワークステーションは、ヒューマン・インターフェース装置を用いて(例えば、マウス動作によって)ロードされた画像データセットを解析する及び関心領域(ROI)を定義するために、画像データビューアを有することができる。図3(Fig.2)を参照のこと。この目的を達成するために、ROIは、画像データセットの最小(201)及び最大(202)軸座標(即ち、再構成処理の軸限界)を定義することによって、囲まれる。ここで、GLUT及びopenGLは、ユーザー対話型操作を処理するために使用できる。代替的もしくは付加的に、ROIは、好適な画像認識方法(例えば、好適なオブジェクトセグメンテーションもしくは同定方法に基づく)によって、(医療用ワークステーションのユーザーによる確認もしくは調節のために)自動的に検出される又は半自動的に検出されることができる。
(4)再構成の初期化
3D画像患者データセットの特定の2D画像スライスは、例えば、ROI底部において、自動再構成の初期化(即ち、再構成アルゴリズムが空間において開始する際)を定義するために用いられる。この目的を達成するために、略円形のスポット(図4(Fig.3)において(301)で示される)がユーザーによって、画像スライス上に描かれ、これにより管状構造(2D画像スライスにおける血管壁等)を識別することができる。管腔境界を高速に追跡するために、スポットは、できるだけ大きいが、その全てが特定の動脈管腔内にあるべきである。代替的もしくは付加的に、この管状構造の境界限界は、自動的又は半自動的に、技術的に公知の適切な境界検出アルゴリズムを用いて設定されることができる。幾何学的に複雑な形状の病変(例えば、偽動脈瘤)に対し、再構成の初期化領域は、ROI内のスライス上に位置付ける方が、その境界上のスライス上に位置付けるよりも便利である可能性がある。本発明のある実施形態は、ROI内の任意の2D画像スライス上における初期化を提供し、GLUT及びopenGLは、ユーザー対話型操作を処理するのに使用されることができる。
(5)管状構造の管腔の3D再構成
一連の方法の工程が適用され、管状構造(本実施形態では管腔)の表面の正確な3D再構成が導かれる。再構成された表面は、管腔の境界を定義する。管腔境界は、その後、例えばFEモデルにおいて、用いられる可能性がある。これにより、次の工程を妨げる要素(例えば、小さい分岐血管及び画像アーチファクト)を除外することが最も重要である。
(5.1)スネークモデル
初期化(工程(4)で入力)は、スネークモデルの初期設定を定義するのに使用され、それ自身は、現在の画像スライス上の残存する解剖情報から管腔をセグメント化するのに使用されることができる。ここで、1もしくはそれ以上のいずれかのスネークモデルが、セグメント化される管腔の数に応じて、特定の2D画像スライス上に使用される。基本的なスネークモデルは、スネークの曲げ、せん断、及び伸縮に起因する内力と、画像の第2勾配及び強度依存性圧迫荷重に起因する外力によって駆動される。この目的を達成するために、関心部分のピクセル近傍における画像強度は、二次曲面によって解析的に近似される。それを定義するために、最小二乗法フィッティングが使用され、関心部分のピクセルにおける第2勾配は、空間座標に対する二次微分によって計算される。
スネークモデルに作用する内力及び外力を計算するために、スネークは、FE方法(例えば、上述の非特許文献2)の文脈におけるビーム要素によって、離散化され示される。したがって、スネークは、ビーム要素によって接続される多数の節点ポイントによって近似される。最終的に、これは、非線形機械的問題を示し、これは、典型的にはFEスキーマにおいて定式化される(図5(Fig.4)参照)。図5(Fig.4)は、有限要素(FE)問題と反復戦略によってスネークモデルのアルゴリズム定式化を示すフローチャートであり、これにより、生じる非線形数値問題が解決される。
さらに詳細には、ある実施形態では、効果的且つ安定な数値システムを示すために、全体剛性マトリックスの帯域幅最適化(400)が実施され、スネークモデル上への荷重は、タイムステップ(401)の有限数に基づき増加する。反復Newtonスキーマ(402)は、各タイムステップにおいて適用される。即ち、Newtonステップのループ内で、方程式の線形化システムは、スネークの平衡が現在のタイムステップに対して決定されるまで解決される(407)。最後に、代数方程式の(線形化された)全体システムは、全てのスネーク要素にわたるループ内(403)で集合する(408)。ここで、第1及び第2画像勾配(404)、外部(405)及び内部(406)節点力、及び節点剛性が計算される。
要約すると、非線形スネークの問題は、スネークが画像スライス上の残存解剖情報から管腔を上手くセグメント化するまで、反復して解決される。
生じる(機械的な)問題を処理するために粘性を添加することができ、スネークの動きを基本的に安定させる。より高速な収束を実現するために、粘性量は、画像勾配のノルムと関連している。
スネークモデルは、ROIにおける全てのスライス上の全ての管腔境界がセグメント化されるまで、反復して適用される。この反復処理中、形状情報は、コンピューターシステム(例えば医療用ワークステーション)のRAMに保存され、スネークモデルは、以前の(既にセグメントされた)画像スライス上の管腔境界で初期化される。さらに、1もしくはそれ以上のスネークモデルが特定の画像スライス上に使用される。2つのスネークモデルが重なり合う場合(分岐部における場合等)、それらは単一に結合される。セグメント化された管腔を示す節点の等距離分布を実現するために、スネークの節点の数は、画像スライスから画像スライス間で、所定距離に応じて採択される。
図式的に示すことを目的として、ロードされたCTデータセットのスライスNo.534上における管腔(既にスネークモデルによってセグメント化されたもの)が、図6(Fig.5)に示される。(501)によって示されるスネークモデルは、大動脈管腔をセグメント化し、且つ解剖学的複雑性を減少させるために分岐(腎臓)管腔が切除されており、それにより、全ての血管部のFE解析を実現可能とすることに留意されたい。本項において示される基本概念は、その他の画像ベースの再構成方法(例えば、上述した非特許文献5)と概念上の類似性を有するが、実質的な差異があり、例えば、本発明によるFE問題としての定式化は、有意に効果的な利点を有する。画像セグメンテーションの残りの工程は、本発明の基本的に新規の概念を提示することを強調する。最も重要なことに、発明された手法は、複合物(複数の分岐管状オブジェクトでさえも含み、これは後で述べる)の六面体で覆われたメッシュの高速な生成を可能とする。これは、従来では効果的に行うことが不可能であった。
