JP2011254725A - 光合成微細藻類培養装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光合成微細藻類の培養効率を大幅に向上させる光合成微細藻類培養装置の提供を課題とする。
【解決手段】光合成微細藻類と培養液の混合液Cが流動する培養槽1において、培養槽1の一部を占める領域であって、当該領域以外の他の領域と比べ混合液C中の光合成微細藻類が滞留しやすくなるように調整された集中培養領域3に光合成微細藻類を滞留させる。この滞留により、集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度が高まり、集中培養領域3内の光合成微細藻類は、コロニーを形成して特に良好に増殖する。そして、集中培養領域3を拡張可能とし、光合成微細藻類の増殖に応じ、集中培養領域3を拡張させて行くことで、光合成微細藻類の培養効率を大幅に向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】光合成微細藻類と培養液の混合液Cが流動する培養槽1において、培養槽1の一部を占める領域であって、当該領域以外の他の領域と比べ混合液C中の光合成微細藻類が滞留しやすくなるように調整された集中培養領域3に光合成微細藻類を滞留させる。この滞留により、集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度が高まり、集中培養領域3内の光合成微細藻類は、コロニーを形成して特に良好に増殖する。そして、集中培養領域3を拡張可能とし、光合成微細藻類の増殖に応じ、集中培養領域3を拡張させて行くことで、光合成微細藻類の培養効率を大幅に向上させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光合成微細藻類を培養するための装置に関する。
近年、地球温暖化の元凶である二酸化炭素を光合成反応により吸収して固定化する微細生物として光合成微細藻類が注目されている。ここで、二酸化炭素の吸収を活発化させるためには、光合成微細藻類を効率的に培養することが求められる。このため、光合成微細藻類の性質に合わせ、人工光を間欠的に照射するなど様々な工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、人工光を間欠的に照射するなど、光の照射方法を調整するのみでは十分な効率が得られず、より培養効率の高い光合成微細藻類培養装置が求められていた。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、光合成微細藻類の培養効率を大幅に向上させる光合成微細藻類培養装置の提供を目的とする。
ここで、本発明者らは、例えば、ボツリオコッカス(Botryococcus)属のボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)や、セネデスムス(Scenedesmus)属のセネデスムス・ディモファス(Scenedesmus dimorphus)等の光合成微細藻類は、特にコロニーを形成して増殖する一方で、この増殖が初期に遅く、ある程度の濃度になると良好に増殖するということを見出し、本発明に至った。
そこで、本発明による光合成微細藻類培養装置は、光を吸収し二酸化炭素を取り込み光合成を行う光合成微細藻類を培養するための光合成微細藻類培養装置において、光合成微細藻類と培養液の混合液を収容し当該光合成微細藻類を培養するための培養槽又は培養池と、培養槽又は培養池中の混合液の流れを形成する流れ発生手段と、培養槽又は培養池の一部を占める領域であって、当該領域以外の他の領域と比べ混合液中の光合成微細藻類が滞留しやすくなるように調整された集中培養領域と、集中培養領域を拡張可能とする拡張手段と、を備えたことを特徴とする。
このような光合成微細藻類培養装置によれば、流れ発生手段により混合液の流れが形成され、光合成微細藻類はその流れと共に流動する。流動する光合成微細藻類の一部は、光合成微細藻類が滞留しやすくなるように調整された集中培養領域内に滞留し、集中培養領域内の光合成微細藻類の濃度が高まる。このため、集中培養領域内の光合成微細藻類は、コロニーを形成して特に良好に増殖していく。そして、集中培養領域内の光合成微細藻類の増殖に応じ、拡張手段により集中培養領域を拡張させることができる。このようにして、集中培養領域内の光合成微細藻類の濃度を増殖に適した濃度に保ちつつ、集中培養領域を拡張させることで、光合成微細藻類の培養効率を大幅に向上させることができる。
