JP2011242262A - レインセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】散水制御用電気機器に対して、散水対象植物にとって必要十分な散水量となるような散水制御を行うことを可能にするレインセンサーの提供。
【解決手段】湿式伸縮部材50の支持棒52の上端をキャップ部60に着脱自在に連結し、キャップ部60を本体10,20,30の上端の開口に装着することで、湿式伸縮部材50の基部51をマイクロスイッチ40の上端に載置してピン押ボタン42に当接させると共に、吸水シート54を本体の内部空間の上部に配設する。降雨時には、吸水シート54が軸方向に吸水膨張して基部51を下方に付勢し、基部51がマイクロスイッチ40のピン押ボタン42を押圧駆動するようにする。一方、非降雨時には、吸水シート54が軸方向に乾燥収縮して基部51に対する下方への付勢力を解除し、基部51によるマイクロスイッチ40のピン押ボタン42の押圧駆動を解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、降雨を検知するレインセンサーに関し、特に、屋外の任意の場所に配設されると共に、家屋の庭園等に設置された散水栓の散水制御用電気機器等の電気機器に電気的に接続され、降雨を検知すると電気機器に検知信号を出力して当該電気機器の動作を制御するためのレインセンサーに関する。
従来、水分を検知して所定の動作を行う発明として、例えば、特許文献1に記載の発明がある。特許文献1には、水分検知スイッチが開示されている。この水分検知スイッチは、雨滴、水滴等の水分の付着時における応答速度(形状変化)を速めて電気接点の開閉を瞬時に行うことを目的とし、親水性ポリマーの吸水膨潤による形状変化を利用して電気接点を開閉させることにより水分を検知している。具体的には、水分検知スイッチは、断面凹形状のくぼみ部が形成されてなる板状体と、該くぼみ部の形状変化に連動して開閉動作する電気接点とを備え、くぼみ部をポリマーで構成すると共に、少なくとも該くぼみ部の表面を親水性ポリマーで構成している。この水分検知スイッチは、上記のような簡単な構成とすることにより、低コストで実現可能な水分検知スイッチとなる、とのことである。
特開平07−014480号公報
特許文献1に記載の水分検知スイッチは、降雨、降雪により開閉する窓や屋根、結露によって発生する水滴を検知して動作する各種のヒータ、各種電気機器に付設される警報機などと好適に連動させて使用することができる、とのことであるが、電気機器として、散水栓の吐水口に接続されて吐水口からの吐水制御(通水及び止水制御)を行うための散水タイマー等の散水制御用電気機器については、適用できるか否か不明である。ここで、散水タイマー等の散水制御用電気機器は、屋外の庭園に常設されて風雨に曝されるが、かかる散水制御用電気機器に接続してその電気制御(オン・オフ等)を行うための水分センサーや水分検知スイッチについても、散水制御用電気機器の周辺や近傍に配置されるため、同様に、屋外の庭園に常設されて風雨に曝されることになる。特に、散水栓からの散水は、散水対象である植物(花壇の草木や花卉、庭園の樹木等、以下、「散水対象植物」という。)の根が張る位置(以下、「植栽位置」という。)の地面及び地中に、必要十分量の水分、即ち、散水対象植物の生育に必要な量であって、(生育を妨げるような)過剰でない量の水分が含浸されるよう、その散水タイミング及び散水量を制御する必要がある。したがって、散水制御用電気機器に接続してそのオン・オフ等を制御するための水分センサー等についても、散水対象植物のできるだけ近傍の地面に降り注ぐ雨滴等の水分を検知して、その検知結果を散水制御用電気機器に出力することが好ましい。こうすると、散水制御用電気機器が、水分センサーからの検出結果に基づき、実際の散水対象植物の根の付近の地面に対して、必要かつ十分な量の水分量となるよう、散水栓の散水制御を行うことができ、散水対象植物の生育にとって最適な状態での散水を行うよう制御することができる。
そこで、本発明は、実際の散水対象植物の根の近傍位置の地面等の雨滴検出に最適な位置(以下、「最適検出位置」という。)に設置自在な構成とされて、降雨時には散水対象植物の根の近傍位置等の最適検出位置における実際の降雨量に基づいて雨滴検出信号(オン・オフ動作用の信号)を出力することにより、特に、散水制御用電気機器に対して、散水対象植物にとって必要十分な散水量となるような散水制御を行うことを可能にするレインセンサーの提供を課題とする。
請求項1に係るレインセンサーは、本体と、支柱と、キャップ部と、マイクロスイッチと、湿式伸縮部材とを備える。本体は、互いに接合離脱自在な第1カバー部及び第2カバー部と、接合状態の第1カバー部及び第2カバー部の下端に着脱自在に接合されて当該下端を閉塞するベース部とから構成される3分割構造を有し、前記ベース部により下端を閉塞すると共に、前記接合状態の第1カバー部及び第2カバー部の上端を開口し、かつ、前記第1カバー部と第2カバー部との間に内部空間を形成する。支柱は、前記本体のベース部に連結されて前記ベース部から下方に延びる軸状をなし、土中に挿脱自在である。キャップ部は、前記本体の第1カバー部及び第2カバー部の上端の開口に着脱自在に挿着されると共に、頂壁部に花弁形状の連通孔を貫通形成している。マイクロスイッチは、前記本体の内部空間の下部に位置ずれ不能に配設されると共に、上端にピン押ボタンを配置している。湿式伸縮部材は、前記本体の内部空間の上部に配設されると共に、基部と、前記基部から上方に延びる支持棒と、前記支持棒に嵌挿される所定の複数枚数の吸水シートとを有する。そして、前記湿式伸縮部材の支持棒の上端を(例えば、上端に一体形成した大径の止め部を介して)前記キャップ部に着脱自在に連結し、前記キャップ部を前記本体の上端の開口に装着することで、前記湿式伸縮部材の基部を前記マイクロスイッチの上端に載置して前記ピン押ボタンに当接させると共に、前記支持棒に嵌挿した吸水シートを前記本体の内部空間の上部に配設し、降雨時には、雨滴が前記キャップ部の連通孔から前記本体内部に進入して前記吸水シートに含浸されることで、前記吸水シートが軸方向に吸水膨張して前記基部を下方に付勢し、当該基部が前記マイクロスイッチのピン押ボタンを押圧駆動する(そして、例えば、前記マイクロスイッチから所定の第1の指令信号を出力する)ようにし、一方、非降雨時には、前記吸水シートに含浸された水分が前記キャップ部の連通孔から本体外部に放出されることで、前記吸水シートが軸方向に乾燥収縮して前記基部に対する下方への付勢力を解除し、前記基部による前記マイクロスイッチのピン押ボタンの押圧駆動を解除するようにしている。
請求項2に係るレインセンサーは、請求項1の構成において、更に、前記湿式伸縮部材は、前記支持棒に嵌挿されて最上部の前記吸水シートを覆うネットを有し、前記キャップ部の連通孔は、前記ネットの外周部の一部に当接する凹凸部を有すると共に、当該凹凸部以外の全面を開口としている。
請求項3に係るレインセンサーは、請求項1または2の構成において、更に、前記本体における前記内部空間の上部と下部との間に、前記湿式伸縮部材の下方に対向するよう複数の連通孔を有するスリット部を配置し、前記スリット部により前記本体の内部の水分を下方に排出すると共に、前記湿式伸縮部材の吸水シートに対する下方からの通気を行う。
請求項4に係るレインセンサーは、請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記第1カバー部及び第2カバー部の一方の内側面には、当該内側面から直交して突出する一対の支持ピンを設け、前記第1カバー部及び第2カバー部の他方の内側面には、前記一対の支持ピンの先端部を密嵌保持する一対の支持孔を設け、前記マイクロスイッチのハウジングには、前記一対の支持ピンを挿通自在な一対の挿通孔を設け、前記マイクロスイッチの一対の挿通孔に前記一対の支持ピンを挿通し、前記第1カバー部及び第2カバー部の対向する内側面間に前記マイクロスイッチを挟持すると共に、前記一対の支持ピンの先端部を前記一対の支持孔に密嵌保持することで、前記マイクロスイッチを前記本体内の定位置に移動不能に配設した。
