JP2011253477A - 設計支援装置及び設計支援方法 - Google Patents

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和夫 武藤
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Abstract

【課題】パレート最適解から目的にあった設計解を選択する設計者の意思決定を支援する。
【解決手段】演算処理部150は、入力部110からの入力により、設計変数空間または設計変数および目的関数によって表現される変数によって定義される空間を、設計変数および目的関数として表現できない設計情報によって分割し、その空間にパレート最適解を空間の分割に対応する表示態様で表示部160に表示する。これにより、設計情報を考慮しながら、パレート最適解の中から唯一の設計解を選択するという意思決定を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、製品の設計における意思決定を支援する装置及び方法に関する。
高性能の製品を低価格で製造することが要求されている製品開発において、その製品の性能向上することを第一の目的とし価格を低減することを第二の目的とすると、第一の目的を改善する(性能を高くする)と第二の目的が改悪される(価格が高くなる)、逆に、第二の目的を改善する(価格を下げる)と第一の目的が改悪される(性能が低くなる)という場合がしばしばある。この様に、異なる目的を同時に改善することができず、目的間に相反する関係がある場合、この関係のことを「トレードオフ関係」という。トレードオフ関係にある複数個の目的の改善を同時に行う手法として、多目的最適化または多目的計画法が知られている。
トレードオフ関係の限界を表す解の集合の事を「パレート最適解」という。パレート最適解は、ある目的を改善すると、少なくとも一つの他の目的を改悪することになるという性質を持つ。パレート最適解は、複数点、曲線、曲面等として求められる場合が多い。多目的最適化または多目的計画法の一つの目的は、パレート最適解を求めることである(例えば、非特許文献1参照)。
なお、以下の説明では、多目的最適化または多目的計画法における慣例にならって、最大化または最小化すべき目的のことを「目的関数」と呼ぶ。また、m,nを2以上の整数とすると、相異なるm個の設計変数を座標軸とする座標系により規定されるm次元空間のことを「設計変数空間」と呼ぶ。また、相異なるn個の目的関数を座標軸とする座標系により規定されるn次元空間のことを「目的関数空間」と呼ぶ。
多目的最適化設計手法は、複数のトレードオフ関係にある目的関数を同時に改善する多目的最適化手法または多目的計画法を設計問題に適用したものであり、現在までに種々の手法が提案されている。
例えば、クリギングモデルなどのメタモデルならびに遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithms)を利用する多目的最適化手法に代表される新しい手法の開発に伴い、多数のパレート最適解を短時間で算出できるようになってきた。
例えば、遺伝的アルゴリズムを利用した多目的最適化手法において、複数の目的関数を荷重和して一つの目的関数にする場合、各目的関数間の重みを最適化計算の途中で系統的かつ動的に変えることにより、計算時間を減少させる工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
また、短時間でパレート最適解により近い良質な準最適解を求めることができる、受理確率関数を用いた多目的最適化手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、制約条件が存在する多目的最適化において、例えば疑似モンテカルロ法により設計変数空間において無作為に生成された各設計点における目的関数の値を計算し、パレート性の確認および目的関数の許容値による選別により、パレート最適解を導出する手法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
ここで、多目的最適化の結果得られたパレート最適解の個数が数個程度であれば、設計者がそれらの相互の関係を見たり、従来の設計例と比較したりすることは比較的容易である。しかしながら、パレート最適解の個数が膨大になると、人手によりそれらの最適解の相互関係を把握することは困難である。
これについては、4次元の目的関数空間内で離散的に求められた766個の多数のパレート最適解に対し、自己組織化マップを導入し、クラスタリングを用いることにより、パレート最適解を2次元平面に写像して可視化する方法がある(例えば、非特許文献2参照)。