ここで、上記作用を効果的に奏する具体的な構成として、液体を通過させることが可能な2枚の仕切り部材であって、流れ発生手段によって形成された混合液の流れを遮るように配置された仕切り部材を備え、集中培養領域は、2枚の仕切り部材の一方と他方とで挟まれた領域に形成され、拡張手段は、2枚の仕切り部材の少なくとも一方を、他方から遠ざけるように移動可能とすることによって集中培養領域を拡張可能とする構成が挙げられる。
また、上記作用を効果的に奏する他の構成として、液体を通過させることが可能な仕切り部材であって、流れ発生手段によって形成された混合液の流れを遮るように配置された仕切り部材を複数備え、集中培養領域は、仕切り部材に対し、混合液の流れの上流側から接する領域に形成され、拡張手段は、仕切り部材を、混合液の流れを遮りにくくなるように移動可能とし、当該仕切り部材の上流側に位置する集中培養領域と、当該仕切り部材の下流側に位置する他の集中培養領域とを結合可能とすることによって、集中培養領域を拡張可能とする構成が挙げられる。
また、上記作用を効果的に奏する他の構成として、集中培養領域内の濃度を測定する濃度計を備えた構成が挙げられる。
また、集中培養領域内に、撹拌装置を備えた構成であると、集中培養領域内の光合成微細藻類の濃度を一層均一に保つことができる。これにより光合成微細藻類の培養効率を更に向上させることができる。
また、流れ発生手段は、混合液の流れの向きを逆転させることが可能である構成であると、光合成微細藻類が仕切り部材に堆積することを防止することができる。これにより光合成微細藻類の培養効率を更に向上させることができる。
このように本発明によれば、光合成微細藻類の培養効率を大幅に向上させる光合成微細藻類培養装置を提供することができる。
以下、本発明による光合成微細藻類培養装置の好適な実施形態について図1〜図8を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、本発明による光合成微細藻類培養装置の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る光合成微細藻類培養装置を示す平面図、図2〜図4は、図1に示す光合成微細藻類培養装置の動作説明図である。
図1に示すように、光合成微細藻類培養装置100は、光合成微細藻類と培養液の混合液(濁液)Cを収容し当該光合成微細藻類を培養するための培養槽又は培養池(以降、一括して培養槽と呼ぶ)1と、培養槽1中の混合液Cの流れを形成するための流れ発生手段2と、培養槽1の一部を占める領域であって、当該領域以外の他の領域と比べ混合液C中の光合成微細藻類が滞留しやすくなるように調整された集中培養領域3と、濃度計6とを備えている。
培養槽1に収容され培養液と混合される光合成微細藻類は、特にコロニーを形成して増殖するものが用いられる。ここでは、特にその傾向が顕著であるボツリオコッカス(Botryococcus)属のボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcusbraunii)や、セネデスムス(Scenedesmus)属のセネデスムス・ディモファス(Scenedesmus dimorphus)が用いられている。
培養槽1は屋外に設置され、太陽からの太陽光が照射される。培養槽1が室内に設けられている場合には、室内又は槽内に設けた光源により照射される。この培養槽1は、レースウェイタイプのオープンポンドであり、長円形状の循環水路を成している。なお、培養槽1は、レースウェイタイプのオープンポンドに限られず、培養槽1中に収容された混合液Cに流れを形成させられるものであれば、円形槽や角形槽等どのようなものであっても良い。
