JP2011240267A - 微小気泡発生機構 - Google Patents

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泰孝 坂本
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Abstract

【課題】 気泡の微細化効果が劇的に向上し、気体を加圧溶解して高濃度の気泡を発生させる場合においても、気泡の微細化を十分に達成できる微小気泡発生機構を提供する。
【解決手段】 加圧溶解ユニット310の採用により、絞り部21Jに供給される液体中の溶存気体濃度が加圧溶解により高められ、キャビテーション効果により析出する気泡の数形成密度を大幅に高めることができる。他方、加圧濃縮気体溶解液の場合、気泡が析出した時の周囲の溶存液体濃度が高いため、気泡が急速に成長しやすい傾向になる。そこで、絞り部21を通過した気泡含有液体の一部を、送液経路312から分岐形成された帰還経路300により、絞り部21J又は絞り部21よりも上流側に帰還させる。十分微細化できなかった気泡も絞り部21に帰還することでその再粉砕が可能となる。その結果、加圧溶解特有の高濃度の気泡を均一に微細化することができ、微小で長寿命の気泡を極めて効率よく大量に発生させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小気泡発生機構に関するものである。
水中に形成される気泡は、そのサイズによりミリバブルあるいはマイクロバブル(さらには、マイクロ・ナノバブルおよびナノバブル等)に分類されている。ミリバブルはある程度の巨大な気泡であり、水中を急速に上昇して最終的には水面で破裂して消滅する。これに対して、直径が50μm以下の気泡は、微細であるが故に水中での滞在時間が長く、気体の溶解能力にも優れているため水中においてさらに縮小していき、ついには水中で消滅(完全溶解)する特殊な性質を有し、これをマイクロバブルと称することが一般化しつつある(非特許文献1)。
近年、こうした微小気泡が多くの用途に応用され、例えば浴槽用の気泡水流噴出部やシャワー等に組み込みが可能な微小気泡発生装置が種々提案されている(特許文献1〜4)。基本的には、ベンチュリ管などの絞り機構に水流水を供給し、該絞り機構を高流速化して通過する際にベルヌーイの原理に由来して生ずる減圧効果により、水に溶解していた空気を微小気泡として析出させるキャビテーション方式が採用されている。また、予め気体を水に加圧溶解して絞り機構に供給すれば減圧発泡に伴う気泡析出量が増加し、より高濃度の微小気泡を得ることができる。
特開2008− 73432号公報 特開2007−209509号公報 特開2007− 50341号公報 特開2006−116518号公報
インターネットホームページ(http://unit.aist.go.jp/emtech-ri/26env-fluid/pdf/takahashi.pdfマイクロバブルおよびナノバブルに関する研究')
しかし、上記従来の微小気泡発生機構では、絞り機構通過後の水流中に析出した気泡をさらに微粉砕するための流れ要素として、絞り孔を通過した水流自体の開放・乱流化に伴なう渦発生のみしか期待できず、気泡の微細化レベルも十分でない欠点がある。そして、気体を加圧溶解して高濃度の気泡を発生させようとした場合は、気体の急激な析出による気泡粗大化が特に進みやすいのが問題である。
本発明の課題は、気泡の微細化効果が劇的に向上し、気体を加圧溶解して高濃度の気泡を発生させる場合においても、気泡の微細化を十分に達成できる微小気泡発生機構を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の微小気泡発生機構は、
気体と液体とを接触させた状態で加圧し、液体に気体を強制溶解させることにより気体濃度を上昇させた加圧濃縮気体溶解液を発生させる加圧溶解ユニットと、
加圧溶解ユニットから加圧濃縮気体溶解液を減圧しつつ流出させる送液経路と、
送液経路上に設けられ、気体含有液体に含有される気泡を微粉砕する絞り部と、
絞り部を通過した気体含有液体に基づく気泡含有液体の一部を、送液経路から分岐形成された帰還経路により、絞り部にて又は該絞り部よりも上流側かつ加圧溶解ユニットよりも下流側にて送液経路に帰還させる気泡含有液体帰還部と、を有することを特徴とする。
本発明においては、加圧溶解ユニットの採用により、絞り部に供給される液体中の溶存気体濃度が加圧溶解により高められ、キャビテーション効果により析出する気泡の数形成密度を大幅に高めることができる。他方、加圧濃縮気体溶解液の場合、気泡が析出した時の周囲の溶存液体濃度が高いため、気泡が急速に成長しやすい傾向になる。しかし、本発明においては上記のごとく、絞り部を通過した気泡含有液体の一部を、送液経路から分岐形成された帰還経路により、絞り部又は絞り部よりも上流側に帰還させるので、十分微細化できなかった気泡も絞り部での再粉砕が可能となる。その結果、加圧溶解特有の高濃度の気泡を均一に微細化することができ、微小で長寿命の気泡を極めて効率よく大量に発生させることができる。
上記本発明の微小気泡発生機構には、気泡含有液体の残部を加圧溶解ユニットの上流側に被循環液体として戻す循環経路と、該循環経路上に設けられ、被循環液体に気体を導入・混合する気体含有液体となす気体導入部と、該気体含有液体を加圧溶解ユニットへ圧送するポンプとを設けることができる。このように構成すると、絞り部を通過した気泡含有液体は、循環経路に戻されて新たな気体の導入・混合を受けつつポンプにより加圧溶解ユニットへ再圧送されるので、液体への気体溶解量が大きく増加し、発生する気泡の濃度を飛躍的に高めることができる。他方、溶存気体濃度が増加する分、絞り部で析出した気泡の成長もより進みやすいが、本発明ではその成長途上の気泡の一部が、送液経路から分岐形成された帰還経路により、加圧溶解ユニットよりも下流側で絞り部に戻される。つまり、循環経路側に流れ込む気泡は加圧溶解ユニットに戻り大半は再溶解する一方、帰還経路側へ流れ込んだ気泡は加圧溶解ユニットを経ずに(すなわち、再溶解を起こしにくい状態で)絞り部に戻され再粉砕される。これにより、気体の加圧溶解・析出を連続的に行いながら気泡濃度を高めつつ、析出した気泡の一部を加圧溶解ユニット外で循環させることで、その微細化も継続的に進行させることができ、微小気泡を極めて高濃度に含有した液体を効率的に生成することが可能となる。
次に、帰還経路は、絞り部に位置するか又は該絞り部よりも上流側に位置する送液経路からの分岐口と、絞り部よりも下流側にて分岐口よりも高圧力となる帰還流入口とを接続する形で設けることができる。このとき、絞り部を通過した気泡含有液体の一部を、帰還経路を経て分岐口と帰還流入口との差圧に基づき送液経路に吸引帰還させるように構成すると、ポンプなど、帰還液体の圧送手段を帰還経路の途上に設ける必要がなくなり、気泡微粉砕のための絞り部への液体帰還機構を極めて軽量かつ簡単に構成することができる。
例えば、絞り部よりも下流側にて送液経路には気泡含有液体を回収する回収容器を設けることができる。この場合、帰還経路の帰還流入口を該回収容器内に開口させることができる。液体の流速は、管路等で構成された送液経路を通過する際には大きく、逆に回収容器内では顕著に小さくなる。その結果、送液経路との分岐口にて低く回収容器側の帰還流入口にて高くなる形で、帰還経路両端に大きな差圧を付与でき、帰還経路への帰還流吸引量を増加させることができる。その結果、帰還流による気泡粉砕効果を大幅に高めることができる。
本発明の微小気泡生成装置においては、帰還経路の分岐口を絞り部に形成することで、気泡を含有した帰還流を流速の大きい絞り部に直接供給でき、また、高流速の絞り部に帰還経路が連通することで、帰還経路への液体吸引力も高めることができるので、気泡の微粉砕効果をさらに高めることができる。この場合、液体入口と液体出口とを有し、液体入口から液体出口に向かう、送液経路の一部をなす流路が内部に形成された中空の流路形成部材を備え、該流路に絞り部が形成される一方、一端が絞り部に連通するとともに他端が流路形成部材の外周面側に開口する吸引孔が、帰還経路の一部として該流路形成部材に形成された気泡微小化ノズルを設けることができる。このようにすると、気泡微小化ノズルに形成された吸引孔を利用して絞り部に連通する帰還経路を簡単に形成することができる。
また、気泡微小化ノズルの液体出口から噴出する気泡含有液体を回収する回収容器を設ける場合、例えば、気泡微小化ノズルの液体出口を回収容器の壁部に直接、あるいは別の管路を介して間接的に開口させることが可能である。これにより、帰還経路の両端に付与される差圧を大きくすることができ、前述のごとく帰還経路への帰還流吸引量を増加させることができる。
さらに、別の手法としては、気泡微小化ノズルを回収容器内にて気泡含有液体の液面下に没する形態に配置することも可能である。この場合、該気泡微小化ノズルの吸引孔を帰還経路とする形で流路形成部材の外周面側の開口から該吸引孔を経て絞り部に気泡含有液体を吸引帰還させることができる。
容器内の気泡含有液体中に気泡微小化ノズルを液没させることで、その吸引孔へ周囲の気泡含有液体を直接吸引させることができ、帰還経路形成用の配管が不要となる。その結果、管路通過に伴う流れ損失を軽減でき、帰還流の流量を増やすことができる。