(5.2)テセレーション
論理的にスネークの節点(ポイントクラウド)を配置することに関する形状情報(工程(5.1)におけるセグメンテーションによって提供されたもの)は、管腔表面をテセレーションするために用いられる。ここで、管腔境界のメッシュが生成される。ここで、形状オブジェクトを示すために四面体が使用される。代替的に、三角形が使用されることもでき、情報は、例えばSTL形態でエキスポートされることにより、その他のコンピューターによって使用可能となる。ここで注目すべきこととして、適用された階層的概念は、四面体を用いたテセレーションを実現可能とするために必須である。四面体を用いたテセレーションは、通常、計算上の要求がより多く、本発明に先立って、臨床的に許容できない計算時間となるという結果がもたらされていた。
基本的アルゴリズムは、2つの続く管腔境界(工程(5.1)においてスネークモデルによってセグメントされたもの)のポイントワイズ記述を検討し、最適なテセレーションを計算するためにダイナミック・プログラミングの概念が使用される。特に、コスト関数(例えば、テセレーションされる表面の領域)が最小限化される。
分岐部において、アルゴリズムは、1つの画像スライス上の2つの管腔表面を、隣接するスライス上の単一の管腔表面とテセレート(結合)する。この目的を達成するために、単一の管腔表面が分割され、両方の部分が独自に、隣接するスライス上の2つの管腔表面に関連する。結果、同一アルゴリズムは、上で定義した如く、血管分岐の主要部分をテセレーションするのに適用でき、表面の残部(オープン)が単純な第2工程においてテセレーションされることができる。概念は、効果的な手法を提供し、これは管腔表面を示すのに用いられた(スネーク)ポイントの数に関して線形である。
悪いアスペクト比を有する要素を避けるために、関連ポイント間の距離が大きすぎる場合には追加的な節点が導入される。この目的を達成するために、上述のテセレーションアルゴリズムが再度適用されるように節点の追加的な線が導入される(図7(Fig.6)を参照)。最終的に、本発明の実施形態によって提案された統合表面メッシュ化は、ここでも、上述の非特許文献5で提案された手法とは根本的に異なるものであり、自動的な再構成スキーマには重要である。
(5.3)メッシュのスムージング
(5.2)に記載されるテセレーションは、管腔の節点ポイントを固定したままに維持し、本質的に、生成されたメッシュは悪い状態の表面要素を含むために、FE方法内での直接的な適用によって広い局所的エラーが引き起こされる。その結果、表面メッシュを改善する必要があり、ここで、メッシュのスムージング及び局所的な要素の改善は、メッシュが最適化されるまで反復して適用される。ここで、ある実施形態において、例えば、ラプラシアン(Laplacian)スムージングが利用でき、局所的な要素の改善について検討された戦略は、図8(Fig.7)に図示される。
特に、図8(Fig.7)(a)では、表面の境界において悪い四面体がどのように除去されるかが図示され、図8(Fig.7)(b)では、スムージングアルゴリズム中に互いを固定する四面体がどのように崩壊されるかが図示され、図8(Fig.7)(c)では、悪い状態の要素がどのように改善されるかが図示される。最後に、表面メッシュのスムージングは、両方の種類のメッシュ(即ち、四面体及び三角形)に適応でき、その一方で、局所的要素の改善は、四面体メッシュのみに実施されることは注目すべきである。
(5.4)バルーンモデル
工程(5.3)に記載される表面メッシュのスムージングは、そのトポロジーを変化させ、したがって、画像データセットによって与えられるために、もはや管腔を正確に示さないことに留意されたい(これは、「背景技術」の項で上述された現在利用可能な再構成スキーマの1つの不利な点でもある)。その原因説明のために、工程(5.3)からの最適化された表面メッシュがバルーンモデルの初期化に用いられる。バルーンモデルは、3D画像データセットの完全な3D情報を考慮に入れ、管腔の境界を正確にセグメント化する。
この目的を達成するために、バルーンの構造的効果は、シェル有限要素によってモデルされる。ここで、任意の好適な種類の定型化が適用でき、例えば、離散Kirchhoffが適用される。例えば、上述の非特許文献2を参照のこと。膜変形及びプレートの曲げ及びせん断等に起因する内力と、例えば画像の第2勾配及び強度依存性圧迫荷重に起因する外力は、バルーンモデルを駆動し、これは再度FE問題として定式化される(即ち、上述のスネークモデルに用いられた図5(Fig.4)を参照したものと類似する)。関心部分のボクセル近傍における画像強度は、二次ハイパー曲面によって解析的に近似される。それを定義するために最小二乗法フィッティングが使用され、関心部分のボクセルにおける第2勾配は、空間座標に対する二次微分によって計算される。生じる非線形FE問題は、管腔がセグメント化される及び形状情報がコンピューターシステム(例えば医療用ワークステーション)のRAMに保存されるまで、反復して解決される。さらに、その安定化のために粘性が数値システムに添加されることができ、その量は、画像勾配のノルムと関連している。
記述された手法は、3Dにおいて完全に実施され、セグメンテーションアルゴリズムの典型的な結果は、図9(Fig.8)において特定のAAAの管腔境界の四面体表面メッシュによって図示される。図9(Fig.8)では、AAAオブジェクトの3D再構成管腔表面が示され、AAAオブジェクトの表面は、最適化四面体要素(800)によってメッシュ化され、大動脈分岐(801)が含まれている。