また、多目的最適化設計において設計者が意思決定を行う際に、基準とするのは目的関数空間における設計点の位置の場合が多い。したがって、パレート最適解の表示方法としては目的関数空間にパレート最適解による設計点を表示することが多い。しかし、一般に設計変数と目的関数との関係は、多数の設計変数を引数とする非線形な関数であることから、目的関数空間におけるパレート最適解の設計点の位置を見ただけでは設計変数の値は不明である。
これに対し、設計変数の値や制約条件及び状態変数の評価値についてなされた分類に応じて、目的関数空間に表示される設計点の表示態様を変えることにより、該設計点に関係する設計変数や制約条件ならびに状態変数を分類にそって大まかに把握することを可能とした設計点の可視化方法がある(例えば、特許文献4参照)。
特開2002−203228号公報 特開2000−268018号公報 特開2001−52041号公報 特許3984201号公報
相吉英太郎,安田恵一郎,「メタヒューリスティクスと応用」,オーム社,2007,第186−187頁(第5章) 大林茂,「多目的最適化とパレート最適解の可視化」,日本機械学会計算力学講演会講演論文集,Vol.14,pp.699−700,2001
多目的最適化で得られたパレート最適解を可視化する場合、従来のパレート最適解表示方法では、加工コスト、歩留まり、故障率、クレーム件数などの、設計変数や目的関数として表現できない設計情報を同時に表示することはできない。したがって、それらの情報を考慮しながら、パレート最適解の中から目的に合った設計解を選択するという意思決定を行うことは困難であった。
そこで、このような事情を鑑みて、本発明では、パレート最適解から目的にあった設計解を選択する設計者の意思決定を支援することを目的とする。
本発明の一観点に関わる設計支援装置は、設計点を可視化することにより多目的最適化設計を支援する設計支援装置であって、製品の設計に関し、パレート最適解から設計解を選択する支援を行う設計支援装置において、
着目する製品に設定される設計変数と、
前記設計変数に基づいて定義される目的関数と、
前記製品の特徴を示し、前記設計変数または前記目的関数により表現できない設計情報と、を記憶する記憶部、
入力部から、前記パレート最適解を分類するために用いる、前記設計情報を用いた基準を取得する制御と、
前記基準を用いて、前記設計変数に依って表現される変数を座標軸とする空間を分割する制御と、
前記基準として用いられる設計情報に対する、前記空間を構成する変数ごとの寄与率を計算し、前記寄与率の大きな上位3つ以下の変数を特定する制御と、
前記特定した変数から構成される表示空間の相応の位置に配置される前記パレート最適解を、前記分割された設計変数空間の各領域に対応する表示態様で、表示部に表示する制御と、を実行する制御部と、を具備する。
本発明の他の一観点に関わる設計支援方法は、製品の設計に関し、多目的最適化により得られるパレート最適解から設計解を選択する支援を行う設計支援方法において、
着目する製品に設定される設計変数と、
前記設計変数に基づいて定義される目的関数と、
前記製品の特徴を示し、前記設計変数または前記目的関数により表現できない設計情報と、を記憶し、
前記パレート最適解を分類するために用いる、前記設計情報を用いた基準を取得し、
前記基準を用いて、前記設計変数に依って表現される変数によって規定される空間を分割し、
前記基準として用いられる設計情報に対する、前記空間を構成する変数ごとの寄与率を計算し、前記寄与率の大きな上位3つ以下の変数を特定し、
前記特定した変数から構成される表示空間の相応の位置に配置される前記パレート最適解を、前記分割された設計変数空間の各領域に対応する表示態様で、表示することを特徴とする。
詳細は、後記する。
本発明によれば、パレート最適解から目的にあった設計解を選択する設計者の意思決定を支援することができる。
本実施形態の設計支援装置の構成例を示すブロック図である。 本実施形態の設計支援装置による処理を示したフローチャートである。 ピンフィンヒートシンクの設計事例を示す図である。 ユーザインターフェイスの一例を示す図である。 ピンフィンヒートシンクの設計事例におけるパレート最適解を目的関数空間に表示した例を示す図である。 ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の2次元空間への表示の一例を示す図である。 ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の2次元空間への表示の、別の一例を示す図である。 ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の3次元空間への表示の一例を示す図である。 ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の3次元空間への表示の、別の一例を示す図である。 ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の目的関数空間への表示の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の設計支援装置の構成例を示すブロック図である。この設計支援装置は、主に、入力部110、設計事例記憶部120、演算処理部150、表示部160から成っている。なお、入力部110、設計事例記憶部120、演算処理部150、表示部160は互いにインターネットやイントラネットなどのネットワークを介して接続されていてもよい。
入力部110は、具体的には、ハードディスク装置、CD-ROM装置、DVD装置、メモリカード読取り装置、キーボード等の種々の入力装置であり、設計者が本設計支援装置に種々の情報を入力する為に用いられる。
本設計支援装置に入力される情報としては、(1)パレート最適解を表示する空間の次元数、(2)パレート最適解を分類する為の設計情報、(3)分類の基準となる前記設計情報の基準値あるいは分類そのもの、(4)設計情報を用いて分割が行われる空間を規定し、その空間に張られる座標系の座標軸に対応する変数の定義、(5)パレート最適解の設計変数の値およびそれに対応する目的関数の値、(6)パレート最適解を表示する空間を規定し、その空間に張られる座標系の座標軸に対応する変数の定義、などがあり、これらは具体的な数値や式などを含む。また、本設計支援装置の起動および終了並びに機能選択等のユーザ(設計者)からの指示も入力部110を通して行われる。
(4)および(6)で示した2つの「変数」は、主に、設計変数および目的関数で表現される変数である。
設計事例記憶部120は、具体的には、ハードディスクドライブ装置など種々の記憶装置である。設計事例記憶部120は、過去の設計事例を、それに対応する設計変数と、目的関数と、加工コスト、歩留まり率、故障率、クレーム件数などで示される設計情報とを関連づけた「設計事例データ」として記憶している。
演算処理部150は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)であり、本設計支援装置における情報処理を実行する。この演算処理部150は、寄与率計算手段130および空間分割手段140から構成される。
寄与率計算手段130は、設計事例記憶部120から設計事例データ、入力部110により入力されたパレート最適解を分類する為の設計情報、および、必要があれば、前記設計情報を用いて分割を行う空間を規定する設計者によって定義された変数を読み込み、読み込まれた設計事例データから、読み込まれた設計情報に対する、分割される空間の各軸に対応する変数の寄与率を計算し、最も寄与率の高い変数を、パレート最適解を表示する空間の次元数と同じ数だけ出力する手段である。
なお、前記“必要があれば”とは、例えば、設計者が定義する変数を選びたい場合には、という意味である。設計者が何も選ばない場合には、寄与率計算手段130は、例えば、設計事例データに用いられているすべての変数を読み込む。
空間分割手段140は、設計事例記憶部120から設計事例データを読み込み、さらに入力部110から、必要があれば設計者によって定義された空間を規定する変数、設計事例をもとに前記空間を分割する際にパレート最適解を分類する指標となる設計情報、および前記設計情報による分類の為の基準値または分類そのものを読み込み、読み込んだそれらの情報を元に設計変数空間を分割する手段である。
なお、設計変数空間の分割に用いることが可能な手法に関しては、例えば、文献1:“豊田秀樹,「データマイニング入門」,PP.244〜247,東京書籍,2008”に開示されている。
表示部160は、ディスプレイ装置やプリンタ等の出力デバイスであり、本設計支援装置への所定の情報の入力画面を表示したり、寄与率計算手段130により出力された変数のうち設計変数を座標軸とする座標系により規定された設計変数空間または入力部110において設計者が定義した空間(表示空間)に、空間分割手段140により分割された空間の領域に対応する表示態様で、パレート最適解を表示したりする。
次に、本実施形態の設計支援装置の処理を、図1の構成を例にして説明する。
図2は、本実施形態の設計支援装置による処理を示したフローチャートである。
本装置を利用する設計者は、入力部110を操作して、表示部160によって表示される入力画面を介して、パレート最適解を表示する空間の次元数の入力、およびパレート最適解を分類する為の設計情報、および分類の基準となる前記設計情報の基準値または分類そのものの入力、および前記設計情報によって分割が行われる空間を規定する変数の定義を行う(ステップS210:表示方法入力)。