流れ発生手段2は、培養槽1を構成する循環水路の途中に設けられた水車を有している。この流れ発生手段2は、水車を回転させ、混合液Cを一方から他方に送り出すことで、培養槽1中の混合液Cの流れを形成する。ここで、混合液Cの流れる方向は、流れ発生手段2の回転方向により決まる。本実施形態では、培養槽1の長円形状の循環水路に対し、反時計回りの流れF1が形成されている。なお、ここでは流れ発生手段2として水車を例示したが、水車に代えて水中ポンプ等を用いても良い。
集中培養領域3は、液体を通過させることが可能な2枚の仕切り部材4,5によって形成されている。仕切り部材4,5は、互いに流れ方向に沿って間隔をあけ、流れF1を遮るように配置されている。そして、仕切り部材4,5に挟まれた領域に集中培養領域3が形成される。
なお、仕切り部材4,5には、液体を通過させる開口を有するものであればどのようなものを用いても良い。例えば、網目を有するネットや、孔を有するシートや板を用いることができる。開口の大きさは、光合成微細藻類が形成したコロニーを捕捉できる程度の大きさが好ましく、円形であれば直径数10μmから数mm程度の大きさが好適である。
また、図1では、特に好ましい例として、仕切り部材4,5の長さが培養槽1の循環水路の幅よりも短い場合を例示しているが、循環水路の幅全体に亘る長さにしても良い。また、仕切り部材4,5の高さは、循環水路の深さの一部で流れF1を遮る高さとしても良いし、循環水路の深さ全体に亘り流れF1を遮る高さとしても良い。
ここで、流れF1の下流側の仕切り部材4は、上流側の仕切り部材5との距離を変えるように移動させることができ、仕切り部材4を下流側に移動させることで、集中培養領域3を拡張可能である。これにより、集中培養領域3を拡張可能とする拡張手段が構成されている。
また、仕切り部材4,5は、培養槽1から適宜除去できるようになっている。そして、例えば培養の最終段階では、仕切り部材4,5を除去することで、培養槽1全域を均一に用いて光合成微細藻類の培養ができるようになっている。
なお、仕切り部材4の移動は、操作者の手動としても良いし、例えばリニアアクチュエータ等のアクチュエータによるものとしても良い。また、仕切り部材4を下流側へ移動可能とするのに代えて、仕切り部材5を上流側へ移動可能とし、集中培養領域3を拡張可能としても良い。さらに、仕切り部材4,5を除去する代わりに、仕切り部材4,5を適宜回転可能とし、仕切り部材4,5と流れF1とを平行にするようにしても良い。このようにしても、仕切り部材4,5は流れF1を遮ることがなくなるため、除去するのと同様の作用が得られる。また、仕切り部材4,5の除去又は回転についても、操作者の手動としても良いし、モータ等のアクチュエータによるものとしても良い。
上記のように形成された集中培養領域3には、撹拌手段7が備えられている。撹拌手段7は、集中培養領域3内の混合液Cを撹拌し、集中培養領域3内の光合成微細藻類を均一に分散させる。撹拌手段7には、スクリューや水中ポンプなどを用いることができる。
濃度計6は、集中培養領域3内の混合液Cの濃度、即ち光合成微細藻類の濃度を測定する。これにより、集中培養領域3内の光合成微細藻類の増殖を検知することが可能となる。なお、集中培養領域3内の光合成微細藻類の増殖の検知は、濃度計6によるものに限られない。例えば、濁度計、MLSS計によるものであっても良いし、操作者の目視によるものであっても良い。
次に、このように構成された光合成微細藻類培養装置100の作用について、図1及び図2〜4を参照して説明する。図2は、図1の状態から、集中培養領域3を拡張した状態を示す動作説明図、図3は、図2に続く動作説明図、図4は、図3に続く動作説明図である。
培養槽1内の混合液Cには、散気装置等により二酸化炭素が供給されるとともに、屋外にあっては太陽光、室内にあっては室内に設けた光源の光が照射される。これにより混合液C中の光合成微細藻類が光を吸収し、二酸化炭素を取り込んで光合成を行い、コロニーを形成して増殖する。
図1に示すように、混合液Cには、流れ発生手段2により流れF1が形成されているため、光合成微細藻類は培養槽1内を循環流動する。
そして、コロニー形成前又は後の一部の光合成微細藻類は、仕切り部材5の開口を通して集中培養領域3に進入し、仕切り部材4の開口から下流側に出ないものは集中培養領域3内に滞留する。従って、仕切り部材4の開口、仕切り部材5の開口は、光合成微細藻類が仕切り部材5を通り、集中培養領域3内に滞留しやすいように設定されていることが好ましい。