最終的に、本手法は、完全な3Dスキーマを示し、面外方向を識別しない(この識別は、上述の非特許文献5で提案される様な他の手法では一般的である)ことを強調する。最も重要なことは、面外方向への再構成の散乱を避けるためのスムージングを必要とせず、そのためにより正確な結果が得られることである。
(6)管状構造の外側の3D再構成
本工程において、管腔表面(上述で解明された工程5においてセグメント化されたもの)は、複製され、それにより更なるバルーンモデルの初期化として機能を果たす可能性があり、オブジェクト(即ち、血管壁等の管状構造)の外側をセグメント化するために用いられる。したがって、管腔(もしくは管状構造の内面)及びセグメント化された管状構造(例えば、血管部)の外側は、関連メッシュによって示される。即ち、管腔の対と外側のポイントは、独自に定義される可能性がある。このことは、適用概念の重要な特性であり、さらに以下に記載される次の工程(7)及び(8)に述べられる全ボリュームのメッシュ化を直接的に進めることを可能にする。
(6.1)バルーンモデル
外側をセグメント化するのにバルーンモデルを適用するためには、工程(5.4)で述べたものに関して幾つかの修正が必要である。最も重要なことは、管腔境界における高い画像勾配を非アクティブ化することである。この目的を達成するために、管腔(画像データのセット内に示される)は、ある実施形態では、セグメント化された管腔の「外側隣接」のボリュームの平均強度(グレー値)によって置き換えられる。最終的に、関連管腔と外側ポイントとの間の距離が血管の所定の最小の厚みよりも大きいという拘束は、ある実施形態では幾何学的な後修正工程によって満たされる場合がある。さらに、バルーンモデルは、非線形FE問題として定式化され、オブジェクトの外側がセグメント化され、形状情報データが利用可能となる(例えば、医療用ワークステーション等のコンピューターシステムのRAM内に保存される)まで、反復して解決される。
(7)動脈壁等の管状構造壁のメッシュ化
本発明の実施形態は、関連管腔及び外側メッシュを使用し、即ち、管腔境界上の各節点が外側境界において複製物を有する。このことは、動脈壁のボリュームメッシュ化を直接的に進める。この目的を達成するために、(6面体)ボリュームセグメントが、図10(Fig.9)に図示される如く定義できる。血管部のこのサブ分割は、血管壁のメッシュ化アルゴリズムのための基盤として機能し、図11(Fig.10)(a)に示される。ここで、単純化のために、壁厚を横断する単一の要素が使用される。
さらに、これは、完全な3Dスキーマを示し、例えば上述の非特許文献5において提示される手法と対照的に、次のスムージングを必要とせず、したがって、管状部の正確な外側形状が再構成可能である。
関連内腔と外側ポイントとの間の距離が所定の最大厚さよりも大きい場合、管腔内血栓(ILT)の存在は、ある実施形態において推定される。この場合、セグメンテーション(即ち工程(5)及び(6))からのデータは、壁厚に関する所定情報によって質が高められる。文献(例えば、Kazi et al., 2003, Influence of intraluminal thrombus on structural and cellular composition of abdominal aortic aneurysm wall, J Vasc Surg 38, p. 1283-1292を参照)における報告データによると、壁厚は基本的なILTの厚みに実質的に依存するとして推定できる。これは、ある実施形態では、関連管腔と外側ポイントとの間の距離によって評価される。血管壁の厚みとILTの厚みとの間の関数関係は、図11(Fig.10)(b)に示されており、ある実施形態では、動脈壁のメッシュを定義するのに用いられることができる。ここで、h0とh1は、ILTを含まない及びILTで覆われた動脈壁の厚さを夫々示す。
良好な壁メッシュは、ILTと壁との間のインターフェースを定義するその他のバルーンモデルを導入することによって実現できる。この点において最も重要なことは、さらに、対の節点が定義可能となるように、バルーンモデルが外側バルーンモデルの複製であるべきことである。所定の壁厚(例えば、上述のKazi et al.,2003によって定義される)の範囲内となるまで、ペナルティ力がバルーンモデルの節点において適用される可能性がある。これは、同様に、上述したFE技術によって解決されるべき構造的問題を示す。
最終的に、(ある程度の)構造的メッシュは、異方性メッシュの改良を可能とし、即ち、厚み及び円周/軸方向が異なる。このことは、厚み方向において予測される応力勾配が円周/軸方向において予測される応力勾配とは有意に異なる可能性があるために、望ましい有利な特性である。
(8)管腔内血栓(ILT)のメッシュ化
さらに、本発明のある実施形態では関連管腔と外側メッシュを使用するために、ILTのボリュームメッシュ化が容易に実現される。段階的ボリュームメッシュ化アルゴリズムは、主に六面体ブリック要素を生成するものであり、ILTをメッシュ化するのに適用される。アルゴリズムは、ILTの外側(動脈壁の内側)において開始し、段階的にオブジェクトの管腔境界にむかってメッシュ化する。(六面体)ボリュームセグメント(図10(Fig.9)参照)が完全にメッシュ化されない限り、アクティブのままであり、全てのアクティブなボリュームセグメントが、(段階的に)外側から管腔側へとメッシュ化される。ボリュームセグメントは、それらの径方向端部によって互いに接続され、それにより、メッシュの接続性がこれら端部によって強化される。
メッシュ化スキーマは、図12(Fig.11)に示され、単純化するために厚さ方向の2要素のみが検討される。アルゴリズムは主に六面体要素(非常に少ない管腔要素のみが変性された六面体要素である可能性があり、ここで2乃至4の節点が崩壊する)を生成し、適切な(異方性)メッシュを生成するためにボリュームメッシュの径方向寸法が独立して管理されることができることに留意されたい。代替的に、生成されたメッシュは4面体メッシュに分割されることができ、これは、メッシュをその他のプログラムへとインポートする時等の特定の理由から有用である可能性がある。
さらに、良好なメッシュは、バルーンモデル工程段階をILT壁インターフェースから内腔に向けて移動させることによって実現でき、上記の工程(7)で述べられたものと類似する。メッシュ改良に関する記述は、項目7で述べられる如く、同様に有効である。