なお、パレート最適解を分類する為の設計情報は、目的関数や設計変数によって表現されていない情報でもよいし、また、定量的または定性的な情報であってもよい。ただし、定性的な情報の場合は、例えば顧客A、顧客B、顧客Cなどのように、複数の分類に分けられるものとする。前記“分類の基準” として分類そのものが入力されるときは、例えば、顧客A、顧客B、顧客Cなどのような定性的な情報が入力される。
ステップS210において入力された情報は、寄与率計算手段130および空間分割手段140に送られる。情報を受け取った寄与率計算手段130および空間分割手段140は、設計事例記憶部120から設計事例データに含まれる設計変数、目的関数、そしてステップ210において入力された情報を取得する(ステップS220:設計事例データの取得)。
次に、空間分割手段140は、まず、ステップS210において入力されたパレート最適解を分類する為の設計情報を、同じくステップS210において入力された分類の基準となる前記設計情報の基準値または分類そのものと照らし合わせることにより、設計事例を複数のグループに分ける。
例えば、前記設計情報が定量的なものである場合、分割の基準となる値がaならば、空間分割手段140は、a以上のグループとa以下のグループに設計事例を分類する。なお、前記値がaの場合は、例えば、いずれかのグループに属するように適宜設定できるので、詳細な説明は省略する。また、例えば、分類の基準となる情報が成功、失敗という定性的なものである場合、空間分割手段140は、成功のグループと失敗のグループに設計事例を分類する。
設計事例を複数のグループに分類した後、空間分割手段140は、統計分類手法を用いて、各グループ間の設計変数空間あるいは設計者によって定義された設計変数または目的関数で表現される変数によって規定された空間における分割曲面の式を計算する(ステップS230:空間分割)。
前記統計分類手法としては、空間上で分類されたグループ間の境界面の式を導出することができるサポートベクターマシーン、判別分析などが例としてあげられる(前記文献1参照)。
次に、寄与率計算手段130は、設計事例データに含まれる設計変数、目的関数、設計情報から、ステップS210において入力された、パレート最適解を分類する為の設計情報に対する各設計変数の、あるいは設計事例によって分割が行われる空間を規定する設計者が定義した各変数の寄与率を統計的手段により計算する。そして、寄与率計算手段130は、ステップS210において入力されたパレート最適解を表示する空間の次元数と同じ個数の設計変数または前記設計者によって定義された変数を、寄与率の高いものから順に出力する(ステップS240:寄与率計算)。
なお、ここで用いられる統計的手段としては、前記設計情報の変動を前記変数の変動に分割し、設計情報の変動に対する個々の変数の寄与率を計算できる分散分析などが例としてあげられる。前記分散分析については、例えば、文献2:“永田 靖,「入門 実験計画法」,PP.335〜339,日科技連出版社,2000”に開示されている。
次に、演算処理部150は、予め多目的最適化手法などによって得られたパレート最適解の設計変数の値と目的関数の値を、入力部110から取得して読み込む(ステップS250:パレート最適解入力)。
最後に、表示部160は、ステップS240において出力された変数を座標軸とする座標系によって規定される空間に、ステップS230において分割された空間の各領域に対応する表示態様で、ステップS250において入力されたパレート最適解を、その設計変数の値および目的関数の値に対応する位置に、表示する(ステップS260:表示部に表示)。これにより、本設計支援装置における一連の動作が終了する。
なお、ステップS260においては、表示部160は、ステップS240において出力された変数によって規定される空間ではなく、設計者が任意に選んだ設計変数および目的関数によって表現される変数を座標軸とする座標系によって規定される空間(表示空間)に、ステップS230において分割された空間の各領域に対応する表示態様で、ステップS250において入力された多目的最適化手法などによるパレート最適解を、その設計変数の値および目的関数の値に対応する位置に、表示してもよい。
また、前記ステップS210からステップS260の一連の動作が行われる前に、設計事例記憶部120に記憶されている設計事例データに含まれる全ての設計情報に関して、その設計情報により分割される空間が事前に分かっていれば、ステップS220、ステップS230およびステップS240を予め行うこともできる。
以下これまで説明してきた設計支援装置による処理の具体例として、ピンフィンヒートシンクの設計を行う場合の動作例を述べる。