絞り部は、流路内に配置された衝突部材と、流路内にて衝突部材の先端部と対向する絞りギャップ形成部とを備え、衝突部材の外面と流路の内面との間に迂回流路部が形成されるとともに、衝突部材と絞りギャップ形成部との間には、迂回流路部よりも低流量かつ高流速となるように液体流を絞りつつ通過させる絞りギャップが形成された構造を有するものとして形成できる。また、衝突部材には、流路形成部材の流路壁部とともに該衝突部材を突出方向に貫通する形にて吸引孔を、一端側が該衝突部材の先端側にて絞りギャップ内に開口し、他端側が流路壁部を貫通して壁部外面に開口する形で形成されているものとして形成できる。
上記の構成では、流路内に衝突部材を設け、また、該流路内にて衝突部材の突出方向先端部と対向する絞りギャップ形成部を設ける。そして、衝突部材の外面と流路内面との間に水迂回流路部を形成するとともに、衝突部材と絞りギャップ形成部との間には、水迂回流路部よりも低流量かつ高流速となるように液体を絞りつつ通過させる絞りギャップを形成する。このような構造の絞り部に液体流を供給すると、液体流は絞りギャップにて絞られ流速が増加する。ギャップを通過する高速液体流はギャップ出口から解放され、ベルヌーイの原理に従いギャップ及びその下流側に負圧域を形成するので、そのキャビテーション(減圧)効果により液体流中の溶存気体が析出して気泡が発生する。
例えば特許文献1、2のようなベンチュリ管などの周知の絞り機構を用いる方式では、微細な渦流を生ずるための乱流の発生効率が低く、気泡の相互衝突確率は増大しても微小気泡への粉砕自体は進みにくい傾向にある。液体中の気泡は固体粒子と異なり、相互衝突しても気泡の合体が生じやすい。特許文献1、2に開示された機構では渦流の発生効率が低いため、液体流中の気泡に対しては比較的マクロな撹拌効果が主体的となる。また、通過液体流の流速が不十分なため、絞り孔下流側の減圧レベルも小さく渦流の発生程度も小さい。従って、キャビテーションによる気泡析出量も少ないし、渦流に巻き込むことによる気泡粉砕も進みにくいので、微小気泡を十分に形成することができなかった。結局のところ、十分に縮小した微小気泡を得るには、絞り機構通過時に生じている比較的粒径の大きい気泡を長時間循環させて気体自体の溶解により気泡を縮小させる方法に頼らざるを得ない。その結果、微小気泡を高濃度に含んだ水を得るには気体を導入しながらの長時間の循環が必要となり、微小気泡含有水の製造能率が悪い欠点があった。
しかし、上記の構成では、従来のベンチュリ管やオリフィスなどの絞り孔以外の流路部分が存在しない構造ではなく、絞りギャップを形成する衝突部材と流路との間に、衝突部材にぶつけた液体流を迂回させる水迂回流路部を形成したので、ギャップ通過時に流体抵抗が過度に増加せず、結果として該絞りギャップは従来よりもはるかに高速の液体流が通過する。これにより、絞りギャップ及びその下流でのキャビテーション(減圧)効果が大幅に高められ、溶存気体濃度が同じ液体流であってもより多量の気泡を析出させることができる。
また、絞りギャップの通過流速が高速化することで、その下流側に立体広角的に拡がりながら形成される三次元的な負圧域の全体にわたって微小な渦流が多数形成される。また、これとは別に、衝突部材にぶつかって水迂回流路部を通過した液体流が衝突部材の下流側に回りこみ、より大流量で激しい乱流が上記の負圧域に重畳して流れ込む。析出気泡を含む絞りギャップの通過流束は、これら2系統の乱流により三次元的に激しくランダムに撹拌されるとともに、析出した気泡を取り囲む多数の微小渦流がそれぞれ気泡を自身に引き込もうとする結果、気泡の微粉砕が大幅に促進される。また、衝突部材に帰還経路をなす吸引孔が形成されることで、高流速(高負圧)の絞りギャップに帰還流を直接供給することができる点も、気泡微粉砕効果の向上に大きく貢献する。
上記構造の絞り部において迂回流路部は、流路内にて液体流通方向から見て衝突部材の突出方向に関しその片側だけに形成することもできるが、液体流通方向から見て衝突部材の突出方向に関しその両側に迂回流路部を形成しておけば、気泡析出する下流側の負圧域に向け、衝突部材の両側から回り込み乱流が合流するので気泡粉砕効果が一層高められ、微小気泡をより効率的に発生することができ、また、より細径の微小気泡を得る上でも有利となる。
衝突部材及び絞りギャップ形成部との絞りギャップを形成する各対向面の少なくともいずれかには減圧空洞を形成することができる。すなわち、衝突部材ないし絞りギャップ形成部の絞りギャップに臨む面に形成された減圧空洞は流速の小さい淀み空間として機能するので絞りギャップ内部との流速差が拡大し、ベルヌーイの原理によるキャビテーション(減圧)効果を著しく高めることができる。その結果、液体流中の溶存気体に由来した気泡析出量が増加し、液体流中の微小気泡の濃度を高めることができる。負圧域を十分に確保する観点から、減圧空洞の開口径は1mm以上であることが望ましく、深さは開口径よりも大きいことが望ましい。
また、減圧空洞を液体流中で共振させれば、該共振により超音波帯共鳴波が発生し、気泡析出のためのキャビテーションと、共鳴振動による気泡粉砕をさらに促進できる。円筒形の減圧空洞を形成する場合、共鳴波の帯域を超音波帯(100kHz以上)とする観点においては、その開口径を10mm未満(望ましくは4mm未満)とするのがよく、深さは開口径とほぼ等しいか、それよりも大きく設定する(望ましくは開口径のほぼ整数倍とする)のがよい。
次に、衝突部材及び絞りギャップ形成部の絞りギャップを形成する各対向面の少なくともいずれかを、液体流入側にて該絞りギャップの間隔を上流側から下流側に向けて漸次縮小させる絞り傾斜面として形成することができる。これにより、絞りギャップの対向間隔が絞りギャップ入口からギャップ奥に向かうほど連続的に縮小するので、ギャップ奥に向けて液体流をスムーズに絞ることができ、ギャップ通過時の流量損失を低減して流速を高めることができる。また、衝突部材及び絞りギャップ形成部の絞りギャップを形成する各対向面の少なくともいずれかは、液体流出側にて該絞りギャップの間隔を上流側から下流側に向けて漸次拡大させる拡大傾斜面として形成することもできる。
衝突部材(あるいは後述の対向衝突部材)の流路内突出部分の外周面には、液体流剥離凹凸部を形成することができる。上記のような液体流剥離凹凸部を衝突部材の外周面に形成しておくことで、流路の中心軸線方向に流れ込む液体流が液体流剥離凹凸部を乗り越える際に液体流の剥離が生じやすくなり、液体流の乱流化をさらに促進することができる。液体流剥離凹凸部は、衝突部材の流路内突出部分の外周面に形成されたねじ山とすることができる。ねじ山は衝突部材の軸線を法線とする仮想面に対して一定の傾斜角を有しており、この仮想面と平行な向きにて衝突部材に向け液体流が流れ込むと、該液体流方向に対して傾斜した複数のねじ山を横切って衝突部材の下流側に回り込む。このとき、液体流が一方の谷側から反対の谷側へねじ山の稜線部を乗り越える際に、上記乱流化に貢献する液体流剥離が特に生じやすい。
微小気泡を十分なレベルで発生させるには、絞りギャップは、液体流入口と液体流出口との圧力差が例えば0.2MPaとなるように液体を供給したとき通過する液体流の最大流速が8m/秒以上(上限値には制限はないが、圧力差0.2MPaにて可能な上限値として、例えば50m/秒を例示できる)となるように調整されていることが望ましい。また、この場合、絞りギャップに発生する最大負圧は0.02MPa以上(理論上の上限値は0.1MPa)となっていることが望ましい。特に、前述の減圧空洞が形成されている場合は、前記圧力差が0.2MPaとなるように液体を供給したとき、該減圧空洞の全域を0.02MPa以上の負圧状態に容易に維持することができる。また、減圧空洞内の全域が該レベルの負圧状態となることで、回り込み乱流により衝突部材の下流側に隣接形成される負圧域も、0.02MPa以上の負圧状態に維持することが可能となる。いずれも、気泡析出のためのキャビテーション効果の顕著化に寄与する。絞りギャップや減圧空洞あるいはその下流側に形成される負圧域の負圧レベルは、より望ましくは0.05MPa以上となっているのがよい。
上記のような負圧発生条件で前記圧力差が例えば0.2MPaとなるように液体を供給すれば、上記特有構成の絞り部の場合、液体流出口から噴射される液体流に含まれる気泡の微細化に大きく貢献する。例えば円状軸断面を有する衝突部材を採用する場合、前記圧力差が0.2MPaとなるように10℃の水を供給したとき、該円状軸断面を有する衝突部材の外径と迂回流路部の流通断面積とは、迂回流路部内に配置された衝突部材に関するレイノルズ数が10000以上となるように調整されているとよい。
円柱状断面の衝突部材を液体流中に配置したとき、衝突部材の外径をD、流速をU及び水の動粘性係数をνとしてレイノルズ数Reは、
Re=UD/ν(無次元数) ‥ (1)
にて表され、該円柱状断面の衝突部材周囲の流れはレイノルズ数Reが1500以上で乱流化することが知られており、特にReが10000以上のとき、回り込み乱流による気泡の微粉砕効果は飛躍的に高められるので、個数平均値レベルでの気泡粒径をさらに容易に縮小することができる。例えば、平均流速が8m/秒以上となるように迂回流路部の流通断面積が調整されていれば、円状軸断面を有する衝突部材の外径を1〜5mmに調整することによりレイノルズ数Reの値を10000以上の値に容易に確保できる。
