JP2011243842A - 光電変換パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換セルが横置きであり、パネル受光面に付着した異物や水分が下方に流れてフレーム枠との段差部分に堆積した場合に、最下部の光電変換セルの受光量低下を防止する。
【解決手段】透光性基板14に、細長い帯状に形成された複数の光電変換セル18が面方向に配列され、これらの光電変換セル18の少なくとも一部が電気的に直列に接続され、その配列方向の一端に陰極−、他端に陽極+が設けられた光電変換モジュール2と、この光電変換モジュール2の周囲を囲んでこれを傾斜した状態で支持するフレーム枠4とを備え、光電変換モジュール2がフレーム枠4に実装された状態において、複数の光電変換セル18は、その各々の両端部の高さが等しくなるように、かつその各々の長辺同士が互いに平行するように、透光性基板14の受光面と反対側の面に横長かつ縦並びに配列され、その配列方向の上側に前記陽極+が配置されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換装置に関し、特に発電層を製膜で作成する薄膜系光電変換パネルに関する。
一般に太陽電池と呼ばれて建物の屋根上等に設置される光電変換パネルは、ガラス等でできた透光性基板に複数の短冊状すなわち細長い帯状の光電変換セルが面方向に配列され、これらの光電変換セルが電気的に直列に接続された構成の光電変換モジュールを備え、この光電変換モジュールが、アルミニウム等の金属材料により形成されたフレーム枠に保持されて、時間経過とともに太陽高度が変化する太陽光を良好に受光できるように水平面より傾斜した姿勢で支持される構成となっている。
光電変換パネルの水平面からの傾斜角度は、その設置地域の緯度付近に合わせることにより、年間の太陽光の光電変換パネル面への入射量を最大値付近とすることができ、年間平均発電量を多くすることができる。ところが、光電変換パネルを屋根に設置する場合においては、日本の多くの家屋においては、屋根の傾斜角度が4寸(21.8度)のものが主流であり、またこの屋根の傾斜面にほぼ平行するような光電変換パネルの設置が容易であるため、例えば東京では緯度(35度)よりも光電変換パネルの傾斜角度(約22度弱)が緩やかであることが一般的である。
また、太陽光発電所のように、所定の広さの敷地に多数の架台を整列配置し、これらの架台に光電変換パネルを傾斜した姿勢で保持させた光電変換アレイにおいては、前列アレイの影が後列アレイにかからないように、各アレイ間にスペースを設ける必要があるが、こうすると敷地面積が広大になってしまう。このため、各アレイの影が大きくならず、かつ太陽光を十分に受光できる程度に光電変換パネルを緩やかな傾斜角度で設置する場合がある。
このように、屋外において比較的緩い傾斜角度で設置されている光電変換パネルにおいては、光電変換パネルの受光面に付着した泥砂や塵埃等の異物が雨水に洗い流される際に、光電変換パネルの下縁部におけるフレーム枠との段差部分に一部がせき止められて堆積してしまう。このため、光電変換パネルの下縁部付近に配列された光電変換セルに太陽光が入射しない状況が発生することがある。特に冬至の朝夕は太陽の高度が低いため、上記の異物堆積により光電変換パネルの下縁部の数mmの幅に太陽光が入射しない影の領域が発生してしまう。また、特に異物が堆積していなくても、フレーム枠自体の段差によって影が発生してしまう場合がある。
ここで、光電変換セルの配列方向に注目した場合、細長い帯状形状の光電変換セルを、その長手方向が上下方向に沿うように複数配列した縦置き型の光電変換パネルでは、光電変換パネルの下縁部付近に堆積した異物によって影ができても、この影の面積、即ち光電変換パネルの全体面積の数%相当の発電量低下とはなるが、光電変換パネル全体の出力が著しく低下することはない。一方、細長い帯状形状の光電変換セルを、その長手方向が水平方向に沿うように複数配列した横置き型の光電変換パネルでは、堆積した異物の影によって1つ以上の光電変換セルが発電できなくなると、発電しないセルは高抵抗体となり、各光電変換セルが直列に接続されている構造上、光電変換パネル全体の出力がほとんど得られなくなるという周知の課題がある。
したがって、一般には縦置き型の光電変換パネルを選択すべきである。ここで、光電変換パネルの出力電圧は、細長い帯状の光電変換セルの直列接続数で決定されることから、太陽電池パネルサイズの大型化にあたっては、光電変換セルの直列接続方向のサイズは所定の値に固定化され、光電変換セルの長手方向へサイズを拡大することがある。このとき光電変換パネルの外形は、光電変換セルの直列接続方向のサイズとなる横幅よりも、光電変換セルの長手方向のサイズとなる縦幅が大きくなる長方形となる。
このように縦方向に長い長方形の光電変換パネルにおいて、設置場所の都合等で、どうしても横置きに設置した方が好都合となる場合があるが、この場合には、光電変換パネルの傾斜角度をできるだけ大きくして、パネル下縁部に堆積した異物の影の幅が光電変換セルの幅よりも小さくなるように配慮して設置する必要がある。しかし、前述したような家屋の屋根や前後アレイの影を考慮した光電変換アレイ配列等のように、パネル設置角度が比較的緩やかな設置条件で横置きに設置せざるを得ない場合には、パネル下縁部に堆積した異物の影による発電量低下を抑制できる対策が望まれていた。