このように、光合成微細藻類が滞留することによって、集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度は、集中培養領域3外と比べ高くなる。このため、集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度は、早期に、増殖に適した濃度に達し、集中培養領域3内の光合成微細藻類は、コロニーを形成して特に良好に増殖していく。なお、集中培養領域3内は、撹拌手段7によって撹拌されているため、光合成微細藻類の増殖が進行しても濃度は均一に保たれ、良好な増殖が維持される。
このようにして集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度が高まってゆくことは、濃度計6により検知することができ、それに応じ、図2に示すように、仕切り部材5から遠ざかるように仕切り部材4を下流側に移動し、集中培養領域3を拡張することができる。なお、集中培養領域3を拡張させるタイミングの判断基準となる濃度を、例えば、集中培養領域3を拡張したとしても、増殖に適した濃度を維持できるように予め決定しておくのが良い。
この拡張に伴い、濃度の高い集中培養領域3内に、濃度の低い集中培養領域3外の混合液Cが流入し、集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度は一旦低下するが、この拡張した集中培養領域3内でも光合成微細藻類は滞留しやすいため、その濃度は再び高まる。このため、集中培養領域3内の光合成微細藻類は、引き続き良好に増殖する。そして、図3に示すように、仕切り部材4をさらに下流側に移動し、集中培養領域3をさらに拡張することができる。以後、光合成微細藻類の増殖に応じて仕切り部材4を移動し、集中培養領域3内の光合成微細藻類を良好に増殖させ続けることができる。そして、培養の最終段階においては、図4に示すように仕切り部材4,5を培養槽1から除去することができる。この段階でも、培養槽1全体の光合成微細藻類の濃度は増殖に適した濃度に保たれ、光合成微細藻類は引き続き良好に増殖する。
このように、本実施形態においては、集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度を増殖に適した濃度に保ちつつ、仕切り部材4の移動により集中培養領域3を拡張することができるため、光合成微細藻類の培養効率を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態は、集中培養領域3内に撹拌手段7を供えているため、集中培養領域3内の光合成微細藻類の濃度を均一に保つことができ、光合成微細藻類の培養効率を更に向上させることができる。
なお、仕切り部材4の移動がアクチュエータによるものである場合には、濃度計6で測定された濃度が高くなるのに応じ、自動的に仕切り部材4を移動するように自動化しても良い。このようにすることで、光合成微細藻類培養装置100の管理が容易となる。
次に、本発明による光合成微細藻類培養装置の第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態に係る光合成微細藻類培養装置を示す平面図である。
第2実施形態の光合成微細藻類培養装置200が第1実施形態の光合成微細藻類培養装置100と違う点は、流れ発生手段2を、流れ方向を反転可能な流れ発生手段8に代えた点である。
流れ発生手段8は、流れ発生手段2と同様に、培養槽1を構成する循環水路の途中に設けられた水車を有し、流れ発生手段2と同様の流れF1を形成するのに加えて、水車の回転を逆転することで、流れF1とは逆の流れ、即ち培養槽1の長円形状の循環水路に対し、時計回りの流れF2を形成することができる。なお、ここでは流れ発生手段8として水車を例示したが、水車に代えて水中ポンプ等を用いても良い。
このように、流れの向きを変えられるようにすることで、光合成微細藻類が仕切り部材4,5に堆積する(目詰まりする)ことを反対方向からの流れにより防止することができ、光合成微細藻類の培養効率を更に向上させることができる。