(8.1)ボリュームメッシュのスムージング
血管部の(主に)六面体ブリックメッシュは、例えば、工程(7)及び(8)で生成され、(例えば、拘束ラプラシアン法を用いて)スムージングされる必要があるものであり、これにより、FE解析の形状入力として使用される。ここで、その血管部もしくはその部分を示す表面、例えば、管腔表面、外面、及び組織の種類間のインターフェースが拘束されることにより、それら正確な形状が維持されたままとなる。さらに、最も歪んだ要素は、接続された節点を移動させること及び要素の種類に応じて品質基準を最適化することによって改善されることが可能である。
(9)形状特性の出力
上述工程中、管状部の形状(ここでは血管部)が(FE離散化に関して)完全に定義されており、本工程は、主要な幾何学量を出力するのに用いられる。この目的を達成するために、スカラー量は迅速であり、例えば、ILTボリューム、腎臓下大動脈の外径、最大外径、最大局所ILT厚さ、最大局所ILT領域、管腔及び外側湾曲部の最小及び最大半径、最小中心線湾曲部、非対称指標、嚢状指標等であり、あるいは、図形に存在し、例えば、ILT領域、管腔領域、管腔湾曲部の主要半径、外側湾曲部の主要半径、中心線湾曲部の主要半径、外径等(例えば中心線に対する)である。追加的もしくは代替的に、幾何学量は、形状オブジェクト自体の上にプロットでき、例えば、血管部の管腔もしくは外面上におけるILT厚さ、管腔の主要半径、外側湾曲部の主要半径等である。この目的を達成するために、視覚化された特性は色分けされ、あるいは、輪郭プロットが代わりに用いられる。ここで、GLUT及びopenGLが利用でき、ユーザーはマウス対話型操作によってデータを調査できる。例えば、モデルは標準マウス動作を用いて回転及び拡大され、視覚化されるべき量もしくは領域が、例えばプルダウンメニューから選択される。
(10)FE問題の定義
工程(7)及び(8)で生成されたボリュームメッシュは、構造解析のための計算FEグリッドとして使用される。全体のFE問題を示すために、形状情報(FEメッシュ)の質が境界/荷重条件及び関連する血管組織の構造性によって高められる。
(10.1)Q1P0要素
例えば、血管組織等の非圧縮性特質を考慮して、混合FE手法が続けられ、FEモデルのボリュームのように見える現象(volume looking phenomena)が回避される。特に、混合FE要素であるQ1P0(上述のSimo and Taylor, 1991を参照のこと)は、ある実施形態で利用でき、実用的な実施では、本文脈において非常に有用なFE定式化となることが発明者によって発見された。
(10.2)構成モデル
組織の関連する種類の構成的記述は、血管の内部機械的荷重(応力場)の信頼できる予測において重要な役割を担う。動脈壁に対し、組織学的に動機付けられた定式が適用される可能性があり、これにより、壁の等方性もしくは異方性非線形記述が可能となり、例えば、Gasser et al., 2006, Review: Hyperelastic modelling of arterial layers with distributed collagen fibre orientations, J R Soc Interface, 3, p. 15-35に記載され、本明細書にその全体を援用する。例えば、AAAをモデルするために、構成定式化に関与する材料パラメーターのセットは、実験データの最小二乗フィッティングによって定義されることができ、例えば、Vande Geest et al., 2006a, The effects of aneurysm on the biaxial mechanical behavior of human abdominal aorta, J Biomech. 39, p. 1324-1334に記載される。
異方性構成モデルの適用は、全ての動脈壁にわたって主要な材料軸(その中で、異方性は局所的に関連することができる)の定義を必要とする。この指向性情報は、構造的前計算によって生成されることができ、ここで、動脈壁は内部が押圧されることができ、単純な等方性構成モデル(例えば、neoHookean)が使用できる。計算された応力場は、定量的に実際の応力状態とは共通しない可能性があり、材料主軸を定義するのに使用される。詳細には、主要な応力方向は、主要材料軸と一致することが推定される。動脈壁が薄い限り(例えば、血管部直径と比較して)、このことは、図13(Fig.12)に示す如く、主要材料軸の現実的な予測を与える。ここで、線要素(1201)は、1つの主軸を視覚化するのに使用され、1つは血管分岐(1200)への血流方向に沿っているようである。ここでラベル(1202)は、腸骨動脈を示す。
ILT組織に関し、Ogden型の1つのパラメーターモデルΨ= c(λ1 42 43 4 -3)が実施形態では使用される。ここで、Ψ及びλi、i=1、2、3は、自由エネルギー関数及び主ストレッチを夫々示す。関与する材料パラメーターcは、文献に示される利用可能な実験データの最小二乗フィッティングによって定義可能である。文献とは、例えば、Vande Geest JP et al., 2006b, A planar biaxial constitutive relation for the luminal layer of intra-luminal thrombus in abdominal aortic aneurysms. J Biomech. 39. 2347-2354に示されており、本明細書にその全体を援用する。
(10.3)境界/荷重条件
2つの異なる境界/荷重条件が適用される可能性があり、即ち、(i)ROIの上部及び底部境界における計算グリッドの節点における変位を固定し、又は(ii)ROIの1つの境界における節点を固定し、インビボ(血液)圧力及び管腔領域の場所に応じて、ROIのその他の境界の節点において軸荷重を与える。インビボ(血液)圧力荷重は、追従荷重に応じた変形に関して、血管オブジェクトの管腔表面上に適用されることができる。検討された圧力は、再定義することができ、ことによると、システムのユーザーによって修正されることができる。