従来、光電変換パネルの下縁部に堆積した異物やフレーム枠自体の影による発電量低下を解決するべく、特許文献1〜4のような光電変換パネルが提案されていた。
特許文献1に開示されている光電変換パネルは、パネル面への入射光密度の最も少ない冬至又は夏至時期の、日の出又は日没近くに、光電変換パネル周囲のフレーム枠による光電変換セルへの遮光を防止するために、フレーム枠から光電変換セルの周縁までの距離が規定されている。
特許文献2に開示されている光電変換パネルは、低角度で入射した光により発生するフレーム枠の影に入る部分に配置される光電変換セルをダミーセルとすることにより、美観を失うことなくフレーム枠の影による全体出力低下を生じさせないようにしている。
特許文献3に開示されている光電変換パネルは、光電変換パネルを実装した際にフレーム枠の影に入る光電変換セルを幅広で低抵抗にしている。
特許文献4に開示されている光電変換パネルは、光電変換パネル内に水分が浸入した際に、陰極(−)側のバスバーが腐食されやすいので、陰極(−)が陽極(+)よりも高い位置に配置されている。
特開昭61−81675号公報 特開平8−228017号公報 特開2001−111087号公報 特開2000−277788号公報
しかしながら、上記各従来例には、いずれも解決されていない課題が残っている。
即ち、特許文献1〜3に開示されている光電変換パネルは、フレーム枠によって影になる範囲には光電変換セルを設けない、またはダミーセルにする、あるいは幅の広い光電変換セルを設けるといった対処方法であり、発電や他の機能に寄与しない無駄な面積が光電変換パネル上に生じたり、製造コストが掛かる、外観性が損なわれるといった課題がある。
また、特許文献4に開示されている光電変換パネルは、腐食が起きやすい陰極側のバスバーが陽極側のバスバーよりも高い位置に配置されているが、これにより陰極側バスバーの腐食は抑制できるものの、本願発明者らの研究によれば、透光性基板にナトリウムを含むソーダガラス等を使用した場合には、陽極側バスバーが光電変換パネルの下縁部に位置することによって、光電変換パネル下縁部付近の透光性基板が白く曇る場合があるという、横置き型の光電変換パネルにとって深刻な問題が生じやすいことが明らかになった。
即ち、光電変換パネルの周囲に装着されている金属製のフレーム枠はアース接地されるので対地電圧は0Vになり、陰極側バスバー付近におけるパネル表面も対地電圧が約0Vとなる。一方、陽極側バスバーでは対地電圧が発電電圧となるので、透光性基板を形成しているガラス材料にはパネル裏面側から表面側へと大きな電界が発生する。この電界の大きさは、陰極側バスバーの付近ではゼロもしくは微小であるが、陽極側バスバーに向かって徐々に大きくなり、陽極側バスバーが配置されている光電変換パネルの下縁部付近で最大となる。
このような電界の発生に伴い、ガラス材料内のナトリウムイオンNaがガラス表面に析出してくる現象が確認されているが、このナトリウムイオンNaの析出量は電界の強度に比例して多くなるため、陽極側バスバーが配置されている光電変換パネルの下縁部付近では析出量が最も多くなる。そして、光電変換パネルの下縁部付近では、フレーム枠との段差部分に雨水が溜まりやすいため、ガラス表面に析出したナトリウムイオンNaが、この水分と大気中のCOとに反応して炭酸塩(NaHCO)を形成し、これが順次粒成長して白い曇りとなり、透光性基板の光透過性を低下させてしまう場合があることが判明した。
さらに、ガラス材料内のナトリウムイオンNaが表面側に析出することにより、ガラス表面で水分と反応してNaOHが形成され、ガラス表面が溶解さて凹凸状になって白く曇る場合もあることが判明した。したがって、横置き型の光電変換パネルにおいては、前述の泥砂や塵埃等の異物の堆積の他にも、上述の陽極側バスバー付近のガラス表面に析出し易いナトリウムイオンNaに水分が供給され易い光電変換パネルの設置形態では、白い曇りによって最下部の光電変換セルの受光量が低下し、光電変換パネル全体の出力が低下してしまう懸念がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光電変換セルが横置きである光電変換パネルにおいて、パネル受光面に付着した異物や水分が下方に流れてフレーム枠との段差部分に堆積した場合に、簡素かつ低コストな構成によって、外観性を損なうことなく、最下部の光電変換セルの受光量が低下することを防止あるいは抑制可能な光電変換パネルを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
即ち、本発明の第1の態様に係る光電変換パネルは、透光性基板に、細長い帯状に形成された複数の光電変換セルが面方向に配列され、これらの光電変換セルの少なくとも一部が電気的に直列に接続されて、その配列方向の一端に陰極、他端に陽極が設けられた光電変換モジュールと、前記光電変換モジュールの周囲を囲み、該光電変換モジュールを傾斜した状態で支持するフレーム枠とを備え、前記光電変換モジュールが前記フレーム枠に実装された状態において、前記複数の光電変換セルは、その各々の両端部の高さが等しくなるように、かつその各々の長辺同士が互いに平行するように、前記透光性基板の受光面と反対側の面に横長かつ縦並びに配列され、その配列方向の上側に前記陽極が配置されたことを特徴とする。
