JP2011242262A - レインセンサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】湿式伸縮部材50の支持棒52の上端をキャップ部60に着脱自在に連結し、キャップ部60を本体10,20,30の上端の開口に装着することで、湿式伸縮部材50の基部51をマイクロスイッチ40の上端に載置してピン押ボタン42に当接させると共に、吸水シート54を本体の内部空間の上部に配設する。降雨時には、吸水シート54が軸方向に吸水膨張して基部51を下方に付勢し、基部51がマイクロスイッチ40のピン押ボタン42を押圧駆動するようにする。一方、非降雨時には、吸水シート54が軸方向に乾燥収縮して基部51に対する下方への付勢力を解除し、基部51によるマイクロスイッチ40のピン押ボタン42の押圧駆動を解除する。
【選択図】図1
Description
本実施の形態に係るレインセンサーは、図1に示すように、本体10,20,30の内部空間に、マイクロスイッチ40及び湿式伸縮部材50を収容し、本体10,20,30の上端の開口をキャップ部60により覆うと共に、本体10,20,30の下端に支柱70を設けた全体構成である。詳細には、図2に示すように、本体は、第1カバー部10、第2カバー部20及びベース部30の3部品から構成される3ピース構造(3分割構造)となっている。
第1カバー部10は、所定幅(所定の左右寸法)で所定高さの矩形平板状をなす側板部11の上端に所定直径の半円筒状をなす大径円筒部12を一体形成し、大径円筒部12の上端に大径円筒部12より小径の小径円筒状をなす小径円筒部13を一体形成している。大径円筒部12及び小径円筒部13は同心状(同軸状)に配置されている。大径円筒部12の下端部を構成する底壁は、大径円筒部12の中心に向かって延びる孔空き半円盤状のスリット部14となっている。スリット部14には、その外形である半円盤形状の直径となる内端縁の直線部分から半円状の外周縁に向かって直線的に延びる短冊状または長孔状の複数の連通孔14aが厚さ方向に貫通形成されている。前記側板部11、大径円筒部12及び小径円筒部13は、同軸状に配置されて段付き(側板部11と大径円筒部12との間の段差及び大径円筒部12と小径円筒部13との間の段差の合計2段の段付き)の一体構造を有し、その幅方向の一側(図4の背面視で右側)には、側板部11から大径円筒部12にわたる範囲に、内部を肉抜きした厚肉状の側縁部15が一体形成されている。なお、側板部11の厚さ方向(前後方向)の外側面は、平坦面とされるとともに、幅方向(左右方向)両側面は、前記大径円筒部13の湾曲率と同一の湾曲率で湾曲する湾曲面となっている。
第2カバー部20は、第1カバー部10とほぼ対称的な構成となっている。即ち、第2カバー部20は、第1カバー部10と同一幅で同一高さの矩形平板状をなす側板部21の上端に、前記大径円筒部12と同一直径の半円筒状をなす大径円筒部22を一体形成し、大径円筒部22の上端に、大径円筒部22より小径で前記小径円筒部13と同一直径の小径円筒状をなす小径円筒部23を一体形成している。大径円筒部22及び小径円筒部23は、同心状(同軸状)に配置されている。大径円筒部22の下端部を構成する底壁は、図7に示すように、前記大径円筒部12のスリット部14とほぼ対称の構成(形状、寸法及び配置態様等)のスリット部24となっている。即ち、スリット部24は、大径円筒部22の中心に向かって延びる孔空き半円盤状をなし、その外径である半円盤形状の直径となる内端縁の直線部分から半円状の外周縁に向かって直線的に延びる短冊状または長孔状の複数の連通孔24aが厚さ方向に貫通形成されている。また、図7(c)に示すように、側板部21の幅方向の一側(図3の平面視で左側)には、側板部21から大径円筒部22にわたる範囲に、内部を肉抜きした厚肉状の側縁部25が一体形成されている。前記側板部21、大径円筒部22及び小径円筒部23は、同軸状に配置されて段付き(側板部21と大径円筒部22との間の段差及び大径円筒部22と小径円筒部23との間の段差の合計2段の段付き)の一体構造を有している。なお、側板部21の厚さ方向の外側面は、平坦面とされるとともに、幅方向両側面は、前記大径円筒部23の湾曲率と同一の湾曲率で湾曲する湾曲面となっている。