(11)FE問題の解決
工程(10)は、調査対象の血管部の3D構造FE問題を全体的に示す。標準有限変形FE計算において、参照形状が与えられ、(適用された外部荷重に応じた)変形形状は未知であり、即ち、計算される必要がある。しかしながら、この文脈において、再構成された幾何学的状態は、インビボの荷重条件に起因して既に変形形状であり、その参照形状は未知であり、計算される必要がある。この目的を達成するために、反復的な解法スキーマが適用され、非線形標準FE手法と類似する。ここで、外部荷重は、必要とされる荷重レベルに達するまで段階的に増加される。しかしながら、現存形状の代わりに、参照形状は荷重工程中反復的にアップデートされることができる。機械的問題が一旦解決されると、応力テンソルの6要素に関する内部機械的荷重が、例えばシステム特異的なファイルフォーマットにおいて保存される。数値問題を解決するのに最も時間を要する工程は、生じた方程式の線形システムを解決する工程である。したがって、直接ソルバーに対するプロファイル最適化スキーマ及び/又はスパース・ストレージ・スキーマ、及び反復ソルバーに対する適切な条件付けが必要である。さらに、両方の種類のソルバーに対する並列解法戦略が、計算時間を短縮するために適用できる。
(12)機械的特性の出力
機械的量、例えば視覚化されるべき又は自動診断(例えば、フォンミーゼス応力、最大主応力、最大せん断応力等)等の更なる処理に使用されるべき機械的量は、計算された機械的応力テンソルに由来する。機械的量は、輪郭等のように、幾何学的3Dオブジェクト自体の示された視覚物の上に、視覚化(色分け等)されることができる。ここでGLUT及びopenGLを利用することができ、ユーザーは、工程(9)に示される如くマウスの対話型操作を用いてデータを便利に調査することができる。図14(Fig.13)において、このような視覚物の例が色分けされた画像によって図示され、それら画像は、AAA壁のフォンミーゼス応力(左)及び破裂危険性指標(右)を示す。ここで、赤領域は、高い機械的応力(1301)もしくは高い破裂危険性(1302)のいずれかを示し、それらの定量化は、特定の色分け、即ち、応力に関する(1303)及び破裂危険性に関する(1304)によって提供される。
最終的に、機械的応力は、例えば、AAAの壁とILTの強度に対するオブジェクトの局所的強度に関連する可能性があり、失敗(破裂)の可能性を評価するために視覚化される可能性がある。この目的を達成するために、例えば、AAAの壁及びILTの局所的強度は、存在する文献(Vande Geest et al., 2006c)に基づき計算されることができ、腹部大動脈瘤における患者特異的な壁強度分布の決定のための非侵襲的方法を目指すものである。Ann. Biomed. Eng., 34:1098-1106は、その全体を本明細書に援用する。破裂危険性の色分けされた視覚物は、図14(Fig.13)(右)に図示される。
(13)データベースとの情報交換
ユーザーは、血管部の計算モデル(即ち、その離散化3D形状。工程(7)で生成)及び機械的データ(工程(11)で生成)をアップロード及びダウンロードすることができる。したがって、血管部の幾何学的及び機械的データは、データベースにプール及び保存され、ユーザーは、ファイル転換プロトコルを用いて、この情報にアクセスできる。さらに、主要な量(例えば、ILTボリューム、最大壁応力、最大ILT応力、最大直径、最大ILT厚み等)の統計的分布は、プールされたモデルから由来及び保存される。ユーザーは、血管部の計算モデルを解析するために、この統計的情報をダウンロードできる。
(14)終了
本工程により、ユーザーが解析システムを終了させることができる。代替的に、その他の工程を続けることができ、例えば、その他の画像解析及び治療ソフトウェアへの分岐、新しい構造もしくは新しい患者の解析等である。血管部の幾何学的及び機械的データが、更なる処理(例えば、実質的には手術手順の計画)のために提供されることができる。外科手順は、適切な医療用移植片の位置付けの実質的な計画を含む。医療用移植片は、この実質的な計画に基づいて患者用に設計されることができる。実質的な計画は、その後、実際の医療用移植片を製造するためのデータを提供する。医療用インプラント(例えば、代用血管)を製造する方法は、管状部の幾何学的及び機械的データを提供すること(手術手順を実質的に計画する上述の方法)、及び後述する方法によって提供されるデータに基づいて実際の医療用インプラントを製造することを含む。
ある実施形態において、本方法は、患者の画像データをロード及び前処理する工程と、画像データセットを見る工程と、関心領域(ROI)を定義する工程と、再構成処理を初期化する工程と、画像データセットの残存解剖情報から幾何学的オブジェクトの管腔をセグメント化(分離)する工程と、画像データセットをセグメント化するために2D及び3Dの変形可能なモデル(例えばスネーク及びバルーンモデル)を実行する工程と、論理的に配されたポイントクラウドの表面テセレーション工程と、2D及び3Dメッシュのスムージング工程と、FE問題を定義、最適化、及び解決する工程と、画像データセットの残存解剖情報から幾何学的オブジェクトの外側をセグメント化(分離)する工程と、FE解析のために、異なる血管組織のボリュームメッシュを生成する工程と、血管部の幾何学的特性と内部機械的荷重を解析する工程と、メッセージを促進し、ソフトウェア関連特性を変更し、コンピューター可読媒体にデータを保存する工程と、データベースへと情報をアップロードする及びデータベースから情報をダウンロードする工程を備える。