上記構成によれば、水分が残留しにくい光電変換パネルの上側に陽極が配置されるため、この陽極側において、透光性基板を形成しているガラス材料にパネル裏面側から表面側へと大きな電界が発生し、ガラス材料内のナトリウムイオンNaがガラス表面に析出しても、上側では水分が常に存在しないので、このナトリウムイオンNaが水分および大気中のCOに反応して炭酸塩(NaHCO)を形成して透光性基板に白い曇りを発生させる懸念が少ない。なお、雨天時は発電量が低下するため大きな電界が発生することがなく、問題がない。
一方、水分が残留しやすい光電変換パネルの下側には陰極が配置され、この陰極側では電界が発生しないか、もしくは発生しても微小であるため、ガラス材料内のナトリウムイオンがガラス表面に析出しにくく、この付近に水分が残留していても、ナトリウムイオンと水分と大気中のCOとが反応して炭酸塩(NaHCO)を形成してしまう虞がない。
このため、光電変換パネルの全面に亘り、ガラス表面上でナトリウムイオンが大気中のCOに反応して炭酸塩を生成することによる白い曇りが透光性基板の光透過性を低下させることを防止あるいは抑制することができる。したがって、横置き型の光電変換パネルにおいては、上述の白い曇りによって最下部の光電変換セルの受光量が低下してしまう懸念を排除することができる。
また、本発明の第2の態様に係る光電変換パネルは、前記第1の態様において、前記複数の光電変換セルのうち、最下部に位置する光電変換セルの下隣に、前記各光電変換セルの電力取り出し部であって発電機能を有さず、裏面側に集電用バスバーが設けられた集電セルを配置し、この集電セルの幅を、最下部に位置する光電変換セルの幅よりも大きくしたことを特徴とする。
上記構成によれば、傾斜して設置された光電変換パネルの最下部に配置された光電変換セルの高さを上昇させて、パネル受光面に付着した異物や水分が下方に流れて下側フレーム枠との段差部分に堆積しても、この堆積物やフレーム枠自体により太陽光が入射しない影の領域によって最下部の光電変換セルの受光量が低下することを防止あるいは抑制し、最下部の光電変換セルの受光性を良好に確保することができる。
さらに、本発明の第3の態様に係る光電変換パネルは、前記第2の態様において、前記集電セルの幅寸法から前記光電変換セルの幅寸法を差し引いた寸法増大分を前記光電変換セルの総数で割り、この値を各光電変換セルの幅から減じたことを特徴とする。この構成により、集電セルの幅が増大した分が、多数の光電変換セルの幅を僅かに減じたことによって吸収されるため、外観性が劣化することがない。また、光電変換セルの幅を減少させる方法は、光電変換セルの形成時におけるレーザエッチングの幅を若干ずらすだけでよいため、生産性が低下することもなく、従来と同コストで生産することができる。
そして、本発明の第4の態様に係る光電変換パネルは、前記第1の態様において、前記複数の光電変換セルのうち、最下部に位置する光電変換セルの上隣に、発電機能を有さず、裏面側に集電用バスバーが設けられた集電セルを配置したことを特徴とする。
上記構成によれば、最下部の光電変換セルは発電に寄与しないダミーセルとなるが、集電セルを挟んでその上に配置された実質的に最下部の光電変換セルの下側フレーム枠に対する高さ位置を高くすることができるため、この最下部の光電変換セルの受光性を良好に確保することができる。また、集電セルのサイズを変更することなく、マイナス側の1セルのみをダミー化する簡易な設計変更で済むので、光電変換パネルの出力低下の影響も少なく、生産ラインにおける切り替え作業が容易であり、製造コストが上昇しない。
また、本発明の第5の態様に係る光電変換パネルは、前記第1の態様において、前記複数の光電変換セルのうち、最下部から2番目に位置する光電変換セルの裏面側に集電用バスバーを設け、この集電用バスバーを設けた光電変換セルを発電セルおよび集電セルとして兼用したことを特徴とする。
上記構成によれば、最下部の光電変換セルがダミーセルとなって発電に寄与しなくなるものの、その上隣に配置された光電変換セルは、実質的に最下部の光電変換セルとなりながらも、その下側フレーム枠に対する位置を高められて、フレーム枠や異物の影に影響されることなく良好な発電を行いつつ、従来の集電セルとしても機能する。このため、光電変換パネルの有効面積は従来と変わらず、発電量が変化しないという効果がある。
さらに、本発明の第6の態様に係る光電変換パネルは、前記第1〜第5の態様において、前記透光性基板の下端部付近および前記複数の光電変換セルのうちの最下部の光電変換セルの少なくとも一方に対向する位置で、少なくとも最下部に位置する光電変換セルより広い幅で、入射光の屈折率を、前記透光性基板自体の入射光屈折率よりも高める屈折率向上手段を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、最下部の光電変換セルに入射する太陽光の入射角が屈折率向上手段を設けない場合よりも急角度になるため、堆積物やフレーム枠自体により太陽光が入射しない影の領域が減少し、最下部セルの受光量を向上させることができる。したがって、最下部の光電変換セルの、下側フレーム枠に対する高さ位置を高めるべく集電セルの幅を大きくしたり、ダミーセルを配置したりする必要がなく、光電変換パネルの有効面積を増大することができる。