ベース部30は、円筒状の軸連結部31の上端に矩形平板状の底壁部32を一体形成すると共に、底壁部32の上面に平面矩形状の連続壁状をなす嵌合壁33を一体形成した構成である。詳細には、図8〜図9に示すように、軸連結部31は、下端を開放して円形の下端開口を設けた所定直径の円筒状であり、下端部の内周面に雌螺子31aを螺刻している。また、軸連結部31の上端は、底壁部32の下面中央部に一体形成により固定されている。底壁部32は、接合して一体化した第1カバー部10及び第2カバー部20の底面形状に対応する(同一外形の)平板状をなしている。底壁部32の上面には、底壁部32の外周縁から内側に所定間隔を置いて平面視で矩形の周壁状をなす嵌合壁33が一体形成されている。嵌合壁33は、前後両側の下端に、それぞれ、幅方向全体に直線的に延びる嵌合溝33aを形成している。前後一対の嵌合溝33aは、それぞれ、第1カバー部10の嵌合突部11c及び第2カバー部20の嵌合突部21cと同一幅で同一長さの直線溝となるよう形成されている。また、嵌合壁33の前後方向一側(第1カバー部10側)の一端(係合片16側)は、所定幅で完全に切除されて切欠部33bとされている。切欠部33bは、嵌合壁33のみならず、底壁部33の厚さ方向にも完全に貫通して、図7(b)に示すように、底壁部33の幅方向一端(係合片16側)で前後方向他側(第2カバー部20側)に向けて所定距離延設される直線開口を形成すると共に、底壁部33における当該直線開口の終端形状を半円形状としている。
第1カバー部10の側板部21及び第2カバー部20の側板部21間の直方体状の中空空間には、対応する外形のマイクロスイッチ40が収容して固定的に保持される。詳細には、検出信号出力部としてのマイクロスイッチ40は、ピン押ボタン型であり、図7(c)〜図9に示すように、側板部11の内側面と側板部21の内側面との間隔と同一の厚みで、側板部11,21の幅と同一幅の矩形ブロック状の外形を有するハウジング41を備えている。ハウジング41の高さ(上下寸法)は、側板部11,21の内側面11aのうち前記嵌合溝11b,21bより上側の部分の高さと同一である。即ち、ハウジング41の前後側面は、それぞれ、側板部11,21の内側面11aのうち前記嵌合溝11b,21bより上側の部分と同一形状の矩形平坦面状となっている。また、ハウジング41の上端面の一側(正面視で中央よりも若干左側の位置)には、ピン押ボタン42が若干突出して配置されている。ピン押ボタン42は、上方から下方へと押圧されることにより下動して、そのスナップアクションによって、ハウジング41内の上部に配設された接点(図示略)をオン状態(電気導通状態)となるよう動作することにより、ハウジング41内の下部に配設された端子からオン信号(外部電気機器への第1の指令信号)を出力するようになっている。一方、ピン押ボタン42は、下方への押圧力が解除されることによりそのスナップアクションによって上動(即ち、原位置に復帰)し、ハウジング41内の接点をオフ状態(電気非導通状態)となるよう動作することにより、ハウジング41内の端子からオフ信号(外部電気機器への第2の指令信号)を出力するようになっている。また、ハウジング41には、上部の下端付近に、左右一対の挿通孔43が形成されている。ハウジング41の下端を第1及び第2カバー部10,20の内側面11aに合致させたときに、挿通孔43は、第1カバー部10の左右一対の支持ピン18と同一の高さ位置及び同一の左右位置となる位置に(支持ピン18と同一間隔で)配置されている。なお、挿通孔43は、ハウジング41内の内部部品(接点等)と干渉しない位置に設けられると共に、支持ピン18を挿通自在な断面形状を有する(典型的には同一直径の)円形孔となっている。