請求項1に係るレインセンサーは、上記構成により、実際の散水対象植物の根の近傍位置の地面等の雨滴検出に最適な位置(以下、「最適検出位置」という。)に設置自在な構成とされて、降雨時には散水対象植物の根の近傍位置等の最適検出位置における実際の降雨量に基づいて雨滴検出信号(オン・オフ動作用の信号)を出力することにより、特に、散水制御用電気機器に対して、散水対象植物にとって必要十分な散水量となるような散水制御を行うことを可能にする。例えば、レインセンサーは、降雨開始時には、最適検出位置での降雨量に基づいて、降雨開始後の最適なタイミングでオン信号(散水制御用電気機器が動作停止するための動作停止指令信号)を出力し、降雨停止時には、最適検出位置での降雨量に基づいて、最適検出位置での地面付近の乾燥状態に対応したタイミングで指令解除(散水制御用電気機器の動作停止解除)を行うことができ、また、そのための構成として、検出精度が高く、かつ、誤動作の少ない検出構成を提供することができる。
請求項2に係るレインセンサーは、請求項1の効果に加え、散水対象の近傍の所望位置に設置できることと相まって、降雨開始時には、設置場所の降雨量に応じた雨滴がキャップ部の連通孔から内部に進入し、当該降雨量に応じた量の水分で吸水シートを含水膨張させることができ、降雨時の雨量の検出精度を向上して、動作停止指令信号を最適なタイミングで出力することができる。
請求項3に係るレインセンサーは、請求項1または2の効果に加え、降雨時及び降雨停止時のいずれにおいても、前記スリット部により前記本体の内部の水分を下方に排出して、過剰な水分が本体内部に滞留するのを防止することができる。特に、降雨停止時には、前記スリット部により前記本体内部の水分を前記吸水シートの下方から円滑かつ迅速に排出すると共に、前記ネットによって吸水シートの上方からの通気を行う一方で前記スリット部によって吸水シートの下方からの通気を行い、吸水シートの上下両側からの通気を促進して(即ち、気候条件に応じて、上方から下方へ流れる空気流、または、下方から上方に流れる空気流を促進して)、設置場所の乾燥状態に応じて吸水シートを早期に乾燥することができ、降雨停止時の検出精度も向上して、解除指令信号を最適なタイミングで出力することができる。
請求項4に係るレインセンサーは、請求項1乃至3のいずれかの効果に加え、マイクロスイッチが本体の内部空間内で位置ずれすることがなく、位置ずれに起因するマイクロスイッチの誤動作等の不具合を確実に防止することができる。
図1は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーの全体構成を示す斜視図である。 図2は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーの部品構成を示す分解斜視図である。 図3は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーの外観を示す正面図である。 図4は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーの外観を示す背面図である。 図5は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーの外観を示す右側面図である。 図6は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーの外観を示す左側面図である。 図7は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーを示し、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は図3のA−A線断面図である。 図8は図6のB−B線断面図である。 図9は図3のC−C線断面図である。 図10は本発明の一実施の形態に係るレインセンサーを制御対象としての散水タイマーに接続する態様を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
[全体構成]
本実施の形態に係るレインセンサーは、図1に示すように、本体10,20,30の内部空間に、マイクロスイッチ40及び湿式伸縮部材50を収容し、本体10,20,30の上端の開口をキャップ部60により覆うと共に、本体10,20,30の下端に支柱70を設けた全体構成である。詳細には、図2に示すように、本体は、第1カバー部10、第2カバー部20及びベース部30の3部品から構成される3ピース構造(3分割構造)となっている。
[第1カバー部10]
第1カバー部10は、所定幅(所定の左右寸法)で所定高さの矩形平板状をなす側板部11の上端に所定直径の半円筒状をなす大径円筒部12を一体形成し、大径円筒部12の上端に大径円筒部12より小径の小径円筒状をなす小径円筒部13を一体形成している。大径円筒部12及び小径円筒部13は同心状(同軸状)に配置されている。大径円筒部12の下端部を構成する底壁は、大径円筒部12の中心に向かって延びる孔空き半円盤状のスリット部14となっている。スリット部14には、その外形である半円盤形状の直径となる内端縁の直線部分から半円状の外周縁に向かって直線的に延びる短冊状または長孔状の複数の連通孔14aが厚さ方向に貫通形成されている。前記側板部11、大径円筒部12及び小径円筒部13は、同軸状に配置されて段付き(側板部11と大径円筒部12との間の段差及び大径円筒部12と小径円筒部13との間の段差の合計2段の段付き)の一体構造を有し、その幅方向の一側(図4の背面視で右側)には、側板部11から大径円筒部12にわたる範囲に、内部を肉抜きした厚肉状の側縁部15が一体形成されている。なお、側板部11の厚さ方向(前後方向)の外側面は、平坦面とされるとともに、幅方向(左右方向)両側面は、前記大径円筒部13の湾曲率と同一の湾曲率で湾曲する湾曲面となっている。
一方、側板部11の他側には、高さ方向(上下方向)の略中央部に、係合片16が一体形成されている。係合片16は、平板的な矩形リング状をなし、その内部に矩形状の係合孔16aを貫通形成している。また、係合片16は、基端部(係合孔16aより基端側の部分)が側板部11の他側面(図4の背面視で左側面)に接合固定されると共に、中央部(係合孔16a部分)及び先端部(係合孔16aより先端側の部分)が側板部11の内端縁から内方(第2カバー部20に向かう方向)に所定長で突出している。また、係合片16の突出方向の先端部の内側面側には、案内凹部16bが、係合片の基端側または前記係合孔16aに向かって延びる傾斜面状となるように形成されている。更に、小径円筒部13の上端部の外周面の中央部には、楕円柱状の係止突起17が一体形成されている。係止突起17は、小径円筒部13の周方向に延びる楕円形の柱状物であり、小径円筒部13の外周面から、所定の突出長(小径円筒部13から外方に張り出す大径円筒部12の上側面部分の張り出し長の範囲内の突出長)で、小径円筒部13の放射方向の外方へと直線的に突出している。
また、前記側板部11の内側面11aは、上下左右方向に延びる平坦面となっており、内側面11aには、左右一対の支持ピン18が一体形成されている。支持ピン18は、それぞれ、側板部11の内側面の高さ方向中央位置に配置されると共に、左右方向に所定間隔をおいて配置され、内側面11aと直交して手前側(第2カバー部20に向かう方向)に所定の突出長で直線的に延びる小径円柱状乃至小径の直線棒状をなしている。更に、前記側縁部15の内側面には、上下一対の嵌合ピン19が一体形成されている。嵌合ピン19は、それぞれ、側縁部15の内側面の左右方向中央位置に配置されると共に、高さ方向に所定間隔をおいて配置され、側縁部15の内側面と直交して内方(第2カバー部20に向かう方向)に所定の突出長で直線的に延びる小径円柱状乃至小径の直線棒状をなしている。なお、嵌合ピン19の突出長は支持ピン18の突出長より短く設定されている。
第1カバー部10の側板部11の内側面11aの下端部には、内側面11aの幅方向全体に延びる嵌合溝11bが形成されている。嵌合溝11bは、所定幅で延びる直線帯状の溝状をなし、側板部11の内側面11aにおいて嵌合溝11bより下側の部分は、当該嵌合溝11bとの関係で(嵌合溝11bが凹部状となることにより)突部状とされて嵌合突部11cを構成している。即ち、嵌合突部11cは、側板部11の内側面11aの幅方向全体に延びる所定幅の帯板状をなしている。また、図4及び図7に示すように、側板部11の下端の幅方向一側(図4の左端側、図7(a)の右端側)には、小直方体突起状の嵌合突起11dが下方に突出するよう一体形成されている。
[第2カバー部20]