以上のように、本発明に係る光電変換パネルによれば、光電変換セルが横置きである光電変換パネルにおいて、パネル受光面に付着した異物や水分が下方に流れてフレーム枠との段差部分に堆積した場合に、簡素かつ低コストな構成によって、外観性を損なうことなく、最下部の光電変換セルの受光量が低下することを防止あるいは抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る太陽電池パネルの概略構成を示す縦断面図である。 図1のII部を拡大した太陽電池パネルの拡大縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る太陽電池パネルの詳細構成を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る太陽電池パネルの詳細構成を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る太陽電池パネルの詳細構成を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る太陽電池パネルの概略構成を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る光電変換パネルについて、図1〜図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、光電変換パネルを、家屋の屋根上に設置される太陽電池パネルとして説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る太陽電池パネルの概略構成を示す縦断面図であり、図2は図1のII部を拡大した太陽電池パネルの拡大縦断面図である。
本実施形態の太陽電池パネル1は、平板状に形成された太陽電池モジュール2(光電変換モジュール)が、アルミニウム等の金属材料により形成された、平面視で矩形のフレーム枠4に囲まれて保持され、家屋の屋根等の設置面Rに設置された構成となっている。フレーム枠4の高さにより、太陽電池モジュール2は設置面Rに対し所定の高さを付与されつつ、基本的には設置面Rの傾斜角度θとほぼ同じ角度や少し勾配を増した傾斜角度で設置されることが多い。本実施形態における傾斜角度θは、日本の家屋における一般的な屋根勾配である21.8度(所謂4寸勾配)となっているが、これと異なる傾斜角度であってもよい。
フレーム枠4は、設置座面となる内向フランジ部5と、この内向フランジ部5の外辺から垂直に立ちあがる支持部6と、この支持部の上部に一体成形された略コの字状の保持部7とを有する形状であり、保持部7はフレーム枠4の内側に開口する方向で形成されている。そして、太陽電池モジュール2の周縁部が、弾力性のあるガスケット部材9とシール部材10とを介して保持部7に保持され、ガスケット部材9の弾力により、太陽電池モジュール2の熱膨張等に伴うフレーム枠4との間の微小な相対移動分が吸収されるとともに、振動や外力等が太陽電池モジュール2に負荷を与えることが防止される。なお、フレーム枠4は、アース接地されて対地電圧は0Vに保たれる。なお、図1ではフレーム枠4部分を、陰極(−)側のみ記載してあるが、他端にある陽極(+)側も同様な構造をしている。
上述のように太陽電池モジュール2が傾斜して設置されているため、太陽電池モジュール2の受光面に付着した泥砂や塵埃等の異物が雨水に洗い流され、太陽電池モジュール2の下縁部におけるフレーム枠4との段差部分にせき止められて堆積しやすい。また、この段差部分には雨水が貯留される傾向がある。
太陽電池モジュール2は、図2に示すように、大まかに分けて4つの部材が積層されて構成されている。即ち、太陽電池モジュール2の表面(上面)を形成するのはガラス等の透明材料により形成されて太陽光を良好に透過させる、厚さ3mm〜5mm程の透光性基板14であり、この透光性基板14の受光面(上面)と反対側の面(下側面)に、透明電極層15、光電変換層16、裏面電極層17が順次積層されている。本実施形態では、透明電極層15と光電変換層16と裏面電極層17をまとめて光電変換セル18と呼称する。
詳しく説明すると、本実施形態において、光電変換層16は、例えばアモルファスシリコン系電池層(トップ層)21と結晶質シリコン系電池層(ボトム層)22とが積層されて成り立ち、さらに、アモルファスシリコン系電池層21は、アモルファス系シリコンp層21a、アモルファス系シリコンi層21b、アモルファス系シリコンn層21cが積層されて構成され、結晶質シリコン系電池層22は、中間コンタクト層22a、結晶質シリコン系p層22b、結晶質シリコン系i層22c、結晶質シリコン系n層22dが積層されて構成されている。