湿式伸縮部材50は、図2に示すように、円盤状の基部51と、基部51の上面中央部から上方に直交して立設された所定直径の支持棒52と、支持棒52の上端に形成された若干大径の止め部53と、支持棒52に挿通して支持される円形リング状の複数枚の吸水シート54と、最上部の吸水シート54の上側に重ねて配設される円形リング状のネット55とを備えている。詳細には、基部51は、接合して円筒体とされた(第1カバー部10及び第2カバー部20の)小径円筒部13,23の直径より所定寸法小さい直径の円盤状をなしている。また、支持棒52は、第1及び第2カバー部10,20のスリット部14,24から小径円筒部13,23の上端までの距離よりも所定寸法だけ大きな長さの円柱状とされている。更に、止め部53は、支持棒52の直径より若干大きな直径の円盤状乃至フランジ状とされ、支持棒52の上端の全周から外方(水平方向)に張り出している。なお、基部51、支持棒52及び止め部53は、所定の合成樹脂材料を射出成形等の所定の成形方法で上記形状及び構成となるよう一体成形して製造される。
キャップ部60は、図2及び図7(a)に示すように、短円筒状の周壁部61と、周壁部61の上端を覆う孔空き円盤状の頂壁部62とを備える。周壁部61は、合体した円筒体状の小径円筒部13,23の外形と略同一(正確には、若干大径)の内径を有して、小径円頭部13,23の円筒体に上方から外嵌自在となっている。また、周壁部61において周方向の対向位置(180度の角度間隔を置いた位置)には、それぞれ、下縁から上下中央付近まで直線的に延びる矩形状の挿通凹部61aが貫通形成されている。更に、周壁部61の挿通凹部61aには、それぞれ、周方向に沿って(平面視で)時計回り方向に延びる案内凹部61が、連続して形成されている。案内溝61bは、挿通凹部61aの上端半部と同一の幅(上下寸法)で周方向に所定長(左右寸法、即ち、周壁部61の所定角度範囲)だけ延びている。ここで、周壁部61の挿通凹部61aの幅(左右寸法乃至周方向角度範囲)は、前記第1カバー部10及び第2カバー部20の係止突起17,27の幅(左右寸法)より若干だけ大きな寸法とされ、係止突起17,27に対して周壁部61の挿通凹部61aを上方から挿通自在となっている。また、周壁部61の案内溝61bの幅(上下寸法)は、第1カバー部10及び第2カバー部20の係止突起17,27の厚み(上下寸法)より若干だけ大きな寸法とされ、挿通凹部61aに挿通した係止突起17を周壁部61の挿通凹部61aに沿って周方向に(その終端位置まで)案内移動自在となっている。更に、周壁部61の案内溝61bの下側縁は、終端に向かって周壁部61の下端縁から徐々に上方に離間するよう微小な所定角度で傾斜して延びている。即ち、周壁部61の案内溝61bの幅は、基端(挿通凹部61a側の開口端)から先端(終端)に向かって徐々に幅狭となっている。これにより、(小径円筒部13,23の一定高さ位置にある)係止突起17,27が周壁部61の案内溝61b内を終端に向かって移動するにつれて、係止突起17,27が案内溝61bの下側縁に当接して徐々に案内溝61bの下側縁に圧接され、案内溝61bの終端位置で当該圧接力により案内溝61bの終端位置に保持されるようになっている。
ここで、湿式伸縮部材50は、支持棒52の上端の止め部53をキャップ部60の軸支持部63の支持孔63aに下方から挿通すると、支持孔63aより若干大径の止め部53が、(合成樹脂材料固有の弾性力により)支持孔63a内を若干の圧接力に抗して弾性変形により通過して、支持棒52が軸支持部63の支持孔63aに挿通されて遊嵌状態となる。これにより、支持棒52に挿着された所定枚数の吸水シート54及び支持棒52に挿着して吸水シート54の上側に載置されたネット55が、基部51とキャップ部60の頂壁部61との間に配置される。このとき、湿式伸縮部材50は、軸支持部63に係止される止め部53によりキャップ部60からの離脱を阻止され、軸支持部63の支持孔63aから止め部53を意図的に下方に引き抜こうとする外力を加えない限り、キャップ部60の頂壁部61に連結保持される。また、このとき、湿式伸縮部材50は、支持棒52が軸支持部63の支持孔63a内を自由に上下動(軸方向に移動)自在であるため、キャップ部60の頂壁部61の下面(正確には、軸支持部63の下面)と基部51の上面との間の(上下方向の)間隔も、支持棒52の移動に応じて増減自在となっている。