この方法では、特定の機械的特性を有する領域は、容易に識別されることができる。例えば、AAAの破裂危険性が決定又は診断されることができる。この診断は、視覚化されたものを解析する技術を有する実践者によって手動で実行でき、あるいは、例えば決定された機械的特性に基づき特定領域の破裂危険性の指標を与えるシステムによって半自動的に実行でき、あるいは、破裂危険性及び/又は破裂までの推定時間を決定する適切なアルゴリズムによって自動的に実行できる。主要量の統計的分布は、診断の初期態様又は二次性態様として診断を促進することができる。したがって、管状構造の効果的及び信頼できる診断及びその機械的荷重は、本発明の実施形態によって便利な方法で提供されることができる。このような診断に基づき、AAAの破裂を防ぐための適切な治療が、例えば好適な医療用移植片を用いてAAA領域を強化する医療手順において開始できる。外科手順は、上述の項(14)で説明した如く、このような診断に基づき実質的に計画される。医療用ワークステーションは、上述した如く、中央演算処理装置(CPU)、メモリー、インターフェース等の通常のコンピューター部品を含む。さらに、データ入力源から受信したデータを処理するための適切なソフトウェアを備え、データとは、例えば、画像モダリティから又は適切なデータ記憶媒体(例えばDICOMフォーマット)から得られたデータ等である。ソフトウェアは、例えば、医療用ワークステーションによってアクセス可能なコンピューター可読媒体に保存されることができる。コンピューター可読媒体は、上述の実施形態に基づく方法を実施するための適切なコードセグメントを含むコンピュータープログラムの形態において、ソフトウェアを含む。医療用ワークステーションはさらに、例えば、示された視覚物を表示するためのモニターを含み、同様に、自動診断を手動で微調整するためのキーボードやマウス等の適切なヒューマンインターフェース装置を含む(これは、含まれない場合には、ソフトウェアによって提供される)。
本明細書で使用される際、単数形「1つの(「a」「an」「the」)」は、特に説明がない限り、複数形も含むことを意図したものである。用語「含む(includes)」「備える(comprisises)」「含む工程(including)」及び/又は「備える工程(comprising)」は、本明細書で使用される場合において、提示された特性、整数、工程、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するものであるが、1又はそれ以上のその他の特性、整数、工程、操作、要素、コンポーネント、及び/又はその群の存在もしくは付加を排除するものではないことはさらに理解されるべきである。要素がその他の要素と「接続される」又は「連結される」として称される場合には、要素がその他の要素に直接的に接続もしくは連結されることができ、あるいは、介在要素が存在することもできる。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解される意味と同じ意味を有する。一般的に使用される辞書において定義されるような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するとして解釈されるべきであり、本明細書で明確に定義されない限り、理想的もしくは過度に正式な意味として解釈されるものではないことをさらに理解されたい。
当業者によって理解されることではあるが、本発明は、システム、方法、又はコンピュータープログラム製品として具現化されることができる。したがって、本発明は、完全なハードウェア実施形態、ソフトウェア実施形態、又はソフトウェアとハードウェア態様を組み合わせた実施形態を採択することができ、全ては、一般的に本明細書では「コードセグメント」又は「ユニット」と称される。さらに、本発明は、媒体において具現化されるコンピューター使用可能プログラムを有するコンピューター使用保存媒体において、コンピュータープログラム製品の形態を採択することができる。任意の適切なコンピューター可読媒体が利用でき、ハードディスク、CD−ROM、光学式記憶装置、インターネットもしくはイントラネットを支持するような伝送媒体、又は磁気記憶装置を含む。
本発明は、特定の実施形態を参照して上記の如く説明してきた。しかしながら、上述したもの以外の実施形態もまた本発明の範囲内で同様に可能である。上述したものとは異なる方法の工程は、ハードウェアもしくはソフトウェアによって方法を実施し、本明細書の範囲内で提供されることができる。本発明の異なる特性及び工程は、上述したもの以外の組み合わせと組み合わされることができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるものである。

Claims (32)

  1. 壁厚を有する壁を備える実質的な管状部を解析する方法であって、
    前記管状部の少なくとも一部分の少なくとも1つのコンポーネント及び/又は該コンポーネントに関連する少なくとも1つの要素を、画像データのセットから3D再構成する工程と、
    前記少なくとも1つのコンポーネント及び/又は前記少なくとも1つの要素の四面体及び/又は六面体有限要素(FE)メッシュを生成する工程と、
    前記少なくとも1つのコンポーネント及び/又は要素の構造非線形FE解析を実施する工程と、
    該解析から、前記管状部の前記一部分の少なくともサブ部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを、前記管状部の前記解析のために提供する工程を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記四面体及び/又は六面体有限要素(FE)メッシュを生成する工程が、前記管状部の前記壁の関連管腔及び外側メッシュを用いる工程を備え、
    前記壁の管腔内側境界上の各節点が、前記壁の外側境界において複製物を有し、
    前記メッシュが、前記FEメッシュ生成のための幾何学的入力として使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記管状部が血管部であって、
    前記複製節点夫々の間の距離が、前記複製節点において前記壁の厚みとして決定されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記管状部の少なくとも一部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを少なくとも提供する工程が、前記管状部の少なくとも一部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する前記情報データを自動解析する工程を備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の方法。