特に、迂回流路部の流通断面積が、液体流入口に供給圧力0.55MPaにて10℃の水を供給したときの平均流速が18m/秒以上となるように調整され、円状軸断面を有する衝突部材の外径が1〜5mmに調整されていれば、迂回流路部内に配置された衝突部材に関するレイノルズ数Reは20000を超える値となる。そして、衝突部材が形成する絞りギャップでの通過液体流の最大流速が25m/秒以上となっていれば、噴射される液体流に含まれる微小気泡の数平均粒径を、電解質を積極添加しない淡水では従来実現不能と考えられていた1μm以下の値(例えば、1nm以上500nm以下の値、望ましくは1nm以上100nm以下の値、さらに望ましくは1nm以上50nm以下の値)に縮小することが可能となる。つまり、数平均値レベルにてナノバブル領域となる微小気泡を、複雑で高価なバブル発生装置を用いずとも容易に発生できる。また、上記の流速条件が充足されている状況下では、絞りギャップや減圧空洞あるいは下流側負圧域の負圧レベルは、0.05MPa以上にまで高めることができるので、発生可能な微小気泡の濃度も大幅に高められる。
次に、上記構成の絞り部において絞りギャップの間隔を縮小すればギャップ通過流量は減少する一方、迂回流路部へ流れ込む水量が増大する。従って、絞りギャップの通過流速が過度に減少しない範囲内で絞りギャップ間隔を縮小すれば、絞りギャップで発生した微小気泡の回り込み乱流による微小化効果が高められ、より細径の気泡を発生できる。他方、絞りギャップの間隔を拡大すれば、絞りギャップ内の流通抵抗が減少するので、迂回流路部も合わせ流路断面全体で得られる噴射流量を増やすことができる(この場合、ギャップ間隔の設定値によっては、絞りギャップ内の流速がやや不足傾向となる場合もあるが、噴射流量の確保が優先される場合には有利となる)。そこで、上記絞り部に、絞りギャップの間隔を変更可能に調整する絞りギャップ間隔調整機構を設けておけば、気泡細径化と噴射流量との要求レベルに応じて絞りギャップの間隔を適宜調整できる。
絞りギャップ形成部は、流路の断面中心に関して衝突部材と反対側にて壁部内面から衝突部材に向けて突出する対向衝突部材として形成することができ、絞りギャップを衝突部材の突出方向先端部と対向衝突部材の突出方向先端部との間に形成することができる。例えば、衝突部材の先端面を流路壁部内周面と対向させて絞りギャップを形成してもよく、この場合は流路壁部の衝突部材との対向部分が絞りギャップ形成部を構成することとなる。しかし、この構成では、壁面摩擦による流量損失の大きい流路軸断面の外周縁領域に絞りギャップが位置するので、絞りギャップの通過流速も小さくなりがちである。しかし、対向衝突部材を設けることで絞りギャップの形成位置を流速の大きい断面中心側に近づけることができ、絞りギャップの通過流速が増大してキャビテーション効果が高められ、微小気泡をより効率的に発生させることができる。
また、衝突部材と対向衝突部材との少なくとも一方の絞りギャップに臨む先端部分には、先端に向かうほど径小となるテーパ状の周側面を有した縮径部を形成することができる。このような縮径部を設けることにより、次のような効果が達成される。
・衝突部材ないし対向衝突部材の縮径部の外周面先端付近においては、液体流の衝突迂回長が外周面基端付近よりも短くなり流速が増大する。また、縮径部外周面の液体流方向上流側に位置する部分は前述の絞り傾斜面を形成する。これにより、絞りギャップ付近の乱流発生効果がさらに高められ、微小気泡の発生効率がさらに向上する。
・衝突部材と対向衝突部材とに対し、液体流の衝突迂回による渦流ないし乱流の発生効果が、それらの対向方向と直交する面内だけでなく、対向方向と平行は面内(つまり、縮径部を絞りギャップ側に乗り越える方向)にも生じ、三次元的な気泡の微粉砕効果が一層高められる。
対向衝突部材を設ける場合には、衝突部材及び対向衝突部材の一方又は双方に、絞りギャップに臨む先端面にギャップ形成方向に引っ込む前述の減圧空洞を形成できる。特に衝突部材及び対向衝突部材の一方に減圧空洞を形成し、他方には、その先端が減圧空洞の開口に臨む位置関係にて縮径部を形成する構成を採用すると、絞りギャップ内の液体流は該縮径部により大幅に速度を高めることができる。そして、その増速された液体流が減圧空洞内の淀み部分と接することで極めて大きな流速差が生じる。また、縮径部を乗り越える際に減圧空洞側に液体流が屈曲形態で迂回することで、該流速差の生ずる区間長も増大する(この効果は、縮径部の先端側の一部が減圧空洞の内部に入り込むように位置調整されている場合により顕著となる)。さらに、後述のごとく、この縮径部の形成により減圧空洞の共鳴効果をより顕著にできる可能性がある。いずれも、微小気泡の発生効率向上と、気泡径の更なる微小化に有効に貢献する。
具体的には、絞りギャップは、衝突部材の先端面にて減圧空洞の開口周縁部をなす周縁領域と縮径部のテーパ状の周側面とが対向することにより楔状断面を有し、かつ空間外周側が迂回流路部に開放する円環状のギャップ周縁空間と減圧空洞とが、減圧空洞の開口内周縁と縮径部の周側面との対向位置に形成される円環状のくびれギャップ部を介して互いに連通した構造をなすように構成できる。これにより、縮径部外周面の、液体流方向に関し絞りギャップの両側に位置する部分も補助的なギャップとして機能する。従って、絞りギャップを通過しない液体流も、該補助的なギャップを通過する際にキャビテーションを生じ、微小気泡の発生効率向上に寄与する。
なお、対向衝突部材を設ける場合、迂回流路部を衝突部材の外周面と対向衝突部材の外周面とにまたがる形で形成するとよい。これにより、衝突部材と対向衝突部材との双方が回り込み乱流の発生に寄与し、析出気泡の微粉砕効果が一層向上する。
また、絞りギャップの液体流入側開口位置におけるギャップ間隔の中心をギャップ中心として定義したとき、流路の断面半径方向にて流路壁部の内面からギャップ中心までの距離が、断面中心からの距離よりも小さくならない範囲にて、該ギャップ中心が断面中心から半径方向に所定長オフセットするように絞りギャップの形成位置を調整しておくと、絞りギャップでの微小気泡の発生効率をさらに高めることができる。
衝突部材と対向衝突部材とは各々、該流路形成部材の流路壁部に対し先端側が流路内に突出し、後端側が流路形成部材の外周面に露出するように、該流路壁部を貫通する形態にて配置することができる。そして、対向衝突部材は、外周面に雄ねじ部が形成されるとともに流路壁部に貫通形成された雌ねじ孔にねじ込まれる構成とすることができる。これにより、該雌ねじ孔内における該対向衝突部材の螺進量に応じて絞りギャップの間隔を調整することができる。また、衝突部材も同様のねじ部材として構成することで、流路断面内の絞りギャップの位置(特に、半径方向における断面中心からのオフセット量)を調整することも可能となる。この対向衝突部材の雄ねじ部も前述の液体流剥離凹凸部として活用することができる。
本発明の微小気泡発生機構を用いた微小気泡含有液体製造装置の一構成例を示す模式図。 気泡微小化ノズルの平面図及び横断面図。 気泡微小化ノズルの要部を拡大して示す横断面図。 衝突部材を用いて形成する絞りギャップ構造の拡大軸断面図。 気体吸引ノズルの構造を示す横断面図。 衝突部材による乱流形成作用を模式的に示す説明図。 複数の渦流により気泡が引き裂かれて微小化する概念を説明する図。 衝突部材及び対向衝突部材の作用説明図。 衝突により気泡が合体する概念を説明する図。 ギャップ周縁空間の作用説明図。 水流に及ぼすねじ山の作用説明図。 水流剥離凹凸部をセレーション状に形成した衝突部材の一例を示す斜視図。 気泡微小化ノズル内の流れ解析結果を示すシミュレーション画像(横断面図)。 気泡微小化ノズル内の流れ解析結果を示すシミュレーション画像(平面図)。 微小気泡発生機構の第一の変形例を示す図。 図14の要部を拡大して示す断面図。 微小気泡発生機構の第二の変形例を示す図。 図16の要部を拡大して示す断面図。 微小気泡発生機構の第三の変形例を示す図。 図18の要部を拡大して示す断面図。 絞りギャップの第一の変形例を示す軸断面図。 同じく第二の変形例を示す軸断面図及び平面図。 同じく第三の変形例を示す軸断面図及び横断面図。 同じく第四の変形例を示す軸断面図及び横断面図。 同じく第五の変形例を示す軸断面図及び横断面図。 同じく第六の変形例を示す軸断面図及び横断面図。 気泡微小化ノズルの変形例を示す横断面図。
以下、本発明を実施するための形態を添付の図面を用いて説明する。
図1は、本発明の微小気泡発生機構を使用した微小気泡含有液体生成装置の一構成例を示す模式図である。微小気泡含有液体生成装置1は、気泡導入媒体となる液体として水を採用するようになっており、原料水導入管路372(原料水の導入を開閉するバルブ2が設けられている)を介して回収容器をなす主タンク319に原料水が供給される。なお、気泡導入媒体となる液体は、用途に応じて水以外のものを採用してもよい(例えば、アルコールのほか、ガソリン、軽油、重油などの化石燃料などを例示できるが、これらに限定されるものではない)。主タンク319の上面には大気開放口319Lが形成されており、内圧が大気圧に保たれるようになっている。また、符号319kはタンク内の微小気泡含有水を取り出すための取出し口である。
主タンク319からは循環経路の一部を構成する循環管路313が延出しており、その末端がポンプ301の吸引側に接続されるとともに、その途上には気体導入部をなす気体吸引ノズル315が設けられている。気体吸引ノズル315には気体供給管309が接続されるとともに、気泡媒体となる気体が該気体供給管309を経て気体吸引ノズル315内に吸引され、循環管路313を通過する液体に混合・導入される。他方、ポンプ301の排出側からは循環管路313とともに循環経路の一部を構成する加圧導入管路311が延出し、その末端が加圧溶解タンク310に接続される。気体吸引ノズル315にて気体が混合された液体はポンプ301により加圧溶解タンク310に圧送されるようになっている。加圧溶解タンク310では、気体と水とが混合しつつ加圧され、水に気体が強制溶解して気体濃度が上昇することにより加圧濃縮気体溶解水が発生する。つまり、気体吸引ノズル315と加圧溶解タンク310とが、気体と液体とを接触させた状態で加圧し、液体に気体を強制溶解させることにより気体濃度を上昇させた加圧濃縮気体溶解液を発生させる加圧溶解ユニットを構成する。