即ち、支持棒52に挿着する吸水シート54の枚数は、吸水シート54の乾燥状態(雨滴を含水しない状態)で、全吸水シート54の合計厚み(上下寸法)が、止め部53の下端が軸支持部63の上面に当接したときの軸支持部63の下面と基部51の上面との間隔(最大間隔)よりネット55の厚み分だけ小さい合計厚みとなるまで増加することも理論上は可能であるが、実際は、吸水シート54の湿潤時(雨滴含水時)の膨張率と乾燥時の収縮率とが完全に一致するわけではなく、また、吸水シート54の厚さ方向以外への変形等によって吸水シート54全体の合計厚みが影響を受けることも考えられるため、前記最大間隔からネット55の厚み分を引いた間隔よりも更に所定間隔だけ吸水シート54の合計厚みが小さくなるよう、吸水シート54の最大挿着枚数を設定する。
また、このとき、支持棒52が軸支持部63に遊嵌状態であるため、基部51は、自重並びに吸水シート54及びネット55等の重量によって下方に移動し、基部51の下面がマイクロスイッチ40のピン押ボタン42の上端に当接する。即ち、基部51の下面の一部(好ましくは、中心付近の一部)がマイクロスイッチ40のピン押ボタン42に当接するような配置態様で、湿式伸縮部材50が第1カバー部10及び第2カバー部20の内部空間に配設される。更に、このとき、基部51の中心(軸心)が、大径円筒部12,22及び小径円筒部の軸心、並びに、(装着状態の)キャップ部60の軸心と一致した配置態様で、湿式伸縮部材50が第1カバー部10及び第2カバー部20の内部空間に配設される。
支柱70は、図2に示すように、土中に差し込み自在な先鋭状の差込部71と、差込部71の上端に同軸状に一体形成されて上方に延びる雄螺子部72と、雄螺子部72の上端に同軸状に一体形成されて上方に延びる挿入部73と、挿入部73の上端に同軸状に一体形成されて上方に延びる先鋭部74とからなる。詳細には、差込部71は、2枚の(平面視で)細長い二等辺三角形状の平板材を幅方向中央で十字形に接合すると共に、隣接する板材の内側面部分をリブにより補強してなり、全体として下端に向かって縮径するテーパー状の細長い三角錐状をなしている。差込部71の下端は先鋭となっており、所定の押圧力により土中に差込自在、かつ、所定の引き抜き力により土中から引き抜き自在となっている。なお、差込部71の上端は、平坦面状の当接面71aとなっている。また、雄螺子部72は、前記ベース部30の軸連結部31の雌螺子31aに螺入自在な雄螺子状をなしている。更に、挿入部73は、雄螺子部73より小径(即ち、軸連結部31の内周面の直径より小径)の円柱状である。また、先鋭部74は、挿入部73より小径の三角錐状をなしている。そして、支柱70は、雄螺子部72を軸連結部31の雌螺子31aに螺入することにより、ベース部30の下端に一体的に連結自在であり、また、雄螺子部72を軸連結部31の雌螺子31aから螺退することにより、ベース部30の下端から離脱自在とされる。支柱70のベース部30への連結状態では、図8及び図9に示すように、支柱70の挿入部73及び先鋭部74が、軸連結部31の内部に遊嵌状態(内周面との間に所定の隙間を置いた状態)で収容され、先鋭部73の上端が軸連結部31の上端よりも所定距離下方に位置する状態となる。
本実施の形態のレインセンサーは、上記のように、第1カバー部10及び第2カバー部20を、それらの間にマイクロスイッチ40を配設した状態で互いに組み付けて接合すると共に、第1カバー部10及び第2カバー部20の下端にベース部30を組み付けて接合することにより本体を組み立て、また、湿式侵襲部材50をキャップ部60に取り付けた状態で、キャップ部60を第1カバー部10及び第2カバー部20の上端に組み付けることにより、第1カバー部10及び第2カバー部20の内部空間のマイクロスイッチ40の上側に湿式伸縮部材50を配設し、更に、ベース部30の下端に支柱70を連結することで、完全な組み立て状態(図1の状態)とすることができる。