なお、光電変換層16において、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称であり、結晶質シリコン系とは、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコン系や多結晶シリコン系も含まれる。また、アモルファスシリコン系と結晶質シリコン系とを積層させた多接合型(タンデム型)を含むものを以下の説明で示すが、これに拘るもので無く、アモルファスシリコン系単層の光電変換層や、結晶質シリコン系単層の光電変換層、CIS系,CIGS系やCdTe系などの化合物半導体系の光電変換層でもよい。
そして、前述したように、透明電極層15と光電変換層16と裏面電極層17とが順次積層されてなる光電変換セル18が、図1に示すように、透光性基板14の受光面と反対側の面(下面側)に面方向に配列されている。これら各光電変換セル18は細長い帯状に形成されており、太陽電池モジュール2がフレーム枠4に実装された状態において、これらの光電変換セル18の各々の両端部の高さが等しくなるように、その長手方向が水平方向(紙面の垂直方向)に沿い、かつその各々の長辺同士が互いに平行するように、透光性基板14の受光面と反対側の面(下面側)にて横長かつ縦並びに配列され、太陽電池パネル1(太陽電池モジュール2)を横置き型に構成している。
これらの光電変換セル18は互いに電気的に直列に接続されて、その配列方向の一端に陰極(−)、他端に陽極(+)が設けられている。本発明では、これらの光電変換セル18の配列方向の上側に陽極(+)が配置され、下側に陰極(−)が配置されている。なお、本実施形態において、光電変換セル18の設置段数は例えば100段とされている。
また、図3に示すように、複数の光電変換セル18のうち、最下部に位置する光電変換セル18の下隣には集電セル25が配置されている。この集電セル25は、各光電変換セル18への電力供給部であって発電機能を有さず、裏面側に集電用バスバー26が設けられている。この集電用バスバー26の極性は上述の通り陰極(−)である。このように、太陽電池モジュール2の下縁部とフレーム枠4との段差部分に貯留されがちな雨水に近接する極性が陰極(−)となっている。一方、最上部に位置する光電変換セル18の上隣には集電セル27が配置され、その裏面側に集電用バスバー28が設けられている。この集電用バスバー28の極性は陽極(+)である。
太陽電池モジュール2の受光面で、付着した泥砂や塵埃等の異物が雨水に洗い流され、下側フレーム枠4との段差部分にせき止められて堆積した堆積物や、フレーム枠4自体により太陽光が入射しない影の領域が生じて、最下部の光電変換セルの受光量が低下する。この太陽光が入射しない影の領域の評価にあたり、北緯35度の国内の代表的な地点において、太陽電池パネル1の傾斜角度θを4寸(21.8度)で設置した場合の、年間発電量への影響が少なくなる太陽高度が低い条件として、冬至における9:00もしくは15:00の太陽高度を選定した。すなわち太陽高度が18度での影部分のセルへの影響を検討し、本実施形態においては、最下部に位置する光電変換セル18への影による領域が6mmとなった。
陰極側の集電セル25の幅は、最下部に位置する光電変換セル18の幅よりもΔLだけ大きく設定されている。例えば、従来では集電セル25の幅が8mm、各光電変換セル18の幅が10mmであったとすると、本実施形態では、集電セル25の幅を8mm+ΔLとし、ΔLを上記の影による領域である6mmとして、最下部に位置する光電変換セル18への影の影響を防止することが出来る。即ち、陰極(−)側の集電セル25の幅は14mmとなっている。
そして、この寸法増大分6mmを、各光電変換セル18の総数、即ち100で割り、その値0.06mmを各光電変換セル18の幅から減じている。よって、各光電変換セル18の幅が初期には10mmであったとすると、新しい各光電変換セル18の幅は9.94mmに設定されている。このため、100段の光電変換セル18と、1段の集電セル25とを足した高さは従来と変わらない寸法であり、太陽電池モジュール2(透光性基板14)の全体寸法およびフレーム枠4の寸法に変更はなく、また出力電圧の変化もない。
ここで、陰極(−)側の集電セル25は幅が増加することで集電抵抗を減少することができるので、好ましい。また、太陽電池モジュール12の裏面側(受光面とは反対側)の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シート11を配置し、接着充填材シート11の外側に、防水効果の高いバックシート12を設置し、太陽電池モジュール12の周囲にはシリコンシーラント系やブチルゴム系のシール部材10を設置することで、太陽電池モジュール12内部への水分の浸入を防止する構造としている。