加圧溶解タンク310からは、該加圧溶解タンク310内の加圧濃縮気体溶解水を減圧しつつ流出させる送液経路をなす水流出管312が延出し、その末端が主タンク319に接続されている。該水流出管312上に本発明の微小気泡発生機構として構成された気泡微小化ノズル21が設けられ、加圧溶解タンク310から流出する加圧濃縮気体溶解水は気泡微小化ノズル21を通過することにより微小気泡含有水となって主タンク319に戻される。なお、水流出管312上にて気泡微小化ノズル21の上流側には、該気泡微小化ノズル21への加圧濃縮気体溶解水の送液圧力(ひいては、加圧溶解タンク310の内圧)を調整する圧力バルブ316が設けられている。
図2Aは、気泡微小化ノズル21の構成例を示す平面図および横断面図である。また、図2Bは、その要部を拡大して示す横断面図である。気泡微小化ノズル21は液体入口31と液体出口106とを有し、液体入口31から液体出口106に向かう流路FPが内部に形成された中空の流路形成部材20を備える。なお、本実施形態において流路FPは、中心軸線Oに関する回転体形状に形成されており、流れ方向は中心軸線Oの向きに一致する。具体的には、流路FPは、以下のような要素を備えている。
・絞り部21J:流れ方向にて液体入口31と液体出口106との間に形成され、該液体入口31と液体出口106とのいずれよりも小断面積かつ高流速となるように形成されている。
・拡大部151:絞り部21Jよりも断面積が大きくなるように、絞り部21Jに続いて形成される。この実施形態では、拡大部151は流れ方向に断面積が均一となる均一断面部、具体的には円筒面として形成される。
・流れ受入部152:流れ受入口152pが拡大部151よりも小断面積であって、かつ、流れ方向と直交する平面への投影にて該流れ受入口152pが絞り部21Jの開口と互いに重なりを生ずるように拡大部151に続く形で形成され、絞り部21Jから拡大部151に放出される流れFTを流れ受入口152pにて受け入れて液体出口106に導く。この実施形態では、流れ受入部152も円筒面状に形成されている。
・外方流れ旋回部153:流れ受入口152pの周囲に形成され、拡大部151に放出される流れのうち該拡大部151の外周領域に沿って流れる外方流れFSを旋回させつつ絞り部21J側へ戻す。この実施形態では、拡大部151が円筒状に形成され、流れ受入口152pが該拡大部151に対し同心的に開口するとともに、拡大部151を形成する壁部内周面と流れ受入部152をなす壁部内周面とを接続する段部が外方流れ旋回部153を形成する。
・準備拡大部156:絞り部21Jよりも断面積が大きくなるように、絞り部21Jの上流側に隣接して形成される。
・流れ導入部150:準備拡大部156の上流側に隣接する形で周方向の段付き面を形成する形で接続され、該準備拡大部156との接続側端部にて該準備拡大部156よりも小断面積となり絞り部21Jよりも大断面積となるように形成される。
そして、準備拡大部156の流れ導入部150との接続側の外周領域が、流れ導入部150から準備拡大部156内に直進する主流れFMの周囲を保護する流れバッファ空間155を形成する。
流れ導入部150は、液体入口31に続く形で準備拡大部156に接続する円筒面状の入口側導入部(以下、入口側導入部150ともいう)として形成され、準備拡大部156は該入口側導入部150との接続側にて液体入口31よりも大断面積を有するとともに、下流側端部にて液体入口31よりも流路断面積が小さく絞り部21Jよりも流路断面積が大きくなるように断面積を漸減させる準備縮径部30を有する。また、準備縮径部30と絞り部21Jとの間には、液体入口31よりも流路断面積が小さく絞り部21Jよりも流路断面積が大きい、均一断面積の準備径小部157が形成されてなる。
準備拡大部156の後端において、入口側導入部150の接続側開口周囲をなす段付き面156fが流れ方向と直交する切り立ち面状に形成され、準備縮径部30の内周面は該段付き面156fとの接続位置から絞り部21Jに向けて流路断面積を連続的に減少させる傾斜面(ここでは、円錐面)状に形成されている。準備径小部157は準備縮径部30の出口側開口と等断面積を有するものとして形成されている。
なお、入口側導入部150の内径をD1、準備拡大部156の上流側端部の内径をD2、準備径小部157の内径をD3、拡大部151の内径をD4、流れ受入部152の内径をD5として、
D1<D2;
D3<D1;
D4>D3;
D5<D4;
となるように、各部の寸法が設定されている。また、本実施形態では、
D2>D4>D1(=D5)>D3
となるように設定されている。
次に、絞り部21Jの構造について説明する。図3に示すように、絞り部21Jは絞りギャップ21Gと迂回流路部251とからなる。絞りギャップ21Gを形成するのは、流路形成部材20内にて流路壁部25よりも半径方向内側に配置された衝突部材22と、流路FP内にて衝突部材22の突出方向先端部と対向する絞りギャップ形成部23とである。気泡微小化ノズル21において衝突部材22の外周面と流路壁部25の内面との間に迂回流路部251が形成される。また、衝突部材22と絞りギャップ形成部23との間に絞りギャップ21Gは、迂回流路部251よりも低流量かつ高流速となるように水流を絞りつつ通過させるものとして形成される。
流路形成部材20は、金属、セラミックあるいは樹脂にて構成される。図2Aに示すように、絞りギャップ形成部23は、流路FPの断面中心Oに関して衝突部材22と反対側にて壁部内面から衝突部材22に向けて突出する対向衝突部材(以下、対向衝突部材23ともいう)として形成され、絞りギャップ21G(図3)は衝突部材22の突出方向先端部と対向衝突部材23の突出方向先端部との間に形成されている。気泡微小化ノズル21の流路形成部材20の両端は前後の配管に対し、例えばワンタッチ継ぎ手等により接続が可能である(ただし、ねじ継ぎ手など他の接続構造を採用してもよい)。
衝突部材22及び対向衝突部材23はいずれも金属製(例えばステンレス鋼製:例えば、SUS316材)のねじ部材として構成され、いずれも流路壁部25に対し先端側が流路FP内に突出し、後端側が流路壁部25の外周面に露出するように該流路壁部25を貫通する形態にて配置されている。衝突部材22の外周面には雄ねじ部22tが形成され、流路壁部25に貫通形成された雌ねじ孔22uにねじ込まれている。該雌ねじ孔22u内における該衝突部材22の螺進量に応じて絞りギャップ21Gの間隔が調整可能である。また、対向衝突部材23の外周面にも雄ねじ部23tが形成され、流路壁部25に貫通形成された雌ねじ孔23uにねじ込まれている。該雌ねじ孔23u内における該対向衝突部材23の螺進量に応じて絞りギャップ21Gの間隔が調整可能である。また、衝突部材22と対向衝突部材23との双方を同一方向に螺進させれば、絞りギャップ21Gの、流路FPの軸断面半径方向における位置を変更することも可能である。これらの部材の螺進調整を容易にするために、流路壁部25外に突出する衝突部材22と対向衝突部材23との各頭部端面には六角レンチなどの工具を係合させる工具係合孔222,232がそれぞれ形成されている。また、流路形成部材20の外周面には、衝突部材22及び対向衝突部材23の外側端部を収容するためのスリーブ22S及び23Sが突出形成されている。
なお、絞りギャップ21Gの間隔ないし位置を固定として調整を特に行なわない場合には、衝突部材22及び対向衝突部材23を流路壁部25に対し、インサート成型等により螺進不能に固定・一体化する構成も可能である。さらに、衝突部材22及び対向衝突部材23の一方のみを螺進操作可能として、他方を流路壁部25に螺進不能に固定一体化することもできる。
図3に示すように、衝突部材22には、絞りギャップ21Gに臨む先端面にギャップ形成方向に引っ込む減圧空洞221が形成されている。また、対向衝突部材23には先端が減圧空洞221の開口に臨む位置関係にて縮径部23kが形成されている(ただし、対向衝突部材23に減圧空洞を形成し、衝突部材22に縮径部を形成してもよい)。対向衝突部材23に形成され縮径部23kは、先端に向かうほど径小となるテーパ状の周側面231(具体的には円錐面)を有している。該テーパ状の周側面231の水流入側(流れ上流側)に位置する部分は、該絞りギャップ21Gの間隔を上流側から下流側に向けて漸次縮小させる絞り傾斜面を構成する。また、水流出側(流れ下流側)に位置する部分は、絞りギャップ21Gの間隔を上流側から下流側に向けて漸次拡大させる拡大傾斜面を構成する。衝突部材22と対向衝突部材23とは同心的に配置されている。また、減圧空洞221は衝突部材22の外周面と同心的な位置関係にある円筒面状の内周面を有する。また、縮径部23kは先端側の一部が減圧空洞221の内部に入り込むように軸線方向の位置が調整されている。
絞りギャップ21Gは、衝突部材22の先端面にて減圧空洞221の開口周縁部をなす周縁領域224と縮径部23kのテーパ状の周側面231とが対向することにより楔状断面を有する円環状のギャップ周縁空間251nが形成されている。該ギャップ周縁空間251nの空間外周側は迂回流路部251に開放するとともに、減圧空洞221の開口内周縁と縮径部23kの周側面との対向位置に形成される円環状のくびれギャップ部21nを介して減圧空洞221と互いに連通した構造をなす。迂回流路部251は、流路FP内にて水流通方向から見て衝突部材22の突出方向に関しその両側に、それぞれ衝突部材22の外周面と対向衝突部材23の外周面とにまたがる形で形成されている。