そして、この後、レインセンサーは、屋外の所望の設置場所、典型的には、家屋の庭園等に設置された散水栓の近傍位置であって、散水対象となる花壇の花及び草木類や樹木類の近傍位置に設置される。即ち、レインセンサーは、支柱70の差込部71を設置場所の土中に差し込むことで、設置場所に立設状態(垂立状態)で固定的に保持して設置される。そして、このように設置場所に設置されたレインセンサーは、ベース部30の底壁部31から下方に引き出されたコード44を、レインセンサー内のマイクロスイッチ40の出力信号の出力対象である電気機器に電気的に接続する。例えば、図10に示すように、コード44の一端に設けた接続端子としてのコネクター45を、散水制御用電気機器としての散水タイマー100の入力端子に電気的に接続する。なお、散水タイマー100は、配管部品としての連結管101の一端側の入水部(図10中の上端部)を散水栓の吐水口(図示略)に連結することにより、散水栓の吐水口からの原水を本体102内部に導入し、本体内部の弁機構を弁駆動機構により開閉駆動して、散水栓からの原水を通水及び止水するものである。なお、散水タイマー100の連結管101の出水部(図10中の下端部)には、散水ホース等が連結され、散水タイマー100が散水栓を通水状態としたときに、散水栓から散水タイマー100を介して供給された原水を、散水対象の花壇等に散水するようになっている。
上記設置状態で、本体10,20,30内部の湿式収縮吸水シート54(特に最上部の吸水シート54の上面)は、ネット55の多数の小孔を挟んで、キャップ部60の直線溝62a及び円形孔62bからなる連通孔を介して外部空間に連通している。したがって、レインセンサーの垂立状態では、キャップ部60の頂壁部61が上方に向けて配置され、降雨時には、キャップ部60の連通孔62a,62bを通過した雨滴が、吸水シート54に付着して内部に含浸され、これにより、吸水シート54が吸水により湿潤して膨張する。このとき、最上部の吸水シート54の上面から含浸及び吸水が行われて、最上部の吸水シート54が早期に湿潤するが、各吸水シート54については、順次、上側の吸水シート54の下面から排出された水分が下側の吸水シート54に含浸されることにより、上側から下側に向かって吸水シート54が順次含水し、上側の吸水シート54から下側の吸水シート54が順次厚さ方向に膨張する。これにより、基部51上の所定枚数の吸水シート54の全体が膨張して、合計厚みが増大する。そして、吸水シート54の合計厚みが、キャップ部60の軸支持部63の下面と(原位置としてマイクロスイッチ40上に載置状態にある)基部51の上面との間の間隔を超えたとき、吸水シート54によって基部51が下方に付勢及び押圧されて、マイクロスイッチ40のピン押ボタン42を下方に押圧する。
本実施の形態のレインセンサーによれば、以下のような作用効果を発揮することができる。まず、上記のように、散水栓からの散水は散水対象植物の根が張る植栽位置の地面及び地中に、必要十分量の水分、即ち、散水対象植物の生育に必要な量であって、生育を妨げるような過剰でない量の水分が含浸されるよう、その散水タイミング及び散水量を制御する必要があるが、本実施の形態のレインセンサーは、実際の散水対象植物の根の近傍位置の地面等の雨滴検出に最適な最適検出位置に設置自在な構成とされているため、降雨時には散水対象植物の根の近傍位置等の最適検出位置に支柱70の差込部71を差し込むだけで簡単かつ確実に位置決めして固定することができるため、散水対象植物近辺の実際の降雨量に基づいて雨滴検出信号乃至降雨開始検出信号や降雨停止検出信号(散水タイマー等のオン・オフ動作用の信号)を出力することができる。したがって、本実施の形態のレインセンサーは、散水タイマー等の散水制御用電気機器に対して、散水対象植物にとって必要十分な散水量となるような散水制御を行うことを可能にする。即ち、レインセンサーは、降雨開始時には、最適検出位置での降雨量に基づいて、降雨開始後の早期時間経過後の即座のタイミングで散水動作停止信号(散水制御用電気機器が散水栓からの吐水を停止するための指令信号)を出力し、降雨停止時には、最適検出位置での降雨量に基づいて、最適検出位置での地面付近の含水状態(乾燥状態)に対応したタイミングで散水動作開始信号(散水制御用電気機器が再度吐水開始するための指令信号)を出力することができる。