第2カバー部20は、第1カバー部10とほぼ対称的な構成となっている。即ち、第2カバー部20は、第1カバー部10と同一幅で同一高さの矩形平板状をなす側板部21の上端に、前記大径円筒部12と同一直径の半円筒状をなす大径円筒部22を一体形成し、大径円筒部22の上端に、大径円筒部22より小径で前記小径円筒部13と同一直径の小径円筒状をなす小径円筒部23を一体形成している。大径円筒部22及び小径円筒部23は、同心状(同軸状)に配置されている。大径円筒部22の下端部を構成する底壁は、図7に示すように、前記大径円筒部12のスリット部14とほぼ対称の構成(形状、寸法及び配置態様等)のスリット部24となっている。即ち、スリット部24は、大径円筒部22の中心に向かって延びる孔空き半円盤状をなし、その外径である半円盤形状の直径となる内端縁の直線部分から半円状の外周縁に向かって直線的に延びる短冊状または長孔状の複数の連通孔24aが厚さ方向に貫通形成されている。また、図7(c)に示すように、側板部21の幅方向の一側(図3の平面視で左側)には、側板部21から大径円筒部22にわたる範囲に、内部を肉抜きした厚肉状の側縁部25が一体形成されている。前記側板部21、大径円筒部22及び小径円筒部23は、同軸状に配置されて段付き(側板部21と大径円筒部22との間の段差及び大径円筒部22と小径円筒部23との間の段差の合計2段の段付き)の一体構造を有している。なお、側板部21の厚さ方向の外側面は、平坦面とされるとともに、幅方向両側面は、前記大径円筒部23の湾曲率と同一の湾曲率で湾曲する湾曲面となっている。
図9に示すように、第2カバー部20の側板部21の内側面は、側板部11の内側面11aと同様の上下左右方向に延びる平坦面となっており、側板部21の内側面の下端部には、内側面の幅方向全体に延びる嵌合溝21bが形成されている。嵌合溝21bは、第1カバー部10の嵌合溝11と同一の所定幅及び同一長さで延びる直線帯状の溝状をなし、側板部21の内側面において嵌合溝21bより下側の部分は、当該嵌合溝21bとの関係で(嵌合溝21bが凹部状となることにより)突部状とされて嵌合突部21cを構成している。即ち、嵌合突部21cは、第1カバー部10の嵌合突部11cと同一の幅及び長さで側板部21の内側面の幅方向全体に延びる帯板状をなしている。このように、第1カバー部10の側板部11、大径円筒部12、小径円筒部13、スリット部14及び側縁部15と、第2カバー部20の側板部21、大径円筒部22、小径円筒部23、スリット部24及び側縁部25とは、それらの接合端面を挟んで互いに対称形状となっている。
一方、側板部21の他側(図3の平面視で右側)には、高さ方向の略中央部に、係止爪26が一体形成されている。係止爪26は、前記係合片16の係合孔16aに対応する矩形突起状をなし、嵌合して係止自在となっている。即ち、係止爪26は、(側板部11の他側面と対応する)側板部21の他側面において前記係合片16の係合孔16aと一致する高さ位置に配置され、側板部21の他側面の内端縁から外方(第1カバー部10から離間する方向)に前記係合孔16aに対応する寸法で延設されている。また、係止爪26は、基端面(側板部21の内端縁から離間する側の面)を側板部21の他側面から直交して突出する直交面とすると共に、当該直交面から先端(側板部21の内端縁側)まで厚みを漸減してテーパー状または傾斜状の案内面を形成している。更に、小径円筒部23の上端部の外周面の中央部には、楕円柱状の係止突起27が一体形成されている。係止突起27は、前記小径円筒部13の係止突起17と同一高さ位置で小径円筒部23の周方向に延びる楕円形の柱状物であり、小径円筒部23の外周面から、所定の突出長(前記係止突起17と同一突出長)で、小径円筒部23の放射方向の外方へと直線的に突出している。
また、側板部21の内側面には、側板部11の一対の支持ピン18と同一の位置(同一高さ位置で同一左右位置)に、それぞれ、支持ピン18の先端部を密嵌保持自在な円形小孔状の支持孔(図示略)が形成されている。更に、第2カバー20の側縁部25の内側面には、第1カバー10の側縁部15の一対の嵌合ピン19と同一の位置(同一高さ位置で同一左右位置)に、それぞれ、嵌合ピン19の全長を密嵌保持自在な円形小孔状の嵌合孔(図示略)が一体形成されている。
そして、図3〜図7に示すように、第1カバー部10及び第2カバー部20を接合して一体化したとき、第1カバー部10の接合端面(側板部11の幅方向一側の内端面、大径円筒部12の幅方向一側の内端面、小径円筒部13の幅方向両側の内端面及び側縁部15の内端面)と第2カバー部20の内側面(側板部21の幅方向一側の内端面、大径円筒部22の幅方向一側の内端面、小径円筒部23の幅方向両側の内端面及び側縁部の内端面)とが互いに密接すると共に、第1カバー部10の嵌合ピン19の全体が、第2カバー部20の嵌合孔に密嵌して保持され、同時に、第1カバー部10の支持ピン18の先端部が第2カバー部20の支持孔に密嵌して保持されることにより、第1カバー部10と第2カバー部20をと互いに一体的に(接着材等の他の接合手段によらずに)接合自在となっている。このとき、図8〜図9に示すように、第1カバー部10の内側面と第2カバー部20の内側面との間には所定の内部空間が形成される。即ち、側板部11の内側面11aと側板部21の内側面との間には、直方体状の中空空間が形成され、また、大径円筒部12及び小径円筒部13の各内周面(段付きの内周面)と大径円筒部22及び小径円筒部23の各内周面(段付きの内周面)との間には、段付き円柱状の中空空間が形成される。なお、前記直方体状の中空空間と段付き円柱状の中空空間とは、同軸状に配置されて連通する一体的な中空空間を構成する。また、このとき、第1カバー部10及び第2カバー部20の下端には、第1カバー部10及び第2カバー部20の内側面の下端縁により、幅方向に延びる長方形状の開口が形成される。
ここで、第1カバー部10及び第2カバー部20を接合して一体化したとき、側板部11及び側板部21が接合して一体的に中空の直方体(矩形筒状体)を構成するが、このとき、係止爪26の傾斜状の案内面が係止片16の係合凹部16bに当接して係合孔16aへの嵌合を案内され、最終的に、係止爪26の全体が係合片16の係合孔16aに嵌合し、係止爪26の直交面が係合孔16aの対向する内側面に当接して、係止爪26が係合片16内に抜止状態で係止されるようになっている。一方、係合片16の先端を若干浮き上がらせる(側板部11の他側面から離間させる)ことにより、係合片16の先端部による係止爪26の係止が解除され、第1カバー部10及び第2カバー部20を互いに離間して取り外すことができるようになっている。また、第1カバー部10及び第2カバー部20を接合して一体化したとき、小径円筒部13及び小径円筒部23が接合して一体的に円筒状体を構成するが、このとき、係止突起17及び係止突起27は、当該円筒状体の円周方向に対向する位置(180度間隔を置いた位置)に配置されるようになっている。
[ベース部30]
ベース部30は、円筒状の軸連結部31の上端に矩形平板状の底壁部32を一体形成すると共に、底壁部32の上面に平面矩形状の連続壁状をなす嵌合壁33を一体形成した構成である。詳細には、図8〜図9に示すように、軸連結部31は、下端を開放して円形の下端開口を設けた所定直径の円筒状であり、下端部の内周面に雌螺子31aを螺刻している。また、軸連結部31の上端は、底壁部32の下面中央部に一体形成により固定されている。底壁部32は、接合して一体化した第1カバー部10及び第2カバー部20の底面形状に対応する(同一外形の)平板状をなしている。底壁部32の上面には、底壁部32の外周縁から内側に所定間隔を置いて平面視で矩形の周壁状をなす嵌合壁33が一体形成されている。嵌合壁33は、前後両側の下端に、それぞれ、幅方向全体に直線的に延びる嵌合溝33aを形成している。前後一対の嵌合溝33aは、それぞれ、第1カバー部10の嵌合突部11c及び第2カバー部20の嵌合突部21cと同一幅で同一長さの直線溝となるよう形成されている。また、嵌合壁33の前後方向一側(第1カバー部10側)の一端(係合片16側)は、所定幅で完全に切除されて切欠部33bとされている。切欠部33bは、嵌合壁33のみならず、底壁部33の厚さ方向にも完全に貫通して、図7(b)に示すように、底壁部33の幅方向一端(係合片16側)で前後方向他側(第2カバー部20側)に向けて所定距離延設される直線開口を形成すると共に、底壁部33における当該直線開口の終端形状を半円形状としている。