図3は、ピンフィンヒートシンクの設計事例を示す図である。ここで、例えば次に示す2個の目的関数f1,f2の値がいずれも最小化されるように、フィンの形状を設計する問題を考える。目的関数f1は、熱抵抗であり、目的関数f2は、圧力損失である。ここでは、放熱フィン形状を規定する設計変数としてフィン直径310、フィン高さ320、ベース部厚み330、フィン本数を考える。また、それぞれの設計変数について、上限値と下限値などの制約条件が与えられており、その制約条件によって規定される設計範囲内で設計が行われるとする。そして、この設計問題に対するパレート最適解は、予め、演算処理部150により多目的最適化手法を用いて求めてあり、記憶部に記憶されているものとする。
まず、設計者が本設計支援装置の操作開始の操作を行うと、表示部160のディスプレイ上に図4に示すような画面がユーザインターフェイスとして表示される。利用者はパレート最適解を表示する3以下の空間の次元数を表示空間次元数入力部460に入力し、どのような設計情報を用いてパレート最適解を分類するかを設計情報選択部410に入力し、分割の基準となる前記設計情報の値もしくは分類そのものを基準値入力部420にそれぞれ入力する。
また、この段階において、設計者は、設計情報により分割が行われる空間を設計変数および目的関数によって表現される変数により任意に設定するか、設計変数空間とするか選ぶことが可能である。分割を行う空間を、設計変数および目的関数により表現される変数により任意に設定する場合、設計者はラジオボタン430を選択し、分割空間定義入力部450に各変数を入力することになる。図4では3つしか変数を定義する入力部分がないが、3つ以上であっても構わない。変数を任意に設定するのではなく、分割を行う空間を設計変数空間とする時は、設計者はラジオボタン440を選択することになる。
本動作例においては、パレート最適解を表示する設計変数空間の次元数は2とし、パレート最適解の分類に用いる設計情報の種類は、クレーム率とし、分類の基準値は0.05とした。また、クレーム率によって分割される空間は設計変数空間とした。つまり、ラジオボタン440を選択した。ただし、「クレーム率」とは、着目する製品(ピンフィンヒートシンク)の全生産数と顧客からクレームがあったものの数との割合とする。以上が図2におけるステップS210の処理である。
なお、詳細は後記するが、表示空間定義部470は、パレート最適解を表示する空間の座標軸を構成する変数が、表示空間次元数入力部460に入力された次元数分だけ入力される箇所である。パレート最適解表示部480は、主に、表示空間定義部470に入力された変数を座標軸とする空間およびパレート最適解を所定の表示態様で表示する箇所である。
次に、空間分割手段140は、設計事例記憶部120から設計事例データを読み込み、ステップS210において入力された情報に従い、設計事例をクレーム率が0.05以下のグループとクレーム率が0.05以上のグループとに分け、各設計変数(フィン直径310、フィン高さ320、ベース部厚み330、フィン本数の4つ)を座標軸とする座標系によって規定される4次元の設計変数空間においてそれら2つのグループを分ける超平面を線形判別分析により計算し、設計変数空間をクレーム率が0.05以下の領域と0.05以上の領域に分割する。以上が図2におけるステップS220、ステップS230に相当する処理である。なお、クレーム率が0.05である場合の取り扱いについては、いずれかの領域に属するように取り扱うなどして、設計事項として処理することができるため、詳細な説明は省略する。
次に、寄与率計算手段130は、設計事例記憶部120から設計事例データを読み込み、設計事例の設計変数を示す情報および設計情報としてのクレーム率を示す情報を用いて、ピンフィンヒートシンクの設計例における、クレーム率に対する各設計変数の寄与率を、分散分析を用いて計算する。この時の結果を表1に示す。
Figure 2011253477
ステップS210において入力されたパレート解を表示する空間の次元数は2なので、寄与率計算手段130は、寄与率の大きい上位2つの設計変数を出力する。ここでは、フィン直径310およびフィン本数が出力されることになる。以上が図2におけるステップS220、ステップS240の処理である。
次に、パレート最適解の目的関数の値と設計変数の値を入力部110が読み込む。
図5は、ピンフィンヒートシンクの設計事例におけるパレート最適解を目的関数空間に表示した例を示す図である。図5では、目的関数空間として、横軸に目的関数f1となる熱抵抗をとり、縦軸に目的関数f2となる圧力損失をとったグラフが示されている。パレート最適解は、◆のマーカで表示されている。以上が図2におけるステップS250の処理である。
最後に、設計変数空間およびパレート最適解が、パレート最適解表示部480に表示される。