次に、本発明による光合成微細藻類培養装置の第3実施形態を説明する。図6は、第3実施形態に係る光合成微細藻類培養装置を示す平面図である。
第3実施形態の光合成微細藻類培養装置300が第1実施形態の光合成微細藻類培養装置100と違う点は、仕切り部材4を下流側へ移動可能とするだけでなく、仕切り部材5を上流側へ移動可能とし、互いに遠ざかるように仕切り部材4と仕切り部材5とを移動させることで、集中培養領域3を拡張可能とした点である。
このように、仕切り部材4と仕切り部材5の双方を移動させる構成としても、第1実施形態と同様な効果を得ることができることはいうまでもない。
次に、本発明による光合成微細藻類培養装置の第4実施形態を説明する。図7は、第4実施形態に係る光合成微細藻類培養装置を示す平面図、図8は、図7に示す光合成微細藻類培養装置の動作説明図である。
第4実施形態の光合成微細藻類培養装置400が第1実施形態の光合成微細藻類培養装置100と違う点は、集中培養領域を形成させる方式と、集中培養領域を拡張させる方式を変えた点にある。以下、その点について詳述する。
第4実施形態の光合成微細藻類培養装置400は、複数箇所(本実施形態では例えば5箇所)の集中培養領域9,10,11,12,13を備えている。
集中培養領域9〜13は、それぞれが液体を通過させることが可能な仕切り部材14,15,16,17,18によって形成されている。仕切り部材14〜18は、互いに流れ方向に沿って間隔をあけ、流れF1を遮るように配置されている。そして、集中培養領域9〜13は、仕切り部材14〜18に対し、流れF1の上流側から接する領域にそれぞれ形成されている。なお、仕切り部材14〜18の大きさや開口は、第1実施形態における仕切り部材4と同様である。
ここで、仕切り部材14〜18は、培養槽1から適宜除去できるようになっている。例えば、仕切り部材14を除去することにより、集中培養領域9が、その次に下流側にある集中培養領域10と結合され、拡張される。他の仕切り部材を除去する場合も同様である。これにより、集中培養領域9〜13を拡張可能とする拡張手段が形成されている。
なお、仕切り部材14〜18を除去する代わりに、仕切り部材14〜18を適宜回転可能とし、仕切り部材14〜18と流れF1とを平行にするようにしても良い。このようにしても、仕切り部材14〜18は流れF1を遮ることがなくなるため、除去するのと同様の作用が得られる。
次に、このように構成された光合成微細藻類培養装置400の作用について、図7及び図8を参照して説明する。図8は、光合成微細藻類培養装置の動作の最終段階を示す動作説明図である。
光合成微細藻類は、図7に示すように、第1実施形態と同様に循環流動し、コロニー形成前又は後の一部の光合成微細藻類であって、仕切り部材14〜18の開口から下流側に出ないものは集中培養領域9〜13内に滞留する。従って、仕切り部材14〜18の開口は、集中培養領域9〜13内に滞留しやすいように設定されていることが好ましい。
このように、光合成微細藻類が滞留することによって、集中培養領域9〜13内の光合成微細藻類の濃度は、集中培養領域9〜13外と比べ高くなる。このため、集中培養領域9〜13内の光合成微細藻類の濃度は、早期に、増殖に適した濃度に達し、集中培養領域9〜13内の光合成微細藻類は、コロニーを形成して特に良好に増殖していく。
このようにして集中培養領域9〜13内の光合成微細藻類の濃度が高まってゆくことは、濃度計6により検知することができ、それに応じ、仕切り部材14〜18を適宜除去し、集中培養領域9〜13を拡張することができる。最終的には、図8に示すように仕切り部材14〜18の全てを培養槽1から除去することができる。この段階でも、培養槽1全体の光合成微細藻類の濃度は増殖に適した濃度に保たれ、光合成微細藻類は引き続き良好に増殖する。
このように、仕切り部材を取り除き、集中培養領域9〜13を、下流側領域と結合させることによって、集中培養領域9〜13を拡張させる構成としても、第1実施形態と同様な効果を得ることができることはいうまでもない。
なお、仕切り部材14〜18の除去又は回転は、操作者の手動としても良いし、モータ等のアクチュエータによるものとしても良い。そして、仕切り部材14〜18の除去又は回転がアクチュエータによるものである場合には、濃度計6で測定された濃度が高くなるのに応じ、自動的に仕切り部材14〜18を除去又は回転するように自動化しても良い。また、集中培養領域9〜13内の光合成微細藻類の増殖の検知は、濃度計6によるものに限られない。例えば、濁度計、MLSS計によるものであっても良いし、操作者の目視によるものであっても良い。