更に、嵌合壁33の前後両側面の上端部(嵌合溝33aより上側の部分)は、それぞれ、嵌合溝33aとの関係で(嵌合溝33aが凹部状となることにより)突部状とされて嵌合突部を構成している。嵌合壁33の前後一対の嵌合突部のうち、一方(第2カバー部20側)の嵌合突部は、第2カバー部20の嵌合溝21bと同一幅で同一長さの直線帯状の突部となるよう形成されている。一方、嵌合壁33の他方(第1カバー部10側)の嵌合突部は、第1カバー部20の嵌合溝21bと同一幅であるが、前記切欠部33bの分だけ、嵌合溝21bより小さい長さの直線帯状の突部となるよう形成されている。これにより、第1カバー部10及び第2カバー部20を接合するときに、ベース部30の嵌合壁33を第1カバー部10及び第2カバー部20の下端の嵌合溝11b,21b及び嵌合突部11c、21cと嵌合することで、ベース部30を第1カバー部10及び第2カバー部20の下端間で嵌合挟持して固定自在となっている。即ち、このとき、嵌合壁33の嵌合溝33a内に第1カバー部10及び第2カバー部20の嵌合突部11c,21cが密嵌すると共に、嵌合壁33の嵌合突部が第1カバー部10及び第2カバー部20の嵌合溝11b,21b内に密嵌し、同時に、底壁部32が第1カバー部10及び第2カバー部20の下端の開口を(前記切欠部33bを除いて)完全に閉塞するようになっている。なお、このとき、底壁部33の平面視乃至底面視での外形乃至輪郭は、合体した第1カバー部10及び第2カバー部20の平面視乃至底面視での外形乃至輪郭と完全に一致する。また、このとき、第1カバー部10の下端の嵌合突起11dが、ベース部30の切欠部33の底壁部32部分の外端側(前記半円形の終端部と反対側)に密嵌し、切欠部33の半円形の終端と嵌合突起11dの内側面との間に所定形状(半長円形状)の開口を形成するようになっている。なお、前記本体を構成する第1カバー部10、第2カバー部20及びベース部30は、それぞれ、所定の合成樹脂材料を射出成形等の所定の成形方法で上記形状及び構成となるよう一体成形して製造される。
[マイクロスイッチ40]
第1カバー部10の側板部21及び第2カバー部20の側板部21間の直方体状の中空空間には、対応する外形のマイクロスイッチ40が収容して固定的に保持される。詳細には、検出信号出力部としてのマイクロスイッチ40は、ピン押ボタン型であり、図7(c)〜図9に示すように、側板部11の内側面と側板部21の内側面との間隔と同一の厚みで、側板部11,21の幅と同一幅の矩形ブロック状の外形を有するハウジング41を備えている。ハウジング41の高さ(上下寸法)は、側板部11,21の内側面11aのうち前記嵌合溝11b,21bより上側の部分の高さと同一である。即ち、ハウジング41の前後側面は、それぞれ、側板部11,21の内側面11aのうち前記嵌合溝11b,21bより上側の部分と同一形状の矩形平坦面状となっている。また、ハウジング41の上端面の一側(正面視で中央よりも若干左側の位置)には、ピン押ボタン42が若干突出して配置されている。ピン押ボタン42は、上方から下方へと押圧されることにより下動して、そのスナップアクションによって、ハウジング41内の上部に配設された接点(図示略)をオン状態(電気導通状態)となるよう動作することにより、ハウジング41内の下部に配設された端子からオン信号(外部電気機器への第1の指令信号)を出力するようになっている。一方、ピン押ボタン42は、下方への押圧力が解除されることによりそのスナップアクションによって上動(即ち、原位置に復帰)し、ハウジング41内の接点をオフ状態(電気非導通状態)となるよう動作することにより、ハウジング41内の端子からオフ信号(外部電気機器への第2の指令信号)を出力するようになっている。また、ハウジング41には、上部の下端付近に、左右一対の挿通孔43が形成されている。ハウジング41の下端を第1及び第2カバー部10,20の内側面11aに合致させたときに、挿通孔43は、第1カバー部10の左右一対の支持ピン18と同一の高さ位置及び同一の左右位置となる位置に(支持ピン18と同一間隔で)配置されている。なお、挿通孔43は、ハウジング41内の内部部品(接点等)と干渉しない位置に設けられると共に、支持ピン18を挿通自在な断面形状を有する(典型的には同一直径の)円形孔となっている。
これにより、マイクロスイッチ40の挿通孔43に、それぞれ、支持ピン18を挿通し、ハウジング41の後側面を第1カバー部11の内側面11aに当接すると、支持ピン18の先端部がハウジング41の前側面から前方に(第2カバー部20に向かう方向に)突出し、この状態で、第2カバー部20を第1カバー部10に整合して接合することにより(即ち、支持ピン18の先端部を第2カバー部20の支持孔に嵌合し、嵌合ピン19の全体を第2カバー部20の嵌合孔に嵌合することにより、マイクロスイッチ40を第1カバー10と第2カバー20との間で挟持して固定的に保持するようになっている。なお、このとき、第1カバー10及び第2カバー20の下端に固定したベース部30の嵌合壁33の上端が、マイクロスイッチ40のハウジング41の下端に当接して下方から支持するようになっている。一方、マイクロスイッチ40の端子(即ち、出力端子)には、信号出力用のコード44の一端が接続されている。即ち、コード44は、その一端がハウジング41の下部の内部の端子に電気的に接続されると共に、他端が外部の電気機器(例えば、散水栓の散水制御用の散水タイマー等の入力端子)に電気的に接続され、前記ピン押ボタン43の動作によるオン信号またはオフ信号を当該外部の電気機器に出力するようになっている。これにより、外部の電気機器が、マイクロスイッチ40の出力信号にしたがって所定の動作をおこなうようになっている。なお、上記のようにマイクロスイッチ40の収容状態では、コード44の一端部は、図7(b)に示すように、前記ベース部30の切欠部33の半円形の終端と嵌合突起11dの内側面との間に形成される半長円形状の開口から外部に引き出される。また、マイクロスイッチ40は全体が防水加工されており、特に、出力端子とコード44との接続部分が収容される下半部は、ゴムモールド等によって完全防水加工が施されている。
[湿式伸縮部材50]
湿式伸縮部材50は、図2に示すように、円盤状の基部51と、基部51の上面中央部から上方に直交して立設された所定直径の支持棒52と、支持棒52の上端に形成された若干大径の止め部53と、支持棒52に挿通して支持される円形リング状の複数枚の吸水シート54と、最上部の吸水シート54の上側に重ねて配設される円形リング状のネット55とを備えている。詳細には、基部51は、接合して円筒体とされた(第1カバー部10及び第2カバー部20の)小径円筒部13,23の直径より所定寸法小さい直径の円盤状をなしている。また、支持棒52は、第1及び第2カバー部10,20のスリット部14,24から小径円筒部13,23の上端までの距離よりも所定寸法だけ大きな長さの円柱状とされている。更に、止め部53は、支持棒52の直径より若干大きな直径の円盤状乃至フランジ状とされ、支持棒52の上端の全周から外方(水平方向)に張り出している。なお、基部51、支持棒52及び止め部53は、所定の合成樹脂材料を射出成形等の所定の成形方法で上記形状及び構成となるよう一体成形して製造される。
吸水シート54は、吸湿紙等、吸湿によって(含水率が高くなるにつれて比例的に)膨張すると共に乾燥によって(含水率が低くなるにつれて比例的に)収縮するシート材料を所定直径(内径及び外径)の円形リング状に形成したものである。好ましくは、吸水シート54は、抄紙材料としての植物繊維(セルロース繊維)の長さ方向を一定方向に整列及び配向して(即ち、特定方向の流れ目にして)シート状に抄造したシート材料を、上記円形リング状に打ち抜き等によって成形したものを使用する。また、吸水シート54の厚みは、約0.6mm〜約1.2mmの範囲の厚みとすることができ、好ましくは、約0.6mm、約0.8mm、約1.0mmのいずれかの値とすることができる。また、吸水シート54の外径は、合体して円筒体となった小径円筒部13,23の直径より小さい寸法とされるが、当該外径は、好ましくは約10mm〜約14mmの範囲とし、更に好ましくは約12mmとして、前記シート厚との関係で、吸水シートが54が厚さ方向に大きく膨張及び収縮するよう(即ち、厚さ方向の膨張収縮率を最大限に確保するよう)に構成する。そして、各吸水シート54は、含水時における厚さ方向の膨張率が、最大で約20%〜40%の範囲、好ましくは、約30%程度となるよう、主原料である植物繊維として気孔率の高いものを使用する。また、必要に応じて、天然繊維以外に、人工的に半径方向の膨張率を大きくした合成繊維を使用したり、粉粒状の含水樹脂を配合したりして、含水時の膨張率を更に増大することもできる。一方、吸水シート54は、乾燥時には本来の厚みに復元(厚み減少)する必要があるため、原材料の構成繊維として、雰囲気温度による乾燥に伴って内部の含水を早期に放出できる気孔構造となるものを使用する。