また、本実施の形態のレインセンサーによれば、降雨時の雨滴は、キャップ部60の頂壁部62に設けた連通孔62a,62bを通過して本体10,20,30の内部に収容した吸水シート54に付着し、吸収されて浸透するが、このとき、円形孔62bと直線溝62aとからなる連通孔が、頂壁部62の面積の大部分を占めることになる。具体的には、連通孔は、頂壁部62の直径の約半分の直径を有する円形孔62bと、円形孔62bの外周縁から頂壁部62の外周縁付近まで延びる合計6個の直線溝62aとからなる花弁形状を有するため、全体として、連通孔62a,62bによる開口面積を非常に大きく確保することができる一方で、キャップ部60の頂壁部62に対して、内部のネット55や吸水シート54の外部への離脱を阻止するために最低限必要な当接部分乃至支持部分を残すことができる。即ち、頂壁部62の支持部分は、6個の直線溝62a間の台形板状部分により構成され、この台形板状部分が頂壁部62の外周側で等角度間隔で周方向に配置されることになるため、かかる台形板状部分によってキャップ部60の内部のネット55や吸水シート54を確実に係合支持して、ネット55や吸水シート54がキャップ部60の外部へ離脱することを確実に阻止することができる一方で、花弁形状として十分な開口面積を確保した連通孔62a,62bにより、降雨時の雨滴をキャップ部60内部の吸水シート54に対して効率的に供給することができる。要するに、湿式伸縮部材50は、支持棒52に嵌挿されて最上部の吸水シート54をネット55で覆う一方、キャップ部60の連通孔は、ネット55の外周部の一部に当接する凹凸部としての台形板状部分を有すると共に、当該凹凸部以外の全面を開口としている。その結果、レインセンサーは、散水対象の近傍の所望位置に設置できることと相まって、降雨開始時には、設置場所の降雨量に応じた雨滴が連通孔62a,62bから内部に進入し、当該降雨量に応じた量の水分で吸水シート54を含水膨張させることができ、降雨時の雨量の検出精度を向上して、動作停止指令信号を最適なタイミングで出力することができる。
更に、本体10,20,30の内部に収容した吸水シート54の上面をネット55によって完全に覆うため、外部空間を浮遊する塵塊等の異物がキャップ部60の連通孔62a,62bから内部に侵入することをネット55によって確実に阻止することができ、かかる異物が吸水シート54やマイクロスイッチ40のピン押ボタン42等に付着することによる不具合を効果的に防止することができる。例えば、異物が上下の吸水シート54間に挟まって滞留したり、基部51とピン押ボタン42との間に挟まって滞留したりした場合、吸水シート54の合計厚みが(吸水によらずに)増加したり、ピン押ボタン41が(吸水シート54の吸水膨張によらずに)動作したりする可能性も否定できないが、本実施の形態によれば、このような事態が生じることを効果的に防止することができる。また、本実施の形態のレインセンサーでは、吸水シート54の下面側の左右両側には、大径円筒部12,22の下端付近で(複数の連通孔14aを並設した)半円形状のスリット部14,24がそれぞれ配置されることになる。したがって、かかる吸水シート54の下側のネット14,24によっても、外部の異物(特に、地面付近から浮遊する異物や地面周辺を飛ぶ虫等)が本体102,20,30内部に侵入するのを確実に阻止することができ、かかる異物に起因する不具合を効果的に防止することができる。また、レインセンサーは、上端側の連通孔62a,62b及び下側のスリット部14,24を介して、吸水シート54が外部空間と連通するため、吸水シート54に対する外気と内気との循環を促進することができ、降雨による吸水シート54中の水分を、連通孔62a,62b及びスリット部14,24の連通孔14a,24aを介して早期に外部に放出することができる。