また、図2Bに示すように、絞り部21Jの下流側に形成される拡大部151は、その上流側端部が流れ方向にて衝突部材22(及び対向衝突部材23)の軸断面中心よりも前方側に位置する部分と重なるように形成されている。
図1に戻り、気泡微小化ノズル21の絞り部21J(図2)を通過した気泡含有液体の一部は、送液経路312から分岐形成された帰還経路300により、加圧溶解ユニット310よりも下流側に位置する絞り部21Jにおいて送液経路312に帰還されるようになっている(つまり、気泡含有液体帰還部が形成されている)。帰還経路300は、絞り部21Jにて流路FP(送液経路312)から分岐する分岐口226d(図2)と、絞り部21Jよりも下流側にて分岐口よりも高圧力となる帰還流入口308pとを接続する形で設けられている。具体的には、絞り部21Jよりも下流側にて送液経路312には、図1に示すごとく、主タンク(気泡含有液体を回収する回収容器)319が設けられており、帰還経路300の帰還流入口308pは該主タンク319内に、具体的にはタンク側壁に開口する形で形成されている。
図2Aに示すように、帰還経路300は、気泡微小化ノズル21の流路形成部材20に対し、一端が絞り部21Jに連通するとともに他端が該流路形成部材20の外周面側に開口する形で形成された吸引孔226と、樹脂チューブ等で構成され、その該吸引孔226にて気泡微小化ノズル21と主タンク319側の帰還流入口308p(図1)とを接続する帰還管路308とにより構成されている。
図2Bに示すように、流路形成部材20の流路壁部とともに該衝突部材22を突出方向に貫通する形にて吸引孔226が、一端側が該衝突部材22の先端側にて絞りギャップ21G内に開口し、他端側が流路壁部を貫通して壁部外面に開口する形で形成されている(衝突部材22に形成された工具係合孔222と減圧空洞221とは吸引孔の一部を構成していると見ることもできる)。衝突部材22を収容するためのスリーブ22Sには、コネクタ308rを介して循環管路308が接続されている。
気泡微小化ノズル21にて絞り部21Jを通過した気泡含有液体は、図1の主タンク319内に集められる。図2Aにおいて絞り部21Jでは流速が非常に大きく、逆に気泡微小化ノズル21の液体出口106では主タンク319内に流れが開放されて流速は急減する。その結果、帰還経路300の両端には、絞り部21J側で低圧、主タンク319内で高圧となるように差圧が発生し、主タンク319内の気泡含有液体が帰還経路300を介して絞り部21J内に引き込まれる。つまり、絞り部21Jを通過した泡含有液体は、主タンク319と帰還経路300とを経て絞り部21J、すなわち送液経路312に吸引帰還されることとなる。
次に、図4は、気体吸引ノズル315の内部構造を示す横断面図である(気泡微小化ノズル21と概念的に共通する構成要素には同一の符号を付与している)。該気体吸引ノズル315も、金属、セラミックあるいは樹脂にて構成され、液体入口31から液体出口106に向かう流路FPが内部に形成された中空の流路形成部材20を備える。流路FPは、具体的には、以下のような要素を備えている。
・絞り部21J:流れ方向にて液体入口31と液体出口106との間に形成され、該液体入口31と液体出口106とのいずれよりも小断面積かつ高流速となるように形成されている。
・準備拡大部156:絞り部21Jよりも断面積が大きくなるように、絞り部21Jの上流側に隣接して形成される。
・流れ導入部150,30:準備拡大部156の上流側に隣接する形で周方向の段付き面を形成する形で接続され、該準備拡大部156との接続側端部にて該準備拡大部156よりも小断面積となり絞り部21Jよりも大断面積となるように形成される。
そして、準備拡大部156の流れ導入部150,30との接続側の外周領域が、流れ導入部150から準備拡大部156内に直進する主流れの周囲を保護する流れバッファ空間155を形成する。
準備拡大部156(内径d2)は液体入口31(内径d1)よりも流路断面積が小さく形成される。また、流れ導入部150,30は、液体入口31に続く形で準備拡大部156に接続する入口側導入部150と、該入口側導入部150と準備拡大部156との間に形成され、上流端側(内径d1)にて準備拡大部156よりも流路断面積が大きく、下流端(内径d0)にて準備拡大部156よりも流路断面積が小さくなるように、準備拡大部156に向けて断面積を漸減させる準備縮径部30とを有する。さらに、準備縮径部30と準備拡大部156との間に、絞り部21Jの最小部よりも大断面積であって入口側導入部25Lよりも小断面積となるように、流れ方向に断面積が均一の準備径小部157(内径d0)が形成されている。該準備径小部157は、準備縮径部30の出口側開口と等断面積を有するものとして、ここでは円筒面状に形成されている。
また、絞り部21Jに発生する負圧により、該絞り部21Jを流れる液体に気体を吸引導入する吸引孔226が絞り部21Jに連通する形で形成されている。そして、流路FPは、絞り部21Jよりも下流側の液体出口106に至るまでの区間26において流路断面積が一定、ここでは、円筒面状に形成されている。なお、準備拡大部156は、該区間26の絞り部21J側の延長面と一致する形で円筒面状に形成されている。
気体吸引ノズル315の絞り部21Jの形成形態は、衝突部材22及び対向衝突部材23を用いて絞りギャップ21G及び迂回流路部251(図3)が形成される点において、図3を用いて説明した気泡微小化ノズル21の絞り部21Jと全く同じである。以下、その相違点についてのみ詳細に説明し、共通部分についての説明は省略する。
すなわち、図2に示すように、気泡微小化ノズル21において該吸引孔226は循環経路308とともに、絞り部21Jを通過した気泡含有液体の一部を絞り部21Jに帰還させる役割を果たしていた。しかしながら、図4に示すごとく、気体吸引ノズル315において該吸引孔226は、絞り部21Jを通過する液体に新たな気体を導入・混合するための気体吸引孔として使用される。衝突部材22を収容するためのスリーブ22Sには、該スリーブ22S内の衝突部材22の端面よりも外側に外れた位置に気体供給孔309Jが貫通形成され、気体供給管309がここに接続される。なお、スリーブ22Sは、軸線方向に形成された衝突部材22の収容孔の開口はキャップ22Cにより密閉されている。気体供給管309に供給される気体の種別は特に限定されないが、例えば、空気、酸素、オゾン、炭酸ガス、水素などであり、また、それらの1種または2種以上、あるいは、さらにその他の希釈ガス(例えば、窒素、アルゴンなど)との混合ガスを採用可能である。これらの気体が、気体供給管309を経て吸引孔226の気体取入口226eに供給されると、絞りギャップ21G内に発生する水流負圧により、気体は該吸引孔226を経て吸引取り込みされ、気体噴出孔226dから絞りギャップ21G内に噴出する。
なお、流路形成部材20の下流側外周面には接続用雌ねじ部274が形成されている。また、上流側内周面には接続用雌ねじ部278uが形成されている。これら接続用雄ねじ部274及び接続用雌ねじ部278uにて、流路形成部材20は配管に対し螺合により接続される。なお、流通経路接続部はねじ部に限らず、必要な耐圧を確保できるものであれば、例えばワンタッチ継手など、周知の他の配管接続構造を採用してもよい。
以下、図1の微小気泡含有液体生成装置1の動作について説明する。まず、バルブ2を開状態とし、主タンク319内に原料水を供給しつつポンプ301を動作させる。ポンプ301は、主タンク319から気体吸引ノズル315を介して原料水を吸引する。図4において、原料水は気体吸引ノズル315を通過する際に、準備縮径部30にて流れを絞られ流速を上昇させた後、準備径小部157及び準備拡大部156を経て絞り部21Jに供給される。
流れ導入部150の末端をなす準備径小部157と準備拡大部156とは、両者の接続位置で段付き面を形成する形で不連続に断面積を増大させる。流路断面積が上記のごとく不連続に拡大していることにより、準備拡大部156の上流側端部において準備径小部157の接続開口周囲には流速の小さい淀み領域が流れバッファ空間155として形成される。準備径小部157から準備拡大部156内に直進する主流れFMの外周部は該流れバッファ空間155で広がりながら主流れFMと逆向きに旋回して渦流SWを発生する。すなわち、上記流れバッファ空間155では主流れFMの周囲を取り囲むように渦流SWが発生することで流路壁面との摩擦による主流れFMの圧力損失が軽減される。
準備縮径部30で増速された液体流は、液体入口31よりも流路断面積が小さい準備拡大部156を経て絞り部21Jに供給されるが、高速の液体流は、準備拡大部156の流れバッファ空間155に形成される渦流SWにより損失が軽減され、高流速状態を十分に維持した状態で絞り部21Jに供給されるので、吸引孔226を介した絞り部21Jへの気体吸引量を増大させることができる。なお、流路FPは、絞り部21Jよりも下流側の液体出口106に至るまでの区間26の全体が、流路断面積が一定の円筒面状に形成されている。つまり、絞り部21Jよりも下流では付加的な断面縮小部が形成されず、絞り部21Jの通過流速を高速に維持する上での配慮がなされている。