以上のように構成された太陽電池パネル1において、その発電時には、前述のように金属製のフレーム枠4がアース接地されて対地電圧が0Vとなっており、太陽電池モジュール2の表面(透光性基板14の受光面側)の対地電圧も約0Vとなっている。一方、陽極(+)側の集電用バスバー28が設けられた太陽電池モジュール2の上端側の裏面側(受光面とは反対側)では、対地電圧が太陽電池モジュール2の発電電圧そのものとなるので、透光性基板14を形成しているガラス材料には、パネル裏面側(受光面とは反対側)から表面側(受光面側)へと大きな電界が発生する。この電界の大きさは、パネル下方に向って光電変換セル18の集積段数が減るに従い、徐々に小さくなり、パネル下端部付近で非常に小さくなる。このため、透光性基板14を形成しているガラス材料において、パネル裏面側から表面側へと発生した電界の大きさに対応して、ガラス材料内のナトリウムイオンNaがガラス内部を拡散移動して、電界の大きな領域ではナトリウムイオンNaがガラス表面に析出しやすくなる。
ここで、陽極(+)側の集電用バスバー28は、水分が残留しにくい太陽電池モジュール2の上端側に配置されているため、この陽極側において、上述のように透光性基板14を形成しているガラス材料にパネル裏面側から表面側へと大きな電界が発生し、ガラス材料内のナトリウムイオンNaがガラス表面に析出しても、このナトリウムイオンNaが水分および大気中のCOに反応して炭酸塩(NaHCO)を形成して透光性基板14に白い曇りを発生させる懸念が少ない。
一方、水分が残留しやすい太陽電池モジュール2の下端側には陰極(−)側の集電用バスバー26が配置され、この陰極側では透光性基板14を形成しているガラス材料にパネル裏面側から表面側への電界が発生しないか、もしくは発生しても小さいため、ガラス材料内のナトリウムイオンNaがガラス表面に析出しにくく、この付近に水分が残留していても、ナトリウムイオンNaと水分と大気中のCOとが反応して炭酸塩(NaHCO)を次々に形成してしまう虞がない。また、同様にガラス材料内のナトリウムイオンNaが表面側に析出することにより、ガラス表面で水分と反応してNaOHが次々に形成され、ガラス表面が溶解さて凹凸状になって白く曇ることも抑制される。
このため、太陽電池モジュール2の全面に亘り、ガラス表面から析出するナトリウムイオンNaが大気中のCOに反応して炭酸塩を生成したり、同じく析出したナトリウムイオンNaがガラス表面で水分と反応してNaOHを形成し、ガラス表面を溶解して凹凸状にしたりすることによる白い曇りが透光性基板14の光透過性を低下させることを防止あるいは抑制することができる。したがって、本実施形態のように、各光電変換セル18が、その長手方向が横方向に沿うように配列された横置き型の太陽電池パネル1においては、上述の白い曇りによって最下部の光電変換セル18の受光量が低下してしまう懸念を効果的に排除することができる。
ここで、1個もしくは複数の太陽電池パネル1の出力は図示しない接続箱を経由して図示しないパワーコンディショナへと接続されて外部負荷回路へと出力されるが、太陽電池パネル1のマイナス側の電位は、パワーコンディショナ接続部などで接地されることが好ましい。これにより、太陽電池モジュール2の陰極(−)側の出力は、約0V〜−数V(配線ケーブルの抵抗損出分相当の電圧が低下)となる。従い、陰極(−)側の集電用バスバー26が設けられている太陽電池モジュール2の下端側の透光性基板14の表面と裏面もともに対地電圧も約0Vとなっているので、ガラス材料内のナトリウムイオンNaがガラス表面側にも裏面側にも析出しにくく、上述のガラス表面の白い曇りの抑制に加え、光電変換セル18へのナトリウムイオンNaが拡散することによる性能影響を抑制できるので、さらに好ましい。光電変換セル18へのナトリウムイオンNaが拡散することによる性能影響としては、特に太陽電池モジュール2の周囲付近で水分に曝される頻度が高い場合などに、シール部材10を浸透し内部へと浸入した水分の影響で、透明電極層15や光電変換層16が変質することが知られており、太陽電池パネル1のマイナス側の電位は、パワーコンディショナ接続部などで接地されることは、有効な手段になる。
また、本実施形態の太陽電池パネル1は、複数の光電変換セル18のうち、最下部に位置する光電変換セル18の下隣に、集電用バスバー26を付設された集電セル25を配置し、この集電セル25の幅を、最下部に位置する光電変換セル18の幅よりも大きくしたため、傾斜して設置された太陽電池モジュール2の最下部に配置された光電変換セル18の高さ位置を上昇(水平面に対し上側へと移動)させることができる。これにより、パネル受光面に付着した異物や水分が下方に流れてフレーム枠4との段差部分にせき止められて形成された堆積物や、太陽の高度が低い時間帯におけるフレーム枠4自体の影によって最下部の光電変換セル18の受光量が低下することを防止あるいは抑制し、最下部の光電変換セル18の受光性を良好に確保することができる。なお、最下部の光電変換セル18の高さ位置が上昇した分は、集電セル25の幅が光電変換セル18の幅よりも大きくされたことによって集電抵抗を減少するなど有効に利用され、無駄な面積にはならない。太陽電池モジュール2全体の面積は、集電セル25の幅が数ミリ増加する分だけ減少するが、その損失分は僅かである。