図6は、ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の2次元空間への表示の一例を示す図である。パレート最適解表示部480には、ステップS240で導出された、クレーム率に対して寄与率の高い設計変数からなる設計変数空間に、ここでは「フィン直径」および「フィン本数」を座標軸とする座標系によって定義される設計変数からなる設計変数空間に、ステップS230で導出された設計変数空間の分割に応じてクレーム率が0.05以下の設計変数空間の領域の属するパレート最適解が●のマーカで表示され、クレーム率が0.05以上の設計変数空間の領域に属するパレート最適解が×のマーカで表示される。ここでは、マーカの形状によりパレート最適解の分類を表現したがマーカの大きさを変える、マーカの色を分けるなど、その他種々の方法により分類を表現しても良い。
また、表示空間定義部470には、寄与率計算手段によって導出された「フィン直径」および「フィン本数」がパレート解を表示する空間を構成する座標軸を規定する変数として自動的に入力される。本実施例は、寄与率の大きな上位3つ以下の変数として2つの変数を特定する例である。
図7は、ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の2次元空間への表示の、別の一例を示す図である。図7の表示態様においては、クレーム率0.05以上とクレーム率0.05以下の領域を分割する超平面をパレート最適解の表示空間に写像した直線710がパレート最適解表示部480に示されている。これにより、クレーム率が0.05の以下のパレート最適解と0.05以上のパレート最適解の分類が明瞭になる。以上が図2におけるステップS260の処理である。本実施例は、寄与率の大きな上位3つ以下の変数として2つの変数を特定する例である。
図8は、ピンフィンヒートシンクの設計事例における本発明になる設計支援装置によるパレート最適解の3次元空間への表示の一例を示す図である。図8では、ステップS210において表示空間定義部470によりパレート最適解を表示する空間の次元数を3に選択した場合の、ステップS260におけるパレート最適解の表示部160による出力画面がパレート最適解表示部480に示されている。本実施例は、寄与率の大きな上位3つ以下の変数として3つの変数を特定する例である。
クレーム率に対する寄与率が大きい設計変数の内、上位3つは、表1より、フィン本数、フィン直径、フィン高さであることがわかる。よって、表示空間定義部470には、「フィン本数」、「フィン直径」、「フィン高さ」が入力され、パレート最適解表示部480には、それらの設計変数を軸とする座標系によって規定される設計変数空間にパレート最適解が表示される。そして、クレーム率が0.05以下の設計変数空間の領域に属するパレート最適解は●のマーカで表示され、クレーム率が0.05以上の設計変数空間に属するパレート最適解は×のマーカで表示されている。
このように設計者は、ステップS210においてパレート最適解を表示する空間を1次から3次元の間で選択することが可能である。なお、パレート最適解を表示する空間を規定する座標軸を変えたいときは、表示空間定義部470に入力される変数を変更指定することができる。
図9は、ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の3次元空間への表示の、別の一例を示す図である。図9には、表示部160において、クレーム率が0.05以下の設計変数空間とクレーム率が0.05以上の領域を分割する平面が表示されている。この平面は、設計変数空間を分割する超平面をパレート最適解の表示空間に写像したものである。図9では平面によって空間を分割したが、一般的な曲面で分割することもできる。本実施例は、寄与率の大きな上位3つ以下の変数として3つの変数を特定する例である。
これらの表示により、多目的最適化により得られたパレート最適解(図5参照)は目的関数の値に関しては最善の解を与えている。しかし、図6、7、8、9のいずれの表示方法からも、クレーム率を考慮すると、ある設計変数空間の領域にあるパレート最適解は、過去の設計事例から判断すると、加工不良など何らかの原因によりクレーム率が高くなることを、設計者は予測できる。したがって、設計者は、過去の設計事例においてクレーム率が低かった設計変数に属するパレート最適解から、目的に合った設計解を選択することができる。したがって、クレーム率の情報に着目すれば、予め求めたパレート最適解から目的に合ったより良い設計解を選択できる。