絞り部21Jでは、図3に示すごとく、衝突部材22と対向衝突部材23とにより、絞りギャップ21Gと迂回流路部251とを複合させた特有の構造が採用されており、絞りギャップ21Gへの気体吸引により形成される気泡の微小粉砕が顕著に進行する。その具体的な作用については、同様の絞りギャップ構造を採用する気泡微小化ノズル21を説明する際に詳述する。
図1に戻り、こうして供給された気体は気体吸引ノズル315内で効率よく微細化され、微小気泡含有水となってポンプ301により加圧溶解タンク310へ圧送される。加圧溶解タンク310の出口側は、水流出管312上に設けられた圧力バルブ316により液体流出量が制限されているので、加圧溶解タンク310内に微小気泡含有水が圧送されれば液面上昇に伴いタンク内の圧力は上昇し、気泡状態で供給された気体の溶解が進行して加圧濃縮気体溶解液が生成する。気体溶解量はタンク内の圧力が上昇するほど増加するが、加圧導入管路311を経て加圧溶解タンク310へ流入する液体量と、圧力バルブ316から流出する液体量とが等しくなったところで加圧溶解タンク310内の液面上昇は停止し、内部圧力もほぼ一定となる。液体への気体溶解量を支配するタンク内圧は圧力バルブ316の開度により決定することができる。
そして、加圧溶解タンク310から圧力バルブ316を経て水流出管312に流れ出す加圧濃縮気体溶解液は、減圧されつつ図2Aの気泡微小化ノズル21に流れ込む。図2Bに示すように、この場合も入口側導入部150の末端と準備拡大部156をなす準備縮径部30とは、両者の接続位置で段付き面156fを形成する形で不連続に断面積を増大させる。これにより、準備縮径部30の上流側端部において入口側導入部150の接続開口周囲には流れバッファ空間155が形成され、より大きく顕著な渦流SWが発生する。該渦流SWが発生することで流路壁面との摩擦による主流れFMの圧力損失が軽減されるとともに、加圧溶解した過飽和の気体が比較的粗大な気泡となって析出していても、流れバッファ空間155に生ずる渦流SWによりこれを予備粉砕することが可能となる。加圧濃縮気体溶解水の場合、気泡が析出した時の周囲の溶存液体濃度が高いため、気泡が急速に成長しやすい傾向になる。しかしながら、流れバッファ空間155に生ずる渦流によりこれを予備粉砕し、その後、絞り部21Jの急速な流れに巻き込むことで気泡のさらなる微粉砕を行うことが可能となる。
こうして粗大気泡が予備粉砕された水流は準備縮径部30により増速され、絞り部21Jに供給される。図7(B,C)に示すように、絞りギャップ21Gには水流負圧が発生し、そのキャビテーション効果により溶存気体が析出してギャップ通過水流WFには気泡BMが析出する。一方、図3において、水流はその全てが絞りギャップ21Gに供給されるわけではなく、相当部分が衝突部材22に衝突し迂回流路部251側へ迂回する。図5に示すように、この迂回する水流は、多数の小渦流SWEを三次元的に発生させつつ該衝突部材22の下流側に回り込む回り込み乱流CFを形成する。ギャップ通過水流WFに形成された析出気泡BMは、該回り込み乱流CFに巻き込まれて微小気泡BFに粉砕される。
上記のごとく、衝突部材22を用いて絞りギャップ21Gを形成することにより、絞りギャップ21Gにて負圧を発生させるにとどまらず、衝突部材22に高速で衝突させ下流側に回り込ませることで激しい乱流を三次元的に発生させ、それによって絞りギャップ21Gの直下流域に多数の小渦流を密集して形成することができる。準備縮径部30(図2A)の通過により、図7のAに示すように、加圧濃縮気体溶解液の流れWFは、例えば10〜20m/秒前後に増速された形で絞りギャップ21Gに向けて流れ込む。他方、図3に示すように、絞りギャップ21Gを形成する衝突部材22及び対向衝突部材23は、流路壁部との間に、ぶつかった水流WFを迂回させる迂回流路部251を形成している。つまり、絞りギャップ21Gの外周縁が迂回流路部251に開放していることで、ギャップ通過時の流体抵抗が過度に増加せず、結果として、該絞りギャップ21Gを水流WFは、例えば25m/秒を超える高速で通過することができる。これにより、絞りギャップ21G内及びその下流の広い領域にわたって強い負圧域が発生し、流れWFに含有される溶存気体が析出して気泡BMが多量に発生する。
絞りギャップ21Gは、液体入口31と液体出口106との圧力差が例えば0.2MPaとなるように液体を供給したとき通過する液体流の最大流速が8m/秒以上(上限値には制限はないが、圧力差0.2MPaにて可能な上限値として、例えば50m/秒を例示できる)となるように調整されていることが望ましい。また、この場合、絞りギャップに発生する最大負圧は0.02MPa以上(理論上の上限値は0.1MPa)となっていることが望ましい。特に、衝突部材22に減圧空洞221が形成されている場合は、前記圧力差が0.2MPaとなるように液体を供給したとき、該減圧空洞222の全域を0.02MPa以上の負圧状態に容易に維持することができる。また、減圧空洞内221の全域が該レベルの負圧状態となることで、回り込み乱流により衝突部材22の下流側に隣接形成される負圧域も、0.02MPa以上の負圧状態に維持することが可能となる。いずれも、気泡析出のためのキャビテーション効果の顕著化に寄与する。絞りギャップ21Gや減圧空洞221あるいはその下流側に形成される負圧域の負圧レベルは、より望ましくは0.05MPa以上となっているのがよい。
上記のような負圧発生条件で前記圧力差が例えば0.2MPaとなるように液体を供給すれば、上記構成の絞り部の場合、液体流出口から噴射される液体流に含まれる気泡の微細化に大きく貢献する。例えば円状軸断面を有する衝突部材22を採用する場合、前記圧力差が0.2MPaとなるように10℃の水を供給したとき、該円状軸断面を有する衝突部材22の外径と迂回流路部251の流通断面積とは、迂回流路部内に配置された衝突部材に関するレイノルズ数が10000以上となるように調整されているとよい。
円柱状断面の衝突部材22を液体流中に配置したとき、衝突部材の外径をD、流速をU及び水の動粘性係数をνとしてレイノルズ数Reは、
Re=UD/ν(無次元数) ‥ (1)
にて表され、該円柱状断面の衝突部材22の周囲の流れはレイノルズ数Reが1500以上で乱流化することが知られており、特にReが10000以上のとき、回り込み乱流による気泡の微粉砕効果は飛躍的に高められる。例えば、平均流速が8m/秒以上となるように迂回流路部の流通断面積が調整されていれば、円状軸断面を有する衝突部材の外径を1〜5mmに調整することによりレイノルズ数Reの値を10000以上の値に容易に確保できる。
特に、迂回流路部251の流通断面積が、液体入口31に供給圧力0.55MPaにて10℃の水を供給したときの平均流速が18m/秒以上となるように調整され、円状軸断面を有する衝突部材22の外径が1〜5mmに調整されていれば、迂回流路部251内に配置された衝突部材22に関するレイノルズ数Reは20000を超える値となる。
こうして、図5に示すように、衝突部材22にぶつかって迂回流路部251を通過した水流WFは衝突部材22の下流側に回りこみ、前述のレイノルズ数Reのレベルから想定される大流量で激しい乱流CFを形成する。これにより、衝突部材22の下流側では、その全域にわたって微小な渦流SWE(乱流)が極めて高密度に形成される。また、渦流SWEの発生密度が高くなることで、負圧域は、絞りギャップ21G内部のみでなくその下流側にも立体広角的に大きく拡がって形成される。従って、図7のCに示すように、析出気泡BMを含む絞りギャップ21Gの通過流は、ギャップ下流側の負圧域にてさらに気泡析出を継続しながら多数の渦流により撹拌を受けることとなる。また、図9(図5のJ−J断面)に示すように、絞りギャップ21Gの周縁領域は、楔状断面を有し、かつ空間外周側が迂回流路部251に開放する円環状のギャップ周縁空間251nを形成し、特に、縮径部23kの外周面の、水流WFの方向に関し絞りギャップ21Gの両側に位置する部分も補助的なギャップとして機能する。従って、この補助的なギャップを通過する水流にもキャビテーションを生じ、発生した気泡BMが出口側で渦流SWEに巻き込まれ粉砕されるので、微小気泡の発生効率がさらに向上する。
乱流化により発生する個々の渦流SWEは、渦外周よりも中心のほうが圧力が低いので、渦流SWEの周囲の流れを渦中心に引き込むように作用する。乱流下では上記のごとく、細かい多数の渦流SWEが三次元的に密集して形成されるので、図6の上に示すように、絞りギャップ通過時のキャビテーション効果により析出・成長した気泡BMは、複数の渦流SWEによる立体的な配位を常に受けた状態となる。各渦流SWEは気泡BMに対し、それぞれ自身の中心に向けて吸引力を作用させるので、図6の下に示すように、気泡BMはそれら周囲の渦流SWEにより四方八方に吸い込まれていわば「八つ裂き」状態となり、微小気泡BFへの粉砕が促進されるとともに気泡径の平均化が進行する。つまり、析出した気泡BM同士を衝突させて粉砕するというよりは、各々吸引力を有した多数の小渦流SWEにより取り囲み、互いに異なる複数方向に引きちぎるイメージである。また、負圧域がギャップ下流側にも大きく広がっていることで、一定レベル以上に成長した気泡粒子がこの負圧によって膨張し、破裂して微小化する効果も期待できる。