さらに、本実施形態の太陽電池パネル1は、集電セル25の幅寸法から光電変換セル18の幅寸法を差し引いた寸法増大分を光電変換セル18の総数で割り、この値を各光電変換セル18の幅から減じたため、集電セル25の幅が増大した分が、多数の光電変換セル18の幅を僅かに減じたことによって吸収される。このため、太陽電池パネル1の出力電圧は変わらず、また、光電変換層の無い領域を追加するわけでないので、外観性が劣化することがない。また、光電変換セル18の幅を減少させる方法は、光電変換セル18の形成時におけるレーザエッチングの幅を若干ずらすだけでよいため、生産性が低下することもなく、従来と同コストで生産することができる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態に係る太陽電池パネルの詳細構成を示す縦断面図である。この太陽電池パネル31において、第1実施形態に示す太陽電池パネル1と異なるのは、太陽電池モジュール2の最下部付近における光電変換セル18と陰極側の集電セル25の位置関係のみであり、他の部分は同様な構成であるため、これらの部分には同符号を付して説明を省略する。
ここでは、複数設けられた光電変換セル18のうち、最下部に位置する光電変換セル18aの上隣に、発電機能を有さず、裏面側に集電用バスバー26が設けられた集電セル25が配置されている。この場合、光電変換セル18aからは電力を取り出せなくなり、光電変換セル18aは発電機能を発揮しないダミーセルとなる。そして、陰極側の集電セル25の下面と、その上隣に位置する光電変換セル18bの下面に積層されている裏面電極層17に連通部Aが形成されているため、光電変換セル18bの裏面電極層17より陰極側の集電セル25(集電用バスバー26)へとマイナス電力が供給されて取り出すことができ、光電変換セル18bが実質的に最下部の光電変換セルとなる。
上記構成によれば、第1の実施形態では集電セルであった部分に位置する最下部の光電変換セル18aはダミーセルとなるが、集電セル25を挟んでその上に配置された実質的に最下部となる光電変換セル18bの高さ位置をより高くすることができるため、この光電変換セル18bの受光性を、第1実施形態に示す太陽電池パネル1における最下部の光電変換セル18よりも向上させることができる。即ち、パネル受光面に付着した異物や水分が下方に流れてフレーム枠4との段差部分にせき止められて形成される堆積物が多い場合や、太陽の高度位置がより低い時間帯におけるフレーム枠4自体の影に対して、実質的に光電変換セル18bを太陽光に完全に露呈させて、良好な発電量を得ることができる。したがって、堆積物や降雪が多い地域においても、発電性能の低下を防止することができる。
また、第1実施形態のように集電セル25のサイズを変更することなく、最下部の1セルをダミー化するという簡易な設計変更で済むので、太陽電池パネル1の出力電圧は若干量が低下するものの、生産ラインにおける切り替え作業が容易であり、製造コストが上昇しない。なお、太陽電池モジュール2の有効面積が1セル分無駄になるが、実質的に最下部となる光電変換セル18bの年間平均発電量を高めることができることと、生産性を高めることができるという効果の方が上回る。
〔第3実施形態〕
図5は、本発明の第3実施形態に係る太陽電池パネルの詳細構成を示す縦断面図である。この太陽電池パネル41では、太陽電池モジュール2の下側面(受光面とは反対側)に配列された複数の光電変換セル18のうち、最下部に位置する光電変換セル18cからは電力を採り出さずにダミーセルとしており、この点は第2実施形態に示す太陽電池パネル31と同様であるが、その上隣、即ち最下部から2番目に位置する光電変換セル18dの裏面電極層17に直接に集電用バスバー26を設け、光電変換セル18dの下側面と、その上隣の光電変換セル18eの下側面に積層されている裏面電極層17に寸断部Bを形成して光電変換セル18dからマイナス電力を取り出し、光電変換セル18を集電セルとしても兼用している。
ここで、光電変換セル18cは、第1実施形態において陰極側の集電セル25の幅をΔL=6mm分だけ幅を広くしたように、この第3実施形態でも同様に最下部に位置する光電変換セル18cの幅を6mm分増加して、最下部に位置する光電変換セル18dへの影の影響を防止することが好ましい。
上記構成によれば、最下部の光電変換セル18cがダミーセルとなって発電に寄与しなくなるものの、最下部の光電変換セル18cは透光性基板14から拡散などで漏れ入射した光で起電力を維持しているので、透光性ガラス14のパネル裏面側(受光面とは反対側)から表面側(受光面側)へと発生する電界を小さく維持することができる。このため、ガラス表面から析出するナトリウムイオンNaが大気中のCOに反応して炭酸塩を生成させたり、析出したナトリウムイオンNaがガラス表面で水分と反応してNaOHを形成し、ガラス表面を溶解して凹凸状にしたりすることにより発生する白い曇りが透光性基板14の光透過性を低下させることを、さらに防止あるいは抑制することができる。
また、光電変換セル18cの上隣に配置された光電変換セル18dは、実質的に最下部の光電変換セルとなりながらも、その位置を高められて、フレーム枠4や異物の影に影響されることなく良好な発電を行いつつ、従来の集電セルとしても機能する。このため、太陽電池モジュール2の発電電圧は従来と変わらず、有効面積の減少も最小限に抑えられ、発電量の変化が少ないという効果がある。
〔第4実施形態〕