  5. 患者の画像データをロード及び前処理する工程と、
    画像データセットを見る工程と、
    関心領域(ROI)を定義する工程と、
    再構成処理を初期化する工程と、
    前記画像データセットの情報の質を手動で高める工程と、
    前記画像セットの残存解剖情報から幾何学的オブジェクトの管腔をセグメント化(分離)する工程と、
    前記画像データセットをセグメント化するために、2D及び3Dの変形可能なモデル(例えばスネーク及びバルーンモデル)を実行する工程と、
    論理的に配されたポイントクラウドの表面テセレーション工程と、
    2D及び3Dメッシュのスムージング及び最適化工程と、
    FE問題を定義、最適化、及び解決する工程と、
    前記画像データセットの前記残存解剖情報から幾何学的オブジェクトの外側をセグメント化(分離)する工程と、
    FE解析のために、異なる血管組織の四面体及び六面体メッシュを生成する工程と、
    血管部の幾何学的特性と内部機械的荷重を解析する工程と、
    メッセージを促進し、ソフトウェア関連特性を変更し、コンピューター可読媒体にデータを保存する工程と、
    データベースへと情報をアップロードする及びデータベースから情報をダウンロードする工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 患者スキャン後の全ての工程を単一システムに統合する工程と、
    患者の特異的な血管病変に関する情報、即ちその幾何学的特性及び機械的荷重条件を、臨床的に許容可能な時間内に提供する工程とを備えることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の方法。
  7. 前記システムとして、スタンドアロンシステムを使用する工程を備えることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記管状部が血管部であって、
    前記方法が、前記血管部の形状を再構成するための変形可能なモデルを用いる工程を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 前記少なくともコンポーネントを再構成する工程が、ロバスト手法を示す変形可能なモデルに基づく3Dの正確な画像セグメンテーションを含み、
    前記再構成及び離散されたコンポーネントブジェクトが、前記FE解析用の幾何学的入力として直接的に使用されることが可能であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 前記管状部が血管部であって、
    前記方法が、前記血管部の少なくとも1つの表面の四面体メッシュ化を提供する工程を備えることを特徴とする請求項1、8、又は9記載の方法。
  11. 前記管状部が血管部であって、
    前記方法が、前記血管部のボリュームの六面体で覆われたメッシュ化を提供する工程と、
    前記FE解析のために混合有限要素を適用する工程を備えることを特徴とする請求項1、8、又は9記載の方法。
  12. 前記混合有限要素が、Q1P0定式化を含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 前記管状部の完全な3D構造解析を備える方法であって、
    異なる種類の材料が別々に取り扱われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 前記管状部が血管部であって、異なる種類の血管組織が別々に取り扱われることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記管状部が血管部であって、
    前記方法が、血管部のプールされたデータへのアクセスを提供する工程を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
  16. コンピューターデバイスによる処理用のコンピュータープログラムであって、該コンピュータープログラムは、壁厚を有する壁を備える実質的な管状部を解析するためのものであり、
    前記管状部の少なくとも一部分の少なくとも1つのコンポーネント及び/又は該コンポーネントに関連する少なくとも1つの要素を、画像データのセットから3D再構成するための第1コードセグメントと、
    前記コンポーネント及び/又は要素の四面体及び/又は六面体有限要素(FE)メッシュを生成するための第2コードセグメントと、
    前記少なくとも1つのコンポーネント及び/又は要素の構造非線形FE解析を実施するための第3コードセグメントと、
    該解析から、前記管状部の少なくとも一部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを少なくとも、前記管状部の前記解析のために提供するための第4コードセグメントとを備えることを特徴とするコンピュータープログラム。
  17. 画像データをロード及び前処理するためのコードセグメントと、
    画像データセットを見るためのもう1つ別のコードセグメントと、
    前記画像データセットの情報の質を手動で高めるためのもう1つ別のコードセグメントと、
    関心領域(ROI)を定義するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    再構成処理を初期化するためのもう1つ別のコードセグメントとをさらに備えることを特徴とする請求項16記載のコンピュータープログラム。
  18. 前記画像データセットの残存解剖情報から幾何学的オブジェクトの管腔をセグメント化(分離)するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    前記画像データセットをセグメント化するために、2D及び3Dの変形可能なモデル(例えばスネーク及びバルーンモデル)を実行するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    論理的に配されたポイントクラウドの三角形及び/又は四面体表面テセレーションのためのもう1つ別のコードセグメントと、