図10は、ピンフィンヒートシンクの設計事例における本実施形態の設計支援装置によるパレート最適解の目的関数空間への表示の一例を示す図である。図10には、ステップS210において設計者が、表示空間定義部470にて、パレート最適解を表示する座標軸として目的関数f1(熱抵抗)およびf2(圧力損失)を指定した場合の表示例がパレート最適解表示部480に示されている。クレーム率が0.05以下を示すパレート最適解は●のマーカで表示され、クレーム率が0.05以上を示すパレート最適解は×のマーカで表示されている。このように設計者は、パレート最適解を表示する空間を任意に設定することができる。
図10の表示により、設計者は目的関数空間上においても、クレーム率を考慮しながら、パレート最適解から目的にあった設計解を選択することができる。
以上の説明から、本実施形態によれば、加工コスト、歩留まり、故障率、クレーム件数等といった過去の設計情報を考慮し、設計事例の設計変数および目的関数によって表現できない前記設計情報をもとに最適解を分類し、その分類に応じた表示態様でパレート最適解を表示することにより、パレート最適解から目的に合った設計解を選択する設計者の意思決定を支援することができる。
なお、前記実施形態は、本発明を実施するために好適のものであるが、その実施形式はこれらに限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において種々変形することが可能である。
例えば、本実施形態では、パレート最適解を分類する、設計情報を用いた基準は1つとした(クレーム率0.05。図4参照。)。しかし、このような設計情報を用いた基準を2以上設定することも可能である。この場合、1種類の設計情報につき2以上の基準値を設定するようにしてもよいし、2種類の設計情報を用いた基準を設定するようにしてもよい。表示空間にパレート最適解を表示するときの表示態様は、設定した基準の数の分だけ揃える。
また、本実施形態で説明した事項を適宜組み合わせた技術を設計することができるのは勿論である。
その他、ハードウェア、ソフトウェア、各フローチャート等の具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
110 入力部
120 設計事例記憶部(記憶部)
130 寄与率計算手段
140 空間分割手段
150 演算処理部(制御部)
160 表示部

Claims (4)

  1. 製品の設計に関し、多目的最適化により得られるパレート最適解から設計解を選択する支援を行う設計支援装置において、
    着目する製品に設定される設計変数と、
    前記設計変数に基づいて定義される目的関数と、
    前記製品の特徴を示し、前記設計変数または前記目的関数により表現できない設計情報と、を記憶する記憶部、
    入力部から、前記パレート最適解を分類するために用いる、前記設計情報を用いた基準を取得する制御と、
    前記基準を用いて、前記設計変数に依って表現される変数によって規定される空間を分割する制御と、
    前記基準として用いられる設計情報に対する、前記空間を構成する変数ごとの寄与率を計算し、前記寄与率の大きな上位3つ以下の変数を特定する制御と、
    前記特定した変数から構成される表示空間の相応の位置に配置される前記パレート最適解を、前記分割された設計変数空間の各領域に対応する表示態様で、表示部に表示する制御と、を実行する制御部、を備える
    ことを特徴とする設計支援装置。
  2. 前記制御部は、
    前記設計変数空間を分割する超平面を、前記表示空間に写像して前記表示部に表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の設計支援装置。
  3. 製品の設計に関し、多目的最適化により得られるパレート最適解から設計解を選択する支援を行う設計支援方法において、
    着目する製品に設定される設計変数と、
    前記設計変数に基づいて定義される目的関数と、
    前記製品の特徴を示し、前記設計変数または前記目的関数により表現できない設計情報と、を記憶し、
    前記パレート最適解を分類するために用いる、前記設計情報を用いた基準を取得し、
    前記基準を用いて、前記設計変数に依って表現される変数によって規定される空間を分割し、
    前記基準として用いられる設計情報に対する、前記空間を構成する変数ごとの寄与率を計算し、前記寄与率の大きな上位3つ以下の変数を特定し、
    前記特定した変数から構成される表示空間の相応の位置に配置される前記パレート最適解を、前記分割された設計変数空間の各領域に対応する表示態様で、表示することを特徴とする設計支援方法。
  4. 前記設計変数空間を分割する超平面を、前記表示空間に写像して表示することを特徴とする請求項3に記載の設計支援方法。
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