図6は、本発明の第4実施形態に係る太陽電池パネルの概略構成を示す縦断面図である。本実施形態の太陽電池パネル51では、太陽電池モジュール2の下部領域において、即ち、少なくとも最下部の光電変換セル18に対向する位置で、最下部に位置する光電変換セル18より広い幅で屈折率向上手段Fが設けられている点以外は、図1に示す第1実施形態の太陽電池パネル1と同様な構成であるため、各部に同一の符号を付して説明を省略する。
屈折率向上手段Fとしては、太陽電池モジュール2に太陽光が入射する時の屈折率を、透光性基板14を形成しているガラス材料が持つ屈折率(一般には1.5程度)よりも高められる物質であればよく、例えば透光性基板14の表面、または最下部の光電変換セル18eの表面等に、酸化チタン(TiO)等の屈折率の高い膜を形成したものが例示できるが、回折格子のように高屈折角を得られるよう溝を刻んだシートを貼着したり、屈折性の高いプリズム状の棒材を設置する等してもよい。要は、屈折率がガラス材料の1.5よりも十分に大きく、好ましくは2.5以上となるような物質を、少なくとも太陽電池モジュール2の最下部に位置する光電変換セル18に対してフレーム枠4や異物の影に影響される領域に設置すればよい。
これにより、図6中に示すように、太陽電池モジュール2の表面に直角な線Vに対して角度αの入射角で太陽光が入射した場合、屈折率向上手段Fを設けない場合は、透光性基板14の屈折率(ガラス材料では約1.5)により太陽光が屈折角β1で屈折するのに対して、屈折率向上手段Fを設けた場合には、屈折角β1よりも小さな屈折角β2で屈折し、より急角度で最下部の光電変換セル18eに照射される。これにより、先述したような、パネル受光面に付着した異物がフレーム枠4との段差部分にせき止められて形成される堆積物およびフレーム枠4自体によって最下部の光電変換セル18eに及ぼされる影の領域を約50%以上減少させることができ、光電変換セル18e、ひいては太陽電池モジュール2全体の発電量の低下を抑制できる。
したがって、最下部の光電変換セル18aの高さ位置を高めるべく集電セルの幅を大きくしたり、ダミーセルを配置したりする場合には、その増加する幅を約半分以下に少なくすることができる。また太陽高度が低い冬至など特別な期間のみの若干の発電量低下を許容すれば、集電セルの幅を大きくしたり、ダミーセルを配置したりして光電変換パネルの有効面積を低減させることなく、年間平均発電量の低下を抑制できることと、生産工程をほとんど変えないために生産性を高く維持できるという効果がある。
1 太陽電池パネル(光電変換パネル)
2 太陽電池モジュール(光電変換モジュール)
4 フレーム枠
14 透光性基板
18 光電変換セル
18a 最下部に位置する光電変換セル
25 集電セル
26 集電用バスバー
F 屈折率向上手段
ΔL 集電セルの幅寸法からの寸法増大分
− 陰極
+ 陽極

Claims (6)

  1. 透光性基板に、細長い帯状に形成された複数の光電変換セルが面方向に配列され、これらの光電変換セルの少なくとも一部が電気的に直列に接続されて、その配列方向の一端に陰極、他端に陽極が設けられた光電変換モジュールと、
    前記光電変換モジュールの周囲を囲み、該光電変換モジュールを傾斜した状態で支持するフレーム枠と、を備え、
    前記光電変換モジュールが前記フレーム枠に実装された状態において、前記複数の光電変換セルは、その各々の両端部の高さが等しくなるように、かつその各々の長辺同士が互いに平行するように、前記透光性基板の受光面と反対側の面に横長かつ縦並びに配列され、その配列方向の上側に前記陽極が配置されたことを特徴とする光電変換パネル。
  2. 前記複数の光電変換セルのうち、最下部に位置する光電変換セルの下隣に、前記各光電変換セルの電力取り出し部であって発電機能を有さず、裏面側に集電用バスバーが設けられた集電セルを配置し、この集電セルの幅を、最下部に位置する光電変換セルの幅よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の光電変換パネル。
  3. 前記集電セルの幅寸法から前記光電変換セルの幅寸法を差し引いた寸法増大分を前記光電変換セルの総数で割り、この値を各光電変換セルの幅から減じたことを特徴とする請求項2に記載の光電変換パネル。
  4. 前記複数の光電変換セルのうち、最下部に位置する光電変換セルの上隣に、発電機能を有さず、裏面側に集電用バスバーが設けられた集電セルを配置したことを特徴とする請求項1に記載の光電変換パネル。
  5. 前記複数の光電変換セルのうち、最下部から2番目に位置する光電変換セルの裏面側に集電用バスバーを設け、この集電用バスバーを設けた光電変換セルを発電セルおよび集電セルとして兼用したことを特徴とする請求項1に記載の光電変換パネル。
  6. 前記透光性基板の下端部付近および前記複数の光電変換セルのうちの最下部の光電変換セルの少なくとも一方に対向する位置で、少なくとも最下部に位置する光電変換セルより広い幅で、入射光の屈折率を、前記透光性基板自体の入射光屈折率よりも高める屈折率向上手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の光電変換パネル。
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