また、吸水シート54の中央部には吸水シート54の内径を規定する円形孔54aが穿設されている。吸水シート54の円形孔54aの直径は、前記止め部53の直径と略同一または若干だけ(コンマミリ程度)大きな直径とし、吸水シート54の円形孔54aを上方から止め部53に挿通して支持棒52に挿入して嵌合支持できるようにする。なお、吸水シート54は、所定の吸水シート材料を上記形状に切断等して製造される。また、吸水シート54の支持棒54への嵌挿枚数は、各吸水シート54の厚みや含水率に応じた膨張収縮率や使用環境(設置場所)等によって適宜調整するが、通常は、9〜11枚の範囲とし、この範囲で枚数を調節する。したがって、支持棒52の長さも、吸水シート54の嵌挿枚数に応じて設定され、最大嵌挿枚数を嵌挿して支持できる長さに設定される。更に、ネット55の外径は、合体して円筒体となった小径円筒部13,23の直径より小さい寸法とされると共に、吸水シート54の外径より大きな寸法とされる。また、ネット55の中央部にはネット55の内径を規定する円形孔55aが穿設されている。ネット55の円形孔55aの直径は、前記止め部53の直径より若干だけ(コンマミリまたは1mm程度)大きな直径とし、ネット55の円形孔55aを上方から止め部53に挿通して支持棒52に挿入して嵌合支持できるようにする。なお、ネット55は、ステンレス鋼(SUS)等の金属製等の所定材料からなる網状体を上記形状に切断等して製造される。
[キャップ部60]
キャップ部60は、図2及び図7(a)に示すように、短円筒状の周壁部61と、周壁部61の上端を覆う孔空き円盤状の頂壁部62とを備える。周壁部61は、合体した円筒体状の小径円筒部13,23の外形と略同一(正確には、若干大径)の内径を有して、小径円頭部13,23の円筒体に上方から外嵌自在となっている。また、周壁部61において周方向の対向位置(180度の角度間隔を置いた位置)には、それぞれ、下縁から上下中央付近まで直線的に延びる矩形状の挿通凹部61aが貫通形成されている。更に、周壁部61の挿通凹部61aには、それぞれ、周方向に沿って(平面視で)時計回り方向に延びる案内凹部61が、連続して形成されている。案内溝61bは、挿通凹部61aの上端半部と同一の幅(上下寸法)で周方向に所定長(左右寸法、即ち、周壁部61の所定角度範囲)だけ延びている。ここで、周壁部61の挿通凹部61aの幅(左右寸法乃至周方向角度範囲)は、前記第1カバー部10及び第2カバー部20の係止突起17,27の幅(左右寸法)より若干だけ大きな寸法とされ、係止突起17,27に対して周壁部61の挿通凹部61aを上方から挿通自在となっている。また、周壁部61の案内溝61bの幅(上下寸法)は、第1カバー部10及び第2カバー部20の係止突起17,27の厚み(上下寸法)より若干だけ大きな寸法とされ、挿通凹部61aに挿通した係止突起17を周壁部61の挿通凹部61aに沿って周方向に(その終端位置まで)案内移動自在となっている。更に、周壁部61の案内溝61bの下側縁は、終端に向かって周壁部61の下端縁から徐々に上方に離間するよう微小な所定角度で傾斜して延びている。即ち、周壁部61の案内溝61bの幅は、基端(挿通凹部61a側の開口端)から先端(終端)に向かって徐々に幅狭となっている。これにより、(小径円筒部13,23の一定高さ位置にある)係止突起17,27が周壁部61の案内溝61b内を終端に向かって移動するにつれて、係止突起17,27が案内溝61bの下側縁に当接して徐々に案内溝61bの下側縁に圧接され、案内溝61bの終端位置で当該圧接力により案内溝61bの終端位置に保持されるようになっている。
前記頂壁部62は、外周縁から一定距離を置いた主要部に、平面視で花弁形状乃至花冠形状に近似した形状の連通孔62a,62bを貫通形成している。具体的には、頂壁部62の連通孔62a,62bは、頂壁部62の中心部に配置される所定直径の円形孔62bと、当該円形孔62bの外周縁に一定角度間隔(60度間隔)で配置されて放射方向の外方に延びる合計6個の直線溝62aとからなる。頂壁部62の各直線溝62aは、全体として同一幅の帯状をなし、その終端は平面視で半円形となっている。更に、頂壁部62の円形孔62bには、直線溝62aが配置されない外周縁の対向位置(180度間隔を置いた位置)を掛け渡すよう、略帯板状の軸支持部63が一体形成されて当該円形部分の直径方向全体に延びている。軸支持部63の長さ方向中央には、前記湿式伸縮部材50の止め部53の直径より若干小径の円形孔である支持孔63aが厚さ方向に貫通形成されている。
そして、合体した第1カバー部10及び第2カバー部20の一対の係止突起17,276にキャップ部60の一対の嵌合凹部61aを位置合わせした状態で、小径円筒部13,23の上方から周壁部61を嵌合し、各係止突起17,27に各嵌合凹部61aを嵌合した後、キャップ部60を閉方向(平面視で半時計回り方向)に回転することにより、周壁部61の案内溝61bに沿って係止突起17,27がそれぞれ案内されて周方向(時計回り方向)に移動し、案内溝61bの終端位置まで来たときに、係止突起17,27が案内溝61bの下側縁に乗り上げる形で圧接保持され、これにより、合体した第1カバー部10及び第2カバー部20の小径円筒部13,23に対するキャップ部60の嵌合装着が完了するようになっている。このとき、キャップ部60を開方向(平面視で時計回り方向)に回転する意図的な外力を加えない限り、係止突起17,27が周壁部61の案内溝61bの終端位置に保持され、キャップ部60が小径円筒部13,23の所定の閉位置(図3〜図6の位置)から開位置側へと緩んだり(最悪の場合)離脱したりすることはない。一方、キャップ部60を開方向(平面視で時計回り方向)に回転する意図的な外力を加えると、係止突起17,27が周壁部61の案内溝61bの終端位置から案内溝61bに案内されて挿通凹部61aまで周方向(平面視で反時計回り方向)に移動し、キャップ部60が小径円筒部13,23の所定の閉位置から開位置へと移動する。これにより、キャップ部60を上方に持ち上げることにより、係止突起17,27から周壁部61の挿通凹部61aを上方に離脱して、キャップ部60を合体した第1カバー部10及び第2カバー部20から取り外すことができる。
[湿式伸縮部材50の配置]
ここで、湿式伸縮部材50は、支持棒52の上端の止め部53をキャップ部60の軸支持部63の支持孔63aに下方から挿通すると、支持孔63aより若干大径の止め部53が、(合成樹脂材料固有の弾性力により)支持孔63a内を若干の圧接力に抗して弾性変形により通過して、支持棒52が軸支持部63の支持孔63aに挿通されて遊嵌状態となる。これにより、支持棒52に挿着された所定枚数の吸水シート54及び支持棒52に挿着して吸水シート54の上側に載置されたネット55が、基部51とキャップ部60の頂壁部61との間に配置される。このとき、湿式伸縮部材50は、軸支持部63に係止される止め部53によりキャップ部60からの離脱を阻止され、軸支持部63の支持孔63aから止め部53を意図的に下方に引き抜こうとする外力を加えない限り、キャップ部60の頂壁部61に連結保持される。また、このとき、湿式伸縮部材50は、支持棒52が軸支持部63の支持孔63a内を自由に上下動(軸方向に移動)自在であるため、キャップ部60の頂壁部61の下面(正確には、軸支持部63の下面)と基部51の上面との間の(上下方向の)間隔も、支持棒52の移動に応じて増減自在となっている。即ち、支持棒52に挿着する吸水シート54の枚数は、吸水シート54の乾燥状態(雨滴を含水しない状態)で、全吸水シート54の合計厚み(上下寸法)が、止め部53の下端が軸支持部63の上面に当接したときの軸支持部63の下面と基部51の上面との間隔(最大間隔)よりネット55の厚み分だけ小さい合計厚みとなるまで増加することも理論上は可能であるが、実際は、吸水シート54の湿潤時(雨滴含水時)の膨張率と乾燥時の収縮率とが完全に一致するわけではなく、また、吸水シート54の厚さ方向以外への変形等によって吸水シート54全体の合計厚みが影響を受けることも考えられるため、前記最大間隔からネット55の厚み分を引いた間隔よりも更に所定間隔だけ吸水シート54の合計厚みが小さくなるよう、吸水シート54の最大挿着枚数を設定する。