また、図10に示すごとく、衝突部材22(あるいは対向衝突部材23)の外周面は、本実施形態では雄ねじ部22t(23t)となっているが、個々の部材の外周面が平滑な円筒面ではなくねじ面となっていることも、乱流の発生効率を高める上で貢献している。すなわち、衝突部材22ないし対向衝突部材23は中心軸線が水流方向にほぼ直角となる位置関係で立設されているので、その外周面に形成されたねじ山(水流剥離凹凸部)22mは、衝突部材の軸線を法線とする仮想面VPに対して一定の傾斜角φ(例えば2゜以上15゜以下)を有している。この仮想面VPと平行な向きにて衝突部材に向け水流WFが流れ込むと、該水流方向に対して傾斜した複数のねじ山22mを横切って衝突部材の下流側に回り込む。このとき、水流WFが一方の谷側から反対の谷側へねじ山の稜線部22bを乗り越える際に、乱流化に貢献する水流剥離が生じやすい。なお、図11に示すように、水流剥離凹凸部を衝突部材22(ないし対向衝突部材23)の軸線方向に沿うセレーション部22Sとして形成することも可能である。
また、この実施形態においては、衝突部材22の先端に絞りギャップ21Gに面する形で減圧空洞221が形成されている。該減圧空洞221により次のような作用・効果が期待できる。
・減圧空洞221内は高負圧域となり、キャビテーションのよる気泡析出が促進されるとともに、析出した気泡の膨張による破裂も起こりやすいので、気泡の微小化に寄与する。
・減圧空洞221が水流中で共振することにより超音波帯共鳴波が発生し、気泡析出のためのキャビテーションと、共鳴振動による気泡粉砕が促進される。要因としては、次のような機構が考えられる。図7に示すように、減圧空洞221に臨む対向衝突部材23の先端部が縮径していることで、該先端部に沿って乗り上げる水流は、例えば30m/秒を超える高速で減圧空洞221内に進入し、減圧空洞221の内壁面間で多重反射を繰り返す。この水流の多重反射により、減圧空洞221の形状から定まる固有周波数にて超音波帯共鳴波が励起こされる。例えば、減圧空洞221の内径dxを2mm、水中での音速cを1500m/秒と仮定すれば、空洞半径方向の振動の固有周波数は、多少粗い近似ではあるがc/2dxのほぼ整数倍とみなすことができる(音響工学原論(伊藤毅著、昭和30年)p.270〜271、コロナ社)。これにより、その最低次振動の周波数は約375kHzと計算でき、超音波帯振動となることがわかる。
また、上記の構造の絞りギャップ21Gは気体吸引ノズル315にも設けられているが、気体吸引ノズル315では、吸引孔226から吸引された気体が気泡となって水流に混入し、これが絞りギャップ21G内にて、上記した気泡微小化ノズル21と全く同様の機構、すなわち、回り込み乱流CFと減圧空洞221の作用により速やかに微粉砕される。また、吸引孔226を該減圧空洞221内に開口させることで、減圧空洞221内の大きな負圧により外気吸引力が増強される効果もある。さらに、微小気泡含有水が循環供給される場合のように、絞りギャップ21Gに到達する水が溶存気体を含有している場合は、気泡微小化ノズル21と全く同様に、溶存気体が析出して気泡BMが生じ、これが回り込み乱流CFに巻き込まれて微小気泡に粉砕される。
次に、加圧濃縮気体溶解水が常圧での過飽和領域にまで気体を溶かしこんでいる場合には、絞りギャップ21Gを通過した後も粗大な気泡が残留する可能性がある。そこで図2Aの気泡微小化ノズル21では、こうした残留粗大気泡が、絞り部21Jの下流側に設けられた特有の流れ要素により効果的に微粉砕される。すなわち、図2Bに示すように、絞り部21Gから拡大部151に放出された流れは拡大部151内にて外方へ広がり、拡大部151外周領域に沿って流れる外方流れFSを生ずる。そして、流れ受入口152pの周囲には、拡大部151と流れ受入部152との断面積差に基づき、この外方流れFSを半径方向内向きに旋回させる外方流れ旋回部153が形成されており、旋回した外方流れは渦を巻きつつ気泡とともに拡大部151内に逆流する。その結果、液体中に含まれる気泡は拡大部151内に渦流とともに留まり、激しく撹拌されることにより微粉砕を十分に進行させることができるのである。
図12(横断面図)及び図13(平面図)は、図2Aに示す形状の気泡微小化ノズル21の流路内の流れを、市販の熱流体解析ソフトウェア(EFD.Lab、株式会社構造計画研究所製)を用いて解析したシミュレーション結果を示すものである。画像内の矢印は各所での流れの向きを示し、矢印の明度により流速をあらわしている(明度の大きい矢印ほど流速が大きいことを示す)。液体入口31と液体出口106との間に付与された圧力差は0.2MPaである。まず、絞り部21Jの上流側では、準備拡大部をなす準備縮径部156の流れバッファ空間155において、準備縮径部156の後端側段付き面156fに規制される形で主流れFMの接線方向に旋回する渦流SW1が、該主流れFMの軸線周りにこれを取り囲むように発生していることがわかる。該渦流SWによる流れ損失の軽減効果により、主流れFMは20m/秒を超える高速度で準備径小部157を経て絞り部21Jに流れ込む。その絞りギャップ21Gでの流速は25m/秒を大幅に超えることが該シミュレーション結果から確認できている。
図12に示すように、絞りギャップ21Gの下流側に形成された拡大部151では、絞りギャップ21Gの形成方向(つまり、衝突部材22と対向衝突部材23との対向方向)を図面の上下方向と定義したとき、絞りギャップ21Gの直後から下方(対向衝突部材23側)に向かい、拡大部151の下面に到達後は該下面に沿って流れ順方向に拡大部151の後端側へと流れる。そこで、段差状に形成された外方流れ旋回部153により上方へ旋回し、拡大部151の上面に沿って流れ逆方向に絞りギャップ21Gへと向かう大きな旋回流SW2が、拡大部151の内部空間をフルに活用する形で形成されていることがわかる。また、拡大部151の上流側端部が流れ方向にて衝突部材22の軸断面中心よりも前方側に位置する部分と重なるように形成されていることから、上記の旋回流SW2の上流側はこの重なり領域にも入り込み、旋回流SW2の上流側端縁が絞りギャップ21Gに対してより接近していることもわかる。これにより、絞りギャップ21Gから噴出す多量の気泡をより効果的に該旋回流SW2に取り込むことができ、気泡の微粉砕効果が高められている。図13に示すように、上記の旋回流SW2は、絞りギャップ21Gの両側に形成された迂回流路部251(図3)に対応して、衝突部材22の中心軸線に関し、両側に対をなして発生していることもわかる。
図1に戻り、こうして気泡微小化ノズル21(の絞り部21J(図2B))を通過した気泡含有水は、前述のごとく主タンク319に集められ、その一部は循環経路300を介して気泡微小化ノズル21の絞り部21Jに帰還する一方、残部は循環管路313、ポンプ301及び加圧導入管路311、さらに水流出管312を介して(気体吸引ノズル315で新たな気体が吸引導入されつつ)、加圧溶解タンク319に圧送される。圧送される液体中の微小気泡は、再度加圧溶解タンク319内で加圧されることで、その多くが再溶解して消滅する。
つまり、気泡微小化ノズル21(の絞り部21J(図2B))を通過した気泡含有水は、新たな気体の導入・混合を受けつつポンプ301により加圧溶解ユニット310へ再圧送されるので、液体への気体溶解量が大きく増加し、発生する気泡の濃度を飛躍的に高めることができる。他方、溶存気体濃度が増加する分、気泡微小化ノズル21の絞り部21J(図2B)で析出した気泡の成長もより進みやすくなる。しかし、図1の装置を用いると、成長途上の気泡の一部が、送液経路312から分岐形成された帰還経路300により、加圧溶解ユニット310よりも下流側で絞り部21J(図2B)に戻される。つまり、循環経路313側に流れ込む気泡は加圧溶解ユニット310に戻り大半は再溶解する一方、帰還経路300側へ流れ込んだ気泡は加圧溶解ユニット310を経ずに(すなわち、再溶解を起こしにくい状態で)絞り部21Jに戻され再粉砕される。これにより、気体の加圧溶解・析出を連続的に行いながら気泡濃度を高めつつ、析出した気泡の一部を加圧溶解ユニット310の外で循環させることで、その微細化も継続的に進行させることができ、結果的に、主タンク319内での微小気泡の形成濃度を大幅に高めることができるようになる。
絞り部21Jに帰還した微小気泡は、前述のごとく、絞りギャップ21G(図3)の直下流域に形成される回り込み乱流(図5:SWE)に直ちに巻き込まれ、さらに、図2Bに示すごとく、そのさらに下流側に設けられた拡大部151内において、外方流れFSにより旋回撹拌されるので、気泡の再粉砕効果は極めて顕著である。
また、絞り部21Jを通過した気泡含有液体の一部は、帰還経路300を経て分岐口と帰還流入口308pとの差圧に基づき送液経路312に吸引帰還させるようになっているので、ポンプなど、帰還液体の圧送手段を帰還経路300の途上に設ける必要がない。そして、帰還経路300の分岐口が絞り部21Jに形成されているので、気泡を含有した帰還流を流速の大きい絞り部21Jに直接供給でき、また、高流速の絞り部21Jに帰還経路300が連通することで、帰還経路300への液体吸引が高められている。
以下、本発明の種々の変形例について説明する。
図14に示すように、帰還経路300の帰還流入口は、回収容器419内に形成するのではなく、回収容器419への流出口419Jよりも上流側にて水流出管(送液経路)312上に形成することも可能である。図15に示すように、気泡微小化ノズル21よりも下流側にて水流出管(送液経路)312の外周面に接続用スリーブ312が突設されており、その内周面側が管内に開口して帰還流入口308pを形成している。帰還管路308の一端は該接続用スリーブ312k内に固定されている。帰還管路308の流路断面積は絞り部21Jよりも大きく低流速となること(特に、帰還流入口308pが開口する管路壁面は壁面摩擦により流速は特に小さい)から、図1の構成ほどではないが帰還管路308の両端には同様に差圧が発生し、帰還管路308内の液体の一部が帰還管路308を経て絞り部21Jに還流する。なお、帰還流入口308p(及び接続用スリーブ312k)は気泡微小化ノズル21の流路形成部材20に形成することも可能である。