    2D及び3Dメッシュのスムージング及び最適化のためのもう1つ別のコードセグメントと、
    FE問題を定義、最適化、及び解決するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    前記画像データセットの前記残存解剖情報から幾何学的オブジェクトの外側をセグメント化(分離)するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    FE解析のために異なる血管組織の表面メッシュを生成するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    FE解析のために異なる血管組織のボリュームメッシュを生成するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    血管部の幾何学的特性と内部機械的荷重を解析するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    メッセージを促進し、ソフトウェア関連特性を変更し、コンピューター可読媒体にデータを保存するためのもう1つ別のコードセグメントと、
    データベースへと情報をアップロードする及びデータベースから情報をダウンロードするためのもう1つ別のコードセグメントを備えることを特徴とする請求項17記載のコンピュータープログラム。
  19. 請求項1乃至15に記載の方法を実施可能であることを特徴とする請求項16乃至18記載のコンピュータープログラム。
  20. コンピューター可読媒体に保存されることを特徴とする請求項16乃至19記載のコンピュータープログラム。
  21. 血管部の幾何学的特性及び内部機械的荷重を視覚化するためのグラフィカル・ユーザー・インターフェースであって、これにより、図形、2D及び3D輪郭プロット、並びに3Dの色分けされた幾何学的オブジェクトが利用され、
    前記グラフィカル・ユーザー・インターフェースが、プールされたデータからの情報に対する血管病変の幾何学的及び機械的情報の解釈を提供するように構成されることを特徴とするグラフィカル・ユーザー・インターフェース。
  22. 請求項16乃至20に記載のコンピュータープログラムを稼働する及び/又は請求項21記載のグラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用するための医療用ワークステーション。
  23. 壁厚を有する壁を備える実質的な管状部を解析するためのシステムであって、
    前記管状部の少なくとも一部分の少なくとも1つのコンポーネント及び/又は該コンポーネントに関連する少なくとも1つの要素を、画像データのセットから3D再構成するためのユニットと、
    前記コンポーネント及び/又は要素の四面体及び/又は六面体有限要素(FE)メッシュを生成するためのユニットと、
    前記少なくとも1つのコンポーネント及び/又は要素の構造非線形FE解析を実施するためのユニットと、
    該解析から、前記管状部の前記一部分の少なくともサブ部分の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する情報データを少なくとも、前記管状部の前記解析のために提供するためのユニットとを備えることを特徴とするシステム。
  24. 請求項22に記載の医療用ワークステーションを含むことを特徴とする請求項23記載のシステム。
  25. 前記管状部が、少なくとも1つの血管部であって、
    前記システムが、前記血管部を、その幾何学的特性及び機械的荷重条件に関して解析するためのシステムであることを特徴とする請求項23又は24記載のシステム。
  26. 血管部を、それらの幾何学的特性及び機械的荷重条件に関して解析するための方法であって、
    画像患者データの少なくとも1つのセットから、少なくとも1つの血管部の少なくとも1つの幾何学的及び構造的モデルを生成する工程と、
    前記幾何学的及び構造的モデルにおいて、構造的に関連する種類の組織(例えば、腹部大動脈においては血管壁と管腔内血栓)間を識別する工程と、
    構造非線形有限要素解析に基づき、前記血管部を構造的に調査する工程と、
    前記血管壁の前記構造的モデル、インビボ境界/荷重条件、及び有限変形の構成的記述から、構造生体力学的問題を示す工程を備え、その幾何学的及び機械的データを提供することを特徴とする方法。
  27. 前記生成された幾何学的及び機械的データを視覚化する工程をさらに備えることを特徴とする請求項28記載の方法。
  28. 前記方法を自動的に実施し、前記血管部を、臨床的に関連する時間内に解析することを特徴とする請求項26又は27記載の方法。
  29. 前記自動的な実施が、関心領域(ROI)の検出に続いてなされ、
    該検出が、ユーザーによる確認もしくは調整時に、手動で、又は半自動的に実施されるか、あるいは自動的に実施されることを特徴とする請求項28記載の方法。
  30. 腹部大動脈瘤(AAA)の破裂の危険性を非侵襲的に評価する方法であって、
    請求項1記載の方法を使用する工程を備え、
    前記管状構造が大動脈血管であり、
    前記方法は、さらに、
    前記大動脈血管の幾何学的特性と内部機械的荷重に関する前記情報データから前記破裂の危険性を決定する工程を備えることを特徴とする方法。
  31. 請求項1乃至15記載の方法を実施する工程を備えることを特徴とする請求項26乃至30記載の方法。
  32. 請求項1乃至15、又は26乃至31のいずれかに記載の方法の使用であって、
    前記方法が、請求項23乃至25のいずれかに記載のシステムにおいて、臨床人によって、技術的な専門知識なしに処理されることを特徴とする使用。
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