要するに、レインセンサーは、本体10,20,30における内部空間の上部と下部との間に、湿式伸縮部材50の下方に対向するよう複数の連通孔14a,24aを有するスリット部14,24を配置し、スリット部14,24により本体10,20,30の内部の湿式伸縮部材50の吸水シート54に対する下方からの通気を行う。その結果、降雨停止時には、レインセンサーは、設置場所の乾燥状態に応じて吸水シート54を早期に乾燥することができ、降雨停止時の検出精度も向上して、解除指令信号を最適なタイミングで出力することができる。特に、レインセンサーは、吸水シート54の上方にネット55を配設し、下方にスリット部14,24を配設する構成としているため、降雨時及び降雨停止時のいずれにおいても、スリット部14,24より本体10,20,30の内部の水分(特に、吸水シート24周辺にある雨滴)を下方に排出して、過剰な水分が本体10,20,30内部に滞留するのを効果的に防止することができる。特に、降雨停止時には、スリット部24により本体10,20,30内部の水分を吸水シート54の下方から円滑かつ迅速に排出すると共に、ネット55によって吸水シート54の上方からの通気を行う一方でスリット部14,24によって吸水シート54の下方からの通気を行い、吸水シート54の上下両側からの通気を促進して(即ち、気候条件に応じて、上方から下方へ流れる空気流、または、下方から上方に流れる空気流を促進して)、設置場所の乾燥状態に応じて吸水シート54を早期に乾燥することができ、降雨停止時の検出精度も向上して、解除指令信号を最適なタイミングで出力することができる。
また、吸水シート54は、支持棒52に挿通して保持されるだけであるため、必要に応じては、或いは、使用条件に応じて、吸水シート54の嵌挿枚数を簡単に変更して、吸水シート54の合計厚み(膨張時の合計厚み及び乾燥時の合計厚み)を調節することができる。即ち、キャップ部60を本体10,20,30から取り外し、軸支持部63から伸縮部材50の止め部63を引き抜くことで、ネット55を支持棒52から取り外し、所望枚数の吸水シート54を支持棒52から取り外したり、或いは、追加の吸水シート54を支持棒52に嵌挿したりして枚数変更することが容易である。具体的には、所定枚数(例えば、11枚)の吸水シート54を支持棒52に嵌挿してレインセンサーを使用している場合において、降雨による吸水シート54の膨張が予期したより早くなり、本来の止水指令信号出力のタイミングより早いタイミングでピン押ボタン42を押圧している場合、吸水シート54の乾燥枚数を減少する(例えば、10枚や9枚等にする)ことにより、吸水シート54全体による高さ方向の膨張率を低減して、止水指令信号を出力するタイミングを遅くすることが可能である。また、本体10,20,30に対するキャップ部60の着脱も簡単で、かつ、吸水シート54の支持棒52に対する着脱も簡単であるため、長期間の使用に伴って吸水シート54が汚れた場合等に、吸水シート54を洗浄のために取り外したり、交換したりすることが非常に容易である。
更に、マイクロスイッチ40は、左右一対の挿通孔43に第1カバー部10の左右一対の支持軸18を挿通して、支持軸18の先端部を第2カバー20の支持孔に密嵌することで、第1カバー部10の側板部11と第2カバー部20の側板部21との間で密接挟持して保持されるため、第1カバー部10の側板部11と第2カバー部20の側板部21との間の空間に、支持自部18によって上下左右等の各方向への移動を阻止された状態で密閉状に密嵌保持されることになる。したがって、マイクロスイッチ40が本体10,20.30の内部空間内で位置ずれすることがなく、位置ずれに起因するマイクロスイッチ40の誤動作等の不具合を確実に防止することができる。
また、本体を、一体ケース構造ではなく、第1カバー部10、第2カバー部20及びベース部30の3ピース構造乃至3分割ケース構造(セパレート式)としたため、内部へのマイクロスイッチ40の収容配設作業が容易であり、また、マイクロスイッチ40のコード44の端部をベース部30内に収容配置して、コード44の端部処理を美麗に行い、全体の美的外観(意匠性)を向上することができる。更に、本体10,20,20の上端部、即ち、第1カバー部10及び第2カバー部20の上端部にキャップ部60を嵌合するだけで、本体10,20,30の上端部をキャップ部60によって挟持して確実に固定することができるため、本体10,20,30の上端部での不意の分解や離脱等の不具合を確実に防止することができる。