図16に示すように、帰還経路300の分岐口308rを水流出管(送液経路)312上にて絞り部21Jよりも上流側に開口させることも可能である。この場合、帰還流は絞りギャップに直接帰還されるのではなく、水流出管(送液経路)312内の流路に一旦導入され、その後、絞りギャップを再通過することにより気泡の再粉砕がなされる。分岐口308rを水流出管312に形成する具体的な構成は図15の場合とほぼ同様である。図17はその分岐口308rを気泡微小化ノズル21の流路形成部材20に形成した例を示す。流路形成部材20の外周面に接続用スリーブ312kが突設されるとともに、その内周面側が管内に開口して帰還流入口308pを形成している。帰還管路308の一端は該接続用スリーブ312k内に固定されている。この実施形態では、流路形成部材20の壁部厚さ方向に、帰還流を噴出させるための管状部材312qが管路内周面から内向きに突出する形で配置され、その先端開口が分岐口308rとされている。管状部材312qが突出する分だけ、流速の大きい流れ中心領域に分岐口308rが接近している。これにより、分岐口308rと帰還流入口308pとの差圧が拡大し、分岐口308r側への帰還流の吸引力が増強されるようになっている。
図18においては、微小気泡生成ノズル21の液体出口106から噴出する気泡含有液体を回収する回収容器419が設けられているが、微小気泡生成ノズル21は、回収容器419内にて気泡含有液体の液面下に没する形態に配置されている。そして、図19に示すように、該微小気泡生成ノズル21の吸引孔226を帰還経路300とする形で、流路形成部材20の外周面側の開口から該吸引孔226を経て絞り部21Jに気泡含有液体を吸引帰還させるようにしている。この実施形態では、流路形成部材20の外周面に形成された筒状のスリーブ22Sの外側開口を経て、その内部に配置された衝突部材22の吸引孔226に、回収容器319内の気泡含有液体が直接供給されるようになっている。容器319内の気泡含有液体中に微小気泡生成ノズル21を液没させることで、その吸引孔226へ周囲の気泡含有液体を直接吸引させることができ、帰還経路形成用の配管が不要となる。その結果、管路通過に伴う流れ損失を軽減でき、帰還流の流量を増やすことができる。
以下、絞りギャップ形成にかかる種々の変形例を示す。図20は、衝突部材22に形成する減圧空洞221内の水流をより滑らかにするために、空洞底部を湾曲面状に形成した例を示す。また、図21は、減圧空洞221の開口内周縁面を、対向衝突部材23の先端部のテーパ状周側面231に対応する座ぐり状のテーパ面1224とした例を示す。このテーパ面1224の形成により、対向衝突部材23の先端側に水流を導く効果が高められる。
図22は、衝突部材22から減圧空洞221を省略し、先端面を平坦に形成した例を示す。対向衝突部材23の先端部にはテーパ状周側面231が形成されているが、衝突部材22と対向する先端面は平坦に形成されている。図23は、対向衝突部材23の先端面に浅い減圧空洞1232を形成した例を示す。衝突部材22には減圧空洞が形成されず、その先端部外周縁がテーパ状周側面225とされている。
図24は、対向衝突部材を廃止し、衝突部材22を流路形成部材20の壁部内面を絞りギャップ形成部20cとして、これに対向させる形で絞りギャップ21Gを形成した例である。衝突部材22の先端面は、流路形成部材20の壁部内面に対応する凸湾曲面状とされている。また、図25は、対向衝突部材123を衝突部材22よりも広幅に形成することで、対向衝突部材123の側方に迂回流路部251が生じないように構成した例を示すものである。
また、図26は、絞り部21Qを、通常のベンチュリ型絞り機構として形成した例を示す。
1 微小気泡含有液体生成装置
21 気泡微小化ノズル(微小気泡発生機構)
21J 絞り部
21G 絞りギャップ
21n くびれギャップ部
22 衝突部材
22t,23t 雄ねじ部
22m ねじ山(水流剥離凸部)
22u,23u 雌ねじ孔
23 対向衝突部材(絞りギャップ形成部)
23k 縮径部
30 準備縮径部
FP 流路
31 液体入口
106 液体出口
150 流れ導入部
151 拡大部
152 流れ受入部
FM 中心流
FS 外方流れ
153 外方流れ旋回部
155 流れバッファ空間
156 準備拡大部
157 準備径小部
221 減圧空洞
226 吸引孔
231 テーパ状周側面(絞り傾斜面、拡大傾斜面)
241 吸引孔
251 迂回流路部
300 帰還経路
308p 帰還流入口
310 加圧溶解タンク(加圧溶解ユニット)
312 送液経路
319 主タンク(回収容器)

Claims (10)

  1. 気体と液体とを接触させた状態で加圧し、前記液体に前記気体を強制溶解させることにより気体濃度を上昇させた加圧濃縮気体溶解液を発生させる加圧溶解ユニットと、
    前記加圧溶解ユニットから前記加圧濃縮気体溶解液を減圧しつつ流出させる送液経路と、
    前記送液経路上に設けられ、前記気体含有液体に含有される気泡を微粉砕する絞り部と、
    前記絞り部を通過した前記気体含有液体に基づく気泡含有液体の一部を、前記送液経路から分岐形成された帰還経路により、前記絞り部にて又は該絞り部よりも上流側かつ前記加圧溶解ユニットよりも下流側にて前記送液経路に帰還させる気泡含有液体帰還部と、
    を有することを特徴とする微小気泡発生機構。
  2. 前記気泡含有液体の残部を前記加圧溶解ユニットの上流側に被循環液体として戻す循環経路と、該循環経路上に設けられ、前記被循環液体に前記気体を導入・混合する前記気体含有液体となす気体導入部と、該気体含有液体を前記加圧溶解ユニットへ圧送するポンプとを備える請求項1記載の微小気泡発生機構。
  3. 前記帰還経路は、前記絞り部に位置するか又は該絞り部よりも上流側に位置する前記送液経路からの分岐口と、前記絞り部よりも下流側にて前記分岐口よりも高圧力となる帰還流入口とを接続する形で設けられ、前記絞り部を通過した前記気泡含有液体の一部を、前記帰還経路を経て前記分岐口と前記帰還流入口との差圧に基づき前記送液経路に吸引帰還させる請求項1又は請求項2に記載の微小気泡発生機構。
  4. 前記絞り部よりも下流側にて前記送液経路には前記気泡含有液体を回収する回収容器が設けられ、前記帰還経路の前記帰還流入口が該回収容器内に開口してなる請求項3記載の微小気泡発生機構。
  5. 液体入口と液体出口とを有し、前記液体入口から前記液体出口に向かう、前記送液経路の一部をなす流路が内部に形成された中空の流路形成部材を備え、該流路に前記絞り部が形成される一方、一端が前記絞り部に連通するとともに他端が前記流路形成部材の外周面側に開口する吸引孔が、前記帰還経路の一部として該流路形成部材に形成された気泡微小化ノズルが設けられている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の微小気泡発生機構。
  6. 前記絞り部は、前記流路内に配置された衝突部材と、前記流路内にて前記衝突部材の先端部と対向する絞りギャップ形成部とを備え、前記衝突部材の外面と前記流路の内面との間に迂回流路部が形成されるとともに、前記衝突部材と絞りギャップ形成部との間には、前記迂回流路部よりも低流量かつ高流速となるように液体流を絞りつつ通過させる絞りギャップが形成された構造を有するとともに、
    前記衝突部材には、前記流路形成部材の流路壁部とともに該衝突部材を突出方向に貫通する形にて前記吸引孔が、一端側が該衝突部材の先端側にて前記絞りギャップ内に開口し、他端側が前記流路壁部を貫通して壁部外面に開口する形で形成されている請求項5記載の微小気泡発生機構。
  7. 前記水迂回流路部は、前記流路内にて水流通方向から見て前記衝突部材の突出方向に関しその両側に形成されている請求項6記載の微小気泡発生機構。
  8. 前記衝突部材及び前記絞りギャップ形成部の前記絞りギャップを形成する各対向面の少なくともいずれかに減圧空洞が形成されている請求項6又は請求項7に記載の微小気泡発生機構。
  9. 前記絞りギャップ形成部は、前記流路の断面中心に関して前記衝突部材と反対側にて前記壁部内面から前記衝突部材に向けて突出する対向衝突部材として形成され、前記絞りギャップが前記衝突部材の突出方向先端部と前記対向衝突部材の突出方向先端部との間に形成されている請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の微小気泡発生機構。
  10. 前記気泡微小化ノズルの前記液体出口から噴出する前記気泡含有液体を回収する回収容器が設けられ、
    前記気泡微小化ノズルが前記回収容器内にて前記気泡含有液体の液面下に没する形態に配置され、該気泡微小化ノズルの前記吸引孔を前記帰還経路とする形で前記流路形成部材の外周面側の開口から該吸引孔を経て前記絞り部に前記気泡含有液体を吸引帰還させるようにした請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の微小気泡発生機構。
















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