そして、上記のようにキャップ部60に湿式伸縮部材50を連結した状態で、湿式伸縮部材50を合体した第1及び第2カバー部10,20の小径円筒部13,23の上端開口から内部に挿入し、上記のようにキャップ部60を小径円筒部13,23に嵌合装着すると、湿式伸縮部材50が、合体した第1及び第2カバー部10,20の内部空間において前記(前記直方体状の中空空間に配置された)マイクロスイッチ40より上方の空間(前記段付き円柱状の空間)に配置される。詳細には、基部51が、大径円筒部12,22の内部空間に配置され、支持棒52が、基部51から上方に垂直に延びて、小径円筒部13,23の内部空間から上方に所定距離だけ突出すると共に、止め部53が小径円筒部13,23の上端から上方に所定距離突出した位置に配置される。このとき、通常の吸水シート54の挿着枚数では、支持棒52の上端側の一定長部分及び止め部53は、キャップ部60の軸支持部63の上面から更に上方に所定距離突出した位置に配置される。この突出距離が、支持棒52を介した湿式伸縮部材50の高さ寸法の変化許容距離、即ち、吸水シート54の湿潤及び乾燥に伴う合計厚みの増減を許容する膨張収縮許容距離となる。
また、このとき、支持棒52が軸支持部63に遊嵌状態であるため、基部51は、自重並びに吸水シート54及びネット55等の重量によって下方に移動し、基部51の下面がマイクロスイッチ40のピン押ボタン42の上端に当接する。即ち、基部51の下面の一部(好ましくは、中心付近の一部)がマイクロスイッチ40のピン押ボタン42に当接するような配置態様で、湿式伸縮部材50が第1カバー部10及び第2カバー部20の内部空間に配設される。更に、このとき、基部51の中心(軸心)が、大径円筒部12,22及び小径円筒部の軸心、並びに、(装着状態の)キャップ部60の軸心と一致した配置態様で、湿式伸縮部材50が第1カバー部10及び第2カバー部20の内部空間に配設される。
[支柱70]
支柱70は、図2に示すように、土中に差し込み自在な先鋭状の差込部71と、差込部71の上端に同軸状に一体形成されて上方に延びる雄螺子部72と、雄螺子部72の上端に同軸状に一体形成されて上方に延びる挿入部73と、挿入部73の上端に同軸状に一体形成されて上方に延びる先鋭部74とからなる。詳細には、差込部71は、2枚の(平面視で)細長い二等辺三角形状の平板材を幅方向中央で十字形に接合すると共に、隣接する板材の内側面部分をリブにより補強してなり、全体として下端に向かって縮径するテーパー状の細長い三角錐状をなしている。差込部71の下端は先鋭となっており、所定の押圧力により土中に差込自在、かつ、所定の引き抜き力により土中から引き抜き自在となっている。なお、差込部71の上端は、平坦面状の当接面71aとなっている。また、雄螺子部72は、前記ベース部30の軸連結部31の雌螺子31aに螺入自在な雄螺子状をなしている。更に、挿入部73は、雄螺子部73より小径(即ち、軸連結部31の内周面の直径より小径)の円柱状である。また、先鋭部74は、挿入部73より小径の三角錐状をなしている。そして、支柱70は、雄螺子部72を軸連結部31の雌螺子31aに螺入することにより、ベース部30の下端に一体的に連結自在であり、また、雄螺子部72を軸連結部31の雌螺子31aから螺退することにより、ベース部30の下端から離脱自在とされる。支柱70のベース部30への連結状態では、図8及び図9に示すように、支柱70の挿入部73及び先鋭部74が、軸連結部31の内部に遊嵌状態(内周面との間に所定の隙間を置いた状態)で収容され、先鋭部73の上端が軸連結部31の上端よりも所定距離下方に位置する状態となる。
[組み立て方法及び設置方法]
本実施の形態のレインセンサーは、上記のように、第1カバー部10及び第2カバー部20を、それらの間にマイクロスイッチ40を配設した状態で互いに組み付けて接合すると共に、第1カバー部10及び第2カバー部20の下端にベース部30を組み付けて接合することにより本体を組み立て、また、湿式侵襲部材50をキャップ部60に取り付けた状態で、キャップ部60を第1カバー部10及び第2カバー部20の上端に組み付けることにより、第1カバー部10及び第2カバー部20の内部空間のマイクロスイッチ40の上側に湿式伸縮部材50を配設し、更に、ベース部30の下端に支柱70を連結することで、完全な組み立て状態(図1の状態)とすることができる。そして、この後、レインセンサーは、屋外の所望の設置場所、典型的には、家屋の庭園等に設置された散水栓の近傍位置であって、散水対象となる花壇の花及び草木類や樹木類の近傍位置に設置される。即ち、レインセンサーは、支柱70の差込部71を設置場所の土中に差し込むことで、設置場所に立設状態(垂立状態)で固定的に保持して設置される。そして、このように設置場所に設置されたレインセンサーは、ベース部30の底壁部31から下方に引き出されたコード44を、レインセンサー内のマイクロスイッチ40の出力信号の出力対象である電気機器に電気的に接続する。例えば、図10に示すように、コード44の一端に設けた接続端子としてのコネクター45を、散水制御用電気機器としての散水タイマー100の入力端子に電気的に接続する。なお、散水タイマー100は、配管部品としての連結管101の一端側の入水部(図10中の上端部)を散水栓の吐水口(図示略)に連結することにより、散水栓の吐水口からの原水を本体102内部に導入し、本体内部の弁機構を弁駆動機構により開閉駆動して、散水栓からの原水を通水及び止水するものである。なお、散水タイマー100の連結管101の出水部(図10中の下端部)には、散水ホース等が連結され、散水タイマー100が散水栓を通水状態としたときに、散水栓から散水タイマー100を介して供給された原水を、散水対象の花壇等に散水するようになっている。
[使用方法]
上記設置状態で、本体10,20,30内部の湿式収縮吸水シート54(特に最上部の吸水シート54の上面)は、ネット55の多数の小孔を挟んで、キャップ部60の直線溝62a及び円形孔62bからなる連通孔を介して外部空間に連通している。したがって、レインセンサーの垂立状態では、キャップ部60の頂壁部61が上方に向けて配置され、降雨時には、キャップ部60の連通孔62a,62bを通過した雨滴が、吸水シート54に付着して内部に含浸され、これにより、吸水シート54が吸水により湿潤して膨張する。このとき、最上部の吸水シート54の上面から含浸及び吸水が行われて、最上部の吸水シート54が早期に湿潤するが、各吸水シート54については、順次、上側の吸水シート54の下面から排出された水分が下側の吸水シート54に含浸されることにより、上側から下側に向かって吸水シート54が順次含水し、上側の吸水シート54から下側の吸水シート54が順次厚さ方向に膨張する。これにより、基部51上の所定枚数の吸水シート54の全体が膨張して、合計厚みが増大する。そして、吸水シート54の合計厚みが、キャップ部60の軸支持部63の下面と(原位置としてマイクロスイッチ40上に載置状態にある)基部51の上面との間の間隔を超えたとき、吸水シート54によって基部51が下方に付勢及び押圧されて、マイクロスイッチ40のピン押ボタン42を下方に押圧する。
ここで、散水タイマー100は、レインセンサーを接続しない状態(外部制御のない自律制御状態)では、予め設定された時間間隔及びタイミングで、散水栓からの原水を通水すべく動作し、設定時刻から所定時間だけ(散水対象への必要十分な散水量を得るための時間間隔だけ)散水対象への散水を行う。一方、散水タイマー100にレインセンサーを接続した(外部制御状態)では、散水タイマー100は、レインセンサーからの出力信号に応じて、たとえ、設定時刻の到来により散水栓を通水状態としている場合でも、通水停止動作(止水動作)を行う。即ち、マイクロスイッチ40は、初期状態では、ピン押ボタン42が上動位置(原位置)にあり、散水タイマー100への動作停止を指令する動作停止指令信号の出力は行わず、散水タイマー100は、通常の自立制御状態と同様の散水制御(即ち、所定タイミングでの散水開始及び散水停止)を行う。しかし、マイクロスイッチ40は、降雨時には、上記のように、湿式伸縮部材50の基部51からの押圧力によりピン押ボタン42が下動して、コード44を介して、オン信号(降雨開始を報知する信号であって、散水タイマー100の動作停止を指令する動作停止指令信号)を散水タイマー100に出力する。すると、散水タイマー100は、レインセンサーからの動作停止指令信号を受けて動作停止し、たとえ通水動作時であっても通水動作から止水動作へと動作切換を行い、散水を停止する。