20:第2カバー部(本体)、24:スリット部
30:ベース部(本体)
40:マイクロスイッチ、41:ハウジング、42:ピン押ボタン、43:挿通孔
50:湿式伸縮部材、51:基部、52:支持棒、54:吸水シート、55:ネット
60:キャップ部、61:頂壁部、62a,62b:連通孔
70:支柱
Claims (4)
- 互いに接合離脱自在な第1カバー部及び第2カバー部と、接合状態の第1カバー部及び第2カバー部の下端に着脱自在に接合されて当該下端を閉塞するベース部とから構成される3分割構造を有し、前記ベース部により下端を閉塞すると共に、前記接合状態の第1カバー部及び第2カバー部の上端を開口し、かつ、前記第1カバー部と第2カバー部との間に内部空間を形成する本体と、
前記本体のベース部に連結されて前記ベース部から下方に延びる軸状をなし、土中に挿脱自在な支柱と、
前記本体の第1カバー部及び第2カバー部の上端の開口に着脱自在に挿着されると共に、頂壁部に花弁形状の連通孔を貫通形成したキャップ部と、
前記本体の内部空間の下部に位置ずれ不能に配設されると共に、上端にピン押ボタンを配置したマイクロスイッチと、
前記本体の内部空間の上部に配設されると共に、基部と、前記基部から上方に延びる支持棒と、前記支持棒に嵌挿される所定の複数枚数の吸水シートとを有する湿式伸縮部材とを備え、
前記湿式伸縮部材の支持棒の上端を前記キャップ部に着脱自在に連結し、前記キャップ部を前記本体の上端の開口に装着することで、前記湿式伸縮部材の基部を前記マイクロスイッチの上端に載置して前記ピン押ボタンに当接させると共に、前記支持棒に嵌挿した吸水シートを前記本体の内部空間の上部に配設し、降雨時には、雨滴が前記キャップ部の連通孔から前記本体内部に進入して前記吸水シートに含浸されることで、前記吸水シートが軸方向に吸水膨張して前記基部を下方に付勢し、当該基部が前記マイクロスイッチのピン押ボタンを押圧駆動するようにし、一方、非降雨時には、前記吸水シートに含浸された水分が前記キャップ部の連通孔から本体外部に放出されることで、前記吸水シートが軸方向に乾燥収縮して前記基部に対する下方への付勢力を解除し、前記基部による前記マイクロスイッチのピン押ボタンの押圧駆動を解除するようにしたことを特徴とするレインセンサー。 - 更に、前記湿式伸縮部材は、前記支持棒に嵌挿されて最上部の前記吸水シートを覆うネットを有し、前記キャップ部の連通孔は、前記ネットの外周部の一部に当接する凹凸部を有すると共に、当該凹凸部以外の全面を開口としたことを特徴とする請求項1記載のレインセンサー。
- 更に、前記本体における前記内部空間の上部と下部との間に、前記湿式伸縮部材の下方に対向するよう複数の連通孔を有するスリット部を配置し、前記スリット部により前記本体の内部の水分を下方に排出すると共に、前記湿式伸縮部材の吸水シートに対する下方からの通気を行うことを特徴とする請求項1または2記載のレインセンサー。
- 前記第1カバー部及び第2カバー部の一方の内側面には、当該内側面から直交して突出する一対の支持ピンを設け、
前記第1カバー部及び第2カバー部の他方の内側面には、前記一対の支持ピンの先端部を密嵌保持する一対の支持孔を設け、
前記マイクロスイッチのハウジングには、前記一対の支持ピンを挿通自在な一対の挿通孔を設け、
前記マイクロスイッチの一対の挿通孔に前記一対の支持ピンを挿通し、前記第1カバー部及び第2カバー部の対向する内側面間に前記マイクロスイッチを挟持すると共に、前記一対の支持ピンの先端部を前記一対の支持孔に密嵌保持することで、前記マイクロスイッチを前記本体内の定位置に移動不能に配設したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のレインセンサー。
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