因みに、本実施形態についても、第2実施形態で示したのと同様に混合液Cの流れを反転可能としても良い。
1…培養槽、2,8…流れ発生手段、3,9〜13…集中培養領域、4,5,14〜18…仕切り部材、6,24〜28…濃度計、7,19〜23…撹拌手段、8…流れ発生手段、100,200,300,400…光合成微細藻類培養装置、C…混合液。
Claims (6)
- 光を吸収し二酸化炭素を取り込み光合成を行う光合成微細藻類を培養するための光合成微細藻類培養装置において、
前記光合成微細藻類と培養液の混合液を収容し当該光合成微細藻類を培養するための培養槽又は培養池と、
前記培養槽又は培養池中の前記混合液の流れを形成する流れ発生手段と、
前記培養槽又は培養池の一部を占める領域であって、当該領域以外の他の領域と比べ前記混合液中の前記光合成微細藻類が滞留しやすくなるように調整された集中培養領域と、
前記集中培養領域を拡張可能とする拡張手段と、を備えたことを特徴とする光合成微細藻類培養装置。 - 液体を通過させることが可能な2枚の仕切り部材であって、前記流れ発生手段によって形成された前記混合液の流れを遮るように配置された仕切り部材を備え、
前記集中培養領域は、前記2枚の仕切り部材の一方と他方とで挟まれた領域に形成され、
前記拡張手段は、前記2枚の仕切り部材の少なくとも一方を、他方から遠ざけるように移動可能とすることによって前記集中培養領域を拡張可能とすることを特徴とする請求項1記載の光合成微細藻類培養装置。 - 液体を通過させることが可能な仕切り部材であって、前記流れ発生手段によって形成された前記混合液の流れを遮るように配置された仕切り部材を複数備え、
前記集中培養領域は、前記仕切り部材に対し、前記混合液の流れの上流側から接する領域に形成され、
前記拡張手段は、前記仕切り部材を、前記混合液の流れを遮りにくくなるように移動可能とし、当該仕切り部材の上流側に位置する集中培養領域と、当該仕切り部材の下流側に位置する他の集中培養領域とを結合可能とすることによって、前記集中培養領域を拡張可能とすることを特徴とする請求項1記載の光合成微細藻類培養装置。 - 前記集中培養領域内の濃度を測定する濃度計を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の光合成微細藻類培養装置。
- 前記集中培養領域内に、撹拌装置を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の光合成微細藻類培養装置。
- 前記流れ発生手段は、前記混合液の流れの向きを逆転させることが可能であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の光合成微細藻類培養装置。
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CN102965274A (zh) * | 2012-11-21 | 2013-03-13 | 清华大学 | 微藻养殖设备 |
CN103184139A (zh) * | 2011-12-27 | 2013-07-03 | 新奥科技发展有限公司 | 光反应装置 |
JP2014039491A (ja) * | 2012-08-22 | 2014-03-06 | Nippon Suisan Kaisha Ltd | 藻類培養装置及び培養方法 |
JP2019088254A (ja) * | 2017-11-16 | 2019-06-13 | 佐竹化学機械工業株式会社 | 撹拌培養装置及び培地交換方法 |
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2010
- 2010-06-07 JP JP2010130041A patent/JP2011254725A/ja active Pending
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