一方、非降雨時は、マイクロスイッチ40は、ピン押ボタン42が原位置にあってオフ状態を維持し、散水タイマー100に動作停止指令信号を出力せず、散水タイマー100は、通常の自律制御により散水制御をおこなう。また、上記のように、降雨時にマイクロスイッチ40が動作停止指令信号を出力して散水タイマー100が動作停止による止水動作を行っている場合でも、降雨が停止して一定時間が経過すると、吸水シート54は、周囲の温度及び湿度条件に応じて乾燥して収縮する。このとき、最上部の吸水シート54の上面やその他の吸水シート54の外周面等から内部に含有された水分が外部に蒸発して放出される。また、このとき、やはり最上部の吸水シート54が早期に乾燥するが、各吸水シート54については、順次、下側の吸水シート54の上面とから放出された水分が上側の吸水シート54に含浸されて、下側から上側に向かって吸水シート54が順次水分を伝達し、全体の吸水シート54の水分放出を促進し、吸水シート54全体が厚さ方向に収縮する。これにより、基部51上の所定枚数の吸水シート54の全体が前記膨張状態から収縮して、合計厚みが減少して当初の状態へと復帰する。そして、吸水シート54の合計厚みが、キャップ部60の軸支持部63の下面と(原位置としてマイクロスイッチ40上に載置状態にある)基部51の上面との間の間隔未満となったとき、吸水シート54による基部51の下方への付勢力及び押圧力が開放されて、マイクロスイッチ40のピン押ボタン42の下方への押圧力が解除される。すると、マイクロスイッチ40は、ピン押ボタン42が上動して原位置に復帰し、コード44を介して、オフ信号(降雨停止を報知する信号であって、散水栓の動作停止を解除する解除指令信号)を散水タイマー100に出力する。すると、散水タイマー100は、前記動作停止指令信号によって止水動作に切り替えられているときでも、前記自律制御状態における所定の通水時間中であれば、レインセンサーからの解除指令信号を受けて通水動作へと動作切換を行い、散水を再度開始する。なお、散水タイマー100は、この場合、前記自律制御状態における所定の通水時間が終了した後(即ち、自律制御によっても止水動作する時間帯)であれば、レインセンサーからの解除指令信号を受けて通水動作へと動作切換を行うことはなく、通常の止水動作を実行して、散水の停止状態を維持する。
[最適位置への設置]
本実施の形態のレインセンサーによれば、以下のような作用効果を発揮することができる。まず、上記のように、散水栓からの散水は散水対象植物の根が張る植栽位置の地面及び地中に、必要十分量の水分、即ち、散水対象植物の生育に必要な量であって、生育を妨げるような過剰でない量の水分が含浸されるよう、その散水タイミング及び散水量を制御する必要があるが、本実施の形態のレインセンサーは、実際の散水対象植物の根の近傍位置の地面等の雨滴検出に最適な最適検出位置に設置自在な構成とされているため、降雨時には散水対象植物の根の近傍位置等の最適検出位置に支柱70の差込部71を差し込むだけで簡単かつ確実に位置決めして固定することができるため、散水対象植物近辺の実際の降雨量に基づいて雨滴検出信号乃至降雨開始検出信号や降雨停止検出信号(散水タイマー等のオン・オフ動作用の信号)を出力することができる。したがって、本実施の形態のレインセンサーは、散水タイマー等の散水制御用電気機器に対して、散水対象植物にとって必要十分な散水量となるような散水制御を行うことを可能にする。即ち、レインセンサーは、降雨開始時には、最適検出位置での降雨量に基づいて、降雨開始後の早期時間経過後の即座のタイミングで散水動作停止信号(散水制御用電気機器が散水栓からの吐水を停止するための指令信号)を出力し、降雨停止時には、最適検出位置での降雨量に基づいて、最適検出位置での地面付近の含水状態(乾燥状態)に対応したタイミングで散水動作開始信号(散水制御用電気機器が再度吐水開始するための指令信号)を出力することができる。
[キャップ部の連通孔による通水面積確保]
また、本実施の形態のレインセンサーによれば、降雨時の雨滴は、キャップ部60の頂壁部62に設けた連通孔62a,62bを通過して本体10,20,30の内部に収容した吸水シート54に付着し、吸収されて浸透するが、このとき、円形孔62bと直線溝62aとからなる連通孔が、頂壁部62の面積の大部分を占めることになる。具体的には、連通孔は、頂壁部62の直径の約半分の直径を有する円形孔62bと、円形孔62bの外周縁から頂壁部62の外周縁付近まで延びる合計6個の直線溝62aとからなる花弁形状を有するため、全体として、連通孔62a,62bによる開口面積を非常に大きく確保することができる一方で、キャップ部60の頂壁部62に対して、内部のネット55や吸水シート54の外部への離脱を阻止するために最低限必要な当接部分乃至支持部分を残すことができる。即ち、頂壁部62の支持部分は、6個の直線溝62a間の台形板状部分により構成され、この台形板状部分が頂壁部62の外周側で等角度間隔で周方向に配置されることになるため、かかる台形板状部分によってキャップ部60の内部のネット55や吸水シート54を確実に係合支持して、ネット55や吸水シート54がキャップ部60の外部へ離脱することを確実に阻止することができる一方で、花弁形状として十分な開口面積を確保した連通孔62a,62bにより、降雨時の雨滴をキャップ部60内部の吸水シート54に対して効率的に供給することができる。要するに、湿式伸縮部材50は、支持棒52に嵌挿されて最上部の吸水シート54をネット55で覆う一方、キャップ部60の連通孔は、ネット55の外周部の一部に当接する凹凸部としての台形板状部分を有すると共に、当該凹凸部以外の全面を開口としている。その結果、レインセンサーは、散水対象の近傍の所望位置に設置できることと相まって、降雨開始時には、設置場所の降雨量に応じた雨滴が連通孔62a,62bから内部に進入し、当該降雨量に応じた量の水分で吸水シート54を含水膨張させることができ、降雨時の雨量の検出精度を向上して、動作停止指令信号を最適なタイミングで出力することができる。
[キャップ部の連通孔及びスリット部による通気面積確保]
更に、本体10,20,30の内部に収容した吸水シート54の上面をネット55によって完全に覆うため、外部空間を浮遊する塵塊等の異物がキャップ部60の連通孔62a,62bから内部に侵入することをネット55によって確実に阻止することができ、かかる異物が吸水シート54やマイクロスイッチ40のピン押ボタン42等に付着することによる不具合を効果的に防止することができる。例えば、異物が上下の吸水シート54間に挟まって滞留したり、基部51とピン押ボタン42との間に挟まって滞留したりした場合、吸水シート54の合計厚みが(吸水によらずに)増加したり、ピン押ボタン41が(吸水シート54の吸水膨張によらずに)動作したりする可能性も否定できないが、本実施の形態によれば、このような事態が生じることを効果的に防止することができる。また、本実施の形態のレインセンサーでは、吸水シート54の下面側の左右両側には、大径円筒部12,22の下端付近で(複数の連通孔14aを並設した)半円形状のスリット部14,24がそれぞれ配置されることになる。したがって、かかる吸水シート54の下側のネット14,24によっても、外部の異物(特に、地面付近から浮遊する異物や地面周辺を飛ぶ虫等)が本体102,20,30内部に侵入するのを確実に阻止することができ、かかる異物に起因する不具合を効果的に防止することができる。また、レインセンサーは、上端側の連通孔62a,62b及び下側のスリット部14,24を介して、吸水シート54が外部空間と連通するため、吸水シート54に対する外気と内気との循環を促進することができ、降雨による吸水シート54中の水分を、連通孔62a,62b及びスリット部14,24の連通孔14a,24aを介して早期に外部に放出することができる。要するに、レインセンサーは、本体10,20,30における内部空間の上部と下部との間に、湿式伸縮部材50の下方に対向するよう複数の連通孔14a,24aを有するスリット部14,24を配置し、スリット部14,24により本体10,20,30の内部の湿式伸縮部材50の吸水シート54に対する下方からの通気を行う。その結果、降雨停止時には、レインセンサーは、設置場所の乾燥状態に応じて吸水シート54を早期に乾燥することができ、降雨停止時の検出精度も向上して、解除指令信号を最適なタイミングで出力することができる。特に、レインセンサーは、吸水シート54の上方にネット55を配設し、下方にスリット部14,24を配設する構成としているため、降雨時及び降雨停止時のいずれにおいても、スリット部14,24より本体10,20,30の内部の水分(特に、吸水シート24周辺にある雨滴)を下方に排出して、過剰な水分が本体10,20,30内部に滞留するのを効果的に防止することができる。特に、降雨停止時には、スリット部24により本体10,20,30内部の水分を吸水シート54の下方から円滑かつ迅速に排出すると共に、ネット55によって吸水シート54の上方からの通気を行う一方でスリット部14,24によって吸水シート54の下方からの通気を行い、吸水シート54の上下両側からの通気を促進して(即ち、気候条件に応じて、上方から下方へ流れる空気流、または、下方から上方に流れる空気流を促進して)、設置場所の乾燥状態に応じて吸水シート54を早期に乾燥することができ、降雨停止時の検出精度も向上して、解除指令信号を最適なタイミングで出力することができる。
[吸水シートの枚数変更・交換容易性]
また、吸水シート54は、支持棒52に挿通して保持されるだけであるため、必要に応じては、或いは、使用条件に応じて、吸水シート54の嵌挿枚数を簡単に変更して、吸水シート54の合計厚み(膨張時の合計厚み及び乾燥時の合計厚み)を調節することができる。即ち、キャップ部60を本体10,20,30から取り外し、軸支持部63から伸縮部材50の止め部63を引き抜くことで、ネット55を支持棒52から取り外し、所望枚数の吸水シート54を支持棒52から取り外したり、或いは、追加の吸水シート54を支持棒52に嵌挿したりして枚数変更することが容易である。具体的には、所定枚数(例えば、11枚)の吸水シート54を支持棒52に嵌挿してレインセンサーを使用している場合において、降雨による吸水シート54の膨張が予期したより早くなり、本来の止水指令信号出力のタイミングより早いタイミングでピン押ボタン42を押圧している場合、吸水シート54の乾燥枚数を減少する(例えば、10枚や9枚等にする)ことにより、吸水シート54全体による高さ方向の膨張率を低減して、止水指令信号を出力するタイミングを遅くすることが可能である。また、本体10,20,30に対するキャップ部60の着脱も簡単で、かつ、吸水シート54の支持棒52に対する着脱も簡単であるため、長期間の使用に伴って吸水シート54が汚れた場合等に、吸水シート54を洗浄のために取り外したり、交換したりすることが非常に容易である。
[マイクロスイッチの安定的固定]
更に、マイクロスイッチ40は、左右一対の挿通孔43に第1カバー部10の左右一対の支持軸18を挿通して、支持軸18の先端部を第2カバー20の支持孔に密嵌することで、第1カバー部10の側板部11と第2カバー部20の側板部21との間で密接挟持して保持されるため、第1カバー部10の側板部11と第2カバー部20の側板部21との間の空間に、支持自部18によって上下左右等の各方向への移動を阻止された状態で密閉状に密嵌保持されることになる。したがって、マイクロスイッチ40が本体10,20.30の内部空間内で位置ずれすることがなく、位置ずれに起因するマイクロスイッチ40の誤動作等の不具合を確実に防止することができる。
[3分割構造による作業性]
また、本体を、一体ケース構造ではなく、第1カバー部10、第2カバー部20及びベース部30の3ピース構造乃至3分割ケース構造(セパレート式)としたため、内部へのマイクロスイッチ40の収容配設作業が容易であり、また、マイクロスイッチ40のコード44の端部をベース部30内に収容配置して、コード44の端部処理を美麗に行い、全体の美的外観(意匠性)を向上することができる。更に、本体10,20,20の上端部、即ち、第1カバー部10及び第2カバー部20の上端部にキャップ部60を嵌合するだけで、本体10,20,30の上端部をキャップ部60によって挟持して確実に固定することができるため、本体10,20,30の上端部での不意の分解や離脱等の不具合を確実に防止することができる。
ところで、本発明のレインセンサーは、発明の範囲内で、上記実施の形態以外の構成とすることができる。例えば、キャップ部60の連通孔は、円形孔62bの外周に6個の直線溝62aを配置した構成の花弁形状とする以外に、本体10,20,30内部のネット55や吸水シート54の離脱を防止できる限りにおいて、菊花のように外周縁を凹凸状またはジグザグ状とした花弁形状の貫通孔構成としたり、歯車の外形と同様の形状を有する状の花弁形状の貫通孔構成としたりして、出来るだけ全体の開口面積を大きく確保してもよい。即ち、本発明におけるキャップ部の連通孔の「花弁形状」とは、通常の花弁形状以外に、外周を単純円形状とすることなく一部に凹凸を設けてネット55等の離脱を阻止できる任意の形状のことを言う。
10:第1カバー部(本体)、14:スリット部、18:支持ピン
20:第2カバー部(本体)、24:スリット部
30:ベース部(本体)
40:マイクロスイッチ、41:ハウジング、42:ピン押ボタン、43:挿通孔
50:湿式伸縮部材、51:基部、52:支持棒、54:吸水シート、55:ネット
60:キャップ部、61:頂壁部、62a,62b:連通孔
70:支柱

Claims (4)

  1. 互いに接合離脱自在な第1カバー部及び第2カバー部と、接合状態の第1カバー部及び第2カバー部の下端に着脱自在に接合されて当該下端を閉塞するベース部とから構成される3分割構造を有し、前記ベース部により下端を閉塞すると共に、前記接合状態の第1カバー部及び第2カバー部の上端を開口し、かつ、前記第1カバー部と第2カバー部との間に内部空間を形成する本体と、
    前記本体のベース部に連結されて前記ベース部から下方に延びる軸状をなし、土中に挿脱自在な支柱と、
    前記本体の第1カバー部及び第2カバー部の上端の開口に着脱自在に挿着されると共に、頂壁部に花弁形状の連通孔を貫通形成したキャップ部と、
    前記本体の内部空間の下部に位置ずれ不能に配設されると共に、上端にピン押ボタンを配置したマイクロスイッチと、
    前記本体の内部空間の上部に配設されると共に、基部と、前記基部から上方に延びる支持棒と、前記支持棒に嵌挿される所定の複数枚数の吸水シートとを有する湿式伸縮部材とを備え、
    前記湿式伸縮部材の支持棒の上端を前記キャップ部に着脱自在に連結し、前記キャップ部を前記本体の上端の開口に装着することで、前記湿式伸縮部材の基部を前記マイクロスイッチの上端に載置して前記ピン押ボタンに当接させると共に、前記支持棒に嵌挿した吸水シートを前記本体の内部空間の上部に配設し、降雨時には、雨滴が前記キャップ部の連通孔から前記本体内部に進入して前記吸水シートに含浸されることで、前記吸水シートが軸方向に吸水膨張して前記基部を下方に付勢し、当該基部が前記マイクロスイッチのピン押ボタンを押圧駆動するようにし、一方、非降雨時には、前記吸水シートに含浸された水分が前記キャップ部の連通孔から本体外部に放出されることで、前記吸水シートが軸方向に乾燥収縮して前記基部に対する下方への付勢力を解除し、前記基部による前記マイクロスイッチのピン押ボタンの押圧駆動を解除するようにしたことを特徴とするレインセンサー。
  2. 更に、前記湿式伸縮部材は、前記支持棒に嵌挿されて最上部の前記吸水シートを覆うネットを有し、前記キャップ部の連通孔は、前記ネットの外周部の一部に当接する凹凸部を有すると共に、当該凹凸部以外の全面を開口としたことを特徴とする請求項1記載のレインセンサー。
  3. 更に、前記本体における前記内部空間の上部と下部との間に、前記湿式伸縮部材の下方に対向するよう複数の連通孔を有するスリット部を配置し、前記スリット部により前記本体の内部の水分を下方に排出すると共に、前記湿式伸縮部材の吸水シートに対する下方からの通気を行うことを特徴とする請求項1または2記載のレインセンサー。
  4. 前記第1カバー部及び第2カバー部の一方の内側面には、当該内側面から直交して突出する一対の支持ピンを設け、
    前記第1カバー部及び第2カバー部の他方の内側面には、前記一対の支持ピンの先端部を密嵌保持する一対の支持孔を設け、
    前記マイクロスイッチのハウジングには、前記一対の支持ピンを挿通自在な一対の挿通孔を設け、
    前記マイクロスイッチの一対の挿通孔に前記一対の支持ピンを挿通し、前記第1カバー部及び第2カバー部の対向する内側面間に前記マイクロスイッチを挟持すると共に、前記一対の支持ピンの先端部を前記一対の支持孔に密嵌保持することで、前記マイクロスイッチを前記本体内の定位置に移動不能に配設したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のレインセンサー。
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